説明

光伝送システム、励起光供給制御方法及び励起光供給装置

【課題】励起光間の相互作用を低減する。
【解決手段】光信号を送信する光送信局10と、光信号を伝送する光伝送路30−1〜30−4と、光伝送路を介して光信号を受信する光受信局11と、光伝送路を増幅媒体として光信号をラマン増幅する励起光を供給する複数の励起光源12−1〜12−3と、励起光を光伝送路に入射するとともに、光送信局と光受信局とで協働して光伝送路について複数の区間を形成する複数の光カプラ15−1〜15−3とをそなえた光伝送システムにおいて、複数の励起光源は、複数の励起光のうち他の励起光をラマン増幅する一の励起光と当該他の励起光とが複数の区間のうちそれぞれ異なる区間を増幅媒体として光信号をラマン増幅するように、各励起光を複数の光カプラを介して光伝送路に入射する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光伝送システム、励起光供給制御方法及び励起光供給装置に関する。前記光伝送システムには、例えば、光伝送路を増幅媒体として信号光を増幅する分布ラマン増幅が適用される光伝送システムが含まれる。
【背景技術】
【0002】
従来、光伝送システムでは、光送信局と光受信局との間に設けられた中継装置が、信号光を電気信号に変換した状態で、増幅(Re-amplification),タイミング補正(Re-timing),波形整形(Re-shaping)からなる3R処理を実行し、その後、電気信号から信号光へ変換して、次の中継装置に送出していた。
しかし、現在では、光信号を光のまま増幅する光増幅器の実用化が進んできており、光増幅器を中継処理用に用いる光伝送システムが検討されている。光増幅器を用いた光伝送システムでは、各装置を構成する部品の数が大幅に削減され、信頼性が向上し、さらにコストダウンを図ることができる。
【0003】
一方、インターネット等の普及に伴いネットワークを介して伝送される情報の量が増加してきており、光伝送システムを大容量化するための技術が盛んに研究されている。
光伝送システムの大容量化を実現するための方法として、例えば、波長分割多重(WDM:Wavelength Division Multiplex)光伝送方式がある。
WDM光伝送方式は、互いに波長の異なる複数の搬送波を用いて複数の信号を多重化して伝送する方式であり、光ファイバ1本あたりの情報伝送量が飛躍的に増加する。
【0004】
ここで、WDM光伝送方式を用いた光伝送システムの構成の一例を図1に示す。
この図1に示す光伝送システムは、例示的に、光送信局1と、光受信局2と、光送信局1と光受信局2との間を接続する光伝送路3と、光伝送路3の途中に適宜配置される光増幅器4とをそなえる。
光送信局1は、例えば、波長の異なる信号光をそれぞれ出力する複数の光送信器1Aと、各信号光を波長多重する合波器1Bと、合波器1Bから出力されるWDM光を所定のレベルに増幅して光伝送路3へ送出するポストアンプ1Cとをそなえる。なお、図1に例示する光送信器1Aは、電気信号としてのデータを光信号へ変換する電気/光変換器(E/O:Electrical/Optical converter)として構成されている。
【0005】
また、光伝送路3は、例えば、光送信局1と光受信局2との間を接続する光ファイバなどにより構成される。光伝送路3の途中には、少なくとも1つの光増幅器4が介装され、光送信局1から送出されたWDM光は、光伝送路3での伝搬と光増幅器4での光増幅とを繰り返されて、光受信局2まで到達する。
また、光受信局2は、例えば、光送信局1からのWDM光を受信し所定のレベルに増幅するプリアンプ2Cと、増幅されたWDM光を波長毎に分波する分波器2Bと、分波された各信号光についてそれぞれ所定の受信処理を施す複数の光受信器2Aとをそなえる。なお、図1に例示する光受信器2Aは、光信号を電気信号へ変換する光/電気変換器(O/E:Optical/Electrical converter)として構成されている。
【0006】
上記光伝送システムの光増幅器4には、一般的に、エルビウム添加光ファイバ増幅器(EDFA:Erbium Doped Fiber Amplifier)が用いられる。
ここで、EDFAの利得波長帯域は1.55μm帯(Cバンドともいう)であり、また、利得帯域を長波長側へシフトしたGS−EDFA(Gain Shifted-EDFA)の利得波長帯域は、1.58μm帯(Lバンドともいう)である。各利得波長帯域には、30nm以上の波長帯域幅があるので、Cバンド向け合分波器及びLバンド向け合分波器を用いて2つの信号光波長帯域を併用することにより、60nm以上の信号光帯域を実現することが可能である。
【0007】
また、光伝送システムの大容量化の要求に対し、上述したような信号光の広帯域化が検討されている一方、1波長当たりの通信容量を約40Gb/秒や約100Gb/秒以上とすることが可能な光送受信器の研究開発が行なわれている。
しかし、1波長当たりの伝送容量を大きくした場合、光信号対雑音比(OSNR:Optical Signal to Noise Ratio)が低下し、伝送信号の品質がより劣化することがある。
【0008】
そこで、光伝送システムにおけるOSNRを改善すべく、分布ラマン増幅方式の適用が検討されている。なお、分布ラマン増幅方式とは、光伝送路を増幅媒体として用いる増幅方式のことを称し、これに対し、光送信局,光受信局または光中継器内の光伝送路を増幅媒体として用いる増幅方式を集中ラマン増幅と称する。
分布ラマン増幅方式では、伝送区間内の光レベルダイヤをより平坦化することができるので、伝送後の信号光についてのOSNRを改善したり、光伝送路中の非線形効果を低減したりすることが可能となる。
【0009】
また、ラマン増幅における利得のピーク光周波数は、励起光の周波数よりも約13.2THz小さいため、ラマン増幅では、励起光の波長よりも長波長側にラマン増幅利得が現れる。例えば、1.45μmの励起光波長に対して、そのラマン増幅利得のピーク波長は1.45μmから約100nm長波長側にシフトした1.55μmとなる。
従って、ラマン増幅においては、各励起光の波長及びパワーを調整することにより、増幅利得を平坦化したり、ラマン増幅の対象となる波長帯域及び帯域幅を制御したりすることができる。
【0010】
なお、下記特許文献1には、送信局,受信局及び中継局のうち少なくとも2個の局から光伝送路に波長が2種類以上の励起光をそれぞれ供給することで、光通信システム全体としてほぼ平坦な利得波長特性を得る方法が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】国際公開第2002/017010号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
光伝送路として用いられる光ファイバは、商用化されている波長帯域においては、短波長側の光信号の方が長波長側の光信号よりも伝送損失が大きく、また、信号光間での誘導ラマン散乱により、短波長側の信号光から長波長側の信号光へ光パワーが遷移する。
また、分布ラマン増幅方式において、光送信局または光受信局から励起光を光伝送路に供給する場合、光送信局と光受信局との間の中継間隔が長くなるほど、要求されるラマン増幅利得は大きくなる。
【0013】
