説明

光学フィルム貼付装置

【課題】光学フィルムを吸着保持および押圧して貼付を行なうときに、良好な貼付状態を得ることを目的とする。
【解決手段】偏光フィルム2を吸着保持するための負圧吸引力の経路となる吸引通路31を複数箇所に設けたホルダドラム10と偏光フィルム2が貼付されるパネル基板1との間に押圧力を作用させて貼付を行う光学フィルム貼付装置であって、吸引通路31に着脱可能に設けられ、吸引通路31の径よりも細径の貫通孔35が複数箇所に形成された吸着押圧部材34と、押圧力を作用したときに、吸着押圧部材34を偏光フィルム2に向けて押圧する段差部33と、を備えている。吸着押圧部材34の超極細の貫通孔35により偏光フィルム2が吸着保持され、また押圧時には段差部33により吸着押圧部材34が偏光フィルム2に対して押圧力を作用するようになる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガラス基板等の薄板に偏光フィルム等の光学フィルムを貼付するための光学フィルム貼付装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
フラットパネルディスプレイとしての液晶ディスプレイを構成するパネル基板は、ガラス基板等の表裏両面または何れか一方の面に偏光板が貼付される。偏光板はPVA(ポリビニルアルコール)膜等にヨウ素を吸着させたものを延伸させた光学フィルムであり、この偏光板に保護フィルムを積層して積層フィルム体として形成している。パネル基板に偏光板を貼付するときには積層フィルム体から保護フィルムを予め剥離してからパネル基板に押圧して貼付を行う。
【0003】
光学フィルムの貼付装置としては、例えば特許文献1で開示される技術がある。この技術では、光学フィルムとしての偏光板を回転式の取り付けローラに巻き付けるようにして吸着保持しており、このために取り付けローラの外周面に負圧を作用させる多数の吸着孔を開口させる構成としている。偏光板を吸着保持した取り付けローラは左右一対に設けられており、両取り付けローラは相互に近接・離間可能に構成し、取り付けローラ間にパネル基板(液晶表示素子セル)を挟持させて所定の押圧力を作用させることにより、偏光板の貼付が行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】韓国特許第10−0556339号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前述した技術では、取り付けローラに多数開口させた吸着孔により位置関係を確実に維持しながら偏光板を保持している。また、積層フィルム体から保護フィルムを剥離した後にパネル基板に偏光板を貼り付けるようにしていることから、保護フィルム剥離時に積層フィルム体に作用する剥離力に抗するように吸着孔から強力な負圧吸引力を作用させて積層フィルム体を保持している。つまり、取り付けローラは偏光板を確実に保持する保持機能を発揮するものである。一方で、取り付けローラは偏光板をパネル基板に対して押圧することにより貼付を行っているものであり、この点から押圧機能をも果たしているものである。以上の点から、取り付けローラは偏光板の保持機能と押圧機能との2つの機能を有している。
【0006】
前記の保持機能と押圧機能とでは偏光板に対して作用する力が逆方向になる。両者とも偏光板の法線方向に作用する力ではあるが、保持機能は取り付けローラの中心に向かう方向の吸着力であり、押圧機能は取り付けローラの中心から離間する方向の押圧力になる。このとき、取り付けローラの外面には多数の吸着孔の開口部が形成されている。従って、取り付けローラ外面の開口部が形成されていない領域については強力に押圧力を作用させることができるが、開口部が形成されている領域は開放空間となっているため、押圧力を作用させることができない。このため、偏光板に対して均等な押圧力を作用させられず、パネル基板に貼付された後の偏光板には吸着孔に相当する部位に痕が残存し、また気泡を巻き込むようになり、貼付不良を生じる。これは吸着孔から偏光板を吸着保持しているからであり、押圧機能を重視するのであれば、吸着以外の方法で偏光板を取り付けローラに保持させるようにすれば、押圧機能が損なわれることはない。ただし、パネル基板に貼付するとき或いは直前までは確実に保持し、且つ貼付時には保持力を解除して押圧力を作用させなければならないため、負圧吸引力の作動・解除を瞬時に切り替えられる吸着保持を用いて偏光板を保持することが望ましい。
【0007】
そこで、本発明は、光学フィルムを吸着保持および押圧して貼付を行なうときに、良好な貼付状態を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
