説明

光学フィルタ及び遮光眼鏡

【課題】これまでの視覚経路(青錐体細胞を経る経路)に対する光の遮断ではなく、新たな視覚経路(神経節細胞を経る経路)に対する光の遮断という新たな観点から羞明を予防可能であり、外観が良好で、装用時に認識する色合いが自然なフィルタを提供する。
【解決手段】本発明における光学フィルタは、(A−1)可視領域内における遮断する光のピーク波長が485nmにあり、且つ(B)当該ピーク波長における遮断率の半分の遮断率となる波長が、当該ピーク波長から前後20nm以内の範囲にある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特定の波長の光を選択的に吸収する光学フィルタ、ないしその光学フィルタを用いた遮光眼鏡に関する。
【背景技術】
【0002】
羞明を予防・軽減するものとして、500ナノメートル(nm)以下の短波長側をカットする遮光眼鏡が知られている。この従来の遮光眼鏡は、短波長側をカットすることで、レイリー散乱を効果的に抑制し、羞明を防ぐものとされており、次のような光学フィルタが使用されている。即ち、図5に示すように、およその値で、450nm以下で透過率が0%であり、600nm以上で透過率が90%であり、500〜580nmで透過率が15〜85%で直線的に増加し、450〜500nm・580〜600nmで透過率がなだらかに接続される。
【0003】
従来の遮光眼鏡では、眼球に入射する光のうち短波長側をカットする分、眩しさが減少すると考えられるものの、羞明に対しどのように有効であるかは科学的に完全に解明されていない。つまり、人間の視覚は、眼球における視細胞が光を受容し、脳に繋がる視神経に神経節細胞を介して光の受容に基づく刺激を伝達することで行われ、視細胞には、青(波長437nm付近の光)・緑(波長533nm付近の光)・赤(波長564nm付近の光)をそれぞれ受容する合計3種の錐体細胞と、比較的に暗所でも光を受容できる1種の杆体細胞が含まれるところ、従来の遮光眼鏡では、青錐体細胞への刺激が弱められるのみであり、あらゆる羞明を効果的に予防できているか確証がない。又、従来の遮光眼鏡では、青錐体細胞の感受性が最も高い波長437nm(吸光ピーク)の光が遮断されるため、青錐体異常と同じ色覚異常を生じる状態で装用することとなるし、遮光眼鏡を外部から見るとレンズ部分が黄色みの強いものとなり、独特の色みを持つものとなって装用を避けられてしまう場合がある。
【0004】
このような従来の遮光眼鏡による羞明の予防に対し、新たな観点からの羞明の予防を本願発明者らが見出した。即ち、眼球における光の受容は、錐体細胞や杆体細胞のみで行われるものではなく、これらと視神経に介在する神経節細胞においても行われている、ということに着目したものである。神経節細胞は、錐体細胞や杆体細胞での光の受容に応じて伝達物質を視神経に伝達することが主な役目であるものの、実はその数%において固有の光受容物質「メラノプシン」を持ち、対光反応や日内リズムに関与しているとされているところ、本願発明者らは、神経節細胞における光の受容を低減させることで、ある種の羞明感の低減ないし羞明の予防を行い得ることを見出したのである。つまり、メラノプシンの吸光ピークは485nmであり、485nm付近の帯域のみをカットするフィルタを用いて遮光眼鏡を作製すれば羞明の予防を行い得、その帯域が狭いほど、他の視細胞(特に青錐体細胞や緑錐体細胞)における光の受容を可能とし、色覚認知をより妨げず、又色みの少ないレンズとしてより自然な外観を呈させることができる。
【0005】
このように特定波長を中心とする狭帯域のみをカットするフィルタに用い得る光学材料として、下記特許文献1に記載のものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第3843394号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、特許文献1は、選択的光吸収性を有する透明光学材料の組成や製造方法を開示するものであり、神経節細胞のメラノプシンにおける光の受容を防止することで羞明を予防するために、485nm付近を中心とする狭帯域のみをカットするフィルタを用いたり、このフィルタを用いて遮光眼鏡を作製したりすることを開示するものではない。
