説明

光学センサ用エリア認識スコープ

【課題】赤外線などの不可視光線を物体の検出に利用する光学センサに用いられて、簡易的に検出エリアを認識できるエリア認識スコープを提供する。
【解決手段】接眼窓6aに目を近づけて覗いたときに、検出エリアEの任意位置に対してエリア認識スコープ5の視野角度を調整することにより、第1ミラー7が入光表示体9の表示する中心領域21と対比可能にその周縁領域22を映すので、検出エリアEの任意位置にエリア認識スコープ5の視野を合わせるのが容易になるとともに、入光表示体9により表示された中心領域21とその周縁領域22との対比が容易となり、検出エリアEの任意位置における中心領域21がたとえ見えなくともその周縁領域22が広く見えるから、検出エリアEのどの場所を見ているかが認識しやすくなり、検出エリアEの任意位置を容易に認識できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、赤外線などの不可視光線を利用して物体を検出する光学センサに用いられて、光学センサの検出エリアを認識させるために用いられるエリア認識スコープに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、赤外線などの人間の眼に見えない不可視光線を利用して、人体のような物体を検出する自動ドアセンサなどの光学センサが知られており、この光学センサは、光学体により形成された検出エリアに向けて投光器から赤外線などの検出波を送出して、物体で反射した検出波を受光器で受けたときに発生する受光信号が設定レベルを超えることにより物体を検出する。
【0003】
この光学センサの一例としては、ドア上方の無目や天井などに設置され、ドア近傍の検出エリア内で人体からの検出波を検出し、ドアを自動的に開閉する自動ドアセンサが挙げられる(特許文献1)。
【0004】
ところで、光学センサの光学体により形成される検出エリアも人間の眼に見えないのでその認識は困難であり、この場合、当該光学体と連動して視野角度を調整可能に設けられた筒状の光学スコープを投光器または受光器に取り付け、検出エリアの所定位置に目安となる物体を置き、光学スコープで覗きながらこの物体が見えるように視野角度を調整することにより、検出エリアを認識することが考えられる。
【特許文献1】特開2002−285755号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、このような光学スコープでも、検出エリアが小さい場合に背景に対してどの場所を見ているのか認識するのが困難な場合があった。特に設置場所が暗かったり、検出エリアが設けられた場所が一様な面であると、どの場所を見ているのか認識するのがより困難だった。さらに、複数のエリアに区画された検出エリアが設けられている場合、そのうちどのエリアを見ているのか認識するのが一層困難であった。
【0006】
本発明は、前記の問題点を解決して、赤外線などの不可視光線を利用して物体を検出する光学センサに用いられて、検出エリアを容易に認識できる光学センサ用エリア認識スコープを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するために、本発明の一構成に係る光学センサ用エリア認識スコープは、光学センサを構成する投光器または受光器に取り付けられて、光学センサの検出エリアを形成する光学体と連動して視野角度を調整可能に設けられた筒状のスコープ本体部を有し、当該光学センサの検出エリアを認識させるために用いられるものであって、前記スコープ本体部は、接眼窓と、採光窓と、光軸上にあって前記接眼窓近傍に配置された第1ミラーと、前記採光窓近傍に配置された入光表示体とを備え、前記接眼窓に目を近づけて覗いたときに、前記第1ミラーは、前記採光窓を通して見える中心領域の外側の周縁領域を映し、前記入光表示体は、前記中心領域の入光を透過可能で前記採光窓内への入光状態を視認可能に表示し、さらに、前記検出エリアの任意位置に対してエリア認識スコープの視野角度が調整されて、前記第1ミラーが、前記入光表示体が表示する中心領域と対比可能にその周縁領域を映すものである。
【0008】
