光周波数領域イメージングにおける測定深度を制御するための装置及び方法
装置の典型的な実施形態を提供する。例えば、典型的な装置は、少なくとも一つの第一の電磁放射線をサンプルに提供し、少なくとも一つの第二の電磁放射線を第一のレファレンスに提供し、少なくとも一つの第三の電磁放射線を第二のレファレンスに提供する、少なくとも一つの第一の機構を含むことができる。第一の機構によって提供される放射線の周波数は、通常、時間と共に変化する。典型的な装置は、第一の電磁放射線に付随する少なくとも一つの第四の電磁放射線と第二の放射線に付随する少なくとも一つの第五の電磁放射線との間の第一の干渉を検出するように構成される少なくとも一つの第二の機構も含むことができる。第二の機構も、第一の電磁放射線に付随する少なくとも一つの第六の電磁放射線と第三の放射線に付随する少なくとも一つの第七の電磁放射線との間の第二の干渉を検出するように構成される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、その全開示事項が参照することで本明細書に組み入れられる2007年1月19日出願の米国特許出願第60/885,652号の優先権の利益に基づくものであり、それを主張するものである。
【0002】
発明の分野
本発明は、1若しくは2個以上の深度及び周波数エンコーディング(「DFE」)技術を用いて、光周波数領域イメージング(optical frequency domain imaging)における測定深度(ranging depth)を制御する(例:伸長する)ための装置及び方法全般に関する。
【背景技術】
【0003】
背景情報
光コヒーレンストモグラフィ(「OCT」)技術は、生物学的サンプルの典型的な断面イメージを、数ミクロンから数十ミクロンのスケールの分解能で提供する。従来のOCTのコントラストは、種々の組織の光学散乱特性の違いによるものであり、組織の微細構造のイメージングが可能である。フーリエ領域OCT(「FD‐OCT」)によって感度が大きく向上し、高速イメージングが可能となることが実証された。FD‐OCTは、スペクトル領域OCT(「SD‐OCT」)及び光周波数領域イメージング(「OFDI」)という2種類の構成で実施されてきた。図1(a)に示す典型的なSD‐OCTの機構では、分光計を用いて、レファレンスビームとサンプルからの反射光との干渉によるスペクトルフリンジ(spectral fringe)を記録することができる。図1(b)に示す典型的なOFDIの機構では、狭帯域波長掃引光源(narrowband wavelength‐swept source)及び単一の検出器を用いて同じインターフェログラムが記録される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、典型的なOFDIの機構及び方法は、内視鏡検査に付随するモーションアーチファクト(motion artifact)を生ずる傾向が低い場合があり、深度の範囲をより大きくすることができることから、いくつかのアプリケーションに対して好ましいイメージングモダリティとなる場合がある。しかし、最大測定深度(ranging depth)は、通常、レーザー光源の瞬間的なライン幅(instantaneous line‐width)(コヒーレンス長)によって制限され得る。多くのOFDI光源に対して、瞬間的なライン幅、同調速度、出力パワー、及び同調範囲の間でのトレードオフが存在する場合があり、最終的には、これによって有用な測定深度が制限される。正の深度と負の深度との間の不明瞭さを回避し、直交干渉シグナルの測定、又はコヒーレンス範囲の両側の使用によって測定深度を伸ばすためのいくつかの方法が報告されている。波長掃引レーザー光源の開発を続けることで、イメージング速度及び分解能をさらに改善することができる。このような利点は、バレット食道のスクリーニング及び冠動脈イメージングを含むいくつかの典型的なOCTアプリケーションにおいて重要である。従って、多くのアプリケーションにおいて、イメージングには測定深度の伸長が求められている場合がある。
【0005】
本発明の目的の一つは、上述の欠点を解決することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の典型的な実施形態の概要
本発明の特定の典型的な実施形態によれば、典型的なOFDIシステムにおいて、深度及び周波数エンコーディング(「DFE」)を用いることによって高測定深度での測定を行うための方法並びに装置を提供することができる。
【0007】
例えば、方法及び装置の典型的な実施形態は、OFDIにおいて深度及び周波数エンコーディングを用いて測定深度を伸長させる技術を利用することができる。この典型的な技術は、例えば、2個(N個)の異なるレファレンスアーム中の2個(N個)の音響光学周波数偏移器(acousto‐optic frequency shifter)を用いて、検出シグナル中に2個(N個)の一定の周波数偏移を提供することができる。光路差により、測定深度を2個(N個)のセクションに分割することができ、ここで、各セクションを異なる周波数によってエンコードすることができる。
【0008】
振幅及び位相の測定を用いて、サンプルである血流、及び混濁又は散乱媒体中のその他の動きのプロファイル反射率(profile reflectivity)を測定することができ、経時的な又は横軸方向の位置の関数としての物質の光学厚さのモニタリングを行うこともでき、並びにサンプルの複屈折を測定することもできる。本発明に従う装置及び方法の典型的な実施形態は、上記の測定方法における測定深度を伸長させるために用いることができる。この典型的な実施形態では、OFDIシステムを変形して、例えば、各イメージが異なる周波数によってエンコードされる2個(N個)の異なるセクションにて、サンプルの2個(N個)のイメージを同時に取得することができる。
【0009】
従って、本発明に従う装置の典型的な実施形態が提供される。例えば、典型的な装置は、少なくとも一つの第一の電磁放射線をサンプルに提供し、少なくとも一つの第二の電磁放射線を第一のレファレンスに提供し、少なくとも一つの第三の電磁放射線を第二のレファレンスに提供する、少なくとも一つの第一の機構を含むことができる。第一の機構によって提供される放射線の周波数は、通常、時間と共に変化する。典型的な装置は、第一の電磁放射線に付随する少なくとも一つの第四の電磁放射線と第二の放射線に付随する少なくとも一つの第五の電磁放射線との間の第一の干渉を検出するように構成される少なくとも一つの第二の機構も含むことができる。第二の機構も、第一の電磁放射線に付随する少なくとも一つの第六の電磁放射線と第三の放射線に付随する少なくとも一つの第七の電磁放射線との間の第二の干渉を検出するように構成される。
【0010】
本発明の別の典型的な実施形態によると、第一のレファレンスの光路長は、第二のレファレンスの光路長と実質的に異なっていてもよい。第一のレファレンスの光路長と第二のレファレンスの光路長との間の差は、500μm超であってよい。さらに、第一のレファレンスは、第二の電磁放射線の周波数を偏移させるさらなる機構を有していてよい。さらに、第一のレファレンスは、第三の電磁放射線の周波数を偏移させるさらなる機構を有していてよい。
【0011】
本発明のさらに別の典型的な実施形態によると、第二の電磁放射線の周波数の偏移の大きさは、第三の電磁放射線の周波数の偏移の大きさと異なっていてよい。第一の電磁放射線は、中心周波数が時間と共に実質的に連続的に、ミリ秒あたり100テラヘルツを超える同調速度で変化するスペクトルを有していてよい。
【0012】
本発明のこれらの、及びその他の目的、特徴、及び利点は、以下に示す本発明の実施形態の詳細な説明を読むことで明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
本発明のさらなる目的、特徴、及び利点は、本発明の説明のための実施形態を示す添付の図面と合わせて、以下に示す詳細な説明から明らかとなるであろう。
【0014】
【図1A】従来のスペクトル領域OCTシステムの概略図である。
【図1B】従来のOFDIシステムの概略図である。
【図1C】直交干渉シグナルの測定によって測定深度を伸長するための従来のOFDIシステムの概略図である。
