説明

光ファイバセンサアレイ

光ファイバセンサアレイ100は、パッケージ入/出力(i/o)ファイバを個々に有し、かつ、それぞれ、入力される1つまたは複数の呼掛け光パルスに応答して、パッケージi/oファイバを介して光出力パルスの有限出力パルス列を出力するようになされた光ファイバセンサパッケージAX、BX、CX、DX、AY、BY、CY、DY、AZ、BZ、CZ、DZのラインアレイを備えている。アレイは、さらに、ラインアレイの長手に沿って延びている光ファイババス104、106、108、110を備えており、ラインアレイに沿ったそれぞれの位置で個々のパッケージi/oファイバが光ファイババスに光結合されている。このアレイは、同じ数の光ファイバ検知パッケージのシリアルアレイの場合より高い周波数で呼び掛けることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は光ファイバセンサのアレイに関する。
【背景技術】
【0002】
知られているタイプの光ファイバセンサパッケージは、パッケージ入/出力(i/o)ファイバおよび1つまたは複数の個別の光ファイバセンサを備えており、パッケージi/oファイバに入力される1つまたは複数の呼掛けパルスの入力に応答して、i/oファイバを介して光出力パルスの有限出力パルス列を出力するようになされている。出力パルス列は、パッケージの特定の構造に応じて、周囲の環境の温度、圧力、加速度などに関する情報を担うことができる。このようなパッケージは、通常、1つまたは複数の呼掛けパルスの一部をファイバのこの部分に光結合された第2のこのようなパッケージを通過させることができる出力ファイバを有している。したがってこの第2のパッケージに対する呼掛けを提供することができる。多くのパッケージを直列に接続してそのラインアレイに沿った物理状態に関する情報の収集に適したラインアレイを形成することができる。アレイを使用している間、アレイの入力端に1つまたは複数の呼掛けパルスが導入され、アレイの個々のパッケージからの出力パルス列がアレイの入力端に向かって出力される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
光ファイバ検知パッケージのこのようなアレイが抱えている問題は、1つまたは複数の呼掛けパルスの一部がアレイの最後のパッケージに到達するのに要する時間によって、また、最後のパッケージからの出力パルス列が他のすべてのパッケージを通ってアレイの入力端に戻るのに要する時間によってそのアレイの最大呼掛け周波数が固定されるということにあるため、たとえば数百個のパッケージが直列に配置された長いアレイの場合、アプリケーション(たとえば急激に変化する物理状態を検出するアプリケーション)によってはアレイのこの最大呼掛け周波数が許容できないほど低いことである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の目的は、この問題を改善することである。本発明によれば、この目的は、パッケージ入/出力(i/o)ファイバを個々に有し、かつ、それぞれ該パッケージ入/出力(i/o)ファイバに入力される1つまたは複数の呼掛け光パルスに応答して、そのパッケージi/oファイバを介して光出力パルスの有限出力パルス列を出力するようになされた複数の光ファイバセンサパッケージのラインアレイを備えた光ファイバセンサアレイによって達成される。このアレイは、さらに、ラインアレイの長手に沿って延びている光ファイババスを備えており、個々のパッケージi/oファイバは、ラインアレイに沿ったそれぞれの位置で光ファイババスに光結合されている。本発明によるアレイの個々のパッケージによる呼掛けは、特定のパッケージに対する呼掛けパルスが最初にアレイの他のパッケージを通過する必要がないため、シリアルアレイの場合より速く達成される。同様に、特定のパッケージからの出力パルス列も、アレイの入力端に到達させるためにアレイ内の他のパッケージを通過させる必要はない。したがって、本発明によるアレイの単一呼掛けによって生じる出力パルス列の完全なサイクル(個々のパッケージからの1つの出力パルス列を有している)は、直列に配置された同じ数の光ファイバ検知パッケージを有するアレイからの完全なサイクルより短い継続期間を有しており、したがって従来技術による場合より高い周波数での呼掛けが提供される。
【0005】
光ファイバセンサアレイは、さらに、アレイi/oファイバを備えており、また、光ファイババスは、アレイi/oファイバに並列に光結合された、ラインアレイの長手に沿って延びているN個のバスファイバを備えており、ラインアレイのn番目の光ファイバセンサパッケージのパッケージi/oファイバは、n/N=M+k/Nであり、かつ、Mが正の整数またはゼロである場合、k番目のバスファイバ(k=1からN)に光結合されることが好ましい。たとえばN=4の場合、アレイに沿った10番目の光ファイバセンサパッケージは、第2のバスファイバに結合される。それにより、アレイi/oファイバ上に多重化された場合、異なるバスファイバ上に結合された出力パルス列の複数のグループを交互配置することができ、アレイの単一呼掛けによって生じる出力パルス列の完全なサイクルの継続期間がさらに短縮され、延いてはアレイの最大呼掛け周波数をさらに速くすることができる。また、複数のバスファイバのうちの1つが損傷した場合のアレイの性能に対する影響は、すべてのパッケージが単一のバスファイバに結合されている場合より小さく、あるいはN個のバスファイバが存在し、かつ、ラインアレイがN個の連続するパッケージの複数のセットで構築され、所与のセットのパッケージが同じバスファイバに結合されている場合より小さい。
【0006】
