光互変系の安定化
【課題】光互変系の安定化の提供
【解決手段】ポリマー材、光互変染料、ヒドロキシフェニルトリアジンUV吸収剤、及び所望により、立体障害性アミンより選択された他の光安定剤を含む光互変系が開示されている。この系は、可逆的な光互変効果及び改良された光安定性及び色堅牢性を与える。
【解決手段】ポリマー材、光互変染料、ヒドロキシフェニルトリアジンUV吸収剤、及び所望により、立体障害性アミンより選択された他の光安定剤を含む光互変系が開示されている。この系は、可逆的な光互変効果及び改良された光安定性及び色堅牢性を与える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光互変染料を含む光安定化ポリマー組成物、光互変染料の安定性及び/又は色堅牢性を改良する方法、及び光互変染料又はそれらを含む組成物の光堅牢性の改善のための一定の安定剤の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
光互変系は、日光により誘発される化学種の可逆的変換により色を変え得る分子を含む。
典型的な光互変系は、ナフト−又はベンゾピラン(クロメン)、スピロピラン、スピロオキサジンを用いる。これらの分子は、幾つかの利用分野、とりわけプラスチックを(例えば、眼科用レンズ)において見出している。そのような機器の大規模採用に対する最も厳しい制限の一つは、本質的に乏しい長期安定性、例えば、多かれ少なかれ日光での継続照射条件下での無色及び着色形態両方の光安定性による。特許文献1は、ある光安定剤を用いたこれらの系のある安定化を記載する。
特許文献2は、キャリヤー光互変ナフトピラン材料及び、ポリフェノール系抗酸化剤、紫外線吸収剤及びヒンダードアミン光安定剤を含む安定剤系の組成物に関する。該安定剤系は、光互変性ナフトピラン化合物の耐疲労性を改良するために使用される。
【特許文献1】国際公開第96/37576号パンフレット
【特許文献2】米国特許第5,770,115号明細書
【発明の開示】
【0003】
光互変系及び、例えばプラスチック及びエラストマー等のポリマー材への標識及び着色に使用された染料の、改良された光安定化及び色堅牢性が、特定のUV吸収剤及び所望による他の安定剤の使用により達成され得ることが今や見出された。
紫外線吸収剤はヒドロキシフェニルトリアジン類より選択され;従って、本発明は、
a)ポリマー材であって
b)光互変染料及び
c)式I、II、III、IV、V又は(100)
【化1】
【化2】
[式中、
Yは、フェニル基、ナフチル基、又は1ないし3個の炭素原子数1ないし6のアルキル基により、ハロゲン原子により、ヒドロキシ基により又は炭素原子数1ないし6のアルコキシ基により又はそれらの混合により置換された前記フェニル基又は前記ナフチル基を表すか、或いはYはZ1又はZ2を表し;
XはZ1又はZ2を表し;
R1は、水素原子、直鎖状の又は枝分れ状の炭素原子数1ないし24のアルキル基、炭
素原子数5ないし12のシクロアルキル基、炭素原子数7ないし15のフェニルアルキル基、ハロゲン原子、−SR3、−SOR3又は−SO2R3を表すか;又は1ないし3個のハロゲン原子、−R4、−OR5、−N(R5)2、−COR5、−COOR5、−OCOR5、
−CN、 −NO2、−SR5、−SOR5、−SO2R5又は−P(O)(OR5)2、モルホリニル基、ピペリジニル基、2,2,6,6−テトラメチルピペリジニル基、ピペラジニル基又はN−メチル−ピペリジニル基又はそれらの組み合わせにより置換された前記アルキル基、前記シクロアルキル基又は前記フェニルアルキル基;又は1ないし4個のフェニレン基、−O−、NR5−、−CONR5−、COO−、−OCO−又は−CO基又はそれらの組み合わせにより中断された前記アルキル基又は前記シクロアルキル基;又は上述の基の組み合わせにより置換及び中断された前記アルキル基又は前記シクロアルキル基を表し;
R3は、炭素原子数1ないし20のアルキル基、炭素原子数3ないし18のアルケニル
基、炭素原子数5ないし12のシクロアルキル基、炭素原子数7ないし15のフェニルアルキル基、炭素原子数6ないし10のアリール基或いは1個又は2個の炭素原子数1ないし4のアルキル基により置換された前記アリール基を表し;
R4は、炭素原子数6ないし10のアリール基又は1ないし3個のハロゲン原子、炭素
原子数1ないし8個のアルキル基、炭素原子数1ないし8個のアルコキシ基又はそれらの組み合わせにより置換された前記アリール基;炭素原子数5ないし12のシクロアルキル基;炭素原子数7ないし15のフェニルアルキル基又はフェニル環において1ないし3個のハロゲン原子、炭素原子数1ないし8のアルキル基、炭素原子数1ないし8のアルコキシ基又はそれらの組み合わせにより置換された前記フェニルアルキル基;或いは直鎖状又は枝分れ状の炭素原子数2ないし18のアルケニル基を表し;
R5は、R4の定義と同様であるか;又はR5はまた、水素原子或いは直鎖状又は枝分れ
状の炭素原子数1ないし24のアルキル基、炭素原子数2ないし24のアルケニル基を表すか;又はR5は、式
【化3】
(式中、
Tは、水素原子、オキシル基、ヒドロキシル基、−OT1、炭素原子数1ないし24の
アルキル基、1ないし3個のヒドロキシ基により置換された前記アルキル基;ベンジル基又は炭素原子数2ないし18のアルカノイル基を表し;
T1は、炭素原子数1ないし24のアルキル基、炭素原子数5ないし12のシクロアル
キル基、炭素原子数2ないし24のアルケニル基、炭素原子数5ないし12のシクロアルケニル基、炭素原子数7ないし15のフェニルアルキル基、炭素原子数7ないし12の飽和又は不飽和二環式又は三環式炭化水素の基又は炭素原子数6ないし10のアリール基又は1ないし3個の炭素原子数1ないし4のアルキル基により置換された前記アリール基を表す。)
で表される基を表し;
R2は、水素原子、直鎖状又は枝分れ状の炭素原子数1ないし24のアルキル基又は炭
素原子数5ないし12のシクロアルキル基;又は1ないし4個のハロゲン原子、エポキシ基、グリシジルオキシ基、フリルオキシ基、−R4、−OR5、−N(R5)2、−CON(R5)2、−COR5、−COOR5、−OCOR5、−OCOC(R5)=C(R5)2、−C(R5)=CCOOR5、−CN、−NCO又は
【化4】
又はそれらの組み合わせにより置換された前記アルキル基又は前記シクロアルキル基;又は1ないし4個のエポキシ基、−O−、−NR5−、−CONR5−、−COO−、−OCO−、−CO−、−C(R5)=C(R5)COO−、−OCOC(R5)=C(R5)−、−C(R5)=C(R5)−、フェニレン基又はフェニレン−G−フェニレン基(式中、Gは、−O−、−S−、−SO2−、−CH2−又は−C(CH3)2−を表す。)又はそれらの組み合わせにより中断された前記アルキル基又は前記シクロアルキル基、或いは上述の基の組み合わせにより置換及び中断された前記アルキル基又は前記シクロアルキル基を表すか;又はR2は、−SO2R3又は−COR6を表し;
R6は、直鎖状又は枝分れ状の炭素原子数1ないし18のアルキル基、直鎖状又は枝分
れ状の炭素原子数2ないし12のアルケニル基、フェノキシ基、炭素原子数1ないし12のアルキルアミノ基、炭素原子数6ないし12のアリールアミノ基、−R7COOH又は
−NH−R8−NCOを表し;
R7は、炭素原子数2ないし14のアルキレン基又はフェニレン基を表し;
R8は、炭素原子数2ないし24のアルキレン基、フェニレン基、トリレン基、ジフェ
ニルメタン基又は基
【化5】
を表し;
R1及びR1’は、同じであるか又は異なり、及びR1に対して定義されたとおりであり
;
R2及びR2’は、同じであるか又は異なり、及びR2に対して定義されたとおりであり
;
X及びX’は、同じであるか又は異なり、及びXに対して定義されたとおりであり;Y及びY’は、同じであるか又は異なり、及びYに対して定義されたとおりであり;
tは0ないし9であり;
Lは、直鎖状又は枝分れ状の炭素原子数1ないし12のアルキレン基、炭素原子数5ないし12のシクロアルキレン基或いはシクロヘキシレン基又はフェニレン基により置換されたか又は中断されたアルキレン基を表すか;又はLはベンジリデン基を表すか;又はLは、−S−、−S−S−、−S−E−S−、−SO−、−SO2−、−SO−E−SO−
、−SO2−E−SO2−、−CH2−NH−E−NH−CH2又は
【化6】
を表し;
Eは、炭素原子数2ないし12のアルキレン基、炭素原子数5ないし12のシクロアルキレン基又は炭素原子数5ないし12のシクロアルキレン基により中断されたか又は末端化されたアルキレン基を表し;
nは2、3又は4であり;
nが2である場合;Qは、直鎖状又は枝分れ状の炭素原子数2ないし16のアルキレン基;又は1ないし3個のヒドロキシ基により置換された前記アルキレン基;又は1ないし3個の−CH=CH−又は−O−により中断された前記アルキレン基;又は上述の基の組み合わせにより置換され及び中断された前記アルキレン基を表すか;又はQは、キシリレン基又は基−CONH−R8−NHCO−、−CH2CH(OH)CH2O−R9−OCH2
CH(OH)CH2−、−CO−R10−CO−、又は−(CH2)m−COO−R11−OO
C−(CH2)m−(式中、mは1ないし3である。)を表すか;又はQは、
【化7】
を表し;
R9は、炭素原子数2ないし50のアルキレン基;又は1ないし10個の−O−、フェ
ニレン基又は基−フェニレン−G−フェニレン基(式中、Gは、−O−、−S−、−SO2−、−CH2−又は−C(CH3)2−を表す。)により中断された前記アルキレン基を表し;
R10は、炭素原子数2ないし10のアルキレン基、又は1ないし4個の−O−、−S−又は−CH=CH−により中断された前記アルキレン基を表すか;又はR10は、炭素原子数6ないし12のアリーレン基を表し;
R11は、炭素原子数2ないし20のアルキレン基又は1ないし8個の−O−により中断された前記アルキレン基を表し;
nが3である場合、Qは、基−[(CH2)mCOO]3−R12(式中、mは1ないし3
であり、及びR12は炭素原子数3ないし12のアルカントリイル基を表す。)を表し;
nが4である場合、Qは、基−[(CH2)mCOO]4−R13(式中、mは1ないし3
であり、及びR14は炭素原子数4ないし12のアルカンテトライル基を表す。)を表し;
Z1は、式
【化8】
で表される基を表し;
Z2は、式
【化9】
(式中、r1及びr2は1である。)
で表される基を表し;
R14、R15、R16、R17、R18、R19、R20、R21、R22及びR23は、互いに独立して、水素原子、ヒドロキシ基、シアノ基、炭素原子数1ないし20のアルキル基、炭素原子数1ないし20のアルコキシ基、炭素原子数7ないし15のフェニルアルキル基、炭素原子数5ないし12のシクロアルキル基、炭素原子数5ないし12のシクロアルコキシ基、ハロゲン原子、炭素原子数1ないし5のハロアルキル基、スルホ基、カルボキシ基、炭素原子数2ないし12のアシルアミノ基、炭素原子数2ないし12のアシルオキシ基、炭素原子数2ないし12のアルコキシカルボニル基又はアミノカルボニル基を表すか;或いはR17とR18又はR22とR23は、それらが結合されるフェニル基と一緒に、1ないし3個の−O−又は−NR5−により中断された環状基を表す。]
で表されるヒドロキシフェニルトリアジンUV吸収剤(i)を含む安定剤
を含有するもの
を含む組成物に関する。
【0004】
本発明のもう1つの態様において、s−トリアジンUV吸収剤は、
式中、
X及びYはZ1又はZ2を表し;
R1は、水素原子、直鎖状の又は枝分れ状の炭素原子数1ないし24のアルキル基、炭
素原子数5ないし12のシクロアルキル基、炭素原子数7ないし15のフェニルアルキル基又は水素原子を表し;
R2は、水素原子、直鎖状の又は枝分かれ状の炭素原子数1ないし24のアルキル基又
は炭素原子数5ないし12のシクロアルキル基を表すか;又は1ないし3個の−R4、−
OR5、−COOR5、−OCOR5又はそれらの組み合わせにより置換された前記アルキ
ル基又は前記シクロアルキル基を表すか;又は1ないし3個のエポキシ基、−O−、−COO−、−OCO−又は−CO−により中断された前記アルキル基又はシクロアルキル基を表し;
R4は、炭素原子数6ないし10のアリール基又は1ないし3個のハロゲン原子、炭素
原子数1ないし8個のアルキル基、炭素原子数1ないし8個のアルコキシ基又はそれらの組み合わせにより置換された前記アリール基;炭素原子数5ないし12のシクロアルキル基;炭素原子数7ないし15のフェニルアルキル基又はフェニル環において1ないし3個のハロゲン原子、炭素原子数1ないし8のアルキル基、炭素原子数1ないし8のアルコキシ基又はそれらの組み合わせにより置換された前記フェニルアルキル基を表し;
R5は、R4の定義と同様であるか;又はR5はまた、水素原子或いは直鎖状又は枝分れ
状の炭素原子数1ないし24のアルキル基を表し;
Z1は、式
【化10】
で表される基を表し;
Z2は、式
【化11】
(式中、r1及びr2は1である。)
で表される基を表し;及び
R14、R15、R16、R17、R18、R19、R20、R21、R22及びR23は、互いに独立して、水素原子、ヒドロキシ基、シアノ基、炭素原子数1ないし20のアルキル基、炭素原子数1ないし20のアルコキシ基、炭素原子数7ないし15のフェニルアルキル基、炭素原子数5ないし12のシクロアルキル基、炭素原子数5ないし12のシクロアルコキシ基、ハロゲン原子、炭素原子数1ないし5のハロアルキル基、スルホ基、カルボキシ基、炭素原子数2ないし12のアシルアミノ基、炭素原子数2ないし12のアシルオキシ基、炭素原子数2ないし12のアルコキシカルボニル基又はアミノカルボニル基を表す
ところの、式Iで表されるものである。
【0005】
好ましくは、例えば、一般構造が
【化12】
(式中、R28は、(CH2−CH2−O−)n−R29;−CH2−CH(OH)−CH2−O
−R29;又は−CH(R30)−CO−O−R40を表し;nは0又は1であり;R29は、炭素原子数1ないし13のアルキル基又は炭素原子数2ないし20のアルケニル基又は炭素原子数6ないし12のアリール基又はCO−炭素原子数1ないし18のアルキル基を表し;R30は、H又は炭素原子数1ないし8のアルキル基を表し;R40は、炭素原子数1ないし12のアルキル基又は炭素原子数2ないし12のアルケニル基又は炭素原子数5又は6のシクロアルキル基を表す)で表されるものである。
ヒドロキシフェニルトリアジン(i)の他の例は、化合物(a)
(a)2−(2−ヒドロキシ−4−[2−エチルヘキシル]オキシフェニル)−4,6−ジ(4−フェニルフェニル)−1,3,5−トリアジン
である。
以下の実施例に用いられる化合物UV1は、上記化合物(a)と同一である(また米国特許第6060543号明細書の化合物A8として開示される。)。
【0006】
ヒドロキシフェニルトリアジンUV吸収剤は、例えば、英国特許出願公開第975966号明細書、欧州特許出願公開第434608号明細書、米国特許第4619956号明細書、米国特許第5298067号明細書、欧州特許出願公開第530135号明細書、欧州特許出願公開520938号明細書、欧州特許出願公開第531258号明細書、米国特許第5556973号明細書、米国特許第5959008号明細書、米国特許第6184375号明細書、米国特許第6117997号明細書において;例えば、米国特許第5998116号明細書、米国特許第6255483号明細書、米国特許第6060543号明細書において記載される。
興味あるのはまた、ヒドロキシフェニルトリアジンUV吸収剤(i)が式(100)
【化13】
(式中、
x2は1ないし50の数であり;
A1は式(101)
【化14】
で表される基を表すか、又はT10に対して与えられた意味の1つを有し;
D1は、炭素原子数4ないし12のアルキレン基又はOHにより置換されたか又はOに
より中断されたか又はOHにより置換され且つOにより中断された前記アルキレン基を表し;
L1は、炭素原子数1ないし18のアルキレン基;炭素原子数5ないし12のシクロア
ルキレン基;炭素原子数3ないし18のアルケニレン基;又はフェニル基、炭素原子数7ないし11のアルキルフェニル基、炭素原子数5ないし12のシクロアルキル基、OH、ハロゲン原子、炭素原子数1ないし18のアルコキシ基、炭素原子数5ないし12のシクロアルコキシ基、炭素原子数3ないし18のアルケニルオキシ基、COOHにより置換された前記基の1つを表し;
R50は、互いに独立して、H、OR54又はOHを表すが、但し、R50又はR53のうちの少なくとも1つはOHを表し;
R54は、互いに独立して、水素原子、炭素原子数1ないし12のアルキル基又は式−L1−CO−O−R55を表し;
R55は、H、炭素原子数1ないし18のアルキル基、炭素原子数2ないし12のヒドロキシアルキル基を表し;
R51は、水素原子、炭素原子数1ないし4のアルキル基、Cl、フェニル基又は基−OR54を表し;
R52は、水素原子又はメチル基を表し;
R53は、水素原子、メチル基、OH又はOR54を表し;及び
T10は、炭素原子数13ないし60の脂肪族又は脂環式ジカルボン酸の2価アシル残基を表す。)で表され、
並びに、少なくとも1個の式(101)部分及び少なくとも1個のT10部分を含むオリゴ−又はポリエステルであるところの、組成物である。
【0007】
好ましい化合物において、L1は、炭素原子数1ないし4のアルキレン基、特に炭素原
子数2ないし4のアルキリデン基又はメチレン基を表す。D1は、有利には炭素原子数4
ないし12のアルキレン基又はOにより中断された炭素原子数4ないし10のアルキレン基を表す。
炭素原子数13ないし60の脂肪族又は脂環式ジカルボン酸の2価アシル残基としてのT10は、例えば、2個のカルボニル基が、炭素原子数11ないし58のアルキレン基又は炭素原子数11ないし58のアルケニレン基或いはシクロアルキレン基又はシクロアルケニレン基により中断されたアルキレン基により相互につながっており、各々未置換であるか又はアルキル基により置換されており、及び全部で11ないし58個の炭素原子、好ましくは20ないし50個の炭素原子を含むところの、脂肪族ジアシル基を含む。アルキレン基又はアルケニレン基は枝分れ状であるか又は枝分れ状ではなく、又は好ましくは酸素原子により中断されたエチレン性二重結合に隣接していない方がよい。好ましい化合物において、T10は、−CO−T10'−CO−(式中、T10'は、炭素原子数20ないし50の
アルキレン基又は1個以上の酸素原子により中断された炭素原子数20ないし50のアルキレン基を表し;好ましくは枝分れ状ではない炭素原子数20ないし50のアルキレン基を表す。)を表す。さらに好ましい化合物において、T10は、−CO−T10'−CO−(
式中、T10'は、炭素原子数5ないし12のシクロアルキレン基又は炭素原子数5ないし
12のシクロアルケニレン基又はアルキル基により置換された前記シクロアルキレン基又は前記シクロアルケニレン基により中断され、及び全部で11ないし58個の炭素原子、とりわけ20ないし50個の炭素原子を含むアルキレン基を表し;とりわけ好ましいシクロアルキレン基はシクロヘキシレン基であり;とりわけ好ましいシクロアルケニレン基はシクロヘキセニレン基である。価値あるスペーサー基T10'は、例えば式102
【化15】
[式中、
R56は、−(CbH2b)−を表し、及びR57は、−(CcH2c)−を表し、及びR58、R59及びR60は、−(CdH2d)−H、−(CeH2e)−H、及び−(CfH2f)−H(式中
、b1は、0ないし7の範囲であり、及びインデックスbないしfの各々は0ないし20
の範囲であり、但し、合計b1+b+c+d+e+fは15ないし45の範囲である。)
をそれぞれ表す。]で表されるもの、或いは、
式103
【化16】
(式中、
R61及びR62は各々炭素原子数1ないし18のアルキレン基を表し、及びR63、R64、R65及びR66は各々独立して、H又は炭素原子数1ないし18のアルキル基を表し、及びR65及びR66は一緒になってまた化学結合であり得、但し、式103中の炭素原子の総数は20ないし50の範囲である。)で表されるものである。
特に技術的に重要なものは、式中のR61及びR62が独立して炭素原子数4ないし12のアルキレン基を表し、R63及びR64の各々が独立して炭素原子数4ないし12のアルキル基を表し、さらにR65及びR66が水素原子を表すところの式103のスペーサー基T10'
である。
【0008】
本式(100)で表される化合物において、最も好ましくは、R50はHを表し;
R54は水素原子又はメチル基を表し;
R51は、水素原子、メチル基又は基−OR54を表し;
R52は水素原子を表し;
R53は水素原子、OH又はメチル基を表す。
式(100)で表されるオリゴマー又はポリマーの末端基は大抵、−O−D1−OR67
、又はA1に結合する場合は(式100の左側)−OR67を表すか、又は−T10'−COOR67又は−[式101で表される基]−OR67のような−A1−OR67を表すか、又はO
に結合する場合は(式100の右側)−R67を表し、
ここで、R67はH又は炭素原子数1ないし8のアルキル基を表す。
例えば、式(100)で表されるエステルは、式(104)
【化17】
(式中、
x2は1ないし20の数であり;
数yは少なくとも1であり、及び(x2+z−1)ないし(x2+z+1)の範囲であり;
zは1ないし20の数であり;及び
R68は、水素原子、炭素原子数1ないし12のアルキル基;炭素原子数5ないし12のシクロアルキル基;炭素原子数2ないし12のアルケニル基;フェニル基;炭素原子数7ないし11のアルキルフェニル基;フェニル基、OH、ハロゲン原子により置換された炭素原子数1ないし12のアルキル基;炭素原子数1ないし18のアルコキシ基、炭素原子数5ないし12のシクロアルコキシ基、炭素原子数3ないし18のアルケニルオキシ基又はCOOH;とりわけ水素原子又は炭素原子数1ないし4のアルキル基を表し;
R67は水素原子又は炭素原子数1ないし8のアルキル基を表し;
R69は水素原子又は炭素原子数1ないし4のアルキル基を表し;
D1は、炭素原子数4ないし8のアルキレン基又はOにより中断された炭素原子数4な
いし10のアルキレン基を表し;及びT10'は、炭素原子数20ないし50のアルキレン
基又は1個以上の酸素原子により中断された炭素原子数20ないし50のアルキレン基を表し;
及びすべての他の記号は上記式100において定義されたとおりである。)
に対応する。
T10'はまた、炭素原子数5ないし12のシクロアルキレン基又はアルキル基により置
換された前記シクロアルキレン基、特にシクロヘキシレン基により中断され、及び全部で20ないし50の炭素原子を含むアルキレ基であり得る。
【0009】
式(104)で表されるオリゴ−又はポリエステルにおいて、記号x2及びzにより特
定される2価構造単位の各々は、記号yにより特定される構造単位−O−D1−に、及び
/又は末端基R67又はOR67に結合している。
式(100)で表される化合物において、x2は、好ましくは2ないし50の範囲であ
り、より好ましくは2ないし20の範囲であり、とりわけ4ないし12であり;式101のトリアジン部分の二酸残基T10に対する数は好ましくは、およそ1:3ないしおよそ10:1の範囲であり、より好ましくはおよそ1:1ないしおよそ5:1である。式(10
4)で表される化合物において、x2及びzの各々は好ましくは、1ないし16の範囲で
あり;より好ましくは、x2は1ないし10の範囲であり及びzは2ないし12の範囲で
ある。
式100又は104で表されるもののような本発明のオリゴマー状又はポリマー状エステルは大抵、1000ないし50000g/モル、より好ましくは1500ないし20000g/モル、最も好ましくは2000ないし10000g/モルの範囲内の分子量(ゲル浸透クロマトグラフィー GPC)により決定された数平均Mnを有する。)。
【0010】
アルキルフェニル基は、アルキル−置換されたフェニル基であり;炭素原子数7ないし14のアルキルフェニル基は、メチルフェニル基(トリル基)、ジメチルフェニル基(キシリル基)、トリエチルフェニル基(メシチル基)、エチルフェニル基、プロピルフェニル基、ブチルフェニル基、ジブチルフェニル基、ペンチルフェニル基、ヘキシルフェニル基、ヘプチルフェニル基及びオクチルフェニル基のような例を含む。
フェニルアルキル基は、フェニル−置換されたアルキル基であり;炭素原子数7ないし11のフェニルアルキル基は、ベンジル基、α−メチルベンジル基、α−エチルベンジル基、α,α−ジメチルベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基、フェニルブチル基及びフェニルペンチル基のような例を含む。
Oにより中断されたアルキル基は一般的に、1個以上の非隣接の酸素原子(群)を含む。好ましくは、D1又はT10'のようなアルキレン鎖の炭素原子は、1個以下のヘテロ原子に結合している。
上記された定義の範囲内において、アルキル基は、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、第二ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、2−エチルブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、1−メチルペンチル基、1,3−ジメチルブチル基、n−ヘキシル基、1−メチルヘキシル基、n−ヘプチル基、イソヘプチル基、1,1,3,3−テトラメチルブチル基、1−メチルヘプチル基、3−メチルヘプチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、1,1,3−トリメチルヘキシル基、1,1,3,3−テトラメチルペンチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、1−メチルウンデシル基、ドデシル基、1,1,3,3,5,5−ヘキサメチルヘキシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基及びオクタデシル基のような枝分れ状の又は枝分れしていないアルキル基である。
【0011】
L1又はD1のようなアルキレン基は、そのようなアルキル基から水素原子の引抜により誘導する。
上記された定義の範囲において、アルケニル基は、アリル基、イソプロペニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、イソブテニル基、n−ペンテ−2,4−ジエニル基、3−メチル−ブテ−2−エニル基;n−オクテ−2−エニル基、n−ドデセ−2−エニル基、イソドデセニル基、n−オクタデセ−2−エニル基及びn−オクタデセ−4−エニル基を含む。
T10の重鎖、例えばT10'のアルキレン基は、それらの主構成の周辺に特定の分子分布
を有し得る。範囲は例えば、C−原子数22ないし26個、28ないし32個又は34ないし38個であり得る。しかしながらまた、T10'につき各々、全部で炭素原子数が例え
ば20ないし40個、30ないし50個又は30ないし40個のような広範囲が使用されることが可能である。
式(100)又は(104)で表される化合物を調製するための抽出物が市販品であるため、それらは特定の規格内で変化し得る。このことは、T10が(上述したように中断されていてもよい)炭素原子数20ないし60のアルキレン基であるとき、T10基が誘導される高分子量二酸について特に当てはまる。
商業上入手出来る二酸又は二酸エステルはまた、少量の炭素原子数20未満の鎖を含み得る。それ故、T10が炭素原子数20未満のジアシル鎖10%まで及び炭素原子数20ないし60の、特に20ないし40のジアシル鎖90%ないし100%を含む混合物である
ところの化合物の混合物がまた、本発明の対象である。パーセンテージは、全混合物に基づき質量%である。
【0012】
本発明はまた、式(105)
【化18】
で表されるトリス−アリール−トリアジン及び式R67−O−T10−O−R67で表される化合物(式中、Y1はCOを表し、及びすべての他の記号は上記定義されたとおりである。
)を、ジオールHO−D1−OHと反応させることにより得られ得るオリゴエステル又は
ポリエステルに関する。
式(100)ないし(105)のヒドロキシフェニルトリアジンUV吸収剤(i)は、出願番号EP2004/050804を有する国際特許出願において記載されるとおりに調製され得る。
好ましくは、式I、II、III、IV又はVで表されるヒドロキシフェニルトリアジンUV吸収剤(i)である。
使用される好ましい他の光安定剤は、とりわけ、オリゴマー状の及び単分散性のHALS、アルコキシアミン類(NOR−HALS)のオリゴマー状HALS、及びピペラジノンのような低アルカリ性HALS(国際公開第00/31069号パンフレットに記載される製品のような)、モルホリノン(国際公開第99/14206号パンフレットを参照のこと。)、ピペラジンジオン(ドイツ国特許出願公開第19924984号明細書)、及びチオイミダゾリジノン(国際公開第01/62739号パンフレットを参照のこと。)より選択される立体障害性アミン(HALS)である。
従って、本発明は特に、
a)ポリマー材であって、
b)光互変染料及び
c)i)ヒドロキシフェニルトリアジンUV吸収剤及び
ii)立体障害性アミン(HALS)より選択される少なくとも1種の他の光安定剤
との安定剤組合せ
を含有するもの
を含む組成物に関する。
【0013】
本発明の組成物は、光互変効果が達成されるすべての用途に使用される。幾つかの例を以下に記載する:
・ 有害なUV太陽光線の有益な中和及び防眩の効果が必要な場合においてのみ効果的
であり、屋内での調光レンズを用いたサングラスの屋内での使用も可能にする“調光”として言及される、特別な型の眼科用レンズのような光学装置。そのようなレンズはしばしば、ポリアクリレート、セルロースエステル、ポリビニルアルコール、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレートのようなポリエステル、ポリビニルブチラ
ート、ポリスチレン及びスチレン−メタクリレート又はスチレン−アクリロニトリルのような関連あるコポリマーから作られる。該系は、参考により本明細書に組み込まれる国際公開第97/32225号パンフレット、及び米国特許第4,871,784号明細書及び第5,217,794号明細書に見られるような最適のフィルムにさらに適用され得る。
・他の用途は、太陽光線のUV部により引き起こされる可視光の濾過が、建築物内又は車両内の快適さを高め及び/又は内部環境を調整するためのコストを低減させるのに貢献し得るところの、透明板ガラスの分野にあり得る。光互変系は、プラスチック窓中に存在し得るか或いはガラス又はプラスチック窓上に積層されるか又は中に埋め込まれたフィルム中で使用され得る。これら背景において使用される典型的な材料は、ポリエチレンテレフタレート、グリコール変性ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリビニルブチラール、及び/又はフィルム及び透明板ガラスのための参照により本明細書に組み込まれている国際公開第92/01557号パンフレット、特開昭50−33286号公報;特開平5−143668号公報;特開平7−3217号公報及び特開平8−143831号公報、及び米国特許第5,643,676号明細書に記載されるもの;或いは、ウィンドウスクリーン/車両用透明板ガラス及び中間層のために、参照として本明細書に組み込まれている特開昭55−40018号公報;特開平2−192118号公報;特開平2−335037号公報;特開平2−335038号公報;特開平4−110128号公報及び特開平6−127591号公報、及び米国特許第5,618,863号明細書に見られるものである。
・また温室用プラスチックカバーに、過剰熱が幾つかの作物にとって有害であり及び/又は生長を阻害し得るので熱に結局は変換するところの、温室内の光の強度を低減させる目的で光互変性が付加され得る。低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニルコポリマー(EVA)及びエチレン−ブチルアクリレートコポリマー及び言及されたポリマーのブレンドが、農業において使用されるプラスチックカバーのための典型的な材料である。
・光互変コーティング。
・標識、信号、装飾等の目的のための光互変部を含む構造要素又は建築物。
【0014】
一般的に、成分a)のポリマー材は、以下に列挙されるポリマーから選択され得る:
1.モノオレフィン及びジオレフィンのポリマー、例えばポリプロピレン、ポリイソブチレン、ポリブテ−1−エン、ポリ−4−メチルペンテ−1−エン、ポリビニルシクロヘキサン、ポリイソプレン又はポリブタジエン、並びにシクロオレフィン、例えばシクロペンテン又はノルボルネンのポリマー、ポリエチレン(所望により架橋され得る)、例えば高密度ポリエチレン(HDPE)、高密度及び高分子量ポリエチレン(HDPE−HMW)、高密度及び超高分子量ポリエチレン(HDPE−UHMW)、中密度ポリエチレン(MDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、(VLDPE)及び(ULDPE)である。
【0015】
ポリオレフィン、すなわち前の段落において例示したモノオレフィンのポリマー、好ましくはポリエチレン及びポリプロピレンは、異なる方法によりそしてとりわけ以下の方法により調製され得る:
a)ラジカル重合(通常は高圧下及び高温において)。
b)周期表のIVb、Vb、VIb又はVIII群の金属の一つ又はそれ以上を通常含む触媒を使用した触媒重合。これらの金属は通常、一つ又はそれ以上の配位子、典型的にはπ−又はσ−配位し得るオキシド、ハロゲン化物、アルコレート、エステル、エーテル、アミン、アルキル、アルケニル及び/又はアリールを有する。これらの金属錯体は遊離形態であるか、又は基材に、典型的には活性化塩化マグネシウム、チタン(III)クロリド、アルミナ又は酸化ケイ素に固定され得る。これらの触媒は、重合媒体中に可溶又は不溶であり得る。該触媒は重合においてそのまま使用され得、又は他の活性化剤、典型的
には金属アルキル、金属ヒドリド、金属アルキルハライド、金属アルキルオキシド又は金属アルキルオキサンであって、該金属が周期表のIa、IIa及び/又はIIIa群の元素であるものが使用され得る。活性化剤は、他のエステル、エーテル、アミン又はシリルエーテル基で都合良く変性され得る。これらの触媒系は大抵、フィリップス、スタンダード・オイル・インディアナ(Phillips,Standard Oil Indiana)、チグラー(Ziegler)(−ナッタ(Natta))、TNZ(デュポン)、メタロセン又はシングルサイト触媒(SSC)と命名される。
【0016】
2.1)で言及されたポリマーの混合物、例えばポリプロピレンとポリイソブチレン、ポリプロピレンとポリエチレン(例えば、PP/HDPE、PP/LDPE)の混合物、及び異なる型のポリエチレンの混合物(例えば、LDPE/HDPE)。
【0017】
3.モノオレフィン及びジオレフィンの互いの又は他のビニルモノマーとのコポリマー、例えばエチレン/プロピレンコポリマー、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)及びその低密度ポリエチレン(LDPE)との混合物、プロピレン/ブテ−1−エンコポリマー、プロピレン/イソブチレンコポリマー、エチレン/ブテ−1−エンコポリマー、エチレン/ヘキセンコポリマー、エチレン/メチルペンテンコポリマー、エチレン/ヘプテンコポリマー、エチレン/オクテンコポリマー、エチレン/ビニルシクロヘキサンコポリマー、エチレン/シクロオレフィンコポリマー(例えば、エチレン/ノルボルネン様COC)、1−オレフィンがその場で生成されるエチレン/1−オレフィンコポリマー;プロピレン/ブタジエンコポリマー、イソブチレン/イソプレンコポリマー、エチレン/ビニルシクロヘキセンコポリマー、エチレン/アルキルアクリレートコポリマー、エチレン/アルキルメタクリレートコポリマー、エチレン/酢酸ビニルコポリマー又はエチレン/アクリル酸コポリマー及びそれらの塩(アイオノマー)並びにエチレンとプロピレン及びへキサジエン、ジシクロペンタジエン又はエチリデン−ノルボルネンのようなジエンとのターポリマー;及びそのようなコポリマーの互いの及び1)で上述したポリマーとの混合物、例えばポリプロピレン/エチレン−プロピレンコポリマー、LDPE/エチレン−酢酸ビニルコポリマー(EVA)、LDPE/エチレン−アクリル酸コポリマー(EAA)、LLDPE/EVA、LLDPE/EAA及び交互の又はランダムのポリアルキレン/一酸化炭素コポリマー及びそれらの他のポリマー、例えばポリアミドとの混合物。
【0018】
4.水素化変性物(例えば粘着付与剤)を含む炭化水素樹脂(例えば炭素原子数5ないし9)及びポリアルキレン及びデンプンの混合物。
1.)ないし4.)のホモポリマー及びコポリマーは、シンジオタクチック、アイソタクチック、ヘミ−アイソタクチック又はアタクチックを含むいずれの立体構造をも有し;アタクチックポリマーが好ましい。ステレオブロックポリマーがまた含まれる。
【0019】
5.ポリスチレン、ポリ(p−メチルスチレン)、ポリ(α−メチルスチレン)。
【0020】
6.スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエンの全ての異性体、とりわけp−ビニルトルエン、エチルスチレン、プロピルスチレン、ビニルビフェニル、ビニルナフタレン、及びビニルアントラセンの全ての異性体、及びそれらの混合物を含む芳香族ビニルモノマーから誘導された芳香族ホモポリマー及びコポリマー。ホモポリマー及びコポリマーはシンジオタクチック、アイソタクチック、ヘミ−アイソタクチック又はアタクチックを含むいずれの立体構造をも有し;アタクチックポリマーが好ましい。ステレオブロックポリマーがまた含まれる。
【0021】
6a.エチレン、プロピレン、ジエン、ニトリル、酸、マレイン酸無水物、マレイミド、酢酸ビニル及び塩化ビニル又はアクリル誘導体及びその混合物から選択された上述された芳香族ビニルモノマー及びコモノマーを含むコポリマー、例えば、スチレン/ブタジエ
ン、スチレン/アクリロニトリル、スチレン/エチレン(共重合体)、スチレン/アルキルメタクリレート、スチレン/ブタジエン/アルキルアクリレート、スチレン/ブタジエン/アルキルメタクリレート、スチレン/マレイン酸無水物、スチレン/アクリロニトリル/メチルアクリレート;スチレンコポリマー及び他のポリマー、例えばポリアクリレート、ジエンポリマー又はエチレン/プロピレン/ジエンターポリマーの高耐衝撃性の混合物;及びスチレン/ブタジエン/スチレン、スチレン/イソプレン/スチレン、スチレン/エチレン/ブチレン/スチレン又はスチレン/エチレン/プロピレン/スチレンのようなスチレンのブロックコポリマー。
【0022】
6b.6.)で言及されたポリマーの水素化から誘導された水素化芳香族ポリマー、とりわけアタクチックポリスチレンを水素化することにより調製されるポリシクロヘキシルエチレン(PCHE)を含み、それはしばしばポリビニルシクロヘキサン(PVCH)として言及される。
【0023】
6c.6a.)で言及されたポリマーの水素化から誘導された水素化芳香族ポリマー。
ホモポリマー及びコポリマーはシンジオタクチック、アイソタクチック、ヘミ−アイソタクチック又はアタクチックを含むいずれの立体構造をも有し;アタクチックポリマーが好ましい。ステレオブロックポリマーがまた含まれる。
【0024】
7.スチレン又はα−メチルスチレンのような芳香族ビニルモノマーのグラフトコポリマー、例えばポリブタジエンにスチレン、ポリブタジエン−スチレン又はポリブタジエン−アクリロニトリルコポリマーにスチレン;ポリブタジエンにスチレン及びアクリロニトリル(又はメタクリロニトリル);ポリブタジエンにスチレン、アクリロニトリル及びメチルメタクリレート;ポリブタジエンにスチレン及びマレイン酸無水物;ポリブタジエンにスチレン、アクリロニトリル及びマレイン酸無水物又はマレイミド;ポリブタジエンにスチレン及びマレイミド;ポリブタジエンにスチレン及びアルキルアクリレート又はメタクリレート;エチレン/プロピレン/ジエンターポリマーにスチレン及びアクリロニトリル;ポリアルキルアクリレート又はポリアルキルメタクリレートにスチレン及びアクリロニトリル;アクリレート/ブタジエンコポリマーにスチレン及びアクリロニトリル、並びにそれらの6)に列挙されたコポリマーとの混合物、例えばABS、MBS、ASA又はAESポリマーとして既知であるコポリマー混合物。
【0025】
8.ポリクロロプレン、塩化ゴム、イソブチレン−イソプレンの塩化及び臭化コポリマー(ハロブチルゴム)、塩化又はスルホ塩化ポリエチレン、エチレン及び塩化エチレンのコポリマー、エピクロロヒドリンホモ−及びコポリマー、とりわけハロゲン原子含有ビニル化合物のポリマー、例えばポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリフッ化ビニル、ボリフッ化ビニリデン並びに塩化ビニル/塩化ビニリデン、塩化ビニル/酢酸ビニル又は塩化ビニリデン/酢酸ビニルコポリマーのようなそれらのコボリマーのようなハロゲン原子含有ポリマー。
【0026】
9.α,β−不飽和酸から誘導されたポリマー及びポリアクリレート及びポリメタクリレートのようなその誘導体;ブチルアクリレートにより耐衝撃改善されたポリメチルメタクリレート、ポリアクリルアミド及びポリアクリロニトリル。
【0027】
