説明

光ユニットハウジング構造体

本発明は、自動車のウイング(1)に嵌合するためのガラス(5)を備えた光ユニット(6)のハウジング構造体(8)に関し、ウイング(1)およびガラス(5)は、ウイング上に光ユニットのガラス(5)を整列させるための手段(16−20)を含み、ハウジング構造体(8)上に光ユニット(6)を固定するためにウイングおよび手段(21−26)上にハウジング構造体8を固定するための手段(13、14)を含むことを特徴とする。この手段は、整列手段によって付与されたウイング上のガラス(5)の整列を維持する。さらに本発明は、自動車の外側モジュール、ウイング、およびウイング上に光ユニットを組み立てる方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ユニットを受けるための構造体、光ユニットを受けることができる車体部分ならびに車体部分および光ユニットを含む外側モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
自動車を組み立てるための本技術は、組立ラインから離れて準備され、それらが嵌合される部材の全てとともに自動車本体にその後嵌合する、複雑性の度合いが多様なモジュールをつくる傾向を有し、それによって組立ラインおよび車を製造するために必要な時間を著しく短縮している。
【0003】
したがって、光ユニットは、これまで、前端モジュールタイプの受容構造体に取り付けられ、理想的な車体に対して画定された寸法にしたがってこのような受容構造体に配置され、方向が決められている。この理想的な車は、基準のフレームとして作用するゲージによって表されるが、光ユニットは、受容構造体に固定されている。
【0004】
実際問題として、車体は、比較的に大きな寸法上の変化を示すので、このような車体に嵌合されるモジュールは、満足される態様で光ユニットを位置決めすることができない。したがって、光ユニットを再び位置決めするために後続の調整を実行することが必要なことがわかった。
【0005】
さらに詳細には、複数の部品の公差の範囲が光ユニットを取り付けるときに累積することから困難が生じる。
【0006】
光ユニットおよび本体に固有の公差範囲とは別に、ゲージの使用は、まず、ゲージに対するモジュールへの光ユニットの位置決め、次に、本体へのモジュールの位置決めに関連する公差範囲を付加する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、自動車の外側モジュールの公差範囲のこの累積を低減することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、次の説明を読むことによって示される他の利点を呈する。
【0009】
本発明は、自動車のフェンダに嵌合するためのガラスを有する光ユニットを受けるための受容構造体を提供し、フェンダとガラスが光ユニットのガラスをフェンダに対して基準位置に入れ込むための手段を含み、受容構造体は、
受容構造体をフェンダに固定するための固定手段と、
光ユニットを受容構造体に固定するための固定手段とを有し、この手段は、ガラスを基準位置に入れ込むための手段によって負荷されるときフェンダに対してガラスの基準位置を維持することを特徴とする。
【0010】
他の特徴によれば、次のものが選択される。
【0011】
受容構造体は、プラスティック材料でつくられる。
【0012】
それは、フェンダを局所的に補強するようになっている。
【0013】
受容構造体に対して光ユニットを固定するための固定手段は、自動車に光ユニットを固定するための唯一の手段である。
【0014】
受容構造体の寸法は、それがフェンダの上方リムと下方リムとの間に受けられるような寸法である。
【0015】
それは、光ユニットの近傍でフェンダの塗装面のふくれ(blister)を防止するように成形されている。
【0016】
それは、フェンダに固定された光ユニットを支持するための支持手段を含み、前記支持手段は、自動車の構造体に取り付けるように設計されている。
【0017】
支持手段は、受容構造体に固定されている。
【0018】
支持手段は、フェンダに対して少なくとも1つの自由度を有する。
【0019】
支持手段は、スライドウェイである。
【0020】