以上の課題を解決するため、本発明の請求項1の光学フィルム貼付装置は、光学フィルムを吸着保持するための負圧吸引力の経路となる吸引通路を複数箇所に設けたフィルム保持部材を備え、前記光学フィルムが貼付される基板との間に押圧力を作用させて貼付を行う光学フィルム貼付装置であって、前記吸引通路に着脱可能に設けられ、前記吸引通路の径よりも細径の貫通孔が複数箇所に形成された吸着押圧部材と、前記押圧力を作用したときに、前記吸着押圧部材を前記光学フィルムに向けて押圧する押圧部と、を備えたことを特徴とする。
【0009】
この光学フィルム貼付装置によれば、吸引通路には吸着押圧部材が設けられており、この吸着押圧部材に形成された細径の貫通路により光学フィルムを吸着保持することができるようになる。吸着押圧部材を着脱可能にすることにより、フィルム保持部材から挿脱した状態で吸着押圧部材に貫通孔を形成することができ、極めて微小サイズの貫通孔を吸着押圧部材に形成することができるようになる。これにより、光学フィルムを押圧するときにほぼ満遍なく均等な押圧力を光学フィルムに作用させることができ、且つ確実に吸着保持を行えることから、良好な貼付精度が得られるようになる。
【0010】
本発明の請求項2の光学フィルム貼付装置は、請求項1記載の光学フィルム貼付装置において、前記フィルム保持部材の表層部に弾性層を取り付け、この弾性層に形成した前記吸引通路よりも径の大きい嵌合孔に前記吸着押圧部材を挿嵌し、前記嵌合孔と前記吸引通路との境界に形成される段差部を前記押圧部としたことを特徴とする。
【0011】
この光学フィルム貼付装置によれば、弾性層と嵌合孔との境界に形成される段差部により吸着押圧部材を押圧している。光学フィルムに対して圧縮するようにして押圧するための弾性層はフィルム保持部材とは別個独立の部材であり、この弾性層を打ち抜くようにして嵌合孔を形成することができる。この嵌合孔のサイズを吸引通路よりも大きくすることにより段差部が形成され、極めて容易に押圧部を設けることができるようになる。
【0012】
本発明の請求項3の光学フィルム貼付装置は、請求項2記載の光学フィルム貼付装置において、前記光学フィルムに対して均等な押圧力が作用するように前記吸着押圧部材と前記弾性層との弾性力を調整したことを特徴とする。
【0013】
この光学フィルム貼付装置によれば、吸着押圧部材と弾性層とが均等な押圧力を光学フィルムに作用する。弾性層と同じく吸着押圧部材も光学フィルムを押圧する機能を有しており、両者が均等な押圧力を作用するように弾性力を調整することにより、押圧むらをなくし、良好な貼付状態を得ることができるようになる。
【0014】
本発明の請求項4の光学フィルム貼付装置は、請求項1記載の光学フィルム貼付装置において、異なるサイズの光学フィルムの先端側および後端側を吸着保持することが可能なように前記フィルム保持部材に複数の前記吸引通路を配列し、前記フィルム保持部材に吸着保持させる光学フィルムのサイズに応じて、この光学フィルムを吸着保持する部位の吸引通路には前記吸着押圧部材を設け、それ以外の部位の吸引通路にはこの吸引通路を密閉する密閉部材を設けたことを特徴とする。
【0015】
この光学フィルム貼付装置によれば、光学フィルムのサイズに応じて吸着押圧部材と密閉部材とが各吸引通路に設けられる。これにより、光学フィルムのサイズに応じて、吸着保持を行う吸引通路からは吸着押圧部材から負圧吸引力を作用させ、それ以外の部位は密閉部材が密閉することにより、負圧状態が維持される。従って、多品種の光学フィルムに対応して吸着保持および押圧が可能になる。
【0016】
光学フィルムとしては、偏光板や位相差板、反射防止フィルム等の任意の光学機能を発揮するフィルム部材を適用できる。また、フィルム保持部材としては、縦型の円柱形状のホルダドラムに巻き付けるようにすることもできるが、平板状の部材として構成し、この部材により光学フィルムを保持するものであってもよい。
【発明の効果】
【0017】
本発明は、吸引通路よりも細径の貫通孔が形成された吸着押圧部材を吸引通路に接続するように設けているため、光学フィルムの吸着保持を行いつつ、押圧部により吸着押圧部材が押圧されて光学フィルムに対して確実に押圧力が作用するようになる。これにより、良好な貼付状態を得ることができるようになる。吸着押圧部材を着脱可能に設けることにより、超極細の貫通孔を容易に形成することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】偏光フィルムを両面に貼付したパネル基板の断面図である。
【図2】積層フィルム体を巻き付けたホルダドラムの構成説明図である。
【図3】積層フィルム体がホルダドラムに供給されている状態を示す説明図である。
