説明

光学媒体上のコンテンツのプレイバックの選択的有効化

光学デバイスの不正使用の選択的抑制システム。説明のための実施形態では、上記システムは光学デバイス再生および複製防止システムを実施し、光ディスクのピット構造で符号化されるデータの第1組を含む。ディスクドライブなどの読み取りシステムは、データの第1組を読み取ることに適応する読み取りレーザを含む。ディスク上または内部に配置される第1の材料は、超音波など第1既定エネルギーに応じ、読み取りレーザ光への透明性を変える。ディスク上または内部に配置される第2の材料は、第2既定エネルギーに応じ、レーザ光への透明性を一時的に変える。第1および第2の物質の透明性の変化が、読み取りシステムに対するデータの第1組のアクセス可能性を変える。上記アクセス可能性に基づき、読み取りシステムによる光ディスクの読み取り、再生、および/または複製を有効または無効にする、読み取りシステムが実行可能な命令を上記システムはさらに含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、広く機能有効化システムに関し、より具体的には、光学および電子デバイスやデータ記憶媒体のようなデバイスの不正使用を選択的に防止するためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
あるデバイス機能の不正使用を防止するためのシステムは、認証、盗難防止、および複製防止の用途を含む様々な難しい用途に使用される。データ記憶媒体のコンテンツの不正再生および複製がよく起こり、上記システムは、データ記憶媒体へ特に適用可能である。
【0003】
データ記憶媒体の例には、コンパクトディスク(Compact Discs:CDs)、デジタルビデオディスク(Digital Video Discs:DVDs)、ブルーレイディスク(Blu‐ray discs)、電気的消去・プログラム可能読み取り専用メモリ(Electrically Erasable Programmable Read Only Memories:EEPROMs)、セキュアデジタル(Secure Digital:SD)カード、ハードドライブ、ランダムアクセスメモリ(Random Access Memories:RAMs)、相補型金属酸化シリコン(Complimentary Metal Oxide Silicon:CMOS)メモリが含まれるが、それらに限定されるものではない。スマートカード、デスクトップコンピュータ、カメラ、CDおよびDVD再生装置等を含む様々な装置に、このようなデータ記憶媒体はしばしば使用される。
【0004】
従来、盗難CDおよびDVDの再生のようなデバイスの不正使用を防止するために、特別な梱包がしばしば使用される。その梱包は、しばしばかさばるが、購入の際に無効化される無線ICタグ(Radio Frequency Identification Tag:RFID)を含む。RFIDタグの無効化はまた警報音発報機能も無効化する。さもなければその機能は、小売店のような商品販売アウトレットを顧客が出るときに警報音を鳴らすであろう。
【0005】
残念ながら、窃盗犯はこのようなタグに直ちに気がつき、取り外す可能性がある。さらに、このような梱包および関連するRFIDタグは製品コストを増大させる場合があり、さらには無効化後も望ましくない高周波(radio frequencies)を発する場合がある。
【0006】
代替として、CDまたはDVDは特別なインクでコーティングを施す。そのインクは酸素に暴露されると徐々に黒ずみ、結果的にCDまたはDVDを再生不能または複製不能にする。残念ながら、これらのインクまたは色素の使用はデバイスの正当な使用を制限する。その結果、これらのインクおよび色素の使用はしばしばデバイスレンタルの用途に限定される。さらに、ひとたびディスクが購入またはレンタルされると、このようなインクおよび色素は、典型的にそのディスクコンテンツの複製を防止できない。
【発明の開示】
【0007】
(優先権の主張)
本発明は、米国特許仮出願第60/711178号、発明の名称ANTI‐SHRINK‐COPY PROTECTION PRODUCT(抗圧縮複製保護製品)、2005年8月24日出願、からの優先権を主張し、本出願においては、ここで当該仮出願全体を参考文献として組み入れるものとする。
【0008】
本発明のある好ましい実施形態は、光ディスクの不正使用を選択的に抑制するためのシステムを実施する。具体的な実施形態において、このシステムは光ディスクの不正再生および複製を防止する。このシステムは、光ディスクのピット構造により符号化されるデータの第1組を含む。読み取りシステムは読み取りレーザを含み、データの第1組がこの読み取りシステムにさらされるとき、読み取りシステムはデータの第1組を読み取るように適応される。ディスク上または内部に配置される第1の材料は、超音波のような第1の既定エネルギーに応じて、読み取りレーザからのレーザ光に対する透明性を恒久的に変化させる。ディスク上または内部に配置される第2の材料は、読み取りレーザからのエネルギーのような第2の既定エネルギーに応じて、レーザ光に対する透明性を一時的に変化させる。第1の材料および第2の材料の透明性の変化は、読み取りシステムに対するデータの第1組のアクセス可能性を選択的に変化させる。読み取りシステムに対する第1のデータのアクセス可能性に基づき、読み取りシステムによる光ディスクの読み取り、再生、および/または複製を有効または無効にするための、読み取りシステムにより実行可能な命令を、このシステムはさらに含む。
【0009】
第1の材料は、ディスクの購入の際に、第1の既定エネルギーを発生させる装置を介すなどして、活性化可能である。盗難光ディスクは、第1の既定エネルギーを発生させるように設計される特別な装置を介して活性化されるまで、操作不能とすることが可能である。ユーザがディスクを高速で複製しようとするようなときでも、第2の材料が読み取りレーザによって十分に変化して、光ディスクを無効にする、または読み取りシステムをロックすることが可能である。ディスクが低速で再生されるようなときでも、第1の材料の透明性の変化が光ディスクの無効化または読み取りシステムのロックを引き起こさないように、第2の材料は構成可能である。光ディスクに第2の材料の存在が欠如する場合、データの第1の組は、光ディスクまたは読み取りシステムを無効にする命令を含む。
【0010】
説明に用いる実施形態において、このシステムは、データ記憶媒体からのコンテンツの再生または複製を選択的に有効にするためのシステムを実施する。そのシステムは、データ記憶媒体上または内部に配置される第1の材料を含む。第2の光学的一時性材料がデータ記憶媒体上または内部に配置される。第1の機構が、第1の材料および第2の材料を使用し、コンテンツの再生または複製を選択的に抑制する。
【0011】
ゆえに、本発明の実施形態は、CD‐ROMまたはDVDのような光ディスクからのコンテンツの不正再生および複製の両方を防止可能である。かかる実施形態は、光ディスクの物理的な盗難を抑制し、またコンテンツを複製してばらまくことを通して起こり得るコンテンツの盗難を抑制する。第1および第2の材料の使用は、以下でより完全に説明されるように、それぞれ染料システム351および染料システム349によって実施されるのであるが、その第1および第2の材料の使用は、従来のセキュリティ梱包に関連するコストを削減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明は、同時係属中の米国特許出願第11/410478号、発明の名称SYSTEM AND METHOD FOR SELECTIVELY ENABLING OR DISABLING AN OPTICAL DEVICE(光学デバイスの選択的有効化または無効化のためのシステムおよび方法)、2006年4月24日出願、に関連しており、本出願においては、ここで当該出願全体を参考文献として組み入れるものとする。
【0013】
コンピュータ、電源、ディスク製造装置、ディスクドライブモータ等のような、各種の周知のコンポーネントは、明確にするために図面においては省略されている。しかし、本開示を閲覧する当業者は、任意の用途の必要性を満たすには、どのコンポーネントをどのように実施すれば良いのかわかるであろう。
【0014】
2つの感エネルギー材14、16を使用する本発明の第1の実施形態に従って、光ディスク12の不正使用を選択的に抑制するためのシステム10を、図1は示す。第1の感エネルギー材14を活性化するための活性化システム18と、第2の感エネルギー材16を選択的に活性化するために、ディスク12の螺旋トラック(spiral track)22を読み取るための読み取りシステムとを、システム10はさらに含む。説明のため、第2の感エネルギー材16は、ディスク12の外側部分の周りに同心円状に配置されているように示されている。この具体的な実施形態において、以下でより完全に説明されるように、感エネルギー材14、16の両方は、ディスク12の読み取り面近傍に配置されている。光ディスク12のような光ディスクの読み取り面は、光ディスクによって記憶されるデータを読み取りシステムのレーザが観察するために通過するディスクの表面である場合がある。
