説明

光半導体封止用樹脂組成物

【課題】高い耐熱性、透明性を維持しつつ、優れた耐クラック性を発揮する硬化物を得ることができる光半導体封止用樹脂組成物を提供する。
【解決手段】本発明の光半導体封止用樹脂組成物は、(メタ)アクリル酸エステルを必須モノマー成分とするポリマーで構成され、表面にエポキシ基と反応し得る官能基としてヒドロキシル基及び/又はカルボキシル基を有し、平均粒子径が10nm〜500nm、最大粒子径が50nm〜1000nmであり、且つ当該光半導体封止用樹脂組成物の硬化物との屈折率差が±0.02以内であるゴム粒子を脂環式エポキシ樹脂に分散させたゴム粒子分散硬化性エポキシ樹脂(A)、多官能チオール(B)、硬化剤(C)、及び硬化促進剤(D)を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光半導体封止用樹脂組成物、これを硬化して得られる硬化物、及びこれを使用して光半導体素子を封止した光半導体装置に関する。さらに詳しくは、耐熱性、透明性を低下させることなく、耐クラック性の向上した硬化物が得られる熱硬化性エポキシ樹脂組成物からなる光半導体封止用樹脂組成物と、これを硬化して得られる硬化物、及びこれを使用して光半導体素子を封止した光半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
光半導体素子封止用のエポキシ樹脂組成物には、透明性、耐熱性が良好な脂環骨格を有する液状のエポキシ化合物が多用される。このようなエポキシ化合物として、例えば、いずれもダイセル化学工業株式会社製のセロキサイド2021(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート)、セロキサイド2081(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレートとε−カプロラクトンの付加物)、セロキサイド3000(1,2,8,9−ジエポキシリモネン)などが挙げられる。
【0003】
セロキサイド2021に代表される3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート構造を持ったエポキシ化合物は、耐熱性、透明性に優れた硬化物を作るためLEDなどの光半導体封止用樹脂に使用されている。しかし、セロキサイド2021などの脂環エポキシ化合物は、強靱性に問題があり、ヒートサイクル試験におけるクラックの発生により、電子部品の信頼性を低下させる。
【0004】
かかる問題点を改善しようとする提案としては、例えば、核水添されたビスフェノールAのジグリシジルエーテルを含む光半導体封止用エポキシ樹脂組成物が知られている(例えば、特許文献1参照)。また、さらに、エポキシ樹脂に強靭性を付与する手段として、エポキシ樹脂中にコアシェルポリマーを分散させる手法が知られている(例えば、特許文献2参照)。また、エポキシ樹脂中にポリエーテルポリオールを配合し、ブタジエン系ゴムのコア構造とメチルメタアクリレート系樹脂のシェル構造とを有する粒子を該エポキシ樹脂中に分散させる方法が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
【0005】
一方、樹脂の屈折率を高めるためチオアルコールを光半導体封止用樹脂に用いる例として、脂肪族エポキシ樹脂の硬化に多官能チオアルコールを硬化剤として用いる例(例えば、特許文献4参照)や、モノアルキルチオアルコールを光半導体封止用樹脂に用いている例が知られている(例えば、特許文献5、6、7、8参照)。
【0006】
しかし、特許文献1に記載されている光半導体封止用エポキシ樹脂組成物の硬化物は着色や耐候性、耐熱性等の点で問題がある。特許文献2に記載されているエポキシ樹脂組成物は透明性には何ら触れられていない。また、特許文献3に記載されているエポキシ樹脂組成物は紫外線による光硬化性樹脂組成物であり、注型加熱による厚膜硬化に特徴を見出したものではない。また、硬化物の透明性の点で満足すべきものではない。特許文献4に記載のチオアルコールを硬化剤として使用する例は、チオアルコールのみを硬化剤として用いておりTgが低くなりすぎることと、基材の表面に特殊な表面処理を施す必要があるためあまり実用的な方法と言えない。特許文献5、6、7、8に記載のモノアルキルチオールを用いる例は、単官能のチオアルコールを用いているため強度低下を引き起こすおそれがある上、固体のエポキシ樹脂組成物を用いるトランスファー成形の応用例であり、適用の際に金型や樹脂の冷蔵貯蔵設備を準備するなど設備費用がかかるという問題点がある。
【0007】
【特許文献1】特開平9−255764号公報
【特許文献2】特開2005−255822号公報
【特許文献3】特開平11−240939号公報
【特許文献4】特開2007−109915号公報
【特許文献5】特開平11−269351号公報
【特許文献6】特開2002−353518号公報
【特許文献7】特開2003−268200号公報
【特許文献8】特開2007−197627号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、前記問題点を改善し、硬化物のガラス転移温度(Tg)が低下することがなく、高い耐熱性および透明性を維持したまま、耐クラック性が付与された硬化物が得られる光半導体封止用樹脂組成物、該光半導体封止用樹脂組成物を硬化して得られる硬化物、及び該光半導体封止用樹脂組成物によって光半導体素子が封止されてなる光半導体装置を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、上記の特性に加え、さらに粘度が低く貯蔵安定性、加工性に優れる光半導体封止用樹脂組成物、該光半導体封止用樹脂組成物を硬化して得られる硬化物、及び該光半導体封止用樹脂組成物によって光半導体素子が封止されてなる光半導体装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、特定のゴム粒子を脂環式エポキシ樹脂中に分散させ、弾性特性を改良することによりヒートサイクル性の問題を改善できることを見出した。また、ゴム粒子を分散させた硬化性エポキシ樹脂と多官能チオールとを配合することにより、光学的に均質な硬化物が得られ、かつ、硬化不良部位発生という問題がなく、硬化物の透明性、耐熱性を維持したまま強靱性(低曲げ弾性率、高曲げ強度)を付与できる光半導体封止用樹脂組成物が得られることを見出した。本発明はこれらの知見に基づき、さらに研究を重ねて完成したものである。
【0010】
すなわち、本発明は、(メタ)アクリル酸エステルを必須モノマー成分とするポリマーで構成され、表面にエポキシ基と反応し得る官能基としてヒドロキシル基及び/又はカルボキシル基を有し、平均粒子径が10nm〜500nm、最大粒子径が50nm〜1000nmであり、且つ当該光半導体封止用樹脂組成物の硬化物との屈折率差が±0.02以内であるゴム粒子を脂環式エポキシ樹脂に分散させたゴム粒子分散硬化性エポキシ樹脂(A)、多官能チオール(B)、硬化剤(C)、及び硬化促進剤(D)を含む光半導体封止用樹脂組成物を提供する。
【0011】
