説明

光ファイバの残留応力測定装置

【課題】本発明は、光ファイバの残留応力測定装置に関し、より詳細には、回転偏光子または回転分析子の代わりに回転が不必要な可変偏光装置を備えることで、高分解能の残留応力測定が可能であると共に高速測定が可能な光ファイバの残留応力測定装置に関する。
【解決手段】このために、本発明は、光を発生させる光発生部と、前記発生された光を平行光に転換するレンズ部と、前記平行光を垂直な2偏光に分離させ、前記偏光の位相遅延を電気信号で制御する可変偏光装置を含む偏光部と、前記分離した2偏光状態の光を測定しようとする光ファイバに通過させる測定部と、前記光ファイバを通過した光の偏光状態を光強度として検出する光検出部とを備えることを特徴とする光ファイバの残留応力測定装置を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ファイバの残留応力測定装置に関し、より詳しくは、回転偏光子または回転分析子の代わりに回転が不必要な可変偏光装置を備えることで、高分解能の残留応力測定が可能であると共に高速測定が可能な光ファイバの残留応力測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
光通信は、屈折率が大きいコアと屈折率が小さいクラディングからなる光ファイバを介して光信号を授受する通信方式であり、1970年に米国コーニング社が送信損失が20dB/kmである光ファイバを開発することによって実用化された。光通信の送信端末機では電気信号を光信号に変換した後に光ファイバを介して送信し、受信端末機では光信号を再び電気信号に変換する。光通信は、電気通信に比べて外部の電磁波による干渉がないため盗聴し難いと共に多量の情報を処理することができるという長所があり、その活用領域が拡大している趨勢にある。
【0003】
光ファイバは一般的に高温の引き出し工程を介して製造されるが、このときに応力(stress)が発生する。このような応力は、光ファイバが製作された後に完全に除去されずに一部が光ファイバ内に残るようになり、これを残留応力(residual stress)と言う。したがって、このような光ファイバ内の残留応力の分布と大きさを正確に測定し、これを最適に調節する技術が必要である。
【0004】
一方、光弾性効果(photoelastic effect)は、媒質に残っている応力の方向に応じて屈折率が変化する現象であり、このような光弾性効果によって光ファイバまたは光ファイバ母材(preform)の屈折率値は、光の偏光方向に応じて変わる性質を有するようになる。
【0005】
残留応力は、光ファイバの光散乱による光損失を増加させ、光弾性効果(photoelastic effect)によって屈折率変化を引き起こすようなる。光ファイバの屈折率変化は、光ファイバ内で光信号の導波特性を決定する重要な要素であり、これによって光ファイバの光学的特性を正確に把握することができる。したがって、残留応力の測定は、高品質の光ファイバ生産と特殊光ファイバ開発およびその特性研究のために極めて重要であると言える。
【0006】
図1は、従来の光ファイバ残留応力測定システムの概念図である。
光源から入射した光は、回転偏光子10と波長板20を経て光ファイバ30を通過するようになる。光ファイバ30を通過した光は、光ファイバ30内部の応力分布による位相差を有するようになり、分析子40を通過して位相差が光の強さとして表現される。分析子40を通過した光はCCDカメラに入射して電気的な信号に変換されるが、このような過程を介して光ファイバの残留応力を測定するようになる。図に示してはいないが、偏光子の代わりに分析子が回転するシステムでも同じ原理が適用される。
【0007】
このように光ファイバの残留応力を測定する場合、モータを用いて偏光子あるいは分析子を回転させながらCCDカメラの強度が0と出る位置を1つ1つ探し、このときの偏光子あるいは分析子の回転角度を得なければならないため、光ファイバの残留応力測定に多くの時間が所要されるという問題点がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上述のような問題点を解決するために案出されたものであって、特に高分解能の残留応力測定が可能であると共に高速測定が可能な光ファイバの残留応力測定装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した目的を達成するために案出された本発明の一側面に係る光ファイバの残留応力測定装置は、光を発生させる光発生部と、前記発生された光を平行光に転換するレンズ部と、前記平行光を垂直な2偏光に分離させ、前記偏光の位相遅延を電気信号で制御する可変偏光装置を含む偏光部と、前記分離した2偏光状態の光を測定しようとする光ファイバに通過させる測定部と、前記光ファイバを通過した光の偏光状態を光強度として検出する光検出部とを備えることを特徴とする。
【0010】