【0015】
読み取りシステム20は、ディスクドライブコントローラ24と通信している読み取りレーザシステム22をさらに含む。ディスクドライブコントローラ24は、オーサリング(authoring)ソフトウェア26およびディスクロッキング(disc‐locking)ソフトウェア28と通信し、それらのソフトウェアは、活性化システム18によって第1の感エネルギー材14が活性化されたとき、およびディスク12が読み取りシステム20へ挿入される後、読み取りシステム20のメモリ30へ自動的にロードされる。読み取りシステム20は、本発明の範囲を逸脱することなく、従来のディスク再生装置、複製装置、および/または書き込み装置によって実施可能である。
【0016】
読み取りレーザシステム22を制御するための制御アルゴリズムおよび付随のアクチュエータを、ドライブコントローラ24は含むことができる。読み取りレーザシステム18は、1つまたはそれ以上の光学ピックアップ、デジタル/アナログ変換機(Digital‐to‐Analog Converter:DAC)、増幅器等を含むことができる。読み取りシステム20のようなディスク読み取り装置は、ディスクからの情報にアクセスするように適応されるいかなるデバイスであっても良い。ゆえに、本説明のために、ディスク複製装置およびディスク再生装置は、同様にディスク読み取り装置でもあると見なされる。
【0017】
光ディスク12は、縮尺どおりに示されてはいないが、螺旋トラック14を含み、その螺旋トラック14は、策略的にピットがつけられており、感エネルギー材14、16が適切に活性化されている場合、読み取りシステム20によって読み取り可能な情報を符号化している。読み取りレーザシステム18は、読み取りレーザビーム32を発生させ、その読み取りレーザビーム32は、トラック24に含まれるパターン化されたピットおよびランド34に反射する。反射光のパターンは、読み取りシステム20または付随のコンピュータによって使用され、ピットおよびランド34によって符号化された情報が復号される。説明のために、光ディスク12は光学バーストカッティングエリア36をさらに含むように示されており、その光学バーストカッティングエリア36は、コンテンツ保護符号を含むトラック22の部分を含むことができる。符号は、いかなるハードウェアまたはソフトウェア命令であっても良い。
【0018】
本説明のために、ピットとは、ディスク12のような光ディスクの層における窪みを表し得るものであり、レーザビーム32のような読み取りレーザビームからの光の吸収および/または破壊的干渉(destructive interference)をもたらす。ランドとは、読み取りレーザビームからの光を反射する同じ層の部分を表し得るものである。光ディスクのピットおよびランドを実施する層は、アルミニウムのような金属製である場合がある。
【0019】
感エネルギーインク、染料、または色素のような感エネルギー材は、光エネルギー、振動エネルギー、または音響エネルギーのようなエネルギーが加えられることで、色または透過率のような性質を変化させるいかなる材料であっても良い。光エネルギーは、紫外線、高周波、およびそれらの間の電磁スペクトルの一部のうち、いかなるエネルギーであっても良い。
【0020】
あるエネルギービームに対するある材料の透過率は、その材料の性質であり、そのエネルギービームからのエネルギーが、どのくらいの量その材料を透過するかを決定するものである。例えば、透明な材料は高い透過率をもつであろうし、一方で不透明または反射性材料は、透過率が零である場合、または可変透過率をもつ場合がある。
【0021】
必要に応じて、光学デバイスは、光エネルギーを使用して機能するいかなるデバイスまたは媒体であっても良い。光ディスクは、例えば光エネルギーのような電磁エネルギーが選択的に加えられることで、データを記憶、提供、および/または書き換えを行うために使用されるいかなる光学デバイスでも良い。光ディスクは、光エネルギーのような電磁エネルギーのビームを使用することで、光ディスクからデータを読み取ること、および/または光ディスクへデータを書き込むことが可能である。光ディスクの例には、デジタルビデオディスク(DVDs)、コンパクトディスク(CDs)、CDレコーダブル(CD Recordable:CDR)媒体、CD読み/書き(CD Read/Write:CDRW)媒体、ブルーレイディスク、高密度(High‐Density:HD)ディスク、光メモリーカード、クレジットカード、加入者識別モジュール(Subscriber Identity Module:SIM)カード等が含まれるが、それらに限定はされるものではない。ビーム発生装置は、超音波、赤外線、またはレーザエネルギーのようなエネルギーのビームを発生可能であるいかなる装置であっても良い。
【0022】
光学媒体に記憶されるデータは、いかなる適当な物理効果によっても良く、いかなるデータフォーマットで組まれていても良い。例えば、従来のDVDは、ピットおよびランドの物理機構を使用して、読み取り可能な現象を生成し、その現象からデータを解釈する。データは、DVDフォーマット/ロゴライセンシング社(DVD Format/Logo Licensing Corporation)によって公布される規格に従って組まれている。その媒体内の情報を表すのに適切ならば、いかなる方法が使用されても良く、またその情報に望ましければ、いかなるフォーマットが使用されても良いことは、明らかであろう。その媒体はどんな形状であっても良く(例えばそれがディスクである必要はない)、様々な方法でその媒体からデータを読み取ることが可能である。例えば、複数のビーム、ホログラフィックのアプローチ等が使用される場合がある。様々な種類のエネルギーが、材料における変化の読み取りまたは生起に使用可能である。例えば、電磁、音響、振動等の種類のエネルギーが使用可能である。
【0023】
盗難防止システムは、それが盗難を抑制可能である限り、またさもなければいかなる性質の盗難も削減、抑制、または防止するように意図されている限り、いかなる装置、ソフトウェア、ハードウェア、エネルギービーム、命令、またはそれらの組み合わせであっても良い。
【0024】
作動時において、活性化システム18は、活性化エネルギービーム38を発生させる。活性化エネルギービーム38の特性は、第1の感エネルギー材14の種類に従って選択される。不透明である初期状態において、第1の感エネルギー材14は十分に厚く、読み取りレーザビーム32を遮断または干渉して、読み取りシステム20が光ディスク12を読み取るのを防止する。第1の感エネルギー材14が透明状態にあるとき、読み取りレーザビーム32は、第1の感エネルギー材14へ十分浸透し、読み取りシステム20がトラック22を読み取ることを有効にすることが可能である。読み取りシステム20は、CD‐ROMドライブやDVD再生装置等によって実施される場合がある。実際には、活性化システム18は必要に応じて、活性化エネルギービーム38を使用して、第1の感エネルギー材14の透過率を選択的に変化させ、光ディスク12を活性化させる。
【0025】
ユーザが活性化システム18を制御できる。あるいは、活性化システム18は自動制御される。例えば、購入時にユーザが活性化システム18を介して光ディスク12を活性化する場合がある。あるいは、商品販売アウトレットでの光ディスクに対する支払いに応じて、活性化システム18は、キャッシュレジスタのような他の装置によって自動制御される場合もある。
【0026】
活性化エネルギービーム38の特性は、第1の感エネルギー材14を実施するのに使用される材料の種類に従って選択される。例えば、第1の感エネルギー材14は、ある波長または強度の光に応じて、活性化、すなわち脱色または透明化される場合がある。第1の感エネルギー材14を活性化するのに十分望ましい波長および/または強度特性をもつ活性化エネルギービーム38を、活性化システム18は発生させる。
【0027】
ユニロックUSA(Uniloc USA)とヴェリフィケーションテクノロジーズ社(Verification Technologies, Inc.)の共同経営のヴェリロックLLC(Veriloc LLC)製品ファミリーである染料システム351、またはアゾインクのような、様々な種類の染料、インク、または色素によって、第1の感エネルギー材14は、本発明の範囲を逸脱することなく容易に実施可能である。適当な他の材料としては、容易に入手可能なCD‐RおよびDVD‐R記録染料が含まれ、その染料はシアニンおよびフタロシアニンアゾ染料を含み、特定の波長および強度での光学劣化に加え、超音波分解に対する反応性をもつ。
【0028】