本発明は、また、(メタ)アクリル酸エステルを必須モノマー成分とするポリマーで構成され、表面にエポキシ基と反応し得る官能基としてヒドロキシル基及び/又はカルボキシル基を有し、平均粒子径が10nm〜500nm、最大粒子径が50nm〜1000nmであり、且つ当該光半導体封止用樹脂組成物の硬化物との屈折率差が±0.02以内であるゴム粒子を脂環式エポキシ樹脂に分散させたゴム粒子分散硬化性エポキシ樹脂(A)、多官能チオール(B)、及び熱硬化触媒(E)を含む光半導体封止用樹脂組成物を提供する。
【0012】
前記多官能チオール(B)は25℃で液状であるのが好ましい。また、前記硬化剤(C)は25℃で液状の酸無水物であるのが好ましい。
【0013】
本発明は、さらに、上記の各光半導体封止用樹脂組成物を硬化して得られる硬化物を提供する。
【0014】
本発明は、さらにまた、上記の各光半導体封止用樹脂組成物によって光半導体素子が封止されてなる光半導体装置を提供する。
【発明の効果】
【0015】
本発明の光半導体封止用樹脂組成物は脂環式エポキシ樹脂に特定の特性を有するゴム粒子を分散させた硬化性エポキシ樹脂と多官能チオールとを含んでいるので、ゴム粒子を含んでいながら、熱硬化させて得られる硬化物は光学的に均質であり、硬化不良部位の発生という問題がない。また、高温時にもヘーズが発生しないレベルの粒子径でゴム粒子を設計しているので透明性が高い。さらに、上記特定のゴム粒子を含有していることから、低曲げ弾性率、高曲げ強度であるため、耐クラック性に優れ、また、ガラス転移温度が高く耐熱性に優れている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
[光半導体封止用樹脂組成物]
本発明の第1の光半導体封止用樹脂組成物は、ゴム粒子分散硬化性エポキシ樹脂(A)、多官能チオール(B)、硬化剤(C)及び硬化促進剤(D)を必須の構成成分として含んでいる。本発明の第2の光半導体封止用樹脂組成物は、ゴム粒子分散硬化性エポキシ樹脂(A)、多官能チオール(B)及び熱硬化触媒(E)を必須の構成成分として含んでいる。なお、本発明の光半導体封止用樹脂組成物は、上記のほか、本発明の効果を損なわない範囲で各種添加剤を含んでいてもよい。
【0017】
[ゴム粒子分散硬化性エポキシ樹脂(A)]
本発明におけるゴム粒子分散硬化性エポキシ樹脂(A)は、(メタ)アクリル酸エステルを必須モノマー成分とするポリマーで構成され、表面にエポキシ基と反応し得る官能基としてヒドロキシル基及び/又はカルボキシル基を有し、平均粒子径が10nm〜500nm、最大粒子径が50nm〜1000nmであり、且つ当該光半導体封止用樹脂組成物(=本発明の光半導体封止用樹脂組成物)の硬化物との屈折率差が±0.02以内となるゴム粒子(a)を、脂環式エポキシ樹脂(b)に分散させたものである。
【0018】
(ゴム粒子(a))
本発明におけるゴム粒子(a)は、ゴム弾性を有するコア部分と、該コア部分を被覆する少なくとも1層のシェル層とから成る多層構造(コアシェル構造)を有する。また、(メタ)アクリル酸エステルを必須モノマー成分とするポリマーで構成されており、表面に脂環式エポキシ樹脂のエポキシ基と反応しうるヒドロキシル基及び/又はカルボキシル基を有する。ヒドロキシル基及び/又はカルボキシル基がゴム粒子表面に存在しない場合、冷熱衝撃試験により硬化物が白濁し透明性が低下することがあるため好ましくない。
【0019】
ゴム弾性を有するコア部分のポリマーを構成するモノマー成分としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチルなどの(メタ)アクリル酸エステルを必須とする。(メタ)アクリル酸エステル以外に含んでいてもよいモノマー成分としては、例えば、ジメチルシロキサン、フェニルメチルシロキサンなどのシリコーン、スチレン、α−メチルスチレンなどの芳香族ビニル化合物、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのニトリル、ブタジエン、イソプレンなどの共役ジエン、ウレタン、エチレン、プロピレン、イソブテンなどのオレフィンなどを挙げることができる。
【0020】
本発明においては、ゴム弾性を有するコア部分を構成するモノマー成分として、(メタ)アクリル酸エステルと共に、シリコーン、芳香族ビニル化合物、ニトリル、共役ジエンから選択された1種又は2種以上を組み合わせて含んでいることが好ましく、例えば、(メタ)アクリル酸エステル/芳香族ビニル化合物、(メタ)アクリル酸エステル/共役ジエン等の二元共重合体;(メタ)アクリル酸エステル/芳香族ビニル/共役ジエン等の三元共重合体などを挙げることができる。
【0021】
ゴム弾性を有するコア部分には、上記モノマー成分の他にジビニルベンゼン、アリル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジアリルマレエート、トリアリルシアヌレート、ジアリルフタレート、ブチレングリコールジアクリレートなどの分子中に2以上の反応性官能基を有する反応性架橋モノマーに対応する構造単位を含有していてもよい。
【0022】
本発明におけるゴム弾性を有するコア部分を構成するモノマー成分としては、なかでも、(メタ)アクリル酸エステル/芳香族ビニル化合物の二元共重合体(特に、アクリル酸ブチル/スチレン)等の(メタ)アクリル酸エステルと芳香族ビニル化合物を少なくとも必須モノマー成分とする共重合体であることが、容易にゴム粒子の屈折率を調整することができる点で好ましい。
【0023】
ゴム弾性を有するコア部分は、通常用いられる方法で製造することができ、例えば、上記モノマーを乳化重合法により重合する方法などを挙げることができる。乳化重合法としては、上記モノマーの全量を一括して仕込み重合してもよく、上記モノマーの一部を重合させた後、残りを連続的に又は断続的に添加して重合してもよく、さらに、シード粒子を使用する重合方法を使用してもよい。
【0024】
シェル層は、上記コア部分を構成する重合体とは異種の重合体から成ることが好ましい。また、シェル層には、脂環式エポキシ樹脂のエポキシ基と反応し得る官能基としてヒドロキシル基及び/又はカルボキシル基を有する。それにより、脂環式エポキシ樹脂との界面で接着性を向上させることができ、該シェル層を有するゴム粒子を含む光半導体封止用樹脂組成物を硬化させることにより、優れた耐クラック性を有し、白濁のない透明な硬化物を得ることができる。また、硬化物のガラス転移温度が低下することを防止することができる。
【0025】
シェル層を構成するモノマー成分としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチルなどの(メタ)アクリル酸エステルを必須とし、例えば、コア部分を構成する(メタ)アクリル酸エステルがアクリル酸ブチルである場合、シェル層は、アクリル酸ブチル以外の(メタ)アクリル酸エステル(例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、メタクリル酸ブチルなど)を使用することが好ましい。(メタ)アクリル酸エステル以外に含んでいてもよいモノマー成分としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレンなどの芳香族ビニル化合物、アクリロニトリル、メタクリロニトリルどのニトリルなどを挙げることができる。本発明においては、シェル層を構成するモノマー成分として、(メタ)アクリル酸エステルと共に、上記モノマーを単独で又は2種以上を組み合わせて含んでいることが好ましく、特に、少なくとも芳香族ビニル化合物を含むことが、容易にゴム粒子の屈折率を調整することができる点で好ましい。