また、前記可変偏光装置は、前記平行光を垂直な2偏光に分離させる固定偏光子と、前記偏光の位相遅延を電気信号で制御する液晶可変位相遅延器(Liquid Crystal Variable Phase Retarder)と、前記液晶可変位相遅延器を通過した光が入射されるλ/4波長板とを備えることができる。
【0011】
また、前記固定偏光子は、前記光ファイバの軸方向に対して45度の線形偏光ビームに偏光するものであり得る。
【0012】
また、前記光検出部は、前記光ファイバを透過した光のイメージを拡大するための対物レンズと、前記光ファイバの背景イメージが透過することを防ぐ固定分析子と、前記固定分析子を通過した光を電気的な信号に変換させるCCD(Charge Coupled Device)カメラとを備えることができる。
【0013】
また、前記固定分析子の偏光方向は、前記固定偏光子の偏光方向と90度の角度をなすように設置することができる。
【0014】
また、前記レンズ部は、前記光発生部から放出された光の空間的コヒーレンスを抑制するための拡散器(optical diffuser)と、前記拡散器を通過した光を平行光に変換する平行光レンズ(plano−convex lense)とを備えることができる。
【0015】
本発明の他の側面に係る光ファイバの残留応力測定装置は、光を発生させる光発生部と、前記発生された光を平行光に転換するレンズ部と、前記平行光を垂直な2偏光に分離させる偏光部と、前記分離した2偏光状態の光を測定しようとする光ファイバに通過させる測定部と、前記光ファイバを通過した光の位相遅延を電気的信号で制御する可変偏光装置と、前記可変偏光装置を通過した光の偏光状態を光強度として検出する光検出部とを備えることを特徴とする。
【0016】
また、前記偏光部は、前記平行光を垂直な2偏光に分離させる固定偏光子と、前記固定偏光子を通過した光が入射されるλ/4波長板とを備えることができる。
【0017】
また、前記固定偏光子は、前記光ファイバの軸方向に対して45度の線形偏光ビームに偏光するものであり得る。
【0018】
また、前記可変偏光装置は、前記光ファイバの背景イメージが透過することを防ぐ固定分析子と、前記固定分析子を通過した光の位相遅延を電気信号で制御する液晶可変位相遅延器(Liquid Crystal Variable Phase Retarder)と、前記液晶可変位相遅延器を通過した光が入射されるλ/4波長板とを備えることができる。
【0019】
また、前記レンズ部は、前記光発生部から放出された光の空間的コヒーレンスを抑制するための拡散器(optical diffuser)と、前記拡散器を通過した光を平行光に変換する平行光レンズ(plano−convex lense)とを備えることができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、光ファイバの残留応力を測定するためにモータを用いて偏光子または分析子を回転させる必要がなく、可変偏光装置を電気信号で制御することで、光ファイバの残留応力測定に所要される時間を減らして高速測定が可能となるようにし、電気信号の制御を介して容易に光ファイバの残留応力を測定することができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】従来の光ファイバ残留応力測定システムの概念図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る光ファイバの残留応力測定装置の構成図である。
【図3】可変偏光装置の概念図である。
【図4】光ファイバを通過する光と光ファイバとの関係を示す座標図である。
【図5】本発明の他の実施形態に係る光ファイバの残留応力測定装置の構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の好ましい実施形態について、添付の図面を参照しながら詳しく説明する。まず、各図面の構成要素に参照符号を付加することにおいて、同じ構成要素に対しては、たとえ他の図面上に表示されたとしても、可能な限り同じ符号を有するようにしていることに留意しなければならない。また、本発明を説明することにおいて、関連した公知構成または機能に対する具体的な説明が本発明の要旨を不明確にし得ると判断される場合には、その詳細な説明は省略する。また、以下で本発明の好ましい実施形態を説明するが、本発明の技術的思想はこれに限定されたり制限されるものではなく、当業者によって変形されて多様に実施され得ることは勿論である。
【0023】
まず、本発明の一実施形態に係る光ファイバの残留応力測定装置について説明する。
図2は、本発明の一実施形態に係る光ファイバの残留応力測定装置の構成図である。
【0024】
本発明の一実施形態に係る光ファイバの残留応力測定装置100は、図2を参照すれば、光発生部110と、レンズ部120と、偏光部140と、測定部150と、光検出部160とを備えて形成される。また、光発生部110とレンズ部120との間およびレンズ部120と偏光部140との間には、それぞれ第1光調節部115と第2光調節部130とが備えられる。
【0025】
