説明

光伝送用プラスチックロッド

【課題】 照明用に好適の透明性、耐候性及び曲げ加工性に優れた光伝送用プラスチックロッドを提供する。
【解決手段】 コア及びコアより低屈折率のクラッドからなるプラスチック光伝送体において、コアが(メタ)アクリル単量体及び多官能性単量体を必須成分とし、重合収縮率が10%以下となるような混合液から作製される光伝送用プラスチックロッド。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コアとして透明な固体重合体を用いることで、照明用に好適の透明性、耐候性及び曲げ加工性に優れた光伝送用プラスチックロッドに関する。
【0002】
【従来技術】従来、透明コア及びこの透明コアよりも低屈折率を有する、コアを被覆するクラッドとを具備する光伝送体としては、種々の光伝送用途に使用されている。これら光伝送体の材料は、無機ガラス製又はプラスチック製のものが知られている。しかし、無機ガラスを用いた光伝送体の場合、情報伝送用等の比較的径の細い用途に使用されるが、可撓製に乏しいため、径を大きくすることが難しい。そこで、照明用等の分野で用いられる用途には、大量の光を効率よく伝送するため、プラスチックを用いた大口径のコアが使用されている。
【0003】プラスチック製のコアとしては、液状及び固体のものが知られている。特開昭64−80910号公報、特開昭64−80912号公報、特開平5−288948号公報等において提案されているように、コアが液状のものはクラッド材内に充填した光伝送ロッドの取り扱いが不便であるため、コアは固体のものが望まれている。
【0004】コアが固体のプラスチック伝送体では、主に有機ポリマーを溶融紡糸して芯鞘構造体を形成する方法及びチューブ内で重合性化合物を重合させることによって芯鞘構造のプラスチック伝送体を製造する方法が採用されている。その際にコア成分の材料としてポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリカーボネート等が使用され、クラッド成分の材料として低屈折率のフッ素系重合体が使用されている。しかし、溶融紡糸法では主として生産性の点から外径が数mm以上の大口径プラスチック伝送体を製造することは難しい。
【0005】特開昭63−256902号公報、特開平1−133006号公報、特開平4−86605号公報、特開平4−270709号公報、特開昭57−45502号公報及び特開昭63−293508号公報では、チューブ内で重合性化合物を重合するチューブ注型法が提案されている。このチューブ法では重合性化合物が重合後に収縮するので、最終的に製造される光伝送体のコアとクラッドとの界面を剥離させないために、チューブ内に重合性化合物を圧入する方法が採られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】この重合性化合物を圧入する方法は、一端開口部を封止した中空管状のクラッド材内にこのクラッド材よりも高い屈折率を有する透明重合体を形成可能な液状モノマを充填し、このモノマを重合してコア材を形成させる。その際、そのまま重合を開始した場合クラッドとコアの界面などに空隙が生じ、クラッド材とコア材との密着が不十分でその界面に剥離が起こる等の内部欠陥が見受けられる。
【0007】そこで、液面より上方のクラッド材中空部に窒素ガス等の不活性ガスを加圧状態に供給するなどの方法を用いながら、上記モノマの液面を上記クラッド材の軸方向に加圧させながら順次重合して、空隙等の内部欠陥のないプラスチック伝送体を製造する方法が採られている。これは、密着性不良の原因と考えられている重合体の重合収縮(モノマの体積収縮)が生じたところにモノマ液を補填できるためである。
【0008】しかし、コア材の系が5mmφ以上の大口径プラスチック伝送体を作製するとき、架橋密度の高い重合体や、重合収縮率の大きい重合体などは、モノマ液の補填が十分にいかず空隙等の内部不良が生じてしまう。また、この空隙をなくすために、重合速度を遅くすることでも解決は図れるが、生産性が悪くなる。
【0009】上記の問題を解決するために検討を重ねた結果、コア成分である、(メタ)アクリル単量体と多官能性単量体の重合収縮率が10%以下となるように混合されてなる混合液から作ることにより、大口径の場合でもクラッド材とコア材の間に空隙等の内部欠陥が発生しないプラスチック伝送体が作られることを見いだした。また、重合性化合物として、(メタ)アクリル単量体は特に規定はしないが、好ましくは重合収縮率の小さい脂環式(メタ)アクリレートを、高温(樹脂自身のカ゛ラス転移温度を超える温度)においても塑性変形させない目的で使用する多官能性単量体としては、重量平均分子量が250以上の多官能(メタ)アクリレートを用いることにより生産性がよく無欠陥のプラスチック伝送体を製造できることを見いだした。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、コア及びコアより低屈折率のクラッドからなるプラスチック光伝送体において、コアが(メタ)アクリル単量体及び多官能性単量体を必須成分とし、重合収縮率が10%以下となるような混合液から作製される光伝送用プラスチックロッドに関する。
【0011】本発明においては、(メタ)アクリル単量体として脂環式(メタ)アクリレートを、多官能性単量体として重量平均分子量が250以上の多官能(メタ)アクリレートを用いることが好ましい。
【0012】本発明においては、コアの内径が5〜50mmの大口径ロッドであり、連続的にロッドを製造する重合速度V(cm/min)が、ロッドのゲル化速度x(min)に対して、1/x≦V≦20/xの範囲であることが好ましい。
