説明

光伝送システム、光伝送方法及び光送信装置

【課題】
光スペクトルの利用効率を改善する。
【解決手段】
第1の電気IQ多重装置(34a,36a,38a,40a,42a)が、第1のデータ信号(ch1(A))及び第2のデータ信号(ch2(A))を電気IQ多重する。第2の電気IQ多重装置(34b,36b,38b,40b,42b)が、第3のデータ信号(ch1(B))及び第4のデータ信号(ch2(B))を電気IQ多重する。レーザ光源(44)が、コヒーレントレーザ光を発生する。光IQ多重装置(46)が、レーザ光源(44)の出力する当該コヒーレントレーザ光を使って、第1及び第2の電気IQ多重装置の出力電気信号を光IQ多重する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光伝送システム、光伝送方法及び光送信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
多値変調方式は、2値変調方式に比べて数々のきわめて重要な利点を有している。同一の有効データ速度では、多値変調方式の信号速度のほうが低くなるので、多値変調方式は、偏波モード分散(PMD)や波長分散(CD)のように信号間干渉(ISI)の原因となる機能障害に対してより高い耐性を有している。さらに、多値変調方式の光スペクトルは非常に小さいので、WDM(波長分割多重)チャネル間隔をより狭くすることが可能となり、その結果、より高いスペクトル効率を実現できる。
【0003】
光ファイバ伝送でスペクトル効率を増加させると期待されている技術の1つに、RFドメインにおける副搬送波多重(SubCarrier Multiplexing : SCM)の技術がある(非特許文献1,2)。もう1つの興味深い方法は、直交周波数分割多重(Orthogonal Frequency Division Multiplexing : OFDM)の使用である(非特許文献3,4)。
【非特許文献1】J. Chen et al., "An integrated CMOS transceiver for a 40Gb/s SCM optical communication system", in proc. IEEE 2005 Custom integrated circuits conference, 7-6, pp. 135-138.
【非特許文献2】S. Randel et al., "1 Gbit/s transmission with 6.3 bit/s/Hz spectral efficiency in a 100 m standard 1 mm step-index plastic optical fibre link using adaptive multiple sub-carrier modulation", in proc. ECOC PD Th4.4.1, pp. 41-42.
【非特許文献3】A. Lowery et al., "Orthogonal frequency division multiplexing for adaptive dispersion compensation in long haul WDM systems", in proc. OFC PDP39.
【非特許文献4】I. Djordjevic et al., "Orthogonal frequency division multiplexing for high-speed optical transmission", Optics Express, vol. 14, no. 9, pp. 3767-3775.
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
SCM及びOFDMは、従来の変調方式に比べれば利用可能な帯域をかなり有効に使用できるものの、無限のスペクトル効率を提供できるわけではない。
【0005】
本発明は、高い、例えば、2倍のスペクトル効率を簡易な構成で実現できる光伝送システム、光伝送方法及び光送信装置を提示することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る光伝送システムは、光送信装置から光受信装置に光伝送路を介して第1、第2、第3及び第4のデータ信号を伝送する光伝送システムである。特徴的には、光送信装置が、第1のデータ信号及び第2のデータ信号を電気IQ多重する第1の電気IQ多重装置と、第3のデータ信号及び第4のデータ信号を電気IQ多重する第2の電気IQ多重装置と、コヒーレントレーザ光を発生するレーザ光源と、当該レーザ光源の出力する当該コヒーレントレーザ光を使って、当該第1及び第2の電気IQ多重装置の出力電気信号を光IQ多重する光IQ多重装置とを具備する。また、光受信装置が、当該光伝送路から入力する光信号を光IQ分離し、第1の受信電気信号及び第2の受信電気信号を出力する光IQ分離装置と、当該第1の受信電気信号から、当該第1のデータ信号に対応する第1の受信データ信号、及び当該第2のデータ信号に対応する第2の受信データ信号を分離する第1の電気IQ分離装置と、当該第2の受信電気信号から、当該第3のデータ信号に対応する第3の受信データ信号、及び当該第4のデータ信号に対応する第4の受信データ信号を分離する第2の電気IQ分離装置とを具備する。
【0007】
