説明

光学ガラス、プレス成形予備体および光学部品

【課題】高温成形性に優れ、精密プレス成形に好適なプレス成形予備体を与えることができる高屈折率・低分散特性を有する光学ガラスを提供する。
【解決手段】必須成分として、B23、La23、Gd23およびZnOを含むとともに、鉛およびフッ素を実質上含まず、かつ屈折率が1.72〜1.83、アッベ数が45〜55、ガラス転移温度が630℃以下および液相温度における粘度が0.6Pa・s以上である光学ガラス、並びにモル%表示で、B23 45〜65%、La23 5〜22%、Gd23 1〜20%(ただし、La23とGd23の合計含有量が14〜30%)、ZnO 5〜30%、SiO2 0〜10%、ZrO2 0〜6.5%およびSb23 0〜1%を含むとともに、鉛およびフッ素を実質上含まず、かつ屈折率が1.72〜1.83およびアッベ数が45〜55の光学ガラスである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学ガラス、プレス成形予備体、光学部品並びにプレス成形予備体の製造方法およびプレス成形品、特に光学部品の製造方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、B23−La23−Gd23−ZnO系の高屈折率・低分散光学ガラス、この光学ガラスからなるプレス成形予備体および光学部品、並びに精密プレス成形に好適なプレス成形予備体を製造する方法と該プレス成形予備体をプレス成形してプレス成形品、特に光学部品を効率よく製造する方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、デジタルカメラの登場により光学系を使用する機器の高集積化、高機能化が急速に進められる中で、光学系に対する高精度化、軽量・小型化の要求もますます強まっており、この要求を実現するために、非球面レンズを使用した光学設計が主流となりつつある。このため、高機能性ガラスを使用した非球面レンズを低コストで大量に安定供給するために、プレス成形で直接に光学面を形成し、研削・研磨工程を必要としないモールド成形技術が注目され、モールド成形に適した高機能性、例えば、高屈折率かつ低分散を示す光学ガラス(以下、高屈折率・低分散光学ガラスという。)に対する要求が年々増えつづけている。
【0003】
ところで、従来の高屈折率・低分散光学ガラスは、いずれも化学的耐久性、耐熱失透性、プレス成形性の向上に重点がおかれたものであり、プレス素材のガラスを再加熱してプレス成形する場合に必要とされるプレス成形予備体を高温成形、すなわち溶融ガラスを所定量とり、冷却しきらないうちにプレスに適した形状に成形する際に重要な要素となる高温成形性について、何の配慮もなされていないのが現状である。特に屈折率(nd)が1.72以上であり、アッベ数(νd)が45以上のような高屈折率・低分散光学ガラスはプレス成形予備体の高温成形が難しく、高屈折率・低分散光学ガラスからなる精密プレス非球面レンズ作製の障害となっている。これらは、B23、La23を主成分とする高屈折率・低分散光学ガラスが、高い液相温度を示すか、あるいは低い高温粘性を示すため、プレス成形予備体の高温成形性の悪化を招き、重量精度など高精度のプレス成形予備体の作製が困難であることによる。
【0004】
23およびLa23を主成分とする光学ガラスとして、特許文献1に開示されたものが知られている。この光学ガラスは屈折率(nd)が1.68〜1.80、アッベ数(νd)が44〜53、屈伏点が630℃以下の性状を有するものである。しかしながら、この光学ガラスは、モールド成形中に多量のガラスの組成成分が揮発することなく、化学的耐久性、失透に対する安定性に優れ、かつ環境汚染のないものを提供することを目的とするものであって、プレス成形予備体について、ましてやその高温成形性についてはなんら言及されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平8−26765号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、このような事情のもとで、高温成形性およびプレス成形性に優れた高屈折率・低分散光学ガラス、前記光学ガラスからなるプレス成形予備体およびその製造方法、並びに前記プレス成形予備体を使用する精密プレス成形品の製造方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、特定のガラス成分を含み、かつ屈折率、アッベ数、ガラス転移温度および液相温度における粘度が所定の範囲にある光学ガラス、あるいは特定のガラス組成を有し、かつ屈折率およびアッベ数が所定の範囲にある光学ガラスにより、その目的を達成しうることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本発明は、
