説明

光学情報読取装置

【課題】光学情報読取装置において、既存の搬送路、および、ラインセンサを用いて、比較的簡易な構成で、紙葉類に印刷されたバーコードの読み取り解像度を向上させる。
【解決手段】光学情報読取装置100は、搬送路10と、右通過センサ20Rおよび左通過センサ20Lと、右繰り出しローラ30Rおよび左繰り出しローラ30Lと、ラインセンサ40と、制御ユニットと、を備える。ラインセンサ40は、複数のセンサ素子が、紙葉類60の搬送面に対して平行であって、紙葉類60の搬送方向に対して垂直な方向にライン状に配列されて設けられる。制御ユニットは、通過センサ20Rおよび左通過センサ20Lによって検出された紙葉類60の搬送方向に対する搬送面内での傾きに基づいて、紙葉類60の搬送面において、紙葉類60が搬送方向に対して傾いて搬送されるように、右繰り出しローラ30Rおよび左繰り出しローラ30Lを独立して制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学情報読取装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、バーコードが印刷された紙幣、クーポン券、カード等の紙葉類を搬送しながら、この紙葉類に印刷されたバーコードを読み取る光学情報読取装置が普及している。このような光学情報読取装置では、紙葉類を搬送する搬送路上に、紙葉類の通過を検知する通過センサと、紙葉類に印刷されたバーコードを読み取るための読取センサと、が設けられる。そして、通過センサによって紙葉類の通過が検知されたタイミングに合わせて、読取センサによってバーコードの読み取りが行われる。
【0003】
なお、この光学情報読取装置において、読取センサとしては、複数のセンサ素子がライン状に配列されたラインセンサが用いられることが多い。そして、このラインセンサは、一般に、複数のセンサ素子が、搬送路の幅方向、すなわち、紙葉類の搬送方向に対して垂直な方向に配列されるように設けられる。また、上記光学情報読取装置において、ラインセンサは、バーコードの読み取り精度を向上させるために、搬送路の幅方向全体に亘って設けられることが多い。
【0004】
ところで、光学情報読取装置では、バーコードの読み取り解像度を向上させることが求められる。そして、上記光学情報読取装置において、ラインセンサの光学解像度よりも高い読み取り解像度でバーコードの読み取りを行うために、下記特許文献1に記載された技術を適用することが可能である。すなわち、光学情報読取装置において、ラインセンサを、搬送路の幅方向に対して傾斜させて備える構成である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−323501号公報
【特許文献2】特開2009−187208号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上記光学情報読取装置に上記特許文献1に記載された技術を適用する場合、紙葉類の搬送方向に対して垂直に設けられていた既存のラインセンサを、搬送路の幅方向に対して傾斜させて取り付けると、ラインセンサの長さが不足する場合がある。この場合、ラインセンサを搬送路の幅方向全体に亘って設けることができなくなり、バーコードの読み取り精度が低下する。一方、搬送路の幅方向に対して傾斜させた状態で、搬送路の幅方向全体に亘ってラインセンサを設けようとすると、十分な長さを有する新たなラインセンサを開発するコストが掛かる。また、既存のラインセンサを、搬送路の幅方向に対して傾斜させた状態で、搬送との幅方向全体に亘って設けるためには、搬送路の幅を狭くすることが考えられる。しかし、この場合には、搬送路の幅を変更するためのコストが掛かり、また、搬送路の幅が狭くなることによって、紙葉類の搬送性を損なうおそれがある。
【0007】
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、光学情報読取装置において、既存の搬送路、および、ラインセンサを用いて、比較的簡易な構成で、紙葉類に印刷されたバーコードの読み取り解像度を向上させる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
【0009】
[適用例1]
矩形形状を有する紙葉類に、該紙葉類の一辺と平行な方向に配列して印刷されたバーコードを読み取る光学情報読取装置であって、
前記紙葉類を所定の搬送方向に搬送する搬送路と、
前記搬送路上に設けられ、前記紙葉類の前記一辺と平行な方向と前記搬送方向に対して垂直な方向とが一致する状態を基準とした、前記紙葉類の前記搬送方向に対する搬送面内での傾きに関連するパラメータ値を検出する検出部と、
前記搬送路上における前記検出部の後段に設けられ、前記紙葉類の前記傾きを調節するための傾き調節機構と、
前記検出部によって検出された前記パラメータ値に基づいて、前記搬送面内において、前記紙葉類が前記搬送方向に対して傾いて搬送されるように、前記傾き調節機構を制御する制御部と、
前記搬送路上における前記傾き調節機構の後段に設けられ、前記紙葉類に印刷された前記バーコードを読み取るためのラインセンサであって、複数のセンサ素子が、前記搬送面に対して平行であって、前記搬送方向に対して垂直な方向にライン状に配列されたラインセンサと、
を備える光学情報読取装置。
【0010】
