光ネットワークシステム
【課題】複数の変調方式の信号光が同時に伝送される場合に、ガードバンドの数を減らし、波長帯域の利用効率を高めることが出来る光ネットワークシステムを提供する。
【解決手段】波長ごとにさまざまな変調方式で変調された信号光を波長多重して伝送するシステムにおいて、波長切り替え等によりランダムな波長位置に配置された信号光を、同じ変調方式の信号光は隣接する波長配置に来るように再配置する。同じ変調方式の信号光同士は、隣接する信号光への影響が少ないため、異なる変調方式の信号光が隣接する場合にのみ隣接信号光の間にガードバンドを設ければよいので、帯域利用率が向上する。また、再配置する際に、光増幅器の帯域を拡大して、拡大帯域を用いて再配置を行なうと、再配置を高速に行なうことができる。
【解決手段】波長ごとにさまざまな変調方式で変調された信号光を波長多重して伝送するシステムにおいて、波長切り替え等によりランダムな波長位置に配置された信号光を、同じ変調方式の信号光は隣接する波長配置に来るように再配置する。同じ変調方式の信号光同士は、隣接する信号光への影響が少ないため、異なる変調方式の信号光が隣接する場合にのみ隣接信号光の間にガードバンドを設ければよいので、帯域利用率が向上する。また、再配置する際に、光増幅器の帯域を拡大して、拡大帯域を用いて再配置を行なうと、再配置を高速に行なうことができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
以下の実施形態は、複数の変調方式の信号光が波長多重されて伝送される光ネットワークシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、伝送トラフィックの増加に伴い、40Gbit/s以上の伝送容量を持つ次世代光伝送システム導入の要求が高まっている。その実現手段として、従来システムで適用されてきたNRZ(Non Return to Zero)変調方式に比べて、周波数利用効率、光信号対雑音比(OSNR)耐力、非線形性耐力に優れた様々な変調方式が採用されている。例えば伝送容量40Gbit/sの変調方式としては、DPSK(Differential Phase Shift Keying)変調方式やDQPSK(Differential Quadrature Phase Shift Keying)変調方式が用いられている。その中でも、DQPSK変調方式は多値変調によって一度の変調で2ビットのデータの伝送が可能なため、高分散耐力、高PMD(Polarization Mode Dispersion)耐力、狭スペクトルといった特長を持ち、次世代光伝送システムの変調方式として有望視されている。例えば、システムが40Gbit/sの伝送容量を得る際の変調速度(ボーレート、Baudrate)は、DPSK変調方式が40Gbit/s、DQPSK変調方式が20Gbit/sとなる。
【0003】
また、近年は、このDQPSK変調方式の更なる大容量化・特性(OSNR耐力、波長分散耐力)改善を実現するため、偏波多重技術やデジタルコヒーレント受信技術と組み合わせた変調方式の開発も盛んに行われている。偏波多重技術は各偏波の信号光を異なるデータ信号で変調することによって変調のビット数を倍にする技術である。偏波多重技術とDQPSK変調方式を組み合わせることで一度の変調で4ビットの伝送が可能となり、40Gbit/s伝送システム(ボーレート10Gbit/s)、100Gbit/s伝送システム(ボーレート25Gbit/s)などへの適用が有力視されている。
【0004】
図1及び図2は、従来技術を説明する図である。
このように、光ネットワークシステムには様々な変調方式の信号が混在し、各波長の信号毎に変調方式が異なる。このとき、特に、ボーレートが異なる変調方式の信号光が隣接する波長位置にあると、伝送性能が劣化することが知られている。伝送性能の劣化を回避する手段としては、信号光の波長位置の横に一定の間隔(ガードバンド、図1参照)を設ける手法などがとられる。しかし、異なる変調方式の信号光がランダムな波長位置に配置されていると、波長ごとにガードバンドを設けなければいけなくなる。これにより、信号帯域内であっても、実際には信号が存在しないガードバンドの占める割合が大きくなり、波長帯域の利用効率が悪くなるという問題がある。したがって、波長帯域を効率的に利用するには、同じ変調方式の信号光を波長方向に集中的に配置し、信号帯域内のガードバンドの数を少なくすることが重要となる。
【0005】
一方、ROADM(Reconfigurable Optical Add-Drop Multiplexer)装置を用いた光ネットワークシステムでは、図2(a)にあるように、ネットワーク制御部10からの要求に応じて伝送経路の切り替えを随時行う。このとき経路切り替えが頻繁に行われると、さまざまな変調方式の信号光が波長方向にランダムに配置され(断片化し)、異なる変調方式の信号光が隣接する箇所が増え、ガードバンド数も増加する。結果として波長帯域の利用効率が低下し、システム全体の伝送容量が低下する。
【0006】
したがって、図2(b)にあるように、断片化された信号光の波長位置を再配置することにより、同じ変調方式の信号光が隣接する波長位置に来るようにする必要がある。このようにすれば、ガードバンドの数を減らすことが出来、信号光を波長帯域内で詰めて配置することが出来るので、波長帯域の利用効率を上げることができる。波長帯域の利用効率が上がることにより利用可能となる帯域に、更に信号光を配置することにより、伝送容量を増やすことが出来る。しかし、従来では、そのための構成が具体的には提案されていない。
【0007】
従来技術には、波長多重信号を波長ごとに分波して、各波長に波長変換を行なった後、合波する波長群波長変換器およびそれを用いた波長群交換機を有するもの、可変波長トランスポンダの波長切り替えを行なうもの、四光波混合クロストークが所定値以下となるように波長配置を変更するものなどがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2002−315027号公報
【特許文献2】特開2005−286736号公報
【特許文献3】特開平8−97771号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
以下の実施形態では、複数の変調方式の信号光が波長多重されて伝送される場合に、ガードバンドの数を減らし、波長帯域の利用効率を高めることが出来る光ネットワークシステムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
以下の実施形態の一側面における光ネットワークシステムは、異なる変調方式の信号光を波長多重して伝送する光ネットワークシステムにおいて、各波長の信号光を変調し、送信する各光送信機と、該各光送信機からの各波長の信号光を受信する各光受信機と、該各光送信機からの信号光あるいは該各光受信機への信号光を、波長ごとに伝送路にアドする、あるいは、伝送路からドロップするアド・ドロップ波長多重装置と、同一変調方式の信号光が隣接する波長位置に来るように各波長の信号光の波長位置を再配置するために、該光送信機、該光受信機及び該アド・ドロップ波長多重装置の動作波長を制御する制御部とを備える。
【発明の効果】
【0011】
以下の実施形態によれば、複数の変調方式の信号光が波長多重されて伝送される場合に、ガードバンドの数を減らし、波長帯域の利用効率を高めることが出来る光ネットワークシステムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】従来技術を説明する図(その1)である。
【図2】従来技術を説明する図(その2)である。
【図3】本実施形態を説明する図(その1)である。
【図4】本実施形態を説明する図(その2)である。
【図5】波長デフラグメンテーションの動作の流れを説明する図(その1)である。
【図6】波長デフラグメンテーションの動作の流れを説明する図(その2)である。
【図7】波長デフラグメンテーションの動作の流れを説明する図(その3)である。
【図8】波長デフラグメンテーションの動作の流れを説明する図(その4)である。
【図9】波長デフラグメンテーションの動作の流れを説明する図(その5)である。
【図10】波長デフラグメンテーションの動作の流れを説明する図(その6)である。
【図11】波長デフラグメンテーションの動作の流れを説明する図(その7)である。
【図12】本実施形態の第1の構成を説明する図(その1)である。
【図13】本実施形態の第1の構成を説明する図(その2)である。
【図14】本実施形態の第1の構成を説明する図(その3)である。
【図15】本実施形態の光ネットワークシステムで用いる波長多重通信用の光増幅器の構成例を示す図(その1)である。
【図16】本実施形態の光ネットワークシステムで用いる波長多重通信用の光増幅器の構成例を示す図(その2)である。
【図17】本実施形態の光ネットワークシステムで用いる波長多重通信用の光増幅器の構成例を示す図(その3)である。
【図18】本実施形態の光ネットワークシステムで用いる波長多重通信用の光増幅器の構成例を示す図(その4)である。
【図19】本実施形態の光ネットワークシステムで用いる波長多重通信用の光増幅器の構成例を示す図(その5)である。
【図20】本実施形態の第2の構成を示す図(その1)である。
【図21】本実施形態の第2の構成を示す図(その2)である。
【図22】本実施形態の第2の構成を示す図(その3)である。
【図23】本実施形態の第2の構成を示す図(その4)である。
【図24】波長の移動方法の例を説明する図(その1)である。
【図25】波長の移動方法の例を説明する図(その2)である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図3及び図4は、本実施形態を説明する図である。
