説明

光学システム

特にSSTV、ディスコ照明、照明コンソール及びクラヴィルックスに使用される照明システムである。ノイズを低減する及び堅牢性を向上させるために、当該システムは、光ビームを生成する光ビーム源6と、前記光ビームを制御する投影ゲート8とを有し、光ビーム源6は、少なくとも1つの発光ダイオードから構成されており、投影ゲート8は、少なくとも1つの液晶(LC)光学素子を有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、照明システムに関し、より詳細には、SSTV、ディスコ照明、照明コンソール及びクラヴィルックス(claviluxes)に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ステージ、スタジオ、及びテレビジョン装置(SSTV)の構造上の(architectural)及び娯楽アプリケーションのための照明プロジェクタが、様々な異なる照明効果を提供するために必要とされてきた。これらの照明効果は、例えば、光ビームの角度の変化、光ビームの形状の変化、簡単な画像の作成、動画の作成、照明の方向の変換、色効果の提供、及び更に他の効果を提供することもできる。
【0003】
従来技術において知られている照明プロジェクタは、高輝度放電(HID)ランプのようなハロゲン照明を容易にするものである。現在のアプリケーションにおいて使用されているHIDランプは、高輝度照明のビームを形成し、1000ワットまでの電力又は1000ワットよりも大きい電力を消費する。
【0004】
これらのHIDランプと共に使用されている光形成要素は、高い温度を保証しなくてはならない。特に、投影ゲートとして使用されている液晶及び高分子複合体は、温度感知性のものである。発せられた光のうちの吸収される赤外線成分を減少するために、米国特許出願公開第2003/0035290号は、液体フィルタセルによる温度制御を提案している。更に、温度吸収ミラーが提案されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、これらの要素は、照明システムの複雑性を増大させるという不利な点を有する。更に、より多くの構成要素が、当該システムの一部となり、より多くの誤りが、当該システム内で生じ得る。前記のような温度制御の故障は、必然的に、前記投影ゲートの破壊を生じる。
【0006】
更に、色制御を得るために、様々なフィルタアセンブリ及びこれらの移動の使用が、提案されている。このことは、このようなシステムの機械的な複雑性を増大させる。更に、米国特許出願公開第2003/0035290号は、前記のようなビームの方向を移動させる何らかの解決策を提案していないが、前記解決策は、GOBOプロジェクタにおいてしばしば必要なものである。
【0007】
従って、本出願の一つの目的は、紫外及び赤外放出が減少された照明システムであって、能動光学素子を保護する照明システムを提供することにある。更に、本出願の目的は、非機械的手段に基づいて色効果を生成することにある。本出願の目的は、非機械的手段に基づいたビーム偏向を提供することにもある。本出願の他の目的は、複雑性が低い機構による結像及びビーム制御を提供することにもある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
これらの及び他の目的は、特にSSTVアプリケーションにおいて、動的な照明効果を作る光学システムであって、光ビームを生成する光ビーム源と、前記光ビームを制御する投影ゲートとを含む光学システムにおいて、前記光ビーム源は、少なくとも1つの発光ダイオードから構成されており、前記投影ゲートは、少なくとも1つの液晶(LC)光学素子を有している、光学システムによって、解決される。
【0009】
前記投影ゲートは、投影された画像が局所的な強度の変化を有するように、前記光を制御することによって結像をする手段を有し得る。更に、ビーム成形及び指向手段は、前記投影ゲート内に含まれていても良い。前記ビーム成形手段は、前記光ビームの方向、形状、形態及び分割を制御することもできる。前記結像手段は、前記光ビームの強度及びコントラストを制御するように形成されていても良いが、ビーム成形は構成しない。前記結像手段及びビーム成形手段は、前記投影ゲート内で選択的に組み合わされることができる。前記手段は、空間的に互いから離れて配されることもできる。前記結像手段は、好ましくは、前記のような投影手段の焦点距離内に配され、前記ビーム成形手段は、好ましくは、前記光学システムのレンズの近く(前記レンズの前後)に配される。何れの手段も、LC素子によって構成されても良い。
【0010】