適用例1の光学情報読取装置では、上記紙葉類の搬送面内において、上記紙葉類が搬送方向に対して傾いて搬送されるように、上記傾き調節機構が制御されるので、上記紙葉類が上記ラインセンサにおける複数のセンサ素子の配列方向に対して傾いた状態で、バーコードの読み取りを行うことができる。そして、適用例1の光学情報読取装置によって、従来の光学情報読取装置における搬送路、および、ラインセンサの設計を変更することなく、既存の搬送路、および、ラインセンサを用いて、比較的簡易な構成で、紙葉類に印刷されたバーコードの読み取り解像度を向上させることができる。本適用例の光学情報読取装置において、紙葉類に印刷されたバーコードの読み取り解像度が向上する原理は、上記特許文献1に記載された発明と同様である。
【0011】
なお、本適用例の光学情報読取装置において、紙葉類としては、例えば、紙幣、クーポン券、カード等が挙げられる。また、紙葉類に印刷されるバーコードは、1次元バーコードであってもよいし、2次元バーコードであってもよい。
【0012】
[適用例2]
適用例1記載の光学情報読取装置であって、
前記傾き調節機構は、前記搬送方向と異なる方向に配列され、前記紙葉類を繰り出すための複数の繰り出しローラを含み、
前記制御部は、前記傾き調節機構の制御として、前記複数の繰り出しローラの回転速度を独立して制御する、
光学情報読取装置。
【0013】
適用例2の光学情報読取装置では、比較的簡易な構成で、上記紙葉類の搬送方向に対する傾きを調節することができる。
【0014】
[適用例3]
適用例1または2記載の光学情報読取装置であって、
前記検出部は、前記搬送方向に対して垂直な方向に配列され、前記紙葉類の通過を検知するための複数の通過センサを含み、
前記パラメータ値は、前記複数の通過センサによってそれぞれ検知された前記紙葉類の通過開始タイミングと、前記紙葉類の通過終了タイミングと、を含む、
光学情報読取装置。
【0015】
適用例3の光学情報読取装置では、比較的簡易な構成で、上記紙葉類の搬送方向に対する傾きを検出することができる。例えば、上記通過センサが2つの場合には、これらによって検知された上記紙葉類の通過開始タイミングの差と、上記紙葉類の通過終了タイミングの差と、通過期間(通過開始から通過終了までの期間)と、に基づいて、上記紙葉類の搬送方向に対する傾きの角度を算出することができる。
【0016】
[適用例4]
適用例1ないし3のいずれかに記載の光学情報読取装置であって、
前記制御部は、
前記パラメータ値に基づいて、前記紙葉類の前記傾きの角度を算出して、該角度が、前記傾きを一定量変化させても前記ラインセンサによる前記バーコードの読み取りが可能であるか、前記傾きを一定量変化させることによって前記ラインセンサによる前記バーコードの読み取りが可能となる所定の範囲内にあるか否かを判断し、
前記角度が前記所定の範囲内にある場合には、前記傾きが一定量変化するように、前記傾き調節機構を制御し、
前記角度が前記所定の範囲内にない場合には、前記傾きが変化しないように、前記傾き調節機構を制御する、
光学情報読取装置。
【0017】
適用例4の光学情報読取装置によって、上記紙葉類の上記傾きの角度を、バーコードの読み取りが可能な傾きの角度に調節することができる。
【0018】
[適用例5]
適用例1ないし3のいずれかに記載の光学情報読取装置であって、
前記制御部は、
前記パラメータ値に基づいて、前記紙葉類の前記傾きの角度を算出して、該角度が、前記ラインセンサによる前記バーコードの読み取りに好適な所定の範囲内にあるか否かを判断し、
前記角度が前記所定の範囲内にある場合には、前記角度が変化しないように、前記傾き調節機構を制御し、
前記角度が前記所定の範囲内にない場合には、前記角度が前記所定の範囲内に収まるように、前記傾き調節機構を制御する、
光学情報読取装置。
【0019】
適用例5の光学情報読取装置によって、上記紙葉類の上記傾きの角度を、バーコードの読み取りに好適な傾きの角度に調節することができる。
【0020】
なお、上述の光学情報読取装置は、例えば、入金計数機、クーポン券処理装置、紙葉類を仕分けるソーター機、紙葉類取引装置等、バーコードが印刷された紙葉類を取り扱う種々の装置に搭載可能である。
【0021】
本発明は、上述の光学情報読取装置としての構成の他、光学情報読取装置の制御方法の発明として構成することもできる。また、これらを実現するコンピュータプログラム、およびそのプログラムを記録した記録媒体、そのプログラムを含み搬送波内に具現化されたデータ信号など種々の態様で実現することが可能である。なお、それぞれの態様において、先に示した種々の付加的要素を適用することが可能である。
【0022】
本発明をコンピュータプログラムまたはそのプログラムを記録した記録媒体等として構成する場合には、光学情報読取装置の動作を制御するプログラム全体として構成するものとしてもよいし、本発明の機能を果たす部分のみを構成するものとしてもよい。また、記録媒体としては、フレキシブルディスクやCD−ROM、DVD−ROM、光磁気ディスク、ICカード、ROMカートリッジ、パンチカード、バーコードなどの符号が印刷された印刷物、コンピュータの内部記憶装置(RAMやROMなどのメモリ)および外部記憶装置などコンピュータが読み取り可能な種々の媒体を利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の一実施例としての光学情報読取装置100の概略構成を示す側面図である。
【図2】光学情報読取装置100を上から見たときの平面図である。
【図3】右通過センサ20R、および、左通過センサ20Lを用いて紙葉類60の搬送角度を算出する方法を模式的に示す説明図である。
