説明

光学光源体橋梁燈

【課題】橋梁の周囲を高輝度に、且つ優雅に照らし出すことにより、夜間における安全性向上と共に、太陽電池を用いることで電力コストを不要にする光学光源体橋梁燈を提供する。
【解決手段】橋梁部分に装着される橋梁燈であって、橋梁燈に、電源装置により発光する、発光面となる前面、前面に対向した後面、前面と後面とを接続する光伝送部、後面の一部から前面方向に沿って光伝送部の内部に先端部が位置する凹部を有する光学媒体と、凹部に収納され、表方向に出る光が主に凹部の先端部に入射し、同時に裏方向にも発光するように構成された両面発光構造の半導体発光素子と、凹部の側壁部を介して入射した半導体発光素子の裏方向の発光を反射する背面鏡からなる発光体を装着し、発光体の光学媒体に色彩を施した。電源装置を太陽電池、商用電源、電気二重層キャパシタとし、電源装置に発光体を点滅させる点滅装置を備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、川や谷、また海上に設置されている橋梁に装着される橋梁燈であって、特に、橋梁の周囲を少ない電力で高輝度に、且つ優雅に照らし出すことができる光学光源体橋梁燈に関する。
【背景技術】
【0002】
通常、人や自動車が谷や川、また海の上を乗り越えるため、さまざまな種類の橋梁が設置されている。代表的な橋梁の種類としては、斜張橋、吊橋、アーチ橋、トラス橋、ループ橋等の橋があり、構築する場所や利用目的等によりさまざまに使い分けされている。
【0003】
また特に、橋梁下を航行する船等に対し、安全水路を示すため、橋梁または橋脚に取付けられる橋梁灯がある(例えば、特許文献1参照)。
上掲特許文献1の橋梁灯は、橋梁または橋脚に横方向に突出するように設けてなるガイドレール本体に、そのレール部にガイドされて走行するように灯器取付台を装着し、該ガイドレール本体の先端における該レール部が前方下方に向けて彎曲または傾斜するように設け、前記灯器取付台には操作ロッドの一端を連結し、前記灯器取付台には、灯器を、前記灯器取付台が前記ガイドレール本体の先端レール部に沿って移動したとき前記灯器が下方を向くような位置に取付けたことを特徴とする。
【特許文献1】実開平02−150704号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上掲特許文献1の橋梁灯は、橋梁下を航行する船等に対して安全水路を示すためのもので、夜間における橋梁全体を高輝度に照らし出すことはできなかった。また灯器は点灯状態に保持されているため、橋梁の外観的向上や見栄えを高めるまでには至らなかった。
【0005】
そこで本発明は上記の点に鑑み、橋梁の周囲を高輝度に、且つ優雅に照らし出すことにより、夜間における安全性向上と共に、太陽電池を用いることで電力コストを不要にすることができる光学光源体橋梁燈を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記問題を解決するために本発明の光学光源体橋梁燈は、橋梁部分に装着される橋梁燈であって、該橋梁燈に、電源装置により発光する、発光面となる前面、前記前面に対向した後面、前記前面と前記後面とを接続する光伝送部、前記後面の一部から前記前面方向に沿って前記光伝送部の内部に先端部が位置するように形成された凹部とを有する光学媒体と、前記凹部に収納され、表方向に出る光が主に前記凹部の先端部に入射し、同時に裏方向にも発光するように構成された両面発光構造の半導体発光素子と、前記凹部の側壁部を介して入射した前記半導体発光素子の前記裏方向の発光を反射するように前記発光媒体の後面に配設された背面鏡とからなる発光体を装着したことを特徴とする。また前記発光体の光学媒体に色彩を施した。また前記電源装置を太陽電池装置とした。また前記電源装置を商用電源とした。また前記電源装置を電気二重層キャパシタとした。さらに前記電源装置に発光体を点滅させる点滅装置を備えた。
【発明の効果】
【0007】
本発明の光学光源体橋梁燈は、電源装置により発光する光学媒体とからなる発光体と、該発光体を点滅させる点滅装置とで構成されているため、夜間において橋梁全体を高輝度に照らし出し、安全性を向上させると共に、点滅装置により橋梁を優雅に照らし出すことができ、また、光学媒体に色彩を施したことにより、橋梁全体を優雅に映し出すこともできる。さらに、前記電源装置を太陽電池装置とすることで、電力コストや電力設備を不要にすることが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明における光学光源体橋梁燈の実施の形態を図面に基づき説明する。
図1および図2に示す光学光源体橋梁は、橋梁A部分に装着される橋梁燈であって、前記光学光源体橋梁燈1は、電源装置20と、電源装置20により発光する光学媒体とからなる発光体10とで構成されている。
【0009】
前記発光体10は基盤2に設置されており、該基盤2は橋梁Aを構成するH鋼Bの側面に設置されている。また電源装置20はH鋼Bの上面に装着されている。また前記光学光源体橋梁燈1は、橋梁Aの橋脚3、床部4、アーチ部5等に複数装着されている。
【0010】
発光体10は、光源から前面に放射される光を集束してスポット状に照射することができる光学媒体11とからなる。また両面発光構造の半導体発光素子を用いた場合において、裏面側への発光成分を含めて、すべての迷光成分が、有効に照明に寄与出来るようにすることを可能とし、特に、その数を多数必要とすることなく、所望の照度をえることが可能な発光体である。
【0011】
また発光体10は、小型化・低価格化が期待できると共に、スポット照射のみならず拡散にも適用できる。また、長寿命、低消費電力、ノイズレス、紫外線を出さない、光のちらつき(フリッカー)がない、光強度調節が容易、低温光源、安定性が高い、変調が容易、スイッチング特性が優位、フルカラー対応、指向性が高い、光変換効率が格段に高い等数多くのメリットを有している。
