説明

光学ローパスフィルタ及び撮像装置

【課題】所定の領域に光を分岐させることのできる光学ローパスフィルタを提供する。
【解決手段】透明基板と、前記透明基板の表面に形成された回折部と、を有し、前記基板に入射した光は前記回折部により2次元状の回折光を発生させるものであって、前記回折光において同じ次数の回折光の中心を結ぶ領域を回折光による分光領域とした場合、前記分光領域内に回折光の中心が含まれる回折光の光量の和が、入射光の光量の80%以上であって、前記分光領域の外に中心を有する各々の回折光の光量が、入射光の光量の0.8%以下であることを特徴とする光学ローパスフィルタを提供することにより上記課題を解決する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学ローパスフィルタ及び撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
デジタルスチルカメラ等の撮像装置は、撮像素子としてCCD(Charge Coupled Device)、CMOS等の固体撮像素子が用いられており、固体撮像素子の2次元的に配列されている画素に入射する光量を検出することによりデジタル画像として撮像される。ところで、固体撮像素子における画素数は有限であるため、撮像される領域の空間周波数が高いと、モアレ縞や偽色が発生する場合があり、このようなモアレ縞や偽色の発生を抑制するために、光学ローパスフィルタを用いている。
【0003】
このような光学ローパスフィルタとしては、水晶等の複屈折率材料を用いたもの等があるが、特許文献1及び2には、小型化及び低コスト化等の観点から、回折型の光学ローパスフィルタが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−30954号公報
【特許文献2】特開2009−217123号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、回折型の光学ローパスフィルタは、回折格子等によりCCD等の撮像素子の撮像面における所定の範囲に回折光を発生させることにより、光学ローパスフィルタとしての機能を有するものであるが、所定の範囲以外の領域において迷光となる高次の回折光が発生する場合がある。この場合、迷光の強度が強いと所定の範囲以外の領域における画素において干渉等が生じ、撮影画像がぼけてしまう等の現象が生じ、撮影画像の画質の低下を招く。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、撮影画像の画質の低下を抑制しつつ、高周波成分を低減させることのできる光学ローパスフィルタ及び撮像装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、透明基板と、前記透明基板の表面に形成された回折部と、を有し、前記基板に入射した光は前記回折部により2次元状の回折光を発生させるものであって、前記回折光において同じ次数の回折光の中心を結ぶ領域を回折光による分光領域とした場合、前記分光領域内に回折光の中心が含まれる回折光の光量の和が、入射光の光量の80%以上であって、前記分光領域の外に中心を有する各々の回折光の光量が、入射光の光量の0.8%以下であることを特徴とする。
【0008】
また、本発明は、前記入射光は、可視領域における1つの波長の光である。
【0009】
また、本発明は、前記入射光は、青から赤まで範囲の光である。
【0010】
また、本発明は、前記回折光による分光領域は、各々の1次回折光の中心を結ぶことにより形成される領域、または、2次回折光の中心を結ぶことにより形成される領域である。
【0011】
また、本発明は、前記回折部は、複数の段部が形成された凸部を有する凹凸形状のパターンにより形成されている。
【0012】
また、本発明は、前記回折部は、前記基板の表面に複数の段部を有する第1の材料により形成された凸部と、前記凸部を形成することにより形成される凹凸パターンを覆うように第2の材料により形成されたカバー層からなるものであって、前記第1の材料の屈折率と前記第2の材料の屈折率とは異なる値である。
【0013】
また、本発明は、前記回折光のうち最近接の回折光同士を結ぶ線に平行な線を軸とした場合、前記凹凸パターンは、前記軸において非対称である。
【0014】
また、本発明は、前記回折部は、複数の同一パターンの基本ユニットが2次元状に配列されているものである。
【0015】
また、本発明は、前記透明基板または前記回折部には反射防止膜が形成されている。
【0016】
また、本発明は、撮像素子と、前記記載の光学ローパスフィルタと、を有し、前記光学ローパスフィルタを透過した光が前記撮像素子に入射するものであることを特徴とする。
【0017】
また、本発明は、前記光学ローパスフィルタを前記光の光軸に沿って移動させる移動機構を有している。
【発明の効果】
【0018】
本発明における光学ローパスフィルタ及び撮像装置では、撮影画像の画質の低下を抑制しつつ、高周波成分を低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本実施の形態における撮像装置の構造図
【図2】本実施の形態における光学ローパスフィルタの説明図
【図3】本実施の形態における光学ローパスフィルタの断面図