所与のバスファイバに沿った、パッケージi/oファイバが結合される位置は、同じ長さのバスファイバによって分離され、また、少なくとも1つのバスファイバの、アレイi/oファイバと、バスファイバに沿った、そのバスファイバの第1のパッケージのパッケージi/oファイバが結合される位置との間には、遅延長さの光ファイバが組み込まれていることが好ましい。それにより、特定の検知要求事項に合致し、かつ、遅延ファイバの長さを適切に選択することによって異なるバスファイバ上に出力される出力パルス列の複数のグループを交互配置することができるよう、アレイに沿ったパッケージの物理位置を独立して選択することができる。
【0007】
光ファイバセンサパッケージの各々は、出力パルス列の光パルスを1/τの周波数で出力するようになされ、個々のパルスはτ/Nの継続期間を有し、ファイバの1つまたは複数の遅延長さは、アレイを使用している間、それぞれのバスファイバ中に結合された出力パルス列の複数のグループがアレイi/oファイバ中に多重化出力列を形成する長さであり、該多重化出力列は、連続するグループがτ/Nの相対遅延を有する複数のグループからなっていることが好ましい。この場合、連続するパルスセットを形成するために、異なるバスファイバに結合された対応するパッケージからの出力パルス列中の個々のパルスがアレイi/oファイバ内で交互配置され、それにより、アレイからの出力データの単一サイクル内における、有用な出力が存在していない時間の長さがさらに短縮される。
【0008】
アレイの個々のパッケージが、呼掛けに応じて1/τの周波数でm個の個別パルスの出力パルス列を生成し、個々のパルスがτ/Nの継続期間を有し、かつ、有用な情報を担っている場合、任意の特定のバスファイバ上の隣接するパッケージを接続しているファイバの長さは、cpmτ/2の長さを有していることが好ましい。pはp≧1の整数であり、cはファイバ内の光の速さである。それにより、特定のバスファイバに結合された隣接するパッケージによって生じる出力パルス列と、単一の呼掛けに応答して生成される出力パルス列との間にpmτの遅延が生成される。p=1の場合、特定のバスファイバに結合された隣接するパッケージによって生じる出力パルス列は時間的に連続している。p>1の場合、1つのパッケージからの出力パルス列の終わりと、同じバスファイバに結合された隣接するパッケージからの出力パルス列の開始との間に遅延が存在し、これらの2つの出力パルス列は、単一の呼掛けによって生じる。しかしながら、アレイの呼掛け周波数を適切に選択することによって任意のバスファイバから連続する出力パルス列を得ることができるのは、この遅延の継続期間によるものである。バスファイバに結合されるパッケージの物理的な分離を選択して特定の検知要求事項に合致させ、かつ、この利点を維持することができるようにするために、任意の特定のバスファイバ上の隣接するパッケージを接続しているファイバに、それぞれ遅延長さのファイバを組み込むことができる。
【0009】
特定の光ファイバ検知パッケージは、呼掛けに応答して、その出力列の最初の光パルスおよび最後の光パルスが有用な情報を担っていない出力列を生成する。アレイがこのタイプのパッケージを有しており、これらのパッケージの各々が、個々の出力パルス列内で、継続期間がτ/Nのm個のパルスを1/τの周波数で生成する場合、任意の特定のバスファイバ上の隣接するパッケージを接続しているファイバの長さは、cp(m−1)τ/2の長さを有していることが好ましい。pはp≧1の整数であり、cはファイバ内の光の速さである。p=1の場合、単一の呼掛けに応答して、特定のバスファイバに結合された隣接するパッケージからの出力パルス列の間にp(m−1)τの遅延が存在する。これは、1つの出力パルス列の最後のパルスと次の出力パルス列の最初のパルスが時間的に重畳し、アレイの完全な出力サイクル内(および任意の単一バスファイバからの出力パルス列のグループ内)における有用な情報を担っていない時間の長さが短縮されることを意味している。p>1の場合、1つのパッケージからの出力パルス列の終わりと、隣接するパッケージからの出力パルス列の開始との間にp(m−1)τの遅延が存在し、これらの2つの出力パルス列は、単一の呼掛けに応答して生成される。この場合も、アレイの呼掛け周波数を適切に選択することによって任意のバスファイバから連続する出力パルス列を得ることができるのは、この遅延によるものである。また、1つの出力パルス列の最後の出力パルスと次の出力パルス列の最初のパルスが重畳する。この場合も、バスファイバに結合されるパッケージの物理的な分離を選択して特定の検知要求事項に合致させ、かつ、この利点を維持することができるようにするために、任意の特定のバスファイバ上の隣接するパッケージを接続しているファイバに、それぞれ遅延長さのファイバを組み込むことができる。
【0010】
アレイの複数の光ファイバ検知パッケージの各々は、直列に配置されたm−2個の、長さがそれぞれcτ/2の光ファイバ検知コイルを備えることができる。前記コイルの各々は、その入力側に部分反射体を備えており、また、パッケージは終端反射体を備えている。このようなパッケージには、一方のパルスがもう一方のパルスに対してτだけ遅延された、継続期間がτ/Nの一対のパルスによって呼び掛けることができ、それによりm個のパルスの出力パルス列を生成することができる。第1のパルスおよびm番目のパルスは有用な情報を担っていないが、2番目、3番目、...(m−1)番目のパルスは、パッケージの近傍の物理状態に関する情報を担うことができる。
【0011】
反射体は、ファイバ結合反射体であっても、あるいは別法として、インファイバブラッグ格子などのインファイバ反射体であってもよい。
【0012】
1つまたは複数の個々の光ファイバ加速度計または光ファイバハイドロホンの中に複数の検知コイルのうちの1つまたは複数を備え、振動または圧力の検出に適したアレイを提供することができる。4つの検知コイルを有するパッケージの場合、そのうちの3つのコイルを個々の光ファイバ加速度計の中に備え、また、残りの1つのコイルを光ファイバハイドロホンの中に備えた、水中探査アプリケーションのための光ファイバセンサアレイを提供することができる。