【0012】
また前記発光体10は、図3の(a)に示すように、発光面となる前面と、前面に対向した後面と、前面と後面とを接続する光伝送部と、後面の一部から前面方向に沿って光伝送部の内部に形成された凹部とを少なくとも有する光学媒体(バルクレンズ)11と、凹部に収納された半導体発光素子12と、光学媒体11の後面に配置された背面鏡13とからなる。また背面鏡13は、光学媒体11の側面の一部にまで延長されて形成されている。なお、この発光体は、特許第3300778号公報に開示された公知の技術であり、本発明の光学光源体橋梁燈1は、上記発光体10を使用したものである。
【0013】
また図3の(b)は、前記発光体10の対応する断面図であり、14はLEDホルダー、15はチップ、16は樹脂モールド、17は第1のピン、18は第2のピン、19は屈折率をそれぞれ示す。
【0014】
また他の好適例として、前記発光体10の光学媒体11に色彩を施すことが望ましい。施す色彩は輝度の高いオレンジ、イエロー、レッド等が好ましく、その他にもブルーやグリーンを施すこともできる。さらに、光学媒体11に施す色彩を統一、または配設される発光体10の箇所によりその色彩を任意に変更してもよい。
【0015】
電源装置20は、発光体10へ電力を供給し、発光体10を高輝度に発光させるものである。また特に、前記電源装置20を太陽電池装置21とすることが望ましい。前記太陽電池装置21は、ソーラーパネル、充電器、光センサー等にて形成されている。また前記太陽電池装置21におけるソーラーパネルは、例えば、図2に示すように、H鋼Bの上面に装着することができる。
【0016】
また他の好適例として、前記電源装置20を商用電源22とした。商用電源22は一般家庭や工場等に供給される電源であり、プラグにコンセントを挿入することにより、発光体10を発光させることができる。商用電源22を電源装置とすることで、身近に、且つ手軽に発光体10を発光させることが可能になる。
【0017】
また他の好適例として、前記電源装置20を電気二重層キャパシタ23とした。電気二重層キャパシタ23は、極めて短時間で充電でき、しかも長時間の放電を可能とする。また内部抵抗が低く、充放電時における熱損出が小さいため、充放電を繰り返しても劣化が極めて少ないという特徴を有する。電源装置20を電気二重層キャパシタ23としたことにより、発光体10を発光させる際、経済性や利便性で優れた効果が得られる。
【0018】
また他の好適例として、発光体10と電源装置20との間に点滅装置30を具備した。点滅装置30は、発光体10への電力をON/OFFさせ、発光体10の照射を適宜間隔で自動的に点滅を繰り返すものである。
【0019】
本発明の光学光源体橋梁燈を上述の構成とすることで、図4に示すように、橋梁Aの橋脚3、床部4、アーチ部5等が高輝度に発光し、夜間における船舶走行の安全性を高めると共に、橋梁上を走行する車両や列車等の安全性を確保できる。
【0020】
また前記発光体を点滅させる点滅装置を備えることで、橋梁を優雅に照らし出すことができ、また、光学媒体に色彩を施したことにより、橋梁全体をさまざまな色彩に映し出すこともできる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の光学光源体橋梁燈の断面図である。
【図2】前記光学光源体橋梁燈の使用状態である。
【図3】(a)は発光体を示す模式的な鳥瞰図、(b)は対応する断面図である。
【図4】光学光源体橋梁燈を装着した橋梁の全体図である。
【符号の説明】
【0022】
1 光学光源体橋梁燈
2 基盤
3 橋脚
4 床部
5 アーチ部
10 発光体
11 光学媒体
12 半導体発光素子
13 背面鏡
14 LEDホルダー
15 チップ
16 樹脂モールド
17 第1のピン
18 第2のピン
19 屈折率
20 電源装置
21 太陽電池装置
22 商用電源
23 電気二重層キャパシタ
30 点滅装置
A 橋梁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
橋梁部分に装着される橋梁燈であって、該橋梁燈に、電源装置により発光する、発光面となる前面、前記前面に対向した後面、前記前面と前記後面とを接続する光伝送部、前記後面の一部から前記前面方向に沿って前記光伝送部の内部に先端部が位置するように形成された凹部とを有する光学媒体と、前記凹部に収納され、表方向に出る光が主に前記凹部の先端部に入射し、同時に裏方向にも発光するように構成された両面発光構造の半導体発光素子と、前記凹部の側壁部を介して入射した前記半導体発光素子の前記裏方向の発光を反射するように前記発光媒体の後面に配設された背面鏡とからなる発光体を装着したことを特徴とする光学光源体橋梁燈。
【請求項2】
前記発光体の光学媒体に色彩を施した請求項1記載の光学光源体橋梁燈。
【請求項3】
前記電源装置を太陽電池装置とした請求項1または2記載の光学光源体橋梁燈。
【請求項4】
前記電源装置を商用電源とした請求項1または2記載の光学光源体橋梁燈。
【請求項5】
前記電源装置を電気二重層キャパシタとした請求項1または2記載の光学光源体橋梁燈。
【請求項6】
前記電源装置に発光体を点滅させる点滅装置を備えた請求項1乃至5のうちいずれか1記載に記載の光学光源体橋梁燈。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−54558(P2009−54558A)
【公開日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−250161(P2007−250161)
【出願日】平成19年8月28日(2007.8.28)
【出願人】(595049264)
【Fターム(参考)】