説明

光反射部材、光ビーム伸長装置、画像表示装置及び光学装置

【課題】虚像光学系に備えられたレンズの径を大きくする必要が無い画像表示装置を提供する。
【解決手段】画像表示装置は、画像生成装置、導光板131,331を備えた導光手段、及び、導光板へ入射される光の入射方向をX方向、導光板内における光の伝播方向をY方向としたとき、画像生成装置から入射された光ビームをZ方向に沿って伸長し、導光手段へ出射する光ビーム伸長装置70を備えており、光ビーム伸長装置70は、画像生成装置からの光が入射される第1反射鏡71、及び、第1反射鏡71からの光が入射され、導光手段へ光を出射する第2反射鏡72から成り、第1反射鏡への光の入射角をη1(度)、第1A斜面の傾斜角をζ1(度)、第2反射鏡への光の入射角をη2(度)、第2A斜面の傾斜角をζ2(度)としたとき、2ζ1−η1=90、2ζ2−η2=90を満足する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、光反射部材、係る光反射部材を組み込んだ光ビーム伸長装置、係る光ビーム伸長装置を組み込んだ光学装置、及び、係る光学装置を組み込んだ画像表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置によって形成された2次元画像を虚像光学系により拡大虚像として観察者に観察させるための虚像表示装置(画像表示装置)が、例えば、特表2005−521099や特開2006−162767から周知である。
【0003】
概念図を図40に示すように、この画像表示装置1000は、2次元マトリクス状に配列された複数の画素を備えた画像形成装置1011、画像形成装置1011の画素から出射された光を平行光とするコリメート光学系1012、及び、コリメート光学系1012にて平行光とされた光が入射され、導光され、出射される導光手段1030を備えている。導光手段1030は、入射された光が内部を全反射により伝播した後、出射される導光板1031、導光板1031に入射された光が導光板1031の内部で全反射されるように、導光板1031に入射された光を反射させる第1偏向手段1040(例えば、1層の光反射膜から成る)、及び、導光板1031の内部を全反射により伝播した光を導光板1031から出射させる第2偏向手段1050(例えば、多層積層構造を有する光反射多層膜から成る)から構成されている。そして、このような画像表示装置1000によって、例えば、HMD(Head Mounted Display)を構成すれば、装置の軽量化、小型化を図ることができる。
【0004】
あるいは又、画像形成装置によって形成された2次元画像を虚像光学系により拡大虚像として観察者に観察させるために、ホログラム回折格子を用いた虚像表示装置(画像表示装置)が、例えば、特開2007−094175や特開2007−012530から周知である。
【0005】
概念図を図41及び図42に示すように、この画像表示装置1100は、基本的には、画像を表示する画像形成装置1111と、コリメート光学系1112と、画像形成装置1111に表示された光が入射され、観察者の瞳41へと導く虚像光学系(導光手段1130)とを備えている。ここで、導光手段1130は、導光板1131と、導光板1131に設けられた反射型体積ホログラム回折格子から成る第1回折格子部材1140及び第2回折格子部材1150を備えている。そして、コリメート光学系1112には画像形成装置1111の各画素から出射された光が入射され、コリメート光学系1112によって平行光が生成され、導光板1131に入射される。導光板1131の第1面1132から、平行光が入射され、出射される。一方、導光板1131の第1面1132と平行である導光板1131の第2面1133に、第1回折格子部材1140及び第2回折格子部材1150が取り付けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特表2005−521099
【特許文献2】特開2006−162767
【特許文献3】特開2007−094175
【特許文献4】特開2007−012530
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
画像形成装置1111から出射された画像表示光は、図41に示すXY平面においては、コリメート光学系1112にて画角(即ち、画像形成装置1111の各画素から出射される光の出射角)が互いに異なる平行光束群とされる。この平行光束群は、これとは直交するXZ平面においては画角が互いに異なる光束群とされて、導光板1131に入射する。尚、図41において、XY平面における代表的な平行光束を、平行光束r1(実線で表す),r2(一点鎖線で表す),r3(点線で表す)にて示し、図42において、XZ平面における代表的な平行光束を、平行光束R1(実線で表す),R2(一点鎖線で表す),R3(点線で表す)にて示す。
【0008】
図示した画像表示装置1100では、左右(水平)方向をY方向、上下(縦)方向をZ方向としている。即ち、観察者の瞳41に対して横方向から、映像や各種情報等を表示する画像表示光が導光されて、瞳41に入射される。尚、頭部装着型ディスプレイ(HMD)に適用する場合、画像形成装置等を瞳41に対して上方に配置せず、このように横方向に配置することで、良好なる外界の観察が可能となる。
【0009】
一方、このような構成にあっては、導光板1131の内部を導光される光の伝播距離が比較的長くなるため、以下に述べる問題が生じる。
【0010】
ここで、上述した構成において、導光板1131の第1面1132から入射された画像表示光は、第1面1132に対向する位置に第2面1133に配置された反射型体積ホログラム回折格子から成る第1回折格子部材1140に入射する。尚、この反射型体積ホログラム回折格子は、位置に拘わらず、均等なホログラム表面の干渉縞ピッチを有する構成とする。
【0011】
第1回折格子部材1140により回折反射された光にあっては、導光板1131内部において、XY平面のX方向成分に関して、各光束r1,r2,r3は、平行光束のまま、第1面1132と第2面1133との間で全反射を繰り返しながら導光され、導光板1131の他端に設けられた反射型体積ホログラム回折格子から成る第2回折格子部材1150に向けてY方向に進行する。ここで、導光板1131が薄く、また上述したように、導光板1131を進行する光路が比較的長いため、図41に示すように、水平画角によって、第2回折格子部材1150に至るまでの全反射回数が異なる。そのため、導光板1131に入射する平行光r1,r2,r3の内、第2回折格子部材1150の方に傾きながら入射する(即ち、水平画角が正である)平行光r3の反射回数は、それと逆方向の角度で導光板1131に入射する(即ち、水平画角が負である)平行光r1の反射回数よりも少なくなっている。即ち、第1回折格子部材1140のホログラム表面の干渉縞ピッチが等間隔のため、第1回折格子部材1140において回折反射される出射角は、水平画角が正である平行光r3の方が、水平画角が負である平行光r1よりも大きくなる。そして、第2回折格子部材1150に入射した各画角の平行光は、回折反射により全反射条件から外れ、導光板1131から出射し、観察者の瞳41に入射する。
【0012】
このように、平行光束の進行方向においては、水平画角によって導光板1131内を反射する回数が異なる。即ち、光路長が異なる。しかしながら、伝播する光束は全て平行光束であるため、いわば、折り畳まれるように光束群が進行する。これらの光束群のうち、特開2007−12530の図14に示された構成において、逆光線追跡を行うと明らかなように、第1回折格子部材1140の縁部と第2面1133とに跨る位置で折り返して反射する光束が存在する。逆光線追跡を行うと、この光束の一部(即ち、第2面1133で反射される部分)は、反射を繰り返して第1回折格子部材1140の異なる位置で回折され、コリメート光学系1112に到達する。一方、残りの光束は、第1回折格子部材1140の端部で回折され、そのままコリメート光学系1112に到達する。つまり、この光束は、同一の画素から出射される同一画角の平行光束であるが、第1回折格子部材1140の異なる部分で回折反射して導光板1131内で合波されて伝播する光束が存在することになる。
【0013】
以上から、このような光学系における必要な光束のY方向についての幅、即ち、Y方向の開口絞り幅は、光束の折り畳まれる端点で決定される。導光板1131にあっては、コリメート光学系1112を出射して導光板1131に入射した平行光束群を回折反射する第1回折格子部材1140の位置がY方向の開口絞り位置となる。
【0014】
一方、XZ平面において水平画角の異なる入射光R1,R2,R3は導光板1131内においてX方向成分は反射を繰り返すが、Z方向成分は反射されないで出射部に到達する。即ち、コリメート光学系1112から出射された光は、XZ平面においては収束されて第1面1132から入射され、導光板1131内をY方向に進行する。そして、これらの光束は、Z方向に狭まるように導光板1131の第1面1132及び第2面1133にて反射されながら進行し、第2回折格子部材1150に到達し、第2回折格子部材1150より反射回折されて出射され、観察者の瞳41に入射する。このように、この画像表示装置1100にあっては、必要な光束のZ方向についての幅、即ち、Z方向の開口絞り幅は、観察瞳41の位置で決定される。
【0015】
Z方向の開口絞り位置は観察瞳41の位置であるため、コリメート光学系1112からZ方向の開口絞り位置までの距離は、導光板1131内を内部全反射を繰り返して伝播した距離と、導光板1131から観察者の瞳41までの距離の和となるが故に、かなり大きな距離となる。一方、Y方向の開口絞り位置は導光板1131に配置された第1回折格子部材1140の位置であるため、Z方向の開口絞り位置と比べると小さくすることができる。このように開口絞り位置がZ方向で大きいため、コリメート光学系1112のZ方向の径はY方向の径に比べると大きく設定する必要がある。
【0016】
また、画像形成装置1011,1111におけるZ方向の開口絞りの径を大きく設定すると、画像形成装置1011,1111から出射される画像において、周辺画角の光線角度が大きくなる結果、画像形成装置1011,1111にて使用される液晶表示装置等における表示コントラストが低下し、画質が劣化する原因となる。
【0017】
以上に説明した問題は、図40に示した画像表示装置1000においても同様に生じる。
【0018】
従って、本開示の目的は、画像形成装置によって形成された2次元画像を虚像光学系により拡大虚像として観察者に観察させるための画像表示装置であって、画像形成装置に備えられたレンズの径を大きくする必要が無い画像表示装置、係る画像表示装置に組み込むのに適した光学装置、及び、例えば係る光学装置に組み込むのに適した光ビーム伸長装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0019】
上記の目的を達成するための本開示の第1の態様あるいは第2の態様に係る画像表示装置は、
(A)画像生成装置、及び、
(B)画像生成装置からの光が入射され、導光され、観察者の瞳に向かって出射される導光手段、
を備え、
導光手段は、
(B−1)入射された光が内部を全反射により伝播した後、出射される導光板、
(B−2)導光板に入射された光が導光板の内部で全反射されるように、導光板に入射された光を偏向させる、導光板に配設された第1偏向手段、及び、
(B−3)導光板の内部を全反射により伝播した光を導光板から出射させるために、導光板の内部を全反射により伝播した光を複数回に亙り偏向させる、導光板に配設された第2偏向手段、
を備えており、更に、
(C)導光板へ入射される光の入射方向をX方向、導光板内における光の伝播方向をY方向としたとき、画像生成装置から入射された光ビームをZ方向に沿って伸長し、導光手段へ出射する光ビーム伸長装置、
を備えた画像表示装置であり、
光ビーム伸長装置は、画像生成装置からの光が入射される第1反射鏡、及び、第1反射鏡からの光が入射され、導光手段へ光を出射する第2反射鏡から成る。尚、「全反射」という用語は、内部全反射、あるいは、導光板内部における全反射を意味する。以下においても同様である。
【0020】
上記の目的を達成するための本開示の第3の態様あるいは第4の態様に係る画像表示装置は、
(A)画像生成装置、及び、
(B)画像生成装置からの光が入射され、導光され、観察者の瞳に向かって出射される導光手段、
を備え、
導光手段は、
(B−1)入射された光が内部を全反射により伝播した後、出射される導光板、
(B−2)導光板に入射された光が導光板の内部で全反射されるように、導光板に入射された光を偏向させる、導光板に配設された第1偏向手段、及び、
(B−3)導光板の内部を全反射により伝播した光を導光板から出射させるために、導光板の内部を全反射により伝播した光を複数回に亙り偏向させる、導光板に配設された第2偏向手段、
を備えており、更に、
(C)導光板へ入射される光の入射方向をX方向、導光板内における光の伝播方向をY方向としたとき、画像生成装置から入射された光ビームをZ方向に沿って伸長し、導光手段へ出射する光ビーム伸長装置、
を備えた画像表示装置であって、
光ビーム伸長装置は、第1反射鏡及び第2反射鏡から成り、
第1反射鏡は、導光手段を挟んで、画像生成装置とは反対側に位置し(即ち、導光手段の光入射側とは反対側に位置し)、
第2反射鏡は、導光手段を基準として、画像生成装置側に位置し(即ち、導光手段の光入射側に位置し)、
画像生成装置から出射された光の一部は、導光板及び第1偏向手段を通過し、第1反射鏡で反射され、導光板及び第1偏向手段を通過し、第2反射鏡で反射され、その一部は、導光板及び第1偏向手段を通過することを、所定の回数繰り返す。
【0021】
上記の目的を達成するための本開示の第1の態様あるいは第2の態様に係る光学装置は、
光源から入射された光が内部を全反射により伝播した後、出射される導光板、
導光板に入射された光が導光板の内部で全反射されるように、導光板に入射された光を偏向させる、導光板に配設された第1偏向手段、及び、
導光板の内部を全反射により伝播した光を導光板から出射させるために、導光板の内部を全反射により伝播した光を複数回に亙り偏向させる、導光板に配設された第2偏向手段、
を備えた導光手段、並びに、
導光板へ入射される光の入射方向をX方向、導光板内における光の伝播方向をY方向としたとき、光源から入射された光ビームをZ方向に沿って伸長し、導光手段へ出射する光ビーム伸長装置、
を備えた光学装置であり、
光ビーム伸長装置は、光源からの光が入射される第1反射鏡、及び、第1反射鏡からの光が入射され、導光手段へ光を出射する第2反射鏡から成る。
【0022】
上記の目的を達成するための本開示の第1の態様あるいは第2の態様に係る光ビーム伸長装置は、光源と照射面との間に配置され、光源からの光が入射される第1反射鏡、及び、第1反射鏡からの光が入射され、照射面へ光を出射する第2反射鏡から成る光ビーム伸長装置である。
【0023】
そして、本開示の第1の態様あるいは第3の態様に係る画像表示装置、本開示の第1の態様に係る光学装置、あるいは、本開示の第1の態様に係る光ビーム伸長装置において、
第1反射鏡の光反射面は、第1A斜面と第1B斜面とが交互に連続して並置され、断面形状が鋸歯形状を有し、
第1A斜面の頂辺及び底辺は平行であり、Z方向に延びており(本開示の第1の態様に係る画像表示装置、本開示の第1の態様に係る光学装置あるいは本開示の第1の態様に係る光ビーム伸長装置)、あるいは又、Y方向に延びており(本開示の第3の態様に係る画像表示装置)、
一対の第1A斜面及び第1B斜面において、第1A斜面の底部と第1B斜面の底部の成す角度は90度であり、且つ、第1A斜面の長さは第1B斜面の長さよりも短く、
第1A斜面の高さは一定であり、
第1反射鏡への光の入射角をη1(度)、第1A斜面の傾斜角をζ1(度)とし、第1A斜面の頂辺を基準として、第1A斜面側へ向かう光の入射角の方向を正の方向としたとき、
2ζ1−η1=90±10 (1−1)
を満足し、
第2反射鏡の光反射面は、第2A斜面と第2B斜面とが交互に連続して並置され、断面形状が鋸歯形状を有し、
第2A斜面の頂辺及び底辺は平行であり、Y方向に延びており、
一対の第2A斜面及び第2B斜面において、第2A斜面の底部と第2B斜面の底部の成す角度は90度であり、且つ、第2A斜面の長さは第2B斜面の長さよりも短く、
第2A斜面の高さは一定であり、
第2反射鏡への光の入射角をη2(度)、第2A斜面の傾斜角をζ2(度)とし、第2A斜面の頂辺を基準として、第2A斜面側へ向かう光の入射角の方向を正の方向としたとき、
2ζ2−η2=90±10 (1−2)
を満足する。尚、第1反射鏡への光の入射角η1、第1A斜面の傾斜角ζ1は、第1A斜面の頂辺及び底辺の延びる方向に直交する仮想平面内における角度であり、第2反射鏡への光の入射角η2、第2A斜面の傾斜角ζ2は、第2A斜面の頂辺及び底辺の延びる方向に直交する仮想平面内における角度である。第1A斜面の底部と第1B斜面の底部の成す角度は90度であり、且つ、第1A斜面の長さは第1B斜面の長さよりも短いといった規定から、ζ1>45度は自明であるし、式(1−1)から、η1>0度も自明である。同様に、第2A斜面の底部と第2B斜面の底部の成す角度は90度であり、且つ、第2A斜面の長さは第2B斜面の長さよりも短いといった規定から、ζ2>45度は自明であるし、式(1−2)から、η2>0度も自明である。
【0024】
また、本開示の第2の態様あるいは第4の態様に係る画像表示装置、本開示の第2の態様に係る光学装置あるいは本開示の第2の態様に係る光ビーム伸長装置において、
第1反射鏡の光反射面は、第1A斜面と第1B斜面とが交互に連続して並置され、断面形状が鋸歯形状を有し、
第1A斜面の頂辺及び底辺は平行であり、Z方向に延びており(本開示の第2の態様に係る画像表示装置、本開示の第2の態様に係る光学装置あるいは本開示の第2の態様に係る光ビーム伸長装置)、あるいは又、Y方向に延びており(本開示の第4の態様に係る画像表示装置)、
一対の第1A斜面及び第1B斜面において、第1A斜面の底部と第1B斜面の底部の成す角度は90度であり、且つ、第1A斜面の長さは第1B斜面の長さよりも短く、
第1A斜面の高さは一定であり、
第1反射鏡の中央における第1A斜面の頂点と第1A斜面の頂点との間のピッチの値と、第1反射鏡の端部における第1A斜面の頂点と第1A斜面の頂点との間のピッチの値とは異なり、
第2反射鏡の光反射面は、第2A斜面と第2B斜面とが交互に連続して並置され、断面形状が鋸歯形状を有し、
第2A斜面の頂辺及び底辺は平行であり、Y方向に延びており、
一対の第2A斜面及び第2B斜面において、第2A斜面の底部と第2B斜面の底部の成す角度は90度であり、且つ、第2A斜面の長さは第2B斜面の長さよりも短く、
第2A斜面の高さは一定であり、
第2反射鏡の中央における第2A斜面の頂点と第2A斜面の頂点との間のピッチの値と、第2反射鏡の端部における第2A斜面の頂点と第2A斜面の頂点との間のピッチの値とは異なる。尚、第1A斜面の頂点と第1A斜面の頂点との間のピッチ、第2A斜面の頂点と第2A斜面の頂点との間のピッチとして、0.1mm乃至2mmを例示することができる。
【0025】
上記の目的を達成するための本開示の第1の態様に係る光反射部材は、
第1斜面と第2斜面とが交互に連続して並置され、断面形状が鋸歯形状を有する光反射面を備えた光反射部材であって、
第1斜面の頂辺及び底辺は平行であり、
一対の第1斜面及び第2斜面において、第1斜面の底部と第2斜面の底部の成す角度は90度であり、且つ、第1斜面の長さは第2斜面の長さよりも短く、
第1斜面の高さは一定であり、
光反射部材への光の入射角をη(度)、第1斜面の傾斜角をζ(度)とし、第1斜面の頂辺を基準として、第1斜面側へ向かう光の入射角の方向を正の方向としたとき、
2ζ−η=90±10 (2)
を満足し、
第1斜面の頂辺及び底辺の延びる方向に直交する仮想平面に射影したとき、第1斜面に入射する光の軌跡と、第2斜面から出射される光の軌跡とは平行である。尚、光反射部材への光の入射角η、第1斜面の傾斜角ζは、第1斜面の頂辺及び底辺の延びる方向に直交する仮想平面内における角度である。第1斜面の底部と第2斜面の底部の成す角度は90度であり、且つ、第1斜面の長さは第2斜面の長さよりも短いといった規定から、ζ>45度は自明であるし、式(2)から、η>0度も自明である。
【0026】
上記の目的を達成するための本開示の第2の態様に係る光反射部材は、
第1斜面と第2斜面とが交互に連続して並置され、断面形状が鋸歯形状を有する光反射面を備えた光反射部材であって、
第1斜面の頂辺及び底辺は平行であり、
一対の第1斜面及び第2斜面において、第1斜面の底部と第2斜面の底部の成す角度は90度であり、且つ、第1斜面の長さは第2斜面の長さよりも短く、
第1斜面の高さは一定であり、
光反射部材の中央における第1斜面の頂点と第1斜面の頂点との間のピッチの値と、光反射部材の端部における第1斜面の頂点と第1斜面の頂点との間のピッチの値とは異なり、
第1斜面の頂辺及び底辺の延びる方向に直交する仮想平面に射影したとき、第1斜面に入射する光の軌跡と、第2斜面から出射される光の軌跡とは平行である。尚、第1斜面の頂点と第1斜面の頂点との間のピッチとして、0.1mm乃至2mmを例示することができる。
【発明の効果】
【0027】
本開示の第1の態様〜第4の態様に係る画像表示装置、本開示の第1の態様〜第2の態様に係る光学装置、あるいは、本開示の第1の態様〜第2の態様に係る光ビーム伸長装置にあっては、光ビーム(光束)をZ方向に沿って伸長し、導光手段へと入射させる光ビーム伸長装置を備えている。それ故、画像生成装置におけるZ方向の開口絞りの径を大きく設定する必要が無くなり、画像生成装置に備えるべきレンズの径を大きくする必要が無く、画像表示装置の小型化、軽量化を図ることができるし、表示コントラストが低下し、画質が劣化することも無い。また、本開示の第1の態様〜第4の態様に係る画像表示装置、本開示の第1の態様〜第2の態様に係る光学装置、本開示の第1の態様〜第2の態様に係る光ビーム伸長装置、あるいは、本開示の第1の態様〜第2の態様に係る光反射部材にあっては、光反射面の斜面あるいは光反射部材における各種パラメータが規定されているので、光ビーム伸長装置あるいは光反射部材に入射した光を効率良く出射させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】図1の(A)及び(B)は、それぞれ、実施例1の光ビーム伸長装置をY方向から眺めた概念図、及び、Z方向から眺めた概念図である。
【図2】図2の(A)、(B)及び(C)は、本開示の光反射部材における入射光・出射光の挙動を説明するための図である。
【図3】図3の(A)、(B)及び(C)は、それぞれ、第1反射鏡の模式的な一部断面図、第1反射鏡の模式的な部分平面図、第1反射鏡の模式的な部分側面図(但し、光の挙動のみを示す)である。
【図4】図4の(A)、(B)及び(C)は、それぞれ、第2反射鏡の模式的な一部断面図、第2反射鏡の模式的な部分平面図、第2反射鏡の模式的な部分側面図(但し、光の挙動のみを示す)である。
