説明

光合性微細藻類の循環式培養方法

【課題】第1培養部、管状の第2培養部及び第1培養部及び第2培養部を連結するポンプ部を備えた循環型の光生物反応器を利用した光合性微細藻類の循環式培養方法を提供する。
【解決手段】本発明の循環式培養方法は、(i)培養タンクを有する第1培養部、管状である第2培養部、及び第2培養部の間に連結されたポンプ部を備えた光生物反応器の第1培養部に、対象光合性微細藻類が接種された培養液を投入し、光を照射して初度培養する段階と、(ii)初度培養が終了した後、新鮮な培養液をさらに投入して、初度培養された培養液と混合した後、該混合された培養液をポンプ部を通じて第2培養部及び第1培養部の順序で循環させ、第2培養部に光を照射して追加培養する段階と、(iii)培養が終了した後、培養液を回収し、これを濾過して光合性微細藻類の菌体を収得する段階と、を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光合性微細藻類の循環式培養方法に関する。さらに具体的に、本発明は、第1培養部、管状の第2培養部、及び前記第1培養部及び第2培養部を連結するポンプ部を備えた循環型の光生物反応器を利用した光合性微細藻類の循環式培養方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、全世界的に耕作されている農作物類は、人類の主な食糧供給源として使われて来たが、農地面積当たりの収穫量が多くなく、太陽エネルギーの利用率が極めて低い。これに比べて、水中で太陽エネルギーと二酸化炭素、少量含有された無機塩類で生育することができる微細光合性藻類は、農作物の生育が不可能な地域でも生育が可能であり、農作物と比較して単位耕作面積当たり20倍以上のタンパク質を得ることができるだけではなく、多種の有用物質と微生物あるいは動植物細胞から生産が不可能な天然の珍しい物質の生産が可能である。特に、細胞の大きさが大きな藻類は、容易に沈澱されて多様な方法によって抽出及び分離することが可能であり、主なエネルギー源として太陽エネルギーを使うことで、地球上に照射される太陽エネルギーの効率的な利用が可能であり、炭素源として二酸化炭素を使い、副産物として酸素を放出する光合性過程を有しており、大気汚染を低める機能も有している。
【0003】
これにより、主にクロレラ(Chlorella)属、ドナリエラ(Dunaliella)属、スピルリナ(Spirulina)属、この中でも、スピルリナ属の光合性微細藻類(以下、便宜上、「スピルリナ」と称する)は、他の微細光合性藻類に比べて細胞の大きさが大きく、アルカリ汚染性の環境でも容易に成長することができる藻類であって、食品、医薬、工業用製品などの多様な製品に応用されており、研究が活発に進められている。一方、大韓民国は、四季が明らかで季節による温度変化及び日照量の差が激しい気候的な特性のために、スピルリナの野外培養よりは室内培養と関連した技術が開発されている。
【0004】
例えば、特許文献1には、NaOHの代わりに炭を付け加えてpHを調節すると同時に、炭素源として活用してスピルリナ藻類を培養する方法が開示されており、特許文献2には、スピルリナ藻類の成長最適化及び最大収獲のために、窒素及び炭素の濃度を調節した培地組成物が開示されており、特許文献3には、上部に蓋を備えて内部にpHセンサーと分散器とが設けられた培養水槽、蛍光灯が備えられた培養水槽枠、pH調節器、エアポンプ及び二酸化炭素培養タンクを含む微細藻類用の高密度培養装置が開示されており、特許文献4には、培養容器を横に配された内部筒と外部筒とからなる二重円筒状に成形すると同時に、少なくとも外部筒を可視光線を透過する透明材料で構成し、ガス注入口を培養容器内の下部に開口させた微細藻類の培養装置が開示されている。しかし、炭を利用する場合には、炭にスピルリナ藻類が吸着されて、結果的には、生産性を悪化させるという問題点があり、新たな培地を使う場合には、生産性の向上程度より培養液の単価上昇程度がさらに高くて、実際に活用されることができなかった。それだけではなく、スピルリナ藻類は、光合性細菌に属するので、スピルリナ藻類を培養する場合には、光を十分な量で照射しなければならないが、培養時間が経過するにつれて培養装置の表面にスピルリナ藻類が固着されて、光の照射量を減少させるので、経時的に培養効率が低下するという問題点があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】大韓民国特許公開第2004−0073693号
【特許文献2】大韓民国特許公開第2006−17033号
【特許文献3】大韓民国特許登録第420492号
