説明

光学材料用樹脂の製造方法

【課題】脈理や白濁を生じることなく、無色透明性で歪みの無い高性能のポリウレタン系樹脂製光学材料(レンズ等)を良好に製造出来る方法を提供する。
【解決手段】水分の含有量が10〜300ppmであることを特徴とする、ポリチオール化合物とポリイソ(チオ)シアナート化合物からなる重合性組成物を重合する光学材料用樹脂の製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリチオール化合物とポリイソ(チオ)シアナート化合物からなる重合性組成物を重合することにより、良好な光学物性を有するポリウレタン系樹脂製光学材料(レンズ等)を製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
樹脂製の光学材料は、無機材料からなる光学材料に比べ軽量で割れ難く、染色が可能である。したがって、近年、例えば眼鏡レンズ、カメラレンズ等の光学材料に急速に普及してきている。
【0003】
光学材料用樹脂には、さらなる高性能化が要求されてきている。具体的には、高屈折率化、高アッベ数化、低比重化、高耐熱性化等が求められてきた。その様な要求に応じて、これまでに様々な光学材料用樹脂が開発され、使用されている。
【0004】
その中でも、ポリウレタン系樹脂に関する提案が盛んに行われてきている。そして、本発明者らも、ポリウレタン系樹脂からなるプラスチックレンズ等の光学材料に関する提案を種々に行っている。
【0005】
ポリウレタン系樹脂の中でも、最も代表的な樹脂として、ポリチオール化合物とポリイソ(チオ)シアナート化合物とを反応させて得られる樹脂が挙げられる。この樹脂は、無色透明で高屈折率低分散であり、衝撃性、染色性、加工性等の特性に優れている。したがって、プラスチックレンズ等の光学材料に最適な樹脂の一つである。中でも樹脂の透明性は、レンズとして必要不可欠な性質である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
光学材料用樹脂を製造する際に、重合して得られた樹脂や光学材料中に脈理や白濁を生じることがある。この脈理や白濁は、光学材料の性能に悪影響を与える場合がある。即ち本発明の目的は、脈理や白濁を生じることなく、無色透明性で歪みの無い高性能のポリウレタン系樹脂製光学材料(レンズ等)を良好に製造出来る方法を提供することにある。
【0007】
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意検討した結果、重合性組成物の重合速度およびポリウレタン系樹脂レンズの白濁や脈理の有無と、重合性組成物中に含まれる水分量との間に密接な相関があることを究明した。
【0008】
通常は、レンズを作製する際、レンズの形状ごとに適した触媒量、昇温パターンを決めることで、脈理や白濁の無い透明なレンズを歩留まり良く得ることができる。また、一般に、重合速度が通常の速度よりも著しく低下した場合は、脈理と白濁の発生率が劇的に上昇し、樹脂の透明性を損なう原因となる場合が多いことは知られている。一方、本発明者らは、ポリチオール化合物とポリイソ(チオ)シアナート化合物からなる重合性組成物中の水分量が、ある特定の値を超えると重合速度が若干低下し、結果として脈理や白濁が発生し、製品の歩留まりが低下する場合があることを見出した。すなわち、重合性組成物中の水分量をある特定の範囲内にすることにより、重合速度低下を抑制し濁り・脈理のない無色透明な高性能のポリウレタン系樹脂レンズが得られることを見出し、本発明を完成するに至ったのである。
【0009】
なお、従来技術では、水分量が多量であると、水がイソ(チア)シアナート化合物と反応して樹脂が発泡したり白濁して透明性が全く無くなくなり、光学材料の工業的生産が困難になることは知られている。しかしながら、本発明は、そのような多量の水分に起因する発泡や白濁現象とは全く異なり、従来は工業的生産上問題無いないと考えられていた非常に微量(ppmオーダー)な特定範囲の水分量と、重合速度およびそれに起因する脈理や白濁との相関関係に基く発明である。このような相関関係は、本発明者らが初めて見出した事項であり、従来技術では知られていなかった。
【課題を解決するための手段】
【0010】
即ち、本発明は、水分の含有量が10〜300ppmであることを特徴とする、ポリチオール化合物とポリイソ(チオ)シアナート化合物からなる重合性組成物を重合する光学材料用樹脂の製造方法である。
【0011】
さらに、本発明は、上記製造方法で得られる樹脂であり、また、その樹脂からなるレンズ等の光学材料である。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、脈理や白濁を生じることなく、無色透明性で歪みの無い高性能のポリウレタン系樹脂製光学材料(レンズ等)を、歩留まり良く、良好に製造出来る。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明においては、ポリチオール化合物とポリイソ(チオ)シアナート化合物からなる重合性組成物を重合することによって、光学材料用ポリウレタン系樹脂を製造する。この重合性組成物の水分含有量は、10〜300ppmの範囲内である。水分含有量は10ppm未満でも問題ないが、原料ポリチオール中の水分、および製造過程におけるポリチオール化合物とイソ(チオ)シアナート化合物との混合操作などによる水分混入などにより、10ppm未満にすることは困難である。さらに、この重合性組成物の水分含有量は、10〜200ppmが好ましい。
【0014】
水分含有量を10〜300ppmにするためには、モノマー製造の段階で極力、水分量を低下させる必要がある。例えば、モノマー製造において溶媒を使用する場合には水との共沸を利用して、脱溶媒と同時に水分量を低下させることができる。さらに系内に残った水分に関しては、減圧下で、室温や加熱下で窒素を流通させることにより、モノマー中の水分量を低下させることができる。また、蒸留精製などが利用できる場合には、初留分のカット量を調節することでモノマー中の水分を低減させることができる。さらに、製造されたモノマーを窒素雰囲気下で管理し、モノマー製造後の吸湿等による水分量の増加を防ぐことで水分量を低いままで維持することが可能となる。
【0015】
本発明においては、上述した各手法によってモノマーや重合性組成物中の水分量を単に低減させるだけなく、そのモノマーや重合性組成物の水分含有量を検査測定することにより、重合に使用可能かどうかを判定することも重要である。すなわち、検査測定の結果、水分含有量が本発明で規定する範囲内であればそのモノマーや重合性組成物を重合に供し、また、範囲外あれば重合に供することなく更に水分量を低減させる為の処理を施し、その後再度検査測定を行なって重合に使用可能かどうかを判定する。
【0016】