10.9)で言及されたモノマーの互いの又は他の不飽和モノマーとのコポリマー、例えばアクリロニトリル/ブタジエンコポリマー、アクリロニトリル/アルキルアクリレートコポリマー、アクリロニトリル/アルコキシアルキルアクリレート又はアクリロニトリル/ビニルハライドコポリマー又はアクリロニトリル/アルキルメタクリレート/ブタジエンターポリマー。
【0028】
11.不飽和アルコール及びアミンから誘導されたポリマー又はそれらのアシル誘導体又はアセタール、例えばポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルステアレート、ポリビニルベンゾエート、ポリビニルマレエート、ポリビニルブチラール、ポリアリルフタレート又はポリアリルメラミン;並びに上の1)で言及されたオレフィンとそれらのコポリマー。
【0029】
12.ポリアルキレングリコール、ボリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド又はビスグリシジルエーテルとそれらのコポリマーのような環式エーテルのホモポリマー及びコポリマー。
【0030】
13.ポリオキシメチレンのようなポリアセタール及びコモノマーとしてエチレンオキシドを含むポリオキシメチレン;熱可塑性ポリウレタン、アクリレートまたはMBSで変性されたポリアセタール。
【0031】
14.ポリフェニレンオキシド及びスルフィド、及びポリフェニレンオキシドとスチレンポリマー又はポリアミドとの混合物。
【0032】
15.一方はヒドロキシル末端化されたポリエーテル、ポリエステル及びポリブタジエンと、他方は脂肪族又は芳香族のポリイソシアナートから誘導されたポリウレタン、並びにそれらの前駆体。
【0033】
16.ジアミシとジカルボン酸から及び/又はアミノカルボン酸又は対応するラクタムから誘導されたポリアミド及びコポリアミド、例えばポリアミド4、ポリアミド6、ポリアミド6/6、6/10、6/9、6/12、4/6、12/12、ポリアミド11、ポリアミド12、m−キシレンジアミン及びアジピン酸から開始した芳香族ポリアミド;へキサメチレンジアミン及びイソフタル酸及び/又はテレフタル酸から及び変性剤としてのエラストマーを用いて又は用いずに調製されたポリアミド、例えばポリ−2,4,4−トリメチルヘキサメチレンテレフタルアミド又はポリ−m−フェニレンイソフタルアミド:及び上述されたポリアミドとポリオレフィン、オレフィンコポリマー、アイオノマー又は化学的に結合されたか又はグラフトされたエラストマーとのブロックコポリマー;又は例えばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール又はポリテトラメチレングリコールのようなポリエーテルとのブロックコポリマー;ならびにEPDM又はABSで変性されたポリアミド又はコポリアミド;及び加工の間に縮合されたポリアミド(RIMポリアミド系)。
【0034】
17.ポリ尿素、ポリイミド、ボリアミド−イミド、ポリエーテルイミド、ポリエステルイミド、ポリヒダントイン及びポリベンズイミダゾール。
【0035】
18.ジカルボン酸とジアルコールから及び/又はヒドロキシカルボン酸又は対応するラクトンから誘導されたポリエステル、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、ポリ−1,4−ジメチロールシクロヘキサンテレフタレート、ポリアルキレンナフタレート(PAN)及びポリヒドロキシベンゾエート、並びにヒドロキシル末端化ポリエーテルから誘導されたブロックコポリエーテルエステル;及びまたポリカーボネート又はMBSにより変性されたポリエステル。特別な例は、PET、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレネート(PEN)、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)、及び例えばイソフタル酸、ジエチレングリコール、1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサンとのそれらのコポリエステル。
【0036】
19.ポリカーボネート及びポリエステルカーボネート。
【0037】
20.ポリケトン。
【0038】
21.ポリスルホン、ポリエーテルスルホン及びポリエーテルケトン。
【0039】
22.フェノール/ホルムアルデヒド樹脂、尿素/ホルムアルデヒド樹脂及びメラミン/ホルムアルデヒド樹脂のような、1方ではアルデヒドから、他方ではフェノール、尿素及びメラミンから誘導された架橋ポリマー。
【0040】
23.乾性及び非乾性アルキド樹脂。
【0041】
24.飽和及び不飽和ジカルボン酸と、架橋剤としての多価アルコール及びビニル化合物とのコポリマーから誘導される不飽和ポリエステル樹脂、及びまたそれらの低易燃性のハロゲン含有変性体。
【0042】
25.置換されたアクリレートから誘導された架橋性アクリル樹脂、例えばエポキシアクリレート、ウレタンアクリレート又はポリエステルアクリレート。
【0043】
26.メラミン樹脂、尿素樹脂、イソシアネート、イソシアヌレート、ポリイソシアネート又はエポキシ樹脂で架橋されたアルキド樹脂、ポリエステル樹脂及びアクリレート樹脂。
【0044】
27.脂肪族、環式脂肪族、複素環式又は芳香族グリシジル化合物、例えばビスフェノールAとビスフェノールFのジグリシジルエーテル生成物から誘導される架橋されたエポキシ樹脂であって、酸無水物又はアミンのような慣用の硬化剤により、又は所望により促進剤の存在下、架橋された前記エポキシ樹脂。
【0045】
28.セルロース、ゴム、ゼラチンのような天然ポリマー及び化学的に変性されたそれらの同族の誘導体、例えば酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース及び酪酸セルロース、又はメチルセルロースのようなセルロースエーテル、並びにロジン及びその誘導体。
【0046】
29.前記ポリマーのブレンド(ポリブレンド)、例えばPP/EPDM、ポリアミド/EPDM又はABS、PVC/EVA、PVC/ABS、PVC/MBS、PC/ABS、PBTP/ABS、PC/ASA、PC/PBT、PVC/CPE、PVC/アクリレート、POM/熱可塑性PUR、PC/熱可塑性PUR、POM/アクリレート、POM/MBS、PPO/HIPS、PPO/PA6.6及びコポリマー、PA/HDPE、PA/PP、PA/PPO、PBT/PC/ABS又はPBT/PET/PC。
【0047】
本発明に使用され得るポリマー材は、好ましくは合成有機ポリマー材、例えば電子用途に一般に使用される材料である。
特に以下のポリマーが好ましい:
ポリエチレン及びポリプロピレンのようなポリオレフィン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート(PET)のようなポリエステル及びそのコポリエステル;ポリスチレン又は耐衝撃性ポリスチレン(PS−HIPS)のようなスチレンポリマー又はコポリマー;或いは上述の特別なポリマー。
【0048】
光互変染料は大抵、ナフト−及びベンゾピラン(クロメン)より、或いはスピロピラン又はスピロオキサジンより選択され;これら化合物は商業上入手できる。
本発明において使用される光互変スピロ−インドリノ−オキサジン化合物は、一般構造式(I’):
【化19】
[式中、
R1及びR2は、同じであるか又は異なっており、各々独立して直鎖状の又は枝分かれ状の炭素原子数1ないし5のアルキル基;フェニル基を表すか;又はR1及びR2はそれらが結合される炭素原子と一緒になって、シクロアルキル(炭素原子数4ないし7)基、ビシクロアルキル(炭素原子数6ないし11)基、又はトリシクロアルキル(炭素原子数7ないし13)基を一緒に表し;
R3は、水素原子;直鎖状又は枝分かれ状の炭素原子数1ないし5のアルキル基;フッ
素原子、塩素原子、ホウ素原子又はヨウ素原子より選択される1ないし5個のハロゲン原子、ヒドロキシ基、炭素原子数1ないし5のアルコキシ基、炭素原子数1ないし5のカルボキシアルキル基、シアノ基により置換された同様の炭素原子数1ないし5のアルキル基;炭素原子数2ないし5のアルケニル基;フェニル基;又はベンジル基を表し;
R4ないしR7は、同じであるか又は異なっており、各々独立して水素原子;直鎖状又は枝分かれ状の炭素原子数1ないし5のアルキル基;フッ素原子、塩素原子、ホウ素原子又はヨウ素原子より選択される1ないし5個のハロゲン原子、ヒドロキシ基、炭素原子数1ないし5のアルコキシ基、炭素原子数1ないし5のカルボキシアルキル基、シアノ基により置換された同様の炭素原子数1ないし5のアルキル基;炭素原子数2ないし5のアルケニル基;フェニル基;ベンジル基;フッ素原子、塩素原子、ホウ素原子又はヨウ素原子より選択されるハロゲン原子;ヒドロキシ基;炭素原子数1ないし5のアルコキシ基;アミノ基;モノアルキル(炭素原子数1ないし5)アミノ基;ジアルキル(炭素原子数1ないし5)アミノ基;シクロ−アルキル(炭素原子数3ないし10)アミノ基;ピペリジン、ピペラジン又はモルホリン基;カルボキシル基;カルボキシアルキル(炭素原子数1ないし5)の基;カルボキシアルケニル(炭素原子数2ないし5)の基;カルボキサミド基;置換されたカルボキサミドN−アルキル(炭素原子数1ないし5)の基;置換されたカルボキサミドN,N−ジ−アルキル(炭素原子数1ないし5)の基;シアノ基;ニトロ基;スルホン基;(炭素原子数1ないし5)のアルキルスルホン基;ベンゼンスルホン基、p−トルエンスルホン基、p−クロロトルエンスルホン基より選択されるアリールスルホン基;フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基より選択されるアリール基を表し;
R8は、水素原子;直鎖状又は枝分れ状のアルキル(炭素原子数1ないし5)の基;フ
ェニル基;フッ素原子、塩素原子、臭素原子より選択されるハロゲン原子;アルコキシ(炭素原子数1ないし5)の基;又はフェノキシ基を表し;
Aは、式(II’)、(III’)、(IV’)又は(V’):
【化20】
により定義され得るものより選択されるアレーン基、単環式基又は多環式基を表し、
R9ないしR12の2つの隣接点は、一般式(I’)中のオキサジン核と他の2つの基と
の間の縮合位置を表し、及びR13ないしR16は、一般式(I’)中のR4ないしR7と同じ意味を有するか;又は2つの隣接基は一緒になって炭素原子数3ないし6のアルキレン基、又は対応するアザアルキレン基又はオキサアルキレン基を表すか;又は3つの隣接基は一緒にアルカン−トリイル基、すなわち炭素原子数4ないし8の3価の飽和炭化水素残基又は又は対応するアザ−又はオキサ−アルカン−トリイル基を表す。]
を有する。
【0049】
オキサ−又はアザ−残基において、炭素原子のうちの1個は、結合している水素原子が存在するならば、該水素原子と共に、酸素原子、窒素原子又はNHにより置換されている。
好ましくは、式(I’)において:
R1及びR2は同じであるか又は異なっており、各々独立してメチル基、エチル基、プロピル基又はフェニル基或いはそれらが結合する炭素原子と一緒に、シクロヘキシル基又は炭素原子数7ないし11のビ−又はトリシクロアルキル基を表し;
R3は、メチル基、エチル基、プロピル基、フェニル基、ベンジル基、2−アリル基、
2−ヒドロキシエチル基又は2−カルボキシメチル基を表し;
R4ないしR7は同じであるか又は異なっており、各々独立して水素原子、フッ素原子、塩素原子又は臭素原子、或いはメチル基、イソプロピル基、トリフルオロメチル基、ヒドロキシメチル基、ベンジル基、ヒドロキシ基、メトキシ基、アミノ基、ピペリジノ基、モルホリノ基、カルボキシル基、カルボキシメチル基、N,N−ジメチルカルボキサミド基、シアノ基、ニトロ基又はフェニル基を表し;
R8は、水素原子、塩素原子、メチル基、フェニル基、又はメトキシ基を表し;及び/
又は
Aは、式(II’)、(III’)、(IV’)又は(V’)を有する基のうちの1つを表し:ここで、R9ないしR12の2つの隣接点は、一般式(I’)中のオキサジン核と
他の2つの基との間の縮合位置を表し、さらにR13ないしR16は各々独立して、水素原子、フッ素原子、塩素原子又は臭素原子、又はメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、トリフルオロメチル基、ヒドロキシメチル基、ベンジル基、ヒドロキシ基、メトキシ基、アミノ基、ピペリジノ基、モルホリノ基、カルボキシル基、カルボキシメチル基、N,N−ジメチルカルボキサミド基、シアノ基、ニトロ基又はフェニル基を表す。
【0050】
本発明において使用できる好ましいスピロ−インドリノ−オキサジン光互変化合物は:
1’,3’−ジヒドロ−5,7−ジメトキシ−1’n−プロピル−3’エチル−3’,4’,5’−(及び3’,5’,6’)−トリメチル−スピロ[2H−1,4−ベンズオキサジン−2,2’−[2H]インドール] (VI’);
1,3−ジヒドロ−1,3,3,4,5−(及び1,3,3,5,6)−ペンタメチルスピロ[2H−インドール−2,3’−[3H]ピリド[3,2−f][1,4]ベンズオキサジン] (VII’);
1,3−ジヒドロ−1,3,3,4,5−(及び1,3,3,5,6)−ペンタメチルスピロ[2H−インドール−2,3’−[3H]ナフト[2,1−b][1,4]オキサジン] (VIII’);
【化21】
【化22】
【化23】
である。
【0051】
ナフトピラン光互変化合物は大抵、一般構造式(IX’):
【化24】
[式中、R1ないしR11は、同じであるか又は異なっており、各々独立して水素原子;直
鎖状又は枝分かれ状の炭素原子数1ないし5のアルキル基;フッ素原子、塩素原子、ホウ素原子又はヨウ素原子、ヒドロキシ基、炭素原子数1ないし5のアルコキシ基、炭素原子数1ないし5のカルボキシアルキル基、シアノ基により置換された同様の炭素原子数1ないし5のアルキル基;炭素原子数2ないし5のアルケニル基;フェニル基;ベンジル基;フッ素原子、塩素原子、ホウ素原子又はヨウ素原子より選択されるハロゲン原子;炭素原子数1ないし5のアルコキシ基;アミノ基;モノアルキル(炭素原子数1ないし5)アミノ基;ジアルキル(炭素原子数1ないし5)アミノ基;シクロ−アルキル(炭素原子数3ないし10)アミノ基;ピペリジン、ピペラジン又はモルホリン基;カルボキシル基;カルボキシアルキル(炭素原子数1ないし5)の基;カルボキシアルケニル(炭素原子数2ないし5)の基;カルボキサミド基;置換されたカルボキサミドN−アルキル(炭素原子数1ないし5)の基;置換されたカルボキサミドN,N−ジ−アルキル(炭素原子数1ないし5)の基;シアノ基;ニトロ基;スルホン基;(炭素原子数1ないし5の)アルキルスルホン基;ベンゼンスルホン基、p−トルエンスルホン基、p−クロロトルエンスルホン基より選択されるアリールスルホン基;フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基より選択されるアリール基を表し;
Aは、式(X’):
【化25】
により定義され得るものより選択されるアレーン多環式基を表し、R12ないしR15の2つの隣接点は、一般式(IX’)中のピラン核と他の2つの基との間の縮合位置を表し、さらにR16ないしR19は一般式(IX’)中のR1ないしR11と同じ意味を有する。]
を有する。
【0052】
好ましくは式(IX’)中:
R1ないしR11は、同じであるか又は異なっており、各々独立して水素原子、フッ素原
子、塩素原子又は臭素原子、又はメチル基、イソプロピル基、トリフルオロメチル基、ヒ
ドロキシメチル基、ベンジル基、ヒドロキシ基、メトキシ基、アミノ基、ピペリジノ基、モルホリノ基、カルボキシル基、カルボキシメチル基、N,N−ジメチルカルボキサミド基、シアノ基、ニトロ基又はフェニル基を表し;
Aは、式(X’)を有する基のうちの1つを表し:ここで、R12ないしR15の2つの隣接点は、一般式(I’)中のピラン核と他の2つの基との間の縮合位置を表し、さらにR16ないしR19は各々独立して、水素原子、フッ素原子、塩素原子又は臭素原子、又はメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、トリフルオロメチル基、ヒドロキシメチル基、ベンジル基、ヒドロキシ基、メトキシ基、アミノ基、ピペリジノ基、モルホリノ基、カルボキシル基、カルボキシメチル基、N,N−ジメチルカルボキサミド基、シアノ基、ニトロ基又はフェニル基を表す。
【0053】
本発明において使用される好ましいナフトピラン光互変化合物の特別な例は:
3,3−ジフェニル−3H−ナフト[2,1−b]ピラン (XI’);
3−(2−フルオロフェニル)−3−(3−メチル−4−メトキシフェニル)−5−アセトキシ−3H−ナフト[2,1−b]ピラン (XII’);
【化26】
3(2−フルオロフェニル)−3−(4−メトキシフェニル)−3H−ナフト[2,1−b]ピラン;
3(2−フルオロフェニル)−3(4’−メトキシフェニル)−8−メトキシ−3H−ナフト[2,1−b]ピラン;
3(2,4−ジメトキシフェニル)−3,4’−メトキシフェニル)−3H−ナフト[2,1−b]ピラン;
3(2−フルオロフェニル−3(4−ジメトキシフェニル)3H−ナフト[2,1−b]ピラン;
3(2−メチル−4−メトキシフェニル)−3−(4−メトキシフェニル)−3H−ナフト[2,1−b]ピラン;
3(2−メチルフェニル)−3(4−メトキシフェニル)−3H−ナフト[2,1−b]ピラン;
3−フェニル−3(2,4−ジメトキシフェニル)−3H−ナフト[2,1−b]ピラ
ン;及び
3(2,6−ジフルオロフェニル)−3(4−メトキシフェニル)−3H−ナフト[2,1−b]ピラン
である。
【0054】
好ましいナフトピランはまた、式
【化27】
及び
【化28】
[式中、R31、R32、R33、R34、R35の各々は独立して、水素原子、所望によりOH、炭素原子数1ないし6のアルコキシ基により置換されたフェニル基、ナフチル基、アルキル基のような炭素原子数1ないし18の炭化水素基;−NR’R”;−NO2を表し、こ
こで、R’及びR”は独立して、H又は炭素原子数1ないし12のアルキル基、炭素原子数4ないし12のシクロアルキル基、炭素原子数7ないし13のフェニルアルキル基を表すか、又は一緒になってテトラメチレン基又はペンタメチレン基又はO原子により中断されたテトラメチレン基を表し得る。]
で表されるものを含む。
【0055】
クロメンのもう1つの類であるベンゾピランは、式
【化29】
[式中、R41、R42、R43、R44、R45の各々は独立して、水素原子、所望によりOH、炭素原子数1ないし6のアルコキシ基により置換されたフェニル基、ナフチル基、アルキル基のような炭素原子数1ないし18の炭化水素基;−NR’R”;−NO2を表し、こ
こで、R’及びR”は独立して、H又は炭素原子数1ないし12のアルキル基、炭素原子数4ないし12のシクロアルキル基、炭素原子数7ないし13のフェニルアルキル基を表すか、又は一緒になってテトラメチレン基又はペンタメチレン基又はO原子により中断さ
れたテトラメチレン基を表し得る。]
で表されるものを含む。
例えば、クロメンは、式
【化30】
[式中、Rは、H;炭素原子数1ないし6のアルキル基;炭素原子数1ないし6のアルコキシ基;−NR’R”;−NO2(式中、R’及びR”は独立して、H又は炭素原子数1
ないし12のアルキル基、炭素原子数4ないし12のシクロアルキル基、炭素原子数7ないし13のフェニルアルキル基を表すか、又は一緒になってテトラメチレン基又はペンタメチレン基又はO原子により中断されたテトラメチレン基を表し得る。)]
で表されるナフトピランより選択され得る。以下の実施例において使用されたクロメン1は、式中の各々のRがHを表すところの上記式で表されるものである。
【0056】
好ましいのは、水銀を含まない光互変染料(b)である。
好ましい成分(ii)の立体障害性アミン(HALS)は、少なくとも1種の式IX、X及び/又はXI
【化31】
(式中、
Gは、水素原子又はメチル基を表し、及び
G1及びG2は、水素原子、メチル基又は一緒に酸素原子を表す。)
で表される基を含むものである。
【0057】
特に興味あるのは、成分(ii)として、少なくとも1種の式II又はIII:
で表される基を含む以下の類(a’)ないし(I’)の下で記載されるとおりの立体障害性アミンの群からの少なくとも1種の化合物を含む系である。
(a’)式(1a):
【化32】
[式中、n1は、1ないし4の数であり、G及びG1は互いに独立して、水素原子又はメチル基を表し、
G11は、水素原子、O原子;ヒドロキシル基、NO基、−CH2CN基、炭素原子数1
ないし18のアルキル基、炭素原子数3ないし8のアルケニル基、炭素原子数3ないし8のアルキニル基、炭素原子数7ないし12のアラルキル基、炭素原子数1ないし18のアルコキシ基、炭素原子数5ないし12のシクロアルコキシ基、炭素原子数7ないし15のフェニルアルコキシ基、炭素原子数1ないし8のアルカノイル基、炭素原子数3ないし5のアルケノイル基、炭素原子数1ないし18のアルカノイルオキシ基、ベンジルオキシ基、グリシジル基又は基−CH2CH(OH)−Z(式中、Zは、水素原子、メチル基又は
フェニル基を表す。)を表すか;又はG11は、各々1ないし3個のOH基により脂肪族部分において置換されている炭素原子数1ないし18のアルコキシ基、炭素原子数5ないし12のシクロアルコキシ基又は炭素原子数7ないし15のフェニルアルコキシ基を表し;G11は好ましくは、炭素原子数1ないし12のアルコキシ基又はシクロヘキシルオキシ基又は炭素原子数2ないし8のヒドロキシアルコキシ基又は水素原子又は炭素原子数1ないし4のアルキル基又はアリル基又はベンジル基又はアセチル基又はアクリロイル基を表し;とりわけH原子、メチル基、オクチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基又は2−ヒドロキシ−2−メチル−プロポキシ基を表し、
興味あるのはまた、G11は、炭素原子数1ないし18のアルコキシ基、炭素原子数5ないし12のシクロアルコキシ基、炭素原子数7ないし15のフェニルアルコキシ基、ベンジルオキシ基を表すか、又はG11は、各々1ないし3個のOH基により脂肪族部分において置換された炭素原子数1ないし18のアルコキシ基、炭素原子数5ないし12のシクロアルコキシ基又は炭素原子数7ないし15のフェニルアルコキシ基を表し;
及びn1が1である場合、G12は、水素原子、中断されていないか又は1個以上の酸素
原子、COO及び/又はCONH基により中断された炭素原子数1ないし18のアルキル基を表すか、又はシアノエチル基、ベンゾイル基、グリシジル基、脂肪族、脂環式、芳香脂肪族、不飽和又は芳香族カルボン酸、カルバミン酸又はリン含有の酸の一価基又は一価シリル基を表し、好ましくは炭素原子数2ないし18の脂肪族カルボン酸の、炭素原子数7ないし15の脂環式カルボン酸の、炭素原子数3ないし5のα,β−不飽和カルボン酸の、又は炭素原子数7ないし15の芳香族カルボン酸の基であり、ここで各々のカルボン酸は、1ないし3個の−COOZ12基(式中、Z12は、H原子、炭素原子数1ないし12のアルキル基、炭素原子数3ないし12のアルケニル基、炭素原子数5ないし7のシクロアルキル基、フェニル基又はベンジル基を表す。)により脂肪族、脂環式又は芳香族部分において置換され得、
n1が2である場合、G12は、炭素原子数2ないし12のアルキレン基、炭素原子数4
ないし12のアルケニレン基、キシリレン基、脂肪族、脂環式、芳香脂肪族又は芳香族ジカルボン酸、ジカルバミン酸又はリン含有の酸の二価基又は二価シリル基、好ましくは炭素原子数2ないし36の脂肪族ジカルボン酸の、又は炭素原子数8ないし14の脂環式又は芳香族ジカルボン酸の、又は炭素原子数8ないし14の脂環式又は芳香族ジカルバミン酸の基を表し、ここで、各々のジカルボン酸は、1又は2個の−COOZ12基により脂肪族、脂環式又は芳香族部分において置換され得、
n1が3である場合、G12は、−COOZ12基により脂肪族、脂環式又は芳香族部分に
おいて置換され得る脂肪族、脂環式又は芳香族トリカルボン酸の、芳香族トリカルバミン酸の、又はリン含有の酸の三価基、又は三価シリル基を表し、好ましい基はベンゼントリカルボン酸のニトリロ三酢酸のトリアシル基を含み、
及びn1が4である場合、G12は、脂肪族、脂環式又は芳香族テトラカルボン酸の四価基
を表す。]
であらされる化合物。
【0058】
上述のカルボン酸の基は、各々の場合において、式(−CO)xR(式中、xは、上記
n1で定義されたとおりであり、及びRの意味は、上述の定義から生じる。)で表される
基を意味するものととられる。
炭素原子数20までのアルキル基は例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、第二ブチル基、第三ブチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ヘキサデシル基又はn−オクタデシル基である。
炭素原子数1ないし18のアルコキシ基G11は、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、ペントキシ基、イソペントキシ基、ヘキソキシ基、ヘプトキシ基、オクトキシ基、デシルオキシ基、ドデシルオキシ基、テトラデシルオキシ基、ヘキサデシルオキシ基及びオクタデシルオキシ基である。炭素原子数6ないし12のアルコキシ基、特にヘプトキシ基及びオクトキシ基が好ましい。
炭素原子数5ないし12のシクロアルコキシ基G11は、例えば、シクロペントキシ基、シクロヘキソキシ基、シクロヘプトキシ基、シクロオクトキシ基、シクロデシルオキシ基及びシクロドデシルオキシ基である。炭素原子数5ないし8のシクロアルコキシ基、特にシクロペントキシ基及びシクロヘキソキシ基が好ましい。
炭素原子数7ないし9のフェニルアルコキシ基は例えば、ベンジルオキシ基である。
1ないし3個のOH基により脂肪族部分において置換された炭素原子数1ないし18のアルコキシ基、炭素原子数5ないし12のシクロアルコキシ基又は炭素原子数7ないし15のフェニルアルコキシ基としてのG11は、好ましくは、2−メチル−2−プロパノール(第三ブタノール)、2−プロパノール、2,2−ジメチル−1−プロパノール、2−メチル−2−ブタノール、エタノール、1−プロパノール、1−ブタノール、1−ペンタノール、1−ヘキサノール、1−ノナノール、1−デカノール、1−ドデカノール、1−オクタデカノール、2−ブタノール、2−ペンタノール、2−エチル−1−ヘキサノール、シクロヘキサノール、シクロオクタノール、アリルアルコール、フェネチルアルコール又は1−フェニル−1−エタノール;1,2−エタンジオール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、1,2−シクロヘキサンジオール、1,3−シクロヘキサンジオール又は1,4−シクロヘキサンジオール;グリセロール、1,1,1−トリス(ヒドロキシメチル)メタン、2−エチル−2−(ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール、1,2,4−ブタンジオール又は1,2,6−ヘキサントリオールから炭素原子に結合した水素原子の引抜により形成された基である。最も好ましいヒドロキシ置換されたG11は、2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ基である。
【0059】
幾つかのG12基の例は以下に与えられる。
G12がカルボン酸の一価基である場合、G12は例えば、アセチル基、カプロイル基、ステアロイル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、ベンゾイル基又はβ−(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル基である。
G12が一価シリル基である場合、G12は例えば、式−(CjH2j)−Si(Z’)2Z”(式中、jは、2ないし5の整数であり、及びZ’及びZ”は互いに独立して、炭素原子
数1ないし4のアルキル基又は炭素原子数1ないし4のアルコキシ基を表す。)を表す。
G12がジカルボン酸の二価基である場合、G12は例えば、マロニル基、スクシニル基、グルタリル基、アジポイル基、スベロイル基、セバコイル基、マレオイル基、イタコニル基、フタロイル基、ジブチルマロニル基、ジベンジルマロニル基、ブチル(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)マロニル基又はビシクロヘプテンジカルボニル基又は式
【化33】
で表される基である。
G12がトリカルボン酸の三価基である場合、G12は例えば、トリメリトイル基、シトリル基又はニトリロトリアセチル基である。
G12がテトラカルボン酸の四価基である場合、G12は例えば、ブタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸の又はピロメリト酸の四価基である。
G12がジカルバミン酸の二価基である場合、G12は例えば、ヘキサメチレンジカルバモイル基又は2,4−トルイレンジカルバモイル基である。
【0060】
好ましくは、式中、G及びG1が水素原子を表し、G11が水素原子又はメチル基を表し
、n1が2を表し、及びG12が炭素原子数4ないし12の脂肪族ジカルボン酸のジアシル
基を表すところの、式(1a)で表される化合物である。
(b’)式(1b)
【化34】
[式中、n2は、数1、2又は3であり、及びG、G1及びG11は(a’)の下で定義されたとおりであり、
G13は、水素原子、炭素原子数1ないし12のアルキル基、炭素原子数2ないし5のヒドロキシアルキル基、炭素原子数5ないし7のシクロアルキル基、炭素原子数7又は8のアラルキル基、炭素原子数1ないし18のアルカノイル基、炭素原子数3ないし5のアルケノイル基、ベンゾイル基又は式
【化35】
で表される基を表し、
及びn2が1である場合、G14は、水素原子、炭素原子数1ないし18のアルキル基、
炭素原子数3ないし8のアルケニル基、炭素原子数5ないし7のシクロアルキル基、ヒドロキシル基、シアノ基、アルコキシカルボニル基又はカルバミド基又は式−CONH−Zで表される基により置換された炭素原子数1ないし4のアルキル基を表すか、又はG14は、グリシジル基、式−CH2−CH(OH)−Zで表される基、又は式−CONH−Zで
表される基(式中、Zは水素原子、メチル基又はフェニル基又は式中のZ14が炭素原子数1ないし18のアルキル基を表すところのCH2−OZ14を表す。)を表し;
n2が2である場合、G14は、炭素原子数2ないし12のアルキレン基、炭素原子数6
ないし12のアリーレン基、キシリレン基、−CH2−CH(OH)−CH2基又は−CH2−CH(OH)−CH2−O−D−O−基(式中、Dは、炭素原子数2ないし10のアルキレン基、炭素原子数6ないし15のアリーレン基、炭素原子数6ないし12のシクロアルキレン基を表す。)を表すか、又はG13がアルカノイル基、アルケノイル基又はベンゾイル基を表さない場合、G14は択一的に、1−オキソ−炭素原子数2ないし12のアルキレン基、脂肪族、脂環式又は芳香族ジカルボン酸又はジカルバミン酸の二価基又は択一的には基−CO−を表し、
n2が3である場合、G14は、基
【化36】
を表すか、
又はn2が1である場合、G13及びG14は一緒に、脂肪族、脂環式又は芳香族1,2−
又は1,3−ジカルボン酸の二価基を表し得る。]
で表される化合物。
【0061】
基G13、G14及びDの数例は、以下に与えられる。
いずれのアルキル置換基も上記(a’)で定義されたとおりである。
いずれの炭素原子数5ないし7のシクロアルキル置換基も特にシクロヘキシル基である。
炭素原子数7又は8のアラルキル基G13は特に、フェニルエチル基又はとりわけベンジル基である。
炭素原子数2ないし5のヒドロキシアルキル基G13は特に、2−ヒドロキシエチル基又
は2−ヒドロキシプロピル基である。
炭素原子数1ないし18のアルカノイル基G13は、例えば、ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、オクタノイル基、ドデカノイル基、ヘキサデカノイル基、オクタデカノイル基であるが、好ましくはアセチル基であり、及び炭素原子数3ないし5のアルケノイル基G13は特に、アクリロイル基である。
炭素原子数2ないし8のアルケニル基G14は例えば、アリル基、メタリル基、2−ブテニル基、2−ペンテニル基、2−ヘキセニル基又は2−オクテニル基である。
ヒドロキシル−、シアノ−、アルコキシカルボニル−又はカルバミド−置換された炭素原子数1ないし4のアルキル基としてのG14は例えば、2−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシプロピル基、2−シアノエチル基、メトキシカルボニルメチル基、2−エトキシカルボニルエチル基、2−アミノカルボニルプロピル基又は2−(ジメチルアミノカルボニル)エチル基である。
いずれの炭素原子数2ないし12のアルキレン基も例えば、エチレン基、プロピレン基、2,2−ジメチルプロピレン基、テトラメチレン基、ヘキサメチレン基、オクタメチレン基、デカメチレン基又はドデカメチレン基である。
いずれの炭素原子数6ないし15のアリーレン置換基も例えば、o−、m−又はp−フェニレン基、1,4−ナフチレン基又は4,4’−ジフェニレン基である。
炭素原子数6ないし12のシクロアルキレン基は特に、シクロヘキシレン基である。
1−オキソ−炭素原子数2ないし12のアルキレン基としてのG14は好ましくは、基
【化37】
である。
【0062】
(c’)式(1c)
【化38】
(式中、n3は、数1又は2であり、G、G1及びG11は、(a’)の下で定義されたとおりであり、及びn3が1である場合、G15及びG’15は、独立して炭素原子数1ないし1
2のアルキル基、炭素原子数2ないし12のアルケニル基、炭素原子数7ないし12のアラルキル基を表すか、又はG15はまた、水素原子を表すか、又はG15及びG’15は一緒に、炭素原子数2ないし8のアルキレン基、炭素原子数5ないし15のアルケニレン基、炭素原子数2ないし8のヒドロキシアルキレン基又は炭素原子数4ないし22のアシルオキシアルキレン基を表し、及びn3が2である場合、G15及びG’15は一緒に、(−CH2)2C(CH2−)2基を表す。)
で表される化合物。
炭素原子数2ないし8のアルキレン基又は炭素原子数2ないし8のヒドロキシアルキレン基G15及びG’15は例えば、エチレン基、1−メチルエチレン基、プロピレン基、2−エチルプロピレン基又は2−エチル−2−ヒドロキシメチルプロピレン基である。
炭素原子数4ないし22のアシルオキシアルキレン基G15及びG’15は例えば、2−エチル−2−アセトキシメチルプロピレンである。
【0063】
(d’)式(1d−1)、(1d−2)又は(1d−3)
【化39】
【化40】
【化41】
[式中、n4は、数1又は2であり、G、G1及びG11は、(a’)の下で定義されたとおりであり、
G16は、水素原子、炭素原子数1ないし12のアルキル基、アリル基、ベンジル基、グリシジル基又は炭素原子数2ないし6のアルコキシアルキル基を表し、及び
n4が1である場合、G17は、水素原子、炭素原子数1ないし12のアルキル基、炭素
原子数3ないし5のアルケニル基、炭素原子数7ないし9のアラルキル基、炭素原子数5ないし7のシクロアルキル基、炭素原子数2ないし4のヒドロキシアルキル基、炭素原子数2ないし6のアルコキシアルキル基、炭素原子数6ないし8のアリール基、グリシジル基又は式−(CH2)p−COO−Q又は−(CH2)p−O−CO−Q(式中、pは1又は2であり、及びQは炭素原子数1ないし4のアルキル基又はフェニル基を表す。)で表される基を表し、
及びn4が2である場合、G17は、炭素原子数2ないし12のアルキレン基、炭素原子
数4ないし12のアルケニレン基,炭素原子数6ないし12のアリーレン基、式−CH2
−CH(OH)−CH2−O−D’−O−CH2−CH(OH)−CH2−(式中、D’は
、炭素原子数2ないし10のアルキレン基、炭素原子数6ないし15のアリーレン基又は炭素原子数6ないし12のシクロアルキレン基を表す。)で表される基、或いは式−CH2CH(OD”)CH2−(OCH2−CH(OD”)CH2)2−(式中、D”は、水素原
子、炭素原子数1ないし18のアルキル基、アリル基、ベンジル基、炭素原子数2ないし12のアルカノイル基又はベンゾイル基を表す。)で表される基を表し、
T1及びT2は互いに独立して、水素原子、炭素原子数1ないし18のアルキル基或いは未置換の又は水素原子−又は炭素原子数1ないし4のアルキル−置換された炭素原子数6ないし10のアリール基又は炭素原子数7ないし9のアラルキル基を表すか、又は
T1及びT2は、それらに結合する炭素原子と一緒になって、炭素原子数5ないし14のシクロアルカン環を形成する。]
で表される化合物。
【0064】
いずれの炭素原子数1ないし12のアルキル置換基も例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、第二ブチル基、第三ブチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基又はn−ドデシル基である。
いずれの炭素原子数1ないし18のアルキル置換基も例えば上述の基であり得、及びさらに例えば、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ヘキサデシル基又はn−オクタデシル基であり得る。
いずれの炭素原子数2ないし6のアルコキシアルキル基も例えば、メトキシメチル基、エトキシメチル基、プロポキシメチル基、第三ブトキシメチル基、エトキシエチル基、エトキシプロピル基、n−ブトキシエチル基、第三ブトキシエチル基、イソプロポキシエチル基又はプロポキシプロピル基である。
炭素原子数3ないし5のアルケニル基G17は例えば、1−プロペニル基、アリル基、メタリル基、2−ブテニル基又は2−ペンテニル基である。
炭素原子数7ないし9のG17、T1及びT2は特に、フェネチル基又はとりわけベンジル基である。T1及びT2は、炭素原子と一緒になってシクロアルカン環を形成し、これは例えば、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロオクタン又はシクロドデカン環であり得る。
炭素原子数2ないし4のヒドロキシアルキル基G17は例えば、2−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシプロピル基、2−ヒドロキシブチル基又は4−ヒドロキシブチル基である。
炭素原子数6ないし10のアリール基G17、T1及びT2は特に、未置換の或いは水素原子又は炭素原子数1ないし4のアルキル基により置換されたフェニル基又はα−又はβ−ナフチル基である。
炭素原子数2ないし12のアルキレン基G17は例えば、エチレン基、プロピレン基、2,2−ジメチルプロピレン基、テトラメチレン基、ヘキサメチレン基、オクタメチレン基、デカメチレン基又はドデカメチレン基である。
炭素原子数4ないし12のアルケニレン基G17は特に、2−ブテニレン基、2−ペンテニレン基又は3−ヘキセニレン基である。
炭素原子数6ないし12のアリーレン基G17は例えば、o−、m−又はp−フェニレン基、1,4−ナフチレン基又は4,4’−ジフェニレン基である。
炭素原子数2ないし12のアルカノイル基D”は例えば、プロピオニル基、ブチリル基、オクタノイル基、ドデカノイル基であるが、好ましくはアセチル基である。
炭素原子数2ないし10のアルキレン基、炭素原子数6ないし15のアリーレン基又は炭素原子数6ないし12のシクロアルキレン基D’は例えば、(b’)の下でDに対して与えられた定義のうちの1つを有する。
【0065】
(e’)式(1e)
【化42】
[式中、
n5は数1又は2であり、及びG18は、式
【化43】
(式中、G及びG11は(a’)の下で定義されたとおりであり、及びG1及びG2は、水素原子、メチル基を表すか、又は一緒に置換基=Oを表し、
Eは、−O−又は−ND”’−を表し、
Aは、炭素原子数2ないし6のアルキレン基又は−(CH2)3−O−を表し、及び
x1は、数0又は1であり、
D”’は、水素原子、炭素原子数1ないし12のアルキル基、炭素原子数2ないし12のアルキレン−N(Dv)2、炭素原子数2ないし5のヒドロキシアルキル基又は炭素原子数5ないし7のシクロアルキル基を表し、ここでDvは独立して水素原子又はブチル基を
表す。)で表される基を表し、
G19は、G18と同一であるか、又は基−N(G21)(G22)、−OG23、−N(H)(CH2OG23)又は−N(CH2OG23)2を表し、
n5=1である場合、G20は、G18又はG19と同一であり、及びn5=2である場合、−E−DIV−E−基(式中、DIV基は炭素原子数2ないし8のアルキレン基又は1又は2個の−NG21−基により中断された炭素原子数2ないし8のアルキレン基を表す。)を表し、
G21は、水素原子、炭素原子数1ないし12のアルキル基、シクロヘキシル基、ベンジル基又は炭素原子数1ないし4のヒドロキシアルキル基又は式
【化44】
で表される基を表し、
G22は、炭素原子数1ないし12のアルキル基、シクロヘキシル基、ベンジル基又は炭素原子数1ないし4のヒドロキシアルキル基を表し、及び
G23は、水素原子、炭素原子数1ないし12のアルキル基又はフェニル基を表すか、又
はG21及びG22は一緒になって、炭素原子数4又は5のアルキレン基又は炭素原子数4又は5のオキサアルキレン基、例えば−CH2CH2−O−CH2CH2−、又は式−CH2C
