説明

光トランシーバ、光通信用基板、及び光通信機器

【課題】光通信機器の本体から容易に抜き差しすることができる光トランシーバ及び光通信用基板、これら光トランシーバ及び光通信用基板を具える光通信機器を提供する。
【解決手段】光トランシーバ1Aは、光コネクタ部11と、発光素子12と、受光素子13と、光通信用基板(ホスト基板)と発光素子12や受光素子13との間で電気信号を送受するために光トランシーバ1Aをホスト基板に電気的に接続させる電気コネクタ部16と、これらの構成部品を収納する筐体15Aとを具える。光コネクタ部11と電気コネクタ部16とは、直方体状の筐体15Aの同一面側に配置されている。光トランシーバ1Aを光通信機器の本体に収納されるホスト基板に装着した状態では、当該本体の一端面側に光トランシーバ1Aが配置され、当該本体の逆側に光ケーブルなどの配線が配置されることで、光トランシーバ1Aの抜き差しを容易に行える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光通信の送受信に利用される光トランシーバ、光通信用基板、及び光通信機器に関するものである。特に、光通信機器の本体に対して容易に抜き差しできる光トランシーバに関するものである。
【背景技術】
【0002】
昨今、光LAN(Local Area Network)といった、光ケーブルを用いた通信網が構築され、10Gbps,100Gbpsといったギガビット/秒級の高速光通信が行われている。光通信には、例えば、光信号と電気信号とを相互に変換する機能を有する送受信機が利用される。上記高速光通信に用いられる送受信機として、通信事業者の局舎などに設置される光通信機器の本体に対して、活線で抜き差しが可能な小型なもの、代表的には、MSA(Multi Source Agreement)と呼ばれる標準規格のSFP(Small Form factor Pluggable)型やXFP(10(X) Gigabit Small Form Factor Pluggable)型の光トランシーバがある。
【0003】
上記SFP型などの光トランシーバ100は、例えば、図7に示すように、光ケーブル301が接続される光コネクタ部101t及び発光素子102を具えるTOSA(Transmitter Optical Sub-Assembly)110tと、別の光ケーブル302が接続される光コネクタ部101r及び受光素子103を具えるROSA(Receiver Optical Sub-Assembly)110rと、TOSA 110t,ROSA 110rが接続されたり、各種の回路部品104cが実装される回路基板104と、これらの構成要素を収納する筐体105とを具える(例えば、特許文献1参照)。TOSA 110t,ROSA 110rは、回路基板105の一端部に接続され、回路基板105の他端部側には、光通信機器200の本体201に収納される光通信用基板(以下、ホスト基板210と呼ぶ)に設けられた接続部211に電気的に接続される電気コネクタ部106が形成されている。筐体105は、代表的には、直方体状であり、両端面が開口しており、光コネクタ部101t,101rに対する光ケーブル301,302の抜き差しや、接続部211に対する電気コネクタ部106の抜き差しが行えるようになっている。
【0004】
光通信機器200の本体201は、代表的には、直方体状であり、複数のホスト基板210が、各ホスト基板210の実装面が互いに平行するように収納される。各ホスト基板210には、回路部品210cが適宜実装されると共に、開口部213を有するベゼル212が設けられ、この開口部213に光トランシーバ100が挿入される。また、各ホスト基板210は、電気信号を伝送する電気ケーブル310(例えば、イーサネット(登録商標)規格の1000BASE-TのLANケーブル)が接続される。
【0005】
その他、光通信機器の本体に収納される回路基板(以下、双方向光通信用基板と呼ぶ)自体に、発光素子及び受光素子と、光ケーブルが接続される光コネクタ部と、電気ケーブルが接続される電気コネクタ部とを具えて、送受信を行う形態も利用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009-152428号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
光トランシーバ100やホスト基板210、上記双方向光通信用基板は、保守・点検、種々の要求に応じた構成部品の交換などを適宜行う。これら交換などを行うにあたり、光トランシーバ100やホスト基板210、上記双方向光通信用基板を光通信機器200の本体201から抜き取ったり、差し入れたりする必要がある。
【0008】
ここで、図7(II)に示すように、光通信機器200の本体201の一端面(ここでは前面と呼ぶ)に、光ケーブル301,302、電気ケーブル310、適宜光トランシーバ100が配置された形態が通常、利用されている。そして、光トランシーバ100やホスト基板210、上記双方向光通信用基板の抜き差しは、通常、上記本体201の前面から行う。すると、上記配置形態では、光ケーブル301,302などの配線の延長方向と、光トランシーバ100やホスト基板210、上記双方向光通信用基板の抜き差し方向とが同じであるため、特定の光トランシーバやホスト基板、上記双方向光通信用基板のみを抜き差しし難い、という問題がある。
【0009】
上述のように一つの光通信機器200の本体201に複数(例えば、最大16個)のホスト基板210や上記双方向光通信用基板が収納され、局舎には、このような光通信機器200が複数、隣接して、或いは積層して配置される。従って、上記光ケーブル301,302などの配線の本数も非常に多いことから、通常、これらの配線を束ねている。しかし、これらの配線を束ねていることで、特定の一つのホスト基板やこの基板に接続される光トランシーバ、上記双方向光通信用基板を抜き差しするにあたり、当該ホスト基板(或いは上記双方向光通信用基板)に隣接する別のホスト基板(或いは上記双方向光通信用基板)に接続される配線が引っ掛かったり、最悪の場合、通信中に抜ける恐れがある。配線の引っ掛かりを防止するために、上記隣接する別のホスト基板(或いは上記双方向光通信用基板)に接続される配線を抜くと、作業性が悪いだけでなく、通信を行えないユーザが出てくるため、好ましくない。
【0010】
従って、一つの光通信機器に対して複数のホスト基板や上記双方向光通信用基板が配置された場合であっても、任意のホスト基板やこの基板に接続される光トランシーバ、上記双方向光通信用基板を容易に抜き差し可能なことが望まれる。
【0011】
そこで、本発明の目的の一つは、光通信機器の本体に対して容易に抜き差しできる光トランシーバを提供することにある。
【0012】
また、本発明の目的の一つは、光通信機器の本体に対して容易に抜き差しできる光通信用基板を提供することにある。
【0013】
更に、本発明の他の目的は、上記光トランシーバや上記光通信用基板を容易に抜き差しできる光通信機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