【0008】
そこで、請求項1〜3,7に記載の発明は、これまでの視覚経路(青錐体細胞を経る経路)に対する光の遮断ではなく、新たな視覚経路(神経節細胞を経る経路)に対する光の遮断という新たな観点から羞明を予防可能であり、外観が良好で、装用時に認識する色合いが自然なフィルタ、あるいはこれを用いた遮光眼鏡を提供することを目的としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、(A−1)可視領域内における遮断する光のピーク波長が485nmにあり、且つ(B)当該ピーク波長における遮断率の半分の遮断率となる波長が、当該ピーク波長から前後20nm以内の範囲にあることを特徴とするものである。
【0010】
上記目的を達成するために、請求項2に記載の発明は、(A−2)可視領域内における遮断する光のピーク波長が460nm以上490nm以下の範囲にあり、且つ(B)当該ピーク波長における遮断率の半分の遮断率となる波長が、当該ピーク波長から前後20nm以内の範囲にあることを特徴とするものである。
【0011】
上記目的を達成するために、請求項3に記載の発明は、(A−3)可視領域内における遮断する光のピーク波長が445nm以上500nm以下の範囲にあり、且つ(B)当該ピーク波長における遮断率の半分の遮断率となる波長が、当該ピーク波長から前後20nm以内の範囲にあることを特徴とするものである。
【0012】
請求項4〜6に記載の発明は、上記の特性を簡便に付与する目的を達成するため、上記発明にあって、表面に光学多層膜を形成した透明体として形成したり、特定波長の光を回折反射するように屈折率分布が記録された体積位相型ホログラムとして形成したり、金属微粒子を混入した透明体として形成したりすることを特徴とするものである。
【0013】
請求項7に記載の発明は、上記目的を達成するため、請求項1ないし請求項6の何れかに記載の光学フィルタを用いて遮光眼鏡を作成する。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、可視領域内における遮断する光のピーク波長が485nm近傍にあり、且つ当該ピーク波長における遮断率の半分の遮断率となる波長が、当該ピーク波長に隣接しているので、神経節細胞を経る経路に対する光の遮断を、他の経路への影響の極めて少ない状態で行うことができ、高い遮光性や防眩性を持ちながら、装用時の色みの変化が極めて少なく、暗所視力も損なわず、外観も自然で受け入れられ易い光学フィルタないし遮光眼鏡を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】各錐体細胞や杆体細胞、メラノプシンの分光吸光特性を示すグラフである。
【図2】本発明の実施例1−1〜1−3に係る光学フィルタの分光透過率特性を示すグラフである。
【図3】(a)は本発明の実施例2に係る光学フィルタの生成を示す模式図であり、(b)はその光学フィルタの挙動を示す模式図である。
【図4】図3の光学フィルタの分光透過率特性を示すグラフである。
【図5】従来例の分光透過率特性を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明に係る実施の形態につき説明する。なお、本発明の形態は、以下のものに限定されない。
【0017】
本発明における光学フィルタは、(A)可視領域内における遮断する光のピーク波長が次の(1)〜(3)の何れかの波長(範囲)にあり、且つ(B)当該ピーク波長における遮断率の半分の遮断率となる波長が、当該ピーク波長から前後20nm以内の範囲にある。なお、(B)の範囲につき、当該ピーク波長から前後15nm以内としても良いし、当該ピーク波長から前後10nm以内としても良いし、前後5nm以内としても良い。
(1)485nm
(2)460nm以上490nm以下
(3)445nm以上500nm以下
【0018】