【図4】本実施の形態における他の光学ローパスフィルタの断面図(1)
【図5】本実施の形態における他の光学ローパスフィルタの断面図(2)
【図6】本実施の形態における他の光学ローパスフィルタの断面図(3)
【図7】実施例1における光学ローパスフィルタの説明図
【図8】実施例1における光学ローパスフィルタの回折次数と光量の関係図
【図9】実施例2における光学ローパスフィルタの説明図
【図10】実施例2における光学ローパスフィルタの回折次数と光量の関係図
【図11】実施例3における光学ローパスフィルタの説明図
【図12】実施例3における光学ローパスフィルタの回折次数と光量の関係図
【図13】実施例4における光学ローパスフィルタの説明図
【図14】実施例4における光学ローパスフィルタの回折次数と光量の関係図
【図15】実施例5における光学ローパスフィルタの回折次数と光量の関係図
【図16】実施例6における光学ローパスフィルタの回折次数と光量の関係図
【発明を実施するための形態】
【0020】
発明を実施するための形態について、以下に説明する。尚、同じ部材等については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0021】
(光学ローパスフィルタと撮像装置)
図1に基づき本実施の形態における撮像装置について説明する。図1(a)に示す撮像装置はデジタルスチルカメラ等であり、レンズ等からなる撮像光学系10、光学ローパスフィルタ20、撮像素子30を有している。画像となる光束40は、撮像光学系10より入射し、撮像光学系10を透過した後に光束40aとなり光学ローパスフィルタ20に入射する。光学ローパスフィルタ20に入射した光束40aは、光学ローパスフィルタ20により回折され、回折光40bとなり出射され撮像素子に入射する。また、本実施の形態における撮像装置では、必要に応じて光学ローパスフィルタ20を光軸に沿って移動させることができるように移動機構60が設けられている。
【0022】
次に、図1(b)に基づき本実施の形態における光学ローパスフィルタ20により回折された回折光40bについて説明する。図1(b)は撮像素子30の撮像面における回折光の照射スポットの分布を示すものである。光学ローパスフィルタ20がない場合には、光束40aは、そのまま直進し照射領域41に照射される。光学ローパスフィルタ20を設けた場合には、光束40aは光学ローパスフィルタ20により回折され4つに分岐された回折光40bとなり照射領域42に照射される。図1(b)に示す場合では、4つに分岐された回折光40bは4つの照射領域42に照射され、回折光40bの照射される4つの照射領域42の中心を結んだ形状が長方形となるように分岐されている。本実施の形態における光学ローパスフィルタ20は、この長方形はa軸方向に沿った辺の長さがd、b軸方向に沿った辺の長さがdとなるように形成されている。尚、本実施の形態では、この長方形の領域を回折光による分光領域50と記載する。本実施の形態における光学ローパスフィルタ20が光学ローパスフィルタとして機能するためには、撮像素子30における1画素の一辺が、d以下、他の一辺がd以下となるように、即ち、回折光による分光領域50と同じか、又は小さくなるように形成されている。尚、a軸とb軸は直交する軸であるものとする。尚、回折光による分光領域50の大きさは、撮像素子30の画素の大きさ、撮像素子30の位置に基づき、カットしたい空間周波数に基づき定められる。
【0023】
本実施の形態では、一例として、4つの回折光に分岐される場合を示しているが、分岐される回折光の数は2以上の値であれば光学ローパスフィルタとしての効果を得ることができる。また、撮像素子30における画素配列がハニカム構造等の場合においては、回折光による分光領域50を長方形以外の形状としてもよい。更に、光学ローパスフィルタ20がない場合において光束40aが照射される点41の位置は、回折光による分光領域50の外となるように形成してもよい。
【0024】
撮像装置が動画と静止画とを切換えることができるものであって、動画と静止画において撮像する画素数が異なる場合には、撮像の際の画素数に対応してカットしたい空間周波数が異なる場合がある。このため、撮像装置においては、回折光による分光領域50の大きさを変えることができるように構成されていることが好ましく、具体的には、移動機構60により光学ローパスフィルタ20を光軸方向に移動させ、光学ローパスフィルタ20と撮像素子30との間の距離を変えることにより、回折光による分光領域50の大きさを変えることができる。
【0025】
(光学ローパスフィルタの構造)
次に、本実施の形態における光学ローパスフィルタ20の構造について図2に基づき説明する。図2(a)は、本実施の形態における光学ローパスフィルタ20の構造を示すものである。光学ローパスフィルタ20は、基本ユニット21がX軸方向及びY軸方向に沿って、X軸方向にピッチPx、Y軸方向にピッチPyとなるように2次元的に配列されている。基本ユニット21の一部を拡大したものを図2(b)に示す。基本ユニット21には、8段の回折格子が形成されており、図2(b)においては、白く示した領域から黒く示した領域にトーンが変化するに従い、回折格子の段が高くなるように形成されている。尚、後述する基本ユニット21を示す図についても同様である。図2(b)等では、黒く示した領域が最も高く、黒く示した領域における位相差を0とした場合、白く示した領域における位相差がある波長λにおいて、7π/4となるように形成されている。波長λとしては、光学ローパスフィルタの使用波長により可視光や赤外光の波長とすることができる。可視光である場合は、波長λとして380〜780nmの波長とすることができる。