前記システムは、液晶(LC)素子と、少なくとも1つの発光ダイオード(LED)から作られている光源とから構成されている。前記LEDは、高輝度放電ランプのような光を発することができる。しかしながら、LED発光の光は、狭いスペトルを有しており、如何なる赤外線(IR)又は紫外線(UV)成分も含んでいない。このことは、IR及びUV放射は、通常、前記光ビームの経路内に位置されている能動光学要素(例えば、LC素子)によって吸収され、この結果、これらの要素の過剰な過熱が生じるため、有利な点を有する。
【0011】
当該出願の他の見地は、上述されたようなシステムを有する照明プロジェクタである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本出願のこれらの及び他の見地は、添付図面を参照して明らかになり説明される。
【0013】
図1は、実施例による照明効果を提供するシステム2を示している。システム2は、ハウジング4、複数のLED6、投影ゲート8及びレンズ10から構成されている。示されているのは、結像手段7及びビーム成形手段9の組み合わせとしての投影ゲート8である。投影ゲート8は、空間的に互いに離れて配されるだけでなく一群の手段に一体化されても良いこれらの手段を有することができる。素子4−10の位置決めは、一例であって、用途の必要性に依存して変化しても良い。LED6は、投影ゲート8及びレンズ10を介して指向される光ビーム12を生成する。示されているように、結像手段7は、レンズ10の前に配される。好ましくは、前記結像手段は、前記のような投影手段の焦点距離内に配される。ビーム成形手段9は、レンズ10の後ろに配されているが、レンズ10の前に配されても良い。
【0014】
結像手段7及びビーム形成手段9の両方が、光ビームの変更を提供するためのLC素子を有している。
【0015】
3つのLEDの三つ組から1つの照明要素6を形成することが可能である。この三つ組において、1つのLEDは緑色光を発し、1つのLEDは赤色光を発し、1つのLEDは青色光を発する。この三つ組において前記LEDの各々を制御することによって、如何なる色も作られることができ、色の効果が、色フィルタを使用することなく実現可能である。
【0016】
電子制御ユニット5が、照明要素6、結像手段7、及びビーム形成手段9を制御するのに使用されることができる。電子制御ユニット5は、様々な色及び動的な効果を作るために、照明要素6内のLEDの強度を制御することができる。電子制御ユニット5は、動的な照明効果を生成するために投影ゲート8内の電極に電圧を印加することができる。電子制御ユニット5は、光ビームの形状及び方向を形成する形成手段9を制御することもできる。電子制御ユニット5は、更に、種々の光強度を作る、前記のような光を散乱させる及び画像を作る結像手段7を制御することもできる。
【0017】
投影ゲート8の結像手段7及びビーム成形手段9は、液晶LC素子のマトリックスを含んでいても良く、前記LC素子の各々は、投影される画像の1つのピクセル素子を表現することができる。前記LC素子は、制御インターフェースを介して制御されることもできる。制御インターフェースを使用することにより、前記LC要素の自動化された制御が可能である。
【0018】
結像手段7に使用される前記LC素子を制御することにより、光は、ハウジング4外に透過される、ハウジング4内に反射されて戻される、散乱される及び屈折されることができる。光は、投影レンズ10によって収集されず、投影されない。このようにして、或るコントラストを有する画像が、生成されることができる。
【0019】
ビーム成形手段9は、投影レンズ10の前又は後に位置されることができ、前記のようなビームの形状及び/又は方向を制御するのに使用されることができる。結像手段7及びビーム成形手段9に使用されることができるLC素子の構造は、以下の図において説明される。
【0020】
図2A及び2Bは、光学要素を有する結像手段7を示している。示されているのは、透明プレート14、透明電極16及び液晶ゲル18である。前記透明プレートは、電極16を担持する担持基板から作られることもできる。前記基板は、例えば、ガラス基板から作られることもできる。電界の印加は、ゲル18内の液晶分子の配向に影響を与えることができる。
【0021】
例えば、図2Aに示されているように、ゲル18の液晶分子は、配向層20を使用して、光ビーム12の方向に沿って前記ガラスプレートに対して垂直に配向される。液晶ゲル18は、この状態において透明であるように形成されることもできる。例えば、図2Aにおける液晶18は、電極16間の電圧が零である場合に、前記光ビームの方向と平行に配向されるように形成されることができる。示されているように、到来する光ビーム12Aは、散乱されることなく、液晶18を通過してガイドされ、結像手段7から出射する。液晶ゲル18は、高分子及び液晶分子から構成されていても良い。
