説明

光学ディスク用のコーティング

表面処理された無機のナノ粒子、光開始剤、及び少なくとも一つのエネルギー硬化性の単量体、オリゴマー又は樹脂を含むエネルギー硬化性の流動性のコーティング組成物を、光学ディスクのカバーリング層として、特にブルーレイ・ディスクの100ミクロンのカバー層に、使用することができると共に、向上させられた耐引っ掻き性及び低減された収縮率を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学ディスクに用いるエネルギー硬化性の、好ましくはUV硬化性の、ラッカーに関係する。特に、本発明は、光学ディスク用の有機のラッカーを提供するが、そのラッカーは、高強度を有するものであり、単一の層としてのみ使用されたとき、耐久性のあるものであり、それは、その上、非常に高い耐引っ掻き性、低い収縮率での速い硬化、優れた透明度を有すると共に光学ディスクの必須の構成要素である薄い金属性のフィルムの腐食及び劣化を予防することが可能なものである。
【背景技術】
【0002】
コンパクト・ディスク(CD)は、レーザービームが、上部に金属性の反射性の層を備えたプラスチックのディスクに記憶されたデータを読み出すために使用される第一世代の光学ディスクを代表する。金属性の層は、腐食に敏感なものであると共に、有機のコーティングによって保護される。レーザーからの光は、有機のカバー層を通じて進行するものではない。
【0003】
ディジタル・バーサタイル・ディスク(DVD)は、レーザービームが、一つの又は二つの反射性の層を有するプラスチックのディスクに記憶されたデータを読み出すために使用される第二世代の光学ディスクを代表する。有機の層は、二つの層を結合させるための接着剤として使用される。単一の側面が付けられた二重の層にされたDVD(DVD−9)の場合には、使用された接着剤は、レーザービームの波長(650nm)に対して透明なものであることを必要とする。
【0004】
第三世代の光学ディスクについては、現行では二つの選択肢がある。第一のものは、高精細度DVD(High-Definition DVD)(HD−DVD)であるが、それは、DVDに非常に類似するものである。第二のものは、ブルーレイ・ディスク(BluRay Disc)(BD)であるが、それは、CDとより多くの共通点を有する。BDが、保護用のカバーラッカーを使用する一方が、HD−DVDは、二つの基体を結合させるための接着剤の有機の層を使用する。二重の層にされたHD−DVD及びBDにおける有機の層は、405nmの波長を備えたレーザービームに対して透明なものであることを必要とする。第一世代の光学ディスクから第三世代の光学ディスクまで、有機の層は、特に100ミクロンの厚さの有機のカバー層がディスクの必須の且つ重大な部分ものであるBDについては、重要性を増加させてきたものである。
【0005】
それは、多重の機能を有する。それは、光路の一部であり、それは、敏感な反射性の層を保護すると共に、それは、BDを安定化させるが、405nm(青色レーザーの波長)における透明度の仕様に帰着する。
【0006】
透明度及び幾何学的な許容誤差に追加して、耐引っ掻き性及び低い収縮率並びに信頼性のある処理加工(通常では、スピンコーティング、しかしまた他の工程もまた可能なものである)のような、BD用の有機のカバー層について追加的な要件がある。
【0007】
一つの単一の層内で全てのこれらの要件を達成することは、複雑なことであると共に、従って、積層可能なフィルム、多層の系、及び/又はカートリッジにおける光学ディスクの設置のような、代替の方法が、開発された。これらの要件の全てを満たすための一つの一般的な方式は、一つの又は二つの低い収縮率の可撓性の層及び一つの又は二つの硬い高い収縮率の層で構成された多層の系を提供することである。しかしながら、数個の層の提供は、単一の層の提供と比べてより高価なものであると共に、産業界は、液体の状態で適用することができる単一の硬化性の層を好む。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0008】
