説明

光共振構造

【課題】垂直空洞表面放出形レーザにおける横モードの競合と不安定とを抑制する。
【解決手段】垂直空洞表面放出形レーザはその構成が、半導体材料3で作られた分散Bragg反射器と、誘電体材料で作られた重ねられた分散形Bragg反射器4とで成る。共振空洞にはスペーサ層9,10の間に挾まれたレーザ能動材料の層8と、阻止層16,19が含まれ、阻止層は励起用電流がBragg反射器4の下側の上にある金属接触層13と接触部17との間を空洞2を通って流れるのを制限している。予め選んだ共振モードを支持するために、一連の同心円状リング18が共振空洞2を取囲んでいる阻止層16,19内に形成されて、予め選んだ横共振モードを支持するような位相特性をもつ空洞からの光を反射するBragg構造を呈するようにしている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は光学的な共振構造に係り、それに限定するわけではないが、とくに垂直空洞表面放出レーザ(vertical cavity surface emitting laser:VCSEL)への応用を有するものである。
【背景技術】
【0002】
従来形のFabry Perotダイオード半導体レーザでは、共振空洞は半導体基板の面内で長手方向に延びて形成され、両端には反射性構造を備えていた。これに対して、VCSELでは、共振空洞基板内に垂直に配置されていて、水平構造でよりも広い面積にわたって光が基板表面から垂直に透過されて、光遠隔通信ファイバ内へ信号を発射するのによく適するようなVCSELを作るという利点を備えている。VCSELの一例はIEEE Photonics Technology Letters Vol.7 No.6 June 1995 pp608-610,M.A.Fisher et al.に与えられている。このデバイスは半導体基板で構成され、その上には第1と第2の反射手段が形成され、これら手段は周期的なBragg反射構造で成り、その間に共振空洞を備えており、共振空洞にはスペーサ層を備えたレーザ能動材料の層があって十分な空洞厚さを備えて所望の動作波長λで共振が得られるようにしている。第1の反射手段は、異なる半導体材料で異なる屈折率をもつものがλ/4実効厚さでインターリーブしている複数の層が、基板に重なっている構成である。第2の反射性手段のBragg構造は空洞に重なっていて、しかもλ/4実効厚さの、異なる屈折率をもつ、誘電体材料の層で形成されている。
【0003】
空洞内のレーザ能動材料を通って電流を流すために、金属の接触部が基板の下側に形成され、また導電性接触層が誘電性の第2の反射手段と共振空洞内の層との間に形成されている。電流は周辺の逆バイアス接合によって空洞に閉じ込められる。
【0004】
共振空洞の厚さは一般に1μmのオーダーであり、厚さに対して垂直な面内である限りは、空洞は比較的大きな横方向寸法をもっている;空洞は一般に正方形もしくは円形を上から見たときにしており、その直径又は辺の長さは5〜20μmのオーダーである。
【0005】
従来形のVCSEL構造で生ずる問題は、空洞の共振時に共振の横モードが大きく無制御状態で残され、しかも比較的大きな直径の空洞は多数の異なる横モードを支持できて、それがモードの競合と不安定とをもたらすことである。
【0006】
従来形の分散帰還(DFB)もしくは分散Bragg反射器(DBR)レーザ内で、垂直共振空洞ではなく水平共振空洞とともに同心円形素子の表面グレーテングを使用することが“Circularly Symmetric Operation of a Concentric-Circle-Grating, Surface-Emitting, AlGaAs/GaAs Quantum-Well Semiconductor Laser”, T.Erdogan et al, Appl.Phys. lett. 60(16)20 April 1992 pp.1921-23に開示されている。このデバイスでは、従来形の横方向に延びる共振空洞は表面グレーテングを備えられ、それが二次Bragg反射によりレーザからの表面放出を作り出している。グレーテングの円形パターンは円対称ビームの放出を生んでいる。
【0007】