【0022】
配向層20は、自身の上に配されている液晶分子に様々な配向を生じさせることができる高分子、界面活性分子又は蒸着された酸化物を含むことができる。一軸の平面配向は、このような層が、液晶表示器産業においてしばしば使用されている布によって磨かれた場合に、しばしば、得られる。所謂フォトアライメントの場合、層20は、偏光に晒されて、液晶分子によって光の偏光を揃えるために使用される。配向層として頻繁に使用される高分子の1つは、ポリイミドである。
【0023】
電圧が電極16間に印加されている場合、液晶ゲル18は散乱され、光ビーム12は、図2Bに示されているように、散乱される。基板14上に設けられている透明電極16間における電圧がゼロである場合、液晶18は、透明であり、十分に高い電圧が、電極16間に印加されている場合、到来する光12Aが、散乱されるようになる12B。図2A及び図2Bに示されている素子は、各々が、結像手段7によって生成されるべき画像の1つのピクセルを各々が表現するピクセル化された素子であっても良い。
【0024】
図3A及び図3Bは、図2A及び2Bに示されている結像手段7とは逆に働く結像手段7を示している。ゼロボルト信号が、基板14上に設けられている透明電極16上に供給されている場合、到来する光12Aは、散乱され、十分に高い電圧が供給されている場合、液晶18は、透明になり、光ビーム12Bは、投影ゲート8を出射する。
【0025】
図3A及び3Bに示されている液晶ゲル18は、光が一方向に散乱される異方性散乱のために使用されることができる。この場合において図4A及び図4Bに示されているように、液晶18分子の初期配向は、配向層20によって誘導されるので電極16に平行に配向されている。電極14間に電圧が印加されていない場合、結像手段7は透明である。電極14間への電界の印加は、高分子の存在によってセル内に領域が形成されることによる散乱を生じる。
【0026】
上述のLC素子は、結像手段の実施例として使用されることもできるが、ビーム成形手段9におけるビーム制御のために使用されることもできる。前記投影ゲートは、光反射要素を有していても良い。前記光反射素子は、コレステリック素子若しくは切り換え可能なコレステリック素子、又は線形の偏光反射素子(polarised light-reflecting element)であっても良い。前記ビーム成形手段は、ビーム偏向を提供することもできる。前記ビーム偏向は、格子構造、又は切り換え可能な素子によって生じさせることもできる。前記投影ゲートは、切り替え可能な波長プレート素子又は切り替え可能なGRIN素子を有していても良い。
【0027】
図5は、ビーム成形手段9の実施例を示している。図5において、ビーム成形手段9は、透明プレート14、電極16及び液晶18を有して示されている。電極16は、配向層20によって覆われている。更に示されているのは、単一の屈折率を有する等方性の材料又は2つ以上の屈折率の異方性材料によって巨視的に配向されている複屈折材料から作られることができるブレーズド格子構造22である。分子の配向に依存して、光は、或る方向に屈折される。格子構造16の効果的な屈折率は、電極16間に電圧を印加するか否かによって変更されることができる。格子構造16の屈折率に依存して、到来する光ビーム12Aは、角度をなして屈折される12B、又は同じ12Cに留まる。電極16間に電界を印加した場合、液晶18分子の配向は、配向層20によって生じる初期配向から変更されることができる。
【0028】
図5に示された構造における場合のように、電界の印加は、分子の有効屈折率の1つのみに影響を及ぼす。従って、前記のような偏光の方向の1つのみが影響を受ける。両方の偏光方向が影響を受ける必要がある場合、このような素子のうちの2つが、前記素子内の液晶分子の配向が、互いに直交している構成において使用される必要がある。しかしながら、前記分子の配向方向が、同一に保持される場合、この場合、半波長プレートのような、偏光ローテータが、前記素子間に挿入される必要がある。
【0029】
光ビームの方向を選択的に変化させるために、切り換え可能なリフレクタが使用されることができる。このリフレクタは、例えば、図6に示されているように、所謂キラル液晶構造を有することができる。
【0030】
図6は、透明プレート14、電極16、及び液晶18を有するビーム成形手段9を示している。電極16は、配向層20と共に積層化(laminated)されている。配向層20が、液晶18の分子の配向を規定する。キラル液晶分子は、円偏光されている光の帯域を反射する12Bと共に、反対方向に円偏光されている光の帯域を通過させる12C特性を有している。前記のような反射の帯域の位置は、キラル液晶混合物内に存在する所謂キラル分子の量によって決定される特性である。