図3(b)の(1)の図は、経路変更によって波長方向に断片化した信号光配置を示す。太さの違う矢印は、異なる変調方式の信号光を示す。変調方式が異なる信号光の間にはガードバンド(点線)を設けている。このとき、図3(a)にあるネットワーク制御部10からの指示により、光送受信装置11−1〜11−4の波長の変更およびROADM装置12−1〜12−4の経路変更を行い、変調方式毎に、同じ変調方式の信号光が隣接する波長位置にくるように、信号光の波長位置を集約する。これにより、図3(b)の(3)のようにガードバンドを削減し、波長利用効率を向上することが可能となる。このように断片化された信号光を変調方式毎に隣り合う波長位置に来るように再配置する操作を波長デフラグメンテーションと呼ぶ。
【0014】
また、波長デフラグメンテーションを実行するとき、光ネットワークシステムの空き波長数が少ないと波長の配置変更の回数が増加し、波長デフラグメンテーションの実行時間が長くなる。そこで、図3(b)の(2)にあるように、波長デフラグメンテーション実行時に一時的に光増幅器13−1〜13−4の波長帯域を拡大し、拡大した波長帯域を用いて波長の再配置を行う。波長再配置終了後には光増幅器13−1〜13−4の波長帯域を元に戻す。
【0015】
図4に本実施形態の動作の一例を示す。
図4において、上を向いた矢印は、各波長の信号光を示し、矢印の太さが異なる信号光は、異なる変調方式の信号光であることを示す。また、点線の長方形は、ガードバンドを示す。
【0016】
図4(a)は帯域拡大を行わず、図4(b)は帯域拡大を行って、波長デフラグメンテーションを実行した例である。波長デフラグメンテーションを行なうことにより、波長帯域の利用効率を高めることができる。更に、帯域拡大を行うことで波長の配置変更の実行回数が減り、結果として波長デフラグメンテーションの実行時間の短縮が可能となる。
【0017】
図4(a)においては、帯域拡大を行なわないで、波長デフラグメンテーションを行なう。(1)においては、各変調方式の信号光の波長位置が断片化され、波長位置がランダムになっている状態を示している。この場合、信号光同士で影響を及ぼしあうことにより伝送性能が劣化することを避けるために、各信号光間にガードバンドを設けている。この状態で、波長デフラグメンテーションを行なう。
【0018】
まず、(1)の上側の矢印が示すように、一番太い矢印で示される信号光の1つを一番外側の波長位置に移動する。次に、(2)に示されるように、中位の太さの矢印で示される2つの信号光を、(1)の移動によって空き位置となった、もう1つの中位の太さの矢印で示される信号光に隣接する波長位置に移動する。このとき、ガードバンドの1つが不要となる。次に、(3)に示されるように、細い矢印で示される信号光を、(2)の移動によって空いた波長位置に、細い矢印が集まるように移動する。(4)では、太い矢印で示される信号光を全て隣接する波長位置に移動し、(5)で、最後に残った細い矢印の信号光を、他の細い矢印で示される信号光に隣接する波長位置に移動する。これにより、(6)に示されるように、各太さの矢印が全て、太さごとに集約された波長位置に移動し、波長デフラグメンテーションが終了する。
【0019】
図4(b)は、帯域拡大を行なって波長デフラグメンテーションを行なう場合を示す。
(1)においては、各太さの信号光の波長位置が断片化されており、多くのガードバンドが設けられているのが示されている。このとき、太い矢印で示される信号光を、帯域拡大により拡張された波長帯域内に全て移動する。そして、(2)に示されるように、太い矢印で示される信号光がなくなったことによって生じた帯域を利用して、細い矢印の信号光と中位の太さの矢印の信号光を、それぞれ隣接する波長位置に移動する。そして、(3)に示されるように、細い信号光と中位の太さの信号光をそれぞれ集約することによって空いた帯域に、(1)で移動した太い信号光全てを移動し、(4)で帯域拡大を終了して、元の波長帯域に戻す。以上により、波長デフラグメンテーションを終了する。
【0020】
図4(a)と図4(b)を比較すると、図4(a)の帯域拡大が無い場合には、6ステップかかっている波長デフラグメンテーションが、図4(b)の帯域拡大がある場合には、4ステップですんでおり、帯域拡大を行なったほうが高速に波長デフラグメンテーションを完了することができることが理解される。
【0021】
図5〜図11は、波長デフラグメンテーションの動作の流れを説明する図である。
図5にあるように、移動対象信号を決定後、光ネットワークの空き波長についてそれぞれ評価値を算出する。評価値の算出方法については図7で後述する。空き波長の評価値の最大値が移動対象信号の現在の波長の評価値より大きい場合は、移動対象信号を評価値最大の波長に移動する。空き波長の評価値の最大値が移動対象信号の現在の波長の評価値と同じか、または、それより小さい場合は現在の移動対象信号は移動せず、移動対象信号を変更する。
【0022】
移動対象信号の決定、評価値の演算及び比較は、ネットワーク制御部が行なう。また、移動指示等は、ネットワーク制御部が、光送受信装置、ROADM装置、光増幅器等に対して行なう。現在の波長の利用状況やどこにガードバンドがあるか等の情報は、やはり、ネットワーク制御部が保持しているとする。
【0023】
図6に、波長デフラグメンテーションのアルゴリズムのフローチャートを示す。
波長デフラグメンテーションが開始されると移動対象信号を管理するパラメータiを初期値(=1)に設定する(ステップS10)。ステップS11において、波長λiの信号を移動対象信号に設定する。ステップS12において、移動対象信号に対して各空き波長の評価値を算出する。ステップS13において、空き波長の評価値の最大値が移動対象信号の現在の波長の評価値より大きいか否かを判断する。大きい場合は移動対象信号を評価値が最大となる波長に移動する(ステップS14)。移動後、iを初期値に戻す(ステップS10)。空き波長の評価値が現在の波長と同じか、それより小さい場合は、ステップS15において、iが最大値か否かを判断する。iが最大値に達していなければ、ステップS16において、i=i+1として移動対象信号を変更する。このときiがすでに最大値の場合は処理を終了する。なお、各波長は、ステップS9において、毎回、波長の短いほうから順に、λ1、λ2・・・と番号が振られるものとする。
【0024】
図7に評価値の算出の一例を示す。
評価値は移動先波長の候補に隣接する信号から算出する。隣接する信号が移動対象信号と同一の変調方式である場合は評価値を1とする。このとき隣接する同一変調信号が複数である場合はその数を評価値とする。図7のように2本の同一変調方式信号が隣接する場合は2、4本の同一変調方式が隣接する場合は4とする。隣接する信号が異なる変調方式の変調信号あるいは隣接する信号がない場合は評価値を0とする。移動対象信号についても、移動対象信号と同一変調方式の信号が隣接している場合には、その波長の数を評価値とする。隣接した同一変調方式の信号が無い場合には0とする。
【0025】
図8に、図6のアルゴリズムを用いた場合の波長デフラグメンテーションの動作を示す。
(1)のaの信号光が(2)で、太い信号光の隣に移動されている。また、(2)のbの信号光が(3)で、細い信号光の隣に移動されている。(3)のcの信号光が(4)で、中位の太さの信号光の隣に移動されている。(4)のdの信号光が、(5)で、左側の太い信号光の隣に移動されている。(5)のeの信号光が、(6)で、左側の中位の太さの信号光の集合の隣に移動されている。(6)のfの信号光が、(7)で、中程の細い信号光の隣に移動されている。(7)のgの信号光が、(8)で、中程の細い信号光の集合の隣に移動されている。(8)のhの信号光が、(9)で、中程の細い信号光の集合の隣に移動されている。(9)のiの信号光が、(10)で、右側の太い信号光の集合の隣に移動されている。(10)のjの信号光が、(11)で、右側の太い信号光の集合の隣に移動されている。
【0026】
図9〜図11は、帯域拡大のある場合の波長デフラグメンテーションを説明する図である。
図9は、帯域拡大のある場合の波長デフラグメンテーションの概略フローチャートである。
【0027】
処理が開始されると、ステップS20において、拡大帯域に空き波長があるか否かを判断する。ステップS20の判断がNoの場合には、ステップS23に進む。ステップS20の判断がYesの場合には、ステップS21において、信号の波長を拡大帯域の波長に変更し、ステップS22において、帯域拡大前の信号帯域(通常帯域)に空き波長が一定数以上あるか否かを判断する。ここでの一定数は、システムの設計者により適宜設定されるものとする。ステップS22の判断がNoの場合には、ステップS20に戻る。ステップS22の判断がYesの場合には、ステップS23において、通常帯域内の信号光を変調方式ごとに集約するように波長を変更し、ステップS24において、集約が終わったら、波長範囲の信号の波長を通常帯域の波長に変更する。そして、ステップS25において、拡大帯域を元に戻して処理を終了する。
【0028】
図10に拡大帯域を用いた場合のアルゴリズム例を示す。
拡大帯域を用いる場合は、波長デフラグメンテーション開始直後に、所定の変調方式信号(例えば、図11で最も太い矢印の信号)を拡大帯域に移動する。その後は、図6及び図7と同様の操作で波長の移動を行い、処理が終了したら、拡大帯域の信号を通常帯域に移動する。
【0029】
波長デフラグメンテーションが開始すると、ステップS30において、所定の変調方式の信号光を拡大帯域に移動する。ステップS31において、iを1に初期化する。ステップS32において、λiの信号を移動対象とする。ステップS33において、空き波長の評価値を算出する。ステップS34において、空き波長の評価値の最大値が波長λiの信号の評価値より大きいか否かを判断する。ステップS34の判断がYesの場合には、ステップS35において、移動対象信号を評価値最大の波長に移動し、ステップS31に戻る。
