光プリントヘッド及び画像形成装置
【課題】主走査方向に亘ってプリントヘッドに対する清掃部材の当接圧を均一に保つことができ、射出面に付着したトナーや紙粉などを確実に拭き取ることができて、経時まで安定した高品位な画像記録を行うことができる光プリントヘッドを提供する。
【解決手段】清掃部材128は、板金で成形された本体枠129に、パッド131が貼り付けられた構造をなす。本体枠129の副走査方向の一端側にはフランジ部130が形成され、スクリュー軸136に螺合されている。本体枠129の他端側にはハウジング106に主走査方向に沿って形成された案内部としての突起133に係合する屈曲部132が設けられている。本体枠129はスクリュー軸136を軸として回転してロッドレンズアレイ105を囲むように嵌め付けられ、板金の弾性により不織布131はロッドレンズアレイ105の射出面に所定の当接力で当接する。
【解決手段】清掃部材128は、板金で成形された本体枠129に、パッド131が貼り付けられた構造をなす。本体枠129の副走査方向の一端側にはフランジ部130が形成され、スクリュー軸136に螺合されている。本体枠129の他端側にはハウジング106に主走査方向に沿って形成された案内部としての突起133に係合する屈曲部132が設けられている。本体枠129はスクリュー軸136を軸として回転してロッドレンズアレイ105を囲むように嵌め付けられ、板金の弾性により不織布131はロッドレンズアレイ105の射出面に所定の当接力で当接する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光プリントヘッド、該光プリントヘッドを有する光走査装置、該光走査装置を具備した複写機、プリンタ、ファクシミリ、プロッタ、これらのうち少なくとも1つを備えた複合機等の画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
LEDアレイや有機ELアレイ等を発光源とする固体書込方式の光プリントヘッドでは、レンズアレイの作動距離が短く、射出面と感光体ドラム面との離間距離が2〜3mmという極近接した状態で配置される。
このため、感光体ドラム上に付着した残トナーや紙粉、現像ローラで撒き上げられたトナーなどが回転に伴って飛散し、レンズアレイの射出面に付着する。
これらの付着物をそのままにしておくと、感光体ドラム上を露光する光ビームが蹴られ、光量がダウンして、画像濃度の低下や濃度むら(縦筋)となって画像劣化の要因となる。
【0003】
従来、光プリントヘッドは、発光源を実装した基板とレンズアレイと、これらの配置を調整して保持するハウジングとからなる光プリントヘッド本体と、該光プリントヘッド本体を画像形成装置の構造体に装着する支持部材とから構成されている。
レンズアレイの射出面に清掃部材を当接し、その状態で清掃部材を移動手段により主走査方向に沿って移動させる構成を前記支持部材に備えている。
清掃部材のパッドとしては動物の毛などをシート状に圧縮したフェルトなど不織布が多く用いられるが、当接力が弱いと十分な拭き取り効果が得られず、逆に当接力が強いと清掃部材が滑らかに移動せず拭きむらがでてしまうばかりか、レンズアレイの射出面を傷つけてしまうこともある。
そのため、主走査方向(移動方向)に沿って、所定の当接力を均一に保つことが求められる。
【0004】
また、LEDアレイや有機ELアレイ等を発光源とする固体書込方式の光プリントヘッドでは、レンズアレイの焦点深度が浅く、感光体ドラム面との離間距離を±0.1mm以下の高精度で配置しないと、感光体ドラム上のビームスポットがぼけてしまう。このため、光プリントヘッドは、レンズアレイの射出面が感光体面と所定間隔をもって配置するように、感光体ドラムあるいは感光体ドラムを支持する部材に突き当てる突当部を主走査方向の両端に備えて位置決めを行っている。
そのため、清掃部材を配備する場合、その移動範囲は、突当部の内側に制限される。従って、突当部の配置によってはプリント時に清掃部材を退避させておくスペースがとれない。
突当部の外側に清掃部材を退避させておけばよいが、その場合、感光体ドラムあるいは感光体ドラムを支持する部材への突き当てを一旦解除し、突当部を退避させなければならない。
感光体ドラム保持部材などの構造上、清掃部材の主走査方向の移動に支障がある場合も同様で、感光体面からレンズアレイの射出面を離間した状態で清掃を行う必要がある。
【0005】
特許文献1には、LEDプリントヘッドの光出射面を清掃する清掃部材を像担持体と光出射面との間に挟み込んだ状態で、スクリュー軸とこれに螺合するスライダを含んで構成される駆動機構によってLEDプリントヘッドの長手方向に沿って往復動させる構成が開示されている。
特許文献2には、LEDプリントヘッドの光出射面を清掃する清掃部材をLEDプリントヘッドの一方の端の外側で、且つ、光射出面から高さ方向に離間した退避位置から移動させて光射出面に当接させ、光射出面に沿って移動案内する案内手段を備える構成が開示されている。
特許文献3には、画像形成手段の少なくともいずれかを備えたカートリッジが装置本体に対して脱着可能に設けられており、LEDプリントヘッドの光出射面を清掃する清掃部材がカートリッジに一体に設けられて、カートリッジの脱着に伴って光出射面に接触して清掃する構成が開示されている。
特許文献4には、LEDアレイヘッドが、像担持体と一定の距離に位置決めされる第1の位置と、像担持体から離れる方向に第1の位置から退避した第2の位置とに移動可能に設けられる構成が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1の構成では、LEDプリントヘッドとスクリュー軸とが独立した状態で、スクリュー軸に螺合したスライダによって清掃部材が移動するため、LEDプリントヘッドの長手方向全体に亘って、すなわち主走査方向に亘ってLEDプリントヘッドに対する清掃部材の当接圧を均一に保つことは困難である。
また、特許文献2や4等の構成では、プリントヘッドの光出射面と像担持体とが確実に離間した状態で清掃部材が移動する信頼性は高いとは言えない。
【0007】
本発明は、このような現状に鑑みてなされたもので、主走査方向に亘ってLEDプリントヘッドに対する清掃部材の当接圧を均一に保つことができる光プリントヘッドの提供を、その主な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明は、複数の発光源を主走査方向に沿ってライン状に配列し、基板面と垂直な方向に光ビームが放射するように前記発光源を実装した基板と、前記複数の発光源から放射した光ビームを像担持体上に結像するレンズアレイと、前記基板と前記レンズアレイとの配置を位置決めするハウジングと、前記レンズアレイの射出面に当接し、主走査方向に沿って移動して清掃する清掃部材と、前記清掃部材を移動させる移動手段と、前記ハウジングと前記清掃部材とを一体的に支持する支持部材と、を有する光プリントヘッドであって、前記清掃部材は、その副走査方向の一端側が、主走査方向と平行な軸周りに回動可能に前記支持部材に支持され、且つ、前記ハウジングに設けた主走査方向に延びる案内部に、副走査方向の他端側が係合され、前記レンズアレイの射出面への当接力を主走査方向に亘って均一に保つことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、レンズアレイの射出面へ当接する当接力を常に所定に保つことができるので、射出面に付着したトナーや紙粉などを確実に拭き取ることができ、経時まで安定した高品位な画像記録を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る光プリントヘッドを搭載したユニットの分解斜視図である。
【図2】光プリントヘッドの分解斜視図である。
【図3】光プリントヘッドを示す図で、(a)は開口の配列を示す射出側と反対側からの側面図、(b)は開口の配列の他例を示す側面図、(c)は副走査方向の断面図である。
【図4】制御ブロック図である。
【図5】清掃部材の要部を示す図で、(a)は退避部の主走査平面での断面図、(b)は退避部の他例の断面図、(c)は副走査平面での断面図である。
【図6】画像形成装置本体の側板構成を示す斜視図である。
【図7】感光体ドラムの支持構成を示す斜視図である。
【図8】第2の実施形態に係る光プリントヘッドを搭載したユニットの分解斜視図である。
【図9】第3の実施形態に係る光プリントヘッドの分解斜視図である。
【図10】同副走査平面での断面図である。
【図11】第4の実施形態に係る画像形成装置での光プリントヘッドの傾き調整の原理を説明するための図である。
【図12】同画像形成装置の概要構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態を図を参照して説明する。
まず、図1乃至図7に基づいて第1の実施形態(光プリントヘッド)を説明する。