重合性組成物の水分含有量が上記特定範囲内であれば、重合速度の大きな低下は起こらず、脈理や白濁のない透明なポリウレタン系樹脂製の光学材料を得る事ができる。また、重合性組成物に用いるポリチオール化合物の水分含有量は、20〜600ppmが好ましく、脈理や白濁の抑制という観点からは20〜400ppmがより好ましい。水分の含有量は、カールフィッシャー水分測定器によって測定することができる。
【0017】
重合性組成物は、ポリチオール化合物とポリイソ(チオ)シアナート化合物を主成分とする組成物である。この他に、必要に応じて、触媒、内部離型剤、UV吸収剤、ブルーイング剤などの任意成分を含んでいても良い。
【0018】
例えば、ポリウレタン系レンズは、ポリチオール化合物、ポリイソ(チオ)シアネート化合物および必要に応じて任意成分をレンズ用の型へ注入し、重合することで製造できる。
【0019】
重合性組成物に用いるポリイソ(チオ)シアナート化合物は、特に制限されず、一分子中に2個以上のイソ(チオ)シアナート基を有する化合物であれば良い。なお、「イソ(チオ)シアナート」とは、「イソシアナート又はイソチオシアナート」を意味する。
【0020】
ポリイソ(チオ)シアナート化合物の具体例としては、ヘキサメチレンジイソシアナート、2,2−ジメチルペンタンジイソシアナート、2,2,4−トリメチルヘキサンジイソシアナート、ブテンジイソシアナート、1,3−ブタジエン−1,4−ジイソシアナート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアナート、1,6,11−ウンデカントリイソシアナート、1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアナート、1,8−ジイソシアナト−4−イソシアナトメチルオクタン、ビス(イソシアナトエチル)カーボネート、ビス(イソシアナトエチル)エーテル、リジンジイソシアナトメチルエステル、リジントリイソシアナート等の脂肪族ポリイソシアナート化合物;
【0021】
2,5−ビス(イソシアナトメチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、2,6−ビス(イソシアナトメチル)−ビシクロ〔2.2.1〕ヘプタン、ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、ジシクロヘキシルメタンジイソシアナート、イソホロンジイソシアナート等の脂環族ポリイソシアナート化合物;
【0022】
1,2−ジイソシアナトベンゼン、1,3−ジイソシアナトベンゼン、1,4−ジイソシアナトベンゼン、2,4−ジイソシアナトトルエン、エチルフェニレンジイソシアナート、イソプロピルフェニレンジイソシアナート、ジメチルフェニレンジイソシアナート、ジエチルフェニレンジイソシアナート、ジイソプロピルフェニレンジイソシアナート、トリメチルベンゼントリイソシアナート、ベンゼントリイソシアナート、ビフェニルジイソシアナート、トルイジンジイソシアナート、4,4'−メチレンビス(フェニルイソシアナート)、4,4'−メチレンビス(2−メチルフェニルイソシアナート)、ビベンジル−4,4'−ジイソシアナート、ビス(イソシアナトフェニル)エチレン、ビス(イソシアナトメチル)ベンゼン、ビス(イソシアナトエチル)ベンゼン、ビス(イソシアナトプロピル)ベンゼン、α,α,α',α'−テトラメチルキシリレンジイソシアナート、ビス(イソシアナトブチル)ベンゼン、ビス(イソシアナトメチル)ナフタリン、ビス(イソシアナトメチルフェニル)エーテル、ビス(イソシアナトエチル)フタレート、2,6−ジ(イソシアナトメチル)フラン等の芳香環化合物を有するポリイソシアナート化合物;
【0023】
ビス(イソシアナトメチル)スルフィド、ビス(イソシアナトエチル)スルフィド、ビス(イソシアナトプロピル)スルフィド、ビス(イソシアナトヘキシル)スルフィド、ビス(イソシアナトメチル)スルホン、ビス(イソシアナトメチル)ジスルフィド、ビス(イソシアナトエチル)ジスルフィド、ビス(イソシアナトプロピル)ジスルフィド、ビス(イソシアナトメチルチオ)メタン、ビス(イソシアナトエチルチオ)メタン、ビス(イソシアナトメチルチオ)エタン、ビス(イソシアナトエチルチオ)エタン、1,5−ジイソシアナト−2−イソシアナトメチル−3−チアペンタン、1,2,3−トリス(イソシアナトメチルチオ)プロパン、1,2,3−トリス(イソシアナトエチルチオ)プロパン、3,5−ジチア−1,2,6,7−ヘプタンテトライソシアナート、2,6−ジイソシアナトメチル−3,5−ジチア−1,7−ヘプタンジイソシアナート、2,5−ジイソシアナートメチルチオフェン、−イソシアナトエチルチオ−2,6−ジチア−1,8−オクタンジイソシアナート等の含硫脂肪族ポリイソシアナート化合物;
【0024】
2−イソシアナトフェニル−4−イソシアナトフェニルスルフィド、ビス(4−イソシアナトフェニル)スルフィド、ビス(4−イソシアナトメチルフェニル)スルフィドなどの芳香族スルフィド系ポリイソシアナート化合物;
【0025】
ビス(4−イソシアナトフェニル)ジスルフィド、ビス(2−メチル−5−イソシアナトフェニル)ジスルフィド、ビス(3−メチル−5−イソシアナトフェニル)ジスルフィド、ビス(3−メチル−6−イソシアナトフェニル)ジスルフィド、ビス(4−メチル−5−イソシアナトフェニル)ジスルフィド、ビス(4−メトキシ−3−イソシアナトフェニル)ジスルフィド等の芳香族ジスルフィド系ポリイソシアナート化合物;
【0026】
2,5−ジイソシアナトテトラヒドロチオフェン、2,5−ジイソシアナトメチルテトラヒドロチオフェン、3,4−ジイソシナトメチルテトラヒドロチオフェン、2,5−ジイソシアナト−1,4−ジチアン、2,5−ジイソシアナトメチル−1,4−ジチアン、4,5−ジイソシアナト−1,3−ジチオラン、4,5−ビス(イソシアナトメチル)−1,3−ジチオラン、4,5−ジイソシアナトメチル−2−メチル−1,3−ジチオラン等の含硫脂環族ポリイソシアナート化合物;
【0027】
1,2−ジイソチオシアナトエタン、1,6−ジイソチオシアナトヘキサン等の脂肪族ポリイソチオシアナート化合物;シクロヘキサンジイソチオシアナート等の脂環族ポリイソチオシアナート化合物;1,2−ジイソチオシアナトベンゼン、1,3−ジイソチオシアナトベンゼン、1,4−ジイソチオシアナトベンゼン、2,4−ジイソチオシアナトトルエン、2,5−ジイソチオシアナト−m−キシレン、4,4'−メチレンビス(フェニルイソチオシアナート)、4,4'−メチレンビス(2−メチルフェニルイソチオシアナート)、4,4'−メチレンビス(3−メチルフェニルイソチオシアナート)、4,4'−ジイソチオシアナトベンゾフェノン、4,4'−ジイソチオシアナト−3,3'−ジメチルベンゾフェノン、ビス(4−イソチオシアナトフェニル)エーテル等の芳香族ポリイソチオシアナート化合物;
【0028】