本発明に係る光伝送方法は、第1のデータ信号及び第2のデータ信号を電気IQ多重して、第1の電気IQ多重信号を生成する第1の電気IQ多重ステップと、第3のデータ信号及び第4のデータ信号を電気IQ多重して、第2の電気IQ多重信号を生成する第2の電気IQ多重ステップと、レーザ光源の出力するコヒーレントレーザ光を使って、当該第1及び第2の電気IQ多重信号を光IQ多重し、光IQ多重信号を生成する光IQ多重ステップと、当該光IQ多重信号を光IQ分離し、第1の受信電気信号及び第2の受信電気信号を出力する光IQ分離ステップと、当該第1の受信電気信号から当該第1のデータ信号及び当該第2のデータ信号を分離する第1の電気IQ分離ステップと、当該第2の受信電気信号から当該第3のデータ信号及び当該第4のデータ信号を分離する第2の電気IQ分離ステップとを具備することを特徴とする。
【0008】
本発明に係る光送信装置は、第1のデータ信号及び第2のデータ信号を電気IQ多重する第1の電気IQ多重装置と、第3のデータ信号及び第4のデータ信号を電気IQ多重する第2の電気IQ多重装置と、コヒーレントレーザ光を発生するレーザ光源と、当該レーザ光源の出力する当該コヒーレントレーザ光を使って、当該第1及び第2の電気IQ多重装置の出力電気信号を光IQ多重する光IQ多重装置とを具備することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、電気IQ多重と光IQ多重を併用することで、光信号の振幅のみならず光位相を併用でき、光スペクトルの利用効率が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、図面を参照して、本発明の実施例を詳細に説明する。
【実施例1】
【0011】
図1は、本発明の一実施例である光伝送システムの光送信装置の概略構成ブロック図を示し、図2は、光受信装置の概略構成ブロック図を示す。光送信装置10は、データDATA−A,DATA−Bを搬送する光信号を生成して、光ファイバ伝送路12に出力する。光受信装置14は、光ファイバ伝送路12から光信号を受信し、データDATA−A,DATA−Bを復元する。
【0012】
図1に示す光送信装置10の構成と動作を説明する。この実施例は、特徴的には電気IQ多重及び光IQ多重を併用する。
【0013】
OFDM変調器20aは、データDATA−AをOFDM変調する。具体的には、デジタル変調器22aが、データDATA−Aを4−QAM、16−QAM又は64−QAM等の多値変調方式でデジタル変調する。逆フーリエ変換(IFFT)回路24aが、デジタル変調器22aの複数チャネルの出力を逆フーリエ変換する。パラレル/シリアル(P/S)変換器26aが、IFFT回路24aの複数チャネルの出力を1つのシリアル信号に変換する。
【0014】
スイッチ28aは、一定周期で交互にP/S変換器26aの出力を2チャネルに分離し、それぞれをバッファ30a,32aに供給する。バッファ30a,32aは、入力データを1/2のレートで出力する。スイッチ28a及びバッファ30a,32aが、シリアルデータを並列の2チャネルch1(A),ch2(A)に分離する装置として機能する。この機能をP/S変換器26aに組み込んでもよいことは明らかである。
【0015】
D/A変換器34aは、バッファ30aからのチャネルch1(A)のデータ信号をアナログ信号に変換し、D/A変換器36aは、バッファ32aからのチャネルch2(A)のデータ信号をアナログ信号に変換する。乗算器38aは、D/A変換器34aの出力信号にコサイン波cos(ωt)を乗算することにより、D/A変換器34aの出力信号をアップコンバートする。また、乗算器40aは、D/A変換器36aの出力信号にサイン波sin(ωt)を乗算することにより、D/A変換器36aの出力信号をアップコンバートする。混合器42aは、乗算器38a,40aの出力信号を混合又は多重する。これで、チャネルch1(A),ch2(A)のデータが、電気的に同相(I)成分と直交(Q)成分で多重される。
【0016】
同様に、OFDM変調器20bが、データDATA−BをOFDM変調する。具体的には、デジタル変調器22bが、データDATA−Bを4−QAM、16−QAM又は64−QAM等の多値変調方式でデジタル変調する。逆フーリエ変換(IFFT)回路24bが、デジタル変調器22bの複数チャネルの出力を逆フーリエ変換する。パラレル/シリアル(P/S)変換器26bが、IFFT回路24bの複数チャネルの出力を1つのシリアル信号に変換する。
【0017】
スイッチ28bは、一定周期で交互にP/S変換器26bの出力を2チャネルに分離し、それぞれをバッファ30b,32bに供給する。バッファ30b,32bは、入力データを1/2のレートで出力する。スイッチ28b及びバッファ30b,32bが、シリアルデータを並列の2チャネルch1(B),ch2(B)に分離する装置として機能する。この機能をP/S変換器26bに組み込んでもよいことは明らかである。
【0018】
D/A変換器34bは、バッファ30bからのチャネルch1(B)のデータをアナログ信号に変換し、D/A変換器36bは、バッファ32bからのチャネルch2(B)のデータをアナログ信号に変換する。乗算器38bは、D/A変換器34bの出力信号にコサイン波cos(ωt)を乗算することにより、D/A変換器34bの出力信号をアップコンバートする。また、乗算器40bは、D/A変換器36bの出力信号にサイン波sin(ωt)を乗算することにより、D/A変換器36bの出力信号をアップコンバートする。混合器42bは、乗算器38b,40bの出力信号を混合又は多重する。これで、チャネルch1(B),ch2(B)のデータが、電気的に同相(I)成分と直交(Q)成分で多重される。