【0026】
図2では、基本ユニット21に形成される回折格子が8段の場合を示すが、形成される回折格子の段数は2段以上であれば、本実施の形態における光学ローパスフィルタと同様の効果を得ることができる。しかしながら、回折格子における段数を増やすことにより、光学ローパスフィルタ20を設計する際の自由度は増すため、光学ローパスフィルタ20の設計がしやすくなる。よって、光学ローパスフィルタ20において形成される回折格子の段数は、8段以上であることが好ましい。尚、光学ローパスフィルタ20において形成される回折格子は、有限の段数を有するものではなく、位相差が連続的に変化するように形成されたものであってもよい。
【0027】
次に、図3に基づき本実施の形態における光学ローパスフィルタ20の断面構造について説明する。本実施の形態における光学ローパスフィルタ20は、光を透過する透明基板23の表面に所定の段数の回折格子25を形成したものであり、回折格子25は凹凸形状となる凸部26と凹部27により形成されている。図3に示す場合では、一例として回折格子25の段数が4段の光学ローパスフィルタ20を示している。透明基板23を形成する材料としては、ガラス等の無機材料、樹脂材料等の有機材料、有機無機複合材料等が挙げられる。
【0028】
また、回折格子25は凸部26を形成することにより形成されるが、回折格子25の凸部26を形成する材料は、光を透過する材料であればよく、透明基板23と同一の材料であってもよく、また、異なる材料であってもよい。具体的には、回折格子25の凸部26を形成する材料としては、無機材料、樹脂材料等の有機材料、有機無機複合材料等が挙げられる。尚、回折格子25の凹部27は回折格子25の凸部26を形成することにより形成されるものであり、基本ユニット21において凸部26の形成されていない領域が凹部27となる。また、透明基板23の表面を加工することによって凹部27を形成し、これにより凸部26と凹部27を有する凹凸形状を形成してもよい。
【0029】
図3には、透明基板23の露出した領域が凹部27となる構造のものを示しているが、透明基板23の表面全体に凸部26を形成する材料により形成し、この材料の最も高さの低い部分が凹部27となるように回折格子25を形成したものであってもよい。尚、撮像装置において、この光学ローパスフィルタは、メンテナンスの際に凸部26が傷つけられることがないよう、透明基板23側から光が入射するように設置されていることが好ましい。即ち、回折格子25の形成されている面と撮像素子30とが対向する位置となるように設置されていることが好ましい。特に、カメラ本体と撮像光学系とを分離することのできる撮像装置においては、埃等がカメラ本体に入りやすいため、クリーニング等のメンテナンスが必要となるが、メンテナンスの際に凸部26が傷つけられることを防ぐため、このように設置されていることが好ましい。
【0030】
また、透明基板23は、可視光を透過する材料であればよく、赤外線等を吸収する材料を用いることも可能である。このような材料としては、通常、近赤外線カットフィルタとして用いられており、例えば、リン酸塩系ガラスにCuOが添加されたガラスが挙げられる。このような材料により透明基板23を形成することにより、透明基板23において赤外線を吸収させることができ、撮像装置内に近赤外線カットフィルタ等を別途設ける必要がなくなり、撮像装置の小型化及び低コスト化に寄与する。
【0031】
また、本実施の形態における光学ローパスフィルタは、両面に反射防止膜を形成したものであってもよい。具体的には、図4に示すように、光学ローパスフィルタの回折格子25の形成されている面に反射防止膜28を形成し、透明基板23が露出している面に反射防止膜29を形成したものであってもよい。このような反射防止膜28及び29を形成することにより、光学ローパスフィルタにおける界面の反射光を減らすことができ、光学ローパスフィルタを透過する光の光量ロスを減らすことができる。尚、反射防止膜28及び29は、屈折率の異なる材料を積層形成した誘電体多層膜等により形成されている。この際、回折格子25を構成する各々の段において、平らな領域が狭いと、反射防止膜28による効果が低くなる場合がある。よって、各々の段における平らな領域は最も狭いところでも幅が0.5μm以上となるように形成されていることが好ましい。
【0032】