光発生部110は、光ファイバの残留応力を測定するための光を発生させる光源である。光発生部110の光源としてはレーザが用いられることが好ましく、より好ましくは、ヘリウムネオン(HeNe)レーザまたはアルゴン−イオン(Ar−ion)レーザを用いることができる。ヘリウムネオンレーザまたはアルゴン−イオンレーザはスペクトラムが極めて狭く、大略短波長の光源として見なすことができるため、このような短波長性質の光が光ファイバFを透過したときに、それぞれ唯一な位相変化値を示すことができる。ただし、これによって前記光源の種類を限定するのではない。
【0026】
第1光調節部115は、光発生部110で生成された光の進行方向を変更させる役割を実行する。第1光調節部115としては、反射鏡を用いることができる。光発生部110で生成された光は、第1光調節部115で反射し、進行方向が変更した後にレンズ部120に入射する。
【0027】
レンズ部120は、光発生部110で生成された光を平行光に転換する役割を実行する。レンズ部120は、拡散器122と、平行光レンズ124と、しぼり126とを備える。
【0028】
拡散器(optical diffuser)122は、第1光調節部115で反射した光を完全散乱させて放射する。このとき、拡散器122は、イメージに現れるレーザの空間コヒーレンス(spatial coherence)による様々な種類の画質模様を除去する役割を実行する。拡散器122は、時間的に均一なイメージを得るために高速で回転させることもできる。
【0029】
平行光レンズ(plano−convex lens)124は、拡散器122を通過した光を平行光に変換する。
【0030】
しぼり126は、平行光レンズ124を通過した光の量を調節することで、偏光部140に適切な量の光が入射されるようにする。
【0031】
第2光調節部130は、レンズ部120を通過した光の進行方向を変更させる役割を実行する。第2光調節部130としては、第1光調節部115と同様に反射鏡を用いることができる。レンズ部120を通過した光は、第2光調節部130で反射し、進行方向が変更した後に偏光部140に入射される。
【0032】
偏光部140は、レンズ部120を通過した平行光を垂直な2偏光に分離させ、偏光の位相遅延を電気信号で制御し、多様な位相遅延値を有する偏光が測定部150に入射されるようにする。偏光部140は、可変偏光装置141、142、143と、λ/4波長板144と、集光レンズ145とを備える。
【0033】
図3は、可変偏光装置の概念図である。
可変偏光装置141、142、143は、固定偏光子141と液晶可変位相遅延器142と、λ/4波長板143とを備える。
【0034】
固定偏光子141は、レンズ部120を通過した平行光を垂直な2偏光に分離させる役割を実行する。このために、固定偏光子141は、光ファイバFの軸方向(図3で横点線)と透過軸(T.A.;Transmissive Axis)が45度をなすようにし、平行光を光ファイバFの軸方向に対して45度の線形偏光ビームで偏光させる。したがって、固定偏光子141は、光ファイバ軸方向と断面方向に偏光した光の強度が同じ2光源が同時に光ファイバFに入射されるようにする。このとき、固定偏光子141の不均衡性による偏光誤差を減らすために、固定偏光子141を透過する光の断面サイズ(spot size)が小さくすることが好ましい。
【0035】
液晶可変位相遅延器(Liquid Crystal Variable Phase Retarder)142は、固定偏光子141を通過した偏光の位相遅延を電気信号で制御する。このとき、液晶可変位相遅延器142は、大略数kHzの電気信号で制御することができる。
【0036】
一例として、液晶可変位相遅延器142は、対向する内側面に透明電極がコーティングされた一対の平面ガラス板の間に液晶が挿入された構成を採用することができる。透明電極を介して電圧が印加されない場合、液晶はガラス板に沿って一列に配列され、入射光の位相遅延は最大となる。透明電極を介して印加される電圧が高くなることにより、液晶はガラス板と傾斜した角をなしながら電場方向と液晶の長手方向がなす角が次第に小さくなる。これにより、入射光の位相遅延は次第に小くなる。透明電極を介して特定の閾値以上の電圧が加えられれば、電気場方向と液晶の長手方向は互いに平行になり、このときに入射光の位相遅延は最小になる。液晶可変位相遅延器142は、このように電気信号または電圧を制御することで、固定偏光子141を通過した偏光の位相遅延を簡単に制御することができる。
【0037】
液晶可変位相遅延器142を通過した光はλ/4波長板143に入射され、遅く進行する軸(S.A.;Slow Axis)と速く進行する軸(F.A.;Fast Axis)の位相差がλ/4となるようにする。
【0038】
入射光が可変偏光装置141、142、143を通過しながら線形偏光状態が変化する過程を数式で表現すれば、下記数式のようになる。
【0039】
【数1】

このとき、Aは入射光の振幅を、wは入射光の周波数を、δは光ファイバによる位相遅延値を意味する。
