説明

光ディスク記録装置およびコンテンツの記録方法

【課題】情報の記録・再生を行う光ディスクにおいて、他のユーザの使用した光ディスクに対して誤動作によってデータを消去してしまうことを防ぐ光ディスク記録装置およびコンテンツの記録方法を提供する。
【解決手段】光ディスクに記録されたドライブによる過去の記録履歴情報112から、過去に使用したことがある光ディスクかどうかを判断する手段308を具備し、使用したことがない光ディスクであると判断された場合は、記録を行って良いかどうかの確認メッセージを表示し、記録処理の実施をユーザの判断に委ねる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ディスクに記録再生を行う光ディスク記録装置およびコンテンツの記録方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、光ディスク記録・再生装置の普及が進んでいる。光ディスクは、録画した映像の保存目的で使用されることが多く、記録してあるデータを誤作動などによって消去しないことが求められている。
消去防止方法として、従来は、光ディスクが収納されているカートリッジケースにライトプロテクトタブを設け、このライトプロテクトタブを書込み禁止に設定することで行う方法(特許文献1)や、書き込み可能な光ディスクにデータの書き込みの許可、禁止を示す情報を書き込み、その情報を参照することで光ディスクの消去防止を行う方法(特許文献2)が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−100107号公報
【特許文献2】特開2003−272292号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、特許文献1の方法では、カートリッジケースに収納されない光ディスクの場合に消去防止が行われないという課題がある。近年普及している光ディスクは、カートリッジケースに収納されていないことが多いため、カートリッジケースによる消去防止を行うことが出来ない場合が多い。
特許文献2の方法でも、データの書込み禁止情報を書き込んでいない光ディスクに対しては、誤動作による消去を防ぐことが出来ず、更に、データの書き込みの許可、禁止を示す情報を光ディスクに記録する機能を持たない光ディスク記録装置で使用された光ディスクに対しても消去防止が行われないという課題がある。
近年、光ディスク記録・再生装置の普及により、1枚の光ディスクを複数の記録、再生機器で使用する機会が増えている。しかし、光ディスクに記録を行う度にデータの書き込みの禁止を示す情報を書き込み、次に使用する際にデータの書き込み禁止を解除してから使用するという使い方は、操作が煩雑になるため、データの書き込み禁止情報を使用していない場合も多く、誤動作による消去を防ぐことが出来ないという課題がある。例えば、友人から借りた光ディスクのデータを誤って消去してしまうことを防ぐことが出来ないという課題がある。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、情報の記録・再生を行う光ディスクにおいて、他のユーザの使用した光ディスクに対して誤動作によってデータを消去してしまうことを防ぐ光ディスク記録装置およびコンテンツの記録方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のコンテンツの記録方法は、光ディスクへの記録処理を行った場合、記録処理を行った記録装置を特定する情報及び記録処理の履歴を記録履歴情報として前記光ディスクに記録された光ディスクに記録処理を行う際、前記記録履歴情報を確認することで、この記録処理を行う記録装置が以前に前記光ディスクに対して記録処理を行ったことがあるか否かを判断するステップと、前記記録装置が以前に前記光ディスクに対して記録処理を行っていないと判断された場合、この旨を示す確認メッセージを出すことでユーザに前記記録処理の実行判断を委ねるステップとを備える。
本発明の光ディスク記録装置は、装置を特定する装置識別情報を格納する装置識別情報格納手段と、装置識別情報格納手段から取得した装置識別情報を含む記録履歴情報を作成する記録履歴作成手段と、光ディスクへのデータの記録、前記光ディスクに記録されたデータの再生を行い、前記光ディスクへの記録を行う際に前記記録履歴作成手段から取得した記録履歴情報を前記光ディスクに記録するデータ記録再生手段と、データ記録再生手段から取得した前記光ディスクの履歴情報に含まれる装置識別情報と装置識別情報格納手段から取得した装置識別情報を比較して以前に前記光ディスクに対して記録処理を行ったことがあるか否かを判断する記録履歴確認手段と、光ディスク記録装置全体の制御を行う装置制御手段と、記録、再生の指示を入力する入力手段とを備え、光ディスクへの記録を行う際に、前記記録履歴確認手段によって以前に前記光ディスクへの記録処理を行ったことがないと判断した場合は、前記装置制御手段から表示手段に対して確認メッセージの表示を指示し、前記表示手段は、前記確認メッセージと記録実行の可否の入力要求を表示し、前記入力手段による記録実行指示により、記録処理を実行するように構成したものである。