図1は発光源を実装する基板を、プリント基板面に垂直となるよう配置した光プリントヘッドの実施例を示している。図2は発光源を実装する有機EL基板100とロッドレンズアレイ105とを保持するハウジング106の斜視図を示す。図3はその主走査方向に直交する断面図を示す。
ここでは、有機EL素子を発光源として主走査方向(感光体ドラムの回転軸方向)に配列した光プリントヘッドの例を説明する。LEDアレイを発光源とする固体走査方式でも同様である。
【0012】
有機EL基板100は、基体となる電極配線がパターンニングされたガラス基板101と、有機機能層102と、封止ガラス103とを備えている(図3(c)参照)。
ガラス基板101に形成された電極配線パターンのうち有機機能層102が形成される部分に開口104を形成しており、有機機能層102からの光ビームが下方(図3(c)において右方)に射出され、ガラス基板101を透過して実装面とは反対面から射出するように、有機機能層102を積層したボトムエミッション方式としている。
開口104および有機機能層102は、主走査方向に相応する画素数に対応して形成され、1200dpiに相当する隣接ドットピッチp=21μm間隔で、A3幅(297mm)では約14,000個、A4幅(216mm)では約10,200個配列される。
【0013】
図3(a)は1列に配列した例、図3(b)は副走査方向(図面上上下方向)に所定間隔ずらして千鳥に配列した例である。千鳥に配列することで、隣接する間隔を広くでき、開口径を大きくとることができる。
有機機能層102の発光面から放射した拡散光は、像担持体としての感光体401の面上にロッドレンズアレイ105により微少なスポットに結像するが、感光体面上には等倍で、発光面が投影されるため、全ての画素で発光面の大きさが揃っていないと、画像上、濃度むらとなる。そのため、実施例では、全ての画素でスポット径が揃うように、開口104によって光束径を規定している。
ロッドレンズアレイ105は、半径方向に2次曲線分布状の屈折率分布を有する円柱状の屈折率分布型ロッドレンズを2列千鳥配列状に束ねたものである(図1、図2参照)。
【0014】
本実施形態では、屈折率分布型のレンズを用いているが、球面又は非球面のレンズをアレイ状に配列したレンズアレイ等を用いても同様である。
ガラス基板101とロッドレンズアレイ105とは、図3に示すように、有機機能層102の発光面と感光体面とが共役関係となるように、ガラス基板101の射出面とロッドレンズアレイ105の入射面とがスペーサ部106aに当接して対向し、位置決めされるように、枠状に形成したハウジング106に嵌め込み、一体的に保持される。
有機EL素子を駆動するためのスイッチング用TFTは、各画素に対応して一つずつ設けられ、プリント基板107に実装した駆動IC108に集積化されており、あらかじめ設定された光量補正データに基づいて有機EL素子に印加する電流を制御することで、開口104から放射される光ビームの光量が、各画素で均一となるようにしている。
【0015】
図4に示すように、プリント基板107には、画像データをライン毎に展開し一時的に保存するラインバッファを備え、後述する位置ずれ検出センサからのドット位置ずれデータに応じて、ラインバッファから読み出された各画素の書込データの副走査方向における発光タイミングを制御することで、感光体上における画素配列の傾きや曲がりを補正する書込制御回路が実装される。
ハウジング106は、プリント基板107上に、ガラス基板101の射出面が垂直に立設するように、言い換えれば、有機EL素子の放射方向が、プリント基板107面と平行となるように装着され、ガラス基板101の電極配線パターンが接続される。
プリント基板107は、支持部材118に、ロッドレンズアレイ105の光軸と平行な主走査平面に平行な基板下面を接合し、基板両端においてネジ締めやカシメにより固定される。
【0016】
図1に示すように、支持部材118の両端部には切り欠き119が形成され、後述する前後の側板301、302(図6参照)の外側面に立設するガイドピン120に、捻りスプリング121を挿入し、捻りスプリング121の一端を切り欠き119に係合し、もう他端を側板301、302の外側面に立設した突起122に係合している。
このようにすることで、図1に矢印Aで示すように、支持部材118及びプリント基板107が感光体側に常に押し付けられるようにし、感光体ドラムを軸支する面板502(図3、図7参照)にハウジングの、感光体軸方向両端部に設けられた凸部としての当接面112が突き当たるようにしている。
前記したように、ロッドレンズアレイ105の射出面には、感光体ドラムや現像ローラーの回転によって飛散したトナーや紙粉が付着するため、経時的に安定した露光光量を維持するには、定期的に射出面を清掃してやる必要がある。
【0017】
清掃部材128は、図1や図5(c)に示すように、板金で成形された本体枠129に、ロッドレンズアレイ105の射出面を拭き取るフェルトなどの不織布からなるパッド131が貼り付けられた構造をなす。
本体枠129の副走査方向の一端側にはフランジ部130が形成され、支持部材118の両端に設けられた軸受139に主走査方向に亘って支持されたスクリュー軸136に螺合され、スクリュー軸136の回転に伴って清掃部材128は主走査方向に移動する。
本体枠129の他端側(自由端側)にはハウジング106に主走査方向に沿って形成された案内部としての突起133に係合する屈曲部132が設けられている。本体枠129はスクリュー軸136を軸として回転してロッドレンズアレイ105を囲むように嵌め付けられ、板金の弾性により不織布131はロッドレンズアレイ105の射出面に所定の当接力で当接する。実施例では不織布131の厚さにもよるが、当接力は数十gに設定している。
【0018】
前記したように、当接力が弱いと十分な拭き取り効果が得られず、逆に当接力が強いと清掃部材128が滑らかに移動せず、拭きむらがでてしまうばかりか、レンズアレイの射出面を傷つけてしまうこともあるため、主走査方向に亘って安定的に保つことが必要となる。
ロッドレンズアレイ105を位置決めするハウジング106に設けられた突起133に係合して、清掃部材128を案内することで、清掃部材128が組み付けられた支持部材118に、光プリントヘッドを装着しても、所定の当接力を保持することができる。
図1に示すように、支持部材118にはパルスモータ138が支持され、スクリュー軸136に固定されたギア137を介してスクリュー軸136を回転駆動し、清掃部材128を所定のタイミングで移動させ、ロッドレンズアレイ105の射出面を拭き取る。
スクリュー軸136、ギア137、パルスモータ138、軸受139は、清掃部材128を移動させる移動手段を構成している。
【0019】
本実施形態では、電源投入時と、後述する転写ベルト上に転写されたトナー付着量を検出し画像濃度を調整するプロセスコントロール実行前に、ロッドレンズアレイ105の射出面の清掃を実行している。
縦筋など露光むらによる異常画像発生時には、強制的に清掃を実行することもできる。
【0020】
清掃部材がレンズアレイの射出面との間隔を保ったまま移動し、レンズアレイの射出面へ当接する当接力を常に所定に保つことができるので、射出面に付着したトナーや紙粉などを確実に拭き取ることができ、経時まで安定した高品位な画像記録を行うことができる。
また、清掃部材をハウジングに対し容易に取り付け、取り外しできる構成としたので、清掃部材とその移動手段とを装着した支持部材に対する光プリントヘッド本体の着脱に際して、清掃部材が支障になることもなく、清掃部材を組み付けたまま、光プリントヘッド本体の交換が可能であり、交換の前後で、清掃部材がレンズアレイの射出面へ当接する当接力を所定に保つことができる。
【0021】
図5はハウジング106の主走査方向の両端に設けた清掃部材128の退避部を示す。
図2に示すように、ハウジング106の主走査方向の両端には、ロッドレンズアレイ105の射出面に不織布131を案内するリブ135と清掃時以外に射出面への当接を解除し清掃部材128を退避させておく退避部150を設けている。
退避部150にはゴム材(図5(a)参照)や繊維を束ねた植毛材(図5(b)参照)などからなる掻取ブラシ134が配備され、ロッドレンズアレイ105の射出面に当接され、移動してきた清掃部材128のパッド131の繊維に絡まったトナーや紙粉を掻き取る。掻取ブラシ134はハウジング106と一体的に成形してもよい。
【0022】
清掃部材としては前記したようにフェルトなどの不織布からなるパッドが用いられるが、拭き取ったトナーや紙粉などが繊維中に付着したまま再度レンズアレイの射出面を拭き取ると、かえって射出面を汚してしまうことがある。
しかも、トナーはワックスを含有していることで長時間放置しておくと固着してしまい、パッドの弾性が低下して拭き取り能力を劣化させる。特に、射出面に当接した状態のままパッドが圧縮された状態で放置すると、さらに拭き取り能力を劣化させてしまう。
