光ファイバケーブルの製造方法
【課題】 スペーサのスロット内に収納する光ファイバ心線に余分な張力を掛けることなく、線掛け作業が簡単なスペーサ型の光ファイバケーブルの製造方法をを提供する。
【解決手段】 スペーササプライドラム１１より送り出されたスペーサ４外周に形成されたスロット３に、光ファイバサプライボビン２１より引き出された光ファイバ心線５を光ファイバ集合部１３で一旦集合させた後に落とし込む光ファイバケーブルの製造方法において、光ファイバサプライボビン２１より光ファイバ集合部１３に至る光ファイバ心線５のパスライン上に非回転型光ファイバガイド２２を配置した。
【解決手段】 スペーササプライドラム１１より送り出されたスペーサ４外周に形成されたスロット３に、光ファイバサプライボビン２１より引き出された光ファイバ心線５を光ファイバ集合部１３で一旦集合させた後に落とし込む光ファイバケーブルの製造方法において、光ファイバサプライボビン２１より光ファイバ集合部１３に至る光ファイバ心線５のパスライン上に非回転型光ファイバガイド２２を配置した。
【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、スペーサの外周に設けられたスパイラル状のスロット（溝状収納部）に光ファイバ心線を収納してなるスペーサ型光ファイバケーブルの製造方法に関する。
【０００２】
【従来の技術】スペーサ型光ファイバケーブルは、例えば図２に示すような断面構造を有している。図２において、スペーサ型の光ファイバケーブル１の中心にはテンションメンバー２が配置されている。このテンションメンバ２の外周には光ファイバ心線５（図２においてはテープ状光ファイバ心線）が収納されたスパイラル状のスロット３を外周に有したスペーサ４が設けられており、その外周にはさらに押え巻き６、シース７が設けられている。
【０００３】このような光ファイバケーブル１は例えば図３に示すような方法で製造されていた。スペーササプライドラム１１より送り出されたスペーサ４は光ファイバ集合部１３に導入される。同じく光ファイバサプライボビン２１よりガイドプーリ２２Ａ、ダンサー２３、ガイドプーリ２２Ｂを経て光ファイバ心線５が光ファイバ集合部１３に導入される。光ファイバ集合部１３へ導入された複数の光ファイバ心線５は一体化された後をスペーサ４外周に設けられたスロット３へそのピッチに合わせて供給され、光ファイバ心線５はスロット３に収納される。スロット３内に光ファイバ心線５が収納されたスペーサ４は引取機１４で引き取られて巻取りドラム１５に巻き取られ次工程に送られる。なお、図３においては図面の関係で光ファイバ心線５を光ファイバ集合部１３に導入する設備は１つしか記載されていないが実際には複数の設備を有している。
【０００４】ところで、上記の製造工程において重要な要素は光ファイバサプライボビン２１から光ファイバ集合部１３にかけての部分にある。光ファイバケーブルは完成時に光ファイバ自体に歪みを有することなくスペーサ内に収納されていることが必要である。このため光ファイバ心線５をスペーサ４の外周に設けられたスロット３内に収納する際に光ファイバ心線５の張力を制御してスロット３に収納している。光ファイバ心線５の張力を制御する手段としてはダンサー２３が用いられている。ダンサー２３は可動プーリ２４と固定プーリ２５Ａ、２５Ｂを有している。ダンサー２３は可動プーリ２４に加える加重２５Ｃを調整することによって光ファイバ心線５の張力を所定値となるよう制御している。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】このような光ファイバ心線５を供給する装置は、スペーサ４の外周に設けられたスロット３に収納される光ファイバ心線５の張力を所定の値としてスロット３に落とし込むためには最適の機構となっている。ところが、上記の光ファイバ心線５を供給するサプライ装置はガイドプーリ２２Ａ、ガイドプーリ２２Ｂ、ダンサーを構成する可動プーリ２４、固定プーリ２５Ａ、固定プーリ２５Ｂといくつもの回転型のプーリを有している。このため、光ファイバ心線５にはこれらのプーリに接触することにより該プーリを回転させながら通過することになり、その反力は大きな負荷加重となっている。
【０００６】また、光ファイバ心線５を供給する装置が新しいうちは問題にならないが、装置が古くなるにつれ各プーリのベアリングの経時的劣化等に起因して装置に回転抵抗の増加が生じる。また、通過する光ファイバ心線５に対して引張張力の負荷がより装置に回転抵抗を増加させてしまう。さらに、上記のようにプーリの数が多いと段替え等の際の線掛け作業が煩雑になり、作業効率が悪いという問題もあった。