【図4】積層フィルム体から保護膜を剥離している状態を示す説明図である。
【図5】パネル基板に偏光フィルムを貼付している状態を示す説明図である。
【図6】フィルム保持部材の吸着部の断面図および吸着押圧部材の外観図である。
【図7】変形例におけるホルダドラムの展開図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。以下において、液晶ディスプレイを構成するパネル基板を例示しているが、光学フィルムが貼付される任意の基板を適用できる。光学フィルムとして偏光フィルム(偏光板)を例示しているが、位相差板や反射防止フィルム等の任意の光学機能を発揮する光学フィルムを適用できる。また、液晶ディスプレイ以外の有機ELディスプレイやプラズマディスプレイ等の任意のフラットパネルディスプレイを適用できる。さらに、パネル基板の両面に光学フィルムとしての偏光フィルムを貼付するものを例示しているが、片面に光学フィルムを貼付するものにも本発明を適用できる。
【0020】
図1は液晶ディスプレイを構成するパネル基板1を示しており、その両面のほぼ全面にわたって偏光フィルム2を貼付している。この偏光フィルム2は、図2に示すように、パネル基板1への貼付面が保護フィルム3で覆われて積層フィルム体4を構成している。偏光フィルム2の保護フィルム3が積層されている面はパネル基板1への貼付面となっており、この面には接着剤等の固着材料が塗布されている。積層フィルム体4は長手方向を円周方向に向けるようにしてホルダドラム10の外周面に巻き付けて吸着保持されている。保護フィルム3は偏光フィルム2をパネル基板1に貼付する直前に剥離されて、保護フィルム3が剥離された偏光フィルム2がパネル基板1に貼付される。
【0021】
図2に示すように、ホルダドラム10には、その軸線方向に1列に多数の吸着部11を所定のピッチ間隔で配列して吸着群12を構成している。吸着部11は偏光フィルム2に対して負圧吸引力を作用させるものであり、偏光フィルム2の先端側および後端側にそれぞれ円周方向に離間した位置に吸着群を設けることにより安定的に偏光フィルム2の吸着保持を行う(図2では1つの吸着群12を示しているが、裏側にも吸着群12を設けている)。なお、先端側と後端側だけではなくその間の任意の位置に1または複数の吸着群12を設けてもよい。また、図2に示すように、ホルダドラム10の中心は剛性の高い剛性回転部13により構成されており、その外周部分(表層部)にリング状の弾性層としての弾性回転部14を取り付けている。弾性回転部14は弾性力を有しており、この弾性回転部14に積層フィルム体4が巻き付けられるようにして吸着保持されている。弾性回転部14は偏光フィルム2に弾性押圧力を作用するために設けた部材であり、偏光フィルム2を押圧するときには弾性押圧力により圧縮するようにして押圧していく。このため、偏光フィルム2に対して弾性押圧力を作用させればよく、ホルダドラム10の全体を弾性回転部14により構成するものであってもよい。
【0022】
ホルダドラム10は回転軸16を中心として回転を行うものであり、回転軸16は水平状態または垂直状態、或いは垂直方向から左右何れかに所定角度傾斜した状態で配置するようにする(ここでは、ホルダドラム10は垂直方向に立てられた状態になっているものとする)。そして、図3に示すように、2組のホルダドラム10、10を設けて、相互に近接・離間する方向に変位可能なように構成し、また2組のホルダドラム10は図3に示すように、矢印RL、RRのように相互に反対方向に回転駆動されるようになっている。パネル基板1は回転軸16と平行な方向に設置するようになし、回転軸16が水平方向であれば水平方向に、垂直方向或いは所定角度傾斜しているのであればその方向に設置する。パネル基板1は基板搬送手段としてのガイドレール17に沿って搬送されるように構成されており、2組のホルダドラム10、10には回転軸16を中心として回転駆動を行う図示しない回転駆動手段と相互に近接・離間を行うための図示しない往復移動手段とが設けられている。
【0023】
図3に示すように、各ホルダドラム10の駆動機構には、積層フィルム体4を弾性回転部14の外周面に押し付けるための押し付けローラ20および保護フィルム3を積層フィルム体4から剥離する保護フィルム剥離手段21を付設している。ここで、押し付けローラ20はホルダドラム10に対して近接・離間する方向に変位可能になっている。また、保護フィルム剥離手段21は本体部21aに粘着部材からなる剥離ローラ21bおよび剥離用爪21cを備えるものである。従って、剥離ローラ21bを保護フィルム3に押し付けて粘着させ、次に剥離ローラ21bと剥離用爪21cとの間で保護フィルム3を挟持させ、この保護フィルム剥離手段21の全体をホルダドラム10から引き離すことにより保護フィルム3を偏光フィルム2から剥離している。さらに、ホルダドラム10の外周部において、押し付けローラ20の回転方向の前方位置にテンションロッド22を配置しており、このテンションロッド22はホルダドラム10に保持されている積層フィルム体4の保護フィルム3に当接可能になっている。これにより、保護フィルム3が保護フィルム剥離手段21により偏光フィルム2から引き剥がされる際に保護フィルム3に張りが与えられるようになる。