【図1D】コヒーレンス長の両側を用いることによって測定深度を伸長するための従来のOFDIシステムの概略図である。
【図2A】深度及び周波数エンコーディング技術の典型的な実施形態を実施する、本発明に従うシステムの典型的な実施形態の典型的な操作を示す概略図である。
【図2B】同じ周波数にマッピングされた(mapped)2種類の深度によって生ずる典型的なクロストークのプロットを示す図である。
【図3】典型的な深度及び周波数エンコーディング技術を用いる本発明に従うシステムの別の典型的な実施形態を示すブロック図である。
【図4】図4(a)乃至図4(d)は、Aラインレート(A‐line rate)及び周波数間隔による、(a,b)SIR1及び(c,d)SIR2の変化のプロットを示す図である。
【図5】異なる同調速度に対する最小SIRのプロットを示す図である。
【図6】全測定深度にわたっての校正部分反射体(calibrated partial reflector)(サンプル)の移動による典型的なシグナルパワーの変化のプロットを示す図である。
【図7】図7(a)は、25及び50MHzの周波数偏移によりエクスビボで得られたヒト大動脈組織の典型的なOFDIイメージの側面図であり、この典型的なイメージは、縦1492×横500ピクセルから成り、深度及び周波数エンコーディング技術により測定深度が10mmへ伸長された。図7(b)は、図7(a)のヒト大動脈組織のエクスビボでの典型的なOFDIイメージの端面図である。
【図8】本発明に従う技術の典型的な実施形態を適用する前の組織の典型的なイメージ、及び典型的な技術の適用後のその典型的なイメージの図である。
【0015】
図面全体を通して、特に断りのない限り、図示した実施形態の特徴、要素、成分、又は部分などは同じ符号を用いて表す。さらに、図面を参照して本発明を詳細に説明するが、それは、説明のための実施形態と関連させて行う。本発明の正しい範囲及び趣旨から逸脱することなく、説明される実施形態に対して変形及び変更を行うことが可能であることを意図している。
【発明を実施するための形態】
【0016】
典型的な実施形態の詳細な説明
従来のODFIシステムは、深度に対する関数としての反射率の振幅及び位相に基づいてイメージを形成することができる。このOFDIシステムでは、最大測定深度は、通常、レーザー光源の瞬間的なライン幅(コヒーレンス長)によって制限され、それは、ゼロ深度をサンプル表面に合わせることにより、コヒーレンス範囲の片側を用いて正の深度と負の深度との間の不明瞭さを回避するからである。正の深度と負の深度との間の不明瞭さを回避し、測定深度を伸長させるためのその他の方法が議論されており:I)図1(c)に示す直交干渉シグナルの測定、又はII)図1(d)に示すコヒーレンス範囲の両側の使用である。一つ目の手法は、重なり合ってしまうはずの正の深度及び負の深度に関連するイメージを展開(unfold)するが、安定した直交シグナルを作り出すことが難しいことから、残留アーチファクト(residual artifact)を残す傾向にある。二つ目の手法は、有効測定深度を2倍に伸長することができる。
【0017】
本発明の典型的な実施形態によると、有効測定深度をN倍に伸長させるための方法及び装置を提供することができる。N個の異なる周波数偏移をN個の異なるレファレンスアームに適用して、検出シグナル中にN個の一定の周波数偏移を提供する。光路差により、測定深度がN個のセクションに分割され、ここで、各セクションが異なる周波数によってエンコードされる。図2(a)は、深度及び周波数エンコーディングの設定の概略図である。ガウシアン型のコヒーレンス関数(Gaussian coherence function)を仮定すると、フリンジの視感度(fringe visibility)は光路差がゼロの点で最大値となり、光路差が増加するに従って減少する。コヒーレンス長lcは、光路差ゼロの点の周囲の深度を示し、ここで、視感度は0.5まで低下し、従って、SNRは6dB低下する。提案する技術では、互いに対してバイアスをかけられた(Δz)N個のレファレンスアームを用いることで、サンプル内部の光路差ゼロの点(深度)の数は、N倍(点A1及びAN)に増加する。図2(a)の例に示すように、一つの周波数偏移器で、単一のコヒーレンス領域のみを用いることができる。しかし、サンプルをN個のセクションに分割し、各セクションを周波数分割多重化することにより、N個のコヒーレンス領域を用いることができる。
【0018】
この典型的な技術により、従来のOFDIシステムの有効測定深度をN倍伸長することができる一方、画質を低下させ得る要因が二つあり、それは:I)異なる周波数でエンコードされた隣接するイメージ間のクロストーク(干渉)、及びII)周波数、
【数1】
に対応する特定の深度と、式(5)の第三項との間のクロストークであり、ここで、Δλ、λ0、及びTは、光源同調範囲、中心波長、及び同調周期である。
【0019】
周波数領域におけるOFDIの説明
典型的なフーリエ領域OCTシステム及び方法は、一般に、干渉計の二つのアーム間の干渉を用いて、混濁、半混濁、又は透明媒体中の深度に依存する反射を測定する。入力光源は、レファレンスアーム及びサンプルアームに分割される。サンプルアーム中の光は、イメージ化すべきサンプルへ向けられ、サンプルからの反射は出力カップラーの第一のポートに誘導される。レファレンスアーム光は、同じ出力カップラーの第二のポートに誘導される。ビーム間のスペクトル干渉は、干渉計の出力パワーを波数(又は時間)の関数として記録することによって測定される。検出される平衡電流は:
【数2】
として表すことができ、ここで、η、Pr(t)、Ps(t)、R(z)、G(|zr−z|)、k(t)、φz、及びΔz=zr−zは、検出器の量子効率、レファレンスアームの光パワー、サンプルアームの光パワー、サンプル反射率のプロファイル、フリンジ視感度に対応するコヒーレンス関数、波数、位置zにおける反射の位相、並びにレファレンスアームと位置zの散乱体との間の光路差である。出力波数が時間に対して直線的に同調されたと仮定すると、すなわち、k(t)=k0−kltであり、ここで、k=2π/λは波数、λは光波長、tは−T/2からT/2にわたる時間、及びTは同調周期、又は言い換えると、Aライン周期(A‐line period)である。さらに、
【数3】
で与えられるガウシアン型同調包絡線(Gaussian tuning envelope)を仮定し、ここで、Pout(t)は光源の出力パワーを、σTは同調包絡線の半値全幅(FWHM)を表す。式(2)は、光源のガウシアン型スペクトル包絡線も表し、ここで、σklTは、波数のFWHM同調範囲に対応する。式(1)のtに関するフーリエ変換により、複素数値の深度プロファイル(Aライン)が得られる。
【0020】
【数4】
及びσ<1を仮定すると、積分範囲を[−∞,+∞]に近似することができ、これによって、
【数5】
が得られる。上記の式(3)で示されるように、散乱体の位置zでの後方散乱係数は、周波数、
【数6】
におけるシグナルの振幅によって与えられる。周波数成分間の干渉が±(zr−z)の深度に対応し、コヒーレンス関数(G(|z|))の両側の使用が制限される。
【0021】
OFDIにおける深度及び周波数エンコーディング
SD‐OCT及びOFDIのシステム並びに方法の典型的なFD‐OCT技術は、別々のスペクトル干渉i(k)を測定することができるが、この測定の実施方法が異なる。OFDIは、波長掃引光源及び単素子受光器(single‐element photoreceiver)(又は、一式の単素子受光器)を用いて、時間の関数としてi(k)を記録する。図3は、高速OFDIイメージングシステムの典型的な実施形態を示す。この典型的なシステムは、例えば、三つのモジュール:波長掃引光源85、干渉計90、及び取得用電子回路95、を含むことができる。波長掃引光源(以降、掃引光源と称する)は、利得素子としての半導体光増幅器(SOA)125、並びに多角形ミラー100、テレスコープ105、回折格子110、及びファイバーコリメーター113を含む多角形ミラーフィルター101を有するリングキャビティレーザー(ring‐cavity laser)として構築される。偏光制御器120を挿入して、レーザー偏光を最適化することができ、出力カップラー130がレーザー出力を提供する。出力カップラーは、公称上、出力ポート132とレーザーポート131の間で光を均等に分割することができる。光サーキュレータ115は、光をレーザーポート131から多角形ミラーフィルター101へ誘導し、及び多角形ミラーフィルター101からの戻り光を偏光制御器120へ誘導することができる。多角形ミラーが回転するため、多角形ミラーフィルター101からの反射波長は波長を掃引し、レーザー出力に同様な波長の掃引を引き起こす。