【0030】
ステップS34の判断がNoの場合には、ステップS36において、iが最大値になったか否かを判断する。この最大値は、移動されずに残っていて、ステップS29で番号を振られた波長の数である。ステップS36の判断がNoの場合には、i=i+1として、ステップS32に戻る。ステップS36の判断がYesの場合には、ステップS38において、拡大帯域の信号を通常帯域に移動して、処理を終了する。
【0031】
なお、各波長は、ステップS29において、毎回、波長の短いほうから順番に、λ1、λ2・・・と番号付けられるものとする。また、図10の開始前と終了後に、光増幅器の帯域の拡大と通常帯域への戻しが行なわれるものとする。
【0032】
図11に、図10のアルゴリズムに従った動作例を示す。
(1)において、各波長の信号光は断片化された状態となっている。(2)において、太い信号光が全て、拡大帯域に移動される。そして、(2)のaの信号光が、(3)で、左側の細い信号光の隣に移動されている。また、(3)のbの信号光は、(4)で、中央の中位の太さの信号光の隣に移動されている。(4)のcの信号光は、(5)で、左側の細い信号光の集合の隣に移動されている。(5)のdの信号光は、(6)で、中位の信号光の集合の隣に移動されている。(6)のeの信号光は、(7)で、細い信号光の集合の隣に移動されている。そして、(8)で、拡大帯域にあった太い信号光が通常帯域内に移動されている。
【0033】
図12〜図14は、本実施形態の第1の構成を説明する図である。
図12は、光ネットワークの構成を示す図である。
光ネットワークシステムは、波長多重通信用の光送受信装置11−1〜11−4、波長多重通信用の光増幅器13−1〜13−4、ROADM装置12−1〜12−4、ネットワークシステム制御部10によって構成される。ネットワーク制御部10は、光ネットワークシステムで使用されている波長及びパスの張り方、空き波長、各パスの変調方式・変調速度等を管理している。パスを張り替えたり、波長の切り替え等を行なう場合には、ネットワーク制御部10から波長多重通信用の光送受信装置11−1〜11−4、波長多重通信用の光増幅器13−1〜13−4、ROADM装置12−1〜12−4に対し、動作指示を行なう。
【0034】
図13は、ROADM装置の構成を示す図である。
ROADM装置12は、分岐カプラ20と波長選択スイッチ(WSS:Wavelength Selective Switch)21−1、21−2によって構成される。ROADM装置12に入力された波長多重(WDM:Wavelength Division Multiplexing)信号は分岐カプラ20によってドロップ信号として分岐される。ドロップ信号はWSS21−1に入力され、波長毎に分岐されて、光送受信装置の、対応する光受信機(Rx)22−1、22−2・・・22−iに入力される。一方、光送受信装置の、光送信機(Tx)23−1、23−2・・・23−iから出力された各アド信号はWSS21−2に入力され、分岐カプラ20をスルーしてきたWDM信号と合波され、ROADM装置12から出力される。
【0035】
ROADM装置12の前段及び後段にはそれぞれ波長多重通信用の光増幅器24、25があり、WDM信号を増幅する。前段の光増幅器24はポストアンプとして、後段の光増幅器25は、プリアンプとして動作する。制御部26は、光増幅器24、25の波長帯域の拡大(1)、光送信機22−1〜22−i、光受信機23−1〜23−iの波長変更(2)、WSS21−1、21−2の選択波長の変更(3)を行う。
【0036】
図14に光ネットワークシステムの動作のフローチャートの一例を示す。
波長デフラグメンテーションが開始すると、光ネットワークシステムの空き波長の数を確認する(ステップS40)。ステップS41で、空き波長が一定数以下か否かを判断する。このとき、一定数より多い空き波長がある場合は光増幅器の帯域拡大を行わず、通常帯域の中で波長の再配置を行う。一方、空き波長が一定数以下の場合は、光増幅器の帯域を拡大し(ステップS42)、波長の再配置を行うため、ステップS43に進む。ここで、空き波長の情報は、ネットワーク制御部が有しているとする。
【0037】
波長の再配置は、まず光送受信装置の波長を変更後(ステップS43)、ROADM装置の波長を変更する(ステップS44)。波長の再配置(波長デフラグメンテーション)は変調方式毎に信号光が隣り合うようになるまで繰り返す(ステップS45の判断でNoとなった場合)。波長の再配置が完了したら(ステップS45の判断でYesとなった場合)、ステップS46で、波長帯域を拡大していたか否かを判断する。ステップS46の判断で、拡大していないと判断された場合には、処理を終了し、拡大していた場合には、ステップS47で、光増幅器の帯域を通常状態に戻し、波長デフラグメンテーションの動作を完了する。
【0038】
なお、波長デフラグメンテーションを行なう契機としては、例えば、ガードバンドの数が一定数より多くなった場合に行なうとしてもよいし、1日に1回や1ヶ月に1回など、定期的に行なうようにしても良い。
【0039】
図15〜図19は、本実施形態の光ネットワークシステムで用いる波長多重通信用の光増幅器の構成例を示す図である。
図15及び図16は、光増幅器の第1の構成例を示す図である。
【0040】
図15にあるように、波長多重通信用の光増幅器としては、一般的にエルビウムドープ光ファイバ増幅器(EDFA:Erbium Doped Fiber Amplifier)が用いられる。EDFAは光アイソレータ30−1、30−2、励起光カプラ31−1、31−2、31−3、励起光源32−1、32−2、32−3、エルビウムドープファイバ(EDF:Erbium Doped Fiber)33−1、33−2、利得等化器(GEQ:Gain EQualizer)34、可変光減衰器(VOA:Variable Optical Attenuator)35によって構成される。励起光源32−1の励起光は、EDF33−1に入力され、信号光の増幅に用いられる。EDF33−1で増幅された信号光は、利得等化器34に入力される。利得等化器34では、EDF33−1の利得偏差を平坦化するように、各波長の信号光の強度を調整する。VOA35は、入手力信号の強度が変化したときに減衰量を調整し、光増幅器全体の利得を一定に保持することによって光増幅器の利得偏差の平坦性を保持する。励起光源32−2、32−3からの励起光は、EDF33−2に入力され、VOA35からの信号光を増幅する。EDF33−2で増幅された信号光は、出力信号として出力される。
【0041】
EDF33−1、33−2は、励起光源から出力される励起パワーによって決まる動作点(反転分布率)によって利得の波長特性が決まる。この利得の波長特性は、図16に示されている。図16は、横軸に波長、縦軸に相対ゲイン係数をとっている。
【0042】
図16に示されるように、励起パワーを増加させると動作点が高くなり、利得波長帯域が拡大する。図16では、帯域拡大前では、反転分布率が0.7であったとし、帯域拡大後は、反転分布率が0.8になったとする。
【0043】
このとき、通常動作では利得波長特性が平坦であったが、動作点を変化させることで利得波長特性に偏差が生じる。この利得波長特性の偏差はROADM装置12のWSS21−2に含まれる信号光毎のVOA36を制御することで平坦にする。励起光源32−1〜32−3の励起パワーを増加することで、一時的にシステム全体の消費電力が増加するが、波長デフラグメンテーション終了後に光増幅器の動作を元に戻し、消費電力も通常に戻す。
【0044】
また、利得特性の偏差は、光増幅器のVOA35を制御することによっても、平坦化するようにする。VOA35の減衰量を制御し、光増幅器全体の利得を調整することによって利得特性の偏差を平坦化する。VOA35は、光増幅器の制御を行なう、光増幅器制御回路37によって制御される。光増幅器制御回路37は、また、励起光源32−1〜32−3の出力パワーの制御も行なう。すなわち、帯域拡大する場合には、励起光源32−1〜32−3の出力パワーを増加させ、通常帯域に戻す場合には、これらを元の出力パワーに戻す。
【0045】
ROADM装置12のWSS21−2内のVOA36の減衰量は、ROADM制御回路38によって制御される。ROADM制御回路38と、図13の制御部26は同じものである。ROADM制御回路38、光増幅器制御回路37は共に、ネットワーク全体を管理するネットワーク制御部によって指示を受けて、制御動作を行なう。
【0046】
図17及び図18は、光増幅器の第2の構成例を示す図である。
図17において、図15と同じ構成要素には同じ参照符号を付し、その説明を省略する。
【0047】
図17及び図18では、図15及び図16と同様にEDFAの動作点を高くして利得波長帯域を拡大する。このとき発生する利得波長特性の偏差を動的利得等化器(AGEQ:Active GEQ)40で補償し、利得波長特性を平坦にする。
【0048】
帯域拡大時には、励起光源32−1〜32−3の出力パワーを増やし、EDF33−1、33−2の反転分布率を通常時より大きくする。EDF33−1、33−2の利得特性は、図18に示されている。図18は、図16と同様に、横軸に波長、縦軸に相対ゲイン係数をとって、各反転分布率について利得特性を示したものである。帯域拡大前は、反転分布率が0.7程度であり、帯域拡大後は、反転分布率は0.8程度であるとしている。反転分布率を0.8とすると、0.7のときより利得が上がり、信号増幅に使える帯域が広がるが、利得偏差が大きくなる。したがって、これを、AGEQ40で平坦化し、信号光の伝送特性を維持するようにする。もちろん、VOA35の減衰量も同時に制御してもよい。帯域拡大時は、励起光源の出力パワーの増加により、動作効率が落ちるが、波長デフラグメンテーション終了後に、通常帯域に戻して、通常運転では、動作効率の良い状態で運用する。
