説明

光学式マウス対応マット

【課題】透明性の高いマットでありながら、マウスパッドや下敷きを使用せずとも光学式マウスのレスポンスが非常に良好な光学式マウス対応マットを提供する。
【解決手段】少なくとも、合成樹脂100重量部に対し、平均粒径が5〜50μmのアルミニウム微粒子を0.05〜0.50重量部分散させた表面層を有することを特徴とする。このとき、合成樹脂が塩化ビニル系樹脂またはオレフィン系樹脂であることが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学式マウスのレスポンスが良好な、透明性の高い光学式マウス対応マットに関する。
【背景技術】
【0002】
ボール方式マウス(露出したボールによって間接的に車輪を動かす方式のマウス)は、斜め方向の動作の検出がしやすい、微妙な手の動きを伝えやすい、等の利点があるものの、その反面、机上の埃を巻き込みやすく、次第に快適な動作性能を失っていくので、ときおり分解清掃をする必要がある。
このため、分解清掃が不要な光学式(オプティカル)マウスが開発されて以来、光学式マウスが急速に普及している。
【0003】
この光学式マウスは、マウスの底面から赤外線やLEDなどの光線を机上に照射し、その反射光をマウスに内蔵された光センサーが検知することにより作動するものである。
したがって、例えば“鏡面仕上げや光沢のあるもの(強く反射をするもの)”、“ガラス製などの透明なもの(反射せずに透過してしまうもの)”、“凹凸面のあるもの”、“文字、図形、写真など、色柄の急変が著しいもの”などの上で使用する際には、光線を適切に反射するマウスパッドを使用しなければならない問題がある。従って、マウスパッドとしては、カラー印刷面を有するものが一般的であった(特許文献1等)。
【0004】
一方、デスクマットとしては、デスクマットと机の間に書類を挟んだ際の視認性を鑑み、透明性の高いものが主流である。また、高価なガラス製テーブルのマットとしても、傷付き防止効果を得ながらもガラスの高級感を担保するために、透明性の高いものが好まれている。
このような透明なマット(デスクマット、テーブルマット)を敷設した机上において、光学式マウスを良好に作動させるには、上記したように光線を適切に反射するマウスパッドの使用が必須となったり、あるいは透明マットの下に有色シートを敷いて使用する必要がある。
【0005】
ところが、マウスパッドは、デスクマット下に挟まれた書類の視認性を損なううえ、マウスの不使用時には邪魔になる、マウスを該パッド上でしか操作ができないので動作が制限される、などの不具合があった。
また、有色シートが敷かれたマット(下敷き付きマット)は、特にガラス製テーブルなどに敷設する場合に、高級感が損なわれるなどの不具合があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−155625号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、以上のような現状を考慮し、透明性の高いマットでありながら、マウスパッドや上記のような下敷きなどの付属品を使用せずとも光学式マウスのレスポンス(動作性能)が非常に良好な光学式マウス対応マットの提供を課題とする。
具体的には、JIS−K7361−1に準じて測定される全光線透過率が65%以上、JIS−K7105に準じて測定されるヘーズが15%以下でありながら、光学式マウスに対応できるマットを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上記課題を解決するために検討を重ねたところ、特定のアルミニウム微粒子を表面層に特定量分散させることで、透明であるにも拘わらずマウスの底面から発射される赤外線やLEDなどの光線を適切に反射できるので、優れたマウスレスポンス性と透明性とを兼ね備えた光学式マウス対応マットが得られるとの知見を得た。
【0009】
本発明は、このような知見の下でなし得たものであり、以下を要旨とする。
(1)少なくとも、合成樹脂100重量部に対し、平均粒径が5〜50μmのアルミニウム微粒子を0.05〜0.50重量部分散させた表面層を有する光学式マウス対応マット。