【0013】また本発明においては、コアにヒンダードアミンを含有することが好ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】以下本発明に付き更に詳しく説明する。ここで、プラスチック伝送体の製造方法は特に制限はなく、コア成分をコア成分よりも屈折率の低いクラッド成分の中に詰め重合して作製しても良いし、コア成分をガラス製、ステンレス製、プラスチック製など円筒状の型であらかじめ作製し、後からクラッド成分を取り付ける等で製造してもよい。
【0015】本発明の光伝送用プラスチックロッドは、コア材とコア材よりも屈折率の低いクラッド材よりなるもので、このコア材として強靭性を付与するために(メタ)アクリル単量体を、柔軟性付与、永久変形防止のため多官能性単量体を用い、重合収縮率が10%以下となるように混合されてなる混合液を重合するものである。
【0016】本発明における重合収縮率は次式により求められる。
重合収縮率(%)=(重合後の比重ー重合前の比重)/重合後の比重×100本発明において重合収縮率は小さいほど好ましいが、ある程度の重合収縮率までは、強い力で加圧することにより、重合収縮によって生じるヒケ等の表面欠陥を押さえることができる。しかし、重合収集率が10%を越えると高圧をかけても表面欠陥が生じやすくなる。
【0017】本発明において、使用されるモノマの種類は特に制限はないが、重合収集率は10%以下とされる。(メタ)アクリル単量体として、直鎖アルキル(メタ)アクリレートの場合、重合収縮率が大きいので、脂環式(メタ)アクリレートが好ましく、多官能性単量体としては重合収縮率の関係から重量平均分子量が250以上の多官能(メタ)アクリレートが好ましい。これらのモノマは、(メタ)アクリル単量体を1種以上と、多官能性単量体を1種以上からなる単量組成を、重合収縮率が10%以下となるように任意に組み合わせて用いる。
【0018】また本発明においては、上記のモノマの沸点はある程度高い方が好ましい。すなわち、生産性良くプラスチック伝送体を作製するには、ある程度重合温度が高く、熱源の移動速度もはやめなければならないため、モノマの沸点が低いと重合中にモノマが気化して、空隙等の内部欠陥ができやすいためである。そのためモノマの沸点は100℃以上が好ましく、150℃以上がより好ましい。
【0019】本発明における脂環式(メタ)アクリレートとしては、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ボルニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、トリシクロデシル(メタ)アクリレート等が挙げられる。また、多官能(メタ)アクリレートとしては、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレンジ(メタ)アクリレート、ポリブチレンジ(メタ)アクリレート等が挙げられ、その重量平均分子量は250以上のものが好ましい。
【0020】また、本発明においては酸化防止・色相向上の観点から、ヒンダードアミンを添加することが好ましい。これは、前記重合体に、酸化防止剤等を添加しないと、成形直後の色相は無色透明であるが、徐々に黄味が増してくる。この現象を防ぐために酸化防止剤等を添加するが、多くの酸化防止剤は樹脂に色(黄色)が付いてしまう。そこで様々な劣化防止剤を検討したところ。ヒンダードアミンを用いることにより、成形直後の色相にも影響がなくかつその後も色相に変化がないことを見いだした。
【0021】本発明におけるヒンダードアミンとしては例えば、4−アセトキシー2,2,6,6,−テトラメチルピペリジン、4−ステアロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−アクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(フェニルアセトキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(フェノキシアセトキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−シクロヘキサノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(o−クロロベンゾイルオキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(フェニルカルバモイルオキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(p−トルエンスルホニルオキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(o−トルオイルオキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−イソニコチノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(2−フロイルオキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(β−ナフトイルオキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)オキザレート