(1)必須成分として、B23、La23、Gd23およびZnOを含むとともに、鉛およびフッ素を実質上含まず、かつ屈折率(nd)が1.72〜1.83、アッベ数(νd)が45〜55、ガラス転移温度(Tg)が630℃以下および液相温度における粘度が0.6Pa・s以上であることを特徴とする光学ガラス(以下、光学ガラスIと称す。)、
(2)モル%表示で、B23 45〜65%、La23 5〜22%、Gd23 1〜20%(ただし、La23とGd23の合計含有量が14〜30%)、ZnO 5〜30%、SiO2 0〜10%、ZrO2 0〜6.5%およびSb23 0〜1%を含むとともに、鉛およびフッ素を実質上含まず、かつ屈折率(nd)が1.72〜1.83およびアッベ数(νd)が45〜55であることを特徴とする光学ガラス(以下、光学ガラスIIと称す。)、
【0009】
(3)上記光学ガラスIまたは光学ガラスIIからなるプレス成形予備体、
(4)上記光学ガラスIまたは光学ガラスIIからなる光学部品、
(5)所定量の溶融ガラスからガラス塊を作製し、このガラス塊を用いて上記光学ガラスIまたは光学ガラスIIからなるプレス成形予備体を成形することを特徴とするプレス成形予備体の製造方法、
(6)上記(3)のプレス成形予備体または(5)の方法により成形されたプレス成形予備体を再加熱し、プレス成形することを特徴とするプレス成形品の製造方法、および
(7)上記(6)の方法により、光学部品を成形することを特徴とする光学部品の製造方法、
を提供するものである。
【発明の効果】
【0010】
以上のように、本発明によれば、高温成形性及び精密プレス成形性の優れた高屈折率・低分散特性を有する光学ガラス及び前記光学ガラスよりなる光学部品を提供することができる。
また、本発明によれば、プレス成形予備体を上記光学ガラスによって構成することによって精密プレス成形に好適なプレス成形予備体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】実施例で使用した精密プレス成形装置の1例の概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の光学ガラスは、高屈折率・低分散特性を有し、プレス成形、特に精密プレス成形によってレンズなどの光学部品を作製するガラス材料として優れている。ここで言う高屈折率・低分散特性とは、屈折率(nd)が1.72以上かつアッベ数(νd)が45以上の光学特性を意味し、ガラスの精密プレス成形とは、所定形状のキャビティを有する成形型を用いて再加熱されたプレス成形予備体を加圧成形することにより、最終製品形状、又はそれに極めて近い形状及び面精度を有するガラス成形品を得る手法を意味する。精密プレス成形によれば所望形状の成形品を高い生産性のもとに製造することが可能である。そのため、現在では球面レンズ、非球面レンズ、回折格子など、種々のガラス製の光学部品が精密プレス成形によって製造されている。精密プレス成形では、プレスに使用される成形型が高温高圧状態に曝される。このため、精密プレス成形に使用されるガラスには、プレス成形時の高温環境によって成形型自体や当該成形型の成形面に設けられている離型膜の損傷を抑制するという観点から、ガラスの転移温度(Tg)や屈伏点温度(Ts)をなるべく低くすることが望まれている。
【0013】
本発明の光学ガラスには、このような要求を満たすものとして、2つの態様、すなわち光学ガラスIおよびIIがある。
まず、光学ガラスIについて説明する。
本発明の光学ガラスIは、必須成分として、B23、La23、Gd23およびZnOを含むとともに、鉛およびフッ素を実質上含まず、かつ屈折率(nd)が1.72〜1.83、アッベ数(νd)が45〜55、ガラス転移温度(Tg)が630℃以下および液相温度における粘度が0.6Pa・s以上のものである。
【0014】
上記ガラス転移温度(Tg)が630℃を超えるとプレス成形時において、成形型自体や当該成形型の成形面に設けられている離型膜を損傷するおそれがある。転移温度(Tg)の下限については特に制限はないが、通常400℃以上である。
この光学ガラスIにおいては、屈折率(nd)は1.74〜1.80、アッベ数(νd)は45〜52の範囲が好ましく、液相温度は、好ましくは1050℃以下、より好ましくは1030℃以下である。
【0015】
プレス成形予備体の製造法としては、溶融、清澄、攪拌均一化された溶融ガラスから直接、成形予備体を作製する方法が極めて生産性に優れている。このようにプレス成形予備体(ガラスプリフォーム、ガラスゴブなどと呼ばれることがある。)を熱間成形する方法では、液相温度(LT)が高いとガラスが失透しやすくなり、量産性に劣るため、液相温度をなるべく低くした方が望ましい。さらに、このような精密プレス用予備体を精密かつ均一に製造するためには、ガラスの液相温度における粘度は、0.6Pa・s以上が必要であり、好ましくは0.7Pa・s以上、より好ましくは0.8Pa・s以上である。
【0016】