【0022】
132でのレーザー出力は、従って、時間と共に波長掃引することができる。この出力は、光をレファレンスアームポート135aとサンプルアームポート135bとに分割する干渉計カップラー135への入力である。カップラー165は、レファレンスアーム光を分割する。出力165aからの光は、光をファイバーブラッグ格子(FBG)150へと通過させる第二のサーキュレータ145へ誘導される。FBGは、光源の波長掃引範囲内の個別の波長における狭帯域反射を有する。光源がこの反射波長を過ぎて同調されると、反射光パルスが発生する。このパルスは、サーキュレータ145によって受光器155へと誘導され、その後、160によってTTLパルスへ変換される。このTTLパルスは、データ取得電子回路200に対するトリガーシグナルとして用いられる。出力ポート165bからの光は、可変光遅延器210へ光を誘導する第三のサーキュレータに誘導される。この可変光遅延器を用いて、干渉計に対する光路合わせ(path‐match)が行われる。戻り光は、サーキュレータ170によって入力カップラー220の第一のポート220aへ誘導される。出力カップラー220のN番目のポート220Nにおける光は、偏光制御器225N及び周波数偏移器230Nへ周波数fsNで、並びに偏光器235Nへ誘導される。レファレンスアームの周波数偏移器230Nは、DAQサンプルクロック出力204から誘導されるライン203を伝送されるシグナルを通して作動される。
【0023】
この出力クロックは、「Nで除算する」というデジタル論理回路201を用いることで周波数が下方偏移され、得られたシグナルは増幅器及びフィルターステージ202を通って、ライン203上に単一周波数(single tone)を形成する。周波数偏移器に対する作動シグナル(drive signal)がDAQサンプルクロック出力によって作動されるため、周波数偏移の位相は、サンプルクロックと同期しており、従って、さらなる位相ノイズを誘発することはない。次に、光は、偏光制御器204N及び入力カップラー245のN番目のポート245Nへ誘導される。N個の周波数偏移光はすべて、出力カップラー245の第一のポート245で結合され、入力カップラー250の第一のポート250aへ誘導される。入力カップラー220のi番目のポート220iと入力カップラー245のi番目のポート245iとの間の光路差をLiと仮定することにより、LiとLjとの差を4*(N−M)*Lcと設定し、ここで、Lcは、光源のコヒーレンス長である。ポート135bにおけるサンプルアーム光は、ファイバー206上の光をイメージ化されるべきサンプルへ誘導する第四のサーキュレータ205に誘導される。イメージングオプティクス(imaging optics)215は、光の焦点をサンプル上に合わせ、ビーム変換を提供する。
【0024】
サンプルからの反射光は、同じファイバー206で収集し、サーキュレータ205へ戻され、光はそこから、周波数偏移器及び入力カップラー250の第二のポート250bへ誘導される。作動しないこの周波数偏移器を用いて、作動する周波数偏移器の散乱が補償される。出力カップラー250の第一のポート250c及び250dで結合されたサンプルアーム光及びレファレンスアーム光は、それぞれ、偏光制御器260及び270、並びに偏光ビームスプリッタ280及び290へ誘導される。偏光制御器240iを調節することにより、偏移光の偏光状態が、偏光ビームスプリッタ280及び290の入力ポートにて互いに平行となる。偏光制御器260及び270を調節することにより、N番目のレファレンスアームパワーに対応する出力カップラー250のパワーは、出力偏光ビームスプリッタ280及び290の第一並びに第二のポート、280a、280b、290a、及び290bに均等に分割される。レファレンスアーム光及びサンプルアーム光は、出力偏光ビームスプリッタ280及び290の第一並びに第二のポート、280a、280b、290a、及び290bにて干渉する。出力偏光ビームスプリッタ280の第一のポート280a、及び出力偏光ビームスプリッタ290の第一のポート290aにおける干渉シグナルは、それぞれ、受光器295a及び295bで検出される。
【0025】
出力偏光ビームスプリッタ280の第二のポート280b、及び出力偏光ビームスプリッタ290の第二のポート290bにおける干渉シグナルは、それぞれ、受光器300a及び300bで検出することができる。受光器295a及び295bからのシグナルは、減じられ、データ取得(DAQ)ボード200のアナログ‐デジタル(A2D)入力ポートへ向けて誘導される。受光器300a及び300bからのシグナルは、減じられ、データ取得(DAQ)ボードのアナログ‐デジタル(A2D)入力ポートへ向けて誘導される。DAQボード200は、n個(nは所定の値)のサンプルをクロックレートfclで取得する。クロックシグナルは、DAQボード200の内部で作り出される。TTLパルス発振器160からのトリガーシグナルは、FBG150によって作られた光パルスから発生するものである。
【0026】
i∈{1,...N}であるレファレンスアーム1100iにおける周波数偏移がf1,...,fi...,fN、及び干渉計光路長差(又は深度)がzr1−z、zr2−z、zrN−zの場合、受光器295及び300の出力におけるシグナルは:
【数7】
【数8】
として表すことができる。式(5)は、サンプルの反射プロファイルがN個の異なる周波数偏移にてエンコードされ、一方、N個の干渉計のゼロ深度が、f1,...,fNに対応することを示す。式(5)の第三項は、N個のレファレンスアームシグナル間のうなりを表す項(beat term)である。
【0027】
シグナル対干渉比(SIR)
エンコードされた二つの隣接するイメージ間のクロストークは、感度及び測定深度の劣化を引き起こす。しかし、周波数偏移間の適切な間隔によってクロストークを回避することができる。図2(b)に示すように、同じ周波数範囲へマッピングされた二つの深度がクロストークを引き起こし得る。二つの周波数偏移に対して、図3に示す理論上の結果は、必要なSIRに対する適切な周波数間隔は、Aラインレートに依存することを示す(クロストークがノイズの存在下での支配的な条件であると仮定)。図4(a)、(b)、(c)、及び(d)は、種々の周波数間隔及びAラインレートに対する深度によるSIRの変化を示す。SIR1及びSIR2は、対応するゼロ深度近辺(zr1、zr2)の二つのセクションのシグナル対干渉比である。Aラインレートが上昇すると、SIRは低下する。例えば、周波数間隔50MHzにおいて、同調速度が75KHzから50KHzに低下すると、SIR1は、ゼロ深度において約30dB上昇する。さらに、所定のAラインレートに対して周波数間隔が増加すると、各深度でのSIRは上昇する。
【0028】
好ましいSIRに対する適切な周波数間隔は、Aラインレートだけでなく、コヒーレンス長にも依存し得る。図2(b)に示すように、SIRは、コヒーレンス長が増加すると、上昇する。理論上の、シミュレーションの、及び実験の結果において、光源の瞬間的なコヒーレンス長及びΔzは、それぞれ、2.5mm及び5mmであると仮定する。図5は、種々の同調速度及び周波数間隔(25MHz及び50MHz)に対する最小SIRを示す。図6のシミュレーションの結果は、サンプルアームにおいて種々の深さ位置で校正部分反射体を用いることによるシグナルパワー対深度を示す。レンズ及びサンプルを移動させることができ、それによって、サンプルの反射プロファイルを−5mmから5mmまで均一とした。各深度で取得されたサンプルデータは、マッピング及びデチャーピング(dechirping)処理を行うことができる。全深度を通しての最小SIRは、Aラインレート25KHz、周波数間隔50MHz、コヒーレンス長2.5mm、及び同調範囲100nmでOFDIシステムを用いることにより、60dB超とすることができる。