そこで、本願では、光プリントヘッドの主走査方向の一端または両端に、清掃部材が射出面に当接しない退避領域を設け、清掃部材に付着したトナーや紙粉などを掻き落とす掻取部材を備えた。
これにより、清掃部材を常に清潔に保ち、射出面に付着したトナーや紙粉などを確実に拭き取り、経時まで安定した高品位な画像記録を行うことができる。
【0023】
本実施形態では、掻取ブラシ134を導電性とし、所定の電圧を印加している。例えば、トナーが持つ電荷とは反転した電位、実施例では、トナーが+帯電なので、−電位となるように電圧を印加してやれば、静電力により吸着することができる。
また、電圧の正負を所定の周波数で切り換える、あるいは交流電圧を印加することにより、繊維に絡まったトナーや紙粉などに静電力を作用させ、微動させることで解離し易くし、パッド131から効率的に回収できるようにしている。
電圧の正負を切り換える周波数は、清掃部材128の移動速度にもよるが、数十Hz程度でよい。
【0024】
トナーや紙粉などは帯電していることで、静電力が加わってパッドの繊維に絡まっており、容易に解離しない。
そこで、掻取部材に導電性をもたせ、帯電電位に応じて正乃至は負の電圧或いは電圧の正負を切り換えた。
これにより、帯電したトナーや紙粉を繊維から解離し易くし、掻き落とす能力を向上することで、清掃部材を常に清潔に保ち、射出面に付着したトナーや紙粉などを確実に拭き取り、経時まで安定した高品位な画像記録を行うことができる。
【0025】
図7は、感光体401を支持する機構を示す。感光体の回転軸は一対の面板502、503によって支持しており、前記したように支持部材118が感光体側に常に押し付けられるように付勢することにより、プリント基板面110と平行な面、言い換えれば、ロッドレンズアレイ105の光軸と平行な面上で、副走査方向が位置決めされた状態を保って、ハウジング106の当接面112を面板502、503の一部に、矢印方向に突き当てて感光体面との配置を保っている(図3(c)参照)。
図6に示すように、画像形成装置本体の構造体フレームは底板303と、底板303に立設される側板301、302とにより構成され、光プリントヘッドを装着した支持部材118は、側板301、302を架橋して支持される。
側板301、302には支持部材118の各端を貫通して位置決めを行う矩形穴304、305が形成されている。
本実施形態では、各色に対応した複数の光プリントヘッドの位置決めを行う矩形穴304、305を側板301、302に設けることで、相対的な配置関係を保っている。
【0026】
図1に示すように、手前側の側板301の矩形穴304には、調節ネジ113を螺合するネジ穴が形成された折曲げ部114を配し、調節ネジ113の先端を支持部材118上面に当接する部位を副走査方向に可変としている。
コイルスプリング115は矩形穴304の突起116に係合され、支持部材118を下側から付勢して、調節ネジ113の先端に突き当たるようにしている。
一方、奥側の側板302の矩形穴305には、支持部材118上面に2点で当接する突起117が形成され、同様に、圧縮スプリング115により下側から付勢している。
調節ネジ113の突き出し量を調節することで、光プリントヘッドは副走査方向に傾けられ、複数の光プリントヘッドにより各々感光体ドラムに形成されたライン間の傾きのずれを補正できる。この詳細は後述する。
【0027】
図8に基づいて第2の実施形態を説明する。なお上記実施形態と同一部分は同一符号で示し、特に必要がない限り既にした構成上及び機能上の説明は省略して要部のみ説明する。
本実施形態では、レンズアレイの射出面と感光体面とを所定間隔に位置決めする第1の状態と、突当部の付勢を解除し、レンズアレイの射出面を感光体ドラムから退避する第2の状態と、を切り換える切換手段を設け、第2の状態への切り換えをもって清掃部材の移動を可能とした。
これにより、清掃時には感光体面からレンズアレイの射出面を確実に離間させ、繰り返し離間させても、清掃部材のレンズアレイの射出面への当接力を常に所定に保ち、射出面に付着したトナーや紙粉などを確実に拭き取って、経時まで安定した高品位な画像記録を行うことができる。
【0028】
具体的には、感光体ドラムを軸支する面板502への突き当てを解除し、退避できるようにした構成を特徴としている。
有機EL基板100とロッドレンズアレイ105とを一体的に支持するハウジング106の構成、及びプリント基板107への装着については、第1の実施形態と同様である。
第1の実施形態では、前後の側板301、302に立設するガイドピン120に、捻りスプリング121を挿入していたが、本実施形態ではガイドピン120を側板301、302の外側面に配置される切換手段としての切換レバー140、141に形成している。
切換レバー140、141は、前後の側板301、302に形成された嵌合穴143に、側板301、302の外側からフランジ部140aを挿入し、連結シャフト142で連結され、連動して矢印方向に回転する。
【0029】
ガイドピン120は、捻りスプリング121を挿入して前後の側板301、302に形成された円弧溝144に先端が係合され、切換レバー140の右回転に伴って、前記円弧溝144に沿ってガイドピン120が移動し、捻りスプリング121による支持部材118への付勢が解除される。
この際、支持部材118の切り欠き119に係合された捻りスプリング121の移動に連れて、支持部材118は、ロッドレンズアレイ105の光軸と平行な主走査平面に沿って感光体面から遠ざかる方向(図1の矢印Aと反対方向)に退避する。
切換レバー140には後述する摘み部145を係止するストッパ部148が設けられ、切換レバー140により支持部材118を感光体ドラムから退避させないと、摘み部145を引き出せない構成としている。
言い換えれば、支持部材118を感光体ドラムから退避させることをもって清掃部材128が移動可能となる。
【0030】
本実施形態では、清掃部材128は手動で移動させる構成としている。
清掃部材128は、第1の実施形態と同様、本体枠の副走査方向の一端にはフランジ部130が形成され、支持部材118に設けられた軸受147に主走査方向に亘って支持されたシャフト軸146にフランジ部130を介して固定されており、前記切換レバー140によりストッパ部148を矢印方向に下げ、摘み部145の係止を解除して、摘み部145を手前側に引っ張ることで清掃部材128を主走査方向に移動させる。
摘み部145、シャフト軸146、軸受147は本実施形態における移動手段を構成している。
収納時には、摘み部145がストッパ部148にかかる位置まで奥側に押し込まれると、切換レバー140が反矢印方向に回転できるようになり、捻りスプリング121の支持部材118への付勢が復帰して、感光体ドラムを軸支する面板502にハウジングの当接面112が突き当たる。
清掃部材128の副走査方向の他端はハウジング106に主走査方向に沿って形成された突起133に係合する屈曲部132が設けられ、板金の弾性によりパッド131をロッドレンズアレイ105の射出面に所定の当接力で当接する。
【0031】
前記した切換レバー140を第1の実施例に適用してもよい。切換レバー140のセット状態、或いは支持部材118が感光体ドラムから退避したことを検出してパルスモータ138への電源供給を可能にするなどのシーケンス制御とすることで、同様に適用できる。
【0032】
前記第2の状態への切り換えにより清掃部材の移動を可能とすることにより、感光体ドラムあるいは感光体ドラムを支持する部材への突き当てを一旦解除し、ハウジングに備えた突当部112を退避させることができるので、清掃部材の移動範囲が突当部の内側に制限されることがなく、清掃時以外は清掃部材を突当部の外側に退避させておくことができる。
これにより、清掃部材の退避に伴って、突当部を突き当てる感光体ドラムの回転軸を支持する一対の面板502、503の間隔を広げる必要がなく、最適に配置できる。
しかも、前記面板の外側に清掃部材を退避しておくことで、感光体ドラムや現像ローラの回転によって飛散したトナーの清掃部材への付着を最小限に抑えることもできる。
また、前記第2の状態への切り換えをもって清掃部材が移動可能となるので、誤作業などにより突当部を突き当てたまま清掃部材を移動させることがない。
さらに、清掃部材は、光プリントヘッドに装着された状態を保ったまま、感光体と接離できるようにしたので、繰り返し接離したとしても、清掃部材をレンズアレイの射出面へ当接する当接力を常に所定に保つことができ、射出面に付着したトナーや紙粉などを確実に拭き取ることができ、経時まで安定した高品位な画像記録を行うことができる。
【0033】
図9及び図10に基づいて第3の実施形態を説明する。
本実施形態では、発光源を実装する基板を、プリント基板面に平行となるよう配置した構成を特徴とする。図10は主走査方向に直交する断面図を示す。図9は発光源を実装する有機EL基板200とロッドレンズアレイ207とを保持するハウジング205の斜視図を示す。
有機EL基板200は、第1の実施形態と同様、基体となる電極配線がパターンニングされたガラス基板201と、有機機能層202と、封止ガラス203とを備えている。
有機EL基板200は、プリント基板204の上面に、ガラス基板201の電極配線がパターンニングされた発光源の実装面を下向きにして装着される。
本実施形態では、プリズムミラー206の射出面をロッドレンズアレイ207の入射面に、また、プリズムミラー206の入射面を有機EL基板200の射出面に直接、接合している。
【0034】
有機EL基板200は、プリント基板204の上面に、ガラス基板201の電極配線がパターンニングされた発光源の実装面を接合して装着され、その上部を覆うように、プリント基板204の上面に、ハウジング205が装着される。
ハウジング205には、有機機能層202から放射された光ビームをプリント基板204の面と平行方向に折り曲げるプリズムミラー206とロッドレンズアレイ207とを位置決めし、一体的に保持しており、有機機能層202から放射された光ビームはプリズムミラー206の斜面で折り曲げられて、ロッドレンズアレイ207に入射する。
斜面での光路の折り曲げを介しているが、有機機能層202の発光面と感光体面とが共役関係となるように、各々の配置が位置決めされており、第1又は第2の実施形態と同様に、プリント基板204が感光体側に常に押し付けられるように付勢している。
これにより、プリント基板204の面と平行な面に沿って、副走査方向が位置決めされた状態で、ハウジング205の当接面208を面板502、503の一部に突き当てて感光体面との配置を保っている。
【0035】
図11及び図12に基づいて第4の実施形態を説明する。
図12は各色に対応した複数の光プリントヘッドを備えるタンデム方式のカラー画像形成装置の実施例である。光プリントヘッドの構成は前記した第1乃至は第4の実施形態と同様であり、画像形成装置本体の構造体フレームの側板301、302間に渡して、光プリントヘッドを装着した支持部材118が支持される。
各色に対応した感光体ドラム401は、中間転写ベルト405の移動方向に沿って配置されている。
感光体ドラム401の周囲には、感光体面を帯電する帯電ローラ402、光プリントヘッド400により露光され、形成された潜像にトナーを付着し、顕像化する現像装置403、転写後の感光体上の残トナーを掻き取るクリーニング装置404が配置されている。
【0036】
各色とも構成は同様で、各々画像情報に応じて形成されたイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのトナー像が順次、中間転写ベルト上405で重ね合わされてカラー画像が形成される。
記録紙は用紙カセット406より供給され、搬送路407に沿って搬送される。2次転写ローラ410により中間転写ベルト405から記録紙に画像が転写され、転写後の記録紙は定着装置408によりトナーを定着されて、排紙される。
位置ずれ検出センサ409は、中間転写ベルト上405で重ね合わされた各色トナー像の位置ずれを画像中央と前側、奥側の3点で検出し、ベルト搬送方向、いわゆる副走査方向における画素配列の傾きや曲がりを、前記したように、各画素の書込データの副走査方向における発光タイミングを制御することで補正する。
【0037】
ところで、タンデム方式のカラー画像形成装置においては、独立した光プリントヘッドを、各色に応じて複数使用することになるため、製造誤差により各々の有機EL基板に、隣接ドットピッチpのばらつきがあると、主走査方向における全幅Lが異なる。
図11に示すように、理想的な隣接ドットピッチp0、全幅をL0とすると、例えば、隣接ドットピッチpが、0.1%ずれるだけで、A3幅に相当する全幅の誤差ΔLは300μmにもなる。これは、各色トナー像の位置ずれとしては目視で判別できるレベルであり、画像品質の劣化に繋がる。
そのため、位置ずれを目視で判別できないレベルである50μm以下にするため、本実施形態では、前記した光プリントヘッドを装着した支持部材118に備えた調節ネジ113の突き出し量を調節することで、光プリントヘッドを副走査方向にθだけ感光体ドラムの回転方向とは逆向きである上流側に傾け、主走査ライン上に投影された隣接ドットピッチが理想的な隣接ドットピッチp0となるようにしている。
【0038】
一方で、光プリントヘッドを傾かせることによって、副走査方向に画素配列のずれが生じるが、前記した各画素の発光タイミングを順次遅延することによって、主走査ライン上に揃うように、ドット位置を補正することができる。
例えば、θだけ傾けたことによる最終端の画素の副走査方向のずれは、
(L+ΔL)sinθであるから、始端の画素に対して、(L+ΔL)sinθ/vだけ発光タイミングをディレイしてやればよい。ここで、vは中間転写ベルトの搬送速度である。
任意のn番目の画素についても同様に発光タイミングのディレイ量を設定してやればよい。
前記したように、清掃部材128は支持部材118に一体的に支持されており、光プリントヘッドを副走査方向へ傾き調整したとしても、ロッドレンズアレイ105の射出面への当接力は所定に保たれたままである。
【符号の説明】
【0039】
100 基板としての有機EL基板
105 レンズアレイ
106 ハウジング
118 支持部材
128 清掃部材
133 案内部としての突起
134 掻取部材
400 光プリントヘッド
401 像担持体としての感光体ドラム
403 現像手段
【先行技術文献】
【特許文献】
【0040】
【特許文献1】特開2011‐025631号公報
【特許文献2】特開2007‐072321号公報
【特許文献3】特開2000‐206854号公報
【特許文献4】特開2001‐175046号公報
【技術分野】
【0001】
本発明は、光プリントヘッド、該光プリントヘッドを有する光走査装置、該光走査装置を具備した複写機、プリンタ、ファクシミリ、プロッタ、これらのうち少なくとも1つを備えた複合機等の画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
LEDアレイや有機ELアレイ等を発光源とする固体書込方式の光プリントヘッドでは、レンズアレイの作動距離が短く、射出面と感光体ドラム面との離間距離が2〜3mmという極近接した状態で配置される。
このため、感光体ドラム上に付着した残トナーや紙粉、現像ローラで撒き上げられたトナーなどが回転に伴って飛散し、レンズアレイの射出面に付着する。
これらの付着物をそのままにしておくと、感光体ドラム上を露光する光ビームが蹴られ、光量がダウンして、画像濃度の低下や濃度むら(縦筋)となって画像劣化の要因となる。
【0003】
従来、光プリントヘッドは、発光源を実装した基板とレンズアレイと、これらの配置を調整して保持するハウジングとからなる光プリントヘッド本体と、該光プリントヘッド本体を画像形成装置の構造体に装着する支持部材とから構成されている。
レンズアレイの射出面に清掃部材を当接し、その状態で清掃部材を移動手段により主走査方向に沿って移動させる構成を前記支持部材に備えている。
清掃部材のパッドとしては動物の毛などをシート状に圧縮したフェルトなど不織布が多く用いられるが、当接力が弱いと十分な拭き取り効果が得られず、逆に当接力が強いと清掃部材が滑らかに移動せず拭きむらがでてしまうばかりか、レンズアレイの射出面を傷つけてしまうこともある。
そのため、主走査方向(移動方向)に沿って、所定の当接力を均一に保つことが求められる。
【0004】
また、LEDアレイや有機ELアレイ等を発光源とする固体書込方式の光プリントヘッドでは、レンズアレイの焦点深度が浅く、感光体ドラム面との離間距離を±0.1mm以下の高精度で配置しないと、感光体ドラム上のビームスポットがぼけてしまう。このため、光プリントヘッドは、レンズアレイの射出面が感光体面と所定間隔をもって配置するように、感光体ドラムあるいは感光体ドラムを支持する部材に突き当てる突当部を主走査方向の両端に備えて位置決めを行っている。
そのため、清掃部材を配備する場合、その移動範囲は、突当部の内側に制限される。従って、突当部の配置によってはプリント時に清掃部材を退避させておくスペースがとれない。
突当部の外側に清掃部材を退避させておけばよいが、その場合、感光体ドラムあるいは感光体ドラムを支持する部材への突き当てを一旦解除し、突当部を退避させなければならない。
感光体ドラム保持部材などの構造上、清掃部材の主走査方向の移動に支障がある場合も同様で、感光体面からレンズアレイの射出面を離間した状態で清掃を行う必要がある。
【0005】
特許文献1には、LEDプリントヘッドの光出射面を清掃する清掃部材を像担持体と光出射面との間に挟み込んだ状態で、スクリュー軸とこれに螺合するスライダを含んで構成される駆動機構によってLEDプリントヘッドの長手方向に沿って往復動させる構成が開示されている。