(2)合成樹脂が塩化ビニル系樹脂またはオレフィン系樹脂であることを特徴とする前記(1)に記載の光学式マウス対応マット。
(3)JIS−K7361−1に準じて測定される全光線透過率が65%以上であることを特徴とする前記(1)または(2)に記載の光学式マウス対応マット。
(4)JIS−K7105に準じて測定されるヘーズが15%以下であることを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれかに記載の光学式マウス対応マット。
【発明の効果】
【0010】
本発明の光学式マウス対応マットは、光学式マウスから照射される光線の乱反射を促す特定のアルミ微粒子を使用することにより、優れた透明性に加えて、現在市場に多く流通しているエンボス加工タイプやブラスト加工タイプの光学式マウス対応マットと同等以上のレスポンス性をも実現したものである。また、エンボス加工やブラスト加工をする必要がないので、透明性を損なうこともない。
また、鏡面仕上げや光沢のあるもの(白色天板など)やガラス製などの透明なテーブルなどにも、下敷きなどの付属品やマウスパッドを併用することなく、本発明の光学式マウス対応マットを敷くだけで、光学式マウスを十分高精度に作動させることができるうえ、限られた机上スペースを有効に利用できる
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の光学式マウス対応マットは、少なくとも、合成樹脂100重量部に対し、平均粒径が5〜50μmのアルミニウム微粒子を0.05〜0.50重量部分散させた表面層を有することが重要である。本発明の上記「表面層」を有する光学式マウス対応マットは、α)表面層のみからなる単層シートおよび、β)表面層を最表面に有する多層シートのいずれをも包含するものである。
アルミニウム微粒子の配合量は、表面層を形成する合成樹脂100重量部に対して、0.05〜0.50重量部とし、好ましくは、0.10〜0.20重量部である。アルミニウム微粒子の量が0.05重量部より少ないと、光学式マウスに対するレスポンス(動作性能)が低下したり、0.50重量部より多いと、レスポンスは良くなるがアルミニウム微粒子の密度が高くなるので所望の全光線透過率やヘーズが得られない。
【0012】
アルミニウム微粒子の平均粒径が5μm未満であると、アルミニウム微粒子による光線の反射率を十分に上げられず、所望のレスポンスを得ることが困難になり、取扱い性も低下する。
50μmより大きいと、全光線透過率が低下したりヘーズが高くなる傾向があるうえ、アルミニウム微粒子の分散安定性に支障がでるので、好ましくは8〜40μm、より好ましくは15〜35μmである。
【0013】
本発明におけるアルミニウム微粒子は、平均粒径が前記範囲内であれば、粒径がほぼ同等のもののみから構成されていても、粒径の小さいものから大きめのものまで様々な粒径を有するものが混在していても差し支えない。また、アルミ微粒子の形状については、特に限定されないが、例えば、ラグビーボール状や球状のように光学式マウスから照射される光線の乱反射を促す形状のものが好ましい。
なお、このアルミニウム微粒子としては、アルミニウム合金や酸化アルミニウム(表面が酸化処理され、アルミナを表面層とするアルミニウム)なども含まれる。
【0014】
表面層を形成する合成樹脂としては、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル系、ポリスチレン系、ポリブタジエン系、ポリ酢酸ビニル系、エチレン酢酸ビニル共重合体系、アクリル系、ポリテトラフルオロエチレン系、ポリアセタール系、ポリアミド系、ポリカーボネート系、ポリエチレンテレフタレート系、ポリブチレンテレフタレート系、ポリエチレンナフタレート系、ポリイミド系、酢酸セルロース系、セロファン系、ウレタン系、ポリビニルアルコール系、トリアセチルセルロース系、ポリエステル系、不飽和ポリエステル系、アリル系、アルキド系、エポキシ系、シリコーン系、ナイロン系樹脂等が挙げられる。使用用途により適宜、上記の樹脂を2種類以上組み合わせて使用することもできる。