スピンコーティング、スパッタコーティング、マスキング等のような1つまたはそれ以上の周知の技術によって、第1の感エネルギー材14および第2の感エネルギー材16は光ディスク12上に配置される場合がある。本開示を閲覧する当業者は、過度の実験を行わずとも、任意の用途の必要性を満たすのに適当な技術を容易に判断できる。
【0029】
第1の感エネルギー材14は、光ディスク12の読み取り面近傍に配置され、抗盗難機構としてふるまい、光ディスク12が活性化システム18によって活性化される前に、光ディスクからのコンテンツの再生、複製、または読み取りを防止する。活性化システム18が第1の感エネルギー材14を活性化した後、第2の感エネルギー材16は、読み取りシステム20の読み取りレーザビーム32にさらされる場合がある。ここでの説明のために、読み取りシステム20のようなディスク読み取り装置は、光ディスク12のようなディスクからの情報にアクセス可能であるどんな装置であっても良いとする。ゆえに、ディスク複製装置およびディスク再生装置は、同様にディスク読み取り装置でもある。
【0030】
この具体的な実施形態において、以下でより完全に説明されるように、第2の感光材16は、抗複製材料、すなわち光ディスク12の複製を防止する材料としてふるまう。あるいは、第2の感光材16は抗再生または抗読み取り材料としてふるまうこともできて、ディスク12が真正でないとき場合、ディスク12からのあるコンテンツの再生または読み取りを防止することができる。
【0031】
感エネルギー材16は感光材である。ここでの説明のために、感光材とは、既定の光エネルギーが加えられることにより変化する透明性、反射性、または不透明性のような性質を示すどんな材料であっても良いとする。例えば、この具体的な実施形態において、活性化ビーム38に代表される光エネルギーは、第1の感光材を不透明(non‐transparent or opaque)から透明へと変化させる。ある材料に影響を与えるある波長の光エネルギーのような、あるエネルギーに対して、その材料が不透明であると言われるのは、そのエネルギーがその材料に吸収される、またさもなければその材料への透過またはその材料からの反射を妨げられる場合である。ある材料が光エネルギーに対して透明であると言われるのは、その光エネルギーが、実質的に反射、吸収されることなく、その材料を透過できる場合である。
【0032】
第2の感エネルギー材16は光学的に透明な材料である。ここでの説明のために、光学的に透明な材料とは、透過率、反射性、屈折性、不透明性、吸収性等のような光学的性質を示すどんな材料も含むものとし、そのような性質は(例えばエネルギーによって)一時的な変化を引き起こす場合がある。同様に、一時的な光学的性質とは、一時的に変化するどんな光学的性質であっても良い。
【0033】
作動のシナリオの一例においては、光ディスク12の購入時のように、第1の材料14が活性化システム18によって活性化された後に、ユーザが光ディスク12を読み取りシステム20へ挿入する。バーストカッティングエリア36上に記憶されるオーサリングソフトウェアおよびディスクロッキングソフトウェアが、読み取りシステム20のメモリ30へ自動的にロードされる。あるいは、読み取りシステム20は、光ディスク12からオーサリングソフトウェア26およびディスクロッキングソフトウェア28を実行するよう命令される。
【0034】
ここでの説明のために、オーサリングソフトウェアまたはオーサリング符号とは、データ記憶媒体が装置に挿入される、あるいは読み取りシステム20のようなデータ記憶媒体を読み取るよう設計される読み取りシステムに接近する場合があると、コンピュータ、またはディスクドライブコントローラ24内のプロセッサのような他のプロセッサによって実行されるどんな符号であっても良いとする。ディスクロッキングソフトウェアまたは符号は、読み取り装置がデータ記憶媒体を読み取るのを防止できるどんな符号であっても良い。
【0035】
オーサリングソフトウェア26はその後、ディスクドライブコントローラ24に含まれるプロセッサを介すなどして、読み取りシステム20によって実行される。第2の感エネルギー材16に対応する/または同材料に隣接するディスク12の部分からデータを読み取ろうと、読み取りシステムにさせる命令を、オーサリングソフトウェア26は含む。オーサリングソフトウェア26は、読み取りシステム20に、第2の感エネルギー材16の下のトラック22の部分を複数回読み取ろうとさせることが可能である。ある回数の読み取り試行の後、読み取りレーザ32は第2の感エネルギー材16を脱色し、それにより、第2の感エネルギー材16の下のトラックにおける異なるデータを感光させることが可能となる。オーサリングソフトウェア26はその後、異なる読み取り試行毎に読み取りシステム20によって取得される結果における変化を観察する。もし結果におけるその変化が、真正ディスクから期待されるものと整合するならば、オーサリングソフトウェア26は、そのディスク12は認証されたと見なす。真正ディスクに期待されることに関する情報は、オーサリングソフトウェア26に記憶されることが可能である。あるいはこの情報は、第2の材料16によって形成されるパターンに記憶されても良い。
【0036】
第2の感エネルギー材16に対応するディスク領域を読み取る試行からの結果において、オーサリングソフトウェア26が適当な変化を認めない場合、その光ディスクは真正であるとは見なされない。オーサリングソフトウェア26はその後、ディスク12または読み取りレーザビーム32の既定の運動を引き起こす場合、またはディスクロッキングソフトウェア28によって検出される別の挙動を引き起こす場合がある。ディスクロッキングソフトウェア28はその後ディスク12をロックし、それによって、不正ディスク12からのコンテンツの不正再生または複製を防止する。
【0037】
オーサリングソフトウェア26は、読み取りシステム20にファイル間をジャンプさせる命令を含むことができる。その命令は、その命令および第2の感エネルギー材16の存在を起因とする具体的なヘッドの運動またはドライブスピードの変更を提供する場合がある。運動を予測し、既定の場所において適当な運動が検出されない場合には、読み取りシステム20をロックする符号を、ディスクロッキングソフトウェア28は含むことができる。
【0038】
ユーザが真正ディスクを複製しようとするとき、複製操作の間に生じ得る高速のディスク回転速度は、第2の感エネルギー材16を既定の仕方で変化させることが可能である。この変化によって、ディスクロッキングソフトウェア28を発動させる追加のオーサリング符号を感光させることが可能となり、それによって、ディスク12の高速の複製を防止する。ディスクが低速で複製されるとしても、光ディスク12上の特定の場所に第2の感エネルギー材16が存在しなければ、得られるディスクの複製は再生不能になる。
【0039】
必要なオーサリングソフトウェア26およびディスクロッキングソフトウェア28は、本開示を閲覧する当業者によれば、過度の実験を行わずとも、展開可能である。例えば、本発明の範囲を逸脱することなく、既存のディスクロッキングソフトウェアを使用することも可能である。
【0040】
ゆえに、システム12は、最初にディスク12が活性化されない場合、ディスク12からのコンテンツの再生を抑制することと、光ディスク12からのコンテンツの高速複製を防止することと、不正光ディスクの再生または複製を防止することとが可能である。このような能力は、第1の材料14および第2の材料16をオーサリングソフトウェア26およびディスクロッキングソフトウェア28と組み合わせる策略的な使用によって、可能となる。
【0041】
システム10のかかるコンポーネントのうち1つまたはそれ以上は、本発明の範囲を逸脱することなく省略可能である。例えば、代替の実施形態において、オーサリングソフトウェア26およびディスクロッキングソフトウェア28は省略される。さらに、第1の感エネルギー材14は第2の感エネルギー材16に置き換えられ、その場合その第2の感エネルギー材16は光ディスク12の読み取り面を覆う。この実施形態において、第2の感エネルギー材16は、光学的に透明であって、任意の時間内にその材料の任意の領域へ十分な数の光子が衝突すると、透明から不透明へと変化する。1倍速のような低速でのディスク12の読み取りが第2の感エネルギー材16を不透明にしないよう、第2の感エネルギー材16が不透明になるレートは選択される。しかし、光ディスク12の高速読み取りは、読み取りレーザビーム32からの十分な光子を第2の感エネルギー材16に衝突させ、それによりその感エネルギー材16を黒くさせ、その結果光ディスク12の高速複製を防止するであろうが、低速でのディスクの再生は可能であろう。低速での光ディスク12の複製を防止するために、追加の機構が使用される場合がある。
【0042】