受容構造体をフェンダに固定するための固定手段は、受容構造体をフェンダに接着、接合、溶接、クリップ止め、リベットによる固定、ヘッディング、またはボルト固定することからなる。
【0021】
受容構造体をフェンダに固定するための固定手段および/または光ユニットを受容構造体に固定するための固定手段は、可融性(fusible)である。
【0022】
それは、ホイールアーチを固定するための手段を含む。
【0023】
それは、歩行者(pedestrian)の脚部または臀部に対する衝撃エネルギーを吸収するように構成されている。
【0024】
それは自動車のフェンダと構造部品との間で連結インターフェイスを含む。
【0025】
連結インターフェイスは、スライディング固定部材からなる。
【0026】
連結インターフェイスは、歩行者の頭への衝撃を吸収するエネルギー吸収器からなる。
【0027】
それは、ウインドシールドウオッシャジャー、タンク、ヘッドライトウオッシャ、ライト、または電子装置のような自動車の機能部材を固定するための固定手段を含む。
【0028】
また、本発明は、フェンダおよびガラスを含む光ユニットを含む自動車用の外側モジュールを提供し、そのモジュールは、それが上述したような受容構造体を含むことを特徴とする。
【0029】
また、本発明は、上述したような受容構造体を含む自動車のフェンダを提供する。
【0030】
最後に、本発明は、上述したような受容構造体を有する車体のフェンダに光ユニットを取り付ける方法を提供し、この方法は、光ユニットのガラスをフェンダに対する基準位置に入れ込み、
ユニットが基準位置に入れ込まれたときに得られる位置を最終的に維持するために光ユニットおよび受容構造体にそれぞれ設けられた手段によって受容構造体に光ユニットを固定することからなることを特徴とする。
【0031】
本発明は、単に例示として挙げられ、また添付図面を参照してなされた次の説明を読むことによってさらに理解できるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
図面を参照すると、種々の部品が概略的に示されている。それらの形状は、所望の用途によって変化させることができる。
【0033】
図面は、前方部分2および側方部分3を含むプラスティック材料のフェンダ1を示している。前方部分は、ガラス5と一体となっているハウジング7を含む光ユニット6のガラス5の開口4を画定している。
【0034】
フェンダ1の前方部分2と光ユニット6との間に受容構造体8が間に挿入されるように設計されている。この構造体は、30%から40%のタルクで充填されたポリプロピレンからつくられており、フェンダの前方部分2に対して押されるような形状の前部分9とフェンダの側方部分3に従うような形状のサイド部分10を含む。構造体8の寸法は、フェンダの上方リム11および下方リム12の間に受けられるようになっている。溶接ライン(図示せず)は、フェンダ1に受容構造体8を固定するための手段を構成している。さらに、固定タブ13および14は、追加の固定手段を設けるためにフェンダの上縁部11および受容構造体8上にそれぞれ設けられる。
【0035】
前部分9において、受容構造体8は、前記構造体が前部分に固定されるとき、フェンダ内の開口4と一致するウインドウ15を有する。光ユニット6のガラス5は、開口4内の位置につき、フェンダの前面と同一平面になるようにウインドウ15を通過することができる。
【0036】
図3および図4でさらにはっきりと見ることができるように、開口4の周囲は、フェンダに対する基準位置に光ユニットのガラスを押し込むために平衡点と称される支持点を構成する軸受面を有する。
【0037】
2つの第1の軸受面16および17は、自動車の長手方向(X)の位置決めを行うために開口4の各へりに配置されている。開口4の下方水平枠(margin)の上面に配置されている軸受面18は、垂直方向(Z)の位置決めを行う。
【0038】
さらに、光ユニットのガラス5はその側縁部の1つに突出部19を含み、この突出部19は、フェンダのリムに形成された半楕円形の凹所に入り込む。突出部は、X方向に対して第3の位置決めを行い、Z方向に対して第2の位置決めを行う。
【0039】
最後に、軸受面20は、開口4の側方の境界の一方で、自動車の横方向(Y)に対する位置決めを行う。
【0040】
これらの6つの固定軸受点によって、ガラス5は、フェンダの前面2に対して押されるとき、フェンダに対する基準位置に適切に押し込まれる。