【図5】図5の(A)及び(B)は、それぞれ、第1反射鏡及び第2反射鏡の模式的な一部断面図である。
【図6】図6は、実施例1の光ビーム伸長装置を或る方向から眺めたときの模式図である。
【図7】図7は、実施例1の光ビーム伸長装置を別の方向から眺めたときの模式図である。
【図8】図8は、実施例1の光ビーム伸長装置を更に別の方向から眺めたときの模式図である。
【図9】図9は、実施例1の画像表示装置における画像形成装置と、第1反射鏡と、第2反射鏡と、導光板との位置関係を立体的に示す図である。
【図10】図10は、実施例1の光ビーム伸長装置内での光の挙動を示す図である。
【図11】図11は、実施例1の画像表示装置における画像形成装置あるいは光源と、第1反射鏡との位置関係を模式的に示す図である。
【図12】図12は、実施例1の画像表示装置における画像形成装置あるいは光源と、第1反射鏡と、第2反射鏡との位置関係を模式的に示す図である。
【図13】図13は、実施例1の画像表示装置における画像形成装置あるいは光源と、第1反射鏡と、第2反射鏡と、導光板との位置関係を模式的に示す図である。
【図14】図14は、実施例1の画像表示装置における画像形成装置と、第1反射鏡と、第2反射鏡と、導光板との位置関係を概念的に示す図である。
【図15】図15は、実施例1の画像表示装置の変形例における画像生成装置と、第1反射鏡と、第2反射鏡との位置関係を具体的に示す図である。
【図16】図16は、実施例1の画像表示装置の変形例における画像生成装置と、第1反射鏡と、第2反射鏡との位置関係を具体的に示す、図15とは別の角度から眺めた図である。
【図17】図17は、実施例1の画像表示装置の変形例における画像生成装置と、第1反射鏡と、第2反射鏡との位置関係を具体的に示す、図15とは別の角度から眺めた図である。
【図18】図18は、実施例1の画像表示装置における画像生成装置と、第1反射鏡と、第2反射鏡との位置関係を具体的に示す図である。
【図19】図19は、実施例1の画像表示装置における画像生成装置と、第1反射鏡と、第2反射鏡との位置関係を具体的に示す、図18とは別の角度から眺めた図である。
【図20】図20は、実施例1の画像表示装置における画像生成装置と、第1反射鏡と、第2反射鏡との位置関係を具体的に示す、図18は別の角度から眺めた図である。
【図21】図21は、実施例1の画像表示装置の概念図である。
【図22】図22は、実施例2の画像表示装置の概念図である。
【図23】図23の(A)は、実施例3の画像表示装置の概念図であり、図23の(B)は、反射型体積ホログラム回折格子の一部を拡大して示す模式的な断面図である。
【図24】図24は、実施例4の画像表示装置の概念図である。
【図25】図25の(A)及び(B)は、実施例5における光反射部材、第1反射鏡あるいは第2反射鏡の模式的な側面図である。
【図26】図26の(A)及び(B)は、実施例6における画像生成装置と光ビーム伸長装置と導光手段の配置状態をY方向から眺めた模式図、及び、Z方向から眺めた模式図である。
【図27】図27は、実施例7の頭部装着型ディスプレイを正面から眺めた模式図である。
【図28】図28は、実施例7の頭部装着型ディスプレイ(但し、フレームを除去したと想定したときの状態)を正面から眺めた模式図である。
【図29】図29は、実施例7の頭部装着型ディスプレイを上方から眺めた模式図である。
【図30】図30は、実施例7の頭部装着型ディスプレイを観察者の頭部に装着した状態を上方から眺めた図(但し、画像表示装置のみを示し、フレームの図示は省略)である。
【図31】図31は、実施例8の頭部装着型ディスプレイを正面から眺めた模式図である。
【図32】図32は、実施例8の頭部装着型ディスプレイ(但し、フレームを除去したと想定したときの状態)を正面から眺めた模式図である。
【図33】図33は、実施例8の頭部装着型ディスプレイを上方から眺めた模式図である。
【図34】図34は、実施例1あるいは実施例3での使用に適した画像形成装置の変形例の概念図である。
【図35】図35は、実施例1あるいは実施例3での使用に適した画像形成装置の別の変形例を示す概念図である。
【図36】図36は、実施例1あるいは実施例3での使用に適した画像形成装置の更に別の変形例を示す概念図である。
【図37】図37は、実施例1あるいは実施例3での使用に適した画像形成装置の更に別の変形例を示す概念図である。
【図38】図38は、実施例1あるいは実施例3での使用に適した画像形成装置の更に別の変形例を示す概念図である。
【図39】図39は、実施例7の頭部装着型ディスプレイの変形例を上方から眺めた模式図である。
【図40】図40は、従来の画像表示装置の概念図である。
【図41】図41は、図40に示したとは別の形式の従来の画像表示装置の概念図である。
【図42】図42は、図41に示したとは別の方向から図40に示した形式の従来の画像表示装置を眺めた概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、図面を参照して、実施例に基づき本開示を説明するが、本開示は実施例に限定されるものではなく、実施例における種々の数値や材料は例示である。尚、説明は、以下の順序で行う。
1.本開示の第1の態様〜第4の態様に係る画像表示装置、本開示の第1の態様及び第2の態様に係る光学装置、本開示の第1の態様及び第2の態様に係る光ビーム伸長装置、並びに、本開示の第1の態様及び第2の態様に係る光反射部材、全般に関する説明
2.実施例1(本開示の第1の態様に係る画像表示装置、本開示の第1の態様に係る光ビーム伸長装置、本開示の第1の態様に係る光学装置、並びに、本開示の第1の態様に係る光反射部材)
3.実施例2(実施例1の画像表示装置の変形)
4.実施例3(実施例1の画像表示装置の別の変形)
5.実施例4(実施例1の画像表示装置の更に別の変形)
6.実施例5(本開示の第2の態様に係る画像表示装置、本開示の第2の態様に係る光ビーム伸長装置、本開示の第2の態様に係る光学装置、並びに、本開示の第2の態様に係る光反射部材)
7.実施例6(本開示の第3の態様及び第4の態様に係る画像表示装置)
8.実施例7(頭部装着型ディスプレイ)
9.実施例8(頭部装着型ディスプレイの変形)、その他
【0030】
[本開示の第1の態様〜第4の態様に係る画像表示装置、本開示の第1の態様及び第2の態様に係る光学装置、本開示の第1の態様及び第2の態様に係る光ビーム伸長装置、並びに、本開示の第1の態様及び第2の態様に係る光反射部材、全般に関する説明]
本開示の第1の態様あるいは第2の態様に係る画像表示装置、本開示の第1の態様あるいは第2の態様に係る光ビーム伸長装置、本開示の第1の態様あるいは第2の態様に係る光学装置において、
画像生成装置と第1反射鏡との間、あるいは、光源と第1反射鏡との間には、少なくとも1枚の平面反射部材が備えられており、
第1反射鏡と第2反射鏡との間には、少なくとも1枚の平面反射部材が備えられており、
画像生成装置と第1反射鏡との間、あるいは、光源と第1反射鏡との間に備えられた1枚の平面反射部材は、第1反射鏡と第2反射鏡との間に備えられた1枚の平面反射部材を兼ねている形態とすることができる。そして、このような形態を採用することで、光路が、一種、折り畳まれ、本開示の第1の態様あるいは第2の態様に係る画像表示装置、本開示の第1の態様あるいは第2の態様に係る光ビーム伸長装置、本開示の第1の態様あるいは第2の態様に係る光学装置のコンパクト化を図ることができる。尚、画像生成装置と第1反射鏡との間、あるいは、光源と第1反射鏡との間に備えられた1枚の平面反射部材と、第1反射鏡と第2反射鏡との間に備えられた1枚の平面反射部材とが、同一平面内に位置する形態も、画像生成装置と第1反射鏡との間、あるいは、光源と第1反射鏡との間に備えられた1枚の平面反射部材は、第1反射鏡と第2反射鏡との間に備えられた1枚の平面反射部材を兼ねている形態に包含される。
【0031】
上記の好ましい形態を含む本開示の第1の態様あるいは第2の態様に係る画像表示装置、本開示の第1の態様あるいは第2の態様に係る光ビーム伸長装置、本開示の第1の態様あるいは第2の態様に係る光学装置において、
Z方向と直交する仮想平面である第1A仮想平面に射影したとき、画像生成装置(あるいは光源)から第1反射鏡に入射する光の軌跡と、第1反射鏡から出射される光の軌跡とは平行であり、
第1反射鏡の法線と直交する仮想平面である第1B仮想平面に射影したとき、画像生成装置(あるいは光源)から第1反射鏡に入射する光の軌跡と、第1反射鏡から出射される光の軌跡とは、第1A仮想平面に対して対称であり、
Y方向と直交する仮想平面である第2A仮想平面に射影したとき、第1反射鏡から第2反射鏡に入射する光の軌跡と、第2反射鏡から出射される光の軌跡とは平行であり、
第2反射鏡の法線と直交する仮想平面である第2B仮想平面に射影したとき、第1反射鏡から第2反射鏡に入射する光の軌跡と、第2反射鏡から出射される光の軌跡とは、第2A仮想平面に対して対称である構成とすることができる。そして、この場合、画像生成装置(あるいは光源)の中心から出射され、第1反射鏡に入射する光の光路長と、画像生成装置(あるいは光源)の中心から出射された光であって、第1反射鏡から出射され、第2反射鏡に入射し、出射され、導光手段(あるいは照射面)に入射する光の光路長とは、等しい構成とすることが好ましい。更には、画像生成装置(あるいは光源)から出射される光ビームのY方向に沿った大きさは、導光手段(あるいは照射面)に入射する光ビームのY方向に沿った大きさと等しい構成とすることが好ましい。更には、以上に説明した好ましい構成にあっては、導光手段(あるいは照射面)に入射する光ビームのZ方向に沿った大きさは、画像生成装置(あるいは光源)から出射される光ビームのZ方向に沿った大きさよりも大きい構成とすることができ、更には、導光手段から出射される光ビームのZ方向に沿った大きさは、画像生成装置(あるいは光源)から出射される光ビームのZ方向に沿った大きさと等しい構成とすることができる。本開示の第3の態様あるいは第4の態様に係る画像表示装置においては、光ビーム伸長装置の全体から出射される光のZ方向に沿ったビーム径は、光ビーム伸長装置に入射する光のZ方向に沿ったビーム径よりも大きい。
【0032】
以上に説明した好ましい形態、構成を含む本開示の第1の態様〜第4の態様に係る画像表示装置において、画像生成装置は、
(A−1)2次元マトリクス状に配列された複数の画素を有する画像形成装置、及び、
(A−2)画像形成装置の各画素から出射された光を平行光とするコリメート光学系、
を備えており、
コリメート光学系からの光が第1反射鏡に入射される構成とすることができる。尚、便宜上、このような画像生成装置を、『第1の形態の画像生成装置』と呼ぶ。
【0033】
あるいは又、以上に説明した好ましい形態、構成を含む本開示の第1の態様〜第4の態様に係る画像表示装置において、画像生成装置は、
(A−1)光源、
(A−2)光源から出射された光を平行光とするコリメート光学系、
(A−3)コリメート光学系から出射された平行光を走査する走査手段、及び、
(A−4)走査手段によって走査された平行光をリレーするリレー光学系、
を備えており、
リレー光学系からの光が第1反射鏡に入射される構成とすることができる。尚、便宜上、このような画像生成装置を、『第2の形態の画像生成装置』と呼ぶ。
【0034】
更には、以上に説明した好ましい形態、構成を含む本開示の第1の態様〜第4の態様に係る画像表示装置、あるいは、本開示の第1の態様〜第2の態様に係る光学装置において、第1偏向手段及び第2偏向手段は、回折格子素子から成る構成とすることができ、更には、回折格子素子は、反射型回折格子素子から成り、更には、反射型体積ホログラム回折格子から成り、あるいは又、透過型回折格子素子から成り、あるいは又、一方の回折格子素子は反射型回折格子素子から成り、他方の回折格子素子は透過型回折格子素子から成る構成とすることができる。尚、回折格子における干渉縞の並ぶ方向、即ち、回折方向はY方向であり、干渉縞はZ方向に延びている。
【0035】
あるいは又、以上に説明した好ましい形態、構成を含む本開示の第1の態様〜第4の態様に係る画像表示装置、あるいは、本開示の第1の態様〜第2の態様に係る光学装置において、第1偏向手段は、導光板に入射された光を反射し;第2偏向手段は、導光板の内部を全反射により伝播した光を、複数回に亙り、透過、反射する構成とすることができる。更には、この場合、第1偏向手段は反射鏡として機能し、第2偏向手段は半透過鏡として機能する構成とすることができる。
【0036】
以上に説明した好ましい形態、構成を含む本開示の第1の態様〜第4の態様に係る画像表示装置、本開示の第1の態様〜第2の態様に係る光ビーム伸長装置、本開示の第1の態様〜第2の態様に係る光学装置、あるいは、本開示の第1の態様〜第2の態様に係る光反射部材(以下、これらを総称して、単に、『本開示』と呼ぶ場合がある)において、X方向に平行な軸線を、便宜上、『X軸』と呼び、Y方向に平行な軸線を、便宜上、『Y軸』と呼び、Z方向に平行な軸線を、便宜上、『Z軸』と呼ぶ場合がある。光ビーム伸長装置において、X方向(X軸)、Y方向(Y軸)、Z方向(Z軸)は、導光板におけるX方向、Y方向、Z方向を基準として決定すればよい。即ち、或る方向から光ビーム伸長装置に光が入射し、光ビーム伸長装置から出射され、導光板に入射したときの光の入射方向が『A方向』であったとした場合、光ビーム伸長装置に光が入射した方向、光ビーム伸長装置の内部における光の方向、光ビーム伸長装置から出射される光の方向は、『A方向』方向であるとする。また、第1反射鏡の法線方向を『X’軸』と呼び、X’軸及びZ軸に直交する軸を『Y’軸』と呼ぶ。更には、第2反射鏡の法線方向を『X’軸』と呼び、X’軸及びY軸に直交する軸を『Z’軸』と呼ぶ。
【0037】
本開示において、第1反射鏡の光反射面の断面形状は、第1A仮想平面で第1反射鏡の光反射面を切断したと想定したときの形状であり、第2反射鏡の光反射面の断面形状は、第2A仮想平面で第2反射鏡の光反射面を切断したと想定したときの形状である。第1反射鏡や第2反射鏡リバーサルミラーとも呼ばれる。
【0038】
第1A仮想平面で第1反射鏡の光反射面を切断したと想定したときの、第1A斜面の底部と第1B斜面の底部の成す角度θ1は90度であり、第1A斜面の頂部と第1B斜面の頂部の成す角度θ1’は90度又は鋭角又は鈍角である。同様に、第2A仮想平面で第2反射鏡の光反射面を切断したと想定したときの、第2A斜面の底部と第2B斜面の底部の成す角度θ2は90度であり、第2A斜面の頂部と第2B斜面の頂部の成す角度θ2’は90度又は鋭角又は鈍角である。
【0039】
第1A斜面(『第1A斜面−A』と呼ぶ)の頂辺と、この第1A斜面−Aに隣接する第1A斜面(『第1A斜面−B』と呼ぶ)の頂辺と、第1A斜面−Aの底辺によって形成される仮想三角形(第1A仮想平面内に含まれる)の形状は、基本的には、隣辺の長さが異なる直角三角形(便宜上、『第1仮想直角三角形』と呼ぶ)である。また、第2A斜面(『第2A斜面−A』と呼ぶ)の頂辺と、この第2A斜面−Aに隣接する第2A斜面(『第2A斜面−B』と呼ぶ)の頂辺と、第2A斜面−Aの底辺によって形成される仮想三角形(第2A仮想平面内に含まれる)の形状は、基本的には、隣辺の長さが異なる直角三角形(便宜上、『第2仮想直角三角形』と呼ぶ)である。
【0040】
即ち、第1反射鏡の断面形状を眺めたとき、Y’軸に沿って同じ形状の第1仮想直角三角形が並んでいてもよい。あるいは又、Y’軸に沿って異なる形状の第1仮想直角三角形が並んでいてもよい。具体的には、第1反射鏡の中央領域への光の入射角をη10-inとしたとき、光反射面の中央領域は、第1仮想直角三角形(但し、傾斜角ζ10である直角不等辺三角形)が並んでおり、光の入射角がη11-in(>η10-in)である光反射面の領域(便宜上、『第1の領域』と呼ぶ)には、第1仮想直角三角形(但し、傾斜角ζ11>ζ10である直角不等辺三角形)が並んでおり、光の入射角がη12-in(<η10-in)である光反射面の領域(便宜上、『第2の領域』と呼ぶ)には、第1仮想直角三角形(但し、傾斜角ζ12<ζ10である直角不等辺三角形)が並んでいる構成とすることができる。あるいは又、例えば、光反射面の中央領域(光の入射角をη10-in)には、第1仮想直角三角形(但し、直角二等辺三角形)が並んでおり、光反射面の中央領域の両側の領域(便宜上、『第3の領域』及び『第4の領域』と呼ぶ)には、入射角η11-in(>η10-in)の光(但し、角度の正負の符号が異なる)が入射し、第3の領域及び第4の領域には、中央領域を基準として対称に、第1仮想直角三角形(但し、直角不等辺三角形)が並んでいる構成とすることができる。尚、1つの第1仮想直角三角形において、長い方の隣辺が光反射面の中央領域側に位置している。傾斜角ζ10,ζ11,ζ12の値は、第1仮想直角三角形毎に異なっていてもよいし、所望の数の第1仮想直角三角形にあっては同じ値とする構成(即ち、光反射面を複数の領域に分割し、各領域に含まれる第1仮想直角三角形における傾斜角ζの値を同じとし、異なる領域に含まれる第1仮想直角三角形における傾斜角ζの値は異なる構成)とすることもできる。後者の場合、光反射面における複数の領域のそれぞれの中心部に入射する光の入射角をη1とすればよい。
【0041】
尚、「Y’軸に沿って異なる形状の第1仮想直角三角形が並んでいる」とは、「第1反射鏡の中央における第1A斜面の頂点と第1A斜面の頂点との間のピッチの値と、第1反射鏡の端部における第1A斜面の頂点と第1A斜面の頂点との間のピッチの値とが異なる」ことと等価である。即ち、第1反射鏡の中央領域への光の入射角をη10-inとし、光反射面の中央領域におけるピッチをP10としたとき、光の入射角がη11-in(>η10-in)である光反射面の領域(第1領域)におけるピッチP11は、P11>P10であり、光の入射角がη12-in(<η10-in)である光反射面の領域(第2領域)におけるピッチP12は、P12<P10である。あるいは又、例えば、光反射面の中央領域(光の入射角をη10-in)におけるピッチをP10としたとき、光の入射角がη11-in(>η10-in)である光反射面の中央領域の両側の領域(第3の領域及び第4の領域)には、中央領域を基準として対称に、ピッチP11(>P10)にて、第1仮想直角三角形(但し、直角不等辺三角形)が並んでいる構成とすることができる。ピッチPの値は、第1仮想直角三角形毎に異なっていてもよいし、所望の数の第1仮想直角三角形にあっては同じ値とする構成(即ち、光反射面を複数の領域に分割し、各領域に含まれる第1仮想直角三角形における傾斜角ζの値を同じとし、異なる領域に含まれる第1仮想直角三角形における傾斜角ζの値は異なる構成)とすることもできる。
【0042】
同様に、第2反射鏡の断面形状を眺めたとき、Z’軸に沿って同じ形状の第2仮想直角三角形が並んでいてもよい。あるいは又、Z’軸に沿って異なる形状の第2仮想直角三角形が並んでいてもよい。具体的には、第2反射鏡の中央領域への光の入射角をη20-inとしたとき、光反射面の中央領域は、第2仮想直角三角形(但し、傾斜角ζ20である直角不等辺三角形)が並んでおり、光の入射角がη21-in(>η20-in)である光反射面の領域(第1の領域)には、第2仮想直角三角形(但し、傾斜角ζ21>ζ20である直角不等辺三角形)が並んでおり、光の入射角がη22-in(<η20-in)である光反射面の領域(第2の領域)には、第2仮想直角三角形(但し、傾斜角ζ22<ζ20である直角不等辺三角形)が並んでいる構成とすることができる。あるいは又、例えば、光反射面の中央領域(光の入射角をη20-in)には、第2仮想直角三角形(但し、直角二等辺三角形)が並んでおり、光反射面の中央領域の両側の領域(第3の領域及び第4の領域)には、入射角η21-in(>η20-in)の光(但し、角度の正負の符号が異なる)が入射し、第3の領域及び第4の領域には、中央領域を基準として対称に、第2仮想直角三角形(但し、直角不等辺三角形)が並んでいる構成とすることができる。尚、1つの第2仮想直角三角形において、長い方の隣辺が光反射面の中央領域側に位置している。傾斜角ζ20,ζ21,ζ22の値は、第2仮想直角三角形毎に異なっていてもよいし、所望の数の第2仮想直角三角形にあっては同じ値とする構成(即ち、光反射面を複数の領域に分割し、各領域に含まれる第2仮想直角三角形における傾斜角ζの値を同じとし、異なる領域に含まれる第2仮想直角三角形における傾斜角ζの値は異なる構成)とすることもできる。後者の場合、光反射面における複数の領域のそれぞれの中心部に入射する光の入射角をη2とすればよい。
【0043】
尚、「Z’軸に沿って異なる形状の第2仮想直角三角形が並んでいる」とは、「第2反射鏡の中央における第2A斜面の頂点と第2A斜面の頂点との間のピッチの値と、第2反射鏡の端部における第2A斜面の頂点と第2A斜面の頂点との間のピッチの値とが異なる」ことと等価である。即ち、第2反射鏡の中央領域への光の入射角をη20-inとし、光反射面の中央領域におけるピッチをP20としたとき、光の入射角がη21-in(>η20-in)である光反射面の領域(第1領域)におけるピッチP21は、P21>P20であり、光の入射角がη22-in(<η20-in)である光反射面の領域(第2領域)におけるピッチP22は、P22<P20である。あるいは又、例えば、光反射面の中央領域(光の入射角をη20-in)におけるピッチをP20としたとき、光の入射角がη21-in(>η20-in)である光反射面の中央領域の両側の領域(第3の領域及び第4の領域)には、中央領域を基準として対称に、ピッチP21(>P20)にて、第2仮想直角三角形(但し、直角不等辺三角形)が並んでいる構成とすることができる。ピッチPの値は、第2仮想直角三角形毎に異なっていてもよいし、所望の数の第2仮想直角三角形にあっては同じ値とする構成(即ち、光反射面を複数の領域に分割し、各領域に含まれる第2仮想直角三角形における傾斜角ζの値を同じとし、異なる領域に含まれる第2仮想直角三角形における傾斜角ζの値は異なる構成)とすることもできる。
【0044】