【0026】
さらに、脂環式エポキシ樹脂のエポキシ基と反応し得る官能基としてのヒドロキシル基及び/又はカルボキシル基を有するモノマー成分として、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートなどのヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸などのα,β−不飽和カルボン酸、マレイン酸無水物などのα,β−不飽和カルボン酸無水物などのモノマーを含有することが好ましい。
【0027】
本発明においては、シェル層を構成するモノマー成分として、(メタ)アクリル酸エステルと共に、上記モノマーから選択された1種又は2種以上を組み合わせて含んでいることが好ましく、例えば、(メタ)アクリル酸エステル/芳香族ビニル化合物/ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸エステル/芳香族ビニル化合物/α,β−不飽和カルボン酸等の三元共重合体などを挙げることができる。
【0028】
また、シェル層は、コア部分と同様に、上記モノマーの他にジビニルベンゼン、アリル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジアリルマレエート、トリアリルシアヌレート、ジアリルフタレート、ブチレングリコールジアクリレートなどの分子中に2以上の反応性官能基を有する反応性架橋モノマーに対応する構造単位を含有していてもよい。
【0029】
コア部分をシェル層で被覆する方法としては、例えば、上記方法により得られたゴム弾性を有するコア部分の表面に、シェル層を構成する共重合体を塗布することにより被覆する方法、上記方法により得られたゴム弾性を有するコア部分を幹成分とし、シェル層を構成する各成分を枝成分としてグラフト重合する方法などを挙げることができる。
【0030】
本発明におけるゴム粒子の平均粒子径は、10〜500nmの範囲であり、好ましくは20〜400nm程度である。また、ゴム粒子の最大粒子径は、50〜1000nmの範囲であり、好ましくは100〜800nm程度である。平均粒子径が500nmを上回ると、又は、ゴム粒子の最大粒子径が1000nmを上回ると、硬化物の透明性が低下し、光半導体の光度が低下する傾向がある。一方、平均粒子径が10nmを下回ると、又は、ゴム粒子の最大粒子径が50nmを下回ると、耐クラック性が低下する傾向がある。
【0031】
本発明におけるゴム粒子の屈折率としては、例えば1.40〜1.60、好ましくは1.42〜1.58程度である。また、ゴム粒子の屈折率と、該ゴム粒子を含む光半導体封止用樹脂組成物を硬化して得られる硬化物の屈折率との差は±0.02以内であり、なかでも、±0.018以内であることが好ましい。屈折率の差が±0.02を上回ると、硬化物の透明性が低下し、時には白濁して、光半導体の光度が低下する傾向があり、光半導体の機能を消失させてしまう場合がある。ゴム粒子の屈折率は、コア部分及びシェル層のポリマーを構成するモノマー成分の種類及び含量等により調整できる。
【0032】
ゴム粒子の屈折率は、例えば、ゴム粒子1gを型に注型して210℃、4MPaで圧縮成形し、厚さ1mmの平板を得、得られた平板から、縦20mm×横6mmの試験片を切り出し、中間液としてモノブロモナフタレンを使用してプリズムと該試験片とを密着させた状態で、多波長アッベ屈折計(商品名「DR−M2」、(株)アタゴ製)を使用し、20℃、ナトリウムD線での屈折率を測定することにより求めることができる。
【0033】
光半導体封止用樹脂組成物の硬化物の屈折率は、例えば、下記光半導体装置の項に記載の加熱硬化方法により得られた硬化物から、縦20mm×横6mm×厚さ1mmの試験片を切り出し、中間液としてモノブロモナフタレンを使用してプリズムと該試験片とを密着させた状態で、多波長アッベ屈折計(商品名「DR−M2」、(株)アタゴ製)を使用し、20℃、ナトリウムD線での屈折率を測定することにより求めることができる。
【0034】
(脂環式エポキシ樹脂(b))
本発明における脂環式エポキシ樹脂(b)は、脂環を構成する隣接する2つの炭素原子と酸素原子とで構成されるエポキシ基を2個以上有する脂環式化合物であり、一般に慣用されているものの中から1又は2以上を任意に選択して使用することができる。本発明における脂環式エポキシ樹脂としては、調合時、及び注型時の作業性の点から、常温(25℃)で液状を呈するものが好ましい。
【0035】
本発明における脂環式エポキシ樹脂としては、特に、透明性、及び耐熱性の点で下記式(1)で表される脂環式エポキシ樹脂が好ましい。
【0036】
【化1】

式中、Yは連結基を示し、例えば、単結合、2価の炭化水素基、カルボニル基、エーテル結合、エステル結合、アミド結合、及びこれらが複数個連結した基等が挙げられる。
【0037】
2価の炭化水素基としては、炭素数が1〜18の直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基、2価の脂環式炭化水素基、これらが2以上結合した基等が挙げられる。炭素数が1〜18の直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基としては、例えば、メチレン、メチルメチレン、ジメチルメチレン、エチレン、プロピレン、トリメチレン基等が挙げられる。2価の脂環式炭化水素基としては、例えば、1,2−シクロペンチレン、1,3−シクロペンチレン、シクロペンチリデン、1,2−シクロへキシレン、1,3−シクロへキシレン、1,4−シクロへキシレン、シクロヘキシリデン基等の2価のシクロアルキレン基(シクロアルキリデン基を含む)などが挙げられる。
【0038】
式(1)で表される脂環式エポキシ樹脂の代表的な例として、下記式(1a)〜(1i)で表される化合物が挙げられる。なお、下記式中、n1〜n8は、それぞれ、1〜30の整数を示す。式(1e)中、−O−R−O−はジオールの残基を示す。Rとしては、2価の炭化水素基、カルボニル基、エーテル結合、エステル結合、アミド結合、及びこれらが複数個連結した基等が挙げられる。2価の炭化水素基としては、上記Yにおける2価の炭化水素基と同様の基が例示される。
【0039】
【化2】

【0040】
【化3】

【0041】
これらの脂環式エポキシ樹脂は、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができ、例えば、商品名「セロキサイド2021P」、「セロキサイド2081」(ダイセル化学工業(株)製)等の市販品を使用することもできる。
【0042】
