説明

光ファイバ配線構造

【課題】限られた面積のシート上に長尺の光ファイバが周回布線された光ファイバ配線構造を提供する。
【解決手段】本発明の光ファイバ配線構造は、光ファイバ1が同一平面上に一筆書きによって周回布線されており、光ファイバの一端1aから一周以上の配線経路を有している第1周囲配線部10と、第1周囲配線部に接続されていて、回転方向が時計回りから反時計回りへ、又は反時計回りから時計回りへ、少なくとも2回切り替えられる配線経路を有している中央配線部20と、中央配線部に接続されていて、光ファイバの他端1bまで半周以上の配線経路を有している第2周囲配線部15とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ファイバ配線構造に関し、特に光ファイバが周回布線された光ファイバ配線構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、光ファイバ増幅器やファイバレーザ、レーザガイド、センシング、光アンテナなどの装置においては、その素子として長尺の光ファイバが用いられる。
【0003】
たとえば、光ファイバ増幅器では、光ファイバのコア中にErやYbなどの希土類元素をドープした増幅用光ファイバを備えている。この増幅用光ファイバの光増幅率は、ドープする元素の濃度と光ファイバ長との積である濃度条長積に依存するため、大きな増幅率を得るには、適正な濃度条長積に設定することになる。その場合、ドープする元素の濃度を徒に高くすると、ガラス化が阻害されたり希土類元素が均一に分散せず増幅効率を低下させたりするなどの不都合を生じるので、元素濃度を一定範囲に保ったままで、光ファイバ長がある程度長くなるようにして大きな増幅率を得ている。
【0004】
このように、長尺の光ファイバを用いて装置を組み立てる場合、光ファイバを一まとめにして装置内に収納する必要がある。
【0005】
そのため、従来は、長尺の光ファイバをリールに巻き取ったり、あるいは、装置内に光ファイバを引き回したりして取り付けるなどの処理が行われていたが、このようなリールを使用する場合、リールの中心空洞部や鍔の厚みによる死容量が発生し、実装密度が低下する。またリールには高強度の材質を使用しているので可撓性をもたせることができない。また、光ファイバを装置内に引き回す場合には、曲げ損失が増大したり、ばらけたりしないように、光ファイバを適当な曲率を保ちつつ、所定ピッチごとにフック部等に掛止していかねばならず、収納に手間がかかってしまう。
【0006】
そこで、このような不都合を回避するために、光ファイバを、その周回位置を互いに平面的にずらせた状態で配置するとともに、軟質の樹脂等でシート状に封止して保持するようにした構造が提供されている(例えば特許文献1乃至3)。
【0007】
この構成にすれば、全体にシート状となっているから薄肉であり、しかも、軟質樹脂を使用しているために可撓性をもち、実装が容易になるといった利点が得られる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平11−211918号公報
【特許文献2】特開2003−14937号公報
【特許文献3】特開2003−14944号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
近年、光ファイバ増幅器や光ファイバレーザなど長尺の光ファイバを素子として用いる装置が小型化されてきており、それに伴って光ファイバを収納できる空間が段々と狭くなってきている。さらには、装置内部の部品の配置関係によって光ファイバをシート上に布線した光ファイバシートの形状を細長い形状にしたり、途中で曲がった形状にしたりする必要が出てきている。このような形状の光ファイバシートではシートの面積の割には載せられる光ファイバの長さが少なくなるという問題があった。これは曲げ損失を小さくするために、布線時の光ファイバの最小曲げ半径をある程度大きく取る必要があることが一因であるが、従来の布線方法ではこの制約のため光ファイバシートの小型化が困難であった。