【0031】
或る色の選択的な指向を提供するために、透明電極16間に電圧が印加され、このことは、液晶63の螺旋構造を取り除き、セルを透明にする。両方の偏光方向を反射するために、二重セルの構成が、使用されることができる。この構成において、1つの可能性は、左及び右偏光方向の偏光された光を反射するキラル材料を含むセルの使用である。他の可能性は、同じ円偏光の方向を、これらの間の半波長プレートによって反射するセルの使用である。
【0032】
光ビーム12の形状及び大きさに影響を与えるために、図7A及び図7Bに示されているような液晶屈折率勾配(GRIN)素子又はアレイが提案される。このような素子は、投影ゲート8の一部であっても良い。図7A及び図7Bに示されているのは、透明プレート14、透明電極16及び液晶18を有するGRIN素子24である。液晶18の分子の巨視的な配向が、ビング処理された高分子層から作られることができる配向層20内に誘起される。
【0033】
GRIN素子の骨子(gist)は、パターン電極16内に並んでいる。電極16は、表面全体に亘って均等に分布されるのではなく、パターンを表している。示されている例において、電極16は、互いに揃えられており、平行な棒を形成している。電極16の配置は、ビームの拡大及びビームの傾斜を可能にする。
【0034】
示されているように、透明プレート14の両面は、パターン電極16を含んでおり、電極16は、パターンがほぼ完全な重複を示すように互いに対して揃えられている。
【0035】
図7Aは、電圧が電極16に印加されていない場合の、電界の向きの線を示している。この場合において、光ビーム12Aは、GRIN素子24を通過して均等に指向される。
【0036】
電極16間に電界を印加している場合、図7Bに示されているように、電位は、直接的に電極間において最も高い。電界の向きの線が、電極16の外側に漏出し、この結果、これらは、非均一なものとなる。結果として、液晶18の屈折率の勾配が、電極を含んでいない領域において形成される。前記のような透明電極が、図7A及び図7Bに示されているように、周期的な距離においてライン電極を含んでいる場合、シリンダレンズが生じさせられることもできる。
【0037】
前記電極間に印加されている電圧がゼロである場合、前記液晶の分子は、一軸方向に配向され、図7Aに示されているように、GRIN素子24におけるレンズ作用は存在せず、ビーム12Aは、変更されることなくセルを通過する。電極16間への電界の印加は、図7Bに示されているように、電極16間の領域内に誘起される屈折率の勾配を生じ、光ビーム12の経路は、変更される。図7Bに示されているようなシリンダレンズが、ビームの拡張に使用されることができる。
【0038】
図7A及び図7Bに示されているパターン電極は、如何なる構造を有していても良く、当該構造の様々な例が、図8A−Dに示されている。電極のパターンを規定することによって、様々なビームの形成が可能である。
【0039】
図8Aは、電極16が円形の孔を有しているパターンの上面図を示している。図8Bは、電極16が六角形の孔を有しているパターンの上面図を示している。図8Cは、前記電極が列状に揃えられているパターンの上面図を示しており、これは、図7A及び7Bにおいて示したパターンに対応するものである。図8Dにおいて、電極16のパターンは、格子である。
【0040】
前記電極のパターンは、表面全体に亘って一様である必要はない。例えば、図9−Bには、異なるセグメントが異なるパターンも有することができる電極16を示している。
【0041】
電極16の両方は、同じパターンを有している必要はない。実施例によれば、GRIN素子24は、表面の一方のみに電極パターンが設けられており、他方の表面は何のパターンも含んでいない態様で、製造されている。更に他の例においては、(複数の)パターン電極が、メガオーム/平方において非常に高い表面抵抗を有する層によって覆われていても良い。
【0042】
上述されたGRIN素子24は、有効屈折率の1つのみが、印加されている電界によって変更されるので、偏光依存性を示している。両方の偏光方向が、影響を受ける必要がある場合、このような素子の2つが、前記素子内の液晶分子の配向が互いに直行している構成において使用される必要がある。両方の素子において、前記分子の配向方向は、同一に保持されることができるが、この場合、半波長プレートは、前記素子間に挿入される必要はない。
【0043】
GRIN素子24は、単一のピクセル又は複数のピクセルのために使用されることができる。このようなピクセル化されているセルにおいて、様々なビーム成形が、生成されることができる。