【０００７】本発明は上記の課題を解決し、スペーサのスロット内に収納する光ファイバ心線に余分な張力を掛けることなく、線掛け作業が簡単なスペーサ型の光ファイバケーブルの製造方法をを提供することを目的とするものである。
【０００８】
【課題を解決するための手段】本発明は上記の課題を解決するために以下のような手段を有している。
【０００９】本発明の光ファイバケーブルの製造方法は、スペーササプライドラムより送り出されたスペーサ外周に形成されたスロットに、光ファイバサプライボビンより引き出された光ファイバ心線を光ファイバ集合部で一旦集合させた後に落とし込む光ファイバケーブルの製造方法において、前記光ファイバサプライボビンより前記光ファイバ集合部に至る光ファイバ心線のパスライン上に非回転型光ファイバガイドを配置したことを特徴とする。
【００１０】本発明の光ファイバケーブルの製造方法によれば、スペーサの外周に設けられたスロットに光ファイバ心線を落とし込む際に、光ファイバサプライボビンより光ファイバ集合部に至る光ファイバのパスライン上に非回転型の光ファイバガイドを配置したので、光ファイバ心線は慣性を有する回転プーリを通過することなくスロットに落とし込まれる。したがって、光ファイバ心線には回転プーリを通過することによって受ける回転反力が加わらないので、光ファイバ心線の張力は軽減される。もちろん、非回転型の光ファイバガイドには回転部分がないのでベアリングの経時的劣化等に起因して発生する抵抗の増加は生じない。したがって、光ファイバの張力は常にダンサーによって与えられる一定の負荷抵抗により生じるもののみとなっている。また、光ファイバ心線は幾つかの回転プーリ間を引き回して線掛けされることもないので線掛け作業が簡単となり段替え作業等の効率が向上する。
【００１１】
【発明の実施の形態】以下に本発明を実施の形態により詳細に説明する。なお、従来と同様のものについては従来と同符号を付して詳細な説明は省略する。図１は、本発明にかかる光ファイバケーブルの製造方法を実施するための概略を示す説明図である。図１において、符号１１はスペーササプライドラム、１３は光ファイバ集合部、１４は引取機、１５は巻取りドラムである。これらのものは従来のものを引用することができる。
【００１２】本発明の特徴は光ファイバ心線を供給する方法にある。以下にその方法を実施した光ファイバサプライ装置２０を用いて説明する。光ファイバサプライ装置２０は光ファイバ心線５を供給する光ファイバサプライボビン２１および光ファイバサプライボビン２１から繰り出された光ファイバ心線５を光ファイバ集合部１３に案内する非回転型の光ファイバガイド２２を有している。非回転型の光ファイバガイド２２は光ファイバサプライボビン２１から光ファイバ集合部１３の間に所定の間隔に複数箇所、本実施の形態では１パスラインに２箇所配置されている。この非回転型の光ファイバガイド２２は、例えば表面にテフロンがコーティングされた棒状の回転しないガイドにより構成される。この非回転型の光ファイバガイド２２を有した光ファイバサプライ装置２０がスペーサ４のスロット３内に収納する光ファイバ心線５の数だけ配置されている。
【００１３】上記のように構成された装置で図２に示す光ファイバケーブル１を製造する方法について説明する。スペーササプライドラム１１より送り出されたスペーサ４が光ファイバ集合部１３に導入される。同じく個々の光ファイバサプライ装置２０の光ファイバサプライボビン２１よりそれぞれ光ファイバ心線５が繰り出されて光ファイバガイド２２で案内されて光ファイバ集合部１３に導入される。光ファイバ心線５を案内する光ファイバガイド２２は光ファイバ心線５をパスラインにしたがって案内するだけであり、特に光ファイバ心線５に張力を負荷したり張力を一定に制御する作用を有していない。よって、光ファイバ心線５は光ファイバガイド２２を通過しても回転反力が加わることがないので、光ファイバ心線５に与えられる張力は軽減される。
【００１４】また、光ファイバガイド２２は回転部分を持たないのでベアリングの経時的劣化等に起因して発生する抵抗の増加が生じないので、光ファイバ心線５の張力としては常に所定の負荷抵抗のみが作用している。さらに、光ファイバ心線５は従来のように幾つかの回転プーリ間を引き回して線掛けされることがないので線掛け作業が簡単となり段替え作業等の能率が向上する。
【００１５】光ファイバ集合部１３に導入されたスペーサ４のスパイラル状のスロット３内に、同じく光ファイバ集合部１３に導入された複数本の光ファイバ心線５をそれぞれスペーサ４外周に設けられたスパイラル状のスロット３のピッチに合わせて供給し該スロット３に収納する。