中でも、高い透明性を有し、再利用しやすく、成形性に優れたオレフィン系樹脂または塩化ビニル系樹脂が好ましい。
【0015】
オレフィン系樹脂としては、アイオノマー樹脂、α−オレフィン系の単独重合体、α−オレフィンを主成分とする異種単量体との共重合体であり、具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン共重合体、エチレン−4−メチル−1−ペンテン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体等が挙げられ、これらは単独で、または2種以上を併用することもできる。
【0016】
塩化ビニル系樹脂としては、塩化ビニルの単独重合樹脂、塩化ビニルと他のモノマーとの共重合樹脂、これらの2種以上を混合したもの、あるいは塩化ビニルの単独重合樹脂や共重合樹脂と他の樹脂をブレンドしたもの等も使用できる(以下、これらを纏めて塩化ビニル系樹脂と称す)。
塩化ビニルと共重合させる他のモノマーとしては、酢酸ビニル、エチレン、プロピレン、マレイン酸エステル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エステル、アクリル酸エステル、高級ビニルエーテル等が挙げられ、これらは単独でまたは2種以上を併用することもできる。
塩化ビニル樹脂にブレンドする他の樹脂としては、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン共重合樹脂、ポリウレタン樹脂、塩素化ポリウレタン樹脂、ポリメタクリレート樹脂等が挙げられ、これらは単独でまたは2種以上をブレンドすることができる。
【0017】
表面層において、上記合成樹脂へのアルミニウム微粒子の分散性を高めるためには、例えば、アルミニウム微粒子の表面を、被覆剤にてコーティングしてもよいし、または適宜分散剤等を粒子と共に該合成樹脂に添加してもよい。
この被覆剤としては、Si、Ti、Zr、Alなどの元素を含有するカップリング剤が用いられ、例えばトリメトキシシランのようなシランカップリング剤が好適に使用される。
また、分散剤としては、各種の界面活性剤、リン酸エステル化合物等が適宜使用される。
【0018】
表面層には、前記したようなアルミ微粒子と共に必要に応じて、上記分散剤の他に、可塑剤、帯電防止剤、難燃剤、(光)安定剤、滑剤、着色剤、粘度調整剤、抗菌剤など各種の添加剤を配合してもよい。
着色剤等の添加に関しては、得られるマットの透明性を損なわないように考慮する必要がある。
帯電防止剤としては、ノニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤等が挙げられ、上記表面層に添加することで、マット表面のほこり付着を抑えることができる。
【0019】
表面層の厚みは、得られるマットの用途により適宜選択ことができるが、好ましくは10〜700μmであり、より好ましくは100〜500μmである。表面層の厚みが薄すぎると、アルミ微粒子の分散が高密度となり、透明性の低下の原因になる。また厚すぎると、アルミ微粒子の密度は低くなるが、光学マウスに対するレスポンスに劣ることがある。
【0020】
本発明の光学式マウス対応マットでは、上記した表面層にベース層を積層することもできる。
このベース層としては、前述の表面層を形成する合成樹脂と同様に、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル系、ポリスチレン系、ポリブタジエン系、ポリ酢酸ビニル系、エチレン酢酸ビニル共重合体系、アクリル系、ポリテトラフルオロエチレン系、ポリアセタール系、ポリアミド系、ポリカーボネート系、ポリエチレンテレフタレート系、ポリブチレンテレフタレート系、ポリエチレンナフタレート系、ポリイミド系、酢酸セルロース系、セロファン系、ウレタン系、ポリビニルアルコール系、トリアセチルセルロース系、ポリエステル系、不飽和ポリエステル系、アリル系、アルキド系、エポキシ系、シリコーン系、ナイロン系樹脂等のうちの少なくとも一種を使用できるが、得られるマットの視認性(透明性)や、表面層の反射性を阻害しないものであって、かつ表面層との接着性などをも考慮すると、表面層と同じ合成樹脂を用いることが好ましい。このようなベース層は、単層でも多層でもよい。