【0049】
図19は、光増幅器の第3の構成例を示す図である。
図19において、図15と同じ構成要素には、同じ参照符号を付し、その説明を省略する。
【0050】
図19は、は、光増幅器の前段のポストアンプをEDFAと分布定数ラマン増幅器(DRA:Distributed Raman Amplifier)の組み合わせで構成した例である。DRAは伝送路にラマン励起光源45−1、45−2を入力し、発生したラマン利得を増幅に用いる。ラマン励起光源45−1、45−2からの励起光は、カプラ46で合波され、カプラ47を介して、伝送路に導入される。一般に、ラマン増幅する場合、励起光が1つだと帯域が足りないので、通常、ラマン増幅を行なう場合には、波長の異なる複数の励起光を用いる。ここでは、2つの波長の異なる励起光を使うとしている。例えば、励起光源45−1は短波長側を増幅し、励起光源45−2は、長波長側を増幅するのに使うように設定する。このときラマン利得の利得波長特性はラマン励起光源45−1、45−2の波長およびパワーの組合せで決定する。図19の構成では、EDFAの動作点を高くして発生した利得波長特性の偏差をDRAのラマン励起光源45−1、45−2のパワー比を調整し、補償する。たとえば、EDFA33−1、33−2が、帯域拡大動作によって、反転分布が大きくなったとする。図16や図18からも明らかなように、EDAFにおいては、反転分布率が大きくなると、利得が大きくなるが、特に、短波長側で利得の増加が大きく、長波長側で利得の増加が少ない。したがって、増幅帯域全体にわたって平坦な利得特性を達成するためには、長波長側の利得を更に大きくする必要がある。この場合、ラマン増幅をするときに、長波長側の増幅に用いる励起光源45−2の励起光の出力パワーを、短波長側の増幅に用いる励起光源45−1の励起光の出力パワーより大きくする。これにより、ラマン増幅により、長波長側の信号光が余計増幅され、ラマン増幅器とEDFAの総合した利得特性がより平坦なものとなる。
【0051】
図20〜図23は、本実施形態の第2の構成を示す図である。
前述の本実施形態の第1の構成では波長の再配置時に、波長を切り替える必要があるので、信号切断が発生する。
【0052】
図20に運用中に信号断を発生することなく波長の再配置が可能なROADM装置の構成を示す。図20において、図13と同じ構成要素には、同じ参照符号を付し、その説明を省略する。
【0053】
第2の構成では、第1の構成に加えて更に、帯域拡大分の光受信機50−i+1〜50−j、光送信機51−i+1〜51−jと、データのスイッチ52、53、OR回路54−1〜54−i、分岐回路55−1〜55−iを持つ。
【0054】
動作例を図21及び図22に示す。ここで、通常帯域にλ1〜λ3の3つの信号光があり、拡大帯域に2波長の信号光を収容可能とする。
まず、λ2の信号をλ4に配置することを考える。(1)で、光送信機のスイッチ53を切り替えて、λ2に入力する送信データ信号をλ4にコピーする。この時点で、λ2とλ4に同じデータ信号が流れる。続いて、(2)で、光受信機のスイッチ52を切り替えて、λ4の出力とλ2の出力との論理和をとって、受信信号とする。この時点で、λ2の信号がλ4にコピーされる。続いて、(3)で、λ2の光送信機と光受信機をそれぞれ遮断し、λ2からλ4への再配置が完了する。次に、(4)で、(1)〜(3)と同様の操作で、λ3からλ5の再配置を行なう。また、(5)で、λ4からλ3の再配置を行い、(6)で、λ5からλ2の再配置を行なう。これを行うことでデータを切断することなく、波長の再配置が可能となる。
【0055】
図23は、波長変更のための処理フローである。
波長変更処理が始まると、ステップS50において、光送信機のスイッチ53を切り替え、移動元の波長の信号光のデータを移動先の波長の信号光にものせる。ステップS51において、光受信機のスイッチ52を切り替え、移動元の波長の信号光にのっているデータと共に、移動先の波長の信号光にのっているデータを受信する。ステップS52において、移動元の波長の光送信機を停止し、ステップS53において、移動元の波長の光受信機を停止する。以上により、信号光の波長が、移動元から移動先に変更されたことになる。ステップS54において、波長デフラグメンテーションが終わったか否かを判断し、終わってない場合には、ステップS50に戻って処理を繰り返し、終わった場合には、処理を終了する。
【0056】
図24及び図25は、波長の移動方法の更なる例を説明する図である。
ネットワーク制御部は、ガードバンドの数をモニタし、ガードバンドの数が一定数以上となったら波長デフラグメンテーションを実行する、あるいは、定期的に波長デフラグメンテーションを実行する。
【0057】
そして、図24に記載されているように、帯域拡大したときOSNR耐力特性が優れている変調方式(例えば10 Gbit/s NRZ変調方式)を優先して拡大した帯域に再配置する。すなわち、帯域拡大したとき、拡大された帯域は、通常は使用されない帯域であり、光増幅器のEDFの反転分布率が最適でない帯域となっている。したがって、このような拡大帯域では、ノイズが信号光に多くのってしまう。100Gbit/s DP-QPSK変調方式の信号光など高速な変調方式の信号光は、OSNR耐力特性が低いので、波長デフラグメンテーションを行なう場合、このような信号光を拡大帯域に移動すると、OSNRが悪化し、伝送可能距離が短くなってしまう。したがって、波長デフラグメンテーションを行う際、OSNR耐力特性が高い変調方式の信号を優先して拡大帯域に移動するようにする。そして、OSNR耐力特性が低い変調方式は通常帯域で並び替えを行なうようにする。
【0058】
また、図25にあるように、波長デフラグメンテーションによる再配置時にOSNR耐力特性が低い変調方式の信号光をOSNR特性の良い波長帯域に集約し、OSNR耐力特性が高い変調方式の信号光をOSNR特性が比較的悪い帯域に集約するようにする。
【0059】
どの信号光の変調方式がOSNR耐力特性が高いか、あるいは、低いかという情報、及び、OSNR特性の良い波長帯域に関する情報は、ネットワーク制御部が予め保持しておき、波長デフラグメンテーションを行う際、この情報を用いて波長の再配置を行なうようにする。
【符号の説明】
【0060】
10 ネットワーク制御部
11−1〜11−4 光送受信装置
12、12−1〜12−4 ROADM装置
13−1〜13−4 光増幅器
20、31−1〜31−3、46、47 カプラ
21−1、21−2 波長選択スイッチ
22−1〜22−i、50−i+1〜50−j 光受信機
23−1〜23−i、51−i+1〜51−j 光送信機
24、25 光増幅器
26 制御部
30−1、30−2 光アイソレータ
32−1〜32−3 励起光源
33−1、33−2 EDF
34 利得等化器
35、36 可変光減衰器
37 光増幅器制御回路
38 ROADM制御回路
40 動的利得等化器
45−1、45−2 ラマン励起光源
52、53 スイッチ
54−1〜54−i OR回路
55−1〜55−i 分岐回路
【技術分野】
【0001】
以下の実施形態は、複数の変調方式の信号光が波長多重されて伝送される光ネットワークシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、伝送トラフィックの増加に伴い、40Gbit/s以上の伝送容量を持つ次世代光伝送システム導入の要求が高まっている。その実現手段として、従来システムで適用されてきたNRZ(Non Return to Zero)変調方式に比べて、周波数利用効率、光信号対雑音比(OSNR)耐力、非線形性耐力に優れた様々な変調方式が採用されている。例えば伝送容量40Gbit/sの変調方式としては、DPSK(Differential Phase Shift Keying)変調方式やDQPSK(Differential Quadrature Phase Shift Keying)変調方式が用いられている。その中でも、DQPSK変調方式は多値変調によって一度の変調で2ビットのデータの伝送が可能なため、高分散耐力、高PMD(Polarization Mode Dispersion)耐力、狭スペクトルといった特長を持ち、次世代光伝送システムの変調方式として有望視されている。例えば、システムが40Gbit/sの伝送容量を得る際の変調速度(ボーレート、Baudrate)は、DPSK変調方式が40Gbit/s、DQPSK変調方式が20Gbit/sとなる。
【0003】
また、近年は、このDQPSK変調方式の更なる大容量化・特性(OSNR耐力、波長分散耐力)改善を実現するため、偏波多重技術やデジタルコヒーレント受信技術と組み合わせた変調方式の開発も盛んに行われている。偏波多重技術は各偏波の信号光を異なるデータ信号で変調することによって変調のビット数を倍にする技術である。偏波多重技術とDQPSK変調方式を組み合わせることで一度の変調で4ビットの伝送が可能となり、40Gbit/s伝送システム(ボーレート10Gbit/s)、100Gbit/s伝送システム(ボーレート25Gbit/s)などへの適用が有力視されている。
【0004】
図1及び図2は、従来技術を説明する図である。
このように、光ネットワークシステムには様々な変調方式の信号が混在し、各波長の信号毎に変調方式が異なる。このとき、特に、ボーレートが異なる変調方式の信号光が隣接する波長位置にあると、伝送性能が劣化することが知られている。伝送性能の劣化を回避する手段としては、信号光の波長位置の横に一定の間隔(ガードバンド、図1参照)を設ける手法などがとられる。しかし、異なる変調方式の信号光がランダムな波長位置に配置されていると、波長ごとにガードバンドを設けなければいけなくなる。これにより、信号帯域内であっても、実際には信号が存在しないガードバンドの占める割合が大きくなり、波長帯域の利用効率が悪くなるという問題がある。したがって、波長帯域を効率的に利用するには、同じ変調方式の信号光を波長方向に集中的に配置し、信号帯域内のガードバンドの数を少なくすることが重要となる。