H2−N(G11)−CH2CH2−を表す。]
で表される化合物。
式(Ie)における幾つかの改変例は以下に与えられる。
いずれの炭素原子数1ないし12のアルキル置換基も例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、第二ブチル基、第三ブチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基又はn−ドデシル基である。
いずれのヒドロキシアルキル置換基も例えば、2−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシプロピル基、3−ヒドロキシプロピル基2−ヒドロキシブチル基又は4−ヒドロキシブチル基である。
いずれの炭素原子数5ないし7のシクロアルキル置換基も例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基又はシクロヘプチル基である。
シクロヘキシル基が好ましい。
炭素原子数2ないし6のアルキレン基Aは例えば、エチレン基、プロピレン基、2,2−ジメチルプロピレン基、テトラメチレン基又はヘキサメチレン基である。
G21及びG22は一緒に、炭素原子数4又は5のアルキレン基又はオキサアルキレン基を表し、それらは例えば、テトラメチレン基、ペンタメチレン基又は3−オキサペンタメチレン基である。
【0066】
(f’)式(1f)
【化45】
(式中、G11は、(a’)の下で定義されたとおりである。)
で表される化合物。
【0067】
(g’)繰り返し構造単位が、2,2,6、6−テトラアルキルピペリジニル基を含むところのオリゴマー又はポリマー化合物、特にポリエステル、ポリエーテル、ポリアミド、ポリアミン、ポリウレタン、ポリウレア、ポリアミノトリアジン、ポリ(メタ)アクリレート、ポリ(メタ)アクリルアミド及びそのような基を含むそのコポリマーである。
この類からの2,2,6,6−ポリアルキルピペリジン化合物の例は、以下の式で表される化合物である。m1ないしm14は2ないしおよそ200、好ましくは2ないし100
、例えば2ないし50、2ないし40、3ないし40又は4ないし10の数である。
以下に列挙されるオリゴマー又はポリマー化合物の自由価を飽和する末端基の意味は、前記化合物の調製に使用されるプロセスによる。末端基はまた、化合物の合成後にさらに改変し得る。
【0068】
ポリマー化合物の例は以下の通りである:
1)式(1g)
【化46】
(式中、G24、G25、G26、G27及びG28は互いに独立して、直接結合又は炭素原子数1ないし10のアルキレン基を表し、G11は(a’)の下で定義されたとおりであり、及びm17は1ないし50の数である。)
で表される化合物。
式(1g)で表される化合物において、>C=O基に結合した末端基は例えば、
【化47】
であり得、及び酸素原子に結合した末端基は例えば、
【化48】
であり得る。
【0069】
2)式(2g)
【化49】
[式中、記号m18は1ないし15の範囲であり;
R12は、炭素原子数2ないし12のアルキレン基、炭素原子数4ないし12のアルケニレン基、炭素原子数5ないし7のシクロアルキレン基、炭素原子数5ないし7のシクロアルキレン−ジ(炭素原子数1ないし4のアルキレン)基、炭素原子数1ないし4のアルキレンジ(炭素原子数5ないし7のシクロアルキレン)基、フェニレンジ(炭素原子数1ないし4のアルキレン)基又は1,4−ピペラジンジイル基、−O−又は>N−X1により
中断された炭素原子数4ないし12のアルキレン基を表し、ここでX1は、炭素原子数1
ないし12のアシル基又は(炭素原子数1ないし12のアルコキシ)カルボニル基を表すか、又は水素原子を除き以下に与えられたR14の定義のうちの1つを有し;又は
R12は、式(2g’)又は(2g”)
【化50】
(式中、X2は、炭素原子数1ないし18のアルキル基、未置換の又は1、2又は3個の
炭素原子数1ないし4のアルキル基により置換された炭素原子数5ないし12のシクロアルキル基;未置換の又は1、2又は3個の炭素原子数1ないし4個のアルキル基又は炭素原子数1ないし4個のアルコキシ基により置換されたフェニル基;未置換の又は1、2又は3個の炭素原子数1ないし4のアルキル基によりフェニル基上で置換された炭素原子数7ないし9のフェニルアルキル基を表し;及び
基X3は、互いに独立して炭素原子数2ないし12のアルキレン基を表す。)で表され
る基を表し;
基Aは、互いに独立して−OR13、−N(R14)(R15)又は式(2g”’)
【化51】
で表される基を表し;
同一であるか又は異なるR13、R14及びR15は、水素原子、炭素原子数1ないし18のアルキル基、未置換の又は1、2又は3個の炭素原子数1ないし4のアルキル基により置換された炭素原子数5ないし12のシクロアルキル基;炭素原子数3ないし18のアルケニル基、未置換の又は1、2又は3個の炭素原子数1ないし4のアルキル基又は炭素原子数1ないし4のアルコキシ基により置換されたフェニル基;未置換の又は1、2又は3個の炭素原子数1ないし4のアルキル基によりフェニル基上で置換された炭素原子数7ないし9のフェニルアルキル基;−OH、炭素原子数1ないし8のアルコキシ基、ジ(炭素原子数1ないし4のアルキル)アミノ基又は式(2gIV)
【化52】
(式中、Yは−O−、−CH2−、−CH2CH2−又は>N−CH3を表す。)
で表される基により2、3又は4位において置換されたテトラヒドロフルフリル基又は炭素原子数2ないし4のアルキル基を表し、
又は−N(R14)(R15)は、所望により式(2gIV)で表される基を表し;
Xは−O−又は>N−R16を表し;
R16は、水素原子、炭素原子数1ないし18のアルキル基、炭素原子数3ないし18のアルケニル基、未置換の或いは1、2又は3個の炭素原子数1ないし4のアルキル基により置換された炭素原子数5ないし12のシクロアルキル基;未置換の或いは1、2又は3個の炭素原子数1ないし4のアルキル基によりフェニル基上で置換された炭素原子数7ないし9のフェニルアルキル基;−OH、炭素原子数1ないし8のアルコキシ基、ジ(炭素原子数1ないしの4のアルキル)アミノ基又は式(2gIV)で表される基により2、3又は4位において置換されたテトラヒドロフルフリル基、式(2gV)
【化53】
で表される基又は炭素原子数2ないし4のアルキル基を表し;
R11は、R16に対して与えられた定義のうちの1つを有し;及び
基Bは互いに独立してAに対して与えられた定義のうちの1つを有する。]
で表される化合物。
【0070】
3)式(3g)
【化54】
[式中、
G11は、(a’)の下で定義されたとおりであり、G29及びG32は互いに独立して、直接結合又は−N(X1)−CO−X2−CO−N(X3)−基(式中、X1及びX3は、互い
に独立して水素原子、炭素原子数1ないし8のアルキル基、炭素原子数5ないし12のシクロアルキル基、フェニル基、炭素原子数7ないし9のフェニルアルキル基又は式
【化55】
で表される基を表し、及びX2は直接結合又は炭素原子数1ないし4のアルキレン基を表
わす。)を表し、G30、G31、G34及びG35は互いに独立して、水素原子、炭素原子数1ないし30のアルキル基、炭素原子数5ないし12のシクロアルキル基又はフェニル基を表し、G33は、水素原子、炭素原子数1ないし30のアルキル基、炭素原子数5ないし12のシクロアルキル基、炭素原子数7ないし9のフェニルアルキル基、フェニル基又は式(3g)で表される基を表し、及びm19は1ないし50の数である。]
で表される化合物。
式(3g)で表される化合物において、2,5−ジオキソピロリジン環に結合した末端基は例えば、水素原子であり得、及び−C(G34)(G35)−基に結合した末端基は例えば、
【化56】
又は
【化57】
であり得る。
【0071】
4)式(4g)で表されるポリアミンと塩化シアヌルとの反応により得られる中間体を、式(4g’)
【化58】
(式中、m’20、m”20、m”’20は互いに独立して、2ないし12の数であり、G36は、水素原子、炭素原子数1ないし12のアルキル基、炭素原子数5ないし12のシクロアルキル基、フェニル基又は炭素原子数7ないし9のフェニルアルキル基を表し、及びG11は、(a’)の下で定義されたとおりである。)
で表される化合物と反応させることにより得られ得る生成物。
一般的に、上記反応生成物は、例えば以下の3つの式の化合物により代表され得る。該反応生成物はまた、これら3つの化合物:
【化59】
【化60】
【化61】
の混合物の形態であり得る。
【0072】
5)式(5g)
【化62】
(式中、G11は、(a’)の下で定義されたとおりであり、G37は、炭素原子数1ないし10のアルキル基、炭素原子数5ないし12のシクロアルキル基、炭素原子数1ないし4のアルキル置換された炭素原子数5ないし12のシクロアルキル基、フェニル基又は炭素原子数1ないし10のアルキル置換されたフェニル基を表し、G38は、炭素原子数3ないし10のアルキレン基を表し、及びm21は1ないし50の数である。)
で表される化合物。
式(5g)で表される化合物において、ケイ素原子に結合した末端基は例えば、(G37)3Si−O−であり得、及び酸素原子に結合した末端基は例えば、−Si(G37)3であり得る。
m21が3ないし10の数である場合、式(5g)で表される化合物はまた、環状化合物の形態であり得、すなわちその場合、構造式中に見られる自由価が直接結合を形成する。
【0073】
6)式(6g)
【化63】
(式中、Eは、−O−又は(e’)の下で定義されたとおりの−ND”’−を表し、T3
は、エチレン基又は1,2−プロピレン基を表し、アルキルアクリレート又はメタクリレートとのα−オレフィンコポリマー;好ましくはエチレンとエチルアクリレートのコポリマーから誘導された繰り返し構造単位を表し、及びkは2ないし100である。)
で表される化合物。
【0074】
7)式(7g)
【化64】
(式中、
mは1ないし100であり;
G50は、炭素原子数1ないし18の直鎖状又は枝分れ状アルキレン基、炭素原子数5ないし8のシクロアルキレン基、炭素原子数5ないし8のシクロアルケニレン基、炭素原子数3ないし18のアルケニレン基、フェニル基により又は1又は2個の炭素原子数1ないし4のアルキル基により置換されたフェニル基により置換された、炭素原子数1ないし4の直鎖状又は枝分かれ状アルキレン基を表し、但し、式(7g)において、連続するヒンダードアミン部分はヘッドトゥヘッド又はヘッドトゥテイル様式のどちらかに配向され得;
T4は水素原子を表すか又は
T4は
【化65】
を表し;
G55は、炭素原子数1ないし18の直鎖状又は枝分かれ状アルキレン基、炭素原子数5ないし8のシクロアルキレン基又はシクロアルケニレン基、フェニレン基又は5−アミノ−1−アミノメチル−1,3,3−トリメチルシクロヘキサン及び−NH−キシリレン−NH−を含む炭素原子数2ないし18の−NH−アルキレン−NH−基を表し;
T5は、炭素原子数1ないし4のアルキル基;
【化66】
を表すか;又は
T5は、
【化67】
を表す。)
で表される化合物。
上記示されたオリゴマー及びポリマー化合物において、
アルキル基の例は、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、第二ブチル基、イソブチル基、第三ブチル基、2−エチルブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、1−メチルペンチル基、1,3−ジメチルブチル基、n−ヘキシル基、1−メチルヘキシル基、n−ヘプチル基、イソヘプチル基、1,1,3,3−テトラメチルブチル基、1−メチルヘプチル基、3−メチルヘプチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、1,1,3−トリメチルヘキシル基、1,1,3,3−テトラメチルペンチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、1−メチルウンデシル基、ドデシル基、1,1,3,3,5,5−ヘキサメチルヘキシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、エイコシル基及びドコシル基であり;
シクロアルキル基の例は、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基及びシクロオクチル基であり;
炭素原子数7ないし9のフェニルアルキル基の例は、ベンジル基であり;及び
アルキレン基の例は、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、2,2−ジメチルトリメチレン基、ヘキサメチレン基、トリメチルヘキサメチレン基、オクタメチレン基及びデカメチレン基である。
【0075】
(h’)式(1h)
【化68】
(式中、n6は1又は2の数であり、G及びG11は(a’)の下で定義されたとおりであ
り、及びG14は(b’)の下で定義されたとおりであるが、G14は−CONH−Z及び−CH2−CH(OH)−CH2−O−D−O−を表し得ない。)
で表される化合物。
【0076】
(i’)式(1i)
【化69】
[式中、
基G39は、互いに独立して、式(1i−1)
【化70】
(式中、G40は、炭素原子数1ないし12のアルキル基又は炭素原子数5ないし12のシクロアルキル基を表し、G41は、炭素原子数2ないし12のアルキレン基を表し、及びG42は、上記G11で定義されたとおりである。)で表される基を表す。]
で表される化合物。
アルキル基は例えば、炭素原子数1ないし4のアルキル基、特にメチル基、エチル基、プロピル基又はブチル基である。
シクロアルキル基は好ましくはシクロヘキシル基である。
アルキレン基は例えば、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、2,2−ジメチルトリメチレン基又はヘキサメチレン基である。
アルケニル基は好ましくはアリル基である。
フェニルアルキル基は好ましくはベンジル基である。
アシル基は好ましくはアセチル基である。
【0077】
(j’)式(1j)
【化71】
[式中、
G、G11は、上記で定義されたとおりであり、及び
n7が1である場合、T7は、水素原子、炭素原子数1ないし12のアルキル基、炭素原子数3ないし5のアルケニル基、炭素原子数7ないし9のアラルキル基、炭素原子数5ないし7のシクロアルキル基、炭素原子数2ないし4のヒドロキシアルキル基、炭素原子数2ないし6のアルコキシアルキル基、炭素原子数6ないし10のアリール基、グリシジル基、式−(CH2)t−COO−Q又は式−(CH2)t−O−CO−Q(式中、tは1又は2であり、及びQは炭素原子数1ないし4のアルキル基又はフェニル基を表す。)で表される基を表すか;又は
n7が2である場合、T7は、炭素原子数2ないし12のアルキレン基、炭素原子数6ないし12のアリーレン基、基−CH2CH(OH)−CH2−O−X−O−CH2−CH(
OH)−CH2−(式中、Xは炭素原子数2ないし10のアルキレン基、炭素原子数6な
いし15のアリーレン基又は炭素原子数6ないし12のシクロアルキレン基を表す。)、又は基−CH2CH(OZ’)CH2−(OCH2−CH(OZ’)CH2)2−(式中、Z
’は水素原子、炭素原子数1ないし18のアルキル基、アリル基、ベンジル基、炭素原子数2ないし12のアルカノイル基又はベンゾイル基を表す。)を表す。]
で表される化合物。
【0078】
(k’)式(1k)
【化72】
(式中、G、G11は上記で定義されたとおりである。)
で表される化合物。
【0079】
(i’)式(1l)
【化73】
(式中、G、G11は上記で定義されたとおりである。)
で表される化合物。
【0080】
HALSの例は、化合物
ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)スクシネート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)n−ブチル−3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジルマロネート、1−(2−ヒドロキシエチル)−2,2,6,6−テトラメチル−4−ヒドロ
キシピペリジンとコハク酸の縮合物、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンと4−第三オクチルアミノ−2,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジンの線状又は環状縮合物、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ニトリロトリアセテート、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、1,1’−(1,2−エタンジイル)−ビス(3,3,5,5−テトラメチルピペラジノン)、4−ベンゾイル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ステアリルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジル)−2−n−ブチル−2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−第三ブチルベンジル)マロネート、3−n−オクチル−7,7,9,9−テトラメチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン、ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)セバケート、ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)スクシネート、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−ヘキサメチレンジアミンと4−モルホリノ−2,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジンの線状又は環状縮合物、2−クロロ−4,6−ビス(4−n−ブチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)−1,3,5−トリアジンと1,2−ビス(3−アミノプロピルアミノ)エタンの縮合物、2−クロロ−4,6−ジ−(4−n−ブチルアミノ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジル)−1,3,5−トリアジンと1,2−ビス−(3−アミノプロピルアミノ)エタンの縮合物、8−アセチル−3−ドデシル−7,7,9,9−テトラメチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン、3−ドデシル−1−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ピロリジン−2,5−ジオン、3−ドデシル−1−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)ピロリジン−2,5−ジオン、5−(2−エチルヘキサノイル)−オキシメチル−3,3,5−トリメチル−2−モルホリノン、1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−4−オクタデカノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1,3,5−トリス(N−シクロヘキシル−N−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジノ−3−オン−4−イル)アミノ)−s−トリアジン、1,3,5−トリス(N−シクロヘキシル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペラジノ−3−オン−4−イル)アミノ)−s−トリアジン、2,4−ビス[(1−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−ピペリジニ−4−イル)ブチルアミノ]−6−クロロ−s−トリアジンとN,N’−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミン)の反応生成物、4−ヘキサデシルオキシ−と4−ステアリルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンの混合物、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンと4−シクロヘキシルアミノ−2,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジンの縮合物、1,2−ビス(3−アミノプロピルアミノ)エタンと2,4,6−トリクロロ−1,3,5−トリアジン並びに4−ブチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンの縮合物(CAS登録番号[136504−96−6]);1,6−ヘキサンジアミンと2,4,6−トリシクロ−1,3,5−トリアジン並びにN,N−ブチルアミンと4−ブチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンの縮合物(CAS登録番号[192268−64−7]);N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−n−ドデシルスクシンイミド;N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−n−ドデシルスクシンイミド;2−ウンデシル−7,7,9,9−テトラメチル−1−オキサ−3,8−ジアザ−4−オキソ−スピロ[4.5]デカン;5−(2−エチルヘキサノイル)オキシメチル−3,3,5−トリメチル−2−モルホリノン;7,7,9,9−テトラメチル−2−シクロウンデシル−1−オキサ−3,8−ジアザ−4−オキソ−スピロ[4.5]デカンとエピクロロヒドリンの反応生成物、1,1−ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルオキシカルボニル)−2−(4−メトキシフェニル)エテン、N,N’−ビス−ホルミル−N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミン、4−メトキシメチレンマロン酸と1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ヒドロキシピペリジンとのジエステル
、ポリ[メチルプロピル−3−オキシ−4−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)]シロキサン、マレイン酸無水物−α−オレフィンコポリマーと2,2,6,6−テトラメチル−4−アミノピペリジン又は1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−アミノピペリジンとの反応生成物
である。
【0081】
好ましいHALSは、分子量400g/モル以上のものであり;とりわけ好ましくは、上述された類のオリゴマーHALSであり、例えば、分子量1000g/モル以上の、例えば1500ないし15000g/モルのものである。
とりわけ好ましくは、アルコキシアミン類(NOR−HALS)のもの、例えば、以下の実施例において使用されているとおりの化合物H1である(米国特許第6117995号明細書の実施例2においてまた開示される。)。
光互変染料と、UV吸収剤及びHALSの適当な組み合わせは、長期光安定性の素晴らしい改良を与え、安定化されていない系よりも30倍もの寿命を達成する。
本発明において使用される成分は、純粋の化合物であるか又は化合物の混合物であり得る。
本発明の範囲内において使用される成分(c)は基本的に既知の材料であり、多くは商業上入手可能である。
付加的な他の成分は、以下の成分のようなポリマー剤に普通使用される、安定剤、抗酸化剤、柔軟剤、難燃剤等をさらに含む。
【0082】
1.抗酸化剤
1.1.アルキル化モノフェノール、
例えば、2,6−ジ−第三ブチル−4−メチルフェノール、2−第三ブチル−4,6−ジメチルフェノール、2,6−ジ−第三ブチル−4−エチルフェノール、2,6−ジ−第三ブチル−4−n−ブチルフェノール、2,6−ジ−第三ブチル−4−イソブチルフェノール、2,6−ジシクロペンチル−4−メチルフェノール、2−(α−メチルシクロヘキシル)−4,6−ジメチルフェノール、2,6−ジオクタデシル−4−メチルフェノール、2,4,6−トリシクロヘキシルフェノール、2,6−ジ−第三ブチル−4−メトキシメチルフェノール、直鎖状又は側鎖において枝分れしたノニルフェノール、例えば、2,6−ジ−ノニル−4−メチルフェノール、2,4−ジメチル−6−(1’−メチルウンデシ−1’−イル)フェノール、2,4−ジメチル−6−(1’−メチルヘプタデシ−1’−イル)フェノール、2,4−ジメチル−6−(1’−メチルトリデシ−1’−イル)フェノール及びそれらの混合物。
【0083】
1.2.アルキルチオメチルフェノール、
例えば、2,4−ジオクチルチオメチル−6−第三ブチルフェノール、2,4−ジオクチルチオメチル−6−メチルフェノール、2,4−ジオクチルチオメチル−6−エチルフェノール、2,6−ジ−ドデシルチオメチル−4−ノニルフェノール。
【0084】
1.3.ヒドロキノン及びアルキル化ヒドロキノン、
例えば、2,6−ジ−第三ブチル−4−メトキシフェノール、2,5−ジ−第三ブチルヒドロキノン、2,5−ジ−第三アミルヒドロキノン、2,6−ジフェニル−4−オクタデシルオキシフェノール、2,6−ジ−第三ブチルヒドロキノン、2,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシアニソール、3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシアニソール、3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニルステアレート、ビス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)アジペート。
【0085】
1.4.トコフェロール、
例えば、α−トコフェロール、β−トコフェロール、γ−トコフェロール、δ−トコフ
ェロール及びそれらの混合物(ビタミンE)。
【0086】
1.5.ヒドロキシル化チオジフェニルエーテル、
例えば、2,2’−チオビス(6−第三ブチル−4−メチルフェノール)、2,2’−チオビス(4−オクチルフェノール)、4,4’−チオビス(6−第三ブチル−3−メチルフェノール)、4,4’−チオビス(6−第三ブチル−2−メチルフェノール)、4,4’−チオビス(3,6−ジ−第二アミルフェノール)、4,4’−ビス(2,6−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)ジスルフィド。
【0087】
1.6.アルキリデンビスフェノール、
例えば、2,2’−メチレンビス(6−第三ブチル−4−メチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(6−第三ブチル−4−エチルフェノール)、2,2’−メチレンビス[4−メチル−6−(α−メチルシクロヘキシル)−フェノール]、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−シクロヘキシルフェノール)、2,2’−メチレンビス(6−ノニル−4−メチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−第三ブチルフェノール)、2,2’−エチリデンビス(4,6−ジ−第三ブチルフェノール)、2,2’−エチリデンビス(6−第三ブチル−4−イソブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス[6−(α−メチルベンジル)−4−ノニルフェノール]、2,2’−メチレンビス[6−(α,α−ジメチルベンジル)−4−ノニルフェノール]、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−第三ブチルフェノール)、4,4’−メチレンビス(6−第三ブチル−2−メチルフェノール)、1,1−ビス(5−第三ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ブタン、2,6−ビス(3−第三ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシベンジル)−4−メチルフェノール、1,1,3−トリス(5−第三ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ブタン、1,1−ビス(5−第三ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−3−n−ドデシルメルカプトブタン、エチレングリコールビス[3,3−ビス(3’−第三ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)ブチレート]、ビス(3−第三ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ジシクロペンタジエン、ビス[2−(3’−第三ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−メチルベンジル)−6−第三ブチル−4−メチルフェニル]テレフタレート、1,1−ビス−(3,5−ジメチル−2−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス−(5−第三ブチル−4−ヒドロキシ2−メチルフェニル)−4−n−ドデシルメルカプトブタン、1,1,5,5−テトラ(5−第三ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ペンタン。
【0088】
1.7.O−、N−及びS−ベンジル化合物、
例えば、3,5,3’,5’−テトラ−第三ブチル−4,4’−ジヒドロキシジベンジルエーテル、オクタデシル−4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルベンジルメルカプトアセテート、トリデシル−4−ヒドロキシ−3,5−ジ−第三ブチルベンジルメルカプトアセテート、トリス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)アミン、ビス(4−第三ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)ジチオテレフタレート、ビス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)スルフィド、イソオクチル−3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジルメルカプトアセテート。
【0089】
1.8.ヒドロキシベンジル化マロネート、
例えば、ジオクタデシル−2,2−ビス(3,5−ジ−第三ブチル−2−ヒドロキシベンジル)マロネート、ジ−オクタデシル−2−(3−第三ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)マロネート、ジドデシルメルカプトエチル−2,2−ビス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)マロネート、ビス−[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェニル]−2,2−ビス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)マロネート。
【0090】
1.9.芳香族ヒドロキシベンジル化合物、
例えば、1,3,5−トリス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2,4,6−トリメチルベンゼン、1,4−ビス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2,3,5,6−テトラメチルベンゼン、2,4,6−トリス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)フェノール。
【0091】
1.10.トリアジン化合物、
例えば、2,4−ビス(オクチルメルカプト)−6−(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシアニリノ)−1,3,5−トリアジン、2−オクチルメルカプト−4,6−ビス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシアニリノ)−1,3,5−トリアジン、2
−オクチルメルカプト−4,6−ビス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェノキシ)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェノキシ)−1,2,3−トリアジン、1,3,5−トリス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(4−第三ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌレート、2,4,6−トリス−(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニルエチル)−1,3,5−トリアジン、1,3,5−トリス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)−ヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジン、1,3,5−トリス(3,5−ジシクロヘキシル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート。
【0092】
1.11.ベンジルホスホネート、
例えば、ジメチル−2,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート、ジエチル−3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート、ジオクタデシル−3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート、ジオクタデシル−5−第三ブチル−4−ヒドロキシ−3−メチルベンジルホスホネート、3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸のモノエチルエステルのカルシウム塩。
【0093】
1.12.アシルアミノフェノール、
例えば、4−ヒドロキシラウラニリド、4−ヒドロキシステアラニリド、オクチルN−(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)カルバメート。
【0094】
1.13.β−(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸のエステルであって、一価又は多価アルコール、例えば、
メタノール、エタノール、n−オクタノール、i−オクタノール、オクタデカノール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリトリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N’−ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタンとのエステル。
【0095】
1.14.β−(5−第三ブチル−4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロピオン酸のエステルであって、一価又は多価アルコール、例えば、
メタノール、エタノール、n−オクタノール、i−オクタノール、オクタデカノール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリトリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N’−ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3−チアウンデカ
ノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタン;3,9−ビス[2−{3−(3−第三ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]−ウンデカンとのエステル。
【0096】
1.15.β−(3,5−ジシクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸のエステルであって、一価又は多価アルコール、例えば、
メタノール、エタノール、オクタノール、オクタデカノール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリトリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N’−ビス(ヒドロキシエチル)−オキサミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタンとのエステル。
【0097】
1.16.3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル酢酸のエステルであって、一価又は多価アルコール、例えば、
メタノール、エタノール、オクタノール、オクタデカノール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリトリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N’−ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタンとのエステル。
【0098】
1.17.β−(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸のアミド、例えば、
N,N’−ビス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヘキサメチレンジアミド、N,N’−ビス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)トリメチレンジアミド、N,N’−ビス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヒドラジド、N,N’−ビス[2−(3−[3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル]プロピオニルオキシ)エチル]オキサミド(ユニロイヤル(Uniroyal))によって供給されるナウガード(Naugard)(登録商標)XL−1)。
【0099】
1.18.アスコルビン酸(ビタミンC)
【0100】
1.19.アミン系抗酸化剤、
例えば、N,N’−ジ−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−第二ブチル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ビス(1,4−ジメチルペンチル)−p−フェニレンジアミン、N,N’−ビス(1−エチル−3−メチルペンチル)−p−フェニレンジアミン、N,N’−ビス(1−メチルヘプチル)−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジシクロヘキシル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ビス(2−ナフチル)−p−フェニレンジアミン、N−イソプロピル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−(1−メチルヘプチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−シクロヘキシル−N’−フェニル−p−フェニレンジ