さらには、1,3−ベンゼンジカルボニルジイソチオシアナート、1,4−ベンゼンジカルボニルジイソチオシアナート、(2,2−ピリジン)−4,4−ジカルボニルジイソチオシアナート等のカルボニルポリイソチオシアナート化合物;チオビス(3−イソチオシアナトプロパン)、チオビス(2−イソチオシアナトエタン)、ジチオビス(2−イソチオシアナトエタン)等の含硫脂肪族ポリイソチオシアナート化合物;
【0029】
1−イソチオシアナト−4−[(2−イソチオシアナト)スルホニル]ベンゼン、チオビス(4−イソチオシアナトベンゼン)、スルホニル(4−イソチオシアナトベンゼン)、ジチオビス(4−イソチオシアナトベンゼン)等の含硫芳香族ポリイソチオシアナート化合物;2,5−ジイソチオシアナトチオフェン、2,5−ジイソチオシアナト−1,4−ジチアン等の含硫脂環族ポリイソチオシアナート化合物;
【0030】
1−イソシアナト−6−イソチオシアナトヘキサン、1−イソシアナト−4−イソチオシアナトシクロヘキサン、1−イソシアナト−4−イソチオシアナトベンゼン、4−メチル−3−イソシアナト−1−イソチオシアナトベンゼン、2−イソシアナト−4,6−ジイソチオシアナト−1,3,5−トリアジン、4−イソシアナトフェニル−4−イソチオシアナトフェニルスルフィド、2−イソシアナトエチル−2−イソチオシアナトエチルジスルフィド等のイソシアナト基とイソチオシアナト基を有するポリイソ(チオ)シアナート化合物;が挙げられる。
【0031】
さらに、これらの塩素置換体、臭素置換体等のハロゲン置換体、アルキル置換体、アルコキシ置換体、ニトロ置換体や多価アルコールとのプレポリマー型変性体、カルボジイミド変性体、ウレア変性体、ビュレット変性体、ダイマー化あるいはトリマー化反応生成物等も使用できる。
【0032】
ただし、ポリイソ(チオ)シアナート化合物は、以上の各例示化合物に限定されるものではない。また、以上の各例示化合物は、単独でも用いても良いし、2種以上を混合して用いてもよい。
【0033】
以上の例示化合物の中でも、特に、少なくとも1種の脂環族イソシアナート化合物を用いることが好ましい。また、脂環族イソシアナート化合物としては、2,5−ビス(イソシアナトメチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、2,6−ビス(イソシアナトメチル)−ビシクロ〔2.2.1〕ヘプタン、ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、ジシクロヘキシルメタンジイソシアナート及びイソホロンジイソシアナートからなる群より選ばれた少なくとも1種の化合物を用いることが好ましい。
【0034】
重合性組成物に用いるポリチオール化合物は、特に制限されず、一分子中に2個以上のチオール基を有する化合物であれば良い。
【0035】
ポリチオール化合物の具体例としては、メタンジチオール、1,2−エタンジチオール、1,1−プロパンジチオール、1,2−プロパンジチオール、1,3−プロパンジチオール、2,2−プロパンジチオール、1,6−ヘキサンジチオール、1,2,3−プロパントリチオール、1,1−シクロヘキサンジチオール、1,2−シクロヘキサンジチオール、2,2−ジメチルプロパン−1,3−ジチオール、3,4−ジメトキシブタン−1,2−ジチオール、2−メチルシクロヘキサン−2,3−ジチオール、1,1−ビス(メルカプトメチル)シクロヘキサン、チオリンゴ酸ビス(2−メルカプトエチルエステル)、2,3−ジメルカプト−1−プロパノール(2−メルカプトアセテート)、2,3−ジメルカプト−1−プロパノール(3−メルカプトプロピオネート)、ジエチレングリコールビス(2−メルカプトアセテート)、ジエチレングリコールビス(3−メルカプトプロピオネート)、1,2−ジメルカプトプロピルメチルエーテル、2,3−ジメルカプトプロピルメチルエーテル、2,2−ビス(メルカプトメチル)−1,3−プロパンジチオール、ビス(2−メルカプトエチル)エーテル、エチレングリコールビス(2−メルカプトアセテート)、エチレングリコールビス(3−メルカプトプロピオネート)、トリメチロールプロパンビス(2−メルカプトアセテート)、トリメチロールプロパンビス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(2−メルカプトアセテート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、テトラキス(メルカプトメチル)メタン等の脂肪族ポリチオール化合物;
【0036】
1,2−ジメルカプトベンゼン、1,3−ジメルカプトベンゼン、1,4−ジメルカプトベンゼン、1,2−ビス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,3−ビス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,4−ビス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,2−ビス(メルカプトエチル)ベンゼン、1,3−ビス(メルカプトエチル)ベンゼン、1,4−ビス(メルカプトエチル)ベンゼン、1,2,3−トリメルカプトベンゼン、1,2,4−トリメルカプトベンゼン、1,3,5−トリメルカプトベンゼン、1,2,3−トリス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,2,4−トリス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,3,5−トリス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,2,3−トリス(メルカプトエチル)ベンゼン、1,2,4−トリス(メルカプトエチル)ベンゼン、1,3,5−トリス(メルカプトエチル)ベンゼン、2,5−トルエンジチオール、3,4−トルエンジチオール、1,3−ジ(p−メトキシフェニル)プロパン−2,2−ジチオール、1,3−ジフェニルプロパン−2,2−ジチオール、フェニルメタン−1,1−ジチオール、2,4−ジ(p−メルカプトフェニル)ペンタン等の芳香族ポリチオール化合物;
【0037】
1,2−ビス(メルカプトエチルチオ)ベンゼン、1,3−ビス(メルカプトエチルチオ)ベンゼン、1,4−ビス(メルカプトエチルチオ)ベンゼン、1,2,3−トリス(メルカプトメチルチオ)ベンゼン、1,2,4−トリス(メルカプトメチルチオ)ベンゼン、1,3,5−トリス(メルカプトメチルチオ)ベンゼン、1,2,3−トリス(メルカプトエチルチオ)ベンゼン、1,2,4−トリス(メルカプトエチルチオ)ベンゼン、1,3,5−トリス(メルカプトエチルチオ)ベンゼン等、及びこれらの核アルキル化物等のメルカプト基以外に硫黄原子を含有する芳香族ポリチオール化合物;
【0038】
