説明

光ファイバ用D1413HT放射線硬化性コーティング

脂肪酸変性エポキシアクリレートである少なくとも1種の放射線硬化性オリゴマー;少なくとも1種のエチレン性不飽和反応性希釈剤を含み;前記オリゴマーおよび希釈剤は、ウレタン化学的性質を有する部分を含まない基から選択される、内側一次コーティング、外側一次コーティング、単一被覆、マトリックス、または緩衝樹脂組成物として使用され得る放射線硬化性コーティング組成物を含む、内側一次コーティング、外側一次コーティング、単一被覆、マトリックス、または緩衝樹脂組成物として使用され得る放射線硬化性コーティング組成物。この組成物は、試験すると、自然対流炉中180℃で100時間の硬化試験片の曝露後に、10%未満の重量損失で測定されるような熱分解に対する耐性を有することがわかっている。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は、それら両方が参照により全体が組み込まれる、2008年11月4日に出願された米国仮特許出願第61/111,088号明細書および2009年7月9日に出願された米国仮特許出願第61/213,743号明細書に対する優先権を主張する。
【0002】
[技術分野]
本発明は概して、光ファイバでの使用に適した放射線硬化性コーティングに関する。これらの耐高温性コーティングは、光ファイバ用途のための一次コーティングとしても知られている内側一次コーティング、二次コーティングとしても知られている外側一次コーティング、単一被覆(Single Coat)、マトリックスおよび外被組成物(Upjacketing Composition)として使用され得る。
【0003】
[背景技術]
ガラス光ファイバ、ケーブル、およびセンサは、従来の銅系データ伝送媒体に比べて有利性が実証されてきており、センサおよび信号伝送リンクの両方として分散センシングにおいて多く使用されている。これらの使用は、油井またはボンネット内自動車用途などの高温の過酷な環境であることが多い。
【0004】
光ファイバの熱安定性は、高温の過酷な環境における光ファイバの使用の成功に関して決定的な機能特性である。光ファイバ上のコーティングは、それらの組成物およびその組成物の成分の熱安定性に関連する熱安定性の課題を有する。
【0005】
高温の過酷な環境における光ファイバのための最先端のコーティングには、密封炭素コーティング、反応性シリコーン樹脂またはポリアミドを含む他の熱硬化コーティング、米国特許第5,891,930号明細書に記載されたとおりのシリコーン樹脂系UV硬化性コーティング、ならびに米国特許第4,741,958号明細書、米国特許第5,977,202号明細書、米国特許第6,362,249号明細書、米国特許第6,438,306号明細書、米国特許第6,714,712号明細書、米国特許第7,174,079号明細書、および米国特許第7,276,543号明細書に記載および特許請求の範囲に記載されているとおりの特定の他のUV硬化性コーティングが含まれる。
【0006】
日本特許出願(特開昭63−006507号公報)では、コーティング材料は、光重合開始剤および、エポキシ樹脂と、長鎖脂肪族化合物のジカルボン酸と、アクリル酸またはメタクリル酸との反応生成物を含む。この材料は、柔軟性、短い硬化時間、および光ファイバへの良好な接着性を有する。したがって、Epon828(ビスフェノールAジグリシジルエーテル)、SB−20(C20脂肪酸ダイマー)、アクリル酸、トリエチルアミン、およびヒドロキノンを反応させて、反応生成物(数平均分子量2000)を得て、これを2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレートおよびベンゾインイソブチルエーテルと混合して、低粘度を有するファイバコーティング材料を得た。この材料でコーティングされた光ファイバは、均一な表面および高強度を有した。この公開日本特許出願では、これらの硬化コーティングの耐高温性については述べられていない。
【0007】
日本特許出願(特開昭59−074507号公報)では、光ファイバは、コアのガラスファイバー表面に最も近いその第1層が、非シリコーン型離型剤を含む樹脂組成物(約5μ厚)から構成される2層のコーティング層で製造される。光ファイバ上のこのコーティングは、簡単に取り除くことができ、したがって、ファイバは簡単な作業で他の光ファイバに接続することができる。したがって、直径30mmのガラス棒(光ファイバ用)が、2100℃で引抜きされて直径125μのファイバが形成された。ファイバは、ステアリン酸1.0重量%を含むUV硬化性エポキシアクリレート(1.5μ厚)でコーティングされ、UV線で照射されて硬化層を形成し、ジメチルポリシロキサン(80μ厚)でコーティングされ、IR線で焼かれ、ナイロン12でコーティングされて、光ファイバが得られた。この層は、ナイロン12を用具で除去するときに完全に除去される。この公開日本特許出願では、これらの硬化コーティングの耐高温性については述べられていない。
【0008】
これらの種類のコーティングは、利点および不利点を有する。しかし、今までの放射線硬化性コーティングは、長期間、100℃以上の温度での限られた機能のために高温環境で非常に限定された使用を享受することがわかった。
【0009】
ウェブサイト上で「耐高温性アクリレートコーティング」を有すると記載されているDraka Elite High Temperature BendBright XSなどの「耐高温性ファイバ」として宣伝されている市販の光ファイバがある。このウェブサイトは、これらの耐高温性光ファイバで使用されるコーティングに関するさらなる詳細については述べておらず、したがって、まさにその組成物が何であるか、またはその組成物の機能的特性は何であるか、または180℃で100時間後のこれらのコーティングの重量損失%はどれ位であるかということに関して利用できる情報はない。
【0010】