【特許文献4】大韓民国特許登録第609736号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、前述した培養方法を使って雑菌の汚染を防止することはできたが、培養装置の表面に増殖された光合性微細藻類が過度に固着されて、経時的に培養効率が低下するという問題点は相変らず解決されていない実情である。このような問題を解決することができれば、光合性微細藻類の培養効率が著しく増大して、より経済的に光合性微細藻類を生産することが期待されるが、いまだには何らの成果が報告されていない。本発明は、光合性微細藻類の固着を減少させて光合性微細藻類の培養効率を増大させることができる培養方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、培養装置の表面に増殖された光合性微細藻類が過度に固着される問題点を解決しようと鋭意研究努力した結果、通常の光生物反応器に、培養配管及びポンプが追加的に備えられた管状の光生物反応器を用いて光合性微細藻類を循環式で培養する場合、光合性微細藻類の培養液が光に露出される面積が極大化され、前記培養液が循環されて、培養装置の表面に増殖された光合性微細藻類が過度に固着されないということを確認し、本発明を完成した。
【0008】
本発明の一形態による光合性微細藻類の循環式培養方法が提供される。前記循環式培養方法は、
(i)光生物反応器の第1培養部に、対象光合性微細藻類が接種された培養液を投入し、光を照射して初度培養する段階と、
(ii)前記初度培養が終了した後、新鮮な培養液をさらに投入して、初度培養された前記培養液と混合した後、該混合された培養液を前記光生物反応器の前記第1培養部に連結された管状の第2培養部に移動させる段階と、
(iii)前記第2培養部に移動した前記培養液に光を照射して追加培養する段階と、
(iv)前記追加培養された培養液を再び前記光生物反応器の前記第1培養部に循環させる段階と、
(v)培養が終了した後、前記培養液を回収し、回収した前記培養液を濾過して光合性微細藻類の菌体を収得する段階と、を含む。
【0009】
本発明の他の形態による循環式培養方法が提供される。前記循環式培養方法は、
(i)培養タンクを有する第1培養部と、管状である第2培養部と、前記第2培養部の間に連結されたポンプ部とを備えた光生物反応器において、前記第1培養部に、対象光合性微細藻類が接種された培養液を投入し、光を照射して初度培養する段階と、
(ii)前記初度培養が終了した後、新鮮な培養液をさらに投入して、初度培養された前記培養液と混合した後、該混合された培養液を前記ポンプ部を通じて前記第2培養部及び前記第1培養部の順序で循環させ、前記第2培養部に光を照射して追加培養する段階と、
(iii)培養が終了した後、培養液を回収し、回収した前記培養液を濾過して光合性微細藻類の菌体を収得する段階と、を含む。
【発明の効果】
【0010】
本発明の光合性微細藻類の循環式培養方法を使えば、培養装置の表面に光合性微細藻類の固着を防止して、光合性微細藻類の培養効率を増大させることができるので、スピルリナを含む光合性微細藻類のより経済的な生産に広く活用されうる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の光合性微細藻類の循環式培養方法に利用される光生物反応器の一実施形態を示す概要図である。
【図2】本発明の光合性微細藻類の循環式培養方法に利用される光生物反応器に含まれた第1培養部の一実施形態を示す断面図である。
【図3】本発明の光合性微細藻類の循環式培養方法に利用される光生物反応器に含まれた第2培養部の一実施形態を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明者は、スピルリナを含む光合性微細藻類を培養するに当って、培養装置の表面に光合性微細藻類が過度に固着される原因を把握しようと多様な研究を行った。その結果、光合性微細藻類が過度に固着される原因は、二つに把握されたが、一つは、光合性微細藻類を培養するに当って、明条件と暗条件とを規則的に付与することによって、光合性微細藻類の成長だけではなく、個体数の増殖がともに隋伴されるものであり、他の一つは、光合性微細藻類の培養時に培養液がほとんど流動されないか、または培養液の流動が制限されて培養液の流動程度が少ない部位で光合性微細藻類の固着が始まり、これより固着された領域が拡張されるものである。
【0013】
本発明者は、前記原因を除去するために、光合性微細藻類の培養時に明条件のみを付与することで、光合性微細藻類の個体数の増殖速度を低下させ、攪拌機を用いて培養液を十分に流動させようとしたが、攪拌機が備えられた形態の光生物反応器を使う場合、攪拌機の撹拌速度を増加させても、培養液を十分に流動させることができないということを確認した。
【0014】
これにより、攪拌機を使う方式ではない他の方式で光合性微細藻類を含む培養液を流動させようとしたが、培養液自体を循環させる方式を利用する場合、攪拌機を使う方式よりも培養液を十分に流動させることができるということを確認し、従来のスピルリナ培養器に光源が付着された培養配管及びポンプを備えた管状のスピルリナ培養装置を用いて培養液自体を循環させる方式でスピルリナを培養する方法を考案した。
【0015】