本発明におけるゴム粒子分散硬化性エポキシ樹脂(A)は、上記ゴム粒子(a)を、上記脂環式エポキシ樹脂(b)に分散させてなる。ゴム粒子の配合量としては、必要に応じて適宜調整することができ、例えば、ゴム粒子分散硬化性エポキシ樹脂(A)全量に対して、0.5〜30重量%程度、好ましくは、1〜20重量%程度である。ゴム粒子の使用量が0.5重量%を下回ると、耐クラック性が低下する傾向があり、一方、ゴム粒子の使用量が30重量%を上回ると、耐熱性及び透明性が低下する傾向がある。
【0043】
ゴム粒子分散硬化性エポキシ樹脂(A)の粘度としては、25℃における粘度が400mPa・s〜50000mPa・sが好ましく、なかでも、500mPa・s〜10000mPa・sが好ましい。ゴム粒子分散硬化性エポキシ樹脂(A)の粘度(25℃)が400mPa・sを下回ると透明性が低下する傾向があり、一方、ゴム粒子分散硬化性エポキシ樹脂(A)の粘度(25℃)が50000mPa・sを上回るとゴム粒子分散硬化性エポキシ樹脂(A)の製造、光半導体封止用樹脂組成物の製造共に生産性が低下する傾向がある。
【0044】
ゴム粒子分散硬化性エポキシ樹脂(A)の製造方法としては、特に限定されることなく、ゴム粒子を樹脂中に分散させる際の慣用の方法を利用することができ、例えば、ゴム粒子を脱水乾燥して粉体とした後に、脂環式エポキシ樹脂に混合、分散する方法や、ゴム粒子エマルジョンと脂環式エポキシ樹脂とを直接混合、脱水する方法などを挙げることができる。
【0045】
ゴム粒子分散硬化性エポキシ樹脂(A)の使用量としては、光半導体封止用樹脂組成物中に含まれるエポキシ基含有化合物の総量に対して30〜100重量%程度であることが好ましく、なかでも、50〜100重量%程度であることが好ましい。ゴム粒子分散硬化性エポキシ樹脂(A)の使用量がエポキシ基含有化合物の総量に対して30重量%を下回ると、得られる硬化物の耐クラック性が低下する傾向がある。
【0046】
[その他のエポキシ化合物]
本発明の光半導体封止用樹脂組成物は、上記ゴム粒子分散硬化性エポキシ樹脂(A)以外のエポキシ樹脂を含んでいてもよい。このようなエポキシ樹脂としては、ゴム粒子を含まない脂環式エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂以外のエポキシ樹脂が挙げられる。
【0047】
ゴム粒子を含まない脂環式エポキシ樹脂としては、例えば、前記式(1)で表される脂環式エポキシ樹脂を挙げることができる。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。ゴム粒子を含まない脂環式エポキシ樹脂の使用量としては、例えば、光半導体封止用樹脂組成物中に含まれるエポキシ基含有化合物の総量に対して、0〜60重量%(例えば3〜60重量%)、好ましくは0〜45重量%(例えば5〜45重量%)である。
【0048】
脂環式エポキシ樹脂以外のエポキシ樹脂としては、例えば、芳香環を有しないグリシジルエーテル系エポキシ化合物、芳香環を有するグリシジルエーテル系エポキシ化合物(ビスフェノールA型、ビスフェノールF型等)、グリシジルエステル系エポキシ化合物、グリシジルアミン系エポキシ化合物などが挙げられる。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。これらのなかでも、芳香環を有しないグリシジルエーテル系エポキシ化合物が好ましい。芳香環を有しないグリシジルエーテル系エポキシ化合物を配合することで、高い耐熱性及び耐光性を損なうことなく耐クラック性をより向上させることができる場合がある。
【0049】
芳香環を有しないグリシジルエーテル系エポキシ化合物には、脂肪族グリシジルエーテル系エポキシ化合物[常温(25℃)における粘度が200mPa・sを超えるもの]、及び、芳香族グリシジルエーテル系エポキシ化合物を核水添した化合物が含まれる。芳香環を有しないグリシジルエーテル型エポキシ化合物として、例えば、商品名「EPICLON703」、「EPICLON707」、「EPICLON720」、「EPICLON725」(DIC(株)製)、商品名「YH−300」、「YH−315」、「YH−324」、「PG−202」、「PG−207」、「サントートST−3000」(東都化成(株)製)、商品名「リカレジンDME−100」、「リカレジンHBE−100」(新日本理化(株)製)、商品名「デナコールEX−212」、「デナコールEX−321」(ナガセケムテックス(株)製)、商品名「YX8000」、「YX8034」(ジャパンエポキシレジン(株)製)等の市販品を好適に使用することができる。芳香環を有しないグリシジルエーテル系エポキシ化合物の使用量としては、例えば、光半導体封止用樹脂組成物中に含まれるエポキシ基含有化合物の総量に対して、0〜60重量%(例えば3〜60重量%)、好ましくは0〜45重量%(例えば5〜45重量%)である。
【0050】
本発明の光半導体封止用樹脂組成物に配合するエポキシ樹脂としては、常温(25℃)において液状のものが好ましいが、常温(25℃)で固体を呈するエポキシ化合物であっても、配合した後に液状を呈するものであれば含有していてもよい。常温(25℃)で固体を呈するエポキシ化合物としては、例えば、固形のビスフェノール型エポキシ化合物、ノボラック型エポキシ化合物、グリシジルエステル、トリグリシジルイソシアヌレート、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−1−ブタノールの1,2−エポキシ−4−(2−オキシラニル)シクロセキサン付加物(商品名「EHPE3150」、ダイセル化学工業(株)製)などを挙げることができる。これらのエポキシ化合物は、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0051】
さらに、本発明の光半導体封止用樹脂組成物は、反応希釈剤を用いることもできる。反応性希釈剤を使用することにより粘度を調整できる。反応性希釈剤としては、常温(25℃)における粘度が200mPa・s以下(好ましくは100mPa・s以下)の脂肪族ポリグリシジルエーテル化合物(アルキレングリコールジグリシジルエーテル等)を好適に使用することができる。前記脂肪族ポリグリシジルエーテルとしては、例えば、シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル、シクロヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテルなどを挙げることができる。なお、カチオン硬化性を有するオキセタン化合物やビニルエーテル化合物を反応性希釈剤として用いることもできる。
【0052】
反応性希釈剤の使用量としては、適宜調整することができ、例えば、ゴム粒子分散硬化性エポキシ樹脂(A)100重量部に対して30重量部以下、好ましくは、25重量部以下(例えば、5〜25重量部)程度である。反応性希釈剤の使用量が30重量部を上回ると、耐クラック性等の所望の性能を得ることが困難となる傾向がある。
【0053】
[多官能チオール(B)]