この代替の実施形態は、一時再生(temporary‐play)の用途のような、様々な用途に対して容易に適応される。例えば、第2の感エネルギー材16が一時的に変化して、光ディスクのさらなる再生を抑制する前に、任意の時間の間隔に既定の回数だけ光ディスクが再生可能であるように、第2の感エネルギー材16は調節される場合がある。
【0043】
ゆえに、感エネルギー材16はそれ自体、既定回数の連続再生を可能にするように適応されることが可能である。あるいは、連続リピート再生などが原因となる、感エネルギー材16の変化は、ディスクソフトウェアの活性化を引き起こす場合があり、それにより付随の光ディスクのさらなる再生が不能になる。
【0044】
第1の感エネルギー材14は、本発明の範囲を逸脱することなく、光エネルギーに影響を受けない別の種類の材料と代替が可能である。例えば、第1の感エネルギー材14は、超音波または別の種類のエネルギーに影響を受けやすい材料のような、別の種類の感エネルギー材であっても良い。感エネルギー材は、既定エネルギーが加えられることで変化する性質をもつどんな材料であっても良い。
【0045】
本実施形態は感光材14、16を使用しているが、様々な実施形態においては、感光材に代えてまたは加えて、本発明の範囲を逸脱することなく、別の種類の感エネルギー材が使用される場合もある。例えば、あるインクまたは染料は、振動エネルギーおよび/または超音波のような、光エネルギー以外のエネルギーに反応する場合がある。
【0046】
さらに、感光材14、16は不透明か透明かで論じられるが、他のバリエーションも可能であり、例えば準不透明なのだが、読み取りシステム20の光ディスク12の読み取りを有効にするのには十分透明である場合などがある。あるいは、1つまたはそれ以上の感光材14、16は部分的に反射性をもつ場合もあり、または、活性化されていないと、読み取りレーザシステム20がトラック22を読み取ることを無効にする特別な材料を示す場合もある。
【0047】
図2は、図1のシステム10の光ディスク12の断面を示す。この実施形態において、第1の感エネルギー材14は第2の感エネルギー材16に重複する。読み取りレーザビーム38が透過する透明ポリカーボネート層50の表面上に、両材料14、16はコーティングされる。
【0048】
読み取り面60と、透明ポリカーボネート層50と、ピットおよびランドを持ち、透明層50の上に配置される金属層62と、アクリルや他のディスクラッカのような様々な材料から作られる場合があるバッキング(backing)層64とを、光ディスク12は含むように示されている。感エネルギー材14、16によって形成される層に加え、1つまたはそれ以上のラッカなどの保護層が、読み取り面60に追加される場合もある。
【0049】
作動中、活性化システム18は光ディスク12に活性化エネルギービーム38を当て、それによって材料14を不透明から透明へと変化させることで、第1の感エネルギー材14を活性化させる。その後に、読み取りシステム20は読み取りレーザ20を使用し、ピットおよびランド34を読み取ろうとする。このピットおよびランド34は、別々のピット52とランド54とを含むように示されている。
【0050】
読み取りレーザビーム38が、ある期間継続して第2の感エネルギー材16に衝突する場合、または任意の間隔にある回数材料16に衝突する場合、第2の感エネルギー材16は透明になり、そのため読み取りシステム20は反射ビーム56によってピットおよびランド34を読み取ることができる。
【0051】
読み取りシステム20のようなディスクドライブによって第1のレートで光ディスク12が読み取られるとき、第2の感エネルギー材16は、不透明性のような第1の光学特性を示していると見なされる場合がある。読み取りシステム20、すなわちディスクドライブによって第2のレートで光ディスク12が読み取られる場合には、第2の感エネルギー材16は、透過率のような第2の光学特性を示す。
【0052】
第1の光学特性または第2の光学特性に基づいて、光ディスク12からのデータの読み取りを抑制する1つまたはそれ以上の命令を含むとして、オーサリングソフトウェア26およびディスクロッキングソフトウェア28は見なされる場合がある。
【0053】
感エネルギー材14、16は、どのように光ディスクが読み取られるまたは複製されるかということに選択的に影響を与えるために使用される。例えば、ディスクを認証するために、最初の試行ではピットもランドも検知できないことを予測しながらも、読み取りシステム20はピットおよびランド34を読み取ろうとする場合がある。第2の感エネルギー材16が透明になり、ピットおよびランド34をさらけ出すまで、読み取りシステム20は、ピットおよびランド34を複数回読み取ろうとする場合がある。その後に、ディスク12の挙動に基づいて、またはディスク12の挙動と、ピットおよびランド34に符号化された得られる潜在データとの両方に基づいて、読み取りシステム20にロードされるオーサリングソフトウェアは、ディスク12が真正であることを確認する。
【0054】
そうして、光ディスク12が認証された後、第2の感エネルギー材16はその元の状態へと戻る。かかる変化は、その光ディスク12が再認証されることを可能にする。
【0055】
図3は、図1のシステム10の代替の実施形態70を示し、この実施形態は、本発明の第2の実施形態によるディスク72上の既定の場所において感エネルギー材76を使用する。図1の光ディスク12とは違い、図3のディスク72には第1の感エネルギー材14が欠如しており、その代わりに、代替の感エネルギー材76が含まれる。さらに、感エネルギー材76は、ディスク72上の異なる場所に配置される。
【0056】
加えて、以下でより完全に説明するが、ディスク72の読み取り面近傍に組み込まれる代わりに、感エネルギー材76は、ディスク72の透明部78の後ろのピットおよびランド上または近傍に配置される。図1のオーサリングソフトウェア26は、図3においては、認証およびロッキングソフトウェア80に置き換えられている。ディスク72が読み取りシステム20へ挿入されると、読み取りシステム20によって、認証およびロッキングソフトウェア80はディスク72から自動的にロードされ、実行される。
【0057】
認証およびロッキングソフトウェア80の機能性は、いくつかの例外を除いて、図1のオーサリングソフトウェア26およびディスクロッキングソフトウェア28と同様である。認証およびロッキングソフトウェア80は、感エネルギー材76の場所に対応する異なる場所を読み取るように適応される。さらに、ソフトウェア80は、感エネルギー材76自体におけるパターンを読み取るように適応される。そのパターンは、トラック22と、付随のパターン化された感エネルギー材76との組み合わせから得られる。また、ソフトウェア80は、感エネルギー材76が透明になる場合には、トラック22に潜在するデータを読み取るように適応される。様々なパターンが異なる種類の情報を表す場合がある。ゆえに、ディスク72のある領域が異なる種類の情報を含むことが可能であり、その内のいくつかは、感エネルギー材におけるパターンおよび/または感エネルギー材76によって示される性質に記憶または保存される。例えば、感エネルギー材76は、異なる一時的な光学的性質をもつ様々な副領域を含むことができる。これらの性質の違いは、パターン化され、必要な情報を与える。
【0058】
ある動作シナリオにおいては、感エネルギー材76は、読み取りシステム20によって最初に読み込まれる場合にエラーを引き起こすように構成され、また、感エネルギー材に対応する領域の既定回数の読み取りの後、有効なデータを提供するように構成される。エラー状態から有効状態への変化は、認証およびロッキングソフトウェア80によってディスク72を認証するのに使用可能である。あるいは、感エネルギー材76に対応する領域から読み取られるデータは、最初有効であり、その後無効へと変化する場合、またはそのデータは最初有効であり、有効データの別の組へと変化する場合がある。これらの変化は、任意の用途の必要性を満たすよう調節される。
【0059】
ここでの説明のため、認証する(authenticate)という言葉は、ある情報を正当であるとして検証することを意味する場合がある。例えば、ディスク72のような、あるディスクを認証する場合、ディスク72上に配置される既定の感エネルギー材76の存在により影響を受ける情報などのような情報を、システム70は検証する。この情報は、認証およびロッキングソフトウェア80に対し、ディスク72が真正ディスクであるか否かを示す。ディスク72が真正である、すなわち認証される場合、認証およびロッキングソフトウェア80は、読み取りシステム20がディスク72を再生することを許可するが、ディスク72を複製することは許可しない。あるいは、感エネルギー材76の挙動、および感エネルギー材76に対応する領域に関連するデータに応じて、認証およびロッキングソフトウェア80は、再生または複製以外の異なる機能および機能性を選択的に有効または無効にする。
【0060】
