説明

光学検出装置及び硬貨処理装置

【課題】可用性を高め得るようにする。
【解決手段】レジ釣銭機1の硬貨処理部11は、光学検出部30の発光部31において、発光素子43から検出光Lを発光し、透過保護部44の板状部45における位置45A1を透過させ、フレーム41の通過孔41Aを通過させて選別孔26A内へ進行させる。発光部31は、異物FBが位置45A1の近傍に付着した場合、透過保護部44を一時的に後方へ移動させることにより、検出光Lに位置45A2を透過させながら、フレーム41に取り付けられた清掃モヘア49Aにより位置45A1の異物FBを除去させる。かくしてレジ釣銭機1は、運用を停止することなく、光学検出部30により硬貨CNを適切に検出できる状態を維持することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学検出装置及び硬貨処理装置に関し、例えばスーパーマーケットやコンビニエンスストア等のような小売店舗の精算所において使用されるレジ釣銭機に適用して好適なものである。
【背景技術】
【0002】
近年、レジ釣銭機においては、POS(Point Of Sales)システム等に接続されたレジスタ部に、媒体としての紙幣や硬貨の入出金処理を行う釣銭処理部が組み合わされたものが普及しつつある。
【0003】
この釣銭処理部のうち硬貨を処理する硬貨処理部は、例えばレジ係員に硬貨を投入させると共に釣銭用の硬貨を排出する入出金部、硬貨を搬送する搬送部、硬貨の種類を鑑別する鑑別部及び硬貨を収納する収納部等を有している。
【0004】
また硬貨処理部は、搬送部や収納部等において検出光を発光する発光素子又は当該検出光を受光する受光素子(以下これらをまとめて光学素子と呼ぶ)が適宜配置されている(例えば、特許文献1参照)。このため硬貨処理部は、光学素子による検出結果を基に、例えば搬送した硬貨の枚数や硬貨の搬送状況及び収納量等を認識することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平7−334721号公報(第1図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、かかる構成の硬貨処理部では、硬貨の搬送等に伴って粉塵が発生してしまい、この粉塵が光学素子に付着する場合がある。このとき光学素子は、付着した粉塵により検出光が遮られることになり、硬貨が存在しないにも関わらず硬貨が存在すると誤検出してしまう。
【0007】
このため硬貨処理部では、例えば運用を停止して保守作業が行われ、光学素子の発光面や受光面等が清掃されて粉塵が除去されることにより、再び当該光学素子によって硬貨の有無を正しく検出できるようになる。
【0008】
しかしながらこのような保守作業が行われる間、硬貨処理部は釣銭機の運用を停止させ、可用性を低下させることになってしまう。
【0009】
そこで、例えば図10に示すように、硬貨処理部内に設けた光学検出部330に外部からの移動操作が可能な清掃バー344を設け、この清掃バー344に清掃モヘア349を取り付けておくことが考えられる。
【0010】
この光学検出部330では、分解清掃のような大がかりな作業を伴うことなく、外部からの操作によって清掃バー344を移動させることにより、光学素子343の発光面や受光面等を清掃すること可能となる。
【0011】
この清掃バー344は、所定箇所に切り欠きが形成されており、通常の運用時には光学素子343において発光又は受光する検出光を遮断することなく通過させることができる。
【0012】
しかしながら清掃バー344は、清掃作業の期間中、清掃モヘア349より光学素子343の発光面や受光面等を遮ることになる。このため光学検出部330では、清掃作業の期間中、硬貨の有無を正しく検出することができない。
【0013】
すなわちこの光学検出部330を有する硬貨処理部においても、清掃作業中に運用を停止しなければならず、可用性が低下してしまうという問題があった。
【0014】
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、可用性を高め得る光学検出装置及び硬貨処理装置を提案しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
かかる課題を解決するため本発明の光学検出装置においては、媒体を存在させる内部空間を周囲の外部空間から遮蔽すると共に所定の通過孔が形成された隔壁と、外部空間において隔壁に対する位置が固定され、通過孔を介して内部空間へ向けて所定の検出光を発光し、又は内部空間において検出光が媒体により遮断されなかったときに通過孔を介して当該検出光を受光する光学素子と、通過孔と光学素子との間において検出光を透過させると共に物体の通過を遮断し、検出光の透過位置から当該検出光の光路と交差する交差方向へ少なくとも所定の離隔距離に渡り延長された透過保護部と、透過保護部を隔壁及び光学素子に対し交差方向へ少なくとも離隔距離に渡り移動可能に支持する支持部と、透過位置から交差方向と反対の方向へ離隔距離だけ離隔した箇所に設けられ、透過保護部における隔壁と対向する表面に当接する清掃部とを設けるようにした。
【0016】
これにより、隔壁の通過孔を介して進入する粉塵等を光学素子ではなく透過保護部に付着させることができ、付着した粉塵等については透過保護部を交差方向へ移動させ清掃部に払わせることにより除去でき、除去する間も検出光が透過保護部における他の箇所を透過できるため、媒体の検出を中断せずに済む。
【0017】
また本発明の硬貨処理装置においては、硬貨を投入させる投入部と、硬貨を種類ごとに収納する複数の収納庫と、投入部に投入された硬貨をその種類に応じた収納庫へ搬送する搬送部と、搬送部の所定箇所における硬貨の有無を検出する検出部とを設け、検出部は、硬貨が搬送される内部空間を周囲の外部空間から遮蔽すると共に所定の通過孔が形成された隔壁と、外部空間において隔壁に対する位置が固定され、通過孔を介して内部空間へ向けて所定の検出光を発光し、又は内部空間において検出光が硬貨により遮断されなかったときに通過孔を介して当該検出光を受光する光学素子と、通過孔と光学素子との間において検出光を透過させると共に物体の通過を遮断し、検出光の透過位置から当該検出光の光路と交差する交差方向へ少なくとも所定の離隔距離に渡り延長された透過保護部と、透過保護部を隔壁及び光学素子に対し交差方向へ少なくとも離隔距離に渡り移動可能に支持する支持部と、透過位置から交差方向と反対の方向へ離隔距離だけ離隔した箇所に設けられ、透過保護部における隔壁と対向する表面に当接する清掃部とを設けるようにした。
【0018】
これにより、検出部において、隔壁の通過孔を介して進入する粉塵等を光学素子ではなく透過保護部に付着させることができ、付着した粉塵等については透過保護部を交差方向へ移動させ清掃部に払わせることにより除去でき、除去する間も検出光が透過保護部における他の箇所を透過できるため、媒体の検出を中断せずに済む。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、隔壁の通過孔を介して進入する粉塵等を光学素子ではなく透過保護部に付着させることができ、付着した粉塵等については透過保護部を交差方向へ移動させ清掃部に払わせることにより除去でき、除去する間も検出光が透過保護部における他の箇所を透過できるため、媒体の検出を中断せずに済む。かくして本発明は、可用性を高め得る光学検出装置を実現できる。
【0020】
また本発明によれば、検出部において、隔壁の通過孔を介して進入する粉塵等を光学素子ではなく透過保護部に付着させることができ、付着した粉塵等については透過保護部を交差方向へ移動させ清掃部に払わせることにより除去でき、除去する間も検出光が透過保護部における他の箇所を透過できるため、媒体の検出を中断せずに済む。かくして本発明は、可用性を高め得る硬貨処理装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】レジ釣銭機の全体構成を示す略線的斜視図である。
