説明

光モジュールおよび電気機器

【課題】電気機器の小型化に対応することができる光モジュール、および光モジュールを備える電気機器を提供することを目的とする。
【解決手段】光モジュール1は、基板10と、光信号を出射する発光素子であるレーザダイオード2と、電気コネクタ12とを有する送信用の光モジュール5を備えている。また、光モジュール1は、基板13と、光信号が入射されとともに、光信号を電気信号に変換する受光素子であるフォトダイオード6と、電気コネクタ15とを有する受信用の光モジュール9を備えている。また、光モジュール1は、基板10、13の各々に取り付けられるとともに、レーザダイオード2とフォトダイオード6を光学的に結合するための光導波路24と、電気コネクタ12、15の各々に取り付けられるとともに、電気コネクタ12、15を電気的に接続するための電気配線40を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、携帯電話等の電気機器において使用される光モジュール、および筐体に光モジュールを収納する電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話等の電気機器においては、写真や動画像等の大容量のデータを、高速に処理する必要があり、電気装置内において大容量かつ高速なデータ伝送が要求されている。そして、電気装置内における大容量かつ高速なデータ伝送を実現させるべく、光素子を使用して光電変換を行うフレキシブル配線板タイプの光モジュールが提案されている。
【0003】
より具体的には、このフレキシブル配線板は、電気配線を有するフィルム状の基板と、基板上に実装され、光信号を出射する発光素子と、基板上に実装され、光信号が入射される受光素子と、基板の下面において、基板と一体的に設けられ、発光素子と受光素子を光学的に結合するフィルム状の光導波路を備えている。また、このフレキシブル配線板は、基板の両端部に実装された、カードエッジ型の電気コネクタを備えている。そして、発光素子と電気的に接続された駆動素子に電気信号が入力されると、当該駆動素子が、発光素子の発光を制御し、発光素子が光信号を出射する。次いで、出射された光信号が、光導波路に沿って伝播され、当該光導波路を介して、受光素子に入射される。そして、入射された光信号が、受光素子により電気信号に変換され、当該電気信号が、受光素子と電気的に接続された信号増幅素子により増幅され外部に出力される構成となっている(例えば、非特許文献1参照)。
【非特許文献1】“モバイル[CEATEC]”、[online]、平成17年10月5日、Tech On、[平成18年12月1日検索]、インターネット<URL:http://techon.nikkeibp.co.jp/ article/NEWS/20051004/109288/>
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記従来のフレキシブル基板においては、光導波路、および電気配線が、基板と一体的に形成されているため、例えば、光導波路に機能不良が生じた場合、フレキシブルプリント配線板の全体を交換する必要がある。従って、機能不良が生じた部分のみを交換することができず、不良品の交換に伴うコストがアップするという不都合があった。
【0005】
そこで、本発明は、上述の問題に鑑みてなされたものであり、光モジュールの一部に機能不良が生じた場合に、機能不良が生じた部分のみを交換することができる光モジュール、およびこのような光モジュールを備える電気機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、第1の基板と、第1の基板の表面に設けられ、光信号を出射する発光素子と、第1の基板の表面に設けられるとともに、発光素子と電気的に接続され、発光素子を駆動するための駆動素子と、第1の基板に設けられ、第1の外部機器に接続されるとともに、第1の外部機器から駆動素子へ第1の電気信号を入力するための第1の電気コネクタとを有する送信用の光モジュールと、第2の基板と、第2の基板の表面に設けられ、光信号が入射されとともに、光信号を第2の電気信号に変換する受光素子と、第2の基板の表面に設けられるとともに、受光素子と電気的に接続され、第2の電気信号を増幅するための信号増幅素子と、第2の基板に設けられ、第2の外部機器に接続されるとともに、増幅された第2の電気信号を第2の外部機器へ出力するための第2の電気コネクタとを有する受信用の光モジュールと、第1、第2の基板の各々に取り付けられるとともに、発光素子と受光素子を光学的に結合するための光導波路と、第1、第2の電気コネクタの各々に接続された電気配線とを備えることを特徴とする光モジュールである。