従来の精密プレス成形用光学ガラスでは、ガラスに高屈折率・低分散特性を付与しようとすると、液相温度が高くなったり、熱的な安定性が悪化したり、プレス成形予備体成形時に失透しやすくなる。
【0017】
本発明者らは、高屈折率・低分散光学ガラスのプレス成形予備体の成形について鋭意研究を重ねた結果、液相温度における粘度が0.6Pa・s以上となる光学ガラスであれば、量産性の優れた熱間成形法によりプレス成形予備体を製造できることを見出し、上記光学恒数ならびに高温粘性条件を同時に満たすB23−La23−Gd23−ZnOを必須成分とする光学ガラスを発明した。
【0018】
プレス成形予備体(以下、プリフォームと称すことがある。)の熱間成形法は、例えば、溶融、清澄、攪拌の工程を経て、均質で泡を含まない溶融ガラスを作製し、この溶融ガラスをプリフォーム形状に成形するものである。具体的には、この溶融ガラスをパイプの流出口から流出させ、流出する溶融ガラスが所定の量になったときに、流出した溶融ガラスの先端部分が分離するように、あるいは溶融ガラスを切断して、分離したガラスをプリフォーム形状に成形し、冷却してプリフォームを得る。流出した溶融ガラスの先端部分を分離する方法としては、溶融ガラスをパイプ流出口より滴下させる方法(滴下法)、溶融ガラス先端部分を支持体により支持した後、支持体を溶融ガラスの流出スピードよりも速いスピードで降下させる方法(降下切断法)などがある。溶融ガラスの流出に使用されるパイプとしては、白金または白金合金が望ましい。溶融ガラスを上記のようにパイプから流出してプリフォームを熱間成形するためには、溶融ガラスがパイプから円滑に流出すること、上記分離方法により所定量のガラスを分離することが可能なこと、溶融ガラスの流出温度でガラスが失透しないこと、ガラスの流出温度が上記パイプの耐熱温度未満であることが要求される。そのための条件としては、ガラスの液相温度における粘度が0.6Pa・s以上であり、0.7Pa・s以上が好ましく、特に0.8Pa・s以上が好ましい。白金又は白金合金のパイプの耐熱温度が1100℃付近であることから、1100℃におけるガラスの粘度が4Pa・s以下であることが望ましい。
【0019】
次に、本発明の光学ガラスIIについて説明する。
前記特性は、B23−La23−Gd23−ZnOを必須成分とする光学ガラスの組成を調整することで達成することができる。すなわち、本発明の光学ガラスIIは、モル%表示で、B23 45〜65%、La23 5〜22%、Gd23 1〜20%(ただし、La23とGd23の合計含有量が14〜30%)、ZnO 5〜30%、SiO2 0〜10%、ZrO2 0〜6.5%およびSb23 0〜1%を含むとともに、鉛およびフッ素を実質上含まず、かつ屈折率(nd)が1.72〜1.83およびアッベ数(νd)が45〜55を有するものである。
【0020】
この光学ガラスIIは、毒性のため環境に悪影響を与えるとともに、非酸化性ガス雰囲気中でのプレス成形によって容易に還元され、金属として析出する鉛、さらにプリフォームの高温成形が困難なフッ素を実質上含有しない。つまり、前記両元素を不純物レベルの含有は別として、含有しない。
【0021】
さらに、目的とする高温成形性及び熱間成形性、光学特性を付与しつつ、ガラスとして安定したものにするためには、SiO2の含有量を0〜10モル%、ZrO2の含有量を0〜6.5モル%とする。Sb23は脱泡剤として使用可能な成分ではあるが、毒性を有するため、環境への影響を考慮して0〜1モル%とし、好ましくは0〜0.5モル%、より好ましくは0〜0.1モル%とするのがよい。また、As23も脱泡剤として使用することができるが、環境への影響を考慮して0〜0.1モル%程度とするのが好ましく、さらには使用しないことがより好ましい。
【0022】
次に、本発明の光学ガラスIIの組成について説明する。以下の組成範囲は、実験化学的に見出されたものである。
23は、ガラスの網目構造形成酸化物であり、本発明における必須成分である。特にLa23、Gd23などの高屈折率成分を多く導入すると、ガラスの安定性を保つため、B23の含有量を多くする必要があるが、65モル%を超えて導入すると、ガラスの屈折率が低下し、化学耐久性も悪化してしまうのに対し、45モル%未満ではガラスの失透傾向が増大し、安定性が低下してしまうので、その含有量を45〜65モル%とし、好ましくは47〜60モル%とするのがよい。
【0023】
La23は、ガラスの失透に対する安定性を低下させることなく、分散を高めず、屈折率を高くし、化学的耐久性を向上させる必須成分である。しかし、5モル%未満では上記効果が十分得られないのに対し、22モル%を超えると失透に対する安定性が低下し、ガラス転移温度も上昇して、プリフォームの熱間成形、精密プレス成形が難しくなるので、その含有量を5〜22モル%の範囲とし、好ましくは7〜20モル%とするのがよい。
【0024】
