説明

光学センサ及びそれを有する画像形成装置

【課題】簡易な構成で受光カバー部材の光入射側表面における受光素子に受光される光の通過する光学的有効領域を含む受光有効部分へのトナーの付着を確実に防止できる光学センサ及びその光学センサを有する画像形成装置を提供する。
【解決手段】反射型フォトセンサ70は、カバー本体部101の外面102におけるフォトダイオード72に受光される正反射光Rの透過する中心部分102b1を含む第2部分102bに、搬送ベルト29の表面29aのトナーマーク91、92を形成するトナーが有する電荷と同極性の負電荷を有する光透過性の第2薄膜部112が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、画像形成装置において用いられるトナーの濃度や当該トナーからなるマークの位置などのトナーの状態を検知する光学センサ、及び、その光学センサを有する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複写機、プリンタ、ファクシミリなどの電子写真方式を用いた画像形成装置では、例えば、粉体としてのトナーと磁性粒子とを含む二成分現像剤が用いられている。このような画像形成装置は、それが備える感光体や中間転写ベルト等の像担持体の表面にトナーを付着させてトナー像を形成し、該トナー像を転写紙に転写して画像を形成する。
【0003】
そして、画像形成装置では、所望の画像濃度を得るために、例えば、像担持体の表面に、階調パターンなどからなる濃度検知用トナーマークを形成して、このトナーマークの濃度、即ち、トナー付着量を光学センサにより検知して、その検知結果に基づき感光体上への潜像形成用のレーザ光強度や、帯電バイアス、現像バイアスなどを調整して、形成される画像の濃度調整を行っている。
【0004】
また、フルカラーの画像形成装置は、一般的にイエロー、マゼンタ、シアン、黒などの複数の色のトナー像を中間転写ベルトなどの像担持体に形成するとともに、それぞれのトナー像を重ね合わせてカラー画像を形成している。
【0005】
そして、このようなカラー画像を形成する画像形成装置では、例えば、装置内の温度変化などにより中間転写ベルトの伸縮などが生じて、トナー像の位置がずれてしまうことがある。そこで、像担持体の表面に所定の形状の各色トナー像からなる位置検知用トナーマークを形成し、この位置検知用トナーマークの位置、即ち、トナーの付着位置を上述した光学センサにより検知してその位置ずれ量を求め、この位置ずれ量に基づき感光体上への潜像形成用のレーザ光照射タイミングや、像担持体の回転速度などを調整してトナー像の位置ずれ補正を行っている。
【0006】
上述した画像形成装置として、例えば、図14に一部を示す画像形成装置801は、光学センサ810を有している。
【0007】
この光学センサ810は、像担持体としての搬送ベルト829の表面829aに向けて照射光Lを照射する発光ダイオード811(以下、LED811という)811と、表面829a又は表面829aに形成された濃度検知用トナーマーク891により照射光Lが正反射された正反射光Rを受光するフォトダイオード812と、LED811及びフォトダイオード812を収容する収容部875、876を備えたケース814と、ケース814の収容部875、876の開口部875a、876aを覆う透明のカバー部材815と、LED811、フォトダイオード812及びケース814が取り付けられた基板895と、を有している。
【0008】
この光学センサ810は、フォトダイオード812によって受光された上記正反射光Rの強さに応じた信号を出力する。そして、画像形成装置801は、光学センサ810の出力に基づいて濃度検知用トナーマーク891の位置を検知していた。
【0009】
しかしながら、このような光学センサ810は、その構造上、搬送ベルト829の近傍に設置されるので、カバー部材815と搬送ベルト829との間の空間に浮遊したトナーがカバー部材815における搬送ベルト829側に向く表面815aに付着してしまい、そのため、このように付着したトナーに正反射光Rが遮られることにより、開口部876aを通過してフォトダイオード812に到達する正反射光Rの光量が減少して、濃度検知用トナーマーク891の位置の検知の精度が低下してしまうという問題があった。
【0010】
このような問題を解決する技術が特許文献1に開示されている。特許文献1の画像形成装置901には、図15、図16に示すように、発光部911と受光部912とこれらを収容する収容部材914とを有する光学センサ910が設けられている。収容部材914における搬送ベルト940に対向する対向面915には、導電性を有する薄膜部材916が密に重ねて設けられている。薄膜部材916における発光部911と対向する箇所及び薄膜部材916における受光部と対向する箇所は、発光部911が発光した光及び受光部912が受光する光が通過するように開口916a、916bが設けられている。薄膜部材916には、画像形成装置901が有する図示しない電源部分が接続されており、搬送ベルト940の表面のトナー画像を構成するトナーが帯電している極性と同極性の電圧が印加されている。
【0011】
これにより、画像形成装置901においては、光学センサ910が搬送ベルト940の表面に形成されたトナーマークの濃度を検知する際に、光学センサ910の対向面915近傍にトナーと同極性の電界が発生しているので、搬送ベルト940の表面から飛散したトナーに斥力(反発力)が生じて反発し、当該トナーは対向面915の薄膜部材916から離れる方向に移動する。このようにして、画像形成装置901では、光学センサ910へのトナーの付着を防いでいた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、上述した光学センサ910では、光学センサ910の対向面915近傍にトナーと同極性の電界を発生させるために、画像形成装置901の電源部分によって薄膜部材916に電圧を印加しているので、電力消費が生じているとともに複雑な構造となってしまうという問題があった。また、光学センサ910の対向面915における薄膜部材916の開口916a、916bに対応する箇所は、発光部911が発光した光及び受光部912が受光する光が通過する光学的有効領域であるところ、これら箇所は薄膜部材916が設けられておらず露出されているので、これら箇所には薄膜部材916が密に重ねられた他の箇所のようにトナーに対して斥力を生じる電界が生じておらず、そのため、上記他の箇所で反発されたトナーが付着してしまう恐れがあり、光学的有効領域へのトナーの付着を十分に防止できないという問題があった。
【0013】
本発明は、かかる問題を解決することを目的としている。即ち、本発明は、簡易な構成で受光カバー部材の光入射側表面における受光素子に受光される光の通過する受光有効領域へのトナーの付着を効果的に抑制できる光学センサ及びその光学センサを有する画像形成装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達成するために、請求項1に記載された発明は、トナーの状態の検知に用いられる光学センサであって、透明又は半透明の受光カバー部材と、前記受光カバー部材を透過した光を受光する受光素子と、を有する光学センサにおいて、前記受光カバー部材の光入射側表面における受光有効領域、又は、前記受光有効領域及びそれに連なる受光近傍領域には、前記トナーの有する電荷と同極性の電荷を有する光透過性の同極性薄膜部が設けられていることを特徴とする光学センサである。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、受光カバー部材の光入射側表面における受光素子に受光される光の透過する受光有効領域、又は、当該受光有効領域及びそれに連なる受光近傍領域には、状態を検知する対象となるトナーが有する電荷と同極性の電荷を有する光透過性の同極性薄膜部が設けられているので、この同極性薄膜部は、それが有する電荷によって、外部から電圧を印加することなく当該同極性薄膜部の表面近傍にトナーに対して斥力(反発力)を生じさせる電界を発生させることができ、そのため、当該電界によって上記受光有効領域又は上記受光近傍領域に近づくトナーを当該受光有効領域から離れる方向に移動させることができ、別途電源部分等から電圧印加を不要として、簡易な構成で受光有効領域へのトナーの付着を効果的に抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の光学センサの一実施形態である反射型フォトセンサ、並びに、濃度検知用トナーパッチ及び位置検知用トナーパッチの配置を模式的に示す図である。
【図2】図1の反射型フォトセンサの正面方向から見た断面図である。
【図3】図2のA−A線に沿う断面図である。
【図4】図1の反射型フォトセンサが備える発光ダイオード及びフォトダイオードの側面図である。
【図5】(a)は、図1の反射型フォトセンサの下面側周辺を正面方向から見た拡大断面図であり、(b)は、下方から見た拡大下面図である。
【図6】図1の反射型フォトセンサのカバー本体部の外面近傍に生じる電界及び当該電界によりトナーに加わる力を模式的に示す図である。
【図7】(a)は、図1の反射型フォトセンサの変形例の構成を示す拡大断面図であり、(b)は、下方から見た拡大下面図である。
【図8】本発明の光学センサの他の実施形態である反射型フォトセンサの正面図である。
【図9】図8の反射型フォトセンサの下方から見た下面図である。
【図10】本発明の光学センサの他の実施形態である受光センサの正面図である。
【図11】本発明の一実施形態の画像形成装置を示す断面図である。
【図12】図11の画像形成装置が備えるプロセスカートリッジの断面図である。
【図13】図12のプロセスカートリッジの変形例の構成を示す断面図である。
【図14】従来の画像形成装置の構成を示す図である。
【図15】従来の他の画像形成装置の構成を示す図である。
【図16】図15の画像形成装置が備える光学センサの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
(実施形態1)
以下に、本発明に係る光学センサの一実施形態である反射型フォトセンサについて、図1〜図7を参照して説明する。なお、以下の説明において、上下左右は、図中の位置関係を相対的に示すために、便宜上用いているものであり、実際の位置関係を特定するものではない。
【0018】
図1は、本発明の光学センサの一実施形態である反射型フォトセンサ、並びに、濃度検知用トナーパッチ及び位置検知用トナーパッチの配置を模式的に示す図である。
【0019】
図1に示すように、本発明の一実施形態の反射型フォトセンサ70(70(1)、70(2))は、後述する画像形成装置1内で支持部材96に取り付けられて像担持体としての搬送ベルト29と間隔をあけて相対して配置される。そして、反射型フォトセンサ70は、トナーの状態として、この搬送ベルト29の表面29aに形成されて担持された濃度検知用トナーマーク91の濃度(トナーの付着量)、及び、位置検知用トナーマーク92の位置(トナーの付着位置)を検知するために用いられる。
【0020】
反射型フォトセンサ70によって濃度検知される濃度検知用トナーマーク91は、例えば、各色トナー(イエローY、マゼンタM、シアンC、黒K)を用いて搬送ベルト29の表面移動方向の上流から下流に向かい徐々に濃度が薄くなる階調パターンに形成された、複数の矩形状トナー像であって、搬送ベルト29の表面移動方向に沿って等間隔に配列されている。
【0021】
また、反射型フォトセンサ70によって位置検知される位置検知用トナーマーク92は、例えば、各トナーを用いて高濃度(いわゆるベタ)に形成された複数の帯状トナー像であって、それらの長手方向が搬送ベルト29の表面移動方向に直交又は斜めに交差するようにして、搬送ベルト29の表面移動方向に沿って4色1組で等間隔に配列されている。
【0022】
本実施形態において、濃度検知用トナーマーク91及び位置検知用トナーマーク92は、負に帯電されたトナーが搬送ベルト29に付着されることにより形成されており、つまり、これらトナーマークを形成するトナーは負極性の電荷を有している。
【0023】