【0024】
図3に示すようにホルダドラム10、10を相互に離間させた状態にして、回転軸16の回転駆動により一方のホルダドラム10は矢印RRの方向に、他方のホルダドラム10は矢印RLの方向に回転させる。この状態で、積層フィルム体4をホルダドラム10の接線方向に送り出し、位置合わせを行った後に吸着群の各吸着部11から負圧吸引力を作用させることにより先端側を吸着させる。そして、押し付けローラ20により加圧することにより積層フィルム体4を弾性回転部14に密着した状態で巻き付けるようにする。ホルダドラム10の回転に追従して積層フィルム体4は弾性回転部14に巻き付けられていき、積層フィルム体4の後端側において吸着郡の各吸着部11から負圧吸引力を作用させることにより、弾性回転部14に完全に巻き付けられた状態で保持されるようになる。このとき、積層フィルム体4は押し付けローラ20により押し付けられながら弾性回転部14に巻き付けられるため、カールや曲がり癖等が矯正される。
【0025】
図4に示すように、弾性回転部14に巻き付けられた積層フィルム体4から保護フィルム3が剥離される。なお、積層フィルム体4を弾性回転部14に巻き付ける動作と並行して保護フィルム3の剥離を行ってもよい。保護フィルム剥離手段21の本体部21aを動作させて、剥離ローラ21bを積層フィルム体4の先端部位に当接させて粘着させる。その後に、本体部21aをホルダドラム10から離間する方向に僅かに変位させて、保護フィルム3の端部を捲り上げるようになし、剥離用爪21cを作動させて、剥離ローラ21bと剥離用爪21cとの間で保護フィルム3の端部を挟持する。そして、保護フィルム剥離手段21を大きく変位させて、保護フィルム3の剥離を行うことにより、ホルダドラム10には偏光フィルム2が巻き付いている状態になる。
【0026】
ホルダドラム10、10にそれぞれ巻き付けられている偏光フィルム2の先端が相互に対面した状態で、ホルダドラム10、10をパネル基板1の厚みとほぼ一致する間隔にまで相互に近接させる。また、ガイドレール17に沿ってパネル基板1の先端をホルダドラム10、10の間に差し込ませて、偏光フィルム2を押圧するようにして挟持させる。このときのホルダドラム10、10の間隔はパネル基板1の厚みとほぼ一致させる。そして、ホルダドラム10、10の先端側の吸着群の各吸着部11からの負圧吸引力を解除すると共に、ホルダドラム10、10を回転させる。これにより、弾性回転部14は巻き付けていた偏光フィルム2をパネル基板1に押圧しながら貼付していく。ホルダドラム10、10の回転に追従してパネル基板1は前進し、これと共に偏光フィルム2はパネル基板1に貼付されていく。偏光フィルム2の保護フィルム3が積層されていた面には接着剤が塗布されており、弾性回転部14がパネル基板1に対して押圧力を作用することにより、パネル基板1に固着されるようになる。
【0027】
図5に示すように、ホルダドラム10、10の回転に伴って偏光フィルム2がパネル基板1に貼付されていく。そして、後端側の吸着群の各吸着部11が相互に対面したとき、或いはその直前で負圧吸引力を解除する。これにより、偏光フィルム2の後端側をパネル基板1に貼付させることができ、偏光フィルム2を全面にわたって固着させることができるようになる。以上のようにして、パネル基板1に対する偏光フィルム2の貼付処理が行われる。以上はあくまでも例示であり、ホルダドラム10のようなフィルム保持部材に偏光フィルムを吸着保持させて、保持した偏光フィルムをパネル基板に対して押圧することにより貼付するものであれば任意の方式を適用できる。
【0028】
次に、図6を参照して、吸着部11について説明する。図6(a)および(b)に示しているように、ホルダドラム10の剛性回転部13には細径の円筒状の吸引通路31が形成されており、この吸引通路31は後述する負圧源43に接続されている。この負圧源43から発生した負圧吸引力が吸引通路31の外周側の開口部にまで到達する。弾性回転部14の吸引通路31に対応する各部には吸引通路31よりも僅かに径の大きい嵌合孔32を形成している。嵌合孔32はリング状の弾性回転部14の非常に小さな領域を円筒形状に打ち抜いた形状になっており、嵌合孔32の底面が吸引通路31の開口部に臨むような位置関係に形成する。これにより、剛性回転部13に弾性回転部14を取り付けたときに、吸引通路31と嵌合孔32とが接続され、負圧吸引力は嵌合孔32の開口部にまで到達する。