本発明によれば、従来の光合性微細藻類の培養方法とは異なって、第2光源によって光の照射が可能な培養配管及び前記培養配管と光生物反応器の本体との間を連結し、これらの間で培養液の循環を可能にするポンプが備えられた循環型の光生物反応器を用いて、前記培養配管及び光生物反応器の本体の間で培養液を一定速度で循環させ、光が供給される培養配管の面積を極大化し、培養液を全体的に十分に流動させることによって、培養配管の表面に光合性微細藻類が固着されないようにしながら、光合性微細藻類を培養することができる。
【0016】
以下、本発明の光合性微生物の循環式培養方法をより詳細に説明する。
【0017】
本発明の一形態による光合性微生物の循環式培養方法は、
(i)光生物反応器の第1培養部に、対象光合性微細藻類が接種された培養液を投入し、光を照射して初度培養する段階と、
(ii)前記初度培養が終了した後、新鮮な培養液をさらに投入して、初度培養された前記培養液と混合した後、該混合された培養液を前記光生物反応器の前記第1培養部に連結された管状の第2培養部に移動させる段階と、
(iii)前記第2培養部に移動した前記培養液に光を照射して追加培養する段階と、
(iv)前記追加培養された培養液を再び前記光生物反応器の前記第1培養部に循環させる段階と、
(v)培養が終了した後、前記培養液を回収し、回収した前記培養液を濾過して光合性微細藻類の菌体を収得する段階と、を含む。
【0018】
この際、前記段階(i)で、対象光合性微細藻類は、特にこれに制限されるものではないが、クロレラ(Chlorella)属、ドナリエラ(Dunaliella)属、スピルリナ(Spirulina)属の微細藻類であることが望ましく、スピルリナ属の微細藻類であることがさらに望ましい。前記培養対象微生物の接種液は、培養タンクに備えられた接種注入口または培地注入口を通じて注入されることが望ましいが、これに制限されるものではない。また、前記段階(i)で、光生物反応器の第1培養部は、光の照射のために第1光源を備えており、前記第1光源は、第1培養部の内部に装着されるか、または外部に装着されるが、前記第1光源が、第1培養部の内部を照射できるように第1培養部の壁体が透明素材で構成されているか、透明素材で構成された採光窓を備えていることが望ましい。前記段階(i)で、照射される光の照度は、特にこれに制限されるものではないが、4,000〜8,000Luxであることが望ましく、初度培養温度は、特にこれに制限されるものではないが、32〜38℃であることが望ましい。前記段階(ii)で、第2培養部の一末端は、前記光生物反応器の本体の培養液排出口と連結されたポンプ部と連結されるが、表面積を最大化するためにジグザグの形態に屈折された管で構成されることが望ましいが、これに制限されるものではない。段階(iii)で、照射される光の照度は、4,000〜8,000Luxであることが望ましいが、これに制限されるのではなく、前記追加培養温度は、特にこれに制限されるものではないが、32〜38であることが望ましい。望ましい一実施形態で、前記第2培養部の培養配管で循環中である培養液の流速は、流速調節器で調節される。前記流速調節器は、前記ポンプ部に電気的に連結されるか、ポンプ部内に内蔵されることが望ましいが、これに制限されるものではない。前記流速は、5〜50cm/sに調節されることが望ましく、10〜40cm/sに調節されることがさらに望ましく、20〜30cm/sに調節されることが最も望ましい。前記培養液の流速の調節は、スピルリナのような微細藻類の成功的な培養のために重要な因子であるが、これは、スピルリナの場合、多細胞性の螺旋形の微細藻類として培養基の内壁によく付着される性質を有しているためである。流速が低い場合には、微細藻類の付着が発生し、不適切な流体動力学(hydrodynamics)によって、ガス交換及び光の照射が不良になる。逆に、流速が高い場合には、スピルリナ内の有用物質の損失をもたらす。したがって、前記流速は、適切に調節されなければならない。
【0019】
一方、前記段階(i)の初度培養及び段階(iii)の追加培養時のpHは、特にこれに制限されるものではないが、8.5〜10に維持することが望ましい。
【0020】
本発明の一実施形態で、前記第1培養部は、培養タンクを含み、前記第1培養部及び前記第2培養部の間で、前記培養液の移動及び循環は、ポンプを用いて行うことが望ましいが、これに制限されるものではない。この場合、前記第1培養部を通じて二酸化炭素及び窒素の混合ガスを供給することによって、光合性微細藻類の光合性を行い、第1培養部内の陽圧を維持して空気を通じる雑菌の汚染を防止することが望ましく、前記陽圧の範囲は、特にこれに制限されるものではないが、通常的な微細藻類の培養時に使われる0.1〜1.0kg/cmfであることが望ましい。
【0021】
本発明の他の形態による光合性微生物の循環式培養方法は、
(i)培養タンクを有する第1培養部と、管状である第2培養部と、前記第2培養部の間に連結されたポンプ部とを備えた光生物反応器において、前記第1培養部に、対象光合性微細藻類が接種された培養液を投入し、光を照射して初度培養する段階と、