【0041】
組立中、光ユニット6は、ガラスがフェンダに対して基準位置にある位置に一時的に保持され、光ユニットは、光ユニット6および受容構造体8にそれぞれ形成された固定タブ21、22、23、24、25および26にボルトを通過させることによって受容構造体に固定される。これらのタブは、ガラスがフェンダに対しての基準位置に押し込まれるときに得られるような受容構造体の光ユニットのための最終的な位置を維持するように変形する能力を提供する。
【0042】
さらに、光ユニット6に関しては、受容構造体は、前部分9と一体的に形成され、光ユニットの場所のすぐ下に配置されたスライドウェイ27の形態の支持手段と、自動車の構造部分に取り付けるためのブラケット28とを備えている。これらの支持手段は、フェンダに対するある程度の自由度を含み、横方向Yに沿って自由に摺動が生じることができる。したがって、フェンダは、光ユニットに対する支持を低下させることなく、例えば、日光に対する露出の結果として、熱膨張を受けることができる。
【0043】
スライドウェイ27は、ヒューズ部材を有利に構成するか、または離脱可能な(declutchable)下方固定部材を有し、したがって、高エネルギーで衝突した場合(ダナー衝撃)、光ユニットを保存することができる。
【0044】
また、受容構造体は、他の機能を提供することができる。特に、
受容構造体のサイド部分10の下縁29であって、フェンダの形状に合致する下縁9に沿ったホイールアーチを固定するための手段。
【0045】
自動車の上側側方レール31にフェンダの上縁を連結する連結インターフェイス30の少なくとも一部の存在。
【0046】
歩行者の脚部または臀部とフェンダの前方部分2とが衝突した場合、エネルギーを吸収することのできる構造。
【0047】
ある人がフェンダに座った場合に支持を提供する構造。
【0048】
フェンダと受容構造体との間の固定手段がヒューズとして作用し、この場合、可融性は、タブ13および14によって、またはそれらを一緒に連結するための部材によって提供することができる。
【0049】
光ユニット6と受容構造体との間の固定手段がヒューズとして作用し、この可融性は、タブ21−26により提供されており、または、それらを一緒に連結する部材により提供されている。
【0050】
タンクおよび/または電子装置および/または照明装置および/またはクリーニング装置のような機能的な部材の支持体を提供する。
【0051】
これらの各々の機能は、受容構造体それ自体がプラスティック材料からつくられるとき、受容構造体により容易に加えられるものである。
【0052】
受容構造体によって提供される利点については、フェンダへの局所的な補強が行われることを述べることができる。受容構造体はほとんど膨張しないので、日光にさらされた場合に光ユニットの周りでフェンダの変位を制限するが、光ユニットの近傍から離れている場合には、フェンダはさらにずっと均一な態様で膨張可能である。受容構造体が可撓性のプラスティック材料でつくられているとき、ダナー衝撃に耐えることができ、これは、前記受容構造体にこの機能を統合することによって提供することができる利点を示す。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明の特定の実施例を構成する外側モジュールの左前方フェンダの内側から見た分解斜視図である。
【図2】図1のIIの正面図である。
【図3】図2の領域IIIの拡大図である。
【図4】図2のIV−IVの断面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フェンダ(1)とガラス(5)が光ユニットのガラス(5)をフェンダに対する基準位置に入れ込む手段(16〜20)を含む、自動車のフェンダ(1)に嵌合するガラス(5)を有する光ユニット(6)を受ける受容構造体(8)であって、
受容構造体(8)をフェンダに固定する固定手段(13、14)と、
光ユニット(6)を受容構造体(8)に固定する固定手段(21〜26)であって、ガラスを基準位置に入れ込む手段によって負荷されるときフェンダに対してガラス(5)の基準位置を維持する固定手段とを含むことを特徴とする受容構造体(8)。
【請求項2】
プラスティック材料でつくられる請求項1に記載の受容構造体。
【請求項3】