【0005】
一方、ROADM(Reconfigurable Optical Add-Drop Multiplexer)装置を用いた光ネットワークシステムでは、図2(a)にあるように、ネットワーク制御部10からの要求に応じて伝送経路の切り替えを随時行う。このとき経路切り替えが頻繁に行われると、さまざまな変調方式の信号光が波長方向にランダムに配置され(断片化し)、異なる変調方式の信号光が隣接する箇所が増え、ガードバンド数も増加する。結果として波長帯域の利用効率が低下し、システム全体の伝送容量が低下する。
【0006】
したがって、図2(b)にあるように、断片化された信号光の波長位置を再配置することにより、同じ変調方式の信号光が隣接する波長位置に来るようにする必要がある。このようにすれば、ガードバンドの数を減らすことが出来、信号光を波長帯域内で詰めて配置することが出来るので、波長帯域の利用効率を上げることができる。波長帯域の利用効率が上がることにより利用可能となる帯域に、更に信号光を配置することにより、伝送容量を増やすことが出来る。しかし、従来では、そのための構成が具体的には提案されていない。
【0007】
従来技術には、波長多重信号を波長ごとに分波して、各波長に波長変換を行なった後、合波する波長群波長変換器およびそれを用いた波長群交換機を有するもの、可変波長トランスポンダの波長切り替えを行なうもの、四光波混合クロストークが所定値以下となるように波長配置を変更するものなどがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2002−315027号公報
【特許文献2】特開2005−286736号公報
【特許文献3】特開平8−97771号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
以下の実施形態では、複数の変調方式の信号光が波長多重されて伝送される場合に、ガードバンドの数を減らし、波長帯域の利用効率を高めることが出来る光ネットワークシステムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
以下の実施形態の一側面における光ネットワークシステムは、異なる変調方式の信号光を波長多重して伝送する光ネットワークシステムにおいて、各波長の信号光を変調し、送信する各光送信機と、該各光送信機からの各波長の信号光を受信する各光受信機と、該各光送信機からの信号光あるいは該各光受信機への信号光を、波長ごとに伝送路にアドする、あるいは、伝送路からドロップするアド・ドロップ波長多重装置と、同一変調方式の信号光が隣接する波長位置に来るように各波長の信号光の波長位置を再配置するために、該光送信機、該光受信機及び該アド・ドロップ波長多重装置の動作波長を制御する制御部とを備える。
【発明の効果】
【0011】
以下の実施形態によれば、複数の変調方式の信号光が波長多重されて伝送される場合に、ガードバンドの数を減らし、波長帯域の利用効率を高めることが出来る光ネットワークシステムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】従来技術を説明する図(その1)である。
【図2】従来技術を説明する図(その2)である。
【図3】本実施形態を説明する図(その1)である。
【図4】本実施形態を説明する図(その2)である。
【図5】波長デフラグメンテーションの動作の流れを説明する図(その1)である。
【図6】波長デフラグメンテーションの動作の流れを説明する図(その2)である。
【図7】波長デフラグメンテーションの動作の流れを説明する図(その3)である。
【図8】波長デフラグメンテーションの動作の流れを説明する図(その4)である。
【図9】波長デフラグメンテーションの動作の流れを説明する図(その5)である。
【図10】波長デフラグメンテーションの動作の流れを説明する図(その6)である。
【図11】波長デフラグメンテーションの動作の流れを説明する図(その7)である。
【図12】本実施形態の第1の構成を説明する図(その1)である。
【図13】本実施形態の第1の構成を説明する図(その2)である。
【図14】本実施形態の第1の構成を説明する図(その3)である。
【図15】本実施形態の光ネットワークシステムで用いる波長多重通信用の光増幅器の構成例を示す図(その1)である。
【図16】本実施形態の光ネットワークシステムで用いる波長多重通信用の光増幅器の構成例を示す図(その2)である。
【図17】本実施形態の光ネットワークシステムで用いる波長多重通信用の光増幅器の構成例を示す図(その3)である。
【図18】本実施形態の光ネットワークシステムで用いる波長多重通信用の光増幅器の構成例を示す図(その4)である。
【図19】本実施形態の光ネットワークシステムで用いる波長多重通信用の光増幅器の構成例を示す図(その5)である。
【図20】本実施形態の第2の構成を示す図(その1)である。
【図21】本実施形態の第2の構成を示す図(その2)である。
【図22】本実施形態の第2の構成を示す図(その3)である。
【図23】本実施形態の第2の構成を示す図(その4)である。
【図24】波長の移動方法の例を説明する図(その1)である。
【図25】波長の移動方法の例を説明する図(その2)である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図3及び図4は、本実施形態を説明する図である。
図3(b)の(1)の図は、経路変更によって波長方向に断片化した信号光配置を示す。太さの違う矢印は、異なる変調方式の信号光を示す。変調方式が異なる信号光の間にはガードバンド(点線)を設けている。このとき、図3(a)にあるネットワーク制御部10からの指示により、光送受信装置11−1〜11−4の波長の変更およびROADM装置12−1〜12−4の経路変更を行い、変調方式毎に、同じ変調方式の信号光が隣接する波長位置にくるように、信号光の波長位置を集約する。これにより、図3(b)の(3)のようにガードバンドを削減し、波長利用効率を向上することが可能となる。このように断片化された信号光を変調方式毎に隣り合う波長位置に来るように再配置する操作を波長デフラグメンテーションと呼ぶ。
【0014】
また、波長デフラグメンテーションを実行するとき、光ネットワークシステムの空き波長数が少ないと波長の配置変更の回数が増加し、波長デフラグメンテーションの実行時間が長くなる。そこで、図3(b)の(2)にあるように、波長デフラグメンテーション実行時に一時的に光増幅器13−1〜13−4の波長帯域を拡大し、拡大した波長帯域を用いて波長の再配置を行う。波長再配置終了後には光増幅器13−1〜13−4の波長帯域を元に戻す。
【0015】
図4に本実施形態の動作の一例を示す。
図4において、上を向いた矢印は、各波長の信号光を示し、矢印の太さが異なる信号光は、異なる変調方式の信号光であることを示す。また、点線の長方形は、ガードバンドを示す。
【0016】
図4(a)は帯域拡大を行わず、図4(b)は帯域拡大を行って、波長デフラグメンテーションを実行した例である。波長デフラグメンテーションを行なうことにより、波長帯域の利用効率を高めることができる。更に、帯域拡大を行うことで波長の配置変更の実行回数が減り、結果として波長デフラグメンテーションの実行時間の短縮が可能となる。
【0017】
図4(a)においては、帯域拡大を行なわないで、波長デフラグメンテーションを行なう。(1)においては、各変調方式の信号光の波長位置が断片化され、波長位置がランダムになっている状態を示している。この場合、信号光同士で影響を及ぼしあうことにより伝送性能が劣化することを避けるために、各信号光間にガードバンドを設けている。この状態で、波長デフラグメンテーションを行なう。
【0018】
まず、(1)の上側の矢印が示すように、一番太い矢印で示される信号光の1つを一番外側の波長位置に移動する。次に、(2)に示されるように、中位の太さの矢印で示される2つの信号光を、(1)の移動によって空き位置となった、もう1つの中位の太さの矢印で示される信号光に隣接する波長位置に移動する。このとき、ガードバンドの1つが不要となる。次に、(3)に示されるように、細い矢印で示される信号光を、(2)の移動によって空いた波長位置に、細い矢印が集まるように移動する。(4)では、太い矢印で示される信号光を全て隣接する波長位置に移動し、(5)で、最後に残った細い矢印の信号光を、他の細い矢印で示される信号光に隣接する波長位置に移動する。これにより、(6)に示されるように、各太さの矢印が全て、太さごとに集約された波長位置に移動し、波長デフラグメンテーションが終了する。
【0019】
図4(b)は、帯域拡大を行なって波長デフラグメンテーションを行なう場合を示す。
(1)においては、各太さの信号光の波長位置が断片化されており、多くのガードバンドが設けられているのが示されている。このとき、太い矢印で示される信号光を、帯域拡大により拡張された波長帯域内に全て移動する。そして、(2)に示されるように、太い矢印で示される信号光がなくなったことによって生じた帯域を利用して、細い矢印の信号光と中位の太さの矢印の信号光を、それぞれ隣接する波長位置に移動する。そして、(3)に示されるように、細い信号光と中位の太さの信号光をそれぞれ集約することによって空いた帯域に、(1)で移動した太い信号光全てを移動し、(4)で帯域拡大を終了して、元の波長帯域に戻す。以上により、波長デフラグメンテーションを終了する。
【0020】