従来のSFP型、XFP型の光トランシーバは、光コネクタ部と電気コネクタ部とがそれぞれ直方体状の筐体の一端面側、及びその対向面側(逆側)に配置されている。これに対して、本発明では、例えば、光トランシーバに具える光コネクタ部と電気コネクタ部とを筐体の同じ端面側に配置させた構成とすることで、上記目的を達成する。
【0015】
本発明の光トランシーバは、光通信機器の本体に配置される光通信用基板に対して抜き差し可能に装着されるものであり、光コネクタ部と、電気コネクタ部と、筐体とを具える。上記光コネクタ部は、当該光トランシーバを上記光通信用基板と光学的に接続する。上記電気コネクタ部は、当該光トランシーバを前記光通信用基板と電気的に接続する。上記筐体は、上記光コネクタ部及び上記電気コネクタ部を有する。そして、本発明光トランシーバでは、上記光コネクタ部は、上記電気コネクタ部と上記筐体の同一面側に配置されている。
【0016】
本発明の光通信用基板は、光通信機器の本体に収納されて、光トランシーバが抜き差し可能に装着されるものであり、当該光トランシーバとして、上記本発明光トランシーバが装着される。即ち、この光トランシーバは、当該光トランシーバを上記光通信用基板と光学的に接続するためのトランシーバ側光コネクタ部と、当該光トランシーバを上記光通信用基板と電気的に接続するためのトランシーバ側電気コネクタ部と、上記トランシーバ側光コネクタ部及び上記トランシーバ側電気コネクタ部を有する筐体とを具える。上記トランシーバ側光コネクタ部は、上記電気コネクタ部と上記筐体の同一面側に配置されている。そして、本発明光通信用基板は、光電接続部と、基板側光コネクタ部と、基板側電気コネクタ部とを具える。上記光電接続部は、上記トランシーバ側光コネクタ部及び上記トランシーバ側電気コネクタ部の双方が接続される。上記基板側光コネクタ部は、上記光電接続部と光ケーブルとを光学的に接続する。上記基板側電気コネクタ部は、上記光電接続部と電気ケーブルとを電気的に接続する。更に、本発明光通信用基板は、上記光トランシーバを抜き差しする側とは逆側に、上記基板側光コネクタ部及び上記基板側電気コネクタ部の少なくとも一方を具える。
【0017】
本発明の光通信機器は、少なくとも1つの光通信用基板と、この光通信用基板に対して抜き差し可能に装着される光トランシーバと、上記光通信用基板が抜き差し可能に装着される本体とを具える。そして、本発明光通信機器では、上記光トランシーバとして上記本発明光トランシーバを具え、上記光通信用基板として、上記本発明光通信用基板を具える。即ち、この光トランシーバは、当該光トランシーバを上記光通信用基板と光学的に接続するためのトランシーバ側光コネクタ部と、当該光トランシーバを上記光通信用基板と電気的に接続するためのトランシーバ側電気コネクタ部と、上記トランシーバ側光コネクタ部及び上記トランシーバ側電気コネクタ部を有する筐体とを具える。上記トランシーバ側光コネクタ部は、上記電気コネクタ部と上記筐体の同一面側に配置されている。また、上記光通信用基板は、上記トランシーバ側光コネクタ部及び上記トランシーバ側電気コネクタ部の双方が接続される光電接続部と、上記光電接続部と光ケーブルとを光学的に接続するための基板側光コネクタ部と、上記光電接続部と電気ケーブルとを電気的に接続するための基板側電気コネクタ部とを具える。更に、この光通信用基板は、上記光トランシーバを抜き差しする側とは逆側に、上記基板側光コネクタ部及び上記基板側電気コネクタ部の少なくとも一方を具える。
【0018】
本発明光トランシーバは、光通信用基板と光学的に接続するための光コネクタ部を具え、この光コネクタ部は、電気コネクタ部と筐体における同一面に配置されていることから、光通信機器の周辺に配置される光ケーブルを、光通信用基板を介して間接的に当該光トランシーバに接続することができる。このため、従来のように光トランシーバの一面(例えば、前面)側に光ケーブルを直接接続する必要がない。即ち、光通信機器に収納された光通信用基板に本発明光トランシーバを接続させた状態として、例えば、光通信機器の本体の一端面(例えば、前面)側から光ケーブルが突出せず、当該光トランシーバが上記本体の一端面側に配置された状態とすることができる。このように光トランシーバと上記配線とを上記本体における異なる面に配置できることで、上記配線が本発明光トランシーバの抜き差しの邪魔にならず、本発明光トランシーバを上記本体の一端面側から容易に抜き差しすることができる。特に、複数の光通信用基板が隣接して光通信機器に収納されている場合にも、抜き差しを行う光トランシーバが接続される光通信用基板に隣接する別の光通信用基板から延びる配線に邪魔されることがない。このため、抜き差しする光トランシーバとは無関係な別の光通信用基板を利用するユーザへの提供サービスを遮断する必要がない。
【0019】
また、上記本発明光トランシーバが装着される本発明光通信用基板を用いれば、当該本発明光通信用基板を光通信機器に収納した状態とすることによって、上述のように光通信機器の本体の一端面に光トランシーバが存在し、光ケーブルなどの配線が配置されない状態とすることができる。そのため、上述のように複数の光通信用基板が隣接して光通信機器に収納されている場合にも、本発明光通信用基板を上記本体の一端面側から容易に抜き差しすることができる。
【0020】
更に、上記本発明光トランシーバ及び本発明光通信用基板を具える本発明光通信機器も、上述のように光通信機器の本体に対して、光トランシーバの突出面や光通信用基板の抜き差し面と光ケーブルなどの配線の配置面とを異ならせることができる。本発明光通信機器から、光トランシーバや光通信用基板を抜き差しする側と上記光ケーブルなどの配線を抜き差しする側を異ならせることで、光トランシーバや光通信用基板を容易に抜き差しできる。特に、複数の光通信用基板が隣接して本発明光通信機器に収納されている場合にも、所望の光通信用基板やこの基板に装着された光トランシーバを容易に抜き差しすることができる。
【0021】
上述のように本発明によれば、光通信に利用される部品の保守・点検、交換などを容易に行え、作業性に優れる。また、本発明によれば、送受信波長帯が異なったトランシーバや長距離化に対応したトランシーバに交換することで、光通信通基板の仕様変更が容易に行える。更に、本発明光トランシーバや本発明光通信用基板の交換などにあたり、当該光トランシーバなどを抜き差しする際に光ケーブルなどの配線に引っ掛かったり、光通信用基板から配線が抜ける、といった問題が生じ難い。従って、本発明によれば、本発明光通信機器に接続される光ケーブルなどの配線の管理も行い易い。
【0022】
本発明光トランシーバの代表的な形態としては、当該光トランシーバが接続される光通信用基板の実装面に対して、(トランシーバ側)光コネクタ部と(トランシーバ側)電気コネクタ部とが上下に積層された縦積み形態、或いは左右に並ばれた横並び形態が挙げられる。
【0023】
本発明光トランシーバの一形態として、当該光トランシーバを上記光通信用基板から抜き取る方向を上記筐体の前側とするとき、上記光コネクタ部が上記筐体の後側に配置され、上記光通信用基板を介して光ケーブルと接続される形態が挙げられる。
【0024】