【００１６】光ファイバ心線５が収納されたスペーサ４と光ファイバ心線５は引取機１４で引き取られて巻取りドラム１５に巻き取られ次工程に送られる。図示していない次工程のテープ押え巻き装置により光ファイバ心線５が収納されたスペーサ４の外周に押え巻き６が施されて、さらにその外周に、同じく図示していないシース押出し装置によりシース７が押出被覆されて図２に示す光ファイバケーブル１が製造される。
【００１７】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の光ファイバケーブルの製造方法によれば、スペーサのスロット内に光ファイバを落とし込む際に、光ファイバサプライボビンより光ファイバ集合部に至る光ファイバのパスラインの所定の位置に非回転型の光ファイバガイドを配置して光ファイバをスロット内に落とし込むので、光ファイバは慣性を有する回転プーリを通過することなくスロット内に落とし込まれる。
【００１８】したがって、光ファイバ心線には回転プーリを通過することによって受ける回転反力が加わらないので、光ファイバ心線の張力は軽減される。もちろん、非回転型の光ファイバガイドには回転部分がないのでベアリングの経時的劣化等に起因して発生する抵抗の増加は生じない。したがって、光ファイバの張力は常にダンサーによって与えられる一定の負荷抵抗により生じるもののみとなっている。また、光ファイバ心線は幾つかの回転プーリ間を引き回して線掛けされることもないので線掛け作業が簡単となり段替え作業等の効率が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の光ファイバケーブルの製造方法を実施するための概略を示す説明図である。
【図２】本発明の対象とする光ファイバケーブルの断面図である。
【図３】従来の光ファイバケーブルの製造方法を実施するための概略を示す説明図である。
【符号の説明】
１ 光ファイバケーブル
２ テンションメンバー
３ スロット
４ スペーサ
５ 光ファイバ心線
１１ スペーササプライドラム
１３ 光ファイバ集合部
１４ 引取機
１５ 巻取りドラム
２０ 光ファイバサプライ装置
２１ 光ファイバサプライボビン
２２ 光ファイバガイド
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、スペーサの外周に設けられたスパイラル状のスロット（溝状収納部）に光ファイバ心線を収納してなるスペーサ型光ファイバケーブルの製造方法に関する。
【０００２】
【従来の技術】スペーサ型光ファイバケーブルは、例えば図２に示すような断面構造を有している。図２において、スペーサ型の光ファイバケーブル１の中心にはテンションメンバー２が配置されている。このテンションメンバ２の外周には光ファイバ心線５（図２においてはテープ状光ファイバ心線）が収納されたスパイラル状のスロット３を外周に有したスペーサ４が設けられており、その外周にはさらに押え巻き６、シース７が設けられている。
【０００３】このような光ファイバケーブル１は例えば図３に示すような方法で製造されていた。スペーササプライドラム１１より送り出されたスペーサ４は光ファイバ集合部１３に導入される。同じく光ファイバサプライボビン２１よりガイドプーリ２２Ａ、ダンサー２３、ガイドプーリ２２Ｂを経て光ファイバ心線５が光ファイバ集合部１３に導入される。光ファイバ集合部１３へ導入された複数の光ファイバ心線５は一体化された後をスペーサ４外周に設けられたスロット３へそのピッチに合わせて供給され、光ファイバ心線５はスロット３に収納される。スロット３内に光ファイバ心線５が収納されたスペーサ４は引取機１４で引き取られて巻取りドラム１５に巻き取られ次工程に送られる。なお、図３においては図面の関係で光ファイバ心線５を光ファイバ集合部１３に導入する設備は１つしか記載されていないが実際には複数の設備を有している。
【０００４】ところで、上記の製造工程において重要な要素は光ファイバサプライボビン２１から光ファイバ集合部１３にかけての部分にある。光ファイバケーブルは完成時に光ファイバ自体に歪みを有することなくスペーサ内に収納されていることが必要である。このため光ファイバ心線５をスペーサ４の外周に設けられたスロット３内に収納する際に光ファイバ心線５の張力を制御してスロット３に収納している。光ファイバ心線５の張力を制御する手段としてはダンサー２３が用いられている。ダンサー２３は可動プーリ２４と固定プーリ２５Ａ、２５Ｂを有している。ダンサー２３は可動プーリ２４に加える加重２５Ｃを調整することによって光ファイバ心線５の張力を所定値となるよう制御している。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】このような光ファイバ心線５を供給する装置は、スペーサ４の外周に設けられたスロット３に収納される光ファイバ心線５の張力を所定の値としてスロット３に落とし込むためには最適の機構となっている。ところが、上記の光ファイバ心線５を供給するサプライ装置はガイドプーリ２２Ａ、ガイドプーリ２２Ｂ、ダンサーを構成する可動プーリ２４、固定プーリ２５Ａ、固定プーリ２５Ｂといくつもの回転型のプーリを有している。このため、光ファイバ心線５にはこれらのプーリに接触することにより該プーリを回転させながら通過することになり、その反力は大きな負荷加重となっている。