別のデバイスがU.S.Pat.No.5 301 201と,“Zone Laser”Appl.Phys.Lett.65(2)11 July 1994 pp144-146,D.Vakhshoori et alに記載されており、ここではレーザ空洞は複数の同心領域に分割され、各領域が個々の共振モードを支持している。同心領域の出力は、Fresnelレンズのゾーンからの光と同様に一緒に加え合わされて、それによりレーザ出力を単一スポットに絞り込む。
【0008】
Applied Physics Letters,Vol.66,No.21,22 May 1995,pp2769-2771,J.H.Ser et alにはVCSELの記述があり、それは重ね合わされた精密金属のインターレースしたグレーテングを備えていて、グレーテングは上側のDBR上でエッチングされ、その光放出面に重なっている。このグレーテングの目的は偏光の安定性を作り出すことで、例えば、主偏光モードとしてTM偏光を選ぶようにする。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明は別なやり方を提案する。この発明によれば光共振構造が用意され、その構成は、第1と第2の反射手段が隔てられていて、両反射手段の間の比較的小さな厚さ寸法で光共振空洞が作られるようにし、しかも厚さ寸法と横方向の面内で比較的大きな横寸法をもつ面積にわたって空洞が広がっており、また上記面と平行に進む空洞からの光放射の成分を反射するための手段があって、空洞中の予め選んだ横共振モードを支持するような位相特性を備えるようにしている。
【0010】
この反射手段は空洞からの放射のBragg反射を作るための手段を含んでいてもよい。Bragg反射は、空間的に周期性をもつ光屈折率特性を備えた材料のパターンという手段で作ることができる。
【0011】
この発明による構造は、レーザ、例えばVCSELで使用してもよく、それによって、光放射を作り出すためのレーザ能動材料の層が第1と第2の反射手段の間に用意することができる。レーザ能動材料の層は少くとも1スペーサ層だけ反射手段から隔っていてもよい。
【0012】
この発明はまた、光反射構造を含み、その構成は、光共振空洞を用意するための手段、比較的小さな厚さ寸法と、厚さ次元とは垂直な面内で比較的大きな横寸法をもつ面積にわたって広がっている光能動材料とで成り、この手段が能動材料の周りに置かれていて、空洞内の予め選んだ横共振モードを支持するための位相特性を備えて、該面内を進行する光放射の成分を反射するようにしている。
【0013】
Bargg反射を作り出すための手段はその構造の少くとも1つの層内にリング状のパターンを含んでよい。以後記述する実施例では、リングはブロック用層内に形成され、この層が空洞を通って流れる電流を制限している。
【0014】
リングはその空洞に対する予め選んだ共振モードの支持を最大とするために、異なる幅をもつことができる。リングは層内に作られた溝で成るものもよし、また代って、層から立ち上ったリッジで成るのもよい。
【0015】
いわゆるBragg導波路が以前に提案されており、そこでは従来形の導波路クラッド層が、周期的な多層構造であって、層間の多数の境界面での部分反射間干渉から生ずる高反射率をもつもので置換えられている。Bragg導波路で反共振反射性光導波路すなわちARROW(antiresonant reflecting optical waveguide)が提案され、最初に1977年にGaAsプレーナ構造で開示された。P.Yeh,A.Yariv,C-S Hong,J.Opt.Soc.Am.67,423(1977)及びA.Y.Cho,A.Yariv,P.Yeh,App.Phys.Lett.30,471(1977)参照。このアイデアは円筒幾何形状に拡張されたが、従来形の円筒導波路に関する利点は光ファイバに対しては実用上実現不能であることが見出され、その理由として組立許容値が非現実的であり、しかも光発射が不十分なことにあった。N.J.Doran K.J.Blow,IEEE J.Light.Tech.LT-1,108(1983)参照。しかしながら、この発明によると、周期的なBragg反射器構成でVCSELの空洞の周りに置かれたものは、レーザの空洞内で予め選ばれた共振モードを支持することができ、しかも光ファイバに関して生ずるような前掲の不利益を蒙ることがない。
【0016】
この発明のもっと完全な理解のために、円筒状のBragg導波路を備えたVCSELの実施態様を添付の図面を参照して、例として記述して行く。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
