説明

光学活性α−アルキルセリン誘導体の製造方法

【課題】1,3−プロパンジオール誘導体から光学活性α−アルキルセリン誘導体を得る方法を提供する。
【解決手段】下記式(I)
【化1】


(式中、R及びRは、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数6〜8のアリール基、又はベンジル基であり、Rは、水素原子又はメチル基である。)で示される光学活性オキサゾリン誘導体、銅塩、塩基及び窒素原子とハロゲン原子とが結合した部位を有する酸化剤の存在下、例えば、2−(N−ベンゾイルアミノ)−2−メチル−1,3−プロパンジオールのような1,3−プロパンジオール誘導体とメタノールを反応させて(R)、又は(S)−N−ベンゾイル−α−メチルセリンメチルエステルのような光学活性α−アルキルセリン誘導体を製造する方法である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学活性α−アルキルセリン誘導体の新規な製造方法である。詳しくは、プロキラルな1,3−プロパンジオール誘導体の一方の水酸基を窒素原子とハロゲン原子とが結合した部位を有する酸化剤によって選択的に酸化する事により、光学活性α−アルキルセリン誘導体を製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
光学活性α−アルキルセリン誘導体は、免疫抑制作用、神経疾患治療作用等の生理活性を有する化学物質の前駆体として極めて重要な化合物である。
【0003】
光学活性α−アルキルセリン誘導体を取得する手段としては、セリン誘導体を出発物質として、−78℃の極低温下、ナトリウムビス(トリメチルシリル)アミド存在下、アルキルハライド化合物と反応させる方法が知られている(非特許文献1参照)。
【0004】
しかしながら、かかる方法は、反応途中でのラセミ化を防ぐ目的で−78℃という極低温下で実施する必要がある。さらに、塩基として用いるナトリウムビス(トリメチルシリル)アミドが水とすばやく反応するため、反応に用いる有機溶媒は事前に脱水する必要がある上に、−78℃に冷却する際に反応系に水が入らないように細心の注意を払わなくてはならない。
【0005】
一方、光学活性化合物を合成する方法の一つとして、二つの同じ置換基を有するプロキラルな化合物の片方の置換基のみを、光学活性な触媒存在下化学的或いは生物化学的に変換することで光学活性化合物を合成する方法が知られている。かかる方法を用いての光学活性α−アルキルセリン誘導体の合成方法としては、アミノマロン酸ジステル誘導体をエステラーゼ存在下に選択的に加水分解を行い、一方のアルコキシカルボニル基を選択的にカルボキシル基に変換した後、このカルボキシル基を選択的に水酸基に還元する方法が知られている。(特許文献1参照)。
【0006】
しかしながら、上記の方法は、カルボキシル基を選択的に還元するために、カルボキシル基を酸フロライド化合物に変換した後に還元反応を行わなければならないため、プロキラルなアミノマロン酸ジステル誘導体を光学活性α−アルキルセリン誘導体に変換するまでに三工程を必要とする。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】テトラヘドロン アシメトリー(Tetrahedron: Asymmetry)2008年、19巻、247−257頁
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平10−245369号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
以上のような従来技術に対して、プロキラルな化合物を出発原料とする方法において、ジオール化合物の一方の水酸基のみを選択的に酸化して光学活性α−アルキルセリン誘導体を合成する方法が考えられるが、このような方法は未だ知られていない。
【0010】
したがって、本発明の目的は、光学活性な触媒存在下、プロキラルなジオール化合物の一方の水酸基を選択的に酸化することにより、光学活性なα−アルキルセリン誘導体を効率よく製造する方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
かかる実情に鑑み、本発明者らは鋭意検討した結果、光学活性触媒として光学活性オキサゾリン−銅錯体を用い、塩基、及び窒素原子とハロゲン原子とが結合した部位を有する酸化剤の存在下、1,3−プロパンジオール誘導体と、メタノール、又はエタノールとを反応させることによって、一工程で光学活性なα−アルキルセリン誘導体を製造する方法を見出し、本発明を完成させるに至った。
【0012】
即ち、本発明は、下記式(I)
下記式(I)
【0013】
【化1】

【0014】
(式中、
及びRは、それぞれ、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数6〜8のアリール基、又はベンジル基であり、
は、水素原子、又はメチル基である。)
で示される光学活性オキサゾリン誘導体、銅塩、塩基、及び窒素原子とハロゲン原子とが結合した部位を有する酸化剤の存在下、
下記式(II)
【0015】
【化2】

【0016】
(式中、
は、炭素数1〜3のアルキル基、又はベンジル基であり、
は、置換もしくは無置換のフェニル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、又はベンジルオキシ基である。)
で示される1,3−プロパンジオール誘導体と、メタノール、又はエタノールとを反応させることを特徴とする、下記式(III)
【0017】
【化3】

【0018】
(式中、
、及びRは、前記式(II)におけるものと同義であり、
は、メチル基、又はエチル基である。)
で示される光学活性α−アルキルセリン誘導体の製造方法である。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、1,3−プロパンジオール誘導体を、より重要度の高い光学活性α−アルキルセリン誘導体に一工程で変換できる。そのため、本発明の方法は、工業的利用価値が非常に高い。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明は、前記式(I)で示される光学活性オキサゾリン誘導体、銅塩、塩基、及び窒素原子とハロゲン原子とが結合した部位を有する酸化剤の存在下、前記式(II)で示される1,3−プロパンジオール誘導体と、メタノール、又はエタノールとを反応させ、前記式(III)で示される光学活性α−アルキルセリン誘導体を製造するものである。以下、順を追って説明する。
【0021】
(光学活性オキサゾリン誘導体)
本発明で使用する光学活性オキサゾリン誘導体は、下記式(I)
【0022】
【化4】

【0023】
(式中、
及びRは、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数6〜8のアリール基、又はベンジル基であり、
は、水素原子、又はメチル基である。)
で示される。
【0024】
本発明において、前記式(I)で示される光学活性オキサゾリン誘導体は、得られる光学活性α−アルキルセリン誘導体の構造を決定する上で非常に重要な物質である。下記に詳述するが、オキサゾリン環4位がR配置の光学活性オキサゾリン誘導体を使用することにより、(R)−α−アルキルセリン誘導体を製造することができる。一方、オキサゾリン環4位がS配置の光学活性オキサゾリン誘導体を使用することにより、(S)−α−アルキルセリン誘導体を製造することができる。
【0025】
前記式(I)中のR及びRは、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数6〜8のアリール基、又はベンジル基である。
【0026】
ここで炭素数1〜5のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基等が挙げられる。
【0027】
炭素数6〜8のアリール基としては、フェニル基、4−メチルフェニル基、4−エチルフェニル基等が挙げられる。
【0028】
ベンジル基としては、ベンジル基等が挙げられる。
【0029】
また、前記式(I)中のRは、水素原子、又はメチル基である。
【0030】
これら基を有する前記式(I)で示される光学活性オキサゾリン誘導体は、試薬として入手できる光学活性オキサゾリン誘導体が何ら制限なく使用できる。この光学活性オキサゾリン誘導体を具体的に例示すると、2,2’−イソプロピリデンビス[(4R)−4−フェニル−2−オキサゾリン]、2,2’−イソプロピリデンビス[(4R)−4−メチル−2−オキサゾリン]、2,2’−イソプロピリデンビス[(4R)−4−イソプロピル−2−オキサゾリン]、2,2’−イソプロピリデンビス[(4R)−4−tert−ブチル−2−オキサゾリン]、2,2’−イソプロピリデンビス[(4R)−4−ベンジル−2−オキサゾリン]、1,1’−メチレンビス[(4R,5S)−4,5−ジフェニル−2−オキサゾリン]、2,2’−イソプロピリデンビス[(4S)−4−フェニル−2−オキサゾリン]、2,2’−イソプロピリデンビス[(4S)−4−メチル−2−オキサゾリン]、2,2’−イソプロピリデンビス[(4S)−4−イソプロピル−2−オキサゾリン]、2,2’−イソプロピリデンビス[(4S)−4−tert−ブチル−2−オキサゾリン]、2,2’−イソプロピリデンビス[(4S)−ベンジル−2−オキサゾリン]、1,1’−メチレンビス[(4S,5R)−4,5−ジフェニル−2−オキサゾリン]等を挙げることができる。
【0031】
これらの中でも特に、銅錯体とした際に高い選択性を発現する2,2’−イソプロピリデンビス[(4R)−4−フェニル−2−オキサゾリン]、1,1’−メチレンビス[(4R,5S)−4,5−ジフェニル−2−オキサゾリン]、2,2’−イソプロピリデンビス[(4S)−4−フェニル−2−オキサゾリン]、1,1’−メチレンビス[(4S,5R)−4,5−ジフェニル−2−オキサゾリン]等が特に好適である。
【0032】
本発明で使用される前記式(I)で示される光学活性オキサゾリン誘導体の使用量としては、触媒として使用するため、下記に詳述する前記式(II)で示される1,3−プロパンジオール誘導体1モルに対して0.001〜0.5モル、好ましくは0.005〜0.2モルの範囲から選択すればよい。
【0033】
(銅塩)
本発明で使用する銅塩としては、前記式(I)で示される光学活性オキサゾリン誘導体と錯体を形成するものであり、二価の銅塩であれば試薬として入手できるものを特に制限なく使用できる。それらを具体的に例示すると、臭化銅、塩化銅、フッ化銅、水酸化銅、燐酸銅、酢酸銅、ジメチルジチオカルバミン酸銅、銅メトキサイド、銅エトキシド、銅イソプロポキサイド、エチルアセト酢酸銅、2−エチルヘキサン酸銅、グルコン酸銅、ヘキサフルオロアセチルアセトナート銅、イソ酪酸銅、フタル酸銅、トリフオロアセチルアセトナート銅、トリフルオロメタンスルホン酸銅等を挙げることができる。これらの銅塩の中でも特に、前記式(I)で示される光学活性オキサゾリンと、容易に錯体を形成し、高い光学分割を示す、臭化銅、塩化銅、トリフルオロメタンスルホン酸銅等が好適に使用される。
【0034】
銅塩の使用量としては特に制限はないが、銅塩は前記式(I)で示される光学活性オキサゾリンと反応して錯体を形成するため、前記式(I)で示される光学活性オキサゾリンの使用量に対して等モル量使用することが好ましい。
【0035】
(塩基)
