説明

光ナノインプリントリソグラフィ用感光性樹脂組成物樹脂組成物、これを用いたパターン形成方法、微細構造体及び光硬化物の除去方法

【課題】 光硬化物の除去性に優れた光ナノインプリントリソグラフィ用感光性樹脂組成
物、レジストパターンの形成方法、微細構造体及び光硬化物の除去方法を提供する。
【解決手段】(A)光重合性化合物及び(B)光重合開始剤を含有する光ナノインプリン
トリソグラフィ用感光性樹脂組成物であって、前記(B)光重合開始剤が、第一の活性光
線を照射した時に活性種を生じる化合物を含有し、前記(A)光重合性化合物が、2以上
の重合性基と、第一の活性光線よりも波長の短い第二の活性光線を照射したときに切断さ
れる結合を含む特性基と、を分子内に有する化合物を含有する、感光性樹脂組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、微細パターン形成のための光ナノインプリントリソグラフィ用感光性樹脂組
成物、これを用いたパターンの形成方法、微細構造体及び光硬化物の除去方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、半導体集積回路は微細化、集積化が進んでおり、その微細加工を実現するための
パターン転写技術としてフォトリソグラフィ装置の高精度化が進められてきた。しかし、
加工精度が光露光の光源の波長に近づき、リソグラフィ技術も限界に近づいてきた。その
ため、さらなる微細化、高精度化を進めるために、リソグラフィ技術に代わり、荷電粒子
線装置の一種である電子線描画装置が用いられるようになった。
【0003】
電子線を用いたパターン形成は、i線、エキシマレーザー等の光源を用いたパターン形
成における一括露光方法とは異なり、マスクパターンを描画していく方法をとるため、描
画するパターンが多ければ多いほど露光(描画)時間がかかり、パターン形成に時間がか
かることが欠点とされている。そのため、メモリ容量が256メガ、1ギガ、4ギガと、
集積度が飛躍的に高まるにつれ、パターンが高密度化し、その分パターン形成時間も飛躍
的に長くなることになり、スループットが著しく劣ることが懸念される。そこで、電子ビ
ーム描画装置の高速化のために、各種形状のマスクを組み合わせそれらに一括して電子ビ
ームを照射して複雑な形状の電子ビームを形成する一括図形照射法の開発が進められてい
る。この結果、パターンの微細化が進められる一方で、電子線描画装置を大型化、複雑化
が必須となり、装置コストが高くなるという欠点があった。
【0004】
これに対し、微細なパターン形成を低コストで行うための技術が下記特許文献1及び2
、非特許文献1などにおいて開示されている。これは、基板上に形成したいパターンと同
じパターンの凹凸を有するモールド(金型)を、被転写基板表面に形成された樹脂膜層に
対して型押しすることで所定のパターンを転写するものである。特に特許文献2記載や非
特許文献1のナノインプリント技術によれば、シリコンウエハを金型として用い、25ナ
ノメートル以下の微細構造を転写により形成可能であるとしている。
【0005】
ナノインプリント技術には転写される材料により2種類に大別される。一方は、転写さ
れる材料を加熱させ、モールドにより塑性変形させた後、冷却してパターンを形成する熱
ナノインプリント技術である。もう一方は、基板上に室温で液状の光硬化性樹脂を塗布し
た後、光透過性のモールドを樹脂に押し当て、光を照射させることで基板上の樹脂を硬化
させパターンを形成する光ナノインプリント技術である。特に光ナノインプリント技術は
室温にてパターン形成できるため熱による基板、モールド間の線膨張係数差による歪が発
生しにくく、高精度のパターン形成が可能であり、半導体等のリソグラフィ技術の代替技
術として注目を浴びている。光ナノインプリント技術に用いられる光硬化性樹脂について
、非特許文献2にPAK−01(東洋合成工業株式会社製)が紹介されている。
【0006】
光ナノインプリント技術を基板の微細加工に用いる場合のプロセスは以下のとおりであ
る。また、そのフローを図1に示す。
(a)基板1上にスピン塗布法あるいはインクジェット法などにより感光性樹脂組成物膜
2を形成する。
(b)表面に微細なパターンが形成されたモールド3を感光性樹脂組成物膜2表面に押し
付ける。これにより、感光性樹脂組成物膜2はモールドの形状にパターン化される。
(c)モールド3上部より紫外線を照射させ感光性樹脂組成物を硬化させる。この場合モ
ールド3は透明である。透明なモールドの材料としては、通常石英などを用いる。また、
基板1が透明な場合には基板側から紫外線を照射してもよい。
(d)モールド3を硬化された感光性樹脂組成物膜2(5)より剥離させる。
(e)パターンを形成する際、通常、パターン化されない層(ベース層)4が残留する。
イオン照射などによるエッチングでベース層4を除去し、レジストパターン6を形成する