光ファイバが高温で通信媒体として依然として存続できるように、硬化後に熱分解に対して耐性を得た、光ファイバ用放射線硬化性コーティングを入手できることが望ましい。
【0011】
[発明の概要]
特許請求されている本発明の第1の態様は、内側一次コーティング、外側一次コーティング、単一被覆、マトリックス、または緩衝樹脂組成物として使用され得る放射線硬化性コーティング組成物であって、
(a)脂肪酸変性エポキシアクリレートである、少なくとも1種の放射線硬化性オリゴマー;
(b)少なくとも1種のエチレン性不飽和反応性希釈剤;
(c)1種または複数の光開始剤;
(d)(d1)分解防止剤、および
(d2)接着促進剤
からなる群から選択される、任意選択の1種または複数の添加剤を含み、
前記オリゴマーおよび希釈剤は、ウレタン化学的性質を有する部分を含まない基から選択され;
前記組成物は、硬化後に、自然対流炉中における硬化試験片の180℃で100時間の曝露後に10%未満の重量損失で測定されるような熱分解に対する耐性を有する、放射線硬化性コーティング組成物である。
【0012】
特許請求されている本発明の第2の態様は、前記放射線硬化性組成物が、顔料、染料または他の変色性部分をまったく含まない第1の態様の放射線硬化性コーティング組成物である。
【0013】
[発明の詳細な説明]
特許請求されている本発明は、内側一次コーティング、外側一次コーティング、単一被覆、マトリックス、または緩衝樹脂組成物として使用され得る放射線硬化性コーティング組成物であって、
(a)脂肪酸変性エポキシアクリレートである、少なくとも1種の放射線硬化性オリゴマー;
(b)少なくとも1種のエチレン性不飽和反応性希釈剤;
(c)1種または複数の光開始剤;
(d)(d1)分解防止剤、および
(d2)接着促進剤
からなる群から選択される、任意選択の1種または複数の添加剤を含み、
前記オリゴマーおよび希釈剤は、ウレタン化学的性質を有する部分を含まない基から選択され;
前記組成物は、硬化後に、自然対流炉中180℃で100時間の硬化試験片の曝露後に10%未満の重量損失で測定されるような熱分解に対する耐性を有する、放射線硬化性コーティング組成物である。
【0014】
特許請求されている本発明において、少なくとも1種の放射線硬化性オリゴマーは、脂肪酸変性エポキシアクリレートである。脂肪酸変性エポキシアクリレートは、1分子当たり1個または複数のエポキシ基、好ましくは1分子当たり2個のエポキシ基を含む任意の化合物または樹脂である。例えば、エポキシ含有化合物は、1分子当たり1個または複数のエポキシ基を含む芳香族または脂環式化合物であることができる。好ましくは、エポキシ含有化合物は、芳香族エポキシ含有化合物である。
【0015】
好ましくは、その一酸は、脂肪酸、より好ましくは長鎖一酸である。長鎖一酸、または長鎖脂肪酸は、それらの鎖中に12から28個の炭素原子;より好ましくは、12から24個の炭素原子を有すると特徴づけられる。ほとんどの脂肪酸は、それらの鎖中に18個の炭素原子を有するが、天然由来の油中のより多い数の炭素原子も可能である。好ましくは、当業者に知られているように、天然由来の脂肪酸、または脂肪酸が由来する油は、植物または動物源が起源である脂肪酸または油である。
【0016】
好適な脂肪酸変性エポキシアクリレート化合物は、Ebecryl3605、Ebecryl3702、Ebecryl3708、Neorad E−20、Sartomer CN118、Sartomer CN118、Sartomer CN2101、Sartomer CN120Z、Cytec3605およびPhotomer3082として市販されている。
【0017】
特許請求されている本発明の組成物中に存在する脂肪酸変性エポキシアクリレートの重量パーセントは、約40重量パーセントから約99重量パーセント;好ましくは約60重量パーセントから約99重量パーセント;より好ましくは約65重量パーセントから約85重量パーセント、最も好ましくは約65重量パーセントから約80重量パーセントである。
【0018】
用いられるオリゴマーはウレタン化学的性質を用いないことが重要である。ウレタンオリゴマーは本明細書で、1つまたは複数のカルバメート部分:−O−C(O)−NH−を含むオリゴマーと定義される。
【0019】
カルバメート部分が存在しないことが重要な理由は、それらが存在する場合、コーティングの耐高温性が悪影響を受けるからである。
【0020】
本特許請求の範囲に記載されている発明において、少なくとも1種のエチレン性不飽和反応性希釈剤が存在する。
【0021】
本発明の放射線硬化性コーティング組成物は、組成物の粘度を調製するために用いることができる少なくとも1種のエチレン性不飽和反応性希釈剤を場合によってさらに含む。エチレン性不飽和反応性希釈剤は、化学線に曝露されると重合することができる少なくとも1種の官能基を有する低粘度モノマーであり得る。エチレン性不飽和反応性希釈剤は、光ファイバ用放射線硬化性コーティングの当業者に知られている。特許請求されている本発明に含まれる好適な反応性希釈剤には、以下が含まれるが、これらに限定されない。
【0022】
CD262、Sartomerから入手でき、ケミカルアブストラクツサービス登録番号72829−09−5およびドデカンデイメタクリレートの化学を有する;CD−595、Sartomerから入手でき、ドデカンデイメタクリレートに基づく独自開発処方を有する;NNDMA、Jarchem Industries or Kowa Americaから入手でき、ケミカルアブストラクツサービス登録番号2680−03−7およびN,N−ジメチルクリルアミドの化学を有する:SR489、Sartomerから入手でき、トリデシルアクリレートの化学に基づくケミカルアブストラクツサービス登録番頭3076−04−8を有する;SR489D、Sartomerから入手でき、トリデシルアクリレートの化学に基づくケミカルアブストラクツサービス登録番号3076−04−8を有する;SR495、Sartomerから入手でき、アクリレートエステルの化学に基づくケミカルアブストラクツサービス登録番号110489−05−9を有する;SR531、Sartomerから入手でき、環状トリメチロールプロパンホルマールアクリレートの化学に基づく独自開発処方を有する。