【０００６】また、光ファイバ心線５を供給する装置が新しいうちは問題にならないが、装置が古くなるにつれ各プーリのベアリングの経時的劣化等に起因して装置に回転抵抗の増加が生じる。また、通過する光ファイバ心線５に対して引張張力の負荷がより装置に回転抵抗を増加させてしまう。さらに、上記のようにプーリの数が多いと段替え等の際の線掛け作業が煩雑になり、作業効率が悪いという問題もあった。
【０００７】本発明は上記の課題を解決し、スペーサのスロット内に収納する光ファイバ心線に余分な張力を掛けることなく、線掛け作業が簡単なスペーサ型の光ファイバケーブルの製造方法をを提供することを目的とするものである。
【０００８】
【課題を解決するための手段】本発明は上記の課題を解決するために以下のような手段を有している。
【０００９】本発明の光ファイバケーブルの製造方法は、スペーササプライドラムより送り出されたスペーサ外周に形成されたスロットに、光ファイバサプライボビンより引き出された光ファイバ心線を光ファイバ集合部で一旦集合させた後に落とし込む光ファイバケーブルの製造方法において、前記光ファイバサプライボビンより前記光ファイバ集合部に至る光ファイバ心線のパスライン上に非回転型光ファイバガイドを配置したことを特徴とする。
【００１０】本発明の光ファイバケーブルの製造方法によれば、スペーサの外周に設けられたスロットに光ファイバ心線を落とし込む際に、光ファイバサプライボビンより光ファイバ集合部に至る光ファイバのパスライン上に非回転型の光ファイバガイドを配置したので、光ファイバ心線は慣性を有する回転プーリを通過することなくスロットに落とし込まれる。したがって、光ファイバ心線には回転プーリを通過することによって受ける回転反力が加わらないので、光ファイバ心線の張力は軽減される。もちろん、非回転型の光ファイバガイドには回転部分がないのでベアリングの経時的劣化等に起因して発生する抵抗の増加は生じない。したがって、光ファイバの張力は常にダンサーによって与えられる一定の負荷抵抗により生じるもののみとなっている。また、光ファイバ心線は幾つかの回転プーリ間を引き回して線掛けされることもないので線掛け作業が簡単となり段替え作業等の効率が向上する。
【００１１】
【発明の実施の形態】以下に本発明を実施の形態により詳細に説明する。なお、従来と同様のものについては従来と同符号を付して詳細な説明は省略する。図１は、本発明にかかる光ファイバケーブルの製造方法を実施するための概略を示す説明図である。図１において、符号１１はスペーササプライドラム、１３は光ファイバ集合部、１４は引取機、１５は巻取りドラムである。これらのものは従来のものを引用することができる。
【００１２】本発明の特徴は光ファイバ心線を供給する方法にある。以下にその方法を実施した光ファイバサプライ装置２０を用いて説明する。光ファイバサプライ装置２０は光ファイバ心線５を供給する光ファイバサプライボビン２１および光ファイバサプライボビン２１から繰り出された光ファイバ心線５を光ファイバ集合部１３に案内する非回転型の光ファイバガイド２２を有している。非回転型の光ファイバガイド２２は光ファイバサプライボビン２１から光ファイバ集合部１３の間に所定の間隔に複数箇所、本実施の形態では１パスラインに２箇所配置されている。この非回転型の光ファイバガイド２２は、例えば表面にテフロンがコーティングされた棒状の回転しないガイドにより構成される。この非回転型の光ファイバガイド２２を有した光ファイバサプライ装置２０がスペーサ４のスロット３内に収納する光ファイバ心線５の数だけ配置されている。
【００１３】上記のように構成された装置で図２に示す光ファイバケーブル１を製造する方法について説明する。スペーササプライドラム１１より送り出されたスペーサ４が光ファイバ集合部１３に導入される。同じく個々の光ファイバサプライ装置２０の光ファイバサプライボビン２１よりそれぞれ光ファイバ心線５が繰り出されて光ファイバガイド２２で案内されて光ファイバ集合部１３に導入される。光ファイバ心線５を案内する光ファイバガイド２２は光ファイバ心線５をパスラインにしたがって案内するだけであり、特に光ファイバ心線５に張力を負荷したり張力を一定に制御する作用を有していない。よって、光ファイバ心線５は光ファイバガイド２２を通過しても回転反力が加わることがないので、光ファイバ心線５に与えられる張力は軽減される。