ベース層においても、表面層同様、必要に応じて、可塑剤、帯電防止剤、難燃剤、(光)安定剤、滑剤、着色剤、粘度調整剤、抗菌剤など各種の添加剤を配合することができ、着色剤等の添加に関しては、マットの透明性を損なわないように考慮する必要がある。
【0021】
光学式マウス対応マットの形成方法については、前述のアルミ微粒子及びその他の添加剤が配合された合成樹脂組成物を、一般的なシート又はフィルム成形に使用されているカレンダー成形、押出成形、インフレーション成形、キャスト成形等の各種成形方法により形成すればよい。
上記ベース層を設ける場合は、従来から利用されている共押出成形法、カレンダーラミネート法などによって生産され得るが、これらに限定されるものではない。
【0022】
また、ベース層を設ける際、表面層とベース層との厚さ比は、特に限定されないが、透明性や視認性、成形性、実用性、表面層の反射性を阻害しないものなどの観点から、表面層:ベース層=1:2〜1:8の範囲にあることが好ましい。
光学式マウス対応マット全体の厚みについては、一般的なマット(デスクマットあるいはテーブルマット)として使用される厚みであれば特に問題なく、厚みを増して天板とのなじみを良好にし、ガラス天板のような重厚感を演出してもよい。一般的には、デスクマットやテーブルマットとしては0.5〜4.0mmが好適である。
【0023】
表面層およびベース層を塩化ビニル系樹脂とした場合には、最下層に、可塑剤移行防止層を設けることで、耐コピー性(耐転写性)を付与してもよい。あるいは、可塑剤の配合量を増加したり、粘着性付与剤を添加したりすることで、光学式マウス対応マット自体に、自己粘着性を付与してもよい。
上記可塑剤移行防止層は、i)高分子系の可塑剤(例えば、ポリエステル系可塑剤)を配合する、ii)可塑剤非移行フィルム(例えば、フッ素系フィルム)を設ける、などにより設ければよい。
なお、ベース層自体を可塑剤移行防止層とすることもできる。
【0024】
本発明では、マット(成形体)とした場合の透明性は、JIS−K7361−1に準じて測定される全光線透過率が65%以上であることが好ましく、より好ましくは70%以上であり、また、JIS−K7105に準じて測定されるヘーズが15%以下であることが好ましく、より好ましくは10%以下である。
全光線透過率が65%より低かったり、ヘーズが15%を超える値だと、透明性(視認性)が不十分となり、実用性の高い光学式マウス対応マットとすることができなくなる。
【0025】
また、本発明の光学式マウス対応マットでは、全光線透過率やヘーズが上記範囲内であれば、エンボス加工やブラスト加工等を表面上に施してもよい。エンボス加工やブラスト加工を施すことにより、マウスのレスポンス性や、マットの解反性を向上させることができる。
【実施例】
【0026】
実施例1〜11、比較例1〜8
表面層用として、合成樹脂(塩化ビニル系樹脂またはオレフィン系樹脂)とその他の化合物を表1〜2に示す配合割合で混合し、組成物を調製した。
一方、ベース層用として、合成樹脂(塩化ビニル系樹脂またはオレフィン系樹脂)とその他の化合物を表3に示す配合割合で混合し、組成物を調製した。
調製した組成物を、それぞれ表面層用押出機とベース層用押出機に投入し、直径40mmのスクリューと直径100mmのダイスを有する共押出成形機を用いて、各層の厚さ比が、表面層:ベース層=1:4となるように幅約100cm、厚さ約1.5mmの長尺シートを成形した。得られた各シートを、一辺の長さが1mの正方形状に裁断し、実施例1〜11、比較例1〜8のマットとした。
【0027】
【表1】

【0028】
【表2】

【0029】
【表3】

【0030】
上記表1〜3中の数字は、重量部を表す。
(使用原料)
<表面層>
・ポリ塩化ビニル(平均重合度1050):カネカ社製 商品名“S1001”
・オレフィン(エチレン−メタクリル酸共重合体のアイオノマー):三井デュポンポリケミカル社製 商品名“ハイミラン1705”