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)マロネート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)アジペート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セパゲート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)フマレート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサヒドロテレフタレート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)テレフタレート、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ベンゼン−1,3,5−トリカルボキシレート、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)トリアジン−2,4,6−トリカルボキシレート、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ニトロトリアセテート、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ブタン−1,2,3−トリカルボキシレート、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)プロパン−1,1,2,3−テトラカルボキシレート、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ブタン−1,2,3,4−テトラカルボキシレート、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−2−アセトキシプロパン−1,2,3−トリカルボキシレート、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−2−ヒドロキシプロパン−1,2,3−トリカルボキシレート、トリ−(4−アセトキシ−2,2,6,6,−テトラメチルピペリジン)−アミン、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ホスファイト、1,3,8−トリアザ−7,7,9,9−テトラメチル−2,4−ジオキソ−スピロ[4,5]デカン、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)プロパン−1,1,3,3−テトラカルボキシレート、(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン)−4−スピロ−2−(6,6'−ジメチルピペリジン)−4’−スピロ−5'‘−ヒンダントイン、1,3,8−トリアザ−7,7,9,9−テトラメチル−3−n−オクチル−スピロ{4,5}デカン−2,4−ジオン、1,3,8−トリアザ−7,7,9,9−テトラメチル−2,4−ジオキソ−スピロ[4,5]デカン、などが挙げられる。この中でも白色であるビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)フマレートが好ましい。
【0022】このようなモノマを順次重合させる方法としては、特に制限はないが、例えば、特開昭57−45502号公報で示される方法、重合温度に加熱した一定温度の恒温水槽・油漕などの中にモノマ液を詰めたクラッド材を、その一端部から重合収縮したときのモノマ液の補充という目的で加圧しながら、もう一方の一端部から順次段階的に又は連続的に浸していく方法などが採られている。
【0023】ここで連続的に重合する際の連続的にロッドを製造する重合速度V(cm/min)が、ロッドのゲル化速度x(min)に対して、1/x≦V≦20/x(cm/min)の範囲が好ましく、2/x≦V≦15/xの範囲であることがより好ましく、5/x≦V≦10/xの範囲で連続的に重合することがさらに好ましい。これは、重合速度Vが1/xよりも遅い場合は、空隙等の重合欠陥を防ぐことは可能であるが、生産性に劣る傾向があり、また、速度Vが20/xを越える場合は、重合収縮した部分にモノマが送り込まれる前にゲル化してしまい、表面欠陥が発生するおそれがあるためである。
【0024】又、モノマ液面に加える圧力は、2kg/cm2よりも低いと圧力を加えた効果がないるため、加える圧力は2kg/cm2以上、好ましくは3kg/cm2以上とした方が良い。一方、あまり圧力が高いとクラッド材が圧力に耐えられないため、クラッド材の最大耐圧以下で行う必要がある。
【0025】本発明における重合開始剤としては、例えば過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、ジーt−ブチルポアーオキシヘキサヒドロテレフタレート、t−ブチルパーオキシー2−エチルヘキサノエート、1,1−ジーt−ブチルパーオキシー3,3,5−トリメチルシクロヘキサノンなどの有機過酸化物、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスー4−メトキシー2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスシクロヘキサノンー1−カルボニトリル、アゾジベンゾイルなどのアゾ化合物など通常のラジカル重合に使用するものが挙げられる。