図1に示した基本的なVCSELは一般に前掲Fisher等の記述したものと似ており、InP材料の半導体基板1があり、その上に共振空洞2が形成されていて、第1の反射手段3と第2の反射手段4との間の厚さがXである。空洞の寸法は、使用時に所定波長λ、例えば1.55μmの光がレーザ作用によって発生されて、矢印5の方向に放出されるように作られている。
【0018】
第1の反射部材3は電気的導体であり、複数のInGaAsPのインターリーブした層6で成り、そのバンドギャップは波長1.4ミクロンと等価であり、さらにInP7のλ/4実効厚さのものが基板上に堆積されており、45周期の層となっているので90層のDBR構造が作られている。層6,7は一般に通常のガスソースMBE技術で堆積されている。
【0019】
共振空洞2内部では、ドープしていないInGaAsPレーザ能動材料層8でバンドギャップ等価波長が1.55μmのものが1.55μmで1波長に相当する厚さ(すなわち0.45−0.47μm)で、大気圧の有機金属気相エピタキシィ(MOVPE)が使われて、第1の反射手段3上に重ねて成長されており、nドープしたInPの層9(この層が下にあるスペーサ層として作用する)と、PドープInP材料で形成されている上側のスペーサ層10との間にある。スペーサ層9,10の厚さは空洞が所望の動作波長λ=1.55μm(すなわち、全体の空洞寸法Xが約1μmであるような)ところで共振するように選ばれている。
【0020】
第2反射手段4は誘電材料のインターリーブした積層で成り、その構成はSi材料の層12でインターリーブしたAl23材料の層11で成り、層は通常の蒸着技術で堆積されている。層11,12は実効波長厚さλ/4を有し、異なる屈折率をもつので、第1の反射手段3と同じような方法でDBRとして作用するが、層11,12は電気的非導体である。
【0021】
レーザーを励起するために、電流が共振空洞2を通って電気的導体のpドープしたGaInAsP接触層13で誘電体反射器4の下側上にあるバンドギャップ等価波長1.4μmのものから流れる。この層13は、層13の上に堆積されたP+GaInAs材料で成る中間接触層15上に蒸着されて作られた金属接触層14に接続されている。外部の電気接続は図示していないが、それが層13,14に備えてある。電流阻止層16がnドープしたInP材料で作られていて、上側のスペーサ層10上に堆積され、さらに上記Fisherらの文献記載のように従来形式のホトリソグラフィとエッチングとによって、一般には5−20μmのオーダーの直径dの中心開口Dが作られて、それが空洞の活性領域を定義している。
【0022】
したがって、VCSELの空洞は比較的小さな垂直方向厚さ寸法Xを第1と第2の反射手段3,4間に有しており、また厚さ次元と垂直な水平面内に比較的大きな横方向寸法dを有している。同様に、活性層8の厚さ寸法wは横方向寸法と比較して小さい。寸法wは一般に0.45−0.47μmの範囲で、寸法Xは1μmの範囲である。これは従来のエッジ放出形レーザと対比され、このレーザは基板の面内に長手方向に延びていて、この場合の一般的な長さは300−500μm範囲かそれよりも長い。電気接触層13は中央開口D内のスペーサ層10と直接電気的接触をとっているので、電流はこの領域内で空洞内の材料を通って流れる。電流は半導体材料で第1の反射手段3を形成するものと基板1を通って流れることができ、基板下側の上にあるAu金属接触部17に到達する。しかし、阻止層16は逆p−n接合をpドープしたスペーサ層10と作り、中央開口Dを流る電流を制限する。こうして電流はこの能動領域内で層8を通って流れて、光放射を発生し、この放射が空洞2内で共振する。多層の第1及び第2の反射手段3,4の分散性質に起因して、両者間で光が共振する光路長は図1で示された物理的寸法Xよりも大きい平均長を有している。
【0023】