【図2】硬貨処理部の構成(1)を示す略線的平面図である。
【図3】硬貨処理部の構成(2)を示す略線的側面図である。
【図4】搬送部の構成を示す略線図である。
【図5】光学検出部の構成を示す略線図である。
【図6】第1の実施の形態による発光部の構成を示す略線図である。
【図7】第2の実施の形態による発光部の構成(1)を示す略線図である。
【図8】第2の実施の形態による発光部の構成(2)を示す略線図である。
【図9】第3の実施の形態による発光部の構成を示す略線図である。
【図10】従来の光学検出部の構成を示す略線図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、発明を実施するための形態(以下実施の形態とする)について、図面を用いて説明する。
【0023】
[1.第1の実施の形態]
[1−1.レジ釣銭機の構成]
図1に外観を示すように、レジ釣銭機1は、大きく分けて上側のレジスタ部2と、下側の釣銭処理部3とにより構成されている。このレジ釣銭機1は、例えばスーパーマーケットやコンビニエンスストアのような小売店舗の精算所(いわゆるレジ)において、顧客が購入したい商品を精算する際に、レジ係員により操作されるようになされている。
【0024】
なお以下では、レジ係員が対峙する側面及びその反対面をそれぞれ前面及び後面とし、さらに当該レジ係員から見て左右及び上下を定義して説明する。
【0025】
レジスタ部2は、内蔵された制御部5によりレジ釣銭機1全体を統括制御するようになされている。またレジスタ部2には、図示しないバーコードリーダが接続されており、商品に付されたバーコードをこのバーコードリーダで読み取ることにより、当該商品を認識するようになされている。
【0026】
表示操作部6は、液晶ディスプレイ等でなる表示部と、当該液晶ディスプレイに重ねて配置されたタッチパネル等でなる操作部とにより構成されている。
【0027】
表示操作部6は、認識した商品の名称や金額等を液晶ディスプレイに表示する。また表示操作部6は、表示画面の一部に数字等の入力キーを表示しており、タッチパネル上の入力キーに対応する箇所が押下操作されると、当該入力キーに対応した入力操作を受け付けて制御部5へ送信する。これに応じて制御部5は、商品の数量の増減や金額の修正等の各処理を行うようになされている。
【0028】
またレジスタ部2には、レシート処理部7が内蔵されている。レシート処理部7は、認識した商品の名称や金額等をレシートに印字し、これをレシート排出口7Aから排出するようになされている。
【0029】
一方、釣銭処理部3は、大きく分けて、左側の硬貨処理部11と、右側の紙幣処理部12と、前側上部の表示操作部13とにより構成されている。
【0030】
表示操作部13は、所定の表示パネル及び所定の操作ボタンの組み合わせにより構成されている。
【0031】
表示操作部13の表示パネルは、硬貨処理部11及び紙幣処理部12における稼働状況を表示するようになされており、例えば硬貨処理部11において釣銭用の硬貨が不足していることや、光学検出部(後述する)により異常を検出したこと、或いはその箇所等を表示する。
【0032】
表示操作部13の操作ボタンは、レジ係員等による押下操作を介して、例えば硬貨の搬送等に関する指示を受け付けるようになされている。
【0033】
紙幣処理部12は、レジ係員により紙幣入出口15から投入された紙幣を紙幣鑑別部(図示せず)により鑑別して内部の紙幣収納庫に収納すると共に、制御部5から指示された紙幣を内部の紙幣収納庫から取り出し、これを紙幣入出口15から釣銭として排出するようになされている。
【0034】
[1−2.硬貨処理部の構成]
硬貨処理部11は、図2に平面図を示すと共に図3に側面図を示すように、硬貨処理部筐体20内に全体を制御する制御部21を有している。因みに図中の矢印は、硬貨CNの進行経路を表している。
【0035】
制御部21は、図示しないCPU(Central Processing Unit)を中心に構成されており、図示しないROMやフラッシュメモリ等から所定のプログラムを読み出して実行することにより、硬貨処理部11を統括制御するようになされている。
【0036】
硬貨処理部筐体20の前側には、媒体としての硬貨CNを投入する硬貨投入口22、正常でないと鑑別された(すなわちリジェクトされた)硬貨CNを排出する硬貨リジェクト口25、及び釣銭としての硬貨CNを排出する硬貨排出口29が設けられている。
【0037】
硬貨投入口22は、すり鉢状にえぐられたような形状に形成されると共に、その底部に硬貨CNを1枚ずつ排出する排出機構(図示せず)が組み込まれている。また硬貨投入口22には、所定箇所に硬貨CNの有無を検出する光学素子(図示せず)が組み込まれており、その検出結果を制御部21へ通知するようになされている。
【0038】
実際の精算処理において、レジ係員等が顧客から商品の代金として硬貨CNを預かると、この硬貨CNは、レジ係員等によりまとめて硬貨投入口22へ投入される。硬貨投入口22は、光学素子により硬貨CNが投入されたことを検出すると、制御部21の制御に基づき、硬貨CNを1枚ずつ硬貨鑑別部23に受け渡す。
【0039】
硬貨鑑別部23は、硬貨CNの金種(例えば1円、5円、10円、50円、100円及び500円の6種類)及び真偽等を鑑別し、異常であれば当該硬貨CNを硬貨リジェクト口25へ送出し、正常であれば当該硬貨CNを搬送部24に受け渡す。また硬貨鑑別部23は、硬貨CNの鑑別結果を制御部21へ通知するようになされている。
【0040】
搬送部24は、図4に示すように、無端状のゴムベルト24Bをステッピングモータやプーリ等(いずれも図示せず)により駆動し、当該ゴムベルト24Bにより硬貨CNを平滑に形成された搬送面24A上で後方へ向けて搬送する。
【0041】
また搬送面24Aには、前方から後方へ向かうに連れて、硬貨CNの金種ごとの直径よりも僅かに大きな孔径でなる選別孔26A、26B、26C、26D、26E及び26Fが順次穿設されている(図2)。
【0042】
因みに選別孔26A、26B、26C、26D、26E及び26Fは、孔径が順次大きくなるよう、1円、50円、5円、100円、10円及び500円の順にそれぞれ対応する孔径に設定されている。
【0043】
選別孔26A、26B、26C、26D、26E及び26Fは、それぞれ硬貨CNを収納する硬貨収納庫27A、27B、27C、27D、27E及び27Fと連通されている。
【0044】
かかる構成により搬送部24は、搬送面24A上において硬貨CNを後方へ向けて進行させると共に、当該硬貨CNと対応する孔径でなる選別孔26A〜26Fからそれぞれ落下させ、当該硬貨CNをそれぞれの金種に対応した硬貨収納庫27A〜27Fに収納させる。
【0045】
硬貨収納庫27A〜27Fは、それぞれ硬貨CNを積層して収納するようになされており、また制御部21の制御に基づき、収納している硬貨CNを図示しない排出機構により搬送部28へ1枚ずつ排出するようになされている。
【0046】
実際上、制御部21は、釣銭として顧客に渡すべき金額に応じて硬貨CNの種類及び枚数を決定した上で、決定した種類及び枚数の硬貨CNを硬貨収納庫27A〜27Fからそれぞれ排出させるようになされている。
【0047】
搬送部28は、無端ベルト、ステッピングモータ及びプーリ等(図示せず)により構成されており、硬貨収納庫27A〜27Fから排出された硬貨CNを前方へ搬送し、硬貨排出口29へ落とし込む。
【0048】
硬貨排出口29は、硬貨処理部11の前面下部から前方へ突出すると共に上部中央が椀状にえぐられたような形状でなり、搬送部28から落とし込まれた硬貨CNを受け止めて保持すると共に、前上方から容易に取り出せるようになされている。
【0049】
硬貨排出口29内に落とし込まれた硬貨CNは、硬貨処理部11の前方に対峙するレジ係員により取り出され、釣銭として顧客に渡される。
【0050】
このように硬貨処理部11は、顧客から商品等の代金として支払われ硬貨投入口22に投入された硬貨CNを金種ごとに分別して硬貨収納庫27A〜27Fに収納すると共に、釣銭として渡すべき硬貨CNを硬貨収納庫27A〜27Fから取り出して硬貨排出口29から排出するようになされている。
【0051】
[1−3.光学検出部の構成]
ところで、硬貨処理部11において搬送部24や選別孔26A〜26Fのように硬貨CNが通過する部分には、適切な箇所に光学検出部が適宜設けられており、この光学検出部により硬貨CNの通過や停止(すなわち詰まり)等を検出するようになされている。
【0052】
例えば図5に示すように、選別孔26Aは、その孔径に対応する硬貨CNを搬送面24から矢印W1のように落下させ、この硬貨CNを矢印X方向へ進行させる。
【0053】
選別孔26Aにおける硬貨CNの進行経路には、光学検出部30が設けられている。因みに選別孔26B〜26Fにおいても、同様に光学検出部30が設けられている。
【0054】
光学検出部30は、大きく分けて検出光Lを発光する発光部31と当該検出光Lを受光する受光部32とにより構成されている。
【0055】
[1−3−1.発光部の構成]
発光部31において、選別孔26Aの側壁を形成するフレーム41の外方、すなわち選別孔26Aの外部の空間には、当該フレーム41から所定間隔を隔てた位置に、板状の取付板42が設けられている。取付板42は、例えば金属板でなり、所定形状の取付穴が穿設されると共に、この取付穴を介して発光素子43が取り付けられている。
【0056】
発光素子43は、制御部21によって制御されており、当該制御部21の制御に基づき、矢印X方向とほぼ直交する矢印Y方向に沿って、すなわち選別孔26A内の空間へ向けて検出光Lを発光する。この検出光Lは、所定波長の光でなり、その光路上に何ら物体が存在しない場合には受光部32へ進行し、光路上に硬貨CNがある場合には当該硬貨CNにより遮断される。
【0057】
発光素子43の発光部分とフレーム41との間には、透過保護部44が設けられている。透過保護部44は、図6に示すように、薄板状の板状部45と、円柱状の円柱状部46と、円板状の円板状部47とが互いに前後方向に連結されたような形状となっている。
【0058】
因みに図6では、選別孔26A及び26Bにそれぞれ対応する発光素子43を、それぞれ発光素子43A及び43Bとして示している。
【0059】
板状部45は、前後方向に関し、選別孔26A〜26Fにそれぞれ設けられた全ての発光素子43と対向するよう長く形成されており、また矢印X方向に関し、発光素子43Aの発光面における幅よりも広くなっている(図5)。すなわち板状部45は、検出光Lの進行方向である矢印Y方向とほぼ直交する前後方向に細長い薄板状に形成され、発光素子43Aの発光面を覆うように配置されている。
【0060】
また板状部45は、透明な樹脂材料により構成されると共に、表面が滑らかに仕上げられている。このため板状部45は、物体の物理的な通過を遮断する一方、発光素子43により発光された検出光Lを高い透過率で透過させることができる。
【0061】
またフレーム41における検出光Lの照射箇所近傍には、通過孔41Aが穿設されている。この通過孔41Aの孔径は、発光素子43の取付位置に誤差が生じる可能性を踏まえて、検出光Lの直径よりもある程度大きくなっている。すなわちフレーム41は、通過孔41Aを介して検出光Lを遮断せず進行させるようになされている。
【0062】
かくして発光部31では、フレーム41の外方に配置された発光素子43から検出光Lを発光し、透過保護部44の板状部45を透過させてフレーム41の通過孔41Aを通過させた上で、当該検出光Lを選別孔26A内へ進行させる。
【0063】
ところで透過保護部44は、フレーム41から突設された支持柱41S及び取付板42から突設された支持柱42Sによって板状部45が挟まれることにより、前後方向へ移動可能に支持されている。因みに板状部45を構成する樹脂材料は、比較的硬質となっており、その形状を十分に維持できるようになされている。
【0064】
透過保護部44の円柱状部46は、硬貨処理部筐体20に穿設された孔部20Hに挿通され、その一部が硬貨処理部筐体20の前面から前方へ突出した状態となっている(図1)。また円柱状部46における後寄りの所定箇所には、透過保護部44の移動範囲を規制するストッパ46Sが設けられている。
【0065】
さらに円柱状部46の周囲には、円板状部47と硬貨処理部筐体20との間に挟まれるように付勢部としてのばね48が設けられている。ばね48は、その外径が円板状部47の外径よりも小さいコイルばねでなり、自然長から縮められた状態で円板状部47と硬貨処理部筐体20との間に挟まれている。
【0066】
かかる構成により発光部31は、透過保護部44に何ら外力が加えられていないときには、図6(A)に示したように、ばね48の復元力により当該透過保護部44を前方へ付勢し、ストッパ46Sを硬貨処理部筐体20に当接させた状態となる(以下これを定常状態と呼ぶ)。
【0067】
また発光部31は、レジ係員の指先等により透過保護部44の円板状部47に後方へ向かう外力が加えられると、ばね48を圧縮しながら透過保護部44を後方へ移動させ、図6(B)に示すように、当該ばね48を最も圧縮した状態となる(以下これを後退状態と呼ぶ)。
【0068】
その後発光部31は、外力が解放されると、ばね48の復元力により透過保護部44を前方へ付勢して移動させ、図6(C)に示すように、再びストッパ46Sを硬貨処理部筐体20に当接させた状態、すなわち定常状態に戻る。
【0069】
このように発光部31では、透過保護部44に加えられる後方向への外力に応じて、定常状態と後退状態との間を移動範囲として、当該透過保護部44を前後方向へ移動させ得るようになされている。
【0070】
このとき板状部45は、その前方に連結された円柱状部46及び円板状部47に前後方向への力が加えられるだけで、変形することなく、矢印Y方向(すなわち検出光Lの進行方向)とほぼ直交する前後方向へ移動することができる。
【0071】
また板状部45は、前後方向に長く形成されているため、移動範囲内のいずれにおいても、検出光Lが照射される箇所に透明な部分を位置させることができ、当該検出光Lを常に高い透過率で透過させることができる。
【0072】
具体的に透過保護部44は、定常状態においては位置45A1を、後退状態においては位置45A2を、それぞれ板状部45における検出光Lの透過箇所とする。
【0073】
さらにフレーム41の透過保護部44側には、通過孔41Aのすぐ後方、すなわち検出光Lの光路から外れた箇所に、清掃モヘア49Aが取り付けられている。
【0074】
清掃モヘア49Aは、フレーム41から透過保護部44の板状部45へ向けて伸びた多数の細かく柔らかい毛により構成されており、その毛先を板状部45における選別孔26A側の表面45Xに当接させている。
【0075】
また清掃モヘア49Aは、矢印X方向、すなわち板状部45の幅方向に関し、検出光Lのビーム幅よりも広い範囲に渡って設けられている。
【0076】
このため清掃モヘア49Aは、透過保護部44が前後に移動する際、板状部45の表面45Xを撫でるように払う。このとき清掃モヘア49Aは、表面45Xに異物が付着していた場合、この異物を表面45Xから払い落とし、或いは絡め取り、若しくは表面45X上で移動させることになる。
【0077】
ところで硬貨処理部11では、図2及び図3に示したように、選別孔26A〜26Fが前後方向に互いに隣接するよう配置されている。また選別孔26A〜26Fでは、それぞれの発光部31が互いに隣接するよう配置されている。
【0078】
このような配置を踏まえ、選別孔26A〜26Fの各発光部31では、上述したように板状部45を前後方向に長く形成することにより、透過保護部44を互いに共有する構成とした(図6(A)〜(C))。
【0079】
このため透過保護部44は、円板状部47に対するレジ係員の操作等に応じて前後方向へ移動した際に、選別孔26A〜26Fにおけるそれぞれの発光部31において、清掃モヘア49A等により板状部45の表面を一斉に払うことができる。
【0080】
このように発光部31では、通常時には透過保護部44を定常状態とし、外力が加えられて透過保護部44を後方向へ移動させる際には、板状部45により検出光Lを常に透過させながら、検出光Lの光路外において、その表面45Xの一部を清掃モヘア49Aにより払わせるようになされている。
【0081】
[1−3−2.受光部の構成]
受光部32(図5)は、発光部31のフレーム41、取付板42、発光素子43及び透過保護部44とそれぞれ対応するフレーム51、取付板52、受光素子53及び透過保護部54により構成されている。
【0082】
フレーム51は、選別孔26Aの中心を挟んでフレーム41と対向する側壁を構成している。またフレーム51における検出光Lの照射箇所近傍には、通過孔41Aと同様の通過孔51Aが穿設されている。また通過孔51Aの後方には、清掃モヘア49と対応する清掃モヘア(図示せず)が設けられている。
【0083】
取付板52は、取付板42と同様に、金属板でなると共に所定形状の取付穴が穿設されており、選別孔26Aを挟んで取付板42と対向する箇所に配置されている。
【0084】
受光素子53は、取付板52の取付穴に取り付けられており、選別孔26Aを挟んで発光素子43と対向する位置に設けられている。受光素子53は、制御部21と接続されており、受光部分において光を受光したか否か及び受光したときの光量等を受光結果として当該制御部21へ通知するようになされている。
【0085】
透過保護部54は、透過保護部44と同様に構成されており、板状部45と対応する板状部55を有している。この板状部55は、板状部45と同様、透明な樹脂材料により構成されると共に、表面が滑らかに仕上げられている。
【0086】
かくして受光部32は、発光部31において発光され矢印Y方向へ進行する検出光Lに対し、フレーム51の通過孔51Aを通過させ、透過保護部54の板状部55を透過させた後、フレーム51の外方に配置された受光素子53へ入射させる。
【0087】
受光素子53は、検出光Lの受光結果を制御部21へ通知する。これに応じて制御部21は、検出光Lが一時的に遮られたか否か、すなわち選別孔26Aを硬貨CNが通過したか否かを検出するようになされている。
【0088】
また受光部32の透過保護部54は、発光部31の透過保護部44と同様、外力に応じて前後方向へ移動するようになされている。
【0089】
すなわち受光部32は、外力に応じて透過保護部54を前後方向へ移動させる際、板状部51により検出光Lを常に透過させたまま、その表面の一部を清掃モヘア(図示せず)により払わせるようになされている。
【0090】
[1−4.動作及び効果]
以上の構成において、第1の実施の形態によるレジ釣銭機1の硬貨処理部11は、選別孔26A〜26Fの光学検出部30を発光部31及び受光部32により構成した。
【0091】
発光部31は、通常時においてばね48の作用により透過保護部44が定常状態(図6(A))とし、発光素子43から検出光Lを発光させる。この検出光Lは、透過保護部44の透明な板状部45を透過し、フレーム41の通過孔41Aを通過して選別孔26A内へ進行する。
【0092】
選別孔26A内では、硬貨CNの搬送に伴って粉塵が発生し、周囲のフレーム41や51等に付着する。またこの粉塵は、フレーム41に穿設された通過孔41Aを通過し、フレーム41の外部へも進行する。
【0093】
通過孔41Aを通過した粉塵は、透過保護部44の板状部45における、表面45Xのうち通過孔41Aに最も近い箇所、すなわち位置45A1の近傍に付着する。以下、板状部45の表面45Xに付着した粉塵を異物FBと呼ぶ。
【0094】
また透過保護部44の板状部45は、発光素子43の発光部を全て覆うように、当該発光素子43のすぐ近傍に配置されている。このため発光素子43には、粉塵が殆ど付着しない。
【0095】
透過保護部44の板状部45に対する異物FBの付着量は、時間の経過と共に増加する。また板状部45に付着した異物FBは、検出光Lを減衰させ、その付着量の増加に応じて減衰量も増加することになる。
【0096】
光学検出部30では、板状部45に対する異物FBの付着量が増加すると、受光素子53による受光量が減少し、硬貨CNの通過による光量の変化を十分に検出できなくなる恐れがある。
【0097】
そこで制御部21は、受光素子53による受光量が所定のしきい値を下回ると、操作表示部13(図1)に所定の警告を表示し、レジ係員に対し異物FBの付着を通知する。これに応じてレジ係員は、指先等により透過保護部44の円板状部47を後方向へ押し込む。
【0098】
レジ係員の操作により、透過保護部44及びその一部である板状部45は、後方向へ移動して後退状態となる(図6(B))。このとき板状部45は、検出光Lの透過箇所を位置45A1から位置45A2へ移動させるが、当該板状部45が全体的に透明な部材により構成されているため、当該検出光Lを遮ることなく、常に透過させることができる。
【0099】
また板状部45は、清掃モヘア49Aにより位置45A1が払われる。これにより板状部45の位置45A1に付着していた異物FBは、清掃モヘア49Aにより払い落とされ、或いは絡め取られ、若しくは表面45X上で移動されることにより、位置45A1から除去される。
【0100】
すなわち発光部31では、検出光Lの光路外に配置した清掃モヘア49Aにより、検出光Lの光路を遮ることなく、位置45A1に付着していた異物FBを除去することができる。
【0101】
その後、レジ係員が指先等を透過保護部44の円板状部47から離すことにより、ばね48の復元力が作用し、透過保護部44が前方向へ移動して再び定常状態に戻る(図6(C))。この過程において板状部45は、検出光Lの透過箇所を位置45A2から位置45A1へ移動させるが、やはり検出光Lを遮ることなく常に透過させることができる。
【0102】
定常状態に戻った透過保護部44は、清掃モヘア49Aにより位置45A1の異物FBが除去されているため、検出光Lを減衰させることなく、選別孔26A内へ進行させることができる。
【0103】
このように発光部31では、定常状態において透過保護部44の板状部45により発光素子43の発光面を保護し、異物FBを当該発光素子43ではなく板状部45の位置45A1に付着させる。そして発光部31は、透過保護部44を一時的に後方へ移動させ後退状態とすることにより、清掃中も検出光Lを遮断することなく、清掃モヘア49Aによって板状部45の位置45A1から異物FBを除去することができる。
【0104】
また硬貨処理部11は、選別孔26A〜26Fの各発光部31において、透過保護部44を共有するよう構成したため、レジ係員等に当該透過保護部44を操作させるだけで、6箇所の発光部31において一斉に板状部45の表面から異物FBを除去させることができる。
【0105】
また受光部32においても、発光部31と同様、透過保護部54の板状部55により受光素子53の受光面を保護し、異物FBを当該受光素子53ではなく板状部55に付着させる。そして受光部32は、透過保護部54を一時的に後方へ移動させ後退状態とすることにより、清掃中も検出光Lを遮断することなく、清掃モヘア(図示せず)によって板状部55から異物FBを除去することができる。
【0106】
これによりレジ釣銭機1では、異物FBにより検出光Lの受光量が減少し、硬貨CNを適切に検出できなくなる恐れがある場合に、レジ係員の操作により透過保護部44及び54を一時的に後方へ移動させて再び元の位置に戻させるだけで、検出光Lの光路上から異物FBを除去することができる。すなわちレジ釣銭機1では、運用を停止することなく光学検出部30により硬貨CNを適切に検出できる状態を極力維持すること、すなわち可用性を高めることができる。
【0107】
以上の構成によれば、レジ釣銭機1の硬貨処理部11は、光学検出部30の発光部31において、発光素子43から検出光Lを発光し、透過保護部44の板状部45における位置45A1を透過させ、フレーム41の通過孔41Aを通過させて選別孔26A内へ進行させる。発光部31は、異物FBが位置45A1の近傍に付着した場合、透過保護部44を一時的に後方へ移動させることにより、検出光Lに位置45A2を透過させながら、フレーム41に取り付けられた清掃モヘア49Aにより位置45A1の異物FBを除去させる。かくしてレジ釣銭機1は、運用を停止することなく、光学検出部30により硬貨CNを適切に検出できる状態を維持することができる。
【0108】
[2.第2の実施の形態]
第2の実施の形態によるレジ釣銭機101(図1)は、第1の実施の形態によるレジ釣銭機1と比較して、硬貨処理部11に代わる硬貨処理部111を有する点が相違するものの、他の点については同様に構成されている。
【0109】
硬貨処理部111は、第1の実施の形態による硬貨処理部11と比較して、光学検出部30、発光部31及び受光部32に代わる光学検出部130、発光部131及び受光部132を有する点が相違するものの、他の点については同様に構成されている。
【0110】
[2−1.光学検出部の構成]
図6(A)との対応部分に同一符号を付した図7に示すように、光学検出部130の発光部131は、発光部31と比較して、透過保護部44に代わる透過保護部144を有する点が相違するものの、他の点については同様に構成されている。
【0111】
透過保護部144は、図8に断面図を示すように、板状部45における短辺方向の両端から、フレーム41へ向けて(すなわち矢印Y方向へ)薄板状の側壁部146がそれぞれ延設されると共に、取付板42へ向けて(すなわち矢印Yと反対の方向へ)薄板状の側壁部147がそれぞれ延設されている。
【0112】
側壁部146は、フレーム41との間に極めて狭い隙間を形成しており、外部からの粉塵等の進入を極力防止すると共に、移動時に当該フレーム41との間に摩擦を生じないようになされている。
【0113】
また透過保護部144には、板状部45と対応して側壁部146が前後方向に延長されているものの、清掃モヘア49Aと対応する箇所において当該側壁部146が省略されることにより、排出部148が形成されている。
【0114】
側壁部147は、取付板42との間に極めて狭い隙間を形成しており、外部からの粉塵等の進入を極力防止すると共に、移動時に当該取付板42との間に摩擦を生じないようになされている。
【0115】
このように発光部131の透過保護部144は、第1の実施の形態における透過保護部44の板状部45に側壁部146及び147を増設したことにより、板状部45近傍の空間をその周囲の空間から隔てたような構成となっている。
【0116】
また透過保護部144は、第1の実施の形態と同様、円柱状部46及び円板状部47を有し、当該円板状部47と硬貨処理部筐体20との間にばね48を挟み込んでおり、さらに支持柱41S及び42Sにより前後方向へ移動可能に支持されている。
【0117】
このため発光部131は、第1の実施の形態と同様、透過保護部144に何ら外力が加えられていないときには定常状態にある(図7)。そして発光部131は、第1の実施の形態と同様、透過保護部144に後方へ向かう外力が加えられるとばね48を圧縮しながら後方へ移動させて後退状態となり、この外力が解放されるとばね48の復元力により透過保護部144を前方へ移動させて再び定常状態に戻る。
【0118】
受光部132は、第1の実施の形態と比較して、透過保護部の構成が相違する。この透過保護部は、発光部131の透過保護部144と同様に、板状部に側壁部(図示せず)が増設された構成となっている。
【0119】
[2−2.動作及び効果]
以上の構成において、第2の実施の形態によるレジ釣銭機101の硬貨処理部111は、光学検出部130を発光部131及び受光部132により構成した。
【0120】
光学検出部130の発光部131は、第1の実施の形態と同様、発光素子43から検出光Lを発光し、透過保護部144の板状部45における位置45A1を透過させ、フレーム41の通過孔41Aを通過させて選別孔26A内へ進行させる。
【0121】
これに加えて発光部131では、透過保護部144の板状部45における短辺方向の両端に、板状部45近傍の空間をその周辺から隔てると共にフレーム41と取付板42との間を塞ぐように側壁部146及び147を設けた(図7、図8)。
【0122】
発光部131は、透過保護部144の側壁部146とフレーム41との間の隙間が極めて狭くなっているため、周囲からの粉塵等の進入を効果的に防止することができ、これにより第1の実施の形態よりも板状部45の表面に対する異物FBの付着量を低減させることができる。
【0123】
また発光部131は、透過保護部144の側壁部146における清掃モヘア49Aと対応する箇所に排出部148を形成したことにより、フレーム41、板状部45及び側壁部146により囲まれる空間内から外部へ粉塵等を排出することができる。
【0124】
これにより発光部131では、清掃モヘア49Aにより板状部45の表面から払い落とされた異物FBが粉塵等として近傍の空間内に存在していたとしても、排出部148を介して外部へ排出することが期待できるので、再び異物FBとして付着する可能性を大幅に低下させることができる。
【0125】
さらに透過保護部144の側壁部147は、取付板42との間の隙間が極めて狭くなっているため、周囲からの粉塵等の進入を効果的に防止することができ、これにより板状部45における取付板42側の表面や発光素子43の発光面に対する異物の付着を効果的に防止することができる。
【0126】
また側壁部146及び147のいずれも、フレーム41及び取付板42との間に僅かな隙間を形成しているため、透過保護部144が前後方向へ移動される際に摩擦による抵抗力を殆ど発生させることがなく、スムーズに移動させることができる。
【0127】
受光部132は、透過保護部144と同様の構成でなる透過保護部(図示せず)を有することにより、当該透過保護部144と同様に、周囲からの粉塵等の侵入を防止することができ、異物FBの付着量を低減させ、或いは防止することができる。
【0128】
その他の点においても、第2の実施の形態による光学検出部130は、第1の実施の形態による光学検出部30と同様の作用効果を奏し得る。
【0129】
以上の構成によれば、第2の実施の形態によるレジ釣銭機101の硬貨処理部111は、透過保護部144の板状部45に側壁部146及び147を設けたことにより、板状部45の表面や発光素子43の発光面の近傍に対する粉塵等の進入を効果的に防止でき、異物FBとしての付着を抑制することができる。また発光部131は、異物FBが位置45A1の近傍に付着した場合には、透過保護部144を一時的に後方へ移動させることにより、検出光Lに位置45A2を透過させながら、フレーム41に取り付けられた清掃モヘア49Aにより位置45A1の異物FBを除去させる。かくしてレジ釣銭機101は、運用を停止することなく、光学検出部30により硬貨CNを適切に検出できる状態を維持することができる。
【0130】
[3.第3の実施の形態]
第3の実施の形態によるレジ釣銭機201(図1)は、第1の実施の形態によるレジ釣銭機1と比較して、硬貨処理部11に代わる硬貨処理部211を有する点が相違するものの、他の点については同様に構成されている。
【0131】
硬貨処理部211は、第1の実施の形態による硬貨処理部11と比較して、光学検出部30、発光部31及び受光部32に代わる光学検出部230、発光部231及び受光部232を有する点が相違するものの、他の点については同様に構成されている。
【0132】
[3−1.光学検出部の構成]
図7との対応部分に同一符号を付した図9に示すように、光学検出部230の発光部231は、発光部131と比較して、透過保護部144に代わる透過保護部244を有する点が相違するものの、他の点については同様に構成されている。
【0133】
透過保護部244は、透過保護部144と比較して、円柱状部46に代わる円柱状部246を有すると共に、栓248及び清掃モヘア249Aを有する点が相違するものの、他の部分については同様に構成されている。
【0134】
円柱状部246は、円柱状部46が前方向へ延長されたような形状となっており、その前側端部に円板状部47が取り付けられている。また円柱状部246には、円柱状部46の前端に相当する前方寄りの箇所に、円環状の栓248が取り付けられている。
【0135】
栓248は、その内径が円柱状部246の外径とほぼ同等に形成され、その外径が円板状部47の外径とほぼ同等に、すなわちばね48の外径よりも大きく形成されている。また栓248は、円柱状部246の周囲における硬貨処理部筐体20との間に、ばね48を自然状態から縮めた状態で挟み込んでいる。
【0136】
さらに栓248は、可撓性を有する樹脂材料により構成されると共に周方向における所定箇所が切断されており、円柱状部246から容易に取り外し、また容易に装着し得るようになされている。
【0137】
清掃モヘア249Aは、板状部45の位置45A2よりも前方の位置45A3における取付板42側の表面に取り付けられている。清掃モヘア249Aは、板状部45から取付板42へ向けて伸びた多数の細かく柔らかい毛により構成されている。また清掃モヘア249Aの長さは、清掃モヘア49Aよりも短く、板状部45と発光素子43Aの発光面との間隔と同程度若しくはこれよりも僅かに長い程度となっている。
【0138】
因みに図9では、説明の都合上、側壁部146及び147により隠れる清掃モヘア49A及び249A等を実線により示している。
【0139】
かかる構成により発光部231は、透過保護部244に何ら外力が加えられていないときには、第1の実施の形態と同様に定常状態にある(図9(A))。
【0140】
そして発光部231は、レジ係員の指先等により透過保護部244の円板状部47に後方へ向かう外力が加えられると、ばね48を圧縮しながら透過保護部244を後方へ移動させ、栓248と硬貨処理部筐体20との間でばね48を最も圧縮した後退状態となる(図9(B))。
【0141】
このとき発光部231では、第1の実施の形態と同様(図6(B))、板状部45の位置45A1における表面が清掃モヘア49により払われるため、当該板状部45の位置45A1から異物FBが除去される。
【0142】
また発光部231は、透過保護部244の円柱状部246から栓248が取り外された状態でレジ係員の指先等により円板状部47に後方へ向かう外力が加えられると、透過保護部244を後退状態(図9(B))よりも後方へ移動させ、円板状部47と硬貨処理部筐体20との間でばね48を最も圧縮した第2後退状態となる(図9(C))。
【0143】
このとき発光部231は、透過保護部244の板状部45における位置45A3を発光素子43Aの発光面と対向させ、清掃モヘア249Aにより当該発光素子43Aの発光面を払うことになる。
【0144】
その後発光部231は、外力が解放されると共に栓248が円柱状部246に装着されると、定常状態に戻る(図9(A))。
【0145】
このように発光部231は、加えられる外力に応じて透過保護部144を前後方向に移動させるものの、円柱状部246に栓248が装着されているときには定常状態と後退状態との間で移動させ、栓248が取り外されたときには定常状態と第2後退状態との間で移動させるようになされている。
【0146】
受光部232は、第2の実施の形態と比較して、透過保護部の構成が相違する。この透過保護部は、発光部231の透過保護部244と同様に構成されており、円柱状部が延長されると共に栓が設けられ、また板状部に清掃モヘア249Aと同様の清掃モヘア(図示せず)が設けられている。
【0147】
[3−2.動作及び効果]
以上の構成において、第3の実施の形態によるレジ釣銭機201の硬貨処理部211は、光学検出部230を発光部231及び受光部232により構成した。
【0148】
光学検出部230の発光部231は、第2の実施の形態と同様、発光素子43から検出光Lを発光し、透過保護部244の板状部45における位置45A1を透過させ、フレーム41の通過孔41Aを通過させて選別孔26A内へ進行させる。
【0149】
さらに発光部231では、透過保護部244において、前後に延長された円柱状部246及び着脱可能な栓248を設けると共に、板状部45の取付板42と対向する面における位置45A3に清掃モヘア249Aを設けた(図9(A))。
【0150】
操作表示部13(図1)に所定の警告が表示され、異物FBの付着が通知されると、レジ係員は、第1の実施の形態と同様、指先等により透過保護部244の円板状部47を後方向へ押し込む。
【0151】
これに応じて発光部231は、透過保護部244及びその一部である板状部45が後方向へ移動し、栓248と硬貨処理部筐体20との間でばね48を最も圧縮して後退状態となる(図9(B))。
【0152】
このとき透過保護部244は、第1及び第2の実施の形態と同様、検出光Lを遮ることなく、清掃モヘア49Aにより板状部45の位置45A1におけるフレーム41側の表面を払い、異物FBを除去することができる。
【0153】
ここで、一連の操作によっても操作表示部13(図1)に表示された警告が消灯しない場合、板状部45では無く、発光素子43Aの発光面に異物FBが付着している可能性が高い。
【0154】
このような場合、発光部231は、レジ係員等により透過保護部244から栓248を取り外させた上で透過保護部244の円板状部47を後方向へ押し込ませ、第2後退状態(図9(C))とする。
【0155】
このとき発光部231は、板状部45の位置45A3における取付板42側の表面に設けた清掃モヘア249Aにより発光素子43Aの発光面を払うことができるので、当該発光面に付着した異物FBを払い落とし、或いは絡め取ることにより、当該異物FBを除去することができる。
【0156】
すなわち第3の実施の形態による発光部231では、フレーム41の通過孔41Aを通じて進入する粉塵等をまず板状部45の表面に異物FBとして付着させることにより、透過保護部244の前後方向への移動により検出光Lを遮ることなく異物FBを除去することができる。
【0157】
また発光部231では、それでも発光素子43Aの発光面に異物FBが付着した場合には、栓248を取り外させ透過保護部244を後方向へ押し込ませて第2後退状態(図9(C))とし、清掃モヘア249Aによりこの異物FBを除去させることができる。
【0158】
このとき発光部231は、一時的に検出光Lを遮ることにはなるものの、硬貨処理部211の分解清掃まで行わせる必要がなく、レジ釣銭機201における運用停止期間を極めて短い時間に抑えることができる。
【0159】
さらに発光部231では、第2の実施の形態と同様、板状部45に側壁部146及び147を設けたことにより、発光素子43Aの発光面近傍における空間の密閉性を高め、粉塵等の進入を効果的に抑制することができる。
【0160】
これにより発光部231は、発光素子43Aの発光面に対する異物FBの付着を抑えることができるので、第2後退状態を利用することによりレジ釣銭機201の運用を停止してしまう頻度を格段に減少させることができる。
【0161】
また受光部232は、透過保護部244と同様の構成でなる透過保護部(図示せず)を有することにより、当該透過保護部244と同様に、後退状態を利用した板状部45のからの異物FBの除去に加えて、第2後退状態を利用した発光素子43Aの発光面からの異物FBの除去を容易に且つ短時間で完了することができる。
【0162】
その他の点においても、第3の実施の形態による光学検出部230は、第1の実施の形態による光学検出部30及び第2の実施の形態による光学検出部130と同様の作用効果を奏し得る。
【0163】
以上の構成によれば、第3の実施の形態によるレジ釣銭機201の硬貨処理部211は、発光部231において、異物FBが位置45A1の近傍に付着した場合には、透過保護部244を後退位置まで移動させることにより、検出光Lを板状部45により透過させながら、フレーム41に取り付けられた清掃モヘア49Aにより位置45A1の異物FBを除去させる。また発光部231は、異物FBが発光素子43Aの発光面に付着した場合には、透過保護部244を第2後退位置まで移動させることにより、検出光Lを遮りながらも清掃モヘア249Aにより発光面から異物FBを除去させる。かくしてレジ釣銭機101は、運用を極力継続し、停止する場合には停止期間を極めて短時間に抑えることにより、光学検出部30により硬貨CNを適切に検出できる状態を維持することができる。
【0164】
[4.他の実施の形態]
なお上述した第1の実施の形態においては、透過保護部44の板状部45を透明な樹脂材料により構成するようにした場合について述べた。
【0165】
しかしながら本発明はこれに限らず、板状部45を例えばガラス材料や所定の色に着色された樹脂材料等で構成しても良く、要は板状部45が検出光Lの波長を受光素子53において受光できる程度の透過率で透過させ得ると共に粉塵等を物理的に遮断できれば良い。第2及び第3の実施の形態についても同様である。
【0166】
また上述した第1の実施の形態においては、板状部45の延長方向を、検出光Lの進行方向である矢印Y方向とほぼ直交する前後方向とするようにした場合について述べた。
【0167】
しかしながら本発明はこれに限らず、矢印Y方向に対し板状部45の延長方向及び移動方向が任意の角度で交差するようにしても良い。ただしこの場合、板状部45の表面において検出光Lの屈折が生じる可能性があるため、矢印Y方向に対する当該板状部45の延長方向及び移動方向の交差角度を極力90度に近づけることが好ましい。第2及び第3の実施の形態についても同様である。
【0168】
さらに上述した第1の実施の形態においては、透過保護部44に加えられていた外力が解放されたときに、コイルばねでなるばね48の復元力により当該透過保護部44を前方向へ付勢し定常状態に戻すようにした場合について述べた。
【0169】
しかしながら本発明はこれに限らず、例えばばね48に代えて板ばねやゴムのような弾性材料を適宜用い、この弾性材料の弾性力を利用し透過保護部44を前方向へ付勢して定常状態に戻すようにしても良く、或いはばね48を省略してレジ係員等の手作業により透過保護部44を定常状態に戻すようにしても良い。第2及び第3の実施の形態についても同様である。
【0170】
さらに上述した第1の実施の形態においては、透過保護部44の一部である円柱状部46を介し、円板状部47に加えられた外力や復元力を板状部45に直接的に伝達することにより、当該板状部45を前後方向へ移動するようにした場合について述べた。
【0171】
しかしながら本発明はこれに限らず、例えば所定のギアやリンク機構等を介して外力を伝達することにより、板状部45を移動させるようにしても良い。第2及び第3の実施の形態についても同様である。
【0172】
さらに上述した第2の実施の形態においては、透過保護部144の板状部45の短辺方向における両端近傍に側壁部146及び147を設けることにより、粉塵等の進入を防止するようにした場合について述べた。
【0173】
しかしながら本発明はこれに限らず、例えば透過保護部144から側壁部146及び147を省略すると共に、当該側壁部146及び147に相当する側壁部をフレーム41側及び取付板42側にそれぞれ設けるようにしても良い。この場合、要は透過保護部144の前後方向への移動を妨げず、且つ周囲からの粉塵等の進入を抑制することができれば良い。
【0174】
また、例えば透過保護部144から側壁部146を省略し、側壁部147のみを設けるようにしても良い。さらには、側壁部146に設ける排出部148については、任意の箇所に設けると共に任意の形状としても良く、若しくは省略しても良い。第3の実施の形態についても同様である。
【0175】
さらに上述した第3の実施の形態においては、円柱状部246から栓248を取り外すことにより、透過保護部244を第2後退状態まで移動できるようにするようにした場合について述べた。
【0176】
しかしながら本発明はこれに限らず、例えば栓248を前方向へ摺動させ円板状部247に近接させることにより透過保護部244を第2後退状態まで移動できるようにしても良い。また透過保護部244においては、栓248に代えて種々の形状でなる着脱可能な部材を設けるようにしても良い。
【0177】
さらに上述した第3の実施の形態においては、透過保護部244における板状部45の位置45A3に清掃モヘア249Aを設け、透過保護部244を後退状態からさらに後方向へ移動させた第2後退状態とすることにより当該清掃モヘア249Aにより発光素子43Aの発光面を払わせるようにした場合について述べた。
【0178】
しかしながら本発明はこれに限らず、例えば透過保護部244における板状部45の位置45A1から見て位置45A2と反対の位置に(すなわち位置45A1よりも後方に)清掃モヘア249Aを設けると共に、硬貨処理部筐体20の孔部20H近傍を可動式に構成する等してストッパ46Sとの当接を一時的に回避できるようにしても良い。この場合、透過保護部244を定常状態よりも前方へ移動させることにより、清掃モヘア249Aにより発光素子43Aの発光面を払わせることができる。
【0179】
さらに上述した第1の実施の形態においては、硬貨処理部11内において硬貨収納庫27A〜27Fを前後方向に互いに隣接するよう配置し、これに伴い搬送部24を前後方向に走行させ選別孔26A〜26Fも前後方向に互いに隣接して配置した上で、硬貨処理部筐体20の前側面から透過保護部44の円柱状部46及び円板状部47を突出させるようにした場合について述べた。
【0180】
しかしながら本発明はこれに限らず、例えば硬貨処理部11内において硬貨収納庫27A〜27Fを左右方向に互いに隣接するよう配置し、これに伴い搬送部24を左右方向に走行させ選別孔26A〜26Fも左右方向に互いに隣接して配置するようにして、硬貨処理部筐体20の左側面から透過保護部44の円柱状部46及び円板状部47を突出させるようにしても良い。第2及び第3の実施の形態についても同様である。
【0181】
さらに上述した第1の実施の形態においては、発光部31の透過保護部44と受光部32の透過保護部54とを互いに独立して前後方向へ移動させるようにした場合について述べた。
【0182】
しかしながら本発明はこれに限らず、例えば発光部31の透過保護部44と受光部32の透過保護部54とを連結し、レジ係員等の操作により、透過保護部44及び54を一体として前後に移動させるようにしても良い。第2及び第3の実施の形態についても同様である。
【0183】
さらに上述した第1の実施の形態においては、選別孔26A〜26Fの各発光部31において板状部45を前後方向に長く形成することにより、透過保護部44を共有するようにした場合について述べた。
【0184】
しかしながら本発明はこれに限らず、各発光部31の透過保護部44をそれぞれ独立させるようにしても良く、或いは2箇所や3箇所といった任意の単位で各発光部31における透過保護部44を共有するようにしても良い。受光部32の透過保護部54や第2及び第3の実施の形態についても同様である。
【0185】
さらに上述した第1の実施の形態においては、光学検出部30を選別孔26A〜26Fに設けるようにした場合について述べた。
【0186】
しかしながら本発明はこれに限らず、光学検出部30を搬送部24又は28における任意の箇所や硬貨投入口22、或いは硬貨収納庫27A〜27F等といった様々な箇所に設けるようにしても良い。第2及び第3の実施の形態についても同様である。
【0187】
さらに上述した第1の実施の形態においては、レジ釣銭機1の硬貨処理部11において、媒体としての硬貨CNを検出する光学検出部30に本発明を適用するようにした場合について述べた。
【0188】
しかしながらこれに限らず、例えばレジ釣銭機1の紙幣処理部12や現金自動預払機において、媒体として紙幣を検出する光学検出部や、自動券売機において媒体として入場券や乗車券等を検出する光学検出部、或いは機械部品の製造装置等において媒体として当該機械部品を検出する光学検出部等、種々の媒体を光学的に検出する光学検出部に本発明を適用するようにしても良い。
【0189】
さらに上述した第1の実施の形態においては、隔壁としてのフレーム41と、光学素子としての発光素子43と、透過保護部としての透過保護部44と、支持部としての支持柱41S及び42Sと、清掃部としての清掃モヘア49とによって光学検出装置としての発光部31を構成する場合について述べた。
【0190】
しかしながら本発明はこれに限らず、その他種々の構成でなる隔壁と、光学素子と、透過保護部と、支持部と、清掃部とによって光学検出装置を構成するようにしても良い。
【0191】
さらに上述した第1の実施の形態においては、投入部としての硬貨投入口22と、収納庫としての硬貨収納庫27Aと、搬送部としての搬送部24及び選別孔26Aと、検出部としての光学検出部30と、隔壁としてのフレーム41と、光学素子としての発光素子43と、透過保護部としての透過保護部44と、支持部としての支持柱41S及び42Sと、清掃部としての清掃モヘア49とによって硬貨処理装置としての硬貨処理部11を構成する場合について述べた。
【0192】
しかしながら本発明はこれに限らず、その他種々の構成でなる投入部と、収納庫と、搬送部と、検出部と、隔壁と、光学素子と、透過保護部と、支持部と、清掃部とによって硬貨処理装置を構成するようにしても良い。
【産業上の利用可能性】
【0193】
本発明は、硬貨や紙幣、或いは機械部品等の媒体を、当該媒体により遮断される検出光Lを用いて検出する種々の光学検出装置等でも利用できる。
【符号の説明】
【0194】
1、101、201……レジ釣銭機、11、111、211……硬貨処理部、20……硬貨処理部筐体、21……制御部、22……硬貨投入口、23……硬貨鑑別部、24、28……搬送部、26A〜26F……選別孔、27A〜27F……硬貨収納庫、29……硬貨排出口、30、130、230……光学検出部、31、131、231……発光部、32、132、232……受光部、41、51……フレーム、41A……通過孔、41S、42S……支持柱、42、52……取付板、43……発光素子、44、144、244……透過保護部、45……板状部、45A1、45A2、45A3……位置、46、246……円柱状部、46S……ストッパ、47……円板状部、48……ばね、49A、249A……清掃モヘア、146、147……側壁部、148……排出部、248……栓、CN……硬貨、FB……異物。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
媒体を存在させる内部空間を周囲の外部空間から遮蔽すると共に所定の通過孔が形成された隔壁と、
上記外部空間において上記隔壁に対する位置が固定され、上記通過孔を介して上記内部空間へ向けて所定の検出光を発光し、又は上記内部空間において上記検出光が上記媒体により遮断されなかったときに上記通過孔を介して当該検出光を受光する光学素子と、
上記通過孔と上記光学素子との間において上記検出光を透過させると共に物体の通過を遮断し、上記検出光の透過位置から当該検出光の光路と交差する交差方向へ少なくとも所定の離隔距離に渡り延長された透過保護部と、
上記透過保護部を上記隔壁及び上記光学素子に対し上記交差方向へ少なくとも上記離隔距離に渡り移動可能に支持する支持部と、
上記透過位置から上記交差方向と反対の方向へ上記離隔距離だけ離隔した箇所に設けられ、上記透過保護部における上記隔壁と対向する表面に当接する清掃部と
を具えることを特徴とする光学検出装置。
【請求項2】
上記透過保護部において上記検出光を透過させる透過部分の周囲の空間を他の空間から隔てる隔離部
をさらに具えることを特徴とする請求項1に記載の光学検出装置。
【請求項3】
上記隔離部は、
上記透過保護部の上記透過部分における上記隔壁側及び上記光学素子側の少なくとも一方に、当該透過部分から上記隔壁又は上記光学素子へ向けて延設された側壁でなる
ことを特徴とする請求項2に記載の光学検出装置。
【請求項4】
上記透過保護部における上記交差方向又はその反対方向への移動範囲を上記離隔距離とするよう規制する規制部
をさらに具えることを特徴とする請求項1に記載の光学検出装置。
【請求項5】
上記透過保護部を上記交差方向と反対の方向へ付勢する付勢部
をさらに具えることを特徴とする請求項4に記載の光学検出装置。
【請求項6】
上記透過保護部は、
上記光学素子と対向する表面における、上記透過位置から上記交差方向へ上記離隔距離だけ離れた位置からさらに上記交差方向へ、又は上記透過位置から上記交差方向と反対の方向へ、所定の第2離隔距離だけ離れた位置に、上記光学素子の発光面又は受光面と対向するよう移動された際に当該発光面又は受光面に当接する第2清掃部を具える
ことを特徴とする請求項1に記載の光学検出装置。
【請求項7】
上記透過保護部における上記交差方向又はその反対方向への移動範囲を、上記離隔距離に相当する第1の移動範囲、又は上記離隔距離に上記第2離隔距離を加えた第2の移動範囲に切り替える移動範囲切替部
をさらに具えることを特徴とする請求項6に記載の光学検出装置。
【請求項8】
上記透過保護部は、
他の光学検出装置における上記透過保護部と連結された
ことを特徴とする請求項1に記載の光学検出装置。
【請求項9】
硬貨を投入させる投入部と、
上記硬貨を種類ごとに収納する複数の収納庫と、
上記投入部に投入された上記硬貨をその種類に応じた上記収納庫へ搬送する搬送部と、
上記搬送部の所定箇所における上記硬貨の有無を検出する検出部と
を具える硬貨処理装置であって、
上記検出部は、
上記硬貨が搬送される内部空間を周囲の外部空間から遮蔽すると共に所定の通過孔が形成された隔壁と、
上記外部空間において上記隔壁に対する位置が固定され、上記通過孔を介して上記内部空間へ向けて所定の検出光を発光し、又は上記内部空間において上記検出光が上記硬貨により遮断されなかったときに上記通過孔を介して当該検出光を受光する光学素子と、
上記通過孔と上記光学素子との間において上記検出光を透過させると共に物体の通過を遮断し、上記検出光の透過位置から当該検出光の光路と交差する交差方向へ少なくとも所定の離隔距離に渡り延長された透過保護部と、
上記透過保護部を上記隔壁及び上記光学素子に対し上記交差方向へ少なくとも上記離隔距離に渡り移動可能に支持する支持部と、
上記透過位置から上記交差方向と反対の方向へ上記離隔距離だけ離隔した箇所に設けられ、上記透過保護部における上記隔壁と対向する表面に当接する清掃部と
を具えることを特徴とする硬貨処理装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−97672(P2013−97672A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−241291(P2011−241291)
【出願日】平成23年11月2日(2011.11.2)
【出願人】(000000295)沖電気工業株式会社 (6,645)
【Fターム(参考)】