本発明に使用する塩基は、1,3−プロパンジオール誘導体と窒素原子とハロゲン原子とが結合した部位を有する酸化剤との反応で発生するハロゲン化水素の捕捉剤として作用するばかりでなく、触媒としての作用も期待される。該塩基としては、通常試薬として入手可能な塩基類が何ら制限なく使用できる。これら塩基類を具体的に例示すると、ナトリウムメトキサイド、カリウムメトキサイド、ナトリウムエトキサイド、カリウムエトキサイド、ナトリウムカリウムtert−ブトキサイド等の金属アルコキサイド化合物、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、炭酸リチウム、炭酸セシウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素リチウム等の無機炭酸塩、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム等の水酸化物、リン酸カリウム、リン酸ナトリウム等の無機リン酸塩を挙げることができる。これらの中でも、高い選択性と収率を与えるという理由から、ナトリウムメトキサイド、カリウムメトキサイド等の金属アルコキサイド化合物、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、炭酸リチウム、炭酸セシウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素リチウム等の無機炭酸塩、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化マグネシウム等の水酸化物、リン酸カリウム、リン酸ナトリウム等の無機リン酸塩を使用するのが特に好適である。
【0036】
本発明で使用する塩基の量は、特に制限されるものではないが、あまり量が多いと後処理工程が煩雑となる上に、生成物の分解反応に寄与する可能性が高くなり、あまり量が少ないと反応の転化率が低くなるため、通常、前記式(II)で示される1,3−プロパンジオール誘導体1モルに対して0.5〜10モル、特に1〜5モルの範囲から選択するのが好適である。
【0037】
(窒素−ハロゲン結合を有する酸化剤)
本発明において、窒素原子とハロゲン原子とが結合した部位を有する酸化剤は、該1,3−プロパンジオール誘導体の一方の水酸基のみを選択的に酸化し、光学活性α−メチルセリン誘導体を生成させるものである。本発明の方法によれば、窒素原子とハロゲン原子とが結合した部位を有する酸化剤が、前記式(II)で示される1,3−プロパンジオール誘導体の一方の水酸基のみを選択的に酸化し、その酸化生成物がメタノール、又はエタノールと反応することにより、一工程で前記式(III)で示される光学活性α−アルキルセリン誘導体を製造できる。
【0038】
本発明で使用される窒素原子とハロゲン原子とが結合した部位を有する酸化剤としては、通常、試薬として入手可能なものを具体的に例示すると、N−クロロスクシンイミド、N−ブロモスクシンイミド、N−ヨードスクシンイミド、N−クロロフタルイミド、N−ブロモフタルイミド、N−ヨードフタルイミド、N−クロロアセトイミド、N−ブロモアセトイミド、N−ヨードアセトイミド等のイミド化合物、1,3−ジクロロ−2,5−ジメチルヒダントイン、1,3−ジブロモ−2,5−ジメチルヒダントイン、1,3−ジヨード−2,5−ジメチルヒダントイン等のヒダントイン化合物、1,3,5−トリクロロイソシアヌル酸、1,3,5−トリブロモイソシアヌル酸、1,3,5−トリヨードイソシアヌル酸等のイソシアヌル酸化合物等を挙げることができる。これらの中でも、特に好適に使用される窒素原子とハロゲン原子とが結合した部位を有する酸化剤を具体的に例示すると、N−ブロモスクシンイミド、N−ブロモフタルイミド、N−ブロモアセトイミド等のイミド化合物、1,3−ジブロモ−2,5−ジメチルヒダントイン等のヒダントイン化合物等が、高い収率で生成物を与えるため、有効である。
【0039】
上記窒素原子とハロゲン原子とが結合した部位を有する酸化剤は、前記式(II)で示される1,3−プロパンジオール誘導体の一方の水酸基を選択的に酸化するために使用する。そのため、前記窒素−ハロゲン結合を有する酸化剤の使用量は、あまり量が多いと副反応を助長し、あまり量が少ないと酸化反応の進行が遅いため、該1,3−プロパンジオール誘導体1モルに対して1モル〜20モル、好ましく2〜10モルであることが好ましい。
【0040】
(1,3−プロパンジオール誘導体)
本発明においては、前記式(I)で示される光学活性オキサゾリン誘導体、銅塩、塩基、及び窒素原子とハロゲン原子とが結合した部位を有する酸化剤の存在下、下記式(II)
【0041】
【化5】

【0042】
(式中、
は、炭素数1〜3のアルキル基又はベンジル基であり、
は、置換もしくは無置換のフェニル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、又はベンジルオキシ基である。)
で示される1,3−プロパンジオール誘導体と、メタノール、又はエタノールとを反応させる。次に、前記式(II)で示される1,3−プロパンジオール誘導体について説明する。
【0043】
前記式(II)中のRは、炭素数1〜3のアルキル基、又はベンジル基であり、Rは、置換もしくは無置換のフェニル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、又はベンジルオキシ基である。
【0044】
ここで炭素数1〜3のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、又はイソプロピル基等を挙げることができる。
【0045】