上記形態によれば、上記筐体における抜き取り方向後側で、上記光通信用基板を介して当該光トランシーバと光ケーブルとが接続されることから、光通信機器の本体の一端面(例えば、前面)側から光ケーブルなどの配線が突出せずに、当該光トランシーバが上記光通信用基板に配置された状態にすることができる。従って、この形態によれば、上述のように本発明光トランシーバを上記本体の一端面側から容易に抜き差しすることができる。なお、筐体には、通常、通信用基板に固定するための係合部を設ける。この係合部として、筐体の一部を切り欠いて形成した弾性片が利用できる。上記筐体の抜き取り方向は、当該光トランシーバが装着される光通信用基板との関係の他、この弾性片の形状や位置により当該光トランシーバ自体からも判断することができる。
【0025】
本発明光トランシーバの一形態として、上記電気コネクタ部が設けられる回路基板の面方向で上記電気コネクタ部と並んで上記光コネクタ部が配置されている形態が挙げられる。面方向で並ぶとは、代表的には、同一面上で並列に配置される状態を言う。この形態の場合は、代表的には、上記横並び形態を好適に利用することができる。
【0026】
上記形態では、従来の光トランシーバと同様に、上記両光素子が接続される回路基板と上記電気コネクタ部が形成される回路基板とを共通の一つのものとする。従って、上記形態によれば、本発明光トランシーバの筐体に収納される回路基板が一つであることで、部品点数や組立工程数の増加を抑制することができる。
【0027】
本発明光トランシーバの一形態として、上記光コネクタ部を具える一芯双方向光モジュールと、上記電気コネクタ部が設けられる回路基板と、上記一芯双方向光モジュールと上記回路基板とを接続するフレキシブルプリント配線板とを具える形態が挙げられる。
【0028】
本発明光トランシーバは、発光素子及び受光素子のそれぞれが個々の光部品、具体的には上述したTOSAやROSAといった光部品を具える形態とすることができる。一方、発光素子及び受光素子の双方を有する一芯双方向光モジュールを具える形態とすると、(1)光トランシーバをより小型にできる、(2)部品点数の低減により光トランシーバの生産性に優れる、(3)上記別個の光部品を具える場合に比較して、光トランシーバに(間接的に)接続される光ケーブルの本数を低減でき、当該配線自体の抜き差しの作業性を向上したり、管理し易くすることができる、という効果を奏する。
【0029】
また、上記電気コネクタ部が形成された回路基板と上記一芯双方向光モジュールとが、ピンにより接続された形態とすることができる。一方、上記回路基板と上記光モジュールとの両者が上述のようにフレキシブルプリント配線板(FPC)により接続された形態とすると、本発明光トランシーバの筐体内における上記両者の配置位置によらず、即ち、上述した縦積み形態でも横並び形態でも上記両者を容易に接続できる。特に、上記光モジュール自体がFPCを具える形態であり、このFPCを上記回路基板に接続する構成とすると、光トランシーバの生産にあたり当該光モジュールとFPCとの接続工程が不要であり、生産性に優れる。
【0030】
本発明光通信用基板の一形態として、上記光トランシーバを抜き差しする側とは逆側に、上記基板側光コネクタ部、及び上記基板側電気コネクタ部の双方を具える形態が挙げられる。また、本発明光通信機器の一形態として、当該光通信機器に具える光通信用基板が、上記光トランシーバを抜き差しする側とは逆側に、上記基板側光コネクタ部及び上記基板側電気コネクタ部の双方を具える形態が挙げられる。この形態において、本発明光通信機器に具える上記本体に対して上記光通信用基板は、上記光トランシーバを抜き差しする側から抜き差しされることが好ましい。
【0031】
上記形態によれば、上記基板側光コネクタ部に接続される光ケーブルのような配線は、本発明光通信機器に具える本体に対して、上記光トランシーバを抜き差しする側と異なる側に配置される。代表的には、上記配線は、上記本体において上記光トランシーバを抜き差しする側と対向側(反対側)に配置される。従って、上記光トランシーバの抜き差しにあたり、上記光ケーブルなどの配線が邪魔になることが無い。また、本発明光通信機器に具える本体に対して、上記光トランシーバを抜き差しする側と上記光通信用基板自体を本発明光通信機器から抜き差しする側とを同じ側にすることで、当該光通信用基板の抜き差しにあたり、上記光ケーブルなどの配線が邪魔になることが無い。従って、上記形態によれば、上記光トランシーバや上記光通信用基板を容易に抜き差しすることができる。
【0032】
本発明の光通信用基板の別の形態として、以下の光通信用基板が挙げられる。この本発明の光通信用基板は、光通信機器の本体に抜き差し可能に収納されて、光ケーブル及び電気ケーブルがそれぞれ取り外し可能に装着されるものであり、当該光通信用基板を上記光ケーブルと接続するための光コネクタ部と、当該光通信用基板を上記電気ケーブルと接続するための電気コネクタ部とを具える。そして、この光通信用基板は、上記光通信機器から当該光通信用基板を抜き取る方向を当該光通信用基板の前側とするとき、当該光通信用基板の後側に、上記光コネクタ部及び電気コネクタ部の少なくとも一方を具える。
【0033】
上述した従来の双方向光通信用基板では、上記光通信機器に収納された状態において、上述した光ケーブルのような配線の抜き差しを行う当該光通信機器の本体の一端面側に位置するように、光コネクタ部及び電気コネクタ部が設けられている。そのため、上記本体の一端面に上記光コネクタ部や上記電気コネクタ部に接続される上記配線が存在する。これに対して、上記本発明光通信用基板では、光通信機器に収納された状態において、上記配線の抜き差しを行う当該光通信機器の本体の一端面に、光コネクタ部や電気コネクタ部が配置されない。そのため、上記本体の一端面に上記配線が配置されていない。従って、上述のように複数の光通信用基板が隣接して光通信機器に収納されている場合にも、本発明光通信用基板を上記本体の一端面側から容易に抜き差しすることができる。特に、上記抜き取り方向後方側に、上記光コネクタ部及び電気コネクタ部の双方を具える形態とすると、この形態の本発明光通信用基板を光通信機器の本体から一端面から抜き差しするにあたり、当該本体の一端面に光ケーブル及び電気ケーブルの双方が配置されていないことから、上記抜き差しを更に行い易い。また、このような本発明光通信用基板を具える本発明光通信機器は、当該光通信用基板の抜き差しが行い易く、保守・点検、交換などの作業性に優れる。
【発明の効果】
【0034】
本発明光トランシーバ、及び本発明光通信用基板は、光通信機器の本体に対して容易に抜き差しすることができる。本発明光通信機器は、光トランシーバや光通信用基板の抜き差しを容易に行える。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】図1は、実施形態1の縦積み型光トランシーバの概略構成を模式的に示す側面図であり、図1(I)は、筐体の一部を切り欠いて示す部分切欠透視図、図1(II)は、筐体の一部を切断して示す部分断面図である。
【図2】図2は、実施形態1の光トランシーバを実施形態1の光通信用基板に接続する状態を模式的に示す説明図である。