(f)レジストパターン6をマスクにして基板1をエッチング等により加工する。
(g)レジストパターン6を除去する。
【0007】
以上のプロセスにより光ナノプリント技術を用い基板表面に微細なパターンを形成する
ことができる。
【0008】
光ナノインプリント技術では、目的のパターンに対応する微細加工を有するモールドが
必要である。一般に、モールドはパターンを電子線で描画することにより加工されるため
、パターンが多く微細になるにつれて加工時間も飛躍的に長くなり、スループットが著し
く劣る。そのため、モールドのコストが非常に高くなる。
【0009】
このような事情から、光ナノインプリント技術においてはモールドの再生が求められ、
光硬化された樹脂組成物(光硬化物)のモールドからの離型性が課題となっている。一度
モールドに付着した高架橋ポリマからなる光硬化物は、一般的な有機溶媒や酸、アルカリ
などで除去することは困難である。高温で加熱し除去する方法もあるが、モールドを変形
、損傷させる可能性がある。
【0010】
これまでに、離型性に優れる水素化シルセスキオキサンやフッ素化エチレンプロピレン
共重合体を材料としたモールドを用いる方法や、フッ素化アルキレンオキサイド等でモー
ルドに表面処理を施す方法により硬化物の付着を解決する試みが行われてきた。しかし繰
返しナノインプリントを行うことでモールドの表面処理が剥がれる等といった問題があり
、マイルドな条件下で光硬化物を除去し、モールドを再生しうる方法が求められている。
【0011】
近年、分解可能なナノインプリント用感光性樹脂組成物の構成材料について様々な検討
がなされている。例えば、加熱により再可溶化できる光架橋型高分子及びそれを形成する
ための組成物が提案されている。非特許文献3には、アセタール構造を有するジアクリレ
ートを含む硬化物を酸性溶媒中で除去する方法、ディールス・アルダー反応により環を巻
いた構造を有するポリマを130℃に加熱し分解する方法、ウレタン構造を有するポリマ
を150℃に加熱し分解する方法が開示されている。
【0012】
また非特許文献4には、感光性組成物を用いてモールドを複製する方法が開示されてい
る。分解可能基としてヘミアセタール構造を含むジアクリレートに光ラジカル開始剤と光
酸発生剤を加えた感光性組成物を、波長365nmの光で硬化させた後、波長265nm
の光により酸を発生させるとヘミアセタール構造が分解し、光硬化物をメタノールに溶解
させることができるようになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】米国特許第5、259、926号明細書
【特許文献2】米国特許第5、772、905号明細書
【非特許文献】
【0014】
【非特許文献1】S.Y.Chou et al.Appl.Phys.Lett.vol.67、p.3314(1995)
【非特許文献2】Y.Kurashima,Jpn.J.Appl.Phys.vol.42.p.3871(2003)
【非特許文献3】W.H.Heath et al.Macromolecules.vol.41,p.719(2008)
【非特許文献4】松川大作、他2名、Polymer Preprints,Japan Vol.57,p.5383(2008)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
しかしながら、上記非特許文献3、4に開示された方法では、光硬化物を除去するため
に酸性溶媒、酸発生剤又は加熱が必要となる。加熱分解により光硬化物を除去する場合、
加熱によりモールドが変形、損傷するといった問題があった。また、酸発生剤により架橋
ポリマの結合を切断して光硬化物を除去する場合、カチオン重合系の樹脂組成物には適用
できない、あるいは酸による不純物や腐食を嫌う用途には使用できない等、材料や用途が
限定されるといった問題があった。
【0016】
例えば、非特許文献4では、光と加熱により酸を発生する光酸発生剤を含む感光性樹脂
組成物を用いている。この場合、複製された樹脂モールドも同時に加熱され、さらに酸と
接することになり、樹脂モールドが変形、腐食することが懸念される。室温などの低温下
において、光のみで可溶化を行おうとすると強い酸を発生させなければならないため、更
にその問題は顕著となる。
【0017】
本発明は、上述したような実状に鑑みてなされたものであり、光硬化物の除去性に優れ
た光ナノインプリントリソグラフィ用感光性樹脂組成物、これを用いたレジストパターン
の形成方法、微細構造体及び光硬化物の除去方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明は、[1](A)2以上の重合性基と、第一の活性光線よりも波長の短い第二の
活性光線を照射したときに切断される結合を含む特性基と、を分子内に有する光重合性化
合物、及び(B)第一の活性光線を照射した時に活性種を生じる光重合開始剤を含有する
、光ナノインプリントリソグラフィ用感光性樹脂組成物を提供する。
【0019】
また、本発明は、[2]前記(A)光重合性化合物の第一の活性光線よりも波長の短い
第二の活性光線を照射したときに切断される結合を含む特性基が、下記式(1)〜式(4
)のいずれかで表される基である上記[1]記載の光ナノインプリントリソグラフィ用感
光性樹脂組成物を提供する。
【0020】
【化1】

【0021】
また、本発明は、[3]前記(A)光重合性化合物の重合性基が、エチレン性不飽和結
合である上記[1]又[2]に記載の光ナノインプリントリソグラフィ用感光性樹脂組成
物を提供する。
【0022】
また、本発明は、[4]前記(A)光重合性化合物の重合性基が、アクリレート、メタ
クリレート、ビニルエーテル、アリルエーテル又はスチレンのいずれかである上記[3]
に記載の光ナノインプリントリソグラフィ用感光性樹脂組成物を提供する。
【0023】
また、本発明は、[5]前記(A)光重合性化合物の重合性基が、エポキシ又はオキセ
タンである上記[1]又は[2]に記載の光ナノインプリントリソグラフィ用感光性樹脂
組成物を提供する。
【0024】
また、本発明は、[6]前記(A)光重合性化合物が、下記一般式(5)〜(8)のい
ずれかで表される化合物を含有する上記[1]〜[4]のいずれかに記載の光ナノインプ
リントリソグラフィ用感光性樹脂組成物を提供する。
【0025】
【化2】

[一般式(5)〜(8)中、X、X、X、X及び、Y、Y、Y、Yは、
それぞれ独立にメチレン基、エチレン基又はプロピレン基を示し、R、R、R、及
びRは、それぞれ独立に2価の有機基を示し、Rは水素原子又はメチル基を示し、m
+n、m+n、m+n、m+nは、それぞれ0〜20の整数である。]
【0026】
また、本発明は、[7]25℃における粘度が20mPa・s以下である、上記[1]
〜[6]のいずれかに記載の光ナノインプリントリソグラフィ用感光性樹脂組成物を提供
する。
【0027】
さらに、本発明は、[8]さらに、少なくとも1つの重合性基及び環状構造を、分子内
に有する光重合性化合物を含有する上記[1]〜[7]のいずれかに記載の光ナノインプ
リントリソグラフィ用感光性樹脂組成物を提供する。
また、本発明は、[9]前記少なくとも1つの重合性基及び環状構造を、分子内に有す
る光重合性化合物が、1つの(メタ)アクリロイル基及び環状構造を分子内に有する化合
物を含有する上記[8]に記載の光ナノインプリントリソグラフィ用感光性樹脂組成物を
提供する。
また、本発明は、[10]基板上に、上記[1]〜[9]のいずれかに記載の感光性樹
脂組成物からなる樹脂膜を形成する工程と、
表面に微細な凹凸パターンを有するモールドを前記樹脂膜の表面に加圧接触し、該モー
ルドの凹凸パターンを樹脂膜に転写する工程と、
第一の活性光線を照射して前記樹脂膜を硬化させ、基板上に硬化膜を形成する工程と、
前記モールドを硬化膜表面から剥離する工程と、
前記硬化膜のモールドの凸部と基板との間に形成されるベース層をエッチングにより除
去し、前記基板上に硬化パターンを形成する工程と、を含む、パターン形成方法を提供す
る。
【0028】
また、本発明は、[11]前記硬化パターンをマスクとして前記基板をエッチングする
工程と、前記硬化パターンを除去する工程と、をさらに含む、上記[10]に記載のパタ
ーン形成方法を提供する。
また、本発明は、[12]上記[10]又は上記[11]に記載のパターン形成方法に
より形成された微細なパターンを有する微細構造体を提供する。
また、本発明は、[13]第一の活性光線を照射することにより硬化された上記[10
]又は[11]に記載のパターン形成方法により得られた光硬化物に、第一の活性光線よ
りも波長の短い第二の活性光線を照射することにより該光硬化物を除去する、光硬化物の
除去方法を提供する。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、加熱または酸を発生なしに光硬化物を除去することが可能な光ナノイ
ンプリントリソグラフィ用感光性樹脂組成物、並びにこれを用いたパターンの形成方法、
微細構造体及び光硬化物の除去方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】光ナノインプリントリソグラフィ法のプロセスを説明する模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、本発明における(メタ
)アクリレートとはアクリレート又はそれに対応するメタアクリレートを意味し、(メタ
)アクリロイル基とはアクリロイル基またはそれに対応するメタクリロイル基を意味する