【0019】
データDATA−Aに対する電気IQ多重の角周波数ωは、データDATA−Bに対する電気IQ多重の角周波数ωと一致しても、一致しなくてもどちらでもよい。
【0020】
レーザダイオード(LD)44は光キャリアとなるコヒーレントなレーザ光を発生し、その出力光は、マッハツェンダ(MZ)干渉計構造を利用する光IQ多重装置46に供給される。即ち、光IQ多重装置46の光分波器48が、LD44の出力光を2分割して、一方を第1のアーム上の光変調器50に印加し、他方を第2のアーム上の光変調器52に印加する。第2のアーム上には、光位相をπ/2だけシフトする位相シフタ54が配置される。光変調器50は、混合器42aの出力電気信号Saに従い、光分波器48からのレーザ光を変調する。他方、光変調器52は、混合器42bの出力電気信号Sbに従い、光分波器48からのレーザ光を変調する。位相シフタ54は、光変調器52の出力光の光位相をπ/2だけシフトする。これで、光合波器56に入力する2つの信号光は、その光位相差が90度になり、互いに直交する。光合波器56は、光変調器50の出力光と位相シフタ54の出力光を合波する。これにより、信号Saを光I成分で搬送し、信号Sbを光Q成分で搬送する光IQ多重信号が生成され、この光IQ多重信号が、光ファイバ伝送路12に出力される。
【0021】
光変調器50,52は、リチウムニオブ結晶等の光学結晶、半導体、又は、これらの光学素子を使用するMZ干渉計型光変調器であってもよい。
【0022】
光ファイバ伝送路12を伝搬した光信号は、光受信装置14に入力する。図2を参照して、光受信装置14の構成と動作を説明する。光IQ多重伝送では、情報が位相と振幅の両方でコード化されており、従って、位相検波が必要になる。そのような位相検波は、受信光を局所発振器の出力と混合して位相の情報を回復させるコヒーレント検波器で実現可能である。コヒーレント検波はヘテロダインでもホモダインでも使用可能であるが、ここでは、ホモダイン検波の実施例を示す。
【0023】
光ファイバ伝送路12からの信号光は入力端子60からコヒーレントミキサ62に入力する。コヒーレントミキサ62にはまた、光ローカル発振器64のコヒーレント出力光が入射する。光ローカル発振器64は、レーザダイオード44のレーザ波長に近似した波長のコヒーレントレーザ光を発生するレーザダイオードからなる。
【0024】
コヒーレントミキサ62の光合分波器66は、入力端子60からの信号光と、光ローカル発振器64からのコヒーレント光とを合分波し、0度の干渉成分をビームスプリッタ68に、90度の干渉成分をビームスプリッタ70に供給する。ビームスプリッタ68は、光合分波器66からの0度の干渉光を透過及び反射し、透過光をフォトダイオード72に、反射光をフォトダイオード78に供給する。また、ビームスプリッタ70は、光合分波器66からの90度の干渉光を透過及び反射し、透過光をフォトダイオード74に、反射光をフォトダイオード80に供給する。
【0025】
差動増幅器76は、フォトダイオード72,74の出力を差動増幅する。フォトダイオード72,74及び差動増幅器76は、バランスト光受信器を構成する。同様に、差動増幅器82は、フォトダイオード78,80の出力を差動増幅する。フォトダイオード78,80及び差動増幅器82もまた、バランスト光受信器を構成する。
【0026】
コヒーレントミキサ62,光ローカル発振器64,フォトダイオード72,74,78,80,及び差動増幅器76,82が、光IQ多重で伝送される2つの信号Sa,Sbを分離する光IQ分離装置として機能する。但し、光ローカル発振器64が信号光とは独立に動作しており、光IQ多重伝送特性を等化する手段が必要となる。光IQ多重の等化回路として、A/D変換器84,86及びデジタル信号処理装置88を設ける。A/D変換器84は差動増幅器76のアナログ出力をデジタル信号に変換する。A/D変換器86は差動増幅器82のアナログ出力をデジタル信号に変換する。デジタル信号処理装置(DSP)88は、A/D変換器84,86の出力データをデジタル処理で等化することにより、光IQ多重のI成分を示す信号Saと、Q成分を示す信号Sbを復元する。
【0027】
なお、光PLL回路を設けて、差動増幅器76又は同82の出力により光ローカル発振器64の波長と光位相を帰還制御してもよい。
【0028】
コヒーレントミキサ62、光ローカル発振器64、フォトダイオード72,74,78,80、差動増幅器76,82、A/D変換器84,86及びDSP88は、光IQ分離装置として動作する。このような光IQ分離動作は、コヒーレント受信器として周知である(例えば、G. Charlet et al. ,"Transmission of 40Gb/s QPSK with Coherent Detection over Ultra-Long Distance Improved by Nonlinearity Mitigation", ECOC 2006 Proceedings, Vol. 6,Paper Th4.3.4, pp. 35-36参照)。
【0029】
電気IQ分離装置90は、DSP88からの信号Saにコサイン波cos(ωt)を乗算することでチャネルch1(A)の信号を分離し、DSP88からの信号Saにサイン波sin(ωt)を乗算することでチャネルch2(A)の信号を分離する。OFDM復調装置94は、OFDM変調装置20aとは逆の処理(S/P変換、FFT及びデジタル復調)により、チャネルch1(A),ch2(A)の信号からデータDATA−Aを復調する。電気IQ分離及びOFDM復調の構成と動作は周知であるので、詳細な説明を省略する。