認証およびロッキングソフトウェア80のようなオーサリング符号は、読み取りシステム20の読み取りレーザ32に、光ディスク72の既定の領域76から読み取らせるための命令を含むことが可能であり、この光ディスク72上または内に材料76が配置するように意図されている。また、上記符号は、材料76が光ディスク72上または内の既定の領域に配置されている場合に、第1の信号を提供するための命令を含むことが可能である。また、上記符号は、材料76が光ディスク76上または内の既定の領域に配置されない場合に、第2の信号を提供するための命令を含むことが可能である。
【0061】
第1の信号に応じて光ディスク72の再生を有効にするような第1の挙動を、および第2の信号に応じて光ディスク72の再生を防止するような第2の挙動を、読み取りシステム20に示させるように、読み取りシステム20のコントローラ24は適応される。
【0062】
光ディスク72上に記憶されるファイルの間で読み取りレーザ32がスキップすること、または光ディスク72を既定のレートで回転させることを、第1の挙動は含むことができる。認証およびロッキングソフトウェア80に含まれるディスクロッキング符号は、第2の挙動の検出に応じて、光ディスク72をロックする命令を含むことができる。ある光ディスクがロックされていると言われるのは、付随の読み取りシステムがその光ディスクを読み取ることが防止されている場合である。
【0063】
光学的一時性感エネルギー材は、その中で符号化される情報を含む場合がある。ある実施形態において、その情報は、ディスク読み取りシステム20を有効にするように適応される。ある実施形態において、その情報はディスク読み取りシステム20を有効にするように適応され、この読み取りシステム20は、ディスク再生装置および/または複製装置としてもふるまい、光ディスクからのコンテンツを再生するように適応され、光ディスク72からのコンテンツの複製を防止するように適応される。
【0064】
システム70は、光ディスク72の読み取り、再生、または複製を選択的に有効化するためのシステムと見なされる場合がある。この場合、光ディスク72上または内の既定の領域76を観察し、ある材料76の存在を検証し、それに応じて信号を提供するための第1の機構20、30を、システム70は含む。第2の機構は、その信号に応じて、光ディスクの読み取り、再生、または複製を選択的に防止する。
【0065】
認証およびロッキングソフトウェア80によって、光ディスクが真正ではないと判定される場合に、光ディスク72内または上に記憶されるデータの1つまたはそれ以上の部分の使用を制限するための1つまたはそれ以上の命令を、認証およびロッキングソフトウェア80はさらに含むことができる。使用を制限するためのこの命令は、データの1つまたはそれ以上の部分の複製または再生を防止するための命令を含むことができる。
【0066】
感エネルギー材76は、染料システム349の製品ファミリーのうちの1つによって、実現されることが可能である。その染料システム349の製品ファミリーは、ユニロックUSA(Uniloc USA)とヴェリフィケーションテクノロジーズ社(Verification Technologies, Inc.)の共同経営のヴェリロックLLC(Veriloc LLC)から入手可能である。染料システム349の適当な染料は、例えば以下のようにして作ることが可能である。
1.以下の成分を混合し、一晩置く:ヒドロキシエチルメタクリレート(hydroxyethylmethacrylate:HEMA)またはポリメチルメタクリレート(polymethylmethacrylate:PMMA)36.4、メトキシプロパノール230ml、ビストリス7.5グラム、メチレンブルー染料3.75グラム。
2.得られた混合物を1.5mm真空濾過によって前濾過(pre‐filtering)する。
3.得られた混合物を、デュラポア(Durapore)0.22μmフィルタの上に1.5mmフィルタを置くサンドイッチシステムを用いて濾過する。
【0067】
以上のステップにおいて、ステップの修正、追加、削除があったとしても、なお適当な材料が製造可能であることは明らかであろう。
【0068】
図3のディスク72は、第1の感エネルギー材および付随の活性化システムを欠いて示されているが、かかる欠損要素は、本発明の範囲を逸脱することなく、図3の実施形態に含まれることも可能である。
【0069】
図4は、図3の光ディスク70の断面を示しており、一時的な光学特性をもつ感エネルギー材が、ディスク70のピットを覆って選択的に配置され、それにより、ディスクピットおよびランド34が付随の読み取りシステムによって読み取られる方法に影響を与える。
【0070】
光学的一時性感エネルギー材76は、例えばスパッタコーティングによって、透明ポリカーボネート層50上に成膜され、この透明ポリカーボネート層50は、ピットおよびランド34を示すようにパターン化されている。その後に、金属層72が、感エネルギー材76に成膜、コーティング、またさもなければ拡散される。次に、アクリルラッカのような保護ラッカ64が金属層62上に塗布される。
【0071】
作動中、読み取りシステムからの読み取りレーザビーム38は、光学的一時性感エネルギー材76の透明性または他の光学的性質に、一時的な変化を引き起こす。この一時的変化は、ディスク72から読み取りシステム20に自動的にロードされるソフトウェアによって、ディスク72を認証することと、再生可能性のようなある機能性を選択的に有効または無効にすることとに使用される。
【0072】
ここで説明する実施形態は、ディスクコンテンツの再生を選択的に有効にすることと、ディスクコンテンツの複製を無効にすることとに第一に使用されるが、他の実施形態もあり得る。例えば、ここで開示する原理は、本発明の範囲を逸脱することなく、ディスク72上に記憶されるソフトウェアの機能など、他の機能を制御するのにも使用可能である。
【0073】
光学的一時性感エネルギー材76は、本実施形態において最初不透明であり、その後読み取りレーザ38への既定の暴露に応じて、一時的に透明になる。しかし、光学的一時性感エネルギー材76が最初透明であって、その後読み取りレーザ38にある程度暴露されて、一時的に不透明になる場合もあるのだが、かかる場合も本発明の範囲を逸脱するものではない。
【0074】
さらに、本発明の範囲を逸脱することなく、図1〜2および図3〜4の実施形態を様々な方法で組み合わせる場合もある。例えば、光学的一時性材料76はディスク72の入力面60に配置される場合があり、またある用途においては、図1の第1の感エネルギー材14は金属層62に隣接して配置される場合もある。
【0075】
図5は、本発明の第3の実施形態による第3の光ディスク92の断面を示しており、付随の光学的一時性感エネルギー材96が、第3の光ディスク92のピットおよびランド34を覆って、既定のパターンで配置されている。
【0076】
第3のディスク92は第1の感エネルギー材14を含み、その第1の感エネルギー材14は、金属層62の反対の透明ポリカーボネート材50側にスピンコーティングされている。活性化システム18は、付随のエネルギービーム38を使用して、第1の感エネルギー材14を活性化し、材料14を不透明な初期状態から透明状態へと変化させる。
【0077】
ディスク92の活性化後、読み取りシステム20は、読み取りレーザビーム38を使用して、ピットおよびランド34を読み取ろうとする場合がある。しかし、策略的に配置される光学的一時性感エネルギー材96の存在は、読み取りシステム20にまずはデータの第1組を読み取らせ、光学的一時性感エネルギー材96が読み取りレーザ38によって脱色、すなわち透明にされた後、続けてデータの第2組を読み取らせる。データの第1組を読み取る場合に、感エネルギー材96の不透明性により、読み取りシステム20にはランドがピットであるように見える場合がある。あるいは、光学的一時性感エネルギー材96は銅色の反射性金属であり、それによりピットが最初ランドのように見える。
【0078】
読み取りシステム20によってディスク92の同じ領域から読み取られるデータの違いは、読み取りシステム20にロードされるソフトウェアによって使用され、ディスク認証や再生可能性等を促進する。
【0079】
選択的に成膜される光学的一時性材料96は、ディスク92の製造の間に、塗布可能である。フォトレジストを使用する従来のマスキング処理または他の技術が、光学的一時性材料96の成膜に使用される。
【0080】
光学的一時性感エネルギー材96によって示されるパターンは、ピットおよびランド構造34によって形成される潜在データの読み取られ方に変化をもたらす場合がある。その潜在データはソフトウェアを表す場合がある。この場合、光学的一時性感エネルギー材96の策略的な使用により、既定の量および/または種類のエネルギーが材料96に加えられると、ディスク92から読み取られるソフトウェアに一時的な変化が起こる。この実施形態において、ソフトウェアに一時的な変化を引き起こす既定の量および/または種類のエネルギーは、読み取りレーザビーム38によって与えられる。ゆえに、材料96は、ピットまたはランドの読み取り性質を時間とともに変化させることに使用可能な性質をもつ。