フェンダ(1)を局所的に補強するように配置された請求項1または請求項2に記載の受容構造体。
【請求項4】
受容構造体に対して光ユニットを固定する固定手段は、自動車に光ユニットを固定する唯一の手段である請求項1から3のいずれか一項に記載の受容構造体。
【請求項5】
受容構造体の寸法は、フェンダの上方リム(11)と下方リム(12)との間に受けられるような寸法である請求項1から4のいずれか一項に記載の受容構造体。
【請求項6】
光ユニット(6)の近傍でフェンダ(1)の塗装面のふくれを防止するように成形されている請求項1から5のいずれか一項に記載の受容構造体。
【請求項7】
フェンダに固定された光ユニットを支持する支持手段(27、28)を含み、前記支持手段が、車の構造体に取り付けるように設計されている請求項1から6のいずれか一項に記載の受容構造体。
【請求項8】
支持手段(27、28)は、受容構造体に固定されている請求項7に記載の受容構造体。
【請求項9】
支持手段(27、28)は、フェンダに対して少なくとも1つの自由度を有する請求項7または請求項8に記載の受容構造体。
【請求項10】
支持手段は、スライドウェイ(28)である請求項9に記載の受容構造体。
【請求項11】
受容構造体(8)をフェンダに固定する固定手段は、受容構造体をフェンダに接着、接合、溶接、クリップ止め、リベットによる固定、ヘッディング、またはボルト固定するからなる請求項1から10のいずれか一項に記載の受容構造体。
【請求項12】
受容構造体(8)をフェンダに固定する固定手段および/または光ユニット(6)を受容構造体(8)に固定する固定手段は、可融性である請求項1から11のいずれか一項に記載の受容構造体。
【請求項13】
ホイールアーチを固定する手段を含む請求項1から12のいずれか一項に記載の受容構造体。
【請求項14】
歩行者の脚部または臀部に対する衝撃エネルギーを吸収するように構成されている請求項1から13のいずれか一項に記載の受容構造体。
【請求項15】
自動車のフェンダ(1)と構造部品(31)との間で連結インターフェイス(30)を含む請求項1から14のいずれか一項に記載の受容構造体。
【請求項16】
連結インターフェイス(30)は、スライディング固定部材にある請求項15に記載の受容構造体。
【請求項17】
連結インターフェイス(30)は、乗員の頭への衝撃を吸収するエネルギー吸収器からなる請求項15または請求項16に記載の受容構造体。
【請求項18】
ウインドシールドウオッシャジャー、タンク、ヘッドライトウオッシャ、ライト、または電子装置のような自動車の機能部材を固定する固定手段を含む請求項1から17のいずれか一項に記載の受容構造体。
【請求項19】
フェンダ(1)とガラス(5)を含む光ユニット(6)とを含み、請求項1から18のいずれか一項に記載の受容構造体を含むことを特徴とする自動車の外側モジュール。
【請求項20】
フェンダ(1)はプラスティック材料からつくられる請求項19に記載の外側モジュール。
【請求項21】
請求項1から18のいずれか一項に記載の受容構造体を含むことを特徴とする自動車のフェンダ。
【請求項22】
方法が、
光ユニット(6)のガラス(5)をフェンダ(1)に対する基準位置に入れ込み、
ユニットがその基準位置に入れ込まれたときに得られる位置を最終的に維持するように光ユニット(24〜26)および受容構造体(21〜23)にそれぞれ設けられている手段(21〜26)によって受容構造体に光ユニット(6)を固定することからなることを特徴とする、請求項1から18のいずれか一項に記載の受容構造体を備える車体のフェンダに光ユニット(6)を取り付ける方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2006−527121(P2006−527121A)
【公表日】平成18年11月30日(2006.11.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−508362(P2006−508362)
【出願日】平成16年6月7日(2004.6.7)
【国際出願番号】PCT/FR2004/001413
【国際公開番号】WO2004/110810
【国際公開日】平成16年12月23日(2004.12.23)
【出願人】(504037391)コンパニ・プラステイツク・オムニウム (11)
【Fターム(参考)】