【0030】
同様に、電気IQ分離装置92は、DSP88からの信号Sbにコサイン波cos(ωt)を乗算することでチャネルch1(B)の信号を分離し、DSP88からの信号Sbにサイン波sin(ωt)を乗算することでチャネルch2(B)の信号を分離する。OFDM復調装置96は、OFDM変調装置20bとは逆の処理(S/P変換、FFT及びデジタル復調)により、チャネルch1(B),ch2(B)の信号からデータDATA−Bを復調する。
【0031】
電気IQ多重の前にOFDM変調を行う実施例を説明したが、OFDM変調の代わりに、その他のRF多重、例えば、SCMを使っても良いし、SCMとOFDMの組み合わせを使っても良い。
【実施例2】
【0032】
図3は、4チャネルのデータD1,D2,D3,D4を電気IQ多重及び光IQ多重により伝送する光伝送システムの実施例の概略構成ブロック図を示す。
【0033】
光送信装置110は、データD1,D2,D3,D4を電気IQ多重及び光IQ多重により多重した光信号を生成し、光ファイバ伝送路112に出力する。より詳細に説明すると、D/A変換器134aはデータD1をアナログ信号に変換し、D/A変換器136aはデータD2をアナログ信号に変換する。乗算器138aは、D/A変換器134aの出力信号にコサイン波cos(ωt)を乗算することにより、D/A変換器134aの出力信号をアップコンバートする。また、乗算器140aは、D/A変換器136aの出力信号にサイン波sin(ωt)を乗算することにより、D/A変換器136aの出力信号をアップコンバートする。混合器142aは、乗算器138a,140aの出力信号を混合又は多重する。これで、データD1,D2が、電気的に同相(I)成分と直交(Q)成分で多重される。
【0034】
同様に、D/A変換器134bはデータD3をアナログ信号に変換し、D/A変換器136bはデータD4をアナログ信号に変換する。乗算器138bは、D/A変換器134bの出力信号にコサイン波cos(ωt)を乗算することにより、D/A変換器134bの出力信号をアップコンバートする。また、乗算器140bは、D/A変換器136bの出力信号にサイン波sin(ωt)を乗算することにより、D/A変換器136bの出力信号をアップコンバートする。混合器142bは、乗算器138b,140bの出力信号を混合又は多重する。これで、データD3,D4が、電気的に同相(I)成分と直交(Q)成分で多重される。
【0035】
実施例1と同様に、データD1,D2に対する電気IQ多重の角周波数は、データD3,D4に対する電気IQ多重の角周波数と一致していなくてもよい。
【0036】
レーザダイオード(LD)144は光キャリアとなるコヒーレントなレーザ光を発生し、その出力光は、マッハツェンダ(MZ)干渉計構造を利用する光IQ多重装置146に供給される。即ち、光IQ多重装置146の光分波器148が、LD144の出力光を2分割して、一方を第1のアーム上の光変調器150に印加し、他方を第2のアーム上の光変調器152に印加する。第2のアーム上には、光位相をπ/2だけシフトする位相シフタ154が配置される。光変調器150は、混合器142aの出力電気信号Saに従い、光分波器148からのレーザ光を変調する。他方、光変調器152は、混合器142bの出力電気信号Sbに従い、光分波器148からのレーザ光を変調する。位相シフタ154は、光変調器152の出力光の光位相をπ/2だけシフトする。光合波器156は、光変調器150の出力光と位相シフタ154の出力光を合波する。これにより、信号Saを光I成分で搬送し、信号Sbを光Q成分で搬送する光IQ多重信号が生成され、この光IQ多重信号が、光ファイバ伝送路112に出力される。
【0037】
光変調器150,152は、実施例1の光変調器50,52と同様に、リチウムニオブ結晶等の光学結晶、半導体、又は、これらの光学素子を使用するMZ干渉計型光変調器であってもよい。
【0038】
光ファイバ伝送路112を伝搬した光信号は、光受信装置114に入力する。光IQ分離装置160は実施例1の素子62〜88からなり、信号Sa,Sbを分離及び等化する。電気IQ分離装置162は、光IQ分離装置160の出力信号Saから、電気IQ多重の各成分データD1,D2を分離し、出力する。また、電気IQ分離装置164は、光IQ分離装置160の出力信号Sbから、電気IQ多重の各成分データD3,D4を分離し、出力する。
【0039】
データD1,D2は、同じデータから分離生成された成分、例えば、実数成分と虚数成分であってもよい。同様に、データD3,D4は、同じデータから分離生成された成分、例えば、実数成分と虚数成分であってもよい。
【0040】
データD1,D3が、同じデータから分離生成された成分、例えば、実数成分と虚数成分であってもよく、データD2,D4が、同じデータから分離生成された成分、例えば、実数成分と虚数成分であってもよい。
【実施例3】
【0041】
実施例1では、2つのデータDATA−A,DATA−Bを電気IQ多重と光IQ多重を併用して、伝送した。しかし、電気段階で周波数分割多重を利用することにより、更に多くのデータを伝送でき、スペクトル効率を更に増大できる。
【0042】