【図3】図3は、実施形態2の横並び型光トランシーバの概略構成を模式的に示す平面図である。
【図4】図4は、実施形態3の横並び型光トランシーバの概略構成を模式的に示す平面図である。
【図5】図5は、実施形態4の縦積み型光トランシーバの概略構成を模式的に示す部分切欠透視図である。
【図6】図6は、実施形態5の縦積み型光トランシーバの概略構成を模式的に示す部分切欠透視図である。
【図7】図7(I)は、従来の光トランシーバの概略構成を模式的に示す平面図、図7(II)は、従来のトランシーバを従来の光通信機器のホスト基板に接続する状態を模式的に示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。以下の図において、同一符号は、同一名称物を示す。
【0037】
(実施形態1)
以下、図1,2を参照して、実施形態1の光トランシーバ1A、通信用基板(以下、ホスト基板と呼ぶ)21、及び光通信機器(図示せず)を説明する。
【0038】
≪光トランシーバ≫
光トランシーバ1Aは、光通信に利用される送受信機であり、光通信機器(図示せず)の本体(図示せず)に収納されるホスト基板21(図2)に対して抜き差し可能に装着される。この光トランシーバ1Aの基本的な構成要素は、上述した従来のSFP型、XFP型光トランシーバと同様であり、光コネクタ部11と、発光素子12と、受光素子13と、回路基板14Aと、筐体15Aと、電気コネクタ部16とを具える。光トランシーバ1Aの特徴とするところは、光コネクタ部11と電気コネクタ部16との配置にある。以下、各構成要素を詳細に述べる。
【0039】
[一芯双方向光モジュール]
光トランシーバ1Aでは、レーザダイオード(LD)といった発光素子12、及びフォトダイオード(PD)といった受光素子13の双方と光コネクタ部11とが一つの筐体に収納された一芯双方向光モジュール10Aを具える。この光モジュール10Aは、発光素子12の出射光を透過させると共に、光コネクタ部11に(間接的に)接続される光ケーブル303(図2)からの出射光を反射させるハーフミラーなどの光路変更素子10mを具えることで、両光素子12,13が一芯の光ケーブル303を共用する。発光素子12は、ホスト基板21からの電気信号を光コネクタ部11に伝達する光信号に変換し、受光素子13は、光コネクタ部11からの光信号をホスト基板21に伝達する電気信号に変換する。
【0040】
また、光トランシーバ1Aでは、一芯双方向光モジュール10Aとして、各光素子12,13からの電気信号、或いは各光素子12,13への電気信号の送受に利用する信号経路や電源供給路をフレキシブルプリント配線板(FPC)17A1,17A2により構成するものを利用している。FPC 17A1,17A2には、後述する回路基板14Aに接続可能なコネクタ部を具えると、回路基板14Aに容易に接続することができて好ましい。その他、一芯双方向光モジュール10Aは、集光レンズやフェルールを具えるものなど、公知の構成のものを適宜利用できる。なお、両光素子12,13の少なくとも一方の信号経路などに利用されるFPCをピンに変更することができる(図3参照)。
【0041】
光コネクタ部11は、公知の種々の形態のものを利用することができ、例えば、SC型コネクタ、FC型コネクタ、MU型コネクタと呼ばれるものが挙げられる。
【0042】
[回路基板]
光トランシーバ1Aは、リジットプリント配線板からなる回路基板14Aを一つ具える。回路基板14Aは、上述した一芯双方向光モジュール10AのFPC 17A1,17A2が接続される他、図示しない回路部品、例えば、トランシーバICなどが実装される。回路基板14Aの一端部側には、電気コネクタ部16が形成されており、後述するホスト基板21に具える光電接続部22及び基板側電気コネクタ部24を介して、電気信号を伝送する外部の電気ケーブル(例えば、1000BASE-TのLANケーブル)310が接続される。
【0043】
[筐体]
筐体15Aは、直方体状であり、一端面側が開口しており、開口部から光コネクタ部11が見える状態である。この開口部により、光コネクタ部11と後述する光電接続部22とが接続可能である。また、上記開口する一端面に繋がる一面の一部が切り欠かれ、図7(II)に示す従来の光トランシーバ100と同様に、この切り欠かれた箇所から電気コネクタ部16が露出された状態である。電気コネクタ部16が露出されていることで、後述する光電接続部22に接続可能である。
【0044】
[光コネクタ部と電気コネクタ部との配置状態]
そして、光トランシーバ1Aでは、一芯双方向光モジュール10Aの光コネクタ部11と、回路基板14Aに形成された電気コネクタ部16とが筐体15Aの同一面側(ここでは、上述した開口され一端面側)に配置されている点が、光コネクタ部と電気コネクタ部とが回路基板の各端部側にそれぞれ形成された従来の光トランシーバと異なる。
【0045】
光トランシーバ1Aは、後述するホスト基板21に接続された状態において、ホスト基板21の実装面に対して光コネクタ部11が上側、電気コネクタ部16が下側に位置するように上下に積層された縦積み形態である。このような積層構造となるようにFPC 17A1,17A2と回路基板14Aとが接続されている。また、筐体15Aは、上記積層状態の光コネクタ部11及び電気コネクタ部16と、FPC 17A1,17A2により接続された一芯双方向光モジュール10Aと、回路基板14Aとが収納できるように形成されている。
【0046】
また、筐体15Aにおいて上記光コネクタ部11及び電気コネクタ部16が配置される一端面は、光トランシーバ1Aを後述するホスト基板21から抜き取るとき、抜き取り方向後方に配置される端面(後側面)である。この点は、後述する実施形態2〜5も同様である。
【0047】
≪ホスト基板≫
光トランシーバ1Aが接続されるホスト基板21は、光トランシーバ1Aの(トランシーバ側)光コネクタ部11が光学的に接続されると共に、(トランシーバ側)電気コネクタ部16が電気的に接続される光電接続部22を具える。光電接続部22は、光トランシーバ1Aの光コネクタ部11及び電気コネクタ部16の縦積み形態に対応して、光学的接続部(図示せず)と電気的接続部(図示せず)とが上下に積層されて構成されている。
【0048】
また、ホスト基板21は、光トランシーバ1Aを抜き差しする側(図2では左側)と対向する逆側(図2では右側)に、上記光電接続部22に光学的に接続される基板側光コネクタ部23と、上記光電接続部22に電気的に接続される基板側電気コネクタ部24との双方を具える。そして、基板側光コネクタ部23に、発光素子12からの光信号や受光素子13への光信号が伝送される外部の光ケーブル303が接続され、基板側電気コネクタ部24に、発光素子12への電気信号や受光素子13からの電気信号、電源用の電気信号が伝送される外部の電気ケーブル310が接続される。即ち、光トランシーバ1Aは、従来の光トランシーバと異なり、光コネクタ部11に外部の光ケーブル310が直接接続されず、ホスト基板21を介して間接的に接続される。
【0049】