【0081】
感エネルギー材96の選択的な配置から得られるパターンに、追加の情報が記憶可能であり、一般的にその追加の情報は、光ディスクのピットおよびランドを読み取って複製することによってのみデータを複製するように適応されるディスク複製装置によっては、第2のディスクへ複製可能ではない。
【0082】
本発明の様々な実施形態においては、材料14および96のような様々な感エネルギー材が、最後のラッカ保護コーティングが塗布される前に、スピンコーティングで順に塗布されることが可能であるということに留意されたい。これらの材料は、スピンコーティングで併せて塗布される場合、金属層の前にスパッタコーティングで塗布される場合、外側のラッカコーティングの前にスパッタコーティングで塗布される場合、メタライゼーション間にスパッタコーティングで塗布される場合、フォトマスキングを用いたスパッタコーティングで策略的に配置される場合、リードインおよび/またはディスクバーストカッティング領域にフォトマスクを施すことにより配置される場合等もある。当業者は、任意の用途の必要性を満たすために、かかる材料をどこに、どのようにして塗布すれば良いかわかっているであろう。
【0083】
本開示を閲覧する当業者は、過度の実験をせずとも、ここで開示される様々な実施形態を容易に製造すること、または製造した様々な実施形態を配列することが容易に可能である。
【0084】
図6は、図1〜4の実施形態の使用に適応される第1の方法100の流れ図を示す。この方法100は第1のステップ102を含み、このステップで光ディスクが光ディスクドライブに挿入される。
【0085】
第2のステップ104において、光ディスクに含まれる符号が、ディスクドライブに、光ディスク上の既定の領域を読み取るように自動的に命令し、それにより、第1の結果が得られる。この場所は、例えば図3の光学的一時性感エネルギー材76に対応する場所である場合がある。
【0086】
第3のステップ106において、上記符号は、光ディスクドライブに、既定の領域を追加で1回またはそれ以上の回数読み取るように命令し、その後この領域が読み取られると、第2の結果が得られる。
【0087】
第4のステップ108は、第1の結果と第2の結果とを比較することと、それに応じて信号を提供することとを含む。上記符号はその信号を使用して、ディスクのある使用法または機能性を選択的に有効または無効にする。ここでの説明のために、あるディスクの機能性(functionality)という言葉は、そのディスクに関連するどんな能力または機能であっても良いとする。機能性の例としては、再生および複製の能力および機能と、ディスクに含まれるソフトウェア機能によって提供される能力とが含まれる。
【0088】
図7は、図1〜4の実施形態の使用に適応される第2の方法120の流れ図を示す。この第2の方法120は第1のステップ122を含み、このステップでデータの第1組が光ディスクのピット機構によって符号化される。読み取りシステムの読み取りレーザが、データの第1組を読み取ろうとするために使用可能である。
【0089】
第2のステップ124において、第1の材料がディスク上または内部に配置される。既定の周波数および継続時間をもつ超音波またはレーザ光などの第1の既定エネルギーに応じて、第1の材料は透明性を恒久的に変化させる。
【0090】
第3のステップ126において、第2の材料がディスク上または内部に配置される。特定の継続時間および/または周波数をもつ読み取りレーザからの光などの第2の既定エネルギーに応じて、第2の材料は透明性を一時的に変化させる。第2の材料の透明性の変化は、読み取りシステムに対するデータの第1組のアクセス可能性に影響を与える。
【0091】
読み取りシステムに対するデータの第1組のアクセス可能性に基づいて、光ディスクに関連する既定の機能性を有効または無効にするための符号を実行することを、第4のステップ128は含む。
【0092】
図6および図7の方法100、120の各種のステップは、本発明の範囲を逸脱することなく、交換または省略可能である。例えば、図7の方法120の第2のステップ124
は、ある実施形態においては省略される場合もある。
【0093】
再生可能性などの光ディスクの機能性に影響を与えるためのシステムに第一に関連して、ここで実施形態を説明してきたが、本発明はかかる実施形態に限定はされない。例えば、本発明の実施形態は、本発明の範囲を逸脱することなく、他の種類の記憶媒体に適応可能である。一般的に、本発明の実施形態による記憶媒体の機能性に選択的に影響を与えるために、追加の材料を仮想的にいかなる電気的または光学的データ記憶媒体に対しても加えることが可能である。ここでの説明のために、データ記憶媒体とは、情報を記憶可能ないかなる媒体、材料、またはデバイスであっても良いものとする。
【0094】
本発明の実施形態として選択される材料によっては、光活性化は恒久的であり、不可逆である場合がある。ある用途においては、不可逆インクが好ましく、一方レンタルの用途など他の用途においては、可逆インクが好ましい場合がある。あるインクまたは材料の透明性は、既定のエネルギーが加えられることで、元に戻ることが可能である。
【0095】
適当な染料、色素、または他の材料を活性化するための的確な方法には、例えばその材料を特定の周波数の電磁エネルギーに対し透明または不透明にすることなどがあり、かかる方法は一般的に用途固有である。活性化は、外部の光源、振動システム、超音波システム等のような外部ソースによって実施可能である。一般的に、必要な材料活性化時間もまた用途固有である。しかし、ここで開示する実施形態においては、活性化時間は一般的に1分未満である。
【0096】
CDやDVDのような様々な光学製品の販売者に対し、本発明の様々な実施形態が重要な能力および機能を提供可能である。このような能力および機能は、販売の瞬間における単純で信頼性のある1回の活性化を含むことができる。ただし、24時間直射日光にさらされても、光学デバイスは活性化されないであろう。また、1分未満の活性化時間と、スタック化またはレイヤードディスクのような光学デバイスを複数連続で活性化することと、製品ケースを含む製品梱包を通した活性化とを、上記能力および機能は含む。また、上記能力および機能は、コスト面で効率的に実現可能である。また、上記能力および機能は、リバースエンジニアリングが困難である可能性があり、また付随の光学デバイスのパフォーマンスを長期間劣化させないことが可能である。
【0097】
当業者は、過度の実験をせずとも、適当な材料および関連する活性化装置を構築し、その材料の化学的性質を選択的に変化させて、透明性に影響を与えることが可能である。材料の化学的性質に変化を誘起するための従来のシステムが、本発明の実施形態と併せて使用されることに適応される場合もあるが、かかる場合も本発明の範囲を逸脱するものではない。
【0098】
光ディスクまたは他のデバイスの盗難、または他の不正使用を、防止または阻止するための、光ディスクの一回活性化、一時的活性化、および認証に第一に関連して、ここで開示するある実施形態を説明してきたのだが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではない。例えば、異なる材料またはその組み合わせを使用して、任意の感エネルギー層に対して複数の状態変化を有効にすることが可能であり、それによって、光学デバイスまたは他のデータ記憶媒体に対して複数回活性化および不活性化が可能となる。光学デバイスが活性化と不活性化とを繰り返す必要がある可能性があるところの、レンタルの用途またはサンプリングの用途においては、複数回活性化および不活性化が特に重要である。
【0099】
光学デバイスの盗難または関連するコンテンツの不正複製を抑制するためのシステムおよび方法に関して、本発明のある実施形態を説明しているが、他の用途および機能もあり得る。ここで説明する本発明の様々な実施形態は、単に説明的なものであり、限定的なものではない。例えば、磁気ディスクまたは他種のデータ記憶媒体上に記憶されるコンテンツの著作権侵害を阻止するのにも、本開示による感エネルギー材が使用可能である。
【0100】
本発明の処理は、読み取りシステム20のような単一の装置上で実行されるソフトウェアのような、単一の統一体として提示される場合があるが、このようなソフトウェアは複数の装置上でも容易に実行可能である。つまり、単一のプログラムが2つまたはそれ以上のプロセッサ上で実行されている場合、単一のプログラムの部分が異なる物理的装置上で実行されている場合等、任意のソフトウェアプログラムには複数の場合があり得るものである。
【0101】