このため、励起光の入射端付近で励起光のエネルギーの大部分が信号光に移動し、いわゆる励起光減衰(pump-depletion)が発生する。その結果、光伝送路の中央付近では、十分なパワーの励起光が到達せず、光伝送システムのOSNRが劣化する場合がある。特に、光伝送路へ入力される信号光のパワーが比較的大きい領域でラマン増幅作用が発生する前方励起方式を用いる場合、この現象は一層顕著となる。
【0014】
また、ラマン増幅方式において、波長の異なる複数の励起光を用いる場合、短波長側の励起光が長波長側の励起光をラマン増幅することがある。つまり、短波長側の励起光のエネルギーが長波長側の励起光へ遷移する、励起光間の相互作用が発生することがある。
特に、励起光を光伝送路の信号光入射端から入射する前方励起方式、あるいは、励起光を光伝送路の信号光出射端から入射する後方励起方式の場合、励起光入射端における各波長の励起光パワーが比較的大きいので、励起光間の相互作用が非常に大きくなる。
【0015】
ここで、異なる波長を有する各励起光を光伝送路の信号光出射端から入射した場合の各励起光のパワー分布の一例を図2に示す。なお、図2において、横軸は光伝送路の長手方向の長さ(距離)を表し、縦軸は各励起光のパワーを表している。
この図2に例示するように、実線で表した短波長側の励起光パワーP1の方が、一点鎖線で表した長波長側の励起光パワーP2よりも、励起光入射端においてより急減する傾向にある。
【0016】
以上のように、従来の分布ラマン増幅方式を適用した光伝送システムでは、特に、信号光帯域の短波長側でのOSNRの劣化が増大することがある。
また、図3に例示するように、励起光及び信号光の波長配置によっては、短波長側の励起光は、信号光のみならず長波長側の励起光をもラマン増幅することがある。
しかしながら、前述の特許文献1では、励起光間の相互作用を低減することについての議論はなされておらず、信号光帯域の短波長側でのOSNRの劣化を防いだり、ラマン増幅利得の平坦化制御を行なったりすることは困難であった。
【0017】
そこで、本発明は、励起光間の相互作用を低減することを目的の1つとする。
また、ラマン増幅利得の平坦化制御を容易に行なうことも他の目的の1つである。
なお、前記目的に限らず、後述する発明を実施するための形態に示す各構成により導かれる作用効果であって、従来の技術によっては得られない作用効果を奏することも本発明の他の目的の一つとして位置付けることができる。
【課題を解決するための手段】
【0018】
(1)第1の案として、光信号を送信する第1の光伝送装置と、前記光信号を伝送する光伝送路と、前記光伝送路を介して前記光信号を受信する第2の光伝送装置と、前記光伝送路を増幅媒体として前記光信号をラマン増幅する励起光を供給する複数の励起光源と、前記励起光を前記光伝送路に入射するとともに、前記第1の光伝送装置と前記第2の光伝送装置とで協働して前記光伝送路について複数の区間を形成する複数の光カプラとをそなえ、前記複数の励起光源から供給される励起光のうち、他の励起光をラマン増幅する一の励起光と前記他の励起光とが、前記複数の区間のうちそれぞれ異なる区間を増幅媒体として前記光信号をラマン増幅するように、前記光伝送路に入射される、光伝送システムを用いることができる。
【0019】
(2)また、第2の案として、光信号を送信する第1の光伝送装置と、前記光信号を伝送する光伝送路と、前記光伝送路を介して前記光信号を受信する第2の光伝送装置と、前記光伝送路を増幅媒体として前記光信号をラマン増幅する励起光を供給する複数の励起光源と、前記励起光を前記光伝送路に入射するとともに、前記第1の光伝送装置と前記第2の光伝送装置とで協働して前記光伝送路について複数の区間を形成する複数の光カプラとをそなえた光伝送システムにおける励起光供給制御方法であって、前記複数の励起光源は、複数の励起光のうち他の励起光をラマン増幅する一の励起光と前記他の励起光とが前記複数の区間のうちそれぞれ異なる区間を増幅媒体として前記光信号をラマン増幅するように、各励起光を前記複数の光カプラに供給し、前記複数の光カプラは、前記複数の励起光源からの各励起光を前記光伝送路に入射する、励起光供給制御方法を用いることができる。
【0020】
(3)さらに、第3の案として、光信号を送信する第1の光伝送装置と、前記光信号を伝送する光伝送路と、前記光伝送路を介して前記光信号を受信する第2の光伝送装置と、前記光伝送路を増幅媒体として前記光信号をラマン増幅する励起光を供給する複数の励起光源と、前記励起光を前記光伝送路に入射するとともに、前記第1の光伝送装置と前記第2の光伝送装置とで協働して前記光伝送路について複数の区間を形成する複数の光カプラとをそなえた光伝送システムにおける励起光供給装置であって、前記複数の励起光源から供給される各励起光を前記複数の光カプラのいずれかに出力するスイッチと、前記スイッチを制御することにより、前記複数の励起光源から供給される励起光のうち他の励起光をラマン増幅する一の励起光と前記他の励起光とが前記複数の区間のうちそれぞれ異なる区間を増幅媒体として前記光信号をラマン増幅するように、各励起光を前記複数の光カプラのいずれかに供給する処理部と、をそなえる、励起光供給装置を用いることができる。
【発明の効果】
【0021】
励起光間の相互作用を低減することができる。
また、ラマン増幅利得の平坦化制御を容易に行なうことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】WDM光伝送方式を用いた光伝送システムの構成の一例を示す図である。
【図2】励起光パワー分布の一例を示す図である。
【図3】励起光及び信号光の波長配置、並びに、ラマン増幅によるパワー遷移の一例を示す図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る光伝送システムの構成の一例を示す図である。
【図5】本発明の第1変形例に係る光伝送システムの構成の一例を示す図である。
【図6】本発明の第2変形例に係る光伝送システムの構成の一例を示す図である。
【図7】本発明の第3変形例に係る光伝送システムの構成の一例を示す図である。
【図8】本発明の第4変形例に係る光伝送システムの構成の一例を示す図である。
【図9】本発明の第5変形例に係る光伝送システムの構成の一例を示す図である。
【図10】本発明の第6変形例に係る光伝送システムの構成の一例を示す図である。
【図11】本発明の第7変形例に係る光伝送システムの構成の一例を示す図である。
【図12】本発明の第8変形例に係る光伝送システムの構成の一例を示す図である。
【図13】本発明の第9変形例に係る光伝送システムの構成の一例を示す図である。
【図14】(A)〜(D)は、マルチコア光ファイバにおけるコア配置の一例を示す図である。
【図15】本発明の第10変形例に係る光伝送システムの構成の一例を示す図である。
【図16】(A)〜(C)は、図15に示す光伝送システムにおけるコア間結合方法の一例を示す図である。
【図17】(A)〜(C)は、図15に示す光伝送システムにおけるコア間結合方法の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。ただし、以下に示す実施の形態は、あくまでも例示に過ぎず、以下に示す一実施形態及び各変形例で明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。即ち、以下に示す一実施形態及び各変形例を、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できることはいうまでもない。