また、本開示の第1の態様〜第2の態様に係る光反射部材において、光反射部材の断面形状とは、第1斜面の頂辺及び底辺が延びる方向に直交する仮想平面(便宜上、『第3仮想平面』と呼ぶ)で光反射部材を切断したと想定したときの形状を指す。光反射部材も、リバーサルミラーとも呼ばれる。第3仮想平面で光反射部材を切断したと想定したときの、第1斜面の底部と第2斜面の底部の成す角度θ0は90度であり、第1斜面の頂部と第2斜面の頂部の成す角度θ0’は90度又は鋭角又は鈍角である。第1斜面(『第1斜面−A』と呼ぶ)の頂辺と、この第1斜面−Aに隣接する第1斜面(『第1斜面−B』と呼ぶ)の頂辺と、第1斜面−Aの底辺によって形成される仮想三角形(第3仮想平面内に含まれる)の形状は、基本的には、隣辺の長さが異なる直角三角形(便宜上、『第3仮想直角三角形』と呼ぶ)である。即ち、第1斜面の頂辺及び底辺が延びる方向と直交する方向に沿って同じ形状の第3仮想直角三角形が並んでいてもよい。あるいは又、異なる形状の第3仮想直角三角形が並んでいてもよい。具体的には、光反射部材の中央領域への光の入射角をη00-inとしたとき、光反射部材の中央領域は、第3仮想直角三角形(但し、傾斜角ζ00である直角不等辺三角形)が並んでおり、光の入射角がη01-in(>η00-in)である光反射部材の領域(第1の領域)には、第3仮想直角三角形(但し、傾斜角ζ01>ζ00である直角不等辺三角形)が並んでおり、光の入射角がη02-in(<η00-in)である光反射部材の領域(第2の領域)には、第3仮想直角三角形(但し、傾斜角ζ02<ζ00である直角不等辺三角形)が並んでいる構成とすることができる。あるいは又、例えば、光反射部材の中央領域(光の入射角をη00-in)には、第3仮想直角三角形(但し、直角二等辺三角形)が並んでおり、光反射部材の中央領域の両側の領域(第3の領域及び第4の領域)には、入射角η21-in(>η20-in)の光(但し、角度の正負の符号が異なる)が入射し、第3の領域及び第4の領域には、中央領域を基準として対称に、第3仮想直角三角形(但し、直角不等辺三角形)が並んでいる構成とすることができる。尚、1つの第3仮想直角三角形において、長い方の隣辺が光反射面の中央領域側に位置している。傾斜角ζ00,ζ01,ζ02の値は、第3仮想直角三角形毎に異なっていてもよいし、所望の数の第3仮想直角三角形にあっては同じ値とする構成(即ち、光反射部材を複数の領域に分割し、各領域に含まれる第3仮想直角三角形における傾斜角ζの値を同じとし、異なる領域に含まれる第3仮想直角三角形における傾斜角ζの値は異なる構成)とすることもできる。後者の場合、光反射部材における複数の領域のそれぞれの中心部に入射する光の入射角をηとすればよい。
【0045】
尚、「異なる形状の第3仮想直角三角形が並んでいる」とは、「光反射部材の中央における第1斜面の頂点と第1斜面の頂点との間のピッチの値と、光反射部材の端部における第1斜面の頂点と第1斜面の頂点との間のピッチの値とが異なる」ことと等価である。即ち、光反射部材の中央領域への光の入射角をη00-inとし、光反射部材の中央領域におけるピッチをP00としたとき、光の入射角がη01-in(>η00-in)である光反射部材の領域(第1領域)におけるピッチP01は、P01>P00であり、光の入射角がη02-in(<η00-in)である光反射部材の領域(第2領域)におけるピッチP02は、P02<P00である。あるいは又、例えば、光反射部材の中央領域(光の入射角をη00-in)におけるピッチをP00としたとき、光の入射角がη01-in(>η00-in)である光反射部材の中央領域の両側の領域(第3の領域及び第4の領域)には、中央領域を基準として対称に、ピッチP01(>P00)にて、第3仮想直角三角形(但し、直角不等辺三角形)が並んでいる構成とすることができる。ピッチPの値は、第3仮想直角三角形毎に異なっていてもよいし、所望の数の第3仮想直角三角形にあっては同じ値とする構成(即ち、光反射部材を複数の領域に分割し、各領域に含まれる第3仮想直角三角形における傾斜角ζの値を同じとし、異なる領域に含まれる第3仮想直角三角形における傾斜角ζの値は異なる構成)とすることもできる。
【0046】
第1反射鏡に入射した光は、第1A斜面と衝突し、第1A斜面で反射されて、この第1A斜面に対向する第1B斜面と衝突し、第1B斜面で反射され、第1反射鏡から出射される。あるいは又、第1反射鏡に入射した光は、第1B斜面と衝突し、第1B斜面で反射されて、この第1B斜面に対向する第1A斜面と衝突し、第1A斜面で反射され、第1反射鏡から出射される。同様に、第2反射鏡に入射した光は、第2A斜面と衝突し、第2A斜面で反射されて、この第2A斜面に対向する第2B斜面と衝突し、第2B斜面で反射され、第2反射鏡から出射される。あるいは又、第2反射鏡に入射した光は、第2B斜面と衝突し、第2B斜面で反射されて、この第2B斜面に対向する第2A斜面と衝突し、第2A斜面で反射され、第2反射鏡から出射される。また、光反射部材に入射した光は、第1斜面と衝突し、第1斜面で反射されて、この第1斜面に対向する第2斜面と衝突し、第2斜面で反射され、光反射部材から出射される。あるいは又、光反射部材に入射した光は、第2斜面と衝突し、第2斜面で反射されて、この第2斜面に対向する第1斜面と衝突し、第1斜面で反射され、光反射部材から出射される。
【0047】
第1の形態の画像生成装置における画像形成装置として、例えば、反射型空間光変調装置及び光源から構成された画像形成装置;透過型空間光変調装置及び光源から構成された画像形成装置;有機EL(Electro Luminescence)、無機EL、発光ダイオード(LED)等の発光素子から構成された画像形成装置を挙げることができるが、中でも、反射型空間光変調装置及び光源から構成された画像形成装置とすることが好ましい。空間光変調装置として、ライト・バルブ、例えば、LCOS(Liquid Crystal On Silicon)等の透過型あるいは反射型の液晶表示装置、デジタルマイクロミラーデバイス(DMD)を挙げることができ、光源として発光素子を挙げることができる。更には、反射型空間光変調装置は、液晶表示装置、及び、光源からの光の一部を反射して液晶表示装置へと導き、且つ、液晶表示装置によって反射された光の一部を通過させてコリメート光学系へと導く偏光ビームスプリッターから成る構成とすることができる。光源を構成する発光素子として、赤色発光素子、緑色発光素子、青色発光素子、白色発光素子を挙げることができる。発光素子として、例えば、半導体レーザ素子や固体レーザ、LEDを例示することができる。画素の数は、画像表示装置に要求される仕様に基づき決定すればよく、画素の数の具体的な値として、320×240、432×240、640×480、854×480、1024×768、1920×1080を例示することができる。コリメート光学系は、画素の位置情報を導光手段の光学系における角度情報に変換する機能を有する。コリメート光学系として、凸レンズ、凹レンズ、自由曲面プリズム、ホログラムレンズを、単独、若しくは、組み合わせた、全体として正の光学的パワーを持つ光学系を例示することができる。
【0048】
一方、第2の形態の画像生成装置における光源として発光素子を挙げることができ、具体的には、赤色発光素子、緑色発光素子、青色発光素子、白色発光素子を挙げることができる。発光素子として、例えば、半導体レーザ素子や固体レーザ、LEDを例示することができる。第2の形態の画像表示装置における画素(仮想の画素)の数も、画像表示装置に要求される仕様に基づき決定すればよく、画素(仮想の画素)の数の具体的な値として、320×240、432×240、640×480、854×480、1024×768、1920×1080を例示することができる。また、光源を赤色発光素子、緑色発光素子、青色発光素子から構成する場合、例えば、クロスプリズムを用いて色合成を行うことが好ましい。走査手段として、光源から出射された光を水平走査及び垂直走査する、例えば、二次元方向に回転可能なマイクロミラーを有するMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)やガルバノ・ミラーを挙げることができる。リレー光学系は、周知のリレー光学系から構成すればよい。
【0049】
例えば、発光素子とライト・バルブとから構成された画像形成装置あるいは光源として、全体として白色光を発光するバックライトと、赤色発光画素、緑色発光画素、及び、青色発光画素を有する液晶表示装置との組合せ以外にも、以下の構成を例示することができる。
【0050】
[画像形成装置−A]
画像形成装置−Aは、
(α)青色を発光する第1発光素子が2次元マトリクス状に配列された第1発光パネルから成る第1画像形成装置、
(β)緑色を発光する第2発光素子が2次元マトリクス状に配列された第2発光パネルから成る第2画像形成装置、及び、
(γ)赤色を発光する第3発光素子が2次元マトリクス状に配列された第3発光パネルから成る第3画像形成装置、並びに、
(δ)第1画像形成装置、第2画像形成装置及び第3画像形成装置から出射された光を1本の光路に纏めるための手段(例えば、ダイクロイック・プリズムであり、以下の説明においても同様である)、
を備えており、
第1発光素子、第2発光素子及び第3発光素子のそれぞれの発光/非発光状態を制御する。
【0051】
[画像形成装置−B]
画像形成装置−Bは、
(α)青色を発光する第1発光素子、及び、青色を発光する第1発光素子から出射された出射光の通過/非通過を制御するための第1光通過制御装置[一種のライト・バルブであり、例えば、液晶表示装置やデジタルマイクロミラーデバイス(DMD)、LCOSから構成され、以下の説明においても同様である]から成る第1画像形成装置、
(β)緑色を発光する第2発光素子、及び、緑色を発光する第2発光素子から出射された出射光の通過/非通過を制御するための第2光通過制御装置(ライト・バルブ)から成る第2画像形成装置、及び、
(γ)赤色を発光する第3発光素子、及び、赤色を発光する第3発光素子から出射された出射光の通過/非通過を制御するための第3光通過制御装置(ライト・バルブ)から成る第3画像形成装置、並びに、
(δ)第1光通過制御装置、第2光通過制御装置及び第3光通過制御装置を通過した光を1本の光路に纏めるための手段、
を備えており、
光通過制御装置によってこれらの発光素子から出射された出射光の通過/非通過を制御することで画像を表示する。第1発光素子、第2発光素子、第3発光素子から出射された出射光を光通過制御装置へと案内するための手段(光案内部材)として、導光部材、マイクロレンズアレイ、ミラーや反射板、集光レンズを例示することができる。
【0052】
[画像形成装置−C]
画像形成装置−Cは、
(α)青色を発光する第1発光素子が2次元マトリクス状に配列された第1発光パネル、及び、第1発光パネルから出射された出射光の通過/非通過を制御するための青色光通過制御装置(ライト・バルブ)から成る第1画像形成装置、
(β)緑色を発光する第2発光素子が2次元マトリクス状に配列された第2発光パネル、及び、第2発光パネルから出射された出射光の通過/非通過を制御するための緑色光通過制御装置(ライト・バルブ)から成る第2画像形成装置、
(γ)赤色を発光する第3発光素子が2次元マトリクス状に配列された第3発光パネル、及び、第3発光パネルから出射された出射光の通過/非通過を制御するための赤色光通過制御装置(ライト・バルブ)から成る第3画像形成装置、並びに、
(δ)青色光通過制御装置、緑色光通過制御装置及び赤色光通過制御装置を通過した光を1本の光路に纏めるための手段を備えており、
光通過制御装置(ライト・バルブ)によってこれらの第1発光パネル、第2発光パネル及び第3発光パネルから出射された出射光の通過/非通過を制御することで画像を表示する。
【0053】
[画像形成装置−D]
画像形成装置−Dは、フィールドシーケンシャル方式のカラー表示の画像形成装置であり、
(α)青色を発光する第1発光素子を備えた第1画像形成装置、
(β)緑色を発光する第2発光素子を備えた第2画像形成装置、及び、
(γ)赤色を発光する第3発光素子を備えた第3画像形成装置、並びに、
(δ)第1画像形成装置、第2画像形成装置及び第3画像形成装置から出射された光を1本の光路に纏めるための手段、更には、
(ε)1本の光路に纏めるための手段から出射された光の通過/非通過を制御するための光通過制御装置(ライト・バルブ)、
を備えており、
光通過制御装置によってこれらの発光素子から出射された出射光の通過/非通過を制御することで画像を表示する。
【0054】
[画像形成装置−E]
画像形成装置−Eも、フィールドシーケンシャル方式のカラー表示の画像形成装置であり、
(α)青色を発光する第1発光素子が2次元マトリクス状に配列された第1発光パネルから成る第1画像形成装置、
(β)緑色を発光する第2発光素子が2次元マトリクス状に配列された第2発光パネルから成る第2画像形成装置、及び、
(γ)赤色を発光する第3発光素子が2次元マトリクス状に配列された第3発光パネルから成る第3画像形成装置、並びに、
(δ)第1画像形成装置、第2画像形成装置及び第3画像形成装置のそれぞれから出射された光を1本の光路に纏めるための手段、更には、
(ε)1本の光路に纏めるための手段から出射された光の通過/非通過を制御するための光通過制御装置(ライト・バルブ)、
を備えており、
光通過制御装置によってこれらの発光パネルから出射された出射光の通過/非通過を制御することで画像を表示する。
【0055】
[画像形成装置−F]
画像形成装置−Fは、第1発光素子、第2発光素子及び第3発光素子のそれぞれの発光/非発光状態を制御することで画像を表示する、パッシブマトリックスタイプあるいはアクティブマトリックスタイプのカラー表示の画像形成装置である。
【0056】
[画像形成装置−G]
画像形成装置−Gは、2次元マトリクス状に配列された発光素子ユニットからの出射光の通過/非通過を制御するための光通過制御装置(ライト・バルブ)を備えており、発光素子ユニットにおける第1発光素子、第2発光素子及び第3発光素子のそれぞれの発光/非発光状態を時分割制御し、更に、光通過制御装置によって第1発光素子、第2発光素子及び第3発光素子から出射された出射光の通過/非通過を制御することで画像を表示する、フィールドシーケンシャル方式のカラー表示の画像形成装置である。
【0057】
第1の形態あるいは第2の形態の画像生成装置における好ましい構成にあっては、上述したとおり、第1偏向手段は反射鏡として機能し、第2偏向手段は半透過鏡として機能する。このような形態にあっては、第1偏向手段は、例えば、合金を含む金属から構成され、導光板に入射された光を反射させる光反射膜(一種のミラー)や、導光板に入射された光を回折させる回折格子(例えば、ホログラム回折格子膜)から構成することができる。また、第2偏向手段は、例えば、誘電体多層膜や、ハーフミラー、偏光ビームスプリッター、ホログラム回折格子膜から構成することができる。そして、第1偏向手段や第2偏向手段は、導光板の内部に配設されている(導光板の内部に組み込まれている)が、第1偏向手段においては、導光板に入射された平行光が導光板の内部で全反射されるように、導光板に入射された平行光が反射又は回折される。一方、第2偏向手段においては、導光板の内部を全反射により伝播した平行光が複数回に亙り反射又は回折され、導光板から平行光の状態で出射される。光ビーム伸長装置を構成する反射鏡の光反射面には、例えば、合金を含む金属から成る光反射層が形成されている。
【0058】
あるいは又、第1の形態あるいは第2の形態の画像生成装置における好ましい構成にあっては、上述したとおり、第1偏向手段及び第2偏向手段は、例えば反射型回折格子素子、具体的には、例えば反射型体積ホログラム回折格子から成る。尚、反射型体積ホログラム回折格子から成る第1偏向手段を、便宜上、『第1回折格子部材』と呼び、反射型体積ホログラム回折格子から成る第2偏向手段を、便宜上、『第2回折格子部材』と呼ぶ場合がある。
【0059】
ここで、第1回折格子部材あるいは第2回折格子部材を、異なるP種類(例えば、P=3であり、赤色、緑色、青色の3種類)の波長帯域(あるいは、波長)を有するP種類の光の回折反射に対応させるために、反射型体積ホログラム回折格子から成るP層の回折格子層が積層されて成る構成とすることができる。各回折格子層には1種類の波長帯域(あるいは、波長)に対応する干渉縞が形成されている。あるいは又、異なるP種類の波長帯域(あるいは、波長)を有するP種類の光の回折反射に対応するために、1層の回折格子層から成る第1回折格子部材あるいは第2回折格子部材にP種類の干渉縞が形成されている構成とすることもできる。あるいは又、画角を例えば三等分して、第1回折格子部材あるいは第2回折格子部材を、各画角に対応する回折格子層が積層されて成る構成とすることができる。そして、これらの構成を採用することで、各波長帯域(あるいは、波長)を有する光が第1回折格子部材あるいは第2回折格子部材において回折反射されるときの回折効率の増加、回折受容角の増加、回折角の最適化を図ることができる。
【0060】
第1回折格子部材及び第2回折格子部材を構成する材料として、フォトポリマー材料を挙げることができる。反射型体積ホログラム回折格子から成る第1回折格子部材及び第2回折格子部材の構成材料や基本的な構造は、従来の反射型体積ホログラム回折格子の構成材料や構造と同じとすればよい。反射型体積ホログラム回折格子とは、+1次の回折光のみを回折反射するホログラム回折格子を意味する。回折格子部材には、その内部から表面に亙り干渉縞が形成されているが、係る干渉縞それ自体の形成方法は、従来の形成方法と同じとすればよい。具体的には、例えば、回折格子部材を構成する部材(例えば、フォトポリマー材料)に対して一方の側の第1の所定の方向から物体光を照射し、同時に、回折格子部材を構成する部材に対して他方の側の第2の所定の方向から参照光を照射し、物体光と参照光とによって形成される干渉縞を回折格子部材を構成する部材の内部に記録すればよい。第1の所定の方向、第2の所定の方向、物体光及び参照光の波長を適切に選択することで、回折格子部材の表面における干渉縞の所望のピッチ、干渉縞の所望の傾斜角(スラント角)を得ることができる。干渉縞の傾斜角(スラント角)とは、回折格子部材(あるいは回折格子層)の表面と干渉縞の成す角度を意味する。第1回折格子部材及び第2回折格子部材を、反射型体積ホログラム回折格子から成るP層の回折格子層の積層構造から構成する場合、このような回折格子層の積層は、P層の回折格子層をそれぞれ別個に作製した後、P層の回折格子層を、例えば、紫外線硬化型接着剤を使用して積層(接着)すればよい。また、粘着性を有するフォトポリマー材料を用いて1層の回折格子層を作製した後、その上に順次粘着性を有するフォトポリマー材料を貼り付けて回折格子層を作製することで、P層の回折格子層を作製してもよい。
【0061】
第1の形態あるいは第2の形態の画像生成装置においては、コリメート光学系あるいはリレー光学系にて複数の平行光とされた光を導光板に入射させるが、このような、平行光であることの要請は、これらの光が導光板へ入射したときの光波面情報が、第1偏向手段と第2偏向手段を介して導光板から出射された後も保存される必要があることに基づく。尚、複数の平行光を生成させるためには、具体的には、例えば、コリメート光学系あるいはリレー光学系における焦点距離の所(位置)に、画像形成装置の光出射部を位置させればよい。コリメート光学系は、画素の位置情報を光学装置の光学系における角度情報に変換する機能を有する。
【0062】
画像表示装置において、導光板は、導光板の内部全反射による光伝播方向(Y方向)と平行に延びる2つの平行面(第1面及び第2面)を有している。光が入射する導光板の面を導光板入射面、光が出射する導光板の面を導光板出射面としたとき、第1面によって導光板入射面及び導光板出射面が構成されていてもよいし、第1面によって導光板入射面が構成され、第2面によって導光板出射面が構成されていてもよい。
【0063】
導光板を構成する材料として、石英ガラスやBK7等の光学ガラスを含むガラスや、プラスチック材料(例えば、PMMA、ポリカーボネート樹脂、アクリル系樹脂、非晶性のポリプロピレン系樹脂、AS樹脂を含むスチレン系樹脂)を挙げることができる。導光板の形状は、平板に限定するものではなく、湾曲した形状を有していてもよい。
【0064】
本開示の画像表示装置によって、例えば、頭部装着型ディスプレイ(HMD,Head Mounted Display)を構成することができ、装置の軽量化、小型化を図ることができ、装置装着時の不快感を大幅に軽減させることが可能となるし、更には、製造コストダウンを図ることも可能となる。
【0065】
頭部装着型ディスプレイは、
(イ)観察者の頭部に装着される眼鏡型のフレーム、及び、
(ロ)本開示の画像表示装置、
を備えている。頭部装着型ディスプレイにあっては、本開示の画像表示装置を、1つ備えていてもよいし(片眼型)、2つ備えていてもよい(両眼型)。
【0066】
フレームは、観察者の正面に配置されるフロント部と、フロント部の両端に蝶番を介して回動自在に取り付けられた2つのテンプル部と、各テンプル部の先端部に取り付けられたモダン部から成り、更には、ノーズパッドを備えている。頭部装着型ディスプレイの全体を眺めたとき、フレーム及びノーズパッドの組立体は、リムが無い点を除き、通常の眼鏡と略同じ構造を有する。フレームを構成する材料は、金属や合金、プラスチック、これらの組合せといった、通常の眼鏡を構成する材料と同じ材料から構成することができる。ノーズパッドも周知の構成、構造とすることができる。
【0067】
そして、頭部装着型ディスプレイのデザイン上、あるいは、頭部装着型ディスプレイの装着の容易性といった観点から、1あるいは2の画像生成装置からの配線(信号線や電源線等)が、テンプル部、及び、モダン部の内部を介して、モダン部の先端部から外部に延び、外部回路(制御回路)に接続されている形態とすることが望ましい。更には、各画像生成装置はヘッドホン部を備えており、各画像生成装置からのヘッドホン部用配線が、テンプル部、及び、モダン部の内部を介して、モダン部の先端部からヘッドホン部へと延びている形態とすることが一層望ましい。ヘッドホン部として、例えば、インナーイヤー型のヘッドホン部、カナル型のヘッドホン部を挙げることができる。ヘッドホン部用配線は、より具体的には、モダン部の先端部から、耳介(耳殻)の後ろ側を回り込むようにしてヘッドホン部へと延びている形態とすることが好ましい。
【0068】
頭部装着型ディスプレイにおいては、フロント部の中央部分に撮像装置が取り付けられている形態とすることができる。撮像装置は、具体的には、例えば、CCDあるいはCMOSセンサーから成る固体撮像素子とレンズから構成されている。撮像装置からの配線は、例えば、フロント部の裏面を通し、一方の画像表示装置に接続すればよく、更には、画像生成装置から延びる配線に含ませればよい。
【0069】
頭部装着型ディスプレイを両眼型とする場合、
導光手段は、全体として画像生成装置よりも観察者の顔の中心側に配置されており、
2つの画像表示装置を結合する結合部材を更に有し、
結合部材は、観察者の2つの瞳の間に位置するフレームの中央部分の観察者に面する側に取り付けられており、
結合部材の射影像は、フレームの射影像内に含まれる構成とすることが好ましい。
【0070】
このように、結合部材が、観察者の2つの瞳の間に位置するフレームの中央部分に取り付けられている構造とすることによって、即ち、画像表示装置は、フレームに、直接、取り付けられた構造とはなっていなければ、観察者がフレームを頭部に装着したとき、テンプル部が外側に向かって広がった状態となり、その結果、フレームが変形したとしても、係るフレームの変形によって、画像生成装置あるいは導光手段の変位(位置変化)が生じることがないか、生じたとしても、極僅かである。それ故、左右の画像の輻輳角が変化してしまうことを確実に防止することができる。しかも、フレームのフロント部の剛性を高める必要がないので、フレームの重量増加、デザイン性の低下、コストの増加を招くことがない。また、画像表示装置は、眼鏡型のフレームに、直接、取り付けられていないので、観察者の嗜好によってフレームのデザインや色等を自由に選択することが可能であるし、フレームのデザインが受ける制約も少なく、デザイン上の自由度が高い。加えて、結合部材は、観察者とフレームとの間に配置されており、しかも、結合部材の射影像は、フレームの射影像内に含まれる。云い換えれば、観察者の正面から頭部装着型ディスプレイを眺めたとき、結合部材はフレームによって隠されている。従って、高いデザイン性、意匠性を頭部装着型ディスプレイに与えることができる。