【0032】
(光ナノインプリントリソグラフィ用感光性樹脂組成物)
上述のように、本発明の光ナノインプリントリソグラフィ用感光性樹脂組成物は、以下
の(A)成分及び(B)成分である。
(A)2以上の重合性基と、第一の活性光線よりも波長の短い第二の活性光線を照射した
ときに切断される結合を含む特性基と、を分子内に有する光重合性化合物、
(B)第一の活性光線を照射した時に活性種を生じる光重合開始剤
を含有することを特徴とするものである。
【0033】
(A)2以上の重合性基と、第一の活性光線よりも波長の短い第二の活性光線を照射し
たときに切断される結合を含む特性基と、を分子内に有する光重合性化合物について説明
する。
(A)光重合性化合物は、上記構成を有する化合物であり、当該化合物に第一の活性光
線よりも波長の短い第二の活性光線を照射したときに、上記特性基中の結合が切断される

ここで、第二の活性光線を(A)光重合性化合物に照射して切断される結合を含む特性
基としては、上記式(1)、(2)、(3)又は(4)で表される基であることが好まし
く、感光性樹脂組成物の硬化性の観点から、上記一般式(1)、(2)又は(3)で表さ
れる基であることがより好ましい。
【0034】
また、(A)光重合性化合物中の重合性基は、エチレン性不飽和結合であることが好ま
しく、(メタ)アクリレート、ビニルエーテル、アリルエーテル又はスチレンのいずれか
であることがより好ましく、感光性樹脂組成物の硬化性の観点から、(メタ)アクリレー
トであることがさらに好ましい。
【0035】
更に、(A)光重合性化合物は上記一般式(5)、(6)、(7)又は(8)で表され
る化合物を含有することが好ましく、感光性樹脂組成物の硬化性の観点から、上記一般式
(5)、(6)又は(7)で表される化合物を含有することがより好ましい。
【0036】
上記一般式(5)中、X及びYは、それぞれ独立にメチレン基、エチレン基又はプ
ロピレン基を示し、メチレン基又はエチレン基であることが好ましい。R及びRは、
それぞれ独立に2価の有機基を示し、Rは水素原子又はメチル基を示す。m+nは、
0〜20の整数であり、0〜10であることが好ましく、0〜5であることがより好まし
い。
【0037】
上記2価の有機基としては、例えば、直鎖状又は分岐状アルキレン基、アリーレン基、
エーテル結合、スルフィド結合、ジスルフィド結合、カルボニル基、エステル結合、アミ
ノ基、アミド結合、ウレタン結合等を含む2価の基が挙げられる。前記直鎖状又は分岐状
アルキレン基の水素原子は、本発明の効果を損ねない程度に任意の置換基で置換されてい
てもよい。
【0038】
上記一般式(6)中、X及びYは、それぞれ独立にメチレン基、エチレン基又はプ
ロピレン基を示し、メチレン基又はエチレン基であることが好ましい。Rは、水素原子又
はメチル基を示す。m+nは、0〜20の整数であり、0〜10であることが好まし
く、0〜5であることがより好ましい。
【0039】
上記一般式(7)中、X及びYは、それぞれ独立にメチレン基、エチレン基又はプ
ロピレン基を示し、メチレン基又はエチレン基であることが好ましい。R及びRは、
それぞれ独立に2価の有機基を示し、Rは水素原子又はメチル基を示す。m+nは、
0〜20の整数であり、0〜10であることが好ましく、0〜5であることがより好まし
い。
【0040】
上記一般式(8)中、X及びYは、それぞれ独立にメチレン基、エチレン基又はプ
ロピレン基を示し、メチレン基又はエチレン基であることが好ましい。Rは水素原子又は
メチル基を示し、m+nは、0〜20の整数であり、0〜10であることが好ましく
、0〜5であることがより好ましい。
【0041】
また、(A)光重合性化合物は、上記特性基中の結合が切断される第二の活性光線の波
長が第一の活性光線よりも短いことが必要であるが、300nm以下であることが好まし
く、200〜300nmであることがより好ましい。上記結合が第一の活性光線よりも長
い波長の活性光線で切断される場合、感光性樹脂組成物の硬化時などに、意図しないとこ
ろで切断が起こり好ましくない。
【0042】
上記式(1)(一般式(5))で表される構造の特性基を有する(A)光重合性化合物
の合成例としては、無水マレイン酸の二量化後、一分子中に1つ以上の水酸基と1つのア
ミノ基を有する化合物を反応させる方法が挙げられる。
一分子中に1つ以上の水酸基と1つのアミノ基を有する化合物としては、例えば2−ア
ミノエタノール、p−アミノフェノール、アミノ-2-メトキシメチルフェノール、2−(
2−アミノエトキシ)エタノール、4-アミノ-3-フルオロフェノール、4-アミノ-3-ヒ
ドロキシメチルフェノール、4-アミノ-2-メチルフェノール、4-アミノ-2-ヒドロキシ
メチルフェノール、4-アミノ-2-メトキシメチルフェノール、4-アミノ-2-アミノメチ
ルフェノール、4-アミノ-2-(β-ヒドロキシエチルアミノメチル)フェノール、4-ア
ミノ-2-フルオロフェノールなどが挙げられる。
【0043】
上記式(2)(一般式(6))で表される構造の特性基を有する(A)光重合性化合物
は6−ヒドロキシクマリンなど市販のクマリン誘導体を二量化して合成されるものを用い
ることができる。
【0044】
上記式(3)(一般式(7))で表される構造の特性基を有する(A)光重合性化合物
の合成法としては、無水マレイン酸の二量化後、アルコールを反応させる方法が挙げられ
る。
【0045】
アルコールとしては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプ
ロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートなどが挙げら
れる。
【0046】
上記式(4)(一般式(8))で表される構造の特性基を有する(A)光重合性化合物
は、9−アントラセニルメチルメタクリレートなど市販のアントラセン誘導体を二量化し
て合成されるものを用いることができる。
【0047】
本発明の感光性樹脂組成物において、これらの(A)光重合性化合物は、単独で又は2
種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明の(A)2以上の重合性基と、第一の活性光線よりも波長の短い第二の活性光線
を照射したときに切断される結合を含む特性基と、を分子内に有する光重合性化合物は、
感光性樹脂組成物全体の固形分質量に対して5〜50質量%含むことが好ましく、10〜
45質量%含むことがより好ましく、15〜40質量%含むことがさらに好ましい。この
含有量が5質量%未満では除去性が低下する傾向があり、50質量%を超えると粘度が高
くなる傾向がある。
【0048】
本発明の感光性樹脂組成物は、このような(A)光重合性化合物以外に、本発明の効果
を阻害しない範囲で、(A’)分子内に重合性基を少なくとも一つ有する他の光重合性化
合物を含有してもよい。他の光重合性化合物としては、例えば(メタ)アクリレート化合
物、エポキシ化合物、オキセタン化合物、ビニルエーテル化合物、スチレン化合物などが
挙げられる。
【0049】
上記(メタ)アクリレート化合物としては、例えばフェノキシグリコール(メタ)アクリ
レート、フェノキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、2-フェノキシエチル(メ
タ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、n−ブチル
(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコ
ール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ベヘニ
ル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、1-アダマンチル(メタ)アク
リレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ラウリ
ル(メタ)アクリレート、オクトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、2-
ヒドロキシ‐3-フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリ
レート、ラウリル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、
エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ビスフェノールAジ(
メタ)アクリレート、1,10-デカンジオールジ(メタ)アクリレート、シクロデカンジメ
タノールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化-2-メチル-1,3-プロパンジオールジ(メ
タ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4-ブタンジオー
ルジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、2,2,3
,3,4,4,5,5-オクタフルオロ-1,6-ヘキシルジ(メタ)アクリレート、2‐