【0029】
典型的な処理手順
光源の同調周波数の非線形性により、一定深度でのシグナルのチャーピングが発生し、距離分解能(axial resolution)の劣化を引き起こす。周波数偏移及びゼロパディングに基づく典型的な補間法の改良を行って、トランスフォームリミットに近い(nearly transform limited)距離分解能を全測定深度にわたって達成することが可能である。そのような典型的な機能を実行するための手順の典型的な実施形態を図9に示す。
【0030】
特に、図9に示すように、光源の各波長掃引の間に、均一な時間間隔でシグナルのP個のサンプルが得られる(手順910)。次に、P個のデータポイントのDFTが電気的周波数領域(electrical frequency domain)内で決定される(手順920)。さらに、2P個の周波数帯が、正の深度及び負の深度のそれぞれに対応して、周波数偏移fi∈{f1,......,fN}の上下で分割される(手順930)。各周波数帯は、深度ゼロが電気的周波数ゼロに合うように偏移することができる(手順940)。さらに、ゼロパディングを各周波数帯に適用し、逆数(inverse)を算出することができ、それにより、各周波数帯に対して、より狭い時間間隔で時間領域内において数が増加したサンプルのアレイが得られる(手順950)。ゼロの数は、必要である測定深度に基づいて決定することができる。時間領域内の各アレイは、線形補間で光源の非線形性に対して校正されたマッピング機能を用いて、均一なν空間(νspace)内へ補間することができる(手順960)。次に、各補間されたアレイのDFTを決定することができる(手順970)。さらに、2P個のアレイ(例:イメージ)を、アレイインデックス(array index)を偏移させることによって組み合わせることができる(手順980)。
【0031】
DFE OFDIの典型的なアプリケーション
さらなる典型的な実施形態では、DFE‐OFDIシステムを用いて、血管内をイメージ化することができる。測定深度を伸長させたイメージングが可能なデバイスを図7に示す。光学プローブ310がアレイ320内部に配置され、イメージングビーム330がプローブの側面から発光される。プローブを動脈内へ移動させると、イメージングビーム330は、二つの異なる点A及びBで動脈320に衝突する。DFE‐OFDIは、A及びBで動脈をイメージ化することができ、一方、そのイメージは、異なる周波数でエンコードされる。端面図は、DFE‐OFDIが測定深度を伸長させることができる様子を示す。
【0032】
当業者であれば、実施形態の一つをその他の実施形態と組み合わせて用いることにより、測定深度が伸長されるDFE‐OFDIシステムを構築することができることは理解することができる。
【実施例】
【0033】
本発明に従う方法の典型的な実施形態を、以下の実験により、研究室で確認した。
【0034】
図1(a)は、二つの音響光学的周波数偏移器(25MHz及び50MHz)を用いた従来のOFDIシステムの実験設定を示す。掃引レーザーを構築して、1240nm乃至1357nmの117nmの同調範囲を提供した。レーザーは、12.5KHz、25KHz、及び50KHzのレートで作動させ、それによって、15872、7936、3968のサンプルを取得することができた(サンプリングレートは最大周波数偏移の約4倍)。ガルバノミラー及びイメージングレンズを有するプローブにより、2mmのコンフォーカルパラメータで1/e2直径40μmの焦点をサンプル上に形成した。深度及び周波数でエンコードされたOFDIシステムにより、ヒト大動脈のイメージをAラインレート12.5KHzにてエクスビボで取得した。このイメージを、上述のマッピングアルゴリズムを用いて再構築した。組織表面をプローブビーム軸に対して角度を持たせて配置し、レファレンスミラーを、それらの間の光路差が5mmとなるように配置した。サンプルレンズを、光の焦点が組織の5mm内部、イメージの中心で合うように構成した。図7(a)は、正及び負の深度の不明瞭さを解決するために、25MHzで単一の周波数偏移器を用いた場合の大動脈イメージを示す。図7(b)は、深度及び周波数エンコーディング後の同じイメージを示す。イメージの左側を25MHzで、右側を50MHzの周波数でそれぞれエンコードした。測定深度は、単一の周波数偏移器の場合と比べて2倍に伸長した。
【0035】
上述の内容は、本発明の原理を説明するだけのものである。説明した実施形態に対する種々の変更及び変形は、本明細書の開示事項に照らして、当業者には明らかであろう。実際、本発明の典型的な実施形態に従う機構、システム、及び方法を、いずれかのOCTシステム、OFDIシステム、スペクトル領域OCT(SD‐OCT)システム、又はその他のイメージングシステムと共に、並びに、例えば、その開示事項全体が参照することで本明細書に組み入れられる2004年9月8日出願の国際特許出願第PCT/US2004/029148号、2005年11月2日出願の米国特許出願第11/266,779号、及び2004年7月9日出願の米国特許出願第10/501,276号に記載のシステムと共に用いることができる。従って、当業者であれば、本明細書で明白に示したり説明したりはしてはいないが、本発明の原理を具体化し、従って、本発明の趣旨及び範囲に含まれる数多くのシステム、機構、及び方法を考案することができることは、理解されるであろう。さらに、上記で先行技術の知見が参照することで本明細書に明白に組み入れられていない範囲において、それはその全てが本明細書に明白に組み入れられている。本明細書において上記で参照したすべての刊行物は、その全体が参照することで本明細書に組み入れられる。
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、その全開示事項が参照することで本明細書に組み入れられる2007年1月19日出願の米国特許出願第60/885,652号の優先権の利益に基づくものであり、それを主張するものである。
【0002】
発明の分野
本発明は、1若しくは2個以上の深度及び周波数エンコーディング(「DFE」)技術を用いて、光周波数領域イメージング(optical frequency domain imaging)における測定深度(ranging depth)を制御する(例:伸長する)ための装置及び方法全般に関する。
【背景技術】
【0003】
背景情報
光コヒーレンストモグラフィ(「OCT」)技術は、生物学的サンプルの典型的な断面イメージを、数ミクロンから数十ミクロンのスケールの分解能で提供する。従来のOCTのコントラストは、種々の組織の光学散乱特性の違いによるものであり、組織の微細構造のイメージングが可能である。フーリエ領域OCT(「FD‐OCT」)によって感度が大きく向上し、高速イメージングが可能となることが実証された。FD‐OCTは、スペクトル領域OCT(「SD‐OCT」)及び光周波数領域イメージング(「OFDI」)という2種類の構成で実施されてきた。図1(a)に示す典型的なSD‐OCTの機構では、分光計を用いて、レファレンスビームとサンプルからの反射光との干渉によるスペクトルフリンジ(spectral fringe)を記録することができる。図1(b)に示す典型的なOFDIの機構では、狭帯域波長掃引光源(narrowband wavelength‐swept source)及び単一の検出器を用いて同じインターフェログラムが記録される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、典型的なOFDIの機構及び方法は、内視鏡検査に付随するモーションアーチファクト(motion artifact)を生ずる傾向が低い場合があり、深度の範囲をより大きくすることができることから、いくつかのアプリケーションに対して好ましいイメージングモダリティとなる場合がある。しかし、最大測定深度(ranging depth)は、通常、レーザー光源の瞬間的なライン幅(instantaneous line‐width)(コヒーレンス長)によって制限され得る。多くのOFDI光源に対して、瞬間的なライン幅、同調速度、出力パワー、及び同調範囲の間でのトレードオフが存在する場合があり、最終的には、これによって有用な測定深度が制限される。正の深度と負の深度との間の不明瞭さを回避し、直交干渉シグナルの測定、又はコヒーレンス範囲の両側の使用によって測定深度を伸ばすためのいくつかの方法が報告されている。波長掃引レーザー光源の開発を続けることで、イメージング速度及び分解能をさらに改善することができる。このような利点は、バレット食道のスクリーニング及び冠動脈イメージングを含むいくつかの典型的なOCTアプリケーションにおいて重要である。従って、多くのアプリケーションにおいて、イメージングには測定深度の伸長が求められている場合がある。