(1)を選択すると、メラノプシンの吸光ピーク(485nm)のみを鋭くカットすることができ、製造が比較的に難しいものの、受け入れられ易い殆ど透明な外観で、装用時の色覚認知が極めて自然な光学フィルタとすることが可能である。特に、緑錐体細胞の吸光ピーク(533nm)付近や赤錐体細胞の吸光ピーク(564nm)付近の波長の光に加え、杆体細胞の吸光ピーク(498nm)付近や青錐体細胞の吸光ピーク(437nm)付近の波長の光も比較的に良く通すため、フィルターを通して物体を観察しても、物体の色みが殆ど損なわれないし、暗所視力もほぼ通常通りに確保することが可能である。なお、各錐体細胞や杆体細胞、メラノプシンの分光吸光特性につき、図1に示す。
【0019】
(2)を選択すると、杆体細胞の吸光ピーク(498nm)や青錐体細胞の吸光ピーク(437nm)の波長の光をさほど遮断せずにメラノプシンの吸光ピーク(485nm)付近の波長の光をカットすることができ、製造が比較的に容易となり、外観も透明に近く、装用時の色合いや暗所視感の非常に自然な光学フィルタとすることが可能である。
【0020】
(3)を選択すると、青錐体細胞の吸光ピーク(437nm)の波長の光をあまり遮断せずにメラノプシンの吸光ピーク(485nm)付近の波長の光をカットすることができ、製造が更に容易となり、外観も透明に近く、装用時の色合いの自然な光学フィルタとすることが可能である。又、杆体細胞の吸光ピークを若干超える498〜500nmの範囲に吸光ピークが位置する可能性があるものの、杆体細胞の吸光特性は吸光ピーク波長から広がりを持つため、500nmを超える波長の光を通すことで、杆体細胞の働きを完全に阻害するものとはならず、暗所視感を十分に残すことが可能である。
【0021】
なお、上記の可視領域として、好ましくは400nm以上700nm以下が選択されるが、上限及び/又は下限を適宜上下させることができる。
【0022】
又、「遮断」には、透過率を0%(パーセント)とするものの他、透過率を比較的に低くするものを含む。例えば、可視領域内で、450〜500nmにおいて475nmを中心として透過率が落ち込んでおり(475nmにおける透過率が最低の20%)、他の領域で透過率が90%前後である場合に、透過率の落ち込んでいる部分は光を遮断しているものとする。なお、この例において、遮断する光のピーク波長は475nmである。更に、「遮断」の方式や手法としては、光を反射させるものや吸収させるものが含まれる。
【0023】
以上のようなフィルタは、種々の手法を用いて作製することができ、例えば、低屈折率層と高屈折率層を重ねて形成される光学多層膜を用いて作製したり(実施例1)、特定波長の光を回折反射するように屈折率分布の記録された体積位相型ホログラムで作製したり(実施例2)、金属微粒子を混入した透明体で作製したり(実施例3)することが可能である。
【0024】
そして、以上のフィルタを用いて、羞明防止用ないしサングラス等の遮光眼鏡を作製することができる。例えば、フィルタをそのままあるいはレンズ基体に貼付して玉型加工し、眼鏡フレームに嵌めることで、遮光眼鏡を作製する。
【実施例1】
【0025】
以下、本発明に係る上述の実施例をそれぞれ説明する。なお、本発明は、これらの実施例に限定されない。
【0026】
実施例1は、表面に光学多層膜を形成した透明体である。透明体は、プラスチック製のレンズとし、屈折率1.60のポリウレタン樹脂を用いた。透明体は、眼鏡プラスチックレンズ基体として用いることが可能であり、眼鏡プラスチックレンズにおける標準的な大きさとした。
【0027】
なお、透明体の材質(基材)としては、エピスルフィド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリエーテルサルホン樹脂、ポリ4−メチルペンテン−1樹脂、ジエチレングリコールビスアリルカーボネート樹脂等を選択して良い。又、透明体の表面と光学多層膜の間にハードコート膜やプライマー層を形成したり、光学多層膜の表面に防汚膜を形成したり、透明体表面とハードコート膜の間やハードコート層と光学多層膜の間あるいは光学多層膜と防汚膜の間等に中間層を具備させたりする等、膜構成を他のものに変更することができる。更に、透明体の裏面や表裏両面に反射防止膜等を形成しても良い。
【0028】
光学多層膜は、真空蒸着法やスパッタ法等により、低屈折率層と高屈折率層を交互に積層させて形成され、ここでは次の[表1]〜[表3]で示すように3種類形成した。[表1],[表2],[表3]で示す光学多層膜を付与した透明体を、順に実施例1−1,実施例1−2,実施例1−3とする。