〔1〕一実施形態
図4は一実施形態に係る光伝送システムの構成の一例を示す図である。
【0024】
この図4に示す光伝送システムは、例示的に、光送信局10と、光受信局11と、伝送セクション13−1,13−2,13−3,13−4と、合波セクション14−1,14−2,14−3と、複数の励起光源12−1〜12−3とをそなえる。なお、図4に例示した光伝送システムの構成はあくまで一例であり、伝送セクション13−1〜13−4,合波セクション14−1〜14−3及び励起光源12−1〜12−3の数は、それぞれ図4の例に限定されない。
【0025】
光送信局10は、光信号を送信する第1の光伝送装置の一例として機能する。なお、光送信局10は、図1の光送信局1と同様、例えば、波長の異なる信号光をそれぞれ出力する複数の光送信器1Aと、各信号光を波長多重する合波器1Bと、合波器1Bから出力されるWDM光を所定のレベルに増幅して光伝送路3へ送出するポストアンプ1Cとをそなえて構成されてもよい。
【0026】
光送信局10から送信された光信号は、伝送セクション13−1,合波セクション14−1,伝送セクション13−2,合波セクション14−2,伝送セクション13−3,合波セクション14−3,伝送セクション13−4を伝送し、光受信局11で受信される。
なお、伝送セクション13−1は、光伝送路30−1によって構成されている。また、伝送セクション13−2は、光伝送路30−2,30−7によって構成され、伝送セクション13−3は、光伝送路30−3,30−6,30−9によって構成されている。さらに、伝送セクション13−4は、光伝送路30−4,30−5,30−8,30−10によって構成されている。
【0027】
また、合波セクション14−1は、光カプラ15−1によって構成され、合波セクション14−2は、光カプラ15−2によって構成され、合波セクション14−3は、光カプラ15−3によって構成されている。
このように、光カプラ15−1〜15−3は、光伝送路30−1〜30−4のそれぞれ異なる位置に設けられている。即ち、光カプラ15−1〜15−3は、光送信局10と光受信局11とで協働して光伝送路30−1〜30−4について複数の区間を形成している。
【0028】
図4のように構成された光伝送システムでは、光送信局10から送信された光信号は、光伝送路30−1,光カプラ15−1,光伝送路30−2,光カプラ15−2,光伝送路30−3,光カプラ15−3,光伝送路30−4を伝送し、光受信局11で受信される。このように、光送信局10から送信された光信号は、例えば、3R処理などを行なう光中継装置を介することなく光伝送路30−1〜30−4を伝送し、光受信局11に到達する。
【0029】
一方、光受信局11は、光伝送路30−1〜30−4を介して、光送信局10から送信された光信号を受信する第2の光伝送装置の一例として機能する。なお、光受信局11は、図1の光受信局2と同様、例えば、光送信局10からのWDM光を受信し所定のレベルに増幅するプリアンプ2Cと、増幅されたWDM光を波長毎に分波する分波器2Bと、分波された各信号光についてそれぞれ所定の受信処理を施す複数の光受信器2Aとをそなえて構成されてもよい。
【0030】
また、励起光源12−1〜12−3は、光伝送路30−1〜30−4を増幅媒体として光信号をラマン増幅する、それぞれ異なる波長λ1〜λ3の励起光を供給する。なお、図4に示す例では、各励起光の波長はそれぞれ単一の波長λ1〜λ3からなるが、少なくともいずれかの励起光が、複数波長からなる波長帯域の励起光であってもよい。
例えば、励起光源12−1は、λ1の波長を有する励起光を出力する。励起光源12−1から出力された波長λ1の励起光は、励起光用の光伝送路30−5,30−6,30−7を伝送し、光カプラ15−1によって、光信号用の光伝送路30−1に入射される。即ち、励起光源12−1から供給された波長λ1の励起光は、後方励起方式により、光伝送路30−1を増幅媒体として光信号をラマン増幅するようになっている。
【0031】
また、例えば、励起光源12−2は、λ2(>λ1)の波長を有する励起光を出力する。励起光源12−2から出力された波長λ2の励起光は、励起光用の光伝送路30−8,30−9を伝送し、光カプラ15−2によって、光信号用の光伝送路30−2に入射される。即ち、励起光源12−2から供給された波長λ2の励起光は、後方励起方式により、光伝送路30−2を増幅媒体として光信号をラマン増幅するようになっている。なお、励起光源12−2から供給された波長λ2の励起光は、光伝送路30−2を増幅媒体として光信号をラマン増幅した後、光伝送路30−1に到達し、光伝送路30−1を増幅媒体として光信号をラマン増幅してもよい。
【0032】
さらに、例えば、励起光源12−3は、λ3(>λ2)の波長を有する励起光を出力する。励起光源12−3から出力された波長λ3の励起光は、励起光用の光伝送路30−10を伝送し、光カプラ15−3によって、光信号用の光伝送路30−3に入射される。即ち、励起光源12−3から供給された波長λ3の励起光は、後方励起方式により、光伝送路30−3を増幅媒体として光信号をラマン増幅するようになっている。なお、励起光源12−3から供給された波長λ3の励起光は、光伝送路30−3を増幅媒体として光信号をラマン増幅した後、光伝送路30−2や光伝送路30−1に到達し、光伝送路30−2や光伝送路30−1を増幅媒体として光信号をラマン増幅してもよい。
【0033】
なお、各励起光源12−1〜12−3は、光受信局11内,光送信局10内,他の局内あるいは他の装置内のいずれかに適宜設けられる。例えば、システムコスト削減の観点から、各励起光源12−1〜12−3は、各光カプラ15−1〜15−3までの光伝送路30−5〜30−10の長さがなるべく小さくなるような位置に設けられるのが望ましい。
ここで、図4に示す例では、λ1の励起光とλ2及びλ3の励起光のいずれかとの間で励起光間の相互作用が生じるとともに、λ2の励起光とλ3の励起光との間で励起光間の相互作用が生じる可能性があるような、各励起光の波長配置を想定している。
【0034】
このため、図4に例示した光伝送システムでは、複数の励起光源12−1〜12−3から供給される励起光のうち、他の励起光をラマン増幅する一の励起光と当該他の励起光とが、光伝送路30−1〜30−4における同一区間を増幅媒体として光信号をラマン増幅しないように、光伝送路30−1〜30−4に入射されている。
即ち、励起光間の相互作用が生じうる波長配置関係にあるλ1〜λ3の各励起光が、光伝送路30−1〜30−4について、それぞれ異なる区間を増幅媒体として光信号をラマン増幅するように、光伝送路30−1〜30−4に入射されている。
【0035】
以上のように、本例では、励起光間の相互作用を低減することができるので、効率よくラマン増幅利得を得ることができる。
また、長波長側の光信号よりも短波長側の光信号の方が光伝送路30−1〜30−4における伝送損失が大きく、信号光間の誘導ラマン散乱による信号光パワーの劣化も大きいことや、信号光波長帯域内のOSNRの平坦化の観点などから、短波長側の励起光を長波長側の励起光よりも光送信局10に近い入射位置から合波するのが望ましい。
【0036】