【0005】
本発明の目的の一つは、上述の欠点を解決することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の典型的な実施形態の概要
本発明の特定の典型的な実施形態によれば、典型的なOFDIシステムにおいて、深度及び周波数エンコーディング(「DFE」)を用いることによって高測定深度での測定を行うための方法並びに装置を提供することができる。
【0007】
例えば、方法及び装置の典型的な実施形態は、OFDIにおいて深度及び周波数エンコーディングを用いて測定深度を伸長させる技術を利用することができる。この典型的な技術は、例えば、2個(N個)の異なるレファレンスアーム中の2個(N個)の音響光学周波数偏移器(acousto‐optic frequency shifter)を用いて、検出シグナル中に2個(N個)の一定の周波数偏移を提供することができる。光路差により、測定深度を2個(N個)のセクションに分割することができ、ここで、各セクションを異なる周波数によってエンコードすることができる。
【0008】
振幅及び位相の測定を用いて、サンプルである血流、及び混濁又は散乱媒体中のその他の動きのプロファイル反射率(profile reflectivity)を測定することができ、経時的な又は横軸方向の位置の関数としての物質の光学厚さのモニタリングを行うこともでき、並びにサンプルの複屈折を測定することもできる。本発明に従う装置及び方法の典型的な実施形態は、上記の測定方法における測定深度を伸長させるために用いることができる。この典型的な実施形態では、OFDIシステムを変形して、例えば、各イメージが異なる周波数によってエンコードされる2個(N個)の異なるセクションにて、サンプルの2個(N個)のイメージを同時に取得することができる。
【0009】
従って、本発明に従う装置の典型的な実施形態が提供される。例えば、典型的な装置は、少なくとも一つの第一の電磁放射線をサンプルに提供し、少なくとも一つの第二の電磁放射線を第一のレファレンスに提供し、少なくとも一つの第三の電磁放射線を第二のレファレンスに提供する、少なくとも一つの第一の機構を含むことができる。第一の機構によって提供される放射線の周波数は、通常、時間と共に変化する。典型的な装置は、第一の電磁放射線に付随する少なくとも一つの第四の電磁放射線と第二の放射線に付随する少なくとも一つの第五の電磁放射線との間の第一の干渉を検出するように構成される少なくとも一つの第二の機構も含むことができる。第二の機構も、第一の電磁放射線に付随する少なくとも一つの第六の電磁放射線と第三の放射線に付随する少なくとも一つの第七の電磁放射線との間の第二の干渉を検出するように構成される。
【0010】
本発明の別の典型的な実施形態によると、第一のレファレンスの光路長は、第二のレファレンスの光路長と実質的に異なっていてもよい。第一のレファレンスの光路長と第二のレファレンスの光路長との間の差は、500μm超であってよい。さらに、第一のレファレンスは、第二の電磁放射線の周波数を偏移させるさらなる機構を有していてよい。さらに、第一のレファレンスは、第三の電磁放射線の周波数を偏移させるさらなる機構を有していてよい。
【0011】
本発明のさらに別の典型的な実施形態によると、第二の電磁放射線の周波数の偏移の大きさは、第三の電磁放射線の周波数の偏移の大きさと異なっていてよい。第一の電磁放射線は、中心周波数が時間と共に実質的に連続的に、ミリ秒あたり100テラヘルツを超える同調速度で変化するスペクトルを有していてよい。
【0012】
本発明のこれらの、及びその他の目的、特徴、及び利点は、以下に示す本発明の実施形態の詳細な説明を読むことで明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
本発明のさらなる目的、特徴、及び利点は、本発明の説明のための実施形態を示す添付の図面と合わせて、以下に示す詳細な説明から明らかとなるであろう。
【0014】
【図1A】従来のスペクトル領域OCTシステムの概略図である。
【図1B】従来のOFDIシステムの概略図である。
【図1C】直交干渉シグナルの測定によって測定深度を伸長するための従来のOFDIシステムの概略図である。
【図1D】コヒーレンス長の両側を用いることによって測定深度を伸長するための従来のOFDIシステムの概略図である。
【図2A】深度及び周波数エンコーディング技術の典型的な実施形態を実施する、本発明に従うシステムの典型的な実施形態の典型的な操作を示す概略図である。
【図2B】同じ周波数にマッピングされた(mapped)2種類の深度によって生ずる典型的なクロストークのプロットを示す図である。
【図3】典型的な深度及び周波数エンコーディング技術を用いる本発明に従うシステムの別の典型的な実施形態を示すブロック図である。
【図4】図4(a)乃至図4(d)は、Aラインレート(A‐line rate)及び周波数間隔による、(a,b)SIR1及び(c,d)SIR2の変化のプロットを示す図である。
【図5】異なる同調速度に対する最小SIRのプロットを示す図である。
【図6】全測定深度にわたっての校正部分反射体(calibrated partial reflector)(サンプル)の移動による典型的なシグナルパワーの変化のプロットを示す図である。
【図7】図7(a)は、25及び50MHzの周波数偏移によりエクスビボで得られたヒト大動脈組織の典型的なOFDIイメージの側面図であり、この典型的なイメージは、縦1492×横500ピクセルから成り、深度及び周波数エンコーディング技術により測定深度が10mmへ伸長された。図7(b)は、図7(a)のヒト大動脈組織のエクスビボでの典型的なOFDIイメージの端面図である。
【図8】本発明に従う技術の典型的な実施形態を適用する前の組織の典型的なイメージ、及び典型的な技術の適用後のその典型的なイメージの図である。
【0015】
図面全体を通して、特に断りのない限り、図示した実施形態の特徴、要素、成分、又は部分などは同じ符号を用いて表す。さらに、図面を参照して本発明を詳細に説明するが、それは、説明のための実施形態と関連させて行う。本発明の正しい範囲及び趣旨から逸脱することなく、説明される実施形態に対して変形及び変更を行うことが可能であることを意図している。
【発明を実施するための形態】
【0016】
典型的な実施形態の詳細な説明
従来のODFIシステムは、深度に対する関数としての反射率の振幅及び位相に基づいてイメージを形成することができる。このOFDIシステムでは、最大測定深度は、通常、レーザー光源の瞬間的なライン幅(コヒーレンス長)によって制限され、それは、ゼロ深度をサンプル表面に合わせることにより、コヒーレンス範囲の片側を用いて正の深度と負の深度との間の不明瞭さを回避するからである。正の深度と負の深度との間の不明瞭さを回避し、測定深度を伸長させるためのその他の方法が議論されており:I)図1(c)に示す直交干渉シグナルの測定、又はII)図1(d)に示すコヒーレンス範囲の両側の使用である。一つ目の手法は、重なり合ってしまうはずの正の深度及び負の深度に関連するイメージを展開(unfold)するが、安定した直交シグナルを作り出すことが難しいことから、残留アーチファクト(residual artifact)を残す傾向にある。二つ目の手法は、有効測定深度を2倍に伸長することができる。
【0017】