図4(a)と図4(b)を比較すると、図4(a)の帯域拡大が無い場合には、6ステップかかっている波長デフラグメンテーションが、図4(b)の帯域拡大がある場合には、4ステップですんでおり、帯域拡大を行なったほうが高速に波長デフラグメンテーションを完了することができることが理解される。
【0021】
図5〜図11は、波長デフラグメンテーションの動作の流れを説明する図である。
図5にあるように、移動対象信号を決定後、光ネットワークの空き波長についてそれぞれ評価値を算出する。評価値の算出方法については図7で後述する。空き波長の評価値の最大値が移動対象信号の現在の波長の評価値より大きい場合は、移動対象信号を評価値最大の波長に移動する。空き波長の評価値の最大値が移動対象信号の現在の波長の評価値と同じか、または、それより小さい場合は現在の移動対象信号は移動せず、移動対象信号を変更する。
【0022】
移動対象信号の決定、評価値の演算及び比較は、ネットワーク制御部が行なう。また、移動指示等は、ネットワーク制御部が、光送受信装置、ROADM装置、光増幅器等に対して行なう。現在の波長の利用状況やどこにガードバンドがあるか等の情報は、やはり、ネットワーク制御部が保持しているとする。
【0023】
図6に、波長デフラグメンテーションのアルゴリズムのフローチャートを示す。
波長デフラグメンテーションが開始されると移動対象信号を管理するパラメータiを初期値(=1)に設定する(ステップS10)。ステップS11において、波長λiの信号を移動対象信号に設定する。ステップS12において、移動対象信号に対して各空き波長の評価値を算出する。ステップS13において、空き波長の評価値の最大値が移動対象信号の現在の波長の評価値より大きいか否かを判断する。大きい場合は移動対象信号を評価値が最大となる波長に移動する(ステップS14)。移動後、iを初期値に戻す(ステップS10)。空き波長の評価値が現在の波長と同じか、それより小さい場合は、ステップS15において、iが最大値か否かを判断する。iが最大値に達していなければ、ステップS16において、i=i+1として移動対象信号を変更する。このときiがすでに最大値の場合は処理を終了する。なお、各波長は、ステップS9において、毎回、波長の短いほうから順に、λ1、λ2・・・と番号が振られるものとする。
【0024】
図7に評価値の算出の一例を示す。
評価値は移動先波長の候補に隣接する信号から算出する。隣接する信号が移動対象信号と同一の変調方式である場合は評価値を1とする。このとき隣接する同一変調信号が複数である場合はその数を評価値とする。図7のように2本の同一変調方式信号が隣接する場合は2、4本の同一変調方式が隣接する場合は4とする。隣接する信号が異なる変調方式の変調信号あるいは隣接する信号がない場合は評価値を0とする。移動対象信号についても、移動対象信号と同一変調方式の信号が隣接している場合には、その波長の数を評価値とする。隣接した同一変調方式の信号が無い場合には0とする。
【0025】
図8に、図6のアルゴリズムを用いた場合の波長デフラグメンテーションの動作を示す。
(1)のaの信号光が(2)で、太い信号光の隣に移動されている。また、(2)のbの信号光が(3)で、細い信号光の隣に移動されている。(3)のcの信号光が(4)で、中位の太さの信号光の隣に移動されている。(4)のdの信号光が、(5)で、左側の太い信号光の隣に移動されている。(5)のeの信号光が、(6)で、左側の中位の太さの信号光の集合の隣に移動されている。(6)のfの信号光が、(7)で、中程の細い信号光の隣に移動されている。(7)のgの信号光が、(8)で、中程の細い信号光の集合の隣に移動されている。(8)のhの信号光が、(9)で、中程の細い信号光の集合の隣に移動されている。(9)のiの信号光が、(10)で、右側の太い信号光の集合の隣に移動されている。(10)のjの信号光が、(11)で、右側の太い信号光の集合の隣に移動されている。
【0026】
図9〜図11は、帯域拡大のある場合の波長デフラグメンテーションを説明する図である。
図9は、帯域拡大のある場合の波長デフラグメンテーションの概略フローチャートである。
【0027】
処理が開始されると、ステップS20において、拡大帯域に空き波長があるか否かを判断する。ステップS20の判断がNoの場合には、ステップS23に進む。ステップS20の判断がYesの場合には、ステップS21において、信号の波長を拡大帯域の波長に変更し、ステップS22において、帯域拡大前の信号帯域(通常帯域)に空き波長が一定数以上あるか否かを判断する。ここでの一定数は、システムの設計者により適宜設定されるものとする。ステップS22の判断がNoの場合には、ステップS20に戻る。ステップS22の判断がYesの場合には、ステップS23において、通常帯域内の信号光を変調方式ごとに集約するように波長を変更し、ステップS24において、集約が終わったら、波長範囲の信号の波長を通常帯域の波長に変更する。そして、ステップS25において、拡大帯域を元に戻して処理を終了する。
【0028】
図10に拡大帯域を用いた場合のアルゴリズム例を示す。
拡大帯域を用いる場合は、波長デフラグメンテーション開始直後に、所定の変調方式信号(例えば、図11で最も太い矢印の信号)を拡大帯域に移動する。その後は、図6及び図7と同様の操作で波長の移動を行い、処理が終了したら、拡大帯域の信号を通常帯域に移動する。
【0029】
波長デフラグメンテーションが開始すると、ステップS30において、所定の変調方式の信号光を拡大帯域に移動する。ステップS31において、iを1に初期化する。ステップS32において、λiの信号を移動対象とする。ステップS33において、空き波長の評価値を算出する。ステップS34において、空き波長の評価値の最大値が波長λiの信号の評価値より大きいか否かを判断する。ステップS34の判断がYesの場合には、ステップS35において、移動対象信号を評価値最大の波長に移動し、ステップS31に戻る。
【0030】
ステップS34の判断がNoの場合には、ステップS36において、iが最大値になったか否かを判断する。この最大値は、移動されずに残っていて、ステップS29で番号を振られた波長の数である。ステップS36の判断がNoの場合には、i=i+1として、ステップS32に戻る。ステップS36の判断がYesの場合には、ステップS38において、拡大帯域の信号を通常帯域に移動して、処理を終了する。
【0031】
なお、各波長は、ステップS29において、毎回、波長の短いほうから順番に、λ1、λ2・・・と番号付けられるものとする。また、図10の開始前と終了後に、光増幅器の帯域の拡大と通常帯域への戻しが行なわれるものとする。
【0032】
図11に、図10のアルゴリズムに従った動作例を示す。
(1)において、各波長の信号光は断片化された状態となっている。(2)において、太い信号光が全て、拡大帯域に移動される。そして、(2)のaの信号光が、(3)で、左側の細い信号光の隣に移動されている。また、(3)のbの信号光は、(4)で、中央の中位の太さの信号光の隣に移動されている。(4)のcの信号光は、(5)で、左側の細い信号光の集合の隣に移動されている。(5)のdの信号光は、(6)で、中位の信号光の集合の隣に移動されている。(6)のeの信号光は、(7)で、細い信号光の集合の隣に移動されている。そして、(8)で、拡大帯域にあった太い信号光が通常帯域内に移動されている。
【0033】
図12〜図14は、本実施形態の第1の構成を説明する図である。
図12は、光ネットワークの構成を示す図である。
光ネットワークシステムは、波長多重通信用の光送受信装置11−1〜11−4、波長多重通信用の光増幅器13−1〜13−4、ROADM装置12−1〜12−4、ネットワークシステム制御部10によって構成される。ネットワーク制御部10は、光ネットワークシステムで使用されている波長及びパスの張り方、空き波長、各パスの変調方式・変調速度等を管理している。パスを張り替えたり、波長の切り替え等を行なう場合には、ネットワーク制御部10から波長多重通信用の光送受信装置11−1〜11−4、波長多重通信用の光増幅器13−1〜13−4、ROADM装置12−1〜12−4に対し、動作指示を行なう。
【0034】
図13は、ROADM装置の構成を示す図である。
ROADM装置12は、分岐カプラ20と波長選択スイッチ(WSS:Wavelength Selective Switch)21−1、21−2によって構成される。ROADM装置12に入力された波長多重(WDM:Wavelength Division Multiplexing)信号は分岐カプラ20によってドロップ信号として分岐される。ドロップ信号はWSS21−1に入力され、波長毎に分岐されて、光送受信装置の、対応する光受信機(Rx)22−1、22−2・・・22−iに入力される。一方、光送受信装置の、光送信機(Tx)23−1、23−2・・・23−iから出力された各アド信号はWSS21−2に入力され、分岐カプラ20をスルーしてきたWDM信号と合波され、ROADM装置12から出力される。
【0035】
ROADM装置12の前段及び後段にはそれぞれ波長多重通信用の光増幅器24、25があり、WDM信号を増幅する。前段の光増幅器24はポストアンプとして、後段の光増幅器25は、プリアンプとして動作する。制御部26は、光増幅器24、25の波長帯域の拡大(1)、光送信機22−1〜22−i、光受信機23−1〜23−iの波長変更(2)、WSS21−1、21−2の選択波長の変更(3)を行う。
【0036】
図14に光ネットワークシステムの動作のフローチャートの一例を示す。
波長デフラグメンテーションが開始すると、光ネットワークシステムの空き波長の数を確認する(ステップS40)。ステップS41で、空き波長が一定数以下か否かを判断する。このとき、一定数より多い空き波長がある場合は光増幅器の帯域拡大を行わず、通常帯域の中で波長の再配置を行う。一方、空き波長が一定数以下の場合は、光増幅器の帯域を拡大し(ステップS42)、波長の再配置を行うため、ステップS43に進む。ここで、空き波長の情報は、ネットワーク制御部が有しているとする。