即ち、複数の励起光源12−1〜12−3から供給される励起光のうち、短波長側(λ1あるいはλ2)の励起光の光伝送路30−1〜30−4への入射位置が、長波長側(λ2,λ3あるいはλ3)の励起光の光伝送路30−1〜30−4への入射位置よりも光送信局10に近い方が望ましい。
また、長波長側の光信号よりも短波長側の光信号の方が光伝送路30−1〜30−4における伝送損失が大きく、信号光間の誘導ラマン散乱による信号光パワーの劣化も大きいことや、信号光波長帯域内のOSNRの平坦化の観点などから、短波長側の励起光のパワーは、長波長側の励起光のパワーよりも大きいのが望ましい。
【0037】
これにより、広帯域にわたって、より平坦な光信号レベルダイヤを実現できるほか、光伝送システムのOSNRを改善することができる。
さらに、短波長側の光信号についてのOSNRを改善するとともに、励起光間の相互作用を低減できるため、ラマン増幅における利得特性の平坦化制御を容易に行なうことが可能となる。
【0038】
〔2〕第1変形例
図4に示した例では、励起光源12−2から出力された波長λ2の励起光及び励起光源12−3から出力された波長λ3の励起光は、それぞれ、光伝送路30−2,30−3で十分減衰しており、光伝送路30−1,30−2には到達しないものと考えた。
しかし、各励起光のパワーによっては、励起光源12−2から出力された波長λ2の励起光が光伝送路30−1に到達したり、励起光源12−3から出力された波長λ3の励起光が光伝送路30−2,30−1に到達したりすることも考えられる。このような場合には、励起光間の相互作用が生じる可能性がある。
【0039】
そこで、図5に例示するように、光伝送システムは、励起光間の相互作用が発生する波長配置関係にある各励起光が同一区間へ進入しないように遮断する少なくとも1つの光フィルタ32−1,32−2をそなえていてもよい。なお、図5中、図4記載の各構成と同じ符号を有する構成については、図4記載の各構成と同様の機能を具備するものであるため、その説明を省略する。
【0040】
ここで、光フィルタ32−1は、例えば、光伝送路30−2と光カプラ15−1との間に介装され、λ2の励起光を遮断するとともに光信号を透過するフィルタ特性を有するバンドパスフィルタまたはハイパスフィルタとして構成される。
また、光フィルタ32−2は、例えば、光伝送路30−3と光カプラ15−2との間に介装され、λ3の励起光を遮断するとともに光信号を透過するフィルタ特性を有するバンドパスフィルタまたはハイパスフィルタとして構成される。
【0041】
本例によれば、図4で前述した一実施形態と同様の効果を得られるほか、励起光間の相互作用の発生を確実に防止することが可能となる。
〔3〕第2変形例
図4及び図5の例では、λ1,λ2及びλ3の各励起光間で相互作用が発生する場合を想定し、各励起光をそれぞれ異なる入射位置から光伝送路30−1〜30−4に入射した。しかし、各励起光の波長配置によっては、一部の励起光間で相互作用が発生しない場合がある。このような場合、例えば、当該一部の励起光を予め合波してから光伝送路30−1〜30−4に入射してもよい。
【0042】
図6は第2変形例に係る光伝送システムの構成の一例を示す図である。なお、図6中、図4記載の各構成と同じ符号を有する構成については、図4記載の各構成と同様の機能を具備するものであるため、その説明を省略する。
この図6に例示する光伝送システムでは、例えば、λ1の励起光とλ2の励起光との間で相互作用が発生せず、λ1の励起光とλ3の励起光との間、並びに、λ2の励起光とλ3の励起光との間で相互作用が発生する場合を想定している。
【0043】
このような場合、図6に例示するように、λ1の励起光とλ2の励起光とを、光信号が伝送する光伝送路30−1〜30−4とは異なる方路に設けられた光カプラ15−4で合波してから、光伝送路30−11を介して光カプラ15−1へ送出し、合波後の励起光を光伝送路30−1または30−2に入射してもよい。なお、この場合も、λ1及びλ2の各励起光を合波した励起光との間で相互作用が発生するλ3の励起光については、光伝送路30−10及び光カプラ15−3を介して、合波後の励起光の伝送区間とは異なる伝送区間を伝送するように光伝送路30−3または30−4に入射するのが望ましい。
【0044】
本例によれば、図4で前述した一実施形態と同様の効果が得られるほか、光伝送システムの設計についての自由度が向上するという利点がある。
〔4〕第3変形例
また、図7に例示するように、光送信局10と光受信局11との間に少なくとも1つの光中継器16が設けられてもよい。
【0045】
この場合、例えば、光送信局10と光中継器16との間、光中継器16間、光中継器16と光受信局11との間のそれぞれ(中継スパン毎)に、図4〜図6に例示した構成や、図8〜図13,図15で例示する構成などを適宜組み合わせて用いてもよい。即ち、図7中、符号17−1,17−2,・・・,17−m(mは自然数)で示す光処理ユニットの内部構成は、同一の構成としてもよいし、一部について異なる構成としてもよい。なお、図7中、図4記載の各構成と同じ符号を有する構成については、図4記載の各構成と同様の機能を具備するものであるため、その説明を省略する。
【0046】
即ち、光送信局10と光中継器16との間に着目すれば、光送信局10が第1の光伝送装置の一例として機能するとともに、光中継器16が第2の光伝送装置の一例として機能するし、光中継器16間に着目すれば、光送信局10に近い方に設けられた光中継器16が第1の光伝送装置の一例として機能するとともに、光受信局11に近い方に設けられた光中継器16が第2の光伝送装置の一例として機能する。また、光中継器16と光受信局11との間に着目すれば、光中継器16が第1の光伝送装置の一例として機能するとともに、光受信局11が第2の光伝送装置の一例として機能する。
【0047】
なお、光中継器16は、例えば、信号光を電気信号に変換した状態で増幅、タイミング補正、波形整形からなる3R処理を施し、その後、電気信号から信号光への変換を行なって光受信局11側へ送出する装置を含むほか、信号光を光のまま種々の中継処理を施して光受信局11側へ送出する装置を含む。
本例によれば、光送信局10と光受信局11との間に少なくとも1つの光中継器16をそなえた光伝送システムにおいても、図4で前述した一実施形態と同様の効果を得ることが可能となる。
【0048】
〔5〕第4変形例
また、光伝送システムにおいて、複数の励起光源12−1〜12−3からの励起光をどの光カプラ15−1〜15−3に供給するかについて決定する処理装置(励起光供給装置)31を用いてもよい。
例えば、図8に示す光伝送システムは、図4に例示した光伝送システムの構成に加え、各励起光の入射位置を切り替え制御する処理装置31をそなえている。なお、図8中、図4記載の各構成と同じ符号を有する構成については、図4記載の各構成と同様の機能を具備するものであるため、その説明を省略する。
【0049】
ここで、処理装置31は、例示的に、処理部(プロセッサ)19と、スイッチ(SW)20とをそなえる。
SW20は、プロセッサ19による制御に応じて、励起光源12−1〜12−3からの励起光の出力先を切り替える。
また、プロセッサ19は、SW20を制御することにより、複数の励起光源12−1〜12−3から供給される励起光のうち他の励起光をラマン増幅する一の励起光と他の励起光とが複数の区間30−1〜30−4のうちそれぞれ異なる区間を増幅媒体として光信号をラマン増幅するように、各励起光を複数の光カプラ15−1〜15−3のいずれかに供給する。