【0007】
同構成によれば、光導波路および電気配線を介して、別個に形成された送信用の光モジュールと受信用の光モジュールを光学的、および電気的に接続することが可能になる。従って、例えば、光導波路に機能不良が生じた場合、光導波路のみを交換すれば良くなる。また、例えば、送信用の光モジュールに設けられた部品に機能不良が生じた場合、送信用の光モジュールのみを交換すれば良くなる。その結果、光導波路、および電気配線が、基板と一体的に形成された上記従来のフレキシブル基板タイプの光モジュールとは異なり、機能不良が生じた部分のみを交換することが可能になるとともに、不良品の交換に伴うコストアップを抑制することができる。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の光モジュールであって、第1の電気コネクタが、第1の基板の裏面に設けられるとともに、第2の電気コネクタが、第2の基板の裏面に設けられることを特徴とする。
【0009】
同構成によれば、カードエッジ型の電気コネクタを使用する場合に比し、光モジュールにおける基板の部品実装面積を小さくすることができるため、光モジュールのコンパクト化を図ることが可能になる。その結果、電気機器(例えば、携帯電話)の小型化に対応することが可能な光モジュールを提供することが可能になる。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の光モジュールであって、光導波路が、高分子材料により形成されていることを特徴とする。同構成によれば、光導波路の柔軟性・折曲性を向上させることが可能になるため、容易に、光導波路を所望の形状に変形することが可能になる。
【0011】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の光モジュールであって、高分子材料が、エポキシ樹脂、シリコン樹脂、アクリル樹脂、およびポリイミド樹脂から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする。同構成によれば、安価かつ汎用性のある材料により、柔軟性・折曲性に優れた光導波路を形成することが可能になる。
【0012】
請求項5に記載の発明は、第1の回路基板を収納する第1の筐体と、第2の回路基板を収納する第2の筐体と、第1、第2の筐体を変位可能に連結する可動部と、第1の基板と、第1の基板の表面に設けられ、光信号を出射する発光素子と、第1の基板の表面に設けられるとともに、発光素子と電気的に接続され、発光素子を駆動するための駆動素子と、第1の基板に設けられ、第1の回路基板に接続されるとともに、第1の回路基板から駆動素子へ第1の電気信号を入力するための第1の電気コネクタとを備え、第1の筐体に収納される送信用の光モジュールと、第2の基板と、第2の基板の表面に設けられ、光信号が入射されとともに、光信号を第2の電気信号に変換する受光素子と、第2の基板の表面に設けられるとともに、受光素子と電気的に接続され、第2の電気信号を増幅するための信号増幅素子と、第2の基板に設けられ、第2の回路基板に接続されるとともに、増幅された第2の電気信号を第2の回路基板へ出力するための第2の電気コネクタとを備え、第2の筐体に収納される受信用の光モジュールと、第1、第2の基板の各々に取り付けられるとともに、可動部の内部に設けられ、発光素子と受光素子を光学的に結合するための光導波路と、第1、第2の電気コネクタの各々に接続された電気配線とを備えることを特徴とする電気機器である。
【0013】
同構成によれば、光導波路および電気配線を介して、別個に形成された送信用の光モジュールと受信用の光モジュールを光学的、および電気的に接続することが可能になる。従って、例えば、光導波路に機能不良が生じた場合、光導波路のみを交換すれば良くなる。また、例えば、送信用の光モジュールに設けられた部品に機能不良が生じた場合、送信用の光モジュールのみを交換すれば良くなる。その結果、光導波路、および電気配線が、基板と一体的に形成された上記従来のフレキシブル基板タイプの光モジュールとは異なり、機能不良が生じた部分のみを交換することが可能になるとともに、不良品の交換に伴うコストアップを抑制することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、機能不良が生じた部分のみを交換することが可能になるとともに、不良品の交換に伴うコストアップを抑制することができる光モジュールを提供することが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下に、本発明の好適な実施形態について説明する。