この構成によれば、接眼窓に目を近づけて覗いたときに、検出エリアの任意位置に対してエリア認識スコープの視野角度を調整することにより、第1ミラーが入光表示体の表示する中心領域と対比可能にその周縁領域を映すので、検出エリアの任意位置にエリア認識スコープの視野を合わせるのが容易になるとともに、入光表示体により表示された中心領域とその周縁領域との対比が容易となり、検出エリアの任意位置における中心領域がたとえ見えなくともその周縁領域が広く見えるから、検出エリアのどの場所を見ているかが認識しやすくなり、検出エリアの任意位置を容易に認識できる。
【0009】
本発明の他の構成にかかる光学センサ用エリア認識スコープは、光学センサを構成する投光器または受光器に取り付けられて、光学センサの検出エリアを形成する光学体と連動して視野角度を調整可能に設けられた筒状のスコープ本体部を有し、当該光学センサの検出エリアを認識させるために用いられるものであって、前記スコープ本体部は、接眼窓と、採光窓と、それぞれ光軸上にあって、前記接眼窓近傍に配置された第1ミラーと、前記採光窓と前記接眼窓の間に配置された第2ミラーと、前記採光窓近傍に配置された入光表示体とを備え、前記接眼窓に目を近づけて覗いたときに、前記第2ミラーは、前記採光窓を通して見える中心領域を映し、前記第1ミラーは、前記中心領域の外側の周縁領域を映し、前記入光表示体は、前記中心領域の入光を透過可能で前記採光窓内への入光状態を視認可能に表示し、さらに、前記検出エリアの任意スポット位置に対してエリア認識スコープの視野角度が調整されて、前記第2ミラーが、前記中心領域に合致させた前記検出エリアの任意スポット位置と前記入光表示体とを重ねて映し、前記第1ミラーが、前記重ねられた検出エリアの任意スポット位置および入光表示体が表示する中心領域と対比可能にその周縁領域を映す。
【0010】
この構成によれば、接眼窓に目を近づけて覗いたときに、検出エリアの任意スポット位置に対してエリア認識スコープの視野角度を調整することにより、第2ミラーが、採光窓を通して見える中心領域に合致させた検出エリアの任意スポット位置と入光表示体とを重ねて映し、第1ミラーが、前記重ねられた検出エリアの任意スポット位置および入光表示体が表示する中心領域と対比可能にその周縁領域を映すので、検出エリアの任意スポット位置にエリア認識スコープの視野を合わせるのが容易になるとともに、検出エリアの任意スポット位置および入光表示体により表示された中心領域とその周縁領域との対比が容易となり、そのスポット位置の周縁領域が広く見えるから、検出エリアのどの場所を見ているかが認識しやすくなり、検出エリアのスポット位置を容易に認識できる。
【0011】
好ましくは、光学センサの下方に検出エリアが形成されており、前記スコープ本体部は折曲部を有する側面視で略逆V字形であって、前記スコープ本体部の接眼窓近傍の外周面から径方向に延びて環状に形成された前記第1ミラーの反射面と、前記スコープ本体部内の折曲部に設けられた前記第2ミラーの反射面とが、互いに平行に配置されている。したがって、第1ミラーと第2ミラーの平行な反射面により検出エリアのスポット位置とその周縁領域を重ねて映すとともに、第2ミラーが検出エリアのスポット位置の周縁領域を直接映すから、簡単な構造で検出エリアのスポット位置をより容易に認識できる。
【0012】
好ましくは、前記入光表示体は、前記接眼窓近傍で前記光軸方向と直交して設けられた有色半透明板からなり、前記接眼窓に目を近づけて覗いたときに当該有色半透明板の色によって前記中心領域から前記採光窓内への入光状態を視認可能に表示する。したがって、検出エリアの任意スポット位置にエリア認識スコープの視野を合わせるのがより容易になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態を図面にしたがって説明する。図1は、光学センサ1の一例である、ドアDの上方Cに取り付けられた自動ドアセンサの設置状態を示す概略斜視図である。光学センサ1は、赤外線などの人間の眼に見えない光線を利用して物体を検出するものであり、この検出に基づきドアDが自動的に開閉される。
【0014】
図2の底面図に示す光学センサ1は、例えば近赤外線反射方式のセンサで、センサ本体2内に光学ユニット3が収納され、光学ユニット3は、図示しない投光器および受光器と、複数のレンズからなる光学体10と、この光学体10と連結してその角度を調整する左右角度調整ねじ11および奥行角度調整ねじ12とを備えている。前記光学体10により図1のように複数に区画された検出エリアE(例えば、1〜6列)が、光学センサ1の下方に形成され、左右角度調整ねじ11により検出エリアEの左右方向Xの角度が調整され、奥行角度調整ねじ12により奥行方向Yの角度が調整される。