また、本実施の形態における光学ローパスフィルタは、回折格子を2種類の屈折率の異なる材料により形成してもよい。具体的には、図5に示すように、2枚の透明基板23、123を用い、透明基板23の表面には、第1の材料により凸部126を形成し、凸部126の形成されている面の全体を覆うように、第2の材料によるカバー層136が形成したものであってもよい。この場合、透明基板23の表面において、凸部126が形成されていない凹部127にもカバー層136となる第2の材料が入り込む。これにより、第1の材料により形成された凸部126と、凹部127に入り込んだ第2の材料により形成されたカバー層136とにより回折格子125が形成される。図5に示す光学ローパスフィルタでは、カバー層136の表面には透明基板123が設けられているが、透明基板123を形成することなく、カバー層136が露出した構成のものであてもよい。凸部126を形成する第1の材料としては、凸部26を形成する材料と同様の材料を使用でき、透明基板123を形成する第2の材料としては、ガラス等の無機材料、樹脂材料等の有機材料、有機無機複合材料等が挙げられる。また、カバー層136を形成する材料としては、ガラス等の無機材料、樹脂材料等の有機材料、有機無機複合材料等が挙げられる。
【0033】
また、本実施の形態における光学ローパスフィルタは、図5に示すものの両面に反射防止膜を形成したものであってもよい。具体的には、図6に示すように、透明基板23の表面に反射防止膜29を形成し、透明基板123の表面に反射防止膜129を形成したものであってもよい。尚、反射防止膜129は、反射防止膜29と同様に誘電体多層膜等により形成されている。
【0034】
図5に示す構成の光学ローパスフィルタでは、凸部126を形成する第1の材料とカバー層136を形成する第2の材料との屈折率が異なるものを用いている。ここで、波長λにおける凸部126を形成する第1の材料の屈折率とカバー層136を形成する第2の材料の屈折率の差をΔn(λ)とすると、可視光となる波長λの光が、数1に示す式を満足する場合では、基本ユニット21によって発生する位相の変化が少なくなるため好ましい。尚、図3等に示す光学ローパスフィルタにおいては、Δn(λ)は、凸部26を形成する材料の屈折率と空気等の屈折率(通常は約1)の差として考えるものとする。また、波長λの光は、可視光において短波長となる波長λの青色の光から長波長となる波長λの赤色の光の範囲の光であるものとする。尚、可視光の領域の画像の撮像に用いられる撮像装置においては、一般的に、波長λは400〜460nm、波長λは600〜700nmである。波長λとしては波長λと波長λの少なくとも一方を含む波長帯内の波長とすることが好ましく、λとλの両方を含む波長帯内の波長であるとより好ましい。

[数1]
3/4×Δn(λ)/λ≦Δn(λ)/λ≦5/4×Δn(λ)/λ

また、一般に凸部における段構造により発生する光路差が入射する光の波長と等しい場合に、高い回折効率を得ることができるため、段構造の最上段と最下段との段差、即ち、凸部の最も高い部分と凹部との段差をhとし、段構造の段数をNとした場合に、数2に示す式を満足することが好ましい。

[数2]
Δn(λ)×{h×N/(N−1)}=λ

本実施の形態における光学ローパスフィルタ20では、基本ユニット21における位相分布により回折光が発生する。よって、光学ローパスフィルタの入射面に垂直な方向と回折光の進行方向とが、X軸方向となす角をθとし、Y軸方向となす角をθとした場合、数3に示す式が成立する。尚、m及びmは回折光のX軸方向及びY軸方向における回折次数を示し、角度θxi及びθyiは、光学ローパスフィルタに入射する光束と光学ローパスフィルタの入射面に垂直な方向とがなす角のX軸方向及びY軸方向の成分である。

[数3]
sinθ=sinθxi+mλ/P
sinθ=sinθyi+mλ/P

発生する回折光の電場分布は、フラウンホーハー回折に従うので、回折光の次数及び振幅分布は基本ユニット21のフーリエ変換により求めることができる。逆に、回折光の強度分布から基本ユニット21を設計することも可能であり、この場合、反復フーリエ変換法等のアルゴリズムが用いられるが、一般に、このような設計アルゴリズムは計算量が多くなるため、計算機を用いて設計が行われる。
【0035】
このような光学ローパスフィルタでは、回折光による分光領域50内に中心を有する回折光のみを発生させ、回折光による分光領域50の外側に中心を有する回折光は発生させないように形成されていることが望ましい。しかしながら、回折格子の場合には、特性上、回折光による分光領域50の外側に中心を有する高次の回折光が発生する。従って、本実施の形態における光学ローパスフィルタは、分光領域50内に中心を有する回折光の積算強度が高く、分光領域50の外側に中心を有する迷光となる高次回折光の強度が低くなるように形成されている。これにより、撮像素子30において高い効率で像を形成でき、また、迷光となる高次回折光による干渉を低減できる。尚、本実施の形態では、このように回折光による分光領域50の外側に中心を有する高次の回折光を迷光または迷光となる高次回折光と記載する。
【0036】
本実施の形態における光学ローパスフィルタでは、回折光による分光領域50内に中心を有する回折光の積算強度が、設計波長となる波長、例えば、青から赤までの光の中心となる光の波長に近い、緑の光の波長546nmにおいて、入射光の光量に対し80%以上であることが好ましく、更には、波長λから波長λの範囲の全域において、入射光の光量に対し80%以上であることが好ましい。
【0037】