アミン、4−(p−トルエンスルファモイル)ジフェニルアミン、N,N’−ジメチル−N,N’−ジ−第二ブチル−p−フェニレンジアミン、ジフェニルアミン、N−アリルジフェニルアミン、4−イソプロポキシジフェニルアミン、N−フェニル−1−ナフチルアミン、N−(4−第三オクチルフェニル)−1−ナフチルアミン、N−(4−第三オクチルフェニル)−1−ナフチルアミン、N−フェニル−2−ナフチルアミン、オクチル化ジフェニルアミン、例えばp,p’−ジ−第三オクチルジフェニルアミン、4−n−ブチルアミノフェノール、4−ブチリルアミノフェノール、4−ノナノイルアミノフェノール、4−ドデカノイルアミノフェノール、4−オクタデカノイルアミノフェノール、ビス(4−メトキシフェニル)アミン、2,6−ジ−第三ブチル−4−ジメチルアミノメチルフェノール、2,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、N,N,N’,N’−テトラメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、1,2−ビス[(2−メチルフェニル)アミノ]エタン、1,2−ビス(フェニルアミノ)プロパン、(o−トリル)ビグアニド、ビス[4−(1’,3’−ジメチルブチル)フェニル]アミン、第三オクチル化N−フェニル−1−ナフチルアミン、モノ−及びジアルキル化第三ブチル/第三オクチルジフェニルアミンの混合物、モノ−及びジアルキル化ノニルジフェニルアミンの混合物、モノ−及びジアルキル化ドデシルジフェニルアミンの混合物、モノ−及びジアルキル化イソプロピル/イソヘキシルジフェニルアミンの混合物、モノ−及びジアルキル化第三ブチルジフェニルアミンの混合物、2,3−ジヒドロ−3,3−ジメチル−4H−1,4−ベンゾチアジン、フェノチアジン、モノ−及びジアルキル化第三ブチル/第三オクチルフェノチアジンの混合物、モノ−及びジアルキル化第三オクチルフェノチアジンの混合物、N−アリルフェノチアジン、N,N,N’,N’−テトラフェニル−1,4−ジアミノブテ−2−エン、N,N−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジ−4−イル−ヘキサメチレンジアミン、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジ−4−イル)セバケート、2,2,6,6−テトラメチルピペリジノ−4−オン、2,2,6,6−テトラメチルピペリジノ−4−オール。
【0101】
2.紫外線吸収剤及び光安定剤
2.1.2−(2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、
例えば、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’,5’−ジ−第三ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−
(5’−第三ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’,5’−ジ−第三ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3’−第三ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3’−第二ブチル−5’−第三ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−4’−オクチルオキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’,5’−ジ−第三アミル−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’,5’−ビス(α,α−ジメチルベンジル)−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−第三ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−オクチルオキシカルボニルエチル)フェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3’−第三ブチル−5’−[2−(2−エチルヘキシルオキシ)カルボニルエチル]−2’−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3’−第三ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−メトキシカルボニルエチル)フェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3’−第三ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−メトキシカルボニルエチル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−第三ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−オクチルオキシカルボニルエチル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−第三ブチル−5’−[2−(2−エチルヘキシルオキシ)カルボニルエチル]−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−ドデシル−2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−第三ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−イソオクチルオキシカルボ
ニルエチル)フェニルベンゾトリアゾール、2,2’−メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−ベンゾトリアゾレ−2−イルフェノール];2−[3’−第三ブチル−5’−(2−メトキシカルボニルエチル)−2’−ヒドロキシ−フェニル]−2H−ベンゾトリアゾールとポリエチレングリコール300とのエステル交換生成物;Rが3’−第三ブチル−4’−ヒドロキシ−5’−2H−ベンゾトリアゾリ−2−イルフェニル基を表す[R−CH2CH2−COO−CH2CH2−]2−、2−[2’−ヒド
ロキシ−3’−(α,α−ジメチルベンジル)−5’−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェニル]ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−3’− (1,1,
3,3−テトラメチルブチル)−5’−(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]ベンゾトリアゾール。
【0102】
2.2. 2−ヒドロキシベンゾフェノン、
例えば、4−ヒドロキシ、4−メトキシ、4−オクチルオキシ、4−デシルオキシ、4−ドデシルオキシ、4−ベンジルオキシ、4,2’,4’−トリヒドロキシ及び2’−ヒドロキシ−4,4’−ジメトキシ誘導体。
【0103】
2.3.置換された及び未置換の安息香酸のエステル、
例えば、4−第三ブチル−フェニルサリチレート、フェニルサリチレート、オクチルフェニルサリチレート、ジベンゾイルレゾルシノール、ビス(4−第三ブチルベンゾイル)レゾルシノール、ベンゾイルレゾルシノール、2,4−ジ−第三ブチルフェニル3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、ヘキサデシル3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、オクタデシル3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、2−メチル−4,6−ジ−第三ブチルフェニル3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート。
【0104】
2.4.アクリレート、
例えば、エチルα−シアノ−β,β−ジフェニルアクリレート、イソオクチルα−シアノ−β,β−ジフェニルアクリレート、メチルα−カルボメトキシシンナメート、メチルα−シアノ−β−メチル−p−メトキシシンナメート、ブチルα−シアノ−β−メチル−p−メトキシシンナメート、メチルα−カルボメトキシ−p−メトキシシンナメート及びN−(β−カルボメトキシ−β−シアノビニル)−2−メチルインドリン。
【0105】
2.5.ニッケル化合物、
例えば、n−ブチルアミン、トリエタノールアミン又はN−シクロヘキシルジエタノールアミンのような他の配位子を伴うか又は伴わない1:1又は1:2錯体のような2,2’−チオビス−[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール]のニッケル錯体、ニッケルジブチルジチオカルバメート、モノアルキルエステルのニッケル塩、例えば4−ヒドロキシ−3,5−ジ−第三ブチルベンジルホスホン酸のメチル又はエチルエステル、ケトキシム、例えば2−ヒドロキシ−4−メチルフェニル−ウンデシルケトキシムのニッケル錯体、他の配位子を伴うか又は伴わない1−フェニル−4−ラウロイル−5−ヒドロキシピラゾールのニッケル錯体。
【0106】
2.6.オキサミド、
例えば、4,4’−ジオクチルオキシオキサニリド、2,2’−ジエトキシオキサニリド、2,2’−ジオクチルオキシ−5,5’−ジ−第三ブトキサニリド、2,2’−ジドデシルオキシ−5,5’−ジ−第三ブトキサニリド、2−エトキシ−2’−エチルオキサニリド、N,N’−ビス(3−ジメチルアミノプロピル)オキサミド、2−エトキシ−5−第三ブチル−2’−エトキサニリド及びその2−エトキシ−2’−エチル−5,4’−ジ−第三ブトキサニリドとの混合物、o−及びp−メトキシ−二置換オキサニリドの混合物及びo−及びp−エトキシ−二置換オキサニリドの混合物。
【0107】
4.ホスフィット及びホスホナイト、
例えば、トリフェニルホスフィット、ジフェニルアルキルホスフィット、フェニルジアルキルホスフィット、トリス(ノニルフェニル)ホスフィット、トリラウリルホスフィット、トリオクタデシルホスフィット、ジステアリルペンタエリトリトールジホスフィット、トリス(2,4−ジ−第三ブチルフェニル)ホスフィット、ジイソデシルペンタエリトリトールジホスフィット、ビス(2,4−ジ−第三ブチルフェニル)ペンタエリトリトールジホスフィット、ビス(2,4−ジ−クミルフェニル)ペンタエリトリトールジホスフィット、ビス(2,6−ジ−第三ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリトリトールジホスフィット、ジイソデシルオキシペンタエリトリトールジホスフィット、ビス(2,4−ジ−第三ブチル−6−メチルフェニル)ペンタエリトリトールジホスフィット、ビス(2,4,6−トリス(第三ブチルフェニル)ペンタエリトリトールジホスフィット、トリステアリルソルビトールトリホスフィット、テトラキス(2,4−ジ−第三ブチルフェニル)4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、6−イソオクチルオキシ−2,4,8,10−テトラ−第三ブチル−12H−ジベンズ[d,g]−1,3,2−ジオキサホスホシン、ビス(2,4−ジ−第三ブチル−6−メチルフェニル)メチルホスフィット、ビス(2,4−ジ−第三ブチル−6−メチルフェニル)エチルホスフィット、6−フルオロ−2,4,8,10−テトラ−第三ブチル−12−メチル−ジベンズ[d,g]−1,3,2−ジオキサホスホシン、2,2’,2”−ニトリロ[トリエチルトリス(3,3’,5,5’−テトラ−第三ブチル−1,1’−ビフェニル−2,2’−ジイル)−ホスフィット]、2−エチルヘキシル(3,3’,5,5’−テトラ−第三ブチル−1,1’−ビフェニル−2,2’−ジイル)ホスフィット、5−ブチル−5−エチル−2−(2,4,6−トリ−第三ブチルフェノキシ)−1,3,2−ジオキサホスフィラン。
【0108】
以下のホスフィットが特に好ましい:
トリス(2,4−ジ−第三ブチルフェニル)ホスフィット(イルガフォス(Irgafos)(登録商標)168)、チバ−ガイギー(Ciba−Geigy)社)、トリス(ノニルフェニル)ホスフィット、
【化74】
【化75】
【化76】
【化77】
【化78】
。
【0109】
5.ヒドロキシルアミン、
例えば、N,N−ジベンジルヒドロキシルアミン、N,N−ジエチルヒドロキシルアミン、N,N−ジオクチルヒドロキシルアミン、N,N−ジラウリルヒドロキシルアミン、N,N−ジテトラデシルヒドロキシルアミン、N,N−ジヘキサデシルヒドロキシルアミン、N,N−ジオクタデシルヒドロキシルアミン、N−ヘキサデシル−N−オクタデシルヒドロキシルアミン、N−ヘプタデシル−N−オクタデシルヒドロキシルアミン、水素化牛脂アミンから誘導されたN,N−ジアルキルヒドロキシルアミン。
【0110】
6.ニトロン、
例えば、N−ベンジル−α−フェニルニトロン、N−エチル−α−メチルニトロン、N−オクチル−α−ヘプチルニトロン、N−ラウリル−α−ウンデシルニトロン、N−テトラデシル−α−トリデシルニトロン、N−ヘキサデシル−α−ペンタデシルニトロン、N−オクタデシル−α−ヘプタデシルニトロン、N−ヘキサデシル−α−ヘプタデシルニトロン、N−オクタデシル−α−ペンタデシルニトロン、N−ヘプタデシル−α−ヘプタデシルニトロン、N−オクタデシル−α−ヘキサデシルニトロン、水素化牛脂アミンから誘導されたN,N−ジアルキルヒドロキシルアミンから誘導されたニトロン。
【0111】
7.チオ相乗剤、
例えば、ジラウリルチオジプロピオネート又はジステアリルチオジプロピオネート。
【0112】
8.過酸化物捕捉剤、
例えば、β−チオジプロピオン酸のエステル、例えば、ラウリル、ステアリル、ミリスチル又はトリデシルエステル、メルカプトベンゾイミダゾール又は2−メルカプトベンゾイミダゾールの亜鉛塩、亜鉛ジブチルジチオカルバメート、ジオクタデシルジスルフィド、ペンタエリトリトールテトラキス(β−ドデシルメルカプト)プロピオネート。
【0113】
9.ポリアミド安定剤
例えば、ヨウ化物及び/又はリン化合物と組み合わせた銅塩及び二価マンガンの塩。
【0114】
10.塩基性補助安定剤
例えば、メラミン、ポリビニルピロリドン、ジシアンジアミド、トリアリルシアヌレート、尿素誘導体、ヒドラジン誘導体、アミン、ポリアミド、ポリウレタン、高級脂肪酸のアルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩、例えばカルシウムステアレート、亜鉛ステアレート、マグネシウムベヘネート、マグネシウムステアレート、ナトリウムリシノレート及びカリウムパルミテート、アンチモンピロカテコレート又は亜鉛ピロカテコレート。
【0115】
11.核剤、
例えば、タルクのような無機物質、二酸化チタン又は酸化マグネシウムのような金属酸化物、好ましくはアルカリ土類金属のリン酸塩、炭酸塩又は硫酸塩;モノ−又はポリカルボン酸のような有機化合物及びそれらの塩、例えば、4−第三ブチル安息香酸、アジピン酸、ジフェニル酢酸、コハク酸ナトリウム又は安息香酸ナトリウム;イオンコポリマー(アイオノマー)のようなポリマー化合物。特に好ましいものは、1,3:2,4−ビス(3’,4’−ジメチルベンジリデン)ソルビトール、1,3:2,4−ジ(パラメチルジベンジリデン)ソルビトール、及び1,3:2,4−ジ(ベンジリデン)ソルビトールである。
【0116】
12.充填剤及び強化剤、
例えば炭酸カルシウム、シリケート、ガラス繊維、ガラスビーズ、アスベスト、タルク、カオリン、マイカ、硫酸バリウム、金属酸化物及び金属水酸化物、カーボンブラック、グラファイト、木粉及び他の天然物の粉末又は繊維、合成繊維。
【0117】
13.他の添加剤
例えば、可塑剤、滑剤、乳化剤、顔料、レオロジー添加剤、触媒、流れ調整剤、蛍光増白剤、防炎加工剤、帯電防止剤及び発泡剤。
【0118】
14.ベンゾフラノン及びインドリノン、
例えば、米国特許第4,325,863号明細書;米国特許第4,338,244号明細書;米国特許第5,175,312号明細書;米国特許第5,216,052号明細書;米国特許第5,252,643号明細書;独国特許出願公開第4316611号明細書;独国特許出願公開第4316622号明細書;独国特許出願公開第4316876号明細書;欧州特許出願公開第0589839号明細書又は欧州特許出願公開第0591102号公報明細書に開示されるもの、又は3−[4−(2−アセトキシエトキシ)フェニル]−5,7−ジ−第三ブチル−ベンゾフラノ−2−オン、5,7−ジ−第三ブチル−3−[4−(2−ステアロイルオキシエトキシ)フェニル]ベンゾフラノ−2−オン、3,3’−ビス[5,7−ジ−第三ブチル−3−(4−[2−ヒドロキシエトキシ]フェニル)ベンゾフラノ−2−オン]、5,7−ジ−第三ブチル−3−(4−エトキシフェニル)ベンゾフラノ−2−オン、3−(4−アセトキシ−3,5−ジメチルフェニル)−5,7−ジ−第三ブチルベンゾフラノ−2−オン、3−(3,5−ジメチル−4−ピバロイルオキシフェニル)−5,7−ジ−第三ブチルベンゾフラノ−2−オン、3−(3,4−ジメチルフェニル)−5,7−ジ−第三ブチルベンゾフラノ−2−オン、3−(2,3−ジメチ
ルフェニル)−5,7−ジ−第三ブチルベンゾフラノ−2−オン。
【0119】
上記1.ないし11.及び14.の下で列挙した成分のような慣用の添加剤はしばしば、組成物(成分a、b及びc)の総質量に基づき、0.01ないし10%の濃度で添加される。充填材又は難燃剤のような項目12.及び13.の他の添加剤は、より多量、例えば全組成物の質量に対し0.1ないしおよそ50%又は80%位で含まれ得る。
好ましくは、本発明の組成物は、フェノール系抗酸化剤を含まない。そのようなフェノール系抗酸化剤は例えば、米国特許第5,770,115号明細書に記載されている。
ポリマー材は通常、安定剤成分(c)を0.001ないし10質量%、最も好ましくは0.01ないし5質量%含む。ポリマー材は、2種以上のHALS(ii)及び/又はヒドロキシフェニルUV吸収剤(i)の混合物を含み得る。
ポリマー材中の光互変染料の量は通常、該ポリマー材の質量に関して、およそ0.001ないし10質量%、最も好ましくは0.01ないし5質量%の範囲にあり得る。ポリマー材は、2種以上の光互変染料の混合物を含み得る。
成分(b)に対する成分(c)の割合は、光互変染料(b)1部当り例えば安定剤(c)0.01ないし100部、好ましくは0.1ないし10部の範囲にある。
HALS成分(ii)に対するUVA成分(i)の割合は、HALS(ii)1部当り例えばUV吸収剤(i)0.01ないし100部、最も好ましくは0.1ないし2部の範囲にあり得る。
【0120】
ポリマー材、染料(b)及び安定剤成分(c)はしばしば均質な混合物を形成する。しかしながら、特定の用途のため、組成物は、成分(b)及びとりわけ(c)がポリマー材中の一部において、例えば表面領域において富んでおり、又はUV吸収剤成分(i)が表面領域において富んでおり、一方で残りの成分は均質に混合されていることにより作られ得る。特に技術的に重要なのは、UV吸収剤(i)が光互変染料を含まない上層において富み、一方で下層は染料(b)及びHALS(ii)を、及び単に付加的な成分としてUV吸収剤を含むところの、2層系又は多層系である。これら系は、慣用の技術、例えば、一方でUV吸収剤(i)又はUV吸収剤(i)とHALS(ii)を含み、及び他方でHALS(ii)と染料(b)を含む層、及び可能であれば、耐引掻性、表面光沢及び反射、付着、ベース色等のような他の特性を改良し得る他の層の同時押出、溶着又はスタッキングにより得られ得る。
本発明の添加剤/成分及び所望の他の成分は、ポリマー材に個々に又は互いに混合されて添加され得る。所望により、個々の成分は、例えばドライブレンド、圧縮又は溶融によるポリマーへの配合前に互いに混合され得る。
ポリマーへの本発明の成分及び所望の他の成分の配合は、粉体の形態でのドライブレンド、又は、例えば不活性溶媒、水又はオイル中の溶液、分散液又は懸濁液の形態での湿式混合のような既知の方法により行われる。本発明の添加剤及び所望の他の成分は、例えば、成形前後において、或いはまた溶媒又は懸濁液/分散剤のその後の蒸発を伴って又は伴わずに、溶解された、溶融された(ソーキングプロセス)又は分散された添加剤又は添加剤混合物をポリマー材に塗布することにより、配合され得る。それらは例えば、乾燥混合物又は粉体として或いは溶液又は分散液又は懸濁液又は溶融物として、加工装置(例えば、押出機、密閉式ミキサー等)内に直接に添加され得る。
配合は、いずれの撹拌機付きの加熱可能な容器中でも、例えば、ニーダー、ミキサー又は撹拌容器のような密閉装置中でも行なわれ得る。配合は好ましくは、押出機中で又はニーダー中で行われる。加工は不活性雰囲気中で又は酸素の存在中で起きてもよい。
【0121】
ポリマーへの添加剤又は添加剤ブレンドの添加は、ポリマーが添加剤と共に溶融され及び混合されるすべての慣用の混合機中内で行なわれ得る。適する機器は当業者に既知である。それらは優先的にミキサー、ニーダー又は押出機である。
プロセスは好ましくは、加工の間に添加剤を導入することにより押出機内で行われる。
特に好ましい加工機器は、一軸スクリュー押出機、反転及び同時回転二軸スクリュー押出機、遊星形ギア押出機、リング押出機又はコニーダーである。真空が適用され得る少なくとも1つのガス除去室付きの加工機器を使用することがまた可能である。
適する押出機及びニーダーは、例えば、Hundbuch der Kunststoffextrusion”1巻,編集者F.Hensen,W.Knappe及びH.Potente,1989年,3ないし7頁,ISBN:3−446−14339−4(第2巻,Extrusionsanlagen 1986年、ISBN 3−446−14329−7)に記載されている。
例えば、スクリュー長は1ないし60スクリュー径、好ましくは35ないし48スクリュー径である。スクリューの回転速度は、好ましくは1分当り10ないし600回転(rpm)であり、非常に特に好ましくは25ないし300rpmである。
最大出力は、スクリュー径、回転速度及び駆動力に応じる。本発明の方法はまた、言及されたパラメータを変えることにより又は投与量を投入する測定機を使用することにより、最大出力より低水準にて行なわれ得る。
【0122】
添加される成分は、プレミックスされるか又は個々に添加され得る。
本発明の添加剤/成分及び所望の他の添加剤はまた、ポリマー材に噴霧され得る。それら本発明の添加剤は、他の添加剤(例えば、上述された慣用の添加剤)と共に材料に噴霧され得るように、これら他の添加剤又はそれら他の添加剤の溶融物を希釈し得る。
重合触媒の脱活の間の噴霧による添加は特に有利であり;この場合、発生した蒸気は、触媒の脱活のために使用され得る。球状に重合されたポリオレフィンの場合、例えば、本発明の添加剤は、所望により他の添加剤と共に噴霧により塗布されることが有利である。
本発明の成分及び所望の他の添加剤はまた、前記ポリマーに、濃縮物の形態で、例えばポリマー中に配合される質量に対しおよそ1質量%ないしおよそ40質量%、及び好ましくは2質量%ないしおよそ20質量%の濃度にて配合された成分を含むマスターバッチの形態で添加され得る。該ポリマーは、添加剤が最終的に添加されるところのポリマーと同一の構造である必要はない。そのような操作において、ポリマーは、粉体、顆粒、溶液、懸濁液の形態で、又はラテックスの形態で使用され得る。
配合は、造形操作に先立って又はその間に、或いはその後の溶媒の蒸発を伴って又は伴わずに、溶解された、溶融された(ソーキングプロセス)又は分散された化合物をポリマーに塗布することにより、起き得る。エラストマーの場合において、これらはまた、ラテックスとして安定化され得る。本発明の添加剤をポリマー中に配合するための他の可能性は、それらを、対応するモノマーの重合の前、間又は直後に、或いは架橋に先立って添加することである。この場合、本発明の添加剤は、そのままで又はカプセル化された形態(例えばワックス中に、オイル中に、又はポリマー中に)で添加され得る。
本明細書において記載される本発明の添加剤/成分を含む材料は、成形品、回転成形品、射出成形品、ブロー成形品、フィルム、テープ、モノフィラメント、繊維、不織布、型材、接着剤又はパテ、表面コーティング等の製造に使用され得る。
【0123】
本発明はまた、照射により誘発される退色に対して、ポリマーマトリックス中に光互変染料を含む光互変系を安定化する方法であって、該方法は、ヒドロキシフェニルトリアジンUV吸収剤及び所望により立体障害性アミン光安定剤のポリマーマトリックス中への及び/又は前記ポリマーマトリックスを覆うポリマー層中への配合からなる方法に、並びに、ポリマーマトリックス中に光互変染料を含む光互変系の安定性を改良するためのヒドロキシフェニルトリアジンUV吸収剤及び所望により立体障害性アミンの使用に関する。好ましい方法及び使用は、さらに上記に記載された組成物又は実施例と同様である。
【0124】
パーセンテージは、他に記載がない限り質量%に関する。
【実施例】
【0125】
実施例において使用された材料:
化合物UV1は、式
【化79】
で表されるものである。
化合物HALS H1は、式
【化80】
で表されるものである。
化合物HALS H2は、式
【化81】
で表されるものである。
クロメン1は、式
【化82】
で表されるものである。
クロメン2は、式
【化83】
で表されるものである。
【0126】
実施例:
実施例1
以下の表中に各々報告される化合物を、2.5のメルトフローインデックス(190℃/16kg;ASTM D1238)を特徴とする、EVA(エチレン−酢酸ビニルコポリマー)グリーンフレックス(Greenflex)(登録商標)ML30のペレット(酢酸ビニル9%を含む。ポリメリ ヨーロッパ(Polimeri Europa),イタリア国により供給。)と共にターボミキサー中で混合した。
【表1】
混合物を、160℃にてブロー押出し(単層のフォーマック ラボ(Formac Lab.)25吹込み押出し機を使用して)し、そして200マイクロメーター厚のフィルムを得た。
このように調製されたフィルムをホワイトカード上にのせ、そして太陽光中に屋外曝露した;UV吸収剤UV1 0.15%を含む150マイクロメーター厚のフィルムにより覆われた、配合物1を有するフィルムを同様の条件に曝露した(配合物:1プラスUV1)。
カバーフィルムは、唯一の添加された添加剤としてUV1 0.15%を含むLDPEフィルムであった。覆ったフィルムは、UV1 15g及びポリメリ ヨーロッパにより供給された、LDPEリブレン(Riblene)FF29 9850gを混合すること
により調製し;それらは‘ターボミキサー’中で10分間混合し、そして210℃にて操作するドルチ(Dolci)押出し機を用いてブロー押出しした。
以下の表は、光照射後の色の堅牢性に関する3種の試料フィルムの性能を示しており:クロメン1それ自体及びHALS H1と混合したクロメン1に対するUV1の安定化効果が明らかである。
【表2】
【0127】
実施例2
配合物は実施例1のとおりに調製したが、異なったクロメンを用いた。配合組成物及び結果を以下の表に示す。
【表3】
【表4】
【0128】
実施例3
配合物を実施例1のとおりに調製したが、本実施例においては異なった立体障害性アミンを使用し、及びUV1を他の成分と混合した、すなわち、配合物7はカバーフィルムを有していない。
【表5】
【表6】
実施例は、ヒドロキシフェニルトリアジンUV吸収剤(i)と組み合わせた立体障害性アミンを使用した本発明の安定系により、光互変系の寿命が顕著に高められたことを示している。
【技術分野】
【0001】
本発明は、光互変染料を含む光安定化ポリマー組成物、光互変染料の安定性及び/又は色堅牢性を改良する方法、及び光互変染料又はそれらを含む組成物の光堅牢性の改善のための一定の安定剤の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
光互変系は、日光により誘発される化学種の可逆的変換により色を変え得る分子を含む。
典型的な光互変系は、ナフト−又はベンゾピラン(クロメン)、スピロピラン、スピロオキサジンを用いる。これらの分子は、幾つかの利用分野、とりわけプラスチックを(例えば、眼科用レンズ)において見出している。そのような機器の大規模採用に対する最も厳しい制限の一つは、本質的に乏しい長期安定性、例えば、多かれ少なかれ日光での継続照射条件下での無色及び着色形態両方の光安定性による。特許文献1は、ある光安定剤を用いたこれらの系のある安定化を記載する。
特許文献2は、キャリヤー光互変ナフトピラン材料及び、ポリフェノール系抗酸化剤、紫外線吸収剤及びヒンダードアミン光安定剤を含む安定剤系の組成物に関する。該安定剤系は、光互変性ナフトピラン化合物の耐疲労性を改良するために使用される。
【特許文献1】国際公開第96/37576号パンフレット
【特許文献2】米国特許第5,770,115号明細書
【発明の開示】
【0003】
光互変系及び、例えばプラスチック及びエラストマー等のポリマー材への標識及び着色に使用された染料の、改良された光安定化及び色堅牢性が、特定のUV吸収剤及び所望による他の安定剤の使用により達成され得ることが今や見出された。
紫外線吸収剤はヒドロキシフェニルトリアジン類より選択され;従って、本発明は、
a)ポリマー材であって
b)光互変染料及び
c)式I、II、III、IV、V又は(100)
【化1】
【化2】
[式中、
Yは、フェニル基、ナフチル基、又は1ないし3個の炭素原子数1ないし6のアルキル基により、ハロゲン原子により、ヒドロキシ基により又は炭素原子数1ないし6のアルコキシ基により又はそれらの混合により置換された前記フェニル基又は前記ナフチル基を表すか、或いはYはZ1又はZ2を表し;
XはZ1又はZ2を表し;
R1は、水素原子、直鎖状の又は枝分れ状の炭素原子数1ないし24のアルキル基、炭
素原子数5ないし12のシクロアルキル基、炭素原子数7ないし15のフェニルアルキル基、ハロゲン原子、−SR3、−SOR3又は−SO2R3を表すか;又は1ないし3個のハロゲン原子、−R4、−OR5、−N(R5)2、−COR5、−COOR5、−OCOR5、
−CN、 −NO2、−SR5、−SOR5、−SO2R5又は−P(O)(OR5)2、モルホリニル基、ピペリジニル基、2,2,6,6−テトラメチルピペリジニル基、ピペラジニル基又はN−メチル−ピペリジニル基又はそれらの組み合わせにより置換された前記アルキル基、前記シクロアルキル基又は前記フェニルアルキル基;又は1ないし4個のフェニレン基、−O−、NR5−、−CONR5−、COO−、−OCO−又は−CO基又はそれらの組み合わせにより中断された前記アルキル基又は前記シクロアルキル基;又は上述の基の組み合わせにより置換及び中断された前記アルキル基又は前記シクロアルキル基を表し;
R3は、炭素原子数1ないし20のアルキル基、炭素原子数3ないし18のアルケニル
基、炭素原子数5ないし12のシクロアルキル基、炭素原子数7ないし15のフェニルアルキル基、炭素原子数6ないし10のアリール基或いは1個又は2個の炭素原子数1ないし4のアルキル基により置換された前記アリール基を表し;
R4は、炭素原子数6ないし10のアリール基又は1ないし3個のハロゲン原子、炭素
原子数1ないし8個のアルキル基、炭素原子数1ないし8個のアルコキシ基又はそれらの組み合わせにより置換された前記アリール基;炭素原子数5ないし12のシクロアルキル基;炭素原子数7ないし15のフェニルアルキル基又はフェニル環において1ないし3個のハロゲン原子、炭素原子数1ないし8のアルキル基、炭素原子数1ないし8のアルコキシ基又はそれらの組み合わせにより置換された前記フェニルアルキル基;或いは直鎖状又は枝分れ状の炭素原子数2ないし18のアルケニル基を表し;
R5は、R4の定義と同様であるか;又はR5はまた、水素原子或いは直鎖状又は枝分れ
状の炭素原子数1ないし24のアルキル基、炭素原子数2ないし24のアルケニル基を表すか;又はR5は、式
【化3】
(式中、
Tは、水素原子、オキシル基、ヒドロキシル基、−OT1、炭素原子数1ないし24の
アルキル基、1ないし3個のヒドロキシ基により置換された前記アルキル基;ベンジル基又は炭素原子数2ないし18のアルカノイル基を表し;
T1は、炭素原子数1ないし24のアルキル基、炭素原子数5ないし12のシクロアル
キル基、炭素原子数2ないし24のアルケニル基、炭素原子数5ないし12のシクロアルケニル基、炭素原子数7ないし15のフェニルアルキル基、炭素原子数7ないし12の飽和又は不飽和二環式又は三環式炭化水素の基又は炭素原子数6ないし10のアリール基又は1ないし3個の炭素原子数1ないし4のアルキル基により置換された前記アリール基を表す。)
で表される基を表し;
R2は、水素原子、直鎖状又は枝分れ状の炭素原子数1ないし24のアルキル基又は炭
素原子数5ないし12のシクロアルキル基;又は1ないし4個のハロゲン原子、エポキシ基、グリシジルオキシ基、フリルオキシ基、−R4、−OR5、−N(R5)2、−CON(R5)2、−COR5、−COOR5、−OCOR5、−OCOC(R5)=C(R5)2、−C(R5)=CCOOR5、−CN、−NCO又は
【化4】
又はそれらの組み合わせにより置換された前記アルキル基又は前記シクロアルキル基;又は1ないし4個のエポキシ基、−O−、−NR5−、−CONR5−、−COO−、−OCO−、−CO−、−C(R5)=C(R5)COO−、−OCOC(R5)=C(R5)−、−C(R5)=C(R5)−、フェニレン基又はフェニレン−G−フェニレン基(式中、Gは、−O−、−S−、−SO2−、−CH2−又は−C(CH3)2−を表す。)又はそれらの組み合わせにより中断された前記アルキル基又は前記シクロアルキル基、或いは上述の基の組み合わせにより置換及び中断された前記アルキル基又は前記シクロアルキル基を表すか;又はR2は、−SO2R3又は−COR6を表し;
R6は、直鎖状又は枝分れ状の炭素原子数1ないし18のアルキル基、直鎖状又は枝分
れ状の炭素原子数2ないし12のアルケニル基、フェノキシ基、炭素原子数1ないし12のアルキルアミノ基、炭素原子数6ないし12のアリールアミノ基、−R7COOH又は
−NH−R8−NCOを表し;
R7は、炭素原子数2ないし14のアルキレン基又はフェニレン基を表し;
R8は、炭素原子数2ないし24のアルキレン基、フェニレン基、トリレン基、ジフェ
ニルメタン基又は基
【化5】
を表し;
R1及びR1’は、同じであるか又は異なり、及びR1に対して定義されたとおりであり
;
R2及びR2’は、同じであるか又は異なり、及びR2に対して定義されたとおりであり
;
X及びX’は、同じであるか又は異なり、及びXに対して定義されたとおりであり;Y及びY’は、同じであるか又は異なり、及びYに対して定義されたとおりであり;
tは0ないし9であり;
Lは、直鎖状又は枝分れ状の炭素原子数1ないし12のアルキレン基、炭素原子数5ないし12のシクロアルキレン基或いはシクロヘキシレン基又はフェニレン基により置換されたか又は中断されたアルキレン基を表すか;又はLはベンジリデン基を表すか;又はLは、−S−、−S−S−、−S−E−S−、−SO−、−SO2−、−SO−E−SO−
、−SO2−E−SO2−、−CH2−NH−E−NH−CH2又は
【化6】
を表し;
Eは、炭素原子数2ないし12のアルキレン基、炭素原子数5ないし12のシクロアルキレン基又は炭素原子数5ないし12のシクロアルキレン基により中断されたか又は末端化されたアルキレン基を表し;
nは2、3又は4であり;
nが2である場合;Qは、直鎖状又は枝分れ状の炭素原子数2ないし16のアルキレン基;又は1ないし3個のヒドロキシ基により置換された前記アルキレン基;又は1ないし3個の−CH=CH−又は−O−により中断された前記アルキレン基;又は上述の基の組み合わせにより置換され及び中断された前記アルキレン基を表すか;又はQは、キシリレン基又は基−CONH−R8−NHCO−、−CH2CH(OH)CH2O−R9−OCH2
CH(OH)CH2−、−CO−R10−CO−、又は−(CH2)m−COO−R11−OO
C−(CH2)m−(式中、mは1ないし3である。)を表すか;又はQは、
【化7】
を表し;
R9は、炭素原子数2ないし50のアルキレン基;又は1ないし10個の−O−、フェ
ニレン基又は基−フェニレン−G−フェニレン基(式中、Gは、−O−、−S−、−SO2−、−CH2−又は−C(CH3)2−を表す。)により中断された前記アルキレン基を表し;
R10は、炭素原子数2ないし10のアルキレン基、又は1ないし4個の−O−、−S−又は−CH=CH−により中断された前記アルキレン基を表すか;又はR10は、炭素原子数6ないし12のアリーレン基を表し;
R11は、炭素原子数2ないし20のアルキレン基又は1ないし8個の−O−により中断された前記アルキレン基を表し;
nが3である場合、Qは、基−[(CH2)mCOO]3−R12(式中、mは1ないし3
であり、及びR12は炭素原子数3ないし12のアルカントリイル基を表す。)を表し;
nが4である場合、Qは、基−[(CH2)mCOO]4−R13(式中、mは1ないし3
であり、及びR14は炭素原子数4ないし12のアルカンテトライル基を表す。)を表し;
Z1は、式
【化8】
で表される基を表し;
Z2は、式
【化9】
(式中、r1及びr2は1である。)
で表される基を表し;
R14、R15、R16、R17、R18、R19、R20、R21、R22及びR23は、互いに独立して、水素原子、ヒドロキシ基、シアノ基、炭素原子数1ないし20のアルキル基、炭素原子数1ないし20のアルコキシ基、炭素原子数7ないし15のフェニルアルキル基、炭素原子数5ないし12のシクロアルキル基、炭素原子数5ないし12のシクロアルコキシ基、ハロゲン原子、炭素原子数1ないし5のハロアルキル基、スルホ基、カルボキシ基、炭素原子数2ないし12のアシルアミノ基、炭素原子数2ないし12のアシルオキシ基、炭素原子数2ないし12のアルコキシカルボニル基又はアミノカルボニル基を表すか;或いはR17とR18又はR22とR23は、それらが結合されるフェニル基と一緒に、1ないし3個の−O−又は−NR5−により中断された環状基を表す。]
で表されるヒドロキシフェニルトリアジンUV吸収剤(i)を含む安定剤
を含有するもの
を含む組成物に関する。
【0004】
本発明のもう1つの態様において、s−トリアジンUV吸収剤は、
式中、
X及びYはZ1又はZ2を表し;
R1は、水素原子、直鎖状の又は枝分れ状の炭素原子数1ないし24のアルキル基、炭
素原子数5ないし12のシクロアルキル基、炭素原子数7ないし15のフェニルアルキル基又は水素原子を表し;
R2は、水素原子、直鎖状の又は枝分かれ状の炭素原子数1ないし24のアルキル基又
は炭素原子数5ないし12のシクロアルキル基を表すか;又は1ないし3個の−R4、−
OR5、−COOR5、−OCOR5又はそれらの組み合わせにより置換された前記アルキ
ル基又は前記シクロアルキル基を表すか;又は1ないし3個のエポキシ基、−O−、−COO−、−OCO−又は−CO−により中断された前記アルキル基又はシクロアルキル基を表し;
R4は、炭素原子数6ないし10のアリール基又は1ないし3個のハロゲン原子、炭素
原子数1ないし8個のアルキル基、炭素原子数1ないし8個のアルコキシ基又はそれらの組み合わせにより置換された前記アリール基;炭素原子数5ないし12のシクロアルキル基;炭素原子数7ないし15のフェニルアルキル基又はフェニル環において1ないし3個のハロゲン原子、炭素原子数1ないし8のアルキル基、炭素原子数1ないし8のアルコキシ基又はそれらの組み合わせにより置換された前記フェニルアルキル基を表し;
R5は、R4の定義と同様であるか;又はR5はまた、水素原子或いは直鎖状又は枝分れ
状の炭素原子数1ないし24のアルキル基を表し;
Z1は、式
【化10】
で表される基を表し;
Z2は、式
【化11】
(式中、r1及びr2は1である。)
で表される基を表し;及び
R14、R15、R16、R17、R18、R19、R20、R21、R22及びR23は、互いに独立して、水素原子、ヒドロキシ基、シアノ基、炭素原子数1ないし20のアルキル基、炭素原子数1ないし20のアルコキシ基、炭素原子数7ないし15のフェニルアルキル基、炭素原子数5ないし12のシクロアルキル基、炭素原子数5ないし12のシクロアルコキシ基、ハロゲン原子、炭素原子数1ないし5のハロアルキル基、スルホ基、カルボキシ基、炭素原子数2ないし12のアシルアミノ基、炭素原子数2ないし12のアシルオキシ基、炭素原子数2ないし12のアルコキシカルボニル基又はアミノカルボニル基を表す
ところの、式Iで表されるものである。
【0005】
好ましくは、例えば、一般構造が
【化12】
(式中、R28は、(CH2−CH2−O−)n−R29;−CH2−CH(OH)−CH2−O
−R29;又は−CH(R30)−CO−O−R40を表し;nは0又は1であり;R29は、炭素原子数1ないし13のアルキル基又は炭素原子数2ないし20のアルケニル基又は炭素原子数6ないし12のアリール基又はCO−炭素原子数1ないし18のアルキル基を表し;R30は、H又は炭素原子数1ないし8のアルキル基を表し;R40は、炭素原子数1ないし12のアルキル基又は炭素原子数2ないし12のアルケニル基又は炭素原子数5又は6のシクロアルキル基を表す)で表されるものである。
ヒドロキシフェニルトリアジン(i)の他の例は、化合物(a)
(a)2−(2−ヒドロキシ−4−[2−エチルヘキシル]オキシフェニル)−4,6−ジ(4−フェニルフェニル)−1,3,5−トリアジン
である。
以下の実施例に用いられる化合物UV1は、上記化合物(a)と同一である(また米国特許第6060543号明細書の化合物A8として開示される。)。
【0006】