本発明の前記データ記録再生手段は、光ディスクドライブで構成されても良い。
本発明の前記記録履歴作成手段と前記記録履歴確認手段は前記光ディスクドライブに含まれても良い。
本発明の前記装置識別情報は、前記光ディスクドライブの識別情報であり、前記装置識別情報格納手段は、前記光ディスクドライブに含まれても良い。
本発明の前記記録履歴確認手段は、前記光ディスクから取得した最新の履歴情報と前記装置識別情報格納手段から取得した前記装置識別情報を比較して、記録処理を行ったことがあるか否かを判断しても良い。
光ディスクへの記録を行う際に、前記記録履歴確認手段によって以前に前記光ディスクへの記録処理を行ったことがないと判断した場合は、前記入力手段で入力されたユーザ情報に基づいて前記入力手段による記録実行指示を待つことなく記録処理の実行の要否を決定してもよい。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、光ディスクの記録履歴情報を確認することにより、過去に記録装置が記録処理を行ったことがある光ディスクかどうかを判定することが可能となり、記録を行ってはならない光ディスクに対して、記録してあるデータの誤動作による消去を防ぐことが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の実施例1における、光ディスクの構造を示す概念図
【図2】本発明の実施例1における、光ディスク装置の構成図
【図3】本発明の実施例1における、レコーダの構成図
【図4】本発明の実施例1における、レコーダで記録処理を行う手順を示したフローチャート
【図5】本発明の実施例1における、光ディスク装置で履歴情報での確認処理を行う手順を示したフローチャート
【図6】本発明の実施例1における、光ディスク装置で記録処理を行う手順を示したフローチャート
【図7】本発明の実施例1における、ユーザID毎に記録レベルを登録した履歴情報の概念図
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下では、図面を参照しながら本発明の実施例を説明する。
(実施例1)
図1は、本発明の実施例1による光ディスク101の構造を示す概念図である。
【0009】
光ディスク101は、Blu−ray Discなどの任意の光ディスクであり得る。光ディスク101には、複数のトラック116が同心円状に形成されている。あるいは、光ディスク101には、複数のトラック116がスパイラル状に形成されていても良い。
【0010】
光ディスク101の領域は、Lead−in Zone102とData Zone103とLead−out Zone104を含む。Data Zone103は、データの記録再生を行う領域である。Lead−out Zone104は、ディスクの管理情報や欠陥管理に用いるデータが格納されている領域である。
【0011】
Lead−in Zone102は、ディスク情報領域105とOPC領域106とDrive Area107とDMA領域108とを含む。ディスク情報領域105は、ディスクメーカの定めた記録再生条件等のディスク固有の情報が格納されている領域である。OPC領域106は、複数のトラック116で構成され、光ディスク101をアクセスするためのパラメータを決定するためデータを記録して調整処理を行う領域である。DMA領域108は、光ディスク101の欠陥管理情報が記録される領域である。Drive Area107は、光ディスク101に記録を行ったドライブの履歴を格納する領域で、1つ以上の装置識別情報110と装置固有情報111の組で構成される履歴情報112を含む。装置識別情報110には、光ディスク101に記録を行った装置を特定するためのドライブメーカ情報やドライブシリアルナンバーなどの情報が格納されており、装置固有情報111は、前記装置によって調整処理を行って得られた光ディスク101にアクセスするための最適な条件などの情報が格納されている。
なお、本実施例では、履歴情報112の格納領域に対してBlu−ray Disc規格で定義されているDrive Areaという名称を用いているが、他の光ディスクでは、同一の用途で用いられる異なる名称の領域のことを指している。例えば、DVD−RAMでは、履歴情報の格納領域はDisc Identification Zoneと定義されているが、本実施例では、Drive Areaと呼ぶこととする。
図2は、第1の実施例における光ディスク装置の構成を示す。
【0012】