【0023】
前記放射線硬化性組成物は、ウレタン化学的性質の部分を含む希釈剤を含まないことが性能に重要である。これは、ウレタン部分が熱によって分解しやすいためである。
【0024】
特許請求されている本発明の組成物中に存在するエチレン性不飽和反応性希釈剤の重量パーセントは、約1重量パーセントから約60重量パーセント;好ましくは約15重量パーセントから約60重量パーセント;より好ましくは約25重量パーセントから約45重量パーセントである。
【0025】
本発明のコーティング組成物は、酸化防止剤を場合によってさらに含む。酸化防止剤は、立体障害フェノール化合物、例えば、2,6−ジターシャリーブチル−4−メチルフェノール、2,6−ジターシャリーブチル−4−エチルフェノール、2,6−ジターシャリーブチル−4−n−ブチルフェノール、4−ヒドロキシメチル−2,6−ジターシャリーブチルフェノール、ならびにCiba Geigyから、それぞれIrganox1035、1076、259および1010としてすべて入手できる、チオジエチレンビス(3,5−ジターシャリーブチル−4−ヒドロキシル)ヒドロシンナメート、オクタデシル−3,5−ジターシャリーブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート、1,6−ヘキサメチレンビス(3,5−ジターシャリーブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート)、およびテトラキス(メチレン(3,5−ジターシャリーブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート)メタンなどの市販の化合物からなる群から選択され得る。本明細書で有用な立体障害フェノール類の他の例には、Ethyl Corporationから、それぞれEthyl330および702として入手できる、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジターシャリーブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼンおよび4,4’−メチレン−ビス(2,6−ジターシャリーブチルフェノール)が含まれる。
【0026】
本発明のコーティング組成物は、活性放射線に曝露後に、組成物の硬化を促進し、十分な硬化速度を与える光開始剤または光開始剤の混合物を場合によってさらに含む。市販の光開始剤は、当業者に公知である。
【0027】
本発明のコーティング組成物に有用な光開始剤には、イソブチルベンゾインエーテル;2,4,6−トリメチルベンゾイル,ジフェニルホスフィンオキシド;ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド(Irgacure819として販売されている、Cibaから入手でき、ケミカルアブストラクツサービス登録番号162881−26−7を有する);1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン;2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタン−1−オン;2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン;ペルフッ化ジフェニルチタノセン;2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−(4−モルホリニル)−1−プロパノン;2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン;4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−2−ヒドロキシ−2−プロピルケトン ジメトキシフェニルアセトフェノン;1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン;1−(4−ドデシルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン;4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−2−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)−ケトン;ジエトキシフェニルアセトフェノン;(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルフェニルホスフィンオキシドおよび2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オンの混合物;ベンゾフェノン;1−プロパノン,2−メチル−1−1−(4−(メチルチオ)フェニル)2−(4−モルホリニル);ならびにそれらの混合物が含まれるが、これらに限定されない。
【0028】
市販の光開始剤およびそれらの商品名には、以下が含まれる:
Darocure1173、Cibaから入手でき、ケミカルアブストラクツサービス登録番号7473−98−5およびアリールケトン化学を有する。
Esacure KIP150、Lambertiから入手でき、独自開発処方およびオリゴ−[2−ヒドロキシ−2−メチル−1−[4−(1−メチルビニル)フェニル]プロパノン]の化学を有する。
Irgacure651、Cibaから入手でき、ケミカルアブストラクツサービス登録番号24650−42−8および2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノンの化学を有する。