置換もしくは無置換のフェニル基としては、1〜2個の置換基が導入された置換フェニル基もしくはフェニル基が挙げられる。置換フェニル基としては、好ましくは、炭素数1〜4のアルキル基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、炭素数1〜4のアルコキシ基を1〜2個有する置換フェニル基が挙げられる。具体的な置換フェニル基を例示すると、4−メチルフェニル基、4−エチルフェニル基、4−tert−ブチルフェニル基、4−クロロフェニル基、4−フルオロフェニル基、4−ブロモフェニル基、4−ニトロフェニル基、4−メトキシフェニル基、4−シアノフェニル基、2−メチルフェニル基、2−エチルフェニル基、2−tert−ブチルフェニル基、2−クロロフェニル基、2−フロロフェニル基、2−ブロモフェニル基、2−ニトロフェニル基、2−メトキシフェニル基、2−シアノフェニル基、3−メチルフェニル基、3−エチルフェニル基、3−tert−ブチルフェニル基、3−クロロフェニル基、3−フロロフェニル基、3−ブロモフェニル基、3−ニトロフェニル基、3−メトキシフェニル基、3−シアノフェニル基、2,6−ジクロロフェニル基、2,6−ジメチルフェニル基、2,4−ジクロロフェニル基、2,4−ジメチルフェニル基等を挙げることができる。
【0046】
炭素数1〜4のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロピルオキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブチルオキシ基等を挙げることができる。
【0047】
本発明で使用する前記式(II)で示される1,3−プロパンジオール誘導体を具体的に例示すると、2−(N−ベンゾイルアミノ)−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−(N−4−クロロベンゾイルアミノ)−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−(N−4−フロロベンゾイルアミノ)−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−(N−4−ブロモベンゾイルアミノ)−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−(N−4−メチルベンゾイルアミノ)−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−(N−4−エチルベンゾイルアミノ)−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−(N−4−tert−ブチルベンゾイルアミノ)−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−(N−4−ニトロベンゾイルアミノ)−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−(N−4−メトキシベンゾイルアミノ)−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−(N−4−シアノベンゾイルアミノ)−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−(N−2−クロロベンゾイルアミノ)−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−(N−2−フロロベンゾイルアミノ)−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−(N−2−ブロモベンゾイルアミノ)−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−(N−2−メチルベンゾイルアミノ)−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−(N−2−エチルベンゾイルアミノ)−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−(N−2−tert−ブチルベンゾイルアミノ)−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−(N−2−ニトロベンゾイルアミノ)−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−(N−2−メトキシベンゾイルアミノ)−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−(N−2−シアノベンゾイルアミノ)−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−(N−3−クロロベンゾイルアミノ)−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−(N−3−フロロベンゾイルアミノ)−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−(N−3−ブロモベンゾイルアミノ)−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−(N−3−メチルベンゾイルアミノ)−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−(N−3−エチルベンゾイルアミノ)−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−(N−3−tert−ブチルベンゾイルアミノ)−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−(N−3−ニトロベンゾイルアミノ)−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−(N−3−メトキシベンゾイルアミノ)−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−(N−3−シアノベンゾイルアミノ)−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