多官能チオール(B)としては2〜6官能のチオール(分子内に2〜6個のメルカプト基を有するチオアルコール)であるのが好ましい。また、多官能チオールは常温(25℃)で液状であるのが好ましい。多官能チオールは、一級でも二級でもこれらが混在していてもよい。また、固体のチオールであっても、エポキシ樹脂又は硬化剤(酸無水物等)に溶解するものであればかまわない。
【0054】
多官能チオールの代表例として、下記式(2a)〜(2h)で表される化合物が挙げられる。
【0055】
【化4】

【0056】
【化5】

【0057】
市販の一級の多官能チオールとしては、商品名「EGMP−4」、「TMMP」、「TEMPIC」、「PEMP」、「DPMP」(以上、堺化学工業(株)製)などがある。また、市販の二級の多官能チオールとしては、商品名「BD−1」、「NR−1」、「PE−1」(以上、昭和電工(株)製、カレンズMT(登録商標)シリーズ)などがある。
【0058】
多官能チオール(B)の使用量としては、光半導体封止用樹脂組成物中に含まれるエポキシ基含有化合物の総量100重量部に対して、例えば1〜50重量部、好ましくは3〜40重量部、さらに好ましくは5〜25重量部程度である。多官能チオール(B)の使用量が1重量部未満では、得られる硬化物の耐クラック性が低下する傾向となり、50重量部を超えると粘度が上がりすぎたり、可使時間(ポットライフ)が短くなりやすい。
【0059】
[硬化剤(C)]
硬化剤(C)は、エポキシ樹脂を硬化させる働きを有する。本発明における硬化剤(C)としては、エポキシ樹脂用硬化剤として慣用の硬化剤を使用することができるが、特に酸無水物が好ましい。本発明における硬化剤(C)としては、なかでも、25℃で液状の酸無水物が好ましく、例えば、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、ドデセニル無水コハク酸、メチルエンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸などを挙げることができる。また、例えば、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルシクロヘキセンジカルボン酸無水物などの常温(25℃)で固体状の酸無水物は、常温(25℃)で液状の酸無水物等に溶解させて液状の混合物とすることで、本発明における硬化剤(C)として使用することができる。
【0060】
本発明においては、硬化剤(C)として、商品名「リカシッド MH−700」(新日本理化(株)製)、商品名「HN−5500」(日立化成(株)製)等の市販品を使用することもできる。
【0061】
硬化剤(C)の使用量としては、例えば、光半導体封止用樹脂組成物中に含まれるエポキシ基含有化合物の総量100重量部に対して、50〜150重量部、好ましくは52〜145重量部、さらに好ましくは55〜140重量部程度である。より具体的には、上記光半導体封止用樹脂組成物中に含有する全てのエポキシ樹脂(エポキシ化合物)におけるエポキシ基1当量当たり、0.5〜1.5当量(酸無水物当量)となる割合で使用することが好ましい。硬化剤(C)の使用量が50重量部を下回ると、効果が不十分となり、硬化物の強靱性が低下する傾向があり、一方、硬化剤(C)の使用量が150重量部を上回ると、硬化物が着色して色相が悪化する場合がある。
【0062】
[硬化促進剤(D)]
硬化促進剤(D)は、エポキシ樹脂が硬化剤(C)により硬化する際に、硬化速度を促進する機能を有する化合物である。本発明における硬化促進剤(D)としては、一般に用いられている慣用の硬化促進剤を使用することができ、例えば、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7(DBU)、及びその塩(例えば、フェノール塩、オクチル酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、ギ酸塩、テトラフェニルボレート塩);1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノネン−5(DBN)、及びその塩(例えば、ホスホニウム塩、スルホニウム塩、4級アンモニウム塩、ヨードニウム塩);ベンジルジメチルアミン、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミンなどの3級アミン;2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾールなどのイミダゾール;リン酸エステル、トリフェニルホスフィンなどのホスフィン類;テトラフェニルホスホニウムテトラ(p−トリル)ボレートなどのホスホニウム化合物;オクチル酸スズ、オクチル酸亜鉛などの有機金属塩;金属キレート(アルミニウムトリスアセチルアセトナート、アルミニウムトリスアセト酢酸エチル等のアルミニウムやチタンなどの金属とアセト酢酸エステルやジケトン類とのキレート化合物など)などが挙げられる。これらは、単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
【0063】
これらのなかでも、硬化促進剤(D)としては、ジアザビシクロウンデセン系硬化促進剤(DBU、及びその塩)が好ましい。硬化物の色相を良好にするという観点からは、用いる全硬化促進剤の50重量%以上、特に70重量%以上をジアザビシクロウンデセン系硬化促進剤とするのが好ましい。
【0064】
本発明においては、硬化促進剤(D)として、商品名「U−CAT SA 506」、「U−CAT SA 102」、「U−CAT 5003」、「U−CAT 18X」、「12XD」(いずれもサンアプロ(株)製)、商品名「TPP−K」、「TPP−MK」(いずれも北興化学工業(株)製)、商品名「PX−4ET」(日本化学工業(株)製)等の市販品を使用することもできる。
【0065】
硬化促進剤(D)の使用量としては、例えば、光半導体封止用樹脂組成物中に含まれるエポキシ基含有化合物の総量100重量部に対して、0.05〜5重量部、好ましくは0.1〜3重量部、特に好ましくは0.2〜3重量部、最も好ましくは0.25〜2.5重量部程度である。硬化促進剤(D)の使用量が0.05重量部を下回ると、硬化促進効果が不十分となる場合があり、一方、硬化促進剤(D)の使用量が5重量部を上回ると、硬化物が着色して色相が悪化する場合がある。
【0066】
[熱硬化触媒(E)]
本発明における熱硬化触媒(E)は、エポキシ樹脂(エポキシ化合物)の重合を開始させる働きを有する。本発明における熱硬化触媒(E)としては、加熱処理を施すことによりカチオン種を発生して、ゴム粒子分散硬化性エポキシ樹脂(A)の重合を開始させるカチオン重合開始剤が好ましい。
【0067】
加熱処理を施すことによりカチオン種を発生するカチオン重合開始剤としては、例えば、アリールジアゾニウム塩、アリールヨードニウム塩、アリールスルホニウム塩、アレン−イオン錯体などを挙げることができ、商品名「PP−33」、「CP−66」、「CP−77」(ADEKA(株)製)、商品名「FC−509」(スリーエム(株)製)、商品名「UVE1014」(G.E.(株)製)、商品名「サンエイド SI−60L」、「サンエイド SI−80L」、「サンエイド SI−100L」、「サンエイド SI−110L」(三新化学工業(株)製)、商品名「CG−24−61」(チバ・ジャパン(株)製)等の市販品を好適に使用することができる。さらに、アルミニウムやチタンなどの金属とアセト酢酸エステル若しくはジケトン類とのキレート化合物とトリフェニルシラノール等のシラノールとの化合物、又は、アルミニウムやチタンなどの金属とアセト酢酸エステル若しくはジケトン類とのキレート化合物とビスフェノールS等のフェノール類との化合物であってもよい。