従って、本発明は、耐引っ掻き性、透明度、低い収縮率での速い硬化を含む、全ての要求された性質を含むと共に、BDディスクのタイプに依存するが、75ミクロンと100ミクロンとの間の層の厚さを備えた乾燥したフィルムが、BDの用途に要求されるような光学ディスクの全表面にわたって2−3ミクロンの層の厚さの許容誤差で得られるように単一の層における適用によって加工され得る光学ディスクのラッカーを提供するように設計される。追加的なコーティング層、カートリッジ又は積層されたフィルムの使用を、このように回避することができる。これは、BDの生産段階の製造における歩留まりの増加に帰着すると共に、従って、生産費用を節約する。さらには、硬いコートのモジュールを除去することができるので、生産設備を単純化することができるが、それは、投資の費用を低減する。
【0009】
単層の光学ディスクのラッカーの粘度は、単一のステップでBDの単層のカバー層を製造することができるものであるためには、十分に高い水準にある必要がある。典型的には、おおよそ1500mPa・sから2500mPa・sまでの粘度が必要とされる。
【0010】
それの最も広い態様においては、本発明は、このように、表面処理された無機のナノ粒子、光開始剤、及び少なくとも一つのエネルギー硬化性の単量体、オリゴマー又は樹脂を含むエネルギー硬化性の流動性のコーティング組成物に存する。
【0011】
本発明の組成物は、好ましくは、無溶剤の配合物であるが、その組成物は、単量体、オリゴマー及び/又は樹脂の適当な選択によって流動性にされたものである。滑らかな且つムラのないコーティングを保証する為には、できるかぎり、全ての揮発性の有機の溶剤を除去することは、必要なことである。いくつかの場合には、軽微な量のこのような溶剤が、存在する(ときどき、樹脂などの商業的に供給された構成成分と連行されたものである)ことがあるが、しかし、それらの量は、最小にされるべきである。本発明の目的のためには、全体の組成物の3重量%よりも低い溶剤の含有率は、“無溶剤の”ものとみなされることがある。しかしながら、より低い溶剤の含有率が、例.2又は1重量%よりも低いものが、望ましいと共に、揮発性の有機の溶剤の完全な免除が、好適である。組成物は、エネルギー硬化性のものであると共に、そのため、電子ビーム又はUV、好ましくはUVのような様々な知られた手段によって硬化させられることがある。
【0012】
本発明の好適な組成物は、このように、スピンコーティングのような、標準的な適用の方法、及び光学ディスクに用いるコーティングを形成するための他の適用の方法によって取り扱うことができる溶剤無しのUV硬化性の材料である。大部分の光学ディスクについては、このようなコーティングは、好ましくは、光学ディスクの全表面にわたって2−3ミクロンの許容誤差で約100ミクロンの厚さを有する。しかしながら、二重の層のブルーレイ・ディスクについては、コーティングは、好ましくは、類似の許容誤差で、厚さが約75ミクロンのものであると共に、事実上、コーティングは、予見された特定の目的に要求されるどんな厚さのものであってもよい。コーティングは、好ましくは、また、読み出しのレーザーの波長において、85%、好ましくは90%よりも大きい透明度を有する。硬化した後に測定された収縮率は、好ましくは7%より下に、より好ましくは6%より下にある。鉛筆硬度は、好ましくは少なくとも4H、より好ましくは少なくとも6Hである。テーバー(Taber)摩耗試験の後の光沢の損失は、好ましくは、2−10%である。
【0013】
本発明の組成物の粘度は、適用の工程の具体的な要件に依存する。粘度を、上に述べた性質を妥協することなく、100mPa・sと10000mPa・sとの間に設定することができる。最終的な配合物の粘度は、好ましくは、100mPa・sよりも高いが10,000mPa・sよりも低い、より好ましくは500mPa・sよりも高いが5,000mPa・sよりも低い、及び、最も好ましくは700mPa・sよりも高いが3,000mPa・sよりも低い。
【0014】
UV硬化性の単量体及び/又はオリゴマー及び/又は樹脂に追加して、それらの少なくとも一つが、無機のナノ粒子で充填されると共に、一つの又はより多くの光開始剤、流動性添加剤(flow-additive)のような、添加剤をもまた、含めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
図1において、層1は、有機のカバー層であるが、それは、±3μmの許容誤差で100μmの厚さを有する。層2は、金属性の層であると共に、それは、通常は、銀又は銀の合金から作られるが、しかし、いずれの他の反射性の材料でもまた作られ得る。層3は、金属性の層の真下に記憶されたデータを含む上部にピットの構造を備えた、プラスチック、通常はポリカーボナート、の基板である。情報は、有機のカバー層1を通じてレーザービームによって読み取られる。