−(N−2,6−ジクロロベンゾイルアミノ)−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−(N−2,6−ジメチルベンゾイルアミノ)−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−(N−2,4−ジクロロベンゾイルアミノ)−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−(N−2,4−ジメチルベンゾイルアミノ)−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−(N−ベンジルオキシカルボニル)−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−(N−メトキシカルボニル)−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−(N−エトキシカルボニル)−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−(N−n−プロポキシカルボニル)−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−(N−イソプロピルオキシカルボニル)−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−(N−tert−ブチルオキシカルボニル)−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−(N−ベンゾイルアミノ)−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−(N−4−クロロベンゾイルアミノ)−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−(N−4−フロロベンゾイルアミノ)−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−(N−4−ブロモベンゾイルアミノ)−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−(N−4−メチルベンゾイルアミノ)−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−(N−4−エチルベンゾイルアミノ)−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−(N−4−tert−ブチルベンゾイルアミノ)−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−(N−4−ニトロベンゾイルアミノ)−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−(N−4−メトキシベンゾイルアミノ)−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−(N−4−シアノベンゾイルアミノ)−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−(N−2−クロロベンゾイルアミノ)−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−(N−2−フロロベンゾイルアミノ)−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−(N−2−ブロモベンゾイルアミノ)−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−(N−2−メチルベンゾイルアミノ)−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−(N−2−エチルベンゾイルアミノ)−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−(N−2−tert−ブチルベンゾイルアミノ)−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−(N−2−ニトロベンゾイルアミノ)−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−(N−2−メトキシベンゾイルアミノ)−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−(N−2−シアノベンゾイルアミノ)−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−(N−3−クロロベンゾイルアミノ)−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−(N−3−フロロベンゾイルアミノ)−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−(N−3−ブロモベンゾイルアミノ)−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−(N−3−メチルベンゾイルアミノ)−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−(N−3−エチルベンゾイルアミノ)−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−(N−3−tert−ブチルベンゾイルアミノ)−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−(N−3−ニトロベンゾイルアミノ)−