また、迷光となる高次回折光のうち、最も光量の高い迷光となる高次回折光の光量は、緑の光の波長546nmにおいて、入射光の光量に対し1%以下であることが好ましく、また、0.8%以下であることがより好ましい。更には、最も光量の高い迷光となる高次回折光の光量は、波長λから波長λの範囲の全域において、入射光の光量に対し1%以下であることが好ましく、また、0.8%以下であることがより好ましい。尚、迷光となる高次回折光の光量が入射光の光量の0.8%以下であることが好ましい理由は、回折光による分光領域50内に中心を有する回折光の積算強度に対して1/100以下の光量であれば、迷光となる高次回折光による影響はあまり生じないと考えられるからである。
【0038】
また、撮像素子30の配置によっては、光学ローパスフィルタ20に入射する入射光が撮像光学系10の光軸に対し傾斜して入射させる場合がある。このような場合には、光学ローパスフィルタ20における凸部26の高さを入射する入射光の傾斜角度に対応して変化させてもよい。また、回折角度の変調が必要となる場合には、光学ローパスフィルタ20における基本ユニット21のピッチP、Pが変化するように形成してもよい。
【0039】
尚、発明者は検討の結果、高次回折光の発生を抑制する基本ユニット21の構造として、基本ユニット21をa軸方向およびb軸方向から見た際に位相の異なる領域を結んだ境界線の集合が線対称性を有していない構造が適していることを見出した。この理由として以下のようなことが考えられる。基本ユニット21が線対称となる線を多く有する場合、発生する回折光の分布はa軸およびb軸に対して対称となりやすい。高次回折光は基本ユニット21の位相分布の不整合によって生じるが、前述のようにa軸およびb軸に対して対称的な回折光分布を有するということは、別の言い方をすると回折光の設計としては一次元的なものとなっており、高次回折光を発生させる次数の設計自由度が低いということになる。これに対して基本ユニット21が線対称となる線を有さないような構造の場合、回折光の次数分布は対称性に縛られることなく2次元な設計自由度が得られ、高次回折光の低減が行いやすい。従って、基本ユニット21の異なる位相を有する領域を結んだ境界線の集合がなす形状としては、a軸方向及びb軸方向に線対称となる線を有さないものであることが好ましい。
【実施例】
【0040】
次に、本実施の形態における実施例について説明する。尚、波長420nm、546nm、670nmの光は、各々青、緑、赤の光に対応している。
【0041】
(実施例1)
実施例1における光学ローパスフィルタは図7(a)に示すように、入射光を4つの回折光に分離するように設計したものである。実施例1における光学ローパスフィルタでは、透明基板23として厚さが0.3mmの石英基板を用いている。本実施例における光学ローパスフィルタの製造方法は、石英基板を洗浄し、フォトリソグラフィーによりレジストパターンを形成した後、エッチングを行うことにより、図7(b)に示すような8段の構造の凸部26が形成された基本ユニット21を形成する。基本ユニット21を設計する際の設計中心波長は546nmであり、基本ユニット21はピッチP=P=515μm、一つの段の高さが148nmとなるように作製する。石英基板の屈折率は、波長λとなる波長420nmで1.469、緑の光の波長となる波長546nmで1.460、波長λとなる波長670nmで1.456である。尚、図7(b)に示す基本ユニット21はa軸方向及びb軸方向に対して線対称となる線が存在していない。
【0042】
図8に、実施例1における光学ローパスフィルタの波長420nm、546nm、670nmにおける回折効率を算出したものを示す。波長546nmにおいて2次以上の回折光で最大光量のものは0.5455%である。
【0043】
また、実施例1における光学ローパスフィルタの波長420nmにおける0次回折光及び1次回折光の光量の和は71.062%であり、0次回折光から2次回折光までの光量の和は82.5042%である。また、波長546nmにおける0次回折光及び1次回折光の光量の和は85.8462%であり、0次回折光から2次回折光までの光量の和は90.1719%である。波長670nmにおける0次回折光及び1次回折光の光量の和は80.9202%であり、0次回折光から2次回折光までの光量の和は88.6058%である。以上より、実施例1における光学ローパスフィルタは、回折光による分光領域50が1次回折光の中心を結ぶ範囲または2次回折光の中心を結ぶ範囲となる光学ローパスフィルタとして使用できる。
【0044】
(実施例2)
実施例2における光学ローパスフィルタは図9(a)に示すように、入射光を8つの回折光に分離するように設計したものである。実施例2における光学ローパスフィルタでは、透明基板23として厚さが0.3mmの石英基板を用いている。本実施例における光学ローパスフィルタの製造方法は、石英基板を洗浄し、フォトリソグラフィーによりレジストパターンを形成した後、エッチングを行うことにより、図9(b)に示すような8段の構造の凸部26が形成された基本ユニット21を形成する。基本ユニット21を設計する際の設計中心波長は546nmであり、基本ユニット21のピッチP=P=728μm、一つの段の高さが148nmとなるように作製する。石英基板の屈折率は、波長420nmで1.469、波長546nmで1.460、波長670nmで1.456である。尚、図9(b)に示す基本ユニット21はa軸方向及びb軸方向に対して線対称となる線が存在していない。
【0045】
図10に、実施例2における光学ローパスフィルタの波長420nm、546nm、670nmにおける回折効率を算出したものを示す。波長546nmにおいて2次以上の回折光で最大光量のものは0.3413%である。