ビス(メルカプトメチル)スルフィド、ビス(メルカプトメチル)ジスルフィド、ビス(メルカプトエチル)スルフィド、ビス(メルカプトエチル)ジスルフィド、ビス(メルカプトプロピル)スルフィド、ビス(メルカプトメチルチオ)メタン、ビス(2−メルカプトエチルチオ)メタン、ビス(3−メルカプトプロピルチオ)メタン、1,2−ビス(メルカプトメチルチオ)エタン、1,2−ビス(2−メルカプトエチルチオ)エタン、1,2−ビス(3−メルカプトプロピル)エタン、1,3−ビス(メルカプトメチルチオ)プロパン、1,3−ビス(2−メルカプトエチルチオ)プロパン、1,3−ビス(3−メルカプトプロピルチオ)プロパン、1,2,3−トリス(メルカプトメチルチオ)プロパン、1,2,3−トリス(2−メルカプトエチルチオ)プロパン、1,2,3−トリス(3−メルカプトプロピルチオ)プロパン、1,2−ビス[(2−メルカプトエチル)チオ]−3−メルカプトプロパン、4,8−ジメルカプトメチル−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカン、4,7−ジメルカプトメチル−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカン、5,7−ジメルカプトメチル−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカン、ビス(メルカプトメチル)−3,6,9−トリチア−1,11−ウンデカンジチオール、テトラキス(メルカプトメチルチオメチル)メタン、テトラキス(2−メルカプトエチルチオメチル)メタン、テトラキス(3−メルカプトプロピルチオメチル)メタン、ビス(2,3−ジメルカプトプロピル)スルフィド、ビス(1,3−ジメルカプトプロピル)スルフィド、2,5−ジメルカプト−1,4−ジチアン、2,5−ジメルカプトメチル−1,4−ジチアン、2,5−ジメルカプトメチル−2,5−ジメチル−1,4−ジチアン、ビス(メルカプトメチル)ジスルフィド、ビス(メルカプトエチル)ジスルフィド、ビス(メルカプトプロピル)ジスルフィド等のメルカプト基以外に硫黄原子を含有する脂肪族ポリチオール化合物、及びこれらのチオグリコール酸及びメルカプトプロピオン酸のエステル;
【0039】
ヒドロキシメチルスルフィドビス(2−メルカプトアセテート)、ヒドロキシメチルスルフィドビス(3−メルカプトプロピオネート)、ヒドロキシエチルスルフィドビス(2−メルカプトアセテート)、ヒドロキシエチルスルフィドビス(3−メルカプトプロピオネート)、ヒドロキシプロピルスルフィドビス(2−メルカプトアセテート)、ヒドロキシプロピルスルフィドビス(3−メルカプトプロピオネート)、ヒドロキシメチルジスルフィドビス(2−メルカプトアセテート)、ヒドロキシメチルジスルフィドビス(3−メルカプトプロピオネート)、ヒドロキシエチルジスルフィドビス(2−メルカプトアセテート)、ヒドロキシエチルジスルフィドビス(3−メルカプトプロピオネート)、ヒドロキシプロピルジスルフィドビス(2−メルカプトアセテート)、ヒドロキシプロピルジスルフィドビス(3−メルカプトプロピオネート)、2−メルカプトエチルエーテルビス(2−メルカプトアセテート)、2−メルカプトエチルエーテルビス(3−メルカプトプロピオネート)、1,4−ジチアン−2,5−ジオールビス(2−メルカプトアセテート)、1,4−ジチアン−2,5−ジオールビス(3−メルカプトプロピオネート)、チオジグリコール酸ビス(2−メルカプトエチルエステル)、チオジプロピオン酸ビス(2−メルカプトエチルエステル)、4,4−チオジブチル酸ビス(2−メルカプトエチルエステル)、ジチオジグリコール酸ビス(2−メルカプトエチルエステル)、ジチオジプロピオン酸ビス(2−メルカプトエチルエステル)、4,4−ジチオジブチル酸ビス(2−メルカプトエチルエステル)、チオジグリコール酸ビス(2,3−ジメルカプトプロピルエステル)、チオジプロピオン酸ビス(2,3−ジメルカプトプロピルエステル)、ジチオグリコール酸ビス(2,3−ジメルカプトプロピルエステル)、ジチオジプロピオン酸ビス(2,3−ジメルカプトプロピルエステル)等のその他のメルカプト基以外に硫黄原子とエステル結合を含有する脂肪族ポリチオール化合物;
【0040】
3,4−チオフェンジチオール、2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾール等のメルカプト基以外に硫黄原子を含有する複素環化合物;
【0041】
2−メルカプトエタノール、3−メルカプト−1,2−プロパンジオール、グリセリンジ(メルカプトアセテート)、1−ヒドロキシ−4−メルカプトシクロヘキサン、2,4−ジメルカプトフェノール、2−メルカプトハイドロキノン、4−メルカプトフェノール、3,4−ジメルカプト−2−プロパノール、1,3−ジメルカプト−2−プロパノール、2,3−ジメルカプト−1−プロパノール、1,2−ジメルカプト−1,3−ブタンジオール、ペンタエリスリトールトリス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールモノ(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールビス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールトリス(チオグリコレート)、ジペンタエリスリトールペンタキス(3−メルカプトプロピオネート)、ヒドロキシメチル−トリス(メルカプトエチルチオメチル)メタン、1−ヒドロキシエチルチオ−3−メルカプトエチルチオベンゼン等のメルカプト基以外にヒドロキシ基を含有する化合物;
【0042】
1,1,3,3−テトラキス(メルカプトメチルチオ)プロパン、1,1,2,2−テトラキス(メルカプトメチルチオ)エタン、4,6−ビス(メルカプトメチルチオ)−1,3−ジチアシクロヘキサン、1,1,5,5−テトラキス(メルカプトメチルチオ)−3−チアペンタン、1,1,6,6−テトラキス(メルカプトメチルチオ)−3,4−ジチアヘキサン、2,2−ビス(メルカプトメチルチオ)エタンチオール、2−(4,5−ジメルカプト−2−チアペンチル)−1,3−ジチアシクロペンタン、2,2−ビス(メルカプトメチル)−1,3−ジチアシクロペンタン、2,5−ビス(4,4−ビス(メルカプトメチルチオ)−2−チアブチル)−1,4−ジチアン、2,2−ビス(メルカプトメチルチオ)−1,3−プロパンジチオール、3−メルカプトメチルチオ−1,7−ジメルカプト−2,6−ジチアヘプタン、3,6−ビス(メルカプトメチルチオ)−1,9−ジメルカプト−2,5,8−トリチアノナン、4,6−ビス(メルカプトメチルチオ)−1,9−ジメルカプト−2,5,8−トリチアノナン、3−メルカプトメチルチオ−1,6−ジメルカプト−2,5−ジチアヘキサン、2−(2,2−ビス(メルカプトメチルチオ)エチル)−1,3−ジチエタン、1,1,9,9−テトラキス(メルカプトメチルチオ)−5−(3,3−ビス(メルカプトメチルチオ)−1−チアプロピル)3,7−ジチアノナン、トリス(2,2−ビス(メルカプトメチルチオ)エチル)メタン、トリス(4,4−ビス(メルカプトメチルチオ)−2−チアブチル)メタン、テトラキス(2,2−ビス(メルカプトメチルチオ)エチル)メタン、テトラキス(4,4−ビス(メルカプトメチルチオ)−2−チアブチル)メタン、3,5,9,11−テトラキス(メルカプトメチルチオ)−1,13−ジメルカプト−2,6,8,12−テトラチアトリデカン、3,5,9,11,15,17−ヘキサキス(メルカプトメチルチオ)−1,19−ジメルカプト−2,6,8,12,14,18−ヘキサチアノナデカン、9−(2,2−ビス(メルカプトメチルチオ)エチル)−3,5,13,15−テトラキス(メルカプトメチルチオ)−1,17−ジメルカプト−2,6,8,10,12,16−ヘキサチアヘプタデカン、3,4,8,9−テトラキス(メルカプトメチルチオ)−1,11−ジメルカプト−2,5,7,10−テトラチアウンデカン、3,4,8,9,13,14−ヘキサキス(メルカプトメチルチオ)−1,16−ジメルカプト−2,5,7,10,12,15−ヘキサチアヘキサデカン、8−{ビス(メルカプトメチルチオ)メチル}−3,4,12,13−テトラキス(メルカプトメチルチオ)−1,15−ジメルカプト−2,5,7,9,11,14−ヘキサチアペンタデカン、4,6−ビス{3,5−ビス(メルカプトメチルチオ)−7−メルカプト−2,6−ジチアヘプチルチオ}−1,3−ジチアン、4−{3,5−ビス(メルカプトメチルチオ)−7−メルカプト−2,6−ジチアヘプチルチオ}−6−メルカプトメチルチオ−1,3−ジチアン、1,1−ビス{4−(6−メルカプトメチルチオ)−1,3−ジチアニルチオ}−3,3−ビス(メルカプトメチルチオ)プロパン、1,3−ビス{4−(6−メルカプトメチルチオ)−1,3−ジチアニルチオ}−1,3−ビス(メルカプトメチルチオ)プロパン、1−{4−(6−メルカプトメチルチオ)−1,3−ジチアニルチオ}−3−{2,2−ビス(メルカプトメチルチオ)エチル}−7,9−ビス(メルカプトメチルチオ)−2,4,6,10−テトラチアウンデカン、1−{4−(6−メルカプトメチルチオ)−1,3−ジチアニルチオ}−3−{2−(1,3−ジチエタニル)}メチル−7,9−ビス(メルカプトメチルチオ)−2,4,6,10−テトラチアウンデカン、1,5−ビス{4−(6−メルカプトメチルチオ)−1,3−ジチアニルチオ}−3−{2−(1,3−ジチエタニル)}メチル−2,4−ジチアペンタン、4,6−ビス[3−{2−(1,3−ジチエタニル)}メチル−5−メルカプト−2,4−ジチアペンチルチオ]−1,3−ジチアン、4,6−ビス{4−(6−メルカプトメチルチオ)−1,3−ジチアニルチオ}−1,3−ジチアン、4−{4−(6−メルカプトメチルチオ)−1,3−ジチアニルチオ}−6−{4−(6−メルカプトメチルチオ)−1,3−ジチアニルチオ}−1,3−ジチアン、3−{2−(1,3−ジチエタニル)}メチル−7,9−ビス(メルカプトメチルチオ)−1,11−ジメルカプト−2,4,6,10−テトラチアウンデカン、9−{2−(1,3−ジチエタニル)}メチル−3,5,13,15−テトラキス(メルカプトメチルチオ)−1,17−ジメルカプト−2,6,8,10,12,16−ヘキサチアヘプタデカン、3−{2−(1,3−ジチエタニル)}メチル−7,9,13,15−テトラキス(メルカプトメチルチオ)−1,17−ジメルカプト−2,4,6,10,12,16−ヘキサチアヘプタデカン、3,7−ビス{2−(1,3−ジチエタニル)}メチル−1,9−ジメルカプト−2,4,6,8−テトラチアノナン、4−{3,4,8,9−テトラキス(メルカプトメチルチオ)−11−メルカプト−2,5,7,10−テトラチアウンデシル}−5−メルカプトメチルチオ−1,3−ジチオラン、4,5−ビス{3,4−ビス(メルカプトメチルチオ)−6−メルカプト−2,5−ジチアヘキシルチオ}−1,3−ジチオラン、4−{3,4−ビス(メルカプトメチルチオ)−6−メルカプト−2,5−ジチアヘキシルチオ}−5−メルカプトメチルチオ−1,3−ジチオラン、4−{3−ビス(メルカプトメチルチオ)メチル−5,6−ビス(メルカプトメチルチオ)−8−メルカプト−2,4,7−トリチアオクチル}−5−メルカプトメチルチオ−1,3−ジチオラン、2−[ビス{3,4−ビス(メルカプトメチルチオ)−6−メルカプト−2,5−ジチアヘキシルチオ}メチル]−1,3−ジチエタン、2−{3,4−ビス(メルカプトメチルチオ)−6−メルカプト−2,5−ジチアヘキシルチオ}メルカプトメチルチオメチル−1,3−ジチエタン、2−{3,4,8,9−テトラキス(メルカプトメチルチオ)−11−メルカプト−2,5,7,10−テトラチアウンデシルチオ}メルカプトメチルチオメチル−1,3−ジチエタン、2−{3−ビス(メルカプトメチルチオ)メチル−5,6−ビス(メルカプトメチルチオ)−8−メルカプト−2,4,7−トリチアオクチル}メルカプトメチルチオメチル−1,3−ジチエタン、4,5−ビス[1−{2−(1,3−ジチエタニル)}−3−メルカプト−2−チアプロピルチオ]−1,3−ジチオラン、4−[1−{2−(1,3−ジチエタニル)}−3−メルカプト−2−チアプロピルチオ]−5−{1,2−ビス(メルカプトメチルチオ)−4−メルカプト−3−チアブチルチオ}−1,3−ジチオラン、2−[ビス{4−(5−メルカプトメチルチオ−1,3−ジチオラニル)チオ}]メチル−1、3−ジチエタン、4−{4−(5−メルカプトメチルチオ−1,3−ジチオラニル)チオ}−5−[1−{2−(1,3−ジチエタニル)}−3−メルカプト−2−チアプロピルチオ]−1,3−ジチオラン、更にこれらのオリゴマー等のジチオアセタールもしくはジチオケタール骨格を有する化合物;
【0043】
トリス(メルカプトメチルチオ)メタン、トリス(メルカプトエチルチオ)メタン、1,1,5,5−テトラキス(メルカプトメチルチオ)−2,4−ジチアペンタン、ビス(4,4−ビス(メルカプトメチルチオ)−1,3−ジチアブチル)(メルカプトメチルチオ)メタン、トリス(4,4−ビス(メルカプトメチルチオ)−1,3−ジチアブチル)メタン、2,4,6−トリス(メルカプトメチルチオ)−1,3,5−トリチアシクロヘキサン、2,4−ビス(メルカプトメチルチオ)−1,3,5−トリチアシクロヘキサン、1,1,3,3−テトラキス(メルカプトメチルチオ)−2−チアプロパン、ビス(メルカプトメチル)メチルチオ−1,3,5−トリチアシクロヘキサン、トリス((4−メルカプトメチル−2,5−ジチアシクロヘキシル−1−イル)メチルチオ)メタン、2,4−ビス(メルカプトメチルチオ)−1,3−ジチアシクロペンタン、2−メルカプトエチルチオ−4−メルカプトメチル−1,3−ジチアシクロペンタン、2−(2,3−ジメルカプトプロピルチオ)−1,3−ジチアシクロペンタン、4−メルカプトメチル−2−(2,3−ジメルカプトプロピルチオ)−1,3−ジチアシクロペンタン、4−メルカプトメチル−2−(1,3−ジメルカプト−2−プロピルチオ)−1,3−ジチアシクロペンタン、トリス(2,2−ビス(メルカプトメチルチオ)−1−チアエチル)メタン、トリス(3,3−ビス(メルカプトメチルチオ)−2−チアプロピル)メタン、トリス(4,4−ビス(メルカプトメチルチオ)−3−チアブチル)メタン、2,4,6−トリス(3,3−ビス(メルカプトメチルチオ)−2−チアプロピル)−1,3,5−トリチアシクロヘキサン、テトラキス(3,3−ビス(メルカプトメチルチオ)−2−チアプロピル)メタン等、さらにこれらのオリゴマー等のオルトトリチオ蟻酸エステル骨格を有する化合物;