【0050】
本例によれば、図4で前述した一実施形態と同様の効果を得ることが可能となる。
なお、図8に示した例では、励起光の波長数と入射位置の数とが同じであったが、本例は、これに限定されない。例えば、入射位置の数(つまり、光カプラ15−1〜15−3の数)が励起光の波長数(つまり、励起光源12−1〜12−3の数)よりも多い場合においても本例を適用することができ、この場合、特に、各励起光の入射位置を適切に決定することが可能となる。
【0051】
〔6〕第5変形例
また、どの波長の励起光をどの入射位置(光カプラ15−1〜15−3)から入射するかは、例えば、光信号の受信品質のモニタ結果に基づいて決定されるようにしてもよい。
例えば、図9に示す光伝送システムは、図4に例示した光伝送システムの構成に加え、光信号の受信品質のモニタ結果に基づいて各励起光の入射位置を切り替え制御する処理装置(励起光供給装置)31´をそなえている。なお、図9中、図4記載の各構成と同じ符号を有する構成については、図4記載の各構成と同様の機能を具備するものであるため、その説明を省略する。
【0052】
ここで、処理装置31´は、例示的に、モニタ18と、プロセッサ19と、SW20とをそなえる。
モニタ18は、光受信局11で受光される光信号の受信品質を監視する。なお、モニタ18で監視される受信品質には、例えば、OSNRや信号光のパワーレベルなどが含まれる。
【0053】
プロセッサ19は、モニタ18での監視結果に基づいて、SW20を制御する。
SW20は、プロセッサ19による制御に応じて、励起光源12−1〜12−3からの励起光の出力先を切り替える。
プロセッサ19による制御方法としては、例えば、まず、λ2及びλ3の励起光についてSW20で遮断するとともに、λ1の励起光のみについて入射位置を切り替え、光信号の受信品質が最もよくなるλ1の励起光の入射位置を決定する。
【0054】
次に、λ3の励起光についてSW20で遮断するとともに、λ2の励起光のみについて入射位置を切り替え、光信号の受信品質が最もよくなるλ1及びλ2の励起光の各入射位置を決定する。なお、λ1の励起光とλ2の励起光との間で相互作用が発生する場合は、λ2の励起光の入射位置を、λ1の励起光の入射位置とは異なる入射位置から選択して決定するのが望ましい。
【0055】
そして、λ3の励起光について入射位置を切り替え、光信号の受信品質が最もよくなるλ1〜λ3の励起光の各入射位置を決定する。なお、λ3の励起光と他の励起光との間で相互作用が発生する場合は、λ3の励起光の入射位置を、他の励起光の入射位置とは異なる入射位置から選択して決定するのが望ましい。
本例によれば、光信号の受信品質に基づいて、各励起光の入射位置を決定するので、図4で前述した一実施形態と同様の効果が得られるとともに、より確実に光信号の受信品質を向上させることが可能となる。
【0056】
なお、図9に示した例では、励起光の波長数と入射位置の数とが同じであったが、本例は、これに限定されない。例えば、入射位置の数(つまり、光カプラ15−1〜15−3の数)が励起光の波長数(つまり、励起光源12−1〜12−3の数)よりも多い場合においても本例を適用することができ、この場合、特に、各励起光の入射位置を適切に決定することが可能となる。
【0057】
〔7〕第6変形例
また、図10に例示するように、光伝送システムを監視するネットワーク(NW)制御装置21から受信される、光信号の受信品質に関する情報に基づいて、各励起光の入射位置が決定されるようにしてもよい。
この場合、図10に示すように、例えば、プロセッサ19及びSW20を有する処理装置(励起光供給装置)31´´が、光伝送システムを監視するNW制御装置21から光信号の受信品質に関する情報を受信し、当該情報に基づいて、各励起光の入射位置を決定してもよい。なお、光信号の受信品質に関する情報については、例えば、光受信局11で取得されて、光受信局11からNW制御装置21に通知されてもよいし、NW制御装置21によって光伝送路30−4の出射端などから取得されてもよい。また、図10中、図9記載の各構成と同じ符号を有する構成については、図9記載の各構成と同様の機能を具備するものであるため、その説明を省略する。
【0058】
本例によれば、処理装置31´からモニタ18の構成を省略することができるので、図9で例示した第5変形例と同様の効果が得られるほか、光伝送システムの構成をより単純化することが可能となる。
〔8〕第7変形例
また、図6に示した例では、λ1の励起光とλ2の励起光との間で相互作用が発生せず、λ1の励起光とλ3の励起光との間、並びに、λ2の励起光とλ3の励起光との間で相互作用が発生する場合を想定し、λ1の励起光とλ2の励起光とを予め合波してから光伝送路30−1〜30−4に入射したが、このような場合、λ2の励起光については、λ1の励起光との合波前に分岐してから、光伝送路30−2,30−3に入射しておいてもよい。
【0059】
例えば、図11に示す光伝送システムは、図6に例示した光伝送システムに加え、λ1の励起光との合波前にλ2の励起光を分岐する光カプラ15−5と、光カプラ15−5で分岐したλ2の励起光を光伝送路30−2または30−3に入射する光カプラ15−2とをそなえている。なお、図11中、図6記載の各構成と同じ符号を有する構成については、図6記載の各構成と同様の機能を具備するものであるため、その説明を省略する。また、この場合も、λ3の励起光については、光伝送路30−10及び光カプラ15−3を介して、他の励起光の伝送区間とは異なる伝送区間を伝送するように光伝送路30−3または30−4に入射するのが望ましい。
【0060】
本例によれば、図4で前述した一実施形態と同様の効果が得られるほか、光伝送システムの設計についての自由度が向上するという利点がある。
なお、各励起光の波長配置によっては、図11に例示した光伝送システム構成を採用することにより、λ2の励起光によってλ3の励起光を増幅することもできるし、λ1の励起光によってλ2の励起光を増幅してから光伝送路30−1または30−2に入射することもできるので、光伝送システムの設計についての自由度が更に向上する。
【0061】
〔9〕第8変形例
また、光伝送路30−1〜30−11には、光信号及び各励起光を伝送する複数のコアを有するマルチコア光ファイバを用いてもよい。
図12に例示する光伝送システムでは、光伝送路30−1〜30−6,30−8〜30−11として、マルチコア光ファイバ22−1〜22−3を用いることにより、図6と同様の光伝送システムを実現している。なお、図12中、図6記載の各構成と同じ符号を有する構成については、図6記載の各構成と同様の機能を具備するものであるため、その説明を省略する。
【0062】
図12に示す例では、光送信局10から出力された光信号が、マルチコア光ファイバ22−1〜22−3内のあるコア(光信号用コアともいう)を伝送する。一方、λ1〜λ3の各励起光は、マルチコア光ファイバ22−3が有する複数のコアのうち、光信号が伝送するコアとは異なるコア(励起光用コアともいう)から入射される。
また、各励起光用コアを伝送する励起光は、それぞれ、マルチコア光ファイバ22−1〜22−3内の各コア間を結合するコア間カプラ23−1,23−2によって、光信号用コアに入射される。
【0063】
