説明

光半導体封止用エポキシ樹脂組成物

【課題】紫外光においても劣化の少ない光半導体封止用エポキシ樹脂組成物を提供する。
【解決手段】(A)一般式(1)で示されるアルコキシケイ素化合物同士、または一般式(1)と一般式(2)で示されるアルコキシケイ素化合物を、共加水分解縮合させることにより得られるエポキシ樹脂。
XSi(R1n(OR23-n (1)
(式中、Xはエポキシ基を有する有機基、R1はC1〜10のアルキル基、アリール基又はC2〜5のアルケニル基を示し、R2はC1〜4のアルキル基を示す。nは0〜2の整数を示す。)
k(R3mSi(OR44-(k+m) (2)
(式中、Xはエポキシ基を有する有機基、R3はC1〜10のアルキル基、アリール基又は不飽和脂肪族残基を表す。k、mは0〜3の整数を示し、且つk+mは0〜3である。R4はC1〜4のアルキル基を表す。)
及び(B)カチオン重合開始剤を含有することを特徴とする光半導体封止用エポキシ樹脂組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、透明性に優れた光半導体封止用エポキシ樹脂組成物およびその硬化物で封止された光半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、LED、CCD、フォトカプラなどの光半導体素子の封止材料として、エポキシ樹脂系の封止材料が性能と経済性のバランスの点で好ましいため、広く用いられている。特に、従来の光半導体の封止材料にはビスフェノールA型に代表される芳香族エポキシ樹脂が一般的に使用されている。近年、LEDの分野においては白色LEDを実現するために紫外光を発するLED(紫外LED)の開発が進んでいるが、前記の芳香族エポキシ樹脂は400nm付近の紫外光で劣化するという課題があった。
【0003】
上記の様な短波長の光による問題を解決するために、エポキシ樹脂として芳香族エポキシ樹脂の核水素化物を用いる方法(特許文献1)が提案されているが、未だ十分とは言えない。一方でエポキシ基を有するアルコキシケイ素化合物の縮合物(特許文献2)が提案されているが、光半導体封止材料に関する用途には触れられていない。
【0004】
【特許文献1】特開2003−82062号公報
【特許文献2】特開平6−298940号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、紫外光においても劣化の少ない光半導体封止用エポキシ樹脂組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは前記課題を解決すべく、鋭意研究を行った結果本発明に至った。すなわち本発明は、
(1)(A)一般式(1)で示されるアルコキシケイ素化合物同士、または一般式(1)と一般式(2)で示されるアルコキシケイ素化合物を、共加水分解縮合させることにより得られるエポキシ樹脂、
XSi(R1n(OR23-n (1)
(式中、Xはエポキシ基を有する有機基、R1は炭素数1〜10の置換又は非置換のアルキル基、置換又は非置換のアリール基又は炭素数2〜5の置換又は非置換のアルケニル基を示し、R2は炭素数1〜4のアルキル基を示す。nは0〜2の整数を示し、R1が複数である場合、複数のR1は互いに同一であっても異なっていてもよい。)
k(R3mSi(OR44-(k+m) (2)
(式中、Xはエポキシ基を有する有機基、R3は炭素数1〜10の置換又は非置換のアルキル基、置換又は非置換のアリール基又は置換又は非置換の不飽和脂肪族残基を表す。k、mは0〜3の整数を示し、且つk+mは0〜3である。R3が複数である場合、複数のR3は互いに同一であっても異なっていてもよい。R4は炭素数1〜4のアルキル基を表す。)
及び(B)カチオン重合開始剤を含有することを特徴とする光半導体封止用エポキシ樹脂組成物、
(2)Xがグリシドオキシ基で置換された炭素数1〜3のアルキル基又はエポキシ基を有する炭素数5〜8のシクロアルキル基で置換された炭素数1〜3のアルキル基であり、R1及びR3が炭素数1〜6のアルキル基、アリール基又は(メタ)アクリロイル基である化合物である前項(1)記載の光半導体封止用エポキシ樹脂組成物、
(3)前項(1)又は(2)記載のエポキシ樹脂組成物を硬化して得られる硬化物で封止された光半導体装置、
に関する。
【発明の効果】
【0007】
本発明の光半導体封止材用樹脂組成物を硬化したものは、紫外光による劣化が少ないため、LEDの明るさを低減させる透明性の経時的低下が小さい。よって、本発明の樹脂組成物は光半導体の封止材料として極めて有用である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明の光半導体封止用エポキシ樹脂組成物は、(A)一般式(1)で示されるアルコキシケイ素化合物同士、または一般式(1)と一般式(2)で示されるアルコキシケイ素化合物を、共加水分解縮合させることにより得られるエポキシ樹脂、