【0044】
3,3'−ジ(メルカプトメチルチオ)−1,5−ジメルカプト−2,4−ジチアペンタン、2,2'−ジ(メルカプトメチルチオ)−1,3−ジチアシクロペンタン、2,7−ジ(メルカプトメチル)−1,4,5,9−テトラチアスピロ[4,4]ノナン、3,9−ジメルカプト−1,5,7,11−テトラチアスピロ[5,5]ウンデカン、更にこれらのオリゴマー等のオルトテトラチオ炭酸エステル骨格を有する化合物等が挙げられる。
【0045】
ただし、ポリチオール化合物は、以上の各例示化合物に限定されるものではない。また以上の各例示化合物は、単独でも用いても良いし、2種以上を混合して用いてもよい。
【0046】
以上の例示化合物の中でも、特に、1,2−ビス[(2−メルカプトエチル)チオ]−3−メルカプトプロパン、ビス(メルカプトメチル)−3,6,9−トリチア−1,11−ウンデカンジチオール、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、1,1,3,3−テトラキス(メルカプトメチルチオ)プロパン及び2−メルカプトエタノールからなる群より選ばれた少なくとも1種のポリチオール化合物を用いることが好ましい。
【0047】
ポリチオール化合物とポリイソ(チオ)シアナート化合物の使用割合は、通常、SH基/NCO基=0.5〜3.0、好ましくは0.6〜2.0、さらに好ましくは0.8〜1.3の範囲内である。
【0048】
ポリウレタン系樹脂の諸物性、操作性、及び重合反応性等を改良する目的で、ウレタン樹脂を形成するポリチオール化合物とイソ(チオ)シアナート化合物の他に、アミン等に代表される活性水素化合物、エポキシ化合物、オレフィン化合物、カーボネート化合物、エステル化合物、金属、金属酸化物、有機金属化合物、無機物等のウレタン形成原料以外の1種以上の化合物を加えても良い。
【0049】
また、目的に応じて公知の成形法におけると同様に、鎖延長剤、架橋剤、光安定剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、油溶染料、充填剤、離型剤、ブルーイング剤などの種々の物質を添加してもよい。所望の反応速度に調整するために、チオカルバミン酸S−アルキルエステル或いは、ポリウレタンの製造において用いられる公知の反応触媒を適宜に添加することもできる。
【0050】
ポリウレタン系樹脂からなる光学材料は、通常、注型重合により製造される。具体的には、ポリチオール化合物と、ポリイソ(チオ)シアナート化合物を混合する。この混合液(重合性組成物)を必要に応じて適当な方法で脱泡を行った後、光学材料用モールド型中に注入し、通常、低温から高温へ徐々に加熱し重合させる。その後、脱型することにより光学材料が得られる。
【0051】
本発明の方法により製造されるポリウレタン系樹脂は、高屈折率で低分散であり、耐熱性、耐久性に優れ、軽量で耐衝撃性に優れた特徴を有し、さらには色相が良好である。したがって、この樹脂はレンズやプリズム等の光学材料の用途に適している。特に、眼鏡レンズ、カメラレンズ等のレンズの用途に非常に好適である。
【0052】
また、光学材料は、必要に応じ反射防止、高硬度付与、耐磨耗性向上、耐薬品性向上、防雲性付与、あるいはファッション性付与等の改良を目的として、表面研磨、帯電防止処理、ハードコート処理、無反射コート処理、染色処理、調光処理等の物理的、化学的処理を施す事ができる。
【0053】
本発明のポリウレタン系樹脂からなる光学材料は、脈理や白濁が非常に少ないことを特徴とする。すなわち、本発明の光学材料は、各特性に優れ、かつ歩留まり良く製造出来ることを特徴とするものである。なお、これら脈理や白濁の発生率の測定法においては、具体的には、100枚の光学材料を高圧水銀灯下目視で観察し、縞状が確認された場合は脈理が有るものと判定し、濁りが確認された場合は白濁が有るものと判定する。
【実施例】
【0054】
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。重合性組成物中の水分含有量、重合速度および樹脂の脈理・白濁発生率は、以下の方法で評価した。なお、以下の各記載において「部」は「質量部」を意味する。
・水分含有量:カールフィッシャー水分測定器により測定した。具体的には、自動水分測定装置として三菱化学(株)製 KF-100型を用い、水分気化装置として三菱化学(株)製 VA-100型(ボード付)を用いた。
・重合速度:重合性組成物作製時を0時間とし、7時間後の粘度を指標に評価した。
・脈理発生率:「脈理」とは、組成の違いなどから局所的に周囲の正常な屈折率と異なっている現象をいう。本実施例では、100枚のレンズを高圧水銀灯下目視で観察し、縞状が確認されたレンズは脈理が有るものと判定し、脈理発生率を算出した。
・白濁発生率:100枚のレンズを高圧水銀灯下目視で観察し、濁りが確認されたレンズは白濁が有るものと判定し、白濁発生率を算出した。
【0055】
[実施例1]
(重合性組成物の粘度測定)
ジシクロヘキシルメタンジイソシアナート60部、硬化触媒としてジメチル錫ジクロライド0.05部、酸性リン酸エステル(Stepan社製、商品名ゼレックUN)0.10部、紫外線吸収剤(共同薬品社製、商品名バイオソーブ583)0.05部を、10〜15℃にて混合溶解させた。さらに、1,2−ビス[(2−メルカプトエチル)チオ]−3−メルカプトプロパンを主成分とするポリチオール40部を装入混合し、混合均一液(重合性組成物)とした。用いたポリチオールの水分含有量は50ppmで、重合性組成物の水分含有量は20ppmであった。混合均一溶液作製時を0時間とし、7時間後の粘度測定を行った。結果を、表1に示す。
【0056】
(プラスチックレンズの製造)