【0010】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、限られた面積のシート上に長尺の光ファイバが周回布線された光ファイバ配線構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の光ファイバ配線構造は、光ファイバが同一平面上に一筆書きによって周回布線されており、前記光ファイバの一端から一周以上の配線経路を有している第1周囲配線部と、前記第1周囲配線部に接続されていて、回転方向が時計回りから反時計回りへ、又は反時計回りから時計回りへ、少なくとも2回切り替えられる配線経路を有している中央配線部と、前記中央配線部に接続されていて、前記光ファイバの他端まで半周以上の配線経路を有している第2周囲配線部とを備えた構成を有している。
【0012】
前記第1周囲配線部は、前記中央配線部を挟んで平行な対をなす直線部分を複数対と、前記直線部分同士をつなぐ曲線部分とを備えており、前記直線部分には、非平行な関係にある2つの前記対が存していてもよい。
【0013】
ある好適な実施形態において、前記第1周囲配線部は、前記中央配線部を挟んで対をなす対向部分を少なくとも一対と、前記対向部分同士をつなぐ曲線部分とを備えており、前記対向部分は、直線からなる部分と、前記中央配線部に向かって窪んでいる円弧の一部からなる部分とを備えている。
【0014】
前記対向部分は複数対存しており、前記直線からなる部分が互いに非平行な関係にある2つの前記対が存していてもよい。
【発明の効果】
【0015】
本発明の光ファイバ配線構造は、中央配線部に回転方向が時計回りから反時計回りへ、又は反時計回りから時計回りへ、少なくとも2回切り替えられる配線経路を有しているので、中央配線部に配線できる光ファイバの長さを大きくすることができ、従来と同じ面積の配線領域内において、従来よりもトータルの配線長さを大きくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】実施形態1に係る光ファイバ配線構造を示す模式的な図である。
【図2】実施形態2に係る光ファイバ配線構造を示す模式的な図である。
【図3】実施形態3に係る光ファイバ配線構造を示す模式的な図である。
【図4】比較例に係る光ファイバの保持構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の図面においては、説明の簡潔化のため、実質的に同一の機能を有する構成要素を同一の参照符号で示す。
【0018】
(実施形態1)
図1は、シート30の上に光ファイバ1が布線された実施形態1に係る光ファイバ配線構造である。この光ファイバ配線構造は、1本の長尺の光ファイバ1を用いて一筆書きによって同一平面上に布線されており、一筆書きのための折り返し部分として中央部分に中央配線部20が配置され、中央配線部20の周囲にはトラック形に光ファイバ1が周回配線された周囲配線部が配置されている。この周囲配線部は、光ファイバ1の一端1aから図1の符号10aまで1周半の配線経路となっている第1周囲配線部10と、図1の符号15aから光ファイバ1の他端1bまでの1周分の配線経路となっている第2周囲配線部15とを備えており、第1周囲配線部10と第2周囲配線部15との間に中央配線部20が配置されている。符号10aの部分において第1周囲配線部10が中央配線部20と接続しており、符号15aの部分において第2周囲配線部15が中央配線部20と接続している。
【0019】
第1周囲配線部10は、中央配線部20を挟んで平行な対をなしている直線部分2,2と、これら直線部分2,2同士をつなぐ曲線部分4,4とを備えている。なお、図1の上側の直線部2では3本のファイバが平行に並んで配置されているが、第1周囲配線部10のファイバは両側に配置された2本である。図1の下側においては、第1周囲配線部10のファイバは外側に配置された1本である。
【0020】
この布線においては、曲げ損失を小さくするために光ファイバ1を曲げる場合は所定の最小曲げ半径以上の曲率半径となるように曲げている。この所定の最小曲げ半径は、曲げによる光の損失が数%以下となるように光ファイバの種類毎に決められた光学的な制約による半径、あるいはファイバの曲げによる破断を防止するため、材質と曲げ半径により求められる歪量を一定値以下となるように決められた機械的な制約による半径である。また、同様の理由によりシート30上で光ファイバ1が交差する部分(光ファイバの一部を別の一部が乗り越える部分)は形成されないようにしている。
【0021】