【0015】
さらに、光学ユニット3は、投光器または受光器に取り付けられて、前記角度調整ねじ11、12の角度調整により光学体10と連動して視野角度を調整可能に設けられた筒状のスコープ本体部6を有し、簡易的に検出エリアEを認識させるために用いられる光学センサ用のエリア認識スコープ5を備えている。なお、近赤外線反射方式のセンサに代えてAIR(能動型赤外線)センサなどを使用してもよいし、自動ドアセンサ以外の例えば防犯センサなどに適用してもよい。
【0016】
図3は、本発明の第1実施形態に係る光学センサ用エリア認識スコープを示す概略側面図である。このエリア認識スコープ5は光学センサ1の検出エリアEを認識するために用いられ、光学センサ1の検出エリアEを形成する光学体10と連結され、例えば奥行角度調整ねじ12の角度調整により、光学体10とスコープ本体部6が連動してともに回転軸Oを中心に回動して、エリア認識スコープ5の視野角度が調整される。
【0017】
スコープ本体部6は、接眼窓6aと、採光窓6bと、光軸上にあって接眼窓6a近傍に配置された第1ミラー(筒入口ミラー)7と、採光窓6b近傍に配置された入光表示体(有色半透明板)9とを備えている。なお、入光表示体9を採光窓6bと接眼窓6aとの間に配置してもよい。
【0018】
接眼窓5aに目を近づけて覗いたときに、第1ミラー7は、採光窓5bを通して見える中心領域21の外側の周縁領域22(図4(B))を映し、入光表示体9は、前記中心領域21の入光を透過可能で採光窓2b内への入光状態を視認可能に表示する。
【0019】
この例では、入光表示体9は、採光窓6bに貼付されてスコープ本体部6内に光軸方向と直交して設けられた例えば赤色のような有色半透明板からなって、この入光表示体6は、当該有色半透明板の赤色によって中心領域21の入光で採光窓2b内への入光状態を表示して(図4(B)の赤丸20)、エリア認識スコープ5の視野方向が認識できる。入光表示体9は赤色に限定されず、青色、緑色その他の有色を用いることができる。
【0020】
光学センサ1の検出エリアEを認識するために、検出エリアEの任意位置を選択し(図1)、接眼窓6aに目を近づけて覗いたときに、この任意位置に対して、図2の角度調整ねじ11、12の角度調整により、図3のエリア認識スコープ5の視野角度が調整されて、第1ミラー7が、入光表示体9が表示する中心領域21と対比可能にその周縁領域22を映す。
【0021】
図3のように、この例では、エリア認識スコープ5を構成するスコープ本体部6は、軸方向に延びる円筒状の形状を有し、スコープ本体部6の接眼窓6aの近傍の外周面から径方向に延びて環状に形成された第1ミラー(筒入口ミラー)7が設けられている。なお、円筒状に代えて角筒状にしてもよい。この第1ミラー7の環状の反射面8aが周縁領域22を直接に映す。また、採光窓6bに貼られた赤色の赤半透明板9は、その赤色によりこの採光窓6bから入ってくる光を通常の光と区別することができ、接眼窓6aに目を近づけて視線を合わせると、前記中心領域21の入光と重なって採光窓6b内への入光状態を表示する赤半透明板9による赤丸20が見えることになる。
【0022】
この例では、第1ミラー7の反射面7aは斜め下方を向いているので、検出エリアEにおける周縁領域22を映すものの、採光窓6bは斜め上方を向いているので、中心領域21の入光はドア上方C方向からであり、採光窓6bを通して見える中心領域21に検出エリアEは重ならないから、見えるのは検出エリアEにおける周縁領域22だけであってその中心領域21は見えない。
【0023】
以下、本エリア認識スコープ5を用いて検出エリアEを認識する動作について説明する。まず、図4(A)に示すように、エリア認識スコープ5の接眼窓6aを覗き、図2の奥行角度調整ねじ12を回してエリア認識スコープ5の視野方向を検出エリアEの任意位置(図1)に合わせる。このとき、図4(B)に示すように、採光窓6bにおける中心領域21を表示する入光表示体(赤半透明板)9による赤丸20が見えるので、検出エリアEの任意位置にエリア認識スコープ5の視野方向を合わせやすい。そして、検出エリアEの任意位置における中心領域21は見えないものの、第1ミラー(筒入口ミラー)7により該赤丸20との対比が容易であるその周縁領域22が広く見えるので、これを見ながら角度調整することができ、検出エリアEのどの場所を見ているかが分かりやすくなり、検出エリアEの任意位置を容易に認識することができる。