ジシクロヘキシルメタンジイソシアナート60部、硬化触媒としてジメチル錫ジクロライド0.05部、酸性リン酸エステル(ゼレックUN)0.10部、紫外線吸収剤(バイオソーブ583)0.05部を、10〜15℃にて混合溶解させた。さらに、1,2−ビス[(2−メルカプトエチル)チオ]−3−メルカプトプロパンを主成分とするポリチオール40部を装入混合し、混合均一液(重合性組成物)とした。用いたポリチオールの水分含有量は50ppmで、重合性組成物の水分含有量は、20ppmであった。この混合均一液を600Paにて1時間脱泡を行った後、1μmPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)フィルターにて濾過を行った。次いで、直径75mm、−4Dのガラスモールドとテープからなるレンズ用モールド型へ注入した。このモールド型をオーブンへ投入し、40℃で2時間保持し、4時間かけて50℃まで昇温させ2時間保持し、3時間かけて60℃まで昇温させ2時間保持した。さらに、3時間かけて70℃まで昇温させ2時間保持し、3時間かけて100℃まで昇温させ、さらに1時間かけて130℃まで昇温させ2時間保持した。以上の通り、40℃〜130℃の温度範囲で合計24時間で重合した。重合終了後、オーブンからモールド型を取り出し、離型してレンズを得た。得られたレンズを更に120℃で3時間アニールを行った。このようにしてレンズを100枚作製し、脈理発生率、白濁発生率を算出した。結果を表1に示す。
【0057】
[実施例2]
実施例1で用いた重合性組成物に代えて、水分含有量が100ppmの重合性組成物を用いた他は、実施例1と同様にして、重合性組成物の粘度測定とプラスチックレンズの製造を行なった。結果を、表1に示す。
【0058】
[実施例3]
実施例1で用いた重合性組成物に代えて、水分含有量が200ppmの重合性組成物を用いた他は、実施例1と同様にして、重合性組成物の粘度測定とプラスチックレンズの製造を行なった。結果を、表1に示す。
【0059】
[実施例4]
実施例1で用いた重合性組成物に代えて、水分含有量が300ppmの重合性組成物を用いた他は、実施例1と同様にして、重合性組成物の粘度測定とプラスチックレンズの製造を行なった。結果を、表1に示す。
【0060】
[実施例5]
(重合性組成物の粘度測定)
2,5-ビス(イソシアナトメチル)-ビシクロ[2.2.1]ヘプタンと2,6-ビス(イソシアナトメチル)-ビシクロ〔2.2.1〕ヘプタンの混合物50.6部、硬化触媒としてジブチル錫ジクロライド0.06部、酸性リン酸エステル(ゼレックUN)0.12部、紫外線吸収剤(バイオソーブ583)0.05部を、10〜15℃にて混合溶解させた。さらに、1,2−ビス[(2−メルカプトエチル)チオ]−3−メルカプトプロパンを主成分とするポリチオール25.5部とペンタエリスリトールテトラキス(メルカプトプロピオネート)23.9部をそれぞれ装入混合し、混合均一液(重合性組成物)とした。用いた1,2−ビス[(2−メルカプトエチル)チオ]−3−メルカプトプロパンを主成分とするポリチオールの水分含有量は40ppmで、ペンタエリスリトールテトラキス(メルカプトプロピオネート)の水分含有量含有量20ppmであり、重合性組成物の水分含有量は15ppmであった。混合均一溶液作製時を0時間とし、7時間後の粘度測定を行った。結果を、表1に示す。
【0061】
(プラスチックレンズの製造)
2,5-ビス(イソシアナトメチル)-ビシクロ[2.2.1]ヘプタンと2,6-ビス(イソシアナトメチル)-ビシクロ〔2.2.1〕ヘプタンの混合物50.6部、硬化触媒としてジブチル錫ジクロライド0.06部、酸性リン酸エステル(ゼレックUN)0.12部、紫外線吸収剤(バイオソーブ583)0.05部を、10〜15℃にて混合溶解させた。さらに、1,2−ビス[(2−メルカプトエチル)チオ]−3−メルカプトプロパンを主成分とするポリチオール25.5部とペンタエリスリトールテトラキス(メルカプトプロピオネート)23.9部をそれぞれ装入混合し、混合均一液(重合性組成物)とした。用いた1,2−ビス[(2−メルカプトエチル)チオ]−3−メルカプトプロパンを主成分とするポリチオールの水分含有量は40ppmで、ペンタエリスリトールテトラキス(メルカプトプロピオネート)の水分含有量は20ppmであり、重合性組成物の水分含有量は、15ppmであった。この混合均一液を600Paにて1時間脱泡を行った後、1μmPTFEフィルターにて濾過を行った。次いで、直径75mm、−4Dのガラスモールドとテープからなるレンズ用モールド型へ注入した。このモールド型をオーブンへ投入し、40℃で2時間保持し、4時間かけて50℃まで昇温させ2時間保持し、3時間かけて60℃まで昇温させ2時間保持した。さらに、3時間かけて70℃まで昇温させ2時間保持し、3時間かけて100℃まで昇温させ、さらに1時間かけて130℃まで昇温させ2時間保持した。以上の通り、40℃〜130℃の温度範囲で合計24時間で重合した。重合終了後、オーブンからモールド型を取り出し、離型してレンズを得た。得られたレンズを更に120℃で3時間アニールを行った。このようにしてレンズを100枚作製し、脈理発生率、白濁発生率を算出した。結果を表1に示す。
【0062】
[実施例6]
実施例5で用いた重合性組成物に代えて、水分含有量が150ppmの重合性組成物を用いた他は、実施例5と同様にして、重合性組成物の粘度測定とプラスチックレンズの製造を行なった。結果を、表1に示す。
【0063】
[実施例7]
実施例5で用いた重合性組成物に代えて、水分含有量が300ppmの重合性組成物を用いた他は、実施例5と同様にして、重合性組成物の粘度測定とプラスチックレンズの製造を行なった。結果を、表1に示す。
【0064】
[実施例8]
(重合性組成物の粘度測定)
2,5-ビス(イソシアナトメチル)-ビシクロ[2.2.1]ヘプタンと2,6-ビス(イソシアナトメチル)-ビシクロ〔2.2.1〕ヘプタンの混合物49.7部、硬化触媒としてジブチル錫ジクロライド0.03部、酸性リン酸エステル(ゼレックUN)0.12部、紫外線吸収剤(バイオソーブ583)0.05部を、10〜15℃にて混合溶解させた。さらに、ビス(メルカプトメチル)−3,6,9−トリチア−1,11−ウンデカンジチオールを主成分とするポリチオール25.9部とペンタエリスリトールテトラキス(メルカプトプロピオネート)24.4部をそれぞれ装入混合し、混合均一液(重合性組成物)とした。用いたビス(メルカプトメチル)−3,6,9−トリチア−1,11−ウンデカンジチオールを主成分とするポリチオールの水分含有量は70ppmで、ペンタエリスリトールテトラキス(メルカプトプロピオネート)の水分含有量は20ppmであり、重合性組成物の水分は、21ppmであった。混合均一溶液作製時を0時間とし、7時間後の粘度測定を行った。結果を、表1に示す。
【0065】
(プラスチックレンズの製造)