XSi(R1n(OR23-n (1)
(式中、Xはエポキシ基を有する有機基、R1は炭素数1〜10の置換又は非置換のアルキル基、置換又は非置換のアリール基又は炭素数2〜5の置換又は非置換のアルケニル基を示し、R2は炭素数1〜4のアルキル基を示す。nは0〜2の整数を示し、R1が複数である場合、複数のR1は互いに同一であっても異なっていてもよい。)
k(R3mSi(OR44-(k+m) (2)
(式中、Xはエポキシ基を有する有機基、R3は炭素数1〜10の置換又は非置換のアルキル基、置換又は非置換のアリール基又は置換又は非置換の不飽和脂肪族残基を表す。k、mは0〜3の整数を示し、且つk+mは0〜3である。R3が複数である場合、複数のR3は互いに同一であっても異なっていてもよい。R4は炭素数1〜4のアルキル基を表す。)
及び(B)カチオン重合開始剤を含有する。
【0009】
本発明の光半導体封止用エポキシ樹脂組成物で用いられるエポキシ樹脂(A)を製造するために使用する、一般式(1)及び一般式(2)のアルコキシケイ素化合物中のエポキシ基を有する有機基Xとしては、エポキシ基を有する有機基であれば特に制限はないが、例えば、β−グリシドキシエチル、γ−グリシドキシプロピル、γ−グリシドキシブチル等のグリシドキシ炭素数1〜4アルキル基、グリシジル基、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル基、γ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロピル基、β−(3,4−エポキシシクロヘプチル)エチル基、β−(3,4エポキシシクロヘキシル)プロピル基、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)ブチル基、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)ペンチル基等のオキシラン基を持った炭素数5〜8のシクロアルキル基で置換された炭素数1〜5のアルキル基が挙げられる。これらの中で、グリシドオキシ基で置換された炭素数1〜3のアルキル基、エポキシ基を有する炭素数5〜8のシクロアルキル基で置換された炭素数1〜3のアルキル基、例えば、β−グリシドキシエチル基、γ−グリシドキシプロピル基、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル基が好ましい。
【0010】
また、一般式(1)におけるR2、一般式(2)におけるR4において、炭素数1〜4のアルキル基の例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、tert−ブチル基等が挙げられる。これらR2、R4は、相溶性、反応性等の反応条件の観点から、メチル又はエチルであることが好ましい。
【0011】
又、一般式(1)におけるR1は、炭素数1〜10の置換又は非置換のアルキル基、置換又は非置換のアリール基又は炭素数2〜5の置換又は非置換のアルケニル基を、一般式(2)におけるR3としては、炭素数1〜10の置換又は非置換のアルキル基、置換又は非置換のアリール基又は置換又は非置換の不飽和脂肪族残基を示す。具体的には、直鎖状または分岐状の炭素数1〜10の置換又は非置換のアルキル基、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、i−ペンチル基、アミル基、へキシル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基等、置換又は非置換の不飽和脂肪族残基としては、例えば、(メタ)アクリロイル基等が挙げられる。置換基を有する場合の置換基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、ハロゲン原子、ビニル基、アリル基、アミノ基、ニトロ基、メトキシ基、エトキシ基などが挙げられる。これらの中で、炭素数1〜6のアルキル基、アリール基又は(メタ)アクリロイル基が好ましい。
【0012】
一般式(1)の化合物として好ましい具体例としては、β−グリシドキシエチルトリメトキシシラン、β−グリシドキシエチルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン等が挙げられる。これら一般式(1)で示されるアルコキシケイ素化合物は、単独で用いてもよく、2種以上を用いても良い。
【0013】
一般式(2)で示されるアルコキシケイ素化合物として好ましい具体例としては、β−グリシドキシエチルメチルジメトキシシラン、β−グリシドキシエチルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルメチルジメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルメチルジエトキシシラン等が挙げられる。
また、本発明で使用する一般式(2)で示されるアルコキシケイ素化合物としては、Xを有しない化合物を用いることもできる。(一般式(2)において、k=0の場合。)
このようなアルコキシケイ素化合物として好ましい具体例としては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ヘキシルメチルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン等が挙げられる。
これら一般式(2)で示されるアルコキシケイ素化合物は、単独で用いてもよく、2種以上を用いても良い。
【0014】
本発明の光半導体封止用エポキシ樹脂組成物で用いられるエポキシ樹脂(A)は、一般式(1)のアルコキシケイ素化合物同士、または一般式(1)と一般式(2)で示されるアルコキシケイ素化合物を共加水分解縮合することにより得ることができる(以下、共加水分解縮合のことを単に縮合という。)。
縮合反応における一般式(1)で示される化合物及び一般式(2)で示される化合物のそれぞれの使用割合は、所望する樹脂物性、硬化物性に応じて適宜決定することができる。
また、縮合反応に使用する水の量としては、反応系全体のアルコキシ基1モルに対し通常0.1〜1.5モル、好ましくは0.2〜1.2モルである。
【0015】
縮合反応に用い得る触媒は、水中で塩基性を示す化合物であれば使用する事が出来るが、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化セシウムのようなアルカリ金属水酸化物、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムのようなアルカリ金属炭酸塩等の無機塩基、アンモニア、トリエチルアミン、ジエチレントリアミン、n−ブチルアミン、ジメチルアミノエタノール、トリエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド等の有機塩基を使用することができる。これらの中でも、特に生成物からの触媒除去が容易である点で無機塩基又はアンモニアが好ましい。触媒の添加量は、反応系中のアルコキシケイ素化合物の合計重量に対し、通常0.001〜7.5重量%、好ましくは0.01〜5重量%である。
【0016】
縮合反応は、無溶剤または溶剤中で行うことができる。溶剤としては、一般式(1)および一般式(2)のアルコキシケイ素化合物を溶解する溶剤であれば特に制限はない。このような溶剤としては、例えばジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、テトラヒドロフラン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンのような非プロトン性極性溶媒、トルエン、キシレンのような芳香族炭化水素等が例示できる。その中でも非プロトン性極性溶媒が好ましい。溶剤の使用量は、反応が円滑に進行する範囲であれば特に制限はないが、一般式(1)と一般式(2)の化合物の合計重量100部に対して、通常50〜900重量部程度使用する。
縮合反応における反応温度は、触媒量にもよるが、通常20〜160℃、好ましくは40〜140℃である。又、反応時間は通常1〜12時間である。
【0017】
本発明の光半導体封止材用エポキシ樹脂組成物に用いられるエポキシ樹脂(A)の分子量は重量平均分子量で400〜50000のものが好ましく、750〜30000のものがより好ましい。重量平均分子量が400未満の場合は耐熱性の低下、50000より大きい場合は組成物の粘度の上昇といった組成物の物性が低下する場合がある。
【0018】