【0013】
光ファイババスは、敷設中または使用中におけるアレイの損傷を防止するために、保護ケーブルの中に収納されることが好ましい。
【0014】
本発明による複数の光ファイバセンサアレイは、本発明による個々のアレイがサブアレイとして作用し、個々のサブアレイがそれぞれ異なる波長で動作する大規模光ファイバセンサアレイの中に備えることができる。波長マルチプレクサ/デマルチプレクサを使用して、対応するサブアレイと大規模アレイのi/oファイバとの間に所与の波長の放射を結合することができる。
【0015】
本発明は、添付の図面を参照して本明細書において説明されているように、実質的に、方法、装置および/または用法まで拡張される。
【0016】
本発明による一態様の特徴は、すべて、適切な任意の組合せで本発明による他の態様に適用することができる。詳細には、方法態様を装置態様に適用することができ、あるいはその逆に、装置態様を方法態様に適用することができる。
【0017】
以下、本発明の実施形態について、単なる実施例にすぎないが、添付の図面を参照して説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
図1は、知られているタイプの光ファイバセンサパッケージを一括して10で示したもので、直列に配置された4つの個々の光ファイバ検知コイル1、2、3、4を備えている。コイル1、2、3、4は、単一長さ13の光ファイバから形成されており、その一部12は、パッケージ入/出力(i/o)ファイバとして機能している。ファイバ結合ミラー5、6、7、8、9は、コイル1、2、3、4の各々がその各々の端に結合されたファイバ結合ミラーを有するように、光ファイバに沿ったそれぞれの位置で光ファイバ13に結合されている。コイル1、2および3は、たとえば、対応するそれぞれの光ファイバ加速度計部分を形成することができ、また、コイル4はハイドロホン部分を形成することができ、それにより、地震調査アプリケーションに適した4コンポーネントパッケージを形成することができる。(パッケージ10の機械的な部分は図1には示されていない。)コイル1、2、3、4は、それぞれ40mの長さを有している。したがってセンサ10のファイバ13の総合長さは160mである(i/oファイバ12の微小長さおよび隣接するコイル間のファイバの微小接続長さを無視して)。
【0019】
図2を参照すると、光パルス20、22の呼掛け対をパッケージi/oファイバ12中に導入することによって図1のパッケージ10の単一呼掛けを実行することができる。パルス20、22は、それぞれ周波数ω、ωを有しており、パルス22は、パルス20に対してτ=2l/cだけ遅延されている。lはセンサ10中のコイルの長さ(40m)であり、また、cはファイバ9内における光パルスの速さ(説明用として2×10ms−1であることが仮定されている)であり、したがってτ=400nsである。パルス20、22は、それぞれτ/4=100nsの継続期間を有している。図3を参照すると、パッケージ10は、パルス20、22の入力に応答して6個のパルス30、32、34、36、38、40の出力パルス列を出力している。パルス30、32、34、36、38、40は、それぞれτ/4=100nsの継続期間を有しており、連続するパルスとパルスの間にはτの遅延が存在している。パルス30は、パルス20の一部がパッケージ10のファイバ結合ミラー5で反射されることによって生成される。パルス40は、パルス22の一部がファイバ結合ミラー9で反射されることによって生成される。パルス32、34、36、38は、それぞれ、パルス22の一部と一致するパルス20の一部からなっている。たとえば、パルス34は、ファイバ結合ミラー6で反射したパルス22の一部およびファイバ結合ミラー7で反射したパルス20の一部からなっている。これらの2つのパルス部分の間の位相差は、パルス20のその部分が検知コイル2を2回通過する際に遭遇する位相シフトによって生じる。複数の出力パルス列の各々の第2のパルスが光検出器に入射する(複数の呼掛けパルス対に応答して)際に生成されるうなり信号の位相または周波数を観察することにより、パッケージ10の近傍の物理状態に関する情報を得ることができる。(うなり信号の位相または周波数が正確に何に対応するかは、コイル2がその一部をなしている個別センサのタイプによって決まる。)パルス34、36および38についても同様である。したがって出力パルス32、34、36、38は、それぞれコイル1、2、3、4を備えた個々のセンサの出力である。出力パルス30、40は有用な情報を担っていない。
【0020】
図4Aは、本発明による光ファイバセンサアレイ100の第1の実施例を略図で示したものである。アレイ100は、それぞれA、B、CおよびDのラベルが振られた4つのバスファイバ104、106、108、110に光結合されたアレイ入/出力(i/o)ファイバ102を備えている。分岐A、BおよびCには、それぞれ遅延ループ113、114および115が組み込まれている。バスファイバA、B、C、Dは、それぞれ、200mの間隔でファイバに光結合された、図1に示されているタイプの3つのパッケージを有している。バスファイバB、CおよびDに結合されたパッケージは、それぞれ、アレイ100の長手に沿って、バスファイバAに結合されたパッケージからΔx=50m、Δx=100mおよびΔx=150mの距離だけオフセットされている。アレイ100のパッケージは、3つの集合X、Y、Zにグループ化されており、これらの集合の各々には、バスファイバA、B、C、Dにそれぞれ1つずつ結合された4つのパッケージが含まれている。したがってアレイ100は、図1に示されているタイプの12個のパッケージAX、BX、....CZ、DZを備えている。また、図4Aには、これらのパッケージがアレイ100のバスファイバA、B、C、Dに結合されている位置が参照符号AX、BX、....CZ、DZで示されている(パッケージ自体は図4Aには示されていない)。