図1において、符号Y、M、C、Kは、それぞれイエロー、マゼンタ、シアン、黒のトナーで形成されたトナー像を示している。また、濃度検知用トナーマーク91において、これら符号に付加されたカッコ内の数値は、いわゆるベタ画像を100%とする相対的なトナー濃度を示している。また、図1において、濃度検知用トナーマーク91の濃度の検知に用いられる反射型フォトセンサ70を符号70(1)で示し、位置検知用トナーマーク92の位置の検知に用いられる反射型フォトセンサ70を符号70(2)で示している。
【0024】
反射型フォトセンサ70は、それが組み込まれる画像形成装置の構成によって、感光体ドラムや中間転写ベルトなどの像担持体に相対して配置されて、これらの像担持体の表面に形成された各トナーマークの濃度又は位置の検知に用いてもよい。
【0025】
次に、反射型フォトセンサ70の構成について説明する。
【0026】
図2は、図1の反射型フォトセンサの正面方向から見た断面図である。図3は、図2のA−A線に沿う断面図である。図4は、図1の反射型フォトセンサが備える発光ダイオード及びフォトダイオードの側面図である。
【0027】
反射型フォトセンサ70は、図2、図3に示すように、発光素子の一例としての発光ダイオード71と、受光素子の一例としてのフォトダイオード72と、ケース74と、基板95と、カバー100と、を備えている。
【0028】
発光ダイオード71(以下、LED71という)は、電流を流すことにより、例えば、紫外光を発光する周知の光半導体部品である。
【0029】
LED71は、図4に示すように、透明又は半透明の合成樹脂からなる封止部材83Lと、該封止部材83Lに封止された発光チップ81Lと、該発光チップ81Lに接続された一対のリード線82Lと、からなる樹脂モールド型のものである。LED71の封止部材83Lは、円柱状の胴部85Lと、胴部85Lの一端に一体形成された半球状の頭部84Lと、胴部85Lの他端に一体形成されたフランジ部86Lと、を備えており、いわゆる砲弾形状に形成されている。
【0030】
LED71の発光チップ81Lには、例えば、ピーク発光波長が365nmの紫外光を発光する窒化ガリウム(GaN)化合物からなる素子が用いられている。本発明において、紫外光とは、300nm以上且つ400nm以下の波長の光のことをいう。LED71の一対のリード線82Lは、それぞれの一端が発光チップ81Lに接続されており、それぞれの他端が胴部85Lの他端から突出されている。
【0031】
なお、本実施形態では、発光素子として砲弾形状のLED71を用いているが、これに限らず、後述するフォトダイオード72で検知可能な光を照射するものであればLED71の形状及び構成は任意である。また、発光素子として発光ダイオード以外にも、電球や蛍光管などの他の光源を用いることができるが、小型化やコスト低減の面で、発光ダイオードが最も有利である。
【0032】
フォトダイオード72は、受光した光量に応じた電圧(即ち、信号)を出力する周知の光半導体部品である。
【0033】
フォトダイオード72は、上述したLED71において、上記発光チップ81Lに代えて、受光チップ81Rを有する以外は同一の構成であるため、これら同一の部分についてはLED71の構成部材に付した符号末尾のLをRに代えて示し、それら説明は省略する。図3及び図4において、フォトダイオード72の符号をカッコ内に示している。フォトダイオード72の封止部材83Rは、上述したLED71と同一の砲弾形状に形成されている。もちろん、フォトダイオード72とLED71とで互いに異なる形状であっても良く、また、共に砲弾形状以外の形状であってもよい。
【0034】
フォトダイオード72の受光チップ81Rには、例えば、感度波長範囲が320nm〜1000nmのシリコン(Si)素子が用いられている。受光チップ81Rは、その感度波長範囲に、上記LED71の発光チップ81Lが発光する紫外光の波長を含むものであればよい。フォトダイオード72の一対のリード線82Rは、それぞれの一端が受光チップ81Rに接続されており、それぞれの他端が胴部85Rの他端から突出されている。
【0035】
なお、本実施形態においては、受光素子としてフォトダイオードを用いているが、これに限らず、フォトトランジスタや、フォトダーリントンなどの、受光した光の光量に応じた電圧又は電流を生じるものであれば、受光素子の形状及び構成は任意である。
【0036】
ケース74は、例えば、ポリ塩化ビニルなどの非透光性の合成樹脂からなり、図2、図3に示すように長方体状に形成されている。このケース74は、その図中下方に位置する面(以下、下面741という)が、搬送ベルト29の表面29aと間隔をあけて平行に相対するように配置される。ケース74には、それぞれ断面円形の、第1収容孔75及び第2収容孔76が設けられている。
【0037】
第1収容孔75は、ケース74の下面741とケース74の図中上方に位置する面(以下、上面742という)とを貫通しており、内径が上面742側の開口部75bを除いてLED71の胴部85Lの外径DLと略同一に形成されている。
【0038】
第1収容孔75の上面742側の開口部75bは、LED71のフランジ部86Lの外径より大きく形成されている。これにより、第1収容孔75に頭部84LからLED71を挿入すると、LED71のフランジ部86Lが第1収容孔75内でケース74に当接してLED71が位置決めされる。
【0039】
第1収容孔75には、その軸P1とLED71の照射軸PLとを一致させるようにして、LED71が搬送ベルト29の表面29aと相対するように収容される。つまり、LED71はケース74によって搬送ベルト29の表面29aに向けて支持されている。
【0040】
第1収容孔75は、正面方向(図2における手前−奥方向)から見たとき、その軸P1が下面741に直交する方向(直線H)に対し所定の入射角度をなし、側面方向(図2における左右方向)から見たとき、その軸P1が直線Hに一致するように形成されている。これにより、LED71の照射光Lが、上記所定の入射角度で搬送ベルト29の表面29aに入射される。
【0041】
第1収容孔75の下面741側の開口部75aには、それを塞ぐように形成された照射光規制部材751がケース74と一体に設けられている。この照射光規制部材751には、略円形の開口径がLED71の胴部85Lの外径DLより小さく形成された照射光規制開口部751aが、照射光規制部材751の中央部を貫通して設けられている。この照射光規制開口部751aは、LED71の紫外光からなる照射光Lの光路径を規制して、照射光Lが不要に広がることを防ぐ。
【0042】
第2収容孔76は、第1収容孔75と同様に、下面741と上面742とを貫通しており、内径が上面742側の開口部76bを除いてフォトダイオード72の胴部85Rの外径DRと略同一に形成されている。
【0043】
第2収容孔76の上面742側の開口部76bは、フォトダイオード72のフランジ部86Rの外径より大きく形成されている。これにより、第2収容孔76に、頭部84Rからフォトダイオード72を挿入すると、フォトダイオード72のフランジ部86Rが第2収容孔76内でケース74に当接してフォトダイオード72が位置決めされる。
【0044】
第2収容孔76には、その軸P2とフォトダイオード72の受光軸PRとを一致させるようにして、フォトダイオード72が搬送ベルト29の表面29aと相対するように収容される。つまり、フォトダイオード72はケース74によって搬送ベルト29の表面29aに向けて支持されている。
【0045】
第2収容孔76は、正面方向から見たとき、その軸P2が下面741に直交する方向(直線H)に対し、上記入射角度と同じ角度で且つ反対方向に傾く所定の出射角度をなし、側面方向から見たとき、その軸P2が直線Hに一致するように形成されている。
【0046】
第2収容孔76の下面741側の開口部76aには、それを塞ぐように形成された反射光規制部材761が、ケース74と一体に設けられている。この反射光規制部材761には、略円形の開口径がフォトダイオード72の胴部85Rの外径DRより小さく形成された反射光規制開口部761aが、反射光規制部材761の中央部を貫通して設けられている。この反射光規制開口部761aは、第2収容孔76に進入する正反射光Rの光路径を規制するとともに、フォトダイオード72に不要な光が受光されることを規制する。
【0047】
第1収容孔75及び第2収容孔76は、それぞれの軸P1、P2が、搬送ベルト29の表面29aと直交する1枚の平面上に共に配置され、且つ、それぞれの軸P1、P2が、上述した照射光Lが入射される搬送ベルト29の表面29aの点Qから垂直に引いた直線Hについて線対称となるように形成されている。換言すると、LED71の照射軸PLとフォトダイオード72の受光軸PRとのそれぞれが、直線Hに対して同じ角度で互いに逆方向に傾斜されている。
【0048】
これにより、LED71は、照射光規制開口部751aを通じて、搬送ベルト29の表面29a及び当該表面29aに形成された各トナーマーク(即ち、濃度検知用トナーマーク91、又は、位置検知用トナーマーク92)に向けて、照射光Lを照射し、そして、フォトダイオード72は、LED71の照射光Lが搬送ベルト29の表面29a及び当該表面29aに形成された各トナーマークで正反射された正反射光Rを、反射光規制開口部761aを通じて受光する。
【0049】
基板95は、合成樹脂などで構成された平板の表面に薄膜金属の回路配線が設けられた周知のプリント配線基板である。基板95は、一方の表面に、上述したケース74の後面が取り付けられているとともに、LED71及びフォトダイオード72、のそれぞれの一対のリード線82の前記他端がはんだ付けされている。これらLED71及びフォトダイオード72は、基板95を介して図示しない制御部に電気的に接続されており、制御部からの制御信号を受けて照射光Lを照射するとともに、受光した正反射光Rの光量に応じた電圧を当該制御部に出力する。
【0050】
図5(a)は、図1の反射型フォトセンサの下面側周辺を正面方向から見た拡大断面図であり、(b)は、下方から見た拡大下面図である。
【0051】
カバー100は、図5(a)、(b)に示すように、受光カバー部材及び出光カバー部材の一例としてのカバー本体部101と、同極性薄膜部の一例としての第1薄膜部111及び第2薄膜部112と、逆極性薄膜部の一例としての第3薄膜部113と、を有している。
【0052】
カバー本体部101は、例えば、アクリル樹脂(PMMA)やポリカーボネート(PC)などの合成樹脂、又は、光学ガラスなどを用いて、透明又は半透明(即ち、光透過性)の矩形板状に形成されている。カバー本体部101は、平面視形状がケース74の下面741と同形状に形成されている。
【0053】
カバー本体部101は、その一方の面がケース74の下面741に密に重ねられてケース74に取り付けられている。このような光透過性のカバー本体部101によって照射光規制開口部751a及び反射光規制開口部761aが塞がれるので、第1収容孔75及び第2収容孔76へのトナーなどの異物の侵入を防ぐとともに、照射光規制開口部751aからの照射光Lの出光、及び、反射光規制開口部761aへの正反射光Rの入光を可能にしている。
【0054】
つまり、カバー本体部101における上記一方の面と反対側の他方の面(搬送ベルト29側に向けて配置される面、以下、「外面102」という)には、反射光規制開口部761aを通じてフォトダイオード72へ向かう正反射光Rが入射しており、即ち、外面102は、請求項中の光入射側表面の一例に相当する。また、外面102からは、LED71が照射した照射光Lが照射光規制開口部751aを通じて出射されており、即ち、外面102は、請求項中の光出射側表面の一例に相当する。
【0055】
カバー本体部101の外面102には、第1薄膜部111、第2薄膜部112及び第3薄膜部113が設けられている。
【0056】
第1薄膜部111は、上述した濃度検知用トナーマーク91又は位置検知用トナーマーク92を形成するトナーの有する電荷と同極性の電荷である負電荷を有する光透過性の薄膜であり、カバー本体部101の外面102における第1部分102aに密に重なるようにして形成されている。
【0057】
ここで、第1部分102aとは、その中心部分102a1が照射光規制開口部751aに重ねられる、当該照射光規制開口部751aより若干大きい略円形の部分のことをいう。また、LED71から出光された照射光Lが照射光規制開口部751aを通過するので、第1部分102aにおける照射光規制開口部751aに重ねられた中心部分102a1は、発光素子としてのLED71から出光された照射光Lの通過する出光有効領域である。第1部分102aは、出光有効領域の一例である中心部分102a1及び中心部分102a1に連なる出光近傍領域の一例である周囲部分102a2を含んで構成されている。