また、本発明の光半導体封止材用エポキシ樹脂組成物で用いられるエポキシ樹脂(A)は、物性の妨げにならない範囲内で、他のエポキシ樹脂を併用することが出来る。併用する場合、エポキシ樹脂Aの全エポキシ樹脂中に占める割合は、20〜95重量%が好ましく、特に30〜95重量%が好ましい。他のエポキシ樹脂の具体例としては、ポリフェノール化合物のグリシジルエーテル化物である多官能エポキシ樹脂、各種ノボラック樹脂のグリシジルエーテル化物である多官能エポキシ樹脂、芳香族エポキシ樹脂の核水素化物、脂環式エポキシ樹脂、複素環式エポキシ樹脂、グリシジルエステル系エポキシ樹脂、グリシジルアミン系エポキシ樹脂、ハロゲン化フェノール類をグリシジル化したエポキシ樹脂等が挙げられる。ポリフェノール化合物のグリシジルエーテル化物である多官能エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、4,4’−ビフェノール、テトラメチルビスフェノールA、ジメチルビスフェノールA、テトラメチルビスフェノールF、ジメチルビスフェノールF、テトラメチルビスフェノールS、ジメチルビスフェノールS、テトラメチル−4,4’−ビフェノール、ジメチル−4,4’−ビフェニルフェノール、1−(4−ヒドロキシフェニル)−2−[4−(1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)エチル)フェニル]プロパン、2,2’−メチレン−ビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、トリスヒドロキシフェニルメタン、レゾルシノール、ハイドロキノン、ピロガロール、ジイソプロピリデン骨格を有するフェノール類、1,1−ジ−4−ヒドロキシフェニルフルオレン等のフルオレン骨格を有するフェノール類、フェノール化ポリブタジエン等のポリフェノール化合物のグリシジルエーテル化物である多官能エポキシ樹脂が挙げられ、各種ノボラック樹脂のグリシジルエーテル化物である多官能エポキシ樹脂としては、フェノール、クレゾール類、エチルフェノール類、ブチルフェノール類、オクチルフェノール類、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、ナフトール類等の各種フェノールを原料とするノボラック樹脂、キシリレン骨格含有フェノールノボラック樹脂、ジシクロペンタジエン骨格含有フェノールノボラック樹脂、ビフェニル骨格含有フェノールノボラック樹脂、フルオレン骨格含有フェノールノボラック樹脂等の各種ノボラック樹脂のグリシジルエーテル化物が挙げられ、芳香族エポキシ樹脂の核水素化物としてはビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、4,4’−ビフェノール等のフェノール化合物のグリシジルエーテル化物、またはフェノール、クレゾール類、エチルフェノール類、ブチルフェノール類、オクチルフェノール類、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、ナフトール類等の各種フェノールを原料とするノボラック樹脂のグリシジルエーテル化物の核水素化物が挙げられ、脂環式エポキシ樹脂としては3,4−エポキシシクロヘキシルメチル3’,4’−シクロヘキシルカルボキシレート等シクロヘキサン等の脂肪族骨格を有する脂環式エポキシ樹脂、脂肪族系エポキシ樹脂としては1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ペンタエリスリトール、キシリレングリコール誘導体等の多価アルコールのグリシジルエーテル類、複素環式エポキシ樹脂としてはイソシアヌル環、ヒダントイン環等の複素環を有する複素環式エポキシ樹脂、グリシジルエステル系エポキシ樹脂としてはヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、テトラヒドロフタル酸ジグリシジルエステル等のカルボン酸類からなるエポキシ樹脂、グリシジルアミン系エポキシ樹脂としてはアニリン、トルイジン、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン誘導体、ジアミノメチルベンゼン誘導体等のアミン類をグリシジル化したエポキシ樹脂、ハロゲン化フェノール類をグリシジル化したエポキシ樹脂としてはブロム化ビスフェノールA、ブロム化ビスフェノールF、ブロム化ビスフェノールS、ブロム化フェノールノボラック、ブロム化クレゾールノボラック、クロル化ビスフェノールS、クロル化ビスフェノールA等のハロゲン化フェノール類をグリシジル化したエポキシ樹脂が挙げられる。
【0019】