Irgacure907、Cibaから入手でき、ケミカルアブストラクツサービス登録番号71868−10−5および2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパノン−1の化学を有する。
【0029】
本コーティング組成物に用いることができる他の添加剤には、触媒、潤滑剤、スリップ剤、湿潤剤、接着促進剤、光増感剤(限定されないが、Chitecから入手できるChivacure BMSおよびChivacure 2−ITXなど)、および安定剤が含まれるが、これらに限定されない。このような添加剤の選択および使用は、当技術分野の技術の範囲内である。
【0030】
本発明のある実施形態において、本組成物は、1種または複数のスリップ剤を含む。スリップ剤は商業的に知られており、DC−190およびDC−57が含まれる。最も好ましくは、DC−190およびDC−57のブレンドが用いられる。DC−57は、ジメチル,メチル(プロピル(ポリ(EO))アセテート)シロキサン;CAS登録番号70914−12−4である。DC−190は、(a)約40.0から約70.0重量%のジメチル、メチル(プロピル)(ポリ(EO)(PO))アセテート)シロキサン;CAS登録番号68037−64−9と;(b)約30.0から約60.0重量%のポリ(エチレンオキシドプロピレンオキシド)モノアリルエーテルアセテート;CAS登録番号56090−69−8;と、(c)約9.0重量%未満のポリエーテルポリオールアセテート CAS登録番号39362−51−1との混合物である。DC−57およびDC−190は、Dow Corningから市販されている。
【0031】
脂肪酸変性エポキシアクリレートの使用について記載する既存の参考文献がある。顔料も含む放射線硬化性コーティングでは、米国特許第6,797,740号明細書;米国特許第7,174,079号明細書、欧州特許第1294653号明細書および欧州特許第1297077号明細書。顔料も含む放射線硬化性コーティングにおける脂肪酸変性エポキシアクリレートの使用について記載するさらなる参考文献には、CN1215131、CN1239426、特開2004−501403号公報、特開2004−504250号公報、IN2002MN01817およびBR2001011831が含まれる。これらの参考文献には、60℃を超える熱安定性水浸せき試験結果についてはまったく述べられていない。
【0032】
本出願人らは、限られた量または有機顔料が特許請求されている本組成物中に存在する場合、自然対流炉中180℃で100時間の硬化試験片の曝露後に、10%未満の重量損失で測定される硬化後の、放射線硬化性組成物中の特別に優れた耐熱機能特性を得ることができると考える。これらの有機顔料は、光ファイバのための有色放射線硬化性コーティングを処方する当業者に周知である。しかし、本出願人らは、本放射線硬化性組成物が、顔料、染料または他の変色性部分をまったく含まない場合に、さらにより特別に優れた耐熱機能特性を得ることができると考える。これは、放射線硬化性組成物に通常用いられる有機顔料は、熱分解に影響を受けやすいことが、光ファイバ用放射性硬化性コーティングを配合する当業者に知られているからである。
【0033】
特許請求されている本発明のコーティングが合成された後に、それは、一次コーティングとしても知られている内側一次コーティング、二次コーティングとしても知られている外側一次コーティング、単一被覆、マトリックスまたは外被材料として使用され得る。
【0034】
当業者は、光ファイバを製造する方法を知っている。光ファイバへのコーティングの適用は通常、光ファイバそれ自体が製造される場所で行われる。
【0035】
当技術分野で周知であるように、ライン速度をUV光の位置および強度に合わせることは、ファイバ上でのコーティングの完全な硬化を行うために重要である。特許請求されている本発明のコーティングにとって、一次コーティングの適用後に位置した、600ワット/インチでUVエネルギーを供給する2つのフュージョンDバルブ、および二次コーティングの適用後に位置した、600ワット/インチでUVエネルギーを供給する3つのフュージョンDバルブ有するDraw Tower Simulatorで流れる場合、特許請求されている本発明の放射線硬化性コーティングでコーティングされた光ファイバは、以下のとおり成功裏に流れることができることがわかった:特許請求されている本発明の放射線硬化性コーティングの適用のための最も速い速度は、約1000メートル/分未満;好ましくは約950メートル/分未満、より好ましくは900メートル/分未満、さらに非常に好ましくは約850メートル/分未満、最も非常に好ましくは約800メートル/分未満であることがわかった。特許請求されている本発明のコーティングを適用することができる最も遅い速度は、コーティングしている光ファイバにとって最も遅い市販の処理速度である。したがって、特許請求されている本発明の放射線硬化性コーティングの適用のための最も遅い速度は、約50メートル/分より大きく、好ましくは約100メートル/分より大きく、より好ましくは約200メートル/分より大きく、さらに非常に好ましくは約300メートル/分より大きく、最も非常に好ましくは約350メートル/分より大きい。
【0036】
特許請求されている本発明の新規な放射線硬化性組成物は、曲げ耐性光ファイバである従来の光ファイバに適用することができ、それらはさらに、密封光ファイバに適用することもできる。
【0037】
最初に一次コーティングが適用され、乾燥処理で湿ったままであり、次の工程で、放射線源が一次コーティングにかけられて、一次コーティングを硬化させる。湿式処理で湿ったままで、次の工程は、二次コーティングを適用することである。
【0038】
いずれにしても、一次コーティングが適用された後で、二次コーティングが一次コーティングの上部に適用され、放射線がかけられ、二次コーティングが硬化される。
【0039】