例えば、励起光源12−3から出力されたλ3の励起光は、マルチコア光ファイバ22−3の励起光用コアを伝送後、コア間カプラ23−2によって、光信号用コアへ入射されて、光信号をラマン増幅する。
また、励起光源12−1から出力されたλ1の励起光は、マルチコア光ファイバ22−3の励起光用コアを伝送後、コア間カプラ23−2によって、励起光源12−2から出力されたλ2の励起光が伝送する励起光用コアへ入射される。そして、コア間カプラ23−2によって合波されたλ1及びλ2の励起光は、マルチコア光ファイバ22−2の励起光用コアを伝送後、コア間カプラ23−1によって、光信号用コアへ入射されて、光信号をラマン増幅する。
【0064】
本例によれば、図4で前述した一実施形態と同様の効果が得られるほか、光ファイバ数が1つで済むため、光ファイバを収容するケーブルをより細くできるなどの利点がある。
また、マルチコア光ファイバを光伝送路30−1〜30−11として用いる場合、融着やコネクタ接続などにより光端局間を一括して接続できるため、各構成の挿入及びインストール作業が容易になるなどの利点がある。
【0065】
さらに、ケーブルの曲げに起因して発生しうる光ファイバ間の相対的な位置ずれなどの発生を解消することが可能となる。
なお、図12に例示したコア間カプラ23−1,23−2の構成はあくまで一例に過ぎず、励起光用コアに入射される光を光信号用コアに結合できる機能を少なくとも有していればよい。即ち、コア間カプラ23−1,23−2には、例えば、マルチコア光ファイバの変形による融着カプラや、長周期グレーティング構造による波長選択性コア間結合などが含まれる。また、上述した例では、説明を簡略化するため、各コアを1次元のモデルで表記したが、この限りではない。
【0066】
さらに、前述した一実施形態及び各変形例と同様に、各励起光源12−1〜12−3から出力される励起光は、単一波長の光でもよいし、複数波長群であってもよい。
〔10〕第9変形例
また、少なくとも一部の励起光について、励起光用コアにおける励起光の伝搬方向とは異なる方向から光信号用コアへ入射させるようにしてもよい。
【0067】
図13に例示する光伝送システムでは、コア間カプラ23−2の励起光用コアにミラー24をそなえることにより、励起光用コアを伝搬する励起光を光信号用コアへ反射し、励起光用コアにおける励起光の伝搬方向とは異なる方向から光信号用コアへ入射している。なお、図13中、図12記載の各構成と同じ符号を有する構成については、図12記載の各構成と同様の機能を具備するものであるため、その説明を省略する。また、λ2の励起光については、λ1の励起光の伝送区間とは異なる伝送区間を伝送するように、光信号用コアに入射するのが望ましい。
【0068】
本例によれば、図11で前述した第7変形例と同様の効果が得られるほか、光伝送システムの設計についての自由度が更に向上するという利点がある。
〔11〕第10変形例
また、前述した第8変形例及び第9変形例で用いられるマルチコア光ファイバ22−1〜22−3において、コア間カプラ23−1,23−2による波長合成を容易に行なえるように、例えば、光信号用コアと励起光用コアとを交互に配置してもよい。
【0069】
具体的には例えば、図14(A)〜図14(D)に示すように、光信号用コア(図14(A)〜図14(D)中、白丸部分参照)と励起光用コア(図14(A)〜図14(D)中、黒丸部分参照)とを配置するのが望ましい。なお、光信号用コア及び励起光用コアの周囲には各コアよりも屈折率が大きいクラッド33が配置される。
図14(A)〜図14(D)のいずれの例においても、光信号用コアと当該光信号用コアに隣接する複数の励起光用コアとの間の各距離が等しくなるように、各コアが交互に配置されている。なお、図14(A)〜図14(D)に示したコア配置はあくまで一例であって、これらに限定されないことはいうまでもない。
【0070】
本例によれば、励起光用コアと光信号用コアとの各距離を最小化することができるので、コア間カプラ23−1,23−2による合波を容易に行なうことが可能となる。
〔12〕第11変形例
ここで、マルチコア光ファイバ22−1〜22−3を用いた光伝送システムの他の例を図15に示す。
【0071】
この図15に示す光伝送システムは、例示的に、光送信局10と、光受信局11と、励起光源12−1〜12−6と、マルチコア光ファイバ22−1〜22−3と、コア間カプラ23−1,23−2と、コア別入射部25−1,25−2とをそなえる。なお、図15中、図12記載の各構成と同じ符号を有する構成については、図12記載の各構成と同様の機能を具備するものであるため、その説明を省略する。
【0072】
コア別入射部25−1は、光送信局10からの光信号をマルチコア光ファイバ22−1の光信号用コアに入射する一方、励起光源12−1〜12−3からの励起光をマルチコア光ファイバ22−1の複数の励起光用コアにそれぞれ入射する。即ち、図15に例示する光伝送システムでは、励起光源12−1〜12−3から入射されるλ1〜λ3の各励起光は、光信号を前方励起方式により増幅する。なお、コア間カプラ23−1,23−2のいずれかに既述のミラー24(図13参照)が備えられている場合、λ1〜λ3の励起光のうちの少なくとも1つの励起光は、光信号を後方励起方式により増幅することも可能である。
【0073】
また、コア別入射部25−2は、マルチコア光ファイバ22−3の光信号用コアから出力される光信号を光受信局11に出力する一方、励起光源12−4〜12−6からの励起光をマルチコア光ファイバ22−3の複数の励起光用コアにそれぞれ入射する。即ち、図15に例示する光伝送システムでは、励起光源12−4〜12−6から入射されるλ4〜λ6(λ1<λ2<λ3<λ4<λ5<λ6)の各励起光は、光信号を後方励起方式により増幅する。なお、コア間カプラ23−1,23−2のいずれかに既述のミラー24(図13参照)が備えられている場合、λ4〜λ6の励起光のうちの少なくとも1つの励起光は、光信号を前方励起方式により増幅することも可能である。
【0074】
ここで、各コア間カプラ23−1,23−2での合波方法の一例について説明する。
例えば、図16(A)〜図16(C)に示すように、マルチコア光ファイバ22−1〜22−3のそれぞれについて、所定の位置にマーカ34を予め付しておくとともに、当該マーカ34との位置関係に基づいて、各コアに番号を予め付しておく。なお、図16(A)〜図16(C)に示す例では、励起光用コアには#1〜#6が付されており、光信号用コアには#7が付されているが、これに限定されない。
【0075】
そして、図16(A)〜図16(C)に例示するように、各コア間カプラ23−1,23−2は、それぞれ異なる番号を付された励起光用コアを伝搬する励起光と、光信号用コアを伝搬する光信号とを順次合波させていく。
このとき、長波長側の励起光よりも短波長側の励起光が光送信局10側で合波されるように、各コア間カプラ23−1,23−2での合波を行なうようにするか、コア別入射部25−1,25−2での入射位置を決定しておくのが望ましい。
【0076】
本例によれば、図11で前述した第7変形例及び図12で前述した第8変形例と同様の効果が得られるほか、コア間カプラ23−1,23−2での合波動作をより容易に行なうことが可能となる。
〔13〕第12変形例
また、上記の第11変形例では、各コア間カプラ23−1,23−2が、それぞれ異なる番号を付された励起光用コアを伝搬する励起光と、光信号用コアを伝搬する光信号とを順次合波させていく方法を採用したが、例えば、同一の番号を付された励起光用コアを伝搬する励起光と、光信号用コアを伝搬する光信号とを合波させていく方法を採ることもできる。