これらエポキシ樹脂の使用にあたっては特に制限はないが、透明性の観点から着色性の少ないものがより好ましい。通常、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、4,4’−ビフェノール、テトラメチル−4,4’−ビフェノール、1−(4−ヒドロキシフェニル)−2−[4−(1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)エチル)フェニル]プロパン、トリスヒドロキシフェニルメタン、レゾルシノール、2,6−ジtert−ブチルハイドロキノン、ジイソプロピリデン骨格を有するフェノール類、1,1−ジ−4−ヒドロキシフェニルフルオレン等のフルオレン骨格を有するフェノール類のグリシジル化物である多官能エポキシ樹脂、フェノール、クレゾール類、ビスフェノールA、ビスフェノールS、ナフトール類等の各種フェノールを原料とするノボラック樹脂、ジシクロペンタジエン骨格含有フェノールノボラック樹脂、ビフェニル骨格含有フェノールノボラック樹脂、フルオレン骨格含有フェノールノボラック樹脂等の各種ノボラック樹脂のグリシジルエーテル化物、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、4,4’−ビフェノール等のフェノール化合物のグリシジルエーテル化物、またはフェノール、クレゾール類、エチルフェノール類、ブチルフェノール類、オクチルフェノール類、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、ナフトール類等の各種フェノールを原料とするノボラック樹脂のグリシジルエーテル化物の核水素化物、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル3’,4’−シクロヘキシルカルボキシレート等のシクロヘキサン骨格を有する脂環式エポキシ樹脂、1,6−ヘキサンジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールのグリシジルエーテル類、トリグリシジルイソシアヌレート、ヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステルが好ましく用いられる。 更に、これらエポキシ樹脂は耐熱性付与等必要に応じ1種又は2種以上の混合物として併用することが出来る。
【0020】
本発明の光半導体用エポキシ樹脂組成物に用いられるカチオン重合開始剤(B)としては、可視光線、紫外線、X線、電子線等の活性エネルギー線を照射すること、または加熱により、ブレンステッド酸やルイス酸等を発生しエポキシ基の結合反応を開始することができるものであれば特に制限なく使用できる。光カチオン重合開始剤としては、例えば、ジアゾニウム塩、スルホニウム塩、ヨードニウム塩等が挙げられ、熱カチオン重合開始剤としては、例えば、スフホニウム塩、アンモニウム塩、ホスホニウム塩等のオニウム塩及びシラノール・アルミニウム錯体等が挙げられる。
【0021】
該光カチオン重合開始剤として具体的には、ベンゼンジアゾニウムヘキサフルオロアンチモネート、ベンゼンジアゾニウムヘキサフルオロホスフェート、ベンゼンジアゾニウムヘキサフルオロボレート、トリスフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロボレート、4,4’−ビス[ビス(2−ヒドロキシエトキシフェニル)スルフォニオ]フェニルスルフィドビスヘキサフルオロホスフェート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、ジフェニル−4−チオフェノキシフェニルスルフォニウムヘキサフルオロホスフェート等を挙げることができる。
【0022】
これらの光カチオン重合開始剤は市販品として入手が可能で、例えば、カヤラッドPCI−220、カヤラッドPCI−620(いずれも日本化薬製)、UVI−6990(ユニオンカーバイド製)、アデカオプトマーSP−150、アデカオプトマーSP−170(いずれも旭電化工業製)、CIT−1370、CIT−1682、CIP−1866S、CIP−2048S、CIP−2064S(いずれも日本曹達製)、DPI−101、DPI−102、DPI−103、DPI−105、MPI−103、MPI−105、I−101、BBI−102、BBI−103、BBI−105、TPS−101、TPS−102、TPS−103、TPS−105、MDS−103、MDS−105、DTS−102、DTS−103(いずれもみどり化学製)等がある。
【0023】
これらは単独又は2種以上の混合物として使用してもよい。本発明のエポキシ樹脂組成物中に含有される光カチオン重合開始剤の量は、組成物の固形分中、0.5〜20重量%が好ましく、特に好ましくは0.7〜15重量%である。
【0024】