【0029】
吸引通路31よりも嵌合孔32の径を僅かに大きくしたことにより、吸引通路31と嵌合孔32との境界部にはリング状の段差部33が形成される。この段差部33に当接するように吸着押圧部材34を挿嵌する。吸着押圧部材34は偏光フィルム2を吸着し且つ押圧するための弾性部材であり、図6(b)に示すように、その形状は嵌合孔32の形状と一致している。従って、段差部33の位置まで吸着押圧部材34を挿嵌することにより嵌合孔32と吸着押圧部材34とが完全に密着および充填された状態になる。また、挿嵌時に吸着押圧部材34の外周面と弾性回転部14の外周面とが同一平面を形成するように吸着押圧部材34の高さを形成する。そして、吸着押圧部材34には細径の貫通孔35が合計5箇所に分散するように配置している(図6(b)の例では、中心に1つ、その周囲に90度の角度で4つを配置している)。なお、貫通孔35は複数箇所に形成されるものであれば任意の個数を配置してよい。
【0030】
ここで、フィルム保持手段としてのホルダドラム10は偏光フィルム2の保持機能(吸着力により保持する機能)と押圧機能(偏光フィルム2をパネル基板1に対して押圧する機能)との2つを有している。まず、保持機能について説明する。吸着押圧部材34を嵌合孔32に挿嵌することにより、吸着押圧部材34と弾性回転部14とに偏光フィルム2が密着した状態で保持される。吸着押圧部材34には貫通孔35を5箇所に分散して配置しており、吸引通路31から作用する負圧吸引力が貫通孔35に分散する。そして、各貫通孔35の外周面から負圧吸引力を作用して、偏光フィルム2を吸着保持している。このとき、貫通孔35を分散するようにして複数配置していることから、吸着押圧部材34の外周面のほぼ全面で偏光フィルム2に対して負圧吸引力を作用させることができ、安定的に吸着保持を行うことができるようになる。
【0031】
吸着押圧部材34には分散して貫通孔35が形成されているが、各嵌合孔32は極めて細径になっており(例えば、吸引通路31の直径はφ1.5、嵌合孔32の直径はφ2.0)、貫通孔35はそれよりも遥かに細径となるように貫通されている(例えば、貫通孔35の直径はφ0.5)。つまり、吸着押圧部材34の断面は殆どが弾性部材で占められており、僅かな領域に貫通孔35が貫通している状態になる。弾性回転部14はホルダドラム10の外周部分を形成するものであり、貫通孔35とのサイズ比は著しく異なるものになる。従って、大型サイズの弾性回転部14に直径L3ほどの超極細の貫通孔35を正確に形成することは極めて困難である。一方、弾性回転部14と嵌合孔32とのサイズ比は貫通孔35ほど大きく異なっているものではなく、このため弾性回転部14に嵌合孔32を正確に形成することはそれほど難しいものではない。そして、嵌合孔32と貫通孔35との間のサイズ比はある程度はあるものの、貫通孔35と弾性回転部14との間のサイズ比ほどではない。このため、嵌合孔32に挿嵌される吸着押圧部材34に対して貫通孔35を貫通させることはそれほど難しくはない。
【0032】
そこで、弾性回転部14に予め嵌合孔32を形成しておき、これに吸着押圧部材34を着脱可能に挿嵌するようにする。そして、吸着押圧部材34を取り外した状態で貫通孔35を予め形成しておき、これを吸着押圧部材34に挿嵌した状態にすれば、実質的に弾性回転部14に対して超極細の貫通孔35を形成した状態と同じになる。
【0033】
次に、押圧機能について説明する。偏光フィルム2はホルダドラム10に巻き付けられて吸着保持された状態でパネル基板1に対して押圧して貼付を行なっている。このため、弾性回転部14だけではなく嵌合孔32に挿嵌された吸着押圧部材34も押圧機能を発揮する。ここで、パネル基板1に偏光フィルム2を押圧するときには、保持するときとは逆に偏光フィルム2をホルダドラム10から離間させる力を作用させなければならない。つまり、偏光フィルム2(或いは積層フィルム体4)を保持するときに作用する力はホルダドラム10の中心に向かう方向の吸着力であり、偏光フィルム2を押圧するときにはホルダドラム10の中心から離間する方向の押圧力である。吸着力と押圧力とは偏光フィルム2の法線方向に作用する力ではあるが方向が逆方向になっている。
【0034】
吸着押圧部材34には超極細の貫通孔35が形成されているものの、その開口面積は極めて小さいものになり、偏光フィルム2を押圧する押圧面は殆どが弾性部材により占められている。つまり、実質的には吸着押圧部材34の弾性部材の部分で偏光フィルム2を押圧していることになる。従って、吸着押圧部材34の超極細の貫通孔35が開口していたとしても、偏光フィルム2に撓みや歪み等が生じることなく、確実な押圧力を作用させることができるようになる。これにより、パネル基板1に貼付された偏光フィルム2に痕の残存や気泡の巻き込み等の貼付不良を生じることがなくなり、良好な貼付状態を得ることができるようになる。