図1は、本発明の実施形態に係る光モジュールを説明するための上面図であり、図2は、図1のA−A断面図である。図1、図2に示すように、この光モジュールは1、発光素子であるレーザダイオード(Laser Diode:以下、「LD」という。)2と、当該LD2に電気的に接続され、LD2を駆動する(即ち、外部から入力された電気信号(以下、「第1の電気信号」という。)に基づいて、発光素子であるLD2の発光を制御する)ための駆動素子3とからなる発光部4が設けられた送信用の光モジュール5を備えている。また、光モジュール1は、受光素子であるフォトダイオード(Photo Diode:以下、「PD」という。)6と、当該PD6に電気的に接続され、PD6により変換された電気信号(以下、「第2の電気信号」という。)を増幅するための信号増幅素子7とからなる受光部8が設けられた受信用の光モジュール9とを備えている。また、光モジュール1は、LD2と、PD6を光学的に結合するための光導波路20を備えている。
【0016】
また、図2に示すように、光モジュール5は、石英ガラスやシリコン単結晶等の材料により形成された第1の基板10(以下、「基板10」という。)を備えており、LD2と駆動素子3は、当該基板10に形成された電極11に接続されて、基板10の表面10a上に実装されている。また、LD2と駆動素子3は、基板10に設けられた、高速信号(例えば、400Mbit/s以上の信号)を伝送するための電気配線(不図示)を介して、基板10の裏面10bに設けられた第1の電気コネクタ12(以下、「電気コネクタ12」という。)に電気的に接続される構成となっている。即ち、電気コネクタ12は、例えば、回路基板等の第1の外部機器(不図示)に接続されており、電気コネクタ12を介して、第1の外部機器から、LD2と駆動素子3に駆動電力が供給される構成となっている。また、この電気コネクタ12は、第1の外部機器から駆動素子3へ第1の電気信号を入力するためのものであり、当該電気コネクタ12を介して、第1の電気信号が駆動素子3に入力される構成となっている。
【0017】
また、同様に、光モジュール9は、石英ガラスやシリコン単結晶等の材料により形成された第2の基板13(以下、「基板13」という。)を備えており、PD6と信号増幅素子7は、当該基板13に形成された電極14に接続されて、基板13の表面13a上に実装され、基板13に設けられた、高速信号を伝送するための電気配線(不図示)を介して、基板13の裏面13bに設けられた第2の電気コネクタ15(以下、「電気コネクタ15」という。)に電気的に接続される構成となっている。即ち、電気コネクタ15は、例えば、回路基板等の第2の外部機器(不図示)に接続されており、電気コネクタ15を介して、第2の外部機器から、PD6と信号増幅素子7に駆動電力が供給される構成となっている。また、この電気コネクタ15は、信号増幅素子7により増幅された第2の電気信号を第2の外部機器へ出力するためのものであり、当該電気コネクタ15を介して、第2の電気信号が第2の外部機器へ出力される構成となっている。
【0018】
また、上述の電極11,14は、例えば、金やアルミニウム等の金属により構成されており、LD2と駆動素子3は、半田付け等により、電極11に電気的に接続されるとともに、当該電極11を介して、電気的に接続されている。また、同様に、PD6と信号増幅素子7は、半田付け等により、電極14に電気的に接続されるとともに、当該電極14を介して、電気的に接続されている。
【0019】
また、図1、図2に示すように、送信用の光モジュール5の発光部4と、受信用の光モジュール9の受光部8との間には、光信号を伝達するための光導波路20が設けられている。この光導波路20は、図3に示すように、断面略円形状を有しており、高屈折率のコア層23と、当該コア層23を被覆する低屈折率のクラッド層24とを備えている。そして、当該光導波路20の一端部20aが、基板10に設けられた支持部材21により支持されることにより、光導波路20が基板10上に取り付けられる構成となっている。また、同様に、光導波路20の他端部20bが、基板13に設けられた支持部材22により支持されることにより、光導波路20が基板13上に取り付けられる構成となっている。なお、本実施形態においては、上述の支持部材21,22により、コア層23の光軸PがLD2、PD6の光軸と一致するように、光導波路20の位置合わせを行う構成となっている。このように、光導波路20は、基板10,13の各々に取り付けられ、当該光導波路20により、LD2、およびPD6が光学的に結合される構成となっている。