本発明の典型的な実施形態によると、有効測定深度をN倍に伸長させるための方法及び装置を提供することができる。N個の異なる周波数偏移をN個の異なるレファレンスアームに適用して、検出シグナル中にN個の一定の周波数偏移を提供する。光路差により、測定深度がN個のセクションに分割され、ここで、各セクションが異なる周波数によってエンコードされる。図2(a)は、深度及び周波数エンコーディングの設定の概略図である。ガウシアン型のコヒーレンス関数(Gaussian coherence function)を仮定すると、フリンジの視感度(fringe visibility)は光路差がゼロの点で最大値となり、光路差が増加するに従って減少する。コヒーレンス長lcは、光路差ゼロの点の周囲の深度を示し、ここで、視感度は0.5まで低下し、従って、SNRは6dB低下する。提案する技術では、互いに対してバイアスをかけられた(Δz)N個のレファレンスアームを用いることで、サンプル内部の光路差ゼロの点(深度)の数は、N倍(点A1及びAN)に増加する。図2(a)の例に示すように、一つの周波数偏移器で、単一のコヒーレンス領域のみを用いることができる。しかし、サンプルをN個のセクションに分割し、各セクションを周波数分割多重化することにより、N個のコヒーレンス領域を用いることができる。
【0018】
この典型的な技術により、従来のOFDIシステムの有効測定深度をN倍伸長することができる一方、画質を低下させ得る要因が二つあり、それは:I)異なる周波数でエンコードされた隣接するイメージ間のクロストーク(干渉)、及びII)周波数、
【数1】
に対応する特定の深度と、式(5)の第三項との間のクロストークであり、ここで、Δλ、λ0、及びTは、光源同調範囲、中心波長、及び同調周期である。
【0019】
周波数領域におけるOFDIの説明
典型的なフーリエ領域OCTシステム及び方法は、一般に、干渉計の二つのアーム間の干渉を用いて、混濁、半混濁、又は透明媒体中の深度に依存する反射を測定する。入力光源は、レファレンスアーム及びサンプルアームに分割される。サンプルアーム中の光は、イメージ化すべきサンプルへ向けられ、サンプルからの反射は出力カップラーの第一のポートに誘導される。レファレンスアーム光は、同じ出力カップラーの第二のポートに誘導される。ビーム間のスペクトル干渉は、干渉計の出力パワーを波数(又は時間)の関数として記録することによって測定される。検出される平衡電流は:
【数2】
として表すことができ、ここで、η、Pr(t)、Ps(t)、R(z)、G(|zr−z|)、k(t)、φz、及びΔz=zr−zは、検出器の量子効率、レファレンスアームの光パワー、サンプルアームの光パワー、サンプル反射率のプロファイル、フリンジ視感度に対応するコヒーレンス関数、波数、位置zにおける反射の位相、並びにレファレンスアームと位置zの散乱体との間の光路差である。出力波数が時間に対して直線的に同調されたと仮定すると、すなわち、k(t)=k0−kltであり、ここで、k=2π/λは波数、λは光波長、tは−T/2からT/2にわたる時間、及びTは同調周期、又は言い換えると、Aライン周期(A‐line period)である。さらに、
【数3】
で与えられるガウシアン型同調包絡線(Gaussian tuning envelope)を仮定し、ここで、Pout(t)は光源の出力パワーを、σTは同調包絡線の半値全幅(FWHM)を表す。式(2)は、光源のガウシアン型スペクトル包絡線も表し、ここで、σklTは、波数のFWHM同調範囲に対応する。式(1)のtに関するフーリエ変換により、複素数値の深度プロファイル(Aライン)が得られる。
【0020】
【数4】
及びσ<1を仮定すると、積分範囲を[−∞,+∞]に近似することができ、これによって、
【数5】
が得られる。上記の式(3)で示されるように、散乱体の位置zでの後方散乱係数は、周波数、
【数6】
におけるシグナルの振幅によって与えられる。周波数成分間の干渉が±(zr−z)の深度に対応し、コヒーレンス関数(G(|z|))の両側の使用が制限される。
【0021】
OFDIにおける深度及び周波数エンコーディング
SD‐OCT及びOFDIのシステム並びに方法の典型的なFD‐OCT技術は、別々のスペクトル干渉i(k)を測定することができるが、この測定の実施方法が異なる。OFDIは、波長掃引光源及び単素子受光器(single‐element photoreceiver)(又は、一式の単素子受光器)を用いて、時間の関数としてi(k)を記録する。図3は、高速OFDIイメージングシステムの典型的な実施形態を示す。この典型的なシステムは、例えば、三つのモジュール:波長掃引光源85、干渉計90、及び取得用電子回路95、を含むことができる。波長掃引光源(以降、掃引光源と称する)は、利得素子としての半導体光増幅器(SOA)125、並びに多角形ミラー100、テレスコープ105、回折格子110、及びファイバーコリメーター113を含む多角形ミラーフィルター101を有するリングキャビティレーザー(ring‐cavity laser)として構築される。偏光制御器120を挿入して、レーザー偏光を最適化することができ、出力カップラー130がレーザー出力を提供する。出力カップラーは、公称上、出力ポート132とレーザーポート131の間で光を均等に分割することができる。光サーキュレータ115は、光をレーザーポート131から多角形ミラーフィルター101へ誘導し、及び多角形ミラーフィルター101からの戻り光を偏光制御器120へ誘導することができる。多角形ミラーが回転するため、多角形ミラーフィルター101からの反射波長は波長を掃引し、レーザー出力に同様な波長の掃引を引き起こす。
【0022】
132でのレーザー出力は、従って、時間と共に波長掃引することができる。この出力は、光をレファレンスアームポート135aとサンプルアームポート135bとに分割する干渉計カップラー135への入力である。カップラー165は、レファレンスアーム光を分割する。出力165aからの光は、光をファイバーブラッグ格子(FBG)150へと通過させる第二のサーキュレータ145へ誘導される。FBGは、光源の波長掃引範囲内の個別の波長における狭帯域反射を有する。光源がこの反射波長を過ぎて同調されると、反射光パルスが発生する。このパルスは、サーキュレータ145によって受光器155へと誘導され、その後、160によってTTLパルスへ変換される。このTTLパルスは、データ取得電子回路200に対するトリガーシグナルとして用いられる。出力ポート165bからの光は、可変光遅延器210へ光を誘導する第三のサーキュレータに誘導される。この可変光遅延器を用いて、干渉計に対する光路合わせ(path‐match)が行われる。戻り光は、サーキュレータ170によって入力カップラー220の第一のポート220aへ誘導される。出力カップラー220のN番目のポート220Nにおける光は、偏光制御器225N及び周波数偏移器230Nへ周波数fsNで、並びに偏光器235Nへ誘導される。レファレンスアームの周波数偏移器230Nは、DAQサンプルクロック出力204から誘導されるライン203を伝送されるシグナルを通して作動される。
【0023】
この出力クロックは、「Nで除算する」というデジタル論理回路201を用いることで周波数が下方偏移され、得られたシグナルは増幅器及びフィルターステージ202を通って、ライン203上に単一周波数(single tone)を形成する。周波数偏移器に対する作動シグナル(drive signal)がDAQサンプルクロック出力によって作動されるため、周波数偏移の位相は、サンプルクロックと同期しており、従って、さらなる位相ノイズを誘発することはない。次に、光は、偏光制御器204N及び入力カップラー245のN番目のポート245Nへ誘導される。N個の周波数偏移光はすべて、出力カップラー245の第一のポート245で結合され、入力カップラー250の第一のポート250aへ誘導される。入力カップラー220のi番目のポート220iと入力カップラー245のi番目のポート245iとの間の光路差をLiと仮定することにより、LiとLjとの差を4*(N−M)*Lcと設定し、ここで、Lcは、光源のコヒーレンス長である。ポート135bにおけるサンプルアーム光は、ファイバー206上の光をイメージ化されるべきサンプルへ誘導する第四のサーキュレータ205に誘導される。イメージングオプティクス(imaging optics)215は、光の焦点をサンプル上に合わせ、ビーム変換を提供する。
【0024】