ここでの説明においては、本発明の実施形態の完全な理解を提供するために、コンポーネントおよび/または方法の例のような具体的な細部を数多く提供する。しかし本発明の実施形態は、1つまたはそれ以上の上記具体的な細部がなくとも実現可能なものであり、または本発明の実施形態は、他の装置、システム、アセンブリ、方法、コンポーネント、材料、パーツ、および/またはそれらの類似物を用いても実現可能であるということを、当業者は認識するであろう。他の場合においては、本発明の実施形態の側面を分かりにくくすること避けるために、周知の構造、材料、または動作について具体的に示す、または詳細に説明することは行わないものとする。
【0102】
本発明の実施形態のために、「machine‐readable medium(装置読み取り可能媒体)」または「computer‐readable medium(コンピュータ読み取り可能媒体)」とは、命令実行システム、装置、システムまたはデバイスによる、または関する使用ためのプログラムを含む、記憶する、通信する、伝播させる、または輸送することが可能であるいかなる媒体であっても良いものとする。コンピュータ読み取り媒体は、電気、磁気、光学、電磁気、赤外線、または半導体を利用するシステム、装置、システム、デバイス、伝播媒体、またはコンピュータメモリである場合があるが、以上は単なる例であって、上記媒体を限定するものではない。
【0103】
「processor(プロセッサ)」または「process(処理)」は、いかなる人為性と、ハードウェアおよび/またはソフトウェアシステムと、データまたは信号または他の情報を処理する機構またはコンポーネントとを含む。汎用中央処理装置、または複数の処理装置、または機能性を獲得するための専用回路、または他のシステムをもつシステムを、プロセッサは含む場合がある。処理は、地理的な場所(geographic location)に限定される必要、または一時的な限定をもつ必要はない。例えばプロセッサは、「リアルタイム(real time)」、「オフライン(offline)」、「バッチモード(batch mode)」等でその機能を行う場合がある。処理の部分は、異なる時間および異なる場所において、異なる(または同じ)処理システムによって実行可能である。コンピュータは、メモリと通信しているどんなプロセッサであっても良い。
【0104】
この明細書にわたり、「one embodiment(ある実施形態)」、「one embodiment(ある実施形態)」、または「a specific embodiment(ある具体的な実施形態)」と言及した場合は、かかる実施形態に関連して説明する特定の機能、構造、または特性は、本発明の実施形態の少なくとも1つに含まれるが、必ずしも全部の実施形態に含まれる必要はないということを意味する。このように、本明細書にわたり、いたるところで「in one embodiment(ある実施形態において)」、「in an embodiment(ある実施形態において)」、または「in a specific embodiment(ある具体的な実施形態において)」というフレーズが現れる場合は、それぞれ、必ずしも同じ実施形態を参照しているわけではない。さらに、本発明のいずれの具体的な実施形態の特定の機能、構造、または特性も、何か適当な方法で、1つまたはそれ以上の他の実施形態と組み合わされることが可能である。ここで説明し、図示する本発明の実施形態の他の変更および修正が、ここでの開示に照らして可能であり、上記変更および修正は、本発明の範囲および意図の一部として見なされるものであるということが了解されるであろう。
【0105】
加えて、図面の中の矢印はいずれも、単なる一例であって、限定的なものではないと見なされるべきであり、それ以外の場合にはその旨明確に表示してある。さらに、ここで使用される「or(または)」という言葉は、一般的に「and/or(および/または)」を意味するよう意図しており、それ以外の場合にはその旨指示してある。コンポーネントまたはステップの組み合わせも、記されているとおりに見なされるものとし、ここで分離または結合する能力の表現が不明確である場合には、専門用語の存在が予想される。
【0106】
ここでの詳細な説明、および特許請求の範囲にわたって使用されるとおり、「a」、「an」、および「the」は、複数の参照を含み、それ以外の場合にはその旨文脈上で明確に指示してある。さらに、ここでの詳細な説明、および特許請求の範囲にわたって使用されるとおり、「in」の意味は、「in」および「on」を含み、それ以外の場合にはその旨文脈上で明確に指示してある。
【0107】
要約、技術分野、発明の名称、発明の開示において記述されるものを含む、前述の本発明を実施するための最良の形態における説明は、包括的であるように意図するものではなく、ここで開示する精密な形態に本発明を限定するように意図するものでもない。当業者が認識および了解するとおり、本発明の具体的な実施形態および実施例は、説明のためだけにここで記述されるものであって、本発明の範囲および意図の中で、様々な均等な修正が可能である。指示するとおり、前述の本発明を実施するための最良の形態の説明に照らして、本発明がかかる修正が行われる場合があるが、それも本発明の範囲および意図のうちに含まれるであろう。
【0108】
このように、本発明をその特定の実施形態に関連して説明してきたのであるが、前述の開示においては、修正に対するある程度の自由度、様々な変更および置換を意図しており、いくつかの場合において、前述の本発明の範囲および意図を逸脱することなく、対応する他の機能を使用せずに、本発明の実施形態のいくつかの機能が使用されるということが了解されるであろう。したがって、本発明の本質的な範囲および意図に対し、特定の状況または材質を適応させるために、多くの修正が可能である。本発明は、特許請求の範囲において使用される特定の言葉に、および/または本発明を実施するための最良の形態として開示される特定の実施形態に限定されるものではないということを意図しており、また本発明は、添付の特許請求の範囲内に収まるいずれかのおよび全部の実施形態および均等物を含むということを意図している。
【図面の簡単な説明】
【0109】
【図1】図1は、2つの感エネルギー材を使用する本発明の第1の実施形態による光ディスクの不正使用を選択的に抑制するためのシステムを示す。
【図2】図2は、図1の光ディスクの断面を示す。
【図3】図3は、図1のシステムの代替の実施形態を示し、そのシステムは、本発明の第2の実施形態によるディスク上の既定の場所に感エネルギー材を使用している。
【図4】図4は、図3の光ディスクの断面を示し、その場合、一時的な光学的性質をもつ感エネルギー材が、光ディスクのピットを覆って選択的に配置されており、そのため、付随の読み取り装置によるピットの読み取られ方に影響を与えている。
【図5】図5は、光ディスクの断面を示し、付随の感エネルギー材が、本発明の第3の実施形態による光ディスクの光ディスクのピットおよびランドを覆って既定のパターンで配置されている。
【図6】図6は、図1〜4の実施形態を用いる使用に適応される第1の方法の流れ図を示す。
【図7】図7は、図1〜4の実施形態を用いる使用に適応される第2の方法の流れ図を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光ディスクの不正使用を抑制するためのシステムであって、
前記光ディスクのピット構造によって符号化される第1のデータと、
少なくとも1つのレーザ光を使用することによって、前記第1のデータを読み取るように適応される読み取りシステムと、
前記ディスク上または内部に配置される第1の材料と、その場合、前記第1の材料は、第1の既定エネルギーに応じて、レーザ光に対する透過率を変化させるように適応されることと、
前記ディスク上または内部に配置される第2の材料と、その場合、前記第2の材料は、第2の既定エネルギーに応じて、レーザ光に対する透過率を一時的に変化させるように適応され、その場合、前記第1の材料および前記第2の材料の透過率における変化は、前記読み取りシステムに対する前記第1のデータのアクセス可能性を選択的に変化させることと、
前記読み取りシステムに対する前記第1のデータの前記アクセス可能性に基づいて、前記光ディスクに関連する既定の機能性を有効または無効にするための命令と
を含む、前記システム。
【請求項2】
前記レーザ光が前記第2の材料の透過率を変化させる前に、前記第1の既定エネルギーを前記第1の材料に加えるための第1の手段
をさらに含む、請求項1のシステム。
【請求項3】
前記第1の材料は、前記第1の既定エネルギーに応じて、透明性を恒久的に変化させる、請求項2のシステム。
【請求項4】
前記第1の既定エネルギーは、
超音波
を含む、請求項1のシステム。
【請求項5】
前記第2の既定エネルギーは、
ディスク読み取り装置の読み取りレーザからの光エネルギー
を含む、請求項1のシステム。
【請求項6】
前記既定の機能性は、
前記光ディスクからのコンテンツの再生
を含む、請求項1のシステム。
【請求項7】
前記既定の機能性は、
前記光ディスクからのコンテンツの複製