該熱カチオン重合開始剤として具体的には、米国特許第4231951号に記載のアリールスルホニウム錯塩;米国特許第4256828号に記載の芳香族ヨードニウム錯塩及び芳香族スルホニウム錯塩;「ジャーナル・オブ・ポリマー・サイエンス(Journal of Polymer Science)、ポリマー・ケミストリー(Po1ymer Chemistry)」、W.R.Wattら、第22巻、1789頁(1984年)に記載のビス〔4−(ジフェニルスルホニオ)フェニル〕スルフィド−ビス−ヘキサフルオロ金属塩(例えば燐酸塩、砒酸塩、アンチモン酸塩等)、米国特許第3379653号に記載の金属フルオロ硼素錯塩及び三弗化硼素錯化合物;米国特許第3586616号に記載のビス(ペルフルオルアルキルスルホニル)メタン金属塩;米国特許第3708296号に記載のアリールジアゾニウム化合物;米国特許第4058400号に記載のVIa族元素の芳香族オニウム塩;米国特許第4069055号に記載のVa族元素の芳香族オニウム塩;米国特許第4068091号に記載のIIIa〜Va族元素のジカルボニルキレート;米国特許第4139655号に記載のチオピリリウム塩;米国特許第4161478号に記載のMF6-陰イオン(ここでMは燐、アンチモン及び砒素から選択される)の形のVIb族元素等を挙げることができる。
【0025】
これらの熱カチオン重合開始剤は市販品として入手が可能で、例えば、CI−2855、CI−2624(いずれも日本曹達製)、CAT EX−1(ダイセル化学工業製)、アデカオプトマーCP−66、アデカオプトマーCP−67(いずれも旭電化工業製)、サンエイドSI−60L、サンエイドSI−80L、サンエイドSI−1000L(いずれも三新化学工業社製)、)、NB−101、NB−201(いずれもみどり化学製)等がある。
【0026】
これらは単独又は2種以上の混合物として使用してもよい。本発明のエポキシ樹脂組成物中に含有される熱カチオン重合開始剤の量は、組成物の固形分中、0.01〜20重量%が好ましく、特に好ましくは0.5〜15重量%である。
【0027】
本発明のエポキシ樹脂組成物には、透明性を損なわない範囲で、目的に応じ無機質充填剤、着色剤、カップリング剤、レベリング剤、滑剤等を適宜添加することが出来る。
無機質充填剤としては、特に制限はなく、結晶性あるいは非結晶性シリカ、タルク、窒化ケイ素、ボロンナイトライド、アルミナ、シリカ・チタニア混融体等が挙げられる。
【0028】
着色剤としては特に制限はなく、フタロシアニン、アゾ、ジスアゾ、キナクリドン、アントラキノン、フラバントロン、ペリノン、ペリレン、ジオキサジン、縮合アゾ、アゾメチン系の各種有機系色素、酸化チタン、硫酸鉛、クロムエロー、ジンクエロー、クロムバーミリオン、弁殻、コバルト紫、紺青、群青、カーボンブラック、クロムグリーン、酸化クロム、コバルトグリーン等の無機顔料が挙げられる。
【0029】
レベリング剤としてはエチルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート等のアクリレート類からなる分子量4000〜12000のオリゴマー類、エポキシ化大豆脂肪酸、エポキシ化アビエチルアルコール、水添ひまし油、チタン系カップリング剤等が挙げられる。
【0030】
滑剤としてはパラフィンワックス、マイクロワックス、ポリエチレンワックス等の炭化水素系滑剤、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸等の高級脂肪酸系滑剤、ステアリルアミド、パルミチルアミド、オレイルアミド、メチレンビスステアロアミド、エチレンビスステアロアミド等の高級脂肪酸アミド系滑剤、硬化ひまし油、ブチルステアレート、エチレングリコールモノステアレート、ペンタエリスリトール(モノ−,ジ−,トリ−,又はテトラ−)ステアレート等の高級脂肪酸エステル系滑剤、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ポリエチレングリコール、ポリグリセロール等のアルコール系滑剤、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、リシノール酸、ナフテン酸等のマグネシュウム、カルシュウム、カドニュウム、バリュウム、亜鉛、鉛等の金属塩である金属石鹸類、カルナウバロウ、カンデリラロウ、密ロウ、モンタンロウ等の天然ワックス類が挙げられる。
【0031】