サンプルからの反射光は、同じファイバー206で収集し、サーキュレータ205へ戻され、光はそこから、周波数偏移器及び入力カップラー250の第二のポート250bへ誘導される。作動しないこの周波数偏移器を用いて、作動する周波数偏移器の散乱が補償される。出力カップラー250の第一のポート250c及び250dで結合されたサンプルアーム光及びレファレンスアーム光は、それぞれ、偏光制御器260及び270、並びに偏光ビームスプリッタ280及び290へ誘導される。偏光制御器240iを調節することにより、偏移光の偏光状態が、偏光ビームスプリッタ280及び290の入力ポートにて互いに平行となる。偏光制御器260及び270を調節することにより、N番目のレファレンスアームパワーに対応する出力カップラー250のパワーは、出力偏光ビームスプリッタ280及び290の第一並びに第二のポート、280a、280b、290a、及び290bに均等に分割される。レファレンスアーム光及びサンプルアーム光は、出力偏光ビームスプリッタ280及び290の第一並びに第二のポート、280a、280b、290a、及び290bにて干渉する。出力偏光ビームスプリッタ280の第一のポート280a、及び出力偏光ビームスプリッタ290の第一のポート290aにおける干渉シグナルは、それぞれ、受光器295a及び295bで検出される。
【0025】
出力偏光ビームスプリッタ280の第二のポート280b、及び出力偏光ビームスプリッタ290の第二のポート290bにおける干渉シグナルは、それぞれ、受光器300a及び300bで検出することができる。受光器295a及び295bからのシグナルは、減じられ、データ取得(DAQ)ボード200のアナログ‐デジタル(A2D)入力ポートへ向けて誘導される。受光器300a及び300bからのシグナルは、減じられ、データ取得(DAQ)ボードのアナログ‐デジタル(A2D)入力ポートへ向けて誘導される。DAQボード200は、n個(nは所定の値)のサンプルをクロックレートfclで取得する。クロックシグナルは、DAQボード200の内部で作り出される。TTLパルス発振器160からのトリガーシグナルは、FBG150によって作られた光パルスから発生するものである。
【0026】
i∈{1,...N}であるレファレンスアーム1100iにおける周波数偏移がf1,...,fi...,fN、及び干渉計光路長差(又は深度)がzr1−z、zr2−z、zrN−zの場合、受光器295及び300の出力におけるシグナルは:
【数7】
【数8】
として表すことができる。式(5)は、サンプルの反射プロファイルがN個の異なる周波数偏移にてエンコードされ、一方、N個の干渉計のゼロ深度が、f1,...,fNに対応することを示す。式(5)の第三項は、N個のレファレンスアームシグナル間のうなりを表す項(beat term)である。
【0027】
シグナル対干渉比(SIR)
エンコードされた二つの隣接するイメージ間のクロストークは、感度及び測定深度の劣化を引き起こす。しかし、周波数偏移間の適切な間隔によってクロストークを回避することができる。図2(b)に示すように、同じ周波数範囲へマッピングされた二つの深度がクロストークを引き起こし得る。二つの周波数偏移に対して、図3に示す理論上の結果は、必要なSIRに対する適切な周波数間隔は、Aラインレートに依存することを示す(クロストークがノイズの存在下での支配的な条件であると仮定)。図4(a)、(b)、(c)、及び(d)は、種々の周波数間隔及びAラインレートに対する深度によるSIRの変化を示す。SIR1及びSIR2は、対応するゼロ深度近辺(zr1、zr2)の二つのセクションのシグナル対干渉比である。Aラインレートが上昇すると、SIRは低下する。例えば、周波数間隔50MHzにおいて、同調速度が75KHzから50KHzに低下すると、SIR1は、ゼロ深度において約30dB上昇する。さらに、所定のAラインレートに対して周波数間隔が増加すると、各深度でのSIRは上昇する。
【0028】
好ましいSIRに対する適切な周波数間隔は、Aラインレートだけでなく、コヒーレンス長にも依存し得る。図2(b)に示すように、SIRは、コヒーレンス長が増加すると、上昇する。理論上の、シミュレーションの、及び実験の結果において、光源の瞬間的なコヒーレンス長及びΔzは、それぞれ、2.5mm及び5mmであると仮定する。図5は、種々の同調速度及び周波数間隔(25MHz及び50MHz)に対する最小SIRを示す。図6のシミュレーションの結果は、サンプルアームにおいて種々の深さ位置で校正部分反射体を用いることによるシグナルパワー対深度を示す。レンズ及びサンプルを移動させることができ、それによって、サンプルの反射プロファイルを−5mmから5mmまで均一とした。各深度で取得されたサンプルデータは、マッピング及びデチャーピング(dechirping)処理を行うことができる。全深度を通しての最小SIRは、Aラインレート25KHz、周波数間隔50MHz、コヒーレンス長2.5mm、及び同調範囲100nmでOFDIシステムを用いることにより、60dB超とすることができる。
【0029】
典型的な処理手順
光源の同調周波数の非線形性により、一定深度でのシグナルのチャーピングが発生し、距離分解能(axial resolution)の劣化を引き起こす。周波数偏移及びゼロパディングに基づく典型的な補間法の改良を行って、トランスフォームリミットに近い(nearly transform limited)距離分解能を全測定深度にわたって達成することが可能である。そのような典型的な機能を実行するための手順の典型的な実施形態を図9に示す。
【0030】
特に、図9に示すように、光源の各波長掃引の間に、均一な時間間隔でシグナルのP個のサンプルが得られる(手順910)。次に、P個のデータポイントのDFTが電気的周波数領域(electrical frequency domain)内で決定される(手順920)。さらに、2P個の周波数帯が、正の深度及び負の深度のそれぞれに対応して、周波数偏移fi∈{f1,......,fN}の上下で分割される(手順930)。各周波数帯は、深度ゼロが電気的周波数ゼロに合うように偏移することができる(手順940)。さらに、ゼロパディングを各周波数帯に適用し、逆数(inverse)を算出することができ、それにより、各周波数帯に対して、より狭い時間間隔で時間領域内において数が増加したサンプルのアレイが得られる(手順950)。ゼロの数は、必要である測定深度に基づいて決定することができる。時間領域内の各アレイは、線形補間で光源の非線形性に対して校正されたマッピング機能を用いて、均一なν空間(νspace)内へ補間することができる(手順960)。次に、各補間されたアレイのDFTを決定することができる(手順970)。さらに、2P個のアレイ(例:イメージ)を、アレイインデックス(array index)を偏移させることによって組み合わせることができる(手順980)。
【0031】
DFE OFDIの典型的なアプリケーション
さらなる典型的な実施形態では、DFE‐OFDIシステムを用いて、血管内をイメージ化することができる。測定深度を伸長させたイメージングが可能なデバイスを図7に示す。光学プローブ310がアレイ320内部に配置され、イメージングビーム330がプローブの側面から発光される。プローブを動脈内へ移動させると、イメージングビーム330は、二つの異なる点A及びBで動脈320に衝突する。DFE‐OFDIは、A及びBで動脈をイメージ化することができ、一方、そのイメージは、異なる周波数でエンコードされる。端面図は、DFE‐OFDIが測定深度を伸長させることができる様子を示す。
【0032】
当業者であれば、実施形態の一つをその他の実施形態と組み合わせて用いることにより、測定深度が伸長されるDFE‐OFDIシステムを構築することができることは理解することができる。
【実施例】
【0033】
本発明に従う方法の典型的な実施形態を、以下の実験により、研究室で確認した。
【0034】