【0016】
このように、本発明は、さらに、反射性の層をもつ基体を含む光学ディスクからなるが、その反射性の層は、本発明の硬化させられた組成物を含む層で覆われたものである。
【0017】
反射性の層は、この分野において一般に使用されるいずれの適切な材料、例えば、金、銀、銀の合金、又はアルミニウムのような金属、であることもある。基体は、一般には、従来使用されるもののような、プラスチックの材料であることになる。
【0018】
本発明の組成物は、表面処理された無機のナノ粒子、光開始剤、及びエネルギー硬化性の、好ましくはUV硬化性の、樹脂又はオリゴマーを含む。本発明において使用されるUV硬化性の樹脂及びオリゴマーの例は、ポリエステルアクリラート、ポリエーテルアクリラート、ウレタンアクリラート、エポキシアクリラート、又は、硬化する際に低い収縮率を呈示するいずれの他のタイプのオリゴマーのアクリラートをも含む。
【0019】
用語“ナノ粒子”は、ナノメートルの程度の平均の粒子の大きさを有する粒子を意味する。本発明に使用されるナノ粒子の平均値の粒子の大きさは、好ましくは、5nmから80nmまで、より好ましくは9nmから50nmまで、なおもより好ましくは15nmから30nmまでである。ナノ粒子として使用されることがある材料の好適な例は、シリカ、アルミナ、ジルコニア、貴金属及び他の金属、並びに、このような金属の、酸化物のような、化合物、並びにセラミックを含む。これらのうち、シリカ、アルミナ及びジルコニアが、好適なものであると共に、シリカが、最も好適なものである。好ましくは9nmから60nmまで粒子の大きさを有する、コロイド状のシリカは、最も好適なである。使用された無機の粒子の表面は、表面が修飾されてないナノ粒子との比較において最終的な配合物の安定性を向上させるための反応性の官能基を含む。反応性の官能基は、エポキシ基、アクリラート(メタクリラート)基、及び/又はイソシアナート基であることができる。無機のナノ粒子の修飾は、最終的な生産物の安定性のために、及び、コーティングの最終的なネットワークの中へとナノ粒子を築くために、必須のものである。これらの表面が修飾されたナノ粒子は、商業的に入手可能なものである。
【0020】
ナノ粒子の量は、幅広い範囲にわたって変動することがあると共に、使用される量は、一方では、硬化する際の組成物の耐引っ掻き性及び低い収縮率を向上させるために、それと同時に、他方では、硬化させられた組成物の他の望ましい性質に悪影響を及ぼすことのないように、選択されるべきである。一般には、全体の組成物の15重量%から50重量%までの量が、好適なものであるが、全体の組成物の20重量%から40重量%までが、より好適なものである。
【0021】
樹脂又はオリゴマーに追加して又はそれの代わりに、組成物は、エネルギー硬化性の単量体を含むことがある。特に、組成物が、樹脂又はオリゴマーを含有する場合には、単量体は、反応性の希釈剤としてもまた役に立つことがある。UV硬化性の希釈の単量体は、硬化する際に低い収縮率を呈示する低い粘度の単官能性の、二官能性の、又はより高い官能性のアクリラート、例.ヘキサンジオールジアクリラート、トリメチロールプロパントリアクリラート、ジ−トリメチロールプロパン=テトラアクリラート、ジ−ペンタエリスリトール=ペンタアクリラート;エトキシル化されたトリメチロールプロパントリアクリラート、グリセロールプロポキシラートトリアクリラート、エトキシル化されたペンタエリスリトールテトラアクリラートのような、ポリエーテルアクリラート;ジアノール(dianol)ジアクリラート(=2,2−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]プロパンのジアクリラート,UCBからのEbecryl 150)のようなエポキシアクリラート;トリプロピレングリコールジアクリラートのようなグリコールジアクリラート;並びに(ヘキサンジオールジアクリラート、イソボルニル=アクリラート、オクタデシル=アクリラート、ラウリル=アクリラート、ステアリル=アクリラート、及びイソデシル=アクリラート、並びに、対応するメタクリラートのような)アルキル=アクリラート及びアルキル=メタクリラートを含むことができる。
【0022】