(ii)前記初度培養が終了した後、新鮮な培養液をさらに投入して、初度培養された前記培養液と混合した後、該混合された培養液を前記ポンプ部を通じて前記第2培養部及び前記第1培養部の順序で循環させ、前記第2培養部に光を照射して追加培養する段階と、
(iii)培養が終了した後、培養液を回収し、回収した前記培養液を濾過して光合性微細藻類の菌体を収得する段階と、を含む。
【0022】
この際、前記段階(i)で、培養対象の光合性微細藻類は、特にこれに制限されるものではないが、クロレラ属、ドナリエラ属、スピルリナ属の微細藻類であることが望ましく、スピルリナ属の微細藻類であることがさらに望ましい。前記培養対象微生物の接種液は、培養タンクに備えられた接種注入口または培地注入口を通じて注入されることが望ましいが、これに制限されるものではない。また、前記段階(i)で、第1培養部は、光の照射のために第1光源を備えており、前記第1光源は、光生物反応器の内部に装着されるか、または外部に装着されるが、外部に装着される場合には、前記第1光源が培養タンクの内部を照射できるように培養タンクの壁体が透明素材で構成されているか、透明素材で構成された採光窓を備えていることが望ましい。前記段階(i)で、第1培養部に照射される光の照度は、特にこれに制限されるものではないが、4,000〜8,000Luxであることが望ましく、初度培養温度は、特にこれに制限されるものではないが、32〜38℃であることが望ましい。
【0023】
段階(ii)で、第2培養部に照射される光の照度は、4,000〜8,000Luxであることが望ましいが、これに制限されるものではなく、前記追加培養温度は、特にこれに制限されるものではないが、32〜38℃であることが望ましい。
【0024】
望ましい一実施形態で、前記第2培養部の培養配管で循環中である培養液の流速は、流速調節器で調節される。前記流速調節器は、前記ポンプ部に電気的に連結されるか、ポンプ部内に内蔵されることが望ましいが、これに制限されるものではない。前記流速は、5〜50cm/sに調節されることが望ましく、10〜40cm/sに調節されることがさらに望ましく、20〜30cm/sに調節されることが最も望ましい。流速調節の重要性は、上述した通りである。
【0025】
一方、前記段階(i)の初度培養及び段階(ii)の追加培養時のpHは、特にこれに制限されるものではないが、pH8.5〜10に維持することが望ましい。同時に、第1培養部を通じて二酸化炭素及び窒素の混合ガスを供給することによって、光合性微細藻類の光合性を行い、培養タンク内に陽圧を維持して空気を通じる雑菌の汚染を防止することが望ましく、前記陽圧の範囲は、特にこれに制限されるものではないが、通常的な微細藻類の培養時に使われる0.1〜1.0kg/cmfであることが望ましい。
【0026】
以下、本発明の光合性微細藻類の循環式培養方法に使われる光生物反応器を添付図面を用いて具体的に説明する。
【0027】
図1は、本発明の循環式培養方法に使われる光生物反応器の一実施形態を示す概要図である。図1に示されたように、前記光生物反応器は、大きく第1培養部100、第2培養部300及び前記第1培養部100及び第2培養部300の間に培養液を循環させるように、前記第1培養部100及び第2培養部300に連結されたポンプ部200を含む。
【0028】
第1培養部100、ポンプ部200及び第2培養部300は、互いに連通されており、培養液が、第1培養部100→ポンプ部200→第2培養部300→第1培養部100の順序で循環しながら、光合性微細藻類を培養できるようにする。
【0029】
第2培養部300は、第1培養部100の外部に離隔して配されうる。第1培養部100は、図1に示したように、円筒形で提供されることがあるが、この実施例が、これに制限されるものではない。例えば、第1培養部100の形状は、多角筒状に多様に変形されうる。第2培養部300は、管状に提供され、例えば、多様な形状に成形された配管を含みうる。
【0030】
ポンプ部200は、培養液が第1培養部100及び第2培養部300の間で循環するように構成することができる。例えば、ポンプ部200は、第1培養部100と第2培養部300との間に存在し、第1培養部100の第1培養液排出口132と連通される第3培養液流入口210、ポンプ220及び第2培養部300の第2培養液流入口310と連通する第3培養液排出口230を備えることができる。これにより、第1培養部100から流入された培養液が第2培養部300に伝達され、結果的に、培養液が、第1培養部100→ポンプ部200→第2培養部300→第1培養部100の順序で循環する。前記ポンプ部200は、前記2培養部300を循環する培養液の流速をポンプ部200に電気的に連結された流速調節器を通じて調節することができる。望ましい実施形態で、前記流速器は、前記ポンプ部200に内蔵される。前記培養液の流速の調節は、スピルリナのような微細藻類の成功的な培養のために重要な因子であるが、これは、スピルリナの場合、多細胞性の螺旋形の微細藻類として培養基の内壁によく付着される性質を有しているためである。流速が低い場合には、微細藻類の付着が発生し、不適切な流体動力学によって、ガス交換及び光の照射が不良になる。逆に、流速が高い場合には、スピルリナ内の有用物質の損失をもたらす。したがって、前記流速は、適切に調節されなければならない。前記流速を1〜50cm/sに調節することが望ましい。さらに望ましくは、前記流速は、10〜50cm/sであり、最も望ましい実施形態で、前記流速は、20〜30cm/sである。