【0046】
また、実施例2における光学ローパスフィルタの波長420nmにおける0次回折光及び1次回折光の光量の和は74.1273%であり、0次回折光から2次回折光までの光量の和は81.0987%である。また、波長546nmにおける0次回折光及び1次回折光の光量の和は83.5862%であり、0次回折光から2次回折光までの光量の和は86.1203%である。波長670nmにおける0次回折光及び1次回折光の光量の和は82.9522%であり、0次回折光から2次回折光までの光量の和は85.5501%である。以上より、実施例2における光学ローパスフィルタは、回折光による分光領域50が、1次回折光の中心を結ぶ範囲または2次回折光の中心を結ぶ範囲となる光学ローパスフィルタとして使用できる。
【0047】
(実施例3)
実施例3における光学ローパスフィルタは図11(a)に示すように、入射光を9つの回折光に分離するように設計したものである。実施例3における光学ローパスフィルタでは、透明基板23として厚さが0.3mmの石英基板を用いている。本実施例における光学ローパスフィルタの製造方法は、石英基板を洗浄し、フォトリソグラフィーによりレジストパターンを形成した後、エッチングを行うことにより、図11(b)に示すような8段の構造の凸部26が形成された基本ユニット21を形成する。基本ユニット21を設計する際の設計中心波長は546nmであり、基本ユニット21はピッチP=P=728μm、一つの段の高さが148nmとなるように作製する。石英基板の屈折率は、波長420nmで1.469、波長546nmで1.460、波長670nmで1.456である。尚、図11(b)に示す基本ユニット21はa軸方向及びb軸方向に対して線対称となる線が存在していない。
【0048】
図12に、実施例3における光学ローパスフィルタの波長420nm、546nm、670nmにおける回折効率を算出したものを示す。波長546nmにおいて2次以上の回折光で最大光量のものは0.3095%である。
【0049】
また、実施例3における光学ローパスフィルタの波長420nmにおける0次回折光及び1次回折光の光量の和は72.7469%であり、0次回折光から2次回折光までの光量の和は84.7109%である。また、波長546nmにおける0次回折光及び1次回折光の光量の和は89.3879%であり、0次回折光から2次回折光までの光量の和は90.6525%である。波長670nmにおける0次回折光及び1次回折光の光量の和は88.8292%であり、0次回折光から2次回折光までの光量の和は90.8267%である。以上より、実施例3における光学ローパスフィルタは、回折光による分光領域50が、1次回折光の中心を結ぶ範囲または2次回折光の中心を結ぶ範囲となる光学ローパスフィルタとして使用できる。
【0050】
(実施例4)
実施例4における光学ローパスフィルタは図13(a)に示すように、入射光を9つの回折光に分離するように設計したものである。実施例4における光学ローパスフィルタでは、透明基板23として厚さが0.3mmの石英基板を用いている。本実施例における光学ローパスフィルタの製造方法は、石英基板を洗浄し、フォトリソグラフィーによりレジストパターンを形成した後、エッチングを行うことにより、図13(b)に示すような32段の構造の凸部26が形成された基本ユニット21を形成する。基本ユニット21を設計する際の設計中心波長は546nmであり、基本ユニット21はピッチP=P=728μm、一つの段の高さが37nmとなるように作製する。石英基板の屈折率は、波長420nmで1.469、波長546nmで1.460、波長670nmで1.456である。尚、図13(b)に示す基本ユニット21はa軸方向及びb軸方向に対して線対称となる線が存在していない。
【0051】
図14に、実施例4における光学ローパスフィルタの波長420nm、546nm、670nmにおける回折効率を算出したものを示す。波長546nmにおいて2次以上の回折光で最大光量のものは0.3389%である。
【0052】
また、実施例4における光学ローパスフィルタの波長420nmにおける0次回折光及び1次回折光の光量の和は79.9143%であり、0次回折光から2次回折光までの光量の和は89.92%である。また、波長546nmにおける0次回折光及び1次回折光の光量の和は93.2107%であり、0次回折光から2次回折光までの光量の和は94.5552%である。波長670nmにおける0次回折光及び1次回折光の光量の和は91.576%であり、0次回折光から2次回折光までの光量の和は93.2495%である。以上より、実施例4における光学ローパスフィルタ、回折光による分光領域50が、1次回折光の中心を結ぶ範囲または2次回折光の中心を結ぶ範囲となる光学ローパスフィルタとして使用できる。
【0053】
(実施例5)