特許文献2には、LEDプリントヘッドの光出射面を清掃する清掃部材をLEDプリントヘッドの一方の端の外側で、且つ、光射出面から高さ方向に離間した退避位置から移動させて光射出面に当接させ、光射出面に沿って移動案内する案内手段を備える構成が開示されている。
特許文献3には、画像形成手段の少なくともいずれかを備えたカートリッジが装置本体に対して脱着可能に設けられており、LEDプリントヘッドの光出射面を清掃する清掃部材がカートリッジに一体に設けられて、カートリッジの脱着に伴って光出射面に接触して清掃する構成が開示されている。
特許文献4には、LEDアレイヘッドが、像担持体と一定の距離に位置決めされる第1の位置と、像担持体から離れる方向に第1の位置から退避した第2の位置とに移動可能に設けられる構成が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1の構成では、LEDプリントヘッドとスクリュー軸とが独立した状態で、スクリュー軸に螺合したスライダによって清掃部材が移動するため、LEDプリントヘッドの長手方向全体に亘って、すなわち主走査方向に亘ってLEDプリントヘッドに対する清掃部材の当接圧を均一に保つことは困難である。
また、特許文献2や4等の構成では、プリントヘッドの光出射面と像担持体とが確実に離間した状態で清掃部材が移動する信頼性は高いとは言えない。
【0007】
本発明は、このような現状に鑑みてなされたもので、主走査方向に亘ってLEDプリントヘッドに対する清掃部材の当接圧を均一に保つことができる光プリントヘッドの提供を、その主な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明は、複数の発光源を主走査方向に沿ってライン状に配列し、基板面と垂直な方向に光ビームが放射するように前記発光源を実装した基板と、前記複数の発光源から放射した光ビームを像担持体上に結像するレンズアレイと、前記基板と前記レンズアレイとの配置を位置決めするハウジングと、前記レンズアレイの射出面に当接し、主走査方向に沿って移動して清掃する清掃部材と、前記清掃部材を移動させる移動手段と、前記ハウジングと前記清掃部材とを一体的に支持する支持部材と、を有する光プリントヘッドであって、前記清掃部材は、その副走査方向の一端側が、主走査方向と平行な軸周りに回動可能に前記支持部材に支持され、且つ、前記ハウジングに設けた主走査方向に延びる案内部に、副走査方向の他端側が係合され、前記レンズアレイの射出面への当接力を主走査方向に亘って均一に保つことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、レンズアレイの射出面へ当接する当接力を常に所定に保つことができるので、射出面に付着したトナーや紙粉などを確実に拭き取ることができ、経時まで安定した高品位な画像記録を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る光プリントヘッドを搭載したユニットの分解斜視図である。
【図2】光プリントヘッドの分解斜視図である。
【図3】光プリントヘッドを示す図で、(a)は開口の配列を示す射出側と反対側からの側面図、(b)は開口の配列の他例を示す側面図、(c)は副走査方向の断面図である。
【図4】制御ブロック図である。
【図5】清掃部材の要部を示す図で、(a)は退避部の主走査平面での断面図、(b)は退避部の他例の断面図、(c)は副走査平面での断面図である。
【図6】画像形成装置本体の側板構成を示す斜視図である。
【図7】感光体ドラムの支持構成を示す斜視図である。
【図8】第2の実施形態に係る光プリントヘッドを搭載したユニットの分解斜視図である。
【図9】第3の実施形態に係る光プリントヘッドの分解斜視図である。
【図10】同副走査平面での断面図である。
【図11】第4の実施形態に係る画像形成装置での光プリントヘッドの傾き調整の原理を説明するための図である。
【図12】同画像形成装置の概要構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態を図を参照して説明する。
まず、図1乃至図7に基づいて第1の実施形態(光プリントヘッド)を説明する。
図1は発光源を実装する基板を、プリント基板面に垂直となるよう配置した光プリントヘッドの実施例を示している。図2は発光源を実装する有機EL基板100とロッドレンズアレイ105とを保持するハウジング106の斜視図を示す。図3はその主走査方向に直交する断面図を示す。
ここでは、有機EL素子を発光源として主走査方向(感光体ドラムの回転軸方向)に配列した光プリントヘッドの例を説明する。LEDアレイを発光源とする固体走査方式でも同様である。
【0012】
有機EL基板100は、基体となる電極配線がパターンニングされたガラス基板101と、有機機能層102と、封止ガラス103とを備えている(図3(c)参照)。
ガラス基板101に形成された電極配線パターンのうち有機機能層102が形成される部分に開口104を形成しており、有機機能層102からの光ビームが下方(図3(c)において右方)に射出され、ガラス基板101を透過して実装面とは反対面から射出するように、有機機能層102を積層したボトムエミッション方式としている。
開口104および有機機能層102は、主走査方向に相応する画素数に対応して形成され、1200dpiに相当する隣接ドットピッチp=21μm間隔で、A3幅(297mm)では約14,000個、A4幅(216mm)では約10,200個配列される。
【0013】
図3(a)は1列に配列した例、図3(b)は副走査方向(図面上上下方向)に所定間隔ずらして千鳥に配列した例である。千鳥に配列することで、隣接する間隔を広くでき、開口径を大きくとることができる。
有機機能層102の発光面から放射した拡散光は、像担持体としての感光体401の面上にロッドレンズアレイ105により微少なスポットに結像するが、感光体面上には等倍で、発光面が投影されるため、全ての画素で発光面の大きさが揃っていないと、画像上、濃度むらとなる。そのため、実施例では、全ての画素でスポット径が揃うように、開口104によって光束径を規定している。
ロッドレンズアレイ105は、半径方向に2次曲線分布状の屈折率分布を有する円柱状の屈折率分布型ロッドレンズを2列千鳥配列状に束ねたものである(図1、図2参照)。
【0014】
本実施形態では、屈折率分布型のレンズを用いているが、球面又は非球面のレンズをアレイ状に配列したレンズアレイ等を用いても同様である。
ガラス基板101とロッドレンズアレイ105とは、図3に示すように、有機機能層102の発光面と感光体面とが共役関係となるように、ガラス基板101の射出面とロッドレンズアレイ105の入射面とがスペーサ部106aに当接して対向し、位置決めされるように、枠状に形成したハウジング106に嵌め込み、一体的に保持される。
有機EL素子を駆動するためのスイッチング用TFTは、各画素に対応して一つずつ設けられ、プリント基板107に実装した駆動IC108に集積化されており、あらかじめ設定された光量補正データに基づいて有機EL素子に印加する電流を制御することで、開口104から放射される光ビームの光量が、各画素で均一となるようにしている。
【0015】
図4に示すように、プリント基板107には、画像データをライン毎に展開し一時的に保存するラインバッファを備え、後述する位置ずれ検出センサからのドット位置ずれデータに応じて、ラインバッファから読み出された各画素の書込データの副走査方向における発光タイミングを制御することで、感光体上における画素配列の傾きや曲がりを補正する書込制御回路が実装される。
ハウジング106は、プリント基板107上に、ガラス基板101の射出面が垂直に立設するように、言い換えれば、有機EL素子の放射方向が、プリント基板107面と平行となるように装着され、ガラス基板101の電極配線パターンが接続される。
プリント基板107は、支持部材118に、ロッドレンズアレイ105の光軸と平行な主走査平面に平行な基板下面を接合し、基板両端においてネジ締めやカシメにより固定される。
【0016】
図1に示すように、支持部材118の両端部には切り欠き119が形成され、後述する前後の側板301、302(図6参照)の外側面に立設するガイドピン120に、捻りスプリング121を挿入し、捻りスプリング121の一端を切り欠き119に係合し、もう他端を側板301、302の外側面に立設した突起122に係合している。
このようにすることで、図1に矢印Aで示すように、支持部材118及びプリント基板107が感光体側に常に押し付けられるようにし、感光体ドラムを軸支する面板502(図3、図7参照)にハウジングの、感光体軸方向両端部に設けられた凸部としての当接面112が突き当たるようにしている。