【0071】
尚、結合部材は、観察者の2つの瞳の間に位置するフロント部の中央部分(通常の眼鏡におけるブリッジの部分に相当する)の観察者に面する側に取り付けられている構成とすることが好ましい。
【0072】
結合部材によって2つの画像表示装置が結合されているが、具体的には、結合部材の各端部に、画像生成装置が、取付け状態調整可能に取り付けられている形態とすることができる。そして、この場合、各画像生成装置は、観察者の瞳よりも外側に位置している構成とすることが好ましい。更には、このような構成にあっては、一方の画像生成装置の取付部中心とフレームの一端部(一方の智、ヨロイ)との間の距離をα、結合部材の中心からフレームの一端部(一方の智)までの距離をβ、他方の画像生成装置の取付部中心とフレームの一端部(一方の智)との間の距離をγ、フレームの長さをLとしたとき、0.01×L≦α≦0.30×L、好ましくは、0.05×L≦α≦0.25×L、0.35×L≦β≦0.65×L、好ましくは、0.45×L≦β≦0.55×L、0.70×L≦γ≦0.99×L、好ましくは、0.75×L≦γ≦0.95×Lを満足することが望ましい。結合部材の各端部への画像生成装置の取付けは、具体的には、例えば、結合部材の各端部の3箇所に貫通孔を設け、貫通孔に対応した螺合部を画像生成装置に設け、各貫通孔にビスを通し、画像生成装置に設けられた螺合部に螺合させる。ビスと螺合部との間にはバネを挿入しておく。こうして、ビスの締め付け状態によって、画像生成装置の取付け状態(結合部材に対する画像生成装置の傾き)を調整することができる。
【0073】
ここで、画像生成装置の取付部中心とは、画像生成装置が結合部材に取り付けられている状態において、画像生成装置及びフレームを仮想平面に射影したときに得られる画像生成装置の射影像が、フレームの射影像の重なっている部分のフレームの軸線方向に沿った二等分点を指す。また、結合部材の中心とは、結合部材がフレームに取り付けられている状態において、結合部材がフレームに接している部分のフレームの軸線方向に沿った二等分点を指す。フレームの長さとは、フレームが湾曲している場合、フレームの射影像の長さである。尚、射影方向は、観察者の顔に対して垂直な方向とする。
【0074】
あるいは又、結合部材によって2つの画像表示装置が結合されているが、具体的には、結合部材が、2つの導光手段を結合している形態とすることもできる。尚、2つの導光手段が一体的に作製されている場合があり、このような場合、係る一体的に作製された導光手段に結合部材が取り付けられているが、係る形態も、結合部材が2つの導光手段を結合している形態に包含される。一方の画像生成装置の中心とフレームの一端部との間の距離をα’他方の画像生成装置の中心とフレームの一端部との間の距離をγ’としたとき、α’,γ’の値も上述したα,γの値と同様とすることが望ましい。尚、画像生成装置の中心とは、画像生成装置が導光手段に取り付けられている状態において、画像生成装置及びフレームを仮想平面に射影したときに得られる画像生成装置の射影像が、フレームの射影像の重なっている部分のフレームの軸線方向に沿った二等分点を指す。
【0075】
結合部材の形状は、結合部材の射影像がフレームの射影像内に含まれる限りにおいて、本質的に任意であり、例えば、棒状、細長い板状を例示することができる。結合部材を構成する材料も、金属や合金、プラスチック、これらの組合せを挙げることができる。
【実施例1】
【0076】
実施例1は、本開示の第1の態様に係る光反射部材、本開示の第1の態様に係る光学装置、本開示の第1の態様に係る光ビーム伸長装置、並びに、本開示の第1の態様に係る画像表示装置に関する。
【0077】
実施例1の光ビーム伸長装置をY方向から眺めた概念図、及び、Z方向から眺めた概念図を図1の(A)及び(B)に示し、光反射部材における入射光・出射光の挙動を、図2の(A)、(B)及び(C)に示す。また、Z方向と直交する仮想平面である第1A仮想平面で第1反射鏡を切断したときの第1反射鏡の模式的な一部断面図、第1反射鏡の模式的な部分平面図、第1反射鏡の模式的な部分側面図(但し、光の挙動のみを示す)を図3の(A)、(B)及び(C)に示し、Y方向と直交する仮想平面である第2A仮想平面で第2反射鏡を切断したときの第2反射鏡の模式的な一部断面図、第2反射鏡の模式的な部分平面図、第2反射鏡の模式的な部分側面図(但し、光の挙動のみを示す)を図4の(A)、(B)及び(C)を示す。更には、第1反射鏡及び第2反射鏡の模式的な一部断面図を図5の(A)及び(B)に示す。また、実施例1の光ビーム伸長装置を種々の方向から眺めたときの模式図を、図6、図7、図8に示し、実施例1の画像表示装置における画像形成装置あるいは光源と、第1反射鏡と、第2反射鏡と、導光板との位置関係を立体的に図9に示し、実施例1の光ビーム伸長装置内での光の挙動を図10に示す。更には、実施例1の画像表示装置における画像形成装置あるいは光源と、第1反射鏡との位置関係を模式的に図11に示し、実施例1の画像表示装置における画像形成装置あるいは光源と、第1反射鏡と、第2反射鏡との位置関係を模式的に図12に示し、実施例1の画像表示装置における画像形成装置あるいは光源と、第1反射鏡と、第2反射鏡と、導光板との位置関係を模式的に図13に示す。また、実施例1の画像表示装置の変形例における画像生成装置と、第1反射鏡と、第2反射鏡と、導光板との位置関係を概念的に図14に示す。更には、実施例1の画像表示装置の変形例における画像生成装置と、第1反射鏡と、第2反射鏡との位置関係を、具体的に、図15〜図17に示し、実施例1の画像表示装置における画像生成装置と、第1反射鏡と、第2反射鏡との位置関係を、具体的に、図18〜図20に示す。
【0078】
更には、実施例1あるいは後述する実施例2〜実施例4における画像表示装置の概念図を図21、図22、図23の(A)あるいは図24に示す。
【0079】
実施例1あるいは後述する実施例2〜実施例6における画像表示装置100,200,300,400は、
(A)画像生成装置110,210、及び、
(B)画像生成装置110,210からの光が入射され、導光され、観察者の瞳に向かって出射される導光手段130,330、
を備えた画像表示装置である。そして、導光手段130,330は、
(B−1)入射された光が内部を全反射により伝播した後、出射される導光板131,331、
(B−2)導光板131,331に入射された光が導光板131,331の内部で全反射されるように、導光板131,331に入射された光を偏向させる、導光板131,331に配設された第1偏向手段140,340、及び、
(B−3)導光板131,331の内部を全反射により伝播した光を導光板131,331から出射させるために、導光板131,331の内部を全反射により伝播した光を複数回に亙り偏向させる、導光板131,331に配設された第2偏向手段150,350、
を備えている。尚、導光手段130,330は、シースルー型(半透過型)である。そして、実施例1あるいは後述する実施例2〜実施例5における画像表示装置100,200,300,400は、
(C)導光板131,331へ入射される光の入射方向をX方向、導光板131,331内における光の伝播方向をY方向としたとき、画像生成装置110,210から入射された光ビームをZ方向に沿って伸長し、導光手段130,330へ出射する光ビーム伸長装置70,80、
を備えており、
光ビーム伸長装置70,80は、画像生成装置110,210からの光が入射される第1反射鏡71,81、及び、第1反射鏡71,81からの光が入射され、導光手段130,330へ光を出射する第2反射鏡72,82から成る。
【0080】
また、実施例1あるいは後述する実施例2〜実施例6における光学装置は、導光手段130,330を備えている。導光手段130,330は、
(b−1)光源(実施例においては、具体的には、画像生成装置110,210)から入射された光が内部を全反射により伝播した後、出射される導光板131,331、
(b−2)導光板131,331に入射された光が導光板131,331の内部で全反射されるように、導光板131,331に入射された光を偏向させる、導光板131,331に配設された第1偏向手段140,340、及び、
(b−3)導光板131,331の内部を全反射により伝播した光を導光板131,331から出射させるために、導光板131,331の内部を全反射により伝播した光を複数回に亙り偏向させる、導光板131,331に配設された第2偏向手段150,350、
を備えている。そして、更に、実施例1あるいは後述する実施例2〜実施例5にあっては、
導光板131,331へ入射される光の入射方向をX方向、導光板131,331内における光の伝播方向をY方向としたとき、光源から入射された光ビームをZ方向に沿って伸長し、導光手段130,330へ出射する光ビーム伸長装置70,80、
を備えており、
光ビーム伸長装置70,80は、光源からの光が入射される第1反射鏡71,81、及び、第1反射鏡71,81からの光が入射され、導光手段130,330へ光を出射する第2反射鏡72,82から成る。
【0081】
更には、実施例1あるいは後述する実施例2〜実施例5の光ビーム伸長装置70,80は、光源(実施例においては、具体的には、画像生成装置110,210)と照射面(実施例において、具体的には、導光手段130,330)との間に配置され、光源からの光が入射される第1反射鏡71,81、及び、第1反射鏡71,81からの光が入射され、照射面へ光を出射する第2反射鏡72,82から成る。
【0082】
ここで、実施例1あるいは後述する実施例3の画像表示装置100,300において、画像生成装置110は、第1の形態の画像生成装置であり、
(A−1)2次元マトリクス状に配列された複数の画素を有する画像形成装置111、及び、
(A−2)画像形成装置111の各画素から出射された光を平行光とするコリメート光学系112、
を備えており、
コリメート光学系112からの光が第1反射鏡71,81に入射される。
【0083】
第1偏向手段140及び第2偏向手段150は導光板131の内部に配設されている。そして、第1偏向手段140は、導光板131に入射された光を反射し、第2偏向手段150は、導光板131の内部を全反射により伝播した光を、複数回に亙り、透過、反射する。即ち、第1偏向手段140は反射鏡として機能し、第2偏向手段150は半透過鏡として機能する。より具体的には、導光板131の内部に設けられた第1偏向手段140は、アルミニウムから成り、導光板131に入射された光を反射させる光反射膜(一種のミラー)から構成されている。一方、導光板131の内部に設けられた第2偏向手段150は、誘電体積層膜が多数積層された多層積層構造体から構成されている。誘電体積層膜は、例えば、高誘電率材料としてのTiO2膜、及び、低誘電率材料としてのSiO2膜から構成されている。誘電体積層膜が多数積層された多層積層構造体に関しては、特表2005−521099に開示されている。図面においては6層の誘電体積層膜を図示しているが、これに限定するものではない。誘電体積層膜と誘電体積層膜との間には、導光板131を構成する材料と同じ材料から成る薄片が挟まれている。尚、第1偏向手段140においては、導光板131に入射された平行光が導光板131の内部で全反射されるように、導光板131に入射された平行光が反射(又は回折)される。一方、第2偏向手段150においては、導光板131の内部を全反射により伝播した平行光が複数回に亙り反射(又は回折)され、導光板131から平行光の状態で出射される。
【0084】
第1偏向手段140は、導光板131の第1偏向手段140を設ける部分134を切り出すことで、導光板131に第1偏向手段140を形成すべき斜面を設け、係る斜面に光反射膜を真空蒸着した後、導光板131の切り出した部分134を第1偏向手段140に接着すればよい。また、第2偏向手段150は、導光板131を構成する材料と同じ材料(例えば、ガラス)と誘電体積層膜(例えば、真空蒸着法にて成膜することができる)とが多数積層された多層積層構造体を作製し、導光板131の第2偏向手段150を設ける部分135を切り出して斜面を形成し、係る斜面に多層積層構造体を接着し、研磨等を行って、外形を整えればよい。こうして、導光板131の内部に第1偏向手段140及び第2偏向手段150が設けられた導光手段130を得ることができる。
【0085】
実施例1あるいは後述する実施例3において、画像形成装置111は、反射型空間光変調装置160、及び、白色光を出射する発光ダイオードから成る光源163から構成されている。より具体的には、反射型空間光変調装置160は、ライト・バルブとしてのLCOSから成る液晶表示装置(LCD)161、及び、光源163からの光の一部を反射して液晶表示装置161へと導き、且つ、液晶表示装置161によって反射された光の一部を通過させてコリメート光学系112へと導く偏光ビームスプリッター162から構成されている。液晶表示装置161は、2次元マトリクス状に配列された複数(例えば、320×240個)の画素(液晶セル)を備えている。偏光ビームスプリッター162は、周知の構成、構造を有する。光源163から出射された無偏光の光は、偏光ビームスプリッター162に衝突する。偏光ビームスプリッター162において、P偏光成分は通過し、系外に出射される。一方、S偏光成分は、偏光ビームスプリッター162において反射され、液晶表示装置161に入射し、液晶表示装置161の内部で反射され、液晶表示装置161から出射される。ここで、液晶表示装置161から出射した光の内、「白」を表示する画素から出射した光にはP偏光成分が多く含まれ、「黒」を表示する画素から出射した光にはS偏光成分が多く含まれる。従って、液晶表示装置161から出射され、偏光ビームスプリッター162に衝突する光の内、P偏光成分は、偏光ビームスプリッター162を通過し、コリメート光学系112へと導かれる。一方、S偏光成分は、偏光ビームスプリッター162において反射され、光源163に戻される。液晶表示装置161は、例えば、2次元マトリクス状に配列された複数(例えば、320×240個)の画素(液晶セルの数は画素数の3倍)を備えている。コリメート光学系112は、例えば、凸レンズから構成され、平行光を生成させるために、コリメート光学系112における焦点距離の所(位置)に画像形成装置111(より具体的には、液晶表示装置161)が配置されている。また、1画素は、赤色を出射する赤色発光副画素、緑色を出射する緑色発光副画素、及び、青色を出射する青色発光副画素から構成されている。
【0086】
ここで、実施例1、あるいは、後述する実施例2〜実施例6において、光学ガラスやプラスチック材料から成る導光板131,331は、導光板131,331の内部全反射による光伝播方向(Y方向)と平行に延びる2つの平行面(第1面132,332及び第2面133,333)を有している。第1面132,332と第2面133,333とは対向している。そして、光入射面に相当する第1面132,332から平行光が入射され、内部を全反射により伝播した後、光出射面に相当する第1面132,332から出射される。但し、これに限定するものではなく、第2面133,333によって光入射面が構成され、第1面132,332によって光出射面が構成されていてもよい。
【0087】
そして、実施例1の光ビーム伸長装置70において、
第1反射鏡71の光反射面は、第1A斜面71Aと第1B斜面71Bとが交互に連続して並置され、断面形状が鋸歯形状を有し、
第1反射鏡71の光反射面は、第1A斜面71Aと第1B斜面71Bとが交互に連続して並置され、断面形状が鋸歯形状を有し、
第1A斜面71Aの頂辺及び底辺は平行であり、Z方向に延びており、
一対の第1A斜面71A及び第1B斜面71Bにおいて、第1A斜面71Aの底部と第1B斜面71Bの底部の成す角度θ1は90度であり、且つ、第1A斜面71Aの長さは第1B斜面71Bの長さよりも短く、
第1A斜面71Aの高さは一定であり、
第1反射鏡71への光の入射角をη1(度)、第1A斜面71Aの傾斜角をζ1(度)とし、第1A斜面71Aの頂辺を基準として、第1A斜面側へ向かう光の入射角の方向を正の方向としたとき、
2ζ1−η1=90±10
を満足する。
【0088】
また、第2反射鏡72の光反射面は、第2A斜面72Aと第2B斜面72Bとが交互に連続して並置され、断面形状が鋸歯形状を有し、
第2A斜面72Aの頂辺及び底辺は平行であり、Y方向に延びており、
一対の第2A斜面72A及び第2B斜面72Bにおいて、第2A斜面72Aの底部と第2B斜面72Bの底部の成す角度θ2は90度であり、且つ、第2A斜面72Aの長さは第2B斜面72Bの長さよりも短く、
第2A斜面72Aの高さは一定であり、
第2反射鏡72への光の入射角をη2(度)、第2A斜面72Aの傾斜角をζ2(度)とし、第2A斜面72Aの頂辺を基準として、第2A斜面側へ向かう光の入射角の方向を正の方向としたとき、
2ζ2−η2=90±10
を満足する。
【0089】
ここで、一対の第1A斜面71A及び第1B斜面71Bにおいて、第1A斜面71Aの頂辺と第1B斜面71Bの頂辺とは同じ頂辺を占め、第1A斜面71Aの底辺と第1B斜面71Bの底辺とは同じ底辺を占める。同様に、一対の第2A斜面72A及び第2B斜面72Bにおいて、第2A斜面72Aの頂辺と第2B斜面72Bの頂辺とは同じ頂辺を占め、第2A斜面72Aの底辺と第2B斜面72Bの底辺とは同じ底辺を占める。
【0090】
尚、第1反射鏡71から光反射部材を構成する場合、光反射部材における第1斜面及び第2斜面を、第1反射鏡71における第1A斜面71A及び第1B斜面71Bと読み替えればよい。また、第2反射鏡72から光反射部材を構成する場合、光反射部材における第1斜面及び第2斜面を、第2反射鏡72における第2A斜面72A及び第2B斜面72Bと読み替えればよい。尚、光反射部材にあっては、第1斜面の頂辺及び底辺の延びる方向に直交する仮想平面に射影したとき、第1斜面に入射する光の軌跡と、第2斜面から出射される光の軌跡とは平行であり、第2斜面に入射する光の軌跡と、第1斜面から出射される光の軌跡とは平行である。
【0091】
第1反射鏡71及び第2反射鏡72の模式的な一部断面図を図5の(A)及び(B)に示す。ここで、図5の(A)に示す第1反射鏡71の模式的な一部断面図は、Z方向と直交する仮想平面である第1A仮想平面で第1反射鏡71を切断したときの模式的な一部断面図である。一方、図5の(B)に示す第2反射鏡72の模式的な一部断面図は、Y方向と直交する仮想平面である第2A仮想平面で第2反射鏡72を切断したときの模式的な一部断面図である。第1反射鏡71及び第2反射鏡72の光反射面には、例えば、アルミニウムといった光反射材料から成る光反射層71E,72Eが設けられている。
【0092】
尚、実施例1にあっては、第1反射鏡71の法線方向(X’軸)はX方向(X軸)と角度η1(>0度)を成しており、第2反射鏡72の法線方向(X’軸)はX方向(X軸)と角度η2(>0度)を成している。
【0093】
実施例1にあっては、第1A斜面71Aの頂部71Cと第1B斜面71Bの頂部71Cの成す角度(θ1’)を90度とした。また、第2A斜面72Aの頂部72Cと第2B斜面72Bの頂部72Cの成す角度(θ2’)も90度とした。前述した第1A斜面−Aの頂辺と、この第1A斜面−Aに隣接する第1A斜面−Bの頂辺と、第1A斜面−Aの底辺71Dによって形成される仮想三角形71Fの形状は、直角不等辺三角形(第1仮想直角三角形)である。また、第2A斜面−Aの頂辺と、この第2A斜面−Aに隣接する第2A斜面−Bの頂辺と、第2A斜面−Aの底辺72Dによって形成される仮想三角形72Fの形状は、直角不等辺三角形(第2仮想直角三角形)である。
【0094】
実施例1において、第1反射鏡71にあっては、Y’軸に沿って同じ形状の第1仮想直角三角形が並んでいるし、同様に、第2反射鏡72にあっては、Z’軸に沿って同じ形状の第2仮想直角三角形が並んでいる。
【0095】
第1反射鏡71に入射した光は、第1A斜面71Aと衝突し、第1A斜面71Aで反射されて、この第1A斜面71Aに対向する第1B斜面71Bと衝突し、第1B斜面71Bで反射され、第1反射鏡71から出射される。あるいは又、第1反射鏡71に入射した光は、第1B斜面71Bと衝突し、第1B斜面71Bで反射されて、この第1B斜面71Bに対向する第1A斜面71Aと衝突し、第1A斜面71Aで反射され、第1反射鏡71から出射される。同様に、第2反射鏡72に入射した光は、第2A斜面72Aと衝突し、第2A斜面72Aで反射されて、この第2A斜面72Aに対向する第2B斜面72Bと衝突し、第2B斜面72Bで反射され、第2反射鏡72から出射される。あるいは又、第2反射鏡72に入射した光は、第2B斜面72Bと衝突し、第2B斜面72Bで反射されて、この第2B斜面72Bに対向する第2A斜面72Aと衝突し、第2A斜面72Aで反射され、第2反射鏡72から出射される。
【0096】
以下、図1の(A)及び(B)、図3の(A)、(B)及び(C)、図4の(A)、(B)及び(C)、図6、図7、図8、図9、図10、図11、図12、図13を参照して、画像形成装置から第1反射鏡、第2反射鏡を経由して導光板に到達する光の挙動を説明する。
【0097】
尚、図1に示す構成、構造にあっては、画像形成装置111あるいは光源261(後述する)から出射された光の一部は、一点鎖線で示すハーフミラー73(図1の(B)参照)を通過し、第1反射鏡71に入射し、第1反射鏡71から出射され、その一部がハーフミラー73によって反射され、一点鎖線で示すハーフミラー74(図1の(B)参照)に入射し、ハーフミラー74によって一部が反射され、第2反射鏡72に入射し、第2反射鏡72から出射され、その一部がハーフミラー74を通過し、導光板131,331に入射する。尚、図1の(A)においては、「A」にて示す場所にハーフミラー73が配置され、「B」にて示す場所にハーフミラー74が配置されている。
【0098】
一方、図6〜図20に示す構成、構造にあっては、ハーフミラーを使用せず、画像形成装置111あるいは光源261、第1反射鏡71、第2反射鏡72、導光板131,331を空間に適切に配置することで、画像形成装置111あるいは光源261から、第1反射鏡71、第2反射鏡72を経由して導光板131,331に入射する光が、画像形成装置111あるいは光源261や第2反射鏡72に遮られることを防いでいる。
【0099】
そして、実施例1の光ビーム伸長装置70の第1反射鏡71において、第1A仮想平面(図3の(A)にあっては、図面紙面と平行な面)に射影したとき、画像生成装置110,210(あるいは光源)から第1反射鏡71に入射する光の軌跡(図3の(A)においては、A,Bで示す)と、第1反射鏡71から出射される光(図3の(A)においては、C,Dで示す)の軌跡とは平行である(図1の(B)、図3の(A)参照)。一方、第1B仮想平面(図3の(B)にあっては、図面紙面と平行な面)に射影したとき、画像生成装置110,210(あるいは光源)から第1反射鏡71に入射する光(図3の(B)においては、A,Bで示す)の軌跡と、第1反射鏡71から出射される光(図3の(B)においては、C,Dで示す)の軌跡とは、第1A仮想平面に対して対称である。尚、図3の(C)には、第1反射鏡71の模式的な部分側面図を示すが、この図にあっては、第1反射鏡71の頂点(頂辺)71C’及び底辺71Dを示し、第1反射鏡71の斜面は透明なものとして図示しており、光の挙動のみを示している。尚、光の軌跡BCは、第1反射鏡71の頂点71C’と頂点71C’とを結ぶ直線と平行である。