下に注意したことを除いて、使用された光開始剤の本性については特定の制限の無いものであると共に、当技術において知られたいずれの光開始剤をも用いられることがある。このような光開始剤の例は、ヒドロキシシクロヘキシル=フェニル=ケトン;ベンゾフェノン及びそれの誘導体;アシルホスフィンに基づいた材料;(Dow Chemicalからの商品名UVI6992の下で入手可能な化合物の混合物のような)スルホニウム塩;(Lambertiから入手可能なEsacure 1187のような)チアントレニウム塩;(IGMからのIGM 440のような)ヨードニウム塩;フェナシルスルホニウム塩;並びに、国際公開第03/072567A1号パンフレット、国際公開第03/072568A1号パンフレット及び国際公開第2004/055000A1号パンフレットに記載されたもののような、チオキサントニウム塩を含むが、それらの開示は、ここに参照によって組み込まれる。単一の光開始剤又はそれらのいずれの二つのもの若しくはより多くのものの組み合わせが、使用されることがある。ある一定の光開始剤は、光学ディスクを読み取るためにレーザーに使用された波長における光を吸収することがあると共に、このような場合には、その光開始剤は、回避されるべきである。例えば、ある一定の光開始剤は、およそ405nmの波長、青色レーザーの波長、の光を吸収すると共に、そのため、本発明の組成物が、BDの調製に使用されるためのものであるとすれば、このような光開始剤は、使用されるべきではない。しかしながら、それらの同じ光開始剤は、光学ディスクが、他の系の一つ用のものであるとすれば、使用されることがある。
【0023】
また、ケイ素に基づいたもの、フッ素に基づいたもの、又は他のタイプのものである流動性添加剤が、所望のものであるとすれば、含まれるかもしれない。
【0024】
本発明の組成物は、光学ディスクへ適用されると共に、従来の設備及び技法を使用することで、当技術において周知のものであるような、エネルギー、例.UVへの露出によって硬化させられる。結果は、本発明の組成物のコーティングを有する光学ディスクであるが、それは、硬化させられてしまったものである。また、このようなディスクは、本発明の一部を形成する。
【0025】
好ましくは、コーティングは、4Hを超える、より好ましくは少なくとも6HのISO15184に従った鉛筆硬度を有する。この値を超える鉛筆硬度の値を設定することによって、単一の層のコーティングについての高い強度を、保証することができるが、それは、単一の層のコーティングの機械的な変形によるデータの損失を予防するために必要とされるものである。
【0026】
好ましくは、U;PHV623−93/487(Philips Electronicsの試験基準)に従った押し込み硬度試験から得られた単一の層のコーティングの押し込み硬度は、5μmより下の、より好ましくは2.5μmより下の、押し込みの深さにある。この値より下の押し込みの深さを設定することによって、単一の層のコーティング1についての安定性及び硬度を、保証することができる。
【0027】
好ましくは、ASTM D4060に従った250グラムの付加及び500回の回転における摩耗ホイールCS10Fでの摩耗試験の前及び後における80°の角度でのISO2813に従った光沢試験から得られた単一のコーティングの光沢の値の間の差異は、2%から10%までの範囲にある。この範囲において光沢の値の変化を設定することによって、単一の層のコーティング1に要求された高い強度を保証することができる。光沢の損失を、表面の損傷に関係付けることができる。表面の劣化は、もしかすると、レーザービームを散乱させることになるが、信号の損失に帰着すると共に、このように、駆動装置における高容量の光学ディスクの記憶の容量又は可能性のある誤動作を低減する。
【0028】
好ましくは、紫外−可視の吸収分光法の測定から得られた単一の層のコーティングの透明度は、405nmの波長及びShimadzu Corporationによって生産されたUV−3102 PC UV−VIS−NIR分光光度計で測定された100μmの単一の層のコーティング1の層の厚さで85%よりも高い、より好ましくは90%よりも高いものであるべきである。この値を超える透明度を設定することによって、高い密度の光学ディスクの可読性は、劣化させられないことになる。読み取りレーザーの劣化は、信号の損失に帰着すると共に高密度光学ディスクの記憶容量を減少させることになる。