ホスト基板21における基板側光コネクタ部23及び基板側電気コネクタ部24の配置位置は、任意の位置を選択することができる。例えば、基板側光コネクタ部23及び基板側電気コネクタ部24の一方が、ホスト基板21において光トランシーバ1Aを抜き差しする側と同じ側に設けられた形態とすることができる。これに対して、上述のようにホスト基板21において光トランシーバ1Aを抜き差しする側との対向側にこれらコネクタ部23,24の双方を設けると、光トランシーバ1Aやホスト基板21の抜き差しだけでなく、光ケーブル303や電気ケーブル310の抜き差しや管理を行い易い。
【0050】
ここでは、光電接続部22と基板側光コネクタ部23とは、ホスト基板21に別途設けた光ファイバ25により光学的に接続される。光ファイバ25に代えて、例えば、光導波路といった光伝送媒体を利用することができる。光電接続部22と基板側電気コネクタ部24とは、ホスト基板21に形成されたパタンや別途設けた配線により電気的に接続される。上記パタンや配線の途中には、LSIなどの回路部品21cが適宜介在される。
【0051】
その他、ホスト基板21には、代表的には、光トランシーバ1Aが挿入されるケージ(図示せず)や放熱部材(図示せず)、ケージの開口部に連結する開口部を有するベゼル(図示せず)が設けられる。上述した縦積み形態の光トランシーバ1Aが抜き差しされるケージやベゼルの開口部は、当該光トランシーバ1Aの外形に適合するように適宜形状や大きさを調整する。
【0052】
≪光通信機器≫
上述した光トランシーバ1Aが接続されるホスト基板21は、図示しない光通信機器の本体に収納される。この本体は、直方体状であり、上述した光電接続部22を具える複数のホスト基板21が、各実装面が平行するように並べられて収納可能なように、適宜大きさを調整することができる。また、各ホスト基板21は、図7(II)に示すように、通常、ホスト基板21の実装面が水平面に対して垂直になるように上記本体に収納される。
【0053】
この光通信機器に上記ホスト基板21が収納され、更に光トランシーバ1A、及び光ケーブル303,電気ケーブル310が接続された状態では、本体の一端面(ここでは前面とする)側に光トランシーバ1Aの筐体15Aの一端面(ここでは、筐体15Aにおいて光コネクタ部11及び電気コネクタ部16が配置される端面に対向する端面(図1では右側の端面))が突出され、本体の前面と対向する背面側にホスト基板21に接続された光ケーブル303及び電気ケーブル310が配置された状態となる。
【0054】
そして、この光通信機器では、当該光通信機器の本体に対してホスト基板21を抜き差しする側を光トランシーバ1Aを抜き差しする側と同一とし、光ケーブル303及び電気ケーブル310を抜き差しする側と異ならせている。より具体的には、光トランシーバ1Aとホスト基板21とは、上記本体の前面から抜き差しが行われ、光ケーブル303と電気ケーブル310とは、上記本体の背面から抜き差しが行われる。
【0055】
≪効果≫
上記構成を具える光トランシーバ1Aでは、光通信機器のホスト基板21から抜き差しするにあたり、ホスト基板21に接続される光ケーブル303や電気ケーブル310に実質的に接触しない。そのため、光トランシーバ1Aの保守・点検や交換にあたり、光トランシーバ1Aの抜き差しを容易に行える。特に、光通信機器の本体に、複数のホスト基板21が隣接して収納されている場合であっても、この実施形態1では、全てのホスト基板21に接続される光トランシーバ1Aが当該本体の一端面側(前面側)に配置され、全てのホスト基板21に接続される光ケーブル303及び電気ケーブル310が当該本体の対向する他端面側(背面側)に配置される。そのため、光トランシーバ1Aの抜き差しにあたり、光ケーブル303及び電気ケーブル310に引っ掛かったり、これら光ケーブル310などが抜けて通信が行えなくなるといった問題が生じることなく、当該抜き差しを容易に行える。
【0056】
また、光通信機器の本体において、ホスト基板21の抜き差しする側が光トランシーバ1Aを抜き差しする側と同一としていることで、ホスト基板21の抜き差しにあたり、光ケーブル303及び電気ケーブル310に引っ掛かったりなどすることなく、当該抜き差しも容易に行える。
【0057】
このように光トランシーバ1Aの光コネクタ部11と電気コネクタ部16とを上述した特定の配置にすることで、光通信機器に対する光トランシーバ1Aやホスト基板21の抜き差しを容易に行え、保守・点検や交換などの作業性を向上することができる。
【0058】
また、光トランシーバ1Aでは、FPC 17A1,17A2により、一芯双方向光モジュール10Aと回路基板14Aとを接続することで、当該光モジュール10Aと回路基板14Aとの両者が上下に位置するといった立体的な配置であっても、両者を容易に接続でき、光トランシーバ1Aの生産性に優れる。
【0059】
更に、光トランシーバ1Aでは、一芯双方向光モジュール10Aを具えることで、光電接続部22及び基板側光コネクタ部23を介して接続する光ケーブル303を1芯とすることができる。従って、光ケーブル303の接続作業が容易である上に、一つのホスト基板21に接続される配線数を少なくできるため、ホスト基板21から延びる配線を扱い易い。
【0060】
加えて、光トランシーバ1Aでは、縦積み形態としたことで、光トランシーバ1Aの長さ(当該光トランシーバをホスト基板21に抜き差しする方向の大きさ)を従来の光トランシーバよりも短くでき、小型化を図ることができる。また、この光トランシーバ1Aが接続されるホスト基板の幅を従来のホスト基板と同等程度とすることができる。
【0061】
その他、光トランシーバ1Aでは、外部の光ケーブル303が直接接続されず、ホスト基板21を介して間接的に接続される。そのため、光トランシーバ1Aの抜き差しにあたり、従来の光トランシーバと異なり、当該光トランシーバ1Aに繋がる光ケーブル303を抜き取らず、光トランシーバ1Aのみを抜き差しすることができる。この点からも、光トランシーバ1Aは、外部の光ケーブルが直接接続される従来の光トランシーバよりも抜き差しし易い。
【0062】
以下の実施形態2〜5では、実施形態1と異なる構成及びその効果を中心に説明し、実施形態1と共通する構成及び効果は詳細な説明を省略する。
【0063】
(実施形態2)
以下、図3を参照して実施形態2の光トランシーバ1Bを説明する。実施形態2の光トランシーバ1Bの基本的な構成要素は実施形態1と同様であり、光コネクタ部11と発光素子(図示せず)及び受光素子(図示せず)とを具える一芯双方向光モジュール10Bと、回路基板14B1と、筐体15Bと、電気コネクタ部16とを具え、回路基板14B1の一端部側に電気コネクタ部16が形成されている。
【0064】
特に、光トランシーバ1Bは、光電接続部(図示せず)を具えるホスト基板(図示せず)に接続された状態において、光コネクタ部11と電気コネクタ部16とが左右(図3において上下)に並んだ横並び形態である点、及び一芯双方向光モジュール10Bが回路基板14B1,14B2に接続されている点が、実施形態1の光トランシーバ1Aと異なる。
【0065】