【0058】
第2薄膜部112は、上記第1薄膜部111と同様に、上述した濃度検知用トナーマーク91又は位置検知用トナーマーク92を形成するトナーの有する電荷と同極性の電荷である負電荷を有する光透過性の薄膜であり、カバー本体部101の外面102における第2部分102bに密に重なるようにして形成されている。
【0059】
ここで、第2部分102bとは、その中心部分が反射光規制開口部761aに重ねられた、当該反射光規制開口部761aより若干大きい略円形の部分のことをいう。また、反射光規制開口部761aを通過した光がフォトダイオード72に受光されるので、第2部分102bにおける反射光規制開口部761aに重ねられた中心部分102b1は、受光素子としてのフォトダイオード72に受光される正反射光Rの透過する受光有効領域である。第2部分102bは、受光有効領域の一例である中心部分102b1及び中心部分102b1に連なる受光近傍領域の一例である周囲部分102b2を含んで構成されている。
【0060】
第1薄膜部111及び第2薄膜部112は、例えば、塩化物イオンや水酸化物イオン、酢酸イオンなどの陰イオンと、微細粒子状の酸化チタン及び酸化ケイ素と、を溶媒中に分散させた混合液を、外面102の第1部分102a、第2部分102bに塗布した後に乾燥させることにより形成されている。本実施形態において、陰イオン、酸化チタン及び酸化ケイ素を2:1:1(モル比)の割合で混合した陰イオン混合液を用いている。また、溶媒として、水(H2O)を用いている。または、溶媒として、水とアルコールとを混合したものを用いてもよい。
【0061】
このようにして形成した第1薄膜部111及び第2薄膜部112は、それぞれ陰イオンによる負電荷を有しているので、第1薄膜部111及び第2薄膜部112の表面近傍に、負電荷を有するトナーに対して当該表面から離れる方向に移動させる力(斥力)を生じさせる電界を形成する。
【0062】
第3薄膜部113は、上述した濃度検知用トナーマーク91又は位置検知用トナーマーク92を形成するトナーの有する電荷と逆極性の電荷である正電荷を有する薄膜であり、外面102における第3部分102cに密に重なるようにして形成されている。この第3薄膜部113は、光透過性を有していなくてもよい。
【0063】
ここで、外面102の第3部分102cとは、外面102における第1部分102a、第2部分102b以外の部分のことを示す。即ち、第3部分102cは、第1部分102a、第2部分102bに隣接して配置されている。第3部分102cは、請求項中の受光隣接領域及び出光隣接領域の一例に相当する。
【0064】
第3薄膜部113は、例えば、ナトリウムイオンやカリウムイオンなどの陽イオンと、微細粒子状の酸化チタン及び酸化ケイ素と、を溶媒中に分散させた混合液を、外面102の第3部分102cに塗布した後、乾燥させることにより形成されている。本実施形態において、陽イオン、酸化チタン及び酸化ケイ素を2:1:1(モル比)の割合で混合した陽イオン混合液を用いている。また、溶媒として、水(H2O)を用いている。または、溶媒として、水とアルコールとを混合したものを用いてもよい。
【0065】
このようにして形成した第3薄膜部113は、それぞれ陽イオンによる正電荷を有しているので、第3薄膜部113の表面近傍に、負電荷を有するトナーに対して当該表面に近づく方向に移動させる力(引力)を生じさせる電界を形成する。
【0066】
これら負電荷を有する第1薄膜部111、第2薄膜部112、及び、正電荷を有する第3薄膜部113については、例えば、特開2009−209319号公報などに開示されている薄膜形成方法等の周知の技術を用いて形成している。
【0067】
また、第1薄膜部111、第2薄膜部112及び第3薄膜部113は、膜厚が100nm〜5μmに形成され、特に、高精度の測定には、膜厚が100〜200nmに形成されることが好ましい。また、これら薄膜部の形成には、粒径が数nm〜50nmの酸化チタン及び酸化ケイ素を用いている。これら酸化チタン及び酸化ケイ素は、所望とする薄膜部の膜厚が小さいほど、粒径の小さいものを用いることが好ましい。
【0068】
次に、上述した反射型フォトセンサにおける本発明に係る動作(作用)について、図6を参照して説明する。
【0069】
図6は、第2薄膜部112の表面に生じた電界Eb及び第2薄膜部112に隣接された第3薄膜部113の表面に生じた電界Ecと、これら電界Eb、Ecによって、上記表面近傍に浮遊するトナーT1〜T3に及ぼす力fc1〜fc3と、を模式的に示す図である。図6において、電界Ebは負極性であり、電界Ecは正極性である。また、電界Eb、Ecは各薄膜部の表面に近いほど電位の絶対値が大きく、トナーに及ぼす力が強くなる。また、トナーT1〜T3は負の電荷を有している。
【0070】
図5及び図6に示すように、カバー本体部101の外面102において、第2薄膜部112は、周囲を第3薄膜部113に囲まれている。
【0071】
トナーT1は、第2薄膜部112の下方で且つ右側の第3薄膜部113寄りの位置に浮遊しており、このトナーT1には、電界Ebによる第2薄膜部112の表面から離れる方向に移動させる力fa1と、電界Ecによる第3薄膜部113の表面に近づく方向に移動させる力fb1と、が加わるので、トナーT1は、これら力fa1と力fb1との合力fc1の方向(図中右方向)に移動する。
【0072】
トナーT2は、左側の第3薄膜部113の下方で且つ第2薄膜部112寄りの位置に浮遊しており、トナーT2には、電界Ebによる第2薄膜部112の表面から離れる方向に移動させる力fa2と、電界Ecによる第3薄膜部113の表面に近づく方向に移動させる力fb2と、が加わるので、トナーT2は、これら力fa2と力fb2との合力fc2の方向(図中左方向)に移動する。
【0073】
トナーT3は、第2薄膜部112の下方で当該第2薄膜部からやや離れた位置に浮遊しており、トナーT3には、電界Ebによる第2薄膜部112の表面から離れる方向に移動させる力fa3が加わり、電界Ebによる力fb2はほとんど加わらないので、トナーT3は、この力fa3(即ち、fc3)の方向(図中下方)に移動する。
【0074】
このように、第2薄膜部112近傍に浮遊するトナーには、当該第2薄膜部112から離れる方向に移動する力が加わって、第2薄膜部112から遠ざけられる。
【0075】
上記では第2薄膜部112の電界及び第3薄膜部113の電界によるトナーに及ぶ力について説明するものであったが、第1薄膜部111の電界及び第3薄膜部113の電界によるトナーに及ぶ力についても同様である。
【0076】
なお、第2薄膜部112と第3薄膜部113とは互いに隣接して配置されているが、本明細書において、「隣接」とは、厳密に隣り合っている状態に加えて、第2薄膜部の電界Ebによる力を受けているトナーに対して第3薄膜部の電界Ecによる力が働く程度に第2薄膜部112と第3薄膜部113とが若干の隙間をあけて隣り合っている状態など、本発明の目的に反しない限り、本発明の作用効果を奏する程度に間隔をあけて隣り合っている状態も含む。
【0077】
上述したように、本実施形態の反射型フォトセンサ70は、透明又は半透明のカバー本体部101と、カバー本体部101を透過した光を受光するフォトダイオード72と、を有して、トナーの濃度及び位置の検知に用いられるものである。そして、反射型フォトセンサ70は、カバー本体部101の外面102におけるフォトダイオード72に受光される光の透過する中心部分102b1(受光有効領域)及びこの中心部分102b1に連なる周囲部分102b2(受光近傍領域)を含む第2部分102bに、トナーの有する電荷と同極性の電荷を有する光透過性の第2薄膜部112が設けられている。
【0078】
また、反射型フォトセンサ70は、カバー本体部101の外面102における第2部分102bに隣接する第3部分102cには、トナーの有する電荷と逆極性の電荷を有する第3薄膜部113が設けられている。
【0079】
また、反射型フォトセンサ70は、透明又は半透明のカバー本体部101と、カバー本体部101を透過する光を発光するLED71と、をさらに有し、かつ、カバー本体部101の外面102におけるLED71の発光した光の透過する中心部分102a1(出光有効領域)及びこの中心部分102a1に連なる周囲部分102a2(出光近傍領域)を含む第1部分102aには、トナーの有する電荷と同極性の電荷を有する光透過性の第1薄膜部111が設けられている。
【0080】
また、反射型フォトセンサ70は、カバー本体部101の外面102における第1部分102aに隣接する第3部分102cには、トナーの有する電荷と逆極性の電荷を有する第3薄膜部113が設けられている。
【0081】
また、第1薄膜部111及び第2薄膜部112には、酸化チタン及び酸化ケイ素が含まれている。
【0082】
また、第3薄膜部113には、酸化チタン及び酸化ケイ素が含まれている。
【0083】
以上より、本実施形態によれば、カバー本体部101の外面102におけるフォトダイオード72に受光される正反射光Rの透過する中心部分102b1を含む第2部分102bには、搬送ベルト29の表面29aのトナーマーク91、92を形成するトナーが有する電荷と同極性の負電荷を有する光透過性の第2薄膜部112が設けられているので、この第2薄膜部112は、それが有する負電荷によって、外部から電圧を印加することなく、当該第2薄膜部112の表面近傍にトナーに対して斥力(反発力)を生じさせる電界Ebを発生させることができ、そのため、当該電界Ebによって上記第2部分102bに近づくトナーを当該第2部分102bから離れる方向に移動させることができ、別途電源部分等から電圧印加を不要として、簡易な構成で第2部分102bへのトナーの付着を効果的に抑制できる(請求項1の効果)。
【0084】
また、外面102における第2部分102bに隣接する第3部分102cには、トナーの有する電荷と逆極性の正電荷を有する第3薄膜部113が設けられているので、この第3薄膜部113は、それが有する正電荷によって、外部から電圧を印加することなく、当該第3薄膜部113の表面近傍にトナーに対して引力を生じさせる電界Ecを発生させることができ、そのため、上記第2薄膜部112の電界Eb及び第3薄膜部113の電界Ecによる合力によって上記第2部分102bに近づくトナーを当該第2部分102bから離れる方向により強い力で確実に移動させることができ、別途電源部分等から電圧印加を不要として、簡易な構成で第2部分102bへのトナーの付着を効果的に抑制できる(請求項2の効果)。
【0085】
また、カバー本体部101の外面102におけLED71が照射(発光)した照射光Lの透過する中心部分102a1を含む第1部分102aには、搬送ベルト29の表面29aのトナーマーク91、92を形成するトナーが有する電荷と同極性の負電荷を有する光透過性の第1薄膜部111が設けられているので、上記第2薄膜部112と同様に、この第1薄膜部111は、それが有する負電荷によって、外部から電圧を印加することなく、当該第1薄膜部111の表面近傍にトナーに対して斥力(反発力)を生じさせる電界を発生させることができ、そのため、当該電界によって上記第1部分102aに近づくトナーを当該第1部分102aから離れる方向に移動させることができ、別途電源部分等から電圧印加を不要として、簡易な構成で第1部分102aへのトナーの付着を効果的に抑制できる(請求項5の効果)。
【0086】
また、外面102における第1部分102aに隣接する第3部分102cには、トナーの有する電荷と逆極性の正電荷を有する第3薄膜部113が設けられているので、この第3薄膜部113は、それが有する正電荷によって、外部から電圧を印加することなく、当該第3薄膜部113の表面近傍にトナーに対して引力を生じさせる電界を発生させることができ、そのため、第1薄膜部111の電界及び第3薄膜部113の電界による合力によって上記第1部分102aに近づくトナーを当該第1部分102aから離れる方向により強い力で確実に移動させることができ、別途電源部分等から電圧印加を不要として、簡易な構成で第1部分102aへのトナーの付着を効果的に抑制できる(請求項6の効果)。
【0087】
また、第1薄膜部111及び第2薄膜部112には、酸化チタン及び酸化ケイ素が含まれているので、陰イオンと接した酸化チタン及び酸化ケイ素が誘電分極されることで電荷が安定して維持され、表面が負電荷の薄膜を形成することができる(請求項9の効果)。