図4は、合計2nチャネルのデータDATA−A−1〜DATA−A−n,DATA−B−1〜DATA−B−nを伝送可能な実施例の概略構成ブロック図を示す。光送信装置210は、合計2nチャネルのデータDATA−A−1〜DATA−A−n,DATA−B−1〜DATA−B−nを搬送する光信号を生成して、光ファイバ伝送路212に出力する。光受信装置214は、光ファイバ伝送路212から光信号を受信し、データDATA−A−1〜DATA−A−n,DATA−B−1〜DATA−B−nを復元する。
【0043】
光送信装置210では、OFDM変調器220a−1は、データDATA−A−1をOFDM変調する。電気IQ多重装置222a−1は、OFDM変調器220a−1から出力されるOFDM変調された信号を、角周波数ωa1でI成分とQ成分に分離して多重する。OFDM変調器220a−1は図1に示す実施例のOFDM変調器20aに対応し、電気IQ多重装置222a−1は、図1に示す実施例の素子28a〜42aからなる部分に対応する。
【0044】
同様に、OFDM変調器220a−nは、データDATA−A−nをOFDM変調する。電気IQ多重装置222a−nは、OFDM変調器220a−nから出力されるOFDM変調された信号を、角周波数ωanでI成分とQ成分に分離して多重する。電気IQ多重装置222a−1〜222a−nは互いに異なる角周波数ωb1〜ωanを使用する。
【0045】
多重装置224aは、電気IQ多重装置222a−1〜222a−nの出力電気信号を周波数ドメインで多重する。多重装置224aが混合器42aの機能を兼ねるので、電気IQ多重装置222a−1〜222a−nから混合器42aに対応する回路を省略しても良い。
【0046】
同様に、OFDM変調器220b−1〜220b−nはそれぞれ、データDATA−B−1〜DATA−B−nをOFDM変調する。電気IQ多重装置222b−1〜222b−nはそれぞれ、OFDM変調器220b−1〜220b−nから出力されるOFDM変調された信号を、角周波数ωb1〜ωbnでI成分とQ成分に分離して多重する。角周波数ωb1〜ωbnは互いに異なる。多重装置224bは、電気IQ多重装置222b−1〜222b−nの出力電気信号を周波数ドメインで多重する。多重装置224bが混合器42bの機能を兼ねるので、電気IQ多重装置222b−1〜222b−nから混合器42bに対応する回路を省略しても良い。
【0047】
レーザダイオード(LD)226は光キャリアとなるコヒーレントなレーザ光を発生し、その出力光は、マッハツェンダ(MZ)干渉計構造を利用する光IQ多重装置228に供給される。光IQ多重装置228は、図1に示す光IQ多重装置46と同様の構成からなる。光IQ多重装置228は、LD226の出力光を使って、多重装置224aの出力電気信号Saを光I成分で搬送し、多重装置224bの出力電気信号Sbを光Q成分で搬送する光IQ多重信号を生成する。この光IQ多重信号が、光ファイバ伝送路212に出力される。
【0048】
光ファイバ伝送路212を伝搬した光信号は、光受信装置214に入力する。光IQ分離装置240は、光IQ分離装置160と同様に、実施例1の素子62〜88からなり、信号Sa,Sbを分離及び等化する。
【0049】
分離装置242a、電気IQ分離装置244a−1〜244a−n及びOFDM復調器246a−1〜246a−nが、光IQ分離装置240の出力信号Saから、データDATA−A−1〜DATA−A−nを復元する。
【0050】
具体的には、分離装置242aは、光IQ分離装置240の出力信号Saから、角周波数ωa1〜ωanで搬送される信号成分を分離し、分離した信号成分をそれぞれ電気IQ分離装置244a−1〜244a−nに供給する。
【0051】
電気IQ分離装置244a−1は、角周波数ωa1のサイン波及びコサイン波を使って、I成分とQ成分を分離する。OFDM復調器246a−1は、電気IQ分離装置244a−1の出力信号をOFDM復調して、データDATA−A−1を復元する。同様に、電気IQ分離装置244a−nは角周波数ωanのサイン波及びコサイン波を使ってI成分とQ成分を分離し、OFDM復調器246a−nは、電気IQ分離装置244a−nの出力信号をOFDM復調して、データDATA−A−nを復元する。
【0052】
同様に、分離装置242b、電気IQ分離装置244b−1〜244b−n及びOFDM復調器246b−1〜246b−nが、光IQ分離装置240の出力信号Sbから、データDATA−B−1〜DATA−B−nを復元する。
【0053】
角周波数ωaiは、角周波数ωbiと等しくて良いし、異なっても良い。但し、iは1〜nである。また、多重装置224aの多重周波数の数と、多重装置224bの多重周波数の数は異なっても良い。
【0054】
OFDM変調器220a−1〜220a−n,220b−1〜220b−nの代わりに、その他の変調器を使用しても良い。
【0055】
また、送信すべきデータ信号を直接、電気IQ多重装置222a−1〜222a−n,222b−1〜222b−nに入力しても良い。これは、図3に示す実施例の加算器142a,142bを周波数多重装置に変更し、別の角周波数の電気IQ多重信号を多重するようにした構成に相当する。
【実施例4】
【0056】
光受信装置14,114,214の光IQ分離と等化の構成では、DSP88はRF信号帯域で動作しなければならない。電気IQ分離、即ち、周波数領域でのダウンコンバージョンを先行して実施することで、より低速で動作する等化装置を利用できるようになる。図5は、そのように変更した光受信装置314の概略構成ブロック図を示す。光受信装置14と同じ構成要素には同じ符号を付してある。
【0057】