Gd23はLa23と同様、ガラスの失透に対する安定性や低分散特性を維持させつつ、ガラスの屈折率や化学耐久性を向上させる働きを有するほか、液相温度の低下と高温粘性の向上に大きく寄与する必須成分である。しかし、Gd23の含有量が1モル%未満では、上記効果が十分得られないのに対し、20モル%を超えると、失透に対する安定性が低下し、ガラス転移温度が上昇してプリフォームの熱間成形性、精密プレス成形性が低下してしまう。したがって、その含有量を1〜20モル%とし、好ましくは4〜15モル%とするのがよい。
【0025】
23−La23−Gd23−ZnO系光学ガラスにおいて、高屈折率(nd≧1.72)、低分散(νd≧45)の高機能性を付与するには、La23とGd23の合計含有量は14モル%以上が必要である。ただし、La23とGd23の合計含有量が30モル%より多くなると、ガラスの失透傾向が強くなり、高温粘性も低くなるので、プリフォームの熱間成形が難しくなる。したがって、La23とGd23の合計含有量を14〜30モル%とし、好ましくは14〜24モル%、より好ましくは15〜22モル%とするのがよい。
【0026】
ZnOは、ガラスの溶融温度や液相温度及び転移温度を低下させる働きを有するとともに、屈折率の調整にも欠かせない必須成分であるが、5モル%未満では、上記の期待された効果が十分得られないのに対し、30モル%を超えて導入すると、分散が大きくなり、失透に対する安定性、化学的耐久性も低下するので、その含有量を5〜30モル%とし、好ましくは8〜25モル%とするのがよい。
【0027】
SiO2はガラス網目構造の形成物で、主成分B23の代わりに少量添加すると、ガラスの液相温度を低下させ、高温粘性をも向上させるが、10モル%を超えて多く導入すると、ガラスの失透傾向が高まり、ガラス転移温度も高くなり、プリフォームの熱間成形性、精密プレス成形性が低下するので、その含有量を0〜10モル%とし、好ましくは0〜8モル%とするのがよい。
【0028】
ZrO2は高屈折率・低分散の成分として使われる。La23やGd23の一部の代わりに少量のZrO2を導入すると、ガラスの屈折率が低下せずに、分散特性や高温粘性や失透に対する安定性を改善する効果があるので、少量のZrO2の導入が望ましい。しかし、6.5モル%を超えて多く導入すると、液相温度が急激に上昇し、失透に対する安定性も低下するので、その含有量を0〜6.5モル%とし、好ましくは1〜6.5モル%とするのがよい。
Sb23については前述のとおりである。
【0029】
Li2Oは他のアルカリ成分に比べ、大幅な屈折率の低下と化学的耐久性の低下を伴うことが無く、ガラスの転移温度を大幅に低下させる成分である。特に少量で導入する場合、その効果が大きく、ガラスの熱的な物性を調整するための有効な成分である。しかし、10モル%より多く導入すると、ガラスの失透に対する安定性が急激に低下し、液相温度も上昇するので、その導入量は0〜10モル%とすることが好ましい。より好ましい含有量は0〜7モル%、さらに好ましい含有量は0.5〜6.5モル%である。ここで、Li2Oの量を増加させて、ガラス転移温度や屈伏点温度をむやみに下げようとすると屈折率が低下するので、La23あるいはGd2O3の量をさらに増やすことになり、その結果上記熱間成形性が悪化するおそれが生じる。
【0030】
その他のアルカリ成分、Na2O、K2Oは、いずれもガラス転移温度を低下させるために添加される成分であるが、多く添加しすぎると、例えばそれぞれ5モル%を超えて含有させると、屈折率が低下するなど目的とする光学的物性が得られにくくなるとともに、化学的耐久性、失透に対する安定性も低下するおそれがある。そのため、Na2Oの含有量を0〜5モル%、K2Oの含有量を0〜5モル%とすることが好ましい。また、Li2OとNa2OとK2Oの合計含有量を10モル%以下とすることが好ましい。Na2OおよびK2Oのより好ましい含有量は、ともに0〜4モル%であり、Li2O、Na2O、K2Oの合計含有量のより好ましい範囲は0〜8モル%である。
【0031】
MgO、CaO、SrO、BaOの二価成分はいずれもガラスの液相温度や転移温度を下げるために導入される成分であるが、それぞれの導入量を10モル%より多くすると、かえってガラスの失透に対する安定性が低下し、液相温度も上昇してしまうので、それぞれの含有量を0〜10モル%とすることが好ましい。また MgO、CaO、SrO、BaOの合計含有量を0〜15モル%とすることが好ましい。さらに、 MgO、CaO、SrO、BaOの各含有量を0〜8モル%に、それらの合計含有量を0〜12モル%とすることがより好ましい。
【0032】
Al23はガラスの高温粘性と化学的耐久性を向上させ、液相温度を低下させるために導入される成分であるが、その導入量が10モル%を超えると、屈折率が低下し、失透に対する安定性も低下するので、その含有量を0〜10モル%とすることが好ましく、0〜7モル%とすることがより好ましい。
【0033】