光ディスク装置200は、光ディスク201を回転させるモータ202と、光ディスク101にレーザを照射するヘッド203と、ヘッド203から読み取られた信号の2値化やクロックの生成を行う信号処理手段204と、ヘッド203から出力されるレーザのパワーやパルス幅の設定を行うレーザ制御手段205と、モータ202の回転数やヘッド203の動作の制御を行うサーボ手段206と、レーザ制御手段205へのレーザパワーの設定やサーボ手段206への制御コマンドの発行を行い、光ディスク装置200全体の動作の制御や、信号処理手段204から読み取った信号を解釈し光ディスク201上のデータの取得を行うシステム制御手段207と、光ディスク101上のDrive Area107から取得した履歴情報112(装置識別情報110と装置固有情報111の組)を解釈し、光ディスク101が光ディスク装置200で使用されたことがあるかどうかを判断するとともに履歴情報112を作成する履歴情報解釈・作成手段208と、光ディスク装置200固有のIDである装置識別情報210を格納する装置識別情報格納手段209と、図示していないホストブロック(例えばホストPC)とのデータ送受信やコマンドの受信を行う通信手段212とから構成されている。
なお、装置識別情報格納手段209は、システム制御手段207上のメモリに存在してもよい。なお、本実施例では、履歴情報解釈・作成手段208はシステム制御手段207に内蔵されて光ディスク装置200内に存在しているが、独立した手段として光ディスク装置200内に存在しても良いし、他の手段の中に内蔵されていても良い。さらに、それぞれの手段(機能ブロック)を構成しているプログラムのステップとして存在していても良い。
以下では、第1の実施例におけるレコーダの構成について図を用いて説明する。
【0013】
図3は、第1の実施例におけるレコーダの構成を示すブロック図である。
【0014】
レコーダ300は、チューナ301から取得した放送コンテンツの光ディスク装置200に挿入されている光ディスク、図示していないHDDへの録画や、録画コンテンツや光ディスク装置200に挿入されている光ディスクから読み取った映像・音楽コンテンツの出力装置307での再生を行う。
光ディスク装置200は、光ディスク101へのデータの記録、光ディスク101に記録されたデータの再生を行い、光ディスク101への記録を行う際に履歴情報希釈・作成手段208から取得した履歴情報112を光ディスクに記録するデータ記録再生手段の役割を行う。
【0015】
入力信号処理手段302は、チューナ301から入力されたアナログ信号をデジタル信号に変換するA/Dコンバータや、スクランブルされたコンテンツをデコードするデコーダ、MPEG−2などの映像フォーマットに変換するエンコーダを備え、入力された映像・音声信号を所定の映像・音声フォーマット形式に変換する。
【0016】
出力信号処理手段306は、デジタル信号をアナログ信号に変換するD/Aコンバータや、MPEG−2などの映像フォーマットからのデコードを行うデコーダを備え、出力装置307への映像、音声出力を行う。
【0017】
レコーダ制御手段303は、レコーダ300の動作を制御し、光ディスク装置200で使用している光ディスクの使用履歴に応じて記録許可・禁止を切り替える履歴確認手段308を備えている。履歴確認手段308に関しては、後で図4を用いて詳細に説明する。
【0018】
操作入力手段305は、図示されていないリモコンやフロントパネルのボタンなどからのユーザ操作による入力を受け付ける。出力装置307は、テレビなどの映像、音声の出力装置である。
【0019】
レコーダ300の入力信号処理手段302、出力信号処理手段306、レコーダ制御手段303、操作入力手段305、光ディスク装置200は、バス304を介して相互接続されている。なお、本実施例では、履歴確認手段308はレコーダ制御手段303に内蔵されてレコーダ300内に存在しているが、独立した手段としてレコーダ300内に存在しても良いし、他の手段の中に内蔵されていても良い。さらに、それぞれの手段(機能ブロック)を構成しているプログラムのステップとして存在していても良い。なお、図2の装置識別情報格納手段209は、光ディスク装置200内ではなく、レコーダ300の独立した手段に存在しても良いし、他の手段の中に内蔵されていても良い。
【0020】
以下では、履歴確認手段308について、フローチャートを用いて詳細に説明する。図4は、レコーダ300で光ディスク装置200に挿入された光ディスクに対して記録動作を行う手順を表すフローチャートである。
【0021】
このフローチャートは、チューナ301で受信した放送信号を入力信号処理手段302でフォーマット変換して光ディスクに記録を行う手順を示している。
【0022】
ステップ401では、履歴確認手段308から光ディスク装置200にコマンドを発行して、光ディスクの履歴情報を確認する。光ディスクの履歴情報の確認方法に関しては、後で図5を用いて詳細に説明する。
【0023】
ステップ402で、履歴確認手段308で履歴情報が存在すると判断した場合は、ステップ405で記録処理を実施し、履歴情報が存在しないと判断した場合は、ステップ403に進む。
【0024】
ステップ403では、履歴確認手段308から出力信号処理手段306に対して確認メッセージの出力を要求し、出力装置307に表示する。確認メッセージとは、使用者に対して記録を行っても良いかどうかを確認するメッセージのことで、例えば、「今までに記録を行ったことがないディスクですが、記録してもよろしいですか?(Yes/No)」などのメッセージを指している。
【0025】
ステップ404では、確認メッセージに応じた使用者の操作入力手段305からの入力を履歴確認手段308によって判断し、記録を行わない(“No”)と判断した場合は、記録処理を終了する。記録実行が選択された(“Yes”)場合は、ステップ405に進んで、光ディスク装置200への記録コマンドを発行することによって記録処理を実施する。本記録処理の実施時に、光ディスク装置200で、装置識別情報210を基に生成した履歴情報を光ディスクに記録する。履歴情報の光ディスクへの記録処理に関しては、後で図6を用いて詳細に述べる。
【0026】
以上の手順によって、使用者が使ったことのない光ディスクに対して記録を行う際に、使用者による確認を行うことが可能となり、記録を行ってはならない光ディスクに誤動作によって記録を行ってしまうことを防ぐことが出来る。
【0027】
なお、図4では、チューナ301から受信した放送信号を記録する例について述べたが、光ディスク装置200に挿入された光ディスクへの記録処理であれば、どのような記録処理でも良い。例えば、図示されていないHDDからのデータコピー(ダビング)であっても良い。
【0028】
以下では、履歴情報確認処理について、フローチャートを用いて詳細に説明する。図5は、光ディスク装置200で履歴情報の確認動作を行う手順を表すフローチャートである。
このフローチャートは、レコーダ300からの履歴情報確認コマンドを受けて履歴情報解釈・作成手段208で光ディスク101の履歴情報を確認する手順を示している。
ステップ501では、光ディスク101のDrive Area107からヘッド203で読み取った信号を信号処理手段204で処理することによって、履歴情報112を取得する。履歴情報112は、1つ以上の装置識別情報110を含んでいる。
ステップ502では、履歴情報解釈・作成手段208で装置識別情報格納手段209に格納されている光ディスク装置200の装置識別情報210を取得する。
【0029】
ステップ503では、履歴情報解釈・作成手段208で、ステップ501で取得した1つ以上の装置識別情報110の中にステップ502で取得した装置識別情報210と一致するものがあるかどうかを調べ、一致するものがある場合は、ステップ505でレコーダ300に対する記録処理要求を通信手段212から返送し、一致するものがない場合は、ステップ504でレコーダ300に対する確認メッセージ出力要求を通信手段212から返送して処理を終了する。
【0030】
以下では、光ディスク装置200で光ディスクに記録を行う処理について、フローチャートを用いて詳細に説明する。図6は、光ディスク装置200で光ディスクに記録を行う手順を示したフローチャートである。
【0031】
ステップ601、602、603は、ステップ501、502、503と同一の処理のため、説明は省略する。なお、ステップ503での判定結果を光ディスク装置200の図示していないメモリに格納しておき、ステップ603の判定結果として使用しても良い。
【0032】
ステップ603において履歴情報解釈・作成手段208で一致する情報があると判定した場合は、ステップ607で履歴情報112の装置固有情報111から、記録時に設定する調整パラメータを取得する。調整パラメータとは、信号処理手段204、レーザ制御手段205、サーボ手段206などに対してシステム制御手段207によって設定を行うパラメータで、例えば、記録パワーやフォーカスバランス、RF信号の振幅制御パラメータを指す。
【0033】
なお、装置固有情報111から取得した調整パラメータをそのまま使用するのではなく、前記調整パラメータを初期値として再度調整を行っても良い。
【0034】
ステップ603で一致する情報がないと判定した場合は、ステップ604で調整を実施し、調整パラメータを得る。もちろん、履歴情報が存在しない光ディスクに対してはステップ603で一致する情報がないと判定される。
【0035】
ステップ605では、履歴情報解釈・作成手段208でステップ604で得た調整パラメータと、ステップ602で得た装置識別情報210から履歴情報112を生成する。
【0036】
ステップ606では、ステップ605で生成した履歴情報112を光ディスクのDrive Area107に記録する。