光トランシーバ1Bに具える一芯双方向光モジュール10Bは、一方の光素子の電気信号の経路や電源供給路にピン18Bを具え、他方の光素子(図示せず)の電気信号の経路や電源供給路にFPC 17B1を具える。更に、光トランシーバ1Bは、電気コネクタ部16が形成されている回路基板14B1とは別の回路基板14B2を具える、即ち複数の回路基板14B1,14B2を具える。ここでは、回路基板14B1に光モジュール18BのFPC 17B1が接続され、回路基板14B2に、光モジュール10Bのピン18Bが接続される。
【0066】
そして、光トランシーバ1Bでは、一芯双方向光モジュール10Bの光コネクタ部11と回路基板14B1の電気コネクタ部16とが横並びするように、光モジュール10Bと回路基板14B1とを接続している。ここでは、光トランシーバ1Bは、上記両回路基板14B1,14B2を接続する別のFPC 17B2を具え、このFPC 17B2の形状を適宜調整することで、横並び形態を実現している。従って、光トランシーバ1Bでは、ピン18B,回路基板14B2,及びFPC 17B2を介して、光モジュール10Bと回路基板14B1とが接続されている。
【0067】
上記一芯双方向光モジュール10B,両回路基板14B1,14B2、FPC 17B2を収納する筐体15Bは、実施形態1の光トランシーバ1Aと同様に一端面側が開口しており、横並びする光コネクタ部11と電気コネクタ部16とが開口部から見える。また、実施形態1の光トランシーバ1Aと同様に筐体15Bも、上記開口する一端面に繋がる面の一部が切り欠かれており、図3に示すように、この切り欠かれた箇所から、電気コネクタ部16が露出した状態である。なお、光コネクタ部11と電気コネクタ部16とは、いずれが左右(図3では上下)に配置されていてもよい。
【0068】
このような光トランシーバ1Bを接続するホスト基板(図示せず)は、横並びされた光コネクタ部11及び電気コネクタ部16に対応して、光学的接続部(図示せず)と電気的接続部(図示せず)とが横並びされた光電接続部(図示せず)を具える。また、ホスト基板に設けられるケージやベゼルの開口部は、当該光トランシーバ1Bの外形に適合するように適宜形状や大きさを調整するとよい。その他の構成は、上述した実施形態1のホスト基板21と同様にすることができる。
【0069】
上記光電接続部を具えるホスト基板を収納する光通信機器の本体は、上記光電接続部を具える複数のホスト基板が、各実装面が平行するように並べられて収納可能なように適宜形状や大きさを調整するとよい。その他の構成は、上述した実施形態1の光通信機器と同様にすることができる。
【0070】
上記構成を具える光トランシーバ1Bは、実施形態1の光トランシーバ1Aと同様に、光通信機器の本体に配置された状態において、当該本体の一端面側(前面側)に配置され、当該本体の対向する他端面側(背面側)に光ケーブルなどの配線が配置される。そのため、この光トランシーバ1Bも、上記本体に複数のホスト基板が隣接して収納されている場合であっても、抜き差しを容易に行える。また、光通信機器の本体に対して、光トランシーバ1Bの抜き差し側とホスト基板の抜き差し側とを同一にすることで、当該本体に複数のホスト基板が隣接して収納されている場合であっても、ホスト基板の抜き差しも容易に行える。
【0071】
特に、光トランシーバ1Bでは、光コネクタ部11と電気コネクタ部16とを横並びした形態としたことで、光トランシーバ1Bの厚さ(図3において紙面垂直方向の大きさ)が従来の光トランシーバと同等でありながら、光トランシーバ1Bの長さ(当該光トランシーバをホスト基板に抜き差しする方向の大きさ。図3において左右方向の大きさ)を従来の光トランシーバよりも短くでき、小型化を図ることができる。従って、このトランシーバ1Bが装着される光通信用基板を収納する光通信機器において、当該基板の積層方向の大きさを従来の光通信機器と同程度とすることができる。また、光トランシーバ1Bでは、複数の回路基板14B1,14B2を具える形態であることで、一つの回路基板を大きくする必要が無く、小型なものを利用できる。
【0072】
なお、ピン18Bを実施形態1と同様にFPCに変更することができる。また、ピン18B、回路基板14B2、及びFPC 17B2に代えて、一つのFPCを利用し、かつ回路基板14B1,14B2を一つの回路基板とすることができる。この場合、実施形態1や後述する実施形態3と同様に回路基板を一つにすることで、部品点数や組立工程数を低減することができる。
【0073】
(実施形態3)
以下、図4を参照して実施形態3の光トランシーバ1Cを説明する。実施形態3の光トランシーバ1Cの基本的な構成要素は実施形態1,2と同様であり、光コネクタ部11t,11rと、発光素子12と、受光素子13と、回路基板14Cと、筐体15Cと、電気コネクタ部16とを具え、回路基板14Cの一端部側に電気コネクタ部16が形成されている。また、光トランシーバ1Cは、実施形態2の光トランシーバ1Bと同様に光コネクタ部11t,11rと電気コネクタ部16とが横並びされた形態である。
【0074】
特に、光トランシーバ1Cは、発光素子12と光コネクタ部11tとを具えるTOSA 10tと、受光素子13と光コネクタ部11rとを具えるROSA 10rとを具える点が、一芯双方向光モジュールを具える実施形態1,2の光トランシーバ1A,1Bと異なる。
【0075】
光トランシーバ1Cは、回路基板14Cを一つ具える形態である。この回路基板14Cには、TOSA 10t及びROSA 10rがTOSA 10t,ROSA 10rに具えるピンにより接続されている。特に、この回路基板14Cは、TOSA 10t,ROSA 10rの光コネクタ部11t,11rと回路基板14Cに形成された電気コネクタ部16とが図4に示すように横並びするように、その形状、大きさを調整するとよい。
【0076】
上記TOSA 10t,ROSA 10r及び回路基板14Cを収納する筐体15Cは、横並び形態の実施形態2の筐体15Bと概ね同様の形態、即ち、筐体15Cの一端面側の開口部から横並びする光コネクタ部11t,11rと電気コネクタ部16とが見える構成である。筐体15Cの大きさは、TOSA 10t,ROSA 10r及び回路基板14Cの大きさを考慮して適宜調整するとよい。
【0077】
このような光トランシーバ1Cを接続するホスト基板(図示せず)は、実施形態2と同様に、光学的接続部(図示せず)と電気的接続部(図示せず)とが横並びされた光電接続部(図示せず)を具えるとよい。但し、光学的接続部は、TOSA 10t,ROSA 10rの光コネクタ部11t,11rに対応して二つ具える。また、光コネクタ部11t,11rに対応して基板側光コネクタ部も二つ具える。即ち、光トランシーバ1Cでは、2本の光ケーブルが接続される構成である。その他、ホスト基板に関する構成、光通信機器に関する構成は、実施形態2と同様にすることができる。
【0078】