ヒドロキシフェニルトリアジンUV吸収剤は、例えば、英国特許出願公開第975966号明細書、欧州特許出願公開第434608号明細書、米国特許第4619956号明細書、米国特許第5298067号明細書、欧州特許出願公開第530135号明細書、欧州特許出願公開520938号明細書、欧州特許出願公開第531258号明細書、米国特許第5556973号明細書、米国特許第5959008号明細書、米国特許第6184375号明細書、米国特許第6117997号明細書において;例えば、米国特許第5998116号明細書、米国特許第6255483号明細書、米国特許第6060543号明細書において記載される。
興味あるのはまた、ヒドロキシフェニルトリアジンUV吸収剤(i)が式(100)
【化13】
(式中、
x2は1ないし50の数であり;
A1は式(101)
【化14】
で表される基を表すか、又はT10に対して与えられた意味の1つを有し;
D1は、炭素原子数4ないし12のアルキレン基又はOHにより置換されたか又はOに
より中断されたか又はOHにより置換され且つOにより中断された前記アルキレン基を表し;
L1は、炭素原子数1ないし18のアルキレン基;炭素原子数5ないし12のシクロア
ルキレン基;炭素原子数3ないし18のアルケニレン基;又はフェニル基、炭素原子数7ないし11のアルキルフェニル基、炭素原子数5ないし12のシクロアルキル基、OH、ハロゲン原子、炭素原子数1ないし18のアルコキシ基、炭素原子数5ないし12のシクロアルコキシ基、炭素原子数3ないし18のアルケニルオキシ基、COOHにより置換された前記基の1つを表し;
R50は、互いに独立して、H、OR54又はOHを表すが、但し、R50又はR53のうちの少なくとも1つはOHを表し;
R54は、互いに独立して、水素原子、炭素原子数1ないし12のアルキル基又は式−L1−CO−O−R55を表し;
R55は、H、炭素原子数1ないし18のアルキル基、炭素原子数2ないし12のヒドロキシアルキル基を表し;
R51は、水素原子、炭素原子数1ないし4のアルキル基、Cl、フェニル基又は基−OR54を表し;
R52は、水素原子又はメチル基を表し;
R53は、水素原子、メチル基、OH又はOR54を表し;及び
T10は、炭素原子数13ないし60の脂肪族又は脂環式ジカルボン酸の2価アシル残基を表す。)で表され、
並びに、少なくとも1個の式(101)部分及び少なくとも1個のT10部分を含むオリゴ−又はポリエステルであるところの、組成物である。
【0007】
好ましい化合物において、L1は、炭素原子数1ないし4のアルキレン基、特に炭素原
子数2ないし4のアルキリデン基又はメチレン基を表す。D1は、有利には炭素原子数4
ないし12のアルキレン基又はOにより中断された炭素原子数4ないし10のアルキレン基を表す。
炭素原子数13ないし60の脂肪族又は脂環式ジカルボン酸の2価アシル残基としてのT10は、例えば、2個のカルボニル基が、炭素原子数11ないし58のアルキレン基又は炭素原子数11ないし58のアルケニレン基或いはシクロアルキレン基又はシクロアルケニレン基により中断されたアルキレン基により相互につながっており、各々未置換であるか又はアルキル基により置換されており、及び全部で11ないし58個の炭素原子、好ましくは20ないし50個の炭素原子を含むところの、脂肪族ジアシル基を含む。アルキレン基又はアルケニレン基は枝分れ状であるか又は枝分れ状ではなく、又は好ましくは酸素原子により中断されたエチレン性二重結合に隣接していない方がよい。好ましい化合物において、T10は、−CO−T10'−CO−(式中、T10'は、炭素原子数20ないし50の
アルキレン基又は1個以上の酸素原子により中断された炭素原子数20ないし50のアルキレン基を表し;好ましくは枝分れ状ではない炭素原子数20ないし50のアルキレン基を表す。)を表す。さらに好ましい化合物において、T10は、−CO−T10'−CO−(
式中、T10'は、炭素原子数5ないし12のシクロアルキレン基又は炭素原子数5ないし
12のシクロアルケニレン基又はアルキル基により置換された前記シクロアルキレン基又は前記シクロアルケニレン基により中断され、及び全部で11ないし58個の炭素原子、とりわけ20ないし50個の炭素原子を含むアルキレン基を表し;とりわけ好ましいシクロアルキレン基はシクロヘキシレン基であり;とりわけ好ましいシクロアルケニレン基はシクロヘキセニレン基である。価値あるスペーサー基T10'は、例えば式102
【化15】
[式中、
R56は、−(CbH2b)−を表し、及びR57は、−(CcH2c)−を表し、及びR58、R59及びR60は、−(CdH2d)−H、−(CeH2e)−H、及び−(CfH2f)−H(式中
、b1は、0ないし7の範囲であり、及びインデックスbないしfの各々は0ないし20
の範囲であり、但し、合計b1+b+c+d+e+fは15ないし45の範囲である。)
をそれぞれ表す。]で表されるもの、或いは、
式103
【化16】
(式中、
R61及びR62は各々炭素原子数1ないし18のアルキレン基を表し、及びR63、R64、R65及びR66は各々独立して、H又は炭素原子数1ないし18のアルキル基を表し、及びR65及びR66は一緒になってまた化学結合であり得、但し、式103中の炭素原子の総数は20ないし50の範囲である。)で表されるものである。
特に技術的に重要なものは、式中のR61及びR62が独立して炭素原子数4ないし12のアルキレン基を表し、R63及びR64の各々が独立して炭素原子数4ないし12のアルキル基を表し、さらにR65及びR66が水素原子を表すところの式103のスペーサー基T10'
である。
【0008】
本式(100)で表される化合物において、最も好ましくは、R50はHを表し;
R54は水素原子又はメチル基を表し;
R51は、水素原子、メチル基又は基−OR54を表し;
R52は水素原子を表し;
R53は水素原子、OH又はメチル基を表す。
式(100)で表されるオリゴマー又はポリマーの末端基は大抵、−O−D1−OR67
、又はA1に結合する場合は(式100の左側)−OR67を表すか、又は−T10'−COOR67又は−[式101で表される基]−OR67のような−A1−OR67を表すか、又はO
に結合する場合は(式100の右側)−R67を表し、
ここで、R67はH又は炭素原子数1ないし8のアルキル基を表す。
例えば、式(100)で表されるエステルは、式(104)
【化17】
(式中、
x2は1ないし20の数であり;
数yは少なくとも1であり、及び(x2+z−1)ないし(x2+z+1)の範囲であり;
zは1ないし20の数であり;及び
R68は、水素原子、炭素原子数1ないし12のアルキル基;炭素原子数5ないし12のシクロアルキル基;炭素原子数2ないし12のアルケニル基;フェニル基;炭素原子数7ないし11のアルキルフェニル基;フェニル基、OH、ハロゲン原子により置換された炭素原子数1ないし12のアルキル基;炭素原子数1ないし18のアルコキシ基、炭素原子数5ないし12のシクロアルコキシ基、炭素原子数3ないし18のアルケニルオキシ基又はCOOH;とりわけ水素原子又は炭素原子数1ないし4のアルキル基を表し;
R67は水素原子又は炭素原子数1ないし8のアルキル基を表し;
R69は水素原子又は炭素原子数1ないし4のアルキル基を表し;
D1は、炭素原子数4ないし8のアルキレン基又はOにより中断された炭素原子数4な
いし10のアルキレン基を表し;及びT10'は、炭素原子数20ないし50のアルキレン
基又は1個以上の酸素原子により中断された炭素原子数20ないし50のアルキレン基を表し;
及びすべての他の記号は上記式100において定義されたとおりである。)
に対応する。
T10'はまた、炭素原子数5ないし12のシクロアルキレン基又はアルキル基により置
換された前記シクロアルキレン基、特にシクロヘキシレン基により中断され、及び全部で20ないし50の炭素原子を含むアルキレ基であり得る。
【0009】
式(104)で表されるオリゴ−又はポリエステルにおいて、記号x2及びzにより特
定される2価構造単位の各々は、記号yにより特定される構造単位−O−D1−に、及び
/又は末端基R67又はOR67に結合している。
式(100)で表される化合物において、x2は、好ましくは2ないし50の範囲であ
り、より好ましくは2ないし20の範囲であり、とりわけ4ないし12であり;式101のトリアジン部分の二酸残基T10に対する数は好ましくは、およそ1:3ないしおよそ10:1の範囲であり、より好ましくはおよそ1:1ないしおよそ5:1である。式(10
4)で表される化合物において、x2及びzの各々は好ましくは、1ないし16の範囲で
あり;より好ましくは、x2は1ないし10の範囲であり及びzは2ないし12の範囲で
ある。
式100又は104で表されるもののような本発明のオリゴマー状又はポリマー状エステルは大抵、1000ないし50000g/モル、より好ましくは1500ないし20000g/モル、最も好ましくは2000ないし10000g/モルの範囲内の分子量(ゲル浸透クロマトグラフィー GPC)により決定された数平均Mnを有する。)。
【0010】
アルキルフェニル基は、アルキル−置換されたフェニル基であり;炭素原子数7ないし14のアルキルフェニル基は、メチルフェニル基(トリル基)、ジメチルフェニル基(キシリル基)、トリエチルフェニル基(メシチル基)、エチルフェニル基、プロピルフェニル基、ブチルフェニル基、ジブチルフェニル基、ペンチルフェニル基、ヘキシルフェニル基、ヘプチルフェニル基及びオクチルフェニル基のような例を含む。
フェニルアルキル基は、フェニル−置換されたアルキル基であり;炭素原子数7ないし11のフェニルアルキル基は、ベンジル基、α−メチルベンジル基、α−エチルベンジル基、α,α−ジメチルベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基、フェニルブチル基及びフェニルペンチル基のような例を含む。
Oにより中断されたアルキル基は一般的に、1個以上の非隣接の酸素原子(群)を含む。好ましくは、D1又はT10'のようなアルキレン鎖の炭素原子は、1個以下のヘテロ原子に結合している。
上記された定義の範囲内において、アルキル基は、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、第二ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、2−エチルブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、1−メチルペンチル基、1,3−ジメチルブチル基、n−ヘキシル基、1−メチルヘキシル基、n−ヘプチル基、イソヘプチル基、1,1,3,3−テトラメチルブチル基、1−メチルヘプチル基、3−メチルヘプチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、1,1,3−トリメチルヘキシル基、1,1,3,3−テトラメチルペンチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、1−メチルウンデシル基、ドデシル基、1,1,3,3,5,5−ヘキサメチルヘキシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基及びオクタデシル基のような枝分れ状の又は枝分れしていないアルキル基である。
【0011】
L1又はD1のようなアルキレン基は、そのようなアルキル基から水素原子の引抜により誘導する。
上記された定義の範囲において、アルケニル基は、アリル基、イソプロペニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、イソブテニル基、n−ペンテ−2,4−ジエニル基、3−メチル−ブテ−2−エニル基;n−オクテ−2−エニル基、n−ドデセ−2−エニル基、イソドデセニル基、n−オクタデセ−2−エニル基及びn−オクタデセ−4−エニル基を含む。
T10の重鎖、例えばT10'のアルキレン基は、それらの主構成の周辺に特定の分子分布
を有し得る。範囲は例えば、C−原子数22ないし26個、28ないし32個又は34ないし38個であり得る。しかしながらまた、T10'につき各々、全部で炭素原子数が例え
ば20ないし40個、30ないし50個又は30ないし40個のような広範囲が使用されることが可能である。
式(100)又は(104)で表される化合物を調製するための抽出物が市販品であるため、それらは特定の規格内で変化し得る。このことは、T10が(上述したように中断されていてもよい)炭素原子数20ないし60のアルキレン基であるとき、T10基が誘導される高分子量二酸について特に当てはまる。
商業上入手出来る二酸又は二酸エステルはまた、少量の炭素原子数20未満の鎖を含み得る。それ故、T10が炭素原子数20未満のジアシル鎖10%まで及び炭素原子数20ないし60の、特に20ないし40のジアシル鎖90%ないし100%を含む混合物である
ところの化合物の混合物がまた、本発明の対象である。パーセンテージは、全混合物に基づき質量%である。
【0012】
本発明はまた、式(105)
【化18】
で表されるトリス−アリール−トリアジン及び式R67−O−T10−O−R67で表される化合物(式中、Y1はCOを表し、及びすべての他の記号は上記定義されたとおりである。
)を、ジオールHO−D1−OHと反応させることにより得られ得るオリゴエステル又は
ポリエステルに関する。
式(100)ないし(105)のヒドロキシフェニルトリアジンUV吸収剤(i)は、出願番号EP2004/050804を有する国際特許出願において記載されるとおりに調製され得る。
好ましくは、式I、II、III、IV又はVで表されるヒドロキシフェニルトリアジンUV吸収剤(i)である。
使用される好ましい他の光安定剤は、とりわけ、オリゴマー状の及び単分散性のHALS、アルコキシアミン類(NOR−HALS)のオリゴマー状HALS、及びピペラジノンのような低アルカリ性HALS(国際公開第00/31069号パンフレットに記載される製品のような)、モルホリノン(国際公開第99/14206号パンフレットを参照のこと。)、ピペラジンジオン(ドイツ国特許出願公開第19924984号明細書)、及びチオイミダゾリジノン(国際公開第01/62739号パンフレットを参照のこと。)より選択される立体障害性アミン(HALS)である。
従って、本発明は特に、
a)ポリマー材であって、
b)光互変染料及び
c)i)ヒドロキシフェニルトリアジンUV吸収剤及び
ii)立体障害性アミン(HALS)より選択される少なくとも1種の他の光安定剤
との安定剤組合せ
を含有するもの
を含む組成物に関する。
【0013】
本発明の組成物は、光互変効果が達成されるすべての用途に使用される。幾つかの例を以下に記載する:
・ 有害なUV太陽光線の有益な中和及び防眩の効果が必要な場合においてのみ効果的
であり、屋内での調光レンズを用いたサングラスの屋内での使用も可能にする“調光”として言及される、特別な型の眼科用レンズのような光学装置。そのようなレンズはしばしば、ポリアクリレート、セルロースエステル、ポリビニルアルコール、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレートのようなポリエステル、ポリビニルブチラ
ート、ポリスチレン及びスチレン−メタクリレート又はスチレン−アクリロニトリルのような関連あるコポリマーから作られる。該系は、参考により本明細書に組み込まれる国際公開第97/32225号パンフレット、及び米国特許第4,871,784号明細書及び第5,217,794号明細書に見られるような最適のフィルムにさらに適用され得る。
・他の用途は、太陽光線のUV部により引き起こされる可視光の濾過が、建築物内又は車両内の快適さを高め及び/又は内部環境を調整するためのコストを低減させるのに貢献し得るところの、透明板ガラスの分野にあり得る。光互変系は、プラスチック窓中に存在し得るか或いはガラス又はプラスチック窓上に積層されるか又は中に埋め込まれたフィルム中で使用され得る。これら背景において使用される典型的な材料は、ポリエチレンテレフタレート、グリコール変性ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリビニルブチラール、及び/又はフィルム及び透明板ガラスのための参照により本明細書に組み込まれている国際公開第92/01557号パンフレット、特開昭50−33286号公報;特開平5−143668号公報;特開平7−3217号公報及び特開平8−143831号公報、及び米国特許第5,643,676号明細書に記載されるもの;或いは、ウィンドウスクリーン/車両用透明板ガラス及び中間層のために、参照として本明細書に組み込まれている特開昭55−40018号公報;特開平2−192118号公報;特開平2−335037号公報;特開平2−335038号公報;特開平4−110128号公報及び特開平6−127591号公報、及び米国特許第5,618,863号明細書に見られるものである。
・また温室用プラスチックカバーに、過剰熱が幾つかの作物にとって有害であり及び/又は生長を阻害し得るので熱に結局は変換するところの、温室内の光の強度を低減させる目的で光互変性が付加され得る。低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニルコポリマー(EVA)及びエチレン−ブチルアクリレートコポリマー及び言及されたポリマーのブレンドが、農業において使用されるプラスチックカバーのための典型的な材料である。
・光互変コーティング。
・標識、信号、装飾等の目的のための光互変部を含む構造要素又は建築物。
【0014】
一般的に、成分a)のポリマー材は、以下に列挙されるポリマーから選択され得る:
1.モノオレフィン及びジオレフィンのポリマー、例えばポリプロピレン、ポリイソブチレン、ポリブテ−1−エン、ポリ−4−メチルペンテ−1−エン、ポリビニルシクロヘキサン、ポリイソプレン又はポリブタジエン、並びにシクロオレフィン、例えばシクロペンテン又はノルボルネンのポリマー、ポリエチレン(所望により架橋され得る)、例えば高密度ポリエチレン(HDPE)、高密度及び高分子量ポリエチレン(HDPE−HMW)、高密度及び超高分子量ポリエチレン(HDPE−UHMW)、中密度ポリエチレン(MDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、(VLDPE)及び(ULDPE)である。
【0015】
ポリオレフィン、すなわち前の段落において例示したモノオレフィンのポリマー、好ましくはポリエチレン及びポリプロピレンは、異なる方法によりそしてとりわけ以下の方法により調製され得る:
a)ラジカル重合(通常は高圧下及び高温において)。
b)周期表のIVb、Vb、VIb又はVIII群の金属の一つ又はそれ以上を通常含む触媒を使用した触媒重合。これらの金属は通常、一つ又はそれ以上の配位子、典型的にはπ−又はσ−配位し得るオキシド、ハロゲン化物、アルコレート、エステル、エーテル、アミン、アルキル、アルケニル及び/又はアリールを有する。これらの金属錯体は遊離形態であるか、又は基材に、典型的には活性化塩化マグネシウム、チタン(III)クロリド、アルミナ又は酸化ケイ素に固定され得る。これらの触媒は、重合媒体中に可溶又は不溶であり得る。該触媒は重合においてそのまま使用され得、又は他の活性化剤、典型的
には金属アルキル、金属ヒドリド、金属アルキルハライド、金属アルキルオキシド又は金属アルキルオキサンであって、該金属が周期表のIa、IIa及び/又はIIIa群の元素であるものが使用され得る。活性化剤は、他のエステル、エーテル、アミン又はシリルエーテル基で都合良く変性され得る。これらの触媒系は大抵、フィリップス、スタンダード・オイル・インディアナ(Phillips,Standard Oil Indiana)、チグラー(Ziegler)(−ナッタ(Natta))、TNZ(デュポン)、メタロセン又はシングルサイト触媒(SSC)と命名される。
【0016】
2.1)で言及されたポリマーの混合物、例えばポリプロピレンとポリイソブチレン、ポリプロピレンとポリエチレン(例えば、PP/HDPE、PP/LDPE)の混合物、及び異なる型のポリエチレンの混合物(例えば、LDPE/HDPE)。
【0017】
3.モノオレフィン及びジオレフィンの互いの又は他のビニルモノマーとのコポリマー、例えばエチレン/プロピレンコポリマー、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)及びその低密度ポリエチレン(LDPE)との混合物、プロピレン/ブテ−1−エンコポリマー、プロピレン/イソブチレンコポリマー、エチレン/ブテ−1−エンコポリマー、エチレン/ヘキセンコポリマー、エチレン/メチルペンテンコポリマー、エチレン/ヘプテンコポリマー、エチレン/オクテンコポリマー、エチレン/ビニルシクロヘキサンコポリマー、エチレン/シクロオレフィンコポリマー(例えば、エチレン/ノルボルネン様COC)、1−オレフィンがその場で生成されるエチレン/1−オレフィンコポリマー;プロピレン/ブタジエンコポリマー、イソブチレン/イソプレンコポリマー、エチレン/ビニルシクロヘキセンコポリマー、エチレン/アルキルアクリレートコポリマー、エチレン/アルキルメタクリレートコポリマー、エチレン/酢酸ビニルコポリマー又はエチレン/アクリル酸コポリマー及びそれらの塩(アイオノマー)並びにエチレンとプロピレン及びへキサジエン、ジシクロペンタジエン又はエチリデン−ノルボルネンのようなジエンとのターポリマー;及びそのようなコポリマーの互いの及び1)で上述したポリマーとの混合物、例えばポリプロピレン/エチレン−プロピレンコポリマー、LDPE/エチレン−酢酸ビニルコポリマー(EVA)、LDPE/エチレン−アクリル酸コポリマー(EAA)、LLDPE/EVA、LLDPE/EAA及び交互の又はランダムのポリアルキレン/一酸化炭素コポリマー及びそれらの他のポリマー、例えばポリアミドとの混合物。
【0018】
4.水素化変性物(例えば粘着付与剤)を含む炭化水素樹脂(例えば炭素原子数5ないし9)及びポリアルキレン及びデンプンの混合物。
1.)ないし4.)のホモポリマー及びコポリマーは、シンジオタクチック、アイソタクチック、ヘミ−アイソタクチック又はアタクチックを含むいずれの立体構造をも有し;アタクチックポリマーが好ましい。ステレオブロックポリマーがまた含まれる。
【0019】
5.ポリスチレン、ポリ(p−メチルスチレン)、ポリ(α−メチルスチレン)。
【0020】
6.スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエンの全ての異性体、とりわけp−ビニルトルエン、エチルスチレン、プロピルスチレン、ビニルビフェニル、ビニルナフタレン、及びビニルアントラセンの全ての異性体、及びそれらの混合物を含む芳香族ビニルモノマーから誘導された芳香族ホモポリマー及びコポリマー。ホモポリマー及びコポリマーはシンジオタクチック、アイソタクチック、ヘミ−アイソタクチック又はアタクチックを含むいずれの立体構造をも有し;アタクチックポリマーが好ましい。ステレオブロックポリマーがまた含まれる。
【0021】
6a.エチレン、プロピレン、ジエン、ニトリル、酸、マレイン酸無水物、マレイミド、酢酸ビニル及び塩化ビニル又はアクリル誘導体及びその混合物から選択された上述された芳香族ビニルモノマー及びコモノマーを含むコポリマー、例えば、スチレン/ブタジエ
ン、スチレン/アクリロニトリル、スチレン/エチレン(共重合体)、スチレン/アルキルメタクリレート、スチレン/ブタジエン/アルキルアクリレート、スチレン/ブタジエン/アルキルメタクリレート、スチレン/マレイン酸無水物、スチレン/アクリロニトリル/メチルアクリレート;スチレンコポリマー及び他のポリマー、例えばポリアクリレート、ジエンポリマー又はエチレン/プロピレン/ジエンターポリマーの高耐衝撃性の混合物;及びスチレン/ブタジエン/スチレン、スチレン/イソプレン/スチレン、スチレン/エチレン/ブチレン/スチレン又はスチレン/エチレン/プロピレン/スチレンのようなスチレンのブロックコポリマー。
【0022】
6b.6.)で言及されたポリマーの水素化から誘導された水素化芳香族ポリマー、とりわけアタクチックポリスチレンを水素化することにより調製されるポリシクロヘキシルエチレン(PCHE)を含み、それはしばしばポリビニルシクロヘキサン(PVCH)として言及される。
【0023】
6c.6a.)で言及されたポリマーの水素化から誘導された水素化芳香族ポリマー。
ホモポリマー及びコポリマーはシンジオタクチック、アイソタクチック、ヘミ−アイソタクチック又はアタクチックを含むいずれの立体構造をも有し;アタクチックポリマーが好ましい。ステレオブロックポリマーがまた含まれる。
【0024】
7.スチレン又はα−メチルスチレンのような芳香族ビニルモノマーのグラフトコポリマー、例えばポリブタジエンにスチレン、ポリブタジエン−スチレン又はポリブタジエン−アクリロニトリルコポリマーにスチレン;ポリブタジエンにスチレン及びアクリロニトリル(又はメタクリロニトリル);ポリブタジエンにスチレン、アクリロニトリル及びメチルメタクリレート;ポリブタジエンにスチレン及びマレイン酸無水物;ポリブタジエンにスチレン、アクリロニトリル及びマレイン酸無水物又はマレイミド;ポリブタジエンにスチレン及びマレイミド;ポリブタジエンにスチレン及びアルキルアクリレート又はメタクリレート;エチレン/プロピレン/ジエンターポリマーにスチレン及びアクリロニトリル;ポリアルキルアクリレート又はポリアルキルメタクリレートにスチレン及びアクリロニトリル;アクリレート/ブタジエンコポリマーにスチレン及びアクリロニトリル、並びにそれらの6)に列挙されたコポリマーとの混合物、例えばABS、MBS、ASA又はAESポリマーとして既知であるコポリマー混合物。
【0025】
8.ポリクロロプレン、塩化ゴム、イソブチレン−イソプレンの塩化及び臭化コポリマー(ハロブチルゴム)、塩化又はスルホ塩化ポリエチレン、エチレン及び塩化エチレンのコポリマー、エピクロロヒドリンホモ−及びコポリマー、とりわけハロゲン原子含有ビニル化合物のポリマー、例えばポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリフッ化ビニル、ボリフッ化ビニリデン並びに塩化ビニル/塩化ビニリデン、塩化ビニル/酢酸ビニル又は塩化ビニリデン/酢酸ビニルコポリマーのようなそれらのコボリマーのようなハロゲン原子含有ポリマー。
【0026】
9.α,β−不飽和酸から誘導されたポリマー及びポリアクリレート及びポリメタクリレートのようなその誘導体;ブチルアクリレートにより耐衝撃改善されたポリメチルメタクリレート、ポリアクリルアミド及びポリアクリロニトリル。
【0027】
10.9)で言及されたモノマーの互いの又は他の不飽和モノマーとのコポリマー、例えばアクリロニトリル/ブタジエンコポリマー、アクリロニトリル/アルキルアクリレートコポリマー、アクリロニトリル/アルコキシアルキルアクリレート又はアクリロニトリル/ビニルハライドコポリマー又はアクリロニトリル/アルキルメタクリレート/ブタジエンターポリマー。
【0028】
11.不飽和アルコール及びアミンから誘導されたポリマー又はそれらのアシル誘導体又はアセタール、例えばポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルステアレート、ポリビニルベンゾエート、ポリビニルマレエート、ポリビニルブチラール、ポリアリルフタレート又はポリアリルメラミン;並びに上の1)で言及されたオレフィンとそれらのコポリマー。
【0029】
12.ポリアルキレングリコール、ボリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド又はビスグリシジルエーテルとそれらのコポリマーのような環式エーテルのホモポリマー及びコポリマー。
【0030】
13.ポリオキシメチレンのようなポリアセタール及びコモノマーとしてエチレンオキシドを含むポリオキシメチレン;熱可塑性ポリウレタン、アクリレートまたはMBSで変性されたポリアセタール。
【0031】
14.ポリフェニレンオキシド及びスルフィド、及びポリフェニレンオキシドとスチレンポリマー又はポリアミドとの混合物。
【0032】
15.一方はヒドロキシル末端化されたポリエーテル、ポリエステル及びポリブタジエンと、他方は脂肪族又は芳香族のポリイソシアナートから誘導されたポリウレタン、並びにそれらの前駆体。
【0033】
16.ジアミシとジカルボン酸から及び/又はアミノカルボン酸又は対応するラクタムから誘導されたポリアミド及びコポリアミド、例えばポリアミド4、ポリアミド6、ポリアミド6/6、6/10、6/9、6/12、4/6、12/12、ポリアミド11、ポリアミド12、m−キシレンジアミン及びアジピン酸から開始した芳香族ポリアミド;へキサメチレンジアミン及びイソフタル酸及び/又はテレフタル酸から及び変性剤としてのエラストマーを用いて又は用いずに調製されたポリアミド、例えばポリ−2,4,4−トリメチルヘキサメチレンテレフタルアミド又はポリ−m−フェニレンイソフタルアミド:及び上述されたポリアミドとポリオレフィン、オレフィンコポリマー、アイオノマー又は化学的に結合されたか又はグラフトされたエラストマーとのブロックコポリマー;又は例えばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール又はポリテトラメチレングリコールのようなポリエーテルとのブロックコポリマー;ならびにEPDM又はABSで変性されたポリアミド又はコポリアミド;及び加工の間に縮合されたポリアミド(RIMポリアミド系)。
【0034】
17.ポリ尿素、ポリイミド、ボリアミド−イミド、ポリエーテルイミド、ポリエステルイミド、ポリヒダントイン及びポリベンズイミダゾール。
【0035】
18.ジカルボン酸とジアルコールから及び/又はヒドロキシカルボン酸又は対応するラクトンから誘導されたポリエステル、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、ポリ−1,4−ジメチロールシクロヘキサンテレフタレート、ポリアルキレンナフタレート(PAN)及びポリヒドロキシベンゾエート、並びにヒドロキシル末端化ポリエーテルから誘導されたブロックコポリエーテルエステル;及びまたポリカーボネート又はMBSにより変性されたポリエステル。特別な例は、PET、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレネート(PEN)、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)、及び例えばイソフタル酸、ジエチレングリコール、1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサンとのそれらのコポリエステル。
【0036】
19.ポリカーボネート及びポリエステルカーボネート。
【0037】
20.ポリケトン。
【0038】
21.ポリスルホン、ポリエーテルスルホン及びポリエーテルケトン。
【0039】
22.フェノール/ホルムアルデヒド樹脂、尿素/ホルムアルデヒド樹脂及びメラミン/ホルムアルデヒド樹脂のような、1方ではアルデヒドから、他方ではフェノール、尿素及びメラミンから誘導された架橋ポリマー。
【0040】
23.乾性及び非乾性アルキド樹脂。
【0041】
24.飽和及び不飽和ジカルボン酸と、架橋剤としての多価アルコール及びビニル化合物とのコポリマーから誘導される不飽和ポリエステル樹脂、及びまたそれらの低易燃性のハロゲン含有変性体。
【0042】
25.置換されたアクリレートから誘導された架橋性アクリル樹脂、例えばエポキシアクリレート、ウレタンアクリレート又はポリエステルアクリレート。
【0043】
26.メラミン樹脂、尿素樹脂、イソシアネート、イソシアヌレート、ポリイソシアネート又はエポキシ樹脂で架橋されたアルキド樹脂、ポリエステル樹脂及びアクリレート樹脂。
【0044】
27.脂肪族、環式脂肪族、複素環式又は芳香族グリシジル化合物、例えばビスフェノールAとビスフェノールFのジグリシジルエーテル生成物から誘導される架橋されたエポキシ樹脂であって、酸無水物又はアミンのような慣用の硬化剤により、又は所望により促進剤の存在下、架橋された前記エポキシ樹脂。
【0045】
28.セルロース、ゴム、ゼラチンのような天然ポリマー及び化学的に変性されたそれらの同族の誘導体、例えば酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース及び酪酸セルロース、又はメチルセルロースのようなセルロースエーテル、並びにロジン及びその誘導体。
【0046】
29.前記ポリマーのブレンド(ポリブレンド)、例えばPP/EPDM、ポリアミド/EPDM又はABS、PVC/EVA、PVC/ABS、PVC/MBS、PC/ABS、PBTP/ABS、PC/ASA、PC/PBT、PVC/CPE、PVC/アクリレート、POM/熱可塑性PUR、PC/熱可塑性PUR、POM/アクリレート、POM/MBS、PPO/HIPS、PPO/PA6.6及びコポリマー、PA/HDPE、PA/PP、PA/PPO、PBT/PC/ABS又はPBT/PET/PC。
【0047】
本発明に使用され得るポリマー材は、好ましくは合成有機ポリマー材、例えば電子用途に一般に使用される材料である。
特に以下のポリマーが好ましい:
ポリエチレン及びポリプロピレンのようなポリオレフィン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート(PET)のようなポリエステル及びそのコポリエステル;ポリスチレン又は耐衝撃性ポリスチレン(PS−HIPS)のようなスチレンポリマー又はコポリマー;或いは上述の特別なポリマー。
【0048】
光互変染料は大抵、ナフト−及びベンゾピラン(クロメン)より、或いはスピロピラン又はスピロオキサジンより選択され;これら化合物は商業上入手できる。
本発明において使用される光互変スピロ−インドリノ−オキサジン化合物は、一般構造式(I’):
【化19】
[式中、
R1及びR2は、同じであるか又は異なっており、各々独立して直鎖状の又は枝分かれ状の炭素原子数1ないし5のアルキル基;フェニル基を表すか;又はR1及びR2はそれらが結合される炭素原子と一緒になって、シクロアルキル(炭素原子数4ないし7)基、ビシクロアルキル(炭素原子数6ないし11)基、又はトリシクロアルキル(炭素原子数7ないし13)基を一緒に表し;
R3は、水素原子;直鎖状又は枝分かれ状の炭素原子数1ないし5のアルキル基;フッ
素原子、塩素原子、ホウ素原子又はヨウ素原子より選択される1ないし5個のハロゲン原子、ヒドロキシ基、炭素原子数1ないし5のアルコキシ基、炭素原子数1ないし5のカルボキシアルキル基、シアノ基により置換された同様の炭素原子数1ないし5のアルキル基;炭素原子数2ないし5のアルケニル基;フェニル基;又はベンジル基を表し;
R4ないしR7は、同じであるか又は異なっており、各々独立して水素原子;直鎖状又は枝分かれ状の炭素原子数1ないし5のアルキル基;フッ素原子、塩素原子、ホウ素原子又はヨウ素原子より選択される1ないし5個のハロゲン原子、ヒドロキシ基、炭素原子数1ないし5のアルコキシ基、炭素原子数1ないし5のカルボキシアルキル基、シアノ基により置換された同様の炭素原子数1ないし5のアルキル基;炭素原子数2ないし5のアルケニル基;フェニル基;ベンジル基;フッ素原子、塩素原子、ホウ素原子又はヨウ素原子より選択されるハロゲン原子;ヒドロキシ基;炭素原子数1ないし5のアルコキシ基;アミノ基;モノアルキル(炭素原子数1ないし5)アミノ基;ジアルキル(炭素原子数1ないし5)アミノ基;シクロ−アルキル(炭素原子数3ないし10)アミノ基;ピペリジン、ピペラジン又はモルホリン基;カルボキシル基;カルボキシアルキル(炭素原子数1ないし5)の基;カルボキシアルケニル(炭素原子数2ないし5)の基;カルボキサミド基;置換されたカルボキサミドN−アルキル(炭素原子数1ないし5)の基;置換されたカルボキサミドN,N−ジ−アルキル(炭素原子数1ないし5)の基;シアノ基;ニトロ基;スルホン基;(炭素原子数1ないし5)のアルキルスルホン基;ベンゼンスルホン基、p−トルエンスルホン基、p−クロロトルエンスルホン基より選択されるアリールスルホン基;フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基より選択されるアリール基を表し;
R8は、水素原子;直鎖状又は枝分れ状のアルキル(炭素原子数1ないし5)の基;フ
ェニル基;フッ素原子、塩素原子、臭素原子より選択されるハロゲン原子;アルコキシ(炭素原子数1ないし5)の基;又はフェノキシ基を表し;
Aは、式(II’)、(III’)、(IV’)又は(V’):
【化20】
により定義され得るものより選択されるアレーン基、単環式基又は多環式基を表し、
R9ないしR12の2つの隣接点は、一般式(I’)中のオキサジン核と他の2つの基と
の間の縮合位置を表し、及びR13ないしR16は、一般式(I’)中のR4ないしR7と同じ意味を有するか;又は2つの隣接基は一緒になって炭素原子数3ないし6のアルキレン基、又は対応するアザアルキレン基又はオキサアルキレン基を表すか;又は3つの隣接基は一緒にアルカン−トリイル基、すなわち炭素原子数4ないし8の3価の飽和炭化水素残基又は又は対応するアザ−又はオキサ−アルカン−トリイル基を表す。]
を有する。
【0049】
オキサ−又はアザ−残基において、炭素原子のうちの1個は、結合している水素原子が存在するならば、該水素原子と共に、酸素原子、窒素原子又はNHにより置換されている。
好ましくは、式(I’)において:
R1及びR2は同じであるか又は異なっており、各々独立してメチル基、エチル基、プロピル基又はフェニル基或いはそれらが結合する炭素原子と一緒に、シクロヘキシル基又は炭素原子数7ないし11のビ−又はトリシクロアルキル基を表し;
R3は、メチル基、エチル基、プロピル基、フェニル基、ベンジル基、2−アリル基、
2−ヒドロキシエチル基又は2−カルボキシメチル基を表し;
R4ないしR7は同じであるか又は異なっており、各々独立して水素原子、フッ素原子、塩素原子又は臭素原子、或いはメチル基、イソプロピル基、トリフルオロメチル基、ヒドロキシメチル基、ベンジル基、ヒドロキシ基、メトキシ基、アミノ基、ピペリジノ基、モルホリノ基、カルボキシル基、カルボキシメチル基、N,N−ジメチルカルボキサミド基、シアノ基、ニトロ基又はフェニル基を表し;
R8は、水素原子、塩素原子、メチル基、フェニル基、又はメトキシ基を表し;及び/
又は
Aは、式(II’)、(III’)、(IV’)又は(V’)を有する基のうちの1つを表し:ここで、R9ないしR12の2つの隣接点は、一般式(I’)中のオキサジン核と
他の2つの基との間の縮合位置を表し、さらにR13ないしR16は各々独立して、水素原子、フッ素原子、塩素原子又は臭素原子、又はメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、トリフルオロメチル基、ヒドロキシメチル基、ベンジル基、ヒドロキシ基、メトキシ基、アミノ基、ピペリジノ基、モルホリノ基、カルボキシル基、カルボキシメチル基、N,N−ジメチルカルボキサミド基、シアノ基、ニトロ基又はフェニル基を表す。
【0050】
本発明において使用できる好ましいスピロ−インドリノ−オキサジン光互変化合物は:
1’,3’−ジヒドロ−5,7−ジメトキシ−1’n−プロピル−3’エチル−3’,4’,5’−(及び3’,5’,6’)−トリメチル−スピロ[2H−1,4−ベンズオキサジン−2,2’−[2H]インドール] (VI’);
1,3−ジヒドロ−1,3,3,4,5−(及び1,3,3,5,6)−ペンタメチルスピロ[2H−インドール−2,3’−[3H]ピリド[3,2−f][1,4]ベンズオキサジン] (VII’);
1,3−ジヒドロ−1,3,3,4,5−(及び1,3,3,5,6)−ペンタメチルスピロ[2H−インドール−2,3’−[3H]ナフト[2,1−b][1,4]オキサジン] (VIII’);
【化21】
【化22】
【化23】
である。
【0051】
ナフトピラン光互変化合物は大抵、一般構造式(IX’):
【化24】
[式中、R1ないしR11は、同じであるか又は異なっており、各々独立して水素原子;直
鎖状又は枝分かれ状の炭素原子数1ないし5のアルキル基;フッ素原子、塩素原子、ホウ素原子又はヨウ素原子、ヒドロキシ基、炭素原子数1ないし5のアルコキシ基、炭素原子数1ないし5のカルボキシアルキル基、シアノ基により置換された同様の炭素原子数1ないし5のアルキル基;炭素原子数2ないし5のアルケニル基;フェニル基;ベンジル基;フッ素原子、塩素原子、ホウ素原子又はヨウ素原子より選択されるハロゲン原子;炭素原子数1ないし5のアルコキシ基;アミノ基;モノアルキル(炭素原子数1ないし5)アミノ基;ジアルキル(炭素原子数1ないし5)アミノ基;シクロ−アルキル(炭素原子数3ないし10)アミノ基;ピペリジン、ピペラジン又はモルホリン基;カルボキシル基;カルボキシアルキル(炭素原子数1ないし5)の基;カルボキシアルケニル(炭素原子数2ないし5)の基;カルボキサミド基;置換されたカルボキサミドN−アルキル(炭素原子数1ないし5)の基;置換されたカルボキサミドN,N−ジ−アルキル(炭素原子数1ないし5)の基;シアノ基;ニトロ基;スルホン基;(炭素原子数1ないし5の)アルキルスルホン基;ベンゼンスルホン基、p−トルエンスルホン基、p−クロロトルエンスルホン基より選択されるアリールスルホン基;フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基より選択されるアリール基を表し;
Aは、式(X’):
【化25】