前記したように、ロッドレンズアレイ105の射出面には、感光体ドラムや現像ローラーの回転によって飛散したトナーや紙粉が付着するため、経時的に安定した露光光量を維持するには、定期的に射出面を清掃してやる必要がある。
【0017】
清掃部材128は、図1や図5(c)に示すように、板金で成形された本体枠129に、ロッドレンズアレイ105の射出面を拭き取るフェルトなどの不織布からなるパッド131が貼り付けられた構造をなす。
本体枠129の副走査方向の一端側にはフランジ部130が形成され、支持部材118の両端に設けられた軸受139に主走査方向に亘って支持されたスクリュー軸136に螺合され、スクリュー軸136の回転に伴って清掃部材128は主走査方向に移動する。
本体枠129の他端側(自由端側)にはハウジング106に主走査方向に沿って形成された案内部としての突起133に係合する屈曲部132が設けられている。本体枠129はスクリュー軸136を軸として回転してロッドレンズアレイ105を囲むように嵌め付けられ、板金の弾性により不織布131はロッドレンズアレイ105の射出面に所定の当接力で当接する。実施例では不織布131の厚さにもよるが、当接力は数十gに設定している。
【0018】
前記したように、当接力が弱いと十分な拭き取り効果が得られず、逆に当接力が強いと清掃部材128が滑らかに移動せず、拭きむらがでてしまうばかりか、レンズアレイの射出面を傷つけてしまうこともあるため、主走査方向に亘って安定的に保つことが必要となる。
ロッドレンズアレイ105を位置決めするハウジング106に設けられた突起133に係合して、清掃部材128を案内することで、清掃部材128が組み付けられた支持部材118に、光プリントヘッドを装着しても、所定の当接力を保持することができる。
図1に示すように、支持部材118にはパルスモータ138が支持され、スクリュー軸136に固定されたギア137を介してスクリュー軸136を回転駆動し、清掃部材128を所定のタイミングで移動させ、ロッドレンズアレイ105の射出面を拭き取る。
スクリュー軸136、ギア137、パルスモータ138、軸受139は、清掃部材128を移動させる移動手段を構成している。
【0019】
本実施形態では、電源投入時と、後述する転写ベルト上に転写されたトナー付着量を検出し画像濃度を調整するプロセスコントロール実行前に、ロッドレンズアレイ105の射出面の清掃を実行している。
縦筋など露光むらによる異常画像発生時には、強制的に清掃を実行することもできる。
【0020】
清掃部材がレンズアレイの射出面との間隔を保ったまま移動し、レンズアレイの射出面へ当接する当接力を常に所定に保つことができるので、射出面に付着したトナーや紙粉などを確実に拭き取ることができ、経時まで安定した高品位な画像記録を行うことができる。
また、清掃部材をハウジングに対し容易に取り付け、取り外しできる構成としたので、清掃部材とその移動手段とを装着した支持部材に対する光プリントヘッド本体の着脱に際して、清掃部材が支障になることもなく、清掃部材を組み付けたまま、光プリントヘッド本体の交換が可能であり、交換の前後で、清掃部材がレンズアレイの射出面へ当接する当接力を所定に保つことができる。
【0021】
図5はハウジング106の主走査方向の両端に設けた清掃部材128の退避部を示す。
図2に示すように、ハウジング106の主走査方向の両端には、ロッドレンズアレイ105の射出面に不織布131を案内するリブ135と清掃時以外に射出面への当接を解除し清掃部材128を退避させておく退避部150を設けている。
退避部150にはゴム材(図5(a)参照)や繊維を束ねた植毛材(図5(b)参照)などからなる掻取ブラシ134が配備され、ロッドレンズアレイ105の射出面に当接され、移動してきた清掃部材128のパッド131の繊維に絡まったトナーや紙粉を掻き取る。掻取ブラシ134はハウジング106と一体的に成形してもよい。
【0022】
清掃部材としては前記したようにフェルトなどの不織布からなるパッドが用いられるが、拭き取ったトナーや紙粉などが繊維中に付着したまま再度レンズアレイの射出面を拭き取ると、かえって射出面を汚してしまうことがある。
しかも、トナーはワックスを含有していることで長時間放置しておくと固着してしまい、パッドの弾性が低下して拭き取り能力を劣化させる。特に、射出面に当接した状態のままパッドが圧縮された状態で放置すると、さらに拭き取り能力を劣化させてしまう。
そこで、本願では、光プリントヘッドの主走査方向の一端または両端に、清掃部材が射出面に当接しない退避領域を設け、清掃部材に付着したトナーや紙粉などを掻き落とす掻取部材を備えた。
これにより、清掃部材を常に清潔に保ち、射出面に付着したトナーや紙粉などを確実に拭き取り、経時まで安定した高品位な画像記録を行うことができる。
【0023】
本実施形態では、掻取ブラシ134を導電性とし、所定の電圧を印加している。例えば、トナーが持つ電荷とは反転した電位、実施例では、トナーが+帯電なので、−電位となるように電圧を印加してやれば、静電力により吸着することができる。
また、電圧の正負を所定の周波数で切り換える、あるいは交流電圧を印加することにより、繊維に絡まったトナーや紙粉などに静電力を作用させ、微動させることで解離し易くし、パッド131から効率的に回収できるようにしている。
電圧の正負を切り換える周波数は、清掃部材128の移動速度にもよるが、数十Hz程度でよい。
【0024】
トナーや紙粉などは帯電していることで、静電力が加わってパッドの繊維に絡まっており、容易に解離しない。
そこで、掻取部材に導電性をもたせ、帯電電位に応じて正乃至は負の電圧或いは電圧の正負を切り換えた。
これにより、帯電したトナーや紙粉を繊維から解離し易くし、掻き落とす能力を向上することで、清掃部材を常に清潔に保ち、射出面に付着したトナーや紙粉などを確実に拭き取り、経時まで安定した高品位な画像記録を行うことができる。
【0025】
図7は、感光体401を支持する機構を示す。感光体の回転軸は一対の面板502、503によって支持しており、前記したように支持部材118が感光体側に常に押し付けられるように付勢することにより、プリント基板面110と平行な面、言い換えれば、ロッドレンズアレイ105の光軸と平行な面上で、副走査方向が位置決めされた状態を保って、ハウジング106の当接面112を面板502、503の一部に、矢印方向に突き当てて感光体面との配置を保っている(図3(c)参照)。
図6に示すように、画像形成装置本体の構造体フレームは底板303と、底板303に立設される側板301、302とにより構成され、光プリントヘッドを装着した支持部材118は、側板301、302を架橋して支持される。
側板301、302には支持部材118の各端を貫通して位置決めを行う矩形穴304、305が形成されている。
本実施形態では、各色に対応した複数の光プリントヘッドの位置決めを行う矩形穴304、305を側板301、302に設けることで、相対的な配置関係を保っている。
【0026】
図1に示すように、手前側の側板301の矩形穴304には、調節ネジ113を螺合するネジ穴が形成された折曲げ部114を配し、調節ネジ113の先端を支持部材118上面に当接する部位を副走査方向に可変としている。
コイルスプリング115は矩形穴304の突起116に係合され、支持部材118を下側から付勢して、調節ネジ113の先端に突き当たるようにしている。
一方、奥側の側板302の矩形穴305には、支持部材118上面に2点で当接する突起117が形成され、同様に、圧縮スプリング115により下側から付勢している。
調節ネジ113の突き出し量を調節することで、光プリントヘッドは副走査方向に傾けられ、複数の光プリントヘッドにより各々感光体ドラムに形成されたライン間の傾きのずれを補正できる。この詳細は後述する。
【0027】
図8に基づいて第2の実施形態を説明する。なお上記実施形態と同一部分は同一符号で示し、特に必要がない限り既にした構成上及び機能上の説明は省略して要部のみ説明する。
本実施形態では、レンズアレイの射出面と感光体面とを所定間隔に位置決めする第1の状態と、突当部の付勢を解除し、レンズアレイの射出面を感光体ドラムから退避する第2の状態と、を切り換える切換手段を設け、第2の状態への切り換えをもって清掃部材の移動を可能とした。
これにより、清掃時には感光体面からレンズアレイの射出面を確実に離間させ、繰り返し離間させても、清掃部材のレンズアレイの射出面への当接力を常に所定に保ち、射出面に付着したトナーや紙粉などを確実に拭き取って、経時まで安定した高品位な画像記録を行うことができる。
【0028】
具体的には、感光体ドラムを軸支する面板502への突き当てを解除し、退避できるようにした構成を特徴としている。
有機EL基板100とロッドレンズアレイ105とを一体的に支持するハウジング106の構成、及びプリント基板107への装着については、第1の実施形態と同様である。