【0088】
また、第3薄膜部113には、酸化チタン及び酸化ケイ素が含まれているので、陽イオンと接した酸化チタン及び酸化ケイ素が誘電分極されることで電荷が安定して維持され、表面が正電荷の薄膜を形成することができる(請求項10の効果)。
【0089】
上述した実施形態では、第1部分102a、第2部分102bに負電荷を有する第1薄膜部111、第2薄膜部112が設けられ、第3部分102cに正電荷を有する第3薄膜部113が設けられているものであったが、これに限定されるものではなく、少なくとも第2薄膜部112が設けられていればよく、第1薄膜部111及び第3薄膜部113の一方又は両方を省略した構成でもよい。
【0090】
また、上述した実施形態では、カバー本体部101の外面102は平面状に形成されているものであったが、これに限定されるものではない。
【0091】
例えば、図7(a)、(b)に示すように、カバー本体部101の外面102に、第1部分102a(詳しくは、周囲部分102a2)の周縁に沿う環状の第1凸部102dが設けられており、また、カバー本体部101の外面102に、第2部分102b(詳しくは、周囲部分102b2)の周縁に沿う環状の第2凸部102eが設けられている構成でもよい。なお、図7は、図1の反射型フォトセンサの変形例の構成を示す拡大断面図であり、(b)は、下方から見た拡大下面図である。
【0092】
第1薄膜部111は、例えば、上記混合液を乾燥させることにより形成するものであるところ、このように、第1凸部102dを設けることにより、混合液が第1部分102a以外の部分に流れ出すことがなくなるので、第1薄膜部111を確実に第1部分102aに形成することができ、製造精度を向上できる(請求項8の効果)。また、第1凸部102dによって、第1部分102aと第3部分102cとを確実に区画することができるので、各薄膜部を形成する混合液が混ざり合ってしまうことを防いで、各薄膜部の製造精度を向上できる(請求項8の効果)。
【0093】
同様に、第2薄膜部112は、例えば、上記混合液を乾燥させることにより形成するものであるところ、このように、第2凸部102eを設けることにより、混合液が第2部分102b以外の部分に流れ出すことがなくなるので、第2薄膜部112を確実に第2部分102bに形成することができ、製造精度を向上できる(請求項4の効果)。また、第2凸部102eによって、第2部分102bと第3部分102cとを確実に区画することができるので、各薄膜部を形成する混合液が混ざり合ってしまうことを防いで、各薄膜部の製造精度を向上できる(請求項4の効果)。
【0094】
第1凸部102dと第2凸部102eとは、どちらか一方の凸部のみが設けられた構成でもよい。
【0095】
(実施形態2)
以下に、本発明に係る光学センサの他の実施形態である反射型フォトセンサについて、図8、図9を参照して説明する。
【0096】
図8は、本発明の光学センサの他の実施形態である反射型フォトセンサの正面図である。図9は、図8の反射型フォトセンサの下方から見た下面図である。
【0097】
反射型フォトセンサ70Aは、図8、図9に示すように、発光素子の一例としての発光ダイオード71と、受光素子の一例としてのフォトダイオード72と、出光カバー支持部材の一例としての第1鏡胴部75Aと、受光カバー支持部材の一例としての第2鏡胴部76Aと、基板95Aと、第1レンズ200と、第2レンズ300と、を備えている。本実施形態において、発光ダイオード71とフォトダイオード72とは、上述した第1の実施形態におけるものと同一であるので、同一符号を付して説明を省略する。
【0098】
第1鏡胴部75Aは、例えば、ポリ塩化ビニルなどの非透光性の合成樹脂からなり、各図に示すように略円筒形状に形成されている。この第1鏡胴部75Aは、その図中下方に位置する端面(以下、下面753という)が、搬送ベルト29の表面29aと間隔をあけて相対するように配置される。
【0099】
第1鏡胴部75Aは、内径がLED71の胴部85Lの外径DLと同一に形成されている。これにより、第1鏡胴部75Aの内側に頭部84LからLED71を挿入すると、LED71のフランジ部86Lが第1鏡胴部75Aの図中上方に位置する端面(以下、上面754という)に当接してLED71が位置決めされる。
【0100】
第1鏡胴部75Aには、その軸P3とLED71の照射軸PLとを一致させるようにして、LED71が搬送ベルト29の表面29aと相対するように収容される。つまり、LED71は第1鏡胴部75Aによって搬送ベルト29の表面29aに向けて支持されている。
【0101】
第1鏡胴部75Aは、正面方向(図8における手前−奥方向)から見たとき、その軸P3が搬送ベルト29の表面29aに直交する方向(直線H)に対し所定の入射角度をなし、側面方向(図8における左右方向)から見たとき、その軸P3が直線Hに一致するように形成されている。これにより、LED71の照射光Lが、上記所定の入射角度で搬送ベルト29の表面29aに入射される。
【0102】
第2鏡胴部76Aは、上述した第1鏡胴部75Aと同様に、例えば、ポリ塩化ビニルなどの非透光性の合成樹脂からなり、各図に示すように略円筒形状に形成されている。この第2鏡胴部76Aは、その図中下方に位置する端面(以下、下面763という)が、搬送ベルト29の表面29aと間隔をあけて相対するように配置される。
【0103】
第2鏡胴部76Aは、内径がフォトダイオード72の胴部85Rの外径DRと同一に形成されている。これにより、第2鏡胴部76Aの内側に、頭部84Rからフォトダイオード72を挿入すると、フォトダイオード72のフランジ部86Rが第2鏡胴部76Aの図中上方に位置する端面(以下、上面764という)に当接してフォトダイオード72が位置決めされる。
【0104】
第2鏡胴部76Aには、その軸P4とフォトダイオード72の受光軸PRとを一致させるようにして、フォトダイオード72が搬送ベルト29の表面29aと相対するように収容される。つまり、フォトダイオード72は第2鏡胴部76Aによって搬送ベルト29の表面29aに向けて支持されている。
【0105】
第2鏡胴部76Aは、正面方向から見たとき、その軸P2が搬送ベルト29の表面29aに直交する方向(直線H)に対し、上記入射角度と同じ角度で且つ反対方向に傾く所定の出射角度をなし、側面方向から見たとき、その軸P2が直線Hに一致するように形成されている。
【0106】
第1鏡胴部75A及び第2鏡胴部76Aは、それぞれの軸P3、P4が、搬送ベルト29の表面29aと直交する1枚の平面上に配置され、且つ、それぞれの軸P3、P4が、上述した照射光Lが入射される搬送ベルト29の表面29aの点Qから垂直に引いた直線Hについて線対称となるように形成されている。換言すると、LED71の照射軸PLとフォトダイオード72の受光軸PRとのそれぞれが、直線Hに対して同じ角度で互いに逆方向に傾斜されている。
【0107】
これにより、LED71は、第1鏡胴部75Aの下面753側開口部を通じて、搬送ベルト29の表面29a及び当該表面29aに形成された各トナーマーク(即ち、濃度検知用トナーマーク91、又は、位置検知用トナーマーク92)に向けて、照射光Lを照射し、そして、フォトダイオード72は、LED71の照射光Lが搬送ベルト29の表面29a及び当該表面29aに形成された各トナーマークで正反射された正反射光Rを、第2鏡胴部76Aの下面763側開口部を通じて受光する。
【0108】
基板95Aは、合成樹脂などで構成された平板の表面に薄膜金属の回路配線が設けられた周知のプリント配線基板である。基板95Aは、一方の表面に、上述した第1鏡胴部75A及び第2鏡胴部76Aの外周面の一部が密に重ねられて取り付けられているとともに、LED71及びフォトダイオード72、のそれぞれの一対のリード線82の他端がはんだ付けされている。これらLED71及びフォトダイオード72は、基板95Aを介して図示しない制御部に電気的に接続されており、制御部からの制御信号を受けて照射光Lを照射するとともに、受光した正反射光Rの光量に応じた電圧を該制御部に出力する。
【0109】
第1レンズ200は、出光カバー部材の一例としての第1レンズ本体部201と、同極性薄膜部の一例としての第1薄膜部111Aと、を有している。
【0110】
第1レンズ本体部201は、例えば、例えば、アクリル樹脂(PMMA)やポリカーボネート(PC)などの合成樹脂、又は、光学ガラスなどを用いて、透明又は半透明(即ち、光透過性)の円形の凸レンズ形状に形成されている。第1レンズ本体部201は、その外径が第1鏡胴部75Aの内径と略同一にされている。第1レンズ本体部201は、第1鏡胴部75Aの下面753側開口部に、当該開口部を塞ぐようにして嵌め込まれている。つまり、第1レンズ本体部201は、第1鏡胴部75Aに支持されている。
【0111】
第1レンズ本体部201は、その搬送ベルト29側に向けて配置される面(以下、「外面202」という)が、第1鏡胴部75Aの下面753に連続して連なるように配置されている。第1レンズ本体部201は、LED71の照射光Lを搬送ベルト29の表面29aの点Qに向けて集めるように機能する。また、LED71から出光された照射光Lが第1レンズ本体部201の外面202を通過するので、第1レンズ本体部201の外面202は、その全面が発光素子としてのLED71から出光された照射光Lの通過する部分(出光有効領域)となる。つまり、外面202は、出光有効領域の一例に相当する。
【0112】
第1レンズ本体部201の外面202には、その全面にわたって密に重ねて光透過性の第1薄膜部111Aが形成されている。この第1薄膜部111Aは、上述した実施形態1の第1薄膜部111と同様の構成のため、その説明を省略する。
【0113】
第2レンズ300は、受光カバー部材の一例としての第2レンズ本体部301と、同極性薄膜部の一例としての第2薄膜部112Aと、を有している。
【0114】
第2レンズ本体部301は、上述した第1レンズ本体部201と同様に、例えば、アクリル樹脂(PMMA)やポリカーボネート(PC)などの合成樹脂、又は、光学ガラスなどを用いて、透明又は半透明(即ち、光透過性)の円形の凸レンズ形状に形成されている。第2レンズ本体部301は、その外径が第2鏡胴部76Aの内径と略同一にされている。第2レンズ本体部301は、第2鏡胴部76Aの下面763側開口部に、当該開口部を塞ぐようにして嵌め込まれている。つまり、第2レンズ本体部301は、第2鏡胴部76Aに支持されている。
【0115】
第2レンズ本体部301は、その搬送ベルト29側に向けて配置される面(以下、「外面302」という)が、第2鏡胴部76Aの下面763に連続して連なるように配置されている。第2レンズ本体部301は、下面763側開口部に入射した正反射光Rを、フォトダイオード72の受光チップ81R上に集めるように機能する。また、第2レンズ本体部301の外面302を通過した光がフォトダイオード72に受光されるので、第2レンズ本体部301の外面302は、その全面が、受光素子としてのフォトダイオード72に受光される正反射光Rの透過する部分(光学的有効領域)となる。つまり、外面302は、受光有効領域の一例に相当する。
【0116】
第2レンズ本体部301の外面302には、その全面にわたって密に重ねて同極性薄膜部としての光透過性の第2薄膜部112Aが形成されている。この第2薄膜部112Aは、上述した実施形態1の第2薄膜部112と同様の構成のため、その説明を省略する。
【0117】
第1鏡胴部75Aの下面753及び第2鏡胴部76Aの下面763には、それらの全面にわたって密に重ねて逆極性薄膜部の一例としての第3薄膜部113Aが形成されている。この第3薄膜部113Aは、上述した実施形態1の第3薄膜部113と同様の構成のため、その説明を省略する。これら第3薄膜部113Aは、第1薄膜部111A及び第2薄膜部112Aに隣接して配置されている。第1鏡胴部75Aの下面753は、出光有効領域に隣接する領域の一例に相当する。第2鏡胴部76Aの下面763は、受光有効領域に隣接する領域の一例に相当する。
【0118】
上述したように、本実施形態の反射型フォトセンサ70Aは、透明又は半透明の第2レンズ本体部301と、第2レンズ本体部301を透過した光を受光するフォトダイオード72と、を有して、トナーの濃度及び位置の検知に用いられるものである。そして、反射型フォトセンサ70Aは、第2レンズ本体部301の外面302に、その全面にわたってトナーの有する電荷と同極性の電荷を有する光透過性の第2薄膜部112Aが設けられている。