【0020】
また、本実施形態においては、光導波路20の柔軟性・折曲性を向上させるとの観点から、柔軟性に優れた高分子材料により光導波路20を形成する構成としている。この高分子材料としては、安価かつ汎用性のある、エポキシ樹脂、シリコン樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂等の高分子材料が使用される。
【0021】
基板10の表面10aに設けられたLD2は、所定の波長を有する光信号(例えば、光通信において使用される波長が0.8μmの光信号)を、光導波路20のコア層23に向って出射する。即ち、LD2は、上述の電気コネクタ12を介して、上述の第1の外部機器から入力される第1の電気信号を、上述の光信号に変換して、当該光信号を光導波路20のコア層23に向って出射する構成となっている。なお、LD2としては、出射する光信号に対応したものが使用され、本実施形態においては、例えば、GaAlAs系のLDや、InGaAsP系のLDを使用することができる。
【0022】
基板13の表面13aに設けられたPD6には、LD2が出射する光信号が入射される。即ち、PD6は、LD2により出射され、光導波路20のコア層23を伝播する光信号を受信し、当該光信号を第2の電気信号に変換する構成となっている。なお、PD6としては、受信する光信号に対応したものが使用され、本実施形態においては、例えば、Si系のPDや、InGaAs系のPD、InGaAsP系のPDを使用することができる。
【0023】
また、本実施形態においては、LD2、及びPD6としては、比較的、低コストであり、かつ、所定の面積(広がり)を有する発光面(または、受光面)を備えた面発光型のLD2(または、面受光型のPD6)を使用することができる。
【0024】
また、図2、図4に示すように、光モジュール1は、第1、第2の電気コネクタ12,15の各々に接続された電気配線40を備えている。この電気配線40は、低速信号(例えば、400Mbit/s未満の信号)や、電源電圧を伝送するためのものであり、当該電気配線40の一端部40aが、基板10に設けられた支持部材32により支持されるとともに、他端部40bが、基板13に設けられた支持部材33に支持される構成となっている。また、電気配線40は、図4に示すように、電気コネクタ12,15の各々に形成された接続端子12b,15bに接続されて、当該接続端子12b,15bを介して、電気コネクタ12,15の各々に取り付けられている。そして、当該電気配線40により、第1、第2の電気コネクタ12,15が電気的に接続される構成となっている。
【0025】
また、図2に示すように、送信用の光モジュール5は、電気コネクタ12の接続部12aが露出するように、封止体30により覆われている。また、同様に、受信用の光モジュール9は、電気コネクタ15の接続部15aが露出するように、封止体31により覆われている。この封止体30,31を形成する材料としては、LD2と光導波路20との間であって光信号が通過する光路部分、およびPD6と光導波路20との間であって光信号が通過する光路部分において、光信号を通過させる透明樹脂により形成されており、例えば、シクロオレフィンポリマー、PMMA、ポリカーボネート等が挙げられる。
【0026】
次に、本発明の実施形態に係る光モジュールの動作について説明する。まず、第1の外部機器に接続された電気コネクタ12、および基板10に設けられた、図示しない電気配線を介して、駆動素子3に第1の電気信号が入力されると、当該駆動素子3は、入力された第1の電気信号に基づいて、発光素子であるLD2の発光を制御する。
【0027】
次いで、LD2は、上述の、所定の波長を有する光信号を出射し、当該光信号が、光導波路20のコア層23に入射される。光信号は、光導波路20のコア層23に沿って伝播され、当該光導波路20を介して、PD6に入射される。そして、PD6に入射された光信号は、PD6により第2の電気信号に変換され、当該第2の電気信号が、信号増幅素子7により増幅される。そして、基板13に設けられた、図示しない電気配線、および電気コネクタ15を介して、増幅された電気信号が、電気コネクタ15に接続された第2の外部機器に出力される構成となっている。このように、本実施形態における光モジュール1においては、光導波路20を介して、LD2とPD6が光学的に結合される構成となっている。