前記数式1により、光ファイバによる位相遅延δによって光の線形偏光状態が回転することが分かる。
【0040】
このように、可変偏光装置141、142、143が偏光子を回転させる従来の回転偏光子10(図1参照)を代替することで、偏光子を回転させなくても偏光の位相遅延を制御し、このような位相遅延の制御によって線形偏光状態を回転させることができる。
【0041】
集光レンズ145は、可変偏光装置141、142、143とλ/4波長板144を通過した光を集めて測定部150の光ファイバFに集中するようにする。
【0042】
測定部150は、偏光部140を介して分離した2偏光状態の光を光ファイバFに通過させ、光ファイバFの軸方向と断面方向の位相変異差が発生するようにする。測定部150は、スライドガラス152とカバーガラス154とを備え、その間に残留応力を測定しようとする光ファイバFが位置する。
【0043】
光検出部160は、光ファイバFを通過した光の偏光状態を光強度として検出する部分である。光検出部160は、対物レンズ162と、固定分析子164と、CCDカメラ166とを備える。
【0044】
対物レンズ162は、光ファイバFを透過した光のイメージを拡大してCCDカメラ166に捕らえられるようにする。
【0045】
固定分析子164は、対物レンズ162とCCDカメラ166との間に位置する。固定分析子164は、測定部150を通過した光のうち光ファイバFを透過しない光である背景イメージ(background image)が通過できないようにする。このために、固定分析子164は、固定偏光子141の偏光方向と90度の角をなすように設置される。このように固定分析子164の偏光方向を配列することで、周辺光の散乱によるイメージの歪曲を防ぎ、正確な焦点を探すことができるようにする。
【0046】
CCDカメラ166は、固定分析子164を通過した光を電気的な信号に変換する。これにより、CCDカメラ166は、光ファイバFを通過した光の偏光状態を光強度として検出できるようにする。
【0047】
CCDカメラから得られる強度Iは、下記数式2のように、光ファイバFによる位相遅延値δに対してサイン二乗の関係にある。
【0048】
I=Isin(δ/2)
ここで、Iは、背景強度(background intensity)を意味する。
【0049】
本発明の一実施形態に係る光ファイバの残留応力測定装置を介して得られた位相遅延値それぞれに対し、下記数式を用いて光ファイバの残留応力が測定される。
【0050】
【数2】

ここで、Cは残留応力係数を、λは波長を、aは光ファイバの半径を、yは光ファイバを通過する光の光ファイバ中心からの距離を、rは光ファイバ半径座標を意味し、このような関係が図4に示されている。
【0051】
次に、本発明の他の実施形態に係る光ファイバの残留応力測定装置について説明する。
図5は、本発明の他の実施形態に係る光ファイバの残留応力測定装置の構成図である。図5の実施形態は、可変偏光装置262、263、264が光検出部260に位置して従来の回転分析子を代替するという点以外には図2の実施形態と類似しているため、差異点を中心に説明する。
【0052】
本発明の他の実施形態に係る光ファイバの残留応力測定装置200は、図5を参照すれば、光発生部110と、レンズ部120と、偏光部240と、測定部150と、光検出部260とを備えて形成される。
【0053】
偏光部240は、固定偏光子241と、λ/4波長板242と、集光レンズ243とを備える。固定偏光子241は、レンズ部120を通過した平行光を光ファイバFの軸方向に対して45度の線形偏光ビームで偏光させ、垂直した2偏光(光ファイバFの軸方向と断面方向)に分離させる役割を実行する。
【0054】
光検出部260は、対物レンズ261と、可変偏光装置262、263、264と、CCDカメラ265とを備える。
【0055】
可変偏光装置262、263、264は、固定分析子262と液晶可変位相遅延器263と、λ/4波長板264とを備える。固定分析子262は、固定偏光子241の偏光方向と90度の角をなすように配列され、測定部150を通過した光のうち背景イメージ(background image)が通過することができないようにする。液晶可変位相遅延器263は、固定分析子262を通過した偏光の位相遅延を電気信号で制御する。
【0056】
可変偏光装置262、263、264が分析子を回転させる従来の回転分析子を代替することで、分析子を回転させなくても偏光の位相遅延を制御し、このような位相遅延の制御によって線形偏光状態を回転させるようにする。
【0057】
以上の説明は、本発明の技術思想を例示的に説明したものに過ぎず、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者であれば、本発明の本質的な特性から逸脱しない範囲内で多様な修正、変更、および置換が可能であろう。したがって、本発明に開示された実施形態および添付の図面は、本発明の技術思想を限定するためのものではなく説明するためのものであり、このような実施形態および添付の図面によって本発明の技術思想の範囲が限定されることはない。本発明の保護範囲は添付の請求範囲によって解釈されなければならず、それと同等な範囲内にあるすべての技術思想は、本発明の権利範囲に含まれるものとして解釈されるべきであろう。