第1の実施形態では、前後の側板301、302に立設するガイドピン120に、捻りスプリング121を挿入していたが、本実施形態ではガイドピン120を側板301、302の外側面に配置される切換手段としての切換レバー140、141に形成している。
切換レバー140、141は、前後の側板301、302に形成された嵌合穴143に、側板301、302の外側からフランジ部140aを挿入し、連結シャフト142で連結され、連動して矢印方向に回転する。
【0029】
ガイドピン120は、捻りスプリング121を挿入して前後の側板301、302に形成された円弧溝144に先端が係合され、切換レバー140の右回転に伴って、前記円弧溝144に沿ってガイドピン120が移動し、捻りスプリング121による支持部材118への付勢が解除される。
この際、支持部材118の切り欠き119に係合された捻りスプリング121の移動に連れて、支持部材118は、ロッドレンズアレイ105の光軸と平行な主走査平面に沿って感光体面から遠ざかる方向(図1の矢印Aと反対方向)に退避する。
切換レバー140には後述する摘み部145を係止するストッパ部148が設けられ、切換レバー140により支持部材118を感光体ドラムから退避させないと、摘み部145を引き出せない構成としている。
言い換えれば、支持部材118を感光体ドラムから退避させることをもって清掃部材128が移動可能となる。
【0030】
本実施形態では、清掃部材128は手動で移動させる構成としている。
清掃部材128は、第1の実施形態と同様、本体枠の副走査方向の一端にはフランジ部130が形成され、支持部材118に設けられた軸受147に主走査方向に亘って支持されたシャフト軸146にフランジ部130を介して固定されており、前記切換レバー140によりストッパ部148を矢印方向に下げ、摘み部145の係止を解除して、摘み部145を手前側に引っ張ることで清掃部材128を主走査方向に移動させる。
摘み部145、シャフト軸146、軸受147は本実施形態における移動手段を構成している。
収納時には、摘み部145がストッパ部148にかかる位置まで奥側に押し込まれると、切換レバー140が反矢印方向に回転できるようになり、捻りスプリング121の支持部材118への付勢が復帰して、感光体ドラムを軸支する面板502にハウジングの当接面112が突き当たる。
清掃部材128の副走査方向の他端はハウジング106に主走査方向に沿って形成された突起133に係合する屈曲部132が設けられ、板金の弾性によりパッド131をロッドレンズアレイ105の射出面に所定の当接力で当接する。
【0031】
前記した切換レバー140を第1の実施例に適用してもよい。切換レバー140のセット状態、或いは支持部材118が感光体ドラムから退避したことを検出してパルスモータ138への電源供給を可能にするなどのシーケンス制御とすることで、同様に適用できる。
【0032】
前記第2の状態への切り換えにより清掃部材の移動を可能とすることにより、感光体ドラムあるいは感光体ドラムを支持する部材への突き当てを一旦解除し、ハウジングに備えた突当部112を退避させることができるので、清掃部材の移動範囲が突当部の内側に制限されることがなく、清掃時以外は清掃部材を突当部の外側に退避させておくことができる。
これにより、清掃部材の退避に伴って、突当部を突き当てる感光体ドラムの回転軸を支持する一対の面板502、503の間隔を広げる必要がなく、最適に配置できる。
しかも、前記面板の外側に清掃部材を退避しておくことで、感光体ドラムや現像ローラの回転によって飛散したトナーの清掃部材への付着を最小限に抑えることもできる。
また、前記第2の状態への切り換えをもって清掃部材が移動可能となるので、誤作業などにより突当部を突き当てたまま清掃部材を移動させることがない。
さらに、清掃部材は、光プリントヘッドに装着された状態を保ったまま、感光体と接離できるようにしたので、繰り返し接離したとしても、清掃部材をレンズアレイの射出面へ当接する当接力を常に所定に保つことができ、射出面に付着したトナーや紙粉などを確実に拭き取ることができ、経時まで安定した高品位な画像記録を行うことができる。
【0033】
図9及び図10に基づいて第3の実施形態を説明する。
本実施形態では、発光源を実装する基板を、プリント基板面に平行となるよう配置した構成を特徴とする。図10は主走査方向に直交する断面図を示す。図9は発光源を実装する有機EL基板200とロッドレンズアレイ207とを保持するハウジング205の斜視図を示す。
有機EL基板200は、第1の実施形態と同様、基体となる電極配線がパターンニングされたガラス基板201と、有機機能層202と、封止ガラス203とを備えている。
有機EL基板200は、プリント基板204の上面に、ガラス基板201の電極配線がパターンニングされた発光源の実装面を下向きにして装着される。
本実施形態では、プリズムミラー206の射出面をロッドレンズアレイ207の入射面に、また、プリズムミラー206の入射面を有機EL基板200の射出面に直接、接合している。
【0034】
有機EL基板200は、プリント基板204の上面に、ガラス基板201の電極配線がパターンニングされた発光源の実装面を接合して装着され、その上部を覆うように、プリント基板204の上面に、ハウジング205が装着される。
ハウジング205には、有機機能層202から放射された光ビームをプリント基板204の面と平行方向に折り曲げるプリズムミラー206とロッドレンズアレイ207とを位置決めし、一体的に保持しており、有機機能層202から放射された光ビームはプリズムミラー206の斜面で折り曲げられて、ロッドレンズアレイ207に入射する。
斜面での光路の折り曲げを介しているが、有機機能層202の発光面と感光体面とが共役関係となるように、各々の配置が位置決めされており、第1又は第2の実施形態と同様に、プリント基板204が感光体側に常に押し付けられるように付勢している。
これにより、プリント基板204の面と平行な面に沿って、副走査方向が位置決めされた状態で、ハウジング205の当接面208を面板502、503の一部に突き当てて感光体面との配置を保っている。
【0035】
図11及び図12に基づいて第4の実施形態を説明する。
図12は各色に対応した複数の光プリントヘッドを備えるタンデム方式のカラー画像形成装置の実施例である。光プリントヘッドの構成は前記した第1乃至は第4の実施形態と同様であり、画像形成装置本体の構造体フレームの側板301、302間に渡して、光プリントヘッドを装着した支持部材118が支持される。
各色に対応した感光体ドラム401は、中間転写ベルト405の移動方向に沿って配置されている。
感光体ドラム401の周囲には、感光体面を帯電する帯電ローラ402、光プリントヘッド400により露光され、形成された潜像にトナーを付着し、顕像化する現像装置403、転写後の感光体上の残トナーを掻き取るクリーニング装置404が配置されている。
【0036】
各色とも構成は同様で、各々画像情報に応じて形成されたイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのトナー像が順次、中間転写ベルト上405で重ね合わされてカラー画像が形成される。
記録紙は用紙カセット406より供給され、搬送路407に沿って搬送される。2次転写ローラ410により中間転写ベルト405から記録紙に画像が転写され、転写後の記録紙は定着装置408によりトナーを定着されて、排紙される。
位置ずれ検出センサ409は、中間転写ベルト上405で重ね合わされた各色トナー像の位置ずれを画像中央と前側、奥側の3点で検出し、ベルト搬送方向、いわゆる副走査方向における画素配列の傾きや曲がりを、前記したように、各画素の書込データの副走査方向における発光タイミングを制御することで補正する。
【0037】
ところで、タンデム方式のカラー画像形成装置においては、独立した光プリントヘッドを、各色に応じて複数使用することになるため、製造誤差により各々の有機EL基板に、隣接ドットピッチpのばらつきがあると、主走査方向における全幅Lが異なる。
図11に示すように、理想的な隣接ドットピッチp0、全幅をL0とすると、例えば、隣接ドットピッチpが、0.1%ずれるだけで、A3幅に相当する全幅の誤差ΔLは300μmにもなる。これは、各色トナー像の位置ずれとしては目視で判別できるレベルであり、画像品質の劣化に繋がる。
そのため、位置ずれを目視で判別できないレベルである50μm以下にするため、本実施形態では、前記した光プリントヘッドを装着した支持部材118に備えた調節ネジ113の突き出し量を調節することで、光プリントヘッドを副走査方向にθだけ感光体ドラムの回転方向とは逆向きである上流側に傾け、主走査ライン上に投影された隣接ドットピッチが理想的な隣接ドットピッチp0となるようにしている。
【0038】
一方で、光プリントヘッドを傾かせることによって、副走査方向に画素配列のずれが生じるが、前記した各画素の発光タイミングを順次遅延することによって、主走査ライン上に揃うように、ドット位置を補正することができる。