【0029】
適用の性質は、高密度光学ディスクにおける単一の層のコーティングの最終的な結果に非常に重要なものである:例えば、DIN53019に従って測定された粘度は、適用の機械類に依存するが、100mPa・sから10000mPa・sまで、変動することができると共に、好ましくは、U;PHV 623−93/486(Philips Electronicsの試験基準)に従った収縮率の測定において得られた単一の層のコーティングの収縮率は、7%より下に、より好ましくは6%より下にある。この値より下に収縮率を設定することによって、高密度光学ディスクは、液体のコーティングの重合の影響の下で曲がることがより少ない傾向を有することになる。高い密度の光学ディスクの反りは、反射させられたレーザービームをシフトさせることになるが、高い密度の光学ディスクの電気的な信号の質の損失に帰着する。
【0030】
当該発明は、後に続く非限定的な例によってさらに例示される。
【実施例1】
【0031】

表1又は表2に示された全ての成分を、一時間の間に1000回転毎分で標準的な混合装置及び標準的な攪拌機を備えた100グラムの天秤で混合した。その次に、混合物を、45−60分の間70℃のオーブンに設置した。混合物を、最初に70℃へ露出させておいた後の24時間後に、性質を決定した。
【0032】
【表1】

エトキシル化された(3)トリメチロールプロパントリアクリラートは、SartomerからのSR454である
1−ヒドロキシシクロヘキシル=フェニル=ケトンは、Ciba ChemicalsからのIrgacure 184である
フェノキシエチル=アクリラートは、SartomerからのSR339Cである
【0033】
【表2】

ポリエーテルグリコール400ジアクリラートは、SartomerからのSR344である
1−ヒドロキシシクロヘキシル=フェニル=ケトンは、Ciba ChemicalsからのIrgacure 184である
フェノキシエチル=アクリラートは、SartomerからのSR339Cである
これらの表において、生産物の性質を、以下のように測定した:
収縮率:
収縮率を、Philipsの試験PHV623−93/486(Philips Electronicsの標準的な試験)に従って測定した。
【0034】
テーバー(taber)試験後の光沢の損失:
ラッカーをブランクCDにスピンコートした。おおよそ3グラムをディスクへ塗布したが、それを、その次に、おおよそ80−120ミクロンの層の厚さを作り出すために、6秒間600回転毎分で回した。ラッカーを、標準的なH−電球のUVランプ(100w/cm)を備えたConvacの硬化ユニットで3秒間硬化させた。コーティングの光沢をISO2813に従って測定した。500回の回転についての250グラムの負荷における摩耗ホイールCS−10でのテーバー(taber)試験(ASTM D4060)を行った。光沢を再度(ISO2813に従って)測定した。光沢の損失を、
(前の光沢−後の光沢/前の光沢)×100%=光沢の損失
:によって計算した。
【0035】
スチールウール試験後の光沢の損失:
ラッカーをブランクCDにスピンコートした。おおよそ3グラムをディスクへ塗布したが、それは、その次に、おおよそ80−120ミクロンの層の厚さを作り出すために、6秒間600回転毎分で回した。ラッカーを、標準的なH−電球のUVランプ(100w/cm)を備えたConvacの硬化ユニットで3秒間硬化させた。コーティングの光沢をISO2813に従って測定した。硬化させられたコーティングを1kgの負荷と共にスチールウールで10回こすった。光沢を再度(ISO2813に従って)測定した。光沢の損失を、
(前の光沢−後の光沢/前の光沢)×100%=光沢の損失
:によって計算した。
【0036】
鉛筆硬度:
鉛筆硬度をISO15184に従って測定した。
【0037】
押し込み硬度:
押し込み硬度をPhilipsの試験U;PHV623−93/487(Philips Electronicsの標準的な試験)に従って測定した。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】図1は、本発明のある実施形態に従ったブルーレイ・光学ディスクの概略的な断面図を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面処理された無機のナノ粒子、光開始剤、及び少なくとも一つのエネルギー硬化性の単量体、オリゴマー又は樹脂を含むエネルギー硬化性の流動性のコーティング組成物。