実施例1で説明したように、差動増幅器76は、信号Saに相当する電気信号を出力し、差動増幅器82は、信号Sbに相当する電気信号を出力する。電気IQ分離装置384は、差動増幅器76の出力信号を角周波数ωでダウンコンバートして、データ信号ch1(A),ch2(A)に相当するデータ信号を分離する。同様に、電気IQ分離装置386は、差動増幅器82の出力信号を角周波数ωでダウンコンバートして、データ信号ch1(B),ch2(B)に相当するデータ信号を分離する。
【0058】
A/D変換器388a,388bは、電気IQ分離装置384の出力信号をデジタル信号に変換して、デジタル信号処理装置392に供給する。A/D変換器390a,390bは、電気IQ分離装置386の出力信号をデジタル信号に変換して、デジタル信号処理装置(DSP)392に供給する。この実施例では、A/D変換器388a,388b,390a,390b及びデジタル信号処理装置392は、光IQ多重と電気IQ多重の伝送特性を等化する等化装置として機能する。デジタル信号処理装置392は、等化されたデータ信号ch1(A),ch2(A)をOFDM復調装置94に出力し、等化されたデータ信号ch1(B),ch2(B)をOFDM復調装置96に出力する。OFDM復調装置94は、信号ch1(A),ch2(A)からデータDATA−Aを復調する。OFDM復調装置96は、信号ch1(B),ch2(B)からデータDATA−Aを復調する。
【0059】
デジタル信号処理装置392による等化を電気IQ分離装置の後段に配置する変更は、図3に示す実施例、及び図4に示す実施例の何れにも有効である。
【0060】
図5に示す構成では4つのA/D変換器388a,388b,390a,390bを必要とするが、低速動作のDSP392を利用できる利点が大きい。
【0061】
特定の説明用の実施例を参照して本発明を説明したが、特許請求の範囲に規定される本発明の技術的範囲を逸脱しないで、上述の実施例に種々の変更・修整を施しうることは、本発明の属する分野の技術者にとって自明であり、このような変更・修整も本発明の技術的範囲に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本発明の実施例1の光送信装置10の概略構成ブロック図である。
【図2】実施例1の光受信装置14の概略構成ブロック図である。
【図3】本発明の実施例2の概略構成ブロック図である。
【図4】本発明の実施例3の概略構成ブロック図である。
【図5】光受信装置の別の構成例の概略構成ブロック図である。
【符号の説明】
【0063】
10:光送信装置
12:光ファイバ伝送路
14:光受信装置
20a,20b:OFDM変調器
22a,22b:デジタル変調器
24a,24b:逆フーリエ変換(IFFT)回路
26a,26b:パラレル/シリアル(P/S)変換器
28a,28b:スイッチ
30a,30b:バッファ
32a,32b:バッファ
34a,34b:D/A変換器
36a,36b:D/A変換器
38a,38b:乗算器
40a,40b:乗算器
42a,42b:混合器
44:レーザダイオード(LD)
46:マッハツェンダ(MZ)干渉計(光IQ多重装置)
48:光分波器
50:光変調器
52:光変調器
54:位相シフタ
56:光合波器
60:入力端子
62:コヒーレントミキサ
64:光ローカル発振器
66:光合分波器
68,70:ビームスプリッタ
72,74:フォトダイオード
76:差動増幅器
78,80:フォトダイオード
82:差動増幅器
84,86:A/D変換器
88:デジタル信号処理装置
90,92:電気IQ分離装置
94,96:OFDM復調装置
110:光送信装置
112:光ファイバ伝送路
114:光受信装置
134a,134b:D/A変換器
136a,136b:D/A変換器
138a,138b:乗算器
140a,140b:乗算器
142a,142b:混合器
144:レーザダイオード(LD)
146:マッハツェンダ(MZ)干渉計(光IQ多重装置)
148:光分波器
150:光変調器
152:光変調器
154:位相シフタ
156:光合波器
160:光IQ分離装置
162,164:電気IQ分離装置
210:光送信装置
212:光ファイバ伝送路
214:光受信装置
220a−1〜220a−n:OFDM変調器
220b−1〜220b−n:OFDM変調器
222a−1〜222a−n:電気IQ多重装置
222b−1〜222b−n:電気IQ多重装置
224a,224b:多重装置
226:レーザダイオード
228:光IQ多重装置
240:光IQ分離装置
242a.242b:分離装置
244a−1〜244a−n:電気IQ分離装置
244b−1〜244b−n:電気IQ分離装置
246a−1〜246a−n:OFDM復調器
246b−1〜246b−n:OFDM復調器
314:光受信装置
384,386:電気IQ分離装置
388a,388b,390a,390b:A/D変換器
392:デジタル信号処理装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光送信装置(10,110)から光受信装置(14,114)に光伝送路(12,112)を介して第1、第2、第3及び第4のデータ信号(ch1(A),ch2(A),ch1(B),ch2(B);D1,D2,D3,D4)を伝送する光伝送システムであって、
当該光送信装置(10,110)が、
第1のデータ信号(ch1(A),D1)及び第2のデータ信号(ch2(A),D2)を電気IQ多重する第1の電気IQ多重装置(38a,40a,42a;138a,140a,142a)と、