【図4】紙葉類60が搬送方向に対して傾いた状態でバーコードBCの読み取りを行うことによって、バーコードBCの読み取り解像度が向上する理由を模式的に示す説明図である。
【図5】第1実施例の動作制御処理の流れを示すフローチャートである。
【図6】第2実施例の動作制御処理の流れを示すフローチャートである。
【図7】第3実施例の動作制御処理の流れを示すフローチャートである。
【図8】複数の光学情報読取装置を一元管理する管理システムの概略構成を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施の形態について、実施例に基づき説明する。
A.光学情報読取装置の構成:
図1は、本発明の一実施例としての光学情報読取装置100の概略構成を示す側面図である。また、図2は、光学情報読取装置100を上から見たときの平面図である。この光学情報読取装置100は、図2に示したように、矩形形状を有する紙葉類60を搬送して、この紙葉類60に印刷されたバーコードBCを読み取る装置である。そして、この光学情報読取装置100は、例えば、入金計数機、クーポン券処理装置、紙葉類を仕分けるソーター機、紙葉類取引装置等、バーコードが印刷された紙葉類を取り扱う種々の装置に搭載可能である。
【0025】
なお、紙葉類60において、バーコードBCは、紙葉類60の一辺(図示した例では、長辺)と平行な方向に配列して印刷されている。また、紙葉類60としては、例えば、紙幣、クーポン券、カード等が挙げられる。また、本実施例では、バーコードBCは、一次元バーコードであるものとした。バーコードBCは、二次元バーコードであるものとしてもよい。
【0026】
図1に示したように、光学情報読取装置100は、搬送路10と、通過センサ20と、繰り出しローラ30と、ラインセンサ40と、制御ユニット50と、を備えている。搬送路10は、図示しない搬送ローラによって、搬送口12から搬送された紙葉類60を排出口14に搬送する。
【0027】
通過センサ20は、搬送路10上に設けられており、紙葉類60の通過を検知する。通過センサ20としては、例えば、いわゆる透過型センサや反射型センサ等の光学式センサを用いることができる。この通過センサ20によって紙葉類60の通過が検知されたタイミングに合わせて、ラインセンサ40によって紙葉類60に印刷されたバーコードBCの読み取りが行われる。本実施例では、図2に示したように、通過センサ20として、紙葉類60の搬送方向に対して垂直な方向に配列された2つの通過センサ(図2の右側に描かれた右通過センサ20R、および、図2の左側に描かれた左通過センサ20L)を備えるものとした。
【0028】
右通過センサ20R、および、左通過センサ20Lは、後述するように、紙葉類60の搬送方向に対する搬送面内での傾き(以下、単に「搬送方向に対する傾き」と言う)に関連するパラメータ値を検出するため、あるいは、紙葉類60の搬送方向に対する傾きの角度(以下、「搬送角度」とも言う)を求めるためにも用いられる。通過センサ20は、[課題を解決するための手段]における検出部に相当する。なお、本明細書において、紙葉類60の搬送方向に対する傾きとは、紙葉類60の一辺と平行な方向、すなわち、バーコードBCの配列方向と、搬送方向に対して垂直な方向とが一致する状態を基準としている。そして、紙葉類60の一辺と平行な方向と、搬送方向に対して垂直な方向とが一致する場合には、紙葉類60は搬送方向に対して傾いていないと判断される。
【0029】
繰り出しローラ30は、搬送路10上における通過センサ20の後段に設けられている。本実施例では、図2に示したように、繰り出しローラ30として、紙葉類60の搬送方向に対して垂直な方向に配列された2つの繰り出しローラ(図2の右側に描かれた右繰り出しローラ30R、および、図2の左側に描かれた左繰り出しローラ30L)を備えるものとした。
【0030】
繰り出し右繰り出しローラ30R、および、左繰り出しローラ30Lは、通過センサ20によって検出された紙葉類60の搬送方向に対する傾きに関連するパラメータ値、あるいは、紙葉類60の搬送角度に基づいて、独立して制御される。そして、繰り出し右繰り出しローラ30R、および、左繰り出しローラ30Lの回転速度を制御することによって、紙葉類60の搬送面内において、紙葉類60の搬送方向に対する傾きを調節することができる。例えば、右繰り出しローラ30Rの回転速度を、左繰り出しローラ30Lの回転速度よりも速くすれば、紙葉類60の搬送面内において、紙葉類60の搬送方向に対する傾きを、搬送路10の上方から見たときに右回りに傾けることができる。また、左繰り出しローラ30Lの回転速度を、右繰り出しローラ30Rの回転速度よりも速くすれば、紙葉類60の搬送面内において、紙葉類60の搬送方向に対する傾きを、搬送路10の上方から見たときに左回りに傾けることができる。繰り出しローラ30は、[課題を解決するための手段]における傾き調整機構に相当する。
【0031】
ラインセンサ40は、搬送路10上における繰り出しローラ30の後段に設けられており、紙葉類60に印刷されたバーコードBCを読み取る。ラインセンサ40は、図1,2から分かるように、複数のセンサ素子(図示省略)が、紙葉類60の搬送面に対して平行であって、紙葉類60の搬送方向に対して垂直な方向にライン状に配列されて設けられている。また、本実施例では、ラインセンサ40は、搬送路10の幅方向全体に亘って設けられている。ラインセンサ40を搬送路10の幅方向全体に亘って設けることによって、紙葉類60が搬送路10上のどの部位を搬送されてきても、紙葉類60に印刷されたバーコードBCの読み取りを行うことができる。したがって、ラインセンサ40が搬送路10の幅方向の一部にしか設けられていない場合よりも、バーコードBCの読み取り精度を向上させることができる。