【0028】
次に、本実施形態に係る光モジュール1が用いられる電気機器の一例として、折りたたみ式の携帯電話を例に挙げて説明する。図5は、本実施形態に係る光モジュールが用いられる携帯電話を示す側面図であって、携帯電話を開いた状態を示す図である。また、図6は、本実施形態に係る光モジュールが用いられる携帯電話を示す側面図であって、携帯電話を閉じた状態を示す図である。なお、図5、図6においては、電気配線40の図示を省略している。
【0029】
図5、図6に示すように、携帯電話機50は、操作部51と、表示部52とを備えており、操作部51は、第1の筐体54と、当該第1の筐体54内に収納された第1の回路基板55とを備えている。また、表示部52は、第2の筐体56と、当該第2の筐体56内に収納された第2の回路基板57とを備えている。また、携帯電話機50は、操作部51と表示部52(即ち、第1、第2の筐体)を変位可能(即ち、回動可能)に連結するための可動部であるヒンジ部53を備えている。このヒンジ部53は、ヒンジ軸58と、当該ヒンジ軸58が挿入される孔部59が形成された軸受け部60とを備えている。
【0030】
そして、操作部51の第1の筐体54を保持した状態で、表示部52の第2の筐体56を揺動することにより、ヒンジ部53のヒンジ軸58を軸として、表示部52が回動して変位し、携帯電話機50が、図5に示す開いた状態、または図6に示す閉じた状態になる構成となっている。このように、第1の筐体54と第2の筐体56は互いに変位可能であり、第1の筐体54と第2の筐体56の相対位置が変化する構成となっている。
【0031】
また、図1、図2に示した光モジュール1が、携帯電話機50の内部に収納されている。より具体的には、図5、図6に示すように、送信用の光モジュール5が第1の筐体54に収納されるとともに、受信用の光モジュール9が第2の筐体56に収納され、光導波路20がヒンジ部53の内部に設けられている。そして、送信用の光モジュール5に設けられた電気コネクタ12は、第1の筐体54内に設けられた第1の外部機器である第1の回路基板55に接続されており、電気コネクタ12を介して、第1の回路基板55から、駆動素子3へ第1の電気信号が入力され、LD2と駆動素子3に駆動電力が供給される構成となっている。また、同様に、受信用の光モジュール9に設けられた電気コネクタ15は、第2の筐体56内に設けられた第2の外部機器である第2の回路基板57に接続されており、電気コネクタ15を介して、増幅された第2の電気信号が、第2の回路基板57へ出力される構成となっている。なお、電気コネクタ15を介して、第2の回路基板57から、PD6と信号増幅素子7に駆動電力が供給される。
【0032】
ここで、上述のごとく、本実施形態の光モジュール1においては、別個に形成された送信用の光モジュール5と受信用の光モジュール9を備えており、第1および第2の基板10,13の各々に取り付けられた光導波路20により、LD2とPD6を光学的に結合する構成としている。また、第1および第2の電気コネクタ12,15の各々に取り付けられた電気配線40により、第1および第2の電気コネクタ12,15を電気的に接続する構成としている。従って、例えば、光導波路20に機能不良が生じた場合、光導波路20のみを交換すれば良くなる。また、例えば、送信用の光モジュール5に設けられた部品(例えば、LD2)に機能不良が生じた場合、送信用の光モジュール5のみを交換すれば良くなる。その結果、光導波路、および電気配線が、基板と一体的に形成された上記従来のフレキシブル基板タイプの光モジュールとは異なり、機能不良が生じた部分のみを交換することが可能になるとともに、不良品の交換に伴うコストアップを抑制することができる。
【0033】
また、送信用の光モジュール5において、電気コネクタ12を、基板10の裏面10bに設けるとともに、受信用の光モジュール9において、電気コネクタ15を、基板13の裏面13bに設ける構成としている。従って、カードエッジ型の電気コネクタを有する上記従来技術の光モジュールに比し、基板10,13の部品実装面積を小さくすることができる。その結果、光モジュール5,9のコンパクト化を図ることが可能になるため、光モジュール5,9が使用される電気機器(即ち、携帯電話機50)の小型化に対応することが可能になる。
【0034】