例えば、θだけ傾けたことによる最終端の画素の副走査方向のずれは、
(L+ΔL)sinθであるから、始端の画素に対して、(L+ΔL)sinθ/vだけ発光タイミングをディレイしてやればよい。ここで、vは中間転写ベルトの搬送速度である。
任意のn番目の画素についても同様に発光タイミングのディレイ量を設定してやればよい。
前記したように、清掃部材128は支持部材118に一体的に支持されており、光プリントヘッドを副走査方向へ傾き調整したとしても、ロッドレンズアレイ105の射出面への当接力は所定に保たれたままである。
【符号の説明】
【0039】
100 基板としての有機EL基板
105 レンズアレイ
106 ハウジング
118 支持部材
128 清掃部材
133 案内部としての突起
134 掻取部材
400 光プリントヘッド
401 像担持体としての感光体ドラム
403 現像手段
【先行技術文献】
【特許文献】
【0040】
【特許文献1】特開2011‐025631号公報
【特許文献2】特開2007‐072321号公報
【特許文献3】特開2000‐206854号公報
【特許文献4】特開2001‐175046号公報
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の発光源を主走査方向に沿ってライン状に配列し、基板面と垂直な方向に光ビームが放射するように前記発光源を実装した基板と、
前記複数の発光源から放射した光ビームを像担持体上に結像するレンズアレイと、
前記基板と前記レンズアレイとの配置を位置決めするハウジングと、
前記レンズアレイの射出面に当接し、主走査方向に沿って移動して清掃する清掃部材と、
前記清掃部材を移動させる移動手段と、
前記ハウジングと前記清掃部材とを一体的に支持する支持部材と、
を有する光プリントヘッドであって、
前記清掃部材は、その副走査方向の一端側が、主走査方向と平行な軸周りに回動可能に前記支持部材に支持され、且つ、前記ハウジングに設けた主走査方向に延びる案内部に、副走査方向の他端側が係合され、前記レンズアレイの射出面への当接力を主走査方向に亘って均一に保つことを特徴とする光プリントヘッド。
【請求項2】
請求項1に記載の光プリントヘッドにおいて、
前記レンズアレイの光軸と平行な主走査平面に沿って前記支持部材を付勢し、前記レンズアレイの射出面と前記像担持体の表面とが所定間隔をもって配置されるように位置決めする第1の状態と、
前記支持部材の付勢力を解除し、前記レンズアレイの射出面を前記像担持体の表面から退避する第2の状態と、
を切り換える切換手段を有し、前記第2の状態への切り換えをもって前記清掃部材の移動を可能とすることを特徴とする光プリントヘッド。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の光プリントヘッドにおいて、
前記ハウジングの主走査方向における少なくとも一端側に、前記清掃部材が前記レンズアレイの射出面と対向しない退避領域を設け、該退避領域に、前記清掃部材に付着した異物を掻き落とす掻取部材を備えることを特徴とする光プリントヘッド。
【請求項4】
複数の発光源を主走査方向に沿ってライン状に配列し、基板面と垂直な方向に光ビームが放射するように前記発光源を実装した基板と、
前記複数の発光源から放射した光ビームを像担持体上に結像するレンズアレイと、
前記基板と前記レンズアレイとの配置を位置決めするハウジングと、
前記レンズアレイの射出面に当接し、主走査方向に沿って移動して清掃する清掃部材と、
前記清掃部材を移動させる移動手段と、
前記ハウジングと前記清掃部材とを一体的に支持する支持部材と、
を有する光プリントヘッドであって、
前記ハウジングの主走査方向における少なくとも一端側に、前記清掃部材が前記レンズアレイの射出面と対向しない退避領域を設け、該退避領域に、前記清掃部材に付着した異物を掻き落とす掻取部材を備えることを特徴とする光プリントヘッド。
【請求項5】
請求項3又は4に記載の光プリントヘッドにおいて、
前記掻取部材は導電性を有し、正ないしは負の電圧を印加することを特徴とする光プリントヘッド。
【請求項6】
請求項5に記載の光プリントヘッドにおいて、
前記掻取部材に印加する電圧の正負を、所定の周波数で切り換えることを特徴とする光プリントヘッド。
【請求項7】
像担持体と、画像データに応じて前記像担持体に静電潜像を形成する露光手段と、前記静電潜像をトナー像として可視像化する現像手段とを有し、最終的に前記トナー像を記録媒体に転写する画像形成装置において、
前記露光手段として、請求項1〜6のいずれか1つに記載の光プリントヘッドを備えていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項1】
複数の発光源を主走査方向に沿ってライン状に配列し、基板面と垂直な方向に光ビームが放射するように前記発光源を実装した基板と、
前記複数の発光源から放射した光ビームを像担持体上に結像するレンズアレイと、
前記基板と前記レンズアレイとの配置を位置決めするハウジングと、
前記レンズアレイの射出面に当接し、主走査方向に沿って移動して清掃する清掃部材と、
前記清掃部材を移動させる移動手段と、
前記ハウジングと前記清掃部材とを一体的に支持する支持部材と、
を有する光プリントヘッドであって、
前記清掃部材は、その副走査方向の一端側が、主走査方向と平行な軸周りに回動可能に前記支持部材に支持され、且つ、前記ハウジングに設けた主走査方向に延びる案内部に、副走査方向の他端側が係合され、前記レンズアレイの射出面への当接力を主走査方向に亘って均一に保つことを特徴とする光プリントヘッド。
【請求項2】
請求項1に記載の光プリントヘッドにおいて、
前記レンズアレイの光軸と平行な主走査平面に沿って前記支持部材を付勢し、前記レンズアレイの射出面と前記像担持体の表面とが所定間隔をもって配置されるように位置決めする第1の状態と、
前記支持部材の付勢力を解除し、前記レンズアレイの射出面を前記像担持体の表面から退避する第2の状態と、
を切り換える切換手段を有し、前記第2の状態への切り換えをもって前記清掃部材の移動を可能とすることを特徴とする光プリントヘッド。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の光プリントヘッドにおいて、
前記ハウジングの主走査方向における少なくとも一端側に、前記清掃部材が前記レンズアレイの射出面と対向しない退避領域を設け、該退避領域に、前記清掃部材に付着した異物を掻き落とす掻取部材を備えることを特徴とする光プリントヘッド。
【請求項4】
複数の発光源を主走査方向に沿ってライン状に配列し、基板面と垂直な方向に光ビームが放射するように前記発光源を実装した基板と、
前記複数の発光源から放射した光ビームを像担持体上に結像するレンズアレイと、
前記基板と前記レンズアレイとの配置を位置決めするハウジングと、
前記レンズアレイの射出面に当接し、主走査方向に沿って移動して清掃する清掃部材と、
前記清掃部材を移動させる移動手段と、
前記ハウジングと前記清掃部材とを一体的に支持する支持部材と、
を有する光プリントヘッドであって、
前記ハウジングの主走査方向における少なくとも一端側に、前記清掃部材が前記レンズアレイの射出面と対向しない退避領域を設け、該退避領域に、前記清掃部材に付着した異物を掻き落とす掻取部材を備えることを特徴とする光プリントヘッド。
【請求項5】
請求項3又は4に記載の光プリントヘッドにおいて、
前記掻取部材は導電性を有し、正ないしは負の電圧を印加することを特徴とする光プリントヘッド。
【請求項6】
請求項5に記載の光プリントヘッドにおいて、
前記掻取部材に印加する電圧の正負を、所定の周波数で切り換えることを特徴とする光プリントヘッド。
【請求項7】
像担持体と、画像データに応じて前記像担持体に静電潜像を形成する露光手段と、前記静電潜像をトナー像として可視像化する現像手段とを有し、最終的に前記トナー像を記録媒体に転写する画像形成装置において、
前記露光手段として、請求項1〜6のいずれか1つに記載の光プリントヘッドを備えていることを特徴とする画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2013−82141(P2013−82141A)
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−224109(P2011−224109)
【出願日】平成23年10月11日(2011.10.11)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年10月11日(2011.10.11)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
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