【0044】
上述した要素は、原則として、偏光されていない光に対して作用する。光源からの光が、偏光ビームスプリッタのような、当該分野において知られている方法を使用することにより偏光されている光に変換される場合、図10A及び図10Bに示されているような、切り換え可能な要素及び効果を提供することが可能である。
【0045】
例えば、投影ゲート8は、線形偏光された光の偏光方向を90度だけ回転させるように配された液晶18を備えている素子を含むことができる。このような素子は、ツイストネマティック、半波長強誘電体又はネマティックのものであっても良い。このような素子が、四分の一波長プレートと組み合わされている場合、光は、左円偏光状態と右円偏光状態との間で切り換えられることができる。このような素子が、切り換え可能な四分の一波長プレートと組み合わされている場合、光は、4つの状態(左円偏光(LCP)、右円偏光(RCP)、横線形偏光(HLP)及び縦線形偏光(VLP))の間で切り換えられことができる。
【0046】
偏光光学素子は、光の偏向、又は光の偏光状態に依存した光の反射のような、様々な効果を作るために光ビームの経路内に位置されることができる。
【0047】
図10A及び図10Bは、切り換え可能な偏光ローテータ26、四分の一波長プレート28及びコレステリックリフレクタ30を備えるビーム成形手段9の一例を示している。この例において、光ビーム12は、線形偏光された光であっても良い。
【0048】
動作において、図10Aに示されているように、線形偏光された光ビーム12Aは、偏光ローテータ26を通過し、次いで、四分の一波長プレート28を通過する。四分の一波長プレート28内で、光ビーム12Aは、円偏光された光ビーム12Bになる。光ビーム12Bの円形偏光は、コレステリックリフレクタ30と同じ方向を有していても良い。従って、光ビーム12Bは、反射される。
【0049】
図10A及び図10Bに示されている例において、コレステリックリフレクタが使用されている。線形偏光された光を反射するリフレクタも存在する。この場合、四分の一波長プレートの使用は、必要ではない。
【0050】
偏光ローテータ26は、線形偏光された光の偏光方向を90度だけ回転させるように配されている液晶18を有して配されることができる。このような素子は、ツイストネマティック、半波長強誘電体又はネマティックのものであっても良い。前記のような偏光フィルタは、図10Bに示されているように、印加された電界によって活性化され、光ビーム12Bは、反対の円偏光を呈し、コレステリックリフレクタ30を介して透過される。
【0051】
図11A及び図11Bに、他の例が示されており、偏光ビームスプリッタが使用されている。このような偏光ビームスプリッタは、等方性の複屈折層を含む構造であることができる。線形偏光された光ビーム12Aは、偏光ローテータ26を通過し、偏光ビームスプリッタ30によって偏向される。偏光ローテータ26が活性化され、前記偏光方向は、90度だけ回転し、光ビーム12Bは、偏向されることなく偏光ビームスプリッタ30を通過する。
【0052】
投影ゲートのための上述のLC効果は、電界の印加によって作られる。従って、電子制御ユニット5が、所望の系列における動的効果を作るために、電圧を印加するのに使用されることができる。更に、これらの効果は、色、強度、画像、及びビーム形状効果が所望の仕方において生成されることができるように、LED用の強度制御ユニットに結合されることができる。
【0053】
本発明の基本的で新規なフィーチャは、好適な実施例に利用されて示され、上述され、指摘されたが、上述された装置及び方法の形態及び細部の様々な省略、置換及び変更は、本発明の精神から逸脱することなく、当業者によってなされることができると理解されたい。例えば、同じ効果を達成するために、ほぼ同じ仕方においてほぼ同じ機能を実施するこれらの素子及び/又は方法のステップの組み合わせの全ては、本発明の範囲内にあるように特に意図されている。更に、本発明の開示された形態又は実施例と関連して示された及び/又は上述された構造、素子及び/又は方法のステップは、設計の選択の一般的な事項としての如何なる他の開示されている、記載されている又は提案されている形態又は実施例に組み込まれても良いと認識されるべきである。従って、意図としては、添付の特許請求の範囲によって示されている通りのみに限定されるべきである。如何なる符号も、当該特許請求の範囲を限定するものとみなしてはなららないことも認識されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】実施例による光投影システムである。