ヒドロキシ‐3‐アクリロイキシプロピル(メタ)アクリレート、エチレンジ(メタ)ア
クリレート、プロポキシ化エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、1,6-
ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9-ノナンジオールジ(メタ)アクリレート
、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)
アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ
(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレング
リコールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート
、トリシクロ[5.2.1.02、6]デカンジメタノール(メタ)アクリレート、エト
キシ化イソシアヌル酸トリ(メタ)アクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパント
リ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロポキシ
化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)ア
クリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロ
ールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ペンタエリスリトールテトラ(
メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリス
リトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート
、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、1,4-シクロヘキサンジメタノールジ(メ
タ)アクリレート、1,4-ベンゼンジメタノールジ(メタ)アクリレート、水素化ビスフ
ェノールAジ(メタ)アクリレート、1,3-アダマンタンジオールジ(メタ)アクリレ
ートなどがあげられるがこれらに限定されない。これらは単独で又は2種類以上を組み合
わせて使用される。
【0050】
上記エポキシ化合物としては、例えばビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフ
ェノールFジグリシジルエーテル、ビスフェノールSジグリシジルエーテル、臭素化ビス
フェノールAジグリシジルエーテル、臭素化ビスフェノールFジグリシジルエーテル、臭
素化ビスフェノールSジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールAジグリシジルエーテ
ル、水添ビスフェノールFジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールSジグリシジルエ
ーテル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリ
シジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリ
シジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテルなどが挙げられるがこれ
らに限定されない。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
【0051】
上記オキセタン化合物としては、3-エチル-3-ヒドロキシメチルオキセタン、3-(メ
タ)アリルオキシメチル-3-エチルオキセタン、(3-エチル-3-オキセタニルメトキシ
)メチルベンゼン、4-フルオロ-〔1-(3-エチル-3-オキセタニルメトキシ)メチル〕
ベンゼン、4-メトキシ-〔1-(3-エチル-3-オキセタニルメトキシ)メチル〕ベンゼン
、〔1-(3-エチル-3-オキセタニルメトキシ)エチル〕フェニルエーテル、イソブトキ
シメチル(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、イソボルニルオキシエチル(
3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、イソボルニル(3-エチル-3-オキセタニ
ルメチル)エーテルなどが挙げられるがこれらに制限されない。これらは単独で又は2種
類以上を組み合わせて使用される。
【0052】
上記ビニルエーテル化合物としては、n-プロピルビニルエーテル、n‐ブチルビニル
エーテル、n‐ヘキシルビニルエーテル、t-ブチルビニルエーテル、t-アミルビニルエ
ーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、アリールビニルエーテル、ドデシルビニルエー
テル、エチレングリコールブチルビニルエーテル、エチルヘキシルビニルエーテル、イソ
ブチルビニルエーテル、ポリエチレングリコールメチルビニルエーテル、トリエチレング
リコールメチルビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、ブタンジオ
ールジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、ジエチレングリ
コールジビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、テトラエチレングリコー
ルジビニルエーテル、1,4-ブタンジオールジビニルエーテル、トリシクロデカンジメ
タノールジビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテルなどが挙げられ
るがこれらに制限されない。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
【0053】
上記スチレン化合物としては、スチレン、p-メチルスチレン、p-メトキシスチレン、
β-メチルスチレン、p-メチル-β-メチルスチレン、α-メチルスチレン、p-メトキシ-
β-メチルスチレン、p-ヒドロキシスチレンなどが挙げられるがこれらに制限されない。
これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
【0054】
また、上記光重合性化合物の重合基の数は原則的には4官能基以上でも可能であるが、
分子のサイズが大きくなると粘度が高くなり、数ナノメートルの微細構造体の形成に不利
になるため2官能基以下のモノマを用いることが好ましい。
【0055】
本発明の感光性樹脂組成物は、耐エッチング性を向上する観点から、少なくとも1つの
重合性基及び環状構造を分子内に有する光重合性化合物をさらに含有することが好ましく
、1つの重合性基及び環状構造を分子内に有する化合物であるとさらに好ましい。環状構
造としては、脂肪族環又は芳香族環のいずれも用いることができ、脂肪族環としては、炭
素数4〜12のシクロアルキル基及びこれらの水素原子が任意の置換基で置換されたもの
が挙げられ、また、芳香族環としては、フェニル基、ナフチル基、フラニル基、ピロール
基等及びこれらの水素原子が任意の置換基で置換されたものが挙げられる。
【0056】
前記重合性基としては、エチレン性不飽和結合であることが好ましく、(メタ)アクリ
レート、ビニルエーテル、アリルエーテル又はスチレンのいずれかであることがより好ま
しく、感光性樹脂組成物の硬化性の観点から、(メタ)アクリレートであることがさらに
好ましい。
感光性樹脂組成物が1つの重合性基及び環状構造を分子内に有する光重合性化合物を含
む場合、その含有量は、感光性樹脂組成物の粘度、硬化性及び耐エッチング性をバランス
よく向上する観点から、感光性樹脂組成物全体の固形分質量に対して5〜60質量%であ
ることが好ましく、10〜60質量%であることがより好ましく、15〜60質量%であ
ることがさらに好ましい。
また、感光性樹脂組成物が2つ以上の重合性基及び環状構造を分子内に有する光重合性
化合物を含む場合、その含有量は、感光性樹脂組成物の粘度、硬化性及び耐エッチング性
をバランスよく向上する観点から、感光性樹脂組成物全体の固形分質量に対して5〜50
質量%であることが好ましく、10〜45質量%であることがより好ましく、15〜40
質量%であることがさらに好ましい。
【0057】
次に、(B)光重合開始剤について説明する。
【0058】
本発明で用いる(B)第一の活性光線を照射した時に活性種を生じる光重合開始剤には
、反応系や波長に対応し、適切な活性を有する光ラジカル重合開始剤および/または光酸
発生剤が用いられる。これらは単独で適用することも可能であるが、2種以上を組み合わ
せて使用することもできる。このほか公知の光重合促進剤および増感剤等と組み合わせて
適用することもできる。本発明で用いる光重合開始剤の配合比は、感光性樹脂組成物の全
体に対し、0.1〜15質量%であり、0.3〜10質量%であることが好ましく、0.