【産業上の利用可能性】
【0058】
本発明は、光ファイバ内における光損失および光導波特性に大きい影響を及ぼす光ファイバの残留応力を高速で測定できるようにする高分解能、高速の光ファイバ残留応力測定装置を提供することで、光ファイバの光学的特性の把握、高品質の光ファイバ生産、特殊光ファイバの開発とその特性研究分野に広範囲に用いることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光ファイバの残留応力を測定するための装置であって、
光を発生させる光発生部と、
前記発生された光を平行光に転換するレンズ部と、
前記平行光を垂直な2偏光に分離させ、前記偏光の位相遅延を電気信号で制御する可変偏光装置を含む偏光部と、
前記分離した2偏光状態の光を測定しようとする光ファイバに通過させる測定部と、
前記光ファイバを通過した光の偏光状態を光強度として検出する光検出部と、
を備えることを特徴とする光ファイバの残留応力測定装置。
【請求項2】
前記可変偏光装置は、
前記平行光を垂直な2偏光に分離させる固定偏光子と、前記偏光の位相遅延を電気信号で制御する液晶可変位相遅延器(Liquid Crystal Variable Phase Retarder)と、前記液晶可変位相遅延器を通過した光が入射されるλ/4波長板とを備えることを特徴とする、請求項1に記載の光ファイバの残留応力測定装置。
【請求項3】
前記固定偏光子は、前記光ファイバの軸方向に対して45度の線形偏光ビームで偏光することを特徴とする、請求項2に記載の光ファイバの残留応力測定装置。
【請求項4】
前記光検出部は、
前記光ファイバを透過した光のイメージを拡大するための対物レンズと、前記光ファイバの背景イメージが透過することを防ぐ固定分析子と、前記固定分析子を通過した光を電気的な信号に変換させるCCD(Charge Coupled Device)カメラとを備えることを特徴とする、請求項2に記載の光ファイバの残留応力測定装置。
【請求項5】
前記固定分析子の偏光方向は、前記固定偏光子の偏光方向と90度の角度をなすことを特徴とする、請求項4に記載の光ファイバの残留応力測定装置。
【請求項6】
前記レンズ部は、
前記光発生部から放出された光の空間的コヒーレンスを抑制するための拡散器(optical diffuser)と、前記拡散器を通過した光を平行光に変換する平行光レンズ(plano−convex lense)とを備えることを特徴とする、請求項1に記載の光ファイバの残留応力測定装置。
【請求項7】
光ファイバの残留応力を測定するための装置であって、
光を発生させる光発生部と、
前記発生された光を平行光に転換するレンズ部と、
前記平行光を垂直な2偏光に分離させる偏光部と、
前記分離した2偏光状態の光を測定しようとする光ファイバに通過させる測定部と、
前記光ファイバを通過した光の位相遅延を電気信号で制御する可変偏光装置と、前記可変偏光装置を通過した光の偏光状態を光強度として検出する光検出部と、
を備えることを特徴とする光ファイバの残留応力測定装置。
【請求項8】
前記偏光部は、
前記平行光を垂直な2偏光に分離させる固定偏光子と、前記固定偏光子を通過した光が入射されるλ/4波長板とを備えることを特徴とする、請求項7に記載の光ファイバの残留応力測定装置。
【請求項9】
前記固定偏光子は、前記光ファイバの軸方向に対して45度の線形偏光ビームで偏光することを特徴とする、請求項8に記載の光ファイバの残留応力測定装置。
【請求項10】
前記可変偏光装置は、
前記光ファイバの背景イメージが透過することを防ぐ固定分析子と、前記固定分析子を通過した光の位相遅延を電気信号で制御する液晶可変位相遅延器(Liquid Crystal Variable Phase Retarder)と、前記液晶可変位相遅延器を通過した光が入射されるλ/4波長板とを備えることを特徴とする、請求項7に記載の光ファイバの残留応力測定装置。
【請求項11】
前記レンズ部は、
前記光発生部から放出された光の空間的コヒーレンスを抑制するための拡散器(optical diffuser)と、前記拡散器を通過した光を平行光に変換する平行光レンズ(plano−convex lense)とを備えることを特徴とする、請求項7に記載の光ファイバの残留応力測定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−168813(P2009−168813A)
【公開日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−5697(P2009−5697)
【出願日】平成21年1月14日(2009.1.14)
【出願人】(507373508)クヮンジュ・インスティテュート・オブ・サイエンス・アンド・テクノロジー (28)