この発明によると、一連の円形リング18が阻止層16の一番上の表面内に形成されている。図2に示すように、6つのリング181−186もしくはそれ以上のものが作られるのが好ましいが、図1では例示を簡単にするために4つのリングだけを示してある。図面に示すように、中央領域Dは円形の周縁を有し、またリング18はこの円形中央領域と同心状である。図1に示した実施例では、リングが阻止層16の概ね平面状の広がりから立ち上るリッジとして形成されている。これは製造の間に、層11ないし15の堆積に先行して、電子ビームリソグラフィと阻止層16の選択的エッチングとによって達成される。最初は、層16は連続する厚さyでは付着されて、後に量zだけ選択的にエッチングされて、リッジ18が規定される。別の実施例(示してはいない)では、溝を阻止層内にエッチングで作ることができる。電気接触層13,14,15は、後に層16上に堆積されるときにリング18間の隙き間を埋める。
【0024】
nドープしたInP材料の層16は、電極層13,14,15を形成する材料とは異なる光屈折率をもっているので、リング18が空洞2からの光に対して反射性Bragg構造を形成し、光が矢印5の方向に進むときには光学的能動層8の面に平行な面内に成分をもつようにしている。リング18と層13,14,15の介在している材料とが空間的に周期性をもつ屈折率パターンを作り、これが円形領域Dの中心に向かって前記面に平行に進む成分に制限を加える。図3は、空間的に周期性をもつパターンが選ばれて、それにより反射光の位相が共振空洞2に対する予め選んだ共振モードを構築する方向で支えていることを示す。一般にモードはHE11モードであり、このモードはフィールド振幅(場の強度)が中央領域Dの中心Oから外へ向う半径方向距離の関数となるようなもので、それが図3に示されている。このフィールド振幅は中心Oで実質的にガウス形のピークをもち、中央領域Dの外縁に向って減少して行く。空間的な周期性をもつ屈折率パターンでリッジ181−184で形成されたものが図3に半径方向距離rの関数として示されており、その条件は、中央領域Dが直径9.2μm(r=4.6μm)をもつものとしている。
【0025】
リッジ18の半径方向幅はリッジ毎に変ってもよい。さらにリッジ間の隔りも異ってよい。特定のリッジ構成を選んで共振空洞2のために予め選んだ共振モードを支持するようにする。一例では、一番内側のリッジ181が他のリッジよりも広くされた。実際の幅は上記Doranらの文献に掲げられた原理にしたがって計算してよい。
【0026】
Al23とSiの交番層11a,12aはリング18上に形成されている。交番層11a,12aは中央領域D外で生じた光のフィールドを反射するためのDBRを形成している。
【0027】
リッジ18の手当をしないと、HE11モードは他のモードと競合し、その結果、不安定となる傾向にあるが、リング18によって用意されるBragg構造の手当が予め選んだ横モードの安定化を可能としている。
【0028】
他の構造の構成が図4に示されており、図1に示したデバイス構造の変形と考えることができる。類似部分には同じ参照番号を付した。図4の実施例では、阻止層は半絶縁性InPの層19を含み、これが空洞の周りに選択的に再成長されている。
【0029】
この構造を形成するために、活性層とスペーサ層8,9,10とが図1を参照して記述したように第1の反射積層3上に形成され、その後に光放出用として前記した領域Dに対応する直径dのメサが層8,9,10から従来のリソグラフィとエッチングとによって作られる。InPのプレーナ半絶縁層19が次にメサの全周辺に再成長される。再成長に適した技術でPCl3を作るものは、M.J.Harlow,P.C.Spurdens and R.H.Moss:“The Influence of PCl3on the planarisation and selectivity of InP re-growth by atmospheric pressure MOVPE”,Proceedings of the 7th International Convention on Indium Phosphide and Related Materials,9-13 May 1995,Sapporo,Japanに記載されている。半絶縁性InP層19はイオンドープされて層内に電子トラップを作るが、他の適当なドーパントも使用可能であったことは評価されるところである。再成長された層19はスペーサ層10の上面と連続している平坦な表面を作るという利点があり、これが反射器構造4の各種の層を受入れることができるので、領域Dのエッジの周りにある図1に示した反射器内の段が図2の構造では避けられる。参照文献としてまた、“Very Rapid and Selective Epitaxy of InP around Mesas of heightup to 14μm by Hydride Vapour Phase Epitaxy”S.Lourdudoss et al Conference Paper IPRM'94を挙げておく。