【0035】
一方で、吸着押圧部材34だけでは押圧機能を発揮しない。例えば、ホルダドラム10とパネル基板1との間に押圧力を作用した場合に、吸着押圧部材34がホルダドラム10の中心に向かう方向に自由に変位可能になっていると、押圧力を作用させることができなくなる。押圧時にはパネル基板1から吸着押圧部材34に対する反発力が作用するため、当該反発力に抗するために吸着押圧部材34を押圧する押圧部が必要になる。この押圧部が前述した段差部33になる。従って、偏光フィルム2を押圧するときには、ホルダドラム10の全体がパネル基板1に向けて押圧力を作用することから、段差部33が吸着押圧部材34をパネル基板1に押圧することになり、偏光フィルム2がパネル基板1に押圧されるようになる。弾性回転部14は剛性回転部13によりパネル基板1に向けて押圧されるが、吸着押圧部材34は段差部33により押圧されることになる。
【0036】
以上により、偏光フィルム2を吸着保持するための吸着部11に吸着押圧部材34を用いることで、吸着押圧部材34に形成した超極細の貫通孔35により偏光フィルム2に対して負圧吸引力を作用して吸着保持を行うことができ、押圧を行うときには吸着押圧部材34および押圧部として機能する段差部33により押圧を行うことができるようになる。しかも、吸着保持するときには負圧吸引力を作用させることで保持機能を発揮し、押圧するときには負圧吸引力を解除することで瞬時に吸着保持から押圧へと機能を切り替えることができるようになる。そして、吸着押圧部材34を着脱可能にしたことにより、ホルダドラム10から取り外した状態で貫通孔35を形成することができるようになる。大型サイズの弾性回転部14に正確に超極細の貫通孔35を貫通させることは難しいが、ホルダドラム10から取り外した吸着押圧部材34は弾性回転部14よりも遥かに小型サイズであるため、この小型サイズの吸着押圧部材34に貫通孔35を貫通させることは簡易であり、吸着押圧部材34を貫通孔35に挿嵌することにより、実質的に弾性回転部14に貫通孔35を形成することができるようになる。
【0037】
以上において、弾性回転部14と吸着押圧部材34とが偏光フィルム2に対して均等な押圧力を作用するように弾性力を調整することが望ましい。具体的には、両者の弾性力が等しくなるように調整をおこなう。弾性回転部14も吸着押圧部材34も偏光フィルム2をパネル基板1に対して弾性押圧力を作用させており、両者の弾性力に差があると偏光フィルム2に対して均等な押圧力を作用させることができなくなる。その結果、貼付された偏光フィルム2に押圧むらが生じるようになり、貼付精度が低下する。そこで、同じ弾性力を持つ素材を選択することにより、偏光フィルム2に対して均等な押圧力を作用させることができ、極めて良好な貼付精度が得られるようになる。なお、偏光フィルム2に対して均等な押圧力を作用させることができれば、両者の弾性力が異なるものであってもよい。
【0038】
また、弾性回転部14と剛性回転部13との境界に段差部33を形成しているが、弾性回転部14または剛性回転部13の何れかを階段形状にして段差部を形成するものであってもよい。要は、吸着押圧部材34を押圧するために段差が形成されていればよく、段差部の形成箇所は何れであっても構わない。ただし、前記の境界に段差部33を形成する場合には、単に弾性回転部14を円筒形状に打ち抜くだけでよいため、段差部33の形成は極めて容易になる。なお、押圧部としては段差部以外であってもよく、例えば吸着押圧部材34を接着剤やネジ止め等で固定するようにする等、押圧時に偏光フィルム2に対して吸着押圧部材34を押圧するものであれば、任意の手段を用いるものであってもよい。
【0039】
また、ホルダドラム10の外周に弾性回転部14を取り付けているが、ホルダドラム10の全体を剛性回転部13により構成するものであってもよい。弾性回転部14を取り付けているのは、偏光フィルム2に対して弾性押圧力を作用させて圧縮するようにして押圧させるためであり、これにより十分な押圧力を与え且つダメージを与えないようにしているためである。従って、十分に押圧でき且つダメージを与えることがないのであれば、弾性回転部14の部位まで剛性回転部13により構成してもよい。この場合には、剛性回転部13の吸引通路31に階段状の嵌合部(嵌合孔に相当)を形成して、当該嵌合部に吸着押圧部材34を挿嵌するようにする。また、吸着押圧部材34も剛性部材により構成する。
【0040】