【0032】
制御ユニット50は、光学情報読取装置100全体の制御を行う。そして、制御ユニット50は、後述する各実施例における種動作制御処理を行う。すなわち、制御ユニット50は、紙葉類60の搬送面において、紙葉類60が搬送方向に対して傾いて搬送されるように、繰り出し右繰り出しローラ30R、および、左繰り出しローラ30Lの各回転速度を制御する。そして、本実施例の光学情報読取装置100では、紙葉類60が搬送方向に対して傾いた状態でバーコードBCの読み取りを行うことによって、バーコードBCの読み取り解像度を向上させている。このバーコードBCの読み取り解像度が向上する理由については、後から説明する。制御ユニット50は、[課題を解決するための手段]における制御部に相当する。
【0033】
図3は、右通過センサ20R、および、左通過センサ20Lを用いて紙葉類60の搬送角度を算出する方法を模式的に示す説明図である。図3の左側に、紙葉類60と、右通過センサ20Rと、左通過センサ20Lとの位置関係を示した。また、図3の右側に、紙葉類60が右通過センサ20Rを通過する際の右通過センサ20Rの出力波形、および、紙葉類60が左通過センサ20Lを通過する際の左通過センサ20Lの出力波形を示した。そして、図3(a)に、紙葉類60の搬送角度が0度の場合の様子を示した。また、図3(b)に、紙葉類60の搬送角度がθ度(0<θ<45)の場合の様子を示した。また、図3(b)に、紙葉類60の搬送角度が45度の場合の様子を示した。なお、紙葉類60の搬送角度が45度よりも大きい場合についての図示、および、詳細な説明は省略する。
【0034】
図3(a)に示したように、例えば、右通過センサ20R、および、左通過センサ20Lによって検知された紙葉類60の通過開始時刻がそれぞれt1であり、通過終了時刻がそれぞれt2であり、通過期間がそれぞれL1(=t2−t1)である場合には、紙葉類60の搬送角度は0度であるとすることができる。
【0035】
また、図3(b)に示したように、例えば、右通過センサ20Rによって検知された紙葉類60の通過開始時刻がt3であり、左通過センサ20Lによって検知された紙葉類60の通過開始時刻がt4(>t3)であり、右通過センサ20Rによって検知された紙葉類60の通過終了時刻がt5(>t4)であり、左通過センサ20Lによって検知された紙葉類60の通過終了時刻がt6(>t5)であり、右通過センサ20R、および、左通過センサ20Lによって検知された紙葉類60の通過期間がそれぞれL2(=t5−t3,t6−t4)である場合には、紙葉類60の搬送角度はθ度であるとすることができる。ここで、紙葉類60の搬送角度(θ)は、図示したw、すなわち、右通過センサ20Rと左通過センサ20Lとの間隔が既知であり、また、図示したhが、紙葉類60の搬送速度と右通過センサ20R、および、左通過センサ20Lによって検知された紙葉類60の通過開始時刻の差(t4−t3)との積であるので、tanθ=h/wから求めることができる。
【0036】
また、図3(c)に示したように、例えば、右通過センサ20R、および、左通過センサ20Lによって検知された紙葉類60の通過開始時刻がそれぞれt7であり、右通過センサ20Rによって検知された紙葉類60の通過終了時刻がt8であり、左通過センサ20Lによって検知された紙葉類60の通過終了時刻がt9(>t8)であり、右通過センサ20Rによって検知された紙葉類60の通過期間がL3(=t8−t7)であり、左通過センサ20Lによって検知された紙葉類60の通過期間がL4(=t9−t7)であり、L4=2×L3である場合には、紙葉類60の搬送角度は45度であると判断することができる。
【0037】
また、右通過センサ20R、および、左通過センサ20Lによって検知された紙葉類60の通過開始時刻が異なっている場合には、紙葉類60の搬送角度を算出することなく、紙葉類60が搬送方向に対して傾いていると判断することもできる。
【0038】
図4は、紙葉類60が搬送方向に対して傾いた状態でバーコードBCの読み取りを行うことによって、バーコードBCの読み取り解像度が向上する理由を模式的に示す説明図である。なお、本実施例の光学情報読取装置100において、ラインセンサ40は、先に説明したように、複数のセンサ素子が、紙葉類60の搬送面に対して平行であって、紙葉類60の搬送方向に対して垂直な方向に配列されて設けられている。また、紙葉類60において、バーコードBCは、紙葉類60の一辺と平行な方向に配列して印刷されている。したがって、紙葉類60が搬送方向に対して傾いた状態とは、紙葉類60に印刷されたバーコードBCの配列方向がラインセンサ40の主走査方向に対して傾いた状態と同じである。
【0039】
図4(a)に、紙葉類60が搬送方向に対して傾いていない状態で搬送され、紙葉類60に印刷されたバーコードBC(バーbar1〜bar4)の配列方向が、ラインセンサ40の主走査方向、すなわち、ラインセンサ40における複数のセンサ素子d1〜d6の配列方向に対して傾いていない場合のバーコードBCの読み取りの様子を示した。また、図4(b)に、紙葉類60が搬送方向に対して傾いた状態で搬送され、紙葉類60に印刷されたバーコードBC(バーbar1〜bar4)の配列方向が、ラインセンサ40の主走査方向に対して傾いている場合のバーコードBCの読み取りの様子を示した。