コーティングを硬化させるために用いられる放射線は、重合反応を開始させることができる任意の放射線である。コーティングを硬化させるために適した放射線は、紫外(UV)線および電子ビーム(EB)線を含むことが知られている。光ファイバ上に用いられる本発明の一次および二次コーティングを硬化させる好ましい種類の放射線は、UV線である。
【0040】
二次コーティングが硬化した後に、「インクコーティング」の層が場合によって適用され、次いで、コーティングおよびインキングされた光ファイバは、「リボンアセンブリ」において、他のコーティングおよびインキングされた光ファイバに沿って置くことができ、放射線硬化性マトリックスコーティングは、リボンアセンブリの所望の位置に光ファイバを保持するために用いられる。
【0041】
二次コーティングが硬化した後、「インクコーティング」の層が場合によって適用され、次いで、コーティングおよびインキングされた光ファイバは、「緩いチューブ」配置として知られているものにおいて、他の同様にコーティングおよびインキングされたファイバに沿って置くことができる。
【0042】
特許請求されている本発明の一実施形態において、放射線硬化性コーティングは、接着促進剤とともに配合された単一被覆系、接着促進剤とともに配合された内側一次コーティング、または接着促進剤なしで配合された二次コーティング、もしくは接着剤なしで配合されたマトリックスコーティングとしてのいずれかで使用されている。
【0043】
二次コーティングとして使用される場合、光ファイバ用の市販の放射線硬化性一次コーティングは、一次コーティングとして使用される。このような一次コーティングには、DSM Desotech Inc.(Elgin Illinois,I−847−697−0400)から入手できるDeSolite(登録商標)DP−1004、DeSolite(登録商標)3471−1−129A、Desolite(登録商標)DP−1016およびDesolite(登録商標)3471−1−152Aが含まれるが、これらに限定されない。
【0044】
特許請求されている本組成物が、二次コーティングとしても知られている外側一次コーティングとして、またはマトリックスコーティングとして、または外被コーティングもしくは緩衝コーティングとして使用される場合、硬化コーティングの耐熱特性の向上は、ファイバ上に存在する他の硬化コーティングに対して保護する仕方で作用すると考えられるが、それにより拘束されることを意図しない。
【0045】
特許請求されている本発明の組成物は、単一の一次コーティングとしてまたは一次コーティングの上の二次コーティングとして、高性能密封光ファイバに適用することもできる。このコーティングは、単一モードおよび多重モードの両方の密封光ファイバへの適用も実行可能である。必要に応じて、密封光ファイバへ適用するために、より高弾性率(コーティングの硬化被膜で測定して)を有する特許請求されている本発明の放射線硬化性コーティングを配合することができる。
【0046】
本発明は、以下の実施例としてさらに説明されるが、それらに限定されるものではない。
【0047】
[実施例]
引張強度、伸びおよび弾性率試験方法:
光ファイバ用放射線硬化性コーティングの引張特性は、万能試験装置(引張強度、破断時伸びパーセント、および割線係数またはセグメント係数の値を生成する適当なパーソナルコンピュータおよびInstronソフトウェアを備えたInstron Model4201)を用いて被膜について試験する。ロードセルは、2または20ポンド許容荷重、またはメートル法換算値を有する。試験のための試料を調製するために、試験される各材料のドローダウン(drawdown)(硬化被膜)をガラスプレート上に作製し、UVプロセッサを用いて硬化させる。この硬化被膜を、試験前に23±2℃および50±5%相対湿度で最小16時間調整する。幅0.5±0.002インチおよび長さ5インチを有する、最小8個の試験片を硬化被膜から切断する。軽微な試料欠陥の影響を最小化するために、試料試験片を硬化被膜のドローダウンが調製される方向に平行に切断する。硬化被膜が触診に対して粘着性である場合、少量のタルクを、綿先端化アプリケータを用いて被膜表面に適用する。
【0048】
次いで、試験片を基材から取り除く。基材から取り除く間に試験片がそれらの弾性限界を超えて伸張されないように注意する。基材から取り除く間に試料長さに目に見えるなんらかの変化が生じた場合、その試験片は廃棄する。被膜の上面が、粘着性をなくすようにタルクコーティングされる場合、少量のタルクが、基材から取り除いた後の試験片の底面に適用される。
【0049】
試験片の平均被膜厚さは、マイクロメータで測定される。試験すべき領域(上部から底部)で被膜厚さの少なくとも5つの測定を行い、計算に平均値を用いた。被膜厚さの測定値のいずれかが10%相対を超えて平均から外れる場合、その試験片は廃棄する。被膜幅も測定する。すべての試験片は同じプレートに由来し、一般に、引張特性を得るために少なくとも6個の細片が必要とされる。較正および標準化後に、各試験片を横方向に中心にあって、垂直に垂れ下がっているように、上部空気圧グリップ間の空間中につり下げることによって試験する。上部グリップ(のみ)を固定する。試験片が緩みまたは座屈をもたないように、および開いた下部グリップ間の空間において横方向に中心にあるように、試験片の下端部を静かに引く。試験片をこの位置に保持しながら、下部グリップを固定する。
【0050】
ソフトウェアパッケージで与えられる説明書に従って、試料番号および試料寸法をデータシステムに入力する。次いで、試料の引張測定をInstron装置で行う。これを追加の試験片について繰り返す。温度および湿度は、目下のドローダウンからの最後の試験片を試験した後に測定する。引張特性の計算は、ソフトウェアパッケージにより自動的に行う。引張強度、伸び%、および割線係数の値を検査し、それらのいずれか1つが「外れ値」であるのに十分に平均から外れたかどうかを決定する。必要に応じて、この手順を繰り返す。剛性の測定値は、破断点までエネルギーを吸収する材料の能力に基づいて計算し、これは、応力−歪み曲線下の面積を測定することによって決定する。