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−(N−3−メトキシベンゾイルアミノ)−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−(N−3−シアノベンゾイルアミノ)−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−(N−2,6−ジクロロベンゾイルアミノ)−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−(N−2,6−ジメチルベンゾイルアミノ)−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−(N−2,4−ジクロロベンゾイルアミノ)−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−(N−2,4−ジメチルベンゾイルアミノ)−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−(N−ベンジルオキシカルボニル)−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−(N−メトキシカルボニル)−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−(N−エトキシカルボニル)−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−(N−n−プロポキシカルボニル)−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−(N−イソプロピルオキシカルボニル)−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−(N−tert−ブチルオキシカルボニル)−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−(N−ベンゾイルアミノ)−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、2−(N−4−クロロベンゾイルアミノ)−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、2−(N−4−フロロベンゾイルアミノ)−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、2−(N−4−ブロモベンゾイルアミノ)−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、2−(N−4−メチルベンゾイルアミノ)−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、2−(N−4−エチルベンゾイルアミノ)−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、2−(N−4−tert−ブチルベンゾイルアミノ)−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、2−(N−4−ニトロベンゾイルアミノ)−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、2−(N−4−メトキシベンゾイルアミノ)−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、2−(N−4−シアノベンゾイルアミノ)−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、2−(N−2−クロロベンゾイルアミノ)−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、2−(N−2−フロロベンゾイルアミノ)−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、2−(N−2−ブロモベンゾイルアミノ)−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、2−(N−2−メチルベンゾイルアミノ)−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、2−(N−2−エチルベンゾイルアミノ)−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、2−(N−2−tert−ブチルベンゾイルアミノ)−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、2−(N−2−ニトロベンゾイルアミノ)−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、2−(N−2−メトキシベンゾイルアミノ)−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、2−(N−2−シアノベンゾイルアミノ)−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、2−(N−3−クロロベンゾイルアミノ)−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、2−(N−3−フロロベンゾイルアミノ)−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、2−(N−3−ブロモベンゾイルアミノ)−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、2−(N−3−メチルベンゾイルアミノ)−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