【0029】
【表1】

【表2】

【表3】

【0030】
実施例1−1,1−2は、何れも7層構造の光学多層膜であり、透明体側から順に1〜7層とすると、[表1],[表2]の「材料」欄に示すように、奇数層を窒化シリコン(高屈折率材料)で形成すると共に(高屈折率層)、偶数層を二酸化シリコン(低屈折率材料)で形成した(高屈折率層)。各層の物理膜厚はそれぞれ「膜厚[nm]」欄に示すものとした。
【0031】
実施例1−3は6層構造の光学多層膜であり、[表3]の「材料」欄に示すように、奇数層を二酸化シリコン(低屈折率材料)で形成すると共に、偶数層を二酸化チタン(高屈折率材料)で形成し、各層の物理膜厚を「膜厚[nm]」欄に示すものとした。
【0032】
なお、各層の設計を、他の酸化ケイ素や他の酸化チタン、あるいは酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、酸化イットリウム、酸化タンタル、酸化ハフニウム、酸化スズ、酸化ニオブ、酸化セリウム、酸化インジウム等を用いた系としても良い。
【0033】
このように形成した光学フィルタの分光透過率特性を、図2に示す。
【0034】
実施例1−1では、可視領域内で透過率が最小となる波長は470nmで、その最小透過率は18.67%である。又、最小透過率に対して2倍の透過率となる波長は470nmの前後15nmである。従って、遮断する(100から透過率を減じて得られる遮断率が極大となる)光のピーク波長は470nmであり、当該ピーク波長における遮断率の半分の遮断率となる波長が、当該ピーク波長から前後15nm以内の範囲にあって、遮断率がピーク波長におけるものの半分になっている波長幅(半値幅)は30nmとなっている。
【0035】
実施例1−2では、最小透過率は18.67%であり、遮断する光のピーク波長は470nmであり、半値幅は20nmである(ピーク波長の前後10nm)。
【0036】
実施例1−3では、最小透過率は11.70%であり、遮断する光のピーク波長は470nmであり、半値幅は40nmである(ピーク波長の前後20nm)。
【0037】
上述の通り、光学多層膜付きの透明体により、可視領域内における遮断する光のピーク波長(470nm)が460nm以上490nm以下の波長範囲にあり、当該ピーク波長における遮断率の半分の遮断率となる波長が、当該ピーク波長から前後20nm以内(実施例1−3)、前後15nm以内(実施例1−1)、あるいは前後15nm以内(実施例1−2)の範囲にある光学フィルタが形成された。
【0038】
なお、これらの実施例を基礎として様々な光学多層膜の変更例を試したところ、遮断率は層数の増加により最小透過率5%(遮断率95%)程度まで高めることができ、半値幅は各層をより厚くすることで小さくすることができることが分かった。
【実施例2】
【0039】
実施例2は、体積位相型ホログラムであり、図3(a)に示すように作成される。即ち、互いにコヒーレントな参照光Rと物体照明光OをホログラムHの記録面で干渉させ、回折格子を形成する。体積位相型のホログラムHにおいては、記録により屈折率分布が変化する。参照光Rと物体照明光Oは、高出力のレーザー光を図示しないビームスプリッタにより分けることで生成される。レーザー光の波長は、485nmが望ましいが、現状の入手容易性に鑑みると、485nmに最も近い488nmが選択される。参照光Rと物体照明光Oは、ホログラムHに対し、互いに向き合う位置関係とされ、それぞれ垂直に入射するように配置される。
【0040】
このように作成されたホログラムHは、図3(b)に示すように、白色光(太陽光や室内灯等)を再生照明光Wとして当てると、記録時のレーザー光波長である488nmを最大強度とする急峻な分光強度分布の光を再生して再生光Pを発生し、それ以外の光は再生されずにそのまま透過して透過光Tとなる。参照光Rと物体照明光Oを互いに向き合う位置関係としているため、再生照明光WのホログラムHへの入射に対し、波長488nmの再生光Pが反対方向に反射され、それ以外の波長の光が透過光Tとなり、よって波長488nmの光を急峻に遮光するフィルタとなる。
【0041】