23、Yb23は高屈折率・低分散の成分として使用され、少量導入する場合、ガラスの屈折率を高くし、化学的耐久性を向上させるが、La23やGd23に比べて、その効果が小さく、それぞれ10モル%より多く導入するとガラスの失透に対する安定性が大きく損われ、ガラス転移温度や屈伏点温度が上昇してしまう。したがって、それぞれの含有量を0〜10モル%とすることが好ましく、0〜8モル%とすることがより好ましい。
【0034】
TiO2、Ta25、Nb25、WO3はいずれもガラスの安定性や屈折率を改善するために使われる成分であるが、それぞれの導入量が8モル%を超えると、分散が大きくなり、失透に対する安定性も低下するので、それらの各含有量を0〜8モル%とすることが好ましく、0〜5モル%とすることがより好ましい。
【0035】
以上の理由から、光学ガラスIIの好ましい組成は、B23を45〜65モル%、La23を5〜22モル%、Gd23を1〜20モル%(但し、La23とGd23の合計含有量は14〜30モル%)、ZnOを5〜30モル%、SiO2を0〜10モル%、ZrO2を0〜6.5モル%、Sb23を0〜1モル%、Li2Oを0〜10モル%、Na2Oを0〜5モル%、K2Oを0〜5モル%(但し、Li2OとNa2OとK2Oの合計含有量は0〜10モル%)、MgOを0〜10モル%、CaOを0〜10モル%、SrOを0〜10モル%、BaOを0〜10モル%(但し、MgO、CaO、SrO、BaOの合計含有量は0〜15モル%)、Al23を0〜10モル%、Y23を0〜10モル%、Yb23を0〜10モル%、TiO2を0〜8モル%、Ta25を0〜8モル%、Nb25を0〜8モル%、WO3を0〜8モル%含有するものである。また上記各成分の合計含有量が95モル%以上であることが好ましく、99モル%以上であることがより好ましく、100モル%であることがさらに好ましい。
【0036】
上記の好ましい組成範囲にあって、より好ましい組成は、B23の含有量が47〜60モル%、La23の含有量が7〜20モル%、Gd2O3の含有量が4〜15モル%、ZnOの含有量が8〜25モル%、SiO2の含有量が0〜8モル%、ZrO2の含有量が1〜6.5モル%、Li2Oの含有量が0.5〜6.5モル%、Na2Oの含有量が0〜4モル%、K2Oの含有量が0〜4モル%(ただし、Li2O、Na2O、K2Oの合計含有量が0〜8モル%)、MgOの含有量が0〜8モル%、CaOの含有量が0〜8モル%、SrOの含有量が0〜8モル%、BaOの含有量が0〜8モル%(ただし、MgO、CaO、SrO、BaOの合計含有量が0〜12モル)、Al23の含有量が0〜7モル%、Y23の含有量が0〜8モル%、Yb23の含有量が0〜8モル%、TiO2の含有量が0〜5モル%、Ta25の含有量が0〜5モル%、Nb25の含有量が0〜5モル%、WO3の含有量が0〜5モル%である。より好ましい組成においても、上記各成分とSb23の合計含有量が95モル%以上であることが好ましく、99モル%以上であることがより好ましく、100モル%であることがさらに好ましい。
【0037】
さらに上記のより好ましい組成範囲にあって、特に好ましい組成範囲は、B23の含有量が47〜60モル%、La23の含有量が7〜20モル%、Gd23の含有量が4〜15モル%、ZnOの含有量が8〜25モル%、SiO2の含有量が1〜8モル%、ZrO2の含有量が1〜6.5モル%、Li2Oの含有量が0.5〜6.5モル%、Ta25の含有量が0.1〜5モル%であり、上記各成分とSb23の合計含有量が95モル%以上であることが好ましく、99モル%以上であることがより好ましく、100モル%であることがさらに好ましい。
【0038】
なお、上記の好ましい組成、より好ましい組成、特に好ましい組成のいずれにおいても、Sb23の含有量は、0〜0.5モル%とすることが好ましく、0〜0.1モル%とすることがより好ましく、0〜0.05モル%とすることがさらに好ましい。
【0039】
さらに上記の好ましい組成、より好ましい組成、特に好ましい組成のいずれにおいても、高温成形性、光学特性などの面から、ZrO2の含有量は上限を6モル%とすることが、さらに好ましい。
【0040】
また、La23とGd23の合計含有量は、上記いずれの組成範囲においても14〜30モル%とすることが好ましく、14〜24モル%とすることがより好ましく、15〜22モル%とすることがさらに好ましい。
【0041】
上記光学ガラスIIは、可視域において透明であり、精密プレス成形性、プリフォームの熱間成形性、高屈折率・低分散特性、ガラスの安定性に優れた光学ガラスであり、屈折率(nd)が1.72〜1.83およびアッベ数(νd)が45〜55の範囲のものである。また、ガラス転移温度(Tg)を630℃以下、液相温度における粘度を0.5Pa・s以上とすることができる。
【0042】