また、ホルダドラム10をパネル基板1に対して押圧することにより偏光フィルム2をパネル基板1に対して押圧しているが、ホルダドラム10の位置を固定して、パネル基板1をホルダドラム10に対して押圧するようにしてもよい。いずれにせよ、偏光フィルム2を吸着保持するホルダドラム10とパネル基板1との間に貼付を行うための押圧力を作用させるものであればよい。
【0041】
また、図2に示すように、フィルム保持部材としては円柱形状のホルダドラム10を適用しているが、偏光フィルム2を吸着保持して押圧する部材であればフィルム保持部材には任意の形状を採用できる。例えば、平板状のフィルム保持部材を用意して、このフィルム保持部材の複数箇所に設けた吸引通路の表層部に弾性部材を用い、この部分に嵌合孔32を設けて吸着押圧部材34を挿嵌することにより、偏光フィルム2をフィルム保持部材に確実に保持および押圧させることができるようになる。
【0042】
次に、図7を用いて、本発明を適用した応用例を説明する。この応用例では、異なるサイズ(例えば26インチ〜57インチ)のパネル基板1の表裏両面に対して偏光フィルム2を貼付できるようになっている。勿論、対応可能なパネル基板1のサイズは上記のサイズに限定されない。ここでは、パネル基板1のサイズを小判、中判、大判の3段階のサイズに分けるようにしている。以下において、小判サイズのパネル基板を1Sとし、中判サイズのパネル基板を1Mとし、大判サイズのパネル基板を1Lとし、それぞれに貼付される偏光フィルムを2S、2M、2Lとする。また、それぞれのサイズに対応する積層フィルム体を4S、4M、4Lとする。このうち、対応可能なパネル基板1の最大サイズが1Lになっており、このため偏光フィルム2、積層フィルム体4の最大サイズはそれぞれ2L、4Lになっている。
【0043】
図7はホルダドラム10を展開した図であり、同図の矢印はホルダドラム10の回転方向である。このホルダドラム10には、4群の吸着群を設けている。第1群は先頭吸着群12Hである。また、この先頭吸着群12Hより回転方向の後方側には第2群乃至第4群の後端側吸着群12S、12M、12Lをそれぞれ設けており、これらは偏光フィルム2を含む積層フィルム体4を吸着保持するために設けたものである。第2群は小判のパネル基板1Sに対応した偏光フィルム2Sを含む積層フィルム体4Sを吸着保持するための小判後端側吸着群12Sであり、第3群は中判のパネル基板1Mに対応した偏光フィルム2Mを含む積層フィルム体4Mを吸着保持するための中判後端側吸着群12Mであり、第4群は大判のパネル基板1Lに対応した偏光フィルム2Lを含む積層フィルム体4Lを吸着保持するための大判後端側吸着群12Lである。以下、各吸着群を総称して吸着群12とする。
【0044】
各吸着群12には前述した吸着部11における嵌合孔32を軸線方向に向けて所定ピッチ間隔で配列している。各吸着群12にはそれぞれ最大サイズの偏光フィルム2Lを吸着保持が可能なように、軸線方向のほぼ全ての領域に所定ピッチ間隔で嵌合孔32を設けている。そして、パネル基板1に貼付を行う偏光フィルム2のサイズに応じて、嵌合孔32には前述した吸着押圧部材34または密閉部材36を挿嵌している(図7では吸着押圧部材34を白丸で示しており、密閉部材36を黒丸で示している)。この密閉部材36は吸着押圧部材34と同じサイズおよび同じ弾性素材であるが、貫通孔35を設けていない。密閉部材36を嵌合孔32に挿嵌したときには外部と遮断されるため、この部位において負圧吸引力は作用せず保持機能は発揮しないが、押圧時に押圧機能は発揮する。
【0045】
そして、各吸着部11はそれぞれ負圧チャンバ41H、41S、41M、41L(総称して負圧チャンバ41とする)に接続されている。そして、これら各負圧チャンバ41H、41S、41M、41Lは、切り替え手段としての開閉弁42H、42S、42M、42L(総称して開閉弁42とする)を介して負圧源43と接続されている。従って、開閉弁42を操作することにより、任意の吸着群を構成する各吸着部11が負圧源43と接続される。積層フィルム体4のサイズに依らず、先頭吸着群12Hの各嵌合孔32には負圧吸引力を作用させ、後端側については開閉弁42の操作により偏光フィルム2を含む積層フィルム体4のサイズに応じて小判後端側吸着群12Sと中判後端側吸着群12Mと大判後端側吸着群12Lとのうち何れか1つと負圧源43とが接続されるようになっている。
【0046】