図1(a)は、二つの音響光学的周波数偏移器(25MHz及び50MHz)を用いた従来のOFDIシステムの実験設定を示す。掃引レーザーを構築して、1240nm乃至1357nmの117nmの同調範囲を提供した。レーザーは、12.5KHz、25KHz、及び50KHzのレートで作動させ、それによって、15872、7936、3968のサンプルを取得することができた(サンプリングレートは最大周波数偏移の約4倍)。ガルバノミラー及びイメージングレンズを有するプローブにより、2mmのコンフォーカルパラメータで1/e2直径40μmの焦点をサンプル上に形成した。深度及び周波数でエンコードされたOFDIシステムにより、ヒト大動脈のイメージをAラインレート12.5KHzにてエクスビボで取得した。このイメージを、上述のマッピングアルゴリズムを用いて再構築した。組織表面をプローブビーム軸に対して角度を持たせて配置し、レファレンスミラーを、それらの間の光路差が5mmとなるように配置した。サンプルレンズを、光の焦点が組織の5mm内部、イメージの中心で合うように構成した。図7(a)は、正及び負の深度の不明瞭さを解決するために、25MHzで単一の周波数偏移器を用いた場合の大動脈イメージを示す。図7(b)は、深度及び周波数エンコーディング後の同じイメージを示す。イメージの左側を25MHzで、右側を50MHzの周波数でそれぞれエンコードした。測定深度は、単一の周波数偏移器の場合と比べて2倍に伸長した。
【0035】
上述の内容は、本発明の原理を説明するだけのものである。説明した実施形態に対する種々の変更及び変形は、本明細書の開示事項に照らして、当業者には明らかであろう。実際、本発明の典型的な実施形態に従う機構、システム、及び方法を、いずれかのOCTシステム、OFDIシステム、スペクトル領域OCT(SD‐OCT)システム、又はその他のイメージングシステムと共に、並びに、例えば、その開示事項全体が参照することで本明細書に組み入れられる2004年9月8日出願の国際特許出願第PCT/US2004/029148号、2005年11月2日出願の米国特許出願第11/266,779号、及び2004年7月9日出願の米国特許出願第10/501,276号に記載のシステムと共に用いることができる。従って、当業者であれば、本明細書で明白に示したり説明したりはしてはいないが、本発明の原理を具体化し、従って、本発明の趣旨及び範囲に含まれる数多くのシステム、機構、及び方法を考案することができることは、理解されるであろう。さらに、上記で先行技術の知見が参照することで本明細書に明白に組み入れられていない範囲において、それはその全てが本明細書に明白に組み入れられている。本明細書において上記で参照したすべての刊行物は、その全体が参照することで本明細書に組み入れられる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一つの第一の電磁放射線をサンプルに提供し、少なくとも一つの第二の電磁放射線を第一のレファレンスに提供し、少なくとも一つの第三の電磁放射線を第二のレファレンスに提供する、少なくとも一つの第一の機構であって、ここで、該少なくとも一つの第一の機構によって提供される放射線の周波数は、時間と共に変化する、少なくとも一つの第一の機構と;
(i)少なくとも一つの第一の電磁放射線に付随する少なくとも一つの第四の電磁放射線と少なくとも一つの第二の放射線に付随する少なくとも一つの第五の電磁放射線との間の第一の干渉、及び、
(ii)少なくとも一つの第一の電磁放射線に付随する少なくとも一つの第六の電磁放射線と少なくとも一つの第三の放射線に付随する少なくとも一つの第七の電磁放射線との間の第二の干渉、
を検出する少なくとも一つの第二の機構と、
を含む装置。
【請求項2】
前記の第一のレファレンスの光路長が、前記の第二のレファレンスの光路長と実質的に異なる、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記の第一のレファレンスの光路長と前記の第二のレファレンスの光路長との差が、500μm超である、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記の第一のレファレンスが、前記の少なくとも一つの第二の電磁放射線の周波数を偏移させる機構をさらに有する、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記の第一のレファレンスが、前記の少なくとも一つの第三の電磁放射線の周波数を偏移させる追加的な機構を有する、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記の少なくとも一つの第二の電磁放射線の周波数の偏移の大きさが、前記の少なくとも一つの第三の電磁放射線の周波数の偏移の大きさと異なる、請求項4に記載の装置。
【請求項7】
前記の少なくとも一つの第一の電磁放射線が、中心周波数が時間と共に実質的に連続的に、ミリ秒あたり100テラヘルツを超える同調速度で変化するスペクトルを有する、請求項1に記載の装置。
【請求項1】
少なくとも一つの第一の電磁放射線をサンプルに提供し、少なくとも一つの第二の電磁放射線を第一のレファレンスに提供し、少なくとも一つの第三の電磁放射線を第二のレファレンスに提供する、少なくとも一つの第一の機構であって、ここで、該少なくとも一つの第一の機構によって提供される放射線の周波数は、時間と共に変化する、少なくとも一つの第一の機構と;
(i)少なくとも一つの第一の電磁放射線に付随する少なくとも一つの第四の電磁放射線と少なくとも一つの第二の放射線に付随する少なくとも一つの第五の電磁放射線との間の第一の干渉、及び、
(ii)少なくとも一つの第一の電磁放射線に付随する少なくとも一つの第六の電磁放射線と少なくとも一つの第三の放射線に付随する少なくとも一つの第七の電磁放射線との間の第二の干渉、
を検出する少なくとも一つの第二の機構と、
を含む装置。
【請求項2】
前記の第一のレファレンスの光路長が、前記の第二のレファレンスの光路長と実質的に異なる、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記の第一のレファレンスの光路長と前記の第二のレファレンスの光路長との差が、500μm超である、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記の第一のレファレンスが、前記の少なくとも一つの第二の電磁放射線の周波数を偏移させる機構をさらに有する、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記の第一のレファレンスが、前記の少なくとも一つの第三の電磁放射線の周波数を偏移させる追加的な機構を有する、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記の少なくとも一つの第二の電磁放射線の周波数の偏移の大きさが、前記の少なくとも一つの第三の電磁放射線の周波数の偏移の大きさと異なる、請求項4に記載の装置。
【請求項7】
前記の少なくとも一つの第一の電磁放射線が、中心周波数が時間と共に実質的に連続的に、ミリ秒あたり100テラヘルツを超える同調速度で変化するスペクトルを有する、請求項1に記載の装置。
【図1A】
【図1B】
【図1C】
【図1D】
【図2A】
【図2B】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図1B】
【図1C】
【図1D】
【図2A】
【図2B】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【公表番号】特表2010−517017(P2010−517017A)
【公表日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−546534(P2009−546534)
【出願日】平成20年1月18日(2008.1.18)
【国際出願番号】PCT/US2008/051432
【国際公開番号】WO2008/089406
【国際公開日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【出願人】(592017633)ザ ジェネラル ホスピタル コーポレイション (177)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年1月18日(2008.1.18)
【国際出願番号】PCT/US2008/051432
【国際公開番号】WO2008/089406
【国際公開日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【出願人】(592017633)ザ ジェネラル ホスピタル コーポレイション (177)
【Fターム(参考)】
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