【0051】
光ファイバコーティングの熱安定性試験法
光ファイバ用放射線硬化性コーティングの「耐熱性」の主たる測定は、適当な装置またはオーブン中で様々な温度において経時的に硬化コーティングの重量損失をモニターすることである。
【0052】
耐熱性結果は、ある温度で、ある期間にわたっての組成物の硬化フィルムの重量損失%として報告される。耐熱性試験方法は、「硬化コーティングの重量損失」試験法としても知られている。この試験法のステップは、以下のとおりである:
1)市販または実験のコーティングの液体試料を、その空重量も0.0001グラムまで測定されているアルミニウム製秤量皿に0.0001グラムまで正確に秤量する。アルミニウム製秤量皿は、実験室使用のための標準的なものであり、直径50〜60mmおよび深さ10〜15mmである。このようなアルミニウム製秤量皿は、VWR Scientific Productsから入手でき、開発研究に有用な特定の秤量皿は、カタログ番号25433−008である。
2)液体試料は、初期の重量で少なくとも0.3グラムであるが、1.0グラムを超えず、好ましくは少なくとも0.4グラムであるが、約0.6グラムは超えなかった。
3)液体試料を秤量皿の底部で広がらせ、均一な膜を形成させる。室温で高粘度の試料の特定の場合、皿および試料は、標準実験用ホットプレート上で10〜15秒間60℃に加温し、次いで、アルミニウム製皿を液体試料の均一な広がりを補助するために穏やかに回転させる。
4)次いで、秤量皿中の試料を、標準的な実験用UV硬化装置、例えば、300ワット/インチ、13mmDバルブ(少なくとも約0.8ジュール/平方センチメートルの、しかし約1.2ジュール/平方センチメートルを超えない線量を有する)を備えたFusion Systems Model DRS−120N2Qの下で硬化させる。好ましい線量は、約0.9から約1.0ジュール/平方センチメートルである。試料すべてを窒素雰囲気で硬化させる。
5)硬化させた後に、試験片を適当な実験用化学天秤で0.0001グラムまで再度秤量する。
6)次いで、アルミニウム製皿中の秤量試料を、様々な温度で自然対流を有する実験炉に入れる。このような実験炉は、LindbergからType51542Furnaceとして入手できる。炉は、指定の温度で維持する。
7)アルミニウム製皿中の試料をLindberg炉から定期的に取り出し、標準的な実験用デシケータに入れ、最小5分間、しかし15分間以下で室温に平衡にさせる。
8)次いで、アルミニウム製皿中の試料を適当な実験用化学天秤で0.0001グラムまで再度秤量する。このような実験用天秤は、モデル番号BP2215を有するSartoriusから入手できる。
9)秤量後、アルミニウム製皿中の試料を、高温にさらに曝露するためにLindberg炉に戻してもよい。
10)この曝露および秤量の過程は、適当な期間継続し、それぞれのアルミニウム製皿の風袋重量を差し引き、それぞれの試料の熱重量損失を元のUV硬化試験片のパーセントとして決定することにより計算して、それぞれの試料の相対的耐久性を決定する。
【0053】
この手順は、180℃で通常100時間の過程にわたって1つの試料の別のものに対する優位性を決定するのに十分に正確であることがわかっている。特定の場合、この方法に対する重量損失の統計をさらに決定するために、複数の試料を長期間実験する。以下の実施例3に関して、7つの別個の試料について、180℃で最大408時間の曝露に対する95%信頼区間は、回帰R>0.96および回帰式:
損失%=[0.021×(曝露時間)]+3.069
で、計算重量損失%の約±10%である。
【0054】
必要に応じて、試験温度は、180℃から200℃に調整する。200℃における試験からの結果は、その温度で示す。他の結果のすべては、180℃で報告する。
【0055】
本発明のUV硬化性コーティングは、当業者に周知の通常の方法で調製される。選択された成分は、通常、撹拌機、ヒータおよび温度制御を備えた凹面丸底壁ステンレススチール製容器である適当な清浄容器に非決定的順序で添加される。特定の場合、高粘度成分は、容器に添加前に熱箱中で加温することができる。容器の内容物が穏やかな撹拌下にある間に成分を添加することが通常である。混合温度は一般的に、約室温から約60℃である。すべての成分が添加されると、撹拌は、約1時間から約6時間、またはすべての成分が適切に混合され、均一に溶解するまで継続される。一般的に行われているように、完成処方は、適切な容器に包装する直前に、適切なろ過にかけられる。
【0056】
このセクションにおける第1の表では、特許請求されている本発明の放射線硬化性コーティングで用いられる成分が記載される。第1の表の後に、特許請求されている本発明の実施例の3つの表がある。
【0057】
【表1】



【0058】
【表2】



【0059】
【表3】



【0060】
【表4】



【0061】
【表5】



【0062】
【表6】



【0063】
【表7】



【0064】
表1および表2は、特許請求されている本発明の実施例を示す。
【0065】
表3は、放射線硬化性コーティングの通常の弾性率バージョンとして実施例18および実施例19を示す。
【0066】
通常の弾性率は、TEMで測定して、約450MPa以下、好ましくは約400MPa以下、より好ましくは約300MPa以下、より非常に好ましくは約200MPa以下、最も非常に好ましくは約180MPa以下、最も好ましくは約150MPa以下の弾性率を有する放射線硬化性コーティングの硬化被膜として定義される。
【0067】
表3は、特許請求されている本発明の「高弾性率」バージョンとして実施例17および実施例20を示す。
【0068】