【0026】本発明の重合体はその仕様に当たって、劣化防止、熱安定性の観点から、色相に問題がない範囲で、フェノール系、ホスファイト系、チオエーテル系などの抗酸化剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤などを添加することができる。
【0027】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらにより制限されるものではない。
[実施例1]一端側をチューブコネクタにメクラ板を取り付けたもので封止した四フッ化エチレン製の中空管状材(内径13φ、外径16φ、長さ70cm)内にトリシクロデシルメタクリレート(日立化成工業製、TCDMA)37重量部、ポリエチレングリコールジメタクリレート(新中村工業製、NKエステル14G:重量平均分子量600)63重量部、ラウロイルパーオキサイド(LPO)0.08重量部、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)フマレート(サノール770S)(三共製、サノール770S)0.05重量部を混合した溶液(重合収縮率7.7%、ゲル化開始時間5min)を注入した。次に、このチューブの他端開放部から窒素ガスを導入し、チューブ中空部を窒素置換するとともに、モノマ液面を窒素ガスでチューブの軸方向に対し、4kg/cm2の圧力を加え、この加圧を維持しながらチューブを70℃の恒温水槽に1cm/minの速度で連続的に入れ、チューブ全体がつかるまで重合を行った。その後加圧を止め120℃オーブンで1時間後重合を行った。
【0028】上記重合の結果、両先端を除いてチューブに上記モノマの重合体が一体化したロッドが得られた。このロッドはチューブとの界面に泡状空隙等の表面欠陥のなく透明なものであった。
【0029】[比較例1]実施例1で用いたチューブ内にメチルメタクリレート50重量部、14G 50重量部、LPO0.08重量部を混合した溶液(重合収縮率14.3%)を注入した。次に、このチューブの他端開放部から窒素ガスを導入し、チューブ中空部を窒素置換するとともに、モノマ液面を窒素ガスでチューブの軸方向に対し、4kg/cm2の圧力を加え、この加圧を維持しながらチューブを70℃の恒温水槽に1cm/minの速度で連続的に入れ、チューブ全体がつかるまで重合を行った。その後加圧を止め120℃オーブンで1時間後重合を行った結果、出来上がったロッドの半分以上に泡状空隙等の表面欠陥が発生した。
【0030】[比較例2]実施例1で用いたチューブ内にTCDMA37重量部、ポリエチレングリコールジメタクリレート(新中村工業製、NKエステル1G:重量平均分子量200)63重量部、LPO0.08重量部を混合した溶液(重合収縮率12.0%)を注入した。次に、このチューブの他端開放部から窒素ガスを導入し、チューブ中空部を窒素置換するとともに、モノマ液面を窒素ガスでチューブの軸方向に対し、4kg/cm2の圧力を加え、この加圧を維持しながらチューブを70℃の恒温水槽に1cm/minの速度で連続的に入れ、チューブ全体がつかるまで重合を行った。その後加圧を止め120℃オーブンにて1時間後重合を行った。その結果、至る所にクラック等が発生してしまい、無欠陥のロッドを作ることはできなかった。
【0031】[比較例3]実施例1で用いたモノマ混合液とその混合液から、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)フマレート(三共製、サノール770S)を除いたものを用い、100mm×100mm×3mmの軟質塩化ビニルシートを外周約10mm残した形でくりぬいたスペンサーを、100mm×100mm×3mmのガラス板で両側を挟んだ型に流し込み3mmの注型板をそれぞれ作製した。得られた注型板を40mm×40mmの大きさに切り出し吸収スペクトルを測定した。その結果、サノール770Sを加えることにより340nm近辺の近紫外線の吸収が低減するために、樹脂の色相がより透明になることがわかった。
【0032】
【発明の効果】本発明により、光学欠陥のない、安価で品質の高い光伝送用プラスチックロッドを得ることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】 コア及びコアより低屈折率のクラッドからなるプラスチック光伝送体において、コアが(メタ)アクリル単量体及び多官能性単量体を必須成分とし、重合収縮率が10%以下となるような混合液から作製される光伝送用プラスチックロッド。
【請求項2】 (メタ)アクリル単量体として脂環式(メタ)アクリレートを、多官能性単量体として重量平均分子量が250以上の多官能(メタ)アクリレートを用いる請求項1記載の光伝送用プラスチックロッド。
【請求項3】 コアの内径が5〜50mmの大口径ロッドであり、連続的にロッドを製造する重合速度V(cm/min)が、ロッドのゲル化速度x(min)に対して、1/x≦V≦20/xの範囲である請求項1または2記載の光伝送用プラスチックロッド。
【請求項4】 コアにヒンダードアミンを含有する請求項1〜3のいずれか1項に記載の光伝送用プラスチックロッド。

【公開番号】特開2000−66039(P2000−66039A)
【公開日】平成12年3月3日(2000.3.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願平10−238157
【出願日】平成10年8月25日(1998.8.25)
【出願人】(000004455)日立化成工業株式会社 (4,649)
【Fターム(参考)】