特許文献1においては、図4に示すように長尺の一本の光ファイバ101が、その周回形状がくずれないようにシート状の固定材料102によって一体的に保持されている光ファイバの保持構造が開示されている。この光ファイバ101は、本実施形態と同様に、一本同士の交差が生じないように、互いに平面的にずらせてトラック形に周回配置されており、一方の末端部分P1から折り返し部分P3を経て他方の末端部分P2に至っている。トラック形というのは、陸上競技の周回走路の形状のことで、平行な2本の直線とそれらを結ぶ2つの半円とからなっている。この保持構造においてファイバ端部P1から布線をしていくとすると、この折り返し部分P3では、反時計回りから時計回りへ配線の中央部で回転方向の切替が1度だけ行われることになる。
【0022】
従来は、光ファイバが配線された光ファイバ布線シートを収納する空間に余裕が有ったため、図4に示す比較例のようにアスペクト比が1:1から2:1程度の固定材料102の上に配線することができた。しかしながら、近年では光ファイバ布線シートの収納空間が小さくなってきていて、本実施形態のシート30のようにアスペクト比が2:1よりも大きい、例えば4:1程度以上の細長い形状にも対応する必要がでてきた。
【0023】
図4の比較例ではトラック形周回形状の内側の折り返し部分P3は、トラック形の対角線にほぼ沿う形で最小曲げ半径の1/4円が2つ接続された配線がなされている。ここで1/4円とは中心角が90度の円弧のことであり、曲率中心から視野角90度の円弧(曲線)とも言うことができる。アスペクト比が2:1よりも大きくなると、2つの1/4円の間を直線で結んでいくことが考えられ、これを直線結び折り返しと呼ぶことにする。
【0024】
それに対して本実施形態では、トラック形をした周囲配線部の内側に配置された中央配線部20において、符号10aから符号22の間に1/4円21があり、符号22から符号24の間に半円23があり、符号24から符号26の間に半円25があり、符号26から符号15aの間に1/4円27がある。これらの1/4円21,27及び半円23,25は、半径が所定の曲げ半径以上となっている。
【0025】
そして符号10aから符号15aに布線が進んでいくという方向で見てみると、1/4円21は時計回りであり、符号22において回転方向が変わって半円23は反時計回りとなり、また符号24において回転方向が変わって半円25は時計回りとなり、符号26において再度回転方向が変わって1/4円27は反時計回りになっている。このように本実施形態では光ファイバ1の布線をしていく過程において、ファイバ配線の回転方向が3回切り替えられている。
【0026】
中央配線部20の周囲に配線されている周囲配線部は比較例と本実施形態とで同じ形状であるため、周囲配線部に配置された光ファイバ1の長さは比較例と本実施形態とで同じ長さである。けれども中央配線部20では、比較例の直線結び折り返しの光ファイバの長さを1とすると、本実施形態の中央配線部20での光ファイバ1の長さは約1.32となる。このように周囲配線部の形状とその内側の面積は比較例と本実施形態とでは同じであるが、中央配線部20の光ファイバ1の長さは本実施形態の方が比較例よりも大きくなる。従って、本実施形態では所定のシート上により長い光ファイバ1を配置することができる。このため、決められた形状・面積のシート上にできるだけ長い光ファイバ1を配線したいというニーズに応えることが可能となる。
【0027】
(実施形態2)
図2は、シート31の上に光ファイバ1が布線された実施形態2に係る光ファイバ配線構造である。この光ファイバ配線構造は、1本の長尺の光ファイバ1を用いて一筆書きによって同一平面上に布線されており、一筆書きのための折り返し部分として中央部分に中央配線部28が配置され、中央配線部28の周囲には光ファイバ1が周回配線された周囲配線部が配置されている。周囲配線部は第1周囲配線部11と第2周囲配線部16とからなる。第1周囲配線部11は、光ファイバ1の一端1aから符号11aまでの1周分の配線経路を有しており、第2周囲配線部16は、符号16aから光ファイバ1の他端1bまでの半周分の配線経路を有している。
【0028】
本実施形態が実施形態1と異なっているのは、第1周囲配線部11において、中央配線部28を挟んで平行な対をなしている直線部分が5対あり、直線部分2a,2aと直線部分2c,2cと直線部分2e,2eとの3つの対は互いに平行であるが、これらの3つの対と直線部分2b,2bの対及び直線部分2d,2dの対とは非平行である点、および第1周囲配線部11が1周分の周回配線であり、第2周囲配線部16が半周分の周回配線である点である。その他シート31の形状も異なっている。本実施形態では、実施形態1とは異なっている点を主に説明し、実施形態1と同じ点は説明を一部省略する。