【0100】
また、第2反射鏡72において、第2A仮想平面(図4の(A)にあっては、図面紙面と平行な面)に射影したとき、第1反射鏡71から第2反射鏡72に入射する光(図4の(A)においては、E,Fで示す)の軌跡と、第2反射鏡72から出射される光(図4の(A)においては、G,Hで示す)の軌跡とは平行である(図1の(A)、図4の(A)参照)。一方、第2B仮想平面(図4の(B)にあっては、図面紙面と平行な面)に射影したとき、第1反射鏡71から第2反射鏡72に入射する光(図4の(B)においては、E,Fで示す)の軌跡と、第2反射鏡72から出射される光(図4の(B)においては、G,Hで示す)の軌跡とは、第2A仮想平面に対して対称である。尚、図4の(C)には、第2反射鏡72の模式的な部分側面図を示すが、この図にあっては、第2反射鏡72の頂点(頂辺)72C’及び底辺72Dを示し、第2反射鏡72の斜面は透明なものとして図示しており、光の挙動のみを示している。尚、光の軌跡FGは、第2反射鏡72の頂点72C’と頂点72C’とを結ぶ直線と平行である。
【0101】
そして、画像生成装置110,210(あるいは光源)の中心から出射され、第1反射鏡71に入射する光の光路長と、画像生成装置110,210(あるいは光源)の中心から出射された光であって、第1反射鏡71から出射され、第2反射鏡72に入射し、出射され、導光手段(あるいは照射面)に入射する光の光路長とは、等しい。更には、画像生成装置110,210(あるいは光源)から出射される光ビームのY方向に沿った大きさY0は、導光手段130,330(あるいは照射面)に入射する光ビームのY方向に沿った大きさと等しい(図1の(B)参照)。一方、導光手段130,330(あるいは照射面)に入射する光ビームのZ方向に沿った大きさZ1は、画像生成装置110,310(あるいは光源)から出射される光ビームのZ方向に沿った大きさZ0よりも大きい(図1の(A)参照)。更には、導光手段130,330から出射される光ビームのZ方向に沿った大きさは、画像生成装置110,210(あるいは光源)から出射される光ビームのZ方向に沿った大きさZ0と等しい。
【0102】
尚、このような構成を達成するためには、画像形成装置111あるいは光源261、第1反射鏡71、第2反射鏡72、導光板131,331を空間に適切に配置し、これらの構成、構造の最適化を図ればよい。然るに、最適化を図った場合、屡々、第1反射鏡71や第2反射鏡72の法線方向(X’軸)がX方向と平行ではない状態となる。また、第1反射鏡71や第2反射鏡72の法線方向(X’軸)をX方向と平行とした場合、第1反射鏡71や第2反射鏡72によって反射された像に無視出来ない歪みが生じる場合があり、このような場合にも、第1反射鏡71及び第2反射鏡72の法線方向(X’軸)がX方向と平行ではない状態とすることが好ましい。
【0103】
実施例1にあっては、光ビーム(光束)を、Z方向に沿って伸長し、一方、Y方向には伸長させない状態で、導光手段130,330へと入射させる光ビーム伸長装置70を備えている。光ビーム伸長装置70は、一種のビームエキスパンダーとして機能する。それ故、画像生成装置110,210におけるZ方向の開口絞りの径を大きく設定する必要が無くなり、画像生成装置110,210に備えるべきレンズの径を大きくする必要が無い。即ち、画像形成装置111に備えられたコリメート光学系112に備えられたレンズの径を大きくする必要が無く、画像表示装置の小型化、軽量化を図ることができるし、表示コントラストが低下し、画質が劣化するといった問題の発生も無い。
【0104】
図2の(A)、(B)及び(C)に、光反射部材の模式的な一部断面図を示し、併せて、光反射部材に入射し、光反射部材から出射される光の軌跡を描写する。尚、第1斜面への光の入射角をη(>0度)、第1斜面の傾斜角をζ(>45度)とし、第1斜面の頂辺を基準として、第1斜面側へ向かう光の入射角の方向を正の方向としている。尚、一点鎖線『NL』は法線を示す。また、第1斜面の法線を二点鎖線で示す。
【0105】
図2の(A)に示すように、例えば、入射角ηAにて光反射部材の第1斜面に入射した光「A1」は、第1斜面で反射され(光「A2」で示す)、この第1斜面と対向する第2斜面に入射し、第2斜面で反射され、第2斜面から出射される(光「A3」で示す)。ここで、
2ζ−ηA=90±10(度)
を満足している。光「A1」の軌跡と光「A3」の軌跡とは、前述したとおり、図2の(A)の紙面にこれらの軌跡を射影したとき平行である。「A2」の軌跡は、第1斜面の頂点と頂点とを結ぶ直線と平行である。
【0106】
一方、図2の(B)に示すように、入射角ηB(ηB>ηA)にて光反射部材の第1斜面に入射した光「B1」は、第1斜面で反射され(光「B2」で示す)、この第1斜面と対向する第2斜面に入射し、第2斜面で反射され、第2斜面から出射される(光「B3」で示す)。しかしながら、第1斜面に入射した光の一部、光「C1」は第1斜面で反射され、この第1斜面と対向する第2斜面に入射することなく、光反射部材から出射される(光「C2」で示す。即ち、光反射部材(あるいは第1反射鏡、第2反射鏡)に入射する光の方向と、出射される光の方向の平行性、対称性が、一部、無くなってしまう。
【0107】
また、図2の(C)に示すように、入射角ηD(ηD<ηA)にて光反射部材に入射した光「D1」は、第1斜面で反射され(光「D2」で示す)、この第1斜面と対向する第2斜面に入射し、第2斜面で反射され、第2斜面から出射される(光「D3」で示す)。一方、第2斜面に入射した光「D3」は、第2斜面で反射され(光「D2」で示す)、この第2斜面と対向する第1斜面に入射し、第1斜面で反射され、第1斜面から出射される(光「D1」で示す)。しかしながら、第2斜面に入射した光の一部(光「E1」で示す)は、第2斜面で反射され、この第2斜面と対向する第1斜面に入射することなく、光反射部材から出射される(光「E2」で示す)。即ち、光反射部材(あるいは第1反射鏡、第2反射鏡)に入射する光の方向と、出射される光の方向の平行性、対称性が、一部、無くなってしまう。
【0108】
以上に説明したとおり、光反射部材、第1反射鏡、第2反射鏡において、光の入射角η,η1,η2と傾斜角ζ,ζ1,ζ2とが、
2ζ −η =90
2ζ1−η1=90
2ζ2−η2=90
を満足するとき、光反射部材、あるいは第1反射鏡、第2反射鏡に入射する光の方向と、出射される光の方向の平行性、対称性は無くなることがなく、最も効率良く、光を反射することができる。尚、例えば、
2ζ −η =90±10(度)
2ζ1−η1=90±10(度)
2ζ2−η2=90±10(度)
の関係があれば、実用上、光反射部材、あるいは第1反射鏡、第2反射鏡に入射する光の方向と、出射される光の方向の平行性、対称性は一部保たれる。即ち、光反射面の斜面あるいは光反射部材における各種パラメータ(η,ζ等)を規定することで、光ビーム伸長装置あるいは光反射部材に入射した光を効率良く出射させることができる。
【0109】
実施例1の画像表示装置の変形例における画像生成装置110,210と、第1反射鏡71と、第2反射鏡72と、導光板131,331との位置関係を概念的に図14に示し、実施例1の画像表示装置の変形例における画像生成装置110,210と、第1反射鏡71と、第2反射鏡72との位置関係を具体的に図15〜図17に示す。また、実施例1の画像表示装置における画像生成装置110,210と、第1反射鏡71と、第2反射鏡72との位置関係を具体的に図18〜図20に示す。尚、図15及び図18は、画像生成装置110,210と、第1反射鏡71と、第2反射鏡72との位置関係を透視図で示し、図16及び図19は、画像表示装置を正面から眺めた図であり、図17及び図20は、画像表示装置を側面から眺めた図である。
【0110】
図14、図15〜図17に示した変形例にあっては、画像生成装置110,210と第1反射鏡71との間、あるいは、光源と第1反射鏡71との間には、少なくとも1枚の平面反射部材(実施例1にあっては2枚の平面反射部材75,76)が備えられており、第1反射鏡71と第2反射鏡72との間には、少なくとも1枚の平面反射部材(実施例1にあっては1枚の平面反射部材76)が備えられている。そして、画像生成装置110,210と第1反射鏡71との間、あるいは、光源と第1反射鏡71との間に備えられた1枚の平面反射部材76は、第1反射鏡71と第2反射鏡72との間に備えられた1枚の平面反射部材76を兼ねている。このような形態を採用することで、画像生成装置110,210から第1反射鏡71までの光路、あるいは、光源から第1反射鏡71までの光路が、一種、折り畳まれる。その結果、画像生成装置110,210(あるいは光源)の中心から出射され、第1反射鏡71に入射する光の光路長(図14における、L1+L2+L3)と、画像生成装置110,210(あるいは光源)の中心から出射された光であって、第1反射鏡71から出射され、第2反射鏡72に入射し、出射され、導光手段(あるいは照射面)に入射する光の光路長(図14における、L4+L5+L6)とを、コンパクトな構成、構造で、等しくすることが可能となる。即ち、光ビーム伸長装置、光学装置あるいは画像表示装置のコンパクト化を達成することができる。
【実施例2】
【0111】
実施例2は、実施例1の変形であり、第2の形態の画像生成装置210に関する。実施例2、あるいは、後述する実施例4の画像表示装置200,400は、図22あるいは図24に概念図を示すように、
(A−1)光源261、
(A−2)光源261から出射された光を平行光とするコリメート光学系262、
(A−3)コリメート光学系262から出射された平行光を走査する走査手段263、及び、
(A−4)走査手段263によって走査された平行光をリレーするリレー光学系264、
を備えており、
リレー光学系264からの光が第1反射鏡71に入射される。
【0112】
ここで、導光手段130は、実施例1にて説明した導光手段130と同じ構成、構造を有しているので、詳細な説明は省略する。
【0113】
光源261は、赤色を発光する赤色発光素子261R、緑色を発光する緑色発光素子261G、青色を発光する青色発光素子261Bから構成されており、各発光素子は半導体レーザ素子から成る。光源261から出射された3原色の光は、クロスプリズム265を通過することで色合成が行われ、光路が一本化され、全体として正の光学的パワーを持つコリメート光学系262に入射し、平行光として出射される。そして、この平行光は、全反射ミラー266で反射され、マイクロミラーを二次元方向に回転自在とし、入射した平行光を2次元的に走査することができるMEMSから成る走査手段263によって水平走査及び垂直走査が行われ、一種の2次元画像化され、仮想の画素が生成される。そして、仮想の画素からの光は、周知のリレー光学系から構成されたリレー光学系264を通過し、平行光とされた光束が、光ビーム伸長装置70を経由して、導光手段130に入射する。
【実施例3】
【0114】
実施例3も、実施例1の変形である。図23の(A)に概念図を示すように、実施例3の画像表示装置300における画像形成装置111及びコリメート光学系112、光ビーム伸長装置70は、実施例1において説明した画像形成装置111及びコリメート光学系112、光ビーム伸長装置70と同じ構成、構造を有する。また、導光手段330も、第1偏向手段及び第2偏向手段の構成、構造が異なる点を除き、基本的な構成、構造、即ち、
(C−1)入射された光が内部を全反射により伝播した後、出射される導光板331、
(C−2)導光板331に入射された光が導光板331の内部で全反射されるように、導光板331に入射された光を偏向させる、導光板331に配設された第1偏向手段、及び、
(C−3)導光板331の内部を全反射により伝播した光を導光板331から出射させるために、導光板331の内部を全反射により伝播した光を複数回に亙り偏向させる、導光板331に配設された第2偏向手段、
を備えている点は、実施例1の導光手段130と同じである。
【0115】
実施例3にあっては、第1偏向手段及び第2偏向手段は導光板331の表面(具体的には、導光板331の第2面333)に配設されている。そして、第1偏向手段は、導光板331に入射された光を回折し、第2偏向手段は、導光板331の内部を全反射により伝播した光を、複数回に亙り、回折する。ここで、第1偏向手段及び第2偏向手段は、回折格子素子、具体的には反射型回折格子素子、より具体的には反射型体積ホログラム回折格子から成る。以下の説明において、反射型体積ホログラム回折格子から成る第1偏向手段を、便宜上、『第1回折格子部材340』と呼び、反射型体積ホログラム回折格子から成る第2偏向手段を、便宜上、『第2回折格子部材350』と呼ぶ。
【0116】
そして、実施例3、あるいは、後述する実施例4にあっては、第1回折格子部材340及び第2回折格子部材350を、異なるP種類(具体的には、P=3であり、赤色、緑色、青色の3種類)の波長帯域(あるいは、波長)を有するP種類の光の回折反射に対応させるために、反射型体積ホログラム回折格子から成るP層の回折格子層が積層されて成る構成としている。尚、フォトポリマー材料から成る各回折格子層には、1種類の波長帯域(あるいは、波長)に対応する干渉縞が形成されており、従来の方法で作製されている。より具体的には、赤色の光を回折反射する回折格子層と、緑色の光を回折反射する回折格子層と、青色の光を回折反射する回折格子層とが積層された構造を、第1回折格子部材340及び第2回折格子部材350は有する。回折格子層(回折格子素子)に形成された干渉縞のピッチは一定であり、干渉縞は直線状であり、Z方向に平行である。尚、図23の(A)及び図24においては、第1回折格子部材340及び第2回折格子部材350を1層で示した。このような構成を採用することで、各波長帯域(あるいは、波長)を有する光が第1回折格子部材340及び第2回折格子部材350において回折反射されるときの回折効率の増加、回折受容角の増加、回折角の最適化を図ることができる。
【0117】
図23の(B)に反射型体積ホログラム回折格子の拡大した模式的な一部断面図を示す。反射型体積ホログラム回折格子には、傾斜角(スラント角)φを有する干渉縞が形成されている。ここで、傾斜角(スラント角)φとは、反射型体積ホログラム回折格子の表面と干渉縞の成す角度を指す。干渉縞は、反射型体積ホログラム回折格子の内部から表面に亙り、形成されている。干渉縞は、ブラッグ条件を満たしている。ここで、ブラッグ条件とは、以下の式(A)を満足する条件を指す。式(A)中、mは正の整数、λは波長、dは格子面のピッチ(干渉縞を含む仮想平面の法線方向の間隔)、Θは干渉縞へ入射する角度の余角を意味する。また、入射角ψにて回折格子部材に光が侵入した場合の、Θ、傾斜角(スラント角)φ、入射角ψの関係は、式(B)のとおりである。
【0118】
m・λ=2・d・sin(Θ) (A)
Θ=90°−(φ+ψ) (B)
【0119】
第1回折格子部材340は、上述したとおり、導光板331の第2面333に配設(接着)されており、第1面332から導光板331に入射されたこの平行光が導光板331の内部で全反射されるように、導光板331に入射されたこの平行光を回折反射する。更には、第2回折格子部材350は、上述したとおり、導光板331の第2面333に配設(接着)されており、導光板331の内部を全反射により伝播したこの平行光を、複数回、回折反射し、導光板331から平行光のまま第1面332から出射する。但し、これに限定するものではなく、第2面333によって導光板入射面が構成され、第1面332によって導光板出射面が構成されていてもよい。
【0120】
そして、導光板331にあっても、赤色、緑色及び青色の3色の平行光が内部を全反射により伝播した後、出射される。このとき、導光板331が薄く導光板331の内部を進行する光路が長いため、各画角(水平画角)によって第2回折格子部材350に至るまでの全反射回数は異なっている。より詳細に述べれば、導光板331に入射する平行光のうち、第2回折格子部材350に近づく方向の角度(水平画角)をもって入射する平行光の反射回数は、第2回折格子部材350から離れる方向の水平画角をもって導光板331に入射する平行光の反射回数よりも少ない。これは、第1回折格子部材340において回折反射される平行光であって、第2回折格子部材350に近づく方向の水平画角をもって導光板331に入射する平行光の方が、これと逆方向の水平画角をもって導光板331に入射する平行光よりも、導光板331の内部を伝播していく光が導光板331の内面と衝突するときの導光板331の法線と成す角度が大きくなるからである。また、第2回折格子部材350の内部に形成された干渉縞の形状と、第1回折格子部材340の内部に形成された干渉縞の形状とは、導光板331のXZ平面に対して対称な関係にある。
【0121】
次に説明する実施例4における導光板331も、基本的には、以上に説明した導光板331の構成、構造と同じ構成、構造を有する。
【0122】
実施例3にあっては、導光板331の内部全反射による光伝播方向をY方向、導光板331の厚さ方向をX方向としたとき、第1回折格子部材340及び第2回折格子部材350における干渉縞の並ぶ方向、即ち、回折方向はY方向である。
【0123】
反射型体積ホログラム回折格子の表面が十分に平滑、平坦でないと、光が散乱したり、コントラストの低下や解像度の劣化が生じ得る。このような問題の発生を防止し、しかも、反射型体積ホログラム回折格子の保護といった観点から、導光手段330を、光入射側から、導光板331、反射型体積ホログラム回折格子340,350、透明な平行平板が積層された構造とすることもできる。
【0124】
実施例3において、第1偏向手段(第1回折格子部材340)と第2偏向手段(第2回折格子部材350)の中心間距離30mm、入射光の波長を522nm、導光板331への0度入射光の回折角(導光板331内の全反射角)を59度とする。また、導光板331の厚さを1.5mm、屈折率を1.52、アイレリーフを15mmとする。このとき、第1回折格子部材340の中心に衝突する光の導光板331への入射点(以下、単に『光入射点』と呼ぶ)から、観察者の瞳までの距離は、空気換算長、40mmとなる。そして、光入射点から観察者の瞳41までの距離が最も長くなるのは水平画角が負のときである。ここで、水平画角±11度、垂直画角±8.3度とすると、水平画角−11度の光線の光入射点から観察者の瞳41までの距離の空気換算長は48mmである。この48mmの距離で垂直画角±8.3度の開口絞り(クリアアパーチャー)を確保する必要がある。従って、垂直方向に必要な投射光学系の口径は、観察者の瞳径を3mmとすると17mmとなる。この口径が、導光板331におけるZ方向に沿った光出射領域の長さに相当する。そして、この場合、第2反射鏡72におけるZ方向の光反射領域の長さは、{17+2×L6×tan(8.3゜)}mmとなる。
【実施例4】
【0125】
実施例4は、実施例3の変形である。実施例4の画像表示装置の概念図を図24に示すが、実施例4の画像表示装置における光源261、コリメート光学系262、走査手段263、リレー光学系264等は、実施例2と同じ構成、構造を有する。また、実施例4における導光手段330は、実施例3における導光手段330と同じ構成、構造を有する。
【実施例5】
【0126】
実施例5は、本開示の第2の態様に係る光反射部材、本開示の第2の態様に係る光学装置、本開示の第2の態様に係る光ビーム伸長装置、並びに、本開示の第2の態様に係る画像表示装置に関する。
【0127】
実施例1の第1反射鏡71にあっては、Y’軸に沿って同じ形状の第1仮想直角三角形が並んでいるし、同様に、第2反射鏡72にあっては、Z’軸に沿って同じ形状の第2仮想直角三角形が並んでいるとした。一方、実施例5において、第1反射鏡81にあっては、Y’軸に沿って異なる形状の第1仮想直角三角形が並んでいるし、同様に、第2反射鏡82にあっては、Z’軸に沿って異なる形状の第2仮想直角三角形が並んでいる。実施例5における光反射部材、第1反射鏡81あるいは第2反射鏡82の模式的な側面図を図25の(A)及び(B)に示す。
【0128】
実施例5の光ビーム伸長装置80において、
第1反射鏡81の光反射面は、第1A斜面81Aと第1B斜面81Bとが交互に連続して並置され、断面形状が鋸歯形状を有し、
第1A斜面81Aの頂辺及び底辺は平行であり、Z方向に延びており、
一対の第1A斜面81A及び第1B斜面81Bにおいて、第1A斜面81Aの底部と第1B斜面81Bの底部の成す角度は90度であり、且つ、第1A斜面81Aの長さは第1B斜面81Bの長さよりも短く、
第1A斜面81Aの高さは一定であり、
第1反射鏡81の中央における第1A斜面81Aの頂点と第1A斜面81Aの頂点との間のピッチの値と、第1反射鏡81の端部における第1A斜面81Aの頂点と第1A斜面81Aの頂点との間のピッチの値とは異なり、
第2反射鏡82の光反射面は、第2A斜面82Aと第2B斜面82Bとが交互に連続して並置され、断面形状が鋸歯形状を有し、
第2A斜面82Aの頂辺及び底辺は平行であり、Y方向に延びており、
一対の第2A斜面82A及び第2B斜面82Bにおいて、第2A斜面82Aの底部と第2B斜面82Bの底部の成す角度は90度であり、且つ、第2A斜面82Aの長さは第2B斜面82Bの長さよりも短く、
第2A斜面82Aの高さは一定であり、
第2反射鏡82の中央における第2A斜面82Aの頂点と第2A斜面82Aの頂点との間のピッチの値と、第2反射鏡82の端部における第2A斜面82Aの頂点と第2A斜面82Aの頂点との間のピッチの値とは異なる。
【0129】
尚、第1反射鏡81から光反射部材を構成する場合、光反射部材における第1斜面及び第2斜面を、第1反射鏡81における第1A斜面81A及び第1B斜面81Bと読み替えればよい。また、第2反射鏡82から光反射部材を構成する場合、光反射部材における第1斜面及び第2斜面を、第2反射鏡82における第2A斜面82A及び第2B斜面82Bと読み替えればよい。尚、光反射部材にあっては、第1斜面の頂辺及び底辺の延びる方向に直交する仮想平面に射影したとき、第1斜面に入射する光の軌跡と、第2斜面から出射される光の軌跡とは平行である。
【0130】
ここで、「第1反射鏡81の中央における第1A斜面81Aの頂点と第1A斜面81Aの頂点との間のピッチの値と、第1反射鏡81の端部における第1A斜面81Aの頂点と第1A斜面81Aの頂点との間のピッチの値とは異なる」とは、「第1反射鏡81の中央における傾斜角ζと、第1反射鏡81の端部における傾斜角ζとが異なる」ことと等価である。同様に、「第2反射鏡82の中央における第2A斜面82Aの頂点と第2A斜面82Aの頂点との間のピッチの値と、第2反射鏡82の端部における第2A斜面82Aの頂点と第2A斜面82Aの頂点との間のピッチの値とは異なる」とは、「第2反射鏡82の中央における傾斜角ζと、第2反射鏡82の端部における傾斜角ζとが異なる」ことと等価である。即ち、傾斜角ζに置き換えてみれば、本開示の第2の態様に係る光反射部材、本開示の第2の態様に係る光学装置、本開示の第2の態様に係る光ビーム伸長装置、並びに、本開示の第2の態様に係る画像表示装置は、本開示の第1の態様に係る光反射部材、本開示の第1の態様に係る光学装置、本開示の第1の態様に係る光ビーム伸長装置、並びに、本開示の第1の態様に係る画像表示装置と部分的に等価である。即ち、異なる傾斜角ζを有する斜面を備えた本開示の第1の態様に係る光学装置、本開示の第1の態様に係る光ビーム伸長装置、並びに、本開示の第1の態様に係る画像表示装置は、本開示の第2の態様に係る光反射部材、本開示の第2の態様に係る光学装置、本開示の第2の態様に係る光ビーム伸長装置、並びに、本開示の第2の態様に係る画像表示装置と等価である。