【0077】
例えば、図17(A)〜図17(C)に示すように、各マルチコア光ファイバ22−1〜22−3とコア間カプラ23−1,23−2との接続角度を順次変更することにより、同一の番号(例えば#2)を付された励起光用コアと光信号用コアとを合波することができる。
例えば、図17(A)〜図17(C)に示すようなコア配置を有するマルチコア光ファイバ22−1〜22−3において、#2の励起光用コアと#7の光信号用コアとを合波させる場合、マルチコア光ファイバ22−1〜22−3に付されたマーカ34に基づいて、各マルチコア光ファイバ22−1〜22−3を60度ずつ回転させながら各コア間カプラ23−1,23−2に接続することにより、所望の合波結果が得られる。
【0078】
本例によれば、図15で前述した第11変形例と同様の効果が得られるほか、コア間カプラ23−1,23−2の合波機能を単純化することができるので、光伝送システムの構築コストを低減することが可能となる。
〔14〕その他
以上の一実施形態及び各変形例においては、主に、光信号の出力側から励起光を光伝送路30−1〜30−4,22−1〜22−3に導入する後方励起構成を用いたが、前方励起構成や双方向励起構成においても、上述した一実施形態及び各変形例と同様の手法を採用することが可能である。
【0079】
例えば、図4に例示した光伝送システムにおいて、λ1,λ2,λ3の各励起光を、それぞれ、光カプラ15−1,15−2,15−3を介して光伝送路30−2,30−3,30−4へ入射してもよい。この場合、光カプラ15−1と光伝送路30−2との間に、λ1の励起光を遮断する一方光信号を透過するフィルタを配置するとともに、光カプラ15−2と光伝送路30−3との間に、λ2の励起光を遮断する一方光信号を透過するフィルタを配置してもよい。
【0080】
また、λ1の励起光を光カプラ15−1を介して光伝送路30−1へ入射するとともに、λ3の励起光を光カプラ15−3を介して光伝送路30−4へ入射し、λ2の励起光を光カプラ15−2を介して光伝送路30−2または30−3へ入射してもよい。この場合、光カプラ15−1と光伝送路30−2との間に、λ2の励起光を遮断する一方光信号を透過するフィルタを配置するか、または、光カプラ15−2と光伝送路30−3との間に、λ2の励起光を遮断する一方光信号を透過するフィルタを配置してもよい。
【0081】
このように、前方励起構成や双方向励起構成を採用した光伝送システムにおいても、上述した一実施形態及び各変形例と同様の効果を得ることが可能である。
以上の実施形態及び各変形例に関し、さらに以下の付記を開示する。
〔15〕付記
(付記1)
光信号を送信する第1の光伝送装置と、
前記光信号を伝送する光伝送路と、
前記光伝送路を介して前記光信号を受信する第2の光伝送装置と、
前記光伝送路を増幅媒体として前記光信号をラマン増幅する励起光を供給する複数の励起光源と、
前記励起光を前記光伝送路に入射するとともに、前記第1の光伝送装置と前記第2の光伝送装置とで協働して前記光伝送路について複数の区間を形成する複数の光カプラとをそなえ、
前記複数の励起光源から供給される励起光のうち、他の励起光をラマン増幅する一の励起光と前記他の励起光とが、前記複数の区間のうちそれぞれ異なる区間を増幅媒体として前記光信号をラマン増幅するように、前記光伝送路に入射される、
ことを特徴とする、光伝送システム。
【0082】
(付記2)
前記複数の励起光源から供給される励起光のうち、短波長側の励起光の前記光伝送路への入射位置が、長波長側の励起光の前記光伝送路への入射位置よりも前記第1の光伝送装置に近い、
ことを特徴とする、付記1記載の光伝送システム。
【0083】
(付記3)
前記一の励起光または前記他の励起光が前記光信号をラマン増幅する区間への前記他の励起光または前記一の励起光への進入を禁止する、少なくとも1つのフィルタをそなえる、
ことを特徴とする、付記1または2に記載の光伝送システム。
【0084】
(付記4)
前記光信号の受信品質に関する情報に基づいて、前記複数の励起光源から供給される励起光の各入射位置を決定する処理装置をさらにそなえる、
ことを特徴とする、付記1〜3のいずれか1項に記載の光伝送システム。
(付記5)
前記光伝送路が、
前記光信号を伝送する少なくとも1つの光信号用コアと前記励起光を伝送する複数の励起光用コアとを有するマルチコア光ファイバとして構成されるとともに、
前記光カプラが、
前記光信号用コアに前記励起光を合波するコア間カプラとして構成される、
ことを特徴とする、付記1〜4のいずれか1項に記載の光伝送システム。
【0085】
(付記6)
前記コア間カプラが、
前記複数の励起光用コアのうち一の励起光用コアを伝搬する励起光を他の励起光用コアの方路へ反射するミラーをそなえ、
前記一の励起光用コアを伝搬する励起光の伝搬方向と前記他の励起光用コアを伝搬する前記反射後の励起光の伝搬方向とが逆方向である
ことを特徴とする、付記5記載の光伝送システム。
【0086】
(付記7)
前記光信号用コアと当該光信号用コアに隣接する前記複数の励起光用コアとの間の各距離が等しい、
ことを特徴とする、付記5又は6に記載の光伝送システム。
(付記8)
光信号を送信する第1の光伝送装置と、前記光信号を伝送する光伝送路と、前記光伝送路を介して前記光信号を受信する第2の光伝送装置と、前記光伝送路を増幅媒体として前記光信号をラマン増幅する励起光を供給する複数の励起光源と、前記励起光を前記光伝送路に入射するとともに、前記第1の光伝送装置と前記第2の光伝送装置とで協働して前記光伝送路について複数の区間を形成する複数の光カプラとをそなえた光伝送システムにおける励起光供給制御方法であって、
前記複数の励起光源は、複数の励起光のうち他の励起光をラマン増幅する一の励起光と前記他の励起光とが前記複数の区間のうちそれぞれ異なる区間を増幅媒体として前記光信号をラマン増幅するように、各励起光を前記複数の光カプラに供給し、
前記複数の光カプラは、前記複数の励起光源からの各励起光を前記光伝送路に入射する、
ことを特徴とする、励起光供給制御方法。
【0087】
(付記9)
前記複数の励起光源は、前記複数の励起光のうち、短波長側の励起光を、長波長側の励起光よりも前記第1の光伝送装置に近い入射位置から前記光伝送路へ入射する、
ことを特徴とする、付記8記載の励起光供給制御方法。
(付記10)
前記光伝送システムが、少なくとも1つのフィルタをそなえ、
前記少なくとも1つのフィルタが、前記一の励起光または前記他の励起光が前記光信号をラマン増幅する区間への前記他の励起光または前記一の励起光への進入を禁止する、
ことを特徴とする、付記8または9に記載の励起光供給制御方法。
【0088】
(付記11)
前記光伝送システムが、前記複数の励起光の各入射位置を決定する処理部をそなえ、
前記処理部が、前記光信号の受信品質に関する情報に基づいて、前記複数の励起光源から供給される励起光の各入射位置を決定する、
ことを特徴とする、付記8〜10のいずれか1項に記載の励起光供給制御方法。
【0089】
(付記12)
前記光伝送路が、
前記光信号を伝送する少なくとも1つの光信号用コアと前記励起光を伝送する複数の励起光用コアとを有するマルチコア光ファイバとして構成されるとともに、
前記光カプラが、