【0119】
また、第2レンズ本体部301を支持する第2鏡胴部76Aをさらに有し、かつ、第2鏡胴部76Aの表面における第2レンズ本体部301の外面302に隣接する下面763には、その全面にわたってトナーの有する電荷と逆極性の電荷を有する第3薄膜部113Aが設けられている。
【0120】
また、透明又は半透明の第1レンズ本体部201と、第1レンズ本体部201を透過する光を発光するLED71と、をさらに有し、かつ、第1レンズ本体部201の外面202には、その全面にわたってトナーの有する電荷と同極性の電荷を有する光透過性の第1薄膜部111Aが設けられている。
【0121】
また、第1レンズ本体部201を支持する第1鏡胴部75Aをさらに有し、かつ、第1鏡胴部75Aの表面における第1レンズ本体部201の外面202に隣接する下面753には、その全面にわたってトナーの有する電荷と逆極性の電荷を有する第3薄膜部113Aが設けられている。
【0122】
以上より、本実施形態によれば、第2レンズ本体部301の外面302には、搬送ベルト29の表面29aのトナーマーク91、92を形成するトナーが有する電荷と同極性の負電荷を有する光透過性の第2薄膜部112Aが設けられているので、この第2薄膜部112Aは、それが有する負電荷によって、外部から電圧を印加することなく、当該第2薄膜部112Aの表面近傍にトナーに対して斥力(反発力)を生じさせる電界を発生させることができ、そのため、当該電界によって上記外面302に近づくトナーを当該外面302から離れる方向に移動させることができ、別途電源部分等から電圧印加を不要として、簡易な構成で外面302へのトナーの付着を確実に防止できる(請求項1の効果)。
【0123】
また、第2レンズ本体部301の外面302に隣接する第2鏡胴部76Aの下面763には、トナーの有する電荷と逆極性の正電荷を有する第3薄膜部113Aが設けられているので、この第3薄膜部113Aは、それが有する正電荷によって、外部から電圧を印加することなく、当該第3薄膜部113Aの表面近傍にトナーに対して引力を生じさせる電界を発生させることができ、そのため、上記第2薄膜部112Aの電界及び第3薄膜部113Aの電界による合力によって外面302に近づくトナーを当該外面302から離れる方向により強い力で確実に移動させることができ、別途電源部分等から電圧印加を不要として、簡易な構成で外面302へのトナーの付着を確実に防止できる(請求項3の効果)。
【0124】
また、第1レンズ本体部201の外面202には、搬送ベルト29の表面29aのトナーマーク91、92を形成するトナーが有する電荷と同極性の負電荷を有する光透過性の第1薄膜部111Aが設けられているので、上記第2薄膜部112Aと同様に、この第1薄膜部111Aは、それが有する負電荷によって、外部から電圧を印加することなく、当該第1薄膜部111Aの表面近傍にトナーに対して斥力(反発力)を生じさせる電界を発生させることができ、そのため、当該電界によって上記外面202に近づくトナーを当該外面202から離れる方向に移動させることができ、別途電源部分等から電圧印加を不要として、簡易な構成で外面202へのトナーの付着を確実に防止できる(請求項5の効果)。
【0125】
また、第1レンズ本体部201の外面202に隣接する第1鏡胴部75Aの下面753には、トナーの有する電荷と逆極性の正電荷を有する第3薄膜部113Aが設けられているので、この第3薄膜部113Aは、それが有する正電荷によって、外部から電圧を印加することなく、当該第3薄膜部113Aの表面近傍にトナーに対して引力を生じさせる電界を発生させることができ、そのため、第1薄膜部111Aの電界及び第3薄膜部113Aの電界による合力によって上記外面202に近づくトナーを当該外面202から離れる方向により強い力で確実に移動させることができ、別途電源部分等から電圧印加を不要として、簡易な構成で外面202へのトナーの付着を確実に防止できる(請求項7の効果)。
【0126】
上述した実施形態では、第1レンズ本体部201の外面202、第2レンズ本体部301の外面302に負電荷を有する第1薄膜部111A、第2薄膜部112Aが設けられ、第1鏡胴部75Aの下面753、第2鏡胴部76Aの下面763に正電荷を有する第3薄膜部113Aが設けられているものであったが、これに限定されるものではなく、少なくとも第2薄膜部112Aが設けられていればよく、第1薄膜部111A及び第3薄膜部113Aの一方又は両方を省略した構成でもよい。
【0127】
また、上述した実施形態は、発光ダイオード71とフォトダイオード72とを共に備える構成の反射型フォトセンサについて説明するものであったが、これに限定されるものではない。例えば、上述した実施形態の反射型フォトセンサから光照射に関する部材を削除して、図10に示すように、受光素子の一例としてのフォトダイオード72と、受光カバー支持部材の一例としての第2鏡胴部76Aと、基板95Aと、第2レンズ300と、を備えた受光センサ70Bを構成しても良く、少なくとも受光素子及び受光カバーを備えていれば、本発明の目的に反しない限り、発光素子の有無は任意である。なお、図10は、本発明の光学センサの他の実施形態である受光センサの正面図である。
【0128】
(実施形態3)
次に、上述した反射型フォトセンサを有する画像形成装置の一実施形態について、図11〜図13を参照して説明する。
【0129】
図11は、本発明の一実施形態の画像形成装置を示す断面図である。図12は、図11の画像形成装置が備えるプロセスカートリッジの断面図である。図13は、図12のプロセスカートリッジの変形例の構成を示す断面図である。
【0130】
画像形成装置1は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色の画像即ちカラー画像を、一枚の転写材としての記録紙7(図11に示す)に形成する。なお、イエロー、マゼンタ、シアン、黒の各色に対応するユニットなどを、以下、符号の末尾に各々Y,M,C,Kを付けて示す。
【0131】
画像形成装置1は、図11に示すように、装置本体2と、給紙ユニット3と、レジストローラ対10と、転写ユニット4と、定着ユニット5と、複数のレーザ書き込みユニット22Y,22M,22C,22Kと、複数のプロセスカートリッジ6Y,6M,6C,6Kと、上述した反射型フォトセンサ70と、を少なくとも備えている。
【0132】
装置本体2は、例えば、箱状に形成され、フロア上などに設置される。装置本体2は、給紙ユニット3と、レジストローラ対10と、転写ユニット4と、定着ユニット5と、複数のレーザ書き込みユニット22Y,22M,22C,22Kと、複数のプロセスカートリッジ6Y,6M,6C,6Kと、反射型フォトセンサ70と、を収容している。
【0133】
給紙ユニット3は、装置本体2の下部に複数設けられている。給紙ユニット3は、前述した記録紙7を重ねて収容するとともに装置本体2に出し入れ自在な給紙カセット23と、給紙ローラ24とを備えている。給紙ローラ24は、一番上の記録紙7を、転写ユニット4の後述する搬送ベルト29と、プロセスカートリッジ6Y,6M,6C,6Kの後述する現像装置13の感光体ドラム8との間に送り出す。
【0134】
レジストローラ対10は、給紙ユニット3から転写ユニット4に搬送される記録紙7の搬送経路に設けられており、一対のローラ10a,10bを備えている。レジストローラ対10は、一対のローラ10a,10b間に記録紙7を挟み込み、該挟み込んだ記録紙7をトナー像に重ね合わせ得るタイミングで、転写ユニット4とプロセスカートリッジ6Y,6M,6C,6Kとの間に送り出す。
【0135】
転写ユニット4は、給紙ユニット3の上方に設けられている。転写ユニット4は、駆動ローラ27と、従動ローラ28と、像担持体の一例としての搬送ベルト29と、転写ローラ30Y,30M,30C,30Kとを備えている。駆動ローラ27は、記録紙7の搬送方向の下流側に配置されており、駆動源としてのモータなどによって回転駆動される。従動ローラ28は、装置本体2に回転自在に支持されており、記録紙7の搬送方向の上流側に配置されている。搬送ベルト29は、その表面29aが光沢面で且つ無端環状に形成されており、前述した駆動ローラ27と従動ローラ28との双方に掛け渡されている。搬送ベルト29は、駆動ローラ27が回転駆動されることで、前述した駆動ローラ27と従動ローラ28との回りを図中反時計回りに循環(無端走行)する。
【0136】
反射型フォトセンサ70は、画像形成装置1の図示しないフレームなどに固定された支持部材96(図1に示す)に複数個取り付けられて、搬送ベルト29の駆動ローラ27の近傍に配設されている。これら複数の反射型フォトセンサ70は、それらのケース74の下面741が、搬送ベルト29の表面29aに間隔をあけて平行に相対して配置されている。
【0137】
また、これら複数の反射型フォトセンサ70のうちの1つ(図1において、符号70(1)で示す)は、濃度検知用として、搬送ベルト29の表面29aに形成された濃度検知用トナーマーク91に相対するように配置され、濃度検知用トナーマーク91のトナー付着量(即ち、トナー濃度)を検知して、該付着量に応じた電圧を出力する。
【0138】
また、残りの反射型フォトセンサ70(図1において、符号70(2)で示す)は、位置検知用として、搬送ベルト29の表面29aに形成された位置検知用トナーマーク92に相対するように配置され、位置検知用トナーマーク92の位置(即ち、トナー付着位置)を検知して、該位置に応じた電圧を出力する。
【0139】
または、反射型フォトセンサ70を、濃度検知用及び位置検知用の両方に用いることができるように配置してもよい。
【0140】
反射型フォトセンサ70が出力する上記各電圧は、トナー濃度又はトナーマーク位置を示す信号として図示しない制御部に送られる。この制御部はマイクロコンピュータなどによって構成されている。
【0141】
転写ローラ30Y,30M,30C,30Kは、それぞれ、プロセスカートリッジ6Y,6M,6C,6Kの感光体ドラム8との間に搬送ベルト29と該搬送ベルト29上の記録紙7とを挟む。転写ユニット4は、転写ローラ30Y,30M,30C,30Kが、給紙ユニット3から送り出された記録紙7を各プロセスカートリッジ6Y,6M,6C,6Kの感光体ドラム8の外表面に押し付けて、感光体ドラム8上のトナー像を記録紙7に転写する。転写ユニット4は、トナー像を転写した記録紙7を定着ユニット5に向けて送り出す。
【0142】
定着ユニット5は、転写ユニット4の記録紙7の搬送方向の下流に設けられ、互いの間に記録紙7を挟む一対のローラ5a,5bを備えている。定着ユニット5は、一対のローラ5a,5b間に転写ユニット4から送り出されてきた記録紙7を押圧加熱することで、感光体ドラム8から記録紙7上に転写されたトナー像を、該記録紙7に定着させる。
【0143】
レーザ書き込みユニット22Y,22M,22C,22Kは、それぞれ、装置本体2の上部に取り付けられている。レーザ書き込みユニット22Y,22M,22C,22Kは、それぞれ、一つのプロセスカートリッジ6Y,6M,6C,6Kに対応している。レーザ書き込みユニット22Y,22M,22C,22Kは、プロセスカートリッジ6Y,6M,6C,6Kの後述の帯電ローラ9により一様に帯電された感光体ドラム8の外表面にレーザ光を照射して、静電潜像を形成する。
【0144】
プロセスカートリッジ6Y,6M,6C,6Kは、それぞれ、転写ユニット4と、レーザ書き込みユニット22Y,22M,22C,22Kとの間に設けられている。プロセスカートリッジ6Y,6M,6C,6Kは、装置本体2に着脱自在である。プロセスカートリッジ6Y,6M,6C,6Kは、記録紙7の搬送方向に沿って、互いに並設されている。
【0145】
プロセスカートリッジ6Y,6M,6C,6Kは、図12に示すように、カートリッジケース11と、帯電装置としての帯電ローラ9と、像担持体(感光体ともいう)としての感光体ドラム8と、クリーニング装置としてのクリーニングブレード12と、現像装置13と、現像剤供給装置35を備えている。このため、画像形成装置1は、帯電ローラ9と、感光体ドラム8と、クリーニングブレード12と、現像装置13と、現像剤供給装置35を少なくとも備えている。
【0146】
カートリッジケース11は、装置本体2に着脱自在で、かつ帯電ローラ9と、感光体ドラム8と、クリーニングブレード12と、現像装置13と、現像剤供給装置35を収容している。帯電ローラ9は、感光体ドラム8の外表面を一様に帯電する。