【0131】
実施例5において、図25の(A)に示すように、光反射部材の中央領域への光の入射角をη00-inとしたとき、光反射部材の中央領域は、第3仮想直角三角形(但し、傾斜角ζ00である直角不等辺三角形)が並んでおり、光の入射角がη01-in(>η00-in)である光反射部材の領域(図25の(A)においては『第1の領域』と記す)には、第3仮想直角三角形(但し、傾斜角ζ01>ζ00である直角不等辺三角形)が並んでおり、光の入射角がη02-in(<η00-in)である光反射部材の領域(図25の(A)においては『第2の領域』と記す)には、第3仮想直角三角形(但し、傾斜角ζ02<ζ00である直角不等辺三角形)が並んでいる。
【0132】
あるいは又、光反射部材の中央領域への光の入射角をη00-inとし、光反射部材の中央領域におけるピッチをP00としたとき、光の入射角がη01-in(>η00-in)である光反射部材の領域(第1の領域)におけるピッチP01は、P01>P00であり、光の入射角がη02-in(<η00-in)である光反射部材の領域(第2の領域)におけるピッチP02は、P02<P00である。
【0133】
あるいは又、図25の(B)に示すように、光反射部材の中央領域(光の入射角η00-in)には、第3仮想直角三角形(但し、直角二等辺三角形)が並んでおり、光反射部材の中央領域の両側の領域(図25の(B)においては『第3の領域』及び『第4の領域』と記す)には、入射角η01-in(>η00-in)の光(但し、角度の正負の符号が異なる)が入射し、第3の領域及び第4の領域には、中央領域を基準として対称に、第3仮想直角三角形(但し、直角不等辺三角形)が並んでいる。尚、1つの第3仮想直角三角形において、長い方の隣辺が光反射部材の中央領域側に位置している。傾斜角ζの値は、第3仮想直角三角形毎に異なっていてもよいし、所望の数の第3仮想直角三角形にあっては同じ値とする構成(即ち、光反射部材を複数の領域に分割し、各領域に含まれる第3仮想直角三角形における傾斜角ζの値を同じとし、異なる領域に含まれる第3仮想直角三角形における傾斜角ζの値は異なる構成)とすることもできる。後者の場合、光反射部材における複数の領域のそれぞれの中心部に入射する光の入射角をηとすればよい。また、光反射部材における複数の領域の境界におけるθ’の値は、90度以外の値となる。
【0134】
あるいは又、例えば、光反射部材の中央領域(光の入射角をη00-in)におけるピッチをP00としたとき、光の入射角がη01-in(>η00-in)である光反射部材の中央領域の両側の領域(第3の領域及び第4の領域)には、中央領域を基準として対称に、ピッチP01(>P00)にて、第3仮想直角三角形(但し、直角不等辺三角形)が並んでいる。ピッチPの値は、第3仮想直角三角形毎に異なっていてもよいし、所望の数の第3仮想直角三角形にあっては同じ値とする構成(即ち、光反射部材を複数の領域に分割し、各領域に含まれる第3仮想直角三角形における傾斜角ζの値を同じとし、異なる領域に含まれる第3仮想直角三角形における傾斜角ζの値は異なる構成)とすることもできる。
【0135】
尚、第1反射鏡あるいは第2反射鏡においても、上記の光反射部材と同様の構成、構造を採用することができる。即ち、第1反射鏡81にあっては、Y’軸に沿って異なる形状の第1仮想直角三角形が並んでいる。また、第2反射鏡82にあっては、Z’軸に沿って異なる形状の第2仮想直角三角形が並んでいる。
【実施例6】
【0136】
実施例6は、本開示の第3の態様及び第4の態様に係る画像表示装置に関する。実施例6における画像表示装置は、光ビーム伸長装置の構成、構造を除き、実施例3あるいは実施例4において説明した画像表示装置と同様の画像表示装置から構成されている。
【0137】
実施例6における画像生成装置と光ビーム伸長装置と導光手段の配置状態をY方向から眺めた模式図、及び、Z方向から眺めた模式図を、それぞれ、図26の(A)及び(B)に示す。尚、図26の(B)においては、導光板331の図示を省略している。
【0138】
実施例6の画像表示装置は、実施例1(本開示の第1の態様に係る画像表示装置、本開示の第1の態様に係る光ビーム伸長装置、本開示の第1の態様に係る光学装置、及び、本開示の第1の態様に係る光反射部材)、あるいは、実施例5(本開示の第2の態様に係る画像表示装置、本開示の第2の態様に係る光ビーム伸長装置、本開示の第2の態様に係る光学装置、及び、本開示の第2の態様に係る光反射部材)において説明したと同様に、画像生成装置、及び、画像生成装置からの光が入射され、導光され、観察者の瞳に向かって出射される導光手段を備えており、導光手段は、導光板、第1偏向手段及び第2偏向手段を備えており、更に、光ビーム伸長装置を備えている。
【0139】
ここで、実施例6にあっては、光ビーム伸長装置90は、第1反射鏡91及び第2反射鏡92から成り、
第1反射鏡91は、導光手段330を挟んで、画像生成装置110,210とは反対側に位置し(即ち、導光手段330の光入射側とは反対側に位置し)、
第2反射鏡72は、導光手段330を基準として、画像生成装置110,210の側に位置し(即ち、導光手段330の光入射側に位置し)、
画像生成装置110,210から出射された光の一部は、導光板331及び第1偏向手段340を通過し、第1反射鏡91で反射され、導光板331及び第1偏向手段340を通過し、第2反射鏡92で反射され、その一部は、導光板331及び第1偏向手段340を通過することを、所定の回数繰り返す。
【0140】
尚、第1反射鏡91及び第2反射鏡92の具体的な構成、構造は、実質的に、実施例1あるいはその変形例において説明した第2反射鏡72の構成、構造と同じである。そして、光ビーム伸長装置の全体から出射される光のZ方向に沿ったビーム径は、光ビーム伸長装置に入射する光のZ方向に沿ったビーム径よりも大きい。
【0141】
コリメート光学系112あるいはリレー光学系264において、水平画角が負の最大値をとる光線を想定する。そして、係る光線が光ビーム伸長装置90に入射したときの、光ビーム伸長装置90における挙動を、図26の(A)及び(B)に模式的に示す。
【0142】
図26の(A)及び(B)に示すように、第1反射鏡91と第2反射鏡92との間で光の反射が繰り返されるが、光線の第1反射鏡91との衝突点、第2反射鏡92との衝突点は、原理的には、光はY方向には移動せず、X方向及びZ方向に移動するだけである。例えば、図26の(A)及び(B)に示す例においては、水平画角が負の最大値をとる光線(「a」で示す)が、点「b」において第1反射鏡91と衝突し、反射され、点「c」において第2反射鏡92と衝突し、反射され、点「d」において第1反射鏡91と衝突し、反射され、点「e」において第2反射鏡92と衝突し、反射され、導光手段330のY方向端部「f」に入射し、回折反射されるとする。この場合、導光手段330のY方向端部「f」に入射する光線は、コリメート光学系112あるいはリレー光学系264からの出射位置「a」を基準としたとき、ΔYだけ、−Y方向にずれる。同様に、水平画角が正の最大値をとる光線を想定したときには、コリメート光学系112あるいはリレー光学系264からの出射位置を基準としたとき、ΔYだけ、+Y方向にずれる。しかしながら、ΔYの値は、無視出来る程度に小さい。
【0143】
ここで、前述したとおり、コリメート光学系112あるいはリレー光学系264を出射して導光板331に入射した平行光束群を回折反射する第1偏向手段340の位置がY方向の開口絞り位置となる。具体的には、図26に示した例にあっては、コリメート光学系112あるいはリレー光学系264のY方向の径を、第1偏向手段340のY方向の長さに2×ΔYを加えた値としなければならない。しかしながら、ΔYの値は、無視出来る程度に小さな値である。それ故、第1反射鏡91及び第2反射鏡92を、所謂リバーサルミラーとすることで、コリメート光学系112あるいはリレー光学系264のY方向の径を大きく設定する必要が無く、あるいは又、大きく設定するにしても、左程、Y方向の径を大きくする必要がない。
【実施例7】
【0144】
実施例7は、本開示の画像表示装置、具体的には、実施例1〜実施例6にて説明した画像表示装置100,200,300,400を組み込んだ頭部装着型ディスプレイに関する。実施例7の頭部装着型ディスプレイを正面から眺めた模式図を図27に示し、実施例7の頭部装着型ディスプレイ(但し、フレームを除去したと想定したときの状態)を正面から眺めた模式図を図28に示す。また、実施例7の頭部装着型ディスプレイを上方から眺めた模式図を図29に示し、実施例7の頭部装着型ディスプレイを観察者40の頭部に装着した状態を上方から眺めた図を図30に示す。尚、図30においては、便宜上、画像表示装置のみを示し、フレームの図示は省略している。また、以下の説明においては、画像表示装置を画像表示装置100で代表して説明しているが、画像表示装置200,300,400を適用することができることは云うまでもない。
【0145】
実施例7の頭部装着型ディスプレイは、
(A)観察者40の頭部に装着される眼鏡型のフレーム10、及び、
(B)2つの画像表示装置100、
を備えている。尚、実施例7あるいは後述する実施例8における頭部装着型ディスプレイにあっては、画像表示装置100を2つ備えた両眼型とした。
【0146】
そして、実施例7の頭部装着型ディスプレイは、2つの画像表示装置100を結合する結合部材20を更に有している。結合部材20は、観察者40の2つの瞳41の間に位置するフレーム10の中央部分10Cの観察者に面する側に(即ち、観察者40とフレーム10との間に)、例えば、ビス(図示せず)を用いて取り付けられている。更には、結合部材20の射影像は、フレーム10の射影像内に含まれる。即ち、観察者40の正面から頭部装着型ディスプレイを眺めたとき、結合部材20はフレーム10によって隠されており、結合部材20は視認されない。また、結合部材20によって2つの画像表示装置100が結合されているが、具体的には、画像生成装置110A,110Bが筐体113に格納され、結合部材20の各端部に、筐体113が取付け状態調整可能に取り付けられている。そして、各画像生成装置110A,110Bは、観察者40の瞳41よりも外側に位置している。具体的には、一方の画像生成装置110Aの取付部中心110ACとフレーム10の一端部(一方の智)10Aとの間の距離をα、結合部材20の中心20Cからフレームの一端部(一方の智)10Aまでの距離をβ、他方の画像生成装置110Bの取付部中心110BCとフレームの一端部(一方の智)10Aとの間の距離をγ、フレームの長さをLとしたとき、
α=0.1×L
β=0.5×L
γ=0.9×L
である。
【0147】
結合部材20の各端部への画像生成装置(具体的には、画像生成装置110A,110B)の取付けは、具体的には、例えば、結合部材の各端部の3箇所に貫通孔(図示せず)を設け、貫通孔に対応したタップ付きの孔部(螺合部。図示せず)を画像生成装置110A,110Bに設け、各貫通孔にビス(図示せず)を通し、画像生成装置110A,110Bに設けられた孔部に螺合させる。ビスと孔部との間にはバネを挿入しておく。こうして、ビスの締め付け状態によって、画像生成装置の取付け状態(結合部材に対する画像生成装置の傾き)を調整することができる。取付け後、蓋(図示せず)によってビスを隠す。尚、図28及び図32において、結合部材20,30を明示するために、結合部材20,30に斜線を付した。
【0148】
フレーム10は、観察者40の正面に配置されるフロント部10Bと、フロント部10Bの両端に蝶番11を介して回動自在に取り付けられた2つのテンプル部12と、各テンプル部12の先端部に取り付けられたモダン部(先セル、耳あて、イヤーパッドとも呼ばれる)13から成り、結合部材20は、観察者40の2つの瞳41の間に位置するフロント部10Bの中央部分10C(通常の眼鏡におけるブリッジの部分に相当する)に取り付けられている。そして、結合部材20の観察者40に面する側にノーズパッド14が取り付けられている。尚、図29及び図33においては、ノーズパッド14の図示を省略している。フレーム10及び結合部材20は金属又はプラスチックから作製されており、結合部材20の形状は湾曲した棒状である。
【0149】
更には、一方の画像生成装置110Aから延びる配線(信号線や電源線等)15が、テンプル部12、及び、モダン部13の内部を介して、モダン部13の先端部から外部に延びており、図示しない外部回路に接続されている。更には、各画像生成装置110A,110Bはヘッドホン部16を備えており、各画像生成装置110A,110Bから延びるヘッドホン部用配線17が、テンプル部12、及び、モダン部13の内部を介して、モダン部13の先端部からヘッドホン部16へと延びている。ヘッドホン部用配線17は、より具体的には、モダン部13の先端部から、耳介(耳殻)の後ろ側を回り込むようにしてヘッドホン部16へと延びている。このような構成にすることで、ヘッドホン部16やヘッドホン部用配線17が乱雑に配置されているといった印象を与えることがなく、すっきりとした頭部装着型ディスプレイとすることができる。
【0150】
また、フロント部10Bの中央部分10Cには、CCDあるいはCMOSセンサーから成る固体撮像素子とレンズ(これらは図示せず)とから構成された撮像装置18が取り付けられている。具体的には、中央部分10Cには貫通孔が設けられており、中央部分10Cに設けられた貫通孔と対向する結合部材20の部分には凹部が設けられており、この凹部内に撮像装置18が配置されている。中央部分10Cに設けられた貫通孔から入射した光が、レンズによって固体撮像素子に集光される。固体撮像素子からの信号は、撮像装置18から延びる配線(図示せず)を介して、画像生成装置110A、更には、外部回路に送出される。尚、配線は、結合部材20とフロント部10Bとの間を通り、一方の画像生成装置110Aに接続されている。このような構成にすることで、撮像装置18が頭部装着型ディスプレイに組み込まれていることを、視認させ難くすることができる。
【0151】
このように、実施例7の頭部装着型ディスプレイ(HMD)にあっては、結合部材20が2つの画像表示装置100を結合しており、この結合部材20は、観察者40の2つの瞳41の間に位置するフレーム10の中央部分10Cに取り付けられている。即ち、各画像表示装置100は、フレーム10に、直接、取り付けられた構造とはなっていない。従って、観察者40がフレーム10を頭部に装着したとき、テンプル部12が外側に向かって広がった状態となり、その結果、フレーム10が変形したとしても、このようなフレーム10の変形によって、画像生成装置110A,110Bの変位(位置変化)が生じないか、生じたとしても、極僅かである。それ故、左右の画像の輻輳角が変化してしまうことを確実に防止することができる。しかも、フレーム10のフロント部10Bの剛性を高める必要がないので、フレーム10の重量増加、デザイン性の低下、コストの増加を招くことがない。また、画像表示装置100は、眼鏡型のフレーム10に、直接、取り付けられていないので、観察者の嗜好によってフレーム10のデザインや色等を自由に選択することが可能であるし、フレーム10のデザインが受ける制約も少なく、デザイン上の自由度が高い。加えて、観察者の正面から頭部装着型ディスプレイを眺めたとき、結合部材20はフレーム10に隠れている。従って、高いデザイン性、意匠性を頭部装着型ディスプレイに与えることができる。
【実施例8】
【0152】
実施例8は、実施例7の変形である。実施例8の頭部装着型ディスプレイを正面から眺めた模式図を図31に示し、実施例8の頭部装着型ディスプレイ(但し、フレームを除去したと想定したときの状態)を正面から眺めた模式図を図32に示す。また、実施例8の頭部装着型ディスプレイを上方から眺めた模式図を図33に示す。
【0153】
実施例8の頭部装着型ディスプレイにあっては、棒状の結合部材30が、実施例7と異なり、2つの画像生成装置110A,110Bを結合する代わりに、2つの導光手段330を結合している。尚、2つの導光手段330を一体的に作製し、係る一体的に作製された導光手段330に結合部材30が取り付けられている形態とすることもできる。
【0154】
ここで、実施例8の頭部装着型ディスプレイにあっても、結合部材30は、観察者40の2つの瞳41の間に位置するフレーム10の中央部分10Cに、例えば、ビスを用いて取り付けられており、各画像生成装置110は、観察者40の瞳41よりも外側に位置している。尚、各画像生成装置110は、導光手段330の端部に取り付けられている。結合部材30の中心30Cからフレーム10の一端部までの距離をβ、フレーム10の長さをLとしたとき、β=0.5×Lを満足している。尚、実施例8においても、α’の値、γ’の値は、実施例7のαの値、γの値と同じ値である。
【0155】
実施例8にあっては、フレーム10、各画像表示装置は、実施例7において説明したフレーム10、画像表示装置と同じ構成、構造を有する。それ故、これらの詳細な説明は省略する。また、実施例8の頭部装着型ディスプレイも、以上の相違点を除き、実質的に、実施例7の頭部装着型ディスプレイと同じ構成、構造を有するので、詳細な説明は省略する。
【0156】
以上、本開示を好ましい実施例に基づき説明したが、本開示はこれらの実施例に限定するものではない。実施例において説明した画像表示装置、光学装置の構成、構造は例示であり、適宜変更することができる。実施例においては、第1A斜面、第2A斜面、第1斜面の高さを一定としたが、場合によっては、第1A斜面、第2A斜面、第1斜面の高さを変化させてもよい。また、例えば、導光板に表面レリーフ型ホログラム(米国特許第20040062505A1参照)を配置してもよい。また、実施例3あるいは実施例4の導光手段にあっては、導光板331の第1面332に透過型ホログラムから成る第1偏向手段を配設し、第2面333に反射型ホログラムから成る第2偏向手段を配設するといった構成とすることもできる。このような構成にあっては、第1偏向手段に入射した光は、回折され、導光板内で全反射条件を満たし、第2偏向手段まで伝播される。そして、第2偏向手段において回折反射され、導光板から出射される。また、実施例3あるいは実施例4の導光手段にあっては、回折格子素子を透過型回折格子素子から構成することもできるし、あるいは又、第1偏向手段及び第2偏向手段の内のいずれか一方を反射型回折格子素子から構成し、他方を透過型回折格子素子から構成する形態とすることもできる。あるいは又、回折格子素子を、反射型ブレーズド回折格子素子や表面レリーフ型ホログラムとすることもできる。実施例にあっては、専ら、画像表示装置を2つ備えた両眼型としたが、画像表示装置を1つ備えた片眼型としてもよい。
【0157】
実施例1、実施例3での使用に適した画像形成装置の変形例として、例えば、図34に概念図を示すような、半導体発光素子から成る発光素子501が2次元マトリクス状に配列された発光パネルから成り、発光素子501のそれぞれの発光/非発光状態を制御することで、発光素子501の発光状態を直接的に視認させることで画像を表示する、アクティブマトリックスタイプの画像形成装置とすることもできる。この画像形成装置から出射された光は、コリメート光学系112、光ビーム伸長装置70を介して導光板131,331に入射される。
【0158】
あるいは又、図35に概念図を示すように、
(α)赤色を発光する赤色発光素子501Rが2次元マトリクス状に配列された赤色発光パネル511R、
(β)緑色を発光する緑色発光素子501Gが2次元マトリクス状に配列された緑色発光パネル511G、及び、
(γ)青色を発光する青色発光素子501Bが2次元マトリクス状に配列された青色発光パネル511B、並びに、
(δ)赤色発光パネル511R、緑色発光パネル511G及び青色発光パネル511Bから出射された光を1本の光路に纏めるための手段(例えば、ダイクロイック・プリズム503)、
を備えており、
赤色発光素子501R、緑色発光素子501G及び青色発光素子501Bのそれぞれの発光/非発光状態を制御するカラー表示の画像形成装置とすることもできる。この画像形成装置から出射された光も、コリメート光学系112、光ビーム伸長装置70を介して導光板131,331に入射される。尚、参照番号512は、発光素子から出射された光を集光するためのマイクロレンズである。
【0159】
あるいは又、発光素子501R,501G,501Bが2次元マトリクス状に配列された発光パネル511R,511G,511B等から成る画像形成装置の概念図を図36に示すが、発光パネル511R,511G,511Bから出射された光は、光通過制御装置504R,504G,504Bによって通過/非通過が制御され、ダイクロイック・プリズム503に入射し、これらの光の光路は1本の光路に纏められ、コリメート光学系112、光ビーム伸長装置70を介して導光板131,331に入射される。
【0160】
あるいは又、発光素子501R,501G,501Bが2次元マトリクス状に配列された発光パネル511R,511G,511B等から成る画像形成装置の概念図を図37に示すが、発光パネル511R,511G,511Bから出射された光は、ダイクロイック・プリズム503に入射し、これらの光の光路は1本の光路に纏められ、ダイクロイック・プリズム503から出射したこれらの光は光通過制御装置504によって通過/非通過が制御され、コリメート光学系112、光ビーム伸長装置70を介して導光板131,331に入射される。
【0161】
あるいは又、図38に示すように、赤色を発光する発光素子501R、及び、赤色を発光する発光素子501Rから出射された出射光の通過/非通過を制御するための一種のライト・バルブである光通過制御装置(例えば、液晶表示装置504R)、緑色を発光する発光素子501G、及び、緑色を発光する発光素子501Gから出射された出射光の通過/非通過を制御するための一種のライト・バルブである光通過制御装置(例えば、液晶表示装置504G)、青色を発光する発光素子501B、及び、青色を発光する発光素子501Bから出射された出射光の通過/非通過を制御するための一種のライト・バルブである光通過制御装置(例えば、液晶表示装置504B)、並びに、これらのGaN系半導体から成る発光素子501R,501G,501Bから出射された光を案内する光案内部材502、及び、1本の光路に纏めるための手段(例えば、ダイクロイック・プリズム503)を備えた画像形成装置とすることもできる。
【0162】