上記光学ガラスIIにおける好ましい組成、より好ましい組成、特に好ましい組成のいずれにおいても、ガラス転移温度(Tg)を630℃以下、屈折率(nd)を1.72〜1.83、アッベ数(νd)を45〜55、液相温度における粘度を0.6Pa・s以上とすることが好ましく、さらに、屈折率(nd)を1.74〜1.80、アッベ数(νd)を45〜52とすることがより好ましい。そして、精密プレス成形性、プリフォームの熱間成形性、光学恒数に関する高機能性を考慮すると、上記特性に加えて、液相温度における粘度が0.7Pa・s以上の特性を付与された光学ガラスが特に好ましい。
また、熱間成形時などにおけるガラスの安定性の面から、液相温度を1050℃以下とすることが好ましく、1030℃以下とすることがより好ましい。
【0043】
次に、本発明のプレス成形予備体およびその製造方法について説明する。
本発明のプレス成形予備体は、前述の光学ガラス(IまたはII)からなるものであって、高生産性、高重量精度のもとにプレス成形予備体(プリフォーム)を製造する方法としては、溶融または軟化状態のガラスを熱間成形する方法が優れている。したがって、本発明のプリフォームの製造方法としては、前述の光学ガラス(IまたはII)が得られるようなガラス原料を溶解、清澄、攪拌して均一な溶融ガラスを作り、この溶融ガラスを白金製または白金合金製のパイプから流出させて、所定量の溶融ガラスからガラス塊を作製し、これを用いてプリフォームを成形する方法が用いられる。この方法では、溶融ガラスを上記パイプの流出口から連続して流出させ、流出口より流出したガラスの先端部分を分離して所定量のガラス塊を得、それをガラスが塑性変形可能な温度範囲にある間にプリフォーム形状に成形する。流出ガラスの先端部分の分離方法としては、先に説明したように滴下法と降下切断法を例示できる。いずれの場合も、分離のあたっては切断機などによる機械切断を行うと切断部分がプリフォームに痕跡となって残り、精密プレス成形品の品質を悪化させるので、機械切断は好ましくない。上記光学ガラスを用いることにより、ガラスを失透させることなく、パイプ流出口から流出したガラス先端部分を機械切断することなく分離することができる。流出スピード、流出温度を一定に保ち、滴下条件または降下条件も一定に保つことにより、一定重量のプリフォームを再現性よく高精度に製造することができる。上記方法は、1〜5000mgの重量範囲のプリフォームを高い重量精度のもとに製造する場合に好適である。
【0044】
分離したガラス先端部分は、例えば、凹状の成形面からガスが噴出する成形型で受け、前記ガスの風圧によって浮上、回転することによって球状、楕円球状などのプリフォームに成形される。このような成形方法を浮上成形法と呼ぶことにするが、浮上成形法では成形時のガラスの粘性に対する条件が厳しいが、本発明の光学ガラスからなるプリフォームを成形する場合、ガラスの特性が浮上成形に適しているので、良好な浮上成形を行うこともできる。上記のようにして製造されたプリフォームは、必要に応じて表面に離型膜を設けてもよい。
【0045】
次に精密プレス成形品の製造方法について説明する。
精密プレス成形とは、上述したように再加熱されたプリフォームを所定形状のキャビティを有する成形型によって加圧成形し、最終製品の形状と同じまたは極めて近似した形状の成形品を作製する方法である。精密プレス成形法によれば、成形品に研削や研磨を施さずに、あるいは研磨による除去量が極めて少ない研磨のみを施すことによって、最終製品、特に光学部品のような極めて高い形状精度や面精度を要求される最終製品を作製することが可能である。そのため、本発明の精密プレス成形品の製造方法は、レンズ、レンズアレイ、回折格子、プリズムなどの光学部品の製造に好適であり、特に非球面レンズを高生産性のもとに製造する際に最適である。本発明の精密プレス成形品の製造方法によれば、高屈折率・低分散特性を有する光学素子を作製できるとともに、プリフォームを構成するガラスの転移温度(Tg)が630℃以下と低く、ガラスのプレス成形としては比較的低い温度でプレスが可能になるので、プレス成形型の成形面への負担が軽減され、成形型の寿命を延ばすことができる。またプリフォームを構成するガラスが高い安定性を有するので、再加熱、プレス工程においてもガラスの失透を効果的に防止することができる。さらに、ガラス溶解から最終製品を得る一連の工程を高生産性のもとに行うことができる。
【0046】
精密プレス成形方法としては、表面が清浄状態のプリフォームを、プリフォームを構成するガラスの粘度が105〜1011Pa・sの範囲を示すように再加熱し、再加熱されたプリフォームを上型、下型を備えた成形型によってプレス成形する。成形型の成形面には必要に応じて離型膜を設けてもよい。なお、プレス成形は、成形型の成形面の酸化を防止する上から、窒素ガスや不活性ガス雰囲気で行うことが好ましい。プレス成形品は成形型より取り出され、必要に応じて徐冷される。成形品がレンズなどの光学素子の場合には、必要に応じて表面に光学薄膜をコートしてもよい。
【0047】
このようにして、屈折率(nd)が1.72〜1.83で、かつアッベ(νd)が45〜55の高屈折率・低分散光学ガラスからなるレンズ、レンズアレイ、回折格子、プリズムなどの光学部品を高精度に生産性よく製造することができる。