【００１４】また、光ファイバガイド２２は回転部分を持たないのでベアリングの経時的劣化等に起因して発生する抵抗の増加が生じないので、光ファイバ心線５の張力としては常に所定の負荷抵抗のみが作用している。さらに、光ファイバ心線５は従来のように幾つかの回転プーリ間を引き回して線掛けされることがないので線掛け作業が簡単となり段替え作業等の能率が向上する。
【００１５】光ファイバ集合部１３に導入されたスペーサ４のスパイラル状のスロット３内に、同じく光ファイバ集合部１３に導入された複数本の光ファイバ心線５をそれぞれスペーサ４外周に設けられたスパイラル状のスロット３のピッチに合わせて供給し該スロット３に収納する。
【００１６】光ファイバ心線５が収納されたスペーサ４と光ファイバ心線５は引取機１４で引き取られて巻取りドラム１５に巻き取られ次工程に送られる。図示していない次工程のテープ押え巻き装置により光ファイバ心線５が収納されたスペーサ４の外周に押え巻き６が施されて、さらにその外周に、同じく図示していないシース押出し装置によりシース７が押出被覆されて図２に示す光ファイバケーブル１が製造される。
【００１７】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の光ファイバケーブルの製造方法によれば、スペーサのスロット内に光ファイバを落とし込む際に、光ファイバサプライボビンより光ファイバ集合部に至る光ファイバのパスラインの所定の位置に非回転型の光ファイバガイドを配置して光ファイバをスロット内に落とし込むので、光ファイバは慣性を有する回転プーリを通過することなくスロット内に落とし込まれる。
【００１８】したがって、光ファイバ心線には回転プーリを通過することによって受ける回転反力が加わらないので、光ファイバ心線の張力は軽減される。もちろん、非回転型の光ファイバガイドには回転部分がないのでベアリングの経時的劣化等に起因して発生する抵抗の増加は生じない。したがって、光ファイバの張力は常にダンサーによって与えられる一定の負荷抵抗により生じるもののみとなっている。また、光ファイバ心線は幾つかの回転プーリ間を引き回して線掛けされることもないので線掛け作業が簡単となり段替え作業等の効率が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の光ファイバケーブルの製造方法を実施するための概略を示す説明図である。
【図２】本発明の対象とする光ファイバケーブルの断面図である。
【図３】従来の光ファイバケーブルの製造方法を実施するための概略を示す説明図である。
【符号の説明】
１ 光ファイバケーブル
２ テンションメンバー
３ スロット
４ スペーサ
５ 光ファイバ心線
１１ スペーササプライドラム
１３ 光ファイバ集合部
１４ 引取機
１５ 巻取りドラム
２０ 光ファイバサプライ装置
２１ 光ファイバサプライボビン
２２ 光ファイバガイド
【特許請求の範囲】
【請求項１】 スペーササプライドラムより送り出されたスペーサ外周に形成されたスロットに、光ファイバサプライボビンより引き出された光ファイバ心線を光ファイバ集合部で一旦集合させた後に落とし込む光ファイバケーブルの製造方法において、前記光ファイバサプライボビンより前記光ファイバ集合部に至る光ファイバ心線のパスライン上に非回転型光ファイバガイドを配置したことを特徴とする光ファイバケーブルの製造方法。
【請求項１】 スペーササプライドラムより送り出されたスペーサ外周に形成されたスロットに、光ファイバサプライボビンより引き出された光ファイバ心線を光ファイバ集合部で一旦集合させた後に落とし込む光ファイバケーブルの製造方法において、前記光ファイバサプライボビンより前記光ファイバ集合部に至る光ファイバ心線のパスライン上に非回転型光ファイバガイドを配置したことを特徴とする光ファイバケーブルの製造方法。
【図１】
【図２】
【図３】
【図２】
【図３】
【公開番号】特開平９−２９７２５２
【公開日】平成９年（１９９７）１１月１８日
【国際特許分類】
【出願番号】特願平８−１１１３５１
【出願日】平成８年（１９９６）５月２日
【出願人】（０００００５２９０）古河電気工業株式会社 (4,457)
【公開日】平成９年（１９９７）１１月１８日
【国際特許分類】
【出願日】平成８年（１９９６）５月２日
【出願人】（０００００５２９０）古河電気工業株式会社 (4,457)
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