【0029】
本実施形態のシート31は、帯状であってその中央部分がコの字状に曲がっている。光ファイバシートを設置する装置の内部における部品配置事情によってこのようなシート31形状となっている。従って、光ファイバ1もこの形状に沿ってできるだけ長尺に布線されている。そのため、周囲配線部も中央配線部28もシート31の形状に沿って途中で向きを変えている。中央配線部28は1/4円が多数(6つ以上)接続された形状であって、回転方向が時計回りから反時計回りへ7回切り替わっているため、1/4円の替わりに直線部分を用いた中央配線部(回転方向が時計回りから反時計回りへ1回切り替わるのみ)よりも光ファイバ1の配線長さが大きくなっている。
【0030】
本実施形態においても実施形態1と同様に、中央配線部28において回転方向が時計回りから反時計回りに7回、反時計回りから時計回りに8回と、それぞれ2回以上切り替わっていて、それにより中央配線部28に配線された光ファイバ1が長尺になっているので、従来の直線状の布線に比べて布線部分の形状・面積が同じであっても、より長尺の光ファイバ1を布線することができる。
【0031】
(実施形態3)
図3は、シート30の上に光ファイバ1が布線された実施形態3に係る光ファイバ配線構造である。この光ファイバ配線構造は、1本の長尺の光ファイバ1を用いて一筆書きによって同一平面上に布線されており、一筆書きのための折り返し部分として中央部分に中央配線部20が配置され、中央配線部20の周囲には光ファイバ1が周回配線された周囲配線部が配置されている。周囲配線部は第1周囲配線部12と第2周囲配線部17とからなっている。中央配線部20は、第1周囲配線部12と第2周囲配線部17との間におかれて、両方に接続している。第1周囲配線部12は、光ファイバ1の一端1aから符号12aまでの1周半の配線経路を有しており、第2周囲配線部17は、符号17aから光ファイバ1の他端1bまでの1周分の配線経路を有している。
【0032】
第1周囲配線部17は、中央配線部20を挟んで対をなしている一対の対向部分41,42ともう一対の対向部分43,44とを備えており、さらにこれらの2対の対向部分をつなぐ曲線部分4,4とを備えている。本実施形態は実施形態1とは周囲配線部が異なっており、その他の部分は実施形態1と同じである。以下に実施形態1とは異なっている点を主に説明して、実施形態1と同じ点は説明を省略する。
【0033】
本実施形態では第1周囲配線部17の対向部分41,42と対向部分43,44のそれぞれが直線からなる部分(符号42と43)と円弧の一部からなる部分(符号41と44)とを備えている。直線からなる部分は円弧の一部からなる部分に比べて半分未満の長さになっている。円弧の一部からなる部分は中央配線部20の曲線に沿うように中央配線部20の方に向かって窪んでおり、半円の両側に1/4円を接続した形状となっている。なお、符号43で表される直線からなる部分は、3本並んでいる光ファイバ1の両側の2本から形成されている。
【0034】
実施形態1では、対向部分に該当するのは平行な対をなしている直線部分2,2であったのに対し、本実施形態では、曲線を含んでいる2対の対向部分が存している。また第2周囲配線部17も中央配線部20を挟んで対をなしている一対の対向部分45,46ともう一対の対向部分47,48とを備えている。符号47で表される直線からなる部分は、3本並んでいる光ファイバ1の真ん中の1本から形成されている。2つの対向部分の直線からなる部分同士は平行な関係にある。
【0035】
本実施形態は実施形態1に比べて、周囲配線部において光ファイバ1をより長く配置しているので、さらに長尺の光ファイバ配線構造とすることができる。
【0036】
(その他の実施形態)
上述の実施形態は本願発明の例示であって、本願発明はこれらの例に限定されず、これらの例に周知技術や慣用技術、公知技術を組み合わせたり、一部置き換えたりしてもよい。また当業者であれば容易に思いつく改変発明も本願発明に含まれる。
【0037】
本発明の光ファイバ配線構造はシート上に形成されている必要はない。光ファイバの隣り合う部分を接着剤等で互いに固定することで、シートなしで配線構造を保持することができる。
【0038】
また、上記の実施形態では、中央配線部において回転方向が時計回りから反時計回りへ、又は反時計回りから時計回りへ、3回及び7回切り替えられているが、回転方向が2回切り替えられる配線経路を有している中央配線部であってもよいし、4〜6回及び8回以上回転方向が切り替えられる配線経路を有している中央配線部であってもよい。