【0031】
図2は、本発明の光生物反応器に含まれた第1培養部100の一実施形態を示す断面図である。図2に示されたように、第1培養部100には、円筒形培養タンク101、接種注入口110、ガス注入口111、センサー装着ポート120、第1培養液流入口131、第1培養液排出口132及び最終排出口133、圧力調節弁112及び培地注入口134、第1光源140及び攪拌機150、及び温度調節器160が結合されうる。
【0032】
例えば、接種注入口110は、培養タンク101の上端に結合され、ガス注入口111及びセンサー装着ポート120は、培養タンク101の下部に結合され、圧力調節弁112及び培地注入口134は、培養タンク101の上部に結合されうる。しかし、このような配置は、例示的に提供され、培養タンク101の形状などの変形によって多様に変形されうる。
【0033】
最初の初度培養時、光合性微細藻類の接種液は、接種注入口110または培地注入口134を通じて注入可能であるが、滅菌環境を維持するため、接種注入口110を通じて注入されることが望ましい。
【0034】
一方、ガス注入口111は、多様なガス、例えば、窒素と二酸化炭素との混合ガスを培養タンク101内に注入するように提供されることがある。これにより、培養タンク101の内部圧力を外部より高い陽圧に維持させ、光合性微細藻類の培養中に外部から由来された雑菌の流入を防止することができる。この際、陽圧の範囲は、特にこれに制限されるものではないが、通常的な微細藻類の培養時に使われる0.1〜1.0kg/cmfであることが望ましい。
【0035】
前記センサー装着ポート120には、培養中である培養物の培養状態を確認するために、多様なセンサー装置、例えば、pHセンサー、二酸化炭素濃度センサー、溶存酸素濃度センサー及び温度センサーが装着されうる。
【0036】
一方、前記第1培養液流入口131を通じて前記第2培養部300から移動した培養液が第1培養部100に流入され、第1培養液排出口132を通じて第1培養部100からポンプ部200に培養液が流出され、培養が終了した培養液は、最終排出口133を通じて第1培養部100の外部に放出される。
【0037】
例えば、圧力調節弁112は、光合性微細藻類の培養時に発生する酸素の圧力によって開閉される一方向(one−way)弁であって、前記培養部の内部圧力が外部圧力に比べて陽圧に維持される場合には、弁が開放されてガスを外部に排出するが、内部圧力が低下する場合には、弁が閉鎖されてガスの排出が停止されるように構成することができる。
【0038】
前記培地注入口134は、末端が球型である棒状の管(tube)であって、球型の末端の表面には、多数の細孔が存在するスプレーボール状に提供されることがある。これを通じて培地を微細な水流で第1培養部100に分散供給することによって、培地注入口134は、培養部の内部で発生した泡を除去する役割を果たすこともでき、培養が完全に終了して培養物を排出した後、第1培養部100、ポンプ部200及び第2培養部300の内部を洗浄するための洗浄剤を供給する用途としても使われる。
【0039】
前記第1光源140は、光合性微細藻類の培養時に光合性を行うことができる光を発光する装置であって、自然光と似ている三波長または五波長の光を発散するが、この際、光源の照度及び明暗周期は、培養条件によって自動変動させることが望ましい。例えば、第1光源140は、培養タンク101の内部に配置される。他の例として、培養タンク101が光を透過させる材質で構成されているか、培養タンク101の一部分に光を透過することができる採光窓が備えられた場合には、第1光源140は、培養タンク101の外面に配置されることもある。
【0040】
前記攪拌機150は、培養タンク101の内部下端に備えられ、光合性微細藻類の初度培養時に培養液を混合する役割を果たし、本培養時にも、培養部に残留する培養物と培養液流入口から流入された培養物とを混合する役割を行う。前記温度調節器160は、第1培養部100の外部に付着されて、その温度を調節する役割を行える。温度調節器160は、特にこれに制限されるものではないが、適正温度の水をジャケット(jacket)で循環させることで、所望の培養温度を調節することができるウォータージャケット(water jacket)である。同時に、前記第1培養部100には、その内部を確認することができる視窓がさらに備えられることもある。
【0041】