5〜5質量%であることがより好ましい。
【0059】
光ラジカル重合開始剤としては、2,2-ジメトキシ-1,2-ジフェニルエタン-1-オ
ン、1-ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニル-ケトン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フ
ェニル-プロパン-1-オン、ベンゾフェノン、1-[4-(2-ヒドロキシエトキシ)-フェニル
]-2-ヒドロキシ-2-メチル-1-プロパン-1-オン、2-メチル-1-[4-(メチルチオ)
フェニル]-2-モルフォリノ-プロパン-1-オン、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(
4-モルフォリノフェニル)-ブタノン-1、ビス(2,6-ジメトキシベンゾイル)-2,4,
4-トリメチル-ペンチルフォスフィンオキサイド、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニ
ル-プロパン-1-オン、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルフォスフィン
オキサイド、ビス(η5-2,4-シクロペンタジエン-1-イル)-ビス(2,6-ジフルオロ-
3-(1H-ピロール-1-イル)-フェニル)チタニウム、2-(ジメチルアミノ)-2-[(4
−メチルフェニル)メチル]-1-[4-(4-モルホリニル)フェニル]-1-ブタノンなど
が挙げられる。中でも、硬化速度が速いため、2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニ
ル]-2-モルフォリノ-プロパン-1-オンが好ましい。
【0060】
光酸発生剤としては、例えば、ジアゾニウム塩、ヨードニウム塩、ブロモニウム塩、ク
ロロニウム塩、スルホニウム塩、セレノニウム塩、ピリリウム塩、チアピリリウム塩、ピ
リジニウム塩等のオニウム塩;トリス(トリハロメチル)-s-トリアジン及びその誘導体
等のハロゲン化化合物;スルホン酸の2-ニトロベンジルエステル;イミノスルホナート
;1-オキソ-2-ジアゾナフトキノン-4-スルホナート誘導体;N-ヒドロキシイミドスル
ホナート;トリ(メタンスルホニルオキシ)ベンゼン誘導体;ビススルホニルジアゾメタ
ン類;スルホニルカルボニルアルカン類;スルホニルカルボニルジアゾメタン類;ジスル
ホン化合物等が挙げられる。
【0061】
本発明においては、感光性樹脂組成物全体として、常温(15〜30℃)で液状である
必要がある。特に無溶剤型組成物とすることにより、パターン形成時の収縮や変形を防止
することができ、極めて精度の高いパターンを形成することができる。従って、モノマは
勿論、オリゴマーも常温で液体であることが好ましい。
【0062】
本発明に係る感光性樹脂組成物は、反応性希釈剤を含有してもよい。用いられる反応性
希釈剤としては、以下のものを適用することができる。N-ビニルピロリドン、アクリロ
イルモルフォリン、N,N-ジメチルアクリルアミド、N-メチロールアクリルアミド、N
,N-ジメチルアミノプロピルアクリルアミドなどが挙げられる。これらは単独または組
み合わせて用いることができる。
【0063】
本発明の感光性樹脂組成物は、25℃における粘度が、20mPa・s以下の範囲であ
り、3〜15mPa・sの範囲であることが好ましく、8〜13mPa・sの範囲である
ことがより好ましい。このような粘度とすることにより、硬化前の微細凹凸パターンの形
成能、塗布適性およびその他の加工適性を付与でき、硬化後においては解像性、残膜特性
、基板密着性或いは他の諸点において優れた塗膜物性を付与できる。感光性樹脂組成物の
粘度が20mPa・sを超えると、凹凸パターンへの追随性が悪くなり、モールドへ充填
されるまでより長い時間や強い加圧が必要となる。
【0064】
本発明に係る感光性樹脂組成物は、フッ素系界面活性剤を含むものであっても良い。フ
ッ素系界面活性剤としては、パーフロロアルキル含有オリゴマーおよび溶媒で溶解したパ
ーフロロアルキル含有オリゴマー溶液を用いることができる。また、フッ素系界面活性剤
としては、パーフロロアルキル鎖に炭化水素鎖が結合したものを用いることもできる。こ
の他、フッ素系界面活性剤としては、パーフロロアルキル鎖にエトキシ鎖やメトキシ鎖が
結合した構造のものを用いることもできる。さらに、フッ素系界面活性剤としては、これ
らパーフロロアルキル鎖にシロキサンが結合した構造のものを用いることもできる。フッ
素系界面活性剤としては、市販のフッ素系界面活性剤を用いることもできる。添加量とし
ては全体の0.01質量%から1質量%の範囲内で適用することが好ましい。
【0065】
以下において、本発明の光ナノインプリントリソグラフィ用感光性樹脂組成物を用いた
パターン形成方法、パターン転写方法について述べる。
【0066】
本発明の光ナノインプリントリソグラフィ用感光性樹脂組成物は、一般によく知られた
塗布方法、例えば、ディップコート法、スピンコート方法、インクジェット法、スリット
スキャン法などで塗布することにより形成することができる。
【0067】
本発明に用いられるモールドは、転写されるべき微細なパターンを有するものであり、
モールド(スタンパ)に該パターンを形成する方法は特に制限されない。例えば、フォト
リソグラフィや電子線描画法等、所望する加工精度に応じて、選択される。モールド(金
型)の材料としては、シリコンウエハ、各種金属材料、ガラス、石英、セラミック、プラ
スチック等、強度と要求される精度の加工性を有するものであれば良い。具体的には、S
i、SiC、SiN、多結晶Si、Ni、Cr、Cu、及びこれらを1種以上含むものが
好ましく例示される。特に、石英は透明性が高く光硬化の際、樹脂に光が効率的に照射さ
れるため好ましい。不透明な材料を使用する場合は、金型と反対側の面より光を照射し樹
脂を硬化させる。
【0068】
また、これら金型表面には樹脂との接着を防止するための離型処理が施されていること
がより好ましい。表面処理の方法としては、シリコーン系の離型剤の他、フッ素系化合物
が表面上に数nm厚で形成されていることが好ましい。
【0069】
本発明において、基板となる材料は特に制限されないが、所定の強度を有するものであ
れば良い。具体的には、シリコン、各種金属材料、ガラス、セラミック、プラスチック、
等が好ましく、モールド(金型)が不透明な場合は透明な基板を用いることができる。
【0070】
本発明の感光性樹脂組成物を硬化させる光としては特に制限されないが、近紫外、遠紫
外、可視、赤外等の領域の波長の光または放射線が挙げられる。紫外線源としては、例え
ば、紫外線螢光灯、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、キセノン灯、炭素アーク灯
、太陽灯等が挙げられる。放射線には、例えばマイクロ波、EUV(Extreme Ultra Viol
et、極端紫外)が含まれる。これらの光は、複数の波長の異なる光でも良いが、重合開始
剤が活性種を生ずる波長を有する第一の活性光線よりも、特性基を有する第二の活性光線
の波長が短くなるよう、適切な光を選ぶ必要がある。
【0071】
本発明の光硬化物の除去方法は、感光性樹脂組成物を硬化せしめた後に、これを除去す
る必要がある用途に特に制限なく適用することができる。そして、かかる光硬化物の除去
方法によれば、上述した効果を奏する本発明の感光性樹脂組成物を用いているため、第二
の活性光線を照射した後又は照射しながら除去を行うことにより、容易にかつ確実に除去
することができる。
【0072】
可逆的な光二量化は、この数十年の間に知られてきた。[2+2]付加環化及び、対応
するシクロブタン誘導体の光開裂と、[4+4]付加環化及び、対応する逆反応である。通
常、その二量体化は300〜400nm付近のより長い波長で進行し、光開裂は254n
m付近のより短い波長で行われる。可逆的な光二量体化はマレイミド誘導体、クマリン誘
導体、シンナメート類、及びスチルベン類などについて報告されており、周知のことであ
る。
【0073】
[2+2]の光反応では、光二量化反応とラジカル重合の両方が進行する可能性がある。
ラジカル重合は、光照射により励起されたエチレン性不飽和結合が、水素供与体から水素
を引き抜きエチレン性不飽和結合上にラジカルが発生し、そのラジカルにより開始される
と考えられている。
【0074】
本発明の(A)光重合性化合物であれば、[2+2]反応により環を巻いた構造は分子内
に予め含まれており、ラジカル重合が進行する可能性はない。
【0075】
かかる感光性樹脂組成物であれば、感度と硬化度が高く、ナノインプリントにより微細
構造を形成可能な光硬化物を形成することが可能で、優れた分解能を得ることができる。
そして、形成した光硬化物の除去性については、上記の光重合性化合物を用いているため
、光硬化物を所定の波長の光を照射することにより分解せしめることができ、光硬化物の
除去が可能となる。
【実施例】
【0076】
以下に本発明の実施例に基づいて説明するが、本発明はこれらに制限されるものではな
い。尚、以下に使用される「部」および「%」は特に示さない限りすべて質量基準である