あるいは又、実施例7の頭部装着型ディスプレイの変形例の概念図を図39に示すように、光学装置は、画像生成装置110から出射された光が入射され、観察者の瞳41に向かって出射される半透過ミラー620から構成されている形態とすることもできる。尚、画像生成装置110から出射された光は、ガラス板やプラスチック板等の透明な部材621の内部を伝播して半透過ミラー620に入射する構造としている。但し、これに限定するものではなく、空気中を伝播して半透過ミラー620に入射する構造としてもよい。画像生成装置は、実施例1あるいは実施例2において説明した画像生成装置110,210とすることができる。
【0163】
尚、本開示は、以下のような構成を取ることもできる。
[1]《画像表示装置:第1の態様》
(A)画像生成装置、及び、
(B)画像生成装置からの光が入射され、導光され、観察者の瞳に向かって出射される導光手段、
を備え、
導光手段は、
(B−1)入射された光が内部を全反射により伝播した後、出射される導光板、
(B−2)導光板に入射された光が導光板の内部で全反射されるように、導光板に入射された光を偏向させる、導光板に配設された第1偏向手段、及び、
(B−3)導光板の内部を全反射により伝播した光を導光板から出射させるために、導光板の内部を全反射により伝播した光を複数回に亙り偏向させる、導光板に配設された第2偏向手段、
を備えており、更に、
(C)導光板へ入射される光の入射方向をX方向、導光板内における光の伝播方向をY方向としたとき、画像生成装置から入射された光ビームをZ方向に沿って伸長し、導光手段へ出射する光ビーム伸長装置、
を備えた画像表示装置であって、
光ビーム伸長装置は、画像生成装置からの光が入射される第1反射鏡、及び、第1反射鏡からの光が入射され、導光手段へ光を出射する第2反射鏡から成り、
第1反射鏡の光反射面は、第1A斜面と第1B斜面とが交互に連続して並置され、断面形状が鋸歯形状を有し、
第1A斜面の頂辺及び底辺は平行であり、Z方向に延びており、
一対の第1A斜面及び第1B斜面において、第1A斜面の底部と第1B斜面の底部の成す角度は90度であり、且つ、第1A斜面の長さは第1B斜面の長さよりも短く、
第1A斜面の高さは一定であり、
第1反射鏡への光の入射角をη1(度)、第1A斜面の傾斜角をζ1(度)とし、第1A斜面の頂辺を基準として、第1A斜面側へ向かう光の入射角の方向を正の方向としたとき、
2ζ1−η1=90±10
を満足し、
第2反射鏡の光反射面は、第2A斜面と第2B斜面とが交互に連続して並置され、断面形状が鋸歯形状を有し、
第2A斜面の頂辺及び底辺は平行であり、Y方向に延びており、
一対の第2A斜面及び第2B斜面において、第2A斜面の底部と第2B斜面の底部の成す角度は90度であり、且つ、第2A斜面の長さは第2B斜面の長さよりも短く、
第2A斜面の高さは一定であり、
第2反射鏡への光の入射角をη2(度)、第2A斜面の傾斜角をζ2(度)とし、第2A斜面の頂辺を基準として、第2A斜面側へ向かう光の入射角の方向を正の方向としたとき、
2ζ2−η2=90±10
を満足する画像表示装置。
[2]画像生成装置と第1反射鏡との間には、少なくとも1枚の平面反射部材が備えられており、
第1反射鏡と第2反射鏡との間には、少なくとも1枚の平面反射部材が備えられており、
画像生成装置と第1反射鏡との間に備えられた1枚の平面反射部材は、第1反射鏡と第2反射鏡との間に備えられた1枚の平面反射部材を兼ねている[1]に記載の画像表示装置。
[3]《画像表示装置:第2の態様》
(A)画像生成装置、及び、
(B)画像生成装置からの光が入射され、導光され、観察者の瞳に向かって出射される導光手段、
を備え、
導光手段は、
(B−1)入射された光が内部を全反射により伝播した後、出射される導光板、
(B−2)導光板に入射された光が導光板の内部で全反射されるように、導光板に入射された光を偏向させる、導光板に配設された第1偏向手段、及び、
(B−3)導光板の内部を全反射により伝播した光を導光板から出射させるために、導光板の内部を全反射により伝播した光を複数回に亙り偏向させる、導光板に配設された第2偏向手段、
を備えており、更に、
(C)導光板へ入射される光の入射方向をX方向、導光板内における光の伝播方向をY方向とした、
を備えた画像表示装置であって、
光ビーム伸長装置は、画像生成装置からの光が入射される第1反射鏡、及び、第1反射鏡からの光が入射され、導光手段へ光を出射する第2反射鏡から成り、
第1反射鏡の光反射面は、第1A斜面と第1B斜面とが交互に連続して並置され、断面形状が鋸歯形状を有し、
第1A斜面の頂辺及び底辺は平行であり、Z方向に延びており、
一対の第1A斜面及び第1B斜面において、第1A斜面の底部と第1B斜面の底部の成す角度は90度であり、且つ、第1A斜面の長さは第1B斜面の長さよりも短く、
第1A斜面の高さは一定であり、
第1反射鏡の中央における第1A斜面の頂点と第1A斜面の頂点との間のピッチの値と、第1反射鏡の端部における第1A斜面の頂点と第1A斜面の頂点との間のピッチの値とは異なり、
第2反射鏡の光反射面は、第2A斜面と第2B斜面とが交互に連続して並置され、断面形状が鋸歯形状を有し、
第2A斜面の頂辺及び底辺は平行であり、Y方向に延びており、
一対の第2A斜面及び第2B斜面において、第2A斜面の底部と第2B斜面の底部の成す角度は90度であり、且つ、第2A斜面の長さは第2B斜面の長さよりも短く、
第2A斜面の高さは一定であり、
第2反射鏡の中央における第2A斜面の頂点と第2A斜面の頂点との間のピッチの値と、第2反射鏡の端部における第2A斜面の頂点と第2A斜面の頂点との間のピッチの値とは異なる画像表示装置。
[4]Z方向と直交する仮想平面である第1A仮想平面に射影したとき、画像生成装置から第1反射鏡に入射する光の軌跡と、第1反射鏡から出射される光の軌跡とは平行であり、
第1反射鏡の法線と直交する仮想平面である第1B仮想平面に射影したとき、画像生成装置から第1反射鏡に入射する光の軌跡と、第1反射鏡から出射される光の軌跡とは、第1A仮想平面に対して対称であり、
Y方向と直交する仮想平面である第2A仮想平面に射影したとき、第1反射鏡から第2反射鏡に入射する光の軌跡と、第2反射鏡から出射される光の軌跡とは平行であり、
第2反射鏡の法線と直交する仮想平面である第2B仮想平面に射影したとき、第1反射鏡から第2反射鏡に入射する光の軌跡と、第2反射鏡から出射される光の軌跡とは、第2A仮想平面に対して対称である[1]乃至[3]のいずれか1項に記載の画像表示装置。
[5]画像生成装置の中心から出射され、第1反射鏡に入射する光の光路長と、画像生成装置の中心から出射された光であって、第1反射鏡から出射され、第2反射鏡に入射し、出射され、導光手段に入射する光の光路長とは、等しい[4]に記載の画像表示装置。
[6]画像生成装置から出射される光ビームのY方向に沿った大きさは、導光手段に入射する光ビームのY方向に沿った大きさと等しい[5]に記載の画像表示装置。
[7]導光手段に入射する光ビームのZ方向に沿った大きさは、画像生成装置から出射される光ビームのZ方向に沿った大きさよりも大きい[4]乃至[6]のいずれか1項に記載の画像表示装置。
[8]導光手段から出射される光ビームのZ方向に沿った大きさは、画像生成装置から出射される光ビームのZ方向に沿った大きさと等しい[7]に記載の画像表示装置。
[9]画像生成装置は、
(A−1)2次元マトリクス状に配列された複数の画素を有する画像形成装置、及び、
(A−2)画像形成装置の各画素から出射された光を平行光とするコリメート光学系、
を備えており、
コリメート光学系からの光が第1反射鏡に入射される[1]乃至[8]のいずれか1項に記載の画像表示装置。
[10]画像生成装置は、
(A−1)光源、
(A−2)光源から出射された光を平行光とするコリメート光学系、
(A−3)コリメート光学系から出射された平行光を走査する走査手段、及び、
(A−4)走査手段によって走査された平行光をリレーするリレー光学系、
を備えており、
リレー光学系からの光が第1反射鏡に入射される[1]乃至[8]のいずれか1項に記載の画像表示装置。
[11]《画像表示装置:第3の態様》
(A)画像生成装置、及び、
(B)画像生成装置からの光が入射され、導光され、観察者の瞳に向かって出射される導光手段、
を備え、
導光手段は、
(B−1)入射された光が内部を全反射により伝播した後、出射される導光板、
(B−2)導光板に入射された光が導光板の内部で全反射されるように、導光板に入射された光を偏向させる、導光板に配設された第1偏向手段、及び、
(B−3)導光板の内部を全反射により伝播した光を導光板から出射させるために、導光板の内部を全反射により伝播した光を複数回に亙り偏向させる、導光板に配設された第2偏向手段、
を備えており、更に、
(C)導光板へ入射される光の入射方向をX方向、導光板内における光の伝播方向をY方向としたとき、画像生成装置から入射された光ビームをZ方向に沿って伸長し、導光手段へ出射する光ビーム伸長装置、
を備えた画像表示装置であって、
光ビーム伸長装置は、第1反射鏡及び第2反射鏡から成り、
第1反射鏡は、導光手段を挟んで、画像生成装置とは反対側に位置し、
第2反射鏡は、導光手段を基準として、画像生成装置側に位置し、
画像生成装置から出射された光の一部は、導光板及び第1偏向手段を通過し、第1反射鏡で反射され、導光板及び第1偏向手段を通過し、第2反射鏡で反射され、その一部は、導光板及び第1偏向手段を通過することを、所定の回数繰り返し、
第1反射鏡の光反射面は、第1A斜面と第1B斜面とが交互に連続して並置され、断面形状が鋸歯形状を有し、
第1A斜面の頂辺及び底辺は平行であり、Y方向に延びており、
一対の第1A斜面及び第1B斜面において、第1A斜面の底部と第1B斜面の底部の成す角度は90度であり、且つ、第1A斜面の長さは第1B斜面の長さよりも短く、
第1A斜面の高さは一定であり、
第1反射鏡への光の入射角をη1(度)、第1A斜面の傾斜角をζ1(度)とし、第1A斜面の頂辺を基準として、第1A斜面側へ向かう光の入射角の方向を正の方向としたとき、
2ζ1−η1=90±10
を満足し、
第2反射鏡の光反射面は、第2A斜面と第2B斜面とが交互に連続して並置され、断面形状が鋸歯形状を有し、
第2A斜面の頂辺及び底辺は平行であり、Y方向に延びており、
一対の第2A斜面及び第2B斜面において、第2A斜面の底部と第2B斜面の底部の成す角度は90度であり、且つ、第2A斜面の長さは第2B斜面の長さよりも短く、
第2A斜面の高さは一定であり、
第2反射鏡への光の入射角をη2(度)、第2A斜面の傾斜角をζ2(度)とし、第2A斜面の頂辺を基準として、第2A斜面側へ向かう光の入射角の方向を正の方向としたとき、
2ζ2−η2=90±10
を満足する画像表示装置。
[12]《画像表示装置:第4の態様》
(A)画像生成装置、及び、
(B)画像生成装置からの光が入射され、導光され、観察者の瞳に向かって出射される導光手段、
を備え、
導光手段は、
(B−1)入射された光が内部を全反射により伝播した後、出射される導光板、
(B−2)導光板に入射された光が導光板の内部で全反射されるように、導光板に入射された光を偏向させる、導光板に配設された第1偏向手段、及び、
(B−3)導光板の内部を全反射により伝播した光を導光板から出射させるために、導光板の内部を全反射により伝播した光を複数回に亙り偏向させる、導光板に配設された第2偏向手段、
を備えており、更に、
(C)導光板へ入射される光の入射方向をX方向、導光板内における光の伝播方向をY方向としたとき、画像生成装置から入射された光ビームをZ方向に沿って伸長し、導光手段へ出射する光ビーム伸長装置、
を備えた画像表示装置であって、
光ビーム伸長装置は、第1反射鏡及び第2反射鏡から成り、
第1反射鏡は、導光手段を挟んで、画像生成装置とは反対側に位置し、
第2反射鏡は、導光手段を基準として、画像生成装置側に位置し、
画像生成装置から出射された光の一部は、導光板及び第1偏向手段を通過し、第1反射鏡で反射され、導光板及び第1偏向手段を通過し、第2反射鏡で反射され、その一部は、導光板及び第1偏向手段を通過することを、所定の回数繰り返し、
第1反射鏡の光反射面は、第1A斜面と第1B斜面とが交互に連続して並置され、断面形状が鋸歯形状を有し、
第1A斜面の頂辺及び底辺は平行であり、Y方向に延びており、
一対の第1A斜面及び第1B斜面において、第1A斜面の底部と第1B斜面の底部の成す角度は90度であり、且つ、第1A斜面の長さは第1B斜面の長さよりも短く、
第1A斜面の高さは一定であり、
第1反射鏡の中央における第1A斜面の頂点と第1A斜面の頂点との間のピッチの値と、第1反射鏡の端部における第1A斜面の頂点と第1A斜面の頂点との間のピッチの値とは異なり、
第2反射鏡の光反射面は、第2A斜面と第2B斜面とが交互に連続して並置され、断面形状が鋸歯形状を有し、
第2A斜面の頂辺及び底辺は平行であり、Y方向に延びており、
一対の第2A斜面及び第2B斜面において、第2A斜面の底部と第2B斜面の底部の成す角度は90度であり、且つ、第2A斜面の長さは第2B斜面の長さよりも短く、
第2A斜面の高さは一定であり、
第2反射鏡の中央における第2A斜面の頂点と第2A斜面の頂点との間のピッチの値と、第2反射鏡の端部における第2A斜面の頂点と第2A斜面の頂点との間のピッチの値とは異なる画像表示装置。
[13]《光学装置:第1の態様》
光源から入射された光が内部を全反射により伝播した後、出射される導光板、
導光板に入射された光が導光板の内部で全反射されるように、導光板に入射された光を偏向させる、導光板に配設された第1偏向手段、及び、
導光板の内部を全反射により伝播した光を導光板から出射させるために、導光板の内部を全反射により伝播した光を複数回に亙り偏向させる、導光板に配設された第2偏向手段、
を備えた導光手段、並びに、
導光板へ入射される光の入射方向をX方向、導光板内における光の伝播方向をY方向としたとき、光源から入射された光ビームをZ方向に沿って伸長し、導光手段へ出射する光ビーム伸長装置、
を備えた光学装置であって、
光ビーム伸長装置は、光源からの光が入射される第1反射鏡、及び、第1反射鏡からの光が入射され、導光手段へ光を出射する第2反射鏡から成り、
第1反射鏡の光反射面は、第1A斜面と第1B斜面とが交互に連続して並置され、断面形状が鋸歯形状を有し、
第1A斜面の頂辺及び底辺は平行であり、Z方向に延びており、
一対の第1A斜面及び第1B斜面において、第1A斜面の底部と第1B斜面の底部の成す角度は90度であり、且つ、第1A斜面の長さは第1B斜面の長さよりも短く、
第1A斜面の高さは一定であり、
第1反射鏡への光の入射角をη1(度)、第1A斜面の傾斜角をζ1(度)とし、第1A斜面の頂辺を基準として、第1A斜面側へ向かう光の入射角の方向を正の方向としたとき、
2ζ1−η1=90±10
を満足し、
第2反射鏡の光反射面は、第2A斜面と第2B斜面とが交互に連続して並置され、断面形状が鋸歯形状を有し、
第2A斜面の頂辺及び底辺は平行であり、Y方向に延びており、
一対の第2A斜面及び第2B斜面において、第2A斜面の底部と第2B斜面の底部の成す角度は90度であり、且つ、第2A斜面の長さは第2B斜面の長さよりも短く、
第2A斜面の高さは一定であり、
第2反射鏡への光の入射角をη2(度)、第2A斜面の傾斜角をζ2(度)とし、第2A斜面の頂辺を基準として、第2A斜面側へ向かう光の入射角の方向を正の方向としたとき、
2ζ2−η2=90±10
を満足する光学装置。
[14]光源と第1反射鏡との間には、少なくとも1枚の平面反射部材が備えられており、
第1反射鏡と第2反射鏡との間には、少なくとも1枚の平面反射部材が備えられており、
光源と第1反射鏡との間に備えられた1枚の平面反射部材は、第1反射鏡と第2反射鏡との間に備えられた1枚の平面反射部材を兼ねている[13]に記載の光学装置。
[15]《光学装置:第2の態様》
光源から入射された光が内部を全反射により伝播した後、出射される導光板、
導光板に入射された光が導光板の内部で全反射されるように、導光板に入射された光を偏向させる、導光板に配設された第1偏向手段、及び、
導光板の内部を全反射により伝播した光を導光板から出射させるために、導光板の内部を全反射により伝播した光を複数回に亙り偏向させる、導光板に配設された第2偏向手段、
を備えた導光手段、並びに、
導光板へ入射される光の入射方向をX方向、導光板内における光の伝播方向をY方向としたとき、光源から入射された光ビームをZ方向に沿って伸長し、導光手段へ出射する光ビーム伸長装置、
を備えた光学装置であって、
光ビーム伸長装置は、光源からの光が入射される第1反射鏡、及び、第1反射鏡からの光が入射され、導光手段へ光を出射する第2反射鏡から成り、
第1反射鏡の光反射面は、第1A斜面と第1B斜面とが交互に連続して並置され、断面形状が鋸歯形状を有し、
第1A斜面の頂辺及び底辺は平行であり、Z方向に延びており、
一対の第1A斜面及び第1B斜面において、第1A斜面の底部と第1B斜面の底部の成す角度は90度であり、且つ、第1A斜面の長さは第1B斜面の長さよりも短く、
第1A斜面の高さは一定であり、
第1反射鏡の中央における第1A斜面の頂点と第1A斜面の頂点との間のピッチの値と、第1反射鏡の端部における第1A斜面の頂点と第1A斜面の頂点との間のピッチの値とは異なり、
第2反射鏡の光反射面は、第2A斜面と第2B斜面とが交互に連続して並置され、断面形状が鋸歯形状を有し、
第2A斜面の頂辺及び底辺は平行であり、Y方向に延びており、
一対の第2A斜面及び第2B斜面において、第2A斜面の底部と第2B斜面の底部の成す角度は90度であり、且つ、第2A斜面の長さは第2B斜面の長さよりも短く、
第2A斜面の高さは一定であり、
第2反射鏡の中央における第2A斜面の頂点と第2A斜面の頂点との間のピッチの値と、第2反射鏡の端部における第2A斜面の頂点と第2A斜面の頂点との間のピッチの値とは異なる光学装置。
[16]《光ビーム伸長装置:第1の態様》
光源と照射面との間に配置され、光源からの光が入射される第1反射鏡、及び、第1反射鏡からの光が入射され、照射面へ光を出射する第2反射鏡から成る光ビーム伸長装置であって、
第1反射鏡の光反射面は、第1A斜面と第1B斜面とが交互に連続して並置され、断面形状が鋸歯形状を有し、
第1A斜面の頂辺及び底辺は平行であり、Z方向に延びており、
一対の第1A斜面及び第1B斜面において、第1A斜面の底部と第1B斜面の底部の成す角度は90度であり、且つ、第1A斜面の長さは第1B斜面の長さよりも短く、
第1A斜面の高さは一定であり、
第1反射鏡への光の入射角をη1(度)、第1A斜面の傾斜角をζ1(度)とし、第1A斜面の頂辺を基準として、第1A斜面側へ向かう光の入射角の方向を正の方向としたとき、
2ζ1−η1=90±10
を満足し、
第2反射鏡の光反射面は、第2A斜面と第2B斜面とが交互に連続して並置され、断面形状が鋸歯形状を有し、
第2A斜面の頂辺及び底辺は平行であり、Y方向に延びており、
一対の第2A斜面及び第2B斜面において、第2A斜面の底部と第2B斜面の底部の成す角度は90度であり、且つ、第2A斜面の長さは第2B斜面の長さよりも短く、
第2A斜面の高さは一定であり、
第2反射鏡への光の入射角をη2(度)、第2A斜面の傾斜角をζ2(度)とし、第2A斜面の頂辺を基準として、第2A斜面側へ向かう光の入射角の方向を正の方向としたとき、
2ζ2−η2=90±10
を満足する光ビーム伸長装置。
[17]《光ビーム伸長装置:第2の態様》
光源と照射面との間に配置され、光源からの光が入射される第1反射鏡、及び、第1反射鏡からの光が入射され、照射面へ光を出射する第2反射鏡から成る光ビーム伸長装置であって、
第1反射鏡の光反射面は、第1A斜面と第1B斜面とが交互に連続して並置され、断面形状が鋸歯形状を有し、
第1A斜面の頂辺及び底辺は平行であり、Z方向に延びており、
一対の第1A斜面及び第1B斜面において、第1A斜面の底部と第1B斜面の底部の成す角度は90度であり、且つ、第1A斜面の長さは第1B斜面の長さよりも短く、
第1A斜面の高さは一定であり、
第1反射鏡の中央における第1A斜面の頂点と第1A斜面の頂点との間のピッチの値と、第1反射鏡の端部における第1A斜面の頂点と第1A斜面の頂点との間のピッチの値とは異なり、
第2反射鏡の光反射面は、第2A斜面と第2B斜面とが交互に連続して並置され、断面形状が鋸歯形状を有し、
第2A斜面の頂辺及び底辺は平行であり、Y方向に延びており、
一対の第2A斜面及び第2B斜面において、第2A斜面の底部と第2B斜面の底部の成す角度は90度であり、且つ、第2A斜面の長さは第2B斜面の長さよりも短く、
第2A斜面の高さは一定であり、
第2反射鏡の中央における第2A斜面の頂点と第2A斜面の頂点との間のピッチの値と、第2反射鏡の端部における第2A斜面の頂点と第2A斜面の頂点との間のピッチの値とは異なる光ビーム伸長装置。
[18]《光反射部材:第1の態様》
第1斜面と第2斜面とが交互に連続して並置され、断面形状が鋸歯形状を有する光反射面を備えた光反射部材であって、
第1斜面の頂辺及び底辺は平行であり、
一対の第1斜面及び第2斜面において、第1斜面の底部と第2斜面の底部の成す角度は90度であり、且つ、第1斜面の長さは第2斜面の長さよりも短く、
第1斜面の高さは一定であり、
光反射部材への光の入射角をη(度)、第1斜面の傾斜角をζ(度)とし、第1斜面の頂辺を基準として、第1斜面側へ向かう光の入射角の方向を正の方向としたとき、
2ζ−η=90±10
を満足し、
第1斜面の頂辺及び底辺の延びる方向に直交する仮想平面に射影したとき、第1斜面に入射する光の軌跡と、第2斜面から出射される光の軌跡とは平行である光反射部材。
[19]《光反射部材:第2の態様》
第1斜面と第2斜面とが交互に連続して並置され、断面形状が鋸歯形状を有する光反射面を備えた光反射部材であって、
第1斜面の頂辺及び底辺は平行であり、
一対の第1斜面及び第2斜面において、第1斜面の底部と第2斜面の底部の成す角度は90度であり、且つ、第1斜面の長さは第2斜面の長さよりも短く、
第1斜面の高さは一定であり、
光反射部材の中央における第1斜面の頂点と第1斜面の頂点との間のピッチの値と、光反射部材の端部における第1斜面の頂点と第1斜面の頂点との間のピッチの値とは異なり、
第1斜面の頂辺及び底辺の延びる方向に直交する仮想平面に射影したとき、第1斜面に入射する光の軌跡と、第2斜面から出射される光の軌跡とは平行である光反射部材。
【符号の説明】
【0164】