本発明はまた、前述の本発明の光学ガラスIまたは光学ガラスIIからなる光学部品をも提供する。
【実施例】
【0048】
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によってなんら限定されるものではない。
【0049】
実施例1〜52
各々のガラス成分に対応する酸化物、炭酸塩、硫酸塩、硝酸塩、水酸化物など、例えば、SiO2、Al23、Al(OH)3、MgO、CaCO3、Y23、TiO2、ZrO2、Li2CO3などをガラス原料として用い、表1〜表9に示した組成になるように所定の割合に250〜300g秤量し、十分に混合して調合バッチと成し、これを白金るつぼに入れ、1200〜1250℃で攪拌しながら空気中で2〜4時間、ガラスの溶解を行った。溶解後、溶融ガラスを40×70×15mmのカーボンの金型に流し、ガラスの転移温度まで放冷してから直ちにアニール炉に入れ、ガラスの転移温度範囲で約1時間アニールして炉内で室温まで放冷し、実施例1〜52の52種類の光学ガラスを作製した。得られたガラスには顕微鏡で観察できる結晶が析出しなかった。得られたガラスは透明かつ均質な光学ガラスであり、表1〜表9に示される組成、光学恒数[屈折率(nd)、アッべ数(νd)]、ガラス転移温度(Tg)、液相温度(LT)、及び液相温度における粘度を有していた。なお、本実施例において、屈折率(nd)、アッべ数(νd)、ガラス転移温度(Tg)、屈伏点温度(Ts)、液相温度(LT)及び液相温度におけるガラスの粘度、1100℃における粘度の測定は、以下のようにして行った。
【0050】
(1)屈折率(nd)及びアッべ数(νd)
徐冷降温速度を−30℃/時にして得られた光学ガラスについて測定した。
(2)ガラス転移温度(Tg)及び屈伏点温度(Ts)
理学電機株式会社の熱機械分析装置により昇温速度を4℃/分にして測定した。
(3)液相温度(LT)
400〜1100℃の温度勾配のついた失透試験炉に1時間保持し、倍率80倍の顕微鏡により結晶の有無を観察し、液相温度を測定した。
(4)粘度
JIS規格 Z8803、共軸二重円筒形回転粘度計による粘度測定方法により粘度を測定した。
【0051】
表1〜表9に示すように、各ガラスとも所定の組成を有するとともに、屈折率(nd)が1.72〜1.83、アッベ数(νd)が45〜55の範囲にあり、ガラス転移温度(Tg)が630℃以下、液相温度における粘度が0.6Pa・s以上の特性を有していた。さらに1100℃における粘度は4Pa・s以下であった。
【0052】
【表1】

【0053】
【表2】

【0054】
【表3】

【0055】
【表4】

【0056】
【表5】

【0057】
【表6】

【0058】
【表7】

【0059】
【表8】

【0060】
【表9】

【0061】
[注]表1〜表9における粘度は、液相温度における値である。
【0062】
比較例1〜3
実施例1〜52と同様にして、表10に示す組成を有する光学ガラスを作製し、各物性を測定した。結果を表10に示す。
【0063】
【表10】

【0064】
[注]表における粘度は、液相温度における値である。
【0065】
実施例53
次に表1〜表9に示す光学ガラスが得られる高品質かつ均質化された溶融ガラスを白金合金製のパイプから連続流出させて、これをパイプ流出口から滴下させ、複数のプリフォーム成形型で次々と受け、浮上成形法により複数個の球状のプリフォームを成形した。なお、流出時のガラスの温度は液相温度よりも数℃高温とした。これらのプリフォームはいずれも失透しておらず、高い重量精度のものが得られた。なお、プリフォームの状態でもガラスの組成、光学恒数、ガラス転移温度は表1〜表9に示した値とほぼ等しい。
【0066】
なお、滴下法に変えて降下切断法でも同様に失透が認められず、高重量精度のプリフォームが得られ、滴下法、降下切断法ともプリフォームに分離の際の痕跡は認められなかった。
白金製パイプを使用しても、白金合金製パイプと同様、溶融ガラスの流出によってパイプが破損することはなかった。
【0067】
実施例54
実施例53で得られたプリフォームを、図1に示す精密プレス成形装置を用いて非球面精密プレス成形することにより非球面レンズを得た。プリフォームの形状は直径2〜30mmの球状であり、このプリフォーム4を下型2及び上型1の間に設置したのち、石英管7内を窒素雰囲気としてヒーター8に通電して石英管7内を加熱した。成形型内部の温度を(ガラスの屈伏点温度+20〜60℃)となる温度に設定し、同温度を維持しつつ、押し棒9を降下させて上型1を押して成形鋳型内のプリフォームをプレス成形した。プレスの圧力は8MPa、プレス時間は30秒とした。プレス成形の後、プレスの圧力を解除し、非球面プレス成形されたガラス成形品を下型2及び上型1と接触させたままの状態で(ガラス転移温度−30℃)の温度までに徐冷し、次いで室温まで急冷して非球面レンズに成形されたガラスを成形型から取り出した。得られた非球面レンズは、きわめて精度の高いレンズであり、表1〜表9に示す屈折率(nd)およびアッベ数(νd)を有していた。なお、プリフォームの再加熱は、下型2と上型1の間に載置する前に行ってもよい。また、図1において符号3は案内型(胴型)、5は支持棒、6は支持台、10は熱伝対である。