【0030】
閉じ込め形Bragg構造18が次に、図1を参照して前述したやり方で、層19の上部でエッチングされる。次に、接触層13,15が全上部面に形成され、金属接触層14が光が放出される領域Dの外側にある表面だけに形成される。第2の反射手段4は上部表面上に前述したように形成され、適切な電気的接続が層14にされ(図示せず)、外部接続を用意するようにし、それには局部的なエッチング、メタライズもしくは他の従来技術が使われる。
【0031】
記述した構造の修正と変形とが可能である。例えば、リッジ18間のスペースは材料で充填される必要はなく、空のままでよい。代って、リッジ間のスペースは異なる材料、例えばポリイミド材で埋めることができる。また、リッジ18は構造中の他の層、例えば下側にあるスペーサ層9,10のいずれかの内部に作ることもできる。
【0032】
さらに、この発明は必ずしもレーザに限定されず、空洞は受動的な空洞として、電気的接触を必要としないで使用することができ、例えば全光式スイッチや双安定素子として使用できる。受動的な空洞はマイクロ共振器の文献内ですでに良く知られており、全光式スイッチ、論理、双安定などの応用をもっており、例えば、次の文献を参照する。“GaAs-AlAs Monolithic Microresonator Arrays”J.L.Jewel A.Scherer,S.L.McCall.A.C.Gossard & J.H.English,Appl Phys Lett,Vol.51,No.2,pp94-96(1987).この発明で作られる横モード制限(閉じ込め)は、この参考文献ででこぼこ(ruggedness)として記述されている柱状(pillar)構造の仕様よりも優れていることを示している。
【0033】
他の修正では、リング18と中央領域Dとが楕円形に作られていて、予め定めた放出光の偏光がたとえば10−30%の楕円偏光を与えるようにしている。
【0034】
この発明はまたVCSELで反射層11,12が反射防止積層で置換えられ、また第2の反射手段が半導体基板外のミラーを構成しているものにも応用でき、この参考文献として、“A C.W.external Cavity surface emitting laser”by J.V.Sandusky,A.Mukherjee and S.R.Brueck,paper TuE11 Conference on Semiconductor Lasers:Advanced Devices and Applications(Keystone,Colorado,August 21-23,1995)-Optical Society of America 1995 Technical Digest Series Volume 20,pp153-155を挙げておく。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】この発明の第1実施例による、空洞の周りに円形のBragg構造を備えたVCSELの模式的断面図である。
【図2】図1に示した空洞の平面図である。
【図3】図2に示した空洞の中心からの半径方向距離の関数としてフィールド振幅(場の強さ)を、Bragg構造の空間的に周期的な屈折率変化とともに示したグラフである。
【図4】図1に対応させた、この発明の第2の実施例のデバイスの断面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1及び第2の反射手段(3,4)が隔てられていて、両反射手段間に比較的小さな厚さ寸法(X)をもち、かつ厚さ方向とは垂直な平面内に比較的大きな横寸法(d)をもつ面積にわたって延びている光共振空洞を用意するように構成され、予め選んだ横共振モードを該空洞内で支持するための位相特性を備えて該平面に平行に進む空洞からの光反射成分を反射する反射部材(18)を含むことを特徴とする光共振構造。
【請求項2】
前記反射手段(18)は空洞からの放射のBragg反射を作るための、空洞の周りに置かれた手段を含む請求項1記載の構造。
【請求項3】
前記Bragg反射を作るための手段は空間的に周期的な光屈折率特性を備えたパターンの材料(13,14,15,16,19)を含む請求項2記載の構造。