【0068】
熱硬化触媒(E)の使用量としては、例えば、光半導体封止用樹脂組成物中に含まれるエポキシ基含有化合物の総量100重量部に対して、0.01〜15重量部、好ましくは0.01〜12重量部、特に好ましくは、0.05〜10重量部、最も好ましくは、0.1〜10重量部程度である。この範囲内で使用することにより、耐熱性、透明性、耐候性に優れた硬化物を得ることができる。
【0069】
[その他の成分]
本発明の光半導体封止用樹脂組成物には、必要に応じてその他の成分を配合してもよい。このようなその他の成分として、25℃で液状を呈するポリオール化合物(ポリエーテルポリオールを除く)が挙げられる。
【0070】
25℃で液状を呈するポリオール化合物には、例えば、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオールが含まれる。
【0071】
ポリエステルポリオールとしては、例えば、商品名「プラクセル205」、「プラクセル205H」、「プラクセル205U」、「プラクセル205BA」、「プラクセル208」、「プラクセル210」、「プラクセル210CP」、「プラクセル210BA」、「プラクセル212」、「プラクセル212CP」、「プラクセル220」、「プラクセル220CPB」、「プラクセル220NP1」、「プラクセル220BA」、「プラクセル220ED」、「プラクセル220EB」、「プラクセル220EC」、「プラクセル230」、「プラクセル230CP」、「プラクセル240」、「プラクセル240CP」、「プラクセル210N」、「プラクセル220N」、「プラクセルL205AL」、「プラクセルL208AL」、「プラクセルL212AL」、「プラクセルL220AL」、「プラクセルL230AL」、「プラクセル305」、「プラクセル308」、「プラクセル312」、「プラクセルL312AL」、「プラクセル320」、「プラクセルL320AL」、「プラクセルL330AL」、「プラクセル410」、「プラクセル410D」、「プラクセル610」、「プラクセルP3403」、「プラクセルCDE9P」(ダイセル化学工業(株)製)等の市販品を使用することができる。
【0072】
ポリカーボネートポリオールとしては、例えば、商品名「プラクセルCD205PL」、「プラクセルCD205HL」、「プラクセルCD210PL」、「プラクセルCD210HL」、「プラクセルCD220PL」、「プラクセルCD220HL」(ダイセル化学工業(株)製)、商品名「UH−CARB50」、「UH−CARB100」、「UH−CARB300」、「UH−CARB90(1/3)」、「UH−CARB90(1/1)」、「UC−CARB100」(宇部興産(株)製)、商品名「PCDL T4671」、「PCDL T4672」、「PCDL T5650J」、「PCDL T5651」、「PCDL T5652」(旭化成ケミカルズ(株)製)等の市販品を使用することができる。
【0073】
25℃で液状を呈するポリオール化合物の使用量としては、例えば、ゴム粒子分散硬化性エポキシ樹脂(A)100重量部に対して0〜50重量部程度(例えば、3〜50重量部)、好ましくは、0〜40重量部(例えば10〜40重量部)程度である。
【0074】
本発明の光半導体封止用樹脂組成物には、上記以外にも、本発明の効果を損なわない範囲内で各種添加剤を配合することができる。
【0075】
添加剤として、例えば、エチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリンなどの水酸基を有する化合物(ポリオール化合物等)を使用すると、反応を緩やかに進行させることができる。その他にも、粘度や透明性を損なわない範囲内で、シリコーン系やフッ素系消泡剤、レベリング剤、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランなどのシランカップリング剤、界面活性剤、充填剤、難燃剤、着色剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、イオン吸着体、顔料、離型剤などの慣用の添加剤を使用することができる。これら各種添加剤の配合量としては、例えば、光半導体封止用樹脂組成物全量に対して、それぞれ5重量%以下である。これらの添加剤の総配合量は、例えば、光半導体封止用樹脂組成物全量に対して、10重量%以下、好ましくは5重量%以下である。
【0076】
[光半導体封止用樹脂組成物の製造]
本発明の光半導体封止用樹脂組成物を製造するには、硬化性樹脂組成物を製造するのに通常用いられる方法を利用することができる。例えば、所定量のゴム粒子分散硬化性エポキシ樹脂(A)、多官能チオール(B)、硬化剤(C)及び硬化促進剤(D)、又は、ゴム粒子分散硬化性エポキシ樹脂(A)、多官能チオール(B)及び熱硬化触媒(E)に、必要に応じてその他の成分(その他のエポキシ化合物、添加剤等)を配合して、真空加熱下で気泡を排除しつつ撹拌・混合することにより調製される。撹拌・混合する際の温度は、通常、10〜60℃に設定されることが好ましい。調製時の設定温度が10℃未満では、粘度が高すぎて均一な撹拌・混合作業が困難になり、逆に、調製時の温度が60℃を超えると、硬化反応が起き、正常な光半導体封止用樹脂組成物が得られないので、好ましくない。撹拌・混合する際には、ニーダー、ディソルバーのような汎用の機器を使用し、例えば10分間程度撹拌・混合することにより調製してもよい。
【0077】
なお、多官能チオール(B)、硬化剤(C)、硬化促進剤(D)、熱硬化触媒(E)及びその他の成分(その他のエポキシ化合物、添加剤等)については、予め製造したゴム粒子分散硬化性エポキシ樹脂(A)に添加、配合することもできるが、それらの一部又は全部をゴム粒子分散硬化性エポキシ樹脂(A)の製造時に添加、配合することもできる。
【0078】
本発明の光半導体封止用樹脂組成物は、光半導体素子を封止する際の加工性の点で、常温(25℃)で液状を呈することが好ましい。光半導体封止用樹脂組成物の粘度(25℃)は、好ましくは20000mPa・s以下(例えば、200〜20000mPa・s)であり、さらに好ましくは15000mPa・s以下(例えば、200〜15000mPa・s)である。
【0079】
本発明の光半導体封止用樹脂組成物は、硬化することにより、高い耐熱性、透明性を維持しつつ、優れた耐クラック性を発揮することができる硬化物を形成する。そのため、光半導体素子の封止用として好適に使用することができる。
【0080】
[光半導体封止用樹脂組成物の硬化物]
上記光半導体封止用樹脂組成物を加熱することにより硬化物が得られる。
【0081】
本発明の光半導体封止用樹脂組成物の硬化物のガラス転移温度としては、110〜210℃が好ましく、より好ましくは130〜200℃である。