【0024】
これに対して、図5(A)に示すように、本発明における図4(A)と異なり、単に反射ミラー8だけで、第1ミラー(筒入口ミラー)7および赤半透明板9を設けていない場合には、図5(B)に示すように、エリア認識スコープの円筒内の視野に相当する枠内(中心領域)21しか見えず、その周縁領域が見えないので、検出エリアEのどの場所を見ているかが分かりにくくなる。
【0025】
このように、第1実施形態では、接眼窓6aに目を近づけて覗いたときに、検出エリアEの任意位置に対してエリア認識スコープ5の視野角度を調整することにより、第1ミラー7が入光表示体9の表示する中心領域21と対比可能にその周縁領域22を映すので、検出エリアEの任意位置にエリア認識スコープ5の視野を合わせるのが容易になるとともに、入光表示体9により表示された中心領域21とその周縁領域22との対比が容易となり、検出エリアEの任意位置における中心領域21がたとえ見えなくともその周縁領域22が広く見えるから、検出エリアEのどの場所を見ているかが認識しやすくなり、検出エリアEの任意位置を容易に認識できる。また、光学センサ1の床面からの取付高さが高いと、検出エリアEを可変させた時の一定角度による床面エリアの移動量が多く、より微調整が必要になるが、この微調整が容易となるとともに、高所での調整作業の手間がかからない。
【0026】
図6は、本発明の第2実施形態に係る光学センサ用エリア認識スコープを示す底面図であり、図7はその概略側面図である。この第2実施形態のエリア認識スコープ5Aは、第1ミラー(筒入口ミラー)7のほかに第2ミラー(反射ミラー)8を有し、例えば側面視で略逆V字形の円筒状の形状を有する点で、第1実施形態における軸方向に延びる円筒状のエリア認識スコープ5と異なる。その他の構成は第1実施形態と同様である。
【0027】
図7のように、エリア認識スコープ5Aのスコープ本体部6は、接眼窓6aと、採光窓6bと、それぞれ光軸上にあって、接眼窓6a近傍に配置された第1ミラー(筒入口ミラー)7と、採光窓6bと接眼窓6aの間に配置された第2ミラー(反射ミラー)8と、採光窓6b近傍に配置された入光表示体(有色半透明板)9とを備えている。なお、入光表示体9を採光窓6bと第2ミラー8との間に配置してもよい。
【0028】
接眼窓5aに目を近づけて覗いたときに、第2ミラー8は、採光窓5bを通して見える中心領域21(図8(B))を映し、第1ミラー7は、前記中心領域21の外側の周縁領域22(図8(B))を映し、入光表示体9は、前記中心領域の入光を透過可能で採光窓2b内への入光状態を視認可能に表示する。
【0029】
光学センサ1の検出エリアEを認識するために、検出エリアEの任意のスポット位置E1を選択し(図1)、接眼窓6aに目を近づけて覗いたときに、この任意スポット位置E1に対して、図6の角度調整ねじ11、12の角度調整により、図7のエリア認識スコープ5Aの視野角度が調整されて、第2ミラー8が、採光窓6bを通して見える中心領域21に合致させた検出エリアEの任意スポット位置E1と入光表示体9とを重ねて映し、第1ミラー7が、重ねられた検出エリアEの任意スポット位置E1および入光表示体9が表示する中心領域21と対比可能にその周縁領域22を映す。
【0030】
図7のように、この例では、エリア認識スコープ5Aを構成する円筒状のスコープ本体部6は、折曲部6cを有する側面視で略逆V字形であって、接眼窓6aの近傍の外周面から径方向に延びて環状に形成された第1ミラー(筒入口ミラー)7と、このスコープ本体部6内の折曲部6cに設けられた第2ミラー(反射ミラー)8とが設けられている。第1ミラー7の反射面7aと第2ミラー8の反射面8aはともに斜め下方を向いて、互いに平行に配置されており、この第1ミラー7の環状の反射面7aが前記周縁領域22を直接に映す。また、採光窓6bに貼られた赤色の赤半透明板9は、その赤色によりこの採光窓6bから入ってくる光を通常の光と区別することができ、接眼窓6aに目を近づけて視線を合わせると、前記中心領域21の入光が透過して見えるとともに、これと重なって採光窓6b内への入光状態を表示する赤半透明板9による赤丸20が見えることになる。