【0077】
[(A)光重合性化合物の合成]
<(A)光重合性化合物A−1の合成>
四塩化炭素中で、無水マレイン酸に高圧キセノンランプを一時間照射することにより、
1,2,3,4-シクロブタンテトラカルボキシ二無水物を得た。1,2,3,4-シクロ
ブタンテトラカルボキシ二無水物のDMF(ジメチルホルムアルデヒド)溶液にアミノフ
ェノールを加え、3時間攪拌し、塩化アクリルを加え更に1時間攪拌し、光重合性化合物
A−1を得た。なお、この化合物についてNMRスペクトルを測定して構造を解析したと
ころ、一分子中にアクリロイル基を2個有していることが確認され、下記式(9)で表さ
れる化合物であることが確認された。
【0078】
【化3】

【0079】
<(A)光重合性化合物A−2の合成>
1,2,3,4-シクロブタンテトラカルボキシ二無水物のDMF溶液に、2-(2-ア
ミノエトキシ)エタノールを加え、3時間攪拌し、塩化アクリルを加え更に1時間攪拌し
、光重合性化合物A-2を得た。なお、この化合物についてNMRスペクトルを測定して
構造を解析したところ、一分子中にアクリロイル基を2個有していることが確認され、下
記式(10)で表される化合物であることが確認された。
【0080】
【化4】

【0081】
<(A)光重合性化合物A−3の合成>
1,2,3,4-シクロブタンテトラカルボキシ二無水物のDMF溶液に、2-(2-ア
ミノエトキシ)エタノールを加え、3時間攪拌し、2−イソシアネートエチルメタクリレ
ートを加え更に1時間攪拌し、光重合性化合物A−3を得た。なお、この化合物について
NMRスペクトルを測定して構造を解析したところ、一分子中にアクリロイル基を2個有
していることが確認され、下記式(11)で表される化合物であることが確認された。
【0082】
【化5】

【0083】
<(A)光重合性化合物A−4の合成>
ヒドロキシクマリン、炭酸カリウム、塩化アクリル、ヨウ化カリウムをDMFに溶かし
、窒素下110℃で一晩撹拌した。室温(25℃)に冷やし酢酸エチルで抽出し、光重合
性化合物A−4を得た。なお、この化合物についてNMRスペクトルを測定して構造を解
析したところ、一分子中にアクリロイル基を2個有していることが確認され、下記式(1
2)で表される化合物であることが確認された。
【0084】
【化6】

【0085】
<(A)光重合性化合物A−5の合成>
ヒドロキシクマリン、炭酸カリウム、2-ヒドロキシエチルビニルエーテル、ヨウ化カ
リウムをDMFに溶かし、窒素下110℃で一晩撹拌した。室温に冷やし酢酸エチルで抽
出し、光重合性化合物A−5を得た。なお、この化合物についてNMRスペクトルを測定
して構造を解析したところ、一分子中にビニルエーテル基を2個有していることが確認さ
れ、下記式(13)で表される化合物であることが確認された。
【0086】
【化7】

【0087】
<(A)光重合性化合物A−6の合成>
ヒドロキシクマリン、炭酸カリウム、2−ブロモエタノール、ヨウ化カリウムをDMF
に溶かし、窒素下110℃で一晩撹拌した。室温に冷やし酢酸エチルで抽出し、フラッシ
ュクロマトグラフィーで精製後、DMF中で塩化アクリルを作用させて光重合性化合物A
−6を得た。なお、この化合物についてNMRスペクトルを測定して構造を解析したとこ
ろ、一分子中にアクリロイル基を2個有していることが確認され、下記一般式(14)で
表される化合物であることが確認された。
【0088】
【化8】