図4に、ホログラムHに対して白色光を垂直入射させた場合の分光透過率分布を示す。ホログラムHは、最小透過率2%、遮断する光のピーク波長488nm、半値幅13nm(ピーク波長の前後7.5nm)となっており、メラノプシンにおける光の受容のみを選択的に抑制するためのフィルタとなっている。
【0042】
なお、体積位相型ホログラム全体を光学フィルタとしても良いし、体積位相型ホログラムをシート状に形成し、プラスチックレンズの前部及び後部に挟み込んで光学フィルタを形成しても良いし、プラスチックレンズの表面にシート状の体積位相型ホログラムを貼付して光学フィルタを形成しても良いし、プラスチックレンズの重合成型時にシート状の体積位相型ホログラムを挿入して光学フィルタを形成しても良い。又、ホログラム記録剤をプラスチックレンズに貼り付けたり挟み込んだり挿入したりした後、レーザーにより記録して体積位相型ホログラムを生成することも可能である。更に、これらのような光学フィルタあるいはプラスチックレンズの表面や裏面に対し、ハードコート層やプライマー層等を形成したり、反射防止膜を形成したり、防汚加工を施したりすることができる。
【実施例3】
【0043】
実施例3は、金属微粒子を混入した透明体である。金属微粒子として、希土類金属が選択され、好適には、プラセオジウムやホルミウムが選択される。三価のプラセオジウムイオンの可視領域における吸収ピーク波長は445nm(及び575nm)であり、三価のホルミウムイオンの可視領域における吸収ピーク波長は450nm(及び535nm)である。
【0044】
金属微粒子を分散させて透明体を形成する手法や方式として、透明板に金属微粒子分散膜を形成したり、透明板を生成する際に金属微粒子を混ぜたりすることが例示される。このように形成された透明体は、それ自体をプラスチックレンズ(光学フィルタ)としても良いし、プラスチックレンズに貼り付けたり、挟み込んだり、重合時に挿入したりしても良い。又、これらの表面や裏面に対し、ハードコート層やプライマー層等を形成したり、反射防止膜を形成したり、防汚加工を施したりすることができる。
【符号の説明】
【0045】
H ホログラム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の条件を全て満たすことを特徴とする光学フィルタ。
(A−1)可視領域内における遮断する光のピーク波長が485nmにある。
(B)当該ピーク波長における遮断率の半分の遮断率となる波長が、当該ピーク波長から前後20nm以内の範囲にある。
【請求項2】
次の条件を全て満たすことを特徴とする光学フィルタ。
(A−2)可視領域内における遮断する光のピーク波長が460nm以上490nm以下の範囲にある。
(B)当該ピーク波長における遮断率の半分の遮断率となる波長が、当該ピーク波長から前後20nm以内の範囲にある。
【請求項3】
次の条件を全て満たすことを特徴とする光学フィルタ。
(A−3)可視領域内における遮断する光のピーク波長が445nm以上500nm以下の範囲にある。
(B)当該ピーク波長における遮断率の半分の遮断率となる波長が、当該ピーク波長から前後20nm以内の範囲にある。
【請求項4】
表面に光学多層膜を形成した透明体として形成される
ことを特徴とする請求項1ないし請求項3の何れかに記載の光学フィルタ。
【請求項5】
特定波長の光を回折反射するように屈折率分布が記録された体積位相型ホログラムとして形成される
ことを特徴とする請求項1ないし請求項3の何れかに記載の光学フィルタ。
【請求項6】
金属微粒子を混入した透明体として形成される
ことを特徴とする請求項1ないし請求項3の何れかに記載の光学フィルタ。
【請求項7】
請求項1ないし請求項6の何れかに記載の光学フィルタを用いて作成されていることを特徴とする遮光眼鏡。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−63715(P2012−63715A)
【公開日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−209888(P2010−209888)
【出願日】平成22年9月17日(2010.9.17)
【出願人】(000219738)東海光学株式会社 (112)
【Fターム(参考)】