【0031】
以下、本エリア認識スコープ5Aを用いて検出エリアEを認識する動作について説明する。図1の検出エリアEの任意スポット位置E1(例えば1列目)に、目印となる例えば扁平な円板のようなターゲットTを置いて、1列目のスポット位置E1を視認する。まず、図8(A)に示すように、エリア認識スコープ5Aの接眼窓6aを覗き、図6の奥行角度調整ねじ12を回してエリア認識スコープ5Aの視野方向をターゲットTに正確に合わせる。このとき、図8(B)に示すように、第2ミラー(反射ミラー)8に、採光窓6bを通して見える中心領域21にターゲットTが合致されて、該ターゲットTと入光表示体(赤半透明板)9によって見える赤丸20とが重なって映るように、第1ミラー(筒入口ミラー)7で該赤丸20の周縁領域22を見ながら角度調整する。角度調整されたエリア認識スコープ5Aにより、中心領域21と合致したターゲットTと赤丸20と、その周縁領域22とが同時に見えるので、検出エリアEの1列目のスポット位置E1を容易に認識することができる。
【0032】
この場合、入光表示体(赤半透明板)9によって、検出エリアEの任意スポット位置E1にエリア認識スコープ5Aの視野を合わせるのが容易になるとともに、第1ミラー(筒入口ミラー)7により映し出された周縁領域22が、重ねられた検出エリアEの任意スポット位置E1および赤丸20で表示された検出エリアEの中心領域21と対比可能に広く見えるので、検出エリアEのどの場所を見ているかが分かりやすくなり、検出エリアEの任意スポット位置E1の認識が容易となる。
【0033】
また、図7のように、エリア認識スコープ5Aが略逆V字状であるので、接眼窓6aから視線を上方向に向けて下方の検出エリアEを覗くことができるから、光学センサ1がドア上方Cで天井近くに取り付けられてもエリア認識スコープ5Aの接眼窓6aを覗きやすいので、検出エリアEの認識が容易となる。さらに、エリア認識スコープ5Aの筒長を長くすることにより、その光軸と視野方向の位置精度を高めることができる。しかも、接眼窓6aおよび採光窓6bの入光の明るさがほぼ同一であり、第1ミラー7および第2ミラー8で見える像の明暗がほぼ同一であるので、周縁領域22がより見やすくなる。
【0034】
このように、第2実施形態では、接眼窓6aに目を近づけて覗いたときに、検出エリアEの任意スポット位置E1に対してエリア認識スコープ5Aの視野角度を調整することにより、第2ミラー8が、採光窓6bを通して見える中心領域21に合致させた検出エリアEの任意スポット位置E1と入光表示体9とを重ねて映し、第1ミラー7が、重ねられた検出エリアEの任意スポット位置E1および入光表示体9が表示する中心領域21と対比可能にその周縁領域22を映すので、検出エリアEの任意スポット位置E1にエリア認識スコープ5Aの視野を合わせるのが容易になるとともに、検出エリアEの任意スポット位置E1における中心領域21とその周縁領域22との対比が容易となり、そのスポット位置E1の周縁領域22が広く見えるから、検出エリアEのどの場所を見ているかが認識しやすくなり、検出エリアEのスポット位置E1を容易に認識できる。
【0035】
なお、上記第2実施形態では、スコープ本体部6は折曲部6cを有する側面視で略逆V字形の形状であるが、折曲部6cを有する側面視で略逆U字形や略逆L字形などの形状でもよい。
【0036】
なお、上記各実施形態では、エリア認識スコープを複数に区画された検出エリアEの任意スポット位置を認識するために用いているが、複数でなく単一の検出エリアEの任意スポット位置を認識するために用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】光学センサである自動ドアセンサの検出エリアを示す概略斜視図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る光学センサ用エリア認識スコープを示す底面図である。
【図3】図2の光学センサ用エリア認識スコープを示す一部破断した概略側面図である。
【図4】(A)は図3のエリア認識スコープを示す側面図、(B)は接眼窓から覗いたときに見える図である。