【0021】
図4Bは、アレイ100の物理構造を示したものである。パッケージAX、BX、....CZ、DZはラインアレイを形成している。バスファイバA、B、C、Dは、ラインアレイの長手に沿って延びており、保護ケーブル101の中に収納されている。ラインアレイに沿った1番目、5番目および9番目のパッケージ(それぞれAX、AY、AZ)は、バスファイバAに結合されている。ラインアレイに沿った2番目、6番目および10番目のパッケージ(それぞれBX、BY、BZ)は、バスファイバBに結合されている。ラインアレイに沿った3番目、7番目および11番目のパッケージ(それぞれCX、CY、CZ)は、バスファイバCに結合されている。4番目、8番目および12番目のパッケージ(DX、DY、DZ)は、バスファイバDに結合されている。あるバスファイバの第1のパッケージの前の1つのバスファイバが破損した場合、そのバスファイバに取り付けられているパッケージのセットに呼び掛けることはできないが、アレイ100の性能に対するこのような破損の影響は、4つの隣接するパッケージのグループが隣接するグループと800mの間隔を隔てて3つのバスファイバの各々に結合された場合より軽微である。
【0022】
使用中、それぞれ図2に示されている、アレイ入/出力(i/o)ファイバ102に導入される一連のパルス対によってアレイ100が呼び掛けられる。i/oファイバ102に入力されると、個々の対が4つの部分に分割され、分割された個々の部分がそれぞれバスファイバA、B、C、Dに入力される。所与のバスファイバ中に結合された出力パルス列が、そのバスファイバ中に出力パルス列のグループを形成し、それぞれのバスファイバからのこれらのグループが、アレイi/oファイバ102内で多重化され、多重化出力列が形成される。
【0023】
図5は、遅延コイル113、114、115の長さがゼロである場合の単一呼掛けパルス対に応答した、4つのバスファイバ104、106、108、110(それぞれ図4AにA、B、C、Dのラベルが振られている)の各々からの出力パルス列のグループ150、152、154、156のタイミングを示したものである。図5の時間は、一対の呼掛け入力パルスの最初の一部がパッケージAXから戻った時点を原点としている。バスファイバAからの出力列は、16個のパルス列からなっている。これらのパルスのうちの特定のパルスj(j=1...16)が、第1のパルスに遅れること時間(j−1)τで戻る。パッケージAX、AY、AZは、バスファイバAに沿って、200m=5cτ(2μsの往復遅延に対応している)の間隔を隔てて配置されているため、パッケージAXの出力パルス列の6番目のパルスとパッケージAYからの出力パルス列の第1のパルスが重畳し、また、パッケージAYから出力される出力パルス列の6番目のパルスとパッケージAZからの出力パルス列の第1のパルスが重畳する。出力列のグループ150の個々の出力パルスには、それらがどの個別の検知コイルに対応しているかを示すためにラベルが振られており、たとえばAX3は、パッケージAXの第3の検知コイルからの情報を担っているパルスを表している。バスファイバB、CおよびDからの出力パルス列のグループ152、154、156も、バスファイバAから出力される出力パルス列と同じフォーマットを有しているが、それらは、バスファイバAからのグループ150に対して、それぞれ500ns、1000nsおよび1500nsだけ遅延されている。バスファイバB、CおよびD上のパッケージがバスファイバA上のパッケージに対して、それぞれ、パッケージのラインアレイに沿って、50m、100mおよび150mの距離だけオフセットされているためである。
【0024】
アレイ100のバスファイバA、BおよびCにそれぞれ組み込まれている遅延コイル113、114、115の長さが、それぞれ120m、80mおよび40mである場合、バスファイバA、BおよびCからの出力パルス列のグループ150、152、154は、それぞれ1200ns(3τ)、800ns(2τ)および400ns(τ)だけ遅延される。これらの遅延は図5に示されている。したがってバスファイバB、CおよびDからの出力パルス列のグループ152、154、156は、バスファイバAからのグループ150に対して、それぞれ100ns(τ/4)、200ns(τ/2)および300ns(3τ/4)だけ遅延されることになる。
【0025】
図6を参照すると、遅延コイル112、114、116によって導入される遅延が、バスファイバA、B、C、Dからの出力パルス列のグループ150、152、154、156が交互配置され、それぞれ継続期間が4τ=1600nsの有用な(つまりデータを担っている)出力パルスの3つの連続ブロック170、172、174と、それぞれ継続期間がτ=400nsの4つの期間162、164、166、168とを形成している多重化出力列160をアレイi/oファイバ102内にもたらしている。これらのブロックには、特定のパッケージの最初および/または最後のファイバ結合反射体からのパルス、つまり有用な情報のないパルスが含まれている。ブロック170、172、174は、特定の集合内の個々のパッケージ中の同じ位置を有する検知コイルに対応する出力パルスが時間的に連続的にグループ化されるように配置されている。期間168には有用な情報が含まれていないため、連続出力をアレイ100から生成するために、1/15τ≒167kHzの周波数でアレイ100に呼び掛けることができる。また、この周波数は、多重化出力列がアレイi/oファイバ102から出力される周波数である。
【0026】