【0089】
<(A)光重合性化合物A−7の合成>
1,2,3,4-シクロブタンテトラカルボキシ二無水物のTHF溶液に2−ヒドロキ
シエチルアクリレートと4−メトキシフェノールを加え、窒素下65℃で一晩攪拌し、光
重合性化合物A−7を得た。なお、この化合物についてNMRスペクトルを測定して構造
を解析したところ、一分子中にアクリロイル基を2個有していることが確認され、下記一
般式(15)で表される化合物であることが確認された。
【0090】
【化9】

【0091】
<(A)光重合性化合物A−8の合成>
1,2,3,4-シクロブタンテトラカルボキシ二無水物のTHF溶液に、2-ヒドロキ
シエチルビニルエーテルと4-メトキシフェノールを加え、窒素下65℃で一晩攪拌し、
光重合性化合物A−8を得た。なお、この化合物についてNMRスペクトルを測定して構
造を解析したところ、一分子中にビニルエーテル基を2個有していることが確認され、下
記一般式(16)で表される化合物であることが確認された。
【0092】
【化10】

【0093】
<(A)光重合性化合物A−9の合成>
四塩化炭素中で9−アントロールに高圧キセノンランプを一時間照射することにより、
二量体を得た。得られた二量体をDMFに溶かし、2-ヒドロキシエチルアクリレートと
4-メトキシフェノールを加え、窒素下で5日間攪拌し、光重合性化合物A−9を得た。
なお、この化合物についてNMRスペクトルを測定して構造を解析したところ、一分子中
にアクリロイル基を2個有していることが確認され、下記一般式(17)で表される化合
物であることが確認された。
【0094】
【化11】

【0095】
<(A)光重合性化合物A−10の合成>
四塩化炭素中で9−アントロールに高圧キセノンランプを一時間照射することにより、
二量体を得た。得られた二量体をDMFに溶かし、2-ヒドロキシエチルビニルエーテル
と4-メトキシフェノールを加え、窒素下で5日間攪拌し、光重合性化合物A−10を得
た。なお、この化合物についてNMRスペクトルを測定して構造を解析したところ、一分
子中にビニルエーテル基を2個有していることが確認され、下記一般式(18)で表され
る化合物であることが確認された。
【0096】
【化12】

【0097】
(実施例1〜12及び比較例1)
光重合性化合物として、上述のようにして合成した(A)光重合性化合物A−1〜A−
10、及び比較としてA’−1:テトラエチレングリコールジメタクリレート(新中村化
学工業株式会社製、商品名:4G)をそれぞれ準備した。
そして、表1に示す(A)光重合性化合物以外の光重合性化合物、(B)光重合開始剤
(光ラジカル重合開始剤、光酸発生剤)、添加剤を用い、下記の調合法により光ナノイン
プリントリソグラフィ用感光性樹脂組成物を作製し、動粘度、硬化性、耐エッチング性、
硬化物除去性を評価し、それらを纏めて、表1に示した。
【0098】
本発明の実施例および比較例で用いた(A)光重合性化合物以外の光重合性化合物であ
る(メタ)アクリレート化合物は、以下の通りである。
A’−2:2−フェノキシエチルアクリレート(SARTOMER社製)
A’−3:イソボルニルアクリレート(SARTOMER社製)
A’−4:ラウリルアクリレート(SARTOMER社製)
A’−5:ネオペンチルグリコールジアクリレート(新中村化学工業株式会社製)
【0099】
本発明の実施例および比較例で用いた(A)光重合性化合物以外の光重合性化合物であ
るビニルエーテル化合物は、以下の通りである。
A’−6:オクタデシルビニルエーテル(日本カーバイド工業株式会社製)
A’−7:トリエチレングリコールジビニルエーテル(BASF社製)
【0100】
本発明の実施例および比較例で用いた光ラジカル重合開始剤、光酸発生剤の略号は、以
下の通りである。
B−1:2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルフォリノ-プロパン-1-
オン(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製、商品名:イルガキュアI-907)
B−2:ビス[4-(ジ(4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル)スルフォニオ)-フェ
ニル]スルフィドビス-ヘキサフルオロアンチモネート(株式会社ADEKA製、商品名
:SP170)
【0101】
本発明の実施例および比較例で用いた添加剤の略号は、以下の通りである。
C−1:9−メチルアントラセン(東京化成工業株式会社製)
【0102】
(調合法);その手順は以下の通りである。
1)光重合開始剤を秤量
2)光重合性化合物に光重合開始剤を投入し攪拌、溶解
3)ミックスロータにて1時間攪拌
4)0.2μmのメンブランフィルタにてろ過
【0103】
(動粘度の測定)
E型粘度計(東京計器株式会社製、VISCONIC ELD)を用い、サンプルカッ
プ内に評価試料を1.2mL注入した。次にサンプルカップを本体に取付け、ロータを回
転させ粘度を測定した。粘度の測定はすべて25℃で行った。単位は「mPa・s」であ
る。
【0104】
(硬化性評価)
予め表面をオプツールDSX(ダイキン工業株式会社)で離型処理した直径160nm
、深さ400nmのトレンチを有するシリコン製のモールドの上に評価試料を0.05μ
L滴下した後、モールド上に15mm×15mmガラス基板を載せた。減圧中で500W
超高圧水銀灯を用いて365nmの光をガラス基板側から0.1J/cm照射した。照
射(露光)後、このモールドを剥離し、AFM(Veeco社製、Nanoscope D5000
)を用いて基板表面に存在する硬化されたレジストの形状を観察した。そして、下記のよ
うに硬化性を評価した。
「○」:レジストは完全に硬化し、モールドのパターン形状とほぼ同一のピラーが形成
「△」:レジストが一部硬化していないか、ピラーの抜けを確認
「×」:レジストがほぼ硬化していないか、ピラーが全体的に形成されていない
【0105】
(エッチレートの評価)
評価試料を15mm×15mmガラス基板(日本電気硝子株式会社製、OA-10)上
に0.2μL滴下した後、このガラス基板の上に予め表面をオプツールDSX(ダイキン
工業株式会社)で離型処理した15mm×15mmガラス基板を載せ、減圧中で500W
超高圧水銀灯を用いて365nmの光をガラス基板側から3J/cm照射した。離型処
理を行ったほうのガラス基板を剥離して樹脂膜を形成し、樹脂膜の一部をポリイミド粘着
テープによりマスキングして試料とした。次に、本試料をドライエッチャ(新港精機株式
会社製、EXAMターボ付RIEエッチング装置)の処理室に導入した後、CHFガス
を流量50mL/min、圧力3Pa、出力100Wの条件で900s処理後、マスキン
グテープを剥がし、処理面と非処理面の段差を段差計(Veeco社製、Dektak 200V-Si
)を用いて測定した。リファレンスとしてレジストOFPR-800(東京応化工業株式
会社製)を用いた。15mm×15mmガラス基板(日本電気硝子株式会社製、OA-1
0)上に0.1g滴下した後、スピンコータ(ミカサ株式会社製、1H-DX2)で50
0rpm/10s予備回転の後、2000rpm/30s、2500rpm/3sの本回転
を行った。この上に予め表面をオプツールDSX(ダイキン工業株式会社製)で離型処理
した15mm×15mmガラス基板を載せ、減圧中で500W超高圧水銀灯を用いて36
5nmの光をガラス基板側から3J/cm照射した。離型処理を行ったほうのガラス基
板を剥離して樹脂膜を形成し、前記の試料と同様にエッチング評価を行い、評価試料の段
差をOFPR-800の段差で割ってエッチングレートを算出し、下記のように評価した