【図5】(A)は本発明と異なるエリア認識スコープを示す側面図、(B)は接眼窓から覗いたときに見える図である。
【図6】第2実施形態に係る光学センサ用エリア認識スコープを示す底面図である。
【図7】図6の光学センサ用エリア認識スコープを示す一部破断した概略側面図である。
【図8】(A)は図7のエリア認識スコープを示す側面図、(B)は接眼窓から覗いたときに見える図である。
【符号の説明】
【0038】
1:光学センサ(自動ドアセンサ)
3:光学ユニット
5、5A:エリア認識スコープ
6:スコープ本体部
6a:接眼窓
6b:採光窓
6c:折曲部
7:第1ミラー(筒入口ミラー)
8:第2ミラー(反射ミラー)
9:入光表示体(赤半透明板)
10:光学体
11:左右角度調整ねじ
12:奥行角度調整ねじ
21:第2ミラーが映す中心領域
22:第1ミラーが映す周縁領域
E:検出エリア
E1:検出エリアの任意スポット位置




【特許請求の範囲】
【請求項1】
光学センサを構成する投光器または受光器に取り付けられて、光学センサの検出エリアを形成する光学体と連動して視野角度を調整可能に設けられた筒状のスコープ本体部を有し、当該光学センサの検出エリアを認識させるために用いられる光学センサ用エリア認識スコープであって、
前記スコープ本体部は、接眼窓と、採光窓と、光軸上にあって前記接眼窓近傍に配置された第1ミラーと、前記採光窓近傍に配置された入光表示体とを備え、
前記接眼窓に目を近づけて覗いたときに、前記第1ミラーは、前記採光窓を通して見える中心領域の外側の周縁領域を映し、前記入光表示体は、前記中心領域の入光を透過可能で前記採光窓内への入光状態を視認可能に表示し、さらに、前記検出エリアの任意位置に対してエリア認識スコープの視野角度が調整されて、前記第1ミラーが、前記入光表示体が表示する中心領域と対比可能にその周縁領域を映す、光学センサ用エリア認識スコープ。
【請求項2】
光学センサを構成する投光器または受光器に取り付けられて、光学センサの検出エリアを形成する光学体と連動して視野角度を調整可能に設けられた筒状のスコープ本体部を有し、当該光学センサの検出エリアを認識させるために用いられる光学センサ用エリア認識スコープであって、
前記スコープ本体部は、接眼窓と、採光窓と、それぞれ光軸上にあって、前記接眼窓近傍に配置された第1ミラーと、前記採光窓と前記接眼窓の間に配置された第2ミラーと、前記採光窓近傍に配置された入光表示体とを備え、
前記接眼窓に目を近づけて覗いたときに、前記第2ミラーは、前記採光窓を通して見える中心領域を映し、前記第1ミラーは、前記中心領域の外側の周縁領域を映し、前記入光表示体は、前記中心領域の入光を透過可能で前記採光窓内への入光状態を視認可能に表示し、さらに、前記検出エリアの任意スポット位置に対してエリア認識スコープの視野角度が調整されて、前記第2ミラーが、前記中心領域に合致させた前記検出エリアの任意スポット位置と前記入光表示体とを重ねて映し、前記第1ミラーが、前記重ねられた検出エリアの任意スポット位置および入光表示体が表示する中心領域と対比可能にその周縁領域を映す、光学センサ用エリア認識スコープ。
【請求項3】
請求項2において、
光学センサの下方に検出エリアが形成されており、
前記スコープ本体部は折曲部を有する側面視で略逆V字形であって、前記スコープ本体部の接眼窓近傍の外周面から径方向に延びて環状に形成された前記第1ミラーの反射面と、前記スコープ本体部内の折曲部に設けられた前記第2ミラーの反射面とが、互いに平行に配置されている、光学センサ用エリア認識スコープ。
【請求項4】
請求項1から3のいずれかにおいて、
前記入光表示体は有色半透明板からなり、前記接眼窓に目を近づけて覗いたときに当該有色半透明板の色によって前記中心領域から前記採光窓内への入光状態を視認可能に表示する、光学センサ用エリア認識スコープ。





【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−109490(P2009−109490A)
【公開日】平成21年5月21日(2009.5.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−263675(P2008−263675)
【出願日】平成20年10月10日(2008.10.10)
【出願人】(000103736)オプテックス株式会社 (116)