【図2A】第1の実施例による投影ゲートを示している。
【図2B】第1の実施例による投影ゲートを示している。
【図3A】第2の実施例による投影ゲートを示している。
【図3B】第2の実施例による投影ゲートを示している。
【図4A】第3の実施例による投影ゲートを示している。
【図4B】第3の実施例による投影ゲートを示している。
【図5】第4の実施例である投影ゲートを示している。
【図6】第5の実施例である投影ゲートを示している。
【図7A】第1の実施例によるGRIN素子を示している。
【図7B】第1の実施例によるGRIN素子を示している。
【図8A】電極パターンの様々な配置の一つを示している。
【図8B】電極パターンの様々な配置の一つを示している。
【図8C】電極パターンの様々な配置の一つを示している。
【図8D】電極パターンの様々な配置の一つを示している。
【図9A】電極パターンの更なる配置の一つを示している。
【図9B】電極パターンの更なる配置の一つを示している。
【図10A】偏光ビームスプリッタを有する実施例を示している。
【図10B】偏光ビームスプリッタを有する実施例を示している。
【図11A】偏光ビームスプリッタを有する他の実施例を示している。
【図11B】偏光ビームスプリッタを有する他の実施例を示している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光ビームを生成する光ビーム源と、
前記光ビームを制御する投影ゲートと、
を有する動的な照明効果を作る光学システムであって、
前記光ビーム源は、少なくとも1つの発光ダイオードから構成されており、前記投影ゲートは、少なくとも1つの液晶(LC)光学素子を有している、光学システム。
【請求項2】
前記投影ゲートは、前記光ビーム内の強度分布を制御する結像手段を有している、請求項1に記載の光学システム。
【請求項3】
前記投影ゲートは、前記光ビームの形状及び/又は方向を制御するビーム成形手段を有している、請求項1に記載の光学システム。
【請求項4】
前記投影ゲートは、画像を形成する光学能動要素の少なくとも1つのセグメントを有するセグメント化されているセルである、請求項1に記載の光学システム。
【請求項5】
前記投影ゲートは、異方性受動光学素子を有する、請求項1に記載の光学システム。
【請求項6】
前記投影ゲートは、ネマティック液晶を有する、請求項1に記載の光学システム。
【請求項7】
前記投影ゲートは、前記液晶を揃える少なくとも2つの電極を有している、請求項1に記載の光学システム。
【請求項8】
前記光ビーム源は、発光ダイオードのアレイから構成されている、請求項1に記載の光学システム。
【請求項9】
前記少なくとも1つの発光ダイオードは、白色光を発する、請求項1に記載の光学システム。
【請求項10】
前記発光ダイオードのアレイは、
赤又はマゼンダ色光を発する少なくとも1つの発光ダイオード、
黄又は緑色光を発する少なくとも1つの発光ダイオード、及び/又は
青又はシアン色光を発する少なくとも1つの発光ダイオード、
を有する、請求項8に記載の光学システム。
【請求項11】
請求項1に記載の光学システムを有する照明プロジェクタ。

【図1】
image rotate

【図2A】
image rotate

【図2B】
image rotate

【図3A】
image rotate

【図3B】
image rotate

【図4A】
image rotate

【図4B】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7A】
image rotate

【図7B】
image rotate

【図8A】
image rotate

【図8B】
image rotate

【図8C】
image rotate

【図8D】
image rotate

【図9A】
image rotate

【図9B】
image rotate

【図10A】
image rotate

【図10B】
image rotate

【図11A】
image rotate

【図11B】
image rotate


【公表番号】特表2009−516860(P2009−516860A)
【公表日】平成21年4月23日(2009.4.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−540754(P2008−540754)
【出願日】平成18年11月13日(2006.11.13)
【国際出願番号】PCT/IB2006/054212
【国際公開番号】WO2007/057830
【国際公開日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】