【請求項4】
レーザ動作に対して、前記第1と第2の反射部材の間に、前記予め選んだ共振モードで反射される光放射を作るためのレーザ能動材料の層を含んでいる請求項2又は3記載の構造。
【請求項5】
前記レーザ能動材料の層(8)は前記第1と第2の反射手段の間に置かれている請求項4記載の構造。
【請求項6】
前記レーザ能動材料の層(8)と第1又は第2の反射手段の間にスペーサ層(9,10)を含む請求項5記載の方法。
【請求項7】
少くとも1つの前記反射手段が複数層構成(6,7;11,12)で成る請求項4,5,6のいずれか1項記載の構造。
【請求項8】
Bragg反射を作るための手段がリングパターン(181−186)を含む請求項2ないし7のいずれか1項記載の構造。
【請求項9】
前記リングが溝を含む請求項8記載の構造。
【請求項10】
前記リングが立ち上るリッジ(18)を含む請求項8記載の構造。
【請求項11】
前記リングが円形でしかも同心状である請求項8ないし10のいずれか1項記載の構造。
【請求項12】
前記リングがほぼ平行であり、かつ空洞の周りに楕円状に置かれている請求項8ないし10のいずれか1項記載の構造。
【請求項13】
前記リングは異なる幅をもっている請求項8ないし12のいずれか1項記載の構造。
【請求項14】
前記リングの間のスペースが、該リングが形成されている層(16,19)の材料の屈折率とは異なる屈折率の材料(13,14,15)で充填されている請求項8ないし13のいずれか1項記載の構造。
【請求項15】
前記リングはリソグラフィとエッチングによって形成されたものである請求項8ないし14のいずれか1項記載の構造。
【請求項16】
前記空洞への電流を制限するため電流阻止層(16,19)を含み、該阻止層(16,19)内に前記リングパターンが形成されている請求項8ないし15のいずれか1項記載の構造。
【請求項17】
前記阻止層(16)は空洞の周辺を画成するように選択的にエッチングされている請求項16記載の構造。
【請求項18】
前記阻止層(19)は空洞の周辺を画成するように選択的に成長されている請求項16記載の構造。
【請求項19】
前記阻止層(19)がInP材料で作られている請求項18記載の構造。
【請求項20】
前記第1と第2の反射手段は半導体基板上に、異なる屈折率をもつ半導体材料の複数のインターリーブされた層(6,7)を有し、前記第2の反射手段は異なる屈折率をもつ誘電体材料の複数のインターリーブした層(11,12)を有し、前記空洞は反対の導電性形式の半導体材料のスペーサ層(9,10)間に挾まれたドープしていない半導体レーザ能動材料(8)を含むものである請求項4ないし19のいずれか1項記載の構造。
【請求項21】
予め決められた伝送モード(HE11)を支持するための、空洞(2)の周りのBragg構造(18)を特徴とするVCSEL。
【請求項22】
光共振空洞(2)を用意するための手段(3,4)と、比較的小さな厚さ寸法(w)をもち、かつ厚さ方向とは垂直な平面内に比較的大きな横方向寸法(d)をもつ面積にわたって延びる光能動材料(8)とを含む光共振構造であって、該能動材料(8)の周りに空洞内で予め選んだ横共振モードを支持するための位相特性をもって該平面内を進行する光放射成分を反射するための手段を備えたことを特徴とする構造。
【請求項23】
その上に層として前記光能動材料が形成されている基板を含み、また前記空洞を定義するための手段は該基板上に形成された第1の反射手段(3)を含んで、該基板外部の第2の反射手段と共働するようにした請求項22記載の構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−22024(P2008−22024A)
【公開日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2007−228627(P2007−228627)
【出願日】平成19年9月4日(2007.9.4)
【分割の表示】特願平9−514054の分割
【原出願日】平成8年9月26日(1996.9.26)
【出願人】(390028587)ブリティッシュ・テレコミュニケーションズ・パブリック・リミテッド・カンパニー (104)
【氏名又は名称原語表記】BRITISH TELECOMMUNICATIONS PUBLIC LIMITED COMPANY
【Fターム(参考)】