【0040】
図4(a),(b)から分かるように、バーコードBCにおける各バーbar1〜bar4が、ラインセンサ40における複数のセンサ素子d1〜d6の配列方向に対して傾いている場合(図4(b))には、バーコードBCにおける各バーbar1〜bar4が、ラインセンサ40における複数のセンサ素子d1〜d6の配列方向に対して傾いていない場合(図4(a))よりも、各バーbar1〜bar4が各センサ素子d1〜d5に占める割合が大きくなる。このため、例えば、図4(a)に示した状態において、センサ素子d3によって検出できなかったバーbar2を、図4(b)に示した状態では検出できるようになる可能性が高くなる。したがって、紙葉類60が搬送方向に対して傾いた状態でバーコードBCの読み取りを行うことによって、バーコードBCの読み取り時の情報の欠落を減少させ、読み取り解像度を向上させることができる。
【0041】
B.動作制御処理(第1実施例):
図5は、第1実施例の動作制御処理の流れを示すフローチャートである。この処理は、紙葉類60が搬送口12に挿入されて、紙葉類60の搬送が開始されたときに、制御ユニット50が実行する処理である。
【0042】
まず、右通過センサ20R、および、左通過センサ20Lによって紙葉類60が検知されると(ステップS100)、制御ユニット50は、紙葉類60の搬送方向に対する傾きに関連するパラメータ値として、右通過センサ20R、および、左通過センサ20Lによって検知された紙葉類60の通過開始時刻と、通過終了時刻とを取得する。そして、制御ユニット50は、紙葉類60が右通過センサ20Rを通過する通過期間と、紙葉類60が左通過センサ20Lを通過する通過期間とを算出する。
【0043】
そして、制御ユニット50は、右通過センサ20R、および、左通過センサ20Lが紙葉類60を同時に検知したか、すなわち、紙葉類60の通過開始時刻は同じであるか否かを判断する(ステップS110)。右通過センサ20R、および、左通過センサ20Lが紙葉類60を同時に検知していない場合には(ステップS110:NO)、紙葉類60は、既に、搬送方向に対して傾いていると判断できるので、制御ユニット50は、右繰り出しローラ30R、および、左繰り出しローラ30Lの回転速度が同期するように、右繰り出しローラ30R、および、左繰り出しローラ30Lを制御する(ステップS140)。すなわち、制御ユニット50は、紙葉類60の搬送角度を変化させない。
【0044】
ステップS110において、右通過センサ20R、および、左通過センサ20Lが紙葉類60を同時に検知した場合には(ステップS110:YES)、制御ユニット50は、紙葉類60が右通過センサ20Rを通過する通過期間と、紙葉類60が左通過センサ20Lを通過する通過期間とが同じであるか否かを判断する(ステップS120)。紙葉類60が右通過センサ20Rを通過する通過期間と、紙葉類60が左通過センサ20Lを通過する通過期間とが同じでない場合には(ステップS120:NO)、紙葉類60は、既に、搬送方向に対して傾いていると判断できるので、制御ユニット50は、右繰り出しローラ30R、および、左繰り出しローラ30Lの回転速度が同期するように、右繰り出しローラ30R、および、左繰り出しローラ30Lを制御する(ステップS140)。すなわち、制御ユニット50は、紙葉類60の搬送角度を変化させない。
【0045】
ステップS120において、紙葉類60が右通過センサ20Rを通過する通過期間と、紙葉類60が左通過センサ20Lを通過する通過期間とが同じである場合には(ステップS120:YES)、紙葉類60は、搬送方向に対して傾いていないと判断できるので、制御ユニット50は、右繰り出しローラ30R、および、左繰り出しローラ30Lの回転速度が異なるように、右繰り出しローラ30R、および、左繰り出しローラ30Lを制御する(ステップS130)。すなわち、制御ユニット50は、紙葉類60の搬送角度を変化させる。なお、右繰り出しローラ30R、および、左繰り出しローラ30Lによる紙葉類60の搬送角度の変化量は、紙葉類60に印刷されたバーコードBCの読み取りを行うことができる範囲内で、任意に設定可能である。
【0046】
ステップS130、または、ステップS140の後、制御ユニット50は、ラインセンサ40によって、紙葉類60に印刷されたバーコードBCの読み取りを行う(ステップS150)。そして、制御ユニット50は、動作制御処理を終了する。
【0047】
以上説明した第1実施例の光学情報読取装置100によれば、紙葉類60の搬送面内において、紙葉類60が搬送方向に対して傾いて搬送されるように、右繰り出しローラ30R、および、左繰り出しローラ30Lが制御されるので、紙葉類60がラインセンサ40における複数のセンサ素子の配列方向に対して傾いた状態で、バーコードBCの読み取りを行うことができる。したがって、第1実施例の光学情報読取装置100によって、比較的簡易な構成で、紙葉類60に印刷されたバーコードBCの読み取り解像度を向上させることができる。
【0048】
C.動作制御処理(第2実施例):
図6は、第2実施例の動作制御処理の流れを示すフローチャートである。この処理は、紙葉類60が搬送口12に挿入されて、紙葉類60の搬送が開始されたときに、制御ユニット50が実行する処理である。
【0049】