10・・・フレーム、10A・・・フレームの一端部、10B・・・フロント部、10C・・・フレームの中央部分、11・・・蝶番、12・・・テンプル部、13・・・モダン部、14・・・ノーズパッド、15・・・配線(信号線や電源線等)、16・・・ヘッドホン部、17・・・ヘッドホン部用配線、18・・・撮像装置、20,30・・・結合部材、40・・・観察者、41・・・瞳、100,200,300,400・・・画像表示装置、110,110A,110B,210・・・画像生成装置、111・・・画像形成装置、112・・・コリメート光学系、113・・・筐体、130,330・・・導光手段、131,331・・・導光板、132,332・・・導光板の第1面、133,333・・・導光板の第2面、134,135・・・導光板の一部分、140・・・第1偏向手段、150・・・第2偏向手段、340・・・第1偏向手段(第1回折格子部材)、350・・・第2偏向手段(第2回折格子部材)、160・・・反射型空間光変調装置、161・・・液晶表示装置(LCD)、162・・・偏光ビームスプリッター、163・・・光源、261・・・光源、262・・・コリメート光学系、263・・・走査手段、264・・・リレー光学系、265・・・クロスプリズム、266・・・全反射ミラー、501,501R,501G,501B・・・発光素子、502・・・光案内部材、503・・・ダイクロイック・プリズム、504,504R,504G,504B・・・光通過制御装置、511R,511G,511B・・・発光パネル、512・・・マイクロレンズ、620・・・半透過ミラー、621・・・透明な部材、70,80,90・・・光ビーム伸長装置、71,81,91・・・第1反射鏡、72,82,92・・・第2反射鏡、71A,81A,・・・第1A斜面、71B,81B・・・第1B斜面、72A,82A・・・第2A斜面、72B,82B・・・第2B斜面、71C,72C・・・頂部、71C’,72C’・・・頂点(頂辺)、71D,72D・・・底辺、71E,72E・・・光反射層、71F,72F・・・仮想三角形、73,74・・・ハーフミラー、75,76・・・平面反射部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)画像生成装置、及び、
(B)画像生成装置からの光が入射され、導光され、観察者の瞳に向かって出射される導光手段、
を備え、
導光手段は、
(B−1)入射された光が内部を全反射により伝播した後、出射される導光板、
(B−2)導光板に入射された光が導光板の内部で全反射されるように、導光板に入射された光を偏向させる、導光板に配設された第1偏向手段、及び、
(B−3)導光板の内部を全反射により伝播した光を導光板から出射させるために、導光板の内部を全反射により伝播した光を複数回に亙り偏向させる、導光板に配設された第2偏向手段、
を備えており、更に、
(C)導光板へ入射される光の入射方向をX方向、導光板内における光の伝播方向をY方向としたとき、画像生成装置から入射された光ビームをZ方向に沿って伸長し、導光手段へ出射する光ビーム伸長装置、
を備えた画像表示装置であって、
光ビーム伸長装置は、画像生成装置からの光が入射される第1反射鏡、及び、第1反射鏡からの光が入射され、導光手段へ光を出射する第2反射鏡から成り、
第1反射鏡の光反射面は、第1A斜面と第1B斜面とが交互に連続して並置され、断面形状が鋸歯形状を有し、
第1A斜面の頂辺及び底辺は平行であり、Z方向に延びており、
一対の第1A斜面及び第1B斜面において、第1A斜面の底部と第1B斜面の底部の成す角度は90度であり、且つ、第1A斜面の長さは第1B斜面の長さよりも短く、
第1A斜面の高さは一定であり、
第1反射鏡への光の入射角をη1(度)、第1A斜面の傾斜角をζ1(度)とし、第1A斜面の頂辺を基準として、第1A斜面側へ向かう光の入射角の方向を正の方向としたとき、
2ζ1−η1=90±10
を満足し、
第2反射鏡の光反射面は、第2A斜面と第2B斜面とが交互に連続して並置され、断面形状が鋸歯形状を有し、
第2A斜面の頂辺及び底辺は平行であり、Y方向に延びており、
一対の第2A斜面及び第2B斜面において、第2A斜面の底部と第2B斜面の底部の成す角度は90度であり、且つ、第2A斜面の長さは第2B斜面の長さよりも短く、
第2A斜面の高さは一定であり、
第2反射鏡への光の入射角をη2(度)、第2A斜面の傾斜角をζ2(度)とし、第2A斜面の頂辺を基準として、第2A斜面側へ向かう光の入射角の方向を正の方向としたとき、
2ζ2−η2=90±10
を満足する画像表示装置。
【請求項2】
画像生成装置と第1反射鏡との間には、少なくとも1枚の平面反射部材が備えられており、
第1反射鏡と第2反射鏡との間には、少なくとも1枚の平面反射部材が備えられており、
画像生成装置と第1反射鏡との間に備えられた1枚の平面反射部材は、第1反射鏡と第2反射鏡との間に備えられた1枚の平面反射部材を兼ねている請求項1に記載の画像表示装置。
【請求項3】
(A)画像生成装置、及び、
(B)画像生成装置からの光が入射され、導光され、観察者の瞳に向かって出射される導光手段、
を備え、
導光手段は、
(B−1)入射された光が内部を全反射により伝播した後、出射される導光板、
(B−2)導光板に入射された光が導光板の内部で全反射されるように、導光板に入射された光を偏向させる、導光板に配設された第1偏向手段、及び、
(B−3)導光板の内部を全反射により伝播した光を導光板から出射させるために、導光板の内部を全反射により伝播した光を複数回に亙り偏向させる、導光板に配設された第2偏向手段、
を備えており、更に、
(C)導光板へ入射される光の入射方向をX方向、導光板内における光の伝播方向をY方向とした、
を備えた画像表示装置であって、
光ビーム伸長装置は、画像生成装置からの光が入射される第1反射鏡、及び、第1反射鏡からの光が入射され、導光手段へ光を出射する第2反射鏡から成り、
第1反射鏡の光反射面は、第1A斜面と第1B斜面とが交互に連続して並置され、断面形状が鋸歯形状を有し、
第1A斜面の頂辺及び底辺は平行であり、Z方向に延びており、
一対の第1A斜面及び第1B斜面において、第1A斜面の底部と第1B斜面の底部の成す角度は90度であり、且つ、第1A斜面の長さは第1B斜面の長さよりも短く、
第1A斜面の高さは一定であり、
第1反射鏡の中央における第1A斜面の頂点と第1A斜面の頂点との間のピッチの値と、第1反射鏡の端部における第1A斜面の頂点と第1A斜面の頂点との間のピッチの値とは異なり、
第2反射鏡の光反射面は、第2A斜面と第2B斜面とが交互に連続して並置され、断面形状が鋸歯形状を有し、
第2A斜面の頂辺及び底辺は平行であり、Y方向に延びており、
一対の第2A斜面及び第2B斜面において、第2A斜面の底部と第2B斜面の底部の成す角度は90度であり、且つ、第2A斜面の長さは第2B斜面の長さよりも短く、
第2A斜面の高さは一定であり、
第2反射鏡の中央における第2A斜面の頂点と第2A斜面の頂点との間のピッチの値と、第2反射鏡の端部における第2A斜面の頂点と第2A斜面の頂点との間のピッチの値とは異なる画像表示装置。
【請求項4】
Z方向と直交する仮想平面である第1A仮想平面に射影したとき、画像生成装置から第1反射鏡に入射する光の軌跡と、第1反射鏡から出射される光の軌跡とは平行であり、
第1反射鏡の法線と直交する仮想平面である第1B仮想平面に射影したとき、画像生成装置から第1反射鏡に入射する光の軌跡と、第1反射鏡から出射される光の軌跡とは、第1A仮想平面に対して対称であり、
Y方向と直交する仮想平面である第2A仮想平面に射影したとき、第1反射鏡から第2反射鏡に入射する光の軌跡と、第2反射鏡から出射される光の軌跡とは平行であり、
第2反射鏡の法線と直交する仮想平面である第2B仮想平面に射影したとき、第1反射鏡から第2反射鏡に入射する光の軌跡と、第2反射鏡から出射される光の軌跡とは、第2A仮想平面に対して対称である請求項1又は請求項3に記載の画像表示装置。
【請求項5】
画像生成装置の中心から出射され、第1反射鏡に入射する光の光路長と、画像生成装置の中心から出射された光であって、第1反射鏡から出射され、第2反射鏡に入射し、出射され、導光手段に入射する光の光路長とは、等しい請求項4に記載の画像表示装置。
【請求項6】
画像生成装置から出射される光ビームのY方向に沿った大きさは、導光手段に入射する光ビームのY方向に沿った大きさと等しい請求項5に記載の画像表示装置。
【請求項7】
導光手段に入射する光ビームのZ方向に沿った大きさは、画像生成装置から出射される光ビームのZ方向に沿った大きさよりも大きい請求項4に記載の画像表示装置。
【請求項8】
導光手段から出射される光ビームのZ方向に沿った大きさは、画像生成装置から出射される光ビームのZ方向に沿った大きさと等しい請求項7に記載の画像表示装置。
【請求項9】
画像生成装置は、
(A−1)2次元マトリクス状に配列された複数の画素を有する画像形成装置、及び、
(A−2)画像形成装置の各画素から出射された光を平行光とするコリメート光学系、
を備えており、
コリメート光学系からの光が第1反射鏡に入射される請求項1又は請求項3に記載の画像表示装置。
【請求項10】
画像生成装置は、
(A−1)光源、
(A−2)光源から出射された光を平行光とするコリメート光学系、
(A−3)コリメート光学系から出射された平行光を走査する走査手段、及び、
(A−4)走査手段によって走査された平行光をリレーするリレー光学系、
を備えており、
リレー光学系からの光が第1反射鏡に入射される請求項1又は請求項3に記載の画像表示装置。
【請求項11】
(A)画像生成装置、及び、
(B)画像生成装置からの光が入射され、導光され、観察者の瞳に向かって出射される導光手段、
を備え、
導光手段は、
(B−1)入射された光が内部を全反射により伝播した後、出射される導光板、
(B−2)導光板に入射された光が導光板の内部で全反射されるように、導光板に入射された光を偏向させる、導光板に配設された第1偏向手段、及び、
(B−3)導光板の内部を全反射により伝播した光を導光板から出射させるために、導光板の内部を全反射により伝播した光を複数回に亙り偏向させる、導光板に配設された第2偏向手段、
を備えており、更に、
(C)導光板へ入射される光の入射方向をX方向、導光板内における光の伝播方向をY方向としたとき、画像生成装置から入射された光ビームをZ方向に沿って伸長し、導光手段へ出射する光ビーム伸長装置、
を備えた画像表示装置であって、
光ビーム伸長装置は、第1反射鏡及び第2反射鏡から成り、
第1反射鏡は、導光手段を挟んで、画像生成装置とは反対側に位置し、
第2反射鏡は、導光手段を基準として、画像生成装置側に位置し、
画像生成装置から出射された光の一部は、導光板及び第1偏向手段を通過し、第1反射鏡で反射され、導光板及び第1偏向手段を通過し、第2反射鏡で反射され、その一部は、導光板及び第1偏向手段を通過することを、所定の回数繰り返し、
第1反射鏡の光反射面は、第1A斜面と第1B斜面とが交互に連続して並置され、断面形状が鋸歯形状を有し、
第1A斜面の頂辺及び底辺は平行であり、Y方向に延びており、
一対の第1A斜面及び第1B斜面において、第1A斜面の底部と第1B斜面の底部の成す角度は90度であり、且つ、第1A斜面の長さは第1B斜面の長さよりも短く、
第1A斜面の高さは一定であり、
第1反射鏡への光の入射角をη1(度)、第1A斜面の傾斜角をζ1(度)とし、第1A斜面の頂辺を基準として、第1A斜面側へ向かう光の入射角の方向を正の方向としたとき、
2ζ1−η1=90±10
を満足し、
第2反射鏡の光反射面は、第2A斜面と第2B斜面とが交互に連続して並置され、断面形状が鋸歯形状を有し、
第2A斜面の頂辺及び底辺は平行であり、Y方向に延びており、
一対の第2A斜面及び第2B斜面において、第2A斜面の底部と第2B斜面の底部の成す角度は90度であり、且つ、第2A斜面の長さは第2B斜面の長さよりも短く、
第2A斜面の高さは一定であり、
第2反射鏡への光の入射角をη2(度)、第2A斜面の傾斜角をζ2(度)とし、第2A斜面の頂辺を基準として、第2A斜面側へ向かう光の入射角の方向を正の方向としたとき、
2ζ2−η2=90±10
を満足する画像表示装置。
【請求項12】
(A)画像生成装置、及び、
(B)画像生成装置からの光が入射され、導光され、観察者の瞳に向かって出射される導光手段、
を備え、
導光手段は、
(B−1)入射された光が内部を全反射により伝播した後、出射される導光板、
(B−2)導光板に入射された光が導光板の内部で全反射されるように、導光板に入射された光を偏向させる、導光板に配設された第1偏向手段、及び、
(B−3)導光板の内部を全反射により伝播した光を導光板から出射させるために、導光板の内部を全反射により伝播した光を複数回に亙り偏向させる、導光板に配設された第2偏向手段、
を備えており、更に、
(C)導光板へ入射される光の入射方向をX方向、導光板内における光の伝播方向をY方向としたとき、画像生成装置から入射された光ビームをZ方向に沿って伸長し、導光手段へ出射する光ビーム伸長装置、
を備えた画像表示装置であって、
光ビーム伸長装置は、第1反射鏡及び第2反射鏡から成り、
第1反射鏡は、導光手段を挟んで、画像生成装置とは反対側に位置し、
第2反射鏡は、導光手段を基準として、画像生成装置側に位置し、
画像生成装置から出射された光の一部は、導光板及び第1偏向手段を通過し、第1反射鏡で反射され、導光板及び第1偏向手段を通過し、第2反射鏡で反射され、その一部は、導光板及び第1偏向手段を通過することを、所定の回数繰り返し、
第1反射鏡の光反射面は、第1A斜面と第1B斜面とが交互に連続して並置され、断面形状が鋸歯形状を有し、
第1A斜面の頂辺及び底辺は平行であり、Y方向に延びており、
一対の第1A斜面及び第1B斜面において、第1A斜面の底部と第1B斜面の底部の成す角度は90度であり、且つ、第1A斜面の長さは第1B斜面の長さよりも短く、
第1A斜面の高さは一定であり、
第1反射鏡の中央における第1A斜面の頂点と第1A斜面の頂点との間のピッチの値と、第1反射鏡の端部における第1A斜面の頂点と第1A斜面の頂点との間のピッチの値とは異なり、
第2反射鏡の光反射面は、第2A斜面と第2B斜面とが交互に連続して並置され、断面形状が鋸歯形状を有し、
第2A斜面の頂辺及び底辺は平行であり、Y方向に延びており、
一対の第2A斜面及び第2B斜面において、第2A斜面の底部と第2B斜面の底部の成す角度は90度であり、且つ、第2A斜面の長さは第2B斜面の長さよりも短く、
第2A斜面の高さは一定であり、
第2反射鏡の中央における第2A斜面の頂点と第2A斜面の頂点との間のピッチの値と、第2反射鏡の端部における第2A斜面の頂点と第2A斜面の頂点との間のピッチの値とは異なる画像表示装置。
【請求項13】
光源から入射された光が内部を全反射により伝播した後、出射される導光板、
導光板に入射された光が導光板の内部で全反射されるように、導光板に入射された光を偏向させる、導光板に配設された第1偏向手段、及び、
導光板の内部を全反射により伝播した光を導光板から出射させるために、導光板の内部を全反射により伝播した光を複数回に亙り偏向させる、導光板に配設された第2偏向手段、
を備えた導光手段、並びに、
導光板へ入射される光の入射方向をX方向、導光板内における光の伝播方向をY方向としたとき、光源から入射された光ビームをZ方向に沿って伸長し、導光手段へ出射する光ビーム伸長装置、
を備えた光学装置であって、
光ビーム伸長装置は、光源からの光が入射される第1反射鏡、及び、第1反射鏡からの光が入射され、導光手段へ光を出射する第2反射鏡から成り、
第1反射鏡の光反射面は、第1A斜面と第1B斜面とが交互に連続して並置され、断面形状が鋸歯形状を有し、
第1A斜面の頂辺及び底辺は平行であり、Z方向に延びており、
一対の第1A斜面及び第1B斜面において、第1A斜面の底部と第1B斜面の底部の成す角度は90度であり、且つ、第1A斜面の長さは第1B斜面の長さよりも短く、
第1A斜面の高さは一定であり、
第1反射鏡への光の入射角をη1(度)、第1A斜面の傾斜角をζ1(度)とし、第1A斜面の頂辺を基準として、第1A斜面側へ向かう光の入射角の方向を正の方向としたとき、
2ζ1−η1=90±10
を満足し、
第2反射鏡の光反射面は、第2A斜面と第2B斜面とが交互に連続して並置され、断面形状が鋸歯形状を有し、
第2A斜面の頂辺及び底辺は平行であり、Y方向に延びており、
一対の第2A斜面及び第2B斜面において、第2A斜面の底部と第2B斜面の底部の成す角度は90度であり、且つ、第2A斜面の長さは第2B斜面の長さよりも短く、
第2A斜面の高さは一定であり、
第2反射鏡への光の入射角をη2(度)、第2A斜面の傾斜角をζ2(度)とし、第2A斜面の頂辺を基準として、第2A斜面側へ向かう光の入射角の方向を正の方向としたとき、
2ζ2−η2=90±10
を満足する光学装置。
【請求項14】
光源と第1反射鏡との間には、少なくとも1枚の平面反射部材が備えられており、
第1反射鏡と第2反射鏡との間には、少なくとも1枚の平面反射部材が備えられており、
光源と第1反射鏡との間に備えられた1枚の平面反射部材は、第1反射鏡と第2反射鏡との間に備えられた1枚の平面反射部材を兼ねている請求項13に記載の光学装置。
【請求項15】
光源から入射された光が内部を全反射により伝播した後、出射される導光板、
導光板に入射された光が導光板の内部で全反射されるように、導光板に入射された光を偏向させる、導光板に配設された第1偏向手段、及び、
導光板の内部を全反射により伝播した光を導光板から出射させるために、導光板の内部を全反射により伝播した光を複数回に亙り偏向させる、導光板に配設された第2偏向手段、
を備えた導光手段、並びに、
導光板へ入射される光の入射方向をX方向、導光板内における光の伝播方向をY方向としたとき、光源から入射された光ビームをZ方向に沿って伸長し、導光手段へ出射する光ビーム伸長装置、
を備えた光学装置であって、
光ビーム伸長装置は、光源からの光が入射される第1反射鏡、及び、第1反射鏡からの光が入射され、導光手段へ光を出射する第2反射鏡から成り、
第1反射鏡の光反射面は、第1A斜面と第1B斜面とが交互に連続して並置され、断面形状が鋸歯形状を有し、
第1A斜面の頂辺及び底辺は平行であり、Z方向に延びており、
一対の第1A斜面及び第1B斜面において、第1A斜面の底部と第1B斜面の底部の成す角度は90度であり、且つ、第1A斜面の長さは第1B斜面の長さよりも短く、
第1A斜面の高さは一定であり、
第1反射鏡の中央における第1A斜面の頂点と第1A斜面の頂点との間のピッチの値と、第1反射鏡の端部における第1A斜面の頂点と第1A斜面の頂点との間のピッチの値とは異なり、
第2反射鏡の光反射面は、第2A斜面と第2B斜面とが交互に連続して並置され、断面形状が鋸歯形状を有し、
第2A斜面の頂辺及び底辺は平行であり、Y方向に延びており、
一対の第2A斜面及び第2B斜面において、第2A斜面の底部と第2B斜面の底部の成す角度は90度であり、且つ、第2A斜面の長さは第2B斜面の長さよりも短く、
第2A斜面の高さは一定であり、
第2反射鏡の中央における第2A斜面の頂点と第2A斜面の頂点との間のピッチの値と、第2反射鏡の端部における第2A斜面の頂点と第2A斜面の頂点との間のピッチの値とは異なる光学装置。
【請求項16】
光源と照射面との間に配置され、光源からの光が入射される第1反射鏡、及び、第1反射鏡からの光が入射され、照射面へ光を出射する第2反射鏡から成る光ビーム伸長装置であって、
第1反射鏡の光反射面は、第1A斜面と第1B斜面とが交互に連続して並置され、断面形状が鋸歯形状を有し、
第1A斜面の頂辺及び底辺は平行であり、Z方向に延びており、
一対の第1A斜面及び第1B斜面において、第1A斜面の底部と第1B斜面の底部の成す角度は90度であり、且つ、第1A斜面の長さは第1B斜面の長さよりも短く、
第1A斜面の高さは一定であり、
第1反射鏡への光の入射角をη1(度)、第1A斜面の傾斜角をζ1(度)とし、第1A斜面の頂辺を基準として、第1A斜面側へ向かう光の入射角の方向を正の方向としたとき、
2ζ1−η1=90±10
を満足し、
第2反射鏡の光反射面は、第2A斜面と第2B斜面とが交互に連続して並置され、断面形状が鋸歯形状を有し、
第2A斜面の頂辺及び底辺は平行であり、Y方向に延びており、
一対の第2A斜面及び第2B斜面において、第2A斜面の底部と第2B斜面の底部の成す角度は90度であり、且つ、第2A斜面の長さは第2B斜面の長さよりも短く、
第2A斜面の高さは一定であり、
第2反射鏡への光の入射角をη2(度)、第2A斜面の傾斜角をζ2(度)とし、第2A斜面の頂辺を基準として、第2A斜面側へ向かう光の入射角の方向を正の方向としたとき、
2ζ2−η2=90±10
を満足する光ビーム伸長装置。
【請求項17】
光源と照射面との間に配置され、光源からの光が入射される第1反射鏡、及び、第1反射鏡からの光が入射され、照射面へ光を出射する第2反射鏡から成る光ビーム伸長装置であって、
第1反射鏡の光反射面は、第1A斜面と第1B斜面とが交互に連続して並置され、断面形状が鋸歯形状を有し、
第1A斜面の頂辺及び底辺は平行であり、Z方向に延びており、
一対の第1A斜面及び第1B斜面において、第1A斜面の底部と第1B斜面の底部の成す角度は90度であり、且つ、第1A斜面の長さは第1B斜面の長さよりも短く、
第1A斜面の高さは一定であり、
第1反射鏡の中央における第1A斜面の頂点と第1A斜面の頂点との間のピッチの値と、第1反射鏡の端部における第1A斜面の頂点と第1A斜面の頂点との間のピッチの値とは異なり、
第2反射鏡の光反射面は、第2A斜面と第2B斜面とが交互に連続して並置され、断面形状が鋸歯形状を有し、
第2A斜面の頂辺及び底辺は平行であり、Y方向に延びており、
一対の第2A斜面及び第2B斜面において、第2A斜面の底部と第2B斜面の底部の成す角度は90度であり、且つ、第2A斜面の長さは第2B斜面の長さよりも短く、
第2A斜面の高さは一定であり、
第2反射鏡の中央における第2A斜面の頂点と第2A斜面の頂点との間のピッチの値と、第2反射鏡の端部における第2A斜面の頂点と第2A斜面の頂点との間のピッチの値とは異なる光ビーム伸長装置。
【請求項18】
第1斜面と第2斜面とが交互に連続して並置され、断面形状が鋸歯形状を有する光反射面を備えた光反射部材であって、
第1斜面の頂辺及び底辺は平行であり、
一対の第1斜面及び第2斜面において、第1斜面の底部と第2斜面の底部の成す角度は90度であり、且つ、第1斜面の長さは第2斜面の長さよりも短く、
第1斜面の高さは一定であり、
光反射部材への光の入射角をη(度)、第1斜面の傾斜角をζ(度)とし、第1斜面の頂辺を基準として、第1斜面側へ向かう光の入射角の方向を正の方向としたとき、
2ζ−η=90±10
を満足し、
第1斜面の頂辺及び底辺の延びる方向に直交する仮想平面に射影したとき、第1斜面に入射する光の軌跡と、第2斜面から出射される光の軌跡とは平行である光反射部材。
【請求項19】
第1斜面と第2斜面とが交互に連続して並置され、断面形状が鋸歯形状を有する光反射面を備えた光反射部材であって、
第1斜面の頂辺及び底辺は平行であり、
一対の第1斜面及び第2斜面において、第1斜面の底部と第2斜面の底部の成す角度は90度であり、且つ、第1斜面の長さは第2斜面の長さよりも短く、
第1斜面の高さは一定であり、
光反射部材の中央における第1斜面の頂点と第1斜面の頂点との間のピッチの値と、光反射部材の端部における第1斜面の頂点と第1斜面の頂点との間のピッチの値とは異なり、
第1斜面の頂辺及び底辺の延びる方向に直交する仮想平面に射影したとき、第1斜面に入射する光の軌跡と、第2斜面から出射される光の軌跡とは平行である光反射部材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図14】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2013−114110(P2013−114110A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−261282(P2011−261282)
【出願日】平成23年11月30日(2011.11.30)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】