2,5-ビス(イソシアナトメチル)-ビシクロ[2.2.1]ヘプタンと2,6-ビス(イソシアナトメチル)-ビシクロ〔2.2.1〕ヘプタンの混合物50.6部、硬化触媒としてジブチル錫ジクロライド0.06部、酸性リン酸エステル(ゼレックUN)0.12部、紫外線吸収剤(バイオソーブ583)0.05部を、10〜15℃にて混合溶解させた。さらに、ビス(メルカプトメチル)−3,6,9−トリチア−1,11−ウンデカンジチオールを主成分とするポリチオール25.5部とペンタエリスリトールテトラキス(メルカプトプロピオネート)23.9部をそれぞれ装入混合し、混合均一液(重合性組成物)とした。用いたビス(メルカプトメチル)−3,6,9−トリチア−1,11−ウンデカンジチオールを主成分とするポリチオールの水分含有量は70ppmで、ペンタエリスリトールテトラキス(メルカプトプロピオネート)の水分含有量は20ppmであり、重合性組成物の水分含有量は、21ppmであった。この混合均一液を600Paにて1時間脱泡を行った後、1μmPTFEフィルターにて濾過を行った。次いで、直径75mm、−4Dのガラスモールドとテープからなるレンズ用モールド型へ注入した。このモールド型をオーブンへ投入し、40℃で2時間保持し、4時間かけて50℃まで昇温させ2時間保持し、3時間かけて60℃まで昇温させ2時間保持した。さらに、3時間かけて70℃まで昇温させ2時間保持し、3時間かけて100℃まで昇温させ、さらに1時間かけて130℃まで昇温させ2時間保持した。以上の通り、40℃〜130℃の温度範囲で合計24時間で重合した。重合終了後、オーブンからモールド型を取り出し、離型してレンズを得た。得られたレンズを更に120℃で3時間アニールを行った。このようにしてレンズを100枚作製し、脈理発生率、白濁発生率を算出した。結果を表1に示す。
【0066】
[実施例9]
実施例8で用いた重合性組成物に代えて、水分含有量が150ppmの重合性組成物を用いた他は、実施例8と同様にして、重合性組成物の粘度測定とプラスチックレンズの製造を行なった。結果を、表1に示す。
【0067】
[実施例10]
実施例8で用いた重合性組成物に代えて、水分含有量が300ppmの重合性組成物を用いた他は、実施例8と同様にして、重合性組成物の粘度測定とプラスチックレンズの製造を行なった。結果を、表1に示す。
【0068】
[比較例1]
実施例1で用いた重合性組成物に代えて、水分含有量が500ppmの重合性組成物を用いた他は、実施例1と同様にして、重合性組成物の粘度測定とプラスチックレンズの製造を行なった。結果を、表1に示す。
【0069】
[比較例2]
実施例1で用いた重合性組成物に代えて、水分含有量が1000ppmの重合性組成物を用いた他は、実施例1と同様にして、重合性組成物の粘度測定とプラスチックレンズの製造を行なった。結果を、表1に示す。
【0070】
[比較例3]
実施例5で用いた重合性組成物に代えて、水分含有量が500ppmの重合性組成物を用いた他は、実施例5と同様にして、重合性組成物の粘度測定とプラスチックレンズの製造を行なった。結果を、表1に示す。
【0071】
[比較例4]
実施例8で用いた重合性組成物に代えて、水分含有量が500ppmの重合性組成物を用いた他は、実施例8と同様にして、重合性組成物の粘度測定とプラスチックレンズの製造を行なった。結果を、表1に示す。
【0072】
【表1】

【0073】
適正な触媒量・重合パターンにより得られる、水分含有量の少ない重合性組成物からの樹脂は、脈理・白濁発生率は、0〜15%程度である。実施例、比較例の結果から、重合性組成物の水分含有量の増加に伴い重合速度が低下し、7時間後の粘度が低下することが確認された。その結果、脈理発生率及び白濁発生率が上昇しており、水分含有量300ppmを境に劇的に変化している。水分含有量が一定量を超えると、重合処方と重合速度が見合わなくなり、結果的に脈理発生率及び白濁発生率が上昇すると考察される。この重合性組成物では、水分含有量が低い場合と比較して、水分含有量が300ppmを超えると7時間後の粘度が60%程度の粘度であり、脈理や白濁を抑制するには、この程度に重合速度の低下をとどめておく必要性が示唆される。つまり、水分含有量が10〜300ppmの重合性組成物を使用することで、透明性の高いポリウレタン系樹脂を提供できることが分かった。
【産業上の利用可能性】
【0074】
ポリチオール化合物とポリイソ(チオ)シアナート化合物とを反応させて得られるポリウレタン系樹脂は、無色透明で高屈折率低分散であり、衝撃性、染色性、加工性等に優れたプラスチックレンズに最適な樹脂の一つである。その中でも、樹脂が透明で色相良好な性質が必要不可欠である。本発明は、レンズ等の光学材料として必要不可欠な性質を持つ、透明で高性能な光学材料を歩留まり良く安定的に提供し、当該分野の発展に貢献する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水分の含有量が10〜300ppmであることを特徴とする、ポリチオール化合物とポリイソ(チオ)シアナート化合物からなる重合性組成物を重合する光学材料用樹脂の製造方法。
【請求項2】
ポリチオール化合物中の水分含有量が20〜600ppmである請求項1記載の光学材料用樹脂の製造方法。
【請求項3】
ポリチオール化合物が、1,2−ビス[(2−メルカプトエチル)チオ]−3−メルカプトプロパン、ビス(メルカプトメチル)−3,6,9−トリチア−1,11−ウンデカンジチオール、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、1,1,3,3−テトラキス(メルカプトメチルチオ)プロパン及び2−メルカプトエタノールからなる群より選ばれた少なくとも1種の化合物を含み、イソ(チオ)シアナート化合物が、脂環族イソシアナート化合物の少なくとも1種を含む請求項1記載の光学材料用樹脂の製造方法。
【請求項4】
脂環族イソシアナート化合物が、2,5-ビス(イソシアナトメチル)-ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、2,6-ビス(イソシアナトメチル)-ビシクロ〔2.2.1〕ヘプタン、ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、ジシクロヘキシルメタンジイソシアナート及びイソホロンジイソシアナートからなる群より選ばれた少なくとも1種の化合物を含む請求項3記載の光学材料用樹脂の製造方法。
【請求項5】
光学材料がレンズである請求項1記載の光学材料用樹脂の製造方法。
【請求項6】
請求項1記載の製造方法で得られる光学材料用樹脂。
【請求項7】
請求項6記載の樹脂からなる光学材料。
【請求項8】
請求項6記載の樹脂からなるレンズ。

【公開番号】特開2012−136702(P2012−136702A)
【公開日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−28082(P2012−28082)
【出願日】平成24年2月13日(2012.2.13)
【分割の表示】特願2008−539750(P2008−539750)の分割
【原出願日】平成19年10月9日(2007.10.9)
【出願人】(000005887)三井化学株式会社 (2,318)
【Fターム(参考)】