図3は、本発明の管状の光生物反応器に含まれた第2培養部300の一実施形態を示す平面図である。図3に示されたように、前記第2培養部300には、ポンプ部(図1の200)の第3培養液排出口230と連通される第2培養液流入口310、培養配管330及び前記培養部の第1培養液流入口131と連通される第2培養液排出口340が備えられている。
【0042】
第2光源320は、第2培養部300の一部または全体に付着されて備えられうる。例えば、第2光源320は、培養配管330の長手方向に沿って伸張するように培養配管330の外面に結合されうる。前記第2培養部300の培養配管330は、内部に光合性微細藻類を含む培養液を循環させながら、第2光源320から光が供給されて、前記光合性微細藻類が光合性を行うことができる環境を提供する役割ができる。これにより、培養配管330は、第2光源320から発散された光が透過することができる材質で構成され、例えば、培養配管330の全体が光が透過することができる材質で構成されることもでき、光源が備えられた部分のみ光が透過することができる材質で構成することもできる。選択的に、第2光源320は、培養配管内に配置されるが、この場合、前記第2光源320は、培養配管の内壁に設けられることが望ましく、LED素子で構成されることが望ましい。この場合、培養配管は、不透明材質で構成することができる。また、培養時の便宜をはかるために、前記培養配管330の一側端に、センサー装置、例えば、pHセンサー、二酸化炭素濃度センサー、溶存酸素濃度センサー、温度センサーなどをさらに備えることもできる。同時に、前記培養配管330は、培養液が光に露出される面積を極大化するように、細長形管状に構成されることが望ましいが、このように、細長形管状に構成される場合、培養配管330の効率的な配置のために、多重で折れた形態で構成することが望ましい。この場合、第2光源320は、培養配管330の折れた構造の間に多重で提供されることがある。
【0043】
本発明の一実施形態によれば、本発明の第2培養部300の培養配管330は、一つのフレーム(frame)上に直線部と屈曲部とを含む平行に多重で折れた形態で構成され、このように、折れた形態が多段に重畳されるように構成することもできる。また、前記フレームは、前記第2光源320と培養配管330とを固定するための枠であって、前記第2光源320に電力を供給するための電源供給装置をさらに含むこともできる。同時に、前記培養配管330に備えられた第2光源320は、光合性微細藻類の培養時に光合性を行うことができる光を発散する役割を行い、前記第2光源320から発散される光の波長は、特にこれに制限されるものではないが、自然光と似ている三波長または五波長が望ましく、光源の照度及び明暗周期は、培養条件によって自動変動させることが望ましい。
【0044】
望ましい実施形態で、前記培養配管330の内部直径は、3〜30cmである。さらに望ましい実施形態で、前記内部直径は、5〜20cmである。最も望ましい実施形態で、前記内部直径は、10〜15cmである。前記培養配管330の内部直径は、スピルリナのような微細藻類の培養に重要である。もし、内部直径が30cm以上であれば、不適切な光の照射によって生産性が落ち、逆に、内部直径が3cm以下になれば、培養体積を拡大(scale−up)しにくい。
【0045】
以下、実施例を通じて本発明をさらに詳しく説明する。これら実施例は、単に本発明をより具体的に説明するためのものであって、本発明の要旨によって本発明の範囲が、これら実施例によって制限されるものではないということは、当業者において自明である。
【0046】
<比較例1:従来の微細藻類用の高密度培養装置を利用したスピルリナの培養>
【0047】
特許文献3に開示された微細藻類用の高密度培養装置を用いて、スピルリナを培養した。
【0048】
前記特許文献3に開示された微細藻類用の高密度培養装置の水槽にスピルリナ(S.platensis ATCC 53843)を接種したSOT培養液(NaHCO 16.8g/l、KHPO 0.5g/l、NaNO 2.5g/l、KSO 1g/l、NaCl 1g/l、MgSO・7HO 0.2g/l、CaCl・2HO 0.04g/l、FeSO・7HO 0.01g/l、EDTA 0.08g/l、Trace Metal Mix A5(HBO 2.86g/l、MnCl・4HO 1.81g/l、ZnSO・7HO 0.222g/l、NaMoO・2HO 0.39g/l、CuSO・5HO 0.079g/l、Co(NO・6HO 49.4mg/l)1.0ml/l、Trace Metal Mix B6 Modified(NHNO 0.23g/l、KCr(SO・24HO 96mg/l、NiSO・7HO 47.8mg/l、NaWO・2HO 17.9mg/l、Ti(SO 40mg/l)1.0ml/l、適量のNaOH、pH9.5)50Lを入れて、光源として6,000Luxの光を照射し、35℃を維持しながら、3日間スピルリナの初度培養を実施した。初度培養が終了した後、前記水槽に新鮮なSOT培養液50Lをさらに供給し、20日間培養した。培養が終了した後、前記水槽から最終培養物を収得し、これを濾過してスピルリナ菌体を収得した。引き続き、収得したスピルリナ菌体を乾燥させて、乾燥重量を測定した。また、前記水槽の表面にスピルリナが固着された部位の面積を測定し、全体水槽の表面面積に対する比率を算出した。