また、上記従来のフレキシブル配線板においては、上述のごとく、フィルム状の光導波路が、基板の下面において、基板と一体的に設けられているため、光導波路の柔軟性・折曲性が低下し、光導波路を所望の形状に変形することが困難であった。従って、例えば、上記従来のフレキシブル配線板の光導波路を、上述のヒンジ部53の内部に設けて使用する場合、携帯電話機の組み立てが困難になるという問題があった。一方、本実施形態においては、上述のごとく、ヒンジ部53の内部に設けられた光導波路20が、高分子材料により形成されているため、光導波路20の柔軟性・折曲性を向上させることできる。従って、容易に、光導波路20を所望の形状に変形することが可能になるため、ヒンジ部53における動作(即ち、折り曲げ動作、または折り畳み動作)に対して柔軟に対応することができる。従って、携帯電話機50の組み立てが容易になる。
【0035】
以上に説明した本実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)本実施形態においては、光導波路20および電気配線40を介して、別個に形成された送信用の光モジュール5と受信用の光モジュール9を光学的、および電気的に接続することができる。従って、光モジュール1において、機能不良が生じた部分のみを交換することが可能になるとともに、不良品の交換に伴うコストアップを抑制することができる。
【0036】
(2)本実施形態においては、電気コネクタ12を、基板10の裏面10bに設けるとともに、電気コネクタ15を、基板13の裏面13bに設ける構成としている。従って、カードエッジ型の電気コネクタを有する上記従来技術のフレキシブル基板に比し、光モジュール5における基板10(または、光モジュール9における基板13)の部品実装面積を小さくすることができるため、光モジュール5(または、光モジュール9)のコンパクト化を図ることが可能になる。その結果、光モジュール1が使用される電気機器(例えば、上述の携帯電話機50)の小型化に対応することが可能になる。
【0037】
(3)本実施形態においては、光導波路20を、高分子材料により形成する構成としている。従って、光導波路20の柔軟性・折曲性を向上させることが可能になり、容易に、光導波路20を所望の形状に変形することが可能になる。
【0038】
(4)本実施形態においては、光導波路20を形成する高分子材料として、エポキシ樹脂、シリコン樹脂、アクリル樹脂、およびポリイミド樹脂から選ばれる少なくとも1種を使用する構成としている。従って、安価かつ汎用性のある材料により、柔軟性・折曲性に優れた光導波路20を形成することが可能になる。
【0039】
なお、上記実施形態は以下のように変更しても良い。
・上記実施形態においては、基板10,13を、石英ガラスやシリコン単結晶等の材料により形成する構成としたが、当該基板10,13を高分子材料により形成する構成としてもよい。この高分子材料としては、例えば、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂等が挙げられる。
【0040】
・上記実施形態においては、光導波路20は、断面略円形状を有する構成としたが、断面略多角形状(例えば、断面略四角形状や断面略六角形状)を有する光導波路20を使用する構成としてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0041】
本発明の活用例としては、本発明は、例えば、携帯電話等の電気機器において使用される光モジュール、および筐体に光モジュールを収納する電子機器が挙げられる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の実施形態に係る光モジュールを説明するための上面図である。
【図2】図1のA−A断面図である。
【図3】本発明の実施形態における光導波路を説明するための断面図である。
【図4】は、本発明の実施形態に係る光モジュールを説明するための下面図である。
【図5】本実施形態に係る光モジュールが用いられる携帯電話機を示す側面図であって、携帯電話機を開いた状態を示す図である。
【図6】本実施形態に係る光モジュールが用いられる携帯電話を示す側面図であって、携帯電話を閉じた状態を示す図である。
【符号の説明】
【0043】