「○」:エッチングレートが1未満
「△」:エッチングレートが1以上、1.5未満
「×」:エッチングレートが1.5以上
【0106】
(硬化物除去性の評価)
硬化性評価と同様の方法を用いて基板表面にレジストパターンを形成した後、低圧水銀
灯を用いて265nmの光を大気中で1000J/cm照射した後、メタノールに浸漬
しレジストの除去を行った。その後、デジタル顕微鏡を用いて基板表面を観察し、下記の
ように評価した。
「○」:レジストは完全に基板表面から除去された
「△」:レジストが一部基板表面に残った
「×」:レジストパターンが完全に基板表面に残った
【0107】
【表1】

【0108】
本発明の(A)光重合性化合物と(B)光重合開始剤を含有し、(B)光重合開始剤が
、第一の活性光線を照射した時に活性種を生じる化合物を含有し、前記(A)光重合性化
合物が、2以上の重合性基と、第一の活性光線よりも波長の短い第二の活性光線を照射し
たときに切断される結合を含む特性基と、を分子内に有する化合物を含有する実施例では
、従来良く使用される比較例1の光重合性化合物と同等の粘度を示し微細構造体の形成が
容易で、硬化物除去性に優れる。本実施例では、環を有していないA´-4を用いた実施
例3や、重合開始剤として光酸発生剤を用いた場合(実施例7、10、12)、硬化性、
耐エッチング性にやや劣るが、(A)光重合性化合物を上記のような化合物とすることに
より硬化物除去性に特に優れる。
【0109】
以上の結果より本発明の感光性樹脂組成物によれば、微細構造形成能を維持したまま硬
化物の除去性を向上させることが可能である。
【符号の説明】
【0110】
1‥基板
2‥感光性樹脂組成物膜(光硬化性樹脂)
3‥モールド
4‥ベース層
6‥レジストパターン。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)2以上の重合性基と、第一の活性光線よりも波長の短い第二の活性光線を照射し
たときに切断される結合を含む特性基と、を分子内に有する光重合性化合物、及び
(B)第一の活性光線を照射した時に活性種を生じる光重合開始剤
を含有する、光ナノインプリントリソグラフィ用感光性樹脂組成物。
【請求項2】
前記(A)光重合性化合物の第一の活性光線よりも波長の短い第二の活性光線を照射し
たときに切断される結合を含む特性基が、下記式(1)〜式(4)のいずれかで表される
基である請求項1記載の光ナノインプリントリソグラフィ用感光性樹脂組成物。
【化1】

【請求項3】
前記(A)光重合性化合物の重合性基が、エチレン性不飽和結合である請求項1又は請
求項2に記載の光ナノインプリントリソグラフィ用感光性樹脂組成物。
【請求項4】
前記(A)光重合性化合物の重合性基が、アクリレート、メタクリレート、ビニルエー
テル、アリルエーテル又はスチレンのいずれかである請求項3に記載の光ナノインプリン
トリソグラフィ用感光性樹脂組成物。
【請求項5】
前記(A)光重合性化合物の重合性基が、エポキシ又はオキセタンである請求項1又は
請求項2に記載の光ナノインプリントリソグラフィ用感光性樹脂組成物。
【請求項6】
前記(A)光重合性化合物が、下記一般式(5)〜(8)のいずれかで表される化合物
を含有する請求項1〜4のいずれかに記載の光ナノインプリントリソグラフィ用感光性樹
脂組成物。
【化2】

[一般式(5)〜(8)中、X、X、X、X及び、Y、Y、Y、Yは、
それぞれ独立にメチレン基、エチレン基又はプロピレン基を示し、R、R、R、及
びRは、それぞれ独立に2価の有機基を示し、Rは水素原子又はメチル基を示し、m
+n、m+n、m+n、m+nは、それぞれ0〜20の整数である。]
【請求項7】
25℃における粘度が20mPa・s以下である、請求項1〜6のいずれかに記載の光
ナノインプリントリソグラフィ用感光性樹脂組成物。
【請求項8】
さらに、少なくとも1つの重合性基及び環状構造を、分子内に有する光重合性化合物を
含有する請求項1〜7のいずれかに記載の光ナノインプリントリソグラフィ用感光性樹脂
組成物。
【請求項9】
前記少なくとも1つの重合性基及び環状構造を、分子内に有する光重合性化合物が、1
つの(メタ)アクリロイル基及び環状構造を分子内に有する化合物を含有する請求項8に
記載の光ナノインプリントリソグラフィ用感光性樹脂組成物。
【請求項10】
基板上に、請求項1〜9のいずれかに記載の感光性樹脂組成物からなる樹脂膜を形成す
る工程と、
表面に微細な凹凸パターンを有するモールドを前記樹脂膜の表面に加圧接触し、該モー
ルドの凹凸パターンを樹脂膜に転写する工程と、
第一の活性光線を照射して前記樹脂膜を硬化させ、基板上に硬化膜を形成する工程と、
前記モールドを硬化膜表面から剥離する工程と、
前記硬化膜のモールドの凸部と基板との間に形成されるベース層をエッチングにより除
去し、前記基板上に硬化パターンを形成する工程と、
を含む、パターン形成方法。
【請求項11】
前記硬化パターンをマスクとして前記基板をエッチングする工程と、
前記硬化パターンを除去する工程と、
をさらに含む、請求項10に記載のパターン形成方法。
【請求項12】
請求項10又は請求項11に記載のパターン形成方法により形成された微細なパターン
を有する微細構造体。
【請求項13】
第一の活性光線を照射することにより硬化された請求項10又は11に記載のパターン
形成方法により得られた光硬化物に、第一の活性光線よりも波長の短い第二の活性光線を
照射することにより該光硬化物を除去する、光硬化物の除去方法。

【図1】
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【公開番号】特開2010−206115(P2010−206115A)
【公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−52694(P2009−52694)
【出願日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【出願人】(000004455)日立化成工業株式会社 (4,649)
【Fターム(参考)】