まず、右通過センサ20R、および、左通過センサ20Lによって紙葉類60が検知されると(ステップS200)、制御ユニット50は、紙葉類60の搬送方向に対する傾きに関連するパラメータ値として、右通過センサ20R、および、左通過センサ20Lによって検知された紙葉類60の通過開始時刻と、通過終了時刻とを取得する。そして、制御ユニット50は、紙葉類60が右通過センサ20Rを通過する通過期間と、紙葉類60が左通過センサ20Lを通過する通過期間とを算出する。
【0050】
そして、制御ユニット50は、図3に示した方法によって、紙葉類60の搬送角度を算出し(ステップS210)、紙葉類60の搬送角度が、傾け可能範囲内にあるか否かを判断する(ステップS220)。ここで、傾け可能範囲とは、右繰り出しローラ30R、および、左繰り出しローラ30Lによって、紙葉類60の搬送方向に対する傾きを一定量変化させても、ラインセンサ40によって、紙葉類60に印刷されたバーコードBCの読み取りを行うことができるか、紙葉類60の搬送方向に対する傾きを一定量変化さることによって、ラインセンサ40によって、紙葉類60に印刷されたバーコードBCの読み取りを行うことができるようになる範囲である。
【0051】
ステップS220において、紙葉類60の搬送角度が、傾け可能範囲内にある場合には(ステップS220:YES)、紙葉類60の搬送方向に対する傾きを一定量変化させた場合に、ラインセンサ40によって、紙葉類60に印刷されたバーコードBCの読み取りを行うことができるので、制御ユニット50は、右繰り出しローラ30R、および、左繰り出しローラ30Lの回転速度が異なるように、右繰り出しローラ30R、および、左繰り出しローラ30Lを制御し(ステップS230)、紙葉類60の搬送方向に対する傾きを一定量変化させる。なお、右繰り出しローラ30R、および、左繰り出しローラ30Lの回転速度のうちの、いずれの回転速度を大きくするか、また、右繰り出しローラ30Rの回転速度、および、左繰り出しローラ30Lの回転速度は、任意に設定可能である。
【0052】
ステップS220において、紙葉類60の搬送角度が、傾け可能範囲内にない場合には(ステップS220:NO)、紙葉類60の搬送方向に対する傾きを一定量変化させると、ラインセンサ40によって、紙葉類60に印刷されたバーコードBCの読み取りを行うことができなくなる、あるいは、紙葉類60の搬送方向に対する傾きを一定量変化させても、ラインセンサ40によって、紙葉類60に印刷されたバーコードBCの読み取りを行うことができないので、制御ユニット50は、右繰り出しローラ30R、および、左繰り出しローラ30Lの回転速度が同期するように、右繰り出しローラ30R、および、左繰り出しローラ30Lを制御する(ステップS240)。すなわち、紙葉類60の搬送角度を変化させない。なお、紙葉類60の搬送角度が、紙葉類60の搬送方向に対する傾きを一定量変化させても、ラインセンサ40によって、紙葉類60に印刷されたバーコードBCの読み取りを行うことができない角度である場合には、制御ユニット50は、紙葉類60を返却する処理等の図示しないエラー処理を実行する。
【0053】
ステップS230、または、ステップS240の後、制御ユニット50は、ラインセンサ40によって、紙葉類60に印刷されたバーコードBCの読み取りを行う(ステップS250)。そして、制御ユニット50は、動作制御処理を終了する。
【0054】
以上説明した第2実施例の光学情報読取装置100によっても、第1実施例の光学情報読取装置100と同様に、紙葉類60の搬送面内において、紙葉類60が搬送方向に対して傾いて搬送されるように、右繰り出しローラ30R、および、左繰り出しローラ30Lが制御されるので、紙葉類60がラインセンサ40における複数のセンサ素子の配列方向に対して傾いた状態で、バーコードBCの読み取りを行うことができる。したがって、第2実施例の光学情報読取装置100によっても、比較的簡易な構成で、紙葉類60に印刷されたバーコードBCの読み取り解像度を向上させることができる。
【0055】
D.動作制御処理(第3実施例):
図7は、第3実施例の動作制御処理の流れを示すフローチャートである。この処理は、紙葉類60が搬送口12に挿入されて、紙葉類60の搬送が開始されたときに、制御ユニット50が実行する処理である。
【0056】
まず、右通過センサ20R、および、左通過センサ20Lによって紙葉類60が検知されると(ステップS300)、制御ユニット50は、紙葉類60の搬送方向に対する傾きに関連するパラメータ値として、右通過センサ20R、および、左通過センサ20Lによって検知された紙葉類60の通過開始時刻と、通過終了時刻とを取得する。そして、制御ユニット50は、紙葉類60が右通過センサ20Rを通過する通過期間と、紙葉類60が左通過センサ20Lを通過する通過期間とを算出する。
【0057】
そして、制御ユニット50は、図3に示した方法によって、紙葉類60の搬送角度を算出し(ステップS310)、紙葉類60の搬送角度が、ラインセンサ40による紙葉類60に印刷されたバーコードBCの読み取りに好適として設定された設定範囲内にあるか否かを判断する(ステップS320)。紙葉類60の搬送角度が、設定範囲内にある場合には(ステップS320:YES)、制御ユニット50は、右繰り出しローラ30R、および、左繰り出しローラ30Lの回転速度が同期するように、右繰り出しローラ30R、および、左繰り出しローラ30Lを制御する(ステップS330)。すなわち、制御ユニット50は、紙葉類60の搬送角度を変化させない。
【0058】