実施例5における光学ローパスフィルタは図13(a)に示すように、入射光を9つの回折光に分離するように設計したものである。実施例5における光学ローパスフィルタでは、透明基板23として厚さが0.3mmのB270基板を用いている。尚、透明基板23は、ガラス基板であれば特に制限はないがショット社のB270基板を使用した。本実施例における光学ローパスフィルタの製造方法は、B270基板を洗浄し、ZrO微粒子を含有する有機無機複合材料を型に充填し、B270基板の表面に凸部126が形成されるように紫外線を照射し硬化させる。この後、ビフェニル構造を有する有機樹脂を滴下しカバー層136を形成し、他の透明基板123となる厚さが0.3mmのB270基板により挟むことにより作製する。実施例5における光学ローパスフィルタは、32段の構造の凸部126が形成された基本ユニット21が形成されている。基本ユニット21を設計する際の設計中心波長は546nmであり、基本ユニット21はピッチP=P=728μm、一つの段の高さが467nmとなるように作製する。B270基板の屈折率は、波長420nmで1.536、波長546nmで1.524、波長670nmで1.519である。また、硬化させたZrO微粒子を含有する有機無機複合材料の屈折率は、波長420nmで1.630、波長546nmで1.615、波長670nmで1.606である。また、ビフェニル構造を有する有機樹脂の屈折率は、波長420nmで1.607、波長546nmで1.578、波長670nmで1.566である。尚、実施例5における光学ローパスフィルタは、基本ユニット21はa軸方向及びb軸方向に対して線対称となる線が存在していない。
【0054】
図15に、実施例5における光学ローパスフィルタの波長420nm、546nm、670nmにおける回折効率を算出したものを示す。波長546nmにおいて2次以上の回折光で最大光量のものは0.3422%である。
【0055】
また、実施例5における光学ローパスフィルタの波長420nmにおける0次回折光及び1次回折光の光量の和は91.9294%であり、波長546nmにおける0次回折光及び1次回折光の光量の和は93.2137%であり、波長670nmにおける0次回折光及び1次回折光の光量の和は92.7635%である。以上より、実施例5における光学ローパスフィルタは、回折光による分光領域50が1次回折光の中心を結ぶ範囲となる光学ローパスフィルタとして使用できる。
【0056】
(実施例6)
実施例6における光学ローパスフィルタは図13(a)に示すように、入射光を9つの回折光に分離するように設計したものである。実施例6における光学ローパスフィルタでは、透明基板23として厚さが0.3mmの石英基板を用いている。本実施例における光学ローパスフィルタの製造方法は、石英基板を洗浄し、フォトリソグラフィーによりレジストパターンを形成した後、エッチングを行うことにより、図13(b)に示すような32段の構造の凸部が形成された基本ユニット21を形成する。基本ユニット21を設計する際の設計中心波長は490nmであり、基本ユニット21はピッチP=P=728μm、一つの段の高さが37nmとなるように作製する。石英基板の屈折率は、波長420nmで1.469、波長546nmで1.460、波長670nmで1.456である。尚、図13(b)に示す基本ユニット21はa軸方向及びb軸方向に対して線対称となる線が存在していない。
【0057】
図16に、実施例6における光学ローパスフィルタの波長420nm、546nm、670nmにおける回折効率を算出したものを示す。波長546nmにおいて2次以上の回折光で最大光量のものは0.4933%である。
【0058】
また、実施例6における光学ローパスフィルタの波長420nmにおける0次回折光及び1次回折光の光量の和は89.0464%であり、0次回折光から2次回折光までの光量の和は93.0662%である。また、波長546nmにおける0次回折光及び1次回折光の光量の和は92.05499%であり、0次回折光から2次回折光までの光量の和は93.40229%である。波長670nmにおける0次回折光及び1次回折光の光量の和は90.4054%であり、0次回折光から2次回折光までの光量の和は92.3356%である。以上より、実施例6における光学ローパスフィルタは、回折光による分光領域50が1次回折光の中心を結ぶ範囲または2次回折光の中心を結ぶ範囲となる光学ローパスフィルタとして使用できる。
【0059】
(実施例7)
実施例7は、実施例6における光学ローパスフィルタ20を回折格子25が形成されている面が撮像素子30側となり、透明基板23が露出している面より光が入射するように設置した撮像装置である。光学ローパスフィルタ20と撮像素子30との距離は、波長546の光において光学的な距離tが2mmとなるように設置されている。撮像素子30の画素ピッチは3μmであり、光学ローパスフィルタ20に入射した光のX軸方向及びY軸方向における1次回折光の回折角度は、空気中で0.043°となる。よって、撮像素子30の撮像面における1次回折光の回折光による分光領域50は、X軸方向に3μm、Y軸方向に3μmとなる。従って、本実施例では、撮像素子30における1画素に対応する高周波成分を抑制でき、撮像素子30により撮像される画像において、モアレ縞や偽色を低減できる。
【0060】
(実施例8)
実施例8は、実施例5における光学ローパスフィルタ20を撮像素子30の前に設置した撮像装置である。光学ローパスフィルタ20と撮像素子30との距離は、波長546の光において光学的な距離tが2mmとなるように設置されている。撮像素子30の画素ピッチは3μmであり、光学ローパスフィルタ20に入射した光のX軸方向及びY軸方向における1次回折光の回折角度は、空気中で0.043°となる。よって、撮像素子30の撮像面における1次回折光の回折光による分光領域50は、X軸方向に3μm、Y軸方向に3μmとなる。従って、本実施例では、撮像素子30における1画素に対応する高周波成分を抑制でき、撮像素子30により撮像される画像において、モアレ縞や偽色を低減できる。