【0049】
<比較例2:従来の微細藻類の培養装置を利用したスピルリナの培養>
【0050】
特許文献4に開示された微細藻類の培養装置を用いて、スピルリナを培養した。
【0051】
前記特許文献4に開示された微細藻類の培養装置の開口部を通じて内部筒と外部筒との間にスピルリナ(S.platensis ATCC 53843)を接種したSOT培養液50Lを入れて、外部から光源で6,000Luxの光を照射し、35℃を維持し、ガス注入口を通じて二酸化炭素と大気とが1:1(v/v)に混合された混合ガスを持続的に注入して、培養液内に旋回流を発生させながら、3日間スピルリナの初度培養を実施した。初度培養が終了した後、前記開口部を通じて新鮮なSOT培養液50Lをさらに供給し、同じ条件で20日間培養した。培養が終了した後、前記培養装置から最終培養物を収得し、これを濾過してスピルリナ菌体を収得した。引き続き、収得したスピルリナ菌体を乾燥させて、乾燥重量を測定した。また、前記外部筒の表面にスピルリナが固着された部位の面積を測定し、全体外部筒の表面面積に対する比率を算出した。
【0052】
<実施例1:管状のスピルリナ培養装置を利用したスピルリナの培養>
【0053】
図1〜図3に示された管状のスピルリナ培養装置を用いて、スピルリナを循環式で培養した。
【0054】
まず、スピルリナ(S.platensis ATCC 53843)をSOT培養液に10%(v/v)に接種した。
【0055】
その後、前記管状のスピルリナ培養装置の第1培養部100の培養液注入口131、第1培養液排出口132及び最終排出口133を閉鎖し、接種注入口110を通じて、培養タンク101に、前記スピルリナが接種された培養液50Lを注入し、ガス注入口111を通じて、二酸化炭素を供給し、第1光源140で6,000Luxの光を供給し、温度調節器160を通じて35℃を維持しながら撹拌機150を60rpmで駆動させて、3日間スピルリナの初度培養を実施した。この際、培養中のスピルリナの成長程度を測定するために、分光光度計(Ultraspec 3100pro、Amersham)を用いて680nmでO.D.値を測定した。
【0056】
初度培養が終了した後、培地注入口134を通じて、培養タンク101に新鮮な前記SOT培地50Lを注入し、一旦光合性が始まった後には、第1培養部100のガス注入口111を通じて、二酸化炭素及び窒素の混合ガスを持続的に注入して、光合性に使われる二酸化炭素を供給すると同時に、第1培養部100の培養タンク101に約1.0kg/cmfの陽圧がかかるようにして、外部から由来された雑菌の汚染を防止した。
【0057】
その後、撹拌機150を同一速度で駆動させて、初度培養が終了した培養液と注入された新鮮なSOT培養液とを混合し、第1培養液注入口131と第1培養液排出口132とを開放して、前記混合された培養液をポンプ部200の第3培養液流入口210に伝達した。前記ポンプ部200の第3培養液流入口210に混合された培養液が伝達されれば、ポンプ部200のポンプ220を駆動して、1m/secの速度で前記培養液を第3培養液排出口230を通じて第2培養部300の第2培養液流入口310に伝達し、第2培養部300の第2培養液流入口310に伝達された前記培養液は、ポンプ220によって、培養配管330、第2培養液排出口340及び第1培養部100の第1培養液注入口131に順次に伝達して、最終的には、培養タンク101に伝達することによって、培養液を循環させた。この際、培養配管330に付着された第2光源320で6,000Luxの光を培養配管330に供給して、培養液に含まれたスピルリナが光合性を始めるようにし、前記温度調節器160を通じて培養液の温度を35℃に維持した。20日間循環式でスピルリナを培養し、該培養が終了した後には、第1培養部100の最終排出口133を開放して、最終培養物を収得し、これを濾過してスピルリナ菌体を収得した。
【0058】
引き続き、収得したスピルリナ菌体を乾燥させて、乾燥重量を測定した。また、前記培養配管330の表面にスピルリナが固着された部位の面積を測定し、全体培養配管の表面面積に対する比率を算出した。
【0059】
その後、前記測定されたスピルリナ菌体の乾燥重量及びスピルリナ固着部位の比率を比較例1及び比較例2でそれぞれ測定されたものと以下の表1ように相互比較した。
【0060】
【表1】

【0061】
前記表1に示されたように、本発明の循環式スピルリナ培養方法を利用する場合には、最終生産されたスピルリナ菌体の乾燥重量の面で、従来の培養装置を使った場合(比較例1及び比較例2)よりも約2〜3倍増加するということが分かった。
【0062】