【0037】
ステップ608では、レーザ制御手段205、サーボ手段206によって光ディスクへの記録処理を実施する。
なお、履歴情報112の記録はステップ606のタイミングに限らず処理に余裕があるどのタイミングでも良い。例えば、ステップ608の記録処理の後に行っても良いし、光ディスクを光ディスク装置200から排出する直前に行っても良い。また、履歴情報は、すでに光ディスクに記録されている情報を並べ直して先頭(図1では#1)に記録を行っても良いし、最後に追加しても良い。
【0038】
以上の手順によって、光ディスクの履歴情報を参照することで、過去に使用したことのある光ディスクかどうかを判断することが可能となり、記録を行ってはならない光ディスクに誤動作によって記録を行ってしまうことを防ぐことが出来る。
【0039】
なお、図5のステップ503で装置識別情報210と一致するものがあるかどうかで確認メッセージ出力判定を行っているが、装置識別情報110の中で最も新しい情報と装置識別情報210を比較して、一致しない場合に、例えば、「前回他の装置で記録を行った光ディスクですが記録を行ってもよろしいですか?」という確認メッセージを出力しても良い。装置識別情報110の中での最も新しい情報かどうかの判断は、先頭に登録されている装置識別情報(図2の場合は#1)としても良いし、装置識別情報110に記録を行った日付情報が格納されている場合は、その情報を使用して判断しても良い。
【0040】
なお、履歴情報が存在しない光ディスクに対しては、確認メッセージとして、例えば、「初めて記録を行う光ディスクですが、記録を行ってもよろしいですか?」といった確認メッセージを表示しても良い。
【0041】
なお、レコーダの図示していないメモリに使用者毎の記録禁止レベルを格納し、使用者毎に記録禁止レベルの変更を行っても良い。例えば、特定の使用者に対しては、確認メッセージを出力するのではなく、他の機器で記録を行ったことがあるが、自機器での記録を行ったことがない光ディスクに対しては、記録を禁止することで、レコーダの使用に慣れていない人が誤動作によって光ディスクのデータを消去してしまうことを防ぐことが出来る。
さらに、使用者のユーザID(リモコンなどで入力)に関連付けた記録禁止レベルを光ディスクの履歴情報の中の装置固有情報に記録し、光ディスクの使用時にユーザIDに応じて処理を切り替えても良い。例えば、図7の履歴情報が登録されている光ディスクに対して、“XXX社”のドライブシリアルNo.“1001h”(“h”は16進数を示す)の光ディスク装置で記録を行う場合には、ユーザID“A”のユーザは記録確認メッセージを表示せずにユーザからの記録OKの入力を待つことなく、常に記録が可能となり、ユーザID“B”のユーザは常に記録確認メッセージを表示し、ユーザからの記録OKの判定が入力された場合に記録が可能となり、それ以外のユーザIDを持つユーザ(ユーザIDを入力しない場合も含む)は記録確認メッセージを表示せずにユーザからの記録OKの入力を待つことなく、記録を禁止するという使い方も考えられる。
【0042】
なお、家庭内で複数のレコーダ、プレーヤを所有している人に対して、確認メッセージの表示が頻発することを防ぐために、レコーダ300のメモリに家庭内の他の機器の装置識別情報をレコーダ300または光ディスク装置200の図示していないメモリに格納し、光ディスクに格納されている装置識別情報と比較を行っても良い。例えば、レコーダ300の装置識別情報(ドライブシリアルNo.以外の情報は省略する)を“1001h”とし、レコーダ300のメモリに他の機器の装置識別情報として“1002h”、“1003h”が登録されている場合には、履歴情報が“1001h”の場合だけでなく、“1002h”、“1003h”のいずれかまたは両方が格納されている場合にも、図4の402の判定を“Yes”としても良い。なお、レコーダ300に通信手段を備えて、記録を行う前に例えば家庭内ネットワークやインターネットなどのネットワークから他の機器の装置識別情報を取得しても良いし、SDカードなどの外部媒体読み取り手段を備えて、他の機器の装置識別情報を取得しても良い。さらに、例えば、ムービーで記録した光ディスクに対しては記録を禁止するというように、他の機器の装置の種別毎に記録禁止レベルを設定しても良い。
【0043】
なお、確認メッセージは、出力装置への映像表示だけに限らず、音声で表示しても良いし、レコーダのフロントパネルに表示しても良い。さらに、光ディスクやレコーダのEEPROMなどの不揮発なメモリに確認メッセージを表示したことを示す情報を格納することで、故障時などにサービスセンターで参照して解析効率を高めることが出来る。
【0044】