【0037】
波長の再配置は、まず光送受信装置の波長を変更後(ステップS43)、ROADM装置の波長を変更する(ステップS44)。波長の再配置(波長デフラグメンテーション)は変調方式毎に信号光が隣り合うようになるまで繰り返す(ステップS45の判断でNoとなった場合)。波長の再配置が完了したら(ステップS45の判断でYesとなった場合)、ステップS46で、波長帯域を拡大していたか否かを判断する。ステップS46の判断で、拡大していないと判断された場合には、処理を終了し、拡大していた場合には、ステップS47で、光増幅器の帯域を通常状態に戻し、波長デフラグメンテーションの動作を完了する。
【0038】
なお、波長デフラグメンテーションを行なう契機としては、例えば、ガードバンドの数が一定数より多くなった場合に行なうとしてもよいし、1日に1回や1ヶ月に1回など、定期的に行なうようにしても良い。
【0039】
図15〜図19は、本実施形態の光ネットワークシステムで用いる波長多重通信用の光増幅器の構成例を示す図である。
図15及び図16は、光増幅器の第1の構成例を示す図である。
【0040】
図15にあるように、波長多重通信用の光増幅器としては、一般的にエルビウムドープ光ファイバ増幅器(EDFA:Erbium Doped Fiber Amplifier)が用いられる。EDFAは光アイソレータ30−1、30−2、励起光カプラ31−1、31−2、31−3、励起光源32−1、32−2、32−3、エルビウムドープファイバ(EDF:Erbium Doped Fiber)33−1、33−2、利得等化器(GEQ:Gain EQualizer)34、可変光減衰器(VOA:Variable Optical Attenuator)35によって構成される。励起光源32−1の励起光は、EDF33−1に入力され、信号光の増幅に用いられる。EDF33−1で増幅された信号光は、利得等化器34に入力される。利得等化器34では、EDF33−1の利得偏差を平坦化するように、各波長の信号光の強度を調整する。VOA35は、入手力信号の強度が変化したときに減衰量を調整し、光増幅器全体の利得を一定に保持することによって光増幅器の利得偏差の平坦性を保持する。励起光源32−2、32−3からの励起光は、EDF33−2に入力され、VOA35からの信号光を増幅する。EDF33−2で増幅された信号光は、出力信号として出力される。
【0041】
EDF33−1、33−2は、励起光源から出力される励起パワーによって決まる動作点(反転分布率)によって利得の波長特性が決まる。この利得の波長特性は、図16に示されている。図16は、横軸に波長、縦軸に相対ゲイン係数をとっている。
【0042】
図16に示されるように、励起パワーを増加させると動作点が高くなり、利得波長帯域が拡大する。図16では、帯域拡大前では、反転分布率が0.7であったとし、帯域拡大後は、反転分布率が0.8になったとする。
【0043】
このとき、通常動作では利得波長特性が平坦であったが、動作点を変化させることで利得波長特性に偏差が生じる。この利得波長特性の偏差はROADM装置12のWSS21−2に含まれる信号光毎のVOA36を制御することで平坦にする。励起光源32−1〜32−3の励起パワーを増加することで、一時的にシステム全体の消費電力が増加するが、波長デフラグメンテーション終了後に光増幅器の動作を元に戻し、消費電力も通常に戻す。
【0044】
また、利得特性の偏差は、光増幅器のVOA35を制御することによっても、平坦化するようにする。VOA35の減衰量を制御し、光増幅器全体の利得を調整することによって利得特性の偏差を平坦化する。VOA35は、光増幅器の制御を行なう、光増幅器制御回路37によって制御される。光増幅器制御回路37は、また、励起光源32−1〜32−3の出力パワーの制御も行なう。すなわち、帯域拡大する場合には、励起光源32−1〜32−3の出力パワーを増加させ、通常帯域に戻す場合には、これらを元の出力パワーに戻す。
【0045】
ROADM装置12のWSS21−2内のVOA36の減衰量は、ROADM制御回路38によって制御される。ROADM制御回路38と、図13の制御部26は同じものである。ROADM制御回路38、光増幅器制御回路37は共に、ネットワーク全体を管理するネットワーク制御部によって指示を受けて、制御動作を行なう。
【0046】
図17及び図18は、光増幅器の第2の構成例を示す図である。
図17において、図15と同じ構成要素には同じ参照符号を付し、その説明を省略する。
【0047】
図17及び図18では、図15及び図16と同様にEDFAの動作点を高くして利得波長帯域を拡大する。このとき発生する利得波長特性の偏差を動的利得等化器(AGEQ:Active GEQ)40で補償し、利得波長特性を平坦にする。
【0048】
帯域拡大時には、励起光源32−1〜32−3の出力パワーを増やし、EDF33−1、33−2の反転分布率を通常時より大きくする。EDF33−1、33−2の利得特性は、図18に示されている。図18は、図16と同様に、横軸に波長、縦軸に相対ゲイン係数をとって、各反転分布率について利得特性を示したものである。帯域拡大前は、反転分布率が0.7程度であり、帯域拡大後は、反転分布率は0.8程度であるとしている。反転分布率を0.8とすると、0.7のときより利得が上がり、信号増幅に使える帯域が広がるが、利得偏差が大きくなる。したがって、これを、AGEQ40で平坦化し、信号光の伝送特性を維持するようにする。もちろん、VOA35の減衰量も同時に制御してもよい。帯域拡大時は、励起光源の出力パワーの増加により、動作効率が落ちるが、波長デフラグメンテーション終了後に、通常帯域に戻して、通常運転では、動作効率の良い状態で運用する。
【0049】
図19は、光増幅器の第3の構成例を示す図である。
図19において、図15と同じ構成要素には、同じ参照符号を付し、その説明を省略する。
【0050】
図19は、は、光増幅器の前段のポストアンプをEDFAと分布定数ラマン増幅器(DRA:Distributed Raman Amplifier)の組み合わせで構成した例である。DRAは伝送路にラマン励起光源45−1、45−2を入力し、発生したラマン利得を増幅に用いる。ラマン励起光源45−1、45−2からの励起光は、カプラ46で合波され、カプラ47を介して、伝送路に導入される。一般に、ラマン増幅する場合、励起光が1つだと帯域が足りないので、通常、ラマン増幅を行なう場合には、波長の異なる複数の励起光を用いる。ここでは、2つの波長の異なる励起光を使うとしている。例えば、励起光源45−1は短波長側を増幅し、励起光源45−2は、長波長側を増幅するのに使うように設定する。このときラマン利得の利得波長特性はラマン励起光源45−1、45−2の波長およびパワーの組合せで決定する。図19の構成では、EDFAの動作点を高くして発生した利得波長特性の偏差をDRAのラマン励起光源45−1、45−2のパワー比を調整し、補償する。たとえば、EDFA33−1、33−2が、帯域拡大動作によって、反転分布が大きくなったとする。図16や図18からも明らかなように、EDAFにおいては、反転分布率が大きくなると、利得が大きくなるが、特に、短波長側で利得の増加が大きく、長波長側で利得の増加が少ない。したがって、増幅帯域全体にわたって平坦な利得特性を達成するためには、長波長側の利得を更に大きくする必要がある。この場合、ラマン増幅をするときに、長波長側の増幅に用いる励起光源45−2の励起光の出力パワーを、短波長側の増幅に用いる励起光源45−1の励起光の出力パワーより大きくする。これにより、ラマン増幅により、長波長側の信号光が余計増幅され、ラマン増幅器とEDFAの総合した利得特性がより平坦なものとなる。
【0051】
図20〜図23は、本実施形態の第2の構成を示す図である。
前述の本実施形態の第1の構成では波長の再配置時に、波長を切り替える必要があるので、信号切断が発生する。
【0052】
図20に運用中に信号断を発生することなく波長の再配置が可能なROADM装置の構成を示す。図20において、図13と同じ構成要素には、同じ参照符号を付し、その説明を省略する。
【0053】
第2の構成では、第1の構成に加えて更に、帯域拡大分の光受信機50−i+1〜50−j、光送信機51−i+1〜51−jと、データのスイッチ52、53、OR回路54−1〜54−i、分岐回路55−1〜55−iを持つ。
【0054】
動作例を図21及び図22に示す。ここで、通常帯域にλ1〜λ3の3つの信号光があり、拡大帯域に2波長の信号光を収容可能とする。
まず、λ2の信号をλ4に配置することを考える。(1)で、光送信機のスイッチ53を切り替えて、λ2に入力する送信データ信号をλ4にコピーする。この時点で、λ2とλ4に同じデータ信号が流れる。続いて、(2)で、光受信機のスイッチ52を切り替えて、λ4の出力とλ2の出力との論理和をとって、受信信号とする。この時点で、λ2の信号がλ4にコピーされる。続いて、(3)で、λ2の光送信機と光受信機をそれぞれ遮断し、λ2からλ4への再配置が完了する。次に、(4)で、(1)〜(3)と同様の操作で、λ3からλ5の再配置を行なう。また、(5)で、λ4からλ3の再配置を行い、(6)で、λ5からλ2の再配置を行なう。これを行うことでデータを切断することなく、波長の再配置が可能となる。
【0055】
図23は、波長変更のための処理フローである。