を含む、請求項1のシステム。
【請求項8】
データ記憶媒体の使用を抑制するまたは有効にするためのシステムであって、
前記データ記憶媒体に隣接する材料と、前記材料は、あるエネルギーが加わることに応じて第1の状態から第2の状態へ一時的に変化する性質を特徴とすることと、
データ記憶媒体によって記憶されるデータと、
前記材料の前記性質に基づいて、前記データの読み取りに選択的に影響を与えるための第1の手段と
を含む、前記システム。
【請求項9】
前記材料はデータ記憶媒体上に配置される、請求項8のシステム。
【請求項10】
前記材料は前記データ記憶媒体に近接する、請求項8のシステム。
【請求項11】
前記材料は前記データ記憶媒体の内部にある、請求項8のシステム。
【請求項12】
前記データ記憶媒体は、
光ディスク
を含む、請求項8のシステム。
【請求項13】
前記光ディスクがディスクドライブによって第1のレートで読み取られる場合には、前記材料は第1の光学特性を示し、また前記光ディスクが前記ディスクドライブによって第2のレートで読み取られる場合には、前記材料は第2の光学特性を示す、請求項12のシステム。
【請求項14】
前記第1の手段は、
前記第1の光学特性または前記第2の光学特性に基づいて、前記光ディスクからのデータの読み取りを抑制するための1つまたはそれ以上の命令
を含む、請求項13のシステム。
【請求項15】
前記第1の光学特性は不透明性であり、前記第2の光学特性は透明性である、請求項14のシステム。
【請求項16】
前記第1の手段は、
オーサリング符号
を含む、請求項12のシステム。
【請求項17】
前記オーサリング符号は、
読み取りシステムの読み取りレーザに、前記材料がその上または内に配置されるよう意図される前記光ディスクの既定の領域から読み取らせるための命令と、前記材料が前記光ディスク上または内の既定の領域に配置されている場合には、第1の信号を提供するための命令と、前記材料が前記光ディスク上または内の既定の領域に配置されていない場合には、第2の信号を提供するための命令と
を含む、請求項16のシステム。
【請求項18】
前記読み取りシステムのコントローラは、前記読み取りシステムに、前記第1の信号に応じて第1の挙動を示させ、また前記第2の信号に応じて第2の挙動を示させるように適応される、請求項17のシステム。
【請求項19】
前記第1の挙動は、
前記光ディスク上に記憶されるファイルの間をスキップする前記読み取りレーザ
を含む、請求項18のシステム。
【請求項20】
前記第1の挙動は、
前記光ディスクを既定のレートで回転させること
を含む、請求項18のシステム。
【請求項21】
前記第2の挙動に応じて、前記光ディスクをロックするように適応されるディスクロッキング符号
をさらに含む、請求項18のシステム。
【請求項22】
データ記憶媒体からのコンテンツの再生または複製を選択的に有効にするためのシステムであって、
前記データ記憶媒体上または内に配置される第1の材料と、
前記データ記憶媒体上または内に配置される第2の光学的一時性材料と、
前記コンテンツの再生または複製を選択的に抑制するために、前記第1の材料および前記第2の材料を使用するための第1の手段と
を含む、前記システム。
【請求項23】
光ディスクの読み取り、再生、または複製を選択的に有効にするためのシステムであって、
ある材料の存在を検証するために前記光ディスク上または内の既定の領域を観察し、それに応じて信号を提供するための第1の手段と、
前記信号に応じて、前記光ディスクの読み取り、再生、または複製を選択的に防止するための第2の手段と
を含む、前記システム。
【請求項24】
前記ある材料は、
既定エネルギーが加えられた後に変化する一時的な光学的性質を示す材料
を含む、請求項23のシステム。
【請求項25】
前記既定エネルギーは、
前記材料に当てられるレーザ光
を含む、請求項24のシステム。
【請求項26】
前記一時的な光学的性質における変化は、前記光ディスクによって記憶されるデータの読み取り可能性または再生可能性に影響を与える、請求項25のシステム。
【請求項27】
光ディスクのある使用を選択的に有効にするための方法であって、
前記光ディスク上の既定の領域を読み取り、第1の結果を得るように、付随の光ディスクドライブに命令するために、光ディスクからのある符号を自動的に使用することと、
既定の遅延後、前記既定の領域を1回またはそれ以上の回数追加で読み取るように、前記光ディスクドライブに命令して、第2の結果を得ることと、
前記第1の結果と前記第2の結果とを比較して、それに応じて信号を提供することと、
前記信号に基づいて、前記光ディスクの前記ある使用を有効にすることと
を含む、前記方法。
【請求項28】
前記ある使用は、
前記光ディスク内または上に記憶されるコンテンツの再生または複製
を含む、請求項27の方法。
【請求項29】
データ記憶媒体の使用を選択的に抑制するまたは有効にするためのシステムであって、
前記データ記憶媒体内または上に配置される第1の材料と、前記第1の材料は、読み取りシステムが光ディスク内のピットをどのように読み取るかを、一時的に変化させるように適応されることと、
前記変化に反応性をもち、また前記データ記憶媒体によって記憶されるデータの再生および/または複製に選択的に影響を与えるように適応される第1の機構と
を含む、前記システム。
【請求項30】
前記データ記憶媒体は、
光ディスク
を含む、請求項29のシステム。
【請求項31】
前記第1の材料は、
光学的一時性材料
を含む、請求項30のシステム。
【請求項32】
既定の時間使用されることが可能である光ディスクであって、
前記光ディスクに含まれるピットによって記憶されるデータと、
前記光ディスク上または内に選択的に配置される材料と、前記材料は、前記読み取りシステムに関連する読み取りレーザからの既定の暴露に応じて、第1の状態から第2の状態へ一時的に変化する性質をもつことと
を含む、光ディスク。
【請求項33】
第1のデータを表すパターン化ピット構造をもつ前記ディスク上または内に配置される第1の材料と、
前記ディスク上または内に配置される第2の材料と、前記材料は、第2のデータを記憶することと
を含む、光ディスク。
【請求項34】
前記第2の材料は、
感光材
を含む、請求項33の光ディスク。
【請求項35】
前記第2の材料は、振動エネルギーに反応して、前記パターン化ピット構造の解釈を変える材料を含む、請求項33の光ディスク。
【請求項36】
前記第2の材料は、電磁エネルギーに反応して、前記パターン化ピット構造の解釈を変える材料を含む、請求項33の光ディスク。
【請求項37】
前記第2の材料は、
光学的一時性染料、色素、またはインク
を含む、請求項34の光ディスク。
【請求項38】
前記第2の材料は、前記光ディスク上または内に既定のパターンで配置され、前記既定のパターンは、前記第2のデータのいくつかまたは全部を表す、請求項34の光ディスク。
【請求項39】
前記材料の1つまたはそれ以上の性質は、前記第2のデータのいくつかまたは全部を表す、請求項34の光ディスク。
【請求項40】
前記第2のデータは、
前記光ディスクが真正であるかどうかを判定するための認証情報
を含む、請求項39の光ディスク。
【請求項41】
光ディスクからのコンテンツの複製を選択的に抑制するための方法であって、
光学的一時性材料を前記ディスクの既定の領域上に配置することと、
活性化ソフトウェアを前記ディスク上に含むことと、前記活性化ソフトウェアは、前記光学的一時性材料に関連する前記ディスクの領域を観察するように適応されることと
を含む前記方法。
【請求項42】
前記活性化ソフトウェアは、前記ディスクを既定のレートで回転させ、前記ディスクの既定の領域を観察するように適応される、請求項41の方法。
【請求項43】
ソフトウェアの前記活性化は、前記既定の領域における前記データを観察するように、および前記データに基づいて、前記ディスクの複製を選択的に無効にするように適応される、請求項42の方法。
【請求項44】
前記データは、前記光学的一時性材料の一時的な光学的性質に基づいて変化する、請求項43の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2009−506473(P2009−506473A)
【公表日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−528159(P2008−528159)
【出願日】平成18年8月23日(2006.8.23)
【国際出願番号】PCT/US2006/033134
【国際公開番号】WO2007/025076
【国際公開日】平成19年3月1日(2007.3.1)
【出願人】(508056165)ソニー ディーエーディーシー ユーエス インク (5)
【出願人】(508056165)ソニー ディーエーディーシー ユーエス インク (5)
【出願人】(508055755)ベリロック エルエルシー (1)
【Fターム(参考)】