図7は中判サイズの積層フィルム体4Mを吸着保持している例を示している。このため、先頭吸着群12Hのうち積層フィルム体4Mを吸着保持する部位の嵌合孔32には吸着押圧部材34を挿嵌し、それ以外の部位には密閉部材36を挿嵌している。先頭吸着群12Hの各嵌合孔32は負圧チャンバ41Hに連通しており、積層フィルム体4Mを吸着保持する部位においては吸着押圧部材34から負圧吸引力を作用させ、それ以外の部位においては密閉部材36により密閉された状態にすることができる。これにより、負圧チャンバ41Hの負圧状態が維持される。また、中判後端側吸着群12Mにおいても同様であり、偏光フィルム2Mを吸着する部位の嵌合孔32には吸着押圧部材34を挿嵌し、それ以外の部位には密閉部材36を挿嵌することにより、負圧チャンバ41Mの負圧状態を維持する。
【0047】
つまり、最大サイズの偏光フィルム2Lを含む積層フィルム体4Lを吸着保持が可能なように吸引通路31に接続された嵌合孔32を設けておき、実際に吸着保持する積層フィルム体4のサイズに応じて、吸着保持する部位には吸着押圧部材34を挿嵌し、それ以外の部位には密閉部材36を挿嵌する。これにより、多品種のパネル基板1のサイズに対して偏光フィルム2を貼付することが可能になる。
【0048】
なお、開閉弁42を設けて負圧チャンバ41Sと41Mと41Lとのうち何れか1つに負圧源43と接続するようにしているが、全ての負圧チャンバ41H、41S、41M、41Lを負圧源43と常に接続する状態にしてもよい。この場合には、積層フィルム体4のサイズに応じて、対象とならないサイズの吸着群12については全て密閉部材36を挿嵌するようにする。例えば、前述したように中判の積層フィルム体4Mを吸着保持する場合には、小判サイズ対応の小判後端側吸着群12Sと大判サイズ対応の大判後端側吸着群12Lとの嵌合孔32には全て密閉部材36を挿嵌するようにする。これにより、開閉弁42を設けなくても負圧状態を維持することが可能になる。この場合には、全ての開閉弁42を省略することが可能になる。
【0049】
なお、小判サイズのパネル基板1Sは1種類ではなく、小判後端側吸着群12Sで吸着可能なサイズから中判後端側吸着群12Mの配設位置の手前位置までのサイズの任意のサイズの積層フィルム体4を吸着させることができる。ただし、小判後端側吸着群12Sに届かないサイズのものは取り扱わないものとする。勿論、それ以下のサイズのパネル基板1を取り扱う場合には、先頭吸着群12Hにさらに近い位置に吸着群を設けるようにする。中判後端側吸着群12Mでは、中判サイズのパネル基板1M用の積層フィルム体4Mから大判後端側吸着群12Lに届かないサイズのものまで吸着させるようにしている。
【符号の説明】
【0050】
1 パネル基板 2 偏光フィルム
3 保護フィルム 4 積層フィルム体
10 ホルダドラム 11 吸着部
12 吸着群 13 剛性回転部
14 弾性回転部 16 回転軸
31 吸引通路 32 嵌合孔
33 段差部 34 吸着押圧部材
36 密閉部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光学フィルムを吸着保持するための負圧吸引力の経路となる吸引通路を複数箇所に設けたフィルム保持部材を備え、前記光学フィルムが貼付される基板との間に押圧力を作用させて貼付を行う光学フィルム貼付装置であって、
前記吸引通路に着脱可能に設けられ、前記吸引通路の径よりも細径の貫通孔が複数箇所に形成された吸着押圧部材と、
前記押圧力を作用したときに、前記吸着押圧部材を前記光学フィルムに向けて押圧する押圧部と、
を備えたことを特徴とする光学フィルム貼付装置。
【請求項2】
前記フィルム保持部材の表層部に弾性層を取り付け、この弾性層に形成した前記吸引通路よりも径の大きい嵌合孔に前記吸着押圧部材を挿嵌し、
前記嵌合孔と前記吸引通路との境界に形成される段差部を前記押圧部としたことを
特徴とする請求項1記載の光学フィルム貼付装置。
【請求項3】
前記光学フィルムに対して均等な押圧力が作用するように前記吸着押圧部材と前記弾性層との弾性力を調整したこと
を特徴とする請求項2記載の光学フィルム貼付装置。
【請求項4】
異なるサイズの光学フィルムの先端側および後端側を吸着保持することが可能なように前記フィルム保持部材に複数の前記吸引通路を配列し、
前記フィルム保持部材に吸着保持させる光学フィルムのサイズに応じて、この光学フィルムを吸着保持する部位の吸引通路には前記吸着押圧部材を設け、それ以外の部位の吸引通路にはこの吸引通路を密閉する密閉部材を設けたこと
を特徴とする請求項1記載の光学フィルム貼付装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−208102(P2010−208102A)
【公開日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−55553(P2009−55553)
【出願日】平成21年3月9日(2009.3.9)
【出願人】(501387839)株式会社日立ハイテクノロジーズ (4,325)
【Fターム(参考)】