【0147】
感光体ドラム8は、現像装置13の後述する現像ローラ15と間隔をあけて配されている。感光体ドラム8は、軸芯を中心として回転自在な円柱状又は円筒状に形成されている。感光体ドラム8は、帯電ローラ9に印加されたAC電圧とDC電圧とを重畳させた帯電バイアスによって、その外表面が一様に帯電(例えば、−500V〜−700V)されたのち、対応するレーザ書き込みユニット22Y,22M,22C,22Kによってレーザ光が照射されて、その外表面に静電潜像が形成される。感光体ドラム8は、外表面に形成されかつ担持する静電潜像にトナー36が吸着して現像し、こうして得られたトナー像を搬送ベルト29との間に位置付けられた記録紙7に転写する。クリーニングブレード12は、記録紙7にトナー像を転写した後に、感光体ドラム8の外表面に残留したトナー36を除去する。
【0148】
現像装置13は、図12に示すように、現像剤供給部14と、ケース25と、規制部材としての規制ブレード16と、現像剤担持体としての現像ローラ15と、を少なくとも備えている。
【0149】
現像剤供給部14は、収容槽17と、攪拌部材としての一対の攪拌スクリュー18と、を備えている。収容槽17は、感光体ドラム8と長さが略等しい箱状に形成されている。また、収容槽17内には、該収容槽17の長手方向に沿って延びた仕切壁19が設けられている。仕切壁19は、収容槽17内を第1空間20と、第2空間21とに区画している。また、第1空間20と第2空間21とは、両端部が互いに連通している。
【0150】
収容槽17は、第1空間20と第2空間21との双方に現像剤26を収容する。現像剤26は、粉体としてのトナー36と、磁性キャリアとを含んでいる。第1空間20と、第2空間21とのうち現像ローラ15から離れた側の第1空間20の一端部には、供給孔37が開口している。トナー36は、供給孔37を通して、後述する現像剤供給装置35により適宜供給される。
【0151】
トナー36は、乳化重合法又は懸濁重合法により製造された球状の微粒子である。なお、トナー36は、種々の染料又は顔料を混入・分散した合成樹脂で構成される塊を粉砕して得られてもよい。トナー36の平均粒径は、3μm以上でかつ7μm以下である。また、トナー36は、粉砕加工などにより形成されてもよい。
【0152】
磁性キャリアは、第1空間20と第2空間21との双方に収容されている。磁性キャリアの平均粒径は、20μm以上でかつ35μm以下である。磁性キャリアは、磁性材料としてのフェライトで構成された球状の芯材と、アクリルなどの熱可塑性樹脂とメラミン樹脂とを架橋させた樹脂成分と帯電調整剤とを含有しかつ前記芯材の外表面を被覆した樹脂コート膜と、樹脂コート膜に分散された球状のアルミナ粒子と、を備えている。
【0153】
攪拌スクリュー18は、第1空間20と第2空間21それぞれに収容されている。攪拌スクリュー18の長手方向は、収容槽17、現像ローラ15及び感光体ドラム8の長手方向と平行である。攪拌スクリュー18は、軸芯周りに回転自在に設けられており、軸芯周りに回転することで、トナー36と磁性キャリアとを攪拌するとともに、該軸芯に沿って現像剤26を搬送する。
【0154】
図示例では、第1空間20内の攪拌スクリュー18は、現像剤26を前述した一端部から他端部に向けて搬送する。第2空間21内の攪拌スクリュー18は、現像剤26を他端部から一端部に向けて搬送する。
【0155】
前述した構成によれば、現像剤供給部14は、第1空間20の一端部に供給されたトナー36を磁性キャリアと攪拌しながら、他端部に搬送し、この他端部から第2空間21の他端部に搬送する。そして、現像剤供給部14は、第2空間21内でトナー36と磁性キャリアとを攪拌し、軸芯方向に搬送しながら、現像ローラ15の外周面に供給する。
【0156】
ケース25は、箱状に形成され、前述した現像剤供給部14の収容槽17に取り付けられて、該収容槽17とともに、現像ローラ15などを覆う。また、ケース25の感光体ドラム8と相対する部分には、開口部25aが設けられている。
【0157】
規制ブレード16は、平板状に形成され、かつ収容槽17の感光体ドラム8寄りの端部即ち後述する現像スリーブ32の回転方向の収容槽17と感光体ドラム8との間に設けられている。規制ブレード16は、収容槽17から現像ローラ15に向かって突出した状態で収容槽17に取り付けられている。規制ブレード16は、現像スリーブ32の外表面と間隔をあけた状態で、前述したケース25に取り付けられている。規制ブレード16は、所望の厚さを越える現像スリーブ32の外表面の現像剤26を収容槽17内にそぎ落として、現像領域31に搬送される現像スリーブ32の外表面の現像剤26を所望の厚さにする。
【0158】
現像ローラ15は、円柱状に形成され、第2空間21と、感光体ドラム8との間でかつ前述した開口部25aの近傍に設けられている。現像ローラ15は、感光体ドラム8と収容槽17との双方と平行である。現像ローラ15は、感光体ドラム8と間隔をあけて配されている。現像ローラ15と感光体ドラム8との間の隙間は、現像剤26のトナー36を感光体ドラム8に吸着させて、静電潜像を現像してトナー像を得る現像領域31をなしている。現像領域31では、現像ローラ15と感光体ドラム8とが相対する。
【0159】
現像ローラ15は、図12に示すように、円柱状の芯金34と、円筒状のマグネットローラ(磁石体ともいう)33と、非磁性円筒体としての前述した現像スリーブ32とを備えている。芯金34は、長手方向が感光体ドラム8の長手方向と平行に配され、前述したケース25に回転することなく固定されている。
【0160】
マグネットローラ33は、磁性材料で構成され、かつ円筒状に形成されているとともに、複数の固定磁極が設けられている。マグネットローラ33は、芯金34の外周に軸芯回りに回転することなく固定されている。
【0161】
固定磁極は、長尺で棒状の磁石であり、マグネットローラ33のローラ本体33aに取り付けられている。固定磁極は、マグネットローラ33のローラ本体33a即ち現像ローラ15の長手方向に沿って延びており、該マグネットローラ33のローラ本体33aの全長に亘って設けられている。前述した構成のマグネットローラ33は、現像スリーブ32内に収容されている(内包されている)。
【0162】
一つの固定磁極は、前述した攪拌スクリュー18と相対して、現像スリーブ32即ち現像ローラ15の外周面に磁気力を生じて、収容槽17の第2空間21内の現像剤26を現像スリーブ32の外周面に吸着する。
【0163】
他の一つの固定磁極は、前述した感光体ドラム8と相対して、現像スリーブ32即ち現像ローラ15の外周面に磁気力を生じて、現像スリーブ32と感光体ドラム8との間に磁界を形成する。この固定磁極は、該磁界によって磁気ブラシを形成することで、現像スリーブ32の外周面に吸着された現像剤26のトナー36を感光体ドラム8に受け渡すようになっている。
【0164】
さらに、マグネットローラ33には、前述した二つの固定磁極の他に現像前の現像剤26を現像剤供給部14の収容槽17から現像領域31まで搬送したり、現像済みの現像剤26を現像領域31から収容槽17まで搬送したりするための固定磁極が設けられている。
【0165】
前述した固定磁極即ちマグネットローラ33は、現像スリーブ32の外周面に現像剤26を吸着すると、現像剤26の磁性キャリアを固定磁極が生じる磁力線に沿って複数重ねさせて、該現像スリーブ32の外周面に立設(穂立ち)させる。このように、磁性キャリアが磁力線に沿って複数重なって現像スリーブ32の外表面に立設する状態を、磁性キャリアが現像スリーブ32の外表面に穂立ちするという。すると、この穂立ちした磁性キャリアに前述したトナー36が吸着する。即ち、現像スリーブ32は、マグネットローラ33の磁力により外表面に現像剤26を吸着する。
【0166】
現像スリーブ32は、図12に示すように、円筒状に形成されている。現像スリーブ32は、マグネットローラ33を内包し(収容し)て、軸芯回りに回転自在に設けられている。現像スリーブ32は、その内周面が固定磁極に順に相対するように回転される。現像スリーブ32は、アルミニウム合金、ステンレス鋼(SUS)などの非磁性材料で構成されている。また、現像スリーブ32には、図示しない電圧印加装置によって、AC電圧とDC電圧とを重畳させた現像バイアス(例えば、−300V〜−500V)が印加される。
【0167】
現像スリーブ32は、その外周面に粗面化処理が施されており、本実施形態では、一例としてランダムに配置された平面視楕円形状の凹みを多数有している。かかるランダムな楕円形状の凹みは、勿論、現像スリーブ32の外周面から凹に形成され、長手方向が現像スリーブ32の軸方向に沿うものと、長手方向が現像スリーブ32の周方向に沿うものとが設けられている。長手方向が現像スリーブ32の軸方向に沿う凹みが、長手方向が現像スリーブ32の周方向に沿う凹みより多い。さらに、凹みの長手方向の長さ(長径)は、0.05mm以上でかつ0.3mm以下となっており、幅方向の幅(端径)は、0.02mm以上でかつ0.1mm以下となっている。
【0168】
凹みは、現像スリーブ32を構成する素管を、比較的大きいカットワイヤ(金属ワイヤを短尺に切断したもの)よりなるメディア(例えば、オーステナイト系のステンレス鋼又はマルチンサイト系のステンレス鋼などの磁性材料で構成され、外径が0.5mm以上でかつ1.2mm以下で、かつ全長をLとし外径をDとするとL/Dが4以上でかつ10以下の短線状の円柱状に形成されたもの)とともに回転磁場内に位置付け、当該回転磁場によりメディアを自転させながら素管の回りを公転させて、当該メディアを素管の外周面に衝突されて、形成される。
【0169】
このように、凹みは、素管にメディアを従来のブラスト工法のように衝突させることによって形成される。このように、前記現像スリーブ32が、その外周面にランダムな楕円形状の凹みを多数有していると、その表面にピッチの粗い凹凸を有するものとなり、そのために、現像剤26の滑りにくい一つ一つの凹みを根とした太い穂立ちが形成されると共に、該凹みも磨耗しにくいものとなり、よって、長期にわたって画像ムラの生じることのない安定した良好な画像を得ることができる。勿論、このような凹み加工以外にも、切削加工やサンドブラスト加工などによって、現像剤26の滑りを防ぐための現像スリーブ32の外周面の粗面化を行ってもよい。
【0170】
前述した構成の現像装置13は、現像剤供給部14でトナー36と磁性キャリアとを十分に攪拌し、この攪拌した現像剤26を現像スリーブ32の外表面に吸着する。そして、現像装置13は、現像スリーブ32が回転して、当該現像スリーブ32に吸着した現像剤26を現像領域31に向かって搬送する。
【0171】
そして、現像装置13は、規制ブレード16で所望の厚さを超えた現像剤26をそぎ落として、当該所望の厚さになった現像剤26を感光体ドラム8に吸着させる。こうして、現像装置13は、現像剤26を現像ローラ15に担持し、現像領域31に搬送して、感光体ドラム8上の静電潜像を現像して、トナー像を形成する。
【0172】
そして、現像装置13は、現像済みの現像剤26を収容槽17まで搬送し、収容槽17内に離脱させる。さらに、そして、収容槽17内に収容された現像済みの現像剤26は、再度、第2空間21内で他の現像剤26と十分に攪拌されて、感光体ドラム8の静電潜像の現像に用いられる。
【0173】
現像剤供給装置35は、現像装置13の現像剤供給部14の上方に取り付けられている。現像剤供給装置35は、互いに連結されたトナー容器40と搬送槽41とを備えている。現像剤供給装置35は、現像剤供給部14内のトナー36の量(濃度)に応じて、トナー容器40内に格納されたトナー36を搬送槽41内でほぐしたのち、該トナー36を現像剤供給部14の第2空間21に供給する。
【0174】
本実施形態では、反射型フォトセンサ70が、搬送ベルト29の表面29aに相対して配置されていたが、このような反射型フォトセンサ70の配置に代えて、例えば、図13に示すように、反射型フォトセンサ70は、各色のプロセスカートリッジ6内に、感光体ドラム8と相対して配置されていてもよい。そして、反射型フォトセンサ70は、感光体ドラム8の表面移動方向に沿って形成された濃度検知用トナーマークのトナー付着量及び位置検知用トナーマークの位置を検知する。また、中間転写体としての中間転写ベルトを備えた画像形成装置においては、反射型フォトセンサ70を該中間転写ベルトに相対して配置し、該中間転写ベルトの表面に形成された濃度検知用トナーマークのトナー付着量及び位置検知用トナーマークの位置を検知してもよい。