第3のデータ信号(ch1(B),D3)及び第4のデータ信号(ch2(B),D4)を電気IQ多重する第2の電気IQ多重装置(38b,40b,42b;138b,140b,142b)と、
コヒーレントレーザ光を発生するレーザ光源(44,144)と、
当該レーザ光源の出力する当該コヒーレントレーザ光を使って、当該第1及び第2の電気IQ多重装置の出力電気信号を光IQ多重する光IQ多重装置(46,146)
とを具備し、
当該光受信装置(14,114)が、
当該光伝送路(12,112)から入力する光信号を光IQ分離し、第1の受信電気信号(Sa)及び第2の受信電気信号(Sb)を出力する光IQ分離装置(62,72〜88;160)と、
当該第1の受信電気信号から、当該第1のデータ信号(ch1(A),D1)に対応する第1の受信データ信号、及び当該第2のデータ信号(ch2(A),D2)に対応する第2の受信データ信号を分離する第1の電気IQ分離装置(90,162)と、
当該第2の受信電気信号から、当該第3のデータ信号(ch1(B),D3)に対応する第3の受信データ信号、及び当該第4のデータ信号(ch2(B),D4)に対応する第4の受信データ信号を分離する第2の電気IQ分離装置(92,164)
とを具備することを特徴とする光伝送システム。
【請求項2】
当該光IQ多重装置が、
第1アームと、
第2アームと、
当該レーザ光源の出力する当該コヒーレントレーザ光を第1成分光と第2成分光に分割し、当該第1の成分光を当該第1アームに供給し、当該第2成分光を当該第2アームに供給する分波器(48,148)と、
当該第1アーム上に配置され、当該第1成分光を当該第1の電気IQ多重装置の出力電気信号に従い変調する第1の変調器(50,150)と、
当該第2アーム上に配置され、当該第2成分光を当該第2の電気IQ多重装置の出力電気信号に従い変調する第2の変調器(52,152)と、
当該第2アーム上に配置され、光位相をπ/2だけシフトする位相シフタ(54,154)と、
当該第1及び第2アームからの光を合波する光合波器(56,156)
とを具備することを特徴とする請求項1に記載の光伝送システム。
【請求項3】
当該光IQ分離装置が、
光ローカル発振器(64)と、
当該光伝送路からの入力光と、当該光ローカル発振器(64)の出力光をコヒーレント混合して互いに直交する第1及び第2の干渉光を生成し、当該第1の干渉光から互いに直交する第1及び第2の偏波成分を分離出力し、当該第2の干渉光から互いに直交する第3及び第4の偏波成分を分離出力するコヒーレントミキサ(62)と、
当該第1の偏波成分及び当該第3の偏波成分を差動受信する第1の差動受信器(72,74,76)と、
当該第2の偏波成分及び当該第4の偏波成分を差動受信する第2の差動受信器(78,80,82)と、
とを具備することを特徴とする請求項1又は2に記載の光伝送システム。
【請求項4】
更に、当該光IQ分離装置の出力信号を等化する等化装置(84,86,88)を具備することを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の光伝送システム。
【請求項5】
更に、当該第1及び第2の電気IQ分離装置の出力信号を等化する等化装置(388a,388b,390a,390b,392)を具備することを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の光伝送システム。
【請求項6】
更に、
当該第1のデータ信号をアナログ信号に変換する第1のD/A変換器(34a,134a)と、
当該第2のデータ信号をアナログ信号に変換する第2のD/A変換器(36a,136a)と、
当該第3のデータ信号をアナログ信号に変換する第3のD/A変換器(34b,134b)と、
当該第4のデータ信号をアナログ信号に変換する第4のD/A変換器(36b,136b)
とを具備し、
当該第1の電気IQ多重装置が、
当該第1のD/A変換器の出力信号に第1のコサイン波を乗算する第1の乗算器(38a,138a)と、
当該第2のD/A変換器の出力信号に第1のサイン波を乗算する第2の乗算器(40a,140a)と、
当該第1及び第2の乗算器の出力信号を多重する第1の多重器(42a,142a)
とを具備し、
当該第2の電気IQ多重装置が、
当該第3のD/A変換器の出力信号に第2のコサイン波を乗算する第3の乗算器(38b,138b)と、
当該第4のD/A変換器の出力信号に第2のサイン波を乗算する第4の乗算器(40b,140b)と、
当該第3及び第4の乗算器の出力信号を多重する第2の多重器(42b,142b)
とを具備することを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の光伝送システム。
【請求項7】
当該光送信装置(10)が、第1の原データ(DATA−A)からOFDM変調により当該第1及び第2のデータ信号(ch1(A),ch2(A))を生成する第1のOFDM変調器(20a,28a)と、第2の原データ(DATA−A)からOFDM変調により当該第3及び第4のデータ信号(ch1(B),ch2(B))を生成する第2のOFDM変調器(20b,28b)とを具備し、
当該光受信装置(14)が、
当該第1の電気IQ分離装置(90)から出力される当該第1及び第2の受信データ信号からOFDM復調により当該第1の原データを復元する第1のOFDM復調器(94)と、
当該第2の電気IQ分離装置(92)から出力される当該第3及び第4の受信データ信号からOFDM復調により当該第2の原データを復元する第2のOFDM復調器(96)