なお、本実施例では、レコーダから光ディスク装置に対して履歴情報の確認コマンドを発行する手順で確認メッセージの出力有無を判定していたが、レコーダからの光ディスク起動後の初めての記録コマンドに対して、光ディスク装置で履歴情報の確認を行い、自機器の装置識別情報と履歴情報が一致した場合は、記録を行い、一致しない場合は、確認メッセージの出力要求を返送しても良い。
【産業上の利用可能性】
【0045】
以上のように、本発明にかかる光ディスク記録装置およびコンテンツの記録方法は、光ディスクの記録履歴情報を確認することにより、過去に記録装置が記録処理を行ったことがある光ディスクかどうかを判定することが可能となるので、 レコーダ以外にPC等の他の機器にも適用できる。
【符号の説明】
【0046】
101 光ディスク
102 Lead−in Zone
103 Data Zone
104 Lead−out Zone
105 ディスク情報領域
106 OPC領域
107 Drive Area領域
108 DMA領域
110 装置識別情報
111 装置固有情報
200 光ディスク装置
202 モータ
203 ヘッド
204 信号処理手段
205 レーザ制御手段
206 サーボ手段
207 システム制御手段
208 履歴情報解釈・作成手段
209 装置識別情報格納手段
210 装置識別情報
212 通信手段
300 レコーダ
301 チューナ
302 入力信号処理手段
303 レコーダ制御手段
304 バス
305 操作入力手段
306 出力信号処理手段
307 出力装置
308 履歴確認手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光ディスクへの記録処理を行った場合、記録処理を行った記録装置を特定する情報及び記録処理の履歴を記録履歴情報として記録された前記光ディスクに記録処理を行う際、前記記録履歴情報を確認することで、この記録処理を行う記録装置が以前に前記光ディスクに対して記録処理を行ったことがあるか否かを判断するステップと、
前記記録装置が以前に前記光ディスクに対して記録処理を行っていないと判断された場合、この旨を示す確認メッセージを出すことでユーザに前記記録処理の実行判断を委ねるステップと
を備えた、コンテンツの記録方法。
【請求項2】
装置を特定する装置識別情報を格納する装置識別情報格納手段と、
前記装置識別情報格納手段から取得した装置識別情報を含む記録履歴情報を作成する記録履歴作成手段と、
光ディスクへのデータの記録、前記光ディスクに記録されたデータの再生を行い、前記光ディスクへの記録を行う際に前記記録履歴作成手段から取得した記録履歴情報を前記光ディスクに記録するデータ記録再生手段と、
データ記録再生手段から取得した前記光ディスクの履歴情報に含まれる装置識別情報と装置識別情報格納手段から取得した装置識別情報を比較して以前に前記光ディスクに対して記録処理を行ったことがあるか否かを判断する記録履歴確認手段と、
光ディスク記録装置全体の制御を行う装置制御手段と、
記録、再生の指示を入力する入力手段とを備え、
光ディスクへの記録を行う際に、前記記録履歴確認手段によって以前に前記光ディスクへの記録処理を行ったことがないと判断した場合は、前記装置制御手段から表示手段に対して確認メッセージの表示を指示し、前記表示手段は、前記確認メッセージと記録実行の可否の入力要求を表示し、前記入力手段による記録実行指示により、記録処理を実行する、光ディスク記録装置。
【請求項3】
前記データ記録再生手段は、光ディスクドライブによって構成される、請求項2記載の光ディスク記録装置。
【請求項4】
前記記録履歴作成手段と前記記録履歴確認手段は前記光ディスクドライブに含まれる、請求項3記載の光ディスク記録装置。
【請求項5】
前記装置識別情報は、前記光ディスクドライブの識別情報であり、前記装置識別情報格納手段は、前記光ディスクドライブに含まれる、請求項3記載の光ディスク記録装置。
【請求項6】
前記記録履歴確認手段は、前記光ディスクから取得した最新の履歴情報と前記装置識別情報格納手段から取得した前記装置識別情報を比較して、記録処理を行ったことがあるか否かを判断する、請求項2記載の光ディスク記録装置。
【請求項7】
光ディスクへの記録を行う際に、前記記録履歴確認手段によって以前に前記光ディスクへの記録処理を行ったことがないと判断した場合は、前記入力手段で入力されたユーザ情報に基づいて前記入力手段による記録実行指示を待つことなく記録処理の実行の要否を決定する、請求項2記載の光ディスク記録装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−159354(P2011−159354A)
【公開日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−20040(P2010−20040)
【出願日】平成22年2月1日(2010.2.1)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】