成形型のキャビティ形状を所定の形状に設計することによって、球面レンズなどその他の光学部品も同様に精密プレス成形により作製することができる。
【0068】
さらに、本発明によれば、液相温度において所定の粘度を示す上記光学ガラスが得られる溶融ガラスを熱間成形することにより、高い生産性のもとにプレス成形予備体を製造する方法を提供することができる。
加えて、本発明によれば、上記プレス成形予備体を再加熱、精密プレス成形することによって、高精度の光学部品等のプレス成形品を製造する方法を提供することができる。
【産業上の利用可能性】
【0069】
以上のように、本発明によれば、高温成形性及び精密プレス成形性の優れた高屈折率・低分散特性を有する光学ガラス及び前記光学ガラスよりなる光学部品を提供することができる。
また、本発明によれば、プレス成形予備体を上記光学ガラスによって構成することによって精密プレス成形に好適なプレス成形予備体を提供することができる。
【符号の説明】
【0070】
1 上型
2 下型
3 案内型(胴型)
4 プリフォーム
5 支持棒
6 支持台
7 石英管
8 ヒーター
9 押し棒
10 熱伝対

【特許請求の範囲】
【請求項1】
必須成分として、B23、La23、Gd23およびZnOを含むとともに、鉛およびフッ素を実質上含まず、かつ屈折率(nd)が1.72〜1.83、アッベ数(νd)が45〜55、ガラス転移温度(Tg)が630℃以下および液相温度における粘度が0.6Pa・s以上であることを特徴とする光学ガラス。
【請求項2】
モル%表示で、B23 45〜65%、La23 5〜22%、Gd23 1〜20%(ただし、La23とGd23の合計含有量が14〜30%)、ZnO 5〜30%、SiO2 0〜10%、ZrO2 0〜6.5%およびSb23 0〜1%を含むとともに、鉛およびフッ素を実質上含まず、かつ屈折率(nd)が1.72〜1.83およびアッベ数(νd)が45〜55であることを特徴とする光学ガラス。
【請求項3】
モル%表示で、Li2O 0〜10%、Na2O 0〜5%、K2O 0〜5%(ただし、Li2O、Na2OおよびK2Oの合計含有量が10%以下)、MgO 0〜10%、CaO 0〜10%、SrO 0〜10%、BaO 0〜10%(ただし、MgO、CaO、SrOおよびBaOの合計含有量が15%以下)、Al23 0〜10%、Y23 0〜10%、Yb23 0〜10%、TiO2 0〜8%、Ta25 0〜8%、Nb25 0〜8%およびWO3 0〜8%を含み、上記各成分とB23、La23、Gd23、ZnO、SiO2、ZrO2およびSb23との合計含有量が95%以上である請求項2に記載の光学ガラス。
【請求項4】
液相温度における粘度が0.6Pa・s以上である請求項2または3に記載の光学ガラス。
【請求項5】
ガラス転移温度(Tg)が630℃以下である請求項2、3または4に記載の光学ガラス。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれか1項に記載の光学ガラスからなるプレス成形予備体。
【請求項7】
請求項1ないし5のいずれか1項に記載の光学ガラスからなる光学部品。
【請求項8】
所定量の溶融ガラスからガラス塊を作製し、このガラス塊を用いて請求項1ないし5のいずれか1項に記載の光学ガラスからなるプレス成形予備体を成形することを特徴とするプレス成形予備体の製造方法。
【請求項9】
パイプより流出する溶融ガラスからガラス塊を作製する請求項8に記載のプレス成形予備体の製造方法。
【請求項10】
請求項6に記載のプレス成形予備体、あるいは請求項8または9に記載の方法により成形されたプレス成形予備体を再加熱し、プレス成形することを特徴とするプレス成形品の製造方法。
【請求項11】
請求項10に記載の方法により、光学部品を成形することを特徴とする光学部品の製造方法。

【図1】
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【公開番号】特開2012−206939(P2012−206939A)
【公開日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−158727(P2012−158727)
【出願日】平成24年7月17日(2012.7.17)
【分割の表示】特願2006−182622(P2006−182622)の分割
【原出願日】平成13年2月20日(2001.2.20)
【出願人】(000113263)HOYA株式会社 (3,820)
【Fターム(参考)】