上記構成を具える光トランシーバ1Cやホスト基板は、実施形態1,2と同様に、光通信機器の本体に複数のホスト基板が隣接して収納されている場合であっても、抜き差しを容易に行える。特に、実施形態3では、ホスト基板に接続される光ケーブルの本数が実施形態1,2よりも多くなるものの、上述のように光通信機器の本体における光トランシーバ1Cやホスト基板の抜き差し側を光ケーブルなどの配線の抜き差し側と異ならせることで、光トランシーバ1Cやホスト基板の抜き差しを容易に行える。また、光トランシーバ1Cは、回路基板14Cを一つのみ具える構成であることから、従来の光トランシーバの部品点数と概ね同様であり、部品点数の増加や組立工程数の増加を抑制することができる。その他、光トランシーバ1Cは、実施形態2と同様に横並び形態であることで、小型である。
【0079】
(実施形態4)
以下、図5を参照して実施形態の光トランシーバ1Dを説明する。実施形態4の光トランシーバ1Dの基本的な構成要素は実施形態3と同様であり、光コネクタ部11t,11rと、発光素子(図示せず)と、受光素子(図示せず)と、回路基板14D1と、筐体15Dと、電気コネクタ部16とを具え、回路基板14D1の一端部側に電気コネクタ部16が形成されている。また、光トランシーバ1Dは、実施形態3と同様に、TOSA 10tとROSA 10rとを具え、光コネクタ部11t,11rと電気コネクタ部16とが横並びされた形態である。
【0080】
特に、光トランシーバ1Dは、光コネクタ部11t,11rと、電気コネクタ部16とが実施形態1と同様に上下に積層された縦積み状態である点が、横並び形態の実施形態3の光トランシーバ1Cと異なる。ここでは、実施形態1と同様に、光トランシーバ1Dがホスト基板(図示せず)に装着された状態において、光コネクタ部11t,11rが上側、電気コネクタ部16が下側に位置するように、光コネクタ部11t,11r及び電気コネクタ部16が筐体15D内に収納されている。
【0081】
また、光トランシーバ1Dは、二つの回路基板14D1,14D2を具える形態であり、上述のように一方の回路基板14D1に電気コネクタ部16が形成され、他方の回路基板14D2に、TOSA 10t及びROSA 10rがTOSA 10t,ROSA 10rに具えるピンにより接続されている。そして、両回路基板14D1,14D2は、FPC 17Dにより接続されている。各回路基板14D1,14D2は、その形状、大きさを適宜選択することができる。
【0082】
上記TOSA 10t,ROSA 10r及び回路基板14D1,14D2を収納する筐体15Dは、縦積み形態の実施形態1の筐体15Aと概ね同様の形態、即ち、筐体15Cの一端面側の開口部からから、積層された光コネクタ部11t,11rと電気コネクタ部16とが見える構成である。筐体15Dの大きさは、TOSA 10t,ROSA 10r及び回路基板14D1,14D2の大きさ、FPC 17Dの配置空間などを考慮して適宜調整するとよい。
【0083】
このような光トランシーバ1Dを接続するホスト基板(図示せず)は、実施形態1と同様に、光学的接続部(図示せず)と電気的接続部(図示せず)とが積層された光電接続部(図示せず)を具えるとよい。但し、光学的接続部は、TOSA 10t,ROSA 10rの光コネクタ部11t,11rに対応して二つ具え、これらを横並びに配置する。また、実施形態3と同様に光コネクタ部11t,11rに対応して基板側光コネクタ部も二つ具える。その他、ホスト基板に関する構成、光通信機器に関する構成は、実施形態1,3と同様にすることができる。
【0084】
上記構成を具える光トランシーバ1Dやホスト基板は、実施形態1〜3と同様に、光通信機器の本体に複数のホスト基板が隣接して収納されている場合であっても、抜き差しを容易に行える。
【0085】
特に、光トランシーバ1Dは、光コネクタ部11t,11rと電気コネクタ部16とを縦積み形態とすることで、実施形態1と同様に小型化を図ることができる。
【0086】
(実施形態5)
実施形態4の光トランシーバ1Dは、二枚の回路基板14D1,14D2をFPC 17Dで接続する形態を説明した。図6に示す実施形態5の光トランシーバ1Eは、FPC 17Dに代えて、二枚の回路基板14E1,14E2を複数のピン18Eで接続する点が実施形態4の光トランシーバ1D異なる。このようにピン18Eで回路基板14E1,14E2を接続することで、FPCの配置空間が不要となるため、実施形態4の光トランシーバ1Dに比較して、光トランシーバ1Eは、TOSA 10t,ROSA 10r,回路基板14E1,14E2を収納する筐体15Eの大きさを小型にすることができる。
【0087】
(実施形態6)
実施形態1〜5では、光トランシーバ1A〜1Eがホスト基板に対して抜き差し可能である形態を説明した。光通信用基板の別の形態として、発光素子及び受光素子を当該基板自体に具える形態とすることができる。この光通信用基板(図示せず)は、発光素子及び受光素子と、実施形態1で説明したホスト基板21と同様に外部の光ケーブルが接続される光コネクタ部と、外部の電気ケーブルが接続される電気コネクタ部とを具える。更に、この光通信用基板は、光通信機器の本体から当該基板を抜き取るとき、抜き取り方向後方側に上記光コネクタ部及び上記電気コネクタ部の双方を具える。即ち、この光通信用基板を光通信機器の本体に収納した状態において、当該基板の抜き差しを上記本体の一端面側で行う場合、当該本体の対向する他端面側に上記光コネクタ部及び上記電気コネクタ部の双方が配置される構成である。
【0088】
この光通信用基板において、発光素子及び受光素子を当該基板自体に具える他は、実施形態1〜5と同様の構成を採用することができる。例えば、上記発光素子や受光素子は、実施形態1〜5で説明したように、一芯双方向光モジュールやTOSA,ROSAを適宜利用することができる。また、この光通信用基板には、適宜な回路部品を実装する。
【0089】
上記光通信用基板を光通信機器の本体に収納し、外部の光ケーブル及び外部の電気ケーブルを当該基板の光コネクタ部及び電気コネクタ部に接続すると、当該基板の抜き差しを行う光通信機器の本体の一端面(例えば、前面)には、上記光ケーブル及び電気ケーブルが存在せず、当該本体の対向する他端面(例えば、背面)に上記光ケーブル及び電気ケーブルが存在する。
【0090】
上記構成を具える光通信用基板は、光通信機器の本体から抜き差しするにあたり、当該基板に接続される光ケーブル及び電気ケーブルに実質的に接触しない。そのため、この光通信用基板の保守・点検や交換にあたり、当該基板の抜き差しを容易に行える。特に、光通信機器の本体に、複数の光通信用基板が隣接して収納されている場合であっても、上述のように全ての光通信用基板に接続される光ケーブル及び電気ケーブルが当該本体の背面側に配置されている。そのため、光通信用基板の抜き差しにあたり、光ケーブル及び電気ケーブルに引っ掛かったり、これら光ケーブルなどが抜けて通信が行えなくなるといった問題が生じることなく、当該抜き差しを容易に行える。
【0091】
なお、上述した実施形態は、本発明の要旨を逸脱することなく、適宜変更することが可能であり、上述した構成に限定されない。例えば、図2に示す光通信用基板や実施形態6の光通信用基板では、当該基板に光ケーブルや電気ケーブルを直接接続する形態としたが、この形態に限られるものではない。例えば、複数の光通信用基板間の通信や各光通信用基板への電力供給に用いられる共通基板を光通信用基板の後側に配置し、この共通基板に光ケーブルや電気ケーブルを接続し、当該共通基板を介して上記光ケーブルや電気ケーブルを光通信用基板に接続するようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0092】