波長変更処理が始まると、ステップS50において、光送信機のスイッチ53を切り替え、移動元の波長の信号光のデータを移動先の波長の信号光にものせる。ステップS51において、光受信機のスイッチ52を切り替え、移動元の波長の信号光にのっているデータと共に、移動先の波長の信号光にのっているデータを受信する。ステップS52において、移動元の波長の光送信機を停止し、ステップS53において、移動元の波長の光受信機を停止する。以上により、信号光の波長が、移動元から移動先に変更されたことになる。ステップS54において、波長デフラグメンテーションが終わったか否かを判断し、終わってない場合には、ステップS50に戻って処理を繰り返し、終わった場合には、処理を終了する。
【0056】
図24及び図25は、波長の移動方法の更なる例を説明する図である。
ネットワーク制御部は、ガードバンドの数をモニタし、ガードバンドの数が一定数以上となったら波長デフラグメンテーションを実行する、あるいは、定期的に波長デフラグメンテーションを実行する。
【0057】
そして、図24に記載されているように、帯域拡大したときOSNR耐力特性が優れている変調方式(例えば10 Gbit/s NRZ変調方式)を優先して拡大した帯域に再配置する。すなわち、帯域拡大したとき、拡大された帯域は、通常は使用されない帯域であり、光増幅器のEDFの反転分布率が最適でない帯域となっている。したがって、このような拡大帯域では、ノイズが信号光に多くのってしまう。100Gbit/s DP-QPSK変調方式の信号光など高速な変調方式の信号光は、OSNR耐力特性が低いので、波長デフラグメンテーションを行なう場合、このような信号光を拡大帯域に移動すると、OSNRが悪化し、伝送可能距離が短くなってしまう。したがって、波長デフラグメンテーションを行う際、OSNR耐力特性が高い変調方式の信号を優先して拡大帯域に移動するようにする。そして、OSNR耐力特性が低い変調方式は通常帯域で並び替えを行なうようにする。
【0058】
また、図25にあるように、波長デフラグメンテーションによる再配置時にOSNR耐力特性が低い変調方式の信号光をOSNR特性の良い波長帯域に集約し、OSNR耐力特性が高い変調方式の信号光をOSNR特性が比較的悪い帯域に集約するようにする。
【0059】
どの信号光の変調方式がOSNR耐力特性が高いか、あるいは、低いかという情報、及び、OSNR特性の良い波長帯域に関する情報は、ネットワーク制御部が予め保持しておき、波長デフラグメンテーションを行う際、この情報を用いて波長の再配置を行なうようにする。
【符号の説明】
【0060】
10 ネットワーク制御部
11−1〜11−4 光送受信装置
12、12−1〜12−4 ROADM装置
13−1〜13−4 光増幅器
20、31−1〜31−3、46、47 カプラ
21−1、21−2 波長選択スイッチ
22−1〜22−i、50−i+1〜50−j 光受信機
23−1〜23−i、51−i+1〜51−j 光送信機
24、25 光増幅器
26 制御部
30−1、30−2 光アイソレータ
32−1〜32−3 励起光源
33−1、33−2 EDF
34 利得等化器
35、36 可変光減衰器
37 光増幅器制御回路
38 ROADM制御回路
40 動的利得等化器
45−1、45−2 ラマン励起光源
52、53 スイッチ
54−1〜54−i OR回路
55−1〜55−i 分岐回路
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも2つの変調方式の信号光を波長多重して伝送する光ネットワークシステムにおいて、
各波長の信号光を変調し、送信する各光送信機と、
該各光送信機からの各波長の信号光を受信する各光受信機と、
該各光送信機からの信号光を波長ごとに伝送路にアドする、あるいは、該各光受信機への信号光を、波長ごとに伝送路からドロップするアド・ドロップ波長多重装置と、
同一変調方式の信号光が隣接する波長位置に来るように該光送信機、該光受信機及び該アド・ドロップ波長多重装置の動作波長を制御し、各波長の信号光の波長位置を再配置する制御部と、
を備えることを特徴とする光ネットワークシステム。
【請求項2】
励起光の出力パワーを変えることができる、前記信号光を増幅する光増幅器を更に備え、
波長位置を再配置する際に、該励起光の出力パワーを変更して、該光増幅器の増幅帯域を拡大することを特徴とする請求項1に記載の光ネットワークシステム。
【請求項3】
前記光増幅器は、
エルビウムドープドファイバと、
励起光源と、
可変減衰器とを備え、
前記波長再配置時に該励起光源の出力パワーと該可変減衰器の減衰量を制御することによって増幅帯域を拡大することを特徴とする請求項2に記載の光ネットワークシステム。
【請求項4】
前記光増幅器は、
エルビウムドープドファイバと、
励起光源と、
動的利得等化器とを備え、
前記波長再配置時に該励起光源の出力パワーと該動的利得等化器の等化特性を制御することによって増幅帯域を拡大することを特徴とする請求項2に記載の光ネットワークシステム。
【請求項5】
前記光増幅器は、
エルビウムドープドファイバ(EDF)と、
EDF励起光源と、
ラマン励起光源とを備え、
前記波長再配置時に該EDF励起光源と該ラマン励起光源の出力パワーを制御することによって増幅帯域を拡大することを特徴とする請求項2に記載の光ネットワークシステム。
【請求項6】
増幅帯域を拡大したことによって生じた拡大帯域を用いて信号光を送信するための拡大帯域光送信機と、
該拡大帯域を用いて、該拡大帯域光送信機から送られてきた信号光を受信する拡大帯域光受信機と、
を更に備えることを特徴とする請求項2に記載の光ネットワークシステム。
【請求項7】
前記制御部は、予め、各信号光について、その変調方式がOSNR耐力特性が高いか低いかを示す情報を保持し、
前記波長再配置時には、OSNR耐力特性の高い変調方式の信号光を、増幅帯域を拡大したことによって生じた拡大帯域に移動することを特徴とする請求項2に記載の光ネットワークシステム。
【請求項8】
前記制御部は、予め、各信号光について、その変調方式がOSNR耐力特性が高いか低いかを示す情報と、波長帯域のうち、どの帯域がOSNR特性がよく、どの帯域がOSNR特性が悪いかを示す情報を保持し、
前記波長再配置時には、OSNR耐力特性の低い変調方式の信号光を、OSNR特性の良い波長帯域に移動することを特徴とする請求項1に記載の光ネットワークシステム。
【請求項1】
少なくとも2つの変調方式の信号光を波長多重して伝送する光ネットワークシステムにおいて、
各波長の信号光を変調し、送信する各光送信機と、
該各光送信機からの各波長の信号光を受信する各光受信機と、
該各光送信機からの信号光を波長ごとに伝送路にアドする、あるいは、該各光受信機への信号光を、波長ごとに伝送路からドロップするアド・ドロップ波長多重装置と、
同一変調方式の信号光が隣接する波長位置に来るように該光送信機、該光受信機及び該アド・ドロップ波長多重装置の動作波長を制御し、各波長の信号光の波長位置を再配置する制御部と、
を備えることを特徴とする光ネットワークシステム。
【請求項2】
励起光の出力パワーを変えることができる、前記信号光を増幅する光増幅器を更に備え、
波長位置を再配置する際に、該励起光の出力パワーを変更して、該光増幅器の増幅帯域を拡大することを特徴とする請求項1に記載の光ネットワークシステム。
【請求項3】
前記光増幅器は、
エルビウムドープドファイバと、
励起光源と、
可変減衰器とを備え、
前記波長再配置時に該励起光源の出力パワーと該可変減衰器の減衰量を制御することによって増幅帯域を拡大することを特徴とする請求項2に記載の光ネットワークシステム。
【請求項4】
前記光増幅器は、
エルビウムドープドファイバと、
励起光源と、
動的利得等化器とを備え、
前記波長再配置時に該励起光源の出力パワーと該動的利得等化器の等化特性を制御することによって増幅帯域を拡大することを特徴とする請求項2に記載の光ネットワークシステム。
【請求項5】
前記光増幅器は、
エルビウムドープドファイバ(EDF)と、
EDF励起光源と、
ラマン励起光源とを備え、
前記波長再配置時に該EDF励起光源と該ラマン励起光源の出力パワーを制御することによって増幅帯域を拡大することを特徴とする請求項2に記載の光ネットワークシステム。
【請求項6】
増幅帯域を拡大したことによって生じた拡大帯域を用いて信号光を送信するための拡大帯域光送信機と、
該拡大帯域を用いて、該拡大帯域光送信機から送られてきた信号光を受信する拡大帯域光受信機と、
を更に備えることを特徴とする請求項2に記載の光ネットワークシステム。
【請求項7】
前記制御部は、予め、各信号光について、その変調方式がOSNR耐力特性が高いか低いかを示す情報を保持し、
前記波長再配置時には、OSNR耐力特性の高い変調方式の信号光を、増幅帯域を拡大したことによって生じた拡大帯域に移動することを特徴とする請求項2に記載の光ネットワークシステム。
【請求項8】
前記制御部は、予め、各信号光について、その変調方式がOSNR耐力特性が高いか低いかを示す情報と、波長帯域のうち、どの帯域がOSNR特性がよく、どの帯域がOSNR特性が悪いかを示す情報を保持し、
前記波長再配置時には、OSNR耐力特性の低い変調方式の信号光を、OSNR特性の良い波長帯域に移動することを特徴とする請求項1に記載の光ネットワークシステム。
【図1】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−195787(P2012−195787A)
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−58545(P2011−58545)
【出願日】平成23年3月16日(2011.3.16)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月16日(2011.3.16)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】
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