距離Δx、Δx、Δxが50m、100mおよび150m以外の値を有するように図4Aのアレイ100を修正することによって本発明の他の実施形態を得ることができる。その場合、遅延コイル112、114および116は、それらの個々の長さがそれぞれΔx−3cτ/8、Δx−cτ/4およびΔx−cτ/8に等しい長さを維持するようにその長さを調整しなければならない。したがって、遅延コイル112、114、116の長さを適切に選択することにより、バスファイバB、CおよびD上のパッケージがバスファイバA上のパッケージから所望の距離Δx、Δx、Δxだけオフセットされた特定の実施形態を単純に得ることができる。また、個々のパッケージの個々の検知コイルが40m以外の長さを有するようにアレイ100を修正することによって本発明のさらに他の実施形態を得ることができる。その場合、コイルの長さがたとえばlの場合、τが2l/cに等しい継続期間を維持するように呼掛けパルスの継続期間τを調整しなければならない。
【0027】
図7を参照すると、本発明による光ファイバセンサアレイの第2の実施例が一括して200で示されている。図4Aのアレイ100の部分に対応するアレイ200の部分には、アレイ100の対応する部分に振られているラベルの参照数表示より100の値だけ大きい参照数表示のラベルが振られている。所与のバスファイバに結合された隣接するパッケージは、図4Aのアレイ100の200mに対して、800mの距離で分離されている。アレイ200の物理的なレイアウトは、図4Bに示されているアレイ100のレイアウトに類似している。つまり、個々のパッケージがラインアレイを形成し、そのラインアレイの長手に沿ってアレイ200のバスファイバが延びている。アレイ200の個々のパッケージは、図1に示されている構造を有している。
【0028】
図8は、図2に示されている波形を有する単一呼掛けパルス対を入力することによって得られるアレイ200のバスファイバAの出力パルス列のグループ250を示したものである。呼掛け対の第1のパルス20が位置AXから戻った時点が時間の原点である。パッケージAX、AY、AZの各々は、図3に示されているように6つの光出力パルスの出力パルス列を生成している。図8には3つの出力パルス列がAX、AYおよびAZで示されている(出力パルス列の構造は示されていない)。出力パルス列AX、AY、AZの各々は、図3に示されているように21τ/4=2.1μsの継続期間を有している。パッケージAX、AY、AZは800mのバスファイバによって間隔を隔てているため、連続する出力パルス列と出力パルス列の間の遅延は20τ=8μsである。
【0029】
図9は、図2に示されている波形の複数のパルス対を使用して1/15τの周波数で連続的に呼び掛けた場合のバスファイバAからの出力パルス列のグループ249を示したものである。グループ249は、連続する一連の呼掛けパルス対n、n+1、n+2、.....n+9によって生成される、パッケージAX、AY、AZからの出力パルス列からなっている。対n+2の第1のパルスがパッケージAXから戻った時点が時間の原点である。特定の呼掛けパルス対によって生じる連続する出力パルス列間の遅延は20τであり、また、個々の出力パルス列の最後のτ/4には有用な出力は含まれていないため、他の呼掛けパルス対によって生成される3つの他の出力パルス列を、単一の呼掛けパルス対によって生成される連続する出力パルス列の間に交互配置する可能性が存在している。したがって、たとえば出力パルス列のグループ249の場合、以下に示す出力パルス列が、(n+2)番目の呼掛けパルス対によって生成されるパッケージAXの出力パルス列とパッケージAYの出力パルス列との間に出現する。
・(n+1)番目の呼掛けパルス対によって生成されるパッケージAYからの出力パルス列
・n番目の呼掛けパルス対によって生成されるパッケージAZからの出力パルス列
・(n+3)番目の呼掛けパルス対によって生成されるパッケージAXからの出力パルス列
【0030】
異なる呼掛けパルス対によって生成される出力パルス列を交互配置することにより、特定の呼掛けパルス対によって生成されるバスファイバに結合された最後のパッケージからの出力パルス列を、次の呼掛けパルス対によって生成される第1のパッケージからの出力パルス列の前に受け取る場合と比較すると、より高い周波数でサンプリングすることができる。
【0031】
図10は、遅延コイル212、214、216の長さがゼロである場合の連続する呼掛け入力パルス対n、n+1、n+2に応答して出力される、4つのバスファイバ204、206、208、210(それぞれ図7にA、B、CおよびDのラベルが振られている)からの出力パルス列のグループ250、252、254、256のタイミングを示したものである。図7の時間は、呼掛けパルス対n+2の第1のパルスの一部がパッケージAXから戻った時点を原点としている。バスファイバB、CおよびDに結合されたパッケージは、バスファイバAに結合された対応するパッケージに対して、それぞれ、アレイ200に沿って、50m、100mおよび150mの距離だけ変位しているため、グループ252、254、256は、グループ250に対して、それぞれ500ns、1000nsおよび1500nsだけ遅延されている。
【0032】
アレイ200のバスファイバA、BおよびCにそれぞれ組み込まれている遅延コイル212、214、216は、これらの分岐からの出力パルス列のグループ250、252、254をそれぞれ3τ、2τおよびτだけ遅延させている。(したがって遅延コイル212、214および216は、それぞれ120m、80mおよび40mの長さを有している。)したがって、それぞれバスファイバB、CおよびDからの出力パルス列のグループ252、254、256は、バスファイバAからの出力パルス列のグループ250に対して、それぞれτ/4、τ/2および3τ/4だけ(つまりそれぞれ100ns、200nsおよび300nsだけ)遅延されることになる。
【0033】