により定義され得るものより選択されるアレーン多環式基を表し、R12ないしR15の2つの隣接点は、一般式(IX’)中のピラン核と他の2つの基との間の縮合位置を表し、さらにR16ないしR19は一般式(IX’)中のR1ないしR11と同じ意味を有する。]
を有する。
【0052】
好ましくは式(IX’)中:
R1ないしR11は、同じであるか又は異なっており、各々独立して水素原子、フッ素原
子、塩素原子又は臭素原子、又はメチル基、イソプロピル基、トリフルオロメチル基、ヒ
ドロキシメチル基、ベンジル基、ヒドロキシ基、メトキシ基、アミノ基、ピペリジノ基、モルホリノ基、カルボキシル基、カルボキシメチル基、N,N−ジメチルカルボキサミド基、シアノ基、ニトロ基又はフェニル基を表し;
Aは、式(X’)を有する基のうちの1つを表し:ここで、R12ないしR15の2つの隣接点は、一般式(I’)中のピラン核と他の2つの基との間の縮合位置を表し、さらにR16ないしR19は各々独立して、水素原子、フッ素原子、塩素原子又は臭素原子、又はメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、トリフルオロメチル基、ヒドロキシメチル基、ベンジル基、ヒドロキシ基、メトキシ基、アミノ基、ピペリジノ基、モルホリノ基、カルボキシル基、カルボキシメチル基、N,N−ジメチルカルボキサミド基、シアノ基、ニトロ基又はフェニル基を表す。
【0053】
本発明において使用される好ましいナフトピラン光互変化合物の特別な例は:
3,3−ジフェニル−3H−ナフト[2,1−b]ピラン (XI’);
3−(2−フルオロフェニル)−3−(3−メチル−4−メトキシフェニル)−5−アセトキシ−3H−ナフト[2,1−b]ピラン (XII’);
【化26】
3(2−フルオロフェニル)−3−(4−メトキシフェニル)−3H−ナフト[2,1−b]ピラン;
3(2−フルオロフェニル)−3(4’−メトキシフェニル)−8−メトキシ−3H−ナフト[2,1−b]ピラン;
3(2,4−ジメトキシフェニル)−3,4’−メトキシフェニル)−3H−ナフト[2,1−b]ピラン;
3(2−フルオロフェニル−3(4−ジメトキシフェニル)3H−ナフト[2,1−b]ピラン;
3(2−メチル−4−メトキシフェニル)−3−(4−メトキシフェニル)−3H−ナフト[2,1−b]ピラン;
3(2−メチルフェニル)−3(4−メトキシフェニル)−3H−ナフト[2,1−b]ピラン;
3−フェニル−3(2,4−ジメトキシフェニル)−3H−ナフト[2,1−b]ピラ
ン;及び
3(2,6−ジフルオロフェニル)−3(4−メトキシフェニル)−3H−ナフト[2,1−b]ピラン
である。
【0054】
好ましいナフトピランはまた、式
【化27】
及び
【化28】
[式中、R31、R32、R33、R34、R35の各々は独立して、水素原子、所望によりOH、炭素原子数1ないし6のアルコキシ基により置換されたフェニル基、ナフチル基、アルキル基のような炭素原子数1ないし18の炭化水素基;−NR’R”;−NO2を表し、こ
こで、R’及びR”は独立して、H又は炭素原子数1ないし12のアルキル基、炭素原子数4ないし12のシクロアルキル基、炭素原子数7ないし13のフェニルアルキル基を表すか、又は一緒になってテトラメチレン基又はペンタメチレン基又はO原子により中断されたテトラメチレン基を表し得る。]
で表されるものを含む。
【0055】
クロメンのもう1つの類であるベンゾピランは、式
【化29】
[式中、R41、R42、R43、R44、R45の各々は独立して、水素原子、所望によりOH、炭素原子数1ないし6のアルコキシ基により置換されたフェニル基、ナフチル基、アルキル基のような炭素原子数1ないし18の炭化水素基;−NR’R”;−NO2を表し、こ
こで、R’及びR”は独立して、H又は炭素原子数1ないし12のアルキル基、炭素原子数4ないし12のシクロアルキル基、炭素原子数7ないし13のフェニルアルキル基を表すか、又は一緒になってテトラメチレン基又はペンタメチレン基又はO原子により中断さ
れたテトラメチレン基を表し得る。]
で表されるものを含む。
例えば、クロメンは、式
【化30】
[式中、Rは、H;炭素原子数1ないし6のアルキル基;炭素原子数1ないし6のアルコキシ基;−NR’R”;−NO2(式中、R’及びR”は独立して、H又は炭素原子数1
ないし12のアルキル基、炭素原子数4ないし12のシクロアルキル基、炭素原子数7ないし13のフェニルアルキル基を表すか、又は一緒になってテトラメチレン基又はペンタメチレン基又はO原子により中断されたテトラメチレン基を表し得る。)]
で表されるナフトピランより選択され得る。以下の実施例において使用されたクロメン1は、式中の各々のRがHを表すところの上記式で表されるものである。
【0056】
好ましいのは、水銀を含まない光互変染料(b)である。
好ましい成分(ii)の立体障害性アミン(HALS)は、少なくとも1種の式IX、X及び/又はXI
【化31】
(式中、
Gは、水素原子又はメチル基を表し、及び
G1及びG2は、水素原子、メチル基又は一緒に酸素原子を表す。)
で表される基を含むものである。
【0057】
特に興味あるのは、成分(ii)として、少なくとも1種の式II又はIII:
で表される基を含む以下の類(a’)ないし(I’)の下で記載されるとおりの立体障害性アミンの群からの少なくとも1種の化合物を含む系である。
(a’)式(1a):
【化32】
[式中、n1は、1ないし4の数であり、G及びG1は互いに独立して、水素原子又はメチル基を表し、
G11は、水素原子、O原子;ヒドロキシル基、NO基、−CH2CN基、炭素原子数1
ないし18のアルキル基、炭素原子数3ないし8のアルケニル基、炭素原子数3ないし8のアルキニル基、炭素原子数7ないし12のアラルキル基、炭素原子数1ないし18のアルコキシ基、炭素原子数5ないし12のシクロアルコキシ基、炭素原子数7ないし15のフェニルアルコキシ基、炭素原子数1ないし8のアルカノイル基、炭素原子数3ないし5のアルケノイル基、炭素原子数1ないし18のアルカノイルオキシ基、ベンジルオキシ基、グリシジル基又は基−CH2CH(OH)−Z(式中、Zは、水素原子、メチル基又は
フェニル基を表す。)を表すか;又はG11は、各々1ないし3個のOH基により脂肪族部分において置換されている炭素原子数1ないし18のアルコキシ基、炭素原子数5ないし12のシクロアルコキシ基又は炭素原子数7ないし15のフェニルアルコキシ基を表し;G11は好ましくは、炭素原子数1ないし12のアルコキシ基又はシクロヘキシルオキシ基又は炭素原子数2ないし8のヒドロキシアルコキシ基又は水素原子又は炭素原子数1ないし4のアルキル基又はアリル基又はベンジル基又はアセチル基又はアクリロイル基を表し;とりわけH原子、メチル基、オクチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基又は2−ヒドロキシ−2−メチル−プロポキシ基を表し、
興味あるのはまた、G11は、炭素原子数1ないし18のアルコキシ基、炭素原子数5ないし12のシクロアルコキシ基、炭素原子数7ないし15のフェニルアルコキシ基、ベンジルオキシ基を表すか、又はG11は、各々1ないし3個のOH基により脂肪族部分において置換された炭素原子数1ないし18のアルコキシ基、炭素原子数5ないし12のシクロアルコキシ基又は炭素原子数7ないし15のフェニルアルコキシ基を表し;
及びn1が1である場合、G12は、水素原子、中断されていないか又は1個以上の酸素
原子、COO及び/又はCONH基により中断された炭素原子数1ないし18のアルキル基を表すか、又はシアノエチル基、ベンゾイル基、グリシジル基、脂肪族、脂環式、芳香脂肪族、不飽和又は芳香族カルボン酸、カルバミン酸又はリン含有の酸の一価基又は一価シリル基を表し、好ましくは炭素原子数2ないし18の脂肪族カルボン酸の、炭素原子数7ないし15の脂環式カルボン酸の、炭素原子数3ないし5のα,β−不飽和カルボン酸の、又は炭素原子数7ないし15の芳香族カルボン酸の基であり、ここで各々のカルボン酸は、1ないし3個の−COOZ12基(式中、Z12は、H原子、炭素原子数1ないし12のアルキル基、炭素原子数3ないし12のアルケニル基、炭素原子数5ないし7のシクロアルキル基、フェニル基又はベンジル基を表す。)により脂肪族、脂環式又は芳香族部分において置換され得、
n1が2である場合、G12は、炭素原子数2ないし12のアルキレン基、炭素原子数4
ないし12のアルケニレン基、キシリレン基、脂肪族、脂環式、芳香脂肪族又は芳香族ジカルボン酸、ジカルバミン酸又はリン含有の酸の二価基又は二価シリル基、好ましくは炭素原子数2ないし36の脂肪族ジカルボン酸の、又は炭素原子数8ないし14の脂環式又は芳香族ジカルボン酸の、又は炭素原子数8ないし14の脂環式又は芳香族ジカルバミン酸の基を表し、ここで、各々のジカルボン酸は、1又は2個の−COOZ12基により脂肪族、脂環式又は芳香族部分において置換され得、
n1が3である場合、G12は、−COOZ12基により脂肪族、脂環式又は芳香族部分に
おいて置換され得る脂肪族、脂環式又は芳香族トリカルボン酸の、芳香族トリカルバミン酸の、又はリン含有の酸の三価基、又は三価シリル基を表し、好ましい基はベンゼントリカルボン酸のニトリロ三酢酸のトリアシル基を含み、
及びn1が4である場合、G12は、脂肪族、脂環式又は芳香族テトラカルボン酸の四価基
を表す。]
であらされる化合物。
【0058】
上述のカルボン酸の基は、各々の場合において、式(−CO)xR(式中、xは、上記
n1で定義されたとおりであり、及びRの意味は、上述の定義から生じる。)で表される
基を意味するものととられる。
炭素原子数20までのアルキル基は例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、第二ブチル基、第三ブチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ヘキサデシル基又はn−オクタデシル基である。
炭素原子数1ないし18のアルコキシ基G11は、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、ペントキシ基、イソペントキシ基、ヘキソキシ基、ヘプトキシ基、オクトキシ基、デシルオキシ基、ドデシルオキシ基、テトラデシルオキシ基、ヘキサデシルオキシ基及びオクタデシルオキシ基である。炭素原子数6ないし12のアルコキシ基、特にヘプトキシ基及びオクトキシ基が好ましい。
炭素原子数5ないし12のシクロアルコキシ基G11は、例えば、シクロペントキシ基、シクロヘキソキシ基、シクロヘプトキシ基、シクロオクトキシ基、シクロデシルオキシ基及びシクロドデシルオキシ基である。炭素原子数5ないし8のシクロアルコキシ基、特にシクロペントキシ基及びシクロヘキソキシ基が好ましい。
炭素原子数7ないし9のフェニルアルコキシ基は例えば、ベンジルオキシ基である。
1ないし3個のOH基により脂肪族部分において置換された炭素原子数1ないし18のアルコキシ基、炭素原子数5ないし12のシクロアルコキシ基又は炭素原子数7ないし15のフェニルアルコキシ基としてのG11は、好ましくは、2−メチル−2−プロパノール(第三ブタノール)、2−プロパノール、2,2−ジメチル−1−プロパノール、2−メチル−2−ブタノール、エタノール、1−プロパノール、1−ブタノール、1−ペンタノール、1−ヘキサノール、1−ノナノール、1−デカノール、1−ドデカノール、1−オクタデカノール、2−ブタノール、2−ペンタノール、2−エチル−1−ヘキサノール、シクロヘキサノール、シクロオクタノール、アリルアルコール、フェネチルアルコール又は1−フェニル−1−エタノール;1,2−エタンジオール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、1,2−シクロヘキサンジオール、1,3−シクロヘキサンジオール又は1,4−シクロヘキサンジオール;グリセロール、1,1,1−トリス(ヒドロキシメチル)メタン、2−エチル−2−(ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール、1,2,4−ブタンジオール又は1,2,6−ヘキサントリオールから炭素原子に結合した水素原子の引抜により形成された基である。最も好ましいヒドロキシ置換されたG11は、2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ基である。
【0059】
幾つかのG12基の例は以下に与えられる。
G12がカルボン酸の一価基である場合、G12は例えば、アセチル基、カプロイル基、ステアロイル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、ベンゾイル基又はβ−(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル基である。
G12が一価シリル基である場合、G12は例えば、式−(CjH2j)−Si(Z’)2Z”(式中、jは、2ないし5の整数であり、及びZ’及びZ”は互いに独立して、炭素原子
数1ないし4のアルキル基又は炭素原子数1ないし4のアルコキシ基を表す。)を表す。
G12がジカルボン酸の二価基である場合、G12は例えば、マロニル基、スクシニル基、グルタリル基、アジポイル基、スベロイル基、セバコイル基、マレオイル基、イタコニル基、フタロイル基、ジブチルマロニル基、ジベンジルマロニル基、ブチル(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)マロニル基又はビシクロヘプテンジカルボニル基又は式
【化33】
で表される基である。
G12がトリカルボン酸の三価基である場合、G12は例えば、トリメリトイル基、シトリル基又はニトリロトリアセチル基である。
G12がテトラカルボン酸の四価基である場合、G12は例えば、ブタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸の又はピロメリト酸の四価基である。
G12がジカルバミン酸の二価基である場合、G12は例えば、ヘキサメチレンジカルバモイル基又は2,4−トルイレンジカルバモイル基である。
【0060】
好ましくは、式中、G及びG1が水素原子を表し、G11が水素原子又はメチル基を表し
、n1が2を表し、及びG12が炭素原子数4ないし12の脂肪族ジカルボン酸のジアシル
基を表すところの、式(1a)で表される化合物である。
(b’)式(1b)
【化34】
[式中、n2は、数1、2又は3であり、及びG、G1及びG11は(a’)の下で定義されたとおりであり、
G13は、水素原子、炭素原子数1ないし12のアルキル基、炭素原子数2ないし5のヒドロキシアルキル基、炭素原子数5ないし7のシクロアルキル基、炭素原子数7又は8のアラルキル基、炭素原子数1ないし18のアルカノイル基、炭素原子数3ないし5のアルケノイル基、ベンゾイル基又は式
【化35】
で表される基を表し、
及びn2が1である場合、G14は、水素原子、炭素原子数1ないし18のアルキル基、
炭素原子数3ないし8のアルケニル基、炭素原子数5ないし7のシクロアルキル基、ヒドロキシル基、シアノ基、アルコキシカルボニル基又はカルバミド基又は式−CONH−Zで表される基により置換された炭素原子数1ないし4のアルキル基を表すか、又はG14は、グリシジル基、式−CH2−CH(OH)−Zで表される基、又は式−CONH−Zで
表される基(式中、Zは水素原子、メチル基又はフェニル基又は式中のZ14が炭素原子数1ないし18のアルキル基を表すところのCH2−OZ14を表す。)を表し;
n2が2である場合、G14は、炭素原子数2ないし12のアルキレン基、炭素原子数6
ないし12のアリーレン基、キシリレン基、−CH2−CH(OH)−CH2基又は−CH2−CH(OH)−CH2−O−D−O−基(式中、Dは、炭素原子数2ないし10のアルキレン基、炭素原子数6ないし15のアリーレン基、炭素原子数6ないし12のシクロアルキレン基を表す。)を表すか、又はG13がアルカノイル基、アルケノイル基又はベンゾイル基を表さない場合、G14は択一的に、1−オキソ−炭素原子数2ないし12のアルキレン基、脂肪族、脂環式又は芳香族ジカルボン酸又はジカルバミン酸の二価基又は択一的には基−CO−を表し、
n2が3である場合、G14は、基
【化36】
を表すか、
又はn2が1である場合、G13及びG14は一緒に、脂肪族、脂環式又は芳香族1,2−
又は1,3−ジカルボン酸の二価基を表し得る。]
で表される化合物。
【0061】
基G13、G14及びDの数例は、以下に与えられる。
いずれのアルキル置換基も上記(a’)で定義されたとおりである。
いずれの炭素原子数5ないし7のシクロアルキル置換基も特にシクロヘキシル基である。
炭素原子数7又は8のアラルキル基G13は特に、フェニルエチル基又はとりわけベンジル基である。
炭素原子数2ないし5のヒドロキシアルキル基G13は特に、2−ヒドロキシエチル基又
は2−ヒドロキシプロピル基である。
炭素原子数1ないし18のアルカノイル基G13は、例えば、ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、オクタノイル基、ドデカノイル基、ヘキサデカノイル基、オクタデカノイル基であるが、好ましくはアセチル基であり、及び炭素原子数3ないし5のアルケノイル基G13は特に、アクリロイル基である。
炭素原子数2ないし8のアルケニル基G14は例えば、アリル基、メタリル基、2−ブテニル基、2−ペンテニル基、2−ヘキセニル基又は2−オクテニル基である。
ヒドロキシル−、シアノ−、アルコキシカルボニル−又はカルバミド−置換された炭素原子数1ないし4のアルキル基としてのG14は例えば、2−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシプロピル基、2−シアノエチル基、メトキシカルボニルメチル基、2−エトキシカルボニルエチル基、2−アミノカルボニルプロピル基又は2−(ジメチルアミノカルボニル)エチル基である。
いずれの炭素原子数2ないし12のアルキレン基も例えば、エチレン基、プロピレン基、2,2−ジメチルプロピレン基、テトラメチレン基、ヘキサメチレン基、オクタメチレン基、デカメチレン基又はドデカメチレン基である。
いずれの炭素原子数6ないし15のアリーレン置換基も例えば、o−、m−又はp−フェニレン基、1,4−ナフチレン基又は4,4’−ジフェニレン基である。
炭素原子数6ないし12のシクロアルキレン基は特に、シクロヘキシレン基である。
1−オキソ−炭素原子数2ないし12のアルキレン基としてのG14は好ましくは、基
【化37】
である。
【0062】
(c’)式(1c)
【化38】
(式中、n3は、数1又は2であり、G、G1及びG11は、(a’)の下で定義されたとおりであり、及びn3が1である場合、G15及びG’15は、独立して炭素原子数1ないし1
2のアルキル基、炭素原子数2ないし12のアルケニル基、炭素原子数7ないし12のアラルキル基を表すか、又はG15はまた、水素原子を表すか、又はG15及びG’15は一緒に、炭素原子数2ないし8のアルキレン基、炭素原子数5ないし15のアルケニレン基、炭素原子数2ないし8のヒドロキシアルキレン基又は炭素原子数4ないし22のアシルオキシアルキレン基を表し、及びn3が2である場合、G15及びG’15は一緒に、(−CH2)2C(CH2−)2基を表す。)
で表される化合物。
炭素原子数2ないし8のアルキレン基又は炭素原子数2ないし8のヒドロキシアルキレン基G15及びG’15は例えば、エチレン基、1−メチルエチレン基、プロピレン基、2−エチルプロピレン基又は2−エチル−2−ヒドロキシメチルプロピレン基である。
炭素原子数4ないし22のアシルオキシアルキレン基G15及びG’15は例えば、2−エチル−2−アセトキシメチルプロピレンである。
【0063】
(d’)式(1d−1)、(1d−2)又は(1d−3)
【化39】
【化40】
【化41】
[式中、n4は、数1又は2であり、G、G1及びG11は、(a’)の下で定義されたとおりであり、
G16は、水素原子、炭素原子数1ないし12のアルキル基、アリル基、ベンジル基、グリシジル基又は炭素原子数2ないし6のアルコキシアルキル基を表し、及び
n4が1である場合、G17は、水素原子、炭素原子数1ないし12のアルキル基、炭素
原子数3ないし5のアルケニル基、炭素原子数7ないし9のアラルキル基、炭素原子数5ないし7のシクロアルキル基、炭素原子数2ないし4のヒドロキシアルキル基、炭素原子数2ないし6のアルコキシアルキル基、炭素原子数6ないし8のアリール基、グリシジル基又は式−(CH2)p−COO−Q又は−(CH2)p−O−CO−Q(式中、pは1又は2であり、及びQは炭素原子数1ないし4のアルキル基又はフェニル基を表す。)で表される基を表し、
及びn4が2である場合、G17は、炭素原子数2ないし12のアルキレン基、炭素原子
数4ないし12のアルケニレン基,炭素原子数6ないし12のアリーレン基、式−CH2
−CH(OH)−CH2−O−D’−O−CH2−CH(OH)−CH2−(式中、D’は
、炭素原子数2ないし10のアルキレン基、炭素原子数6ないし15のアリーレン基又は炭素原子数6ないし12のシクロアルキレン基を表す。)で表される基、或いは式−CH2CH(OD”)CH2−(OCH2−CH(OD”)CH2)2−(式中、D”は、水素原
子、炭素原子数1ないし18のアルキル基、アリル基、ベンジル基、炭素原子数2ないし12のアルカノイル基又はベンゾイル基を表す。)で表される基を表し、
T1及びT2は互いに独立して、水素原子、炭素原子数1ないし18のアルキル基或いは未置換の又は水素原子−又は炭素原子数1ないし4のアルキル−置換された炭素原子数6ないし10のアリール基又は炭素原子数7ないし9のアラルキル基を表すか、又は
T1及びT2は、それらに結合する炭素原子と一緒になって、炭素原子数5ないし14のシクロアルカン環を形成する。]
で表される化合物。
【0064】
いずれの炭素原子数1ないし12のアルキル置換基も例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、第二ブチル基、第三ブチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基又はn−ドデシル基である。
いずれの炭素原子数1ないし18のアルキル置換基も例えば上述の基であり得、及びさらに例えば、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ヘキサデシル基又はn−オクタデシル基であり得る。
いずれの炭素原子数2ないし6のアルコキシアルキル基も例えば、メトキシメチル基、エトキシメチル基、プロポキシメチル基、第三ブトキシメチル基、エトキシエチル基、エトキシプロピル基、n−ブトキシエチル基、第三ブトキシエチル基、イソプロポキシエチル基又はプロポキシプロピル基である。
炭素原子数3ないし5のアルケニル基G17は例えば、1−プロペニル基、アリル基、メタリル基、2−ブテニル基又は2−ペンテニル基である。
炭素原子数7ないし9のG17、T1及びT2は特に、フェネチル基又はとりわけベンジル基である。T1及びT2は、炭素原子と一緒になってシクロアルカン環を形成し、これは例えば、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロオクタン又はシクロドデカン環であり得る。
炭素原子数2ないし4のヒドロキシアルキル基G17は例えば、2−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシプロピル基、2−ヒドロキシブチル基又は4−ヒドロキシブチル基である。
炭素原子数6ないし10のアリール基G17、T1及びT2は特に、未置換の或いは水素原子又は炭素原子数1ないし4のアルキル基により置換されたフェニル基又はα−又はβ−ナフチル基である。
炭素原子数2ないし12のアルキレン基G17は例えば、エチレン基、プロピレン基、2,2−ジメチルプロピレン基、テトラメチレン基、ヘキサメチレン基、オクタメチレン基、デカメチレン基又はドデカメチレン基である。
炭素原子数4ないし12のアルケニレン基G17は特に、2−ブテニレン基、2−ペンテニレン基又は3−ヘキセニレン基である。
炭素原子数6ないし12のアリーレン基G17は例えば、o−、m−又はp−フェニレン基、1,4−ナフチレン基又は4,4’−ジフェニレン基である。
炭素原子数2ないし12のアルカノイル基D”は例えば、プロピオニル基、ブチリル基、オクタノイル基、ドデカノイル基であるが、好ましくはアセチル基である。
炭素原子数2ないし10のアルキレン基、炭素原子数6ないし15のアリーレン基又は炭素原子数6ないし12のシクロアルキレン基D’は例えば、(b’)の下でDに対して与えられた定義のうちの1つを有する。
【0065】
(e’)式(1e)
【化42】
[式中、
n5は数1又は2であり、及びG18は、式
【化43】
(式中、G及びG11は(a’)の下で定義されたとおりであり、及びG1及びG2は、水素原子、メチル基を表すか、又は一緒に置換基=Oを表し、
Eは、−O−又は−ND”’−を表し、
Aは、炭素原子数2ないし6のアルキレン基又は−(CH2)3−O−を表し、及び
x1は、数0又は1であり、
D”’は、水素原子、炭素原子数1ないし12のアルキル基、炭素原子数2ないし12のアルキレン−N(Dv)2、炭素原子数2ないし5のヒドロキシアルキル基又は炭素原子数5ないし7のシクロアルキル基を表し、ここでDvは独立して水素原子又はブチル基を
表す。)で表される基を表し、
G19は、G18と同一であるか、又は基−N(G21)(G22)、−OG23、−N(H)(CH2OG23)又は−N(CH2OG23)2を表し、
n5=1である場合、G20は、G18又はG19と同一であり、及びn5=2である場合、−E−DIV−E−基(式中、DIV基は炭素原子数2ないし8のアルキレン基又は1又は2個の−NG21−基により中断された炭素原子数2ないし8のアルキレン基を表す。)を表し、
G21は、水素原子、炭素原子数1ないし12のアルキル基、シクロヘキシル基、ベンジル基又は炭素原子数1ないし4のヒドロキシアルキル基又は式
【化44】
で表される基を表し、
G22は、炭素原子数1ないし12のアルキル基、シクロヘキシル基、ベンジル基又は炭素原子数1ないし4のヒドロキシアルキル基を表し、及び
G23は、水素原子、炭素原子数1ないし12のアルキル基又はフェニル基を表すか、又
はG21及びG22は一緒になって、炭素原子数4又は5のアルキレン基又は炭素原子数4又は5のオキサアルキレン基、例えば−CH2CH2−O−CH2CH2−、又は式−CH2C
H2−N(G11)−CH2CH2−を表す。]
で表される化合物。
式(Ie)における幾つかの改変例は以下に与えられる。
いずれの炭素原子数1ないし12のアルキル置換基も例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、第二ブチル基、第三ブチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基又はn−ドデシル基である。
いずれのヒドロキシアルキル置換基も例えば、2−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシプロピル基、3−ヒドロキシプロピル基2−ヒドロキシブチル基又は4−ヒドロキシブチル基である。
いずれの炭素原子数5ないし7のシクロアルキル置換基も例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基又はシクロヘプチル基である。
シクロヘキシル基が好ましい。
炭素原子数2ないし6のアルキレン基Aは例えば、エチレン基、プロピレン基、2,2−ジメチルプロピレン基、テトラメチレン基又はヘキサメチレン基である。
G21及びG22は一緒に、炭素原子数4又は5のアルキレン基又はオキサアルキレン基を表し、それらは例えば、テトラメチレン基、ペンタメチレン基又は3−オキサペンタメチレン基である。
【0066】
(f’)式(1f)
【化45】
(式中、G11は、(a’)の下で定義されたとおりである。)
で表される化合物。
【0067】
(g’)繰り返し構造単位が、2,2,6、6−テトラアルキルピペリジニル基を含むところのオリゴマー又はポリマー化合物、特にポリエステル、ポリエーテル、ポリアミド、ポリアミン、ポリウレタン、ポリウレア、ポリアミノトリアジン、ポリ(メタ)アクリレート、ポリ(メタ)アクリルアミド及びそのような基を含むそのコポリマーである。
この類からの2,2,6,6−ポリアルキルピペリジン化合物の例は、以下の式で表される化合物である。m1ないしm14は2ないしおよそ200、好ましくは2ないし100
、例えば2ないし50、2ないし40、3ないし40又は4ないし10の数である。
以下に列挙されるオリゴマー又はポリマー化合物の自由価を飽和する末端基の意味は、前記化合物の調製に使用されるプロセスによる。末端基はまた、化合物の合成後にさらに改変し得る。
【0068】
ポリマー化合物の例は以下の通りである:
1)式(1g)
【化46】
(式中、G24、G25、G26、G27及びG28は互いに独立して、直接結合又は炭素原子数1ないし10のアルキレン基を表し、G11は(a’)の下で定義されたとおりであり、及びm17は1ないし50の数である。)
で表される化合物。
式(1g)で表される化合物において、>C=O基に結合した末端基は例えば、
【化47】
であり得、及び酸素原子に結合した末端基は例えば、
【化48】
であり得る。
【0069】
2)式(2g)
【化49】
[式中、記号m18は1ないし15の範囲であり;
R12は、炭素原子数2ないし12のアルキレン基、炭素原子数4ないし12のアルケニレン基、炭素原子数5ないし7のシクロアルキレン基、炭素原子数5ないし7のシクロアルキレン−ジ(炭素原子数1ないし4のアルキレン)基、炭素原子数1ないし4のアルキレンジ(炭素原子数5ないし7のシクロアルキレン)基、フェニレンジ(炭素原子数1ないし4のアルキレン)基又は1,4−ピペラジンジイル基、−O−又は>N−X1により
中断された炭素原子数4ないし12のアルキレン基を表し、ここでX1は、炭素原子数1
ないし12のアシル基又は(炭素原子数1ないし12のアルコキシ)カルボニル基を表すか、又は水素原子を除き以下に与えられたR14の定義のうちの1つを有し;又は
R12は、式(2g’)又は(2g”)
【化50】
(式中、X2は、炭素原子数1ないし18のアルキル基、未置換の又は1、2又は3個の
炭素原子数1ないし4のアルキル基により置換された炭素原子数5ないし12のシクロアルキル基;未置換の又は1、2又は3個の炭素原子数1ないし4個のアルキル基又は炭素原子数1ないし4個のアルコキシ基により置換されたフェニル基;未置換の又は1、2又は3個の炭素原子数1ないし4のアルキル基によりフェニル基上で置換された炭素原子数7ないし9のフェニルアルキル基を表し;及び
基X3は、互いに独立して炭素原子数2ないし12のアルキレン基を表す。)で表され
る基を表し;
基Aは、互いに独立して−OR13、−N(R14)(R15)又は式(2g”’)
【化51】
で表される基を表し;
同一であるか又は異なるR13、R14及びR15は、水素原子、炭素原子数1ないし18のアルキル基、未置換の又は1、2又は3個の炭素原子数1ないし4のアルキル基により置換された炭素原子数5ないし12のシクロアルキル基;炭素原子数3ないし18のアルケニル基、未置換の又は1、2又は3個の炭素原子数1ないし4のアルキル基又は炭素原子数1ないし4のアルコキシ基により置換されたフェニル基;未置換の又は1、2又は3個の炭素原子数1ないし4のアルキル基によりフェニル基上で置換された炭素原子数7ないし9のフェニルアルキル基;−OH、炭素原子数1ないし8のアルコキシ基、ジ(炭素原子数1ないし4のアルキル)アミノ基又は式(2gIV)
【化52】
(式中、Yは−O−、−CH2−、−CH2CH2−又は>N−CH3を表す。)
で表される基により2、3又は4位において置換されたテトラヒドロフルフリル基又は炭素原子数2ないし4のアルキル基を表し、
又は−N(R14)(R15)は、所望により式(2gIV)で表される基を表し;
Xは−O−又は>N−R16を表し;
R16は、水素原子、炭素原子数1ないし18のアルキル基、炭素原子数3ないし18のアルケニル基、未置換の或いは1、2又は3個の炭素原子数1ないし4のアルキル基により置換された炭素原子数5ないし12のシクロアルキル基;未置換の或いは1、2又は3個の炭素原子数1ないし4のアルキル基によりフェニル基上で置換された炭素原子数7ないし9のフェニルアルキル基;−OH、炭素原子数1ないし8のアルコキシ基、ジ(炭素原子数1ないしの4のアルキル)アミノ基又は式(2gIV)で表される基により2、3又は4位において置換されたテトラヒドロフルフリル基、式(2gV)
【化53】
で表される基又は炭素原子数2ないし4のアルキル基を表し;
R11は、R16に対して与えられた定義のうちの1つを有し;及び
基Bは互いに独立してAに対して与えられた定義のうちの1つを有する。]
で表される化合物。
【0070】
3)式(3g)
【化54】
[式中、
G11は、(a’)の下で定義されたとおりであり、G29及びG32は互いに独立して、直接結合又は−N(X1)−CO−X2−CO−N(X3)−基(式中、X1及びX3は、互い
に独立して水素原子、炭素原子数1ないし8のアルキル基、炭素原子数5ないし12のシクロアルキル基、フェニル基、炭素原子数7ないし9のフェニルアルキル基又は式
【化55】
で表される基を表し、及びX2は直接結合又は炭素原子数1ないし4のアルキレン基を表
わす。)を表し、G30、G31、G34及びG35は互いに独立して、水素原子、炭素原子数1ないし30のアルキル基、炭素原子数5ないし12のシクロアルキル基又はフェニル基を表し、G33は、水素原子、炭素原子数1ないし30のアルキル基、炭素原子数5ないし12のシクロアルキル基、炭素原子数7ないし9のフェニルアルキル基、フェニル基又は式(3g)で表される基を表し、及びm19は1ないし50の数である。]
で表される化合物。
式(3g)で表される化合物において、2,5−ジオキソピロリジン環に結合した末端基は例えば、水素原子であり得、及び−C(G34)(G35)−基に結合した末端基は例えば、
【化56】
又は
【化57】
であり得る。
【0071】
4)式(4g)で表されるポリアミンと塩化シアヌルとの反応により得られる中間体を、式(4g’)
【化58】
(式中、m’20、m”20、m”’20は互いに独立して、2ないし12の数であり、G36は、水素原子、炭素原子数1ないし12のアルキル基、炭素原子数5ないし12のシクロアルキル基、フェニル基又は炭素原子数7ないし9のフェニルアルキル基を表し、及びG11は、(a’)の下で定義されたとおりである。)
で表される化合物と反応させることにより得られ得る生成物。
一般的に、上記反応生成物は、例えば以下の3つの式の化合物により代表され得る。該反応生成物はまた、これら3つの化合物:
【化59】
【化60】
【化61】
の混合物の形態であり得る。
【0072】
5)式(5g)
【化62】
(式中、G11は、(a’)の下で定義されたとおりであり、G37は、炭素原子数1ないし10のアルキル基、炭素原子数5ないし12のシクロアルキル基、炭素原子数1ないし4のアルキル置換された炭素原子数5ないし12のシクロアルキル基、フェニル基又は炭素原子数1ないし10のアルキル置換されたフェニル基を表し、G38は、炭素原子数3ないし10のアルキレン基を表し、及びm21は1ないし50の数である。)
で表される化合物。
式(5g)で表される化合物において、ケイ素原子に結合した末端基は例えば、(G37)3Si−O−であり得、及び酸素原子に結合した末端基は例えば、−Si(G37)3であり得る。
m21が3ないし10の数である場合、式(5g)で表される化合物はまた、環状化合物の形態であり得、すなわちその場合、構造式中に見られる自由価が直接結合を形成する。
【0073】
6)式(6g)
【化63】
(式中、Eは、−O−又は(e’)の下で定義されたとおりの−ND”’−を表し、T3
は、エチレン基又は1,2−プロピレン基を表し、アルキルアクリレート又はメタクリレートとのα−オレフィンコポリマー;好ましくはエチレンとエチルアクリレートのコポリマーから誘導された繰り返し構造単位を表し、及びkは2ないし100である。)
で表される化合物。
【0074】
7)式(7g)
【化64】
(式中、
mは1ないし100であり;
G50は、炭素原子数1ないし18の直鎖状又は枝分れ状アルキレン基、炭素原子数5ないし8のシクロアルキレン基、炭素原子数5ないし8のシクロアルケニレン基、炭素原子数3ないし18のアルケニレン基、フェニル基により又は1又は2個の炭素原子数1ないし4のアルキル基により置換されたフェニル基により置換された、炭素原子数1ないし4の直鎖状又は枝分かれ状アルキレン基を表し、但し、式(7g)において、連続するヒンダードアミン部分はヘッドトゥヘッド又はヘッドトゥテイル様式のどちらかに配向され得;
T4は水素原子を表すか又は
T4は
【化65】
を表し;
G55は、炭素原子数1ないし18の直鎖状又は枝分かれ状アルキレン基、炭素原子数5ないし8のシクロアルキレン基又はシクロアルケニレン基、フェニレン基又は5−アミノ−1−アミノメチル−1,3,3−トリメチルシクロヘキサン及び−NH−キシリレン−NH−を含む炭素原子数2ないし18の−NH−アルキレン−NH−基を表し;
T5は、炭素原子数1ないし4のアルキル基;
【化66】
を表すか;又は
T5は、
【化67】
を表す。)
で表される化合物。
上記示されたオリゴマー及びポリマー化合物において、
アルキル基の例は、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、第二ブチル基、イソブチル基、第三ブチル基、2−エチルブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、1−メチルペンチル基、1,3−ジメチルブチル基、n−ヘキシル基、1−メチルヘキシル基、n−ヘプチル基、イソヘプチル基、1,1,3,3−テトラメチルブチル基、1−メチルヘプチル基、3−メチルヘプチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、1,1,3−トリメチルヘキシル基、1,1,3,3−テトラメチルペンチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、1−メチルウンデシル基、ドデシル基、1,1,3,3,5,5−ヘキサメチルヘキシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、エイコシル基及びドコシル基であり;
シクロアルキル基の例は、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基及びシクロオクチル基であり;
炭素原子数7ないし9のフェニルアルキル基の例は、ベンジル基であり;及び
アルキレン基の例は、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、2,2−ジメチルトリメチレン基、ヘキサメチレン基、トリメチルヘキサメチレン基、オクタメチレン基及びデカメチレン基である。
【0075】
(h’)式(1h)
【化68】
(式中、n6は1又は2の数であり、G及びG11は(a’)の下で定義されたとおりであ
り、及びG14は(b’)の下で定義されたとおりであるが、G14は−CONH−Z及び−CH2−CH(OH)−CH2−O−D−O−を表し得ない。)
で表される化合物。
【0076】
(i’)式(1i)
【化69】
[式中、
基G39は、互いに独立して、式(1i−1)
【化70】
(式中、G40は、炭素原子数1ないし12のアルキル基又は炭素原子数5ないし12のシクロアルキル基を表し、G41は、炭素原子数2ないし12のアルキレン基を表し、及びG42は、上記G11で定義されたとおりである。)で表される基を表す。]
で表される化合物。
アルキル基は例えば、炭素原子数1ないし4のアルキル基、特にメチル基、エチル基、プロピル基又はブチル基である。
シクロアルキル基は好ましくはシクロヘキシル基である。
アルキレン基は例えば、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、2,2−ジメチルトリメチレン基又はヘキサメチレン基である。
アルケニル基は好ましくはアリル基である。
フェニルアルキル基は好ましくはベンジル基である。
アシル基は好ましくはアセチル基である。
【0077】
(j’)式(1j)
【化71】
[式中、
G、G11は、上記で定義されたとおりであり、及び
n7が1である場合、T7は、水素原子、炭素原子数1ないし12のアルキル基、炭素原子数3ないし5のアルケニル基、炭素原子数7ないし9のアラルキル基、炭素原子数5ないし7のシクロアルキル基、炭素原子数2ないし4のヒドロキシアルキル基、炭素原子数2ないし6のアルコキシアルキル基、炭素原子数6ないし10のアリール基、グリシジル基、式−(CH2)t−COO−Q又は式−(CH2)t−O−CO−Q(式中、tは1又は2であり、及びQは炭素原子数1ないし4のアルキル基又はフェニル基を表す。)で表される基を表すか;又は
n7が2である場合、T7は、炭素原子数2ないし12のアルキレン基、炭素原子数6ないし12のアリーレン基、基−CH2CH(OH)−CH2−O−X−O−CH2−CH(
OH)−CH2−(式中、Xは炭素原子数2ないし10のアルキレン基、炭素原子数6な