前記光信号用コアに前記励起光を合波するコア間カプラとして構成される、
ことを特徴とする、付記8〜11のいずれか1項に記載の励起光供給制御方法。
【0090】
(付記13)
前記コア間カプラが、励起光を反射するミラーをそなえ、
前記ミラーが、
前記複数の励起光用コアのうち一の励起光用コアを伝搬する励起光を他の励起光用コアの方路へ反射することにより、前記他の励起光用コアにおいて、前記反射後の励起光を、前記一の励起光用コアを伝搬する励起光の伝搬方向とは逆方向へ伝搬させる、
ことを特徴とする、付記12記載の励起光供給制御方法。
【0091】
(付記14)
前記光信号用コアと当該光信号用コアに隣接する前記複数の励起光用コアとの間の各距離が等しい、
ことを特徴とする、付記12又は13に記載の励起光供給制御方法。
(付記15)
光信号を送信する第1の光伝送装置と、前記光信号を伝送する光伝送路と、前記光伝送路を介して前記光信号を受信する第2の光伝送装置と、前記光伝送路を増幅媒体として前記光信号をラマン増幅する励起光を供給する複数の励起光源と、前記励起光を前記光伝送路に入射するとともに、前記第1の光伝送装置と前記第2の光伝送装置とで協働して前記光伝送路について複数の区間を形成する複数の光カプラとをそなえた光伝送システムにおける励起光供給装置であって、
前記複数の励起光源から供給される各励起光を前記複数の光カプラのいずれかに出力するスイッチと、
前記スイッチを制御することにより、前記複数の励起光源から供給される励起光のうち他の励起光をラマン増幅する一の励起光と前記他の励起光とが前記複数の区間のうちそれぞれ異なる区間を増幅媒体として前記光信号をラマン増幅するように、各励起光を前記複数の光カプラのいずれかに供給する処理部と、をそなえる、
ことを特徴とする、励起光供給装置。
【符号の説明】
【0092】
1 光送信局
1A 光送信器
1B 合波器
1C ポストアンプ
2 光受信局
2A 光受信器
2B 分波器
2C プリアンプ
3 光伝送路
4 光増幅器
10 光送信局
11 光受信局
12−1,12−2,12−3,12−4,12−5,12−6 励起光源
13−1,13−2,13−3,13−4 伝送セクション
14−1,14−2,14−3 合波セクション
15−1,15−2,15−3,15−4,15−5 光カプラ
16 光中継器
17−1,17−2,・・・,17−m 光処理ユニット
18 モニタ
19 プロセッサ
20 スイッチ
21 ネットワーク制御装置
22−1,22−2,22−3,22−4 マルチコア光ファイバ
23−1,23−2 コア間カプラ
24 ミラー
25−1,25−2 コア別入射部
30−1,30−2,30−3,30−4,30−5,30−6,30−7,30−8,30−9,30−10,30−11 光伝送路
31,31´,31´´ 処理装置
32−1,32−2 光フィルタ
33 クラッド
34 マーカ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光信号を送信する第1の光伝送装置と、
前記光信号を伝送する光伝送路と、
前記光伝送路を介して前記光信号を受信する第2の光伝送装置と、
前記光伝送路を増幅媒体として前記光信号をラマン増幅する励起光を供給する複数の励起光源と、
前記励起光を前記光伝送路に入射するとともに、前記第1の光伝送装置と前記第2の光伝送装置とで協働して前記光伝送路について複数の区間を形成する複数の光カプラとをそなえ、
前記複数の励起光源から供給される励起光のうち、他の励起光をラマン増幅する一の励起光と前記他の励起光とが、前記複数の区間のうちそれぞれ異なる区間を増幅媒体として前記光信号をラマン増幅するように、前記光伝送路に入射される、
ことを特徴とする、光伝送システム。
【請求項2】
前記複数の励起光源から供給される励起光のうち、短波長側の励起光の前記光伝送路への入射位置が、長波長側の励起光の前記光伝送路への入射位置よりも前記第1の光伝送装置に近い、
ことを特徴とする、請求項1記載の光伝送システム。
【請求項3】
前記一の励起光または前記他の励起光が前記光信号をラマン増幅する区間への前記他の励起光または前記一の励起光への進入を禁止する、少なくとも1つのフィルタをそなえる、
ことを特徴とする、請求項1または2に記載の光伝送システム。
【請求項4】
前記光伝送路が、
前記光信号を伝送する少なくとも1つの光信号用コアと前記励起光を伝送する複数の励起光用コアとを有するマルチコア光ファイバとして構成されるとともに、
前記光カプラが、
前記光信号用コアに前記励起光を合波するコア間カプラとして構成される、
ことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の光伝送システム。
【請求項5】
光信号を送信する第1の光伝送装置と、前記光信号を伝送する光伝送路と、前記光伝送路を介して前記光信号を受信する第2の光伝送装置と、前記光伝送路を増幅媒体として前記光信号をラマン増幅する励起光を供給する複数の励起光源と、前記励起光を前記光伝送路に入射するとともに、前記第1の光伝送装置と前記第2の光伝送装置とで協働して前記光伝送路について複数の区間を形成する複数の光カプラとをそなえた光伝送システムにおける励起光供給制御方法であって、
前記複数の励起光源は、複数の励起光のうち他の励起光をラマン増幅する一の励起光と前記他の励起光とが前記複数の区間のうちそれぞれ異なる区間を増幅媒体として前記光信号をラマン増幅するように、各励起光を前記複数の光カプラに供給し、
前記複数の光カプラは、前記複数の励起光源からの各励起光を前記光伝送路に入射する、
ことを特徴とする、励起光供給制御方法。
【請求項6】
前記複数の励起光源は、前記複数の励起光のうち、短波長側の励起光を、長波長側の励起光よりも前記第1の光伝送装置に近い入射位置から前記光伝送路へ入射する、
ことを特徴とする、請求項5記載の励起光供給制御方法。
【請求項7】
光信号を送信する第1の光伝送装置と、前記光信号を伝送する光伝送路と、前記光伝送路を介して前記光信号を受信する第2の光伝送装置と、前記光伝送路を増幅媒体として前記光信号をラマン増幅する励起光を供給する複数の励起光源と、前記励起光を前記光伝送路に入射するとともに、前記第1の光伝送装置と前記第2の光伝送装置とで協働して前記光伝送路について複数の区間を形成する複数の光カプラとをそなえた光伝送システムにおける励起光供給装置であって、
前記複数の励起光源から供給される各励起光を前記複数の光カプラのいずれかに出力するスイッチと、
前記スイッチを制御することにより、前記複数の励起光源から供給される励起光のうち他の励起光をラマン増幅する一の励起光と前記他の励起光とが前記複数の区間のうちそれぞれ異なる区間を増幅媒体として前記光信号をラマン増幅するように、各励起光を前記複数の光カプラのいずれかに供給する処理部と、をそなえる、
ことを特徴とする、励起光供給装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2013−106272(P2013−106272A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−250023(P2011−250023)
【出願日】平成23年11月15日(2011.11.15)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】