【0175】
前述した構成の画像形成装置1は、以下に示すように動作して記録紙7に画像を形成する。
【0176】
まず、画像形成装置1は、感光体ドラム8を回転して、この感光体ドラム8の外表面を、帯電バイアスが印加された帯電ローラ9により一様に帯電(−500V〜−700V)する。そして、感光体ドラム8の外表面に形成する画像に応じたレーザ光を照射すると、このレーザ光が照射された部分の電位が約−50Vとなって、トナーで現像される静電潜像が形成される。そして、静電潜像が現像領域31に位置付けられると、現像装置13の現像スリーブ32の外表面に吸着した現像剤26のトナー36が、現像スリーブ32に印加された現像バイアス(−300V〜−500V)によって感光体ドラム8の低電位箇所である静電潜像に吸着して静電潜像を現像し、トナー像を感光体ドラム8の外表面に形成する。
【0177】
そして、画像形成装置1は、給紙ユニット3の給紙ローラ24などにより搬送されてきた記録紙7が、プロセスカートリッジ6Y,6M,6C,6Kの各感光体ドラム8Y、8M、8C、8Kと転写ユニット4の搬送ベルト29との間に位置して、各感光体ドラム8Y、8M、8C、8Kの外表面に形成されたトナー像を順次記録紙7に転写する。画像形成装置1は、定着ユニット5で、記録紙7にトナー像を定着する。こうして、画像形成装置1は、記録紙7にカラー画像を形成する。
【0178】
また、上述した画像形成装置1では、上記のような画像形成動作とは別に、電源投入時、または所定枚数通紙後に各色の画像濃度を適正化するためのプロセスコントロール動作(以下、プロコン動作という)が実行される。このプロコン動作では、濃度検知用トナーマーク91が、色(Y、M、C、K)ごとに互いに重ならないように搬送ベルト29の表面29aに形成される。つまり、搬送ベルト29は像担持体に相当する。これら搬送ベルト29の表面29aに形成される濃度検知用トナーマーク91は、帯電バイアス及び現像バイアスを順次切り替えることにより、連続階調となるパターンとする。本実施形態では、図1に示すように、各トナーにおいて、トナー付着量が階調的に変化する矩形状の濃度検知用トナーマーク91を、搬送ベルト29の幅方向中央部に表面移動方向に沿って一列に作成する。
【0179】
そして、画像形成装置1では、トナー濃度が階調的に変化する濃度検知用トナーマーク91のトナー付着量を、反射型フォトセンサ70で検知する。反射型フォトセンサ70のフォトダイオード72は、トナー付着量(即ち、トナー濃度)に応じた電圧を出力し、この出力電圧が画像形成装置1の図示しない制御部に送られる。この制御部は、画像濃度制御手段として機能して、フォトダイオード72の出力電圧から得られる反射光量に基づいて、濃度検知用トナーマーク91のトナー付着量を連続的に把握し、この把握したトナー付着量と予め決められた目標付着量とを比較したのち、この比較結果に基づいて、レーザ書き込みユニット22のレーザ光の強度、帯電ローラ9の帯電バイアス、現像スリーブ32に印加する現像バイアス、現像剤供給装置35からの現像剤供給量などを適宜変更し、画像濃度が所望の濃度になるように調節する。
【0180】
また、このプロコン動作においては、トナー像の位置ずれ補正も行われる。この位置ずれ補正のプロコン動作では、位置検知用トナーマーク92が、搬送ベルト29の表面29aに形成される。この位置検知用トナーマーク92は、各色トナーで高濃度(いわゆるベタ)に形成された複数の矩形状トナー像であって、搬送ベルト29の表面移動方向に沿って等間隔に配列されている。本実施形態では、図1に示すように、各トナーで形成される同一濃度の矩形状のトナー像を、搬送ベルト29の幅方向中央部及び両端部の3箇所に表面移動方向に沿って一列に並ぶように順次作成する。
【0181】
そして、画像形成装置1では、位置検知用トナーマーク92が備える複数の矩形状のトナー像の位置を、反射型フォトセンサ70で検知する。反射型フォトセンサ70のフォトダイオード72は、複数のトナー像の位置に応じた電圧を出力し、この出力電圧が画像形成装置1の図示しない制御部に送られる。この制御部は、位置ずれ量制御手段として機能して、フォトダイオード72の出力電圧から得られる反射光量に基づいて、複数のトナー像のそれぞれの位置を把握し、この把握したトナー像の位置から各トナー像の間隔を求め、この間隔と予め決められた基準値とを比較したのち、この比較結果に基づいて、潜像形成用のレーザ光照射タイミングや、像担持体の回転速度などを適宜調整し、各トナー像の間隔が基準値と一致するように調整する。
【0182】
上述したように、画像形成装置1は、上述した反射型フォトセンサ70を有しているので、当該反射型フォトセンサ70のカバー本体部101の第2部分102bへのトナーの付着を確実に防止でき、そのため、フォトダイオード72が受光する光がトナーによる遮られることを防いで、トナーの濃度及び位置の検出精度の低下を防止できる。また、当該反射型フォトセンサ70のカバー本体部101の第1部分102aへのトナーの付着を確実に防止でき、そのため、LED71が発光する光がトナーによる遮られることを防いで、トナーの濃度及び位置の検出精度の低下を防止できる。
【0183】
また、上述した実施形態においては、画像形成装置1は、上記反射型フォトセンサ70を用いて濃度検知及び付着位置検知をともに行うものであったが、例えば、上記反射型フォトセンサ70を用いて、濃度検知のみ行う画像形成装置、又は、付着位置検知のみ行う画像形成装置としてもよい。また、画像形成装置1は、現像剤供給装置35において上記反射型フォトセンサ70を用いて現像剤供給部14内のトナー36の量(濃度)を検知するようにしてもよい。
【0184】
また、上述した各実施形態において、トナーの電荷を負極性とするものであったが、トナーの電荷が正極性であってもよい。ただし、この場合、同極性薄膜部である第1薄膜部111、第2薄膜部112を正極性にし、逆極性薄膜部である第3薄膜部113を負極性にする。
【0185】
また、上述した各実施形態の反射型フォトセンサは、発光素子(LED)と受光素子(フォトダイオード)とを共に有する構成であったが、これに限定されるものではなく、例えば、受光素子のみを有する構成の光学センサなど、少なくとも受光素子を備えた構成の光学センサであれば、本発明の目的に反しない限り、その構成は任意である。
【0186】
(評価試験)
本発明者らは、以下に示す実施例1〜5、比較例1、2について、本発明の効果を確認するための評価試験を実施した。
【0187】
(実施例1)
図5に示す反射型フォトセンサ70の構成において、カバー100のカバー本体部101の外面102に、負極性の電荷として塩化物イオンを含む第1薄膜部111及び第2薄膜部112を形成し、正極性の電荷としてナトリウムイオンを含む第3薄膜部113を形成した。これら各薄膜部は次のようにして形成した。始めに第3薄膜部113を形成した。まず、カバー本体部101の外面102における第1部分102a及び第2部分102bをマスクして、第3部分102cに対してコロナ放電処理を施し、第3部分102cの親水性を向上させた。そして、ナトリウムイオン、酸化チタン及び酸化ケイ素をモル比2:1:1の割合で溶媒(H2O)中に分散させた陽イオン混合液(酸化チタン濃度が0.5重量%)を外面102に塗布した。すると、マスクによって第1部分102a及び第2部分102bでは混合液が撥水されて、親水性を向上させた第3部分102cのみに混合液が存在することになる。そのあと、自然乾燥により陽イオン混合液の水分を蒸発させて乾燥させたのち、紫外線照射装置によって外面102に紫外線を照射した。これにより、酸化チタン及び酸化ケイ素の微細粒子が強固に固着して、第3薄膜部113が形成された。次に、第1薄膜部111及び第2薄膜部112を形成した。上記第3薄膜部113の形成に引き続き、第1部分102a及び第2部分102bのマスクを除去して、さらに外面102に紫外線を照射した。これにより、第1部分102a及び第2部分102bの親水性を向上させた。そして、塩化物イオン、酸化チタン及び酸化ケイ素をモル比2:1:1の割合で溶媒(H2O)中に分散させた陰イオン混合液(酸化チタン濃度が0.6重量%)を、マイクロシリンジを使用して塗布量を正確に制御しながら、第1部分102a及び第2部分102bに塗布した。そのあと、自然乾燥により陰イオン混合液の水分を蒸発させて乾燥させたのち、外面102に紫外線を照射した。これにより、同時に酸化チタン及び酸化ケイ素の微細粒子が強固に固着して、第1薄膜部111及び第2薄膜部112が形成された。本実施例において、カバー本体部101の外面102は、縦15mm、横40mm、第1部分102aの直径は5mm、第2部分102bの直径は5mm、第1部分102aと第2部分102bとの間隔は中心間で7mmに設定している。
【0188】
(実施例2)
図8、図9に示す反射型フォトセンサ70Aの構成において、第1レンズ本体部201の外面202及び第2レンズ本体部301の外面302に、負極性の電荷として水酸化物イオンを含む第1薄膜部111A及び第2薄膜部112Aを形成し、第1鏡胴部75Aの下面753及び第2鏡胴部76Aの下面763に、正極性の電荷としてカリウムイオンを含む第3薄膜部113Aを形成した。これら各薄膜部は次のようにして形成した。始めに第3薄膜部113Aを形成した。まず、第1レンズ本体部201の外面202及び第2レンズ本体部301の外面302をマスクして、第1鏡胴部75Aの下面753及び第2鏡胴部76Aの下面763に対して紫外線を照射した。これにより、下面753及び下面763の親水性を向上させた。そして、カリウムイオン、酸化チタン及び酸化ケイ素をモル比2:1:1の割合で溶媒(H2O)中に分散させた陽イオン混合液(酸化チタン濃度が0.5重量%)を下面753及び下面763に塗布した。すると、マスクによって第1レンズ本体部201の外面202及び第2レンズ本体部301の外面302では混合液が撥水されて、親水性を向上させた下面753及び下面763のみに混合液が存在することになる。そのあと、ヒータによって第1鏡胴部75A及び第2鏡胴部76Aを加熱した。これにより、陽イオン混合液の水分を蒸発させて乾燥すると同時に酸化チタン及び酸化ケイ素の微細粒子が強固に固着して、第3薄膜部113Aが形成された。次に、第1薄膜部111A及び第2薄膜部112Aを形成した。上記第3薄膜部113Aの形成に引き続き、第1レンズ本体部201の外面202及び第2レンズ本体部301の外面302のマスクを除去して、これら外面202及び外面302に紫外線を照射した。これにより、外面202及び外面302の親水性を向上させた。そして、水酸化物イオン、酸化チタン及び酸化ケイ素をモル比2:1:1の割合で溶媒(H2O)中に分散させた陰イオン混合液(酸化チタン濃度が0.4重量%)を、インクジェットヘッドを使用して塗布量を正確に制御しながら、外面202及び外面302に塗布した。そのあと、自然乾燥により陰イオン混合液の水分を蒸発させて乾燥させたのち、外面202及び外面302に紫外線を照射した。これにより、酸化チタン及び酸化ケイ素の微細粒子が強固に固着して、第1薄膜部111A及び第2薄膜部112Aが形成された。本実施例において、第1レンズ本体部201の外面202の直径は8mm、第2レンズ本体部301の外面302の直径は8mm、第1鏡胴部75Aの下面753の内径は8mmで外径は10mm、第2鏡胴部76Aの下面763の内径は8mmで外径は10mm、第1鏡胴部75Aと第2鏡胴部76Aとの間隔は近接部の間隔で5mmに設定している。
【0189】
(実施例3)