高弾性率は、TEMで測定して、少なくとも約450MPa、好ましくは少なくとも約500MPa、より好ましくは少なくとも約600MPa、より非常に好ましくは少なくとも約700MPa、最も非常に好ましくは少なくとも約780MPaの弾性率を有する放射線硬化性コーティングの硬化被膜として定義される。
【0069】
表4は、特許請求されている本発明の放射線硬化性コーティングの「高弾性率」バージョンを示す。高弾性率は、TEMで測定して、少なくとも約500MPa、好ましくは少なくとも約600MPa、より好ましくは少なくとも約700MPa、より非常に好ましくは約780MPaの弾性率を有する放射線硬化性コーティングの硬化被膜として定義される。
【0070】
実施例17、実施例18および実施例20は、200℃における耐高温性を示す。
【0071】
刊行物、特許出願、および特許を含めて、本明細書で引用される参考文献のすべては、あたかも、それぞれの参考文献が参照により組み込まれるべく個々におよび具体的に示される、および本明細書でその全体として示されるのとの同じ程度まで、参照により本明細書に組み込まれる。
【0072】
本発明を記述する文脈において(特に以下の特許請求の範囲の文脈において)、「一つ(a)」および「一つ(an」ならびに「その(the)」という用語、ならびに同様の指示子の使用は、本明細書で特に断りのないかまたは文脈により明らかに矛盾しない限り、単数形および複数形の両方に及ぶと解釈されるべきである。「含む(comprising)」、「有する(having)」、「含む(including)」、および「含有する(containing)」という用語は、特に断りのない限り、非限定的な用語(すなわち、「含むが、限定されない」を意味する)と解釈されるべきである。本明細書での値の範囲の列挙は、本明細書で特に断りのない限り、その範囲内に入るそれぞれ別個の値に個々に言及する省略法として働くことが単に意図され、それぞれ別個の値は、あたかも本明細書で個々に列挙されるように本明細書中に組み込まれる。本明細書で記載される方法のすべては、本明細書で特に断りがないかまたは別に文脈により明らかに矛盾しない限り、任意の適切な順序で行うことができる。本明細書で与えられる任意のおよびすべての例、または例示的な表現(例えば、「例えば、〜など」(such as))の使用は、本発明をより良く明らかにすることが単に意図され、特に他に主張されない限り、本発明の範囲に限定を課すものではない。本明細書における表現は、特許請求の範囲に記載されていないいずれかの要素を本発明の実施に必須であると示すと解釈されるべきではない。
【0073】
本発明の好ましい実施形態は、本発明を実施するために本発明者らに知られているベストモードを含めて、本明細書で記載される。これらの好ましい実施形態の変形は、前述の記述を読むと、当業者に明らかになり得る。本発明者らは、当業者が必要に応じてこのような変形を用いることを予想し、本発明者らは、本発明が本明細書で具体的に記載されるとおりにというよりはむしろ他の方法で実施されることを意図する。したがって、本発明は、適用可能な法律で許容されるとおりに、ここに添付される特許請求の範囲に列挙される主題の変更および均等のすべてを含む。さらに、その可能な変形のすべてにおける上記要素の任意の組合せは、本明細書で特に断りがないかまたは別に文脈により明らかに矛盾しない限り、本発明によって包含される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内側一次コーティング、外側一次コーティング、単一被覆、マトリックス、または緩衝樹脂組成物として使用され得る放射線硬化性コーティング組成物であって、
(a)脂肪酸変性エポキシアクリレートである、少なくとも1種の放射線硬化性オリゴマー;
(b)少なくとも1種のエチレン性不飽和反応性希釈剤;
(c)1種または複数の光開始剤;
(d)(d1)分解防止剤、および
(d2)接着促進剤
からなる群から選択される、任意選択の1種または複数の添加剤を含み、
前記オリゴマーおよび希釈剤は、ウレタン化学的性質を有する部分を含まない基から選択され;
前記組成物は、硬化後に、自然対流炉中180℃で100時間の硬化試験片の曝露後に10%未満の重量損失で測定されるような熱分解に対する耐性を有する、放射線硬化性コーティング組成物。
【請求項2】
前記放射線硬化性組成物が、顔料、染料または他の変色性部分を含まない、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記少なくとも1種の放射線硬化性オリゴマーが、前記組成物中に約40重量パーセントから約99重量パーセントの量で存在する、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項4】
前記少なくとも1種のエチレン性不飽和反応性希釈剤が、約1重量パーセントから約60重量パーセントの量で存在する、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項5】
前記少なくとも1種の放射線硬化性オリゴマーが、前記組成物中に約60重量パーセントから約99重量パーセントの量で存在する、請求項3に記載の組成物。
【請求項6】
前記少なくとも1種のエチレン性不飽和反応性希釈剤が、約15重量パーセントから約60重量パーセントの量で存在する、請求項4に記載の組成物。
【請求項7】
前記少なくとも1種の放射線硬化性オリゴマーが、前記組成物中に約65重量パーセントから約85重量パーセントの量で存在する、請求項3に記載の組成物。
【請求項8】
前記少なくとも1種のエチレン性不飽和反応性希釈剤が、約25重量パーセントから約45重量パーセントの量で存在する、請求項4に記載の組成物。
【請求項9】
前記少なくとも1種の放射線硬化性オリゴマーが、前記組成物中に約65重量パーセントから約80重量パーセントの量で存在する、請求項3に記載の組成物。
【請求項10】
前記脂肪酸変性エポキシアクリレートが、主鎖に12から28個の炭素原子を有する、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項11】