1…光モジュール、2…レーザダイオード(発光素子)、3…駆動素子、5…送信用の光モジュール、6…フォトダイオード(受光素子)、7…信号増幅素子、9…受信用の光モジュール、10…基板(第1の基板)、10a…基板の表面、10b…基板の裏面、12…電気コネクタ(第1の電気コネクタ)、12a…電気コネクタの接続部、13…基板(第2の基板)、13a…基板の表面、13b…基板の裏面、15…電気コネクタ(第2の電気コネクタ)、15a…電気コネクタの接続部、20…光導波路、23…コア層、24…クラッド層、30…封止体、31…封止体、40…電気配線、50…携帯電話機、51…操作部、52…表示部、53…ヒンジ部、54…第1の筐体、55…第1の回路基板、56…第2の筐体、57…第2の回路基板、58…ヒンジ軸、60…軸受け部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の基板と、前記第1の基板の表面に設けられ、光信号を出射する発光素子と、前記第1の基板の表面に設けられるとともに、前記発光素子と電気的に接続され、前記発光素子を駆動するための駆動素子と、前記第1の基板に設けられ、第1の外部機器に接続されるとともに、前記第1の外部機器から前記駆動素子へ第1の電気信号を入力するための第1の電気コネクタとを有する送信用の光モジュールと、
第2の基板と、前記第2の基板の表面に設けられ、前記光信号が入射されとともに、前記光信号を第2の電気信号に変換する受光素子と、前記第2の基板の表面に設けられるとともに、前記受光素子と電気的に接続され、前記第2の電気信号を増幅するための信号増幅素子と、前記第2の基板に設けられ、第2の外部機器に接続されるとともに、増幅された前記第2の電気信号を前記第2の外部機器へ出力するための第2の電気コネクタとを有する受信用の光モジュールと、
前記第1、第2の基板の各々に取り付けられるとともに、前記発光素子と前記受光素子を光学的に結合するための光導波路と、
前記第1、第2の電気コネクタの各々に取り付けられるとともに、前記第1、第2の電気コネクタを電気的に接続するための電気配線と
を備えることを特徴とする光モジュール。
【請求項2】
前記第1の電気コネクタが、前記第1の基板の裏面に設けられるとともに、前記第2の電気コネクタが、前記第2の基板の裏面に設けられることを特徴とする請求項1に記載の光モジュール。
【請求項3】
前記光導波路が、高分子材料により形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の光モジュール。
【請求項4】
前記高分子材料が、エポキシ樹脂、シリコン樹脂、アクリル樹脂、およびポリイミド樹脂から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項3に記載の光モジュール。
【請求項5】
第1の回路基板を収納する第1の筐体と、
第2の回路基板を収納する第2の筐体と、
前記第1、第2の筐体を変位可能に連結する可動部と、
第1の基板と、前記第1の基板の表面に設けられ、光信号を出射する発光素子と、前記第1の基板の表面に設けられるとともに、前記発光素子と電気的に接続され、前記発光素子を駆動するための駆動素子と、前記第1の基板に設けられ、前記第1の回路基板に接続されるとともに、前記第1の回路基板から前記駆動素子へ第1の電気信号を入力するための第1の電気コネクタとを備え、前記第1の筐体に収納される送信用の光モジュールと、
第2の基板と、前記第2の基板の表面に設けられ、前記光信号が入射されとともに、前記光信号を第2の電気信号に変換する受光素子と、前記第2の基板の表面に設けられるとともに、前記受光素子と電気的に接続され、前記第2の電気信号を増幅するための信号増幅素子と、前記第2の基板に設けられ、前記第2の回路基板に接続されるとともに、増幅された前記第2の電気信号を前記第2の回路基板へ出力するための第2の電気コネクタとを備え、前記第2の筐体に収納される受信用の光モジュールと、
前記第1、第2の基板の各々に取り付けられるとともに、前記可動部の内部に設けられ、前記発光素子と前記受光素子を光学的に結合するための光導波路と、
前記第1、第2の電気コネクタの各々に取り付けられるとともに、前記第1、第2の電気コネクタを電気的に接続するための電気配線と
を備えることを特徴とする電気機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−145927(P2008−145927A)
【公開日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−335626(P2006−335626)
【出願日】平成18年12月13日(2006.12.13)
【出願人】(500400216)住友電工プリントサーキット株式会社 (197)
【Fターム(参考)】