ステップS320において、紙葉類60の搬送角度が、設定範囲内にない場合には(ステップS320:NO)、制御ユニット50は、紙葉類60の搬送角度が、紙葉類60の搬送方向に対する傾きを、搬送路10の上方から見たときに右回りに調節すべき右回り調節範囲内にあるか否かを判断する(ステップS340)。紙葉類60の搬送角度が右回り調節範囲内にある場合には、制御ユニット50は、紙葉類60の搬送方向に対する傾きを右回りに傾けるように、右繰り出しローラ30R、および、左繰り出しローラ30Lの回転速度を制御して(ステップS350)、紙葉類60の搬送角度を、設定範囲内に収める。すなわち、制御ユニット50は、紙葉類60の搬送角度が設定範囲内に収まるように、右繰り出しローラ30Rの回転速度を左繰り出しローラ30Lの回転速度よりも速くする。このとき、制御ユニット50は、ステップS310において算出した紙葉類60の搬送角度に基づいて、右繰り出しローラ30Rの回転速度、および、左繰り出しローラ30Lの回転速度を決定する。
【0059】
ステップS340において、紙葉類60の搬送角度が右回り調節範囲内にない場合(ステップS340:NO)、すなわち、紙葉類60の搬送角度が、紙葉類60の搬送方向に対する傾きを、搬送路10の上方から見たときに左回りに調節すべき左回り調節範囲内にある場合には、制御ユニット50は、紙葉類60の搬送方向に対する傾きを左回りに傾けるように、右繰り出しローラ30R、および、左繰り出しローラ30Lの回転速度を制御して(ステップS360)、紙葉類60の搬送角度を、設定範囲内に収める。すなわち、制御ユニット50は、紙葉類60の搬送角度が設定範囲内に収まるように、左繰り出しローラ30Lの回転速度を右繰り出しローラ30Rの回転速度よりも速くする。このとき、制御ユニット50は、ステップS310において算出した紙葉類60の搬送角度に基づいて、右繰り出しローラ30Rの回転速度、および、左繰り出しローラ30Lの回転速度を決定する。
【0060】
ステップS330、ステップS350、または、ステップS360の後、制御ユニット50は、ラインセンサ40によって、紙葉類60に印刷されたバーコードBCの読み取りを行う(ステップS370)。そして、制御ユニット50は、動作制御処理を終了する。
【0061】
以上説明した第3実施例の光学情報読取装置100によっても、第1,2実施例の光学情報読取装置100と同様に、紙葉類60の搬送面内において、紙葉類60が搬送方向に対して傾いて搬送されるように、右繰り出しローラ30R、および、左繰り出しローラ30Lが制御されるので、紙葉類60がラインセンサ40における複数のセンサ素子の配列方向に対して傾いた状態で、バーコードBCの読み取りを行うことができる。したがって、第3実施例の光学情報読取装置100によっても、比較的簡易な構成で、紙葉類60に印刷されたバーコードBCの読み取り解像度を向上させることができる。
【0062】
E.変形例:
以上、本発明のいくつかの実施の形態について説明したが、本発明はこのような実施の形態になんら限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内において種々なる態様での実施が可能である。例えば、以下のような変形が可能である。
【0063】
E1.変形例1:
図8は、複数の光学情報読取装置を一元管理する管理システムの概略構成を示す説明図である。図示するように、この管理システムは、ホスト機200と、複数の光学情報読取装置100A,100B,100C,100Dとを双方向通信手段によって接続することにより構成される。
【0064】
この管理システムでは、例えば、各光学情報読取装置100A〜100Dにおいて、繰り出しローラ30によって紙葉類60の搬送角度を変化させる前後の搬送角度や、エラー履歴等のログ情報を記録しておき、このログ情報を、定期的に、あるいは、エラーが生じたタイミング等、所定のタイミングで、ホスト機200に送信する。こうすることによって、ホスト機200は、光学情報読取装置100A〜100Dから受信したログ情報に基づいて、例えば、光学情報読取装置100A〜100Dにおける紙葉類60の搬送角度の調節が正常に行われているかどうか等を一元管理することができる。そして、この管理システムによれば、例えば、繰り出しローラ30の動作不良・老朽化・メンテナンス不良などによって、紙葉類60の搬送角度の調節異常が頻発して、取引が滞る等の事態を回避するようにすることができる。
【0065】
また、この管理システムでは、ホスト機200が、例えば、紙葉類60の搬送角度の調整に用いられるパラメータの値を、各光学情報読取装置100A〜100Dに送信して、各光学情報読取装置100A〜100Dが、ホスト機200から受信したパラメータの値を用いた動作を行うようにすることも可能である。
【0066】
E2.変形例2:
上記実施例の光学情報読取装置100では、傾き調節機構として、紙葉類60の搬送方向に対して垂直な方向に配列された2つの繰り出しローラ30(右繰り出しローラ30R、および、左繰り出しローラ30L)を備えるものとしたが、本発明は、これに限られない。複数の繰り出しローラ30は、回転速度を独立して制御することによって、紙葉類60の搬送方向に対する傾きを調節可能であればよく、繰り出しローラ30の数、および、配置は、任意に設定可能である。
【0067】
E3.変形例3:
上記実施例の光学情報読取装置100では、傾き調節機構として、繰り出しローラ30を備えるものとしたが、本発明は、これに限られない。傾き調節機構として、例えば、60を回転させるターンテーブルや、搬送路10の幅を段階的あるいは連続的に変化させて紙葉類60の搬送方向に対する傾きを変化させる機構等、紙葉類60の搬送方向に対する傾きを調節可能な他の機構を備えるようにしてもよい。
【0068】
E4.変形例4:
上記実施例の光学情報読取装置100では、検出部として、通過センサ20を備えるものとしたが、本発明は、これに限られない。検出部として、紙葉類60の搬送方向に対する傾きに関するパラメータ値や、紙葉類60の搬送角度を検出可能な他のセンサを用いるようにしてもよい。
【0069】
E5.変形例5:
上記第2実施例の動作制御処理では、紙葉類60の搬送角度が、傾け可能範囲内にあるか否かに基づいて、また、上記第3実施例の動作制御処理では、紙葉類60の搬送角度が、ラインセンサ40による紙葉類60に印刷されたバーコードBCの読み取りに好適として設定された設定範囲内にあるか否かに基づいて、右繰り出しローラ30R、および、左繰り出しローラ30Lの制御方法を切り換えるものとしたが、本発明は、これに限られない。本発明では、紙葉類60の搬送面において、紙葉類60が搬送方向に対して傾いて搬送されるように、繰り出しローラ30が制御されればよい。
【符号の説明】
【0070】
100,100A,100B,100C,100D…光学情報読取装置
10…搬送路
12…搬送口
14…排出口
20…通過センサ
20L…左通過センサ
20R…右通過センサ
30…繰り出しローラ
30L…左繰り出しローラ
30R…右繰り出しローラ
40…ラインセンサ
50…制御ユニット
60…紙葉類
200…ホスト機
BC…バーコード
bar1〜bar4…バー
d1〜d6…センサ素子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
矩形形状を有する紙葉類に、該紙葉類の一辺と平行な方向に配列して印刷されたバーコードを読み取る光学情報読取装置であって、
前記紙葉類を所定の搬送方向に搬送する搬送路と、
前記搬送路上に設けられ、前記紙葉類の前記一辺と平行な方向と前記搬送方向に対して垂直な方向とが一致する状態を基準とした、前記紙葉類の前記搬送方向に対する搬送面内での傾きに関連するパラメータ値を検出する検出部と、
前記搬送路上における前記検出部の後段に設けられ、前記紙葉類の前記傾きを調節するための傾き調節機構と、
前記検出部によって検出された前記パラメータ値に基づいて、前記搬送面内において、前記紙葉類が前記搬送方向に対して傾いて搬送されるように、前記傾き調節機構を制御する制御部と、
前記搬送路上における前記傾き調節機構の後段に設けられ、前記紙葉類に印刷された前記バーコードを読み取るためのラインセンサであって、複数のセンサ素子が、前記搬送面に対して平行であって、前記搬送方向に対して垂直な方向にライン状に配列されたラインセンサと、
を備える光学情報読取装置。
【請求項2】
請求項1記載の光学情報読取装置であって、
前記傾き調節機構は、前記搬送方向と異なる方向に配列され、前記紙葉類を繰り出すための複数の繰り出しローラを含み、
前記制御部は、前記傾き調節機構の制御として、前記複数の繰り出しローラの回転速度を独立して制御する、
光学情報読取装置。
【請求項3】
請求項1または2記載の光学情報読取装置であって、
前記検出部は、前記搬送方向に対して垂直な方向に配列され、前記紙葉類の通過を検知するための複数の通過センサを含み、
前記パラメータ値は、前記複数の通過センサによってそれぞれ検知された前記紙葉類の通過開始タイミングと、前記紙葉類の通過終了タイミングと、を含む、
光学情報読取装置。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれかに記載の光学情報読取装置であって、
前記制御部は、
前記パラメータ値に基づいて、前記紙葉類の前記傾きの角度を算出して、該角度が、前記傾きを一定量変化させても前記ラインセンサによる前記バーコードの読み取りが可能であるか、前記傾きを一定量変化させることによって前記ラインセンサによる前記バーコードの読み取りが可能となる所定の範囲内にあるか否かを判断し、
前記角度が前記所定の範囲内にある場合には、前記傾きが一定量変化するように、前記傾き調節機構を制御し、
前記角度が前記所定の範囲内にない場合には、前記傾きが変化しないように、前記傾き調節機構を制御する、
光学情報読取装置。
【請求項5】
請求項1ないし3のいずれかに記載の光学情報読取装置であって、
前記制御部は、
前記パラメータ値に基づいて、前記紙葉類の前記傾きの角度を算出して、該角度が、前記ラインセンサによる前記バーコードの読み取りに好適な所定の範囲内にあるか否かを判断し、
前記角度が前記所定の範囲内にある場合には、前記角度が変化しないように、前記傾き調節機構を制御し、
前記角度が前記所定の範囲内にない場合には、前記角度が前記所定の範囲内に収まるように、前記傾き調節機構を制御する、
光学情報読取装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−252432(P2012−252432A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−123074(P2011−123074)
【出願日】平成23年6月1日(2011.6.1)
【出願人】(504373093)日立オムロンターミナルソリューションズ株式会社 (1,225)
【Fターム(参考)】