図11は、アレイ200のアレイi/oファイバ202から出力される多重化出力列の完全な1サイクル260を示したものである。サイクル250は、図6のサイクル160と同じ基本構造を有しているが、有用なデータである個々のブロック270、272、274が、単一の呼掛けパルス対によってではなく、連続する複数の呼掛けパルス対によって生成される点だけが異なっている。アレイ200のサンプリング周波数は1/15τである(呼掛けパルス対がアレイi/oファイバ202内に導入される周波数に等しい)。
【0034】
バスファイバB、CおよびDに結合されているパッケージが、アレイ200の長手に沿って、バスファイバAに結合されているパッケージに対してオフセットされている距離は、所望する任意の値を取ることができるが、その場合、アレイ100に関連して上で説明したように、遅延コイルの長さが調整されなければならない。
【0035】
もう一度図9を参照すると、所与のバスファイバに結合された隣接するパッケージの分離が800mであるため、バスファイバA上に出力される、異なる呼掛けパルス対によって生じる出力パルス列の複数のグループの交互配置が可能である。それにより、特定の呼掛けパルス対によって生成される連続する出力パルス列間に20τの遅延が提供される。個々の出力パルス列内の有用な情報は、個々の出力パルス列の最初の5τの間に生じるため、この20τの遅延によって、3つの他の出力パルス列(3×5τ)に適応するために使用することができる15τの時間窓が提供される。他のスキームも可能である。たとえば、図12は、1/15τの反復周波数で呼び掛けた場合に、単一バスファイバ(3つのパッケージAX、AY、AZがこのバスファイバに沿って1000mの間隔で結合されている)から得られる出力パルス列のグループ349を示したものである。グループ349は、連続する13個の呼掛けパルス対n、n+1、n+2、.....n+12によって生成される出力パルス列からなっている。図13は、単一バスファイバ(3つのパッケージAX、AY、AZがこのバスファイバに沿ってパッケージ間に1400mの間隔を隔てて結合されている)から得られる出力パルス列のグループ449を示したものである。呼掛け周波数は1/15τである。一般に、個々のバスファイバが、そのバスファイバに結合されたq個のパッケージを有し、かつ、単一のパッケージからの出力パルス列中の有用な出力の継続期間がT(この目的のため、1つの出力パルス列中の最後のパルスではなく、最初のパルスを「有用な」パルスとする)である場合、バスファイバに結合されている隣接するパッケージ間のファイバの長さxが2x/c=sTであるような長さであることを条件として、個々のバスファイバから連続する出力パルス列を得るために、qTのサンプリング期間を使用してアレイに呼び掛けることができる。ここで、s=rq+1であり、rは整数である。r=0は、2x/c=Tで、特定の呼掛けパルス対によって生成される分岐からの出力パルス列が連続している平凡な場合を表している。図9および13は、それぞれr=1およびr=2の場合の解を示したものである。また、条件s=rq+1を満足しないs、rおよびqのいくつかの組合せも可能であり、図12はそのうちの1つを示したものである。
【0036】
図9、図12および図13は、それぞれ800m、1000mおよび1400mの長さのバスファイバによって分離されたパッケージに関しているが、特定の呼掛けパルス対によって生成されるバスファイバの出力パルス列間に所望の遅延を付与するために、バスファイバ上のパッケージ間に追加遅延コイルを使用することができるため、パッケージの物理的な分離を選択する柔軟性が存在している。たとえば、図7のアレイ200のバスファイバに結合された隣接するパッケージは、800mの長さのバスファイバによって接続されているが、700mの物理的分離しか必要としない場合、100mの長さの遅延コイルを2本使用し、そのうちの1本をパッケージAXとAYの間に使用し、また、別の1本をパッケージAYとAZの間に使用して、図9のタイミングスキームを得ることができる。パッケージの所望の物理的分離が1100mである場合、300mの長さの遅延コイルを2本使用して、図12のタイミングスキームを使用することができる。
【0037】
また、特定のパルス対に応答して生成されるアレイのすべてのパッケージからの出力パルス列を、次の呼掛けパルス対が導入される前に検索することができるほど低い周波数で、複数の呼掛けパルス対をアレイi/oファイバ202に導入することによって図7のアレイ200に呼び掛けることも可能である。遅延コイルを使用して、異なるバスファイバ上に結合された出力パルス列のグループを交互配置することも可能ではあるが、その場合、最大呼掛け周波数は1/45τ≒55kHzになる。また、個々のサンプル期間における約61%は、アレイからの出力を受け取らないことになる。
【0038】
図14は、バスファイバの数および分岐毎のパッケージの数がより多く、また、より複雑なパッケージを有するアレイを論ずるために上記の着想をいかに容易に拡張することができるかを示すために、それぞれ4つのパッケージが結合された5つのバスファイバ504、506、508、510、511(それぞれA、B、C、D、Eのラベルが振られている)を備えた、本発明による他の光ファイバセンサアレイ500を示したものである。したがってアレイ500は、20個のパッケージAW、AX、....EY、EZを有している。パッケージの各々は、それぞれ長さが40mの5つの検知コイルを備えている。これらのパッケージは、それぞれ5つのパッケージを有する4つの集合W、X、Y、Zに配置されている(5つのバスファイバA、B、C、D、Eの各々にそれぞれ1つずつ結合されている)。所与の任意のバスファイバに結合された隣接するパッケージの物理的な分離は1000mである。バスファイバB、C、DおよびEに結合されたパッケージは、アレイ500に沿って、バスファイバAに結合された対応するパッケージに対して、それぞれ50m、75m、150mおよび175mの距離だけ変位している。遅延コイル512、514、516、518は、それぞれ143m、101m、84mおよび17mの長さを有している。遅延コイル513A、BおよびC、515A、BおよびC、517A、BおよびC、519A、BおよびC、521A、BおよびCは、それぞれ200mの長さを有している。アレイ500の物理的なレイアウトは、図4Bに示されているレイアウトに類似している。つまり、アレイの個々のパッケージがラインアレイに配置され、そのラインアレイの長手に沿ってバスファイバが延びている。バスファイバは保護ケーブルの中に収納されていることが好ましい。