図5に示す反射型フォトセンサ70の構成において、カバー100のカバー本体部101の外面102に、負極性の電荷として酢酸イオンを含む第1薄膜部111及び第2薄膜部112を形成し、正極性の電荷としてナトリウムイオンを含む第3薄膜部113を形成した。これら各薄膜部は次のようにして形成した。始めに第3薄膜部113を形成した。まず、カバー本体部101の外面102における第1部分102a及び第2部分102bに刷毛を用いてシリコーン化合物を塗布したのち、これら第1部分102a及び第2部分102bをマスクして、第3部分102cに対して電子線処理を施し、第3部分102cの親水性を向上させた。そして、ナトリウムイオン、酸化チタン及び酸化ケイ素をモル比2:1:1の割合で溶媒(H2O)中に分散させた陽イオン混合液(酸化チタン濃度が0.3重量%)を外面102に塗布した。すると、第1部分102a及び第2部分102bでは混合液が撥水されて、親水性を向上させた第3部分102cのみに混合液が存在することになる。そのあと、ヒータによってカバー本体部101を加熱した。これにより、陽イオン混合液の水分を蒸発させて乾燥すると同時に酸化チタン及び酸化ケイ素の微細粒子が強固に固着して、第3薄膜部113が形成された。次に、第1薄膜部111及び第2薄膜部112を形成した。上記第3薄膜部113の形成に引き続き、第1部分102a及び第2部分102bのマスクを除去して、第1部分102a及び第2部分102bに電子線処理を施した。これにより、第1部分102a及び第2部分102bのシリコーン化合物を除去して親水性を向上させた。そして、酢酸イオン、酸化チタン及び酸化ケイ素をモル比2:1:1の割合で溶媒(H2O)中に分散させた陰イオン混合液(酸化チタン濃度が0.4重量%)を、マイクロシリンジを使用して塗布量を正確に制御しながら、第1部分102a及び第2部分102bに塗布した。そのあと、カバー本体部101を加熱した。これにより、陰イオン混合液の水分を蒸発させて乾燥すると同時に酸化チタン及び酸化ケイ素の微細粒子が強固に固着して、第1薄膜部111及び第2薄膜部112が形成された。本実施例において、カバー本体部101の外面102は、縦15mm、横40mm、第1部分102aの直径は5mm、第2部分102bの直径は5mm、第1部分102aと第2部分102bとの間隔は中心間で7mmに設定している。
【0190】
(実施例4)
図7に示す反射型フォトセンサ70の構成(図5の構成の変形例)において、負極性の電荷として酢酸イオンを含む第1薄膜部111及び第2薄膜部112を形成し、正極性の電荷としてナトリウムイオンを含む第3薄膜部113を形成した。本構成において、各薄膜部を形成するカバー本体部101の外面102には、第1部分102aを囲う環状の第1凸部102dと、第2部分102bを囲う環状に第2凸部102eと、が設けられている。第1凸部102dと第2凸部102eとは、外面102からの高さが1mmで、幅が1mmの断面形状が四角形の凸条に形成されている。他の形状は実施例1と同様である。これら各薄膜部は次のようにして形成した。カバー本体部101の外面102に対して紫外線を照射して親水性を向上させた。そして、ナトリウムイオン、酸化チタン及び酸化ケイ素をモル比2:1:1の割合で溶媒(H2O)中に分散させた陽イオン混合液(酸化チタン濃度が0.4重量%)を第3部分102cに塗布した。次に、塩化物イオン、酸化チタン及び酸化ケイ素をモル比2:1:1の割合で溶媒(H2O)中に分散させた陰イオン混合液(酸化チタン濃度が0.6重量%)を、マイクロシリンジを使用して塗布量を正確に制御しながら、第1部分102a及び第2部分102bに塗布した。ここで、第1凸部102d及び第2凸部102eが設けられていることにより、陽イオン混合液と陰イオン混合液とが混ざることなく所望の部分に塗布することができる。そして、ヒータによってカバー本体部101を加熱した。これにより、陽イオン混合液及び陰イオン混合液の水分を蒸発させて乾燥すると同時に酸化チタン及び酸化ケイ素の微細粒子が強固に固着して、第1薄膜部111、第2薄膜部112及び第3薄膜部113が形成された。本実施例において、カバー本体部101の外面102は、縦18mm、横40mm、第1部分102aの直径は6mm、第2部分102bの直径は6mm、第1部分102aと第2部分102bとの間隔は中心間で10mmに設定している。
【0191】
(実施例5)
上述した実施例1の構成において、カバー本体部101の外面102に、第1薄膜部111及び第3薄膜部113を形成せず、第2薄膜部112のみ形成した以外は、実施例1と同一の構成とした。
【0192】
(比較例1)
上述した実施例1の構成において、第1薄膜部111、第2薄膜部112及び第3薄膜部113を形成しないカバー本体部101のみでカバー100を構成した以外は、実施例1と同一の構成とした。
【0193】
(比較例2)
上述した実施例1の構成において、第1薄膜部111、第2薄膜部112及び第3薄膜部113に代えて、カバー本体部101の外面102に、膜厚が3μmのフッ素含有紫外線硬化樹脂コート層を設けてカバー100を構成した以外は、実施例1と同一の構成とした。
【0194】
上記実施例1〜4、比較例1、2の反射型フォトセンサを上述した画像形成装置1に組み込んだ各構成において、縦250mm×横180mmのベタ画像を10万枚形成し、このベタ画像の形成前後において、カバー本体部101の第2部分102b(実施例1、3、4、比較例1、2)及び第2レンズ本体部(実施例2)における可視光の透過率について確認した。透過率の測定は、反射型フォトセンサからカバー本体部又は第2レンズ本体部を取り外して、これらに対して基準光源を用いて一定の強さの光を照射し、これらを透過した光の強さと基準光源の光とを比較して測定を行った。そして、これら測定結果について、次の基準に基づいて評価した。
○・・・ベタ画像を10万枚形成した後の透過率が80%以上
×・・・ベタ画像を10万枚形成した後の透過率が80%未満
評価結果を表1に示す。
【0195】
【表1】

【0196】
表1に示すように、比較例1の結果から、カバー本体部101のみでは、画像形成によりトナーが付着して透過率が低下してしまい、また、比較例2の結果から、カバー本体部101の外面102にフッ素樹脂からなるコート層を設けた構成でも、比較例1と同様に、トナーの付着を防ぐ効果は無いことが明らかとなった。
【0197】
一方、実施例1、3、4では、ベタ画像を10万枚形成した後でも、透過率の大幅な低下は観測されず、判定値以上の値を保つことができ、これにより、各薄膜によって第2部分102bへのトナーの付着を効果的に抑制できることが明らかとなった。また、実施例2でも同様である。また、実施例5の結果から、トナーの有する電荷と同極性の負電荷を有する第2薄膜部112のみ設けた構成でも、第2部分102bへのトナーの付着を効果的に抑制できることが明らかとなった。この評価結果からも、本発明の効果が明らかとなった。
【0198】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【符号の説明】
【0199】
1 画像形成装置
6 プロセスカートリッジ
8 感光体ドラム
9 帯電ローラ
13 現像装置
14 現像剤供給部
22 レーザ書き込みユニット
29 搬送ベルト(像担持体の一例)
29a 表面
35 現像剤供給装置
70、70A 反射型フォトセンサ(光学センサの一例)
70B 受光センサ(光学センサの一例)
71 発光ダイオード(発光素子の一例)
72 フォトダイオード(受光素子の一例)
74 ケース
75 第1収容孔
76 第2収容孔
91 濃度検知用トナーマーク
92 位置検知用トナーマーク
100 カバー
101 カバー本体部(受光カバー部材の一例、出光カバー部材の一例)
102 外面(光入射側表面の一例、光出射側表面の一例)
102a 第1部分
102a1 中心部分(出光有効領域の一例)
102a2 周囲部分(出光近傍領域の一例)
102b 第2部分
102b1 中心部分(受光有効領域の一例)
102b2 周囲部分(受光近傍領域の一例)
102c 第3部分(出光隣接領域の一例、受光隣接領域の一例)
102d 第1凸部(凸部の一例)
102e 第2凸部(凸部の一例)
111 第1薄膜部(同極性薄膜部の一例)
112 第2薄膜部(同極性薄膜部の一例)
113 第3薄膜部(逆極性薄膜部の一例)
70A 反射型フォトセンサ(光学センサの一例)
75A 第1鏡胴部(出光カバー支持部材の一例)
753 下面(出光有効領域に隣接する領域の一例)
76A 第2鏡胴部(受光カバー支持部材の一例)
763 下面(受光有効領域に隣接する領域の一例)
111A 第1薄膜部(同極性薄膜部の一例)
112A 第2薄膜部(同極性薄膜部の一例)
113A 第3薄膜部(逆極性薄膜部の一例)
200 第1レンズ
201 第1レンズ本体部(出光カバー部材の一例)
202 外面(光出射側表面、出光有効領域の一例)
300 第2レンズ
301 第2レンズ本体部(受光カバー部材の一例)
302 外面(光入射側表面、受光有効領域の一例)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0200】
【特許文献1】特開2008−233709号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トナーの状態の検知に用いられる光学センサであって、透明又は半透明の受光カバー部材と、前記受光カバー部材を透過した光を受光する受光素子と、を有する光学センサにおいて、
前記受光カバー部材の光入射側表面における、受光有効領域、又は、当該受光有効領域及びそれに連なる受光近傍領域には、前記トナーの有する電荷と同極性の電荷を有する光透過性の同極性薄膜部が設けられていることを特徴とする光学センサ。
【請求項2】
前記受光有効領域又は前記受光近傍領域に隣接する受光隣接領域には、前記トナーの有する電荷と逆極性の電荷を有する逆極性薄膜部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の光学センサ。
【請求項3】
前記受光カバー部材を支持する受光カバー支持部材をさらに有し、かつ、
前記受光カバー支持部材の表面における、前記受光有効領域又は前記受光近傍領域に隣接する領域には、前記トナーの有する電荷と逆極性の電荷を有する逆極性薄膜部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の光学センサ。
【請求項4】
前記光入射側表面には、前記受光有効領域又は前記受光近傍領域の周縁に沿う環状の凸部が設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の光学センサ。
【請求項5】
透明又は半透明の出光カバー部材と、
前記出光カバー部材を透過する光を発光する発光素子と、をさらに有し、かつ、
前記出光カバー部材の光出射側表面における、出光有効領域、又は、当該出光有効領域及びそれに連なる出光近傍領域には、前記同極性薄膜部が設けられている
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の光学センサ。
【請求項6】
前記出光有効領域又は前記出光近傍領域に隣接する出光隣接領域には、前記トナーの有する電荷と逆極性の電荷を有する逆極性薄膜部が設けられていることを特徴とする請求項5に記載の光学センサ。
【請求項7】
前記出光カバー部材を支持する出光カバー支持部材をさらに有し、かつ、
前記出光カバー支持部材の表面における、前記出光有効領域又は前記出光近傍領域に隣接する部分には、前記トナーの有する電荷と逆極性の電荷を有する逆極性薄膜部が設けられていることを特徴とする請求項5に記載の光学センサ。
【請求項8】
前記光出射側表面には、前記出光有効領域又は前記出光近傍領域の周縁に沿う環状の凸部が設けられていることを特徴とする請求項5〜7のいずれか一項に記載の光学センサ。
【請求項9】
前記同極性薄膜部には、酸化チタン及び酸化ケイ素が含まれていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の光学センサ。
【請求項10】
前記逆極性薄膜部には、酸化チタン及び酸化ケイ素が含まれていることを特徴とする請求項2、3、6又は7に記載の光学センサ。
【請求項11】
トナーからなるマークが外周面に担持される像担持体と、前記像担持体の前記外周面に向けて光を照射する発光素子によって照射された光のうち前記外周面で反射された反射光を受光する受光素子を有する光学センサと、を有する画像形成装置において、
前記光学センサが、請求項1〜10のいずれか一項に記載の光学センサで構成されていることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate


【公開番号】特開2013−113953(P2013−113953A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−258594(P2011−258594)
【出願日】平成23年11月28日(2011.11.28)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】