前記脂肪酸変性エポキシアクリレートが、CN−116、Sartomerから入手できる脂肪酸変性ビスフェノールAエポキシアクリレート、;CN−118、Sartomerから入手できる脂肪酸変性ビスフェノールA;CN120Z、Sartomerから入手できるケミカルアブストラクツサービス登録番号55818−57−0を有する;およびCN−2101、Sartomerから入手できる脂肪酸変性ビスフェノールAエポキシアクリレートを含む群から選択される、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項12】
請求項1または2記載の組成物の少なくとも1層のコーティング層を含む光ファイバであって、前記コーティング層は、単一被覆層、内側一次コーティング層、二次コーティング層、外被コーティング層であることができ、前記組成物は、液体として適用され、固体層に硬化されている光ファイバ。
【請求項13】
前記光ファイバが、密封光ファイバである、請求項12に記載の光ファイバ。
【請求項14】
a)約50メートル/分から約1000メートル/分のライン速度で製造されている光ファイバを提供する工程;
b)前記光ファイバを請求項1または2に記載の放射線硬化性コーティングでコーティングする工程
を含む、光ファイバをコーティングする方法。
【請求項15】
前記組成物が、硬化後に、自然対流炉中200℃で100時間の硬化試験片の曝露後に、10%未満の重量損失により測定されるような熱分解に対する耐性を有する、請求項1または2に記載の放射線硬化性コーティング。
【請求項16】
前記光開始剤が、イソブチルベンゾインエーテル;2,4,6−トリメチルベンゾイル,ジフェニルホスフィンオキシド;ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド(Irgacure819として販売);1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン;2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタン−1−オン;2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン;ペルフッ化ジフェニルチタノセン;2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−(4−モルホリニル)−1−プロパノン;2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン;4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−2−ヒドロキシ−2−プロピルケトン ジメトキシフェニルアセトフェノン;1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン;1−(4−ドデシルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン;4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−2−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)−ケトン;ジエトキシフェニルアセトフェノン;(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルフェニルホスフィンオキシドおよび2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オンの混合物;ベンゾフェノン;1−プロパノン,2−メチル−1−1−(4−(メチルチオ)フェニル)2−(4−モルホリニル);Daracure1173(Cibaから入手でき、ケミカルアブストラクツ登録番号7473−98−5およびアリール−ケトン化学を有する);Esacure KIP150、(Lambertiから入手でき、独自開発処方およびオリゴ−[2−ヒドロキシ−2−メチル−1−[4−(1−メチルビニル)フェニル]プロパンの化学を有する);Irgacure651(Cibaから入手でき、ケミカルアブストラクツサービス登録番号24650−42−8および2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノンの化学を有する);Irgacure819(Cibaから入手でき、ケミカルアブストラクツサービス登録番号162881−26−7およびビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシドの化学を有する);ならびにIrgacure907(Cibaから入手でき、ケミカルアブストラクツサービス登録番号71868−10−5および2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパノン−1の化学を有する)からなる群から選択される、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項17】
光増感剤をさらに含む、請求項16に記載の組成物。

【公表番号】特表2012−505821(P2012−505821A)
【公表日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−532099(P2011−532099)
【出願日】平成21年11月3日(2009.11.3)
【国際出願番号】PCT/US2009/005941
【国際公開番号】WO2010/053532
【国際公開日】平成22年5月14日(2010.5.14)
【出願人】(503220392)ディーエスエム アイピー アセッツ ビー.ブイ. (873)
【Fターム(参考)】