【0039】
アレイ500の呼掛けは、図15に示されている波形の複数の呼掛けパルス対をアレイ500のアレイi/oファイバ502中に導入することによって実行される。一対の個々のパルス間の遅延は、τ=2×40/c=400nsであり、アレイ500には5つのバスファイバが存在しているため、個々の呼掛けパルスの幅はτ/5である。図6は、単一の呼掛けパルス対に応答して、単一のパッケージによって出力される7つのパルスの出力パルス列を示したものである。出力パルス列の継続期間は31τ/5である。
【0040】
図17は、バスファイバA上に結合された、10個の連続する呼掛けパルス対n、n+1、n+2、.....n+9によって生成された出力パルス列を交互配置するためのタイミングスキームを示したものである。他のバスファイバにも同じスキームが使用される。200mの遅延コイル513、515、517、519、521と1000mの物理的な集合分離が相俟って、単一の呼掛けパルス対によって生成される特定のバスファイバからの連続する出力パルス列間に30τの遅延が生成される。連続する出力パルス列は、1/24τ=104kHzの周波数の呼掛けに応答してバスファイバから出力される。
【0041】
図18は、4つの連続する呼掛けパルス対n、n+1、n+2、n+3によって生成された、アレイ500の多重化出力列の完全なサイクル560を示したものである。サイクルの継続期間は24τであり、したがってアレイ500の出力周波数は104kHzである。
【0042】
以上、本発明を単に例として説明してきたが、本発明の範囲内で細部に修正を加えることができることは理解されよう。
【0043】
説明の中で開示されている個々の特徴、(適切である場合)特許請求の範囲および図面は、個別に提供することができ、あるいは適切な任意の組合せで提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】知られているタイプの光ファイバセンサパッケージを示す図である。
【図2】図1のパッケージに対する呼掛けに適した一対のパルスを示すグラフである。
【図3】図2のパルス対の入力に応答する図1のパッケージから得られる出力パルス列を示すグラフである。
【図4A】本発明による光ファイバセンサアレイの第1の実施例を示す略図である。
【図4B】図4Aのアレイの物理構造を示す図である。
【図5】アレイの遅延コイルの長さがゼロである場合の図4Aのアレイのバスファイバ中に結合された出力パルス列の複数のグループのタイミングを示す図である。
【図6】アレイの遅延コイルが適切な長さを有している場合の図4Aのアレイから得られる多重化出力列を示す図である。
【図7】本発明による光ファイバセンサアレイの第2の実施例を示す略図である。
【図8】単一呼掛けパルス対の入力に応答する図7のアレイのバスファイバから得られる3つの出力パルス列のグループを示す図である。
【図9】バスファイバに対する繰返し呼掛けに応答する図7のアレイのバスファイバから得られる出力パルス列のグループを示す図である。
【図10】アレイの遅延コイルの長さがゼロである場合の図7のアレイのバスファイバからの出力パルス列の複数のグループのタイミングを示す図である。
【図11】アレイの遅延コイルが適切な長さを有している場合の図7のアレイから得られる多重化出力列を示す図である。
【図12】バスファイバに対する繰返し呼掛けに応答する本発明による他のアレイのバスファイバから得られる出力パルス列のグループを示す図である。
【図13】バスファイバに対する繰返し呼掛けに応答する本発明によるさらに他のアレイのバスファイバから得られる出力パルス列のグループを示す図である。
【図14】本発明による光ファイバセンサアレイの第3の実施例を示す略図である。
【図15】図14のアレイに対する呼掛けに適した一対の入力パルスを示すグラフである。
【図16】図15のパルス対の入力に応答する図14のアレイのパッケージから得られる出力パルス列を示すグラフである。
【図17】バスファイバに対する繰返し呼掛けに応答する図14のアレイのバスファイバから得られる出力パルス列のグループを示す図である。
【図18】アレイの遅延コイルが適切な長さを有している場合の図14のアレイから得られる多重化出力列を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
パッケージ入/出力(i/o)ファイバを個々に有し、かつ、それぞれパッケージ入/出力(i/o)ファイバへの1つまたは複数の呼掛け光パルスの入力に応答して、そのパッケージi/oファイバを介して光出力パルスの有限出力パルス列を出力するようになされた複数の光ファイバセンサパッケージのラインアレイを備えた光ファイバセンサアレイであって、ラインアレイの長手に沿って並列に延びているN個の光ファイババスファイバを備え、個々のパッケージi/oファイバが、異なるバスファイバに結合されたパッケージから出力されるパルス列が交互配置されるよう、ラインアレイに沿ったそれぞれの位置で前記N個のバスファイバのうちの1つに光結合された、光ファイバセンサアレイ。
【請求項2】
ラインアレイのn番目の光ファイバセンサパッケージのパッケージi/oファイバが、n/N=M+k/Nであり、かつ、Mが正の整数またはゼロである場合、k番目のバスファイバ(k=1からN)に光結合される、請求項1に記載の光ファイバセンサアレイ。