これは、本発明の方法を利用する場合、スピルリナが培養容器の表面に固着されることを効果的に防止することができたためである。実際に、本発明の循環式スピルリナ培養方法を利用する場合には、全体培養配管表面の約3.4%程度にスピルリナ藻類が固着されたが、従来の培養装置を使った場合(比較例1及び比較例2)には、全体培養容器表面の67%及び87%にスピルリナ藻類が固着されるということを確認することができる。
【0063】
スピルリナは、光合性細菌であるので、光の日照量によって生産率が変化され、前記のように培養容器の表面にスピルリナが固着されれば、光の日照量が減少して、結果的には、スピルリナの生産量が減少する。したがって、本発明の光合性微細藻類の循環式培養方法を利用すれば、培養容器の表面に光合性微細藻類が固着される現象を防止して、スピルリナを含んだ光合性微細藻類の生産量を増大させることができるということを確認した。
【産業上の利用可能性】
【0064】
本発明は、光合性微細藻類の循環式培養方法関連の分野に適用可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(i)光生物反応器の第1培養部に対象光合性微細藻類が接種された培養液を投入し、光を照射して初度培養する段階と、
(ii)前記初度培養が終了した後、新鮮な培養液をさらに投入して、初度培養された前記培養液と混合した後、該混合された培養液を前記光生物反応器の前記第1培養部に連結された管状の第2培養部に移動させる段階と、
(iii)前記第2培養部に移動した培養液に光を照射して追加培養する段階と、
(iv)前記追加培養された前記培養液を再び前記光生物反応器の前記第1培養部に循環させる段階と、
(v)培養が終了した後、前記培養液を回収し、回収した前記培養液を濾過して光合性微細藻類の菌体を収得する段階と、
を含む、光合性微細藻類の循環式培養方法。
【請求項2】
前記光合性微細藻類は、スピルリナ属の微生物である、請求項1に記載の培養方法。
【請求項3】
前記段階(i)及び/または段階(iii)で照射される光の照度は、4,000〜8,000Luxである、請求項1または2に記載の培養方法。
【請求項4】
前記段階(i)の初度培養及び/または段階(iii)の追加培養温度は、32〜38℃である、請求項1〜請求項3のうち何れか一項に記載の培養方法。
【請求項5】
前記段階(i)の初度培養及び/または段階(iii)の初度培養のpHは、8.5〜10である、請求項1〜請求項4のうち何れか一項に記載の培養方法。
【請求項6】
前記第1培養部は、培養タンクを含み、前記第1培養部及び前記第2培養部の間で、前記培養液の移動及び循環は、ポンプを用いて行う、請求項1〜請求項5のうち何れか一項に記載の培養方法。
【請求項7】
前記段階(i)の初度培養時、前記第1培養部の培養タンクに二酸化炭素及び窒素の混合ガスを供給することによって、光合性微細藻類の光合性を行い、前記第1培養部の培養タンク内の圧力を陽圧に維持して空気を通じる雑菌の汚染を防止する、請求項6記載の培養方法。
【請求項8】
前記陽圧の範囲は、0.1〜1.0kg/cmfである、請求項7に記載の培養方法。
【請求項9】
段階(iv)の循環は、1〜50cm/sの流速で行われる、請求項1〜請求項8のうち何れか一項に記載の培養方法。
【請求項10】
(i)培養タンクを有する第1培養部と、管状である第2培養部と、前記第2培養部の間に連結されたポンプ部とを備えた光生物反応器において、前記第1培養部に、対象光合性微細藻類が接種された培養液を投入し、光を照射して初度培養する段階と、
(ii)前記初度培養が終了した後、新鮮な培養液をさらに投入して、初度培養された前記培養液と混合した後、該混合された培養液を前記ポンプ部を通じて前記第2培養部及び前記第1培養部の順序で循環させ、前記第2培養部に光を照射して追加培養する段階と、
(iii)培養が終了した後、培養液を回収し、回収した前記培養液を濾過して光合性微細藻類の菌体を収得する段階と、
を含む、光合性微細藻類の循環式培養方法。
【請求項11】
前記光合性微細藻類は、スピルリナ属の微生物である、請求項10に記載の培養方法。
【請求項12】
前記段階(i)及び/または段階(ii)で照射される光の照度は、4,000〜8,000Luxである、請求項10または11に記載の培養方法。
【請求項13】
前記段階(i)の初度培養及び/または段階(ii)の追加培養の温度は、32〜38℃である、請求項10〜請求項12のうち何れか一項に記載の培養方法。
【請求項14】
前記段階(i)の初度培養及び/または段階(ii)の追加培養のpHは、8.5〜10である、請求項10〜請求項13のうち何れか一項に記載の培養方法。
【請求項15】
前記段階(i)の初度培養時、前記第1培養部の培養タンクに二酸化炭素及び窒素の混合ガスを供給することによって、光合性微細藻類の光合性を行い、前記培養タンク内の圧力を陽圧に維持して空気を通じる雑菌の汚染を防止する、請求項10〜請求項14のうち何れか一項に記載の培養方法。
【請求項16】
前記陽圧の範囲は、0.1〜1.0kg/cmfである、請求項15に記載の培養方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate