説明

光学材料用組成物

【課題】 高い屈折率と高いアッベ数および両者の良好なバランスを有する光学材料を得ることができる光学材料用組成物を提供すること。
【解決手段】 下記(1)式で表される環状骨格構造を有する化合物を含む光学材料用組成物。
【化1】


(式中、XはS、SeまたはTeを表す。a〜fは0〜3、8≧a+c+e≧1、8≧b+d+f≧2である。)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラスチックレンズ、プリズム、光ファイバー、情報記録基盤、フィルター等の光学材料、中でも、眼鏡用プラスチックレンズを製造する方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
プラスチック材料は軽量かつ靭性に富み、また染色が容易であることから、各種光学材料、特に眼鏡レンズに近年多用されている。光学材料、中でも眼鏡レンズに特に要求される性能は、低比重に加えるに、高透明性および低黄色度、光学性能として高屈折率と高アッベ数であり、高屈折率はレンズの薄肉化を可能とし、高アッベ数はレンズの色収差を低減する。本願発明者らは薄い肉厚および低い色収差を有する屈折率1.7以上かつアッベ数35以上の光学材料を可能とする新規なエピスルフィド化合物を見いだし、先に特許出願を行った(特開平9−71580号公報、特開平9−110979号公報、特開平9−255781号公報、特願平10−224769号公報、特願平10−224770号公報、特願平11−022199号公報)。しかしながら、これらの発明では屈折率は1.71程度であるため、さらに高い屈折率を有しかつアッベ数は実用上使用限界と考えられる30以上を有する光学材料が望まれていた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、高い屈折率と高いアッベ数および両者の良好なバランスを有する光学材料を得ることができる光学材料用組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明者らはこの課題を解決すべく研究を行った結果、下記(1)式で表される環状骨格構造を有する化合物を含む光学材料用組成物を重合硬化して得られる高屈折率光学材料により解決できることを見出した。
【0005】
【化1】

(式中、XはS、SeまたはTeを表す。a〜fは0〜3、8≧a+c+e≧1、8≧b +d +f ≧2、およびb+d+f≧a+c+eである。)
【発明の効果】
【0006】
本発明の前記(1)式で表される環状骨格構造を有する化合物を含む光学材料用組成物を重合硬化して高いアッベ数、高い屈折率および両者の良好なバランスを有する高屈折率樹脂を得ることが可能となった。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明で使用する(1)式で表される環状骨格構造を有する化合物は、光学材料とした時に高い屈折率と高いアッベ数および両者の良好なバランスを発現するものである。本発明においては、高い屈折率を効果的に発現するために(1)式で表される環状骨格構造を有する化合物が光学材料用組成物全体の1重量%以上であることが好ましく、より好ましくは10重量%以上である。
【0008】
本発明で使用する光学材料用組成物とは、(1)式で表される環状骨格構造を有する化合物と、該化合物の少なくとも1種と反応可能な化合物を必須成分とする混合物である。(1)式で表される環状骨格構造を有する化合物と反応可能な化合物についてはこの反応が該化合物の種類により変化するために一概にはいえないが、飽和および不飽和炭化水素、芳香族化合物、含へテロ有機化合物等多岐にわたることが知られている(一例として、” Реакции серы сорганицеsкимц соеgцненцямц”、М.Г.Воронковら編、Ноьосибирск、1979年)。本発明で使用する(1)式で表される環状骨格構造を有する化合物と反応可能な化合物は、重合硬化することにより光学材料として使用可能な透明樹脂の原料となりうるものであれば、特に限定されるものではない。
【0009】
(1)式で表される環状骨格構造を有する化合物は、(1)式中のXは、S、SeまたはTeのいずれでもかまわないが、好ましくはSまたはSeである。a〜fは0〜3であり、8≧a+c+e≧1、8≧b+d+f≧2である。好ましくは、8≧a+c+e≧1、7≧b+d+f≧2であり、より好ましくは5≧a+c+e≧1、7≧b+d+f≧2である。さらに好ましいものは、b+d+f≧a+c+eの関係も満たす化合物である。また、高い屈折率を得るために、(1)式で表される環状骨格構造を有する化合物分子中の重量中のS、SeおよびTeの合計重量の割合が、50重量%以上であることが好ましい。また(1)式で表される環状骨格構造を有する化合物は、分子内にこの環状骨格構造を2個以上有してもよい。
【0010】
本発明の(1)式で表される環状骨格構造を有する化合物の代表的な具体例は、ジチイラン、1,2−ジチエタン、1,3−ジチエタン、トリチエタン、1,2−ジチオラン、1,3−ジチオラン、1,2,3−トリチオラン、1,2,4−トリチオラン、テトラチオラン、1,2−ジチアン、1,3−ジチアン、1,4−ジチアン、1,2,3−トリチアン、1,2,4−トリチアン、1,3,5−トリチアン、1,2,3,4−テトラチアン、1,2,4,5−テトラチアン、ビス(1,2,3,5,6−ペンタチエパノ)メタン、トリス(1,2,3,5,6−ペンタチエパノ)メタン、1,2−ジチエパン、1,3−ジチエパン、1,4−ジチエパン、1,2,3−トリチエパン、1,2,4−トリチエパン、1,2,5−トリチエパン、1,3,5−トリチエパン、1,2,3,4−テトラチエパン、1,2,3,5−テトラチエパン、1,2,4,5−テトラチエパン、1,2,4,6−テトラチエパン、1,2,3,4,5−ペンタチエパン、1,2,3,4,6−ペンタチエパン、1,2,3,5,6−ペンタチエパン、ヘキサチエパン、ジセレシクロブタン、トリセレシクロブタン、ジセレシクロペンタン、トリセレシクロペンタン、テトラセレシクロペンタン、ジセレシクロヘキサン、トリセレシクロヘキサン、テトラセレシクロヘキサン、ペンタセレシクロヘキサン、ジセレシクロヘプタン、トリセレシクロヘプタン、テトラセレシクロヘプタン、ペンタセレシクロヘプタン、ヘキサセレシクロヘプタン、ジテルロシクロブタン、トリテルロシクロブタン、ジテルロシクロペンタン、トリテルロシクロペンタン、テトラテルロシクロペンタン、ジテルロシクロヘキサン、トリテルロシクロヘキサン、テトラテルロシクロヘキサン、ペンタテルロシクロヘキサン、ジテルロシクロヘプタン、トリテルロシクロヘプタン、テトラテルロシクロヘプタン、ペンタテルロシクロヘプタン、ヘキサテルロシクロヘプタン等およびこれらの環状骨格構造を有する(水素原子のかわりに種々の置換基がついた)化合物が挙げられるが、これらの化合物に限定されるものではない。
【0011】
以上の中でより好ましいものの具体例は、1,2−ジチエタン、1,3−ジチエタン、トリチエタン、1,2−ジチオラン、1,3−ジチオラン、1,2,3−トリチオラン、1,2,4−トリチオラン、テトラチオラン、1,2−ジチアン、1,3−ジチアン、1,4−ジチアン、1,2,3−トリチアン、1,2,4−トリチアン、1,3,5−トリチアン、1,2,3,4−テトラチアン、1,2,4,5−テトラチアン、ペンタチアン、1,2,3,4−テトラチエパン、1,2,3,5−テトラチエパン、1,2,4,5−テトラチエパン、1,2,4,6−テトラチエパン、1,2,3,4,5−ペンタチエパン、1,2,3,4,6−ペンタチエパン、1,2,3,5,6−ペンタチエパン、ヘキサチエパン、ジセレシクロブタン、トリセレシクロブタン、ジセレシクロペンタン、トリセレシクロペンタン、テトラセレシクロペンタン、ジセレシクロヘキサン、トリセレシクロヘキサン、テトラセレシクロヘキサン、ペンタセレシクロヘキサン、ジセレシクロヘプタン、トリセレシクロヘプタン、テトラセレシクロヘプタン、ペンタセレシクロヘプタン、ヘキサセレシクロヘプタン、ジテルロシクロブタン、ジテルロシクロペンタン、トリテルロシクロペンタン、ジテルロシクロヘキサン、トリテルロシクロヘキサン、ジテルロシクロヘプタン、トリテルロシクロヘプタン、テトラテルロシクロヘプタンおよびこれらの環状骨格構造を有する(水素原子のかわりに種々の置換基がついた)化合物である。
【0012】
本発明で使用する(1)式で表される環状骨格構造を有する化合物は、市販され入手が容易な化合物も多くあるが、そうでない化合物は原油や動植物等の天然物から採取抽出しても、またすでに公知の方法で合成してもかまわない。多数ある合成法の一例としては、N.Takedaら,Bull.Chem.Soc.Jpn.,68,2757(1995)、F.Feherら,Angew.Chem.Int.Ed.,7,301(1968)、G.W.Kutneyら,Can.J.Chem,58,1233(1980)があげられる。
【0013】
本発明では、(1)式で表される環状骨格構造を有する化合物に加え、硫黄原子、セレン原子およびテルル原子から選ばれる少なくとも1種を有する有機化合物を含有することが好ましい。好ましくは、(1)式で表される環状骨格構造を有する化合物との共重合性が良好な前記(2)式で表される構造を有する化合物である。また、(1)式で表される環状骨格構造を有する化合物に対する相溶性または溶解性を勘案するならば、硫黄原子、セレン原子およびテルル原子から選ばれる少なくとも1種を有する有機化合物は、該有機化合物分子中の重量中の硫黄原子、セレン原子およびテルル原子の合計重量の割合が、5%以上であることが好ましい。
【0014】
硫黄原子を含む有機化合物の具体例としては、メルカプタン類、スルフィド類、ポリスルフィド類、チオケトン類、チオイソシアネート類、チオールスルフィナート類、チオールスルホナート類、スルフィルイミン類およびその誘導体、スルホニウム塩類、スルホニウムイリド類、スルホン類、スルホキシイミン類およびその誘導体、スルフィン酸類およびその誘導体、スルホン酸類およびその誘導体等を挙げることができる。以下にこれらの代表的な具体例を示す。
(1)メチルメルカプタン、エチルメルカプタン、n−プロピルメルカプタン、n−ブチルメルカプタン、アリルメルカプタン、n−ヘキシルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、n−デシルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、n−テトラデシルメルカプタン、n−ヘキサデシルメルカプタン、n−オクタデシルメルカプタン、シクロヘキシルメルカプタン、iso−プロピルメルカプタン、tert−ブチルメルカプタン、tert−ノニルメルカプタン、tert−ドデシルメルカプタン、フェニルメルカプタン、ベンジルメルカプタン、3−メチルフェニルメルカプタン、4−メチルフェニルメルカプタン、4−クロロベンジルメルカプタン、4−ビニルベンジルメルカプタン、3−ビニルベンジルメルカプタン、メチルメルカプトプロピオネート、2−メルカプトエタノール、3−メルカプト−1,2−プロパンジオール、2−メルカプト−1,3−プロパンジオール、メルカプト酢酸、メルカプトグリコール酸、メルカプトプロピオン酸、メタンジチオール、1,2−ジメルカプトエタン、1,2−ジメルカプトプロパン、1,3−ジメルカプトプロパン、2,2−ジメルカプトプロパン、1,4−ジメルカプトブタン、1,6−ジメルカプトヘキサン、ビス(2−メルカプトエチル)エーテル、ビス(2−メルカプトエチル)スルフィド、1,2−ビス(2−メルカプトエチルオキシ)エタン、1,2−ビス(2−メルカプトエチルチオ)エタン、2,3−ジメルカプト−1−プロパノール、1,3−ジメルカプト−2−プロパノール、1,2,3−トリメルカプトプロパン、2−メルカプトメチル−1,3−ジメルカプトプロパン、2−メルカプトメチル−1,4−ジメルカプトブタン、2−(2−メルカプトエチルチオ)−1,3−ジメルカプトプロパン、4−メルカプトメチル−1,8−ジメルカプト−3,6−ジチアオクタン、2,4−ジメルカプトメチル−1,5−ジメルカプト−3−チアペンタン、4,8−ジメルカプトメチル−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカン、4,7−ジメルカプトメチル−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカン、5,7−ジメルカプトメチル−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカン、1,1,1−トリス(メルカプトメチル)プロパン、テトラキス(メルカプトメチル)メタン、エチレングリコールビス(2−メルカプトアセテート)、エチレングリコールビス(3−メルカプトプロピオネート)、ジエチレングリコールビス(2−メルカプトアセテート)、ジエチレングリコールビス(3−メルカプトプロピオネート)、1,4−ブタンジオールビス(2−メルカプトアセテート)、1,4−ブタンジオールビス(3−メルカプトプロピオネート)、トリメチロールプロパントリス(2−メルカプトアセテート)、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(2−メルカプトセテート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、1,2−ジメルカプトシクロヘキサン、1,3−ジメルカプトシクロヘキサン、1,4−ジメルカプトシクロヘキサン、1,3−ビス(メルカプトメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(メルカプトメチル)シクロヘキサン、2,5−ビス(メルカプトメチル)−1,4−ジチアン、2,5−ビス(2−メルカプトエチル)−1,4−ジチアン、2,5−ビス(2−メルカプトエチルチオメチル)−1,4−ジチアン、2,5−ビス(メルカプトメチル)−1−チアン、2,5−ビス(2−メルカプトエチル)−1−チアン、2,5−ビス(メルカプトメチル)チオフェン等の脂肪族メルカプタン類、および、1,2−ジメルカプトベンゼン、1,3−ジメルカプトベンゼン、1,4−ジメルカプトベンゼン、1,3−ビス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,4−ビス(メルカプトメチル)ベンゼン、2,2’−ジメルカプトビフェニル、4、4’−ジメルカプトビフェニル、ビス(4−メルカプトフェニル)メタン、2,2−ビス(4−メルカプトフェニル)プロパン、ビス(4−メルカプトフェニル)エーテル、ビス(4−メルカプトフェニル)スルフィド、ビス(4−メルカプトフェニル)スルホン、ビス(4−メルカプトメチルフェニル)メタン、2,2−ビス(4−メルカプトメチルフェニル)プロパン、ビス(4−メルカプトメチルフェニル)エーテル、ビス(4−メルカプトメチルフェニル)スルフィド、4−ヒドロキシチオフェノール、メルカプト安息香酸等の芳香族環状メルカプタン類、等のメルカプタン類、(2)ジメチルスルフィド、ジエチルスルフィド、ジプロピルスルフィド、ジブチルスルフィド、ジペンチルスルフィド、ジシクロヘキシルスルフィド、ジフェニルスルフィド、メチルエチルスルフィド、メチルブチルスルフィド、メチルフェニルスルフィド、ジトリフルオロメチルスルフィド等のアルキルスルフィド類、ジビニルスルフィド、ジアリルスルフィド、ジプロパギルスルフィド、ジスチリルスルフィド、ビニルエチルスルフィド、ビニルフェニルスルフィド、アリルフェニルスルフィド、プロパギルフェニルスルフィド、3−または4−ビニルフェニルチオエタノール、3−または4−ビニルベンジルチオエタノール、2−ヒドロキシチオエチルアクリレート、2−ヒドロキシチオエチルメタクリレート等の含硫ビニル化合物、エチレンスルフィド、プロピレスルフィド、チオグリシドール、チオグリシジル酢酸エステル、チオグリシジルプロピオン酸エステル、チオグリシジル安息香酸エステル、メチルチオグリシジルエーテル、エチルチオグリシジルエーテル、プロピルチオグリシジルエーテル、ブチルチオグリシジルエーテル、ビス(エピチオエチル)メタン、1,2−ビス(エピチオエチル)エタン、1,3−ビス(エピチオエチル)プロパン、1,4−ビス(エピチオエチル)ブタン、1,5−ビス(エピチオエチル)ペンタン、1,6−ビス(エピチオエチル)ヘキサン、1,7−ビス(エピチオエチル)ヘプタン、テトラキス(β−エピチオプロピル)メタン、1,1,1−トリス(β−エピチオプロピル)プロパン、1,3−ビス(β−エピチオプロピル)−1−(β−エピチオプロピル)−2−チアプロパン、1,5−ビス(β−エピチオプロピル)−2,4−ビス(β−エピチオプロピル)−3−チアペンタン、1,3および1,4−ビス(エピチオエチル)シクロヘキサン、1,3および1,4−ビス(β−エピチオプロピル)シクロヘキサン、ビス〔4−(エピチオエチル)シクロヘキシル〕メタン、ビス〔4−(β−エピチオプロピル)シクロヘキシル〕メタン、2,2−ビス〔4−(エピチオエチル)シクロヘキシル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(β−エピチオプロピル)シクロヘキシル〕プロパン、ビス〔4−(β−エピチオプロピル)シクロヘキシル〕スルフィド、ビス〔4−(エピチオエチル)シクロヘキシル〕スルフィド、2,5−ビス(エピチオエチル)−1,4−ジチアン、2,5−ビス(β−エピチオプロピル)−1,4−ジチアン、4−エピチオエチル−1、2−シクロヘキセンスルフィド、4−エポキシ−1、2−シクロヘキセンスルフィド、1,3および1,4−ビス(エピチオエチル)ベンゼン、1,3および1,4−ビス(β−エピチオプロピル)ベンゼン、ビス〔4−(エピチオエチル)フェニル〕メタン、ビス〔4−(β−エピチオプロピル)フェニル〕メタン、2,2−ビス〔4−(エピチオエチル)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(β−エピチオプロピル)フェニル〕プロパン、ビス〔4−(エピチオエチル)フェニル〕スルフィド、ビス〔4−(β−エピチオプロピル)フェニル〕スルフィド、ビス〔4−(エピチオエチル)フェニル〕スルフォン、ビス〔4−(β−エピチオプロピル)フェニル〕スルフォン、4,4’−ビス(エピチオエチル)ビフェニル、4,4’−ビス(β−エピチオプロピル)ビフェニル、ビス(β−エピチオプロピル)エーテル、ビス(β−エピチオプロピルオキシ)メタン、1,2−ビス(β−エピチオプロピルオキシ)エタン、1,3−ビス(β−エピチオプロピルオキシ)プロパン、1,2−ビス(β−エピチオプロピルオキシ)プロパン、1−(β−エピチオプロピルオキシ)−2−(β−エピチオプロピルオキシメチル)プロパン、1,4−ビス(β−エピチオプロピルオキシ)ブタン、1,3−ビス(β−エピチオプロピルオキシ)ブタン、1−(β−エピチオプロピルオキシ)−3−(β−エピチオプロピルオキシメチル)ブタン、1,5−ビス(β−エピチオプロピルオキシ)ペンタン、1−(β−エピチオプロピルオキシ)−4−(β−エピチオプロピルオキシメチル)ペンタン、1,6−ビス(β−エピチオプロピルオキシ)ヘキサン、1−(β−エピチオプロピルオキシ)−5−(β−エピチオプロピルオキシメチル)ヘキサン、1−(β−エピチオプロピルオキシ)−2−〔(2−β−エピチオプロピルオキシエチル)オキシ〕エタン、1−(β−エピチオプロピルオキシ)−2−[〔2−(2−β−エピチオプロピルオキシエチル)オキシエチル〕オキシ]エタン、テトラキス(β−エピチオプロピルオキシメチル)メタン、1,1,1−トリス(β−エピチオプロピルオキシメチル)プロパン、1,5−ビス(β−エピチオプロピルオキシ)−2−(β−エピチオプロピルオキシメチル)−3−チアペンタン、1,5−ビス(β−エピチオプロピルオキシ)−2,4−ビス(β−エピチオプロピルオキシメチル)−3−チアペンタン、1−(β−エピチオプロピルオキシ)−2,2−ビス(β−エピチオプロピルオキシメチル)−4−チアヘキサン、1,5,6−トリス(β−エピチオプロピルオキシ)−4−(β−エピチオプロピルオキシメチル)−3−チアヘキサン、1,8−ビス(β−エピチオプロピルオキシ)−4−(β−エピチオプロピルオキシメチル)−3,6−ジチアオクタン、1,8−ビス(β−エピチオプロピルオキシ)−4,5ビス(β−エピチオプロピルオキシメチル)−3,6−ジチアオクタン、1,8−ビス(β−エピチオプロピルオキシ)−4,4−ビス(β−エピチオプロピルオキシメチル)−3,6−ジチアオクタン、1,8−ビス(β−エピチオプロピルオキシ)−2,4,5−トリス(β−エピチオプロピルオキシメチル)−3,6−ジチアオクタン、1,8−ビス(β−エピチオプロピルオキシ)−2,5−ビス(β−エピチオプロピルオキシメチル)−3,6−ジチアオクタン、1,9−ビス(β−エピチオプロピルオキシ)−5−(β−エピチオプロピルオキシメチル)−5−〔(2−β−エピチオプロピルオキシエチル)オキシメチル〕−3,7−ジチアノナン、1,10−ビス(β−エピチオプロピルオキシ)−5,6−ビス〔(2−β−エピチオプロピルオキシエチル)オキシ〕−3,6,9−トリチアデカン、1,11−ビス(β−エピチオプロピルオキシ)−4,8−ビス(β−エピチオプロピルオキシメチル)−3,6,9−トリチアウンデカン、1,11−ビス(β−エピチオプロピルオキシ)−5,7−ビス(β−エピチオプロピルオキシメチル)−3,6,9−トリチアウンデカン、1,11−ビス(β−エピチオプロピルオキシ)−5,7−〔(2−β−エピチオプロピルオキシエチル)オキシメチル〕−3,6,9−トリチアウンデカン、1,11−ビス(β−エピチオプロピルオキシ)−4,7−ビス(β−エピチオプロピルオキシメチル)−3,6,9−トリチアウンデカン等、1,3および1,4−ビス(β−エピチオプロピルオキシ)シクロヘキサン、1,3および1,4−ビス(β−エピチオプロピルオキシメチル)シクロヘキサン、ビス〔4−(β−エピチオプロピルオキシ)シクロヘキシル〕メタン、2,2−ビス〔4−(β−エピチオプロピルオキシ)シクロヘキシル〕プロパン、ビス〔4−(β−エピチオプロピルオキシ)シクロヘキシル〕スルフィド、2,5−ビス(β−エピチオプロピルオキシメチル)−1,4−ジチアン、2,5−ビス(β−エピチオプロピルオキシエチルオキシメチル)−1,4−ジチアン等、1、3および1,4−ビス(β−エピチオプロピルオキシ)ベンゼン、1,3および1,4−ビス(β−エピチオプロ
ピルオキシメチル)ベンゼン、ビス〔4−(β−エピチオプロピルオキシ)フェニル〕メタン、2,2−ビス〔4−(β−エピチオプロピルオキシ)フェニル〕プロパン、ビス〔4−(β−エピチオプロピルオキシ)フェニル〕スルフィド、ビス〔4−(β−エピチオプロピルオキシ)フェニル〕スルフォン、4,4’−ビス(β−エピチオプロピルオキシ)ビフェニル、ビス(β−エピチオプロピル)スルフィド、ビス(β−エピチオプロピルチオ)メタン、1,2−ビス(β−エピチオプロピルチオ)エタン、1,3−ビス(β−エピチオプロピルチオ)プロパン、1,2−ビス(β−エピチオプロピルチオ)プロパン、1−(β−エピチオプロピルチオ)−2−(β−エピチオプロピルチオメチル)プロパン、1,4−ビス(β−エピチオプロピルチオ)ブタン、1,3−ビス(β−エピチオプロピルチオ)ブタン、1−(β−エピチオプロピルチオ)−3−(β−エピチオプロピルチオメチル)ブタン、1,5−ビス(β−エピチオプロピルチオ)ペンタン、1−(β−エピチオプロピルチオ)−4−(β−エピチオプロピルチオメチル)ペンタン、1,6−ビス(β−エピチオプロピルチオ)ヘキサン、1−(β−エピチオプロピルチオ)−5−(β−エピチオプロピルチオメチル)ヘキサン、1−(β−エピチオプロピルチオ)−2−〔(2−β−エピチオプロピルチオエチル)チオ〕エタン、1−(β−エピチオプロピルチオ)−2−[〔2−(2−β−エピチオプロピルチオエチル)チオエチル〕チオ]エタン、テトラキス(β−エピチオプロピルチオメチル)メタン、1,1,1−トリス(β−エピチオプロピルチオメチル)プロパン、1,5−ビス(β−エピチオプロピルチオ)−2−(β−エピチオプロピルチオメチル)−3−チアペンタン、1,5−ビス(β−エピチオプロピルチオ)−2,4−ビス(β−エピチオプロピルチオメチル)−3−チアペンタン、1−(β−エピチオプロピルチオ)−2,2−ビス(β−エピチオプロピルチオメチル)−4−チアヘキサン、1,5,6−トリス(β−エピチオプロピルチオ)−4−(β−エピチオプロピルチオメチル)−3−チアヘキサン、1,8−ビス(β−エピチオプロピルチオ)−4−(β−エピチオプロピルチオメチル)−3,6−ジチアオクタン、1,8−ビス(β−エピチオプロピルチオ)−4,5ビス(β−エピチオプロピルチオメチル)−3,6−ジチアオクタン、1,8−ビス(β−エピチオプロピルチオ)−4,4−ビス(β−エピチオプロピルチオメチル)−3,6−ジチアオクタン、1,8−ビス(β−エピチオプロピルチオ)−2,4,5−トリス(β−エピチオプロピルチオメチル)−3,6−ジチアオクタン、1,8−ビス(β−エピチオプロピルチオ)−2,5−ビス(β−エピチオプロピルチオメチル)−3,6−ジチアオクタン、1,9−ビス(β−エピチオプロピルチオ)−5−(β−エピチオプロピルチオメチル)−5−〔(2−β−エピチオプロピルチオエチル)チオメチル〕−3,7−ジチアノナン、1,10−ビス(β−エピチオプロピルチオ)−5,6−ビス〔(2−β−エピチオプロピルチオエチル)チオ〕−3,6,9−トリチアデカン、1,11−ビス(β−エピチオプロピルチオ)−4,8−ビス(β−エピチオプロピルチオメチル)−3,6,9−トリチアウンデカン、1,11−ビス(β−エピチオプロピルチオ)−5,7−ビス(β−エピチオプロピルチオメチル)−3,6,9−トリチアウンデカン、1,11−ビス(β−エピチオプロピルチオ)−5,7−〔(2−β−エピチオプロピルチオエチル)チオメチル〕−3,6,9−トリチアウンデカン、1,11−ビス(β−エピチオプロピルチオ)−4,7−ビス(β−エピチオプロピルチオメチル)−3,6,9−トリチアウンデカン、テトラ〔2−(β−エピチオプロピルチオ)アセチルメチル〕メタン、1、1、1−トリ〔2−(β−エピチオプロピルチオ)アセチルメチル〕プロパン、テトラ〔2−(β−エピチオプロピルチオメチル)アセチルメチル〕メタン、1、1、1−トリ〔2−(β−エピチオプロピルチオメチル)アセチルメチル〕プロパン、1,3および1,4−ビス(β−エピチオプロピルチオ)シクロヘキサン、1,3および1,4−ビス(β−エピチオプロピルチオメチル)シクロヘキサン、ビス〔4−(β−エピチオプロピルチオ)シクロヘキシル〕メタン、2,2−ビス〔4−(β−エピチオプロピルチオ)シクロヘキシル〕プロパン、ビス〔4−(β−エピチオプロピルチオ)シクロヘキシル〕スルフィド、2,5−ビス(β−エピチオプロピルチオメチル)−1,4−ジチアン、2,5−ビス(β−エピチオプロピルチオエチルチオメチル)−1,4−ジチアン、1,3および1,4−ビス(β−エピチオプロピルチオ)ベンゼン、1,3および1,4−ビス(β−エピチオプロピルチオメチル)ベンゼン、ビス〔4−(β−エピチオプロピルチオ)フェニル〕メタン、2,2−ビス〔4−(β−エピチオプロピルチオ)フェニル〕プロパン、ビス〔4−(β−エピチオプロピルチオ)フェニル〕スルフィド、ビス〔4−(β−エピチオプロピルチオ)フェニル〕スルフォン、4,4’−ビス(β−エピチオプロピルチオ)ビフェニル等のエピスルフィド類および以上のエピスルフィド化合物のエピチオ基の水素の一部または全部がメチル基で置換されたエピスルフィド類、2−エチルチオエタノール、ビス(2−ヒドロキシエチル)スルフィド、1,2−ビス(2−ヒドロキシエチルチオ)エタン、2−(2−ヒドロキシエチルチオ)−1,3−ジヒドロキシプロパン、4−ヒドロキシメチル−1,8−ジヒドロキシ−3,6−ジチアオクタン、2,4−ジヒドロキシメチル−1,5−ジヒドロキシ−3−チアペンタン、4,8−ジヒドロキシメチル−1,11−ジヒドロキシ−3,6,9−トリチアウンデカン、4,7−ジヒドロキシメチル−1,11−ジヒドロキシ−3,6,9−トリチアウンデカン、5,7−ジヒドロキシメチル−1,11−ジヒドロキシ−3,6,9−トリチアウンデカン、2,2’−チオジフェノール、4,4’−チオジフェノール等の含硫アルコール類、2,2’−チオジグリコール酸、3,3’−チオジプロピオン酸、2,2’−チオジ安息香酸、4,4’−チオジ安息香酸等の含硫カルボン類、さらにはこれらの酸無水物、酸ハライド、エステル、アミド、ヒドラジド、ヒドラゾン、アジド、アルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩等の誘導体、ビス(β−エポキシプロピル)スルフィド、ビス(β−エポキシプロピルチオ)メタン、1,2−ビス(β−エポキシプロピルチオ)エタン、1,3−ビス(β−エポキシプロピルチオ)プロパン、1,2−ビス(β−エポキシプロピルチオ)プロパン、1−(β−エポキシプロピルチオ)−2−(β−エポキシプロピルチオメチル)プロパン、1,4−ビス(β−エポキシプロピルチオ)ブタン、1,3−ビス(β−エポキシプロピルチオ)ブタン、1−(β−エポキシプロピルチオ)−3−(β−エポキシプロピルチオメチル)ブタン、1,5−ビス(β−エポキシプロピルチオ)ペンタン、1−(β−エポキシプロピルチオ)−4−(β−エポキシプロピルチオメチル)ペンタン、1,6−ビス(β−エポキシプロピルチオ)ヘキサン、1−(β−エポキシプロピルチオ)−5−(β−エポキシプロピルチオメチル)ヘキサン、1−(β−エポキシプロピルチオ)−2−〔(2−β−エポキシプロピルチオエチル)チオ〕エタン、1−(β−エポキシプロピルチオ)−2−[〔2−(2−β−エポキシプロピルチオエチル)チオエチル〕チオ]エタン、テトラキス(β−エポキシプロピルチオメチル)メタン、1,1,1−トリス(β−エポキシプロピルチオメチル)プロパン、1,5−ビス(β−エポキシプロピルチオ)−2−(β−エポキシプロピルチオメチル)−3−チアペンタン、1,5−ビス(β−エポキシプロピルチオ)−2,4−ビス(β−エポキシプロピルチオメチル)−3−チアペンタン、1−(β−エポキシプロピルチオ)−2,2−ビス(β−エポキシプロピルチオメチル)−4−チアヘキサン、1,5,6−トリス(β−エポキシプロピルチオ)−4−(β−エポキシプロピルチオメチル)−3−チアヘキサン、1,8−ビス(β−エポキシプロピルチオ)−4−(β−エポキシプロピルチオメチル)−3,6−ジチアオクタン、1,8−ビス(β−エポキシプロピルチオ)−4,5ビス(β−エポキシプロピルチオメチル)−3,6−ジチアオクタン、1,8−ビス(β−エポキシプロピルチオ)−4,4−ビス(β−エポキシプロピルチオメチル)−3,6−ジチアオクタン、1,8−ビス(β−エポキシプロピルチオ)−2,4,5−トリス(β−エポキシプロピルチオメチル)−3,6−ジチアオクタン、1,8−ビス(β−エポキシプロピルチオ)−2,5−ビス(β−エポキシプロピルチオメチル)−3,6−ジチアオクタン、1,9−ビス(β−エポキシプロピルチオ)−5−(β−エポキシプロピルチオメチル)−5−〔(2−β−エポキシプロピルチオエチル)チオメチル〕−3,7−ジチアノナン、1,10−ビス(β−エポキシプロピルチオ)−5,6−ビス〔(2−β−エポキシプロピルチオエチル)チオ〕−3,6,9−トリチアデカン、1,11−ビス(β−エポキシプロピルチオ)−4,8−ビス(β−エポキシプロピルチオメチル)−3,6,9−トリチアウンデカン、1,11−ビス(β−エポキシプロピルチオ)−5,7−ビス(β−エポキシプロピルチオメチル)−3,6,9−トリチアウンデカン、1,11−ビス(β−エポキシプロピルチオ)−5,7−〔(2−β−エポキシプロピルチオエチル)チオメチル〕−3,6,9−トリチアウンデカン、1,11−ビス(β−エポキシプロピルチオ)−4,7−ビス(β−エポキシプロピルチオメチル)−3,6,9−トリチアウンデカン、1,3および1,4−ビス(β−エポキシプロピルチオ)シクロヘキサン、1,3および1,4−ビス(β−エポキシプロピルチオメチル)シクロヘキサン、ビス〔4−(β−エポキシプロピルチオ)シクロヘキシル〕メタン、2,2−ビス〔4−(β−エポキシプロピルチオ)シクロヘキシル〕プロパン、ビス〔4−(β−エポキシプロピルチオ)シクロヘキシル〕スルフィド、2,5−ビス(β−エポキシプロピルチオメチル)−1,4−ジチアン、2,5−ビス(β−エポキシプロピルチオエチルチオメチル)−1,4−ジチアン、1,3および1,4−ビス(β−エポキシプロピルチオ)ベンゼン、1,3および1,4−ビス(β−エポキシプロピルチオメチル)ベンゼン、ビス〔4−(β−エポキシプロピルチオ)フェニル〕メタン、2,2−ビス〔4−(β−エポキシプロピルチオ)フェニル〕プロパン、ビス〔4−(β−エポキシプロピルチオ)フェニル〕スルフィド、ビス〔4−(β−エポキシプロピルチオ)フェニル〕スルフォン、4,4’−ビス(β−エポキシプロピルチオ)ビフェニル等の含硫エポキシ類、チオジエチルジイソシアネート、チオジプロピルジイソシアネート、チオジヘキシルジイソシアネート、ビス〔(4−イソシアナトメチル)フェニル〕スルフィド、2,5−ジイソシアナト−1,4−ジチアン、2,5−ジイソシアナトメチル−1,4−ジチアン、2,5−ジイソシアナトメチルチオフェン、ジチオジエチルジイソシアネート、ジチオジプロピルジイソシアネート等の含硫イソシアネート類、等のスルフィド類、(3)スルフィド結合を有する(1)の化合物および(2)の化合物のスルフィド結合の一部または全部がジスルフィドやトリスルフィド等のポリスルフィド結合に置き換わったポリスルフィド類、(4)ジメチルチオケトン、ジエチルチオケトン、ジブチルチオケトン、ジシクロヘキシルチオケトン、ジフェニルチオケトン、メチルエチルチオケトン、メチルブチルチオケトン、メチルフェニルチオケトン、ビニルフェニルチオケトン、アリルフェニルチオケトン、プロパギルフェニルチオケトン、ジトリフルオロメチルチオケトン、シクロプロパンチオン、シクロブタンチオン、シクロペンタンチオン、シクロヘキサンチオン、シクロプロパンチオン、ビスムチオール2、ε−チオカプロラクタム、チオ尿素、2−イミダゾリジ
ンチオン、1,1’−チオカルボニルジイミダゾール、ジエチルトリチオカーボネイト、ジフェニルトリチオカーボネイト等のチオケトン類、(5)メチルチオイソシアネート、エチルチオイソシアネート、プロピルチオイソシアネート、iso−プロピルチオイソシアネート、n−ブチルチオイソシアネート、sec−ブチルチオイソシアネート、tert−ブチルチオイソシアネート、ペンチルチオイソシアネート、ヘキシルチオイソシアネート、オクチルチオイソシアネート、ドデシルチオイソシアネート、シクロヘキシルチオイソシアネート、フェニルチオイソシアネート、トルイルチオイソシアネート、エチレンジチオイソシアネート、テトラメチレンジチオイソシアネート、ヘキサメチレンジチオイソシアネート、シクロヘキサンジチオイソシアネート、1,3−ビス(チオイソシアナトメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(チオイソシアナトメチル)シクロヘキサン、イソホロンジチオイソシアネート、2,6−ビス(チオイソシアナトメチル)デカヒドロナフタレン、リジントリチオイソシアネート、1,3−フェニレンジチオイソシアネート、1,4−フェニレンジチオイソシアネート、4,4’−ジチオイソシアナトビフェニル、4,4’−ジチオイソシアナト−3,3’−ジメチルビフェニル、1,1’−メチレンビス(4−チオイソシアナトベンゼン)、1,1’−メチレンビス(3−メチル−4−チオイソシアナトベンゼン)、m−キシリレンジチオイソシアネート、p−キシリレンジチオイソシアネート、1,3−ビス(2−チオイソシアナト−2−プロピル)ベンゼン、2,6−ビス(チオイソシアナトメチル)ナフタレン等のチオイソシアネート類、さらにはこれらのポリチオイソシアネート類のビュレット型反応によるニ量体、環化三量体およびこれらのポリチオイソシアネート類とアルコールもしくはチオールの付加したポリチオイソシアネート類、(6)ジメチルチオールスルフィナート、ジエチルチオールスルフィナート、ジブチルチオールスルフィナート、ジシクロヘキシルチオールスルフィナート、ジフェニルチオールスルフィナート、メチルエチルチオールスルフィナート、メチルブチルチオールスルフィナート、メチルフェニルチオールスルフィナート、ビニルフェニルチオールスルフィナート、アリルフェニルチオールスルフィナート、1,2−ジチオラン−1−オキシド、1,2−ジチアン−1−オキシド等のチオールスルフィナート類、(7)ジメチルチオールスルホナート、ジエチルチオールスルホナート、ジブチルチオールスルホナート、ジシクロヘキシルチオールスルホナート、ジフェニルチオールスルホナート、メチルエチルチオールスルホナート、メチルブチルチオールスルホナート、メチルフェニルチオールスルホナート、ビニルフェニルチオールスルホナート、アリルフェニルチオールスルホナート、1,2−ジチオラン−1,1−ジオキシド、1,2−ジチアン−1,1−ジオキシド等のチオールスルホナート類、(8)ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシド、ジブチルスルホキシド、ジシクロヘキシルスルホキシド、ジフェニルスルホキシド、ジベンジルスルホキシド、ジp−トルイルスルホキシド、ビス(4−クロロフェニル)スルホキシド、メチルエチルスルホキシド、メチルメチルチオメチルスルホキシド、メチルブチルスルホキシド、メチルフェニルスルホキシド、ビニルフェニルスルホキシド、アリルフェニルスルホキシド、プロパギルフェニルスルホキシド、チイランオキシド、チエタンオキシド、チオランオキシド、チアンオキシド、1,4−ジチアンオキシド、1,4−ジチアン−1,4−ジオキシド等のスルホキシド類、(9)ジメチルスルフィルイミン、ジブチルスルフィルイミン、ジフェニルスルフィルイミン、ジトルイルスルホニウムブチリド等のスルフィルイミン類、さらにはこれらのN−アルキル置換体およびベタイン等の誘導体、(10)トリメチルスルホニウムブロマイド、トリメチルスルホニウムヨーダイド、トリメチスルホニウムハイドロオキサイド、トリエチルスルホニウムブロマイド、トリ−n−ブチルスルホニウムクロライド、トリ−n−ブチルスルホニウムブロマイド、トリ−n−ブチルスルホニウムヨーダイド、トリ−n−ブチルスルホニウムテトラフルオロボーレート、トリ−n−ヘキシルスルホニウムブロマイド、トリ−n−オクチルスルホニウムブロマイド、トリフェニルスルホニウムクロライド、トリフェニルスルホニウムブロマイド、トリフェニルスルホニウムヨーダイド、トリフェニルスルホニウムテトラフルオロボーレート、(2−カルボキシエチル)ジメチルスルホニウムクロライド、2−カルボキシエチル)ジメチルスルホニウムブロマイド等のスルホニウム塩類、(11)ジメチルスルホニウムメチリド、ジメチルオキソスルホニウムメチリド、ジフェニルスルホニウムメチリド、ジフェニルスルホニウムブチリド等のスルホニウムイリド類、(12)ジメチルスルホン、ジエチルスルホン、ジブチルスルホン、ジシクロヘキシルスルホン、ジフェニルスルホン、メチルエチルスルホン、メチルブチルスルホン、メチルフェニルスルホン、ビニルフェニルスルホン、アリルフェニルスルホン、プロパギルフェニルスルホン、エピスルホン、トリメチレンスルホン、スルホラン、スルホレン、テトラメチレンスルホン、1,4−ジチアン−1,1−ジオキシド、1,4−ジチアンテトラオキシド等のスルホン類、(13)ジメチルスルホキシイミン、ジエチルスルホキシイミン、ジブチルスルホキシイミン、ジシクロヘキシルスルホキシイミン、ジフェニルスルホキシイミン、メチルエチルスルホキシイミン、メチルブチルスルホキシイミン、メチルフェニルスルホキシイミン、ビニルフェニルスルホキシイミン、アリルフェニルスルホキシイミン、プロパギルフェニルスルホキシイミン等のスルホキシイミン類、さらにはこれらのN−アルキル置換体およびベタイン等の誘導体、(14)メタンスルフィン酸、エタンスルフィン酸、ブタンスルフィン酸、ドデカンスルフィン酸、ヒドロキシメタンスルフィン酸、ベンゼンスルフィン酸、o−トルエンスルフィン酸、m−トルエンスルフィン酸、p−トルエンスルフィン酸、エチルベンゼンスルフィン酸、ブチルベンゼンスルフィン酸、ドデシルベンゼンスルフィン酸、ビニルベンゼンスルフィン酸、p−フェノールスルフィン酸、o−クレゾールスルフィン酸、p−クロロベンゼンスルフィン酸、p−アセトアミドベンゼンスルフィン酸、ビフェニルスルフィン酸、α−ナフタレンスルフィン酸、β−ナフタレンスルフィン酸等のスルフィン酸類、さらにはこれらの酸無水物、酸ハライド、エステル、アミド、ヒドラジド、ヒドラゾン、アジド、アルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩等の誘導体、(15)メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ブタンスルホン酸、ドデカンスルホン酸、ヒドロキシメタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、o−トルエンスルホン酸、m−トルエンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、エチルベンゼンスルホン酸、ブチルベンゼンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、ビニルベンゼンスルホン酸、p−フェノールスルホン酸、o−クレゾールスルホン酸、p−クロロベンゼンスルホン酸、p−アセトアミドベンゼンスルホン酸、メタニル酸、スルファニル酸、4B−酸、ジアミノスチルベンスルホン酸、ビフェニルスルホン酸、α−ナフタレンスルホン酸、β−ナフタレンスルホン酸、ペリ酸、ローレント酸、フェニルJ酸等のスルホン酸類、さらにはこれらの酸無水物、酸ハライド、エステル、アミド、ヒドラジド、ヒドラゾン、アジド、アルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩等の誘導体。
【0015】
セレン原子を含む有機化合物の具体例としては、セレノール類、セレニド類、ポリセレニド類等の先述の硫黄原子を含む有機化合物の硫黄原子の一部または全部をセレン原子に置き換えた化合物等が挙げられる。
【0016】
テルル原子を含む有機化合物の具体例としては、テルロール類、テルリド類、ポリテルリド類等の先述の硫黄原子を含む有機化合物の硫黄原子の一部または全部をテルル原子に置き換えた化合物等が挙げられる。
【0017】
以上、硫黄原子、セレン原子およびテルル原子から選ばれる少なくとも1種を有する有機化合物を例示したが、本発明では硫黄原子、セレン原子およびテルル原子から選ばれる少なくとも種を有するすべての有機化合物を包括し、これら列記化合物に限定されるものではない。また、これら有機化合物は、単独でも2種類以上を混合して使用してもかまわない。
【0018】
硫黄原子およびセレン原子を1個以上有する有機化合物の合成方法については、古くから多くの研究が報告されており、これら公知の合成方法またはこれらいくつかの組み合わせにより容易に合成できる。これらの合成方法についての多数の総説著書の一例として、「有機硫黄化学−合成反応編−」(大饗茂編、化学同人、1982年)、「Organoselenium Chemistry」(Dennis Liotta編、John Wiley & Sons、1987年)、「化学増刊115ヘテロ元素の有機化学」(稲本直樹ら編、化学同人、1988年)、「第4版実験化学講座有機合成VI」(日本化学会編、丸善、1992年)、などがあげられる。
【0019】
また、硫黄原子、セレン原子およびテルル原子から選ばれる少なくとも1種を有する有機化合物は、好ましくは(1)式で表される環状骨格構造を有する化合物との共重合性が良好な下記(2)式で表される構造を有する化合物である。
【化2】

(式中、R1 は炭素数1〜10の炭化水素、R2 、R3 およびR4 はそれぞれ炭素数1〜10の炭化水素基または水素を示す。Yは、O、S、SeまたはTeを示す。m=1〜5、n=0〜5、p=0または1である。)
上記(2)式で表される構造を1分子中に1個以上有する化合物は、光学材料とした時に高い屈折率と高いアッベ数および両者の良好なバランスを発現するものである。(2)式中のR1 は好ましくはメチレンまたはエチレンであり、(2)式中のR2 、R3 およびR4 は好ましくは水素またはメチル基である。より好ましくはR1 はメチレンであり、R2 、R3 およびR4 は水素である。Yは、O、S、SeまたはTeを表すが、より高屈折率を志向するのであれば、S、SeまたはTeが好ましい。mは1〜5を表すが、好ましくはmが1または2、より好ましくはmが1である。nは0〜5を表すが、好ましくはnが0〜4、より好ましくはnが0または1である。pは0または1を表すが、好ましくは1である。YはO、S、Se、Teのいずれでもかまわないが、好ましくはO、S、Se、より好ましくはS、Seである。
【0020】
(2)式で表される構造を有する化合物の好ましい具体例は、特願平11−22199号公報および特願平11−341143号公報に記載したものがあげられる。
【0021】
(2)式で表される構造を有する化合物の合成法は、特開平9−71580号公報、特開平9−110979号公報、特開平9−255781号公報、特願平11−22199号公報、に記載されたものがあげられる。
【0022】
本発明の光学材料を製造するために使用するために、必要に応じて硬化触媒を添加することができる。硬化触媒としては、アミン類、フォスフィン類、第4級アンモニウム塩類、第4級ホスホニウム塩類、第3級スルホニウム塩類、第2級ヨードニウム塩類、鉱酸類、ルイス酸類、有機酸類、ケイ酸類、四フッ化ホウ酸類、過酸化物、アゾ化系合物、アルデヒドとアンモニア系化合物の縮合物、グアニジン類、チオ尿素類、チアゾール類、スルフェンアミド類、チウラム類、ジチオカルバミン酸塩類、キサントゲン酸塩類、酸性リン酸エステル類等を挙げることができる。以下にこれらの代表的な具体例を示す。
(1)エチルアミン、n−プロピルアミン、sec−プロピルアミン、n−ブチルアミン、sec−ブチルアミン、i−ブチルアミン、tert−ブチルアミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、デシルアミン、ラウリルアミン、ミスチリルアミン、1,2−ジメチルヘキシルアミン、3−ペンチルアミン、2−エチルヘキシルアミン、アリルアミン、アミノエタノール、1−アミノプロパノール、2−アミノプロパノール、アミノブタノール、アミノペンタノール、アミノヘキサノール、3−エトキシプロピルアミン、3−プロポキシプロピルアミン、3−イソプロポキシプロピルアミン、3−ブトキシプロピルアミン、3−イソブトキシプロピルアミン、3−(2−エチルヘキシロキシ)プロピルアミン、アミノシクロペンタン、アミノシクロヘキサン、アミノノルボルネン、アミノメチルシクロヘキサン、アミノベンゼン、ベンジルアミン、フェネチルアミン、α−フェニルエチルアミン、ナフチルアミン、フルフリルアミン等の1級アミン;エチレンジアミン、1,2−ジアミノプロパン、1,3−ジアミノプロパン、1,2−ジアミノブタン、1,3−ジアミノブタン、1,4−ジアミノブタン、1,5−ジアミノペンタン、1,6−ジアミノヘキサン、1,7−ジアミノヘプタン、1,8−ジアミノオクタン、ジメチルアミノプロピルアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、ビス−(3−アミノプロピル)エーテル、1,2−ビス−(3−アミノプロポキシ)エタン、1,3−ビス−(3−アミノプロポキシ)−2,2’−ジメチルプロパン、アミノエチルエタノールアミン、1,2−、1,3−あるいは1,4−ビスアミノシクロヘキサン、1,3−あるいは1,4−ビスアミノメチルシクロヘキサン、1,3−あるいは1,4−ビスアミノエチルシクロヘキサン、1,3−あるいは1,4−ビスアミノプロピルシクロヘキサン、水添4,4’−ジアミノジフェニルメタン、2−あるいは4−アミノピペリジン、2−あるいは4−アミノメチルピペリジン、2−あるいは4−アミノエチルピペリジン、N−アミノエチルピペリジン、N−アミノプロピルピペリジン、N−アミノエチルモルホリン、N−アミノプロピルモルホリン、イソホロンジアミン、メンタンジアミン、1,4−ビスアミノプロピルピペラジン、o−、m−、あるいはp−フェニレンジアミン、2,4−あるいは2,6−トリレンジアミン、2,4−トルエンジアミン、m−アミノベンジルアミン、4−クロロ−o−フェニレンジアミン、テトラクロロ−p−キシリレンジアミン、4−メトキシ−6−メチル−m−フェニレンジアミン、m−、あるいはp−キシリレンジアミン、1,5−あるいは、2,6−ナフタレンジアミン、ベンジジン、4,4’−ビス(o−トルイジン)、ジアニシジン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、2,2−(4,4’−ジアミノジフェニル)プロパン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−チオジアニリン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジトリルスルホン、メチレンビス(o−クロロアニリン)、3,9−ビス(3−アミノプロピル)2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、ジエチレントリアミン、イミノビスプロピルアミン、メチルイミノビスプロピルアミン、ビス(ヘキサメチレン)トリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、N−アミノエチルピペラジン、N−アミノプロピルピペラジン、1,4−ビス(アミノエチルピペラジン)、1,4−ビス(アミノプロピルピペラジン)、2,6−ジアミノピリジン、ビス(3,4−ジアミノフェニル)スルホン等の1級ポリアミン;ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジ−n−ブチルアミン、ジ−sec−ブチルアミン、ジイソブチルアミン、ジ−n−ペンチルアミン、ジ−3−ペンチルアミン、ジヘキシルアミン、オクチルアミン、ジ(2−エチルヘキシル)アミン、メチルヘキシルアミン、ジアリルアミン、ピロリジン、ピペリジン、2−、3−、4−ピコリン、2,4−、2,6−、3,5−ルペチジン、ジフェニルアミン、N−メチルアニリン、N−エチルアニリン、ジベンジルアミン、メチルベンジルアミン、ジナフチルアミン、ピロール、インドリン、インドール、モルホリン等の2級アミン;N,N’−ジメチルエチレンジアミン、N,N’−ジメチル−1,2−ジアミノプロパン、N,N’−ジメチル−1,3−ジアミノプロパン、N,N’−ジメチル−1,2−ジアミノブタン、N,N’−ジメチル−1,3−ジアミノブタン、N,N’−ジメチル−1,4−ジアミノブタン、N,N’−ジメチル−1,5−ジアミノペンタン、N,N’−ジメチル−1,6−ジアミノヘキサン、N,N’−ジメチル−1,7−ジアミノヘプタン、N,N’−ジエチルエチレンジアミン、N,N’−ジエチル−1,2−ジアミノプロパン、N,N’−ジエチル−1,3−ジアミノプロパン、N,N’−ジエチル−1,2−ジアミノブタン、N,N’−ジエチル−1,3−ジアミノブタン、N,N’−ジエチル−1,4−ジアミノブタン、N,N’−ジエチル−1,6−ジアミノヘキサン、ピペラジン、2−メチルピペラジン、2,5−あるいは2,6−ジメチルピペラジン、ホモピペラジン、1,1−ジ−(4−ピペリジル)メタン、1,2−ジ−(4−ピペリジル)エタン、1,3−ジ−(4−ピペリジル)プロパン、1,4−ジ−(4−ピペリジル)ブタン等の2級ポリアミン;トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリ−iso−プロピルアミン、トリ−1,2−ジメチルプロピルアミン、トリ−3−メトキシプロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリ−iso−ブチルアミン、トリ−sec−ブチルアミン、トリ−ペンチルアミン、トリ−3−ペンチルアミン、トリ−n−ヘキシルアミン、トリ−n−オクチルアミン、トリ−2−エチルヘキシルアミン、トリ−ドデシルアミン、トリ−ラウリルアミン、ジシクロヘキシルエチルアミン、シクロヘキシルジエチルアミン、トリ−シクロヘキシルアミン、N,N−ジメチルヘキシルアミン、N−メチルジヘキシルアミン、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン、N−メチルジシクロヘキシルアミン、N、N−ジエチルエタノールアミン、N、N−ジメチルエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリベンジルアミン、N,N−ジメチルベンジルアミン、ジエチルベンジルアミン、トリフェニルアミン、N,N−ジメチルアミノ−p−クレゾール、N,N−ジメチルアミノメチルフェノール、2−(N,N−ジメチルアミノメチル)フェノール、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、ピリジン、キノリン、N−メチルモルホリン、N−メチルピペリジン、2−(2−ジメチルアミノエトキシ)−4−メチル−1,3,2−ジオキサボルナン等の3級アミン;テトラメチルエチレンジアミン、ピラジン、N,N’−ジメチルピペラジン、N,N’−ビス((2−ヒドロキシ)プロピル)ピペラジン、ヘキサメチレンテトラミン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,3−ブタンアミン、2−ジメチルアミノ−2−ヒドロキシプロパン、ジエチルアミノエタノール、N,N,N−トリス(3−ジメチルアミノプロピル)アミン、2,4,6−トリス(N,N−ジメチルアミノメチル)フェノール、ヘプタメチルイソビグアニド等の3級ポリアミン;イミダゾール、N−メチルイミダゾール、2−メチルイミダゾール、4−メチルイミダゾール、、N−エチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、4−エチルイミダゾール、N−ブチルイミダゾール、2−ブチルイミダゾール、N−ウンデシルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、N−フェニルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、N−ベンジルイミダゾール、2−ベンジルイミダゾール、2−メルカプトイミダゾール、2−メルカプト−N−メチルイミダゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾール、3−メルカプト−4−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール、5−メルカプト−1−メチル−テトラゾール、2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾール1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、N−(2’−シアノエチル)−2−メチルイミダゾール、N−(2’−シアノエチル)−2−ウンデシルイミダゾール、N−(2’−シアノエチル)−2−フェニルイミダゾール、3,3−ビス−(2−エチル−4−メチルイミダゾリル)メタン、アルキルイミダゾールとイソシアヌール酸の付加物等の各種イミダゾール類;1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7、1,5−ジアザビシクロ(4,3,0)ノネン−5、6−ジブチルアミノ−1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7等のアミジン類;以上に代表されるアミン系化合物。
(2)(1)のアミン類とボランおよび三フッ化ホウ素とのコンプレックス。
(3)トリメチルフォスフィン、トリエチルフォスフィン、トリ−iso−プロピルフォスフィン、トリ−n−ブチルフォスフィン、トリ−n−ヘキシルフォスフィン、トリ−n−オクチルフォスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、トリフェニルフォスフィン、トリベンジルホスフィン、トリス(2−メチルフェニル)ホスフィン、トリス(3−メチルフェニル)ホスフィン、トリス(4−メチルフェニル)ホスフィン、トリス(ジエチルアミノ)ホスフィン、トリス(4−メチルフェニル)ホスフィン、ジメチルフェニルフォスフィン、ジエチルフェニルフォスフィン、ジシクロヘキシルフェニルホスフィン、エチルジフェニルフォスフィン、ジフェニルシクロヘキシルホスフィン、クロロジフェニルフォスフィン等のフォスフィン類。
(4)テトラメチルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウムブロマイド、テトラメチルアンモニウムアセテート、テトラエチルアンモニウムクロライド、テトラエチルアンモニウムブロマイド、テトラエチルアンモニウムアセテート、テトラ−n−ブチルアンモニウムフルオライド、テトラ−n−ブチルアンモニウムクロライド、テトラ−n−ブチルアンモニウムブロマイド、テトラ−n−ブチルアンモニウムヨーダイド、テトラ−n−ブチルアンモニウムアセテート、テトラ−n−ブチルアンモニウムボロハイドライド、テトラ−n−ブチルアンモニウムヘキサフルオロホスファイト、テトラ−n−ブチルアンモニウムハイドロゲンサルファイト、テトラ−n−ブチルアンモニウムテトラフルオロボーレート、テトラ−n−ブチルアンモニウムテトラフェニルボーレート、テトラ−n−ブチルアンモニウムパラトルエンスルフォネート、テトラ−n−ヘキシルアンモニウムクロライド、テトラ−n−ヘキシルアンモニウムブロマイド、テトラ−n−ヘキシルアンモニウムアセテート、テトラ−n−オクチルアンモニウムクロライド、テトラ−n−オクチルアンモニウムブロマイド、テトラ−n−オクチルアンモニウムアセテート、トリメチル−n−オクチルアンモニウムクロライド、トリメチルデシルアンモニウムクロライド、トリメチルドデシルアンモニウムクロライド、トリメチルセチルアンモニウムクロライド、トリメチルラウリルアンモニウムクロライド、トリメチルベンジルアンモニウムクロライド、トリメチルベンジルアンモニウムブロマイド、トリエチル−n−オクチルアンモニウムクロライド、トリエチルベンジルアンモニウムクロライド、トリエチルベンジルアンモニウムブロマイド、トリ−n−ブチル−n−オクチルアンモニウムクロライド、トリ−n−ブチルベンジルアンモニウムフルオライド、トリ−n−ブチルベンジルアンモニウムクロライド、トリ−n−ブチルベンジルアンモニウムブロマイド、トリ−n−ブチルベンジルアンモニウムヨーダイド、n−ブチルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、n−オクチルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、デシルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、ドデシルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、セチルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、ラウリルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、メチルトリフェニルアンモニウムクロライド、メチルトリベンジルアンモニウムクロライド、メチルトリフェニルアンモニウムブロマイド、メチルトリベンジルアンモニウムブロマイド、エチルトリフェニルアンモニウムクロライド、エチルトリベンジルアンモニウムクロライド、エチルトリフェニルアンモニウムブロマイド、エチルトリベンジルアンモニウムブロマイド、n−ブチルトリフェニルアンモニウムクロライド、n−ブチルトリベンジルアンモニウムクロライド、n−ブチルトリフェニルアンモニウムブロマイド、n−ブチルトリベンジルアンモニウムブロマイド、1−メチルピリジニウムクロライド、1−メチルピリジニウムブロマイド、1−エチルピリジニウムクロライド、1−エチルピリジニウムブロマイド、1−n−ブチルピリジニウムクロライド、1−n−ブチルピリジニウムブロマイド、1−n−ヘキシルピリジニウムクロライド、1−n−ヘキシルピリジニウムブロマイド、1−n−オクチルピリジニウムブロマイド、1−n−ドデシルピリジニウムクロライド、1−n−ドデシルピリジニウムブロマイド、1−n−セチルピリジニウムクロライド、1−n−セチルピリジニウムブロマイド、1−フェニルピリジニウムクロライド、1−フェニルピリジニウムブロマイド、1−ベンジルピリジニウムクロライド、1−ベンジルピリジニウムブロマイド、1−メチルピコリニウムクロライド、1−メチルピコリニウムブロマイド、1−エチルピコリニウムクロライド、1−エチルピコリニウムブロマイド、1−n−ブチルピコリニウムクロライド、1−n−ブチルピコリニウムブロマイド、1−n−ヘキシルピコリニウムクロライド、1−n−ヘキシルピコリニウムブロマイド、1−n−オクチルピコリニウムクロライド、1−n−オクチルピコリニウムブロマイド、1−n−ドデシルピコリニウムクロライド、1−n−ドデシルピコリニウムブロマイド、1−n−セチルピコリニウムクロライド、1−n−セチルピコリニウムブロマイド、1−フェニルピコリニウムクロライド、1−フェニルピコリニウムブロマイド1−ベンジルピコリニウムクロライド、1−ベンジルピコリニウムブロマイド等の4級アンモニウム塩。
(5)テトラメチルホスホニウムクロライド、テトラメチルホスホニウムブロマイド、テトラエチルホスホニウムクロライド、テトラエチルホスホニウムブロマイド、テトラ−n−ブチルホスホニウムクロライド、テトラ−n−ブチルホスホニウムブロマイド、テトラ−n−ブチルホスホニウムヨーダイド、テトラ−n−ヘキシルホスホニウムブロマイド、テトラ−n−オクチルホスホニウムブロマイド、メチルトリフェニルホスホニウムブロマイド、メチルトリフェニルホスホニウムヨーダイド、エチルトリフェニルホスホニウムブロマイド、エチルトリフェニルホスホニウムヨーダイド、n−ブチルトリフェニルホスホニウムブロマイド、n−ブチルトリフェニルホスホニウムヨーダイド、n−ヘキシルトリフェニルホスホニウムブロマイド、n−オクチルトリフェニルホスホニウムブロマイド、テトラフェニルホスホニウムブロマイド、テトラキスヒドロキシメチルホスホニウムクロライド、テトラキスヒドロキシメチルホスホニウムブロマイド、テトラキスヒドロキシエチルホスホニウムクロライド、テトラキスヒドロキシブチルホスホニウムクロライド等のホスホニウム塩。
(6)トリメチルスルホニウムブロマイド、トリエチルスルホニウムブロマイド、トリ−n−ブチルスルホニウムクロライド、トリ−n−ブチルスルホニウムブロマイド、トリ−n−ブチルスルホニウムヨーダイド、トリ−n−ブチルスルホニウムテトラフルオロボーレート、トリ−n−ヘキシルスルホニウムブロマイド、トリ−n−オクチルスルホニウムブロマイド、トリフェニルスルホニウムクロライド、トリフェニルスルホニウムブロマイド、トリフェニルスルホニウムヨーダイド等のスルホニウム塩。
(7)ジフェニルヨードニウムクロライド、ジフェニルヨードニウムブロマイド、ジフェニルヨードニウムヨーダイド等のヨードニウム塩。
(8)塩酸、硫酸、硝酸、燐酸、炭酸等の鉱酸類およびこれらの半エステル類。
(9)3フッ化硼素、3フッ化硼素のエーテラート等に代表されるルイス酸類。
(10)有機酸類およびこれらの半エステル類。
(11)ケイ酸、四フッ化ホウ酸。
(12)クミルパーオキシネオデカノエート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジアリルパーオキシジカーボネート、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジミリスチルパーオキシジカーボネート、クミルパーオキシネオヘキサノエート、tert−ヘキシルパーオキシネオデカノエート、tert−ブチルパーオキシネオデカノエート、tert−ヘキシルパーオキシネオヘキサノエート、tert−ブチルパーオキシネオヘキサノエート、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ジ−ter−ブチルパーオキサイド等のパーオキサイド類;クメンヒドロパーオキサイド、tert−ブチルヒドロパーオキサイド等の過酸化物。
(13)2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−シクロプロピルプロピオニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、1−〔(1−シアノ−1−メチルエチル)アゾ〕ホルムアミド、2−フェニルアゾ−4−メトキシ−2,4−ジメチル−バレロニトリル2、2’−アゾビス(2−メチルプロパン)、2、2’−アゾビス(2、4、4−トリメチルペンタン)等のアゾ系化合物。
(14)アセトアルデヒドとアンモニアの反応物、ホルムアルデヒドとパライルイジンの縮合物、アセトアルデヒドとパライルイジンの縮合物、ホルムアルデヒドとアニリンの反応物、アセトアルデヒドとアニリンの反応物、ブチルアルデヒドとアニリンの反応物、ホルムアルデヒドとアセトアルデヒドとアニリンの反応物、アセトアルデヒドとブチルアルデヒドとアニリンの反応物、ブチルアルデヒドとモノブチルアミンの縮合物、ブチルアルデヒドとブチリデンアニリンの反応物、ヘプトアルデヒドとアニリンの反応物、トリクロトニリデン−テトラミンの反応物、α−エチル−β−プロピルアクロレインとアニリンの縮合物、ホルムアルデヒドとアルキルイミダゾールの縮合物等のアルデヒドとアミン系化合物の縮合物。
(15)ジフェニルグアニジン、フェニルトリルグアニジン、フェニルキシリルグアニジン、トリルキシリルグアニジン、ジオルトトリルグアニジン、オルトトリルグアニド、ジフェニルグアニジンフタレート、テトラメチルグアニジン、ジカテコールホウ酸のジオルトトリルグアニジン塩等のグアニジン類。
(16)チオカルボアニリド、ジオルトトリルチオ尿素、エチレンチオ尿素、ジエチルチオ尿素、ジブチルチオ尿素、ジラウリルチオ尿素、トリメチルチオ尿素、ジメチルエチルチオ尿素、テトラメチルチオ尿素、等のチオ尿素類。
(17)2−メルカプトベンゾチアゾール、ジベンゾチアジルジスルフィド、2−メルカプトベンゾチアゾールのシクロヘキシルアミン塩、2−(2,4−ジニトロフェニルチオ)ベンゾチアゾール、2−(モルホリノジチオ)ベンゾチアゾール、2−(2,6−ジメチル−4−モルホリノチオ)ベンゾチアゾール、N,N−ジエチルチオカルバモイル−2−ベンゾチアゾリルスルフィド、1,3−ビス(2−ベンゾチアゾリルメルカプトメチル)尿素、ベンゾチアジアジルチオベンゾエート、2−メルカプトチアゾリン、2−メルカプトベンゾチアゾールのナトリウム塩、2−メルカプトベンゾチアゾールの亜鉛塩、ジベンゾチアジルジスルフィドと塩化亜鉛の錯塩等のチアゾール類。
(18)N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド、N−tert−ブチル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド、N−tert−オクチル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド、N−オキシジエチレン−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド、N,N−ジエチル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド、N,N−ジイソプロピル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド、N,N−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド等のスルフェンアミド類。
(19)テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラエチルチウラムモノスルフィド、テトラブチルチウラムモノスルフィド、ジペンタメチレンチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィド、N,N’−ジメチル−N,N’−ジフェニルチウラムジスルフィド、N,N’−ジエチル−N,N’−ジフェニルチウラムジスルフィド、ジペンタメチレンチウラムジスルフィド、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド、環状チウラム等のチウラム類。
(20)ジメチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジエチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジブチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ペンタメチレンジチオカルバミン酸ナトリウム、シクロヘキシルエチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジメチルジチオカルバミン酸カリウム、ジメチルジチオカルバミン酸鉛、ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジベンジルジチオカルバミン酸亜鉛、ペンタメチレンジチオカルバミン酸亜鉛、ジメチルペンタメチレンジチオカルバミン酸亜鉛、エチルフェニルジチオカルバミン酸亜鉛、ジメチルジチオカルバミン酸ビスマス、ジエチルジチオカルバミン酸カドミウム、ペンタメチレンジチオカルバミン酸カドミウム、ジメチルジチオカルバミン酸セレン、ジエチルジチオカルバミン酸セレン、ジメチルジチオカルバミン酸テルル、ジエチルジチオカルバミン酸テルル、ジメチルジチオカルバミン酸鉄、ジメチルジチオカルバミン酸銅、ジエチルジチオカルバミン酸ジエチルアンモニウム、ジブチルジチオカルバミン酸N,N−シクロヘキシルアンモニウム、ペンタメチレンジチオカルバミン酸ピペリジン、シクロヘキシルエチルジチオカルバミン酸シクロヘキシルエチルアンモニウムナトリウム、メチルペンタメチレンジチオカルバミン酸ピペコリン、ペンタメチレンジチオカルバミン酸亜鉛とピペリジンの錯化合物等のジチオカルバミン酸塩類。
(21)イソプロピルキサントゲン酸ナトリウム、イソプロピルキサントゲン酸亜鉛、ブチルキサントゲン酸亜鉛、ジブチルキサントゲン酸ジスルフィド等のキサントゲン酸塩類。
(22)モノ−および/またはジメチルリン酸、モノ−および/またはジエチルリン酸、モノ−および/またはジプロピルリン酸、モノ−および/またはジブチルリン酸、モノ−および/またはジヘキシルリン酸、モノ−および/またはジオクチルリン酸、モノ−および/またはジデシルリン酸、モノ−および/またはジドデシルリン酸、モノ−および/またはジフェニルリン酸、モノ−および/またはジベンジルリン酸、モノ−および/またはジデカノ−ルリン酸等の酸性リン酸エステル類。
【0023】
以上、(1)式で表される環状骨格構造を有する化合物を含む光学材料用組成物を重合硬化する際の重合触媒を例示したが、重合硬化の効果を発現するものであればこれら列記化合物に限定されるものではない。また、これらは単独でも2種類以上を混合して使用してもかまわない。本発明で使用する触媒の添加量は、(1)式で表される環状骨格構造を有する化合物を含む光学材料用組成物100重量部に対して、0.0001〜10.0重量部であり、好ましくは0.0005〜5.0重量部である。
【0024】
本発明の光学材料用組成物には、耐酸化性、耐候性、染色性、強度、屈折率等の各種性能改良を目的として、使用した(1)式で表される環状骨格構造を有する化合物または必要に応じて使用する硫黄原子、セレン原子およびテルル原子から選ばれる少なくとも1種を有する有機化合物の一種類以上と反応可能な化合物を添加して、硬化重合することも可能である。この場合は、この反応のために必要に応じて重合硬化触媒を別途加えることができる。
【0025】
(1)式で表される環状骨格構造を有する化合物または必要に応じて添加される硫黄原子および/またはセレン原子および/またはテルル原子を有する有機化合物の一種類以上と反応可能な化合物として、硫黄原子および/またはセレン原子および/またはテルル原子を含まない、エポキシ化合物類、イソシアネート類、カルボン酸類、カルボン酸無水物類、フェノール類、アミン類、ビニル化合物類、アリル化合物類、アクリル化合物類、メタクリル化合物類、硫黄原子および/またはセレン原子を有する無機化合物等があげられる。以下にこれらの代表的な具体例を示す。
【0026】
(1)エチレンオキサイド、プロピレオキサイド等のモノエポキシ化合物類、ヒドロキノン、カテコール、レゾルシン、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールエーテル、ハロゲン化ビスフェノールA、ノボラック樹脂等の多価フェノール化合物とエピハロヒドリンの縮合により製造されるフェノール系エポキシ化合物、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1、3−プロパンジオール、1、4−ブタンジオール、1、6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、1、3−および1、4−シクロヘキサンジオール、1、3−および1、4−シクロヘキサンジメタノール、水添ビスフェノールA、ビスフェノルA・エチレンオキサイド付加物、ビスフェノルA・プロピレンオキサイド付加物等のアルコール化合物とエピハロヒドリンの縮合により製造されるアルコール系エポキシ化合物、上述のアルコールおよびフェノール化合物とジイソシアネート等から製造されるウレタン系エポキシ化合物、酢酸、プロピオン酸、安息香酸、アジピン酸、セバチン酸、ドデカンジカルボン酸、ダイマー酸、フタル酸、イソ、テレフタル酸、テトラヒドロフタル酸、メチルテトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、ヘット酸、ナジック酸、マレイン酸、コハク酸、フマール酸、トリメリット酸、ベンゼンテトラカルボン酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸、ナフタリンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸等のカルボン酸化合物とエピハロヒドリンの縮合により製造されるグリシジルエステル系エポキシ化合物、エチレンジアミン、1,2−ジアミノプロパン、1,3−ジアミノプロパン、1,2−ジアミノブタン、1,3−ジアミノブタン、1,4−ジアミノブタン、1,5−ジアミノペンタン、1,6−ジアミノヘキサン、1,7−ジアミノヘプタン、1,8−ジアミノオクタン、ビス−(3−アミノプロピル)エーテル、1,2−ビス−(3−アミノプロポキシ)エタン、1,3−ビス−(3−アミノプロポキシ)−2,2’−ジメチルプロパン、1,2−、1,3−あるいは1,4−ビスアミノシクロヘキサン、1,3−あるいは1,4−ビスアミノメチルシクロヘキサン、1,3−あるいは1,4−ビスアミノエチルシクロヘキサン、1,3−あるいは1,4−ビスアミノプロピルシクロヘキサン、水添4,4’−ジアミノジフェニルメタン、イソホロンジアミン、1,4−ビスアミノプロピルピペラジン、m−、あるいはp−フェニレンジアミン、2,4−あるいは2,6−トリレンジアミン、m−、あるいはp−キシリレンジアミン、1,5−あるいは、2,6−ナフタレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、2,2−(4,4’−ジアミノジフェニル)プロパン、N,N’−ジメチルエチレンジアミン、N,N’−ジメチル−1,2−ジアミノプロパン、N,N’−ジメチル−1,3−ジアミノプロパン、N,N’−ジメチル−1,2−ジアミノブタン、N,N’−ジメチル−1,3−ジアミノブタン、N,N’−ジメチル−1,4−ジアミノブタン、N,N’−ジメチル−1,5−ジアミノペンタン、N,N’−ジメチル−1,6−ジアミノヘキサン、N,N’−ジメチル−1,7−ジアミノヘプタン、N,N’−ジエチルエチレンジアミン、N,N’−ジエチル−1,2−ジアミノプロパン、N,N’−ジエチル−1,3−ジアミノプロパン、N,N’−ジエチル−1,2−ジアミノブタン、N,N’−ジエチル−1,3−ジアミノブタン、N,N’−ジエチル−1,4−ジアミノブタン、N,N’−ジエチル−1,6−ジアミノヘキサン、ピペラジン、2−メチルピペラジン、2,5−あるいは2,6−ジメチルピペラジン、ホモピペラジン、1,1−ジ−(4−ピペリジル)−メタン、1,2−ジ−(4−ピペリジル)−エタン、1,3−ジ−(4−ピペリジル)−プロパン、1,4−ジ−(4−ピペリジル)−ブタンとエピハロヒドリンの縮合により製造されるアミン系エポキシ化合物、3、4−エポキシシクロヘキシル−3、4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、ビニルシクリヘキサンジオキサイド、2−(3、4−エポキシシクロヘキシル)−5、5−スピロ−3、4−エポキシシクロヘキサン−メタ−ジオキサン、ビス(3、4−エポキシシクロヘキシル)アジペート等の脂環式エポキシ化合物、シクロペンタジエンエポキシド、エポキシ化大豆油、エポキシ化ポリブタジエン、ビニルシクロヘキセンエポキシド等の不飽和化合物のエポキシ化により製造されるエポキシ化合物、ビニルフェニルグリシジルエーテル、ビニルベンジルグリシジルエーテル、グリシジルメタクリレート、グリシジルアクリレート、アリルグリシジルエーテル等の不飽和基を有するエポキシ化合物、等のエポキシ化合物類、(2)メチルイソシアネート、エチルイソシアネート、プロピルイソシアネート、iso−プロピルイソシアネート、n−ブチルイソシアネート、sec−ブチルイソシアネート、tert−ブチルイソシアネート、ペンチルイソシアネート、ヘキシルイソシアネート、オクチルイソシアネート、ドデシルイソシアネート、シクロヘキシルイソシアネート、フェニルイソシアネート、トルイルイソシアネート等のモノイソシアネート類、ジエチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、イソホロンジイソシアネート、2,6−ビス(イソシアナトメチル)デカヒドロナフタレン、リジントリイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、o−トリジンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ジフェニルエーテルジイソシアネート、3−(2’−イソシアネートシクロヘキシル)プロピルイソシアネート、トリス(フェニルイソシアネート)チオホスフェート、イソプロピリデンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、2,2’−ビス(4−イソシアネートフェニル)プロパン、トリフェニルメタントリイソシアネート、ビス(ジイソシアネートトリル)フェニルメタン、4,4’,4’’−トリイソシアネート−2,5−ジメトキシフェニルアミン、3,3’−ジメトキシベンジジン−4,4’−ジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジイソシアナトビフェニル、4,4’−ジイソシアナト−3,3’−ジメチルビフェニル、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアナト、1,1’−メチレンビス(4−イソシアナトベンゼン)、1,1’−メチレンビス(3−メチル−4−イソシアナトベンゼン)、m−キシリレンジイソシアネート、p−キシリレンジイソシアネート、1,3−ビス(1−イソシアネート−1−メチルエチル)ベンゼン、1,4−ビス(1−イソシアネート−1−メチルエチル)ベンゼン、1,3−ビス(2−イソシアナト−2−プロピル)ベンゼン、2,6−ビス(イソシアナトメチル)ナフタレン、1,5−ナフタレンジイソシアネート、ビス(イソシアネートメチル)テトラヒドロジシクロペンタジエン、ビス(イソシアネートメチル)ジシクロペンタジエン、ビス(イソシアネートメチル)テトラヒドロチオフェン、2,5−ジイソシアネートメチルノルボルネン、ビス(イソシアネートメチル)アダマンタン、ダイマー酸ジイソシアネート、1,3,5−トリ(1−イソシアナトヘキシル)イソシアヌル酸等のポリイソシアネート類、これらのポリイソシアネート類のビュレット型反応によるニ量体、これらのポリイソシアネート類の環化三量体およびこれらのポリイソシアネート類とアルコールの付加物等のイソシアネート類、(3)(1)のエポキシ化合物のところで説明したエピハロヒドリンと反応させる相手の原料として例示したカルボン酸類、(4)(1)のエポキシ化合物のところで説明したエピハロヒドリンと反応させる相手の原料として例示したカルボン酸無水物類、(5)(1)のエポキシ化合物のところで説明したエピハロヒドリンと反応させる相手の原料として例示したフェノール類、(6)(1)のエポキシ化合物のところで説明したエピハロヒドリンと反応させる相手の原料として例示したアミン類、(7)ビニルエーテル、エチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、フェニルビニルエーテル、ベンジルビニルエーテル、2−クロロエチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、ビニルグリシジルエーテル、ビニルアルコール、メチルビニルカルビノール、エチレングリコールモノビニルエーテル、エチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、テトラメチレングリコールモノビニルエーテル、メチルビニルケトン、ジビニルジカーボネイト、ビニルジグリコールカーボネイト、ビニレンカーボネイト、酢酸ビニル、クロロ酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、ヘキサン酸ビニル、2−エチルヘキサン酸ビニル、アジピン酸ジビニル、安息香酸ビニル、サリチル酸ビニル、アクリル酸ビニル、メタクリル酸ビニル、ビニルブロマイド、ビニルアイオダイド、ビニルリン酸、ビニル尿素、スチレン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、α−メチルスチレン、2,4,6−トリメチルスチレン、4−t−ブチルスチレン、スチルベン、ビニルフェノール、3−ビニルベンジルアルコール、4−ビニルベンジルアルコール、2−(4−ビニルベンジルチオ)エタノール、2−(3−ビニルベンジルチオ)エタノール、1,3−ビス(4−ビニルベンジルチオ)−2−プロパノール、1,3−ビス(3−ビニルベンジルチオ)−2−プロパノール、2,3−ビス(4−ビニルベンジルチオ)−1−プロパノール、2,3−ビス(3−ビニルベンジルチオ)−1−プロパノール、シンナミルアルコール、シンナムアルデヒド、1,3−ジビニルベンゼン、1,4−ジビニルベンゼン、トリビニルベンゼン、ジビニルフタレート、2−クロロスチレン、3−クロロスチレン、4−クロロスチレン、3−クロロメチルスチレン、4−クロロメチルスチレン、4−アミノスチレン、3−シアノメチルスチレン、4−シアノメチルスチレン、4−ビニルビフェニル、2,2’−ジビニルビフェニル、4,4’−ジビニルビフェニル、2,2−ビス(4−ビニルフェニル)プロパン、ビス(4−ビニルフェニル)エーテル、2,2−ビス(4−ビニロキシフェニル)プロパン等のビニル化合物類、(8)(7)のビニル化合物類で例示した化合物のビニル基の一部もしくは全部がアリル基に置き換わったアリル化合物類、(9)メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、ブチルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、3−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、3−フェノキシ−2−ヒドロキシプロピルアクリレート、トリメチロールプロパンモノアクリレート、2−ヒドロキシエチルイソシアヌレートモノアクリレート、2−ヒドロキシエチルイソシアヌレートジアクリレート、2−ヒドロキシエチルシアヌレートモノアクリレート、2−ヒドロキシエチルシアヌレートジアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、1、3−プロパンジオールジアクリレート、1,3−ブタンジオールジアクリレート、1、4−ブタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート




























、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、2−ヒドロキシ−1,3−ジアクリロキシプロパン、2,2−ビス〔4−(アクリロキシエトキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(アクリロキシエトキシ)シクロヘキシル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(2−ヒドロキシ−3−アクリロキシプロポキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(アクリロキシ・ジエトキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(アクリロキシ・ポリエトキシ)フェニル〕プロパン、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールモノアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ビス(2,2,2−トリメチロールエチル)エーテルのペンタアクリレート、ビス(2,2,2−トリメチロールエチル)エーテルのヘキサアクリレート等のアクリル化合物類、(10)(9)のアクリル化合物類で例示した化合物のアクリル基の一部もしくは全部がメタクリル基に置き換わったメタクリル化合物類、(11)硫黄、硫化水素、二硫化炭素、セレノ硫化炭素、硫化アンモニウム、二酸化硫黄、三酸化硫黄等の硫黄酸化物、チオ炭酸塩、硫酸およびその塩、硫酸水素塩、亜硫酸塩、次亜硫酸塩、過硫酸塩、チオシアン酸塩、チオ硫酸塩、二塩化硫黄、塩化チオニル、チオホスゲン等のハロゲン化物、硫化硼素、硫化窒素、硫化珪素、硫化リン、硫化砒素、硫化セレン、金属硫化物、金属水硫化物、セレン、セレン化水素、二酸化セレン、二セレン化炭素、セレン化アンモニウム、二酸化セレン等のセレン酸化物、セレン酸およびその塩、亜セレン酸およびその塩、セレン酸水素塩、セレノ硫酸およびその塩、セレノピロ硫酸およびその塩、四臭化セレン、オキシ塩化セレン等のハロゲン化物、セレノシアン酸塩、セレン化硼素、セレン化リン、セレン化砒素、金属セレン化物等の硫黄原子および/またはセレン原子を有する無機化合物。
【0027】
以上、各種性能改良を目的として使用する組成成分の一部もしくは全部と反応可能な化合物を例示したが、これら列記化合物に限定されるものではない。また、これらの化合物は、単独でも2種類以上を混合して使用してもかまわない。
【0028】
以上挙げた物性の改良剤の割合は、光学物性や、機械的物性を損なわない範囲で決められ、化学的な構造等により一義的には決められないが、90重量%以下であることが好ましい。
【0029】
本発明の光学材料製造方法において、公知の酸化防止剤や紫外線吸収剤等の添加剤を加えて、得られる材料の実用性をより向上せしめることはもちろん可能である。また、本発明の光学材料は重合中に型から剥がれやすい場合には公知の外部および/または内部密着性改善剤を添加し、または型から剥がれにくい場合には公知の外部および/または内部離型性改善剤を添加して、得られる硬化材料と型の密着性または離型性を向上せしめることも有効である。
【0030】
本発明において光学材料製造方法は、(1)式で表される環状骨格構造を有する化合物を含む光学材料用組成物、触媒、密着性改善剤または離型性改善剤、酸化防止剤、ブルーイング剤、紫外線吸収剤、各種性能改良添加剤等の添加剤を混合、均一とした後、ガラスや金属製の型に注入し、加熱によって重合硬化反応を進めた後、型から外し製造される。
【0031】
(1)式で表される環状骨格構造を有する化合物を含む光学材料用組成物を含有する成分の一部または全部を注型前に触媒の存在下または非存在下、撹拌下または非撹拌下で−100〜160℃で、0.1〜480時間かけて予備的に重合せしめた後、光学材料用組成物を調製して注型を行う事も可能である。特に、光学材料用組成物中の化合物に固体成分が含まれ、ハンドリングが容易でない場合はこの予備的な重合が効果的である。この予備的な重合条件は、好ましくは−10〜120℃で0.1〜240時間、より好ましくは0〜100℃で0.1〜120時間で実施する。
【0032】
本発明の硬化樹脂光学材料の製造方法は、さらに詳しく述べるならば以下の通りである。前述の様に、主原料および副原料を混合後、型に注入硬化して製造されるが、(1)式で表される環状骨格構造を有する化合物、必要に応じて使用する硫黄原子、セレン原子およびテルル原子から選ばれる少なくとも1種を有する有機化合物、各種性能改良を目的として使用する組成成分の一部もしくは全部と反応可能な化合物、触媒、密着性改善剤または離型性改善剤、酸化防止剤、ブルーイング剤、紫外線吸収剤、各種性能改良添加剤等の添加剤は、全て同一容器内で同時に撹拌下に混合しても、各原料を段階的に添加混合しても、数成分を別々に混合後さらに同一容器内で再混合しても良い。各原料および添加剤等はいかなる順序で混合してもかまわない。混合にあたり、設定温度、これに要する時間等は基本的には各成分が十分に混合される条件であればよいが、過剰の温度、時間は各原料、添加剤間の好ましくない反応が起こり、さらには粘度の上昇をきたし注型操作を困難にする等適当ではない。混合温度は−50℃から100℃程度の範囲で行われるべきであり、好ましい温度範囲は−30℃から70℃、さらに好ましいのは、−5℃から50℃である。混合時間は、1分から12時間、好ましくは5分から10時間、最も好ましいのは5分から6時間程度である。各原料、添加剤の混合前、混合時あるいは混合後に、減圧下に脱ガス操作を行う事は、後の注型重合硬化中の気泡発生を防止する点からは好ましい方法である。この時の減圧度は0.1mmHgから700mmHg程度で行うが、好ましいのは0.5mmHgから300mmHgである。さらには、これらの混合物あるいは混合前の主、副原料を0.05〜3μm程度の孔径を有するフィルターで不純物等を濾過し精製することは本発明の光学材料の品質をさらに高める上からも好ましい。ガラスや金属製の型に注入後、電気炉や水または油浴等による重合硬化を行うが、硬化時間は0.1〜100時間、通常1〜72時間であり、硬化温度は−10〜160℃、通常0〜140℃である。重合は所定の重合温度で所定時間のホールド、0.1℃〜100℃/hの昇温、0.1℃〜100℃/hの降温およびこれらの組み合わせで行うことができる。また、硬化終了後、材料を50から150℃の温度で10分から5時間程度アニール処理を行う事は、本発明の光学材料の歪を除くために好ましい処理である。さらに必要に応じて染色、ハードコート、反射防止、防曇性、耐衝撃性付与等表面処理を行うことができる。
【実施例】
【0033】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、得られたレンズの評価は以下の方法で行った。屈折率、アッベ数(ND、νD):アッベ屈折計を用い、25℃で測定した。
【0034】
合成例1
1,2,3,5,6−ペンタチエパンを文献(H.C.Hansenら,Tetrahedron,41,5145(1985))記載の方法に準じて、以下の手順で合成した。窒素気流下、攪拌機、滴下ロートおよび温度計を装着した反応フラスコで、ナトリウムジスルフィド1.33mol(146.6g)とエタノール1000mlを混合した。そこへ、二硫化炭素1.35mol(102.8g)のエタノール1000ml溶液を氷浴を用いて35〜40℃に保ちながら20分かけて滴下し、この温度で2時間攪拌した。反応フラスコ内は赤橙色の懸濁液となった。次に、ジヨードメタン1.50mol(409.5g)を20分かけて滴下し、さらに2時間攪拌した。反応フラスコ内は淡黄色の懸濁液となった。反応後、エーテルで抽出し、水洗し、溶媒を留去したところ黄色液状の生成物を得た。この生成物をヘキサンを溶離溶媒としたシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製したところ、溶出部から10.6gの固体生成物を得た。生成物は、融点(61〜62℃)、質量分析、NMR分析およびIR分析結果が文献記載と一致することから、1,2,3,5,6−ペンタチエパンであることが判明した。
【0035】
実施例1
1,2,3,5,6−ペンタチエパン50重量部とビス(β−エピチオプロピル)スルフィド50重量部の合計100重量部に対し、触媒としてテトラブチルアンモニウムブロマイド0.2重量部を混合後均一液とした。ついでこれを0.5μmのPTFEフィルターで濾過し、2.5mm厚の平板レンズ用モールドに注入し、オーブン中で10℃から22時間かけて120℃に昇温し重合硬化させ、レンズを製造した。得られたレンズは良好な耐熱性および物理特性を示し、透明性および表面状態は良好であった。レンズの屈折率、アッベ数の測定結果を表1に示した。
【0036】
実施例2〜7
表1に示す組成を使用する以外は実施例1を繰り返した。レンズの屈折率、アッベ数の測定結果を表1に示した。
【0037】
比較例1〜5
表1に示す組成を使用する以外は実施例1を繰り返した。レンズの屈折率、アッベ数の測定結果を表2に示した。
【0038】
【表1】

【0039】
【表2】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記(1)式で表される環状骨格構造を有する化合物を含有する光学材料用組成物。
【化1】

(式中、XはS、SeまたはTeを表す。a〜fは0〜3、8≧a+c+e≧1、8≧b +d +f ≧2、およびb+d+f≧a+c+eである。)
【請求項2】
前記(1)式で表される環状骨格構造を有する化合物1分子中の硫黄原子、セレン原子およびテルル原子の合計重量の割合が、50重量%以上である請求項1記載の光学材料用組成物。
【請求項3】
前記(1)式で表される環状骨格構造を有する化合物と、硫黄原子、セレン原子およびテルル原子から選ばれる少なくとも1種を有する有機化合物とからなる請求項1記載の光学材料用組成物。
【請求項4】
硫黄原子、セレン原子およびテルル原子から選ばれる少なくとも1種を有する有機化合物1分子中の硫黄原子、セレン原子およびテルル原子の合計重量の割合が、5重量%以上である請求項3記載の光学材料用組成物。
【請求項5】
硫黄原子、セレン原子およびテルル原子から選ばれる少なくとも1種を有する有機化合物が、下記(2)式で表される構造を有する化合物である請求項3または4記載の光学材料用組成物。
【化2】

(式中、R1 は炭素数1〜10の炭化水素、R2 、R3 およびR4 はそれぞれ炭素数1〜10の炭化水素基または水素を示す。Yは、O、S、SeまたはTeを示す。m=1〜5、n=0〜5、p=0または1である。)
【請求項6】
前記(2)式で表される構造を有する化合物が、m=1、n=0〜2である請求項5記載の光学材料用組成物。
【請求項7】
前記(1)式で表される環状骨格構造を有する化合物の総重量/(2)式で表される構造を有する化合物の総重量=0.01〜10の重量比である請求項5記載の光学材料用組成物。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれかに記載の光学材料用組成物を重合硬化して樹脂を得る方法。
【請求項9】
請求項8記載の方法で得られる樹脂。
【請求項10】
請求項9記載の樹脂からなる光学材料。

【公開番号】特開2010−242093(P2010−242093A)
【公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−139595(P2010−139595)
【出願日】平成22年6月18日(2010.6.18)
【分割の表示】特願2000−220084(P2000−220084)の分割
【原出願日】平成12年7月21日(2000.7.21)
【出願人】(000004466)三菱瓦斯化学株式会社 (1,281)
【Fターム(参考)】