【請求項3】
所与のバスファイバに沿った、パッケージi/oファイバが結合される位置が、同じ長さのバスファイバによって分離され、また、少なくとも1つのバスファイバの、アレイi/oファイバと、バスファイバに沿った、そのバスファイバの第1のパッケージのパッケージi/oファイバが結合される位置との間に、それぞれの遅延長さの光ファイバが組み込まれた、請求項2に記載の光ファイバセンサアレイ。
【請求項4】
光ファイバセンサパッケージの各々が、出力パルス列の光パルスを1/τの周波数で出力するようになされ、個々のパルスがτ/Nの継続期間を有し、ファイバの1つまたは複数の遅延長さが、アレイを使用している間、それぞれのバスファイバ中に結合された出力パルス列の複数のグループがアレイi/oファイバ中に多重化出力列を形成する長さであり、多重化出力列が、連続するグループがτ/Nの相対遅延を有する複数の前記グループからなる、請求項3に記載の光ファイバセンサアレイ。
【請求項5】
アレイの個々の光ファイバセンサパッケージが、1つまたは複数の呼掛けパルスに応答してm個の光出力パルスの出力パルス列を出力するようになされ、前記同じ長さのバスファイバが、pがp≧1の整数であり、cがファイバ内の光の速さである長さcpmτ/2を有する、請求項4に記載の光ファイバセンサアレイ。
【請求項6】
前記同じ長さのファイバのうちの少なくとも1つに、遅延長さの光ファイバが組み込まれた、請求項5に記載の光ファイバセンサアレイ。
【請求項7】
アレイの個々の光ファイバセンサパッケージが、1つまたは複数の呼掛けパルスに応答してm個の光出力パルスの出力パルス列を出力するようになされ、前記同じ長さのファイバが、pがp≧1の整数であり、cがファイバ内の光の速さである長さcp(m−1)τ/2を有する、請求項4に記載の光ファイバセンサアレイ。
【請求項8】
前記同じ長さのファイバのうちの少なくとも1つに、遅延長さの光ファイバが組み込まれた、請求項7に記載の光ファイバセンサアレイ。
【請求項9】
光ファイバセンサパッケージの各々が、直列に配置されたm−2個の、長さがそれぞれcτ/2の光ファイバ検知コイルを備え、前記コイルの各々がその入力側に部分反射体を備え、また、パッケージが終端反射体を備えた、請求項7または請求項8に記載の光ファイバセンサアレイ。
【請求項10】
反射体の各々がファイバ結合反射体である、請求項9に記載の光ファイバセンサアレイ。
【請求項11】
反射体の各々がインファイバ反射体である、請求項9に記載の光ファイバセンサアレイ。
【請求項12】
光ファイバ加速度計の中に1つまたは複数の光ファイバ検知コイルを備えた、請求項9から11のいずれかに記載の光ファイバセンサアレイ。
【請求項13】
光ファイバハイドロホンの中に1つまたは複数の光ファイバ検知コイルを備えた、請求項9から11のいずれかに記載の光ファイバセンサアレイ。
【請求項14】
パッケージの各々が4つの光ファイバ検知コイルを有し、そのうちの3つのコイルを個々の光ファイバ加速度計の中に備え、また、残りの1つのコイルを光ファイバハイドロホンの中に備えた、請求項9から13のいずれかに記載の光ファイバセンサアレイ。
【請求項15】
光ファイババスが、ラインアレイの長手に沿って延びている保護ケーブルの中に収納された、請求項1から14のいずれかに記載の光ファイバセンサアレイ。
【請求項16】
i/oファイバと、それぞれ請求項1から15のいずれか一項に記載の複数のサブアレイとを備えた大規模光ファイバセンサアレイであって、i/oファイバと対応するサブアレイとの間に特定の波長の放射を結合するようになされた波長マルチプレクサ/デマルチプレクサをさらに備えた大規模光ファイバセンサアレイ。
【請求項17】
少なくとも1つの光ファイバセンサを個々に備えた複数の光ファイバセンサパッケージのリニアアレイと、
アレイに沿って延びている、N個の複数の並列バスファイバを備えた光ファイババスと
を備え、アレイの物理的に隣接するパッケージが前記N個のバスファイバのうちのそれぞれ異なるバスファイバに常に結合されるようになされたセンサシステム。
【請求項18】
パッケージの各々がq個の個別センサを備え、入力パルスに応答して少なくともq+1個のパルスを出力する、請求項17に記載のセンサシステム。
【請求項19】
パッケージの各々がq個の個別センサを備え、個々のバスにp個のパッケージが光結合され、パッケージの各々が、出力パルス列の光パルスを1/τの周波数で出力するようになされ、システムの呼掛け周波数が実質的に1/(τp(q+1))である、請求項17または請求項18に記載のセンサシステム。
【請求項20】
実質的に図4A、図5および図6を参照して説明した光ファイバセンサアレイ。
【請求項21】
実質的に図7、図8、図10、図11と図9、図12および図13のうちのいずれか1つとを参照して説明した光ファイバセンサアレイ。
【請求項22】
実質的に図14および図18を参照して説明した光ファイバセンサアレイ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公表番号】特表2009−531692(P2009−531692A)
【公表日】平成21年9月3日(2009.9.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−502180(P2009−502180)
【出願日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【国際出願番号】PCT/GB2007/000810
【国際公開番号】WO2007/110574
【国際公開日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【出願人】(501352882)キネテイツク・リミテツド (93)
【Fターム(参考)】