いし15のアリーレン基又は炭素原子数6ないし12のシクロアルキレン基を表す。)、又は基−CH2CH(OZ’)CH2−(OCH2−CH(OZ’)CH2)2−(式中、Z
’は水素原子、炭素原子数1ないし18のアルキル基、アリル基、ベンジル基、炭素原子数2ないし12のアルカノイル基又はベンゾイル基を表す。)を表す。]
で表される化合物。
【0078】
(k’)式(1k)
【化72】
(式中、G、G11は上記で定義されたとおりである。)
で表される化合物。
【0079】
(i’)式(1l)
【化73】
(式中、G、G11は上記で定義されたとおりである。)
で表される化合物。
【0080】
HALSの例は、化合物
ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)スクシネート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)n−ブチル−3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジルマロネート、1−(2−ヒドロキシエチル)−2,2,6,6−テトラメチル−4−ヒドロ
キシピペリジンとコハク酸の縮合物、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンと4−第三オクチルアミノ−2,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジンの線状又は環状縮合物、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ニトリロトリアセテート、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、1,1’−(1,2−エタンジイル)−ビス(3,3,5,5−テトラメチルピペラジノン)、4−ベンゾイル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ステアリルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジル)−2−n−ブチル−2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−第三ブチルベンジル)マロネート、3−n−オクチル−7,7,9,9−テトラメチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン、ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)セバケート、ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)スクシネート、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−ヘキサメチレンジアミンと4−モルホリノ−2,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジンの線状又は環状縮合物、2−クロロ−4,6−ビス(4−n−ブチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)−1,3,5−トリアジンと1,2−ビス(3−アミノプロピルアミノ)エタンの縮合物、2−クロロ−4,6−ジ−(4−n−ブチルアミノ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジル)−1,3,5−トリアジンと1,2−ビス−(3−アミノプロピルアミノ)エタンの縮合物、8−アセチル−3−ドデシル−7,7,9,9−テトラメチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン、3−ドデシル−1−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ピロリジン−2,5−ジオン、3−ドデシル−1−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)ピロリジン−2,5−ジオン、5−(2−エチルヘキサノイル)−オキシメチル−3,3,5−トリメチル−2−モルホリノン、1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−4−オクタデカノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1,3,5−トリス(N−シクロヘキシル−N−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジノ−3−オン−4−イル)アミノ)−s−トリアジン、1,3,5−トリス(N−シクロヘキシル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペラジノ−3−オン−4−イル)アミノ)−s−トリアジン、2,4−ビス[(1−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−ピペリジニ−4−イル)ブチルアミノ]−6−クロロ−s−トリアジンとN,N’−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミン)の反応生成物、4−ヘキサデシルオキシ−と4−ステアリルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンの混合物、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンと4−シクロヘキシルアミノ−2,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジンの縮合物、1,2−ビス(3−アミノプロピルアミノ)エタンと2,4,6−トリクロロ−1,3,5−トリアジン並びに4−ブチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンの縮合物(CAS登録番号[136504−96−6]);1,6−ヘキサンジアミンと2,4,6−トリシクロ−1,3,5−トリアジン並びにN,N−ブチルアミンと4−ブチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンの縮合物(CAS登録番号[192268−64−7]);N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−n−ドデシルスクシンイミド;N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−n−ドデシルスクシンイミド;2−ウンデシル−7,7,9,9−テトラメチル−1−オキサ−3,8−ジアザ−4−オキソ−スピロ[4.5]デカン;5−(2−エチルヘキサノイル)オキシメチル−3,3,5−トリメチル−2−モルホリノン;7,7,9,9−テトラメチル−2−シクロウンデシル−1−オキサ−3,8−ジアザ−4−オキソ−スピロ[4.5]デカンとエピクロロヒドリンの反応生成物、1,1−ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルオキシカルボニル)−2−(4−メトキシフェニル)エテン、N,N’−ビス−ホルミル−N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミン、4−メトキシメチレンマロン酸と1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ヒドロキシピペリジンとのジエステル
、ポリ[メチルプロピル−3−オキシ−4−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)]シロキサン、マレイン酸無水物−α−オレフィンコポリマーと2,2,6,6−テトラメチル−4−アミノピペリジン又は1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−アミノピペリジンとの反応生成物
である。
【0081】
好ましいHALSは、分子量400g/モル以上のものであり;とりわけ好ましくは、上述された類のオリゴマーHALSであり、例えば、分子量1000g/モル以上の、例えば1500ないし15000g/モルのものである。
とりわけ好ましくは、アルコキシアミン類(NOR−HALS)のもの、例えば、以下の実施例において使用されているとおりの化合物H1である(米国特許第6117995号明細書の実施例2においてまた開示される。)。
光互変染料と、UV吸収剤及びHALSの適当な組み合わせは、長期光安定性の素晴らしい改良を与え、安定化されていない系よりも30倍もの寿命を達成する。
本発明において使用される成分は、純粋の化合物であるか又は化合物の混合物であり得る。
本発明の範囲内において使用される成分(c)は基本的に既知の材料であり、多くは商業上入手可能である。
付加的な他の成分は、以下の成分のようなポリマー剤に普通使用される、安定剤、抗酸化剤、柔軟剤、難燃剤等をさらに含む。
【0082】
1.抗酸化剤
1.1.アルキル化モノフェノール、
例えば、2,6−ジ−第三ブチル−4−メチルフェノール、2−第三ブチル−4,6−ジメチルフェノール、2,6−ジ−第三ブチル−4−エチルフェノール、2,6−ジ−第三ブチル−4−n−ブチルフェノール、2,6−ジ−第三ブチル−4−イソブチルフェノール、2,6−ジシクロペンチル−4−メチルフェノール、2−(α−メチルシクロヘキシル)−4,6−ジメチルフェノール、2,6−ジオクタデシル−4−メチルフェノール、2,4,6−トリシクロヘキシルフェノール、2,6−ジ−第三ブチル−4−メトキシメチルフェノール、直鎖状又は側鎖において枝分れしたノニルフェノール、例えば、2,6−ジ−ノニル−4−メチルフェノール、2,4−ジメチル−6−(1’−メチルウンデシ−1’−イル)フェノール、2,4−ジメチル−6−(1’−メチルヘプタデシ−1’−イル)フェノール、2,4−ジメチル−6−(1’−メチルトリデシ−1’−イル)フェノール及びそれらの混合物。
【0083】
1.2.アルキルチオメチルフェノール、
例えば、2,4−ジオクチルチオメチル−6−第三ブチルフェノール、2,4−ジオクチルチオメチル−6−メチルフェノール、2,4−ジオクチルチオメチル−6−エチルフェノール、2,6−ジ−ドデシルチオメチル−4−ノニルフェノール。
【0084】
1.3.ヒドロキノン及びアルキル化ヒドロキノン、
例えば、2,6−ジ−第三ブチル−4−メトキシフェノール、2,5−ジ−第三ブチルヒドロキノン、2,5−ジ−第三アミルヒドロキノン、2,6−ジフェニル−4−オクタデシルオキシフェノール、2,6−ジ−第三ブチルヒドロキノン、2,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシアニソール、3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシアニソール、3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニルステアレート、ビス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)アジペート。
【0085】
1.4.トコフェロール、
例えば、α−トコフェロール、β−トコフェロール、γ−トコフェロール、δ−トコフ
ェロール及びそれらの混合物(ビタミンE)。
【0086】
1.5.ヒドロキシル化チオジフェニルエーテル、
例えば、2,2’−チオビス(6−第三ブチル−4−メチルフェノール)、2,2’−チオビス(4−オクチルフェノール)、4,4’−チオビス(6−第三ブチル−3−メチルフェノール)、4,4’−チオビス(6−第三ブチル−2−メチルフェノール)、4,4’−チオビス(3,6−ジ−第二アミルフェノール)、4,4’−ビス(2,6−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)ジスルフィド。
【0087】
1.6.アルキリデンビスフェノール、
例えば、2,2’−メチレンビス(6−第三ブチル−4−メチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(6−第三ブチル−4−エチルフェノール)、2,2’−メチレンビス[4−メチル−6−(α−メチルシクロヘキシル)−フェノール]、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−シクロヘキシルフェノール)、2,2’−メチレンビス(6−ノニル−4−メチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−第三ブチルフェノール)、2,2’−エチリデンビス(4,6−ジ−第三ブチルフェノール)、2,2’−エチリデンビス(6−第三ブチル−4−イソブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス[6−(α−メチルベンジル)−4−ノニルフェノール]、2,2’−メチレンビス[6−(α,α−ジメチルベンジル)−4−ノニルフェノール]、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−第三ブチルフェノール)、4,4’−メチレンビス(6−第三ブチル−2−メチルフェノール)、1,1−ビス(5−第三ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ブタン、2,6−ビス(3−第三ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシベンジル)−4−メチルフェノール、1,1,3−トリス(5−第三ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ブタン、1,1−ビス(5−第三ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−3−n−ドデシルメルカプトブタン、エチレングリコールビス[3,3−ビス(3’−第三ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)ブチレート]、ビス(3−第三ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ジシクロペンタジエン、ビス[2−(3’−第三ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−メチルベンジル)−6−第三ブチル−4−メチルフェニル]テレフタレート、1,1−ビス−(3,5−ジメチル−2−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス−(5−第三ブチル−4−ヒドロキシ2−メチルフェニル)−4−n−ドデシルメルカプトブタン、1,1,5,5−テトラ(5−第三ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ペンタン。
【0088】
1.7.O−、N−及びS−ベンジル化合物、
例えば、3,5,3’,5’−テトラ−第三ブチル−4,4’−ジヒドロキシジベンジルエーテル、オクタデシル−4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルベンジルメルカプトアセテート、トリデシル−4−ヒドロキシ−3,5−ジ−第三ブチルベンジルメルカプトアセテート、トリス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)アミン、ビス(4−第三ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)ジチオテレフタレート、ビス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)スルフィド、イソオクチル−3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジルメルカプトアセテート。
【0089】
1.8.ヒドロキシベンジル化マロネート、
例えば、ジオクタデシル−2,2−ビス(3,5−ジ−第三ブチル−2−ヒドロキシベンジル)マロネート、ジ−オクタデシル−2−(3−第三ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)マロネート、ジドデシルメルカプトエチル−2,2−ビス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)マロネート、ビス−[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェニル]−2,2−ビス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)マロネート。
【0090】
1.9.芳香族ヒドロキシベンジル化合物、
例えば、1,3,5−トリス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2,4,6−トリメチルベンゼン、1,4−ビス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2,3,5,6−テトラメチルベンゼン、2,4,6−トリス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)フェノール。
【0091】
1.10.トリアジン化合物、
例えば、2,4−ビス(オクチルメルカプト)−6−(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシアニリノ)−1,3,5−トリアジン、2−オクチルメルカプト−4,6−ビス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシアニリノ)−1,3,5−トリアジン、2
−オクチルメルカプト−4,6−ビス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェノキシ)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェノキシ)−1,2,3−トリアジン、1,3,5−トリス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(4−第三ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌレート、2,4,6−トリス−(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニルエチル)−1,3,5−トリアジン、1,3,5−トリス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)−ヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジン、1,3,5−トリス(3,5−ジシクロヘキシル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート。
【0092】
1.11.ベンジルホスホネート、
例えば、ジメチル−2,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート、ジエチル−3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート、ジオクタデシル−3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート、ジオクタデシル−5−第三ブチル−4−ヒドロキシ−3−メチルベンジルホスホネート、3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸のモノエチルエステルのカルシウム塩。
【0093】
1.12.アシルアミノフェノール、
例えば、4−ヒドロキシラウラニリド、4−ヒドロキシステアラニリド、オクチルN−(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)カルバメート。
【0094】
1.13.β−(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸のエステルであって、一価又は多価アルコール、例えば、
メタノール、エタノール、n−オクタノール、i−オクタノール、オクタデカノール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリトリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N’−ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタンとのエステル。
【0095】
1.14.β−(5−第三ブチル−4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロピオン酸のエステルであって、一価又は多価アルコール、例えば、
メタノール、エタノール、n−オクタノール、i−オクタノール、オクタデカノール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリトリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N’−ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3−チアウンデカ
ノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタン;3,9−ビス[2−{3−(3−第三ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]−ウンデカンとのエステル。
【0096】
1.15.β−(3,5−ジシクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸のエステルであって、一価又は多価アルコール、例えば、
メタノール、エタノール、オクタノール、オクタデカノール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリトリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N’−ビス(ヒドロキシエチル)−オキサミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタンとのエステル。
【0097】
1.16.3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル酢酸のエステルであって、一価又は多価アルコール、例えば、
メタノール、エタノール、オクタノール、オクタデカノール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリトリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N’−ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタンとのエステル。
【0098】
1.17.β−(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸のアミド、例えば、
N,N’−ビス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヘキサメチレンジアミド、N,N’−ビス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)トリメチレンジアミド、N,N’−ビス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヒドラジド、N,N’−ビス[2−(3−[3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル]プロピオニルオキシ)エチル]オキサミド(ユニロイヤル(Uniroyal))によって供給されるナウガード(Naugard)(登録商標)XL−1)。
【0099】
1.18.アスコルビン酸(ビタミンC)
【0100】
1.19.アミン系抗酸化剤、
例えば、N,N’−ジ−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−第二ブチル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ビス(1,4−ジメチルペンチル)−p−フェニレンジアミン、N,N’−ビス(1−エチル−3−メチルペンチル)−p−フェニレンジアミン、N,N’−ビス(1−メチルヘプチル)−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジシクロヘキシル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ビス(2−ナフチル)−p−フェニレンジアミン、N−イソプロピル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−(1−メチルヘプチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−シクロヘキシル−N’−フェニル−p−フェニレンジ
アミン、4−(p−トルエンスルファモイル)ジフェニルアミン、N,N’−ジメチル−N,N’−ジ−第二ブチル−p−フェニレンジアミン、ジフェニルアミン、N−アリルジフェニルアミン、4−イソプロポキシジフェニルアミン、N−フェニル−1−ナフチルアミン、N−(4−第三オクチルフェニル)−1−ナフチルアミン、N−(4−第三オクチルフェニル)−1−ナフチルアミン、N−フェニル−2−ナフチルアミン、オクチル化ジフェニルアミン、例えばp,p’−ジ−第三オクチルジフェニルアミン、4−n−ブチルアミノフェノール、4−ブチリルアミノフェノール、4−ノナノイルアミノフェノール、4−ドデカノイルアミノフェノール、4−オクタデカノイルアミノフェノール、ビス(4−メトキシフェニル)アミン、2,6−ジ−第三ブチル−4−ジメチルアミノメチルフェノール、2,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、N,N,N’,N’−テトラメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、1,2−ビス[(2−メチルフェニル)アミノ]エタン、1,2−ビス(フェニルアミノ)プロパン、(o−トリル)ビグアニド、ビス[4−(1’,3’−ジメチルブチル)フェニル]アミン、第三オクチル化N−フェニル−1−ナフチルアミン、モノ−及びジアルキル化第三ブチル/第三オクチルジフェニルアミンの混合物、モノ−及びジアルキル化ノニルジフェニルアミンの混合物、モノ−及びジアルキル化ドデシルジフェニルアミンの混合物、モノ−及びジアルキル化イソプロピル/イソヘキシルジフェニルアミンの混合物、モノ−及びジアルキル化第三ブチルジフェニルアミンの混合物、2,3−ジヒドロ−3,3−ジメチル−4H−1,4−ベンゾチアジン、フェノチアジン、モノ−及びジアルキル化第三ブチル/第三オクチルフェノチアジンの混合物、モノ−及びジアルキル化第三オクチルフェノチアジンの混合物、N−アリルフェノチアジン、N,N,N’,N’−テトラフェニル−1,4−ジアミノブテ−2−エン、N,N−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジ−4−イル−ヘキサメチレンジアミン、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジ−4−イル)セバケート、2,2,6,6−テトラメチルピペリジノ−4−オン、2,2,6,6−テトラメチルピペリジノ−4−オール。
【0101】
2.紫外線吸収剤及び光安定剤
2.1.2−(2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、
例えば、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’,5’−ジ−第三ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−
(5’−第三ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’,5’−ジ−第三ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3’−第三ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3’−第二ブチル−5’−第三ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−4’−オクチルオキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’,5’−ジ−第三アミル−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’,5’−ビス(α,α−ジメチルベンジル)−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−第三ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−オクチルオキシカルボニルエチル)フェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3’−第三ブチル−5’−[2−(2−エチルヘキシルオキシ)カルボニルエチル]−2’−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3’−第三ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−メトキシカルボニルエチル)フェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3’−第三ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−メトキシカルボニルエチル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−第三ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−オクチルオキシカルボニルエチル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−第三ブチル−5’−[2−(2−エチルヘキシルオキシ)カルボニルエチル]−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−ドデシル−2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−第三ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−イソオクチルオキシカルボ
ニルエチル)フェニルベンゾトリアゾール、2,2’−メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−ベンゾトリアゾレ−2−イルフェノール];2−[3’−第三ブチル−5’−(2−メトキシカルボニルエチル)−2’−ヒドロキシ−フェニル]−2H−ベンゾトリアゾールとポリエチレングリコール300とのエステル交換生成物;Rが3’−第三ブチル−4’−ヒドロキシ−5’−2H−ベンゾトリアゾリ−2−イルフェニル基を表す[R−CH2CH2−COO−CH2CH2−]2−、2−[2’−ヒド
ロキシ−3’−(α,α−ジメチルベンジル)−5’−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェニル]ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−3’− (1,1,
3,3−テトラメチルブチル)−5’−(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]ベンゾトリアゾール。
【0102】
2.2. 2−ヒドロキシベンゾフェノン、
例えば、4−ヒドロキシ、4−メトキシ、4−オクチルオキシ、4−デシルオキシ、4−ドデシルオキシ、4−ベンジルオキシ、4,2’,4’−トリヒドロキシ及び2’−ヒドロキシ−4,4’−ジメトキシ誘導体。
【0103】
2.3.置換された及び未置換の安息香酸のエステル、
例えば、4−第三ブチル−フェニルサリチレート、フェニルサリチレート、オクチルフェニルサリチレート、ジベンゾイルレゾルシノール、ビス(4−第三ブチルベンゾイル)レゾルシノール、ベンゾイルレゾルシノール、2,4−ジ−第三ブチルフェニル3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、ヘキサデシル3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、オクタデシル3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、2−メチル−4,6−ジ−第三ブチルフェニル3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート。
【0104】
2.4.アクリレート、
例えば、エチルα−シアノ−β,β−ジフェニルアクリレート、イソオクチルα−シアノ−β,β−ジフェニルアクリレート、メチルα−カルボメトキシシンナメート、メチルα−シアノ−β−メチル−p−メトキシシンナメート、ブチルα−シアノ−β−メチル−p−メトキシシンナメート、メチルα−カルボメトキシ−p−メトキシシンナメート及びN−(β−カルボメトキシ−β−シアノビニル)−2−メチルインドリン。
【0105】
2.5.ニッケル化合物、
例えば、n−ブチルアミン、トリエタノールアミン又はN−シクロヘキシルジエタノールアミンのような他の配位子を伴うか又は伴わない1:1又は1:2錯体のような2,2’−チオビス−[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール]のニッケル錯体、ニッケルジブチルジチオカルバメート、モノアルキルエステルのニッケル塩、例えば4−ヒドロキシ−3,5−ジ−第三ブチルベンジルホスホン酸のメチル又はエチルエステル、ケトキシム、例えば2−ヒドロキシ−4−メチルフェニル−ウンデシルケトキシムのニッケル錯体、他の配位子を伴うか又は伴わない1−フェニル−4−ラウロイル−5−ヒドロキシピラゾールのニッケル錯体。
【0106】
2.6.オキサミド、
例えば、4,4’−ジオクチルオキシオキサニリド、2,2’−ジエトキシオキサニリド、2,2’−ジオクチルオキシ−5,5’−ジ−第三ブトキサニリド、2,2’−ジドデシルオキシ−5,5’−ジ−第三ブトキサニリド、2−エトキシ−2’−エチルオキサニリド、N,N’−ビス(3−ジメチルアミノプロピル)オキサミド、2−エトキシ−5−第三ブチル−2’−エトキサニリド及びその2−エトキシ−2’−エチル−5,4’−ジ−第三ブトキサニリドとの混合物、o−及びp−メトキシ−二置換オキサニリドの混合物及びo−及びp−エトキシ−二置換オキサニリドの混合物。
【0107】
4.ホスフィット及びホスホナイト、
例えば、トリフェニルホスフィット、ジフェニルアルキルホスフィット、フェニルジアルキルホスフィット、トリス(ノニルフェニル)ホスフィット、トリラウリルホスフィット、トリオクタデシルホスフィット、ジステアリルペンタエリトリトールジホスフィット、トリス(2,4−ジ−第三ブチルフェニル)ホスフィット、ジイソデシルペンタエリトリトールジホスフィット、ビス(2,4−ジ−第三ブチルフェニル)ペンタエリトリトールジホスフィット、ビス(2,4−ジ−クミルフェニル)ペンタエリトリトールジホスフィット、ビス(2,6−ジ−第三ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリトリトールジホスフィット、ジイソデシルオキシペンタエリトリトールジホスフィット、ビス(2,4−ジ−第三ブチル−6−メチルフェニル)ペンタエリトリトールジホスフィット、ビス(2,4,6−トリス(第三ブチルフェニル)ペンタエリトリトールジホスフィット、トリステアリルソルビトールトリホスフィット、テトラキス(2,4−ジ−第三ブチルフェニル)4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、6−イソオクチルオキシ−2,4,8,10−テトラ−第三ブチル−12H−ジベンズ[d,g]−1,3,2−ジオキサホスホシン、ビス(2,4−ジ−第三ブチル−6−メチルフェニル)メチルホスフィット、ビス(2,4−ジ−第三ブチル−6−メチルフェニル)エチルホスフィット、6−フルオロ−2,4,8,10−テトラ−第三ブチル−12−メチル−ジベンズ[d,g]−1,3,2−ジオキサホスホシン、2,2’,2”−ニトリロ[トリエチルトリス(3,3’,5,5’−テトラ−第三ブチル−1,1’−ビフェニル−2,2’−ジイル)−ホスフィット]、2−エチルヘキシル(3,3’,5,5’−テトラ−第三ブチル−1,1’−ビフェニル−2,2’−ジイル)ホスフィット、5−ブチル−5−エチル−2−(2,4,6−トリ−第三ブチルフェノキシ)−1,3,2−ジオキサホスフィラン。
【0108】
以下のホスフィットが特に好ましい:
トリス(2,4−ジ−第三ブチルフェニル)ホスフィット(イルガフォス(Irgafos)(登録商標)168)、チバ−ガイギー(Ciba−Geigy)社)、トリス(ノニルフェニル)ホスフィット、
【化74】
【化75】
【化76】
【化77】
【化78】
。
【0109】
5.ヒドロキシルアミン、
例えば、N,N−ジベンジルヒドロキシルアミン、N,N−ジエチルヒドロキシルアミン、N,N−ジオクチルヒドロキシルアミン、N,N−ジラウリルヒドロキシルアミン、N,N−ジテトラデシルヒドロキシルアミン、N,N−ジヘキサデシルヒドロキシルアミン、N,N−ジオクタデシルヒドロキシルアミン、N−ヘキサデシル−N−オクタデシルヒドロキシルアミン、N−ヘプタデシル−N−オクタデシルヒドロキシルアミン、水素化牛脂アミンから誘導されたN,N−ジアルキルヒドロキシルアミン。
【0110】
6.ニトロン、
例えば、N−ベンジル−α−フェニルニトロン、N−エチル−α−メチルニトロン、N−オクチル−α−ヘプチルニトロン、N−ラウリル−α−ウンデシルニトロン、N−テトラデシル−α−トリデシルニトロン、N−ヘキサデシル−α−ペンタデシルニトロン、N−オクタデシル−α−ヘプタデシルニトロン、N−ヘキサデシル−α−ヘプタデシルニトロン、N−オクタデシル−α−ペンタデシルニトロン、N−ヘプタデシル−α−ヘプタデシルニトロン、N−オクタデシル−α−ヘキサデシルニトロン、水素化牛脂アミンから誘導されたN,N−ジアルキルヒドロキシルアミンから誘導されたニトロン。
【0111】
7.チオ相乗剤、
例えば、ジラウリルチオジプロピオネート又はジステアリルチオジプロピオネート。
【0112】
8.過酸化物捕捉剤、
例えば、β−チオジプロピオン酸のエステル、例えば、ラウリル、ステアリル、ミリスチル又はトリデシルエステル、メルカプトベンゾイミダゾール又は2−メルカプトベンゾイミダゾールの亜鉛塩、亜鉛ジブチルジチオカルバメート、ジオクタデシルジスルフィド、ペンタエリトリトールテトラキス(β−ドデシルメルカプト)プロピオネート。
【0113】
9.ポリアミド安定剤
例えば、ヨウ化物及び/又はリン化合物と組み合わせた銅塩及び二価マンガンの塩。
【0114】
10.塩基性補助安定剤
例えば、メラミン、ポリビニルピロリドン、ジシアンジアミド、トリアリルシアヌレート、尿素誘導体、ヒドラジン誘導体、アミン、ポリアミド、ポリウレタン、高級脂肪酸のアルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩、例えばカルシウムステアレート、亜鉛ステアレート、マグネシウムベヘネート、マグネシウムステアレート、ナトリウムリシノレート及びカリウムパルミテート、アンチモンピロカテコレート又は亜鉛ピロカテコレート。
【0115】
11.核剤、
例えば、タルクのような無機物質、二酸化チタン又は酸化マグネシウムのような金属酸化物、好ましくはアルカリ土類金属のリン酸塩、炭酸塩又は硫酸塩;モノ−又はポリカルボン酸のような有機化合物及びそれらの塩、例えば、4−第三ブチル安息香酸、アジピン酸、ジフェニル酢酸、コハク酸ナトリウム又は安息香酸ナトリウム;イオンコポリマー(アイオノマー)のようなポリマー化合物。特に好ましいものは、1,3:2,4−ビス(3’,4’−ジメチルベンジリデン)ソルビトール、1,3:2,4−ジ(パラメチルジベンジリデン)ソルビトール、及び1,3:2,4−ジ(ベンジリデン)ソルビトールである。
【0116】
12.充填剤及び強化剤、