【0082】
本発明の光半導体封止用樹脂組成物の硬化物は、光学的に均質であることが好ましい。光学的に均質であるとは、例えば、樹脂硬化物中で屈折率が均一であることなどをいい、後述のように、光の透過率が高いことや光散乱などにより判断することが可能である。光学的な均質は樹脂硬化物の硬化度合いが硬化物中で均一であることなどにより達成される。
【0083】
本発明の光半導体封止用樹脂組成物の硬化物は、透明性に優れることが好ましく、厚さ3mmの硬化物における波長450nmの光透過率が80T%以上であることが好ましく、より好ましくは85T%以上である。透過率が上記範囲を下回る場合には、光半導体素子の封止剤として使用する際に、発光効率が低下し、性能が低下する場合がある。
【0084】
[光半導体装置]
本発明の光半導体装置は、光半導体封止用樹脂組成物によって光半導体素子が封止されている。光半導体素子の封止方法としては、特に限定されることなく周知慣用の方法を使用することができ、例えば、ポッティング法、キャスティング法、印刷法などの方法が挙げられる。
【0085】
例えば、光半導体素子の封止は、前述の方法で調製された光半導体封止用樹脂組成物を所定の成形型内に注入し、所定の条件で加熱硬化することにより行うことができる。これにより、光半導体封止用樹脂組成物によって光半導体素子が封止された光半導体装置が得られる。本発明の光半導体封止用樹脂組成物は、温度100〜200℃、好ましくは、100〜190℃、さらに好ましくは、100〜180℃で、硬化時間30〜600分、好ましくは、45〜540分、さらに好ましくは、60〜480分で硬化させることができる。硬化温度と硬化時間が上記範囲の下限値より低い場合は、硬化が不十分となり、逆に上記範囲の上限値より高い場合、樹脂成分の分解が起きる場合があるので、何れも好ましくない。硬化条件は種々の条件に依存するが、硬化温度が高い場合は硬化時間は短く、硬化温度が低い場合は硬化時間は長く、適宜調整することができる。また、硬化温度を二段階以上に分けて硬化することもできる。
【0086】
本発明の光半導体装置は、本発明の光半導体封止用樹脂組成物によって光半導体素子が封止されているため、優れた光度を長期間に亘り維持することができる。そのため、長く、高い性能を維持し続けることができ、長寿命の光半導体装置として高い信頼を得ることができる。
【実施例】
【0087】
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、ゴム粒子の平均粒子径、最大粒子径の測定、製造例で得られたゴム粒子分散硬化性エポキシ樹脂の粘度の測定、実施例及び比較例で得られた光半導体封止用樹脂組成物及び硬化物の評価試験は以下の方法により行った。
【0088】
(ゴム粒子の平均粒子径、最大粒子径)
ゴム粒子の平均粒子径、最大粒子径は、動的光散乱法を測定原理とする日機装(株)製の粒度分析計(「NanotracTM」形式UPA−EX150)を用いて分析した。試料として、ゴム粒子分散硬化性エポキシ樹脂1重量部をテトラヒドロフラン(THF)20重量部に溶解させ、ゴム粒子を分散させて測定した。得られた粒度分布測定結果において、累積カーブが50%となる時点の粒子径である累積平均径をゴム粒子の平均粒子径とした。また、粒度分布測定結果の頻度(%)が0.00を超えた時点の最も大きい粒子径(μm)を最大粒子径とした。
【0089】
(粘度)
製造例で得られたゴム粒子分散硬化性エポキシ樹脂[ゴム粒子5重量部をセロキサイド2021P(ダイセル化学工業(株)製)100重量部に分散させたもの]の粘度は、デジタル粘度計(商品名「DVU−EII型」、(株)トキメック製)を使用して、25℃における粘度を測定した。
【0090】
(屈折率差)
実施例、比較例で得られた各硬化物を縦20mm×横6mm×厚み1mmにカットして試験片とした。中間液としてモノブロモナフタレンをプリズムと試験片の間に挟んで密着させた。20℃、ナトリウムD線での屈折率を、株式会社アタゴ製の多波長アッベ屈折計(商品名「DR−M2」)で測定した。ゴム粒子の屈折率と測定した硬化物の屈折率の差の絶対値を屈折率差とした。
なお、ゴム粒子の屈折率は、ゴム粒子1gを型に注型して210℃、4MPaで圧縮成形し、厚さ1mmの平板を得、得られた平板から、縦20mm×横6mmの試験片を切り出し、上記と同様にして20℃、ナトリウムD線での屈折率を測定した。
【0091】
(耐熱性)
実施例、比較例で得られた各光半導体封止用樹脂組成物を110℃で2時間+150℃で3時間熱硬化させて、試験片(長さ10mm、幅5mm、厚さ5mm)を作製した。この試験片について、熱機械測定装置(TMA)(セイコーインスツルメント社製、商品名「TMA SS6100」)を用いてガラス転移温度(Tg、℃)を測定し、耐熱性の指標とした。
【0092】
(透明性)
上記耐熱性の試験と同じ条件で熱硬化させて、厚み3mmの樹脂硬化物を作製し、試験片とした。この試験片について、波長400nm及び380nmにおける光透過率[透過率(T%)]を、分光光度計[島津製作所製、商品名「UV−2450」]を用いて測定し、透明性の指標とした。
【0093】
(耐クラック性試験)
実施例、比較例で得られた各光半導体封止用樹脂組成物を用いて、LEDフレームに上記耐熱性の試験片の作製条件と同じ条件で樹脂封止したLEDを、ヒートサイクル試験機(エスペック社製、商品名「TSE−11」)に投入して、105℃を30分間、−45℃を30分間で1サイクルとし、ヒートサイクル試験における耐クラック性試験を実施した。なお、LEDは各サンプル10ケ作製後、試験前に全てのサンプルでクラックがないことを確認した。その後、上記ヒートサイクル試験機にて100サイクル並びに500サイクル毎のクラック発生サンプル数を20倍のルーペで確認した。クラックは、リフレクターのエッジ部から発生するものを対象とした。クラックの数が0〜2の場合を○、3〜6の場合を△、7以上の場合を×とした。
【0094】
(耐光性試験)
上記透明性を評価する試験片を用いて、23℃にて耐光性試験機(ダイプラウインテス製)にて500時間の耐光性試験を行った。試験後は、450nmの透過率を比較した。下記式により耐光性を求めた。
[1−((試験前の透過率−試験後の透過率)/試験前の透過率)]×100
【0095】
製造例1
還流冷却器付きの1L重合容器に、イオン交換水500g、及びジオクチルコハク酸ナトリウム0.68gを仕込み、窒素気流下に撹拌しながら、80℃に昇温した。ここに、コア部分を形成するために必要とする量の約5重量%分に該当するアクリル酸ブチル9.5g、スチレン2.57g、及びジビニルベンゼン0.39gからなる単量体混合物を、一括添加し、20分間撹拌して乳化させた後、ペルオキソ2硫酸カリウム9.5mgを添加し、1時間撹拌して最初のシード重合を行い、続いて、ペルオキソ2硫酸カリウム180.5mgを添加し、5分間撹拌した。ここに、コア部分を形成するために必要とする量の残り(約95重量%分)のアクリル酸ブチル180.5g、スチレン48.89g、ジビニルベンゼン7.33gにジオクチルコハク酸ナトリウム0.95gを溶解させてなる単量体混合物を2時間かけて連続的に添加し、2度目のシード重合を行い、その後、1時間熟成してコア部分を得た。
【0096】
次いで、ペルオキソ2硫酸カリウム60mgを添加して5分間撹拌し、これに、メタクリル酸メチル60g、アクリル酸1.5g、及びアリルメタクリレート0.3gにジオクチルコハク酸ナトリウム0.3gを溶解させてなる単量体混合物を30分かけて連続的に添加し、シード重合を行い、その後、1時間熟成し、コア部分を被覆するシェル層を形成した。
【0097】
次いで、室温(25℃)まで冷却し、目開き120μmのプラスチック製網で濾過することにより、コアシェル構造を有する粒子を含むラテックスを得た。得られたラテックスをマイナス30℃で凍結し、吸引濾過器で脱水洗浄した後、60℃で一昼夜送風乾燥してゴム粒子(1)を得た。得られたゴム粒子(1)の平均粒子径は254nm、最大粒子径は486nm、屈折率は1.500であった。
【0098】
窒素気流下、60℃に加温した状態でディゾルバー(1000rpm、60分間)を使用して、得られたゴム粒子(1)5重量部を、セロキサイド2021P(ダイセル化学工業(株)製)100重量部に分散させ、真空脱泡して、ゴム粒子分散硬化性エポキシ樹脂(A−1)(25℃での粘度:559mPa・s)を得た。
【0099】
製造例2
アクリル酸1.5gの代わりに2−ヒドロキシエチルメタクリレート2.7gを使用した以外は製造例1と同様にして、ゴム粒子(2)を得た。得られたゴム粒子(2)の平均粒子径は261nm、最大粒子径は578nm、屈折率は1.500であった。
さらに、製造例1と同様にしてゴム粒子分散硬化性エポキシ樹脂(A−2)(25℃での粘度:512mPa・s)を得た。
【0100】
製造例3
還流冷却器付きの1L重合容器に、イオン交換水500g、及びジオクチルコハク酸ナトリウム1.3gを仕込み、窒素気流下に撹拌しながら、80℃に昇温した。ここに、コア部分を形成するために必要とする量の約5重量%分に該当するアクリル酸ブチル9.5g、スチレン2.57g、及びジビニルベンゼン0.39gからなる単量体混合物を、一括添加し、20分間撹拌して乳化させた後、ペルオキソ2硫酸カリウム12mgを添加し、1時間撹拌して最初のシード重合を行い、続いて、ペルオキソ2硫酸カリウム228mgを添加し、5分間撹拌した。ここに、コア部分を形成するために必要とする量の残り(約95重量%分)のアクリル酸ブチル180.5g、スチレン48.89g、ジビニルベンゼン7.33gにジオクチルコハク酸ナトリウム1.2gを溶解させてなる単量体混合物を2時間かけて連続的に添加し、2度目のシード重合を行い、その後、1時間熟成してコア部分を得た。
【0101】
次いで、アクリル酸の使用量を1.5gから2.0gに変更した以外は製造例1と同様にして、ゴム粒子(3)を得た。得られたゴム粒子(3)の平均粒子径は108nm、最大粒子径は289nm、屈折率は1.500であった。
さらに、製造例1と同様にしてゴム粒子分散硬化性エポキシ樹脂(A−3)(25℃での粘度:1036mPa・s)を得た。
【0102】
実施例1〜6、比較例1〜2
表1に示す配合処方(単位:重量部)に従って、各成分を、自公転式撹拌装置(商品名「あわとり練太郎AR−250」、シンキー(株)製)を使用して均一に混合し(2000rpm、室温、5分間)、脱泡して光半導体封止用樹脂組成物を得た。得られた光半導体封止用樹脂組成物を型に注型し、110℃で2時間、150℃で3時間加熱して硬化物を得た。
【0103】
各実施例及び比較例で得られた光半導体封止用樹脂組成物、硬化物について前記の評価試験を行った。その結果を表1に示す。表中の符号の意味は以下の通りである。
【0104】
(エポキシ樹脂)
HBE−100:水素化ビスフェノールAのジグリシジルエーテルを主成分としたエポキシ樹脂、商品名「リカレジン HBE−100」、新日本理化(株)製
YX8000:水素化ビスフェノールAのジグリシジルエーテルを主成分としたエポキシ樹脂、商品名「エピコートYX8000」、ジャパンエポキシレジン(株)製
CEL−2081:3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレートとε−カプロラクトンの付加物、ダイセル化学工業(株)製
【0105】
(多官能チオール)
PEMP:ペンタエリスリトール テトラキス−3−メルカプトプロピオネート、堺化学工業(株)製
TEMPIC:トリス−[(3−メルカプトプロピオニルオキシ)−エチル]−イソシアヌレート、堺化学工業(株)製
PE−1:ペンタエリスリトール テトラキス(3−メルカプトブチレート)、昭和電工(株)製、商品名「カレンズMT(登録商標) PE1」
【0106】
(硬化剤)
リカシッド MH−700:メチルヘキサヒドロ無水フタル酸(新日本理化(株)製、商品名「リカシッド MH−700」)
【0107】
(硬化促進剤)
U−CAT SA−506:DBU−p−トルエンスルホン酸塩、サンアプロ(株)製、商品名「U−CAT SA−506」
【0108】
(添加剤)
エチレングリコール:和光純薬工業(株)製
【0109】
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
(メタ)アクリル酸エステルを必須モノマー成分とするポリマーで構成され、表面にエポキシ基と反応し得る官能基としてヒドロキシル基及び/又はカルボキシル基を有し、平均粒子径が10nm〜500nm、最大粒子径が50nm〜1000nmであり、且つ当該光半導体封止用樹脂組成物の硬化物との屈折率差が±0.02以内であるゴム粒子を脂環式エポキシ樹脂に分散させたゴム粒子分散硬化性エポキシ樹脂(A)、多官能チオール(B)、硬化剤(C)、及び硬化促進剤(D)を含む光半導体封止用樹脂組成物。
【請求項2】
(メタ)アクリル酸エステルを必須モノマー成分とするポリマーで構成され、表面にエポキシ基と反応し得る官能基としてヒドロキシル基及び/又はカルボキシル基を有し、平均粒子径が10nm〜500nm、最大粒子径が50nm〜1000nmであり、且つ当該光半導体封止用樹脂組成物の硬化物との屈折率差が±0.02以内であるゴム粒子を脂環式エポキシ樹脂に分散させたゴム粒子分散硬化性エポキシ樹脂(A)、多官能チオール(B)、及び熱硬化触媒(E)を含む光半導体封止用樹脂組成物。
【請求項3】
多官能チオール(B)が25℃で液状である請求項1又は2記載の光半導体封止用樹脂組成物。
【請求項4】
硬化剤(C)が25℃で液状の酸無水物である請求項1記載の光半導体封止用樹脂組成物。
【請求項5】
請求項1〜4の何れかの項に記載の光半導体封止用樹脂組成物を硬化して得られる硬化物。
【請求項6】
請求項1〜4の何れかの項に記載の光半導体封止用樹脂組成物によって光半導体素子が封止されてなる光半導体装置。

【公開番号】特開2010−53199(P2010−53199A)
【公開日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−217609(P2008−217609)
【出願日】平成20年8月27日(2008.8.27)
【出願人】(000002901)ダイセル化学工業株式会社 (1,236)
【Fターム(参考)】