【0061】
(実施例9)
実施例9は、実施例7に記載されている撮像装置において、不図示の駆動手段により光学ローパスフィルタ20を光軸方向に移動させることができるものである。本実施例における撮像装置では、実施例7に記載された光学ローパスフィルタ20の位置は静止画を撮像する位置であり、動画を撮像する際には、光学ローパスフィルタ20を光学ローパスフィルタ20と撮像素子30との距離が、波長546nmの光において光学的な距離tが4mmとなるように移動機構60により移動させる。これにより、本実施例では、動画を撮像する際には、撮像素子30の撮像面における1次回折光の回折光による分光領域50は、X軸方向に6μm、Y軸方向に6μmとすることができ、動画を撮像する際のモアレ縞や偽色の発生を低減できる。
【0062】
尚、本発明の実施に係る形態について説明したが、上記内容は、発明の内容を限定するものではない。
【符号の説明】
【0063】
10 撮像光学系
20 光学ローパスフィルタ
21 基本ユニット
23 透明基板
25 回折格子
26 凸部
27 凹部
28 反射防止膜
29 反射防止膜
30 撮像素子
40 入射光となる光束
40a 光束
40b 回折光
41 光学ローパスフィルタを設置しない場合の光が照射される点
42 回折光により照射される点
50 回折光による分光領域
60 移動機構

【特許請求の範囲】
【請求項1】
透明基板と、
前記透明基板の表面に形成された回折部と、
を有し、前記基板に入射した光は前記回折部により2次元状の回折光を発生させるものであって、
前記回折光において同じ次数の回折光の中心を結ぶ領域を回折光による分光領域とした場合、前記分光領域内に回折光の中心が含まれる回折光の光量の和が、入射光の光量の80%以上であって、
前記分光領域の外に中心を有する各々の回折光の光量が、入射光の光量の0.8%以下であることを特徴とする光学ローパスフィルタ。
【請求項2】
前記入射光は、可視領域における1つの波長の光である請求項1に記載の光学ローパスフィルタ。
【請求項3】
前記入射光は、青から赤まで範囲の光である請求項1に記載の光学ローパスフィルタ。
【請求項4】
前記回折光による分光領域は、各々の1次回折光の中心を結ぶことにより形成される領域、または、2次回折光の中心を結ぶことにより形成される領域である請求項1から3のいずれかに記載の光学ローパスフィルタ。
【請求項5】
前記回折部は、複数の段部が形成された凸部を有する凹凸形状のパターンにより形成されている請求項1から4のいずれかに記載の光学ローパスフィルタ。
【請求項6】
前記回折部は、前記基板の表面に複数の段部を有する第1の材料により形成された凸部と、前記凸部を形成することにより形成される凹凸パターンを覆うように第2の材料により形成されたカバー層からなるものであって、
前記第1の材料の屈折率と前記第2の材料の屈折率とは異なる値である請求項1から4のいずれかに記載の光学ローパスフィルタ。
【請求項7】
前記回折光のうち最近接の回折光同士を結ぶ線に平行な線を軸とした場合、前記凹凸パターンは、前記軸において非対称である請求項5または6に記載の光学ローパスフィルタ。
【請求項8】
前記回折部は、複数の同一パターンの基本ユニットが2次元状に配列されているものである請求項1から7のいずれかに記載の光学ローパスフィルタ。
【請求項9】
前記透明基板または前記回折部には反射防止膜が形成されている請求項1から8のいずれかに記載の光学ローパスフィルタ。
【請求項10】
撮像素子と、
請求項1から9のいずれかに記載の光学ローパスフィルタと、
を有し、前記光学ローパスフィルタを透過した光が前記撮像素子に入射するものであることを特徴とする撮像装置。
【請求項11】
前記光学ローパスフィルタを前記光の光軸に沿って移動させる移動機構を有している請求項10に記載の撮像装置。

【図1】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図8】
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【図10】
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【図12】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図2】
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【図7】
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【図9】
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【図11】
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【図13】
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