・アルミ微粒子A(平均粒径9.5μm):富士色素社製 商品名“B−584”
・アルミ微粒子B(平均粒径17.7μm):富士色素社製 商品名“7752”
・アルミ微粒子C(平均粒径33.3μm):富士色素社製 商品名“7753”
・炭酸カルシウム:白石カルシウム社製 商品名“シルバーW”
・雲母:富士色素社製 商品名“パール400”
・群青:富士色素社製 商品名“S−650”
・可塑剤:シージーエスター社製 商品名“DEHP”
・エポキシ化大豆油:大日本インキ化学工業社製 商品名“W−100EL”
・Ba−Zn系複合安定剤:アデカ社製 商品名“KKL−210”
・滑剤:日本化成社製 商品名“スリパックスE”
【0031】
<ベース層>
・ポリ塩化ビニル(平均重合度1050):カネカ社製 商品名“S1001”
・オレフィン(エチレン−(メタ)アクリル酸メチル共重合体):住友化学社製 商品名“アクリフト WH206”
・可塑剤:シージーエスター社製 商品名“DEHP”
・エポキシ化大豆油:大日本インキ化学工業社製 商品名“W−100EL”
・Ba−Zn系複合安定剤:アデカ社製 商品名“KKL−210”
・滑剤:日本化成社製 商品名“スリパックスE”
【0032】
得られた各マットについて、光学特性値および光学式マウスのレスポンス性を下記の評価方法で評価した。結果を表4に示す。
【0033】
<光学特性値>
1.ヘーズ(単位%)は、JIS−K7105に基づき測定を行った。
2.全光線透過率(単位%)は、JIS−K7361−1に基づき測定を行った。
【0034】
<光学式マウスのレスポンス性>
市販されている二種の光学式マウスA,Bを得られた各マット上に載置した後、緩急自在に操作し、パーソナルコンピュータに付属している液晶モニター画面に表示されるポインターの動作について、下記のように評価した。
◎:良好
○:良好であるが、操作の際に時折引っかかりがある。
△:引っかかりがあるが使用可能
×△:僅かしか動かない
×:動かない
【0035】
【表4】

【0036】
参考例1〜2
市販されている片面エンボス加工のデスクマット(菱興プラスチック社製 商品名“プラス”の添付下敷き無しの状態:厚さ1.7mm)を参考例1とした。
市販されている片面ブラスト加工のデスクマット(アイリスオーヤマ社製:厚さ1.5mm)を参考例2とした。
光学特性値および光学式マウスのレスポンス性を上記と同様の評価方法で評価した。結果を併せて表4に示す。
【0037】
表4から、本発明のマットは、ヘーズ値が低く、全光線透過率が高いため透明性に優れるものであり、かつマウスレスポンス性に優れるものであるため、光学式マウスに対応するマットであることがわかる。
【産業上の利用可能性】
【0038】
本発明の光学式マウス対応マットは、透明であるにも拘わらずマウスの底面から発射される赤外線やLEDなどの光線を適切に反射できるので、優れたマウスレスポンス性と透明性とを兼ね備えており、広範な分野に好適に使用され得る。勿論、ボール方式マウスにも対応できるものである。
例えば、デスクマットやテーブルマット用途はもとより、マウスパッド材としても好適である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも、合成樹脂100重量部に対し、平均粒径が5〜50μmのアルミニウム微粒子を0.05〜0.50重量部分散させた表面層を有する光学式マウス対応マット。
【請求項2】
合成樹脂が塩化ビニル系樹脂またはオレフィン系樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の光学式マウス対応マット。
【請求項3】
JIS−K7361−1に準じて測定される全光線透過率が65%以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の光学式マウス対応マット。
【請求項4】
JIS−K7105に準じて測定されるヘーズが15%以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の光学式マウス対応マット。