本発明光トランシーバ、光通信用基板、及び光通信機器は、光通信、10Gbps,100Gbpsといったギガビット/秒といった各種の速光通信に多様に利用することができる。
【符号の説明】
【0093】
1A,1B,1C,1D,1E 光トランシーバ
10A,10B 一芯双方向光モジュール 10t TOSA 10r ROSA
10m 光路変換素子 11,11t,11r (トランシーバ側)光コネクタ部
12 発光素子 13 受光素子
14A,14B1,14B2,14C,14D1,14D2,14E1,14E2 回路基板
15A,15B,15C,15D,15E 筐体 16 (トランシーバ側)電気コネクタ部
17A1,17A2,17B1,17B2,17D FPC 18B,18E ピン
21 ホスト基板 21c 回路部品 22 光電接続部
23 基板側光コネクタ部 24 基板側電気コネクタ部 25 光ファイバ
100 光トランシーバ 101t,101r 光コネクタ部 102 発光素子
103 受光素子 104 回路基板 104c 回路部品 105 筐体
106 電気コネクタ部 110t TOSA 110r ROSA
200 光通信機器 201 本体
210 ホスト基板 210c 回路部品 211 接続部 212 ベゼル
213 開口部
301,302,303 光ケーブル 310 電気ケーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光通信機器の本体に収納される光通信用基板に対して抜き差し可能に装着される光トランシーバであって、
当該光トランシーバを前記光通信用基板と光学的に接続するための光コネクタ部と、
当該光トランシーバを前記光通信用基板と電気的に接続するための電気コネクタ部と、
前記光コネクタ部及び前記電気コネクタ部を有する筐体とを具え、
前記光コネクタ部は、前記電気コネクタ部と前記筐体の同一面側に配置されていることを特徴とする光トランシーバ。
【請求項2】
前記光コネクタ部を具える一芯双方向光モジュールと、
前記電気コネクタ部が設けられる回路基板と、
前記一芯双方向光モジュールと前記回路基板とを接続するフレキシブルプリント配線板とを具えることを特徴とする請求項1に記載の光トランシーバ。
【請求項3】
前記光コネクタ部は、前記電気コネクタ部が設けられる回路基板の面方向で前記電気コネクタ部と並んで配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の光トランシーバ。
【請求項4】
前記光コネクタ部は、当該光トランシーバを前記光通信用基板から抜き取る方向を前記筐体の前側とするとき、前記筐体の後側に配置され、前記光通信用基板を介して光ケーブルと接続されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の光トランシーバ。
【請求項5】
光通信機器の本体に収納されて、光トランシーバが抜き差し可能に装着される光通信用基板であって、
前記光トランシーバは、
当該光トランシーバを前記光通信用基板と光学的に接続するためのトランシーバ側光コネクタ部と、
当該光トランシーバを前記光通信用基板と電気的に接続するためのトランシーバ側電気コネクタ部と、
前記トランシーバ側光コネクタ部及び前記トランシーバ側電気コネクタ部を有する筐体とを具え、
前記トランシーバ側光コネクタ部は、前記電気コネクタ部と前記筐体の同一面側に配置されており、
当該光通信用基板は、
前記トランシーバ側光コネクタ部及び前記トランシーバ側電気コネクタ部の双方が接続される光電接続部と、
前記光電接続部と光ケーブルとを光学的に接続するための基板側光コネクタ部と、
前記光電接続部と電気ケーブルとを電気的に接続するための基板側電気コネクタ部とを具え、
前記光トランシーバを抜き差しする側とは逆側に、前記基板側光コネクタ部及び前記基板側電気コネクタ部の少なくとも一方を具えることを特徴とする光通信用基板。
【請求項6】
前記光トランシーバを抜き差しする側とは逆側に、前記基板側光コネクタ部及び前記基板側電気コネクタ部の双方を具えることを特徴とする請求項5に記載の光通信用基板。
【請求項7】
少なくとも1つの光通信用基板と、この光通信用基板に対して抜き差し可能に装着される光トランシーバと、前記光通信用基板が抜き差し可能に装着される本体とを具える光通信機器であって、
前記光トランシーバは、
当該光トランシーバを前記光通信用基板と光学的に接続するためのトランシーバ側光コネクタ部と、
当該光トランシーバを前記光通信用基板と電気的に接続するためのトランシーバ側電気コネクタ部と、
前記トランシーバ側光コネクタ部及び前記トランシーバ側電気コネクタ部を有する筐体とを具え、
前記トランシーバ側光コネクタ部は、前記電気コネクタ部と前記筐体の同一面側に配置されており、
前記光通信用基板は、
前記トランシーバ側光コネクタ部及び前記トランシーバ側電気コネクタ部の双方が接続される光電接続部と、
前記光電接続部と光ケーブルとを光学的に接続するための基板側光コネクタ部と、
前記光電接続部と電気ケーブルとを電気的に接続するための基板側電気コネクタ部とを具え、
前記光トランシーバを抜き差しする側とは逆側に、前記基板側光コネクタ部及び前記基板側電気コネクタ部の少なくとも一方を具えることを特徴とする光通信機器。
【請求項8】
前記光通信用基板は、前記光トランシーバを抜き差しする側とは逆側に、前記基板側光コネクタ部及び前記基板側電気コネクタ部の双方を具えており、
前記本体に対して前記光通信用基板は、前記光トランシーバを抜き差しする側から抜き差しされることを特徴とする請求項7に記載の光通信機器。
【請求項9】
光通信機器の本体に抜き差し可能に収納されて、光ケーブル及び電気ケーブルがそれぞれ取り外し可能に装着される光通信用基板であって、
当該光通信用基板を前記光ケーブルと接続するための光コネクタ部と、
当該光通信用基板を前記電気ケーブルと接続するための電気コネクタ部とを具え、
前記光通信機器の本体から当該光通信用基板を抜き取る方向を当該光通信用基板の前側とするとき、当該光通信用基板の後側に、前記光コネクタ部及び前記電気コネクタ部の少なくとも一方を具えることを特徴とする光通信用基板。
【請求項10】
前記光通信用基板の後側に、前記光コネクタ部及び前記電気コネクタ部の双方を具えることを特徴とする請求項9に記載の光通信用基板。
【請求項11】
請求項9又は10に記載の光通信用基板を具えることを特徴とする光通信機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−215427(P2011−215427A)
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−84471(P2010−84471)
【出願日】平成22年3月31日(2010.3.31)
【出願人】(502312498)住友電工ネットワークス株式会社 (212)
【Fターム(参考)】