【0039】
第1周囲配線部において、1周半を越える周回布線がなされていても構わない。第2周囲配線部において1周を越える周回布線がなされていても構わない。光ファイバの一端と他端とが同じ場所にではなく、別の場所に配置されていても構わない。
【0040】
光ファイバは石英ファイバであってもよいし、プラスチックファイバであってもよく、径や長さ、被覆の有無や被覆の種類などは特に限定されない。
【0041】
シートはプラスチックシート、例えばPETシートを好適な例として挙げることができるが、その他の素材からなっていても構わない。また、シート上にシリコン粘着剤等の接着剤を塗布しておいてもよい。さらに、光ファイバを配線した後に光ファイバの上に保護用のカバーシート、例えばFEPシートを載せてもよい。
【0042】
実施形態2において、シートの形状は特に限定されず、ジグザグ形状、L字形などどのような形状であってもよい。またシートの曲がり角度も90度に限定されず60度から170度の範囲で何度であっても構わないし、曲線的に曲がっていても構わない。
【0043】
実施形態2と実施形態3とを組み合わせても構わない。この場合、特定の2対の対向部分においてそれぞれの直線からなる部分が互いに非平行な関係となる。
【0044】
中央配線部は全て1/4円の円弧で構成されている必要はなく、1/4円未満の円弧や一部に直線部分あるいは円弧以外の曲線部分が挟まれていても構わない。なお、配線領域を小さくする点からすれば、中央配線部に配置された曲線の曲率半径は所定の最小曲げ半径の2倍以下が望ましい。
【0045】
実施形態3において、対向部分における第1周囲配線部の円弧の一部からなる部分と第2周囲配線部の円弧の一部からなる部分とは、お互いに及び中央配線部と接触するように配置されていても構わない。
【産業上の利用可能性】
【0046】
以上説明したように、本発明に係る光ファイバ配線構造は、従来と同じ面積の配線領域内において、従来よりも長尺の光ファイバを配線することができて、光ファイバ増幅器、ファイバレーザ等を用いた光機器に有用である。
【符号の説明】
【0047】
1 光ファイバ
1a 光ファイバの一端
1b 光ファイバの他端
2 直線部分
2a,2c,2e 直線部分
2b,2d 直線部分
4 曲線部分
10,11,12 第1周囲配線部
15,16,17 第2周囲配線部
20,28 中央配線部
41,42 対向部分
43,44 対向部分

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光ファイバが同一平面上に一筆書きによって周回布線された光ファイバ配線構造であって、
前記光ファイバの一端から一周以上の配線経路を有している第1周囲配線部と、
前記第1周囲配線部に接続されていて、回転方向が時計回りから反時計回りへ、又は反時計回りから時計回りへ、少なくとも2回切り替えられる配線経路を有している中央配線部と、
前記中央配線部に接続されていて、前記光ファイバの他端まで半周以上の配線経路を有している第2周囲配線部と
を備えた、光ファイバ配線構造。
【請求項2】
前記第1周囲配線部は、前記中央配線部を挟んで平行な対をなす直線部分を複数対と、前記直線部分同士をつなぐ曲線部分とを備えており、
前記直線部分には、非平行な関係にある2つの前記対が存している、請求項1に記載されている光ファイバ配線構造。
【請求項3】
前記第1周囲配線部は、前記中央配線部を挟んで対をなす対向部分を少なくとも一対と、前記対向部分同士をつなぐ曲線部分とを備えており、
前記対向部分は、直線からなる部分と、前記中央配線部に向かって窪んでいる円弧の一部からなる部分とを備えている、請求項1に記載されている光ファイバ配線構造。
【請求項4】
前記対向部分は複数対存しており、前記直線からなる部分が互いに非平行な関係にある2つの前記対が存している、請求項3に記載されている光ファイバ配線構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−97183(P2013−97183A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−240223(P2011−240223)
【出願日】平成23年11月1日(2011.11.1)
【出願人】(000003263)三菱電線工業株式会社 (734)
【Fターム(参考)】