【請求項2】
請求項1に記載の組成物において、
前記ナノ粒子は、エポキシ基、アクリラート(メタクリラート)基又はイソシアナート基のような、反応性の官能基を有する材料で表面処理されたものである、組成物。
【請求項3】
請求項1に記載の組成物において、
最終的な配合物の粘度は、100mPa・sよりも高いが10,000mPa・sよりも低い、組成物。
【請求項4】
請求項2に記載の組成物において、
最終的な配合物の粘度は、500mPa・sよりも高いが5,000mPa・sよりも低い、組成物。
【請求項5】
請求項3に記載の組成物において、
最終的な配合物の粘度は、700mPa・sよりも高いが3,000mPa・sよりも低い、組成物。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれかに記載の組成物において、
前記ナノ粒子は、5nmから80nmまでの粒子の大きさを有する、組成物。
【請求項7】
請求項6に記載の組成物において、
前記ナノ粒子は、9nmから50nmまでの粒子の大きさを有する、組成物。
【請求項8】
請求項7に記載の組成物において、
前記ナノ粒子は、15nmから30nmまでの粒子の大きさを有する、組成物。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれかに記載の組成物において、
前記ナノ粒子は、シリカ、アルミナ、ジルコニア、金属、金属の化合物、又はセラミックのものである、組成物。
【請求項10】
請求項9に記載の組成物において、
前記ナノ粒子は、シリカ、アルミナ、又はジルコニアのものである、組成物。
【請求項11】
請求項1乃至10のいずれかに記載の組成物において、
ナノ粒子の量は、全体の組成物の15重量%から50重量%までである、組成物。
【請求項12】
請求項11に記載の組成物において、
ナノ粒子の量は、全体の組成物の20重量%から40重量%までである、組成物。
【請求項13】
請求項1乃至12のいずれかに記載の組成物において、
硬化させられた組成物は、405nmの波長で85%よりも大きい透明度を有する、組成物。
【請求項14】
請求項1乃至13のいずれかに記載の組成物において、
硬化させられた組成物は、650nmの波長で85%よりも大きい透明度を有する、組成物。
【請求項15】
請求項1乃至14のいずれかに記載の組成物において、
硬化させられた組成物は、7%よりも少ない硬化した後の収縮率を有する、組成物。
【請求項16】
請求項1乃至15のいずれかに記載の組成物において、
硬化させられた組成物は、少なくとも4Hの鉛筆硬度を有する、組成物。
【請求項17】
請求項1乃至16のいずれかに記載の組成物において、
硬化させられた組成物は、Philips Electronicsの試験基準U;PHV623−93/487が5μmの押し込みの深さにあるものに従った押し込み硬度試験から得られた単一の層のコーティングの押し込み硬度を有する、組成物。
【請求項18】
請求項1乃至17のいずれかに記載の組成物において、
硬化させられた組成物は、2%から10%までのTaber摩耗試験の後の光沢の損失を有する、組成物。
【請求項19】
反射性の層をもつ基体を含む光学ディスクであって、
前記反射性の層は、請求項1乃至18のいずれか一項に記載の組成物を硬化させることによって形成された層で覆われたものである、光学ディスク。
【請求項20】
請求項19に記載の光学ディスクにおいて、
硬化させられた組成物は、20μmから150μmまでの厚さを有する、光学ディスク。

【図1】
image rotate


【公表番号】特表2009−512118(P2009−512118A)
【公表日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−535990(P2008−535990)
【出願日】平成18年10月17日(2006.10.17)
【国際出願番号】PCT/EP2006/010616
【国際公開番号】WO2007/045514
【国際公開日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【出願人】(508117938)
【Fターム(参考)】