例えば炭酸カルシウム、シリケート、ガラス繊維、ガラスビーズ、アスベスト、タルク、カオリン、マイカ、硫酸バリウム、金属酸化物及び金属水酸化物、カーボンブラック、グラファイト、木粉及び他の天然物の粉末又は繊維、合成繊維。
【0117】
13.他の添加剤
例えば、可塑剤、滑剤、乳化剤、顔料、レオロジー添加剤、触媒、流れ調整剤、蛍光増白剤、防炎加工剤、帯電防止剤及び発泡剤。
【0118】
14.ベンゾフラノン及びインドリノン、
例えば、米国特許第4,325,863号明細書;米国特許第4,338,244号明細書;米国特許第5,175,312号明細書;米国特許第5,216,052号明細書;米国特許第5,252,643号明細書;独国特許出願公開第4316611号明細書;独国特許出願公開第4316622号明細書;独国特許出願公開第4316876号明細書;欧州特許出願公開第0589839号明細書又は欧州特許出願公開第0591102号公報明細書に開示されるもの、又は3−[4−(2−アセトキシエトキシ)フェニル]−5,7−ジ−第三ブチル−ベンゾフラノ−2−オン、5,7−ジ−第三ブチル−3−[4−(2−ステアロイルオキシエトキシ)フェニル]ベンゾフラノ−2−オン、3,3’−ビス[5,7−ジ−第三ブチル−3−(4−[2−ヒドロキシエトキシ]フェニル)ベンゾフラノ−2−オン]、5,7−ジ−第三ブチル−3−(4−エトキシフェニル)ベンゾフラノ−2−オン、3−(4−アセトキシ−3,5−ジメチルフェニル)−5,7−ジ−第三ブチルベンゾフラノ−2−オン、3−(3,5−ジメチル−4−ピバロイルオキシフェニル)−5,7−ジ−第三ブチルベンゾフラノ−2−オン、3−(3,4−ジメチルフェニル)−5,7−ジ−第三ブチルベンゾフラノ−2−オン、3−(2,3−ジメチ
ルフェニル)−5,7−ジ−第三ブチルベンゾフラノ−2−オン。
【0119】
上記1.ないし11.及び14.の下で列挙した成分のような慣用の添加剤はしばしば、組成物(成分a、b及びc)の総質量に基づき、0.01ないし10%の濃度で添加される。充填材又は難燃剤のような項目12.及び13.の他の添加剤は、より多量、例えば全組成物の質量に対し0.1ないしおよそ50%又は80%位で含まれ得る。
好ましくは、本発明の組成物は、フェノール系抗酸化剤を含まない。そのようなフェノール系抗酸化剤は例えば、米国特許第5,770,115号明細書に記載されている。
ポリマー材は通常、安定剤成分(c)を0.001ないし10質量%、最も好ましくは0.01ないし5質量%含む。ポリマー材は、2種以上のHALS(ii)及び/又はヒドロキシフェニルUV吸収剤(i)の混合物を含み得る。
ポリマー材中の光互変染料の量は通常、該ポリマー材の質量に関して、およそ0.001ないし10質量%、最も好ましくは0.01ないし5質量%の範囲にあり得る。ポリマー材は、2種以上の光互変染料の混合物を含み得る。
成分(b)に対する成分(c)の割合は、光互変染料(b)1部当り例えば安定剤(c)0.01ないし100部、好ましくは0.1ないし10部の範囲にある。
HALS成分(ii)に対するUVA成分(i)の割合は、HALS(ii)1部当り例えばUV吸収剤(i)0.01ないし100部、最も好ましくは0.1ないし2部の範囲にあり得る。
【0120】
ポリマー材、染料(b)及び安定剤成分(c)はしばしば均質な混合物を形成する。しかしながら、特定の用途のため、組成物は、成分(b)及びとりわけ(c)がポリマー材中の一部において、例えば表面領域において富んでおり、又はUV吸収剤成分(i)が表面領域において富んでおり、一方で残りの成分は均質に混合されていることにより作られ得る。特に技術的に重要なのは、UV吸収剤(i)が光互変染料を含まない上層において富み、一方で下層は染料(b)及びHALS(ii)を、及び単に付加的な成分としてUV吸収剤を含むところの、2層系又は多層系である。これら系は、慣用の技術、例えば、一方でUV吸収剤(i)又はUV吸収剤(i)とHALS(ii)を含み、及び他方でHALS(ii)と染料(b)を含む層、及び可能であれば、耐引掻性、表面光沢及び反射、付着、ベース色等のような他の特性を改良し得る他の層の同時押出、溶着又はスタッキングにより得られ得る。
本発明の添加剤/成分及び所望の他の成分は、ポリマー材に個々に又は互いに混合されて添加され得る。所望により、個々の成分は、例えばドライブレンド、圧縮又は溶融によるポリマーへの配合前に互いに混合され得る。
ポリマーへの本発明の成分及び所望の他の成分の配合は、粉体の形態でのドライブレンド、又は、例えば不活性溶媒、水又はオイル中の溶液、分散液又は懸濁液の形態での湿式混合のような既知の方法により行われる。本発明の添加剤及び所望の他の成分は、例えば、成形前後において、或いはまた溶媒又は懸濁液/分散剤のその後の蒸発を伴って又は伴わずに、溶解された、溶融された(ソーキングプロセス)又は分散された添加剤又は添加剤混合物をポリマー材に塗布することにより、配合され得る。それらは例えば、乾燥混合物又は粉体として或いは溶液又は分散液又は懸濁液又は溶融物として、加工装置(例えば、押出機、密閉式ミキサー等)内に直接に添加され得る。
配合は、いずれの撹拌機付きの加熱可能な容器中でも、例えば、ニーダー、ミキサー又は撹拌容器のような密閉装置中でも行なわれ得る。配合は好ましくは、押出機中で又はニーダー中で行われる。加工は不活性雰囲気中で又は酸素の存在中で起きてもよい。
【0121】
ポリマーへの添加剤又は添加剤ブレンドの添加は、ポリマーが添加剤と共に溶融され及び混合されるすべての慣用の混合機中内で行なわれ得る。適する機器は当業者に既知である。それらは優先的にミキサー、ニーダー又は押出機である。
プロセスは好ましくは、加工の間に添加剤を導入することにより押出機内で行われる。
特に好ましい加工機器は、一軸スクリュー押出機、反転及び同時回転二軸スクリュー押出機、遊星形ギア押出機、リング押出機又はコニーダーである。真空が適用され得る少なくとも1つのガス除去室付きの加工機器を使用することがまた可能である。
適する押出機及びニーダーは、例えば、Hundbuch der Kunststoffextrusion”1巻,編集者F.Hensen,W.Knappe及びH.Potente,1989年,3ないし7頁,ISBN:3−446−14339−4(第2巻,Extrusionsanlagen 1986年、ISBN 3−446−14329−7)に記載されている。
例えば、スクリュー長は1ないし60スクリュー径、好ましくは35ないし48スクリュー径である。スクリューの回転速度は、好ましくは1分当り10ないし600回転(rpm)であり、非常に特に好ましくは25ないし300rpmである。
最大出力は、スクリュー径、回転速度及び駆動力に応じる。本発明の方法はまた、言及されたパラメータを変えることにより又は投与量を投入する測定機を使用することにより、最大出力より低水準にて行なわれ得る。
【0122】
添加される成分は、プレミックスされるか又は個々に添加され得る。
本発明の添加剤/成分及び所望の他の添加剤はまた、ポリマー材に噴霧され得る。それら本発明の添加剤は、他の添加剤(例えば、上述された慣用の添加剤)と共に材料に噴霧され得るように、これら他の添加剤又はそれら他の添加剤の溶融物を希釈し得る。
重合触媒の脱活の間の噴霧による添加は特に有利であり;この場合、発生した蒸気は、触媒の脱活のために使用され得る。球状に重合されたポリオレフィンの場合、例えば、本発明の添加剤は、所望により他の添加剤と共に噴霧により塗布されることが有利である。
本発明の成分及び所望の他の添加剤はまた、前記ポリマーに、濃縮物の形態で、例えばポリマー中に配合される質量に対しおよそ1質量%ないしおよそ40質量%、及び好ましくは2質量%ないしおよそ20質量%の濃度にて配合された成分を含むマスターバッチの形態で添加され得る。該ポリマーは、添加剤が最終的に添加されるところのポリマーと同一の構造である必要はない。そのような操作において、ポリマーは、粉体、顆粒、溶液、懸濁液の形態で、又はラテックスの形態で使用され得る。
配合は、造形操作に先立って又はその間に、或いはその後の溶媒の蒸発を伴って又は伴わずに、溶解された、溶融された(ソーキングプロセス)又は分散された化合物をポリマーに塗布することにより、起き得る。エラストマーの場合において、これらはまた、ラテックスとして安定化され得る。本発明の添加剤をポリマー中に配合するための他の可能性は、それらを、対応するモノマーの重合の前、間又は直後に、或いは架橋に先立って添加することである。この場合、本発明の添加剤は、そのままで又はカプセル化された形態(例えばワックス中に、オイル中に、又はポリマー中に)で添加され得る。
本明細書において記載される本発明の添加剤/成分を含む材料は、成形品、回転成形品、射出成形品、ブロー成形品、フィルム、テープ、モノフィラメント、繊維、不織布、型材、接着剤又はパテ、表面コーティング等の製造に使用され得る。
【0123】
本発明はまた、照射により誘発される退色に対して、ポリマーマトリックス中に光互変染料を含む光互変系を安定化する方法であって、該方法は、ヒドロキシフェニルトリアジンUV吸収剤及び所望により立体障害性アミン光安定剤のポリマーマトリックス中への及び/又は前記ポリマーマトリックスを覆うポリマー層中への配合からなる方法に、並びに、ポリマーマトリックス中に光互変染料を含む光互変系の安定性を改良するためのヒドロキシフェニルトリアジンUV吸収剤及び所望により立体障害性アミンの使用に関する。好ましい方法及び使用は、さらに上記に記載された組成物又は実施例と同様である。
【0124】
パーセンテージは、他に記載がない限り質量%に関する。
【実施例】
【0125】
実施例において使用された材料:
化合物UV1は、式
【化79】
で表されるものである。
化合物HALS H1は、式
【化80】
で表されるものである。
化合物HALS H2は、式
【化81】
で表されるものである。
クロメン1は、式
【化82】
で表されるものである。
クロメン2は、式
【化83】
で表されるものである。
【0126】
実施例:
実施例1
以下の表中に各々報告される化合物を、2.5のメルトフローインデックス(190℃/16kg;ASTM D1238)を特徴とする、EVA(エチレン−酢酸ビニルコポリマー)グリーンフレックス(Greenflex)(登録商標)ML30のペレット(酢酸ビニル9%を含む。ポリメリ ヨーロッパ(Polimeri Europa),イタリア国により供給。)と共にターボミキサー中で混合した。
【表1】
混合物を、160℃にてブロー押出し(単層のフォーマック ラボ(Formac Lab.)25吹込み押出し機を使用して)し、そして200マイクロメーター厚のフィルムを得た。
このように調製されたフィルムをホワイトカード上にのせ、そして太陽光中に屋外曝露した;UV吸収剤UV1 0.15%を含む150マイクロメーター厚のフィルムにより覆われた、配合物1を有するフィルムを同様の条件に曝露した(配合物:1プラスUV1)。
カバーフィルムは、唯一の添加された添加剤としてUV1 0.15%を含むLDPEフィルムであった。覆ったフィルムは、UV1 15g及びポリメリ ヨーロッパにより供給された、LDPEリブレン(Riblene)FF29 9850gを混合すること
により調製し;それらは‘ターボミキサー’中で10分間混合し、そして210℃にて操作するドルチ(Dolci)押出し機を用いてブロー押出しした。
以下の表は、光照射後の色の堅牢性に関する3種の試料フィルムの性能を示しており:クロメン1それ自体及びHALS H1と混合したクロメン1に対するUV1の安定化効果が明らかである。
【表2】
【0127】
実施例2
配合物は実施例1のとおりに調製したが、異なったクロメンを用いた。配合組成物及び結果を以下の表に示す。
【表3】
【表4】
【0128】
実施例3
配合物を実施例1のとおりに調製したが、本実施例においては異なった立体障害性アミンを使用し、及びUV1を他の成分と混合した、すなわち、配合物7はカバーフィルムを有していない。
【表5】
【表6】
実施例は、ヒドロキシフェニルトリアジンUV吸収剤(i)と組み合わせた立体障害性アミンを使用した本発明の安定系により、光互変系の寿命が顕著に高められたことを示している。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)ポリマー材
b)光互変染料及び
c)式I、II、III、IV、V又は(100)
【化1】
【化2】
[式中、
Yは、フェニル基、ナフチル基、又は1ないし3個の炭素原子数1ないし6のアルキル基により、ハロゲン原子により、ヒドロキシ基により又は炭素原子数1ないし6のアルコキシ基により又はそれらの混合により置換された前記フェニル基又は前記ナフチル基を表すか、或いはYはZ1又はZ2を表し;
XはZ1又はZ2を表し;
R1は、水素原子、直鎖状の又は枝分れ状の炭素原子数1ないし24のアルキル基、炭
素原子数5ないし12のシクロアルキル基、炭素原子数7ないし15のフェニルアルキル基、ハロゲン原子、−SR3、−SOR3又は−SO2R3を表すか;又は1ないし3個のハロゲン原子、−R4、−OR5、−N(R5)2、−COR5、−COOR5、−OCOR5、
−CN、 −NO2、−SR5、−SOR5、−SO2R5又は−P(O)(OR5)2、モルホリニル基、ピペリジニル基、2,2,6,6−テトラメチルピペリジニル基、ピペラジニル基又はN−メチル−ピペリジニル基又はそれらの組み合わせにより置換された前記アルキル基、前記シクロアルキル基又は前記フェニルアルキル基;又は1ないし4個のフェニレン基、−O−、NR5−、−CONR5−、COO−、−OCO−又は−CO基又はそれらの組み合わせにより中断された前記アルキル基又は前記シクロアルキル基;又は上述の基の組み合わせにより置換及び中断された前記アルキル基又は前記シクロアルキル基を表し;
R3は、炭素原子数1ないし20のアルキル基、炭素原子数3ないし18のアルケニル
基、炭素原子数5ないし12のシクロアルキル基、炭素原子数7ないし15のフェニルアルキル基、炭素原子数6ないし10のアリール基或いは1個又は2個の炭素原子数1ないし4のアルキル基により置換された前記アリール基を表し;
R4は、炭素原子数6ないし10のアリール基又は1ないし3個のハロゲン原子、炭素
原子数1ないし8個のアルキル基、炭素原子数1ないし8個のアルコキシ基又はそれらの組み合わせにより置換された前記アリール基;炭素原子数5ないし12のシクロアルキル基;炭素原子数7ないし15のフェニルアルキル基又はフェニル環において1ないし3個のハロゲン原子、炭素原子数1ないし8のアルキル基、炭素原子数1ないし8のアルコキシ基又はそれらの組み合わせにより置換された前記フェニルアルキル基;或いは直鎖状又は枝分れ状の炭素原子数2ないし18のアルケニル基を表し;
R5は、R4の定義と同様であるか;又はR5はまた、水素原子或いは直鎖状又は枝分れ
状の炭素原子数1ないし24のアルキル基、炭素原子数2ないし24のアルケニル基を表すか;又はR5は、式
【化3】
(式中、
Tは、水素原子、オキシル基、ヒドロキシル基、−OT1、炭素原子数1ないし24の
アルキル基、1ないし3個のヒドロキシ基により置換された前記アルキル基;ベンジル基又は炭素原子数2ないし18のアルカノイル基を表し;
T1は、炭素原子数1ないし24のアルキル基、炭素原子数5ないし12のシクロアル
キル基、炭素原子数2ないし24のアルケニル基、炭素原子数5ないし12のシクロアルケニル基、炭素原子数7ないし15のフェニルアルキル基、炭素原子数7ないし12の飽和又は不飽和二環式又は三環式炭化水素の基又は炭素原子数6ないし10のアリール基又は1ないし3個の炭素原子数1ないし4のアルキル基により置換された前記アリール基を表す。)
で表される基を表し;
R2は、水素原子、直鎖状又は枝分れ状の炭素原子数1ないし24のアルキル基又は炭
素原子数5ないし12のシクロアルキル基;又は1ないし4個のハロゲン原子、エポキシ基、グリシジルオキシ基、フリルオキシ基、−R4、−OR5、−N(R5)2、−CON(R5)2、−COR5、−COOR5、−OCOR5、−OCOC(R5)=C(R5)2、−C(R5)=CCOOR5、−CN、−NCO又は
【化4】
又はそれらの組み合わせにより置換された前記アルキル基又は前記シクロアルキル基;又は1ないし4個のエポキシ基、−O−、−NR5−、−CONR5−、−COO−、−OCO−、−CO−、−C(R5)=C(R5)COO−、−OCOC(R5)=C(R5)−、−C(R5)=C(R5)−、フェニレン基又はフェニレン−G−フェニレン基(式中、Gは、−O−、−S−、−SO2−、−CH2−又は−C(CH3)2−を表す。)又はそれらの組み合わせにより中断された前記アルキル基又は前記シクロアルキル基、或いは上述の基の組み合わせにより置換及び中断された前記アルキル基又は前記シクロアルキル基を表すか;又はR2は、−SO2R3又は−COR6を表し;
R6は、直鎖状又は枝分れ状の炭素原子数1ないし18のアルキル基、直鎖状又は枝分
れ状の炭素原子数2ないし12のアルケニル基、フェノキシ基、炭素原子数1ないし12のアルキルアミノ基、炭素原子数6ないし12のアリールアミノ基、−R7COOH又は
−NH−R8−NCOを表し;
R7は、炭素原子数2ないし14のアルキレン基又はフェニレン基を表し;
R8は、炭素原子数2ないし24のアルキレン基、フェニレン基、トリレン基、ジフェ
ニルメタン基又は基
【化5】
を表し;
R1及びR1’は、同じであるか又は異なり、及びR1に対して定義されたとおりであり
;
R2及びR2’は、同じであるか又は異なり、及びR2に対して定義されたとおりであり
;
X及びX’は、同じであるか又は異なり、及びXに対して定義されたとおりであり;Y及びY’は、同じであるか又は異なり、及びYに対して定義されたとおりであり;
tは0ないし9であり;
Lは、直鎖状又は枝分れ状の炭素原子数1ないし12のアルキレン基、炭素原子数5ないし12のシクロアルキレン基或いはシクロヘキシレン基又はフェニレン基により置換されたか又は中断されたアルキレン基を表すか;又はLはベンジリデン基を表すか;又はLは、−S−、−S−S−、−S−E−S−、−SO−、−SO2−、−SO−E−SO−
、−SO2−E−SO2−、−CH2−NH−E−NH−CH2又は
【化6】
を表し;
Eは、炭素原子数2ないし12のアルキレン基、炭素原子数5ないし12のシクロアルキレン基又は炭素原子数5ないし12のシクロアルキレン基により中断されたか又は末端化されたアルキレン基を表し;
nは2、3又は4であり;
nが2である場合;Qは、直鎖状又は枝分れ状の炭素原子数2ないし16のアルキレン基;又は1ないし3個のヒドロキシ基により置換された前記アルキレン基;又は1ないし3個の−CH=CH−又は−O−により中断された前記アルキレン基;又は上述の基の組み合わせにより置換され及び中断された前記アルキレン基を表すか;又はQは、キシリレン基又は基−CONH−R8−NHCO−、−CH2CH(OH)CH2O−R9−OCH2
CH(OH)CH2−、−CO−R10−CO−、又は−(CH2)m−COO−R11−OO
C−(CH2)m−(式中、mは1ないし3である。)を表すか;又はQは、
【化7】
を表し;
R9は、炭素原子数2ないし50のアルキレン基;又は1ないし10個の−O−、フェ
ニレン基又は基−フェニレン−G−フェニレン基(式中、Gは、−O−、−S−、−SO2−、−CH2−又は−C(CH3)2−を表す。)により中断された前記アルキレン基を表し;
R10は、炭素原子数2ないし10のアルキレン基、又は1ないし4個の−O−、−S−又は−CH=CH−により中断された前記アルキレン基を表すか;又はR10は、炭素原子数6ないし12のアリーレン基を表し;
R11は、炭素原子数2ないし20のアルキレン基又は1ないし8個の−O−により中断された前記アルキレン基を表し;
nが3である場合、Qは、基−[(CH2)mCOO]3−R12(式中、mは1ないし3
であり、及びR12は炭素原子数3ないし12のアルカントリイル基を表す。)を表し;
nが4である場合、Qは、基−[(CH2)mCOO]4−R13(式中、mは1ないし3
であり、及びR14は炭素原子数4ないし12のアルカンテトライル基を表す。)を表し;
Z1は、式
【化8】
で表される基を表し;
Z2は、式
【化9】
(式中、r1及びr2は1である。)
で表される基を表し;
R14、R15、R16、R17、R18、R19、R20、R21、R22及びR23は、互いに独立して
、水素原子、ヒドロキシ基、シアノ基、炭素原子数1ないし20のアルキル基、炭素原子数1ないし20のアルコキシ基、炭素原子数7ないし15のフェニルアルキル基、炭素原子数5ないし12のシクロアルキル基、炭素原子数5ないし12のシクロアルコキシ基、ハロゲン原子、炭素原子数1ないし5のハロアルキル基、スルホ基、カルボキシ基、炭素原子数2ないし12のアシルアミノ基、炭素原子数2ないし12のアシルオキシ基、炭素原子数2ないし12のアルコキシカルボニル基又はアミノカルボニル基を表すか;或いはR17とR18又はR22とR23は、それらが結合されるフェニル基と一緒に、1ないし3個の−O−又は−NR5−により中断された環状基を表し;
x2は1ないし50の数であり;
A1は式(101)
【化10】
で表される基を表すか、又はT10に対して与えられた意味の1つを有し;
D1は、炭素原子数4ないし12のアルキレン基又はOHにより置換されたか又はOに
より中断されたか又はOHにより置換され且つOにより中断された前記アルキレン基を表し;
L1は、炭素原子数1ないし18のアルキレン基;炭素原子数5ないし12のシクロア
ルキレン基;炭素原子数3ないし18のアルケニレン基;又はフェニル基、炭素原子数7ないし11のアルキルフェニル基、炭素原子数5ないし12のシクロアルキル基、OH、ハロゲン原子、炭素原子数1ないし18のアルコキシ基、炭素原子数5ないし12のシクロアルコキシ基、炭素原子数3ないし18のアルケニルオキシ基、COOHにより置換された前記基の1つを表し;
R50は、互いに独立して、H、OR54又はOHを表すが、但し、R50又はR53のうちの少なくとも1つはOHを表し;
R54は、互いに独立して、水素原子、炭素原子数1ないし12のアルキル基又は式−L1−CO−O−R55を表し;
R55は、H、炭素原子数1ないし18のアルキル基、炭素原子数2ないし12のヒドロキシアルキル基を表し;
R51は、水素原子、炭素原子数1ないし4のアルキル基、Cl、フェニル基又は基−OR54を表し;
R52は、水素原子又はメチル基を表し;
R53は、水素原子、メチル基、OH又はOR54を表し;及び
T10は、炭素原子数13ないし60の脂肪族又は脂環式ジカルボン酸の2価アシル残基を表す。]で表され、
並びに、少なくとも1個の式(101)部分及び少なくとも1個のT10部分を含むヒドロキシフェニルトリアジンUV吸収剤(i)
を含む光互変組成物。
【請求項2】
a)ポリマー材であって、
b)光互変染料及び
c)i)ヒドロキシフェニルトリアジンUV吸収剤及び
ii)立体障害性アミンより選択される少なくとも1種の他の光安定剤
との安定剤組合せ
を含有するもの
を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
光学装置、建築用又は車両用透明板ガラス、温室用フィルム、コーティング、又は構造要素、特に眼科用レンズである、請求項1及び2のうちいずれか1項に記載の組成物。
【請求項4】
前記成分(a)は、ポリオレフィン、ポリカーボネート、ポリエステル、スチレンポリマー又はコポリマー、ポリアクリレート、セルロースエステル、ポリビニルアルコール、ポリウレタン;特に、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレン、耐衝撃性ポリスチレン、ポリビニルブチレート、スチレン−メタクリレート、スチレン−アクリロニトリル、グリコール変性ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリビニルブチラール、エチレン−酢酸ビニルコポリマー、エチレン−ブチルアクリレートコポリマー、及びそれらのブレンドより選択される、請求項1ないし3のうちいずれか1項に記載の組成物。
【請求項5】
成分(b)として、ナフトピラン、ベンゾピラン、スピロピラン又はスピロオキサジンより選択される光互変染料を、ポリマー材(a)の総質量に対して0.001ないし10質量%の量で含む、請求項1ないし4のうちいずれか1項に記載の組成物。
【請求項6】
前記立体障害性アミン(ii)は、少なくとも一つの式IX、X及び/又はXI
【化11】
(式中、
Gは、水素原子又はメチル基を表し、及び
G1及びG2は水素原子、メチル基を表すか、又は一緒になって酸素原子を表す。)で表される基を含み、及び400g/モル以上の分子量を有する化合物である、請求項2に記載の組成物。
【請求項7】
前記UV吸収剤(i)が光互変染料を含まない上層において富むとともに、下層が前記染料(b)及び所望により前記立体障害アミン(ii)を含むところの、2層系又は多層系である、請求項1ないし6のうちいずれか1項に記載の組成物。
【請求項8】
前記ポリマー材(a)は、UVA成分(i)と立体障害性アミン成分(ii)の比が(ii)1部に対して(i)0.01ないし100部の範囲からなる安定剤成分(c)を0.001ないし10質量%含むところの、請求項2ないし7のいずれかに記載の組成物。
【請求項9】
成分(d)として、抗酸化剤、ホスフィット及びホスホナイト、加工安定剤、充填材、顔料、染料、透明剤、変性剤、酸掃去剤、難燃剤、他の光安定剤より選択される他の添加剤
少なくとも一種を含む、請求項1ないし8のうちいずれか1項に記載の組成物。
【請求項10】
ポリマーマトリックス中に光互変染料を含む光互変系を、光照射により誘発される退色に対して安定化する方法であって、該方法は、請求項1に記載の通りのヒドロキシフェニルトリアジンUV吸収剤(i)及び所望により立体障害性アミン光安定剤の前記ポリマーマトリックスへの及び/又は該ポリマーマトリックスを覆うポリマー層への配合よりなる方法。
【請求項11】
請求項1に記載の通りのヒドロキシフェニルトリアジンUV吸収剤(i)及び所望により立体障害性アミンの、ポリマーマトリックス中に光互変染料を含む光互変系の安定化のための使用。
【請求項1】
a)ポリマー材
b)光互変染料及び
c)式I、II、III、IV、V又は(100)
【化1】
【化2】
[式中、
Yは、フェニル基、ナフチル基、又は1ないし3個の炭素原子数1ないし6のアルキル基により、ハロゲン原子により、ヒドロキシ基により又は炭素原子数1ないし6のアルコキシ基により又はそれらの混合により置換された前記フェニル基又は前記ナフチル基を表すか、或いはYはZ1又はZ2を表し;
XはZ1又はZ2を表し;
R1は、水素原子、直鎖状の又は枝分れ状の炭素原子数1ないし24のアルキル基、炭
素原子数5ないし12のシクロアルキル基、炭素原子数7ないし15のフェニルアルキル基、ハロゲン原子、−SR3、−SOR3又は−SO2R3を表すか;又は1ないし3個のハロゲン原子、−R4、−OR5、−N(R5)2、−COR5、−COOR5、−OCOR5、
−CN、 −NO2、−SR5、−SOR5、−SO2R5又は−P(O)(OR5)2、モルホリニル基、ピペリジニル基、2,2,6,6−テトラメチルピペリジニル基、ピペラジニル基又はN−メチル−ピペリジニル基又はそれらの組み合わせにより置換された前記アルキル基、前記シクロアルキル基又は前記フェニルアルキル基;又は1ないし4個のフェニレン基、−O−、NR5−、−CONR5−、COO−、−OCO−又は−CO基又はそれらの組み合わせにより中断された前記アルキル基又は前記シクロアルキル基;又は上述の基の組み合わせにより置換及び中断された前記アルキル基又は前記シクロアルキル基を表し;
R3は、炭素原子数1ないし20のアルキル基、炭素原子数3ないし18のアルケニル
基、炭素原子数5ないし12のシクロアルキル基、炭素原子数7ないし15のフェニルアルキル基、炭素原子数6ないし10のアリール基或いは1個又は2個の炭素原子数1ないし4のアルキル基により置換された前記アリール基を表し;
R4は、炭素原子数6ないし10のアリール基又は1ないし3個のハロゲン原子、炭素
原子数1ないし8個のアルキル基、炭素原子数1ないし8個のアルコキシ基又はそれらの組み合わせにより置換された前記アリール基;炭素原子数5ないし12のシクロアルキル基;炭素原子数7ないし15のフェニルアルキル基又はフェニル環において1ないし3個のハロゲン原子、炭素原子数1ないし8のアルキル基、炭素原子数1ないし8のアルコキシ基又はそれらの組み合わせにより置換された前記フェニルアルキル基;或いは直鎖状又は枝分れ状の炭素原子数2ないし18のアルケニル基を表し;
R5は、R4の定義と同様であるか;又はR5はまた、水素原子或いは直鎖状又は枝分れ
状の炭素原子数1ないし24のアルキル基、炭素原子数2ないし24のアルケニル基を表すか;又はR5は、式
【化3】
(式中、
Tは、水素原子、オキシル基、ヒドロキシル基、−OT1、炭素原子数1ないし24の
アルキル基、1ないし3個のヒドロキシ基により置換された前記アルキル基;ベンジル基又は炭素原子数2ないし18のアルカノイル基を表し;
T1は、炭素原子数1ないし24のアルキル基、炭素原子数5ないし12のシクロアル
キル基、炭素原子数2ないし24のアルケニル基、炭素原子数5ないし12のシクロアルケニル基、炭素原子数7ないし15のフェニルアルキル基、炭素原子数7ないし12の飽和又は不飽和二環式又は三環式炭化水素の基又は炭素原子数6ないし10のアリール基又は1ないし3個の炭素原子数1ないし4のアルキル基により置換された前記アリール基を表す。)
で表される基を表し;
R2は、水素原子、直鎖状又は枝分れ状の炭素原子数1ないし24のアルキル基又は炭
素原子数5ないし12のシクロアルキル基;又は1ないし4個のハロゲン原子、エポキシ基、グリシジルオキシ基、フリルオキシ基、−R4、−OR5、−N(R5)2、−CON(R5)2、−COR5、−COOR5、−OCOR5、−OCOC(R5)=C(R5)2、−C(R5)=CCOOR5、−CN、−NCO又は
【化4】
又はそれらの組み合わせにより置換された前記アルキル基又は前記シクロアルキル基;又は1ないし4個のエポキシ基、−O−、−NR5−、−CONR5−、−COO−、−OCO−、−CO−、−C(R5)=C(R5)COO−、−OCOC(R5)=C(R5)−、−C(R5)=C(R5)−、フェニレン基又はフェニレン−G−フェニレン基(式中、Gは、−O−、−S−、−SO2−、−CH2−又は−C(CH3)2−を表す。)又はそれらの組み合わせにより中断された前記アルキル基又は前記シクロアルキル基、或いは上述の基の組み合わせにより置換及び中断された前記アルキル基又は前記シクロアルキル基を表すか;又はR2は、−SO2R3又は−COR6を表し;
R6は、直鎖状又は枝分れ状の炭素原子数1ないし18のアルキル基、直鎖状又は枝分
れ状の炭素原子数2ないし12のアルケニル基、フェノキシ基、炭素原子数1ないし12のアルキルアミノ基、炭素原子数6ないし12のアリールアミノ基、−R7COOH又は
−NH−R8−NCOを表し;
R7は、炭素原子数2ないし14のアルキレン基又はフェニレン基を表し;
R8は、炭素原子数2ないし24のアルキレン基、フェニレン基、トリレン基、ジフェ
ニルメタン基又は基
【化5】
を表し;
R1及びR1’は、同じであるか又は異なり、及びR1に対して定義されたとおりであり
;
R2及びR2’は、同じであるか又は異なり、及びR2に対して定義されたとおりであり
;
X及びX’は、同じであるか又は異なり、及びXに対して定義されたとおりであり;Y及びY’は、同じであるか又は異なり、及びYに対して定義されたとおりであり;
tは0ないし9であり;
Lは、直鎖状又は枝分れ状の炭素原子数1ないし12のアルキレン基、炭素原子数5ないし12のシクロアルキレン基或いはシクロヘキシレン基又はフェニレン基により置換されたか又は中断されたアルキレン基を表すか;又はLはベンジリデン基を表すか;又はLは、−S−、−S−S−、−S−E−S−、−SO−、−SO2−、−SO−E−SO−
、−SO2−E−SO2−、−CH2−NH−E−NH−CH2又は
【化6】
を表し;
Eは、炭素原子数2ないし12のアルキレン基、炭素原子数5ないし12のシクロアルキレン基又は炭素原子数5ないし12のシクロアルキレン基により中断されたか又は末端化されたアルキレン基を表し;
nは2、3又は4であり;
nが2である場合;Qは、直鎖状又は枝分れ状の炭素原子数2ないし16のアルキレン基;又は1ないし3個のヒドロキシ基により置換された前記アルキレン基;又は1ないし3個の−CH=CH−又は−O−により中断された前記アルキレン基;又は上述の基の組み合わせにより置換され及び中断された前記アルキレン基を表すか;又はQは、キシリレン基又は基−CONH−R8−NHCO−、−CH2CH(OH)CH2O−R9−OCH2
CH(OH)CH2−、−CO−R10−CO−、又は−(CH2)m−COO−R11−OO
C−(CH2)m−(式中、mは1ないし3である。)を表すか;又はQは、
【化7】
を表し;
R9は、炭素原子数2ないし50のアルキレン基;又は1ないし10個の−O−、フェ
ニレン基又は基−フェニレン−G−フェニレン基(式中、Gは、−O−、−S−、−SO2−、−CH2−又は−C(CH3)2−を表す。)により中断された前記アルキレン基を表し;
R10は、炭素原子数2ないし10のアルキレン基、又は1ないし4個の−O−、−S−又は−CH=CH−により中断された前記アルキレン基を表すか;又はR10は、炭素原子数6ないし12のアリーレン基を表し;
R11は、炭素原子数2ないし20のアルキレン基又は1ないし8個の−O−により中断された前記アルキレン基を表し;
nが3である場合、Qは、基−[(CH2)mCOO]3−R12(式中、mは1ないし3
であり、及びR12は炭素原子数3ないし12のアルカントリイル基を表す。)を表し;
nが4である場合、Qは、基−[(CH2)mCOO]4−R13(式中、mは1ないし3
であり、及びR14は炭素原子数4ないし12のアルカンテトライル基を表す。)を表し;
Z1は、式
【化8】
で表される基を表し;
Z2は、式
【化9】
(式中、r1及びr2は1である。)
で表される基を表し;
R14、R15、R16、R17、R18、R19、R20、R21、R22及びR23は、互いに独立して
、水素原子、ヒドロキシ基、シアノ基、炭素原子数1ないし20のアルキル基、炭素原子数1ないし20のアルコキシ基、炭素原子数7ないし15のフェニルアルキル基、炭素原子数5ないし12のシクロアルキル基、炭素原子数5ないし12のシクロアルコキシ基、ハロゲン原子、炭素原子数1ないし5のハロアルキル基、スルホ基、カルボキシ基、炭素原子数2ないし12のアシルアミノ基、炭素原子数2ないし12のアシルオキシ基、炭素原子数2ないし12のアルコキシカルボニル基又はアミノカルボニル基を表すか;或いはR17とR18又はR22とR23は、それらが結合されるフェニル基と一緒に、1ないし3個の−O−又は−NR5−により中断された環状基を表し;
x2は1ないし50の数であり;
A1は式(101)
【化10】
で表される基を表すか、又はT10に対して与えられた意味の1つを有し;
D1は、炭素原子数4ないし12のアルキレン基又はOHにより置換されたか又はOに
より中断されたか又はOHにより置換され且つOにより中断された前記アルキレン基を表し;
L1は、炭素原子数1ないし18のアルキレン基;炭素原子数5ないし12のシクロア
ルキレン基;炭素原子数3ないし18のアルケニレン基;又はフェニル基、炭素原子数7ないし11のアルキルフェニル基、炭素原子数5ないし12のシクロアルキル基、OH、ハロゲン原子、炭素原子数1ないし18のアルコキシ基、炭素原子数5ないし12のシクロアルコキシ基、炭素原子数3ないし18のアルケニルオキシ基、COOHにより置換された前記基の1つを表し;
R50は、互いに独立して、H、OR54又はOHを表すが、但し、R50又はR53のうちの少なくとも1つはOHを表し;
R54は、互いに独立して、水素原子、炭素原子数1ないし12のアルキル基又は式−L1−CO−O−R55を表し;
R55は、H、炭素原子数1ないし18のアルキル基、炭素原子数2ないし12のヒドロキシアルキル基を表し;
R51は、水素原子、炭素原子数1ないし4のアルキル基、Cl、フェニル基又は基−OR54を表し;
R52は、水素原子又はメチル基を表し;
R53は、水素原子、メチル基、OH又はOR54を表し;及び
T10は、炭素原子数13ないし60の脂肪族又は脂環式ジカルボン酸の2価アシル残基を表す。]で表され、
並びに、少なくとも1個の式(101)部分及び少なくとも1個のT10部分を含むヒドロキシフェニルトリアジンUV吸収剤(i)
を含む光互変組成物。
【請求項2】
a)ポリマー材であって、
b)光互変染料及び
c)i)ヒドロキシフェニルトリアジンUV吸収剤及び
ii)立体障害性アミンより選択される少なくとも1種の他の光安定剤
との安定剤組合せ
を含有するもの
を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
光学装置、建築用又は車両用透明板ガラス、温室用フィルム、コーティング、又は構造要素、特に眼科用レンズである、請求項1及び2のうちいずれか1項に記載の組成物。
【請求項4】
前記成分(a)は、ポリオレフィン、ポリカーボネート、ポリエステル、スチレンポリマー又はコポリマー、ポリアクリレート、セルロースエステル、ポリビニルアルコール、ポリウレタン;特に、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレン、耐衝撃性ポリスチレン、ポリビニルブチレート、スチレン−メタクリレート、スチレン−アクリロニトリル、グリコール変性ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリビニルブチラール、エチレン−酢酸ビニルコポリマー、エチレン−ブチルアクリレートコポリマー、及びそれらのブレンドより選択される、請求項1ないし3のうちいずれか1項に記載の組成物。
【請求項5】
成分(b)として、ナフトピラン、ベンゾピラン、スピロピラン又はスピロオキサジンより選択される光互変染料を、ポリマー材(a)の総質量に対して0.001ないし10質量%の量で含む、請求項1ないし4のうちいずれか1項に記載の組成物。
【請求項6】
前記立体障害性アミン(ii)は、少なくとも一つの式IX、X及び/又はXI
【化11】
(式中、
Gは、水素原子又はメチル基を表し、及び
G1及びG2は水素原子、メチル基を表すか、又は一緒になって酸素原子を表す。)で表される基を含み、及び400g/モル以上の分子量を有する化合物である、請求項2に記載の組成物。
【請求項7】
前記UV吸収剤(i)が光互変染料を含まない上層において富むとともに、下層が前記染料(b)及び所望により前記立体障害アミン(ii)を含むところの、2層系又は多層系である、請求項1ないし6のうちいずれか1項に記載の組成物。
【請求項8】
前記ポリマー材(a)は、UVA成分(i)と立体障害性アミン成分(ii)の比が(ii)1部に対して(i)0.01ないし100部の範囲からなる安定剤成分(c)を0.001ないし10質量%含むところの、請求項2ないし7のいずれかに記載の組成物。
【請求項9】
成分(d)として、抗酸化剤、ホスフィット及びホスホナイト、加工安定剤、充填材、顔料、染料、透明剤、変性剤、酸掃去剤、難燃剤、他の光安定剤より選択される他の添加剤
少なくとも一種を含む、請求項1ないし8のうちいずれか1項に記載の組成物。
【請求項10】
ポリマーマトリックス中に光互変染料を含む光互変系を、光照射により誘発される退色に対して安定化する方法であって、該方法は、請求項1に記載の通りのヒドロキシフェニルトリアジンUV吸収剤(i)及び所望により立体障害性アミン光安定剤の前記ポリマーマトリックスへの及び/又は該ポリマーマトリックスを覆うポリマー層への配合よりなる方法。
【請求項11】
請求項1に記載の通りのヒドロキシフェニルトリアジンUV吸収剤(i)及び所望により立体障害性アミンの、ポリマーマトリックス中に光互変染料を含む光互変系の安定化のための使用。
【公表番号】特表2007−507569(P2007−507569A)
【公表日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−530247(P2006−530247)
【出願日】平成16年9月20日(2004.9.20)
【国際出願番号】PCT/EP2004/052238
【国際公開番号】WO2005/030856
【国際公開日】平成17年4月7日(2005.4.7)
【出願人】(396023948)チバ スペシャルティ ケミカルズ ホールディング インコーポレーテッド (530)
【氏名又は名称原語表記】Ciba Specialty Chemicals Holding Inc.
【Fターム(参考)】
【公表日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年9月20日(2004.9.20)
【国際出願番号】PCT/EP2004/052238
【国際公開番号】WO2005/030856
【国際公開日】平成17年4月7日(2005.4.7)
【出願人】(396023948)チバ スペシャルティ ケミカルズ ホールディング インコーポレーテッド (530)
【氏名又は名称原語表記】Ciba Specialty Chemicals Holding Inc.
【Fターム(参考)】
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