カップリング剤としては、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルメチルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、N−(2−(ビニルベンジルアミノ)エチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン等のシラン系カップリング剤剤、イソプロピル(N−エチルアミノエチルアミノ)チタネート、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、チタニュウムジ(ジオクチルピロフォスフェート)オキシアセテート、テトライソプロピルジ(ジオクチルフォスファイト)チタネート、ネオアルコキシトリ(p−N−(β−アミノエチル)アミノフェニル)チタネート等のチタン系カップリング剤、Zr−アセチルアセトネート、Zr−メタクリレート、Zr−プロピオネート、ネオアルコキシジルコネート、ネオアルコキシトリスネオデカノイルジルコネート、ネオアルコキシトリス(ドデカノイル)ベンゼンスルフォニルジルコネート、ネオアルコキシトリス(エチレンジアミノエチル)ジルコネート、ネオアルコキシトリス(m−アミノフェニル)ジルコネート、アンモニュウムジルコニュウムカーボネート、Al−アセチルアセトネート、Al−メタクリレート、Al−プロピオネート等のジルコニュウム、或いはアルミニュウム系カップリング剤が挙げられる。
【0032】
本発明の光半導体封止用エポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂(A)、カチオン重合剤(B)、並びに必要により無機質充填剤、カップリング剤、着色剤及びレベリング剤等の配合成分を、配合成分が固形の場合はヘンシェルミキサー、ナウターミキサー等の配合機を用いて混合後、ニーダー、エクストルーダー、加熱ロールを用いて80〜120℃で混練し冷却後、粉砕して粉末状として得ることができる。一方、配合成分が液状の場合はプラネタリーミキサー等を用いて均一に分散して本発明のエポキシ樹脂組成物とする。
【0033】
こうして得られた本発明のエポキシ樹脂組成物を用いて、LD、フォトセンサー、トランシーバー等の光半導体を封止し本発明の光半導体を得るには、トランスファーモールド、コンプレッションモールド、インジェクションモールド、印刷法等の従来の成型方法で成形すれば良い。
【実施例】
【0034】
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明する。尚、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。また、実施例中特に断りがない限り、部は重量部を示す。なお、実施例中の各物性値は以下の方法で測定した。
(1)重量平均分子量:ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により測定。
(2)エポキシ当量:JIS K−7236に記載の方法で測定。
【0035】
合成例1
γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン94.4部、メチルイソブチルケトン94.4部、を反応容器に仕込み、80℃に昇温した。昇温後、0.1重量%水酸化カリウム水溶液10.8部を30分間かけて連続的に滴下した。滴下終了後、還流下80℃にて5時間反応させた。反応終了後、洗浄液が中性になるまで水洗を繰り返した。次いで減圧下で溶媒を除去することによりエポキシ樹脂(E−1)66部を得た。得られたエポキシ樹脂のエポキシ当量は171g/eq、重量平均分子量は2200であった。
【0036】
合成例2
β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン100部、メチルイソブチルケトン100部を反応容器に仕込み、80℃に昇温した。昇温後、0.1重量%水酸化カリウム水溶液11部を30分間かけて連続的に滴下した。滴下終了後、還流下80℃にて5時間反応させた。反応終了後、洗浄液が中性になるまで水洗を繰り返した。次いで減圧下で溶媒を除去することによりエポキシ樹脂(E−2)69部を得た。得られた化合物のエポキシ当量は184g/eq、重量平均分子量は2500であった。
【0037】
合成例3
γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン89部、へキシルトリメトキシシラン26部、メチルイソブチルケトン115部を反応容器に仕込み、80℃に昇温した。昇温後、0.1重量%水酸化カリウム水溶液13.5部を30分間かけて連続的に滴下した。滴下終了後、還流下80℃にて5時間反応させた。反応終了後、洗浄液が中性になるまで水洗を繰り返した。次いで減圧下で溶媒を除去することによりエポキシ化合物(E−3)80部を得た。得られた化合物のエポキシ当量は216g/eq、重量平均分子量は3200であった。
【0038】
合成例4
γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン47.3部、ジメチルジメトキシシラン24部、メチルイソブチルケトン285.2部を反応容器に仕込み、80℃に昇温した。昇温後、0.1重量%水酸化カリウム水溶液10.8部を30分間かけて連続的に滴下した。滴下終了後、還流下80℃にて5時間反応させた。反応終了後、洗浄液が中性になるまで水洗を繰り返した。次いで減圧下で溶媒を除去することによりエポキシ樹脂(E−4)46部を得た。得られた化合物のエポキシ当量は240g/eq、重量平均分子量は1400、粘度は370mPa・sであった。
【0039】
実施例1〜4
上記エポキシ樹脂と下記に示す原料を表1の「配合物の組成」に示す重量割合で混合し、本発明のエポキシ樹脂組成物を得た。
光カチオン重合開始剤:トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート(旭電化工業社製「アデカオプトマーSP−170」)
熱カチオン重合開始剤:有機スルホニウム 六フッ化リン酸塩(日本曹達社製「CI−2855」)
【0040】
表1
実施例1 実施例2 実施例3 実施例4
配合物の組成
エポキシ樹脂E−1 100
エポキシ樹脂E−2 100
エポキシ樹脂E−3 100
エポキシ樹脂E−4 100
光カチオン重合開始剤 2 2 2
熱カチオン重合開始剤 5
【0041】
実施例1〜4で得られたエポキシ樹脂組成物につき、下記に示す透過性試験を行い、その結果を表2に示した。
【0042】
(透過性試験)
実施例1、3、4で得られたエポキシ樹脂組成物を型に流し込み、高圧水銀灯(120w/cm2)で3.5cmの距離から520m/Jcm2の紫外線を照射し硬化させ、厚み1mm、20mm×15mmの試験片を得た。また、実施例2で得られたエポキシ樹脂組成物については、注型により、150℃×3時間の硬化条件で厚み1mm、20mm×15mmの試験片を得た。
これらの試験片を用い、紫外線照射前後における透過率(測定波長:400nm)を分光光度計により測定した。紫外線照射条件は以下の通りである。
紫外線照射機:アイ スーパー UVテスター SUV−W11
温度:60℃
照射エネルギー:65mW/cm2
照射時間:7時間
【0043】
表2
紫外線照射前の透過率(%) 紫外線照射(7時間)後の透過率(%)
実施例1 93 90
実施例2 95 92
実施例3 95 93
実施例4 96 93
【0044】
表2より本発明のエポキシ樹脂組成物は紫外光に対する劣化の少ない透明性の良好な硬化物を与える。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)一般式(1)で示されるアルコキシケイ素化合物同士、または一般式(1)と一般式(2)で示されるアルコキシケイ素化合物を、共加水分解縮合させることにより得られるエポキシ樹脂、
XSi(R1n(OR23-n (1)
(式中、Xはエポキシ基を有する有機基、R1は炭素数1〜10の置換又は非置換のアルキル基、置換又は非置換のアリール基又は炭素数2〜5の置換又は非置換のアルケニル基を示し、R2は炭素数1〜4のアルキル基を示す。nは0〜2の整数を示し、R1が複数である場合、複数のR1は互いに同一であっても異なっていてもよい。)
k(R3mSi(OR44-(k+m) (2)
(式中、Xはエポキシ基を有する有機基、R3は炭素数1〜10の置換又は非置換のアルキル基、置換又は非置換のアリール基又は置換又は非置換の不飽和脂肪族残基を表す。k、mは0〜3の整数を示し、且つk+mは0〜3である。R3が複数である場合、複数のR3は互いに同一であっても異なっていてもよい。R4は炭素数1〜4のアルキル基を表す。)
及び(B)カチオン重合開始剤を含有することを特徴とする光半導体封止用エポキシ樹脂組成物。
【請求項2】
Xがグリシドオキシ基で置換された炭素数1〜3のアルキル基又はエポキシ基を有する炭素数5〜8のシクロアルキル基で置換された炭素数1〜3のアルキル基であり、R1及びR3が炭素数1〜6のアルキル基、アリール基又は(メタ)アクリロイル基である化合物である請求項1記載の光半導体封止用エポキシ樹脂組成物。
【請求項3】
請求項1又は2記載のエポキシ樹脂組成物を硬化して得られる硬化物で封止された光半導体装置。

【公開番号】特開2006−104248(P2006−104248A)
【公開日】平成18年4月20日(2006.4.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−289847(P2004−289847)
【出願日】平成16年10月1日(2004.10.1)
【出願人】(000004086)日本化薬株式会社 (921)
【Fターム(参考)】