とを具備することを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載の光伝送システム。
【請求項8】
第1のデータ信号(D1)及び第2のデータ信号(D2)を電気IQ多重して、第1の電気IQ多重信号を生成する第1の電気IQ多重ステップ(138a,140a,142a)と、
第3のデータ信号(D3)及び第4のデータ信号(D4)を電気IQ多重して、第2の電気IQ多重信号を生成する第2の電気IQ多重ステップ(138b,140b,142b)と、
レーザ光源(144)の出力するコヒーレントレーザ光を使って、当該第1及び第2の電気IQ多重信号を光IQ多重し、光IQ多重信号を生成する光IQ多重ステップ(146)と、
当該光IQ多重信号を光IQ分離し、第1の受信電気信号(Sa)及び第2の受信電気信号(Sb)を出力する光IQ分離ステップ(160)と、
当該第1の受信電気信号から当該第1のデータ信号(D1)及び当該第2のデータ信号(D2)を分離する第1の電気IQ分離ステップ(162)と、
当該第2の受信電気信号から当該第3のデータ信号(D3)及び当該第4のデータ信号(D4)を分離する第2の電気IQ分離ステップ(164)
とを具備することを特徴とする光伝送方法。
【請求項9】
当該光IQ分離ステップが、当該第1の受信電気信号(Sa)及び第2の受信電気信号(Sb)を等化する等化ステップを具備することを特徴とする請求項8に記載の光伝送方法。
【請求項10】
更に、当該第1及び第2の電気IQ分離ステップの出力信号を等化する等化ステップを具備することを特徴とする請求項8に記載の光伝送方法。
【請求項11】
第1のデータ信号(ch1(A),D1)及び第2のデータ信号(ch2(A),D2)を電気IQ多重する第1の電気IQ多重装置(38a,40a,42a;138a,140a,142a)と、
第3のデータ信号(ch1(B),D3)及び第4のデータ信号(ch2(B),D4)を電気IQ多重する第2の電気IQ多重装置(38b,40b,42b;138b,140b,142b)と、
コヒーレントレーザ光を発生するレーザ光源(44,144)と、
当該レーザ光源の出力する当該コヒーレントレーザ光を使って、当該第1及び第2の電気IQ多重装置の出力電気信号を光IQ多重する光IQ多重装置(46,146)
とを具備することを特徴とする光送信装置。
【請求項12】
当該光IQ多重装置が、
第1アームと、
第2アームと、
当該レーザ光源の出力する当該コヒーレントレーザ光を第1成分光と第2成分光に分割し、当該第1の成分光を当該第1アームに供給し、当該第2成分光を当該第2アームに供給する分波器(48,148)と、
当該第1アーム上に配置され、当該第1成分光を当該第1の電気IQ多重装置の出力電気信号に従い変調する第1の変調器(50,150)と、
当該第2アーム上に配置され、当該第2成分光を当該第2の電気IQ多重装置の出力電気信号に従い変調する第2の変調器(52,152)と、
当該第2アーム上に配置され、光位相をπ/2だけシフトする位相シフタ(54,154)と、
当該第1及び第2アームからの光を合波する光合波器(56,156)
とを具備することを特徴とする請求項11に記載の光送信装置。
【請求項13】
更に、
当該第1のデータ信号をアナログ信号に変換する第1のD/A変換器(34a,134a)と、
当該第2のデータ信号をアナログ信号に変換する第2のD/A変換器(36a,136a)と、
当該第3のデータ信号をアナログ信号に変換する第3のD/A変換器(34b,134b)と、
当該第4のデータ信号をアナログ信号に変換する第4のD/A変換器(36b,136b)
とを具備し、
当該第1の電気IQ多重装置が、
当該第1のD/A変換器の出力信号に第1のコサイン波を乗算する第1の乗算器(38a,138a)と、
当該第2のD/A変換器の出力信号に第1のサイン波を乗算する第2の乗算器(40a,140a)と、
当該第1及び第2の乗算器の出力信号を多重する第1の多重器(42a,142a)
とを具備し、
当該第2の電気IQ多重装置が、
当該第3のD/A変換器の出力信号に第2のコサイン波を乗算する第3の乗算器(38b,138b)と、
当該第4のD/A変換器の出力信号に第2のサイン波を乗算する第4の乗算器(40b,140b)と、
当該第3及び第4の乗算器の出力信号を多重する第2の多重器(42b,142b)
とを具備することを特徴とする請求項11又は12に記載の光送信装置。
【請求項14】
更に、
第1の原データ(DATA−A)からOFDM変調により当該第1及び第2のデータ信号(ch1(A),ch2(A))を生成する第1のOFDM変調器(20a,28a)と、
第2の原データ(DATA−B)からOFDM変調により当該第3及び第4のデータ信号(ch1(B),ch2(B))を生成する第2のOFDM変調器(20b,28b)
とを具備することを特徴とする請求項11乃至13の何れか1項に記載の光送信装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−211713(P2008−211713A)
【公開日】平成20年9月11日(2008.9.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−48522(P2007−48522)
【出願日】平成19年2月28日(2007.2.28)
【出願人】(000208891)KDDI株式会社 (2,700)
【Fターム(参考)】