、2−(N−3−エチルベンゾイルアミノ)−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、2−(N−3−tert−ブチルベンゾイルアミノ)−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、2−(N−3−ニトロベンゾイルアミノ)−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、2−(N−3−メトキシベンゾイルアミノ)−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、2−(N−3−シアノベンゾイルアミノ)−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、2−(N−2,6−ジクロロベンゾイルアミノ)−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、2−(N−2,6−ジメチルベンゾイルアミノ)−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、2−(N−2,4−ジクロロベンゾイルアミノ)−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、2−(N−2,4−ジメチルベンゾイルアミノ)−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、2−(N−ベンジルオキシカルボニル)−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、2−(N−メトキシカルボニル)−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、2−(N−エトキシカルボニル)−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、2−(N−n−プロポキシカルボニル)−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、2−(N−イソプロピルオキシカルボニル)−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、2−(N−tert−ブチルオキシカルボニル)−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、2−(N−ベンゾイルアミノ)−2−ベンジル−1,3−プロパンジオール、2−(N−4−クロロベンゾイルアミノ)−2−ベンジル−1,3−プロパンジオール、2−(N−4−フロロベンゾイルアミノ)−2−ベンジル−1,3−プロパンジオール、2−(N−4−ブロモベンゾイルアミノ)−2−ベンジル−1,3−プロパンジオール、2−(N−4−メチルベンゾイルアミノ)−2−ベンジル−1,3−プロパンジオール、2−(N−4−エチルベンゾイルアミノ)−2−ベンジル−1,3−プロパンジオール、2−(N−4−tert−ブチルベンゾイルアミノ)−2−ベンジル−1,3−プロパンジオール、2−(N−4−ニトロベンゾイルアミノ)−2−ベンジル−1,3−プロパンジオール、2−(N−4−メトキシベンゾイルアミノ)−2−ベンジル−1,3−プロパンジオール、2−(N−4−シアノベンゾイルアミノ)−2−ベンジル−1,3−プロパンジオール、2−(N−2−クロロベンゾイルアミノ)−2−ベンジル−1,3−プロパンジオール、2−(N−2−フロロベンゾイルアミノ)−2−ベンジル−1,3−プロパンジオール、2−(N−2−ブロモベンゾイルアミノ)−2−ベンジル−1,3−プロパンジオール、2−(N−2−メチルベンゾ
イルアミノ)−2−ベンジル−1,3−プロパンジオール、2−(N−2−エチルベンゾイルアミノ)−2−ベンジル−1,3−プロパンジオール、2−(N−2−tert−ブチルベンゾイルアミノ)−2−ベンジル−1,3−プロパンジオール、2−(N−2−ニトロベンゾイルアミノ)−2−ベンジル−1,3−プロパンジオール、2−(N−2−メトキシベンゾイルアミノ)−2−ベンジル−1,3−プロパンジオール、2−(N−2−シアノベンゾイルアミノ)−2−ベンジル−1,3−プロパンジオール、2−(N−3−クロロベンゾイルアミノ)−2−ベンジル−1,3−プロパンジオール、2−(N−3−フロロベンゾイルアミノ)−2−ベンジル−1,3−プロパンジオール、2−(N−3−ブロモベンゾイルアミノ)−2−ベンジル−1,3−プロパンジオール、2−(N−3−メチルベンゾイルアミノ)−2−ベンジル−1,3−プロパンジオール、2−(N−3−エチルベンゾイルアミノ)−2−ベンジル−1,3−プロパンジオール、2−(N−3−tert−ブチルベンゾイルアミノ)−2−ベンジル−1,3−プロパンジオール、2−(N−3−ニトロベンゾイルアミノ)−2−ベンジル−1,3−プロパンジオール、2−(N−3−メトキシベンゾイルアミノ)−2−ベンジル−1,3−プロパンジオール、2−(N−3−シアノベンゾイルアミノ)−2−ベンジル−1,3−プロパンジオール、2−(N−2,6−ジクロロベンゾイルアミノ)−2−ベンジル−1,3−プロパンジオール、2−(N−2,6−ジメチルベンゾイルアミノ)−2−ベンジル−1,3−プロパンジオール、2−(N−2,4−ジクロロベンゾイルアミノ)−2−ベンジル−1,3−プロパンジオール、2−(N−2,4−ジメチルベンゾイルアミノ)−2−ベンジル−1,3−プロパンジオール、2−(N−ベンジルオキシカルボニル)−2−ベンジル−1,3−プロパンジオール、2−(N−メトキシカルボニル)−2−ベンジル−1,3−プロパンジオール、2−(N−エトキシカルボニル)−2−ベンジル−1,3−プロパンジオール、2−(N−n−プロポキシカルボニル)−2−ベンジル−1,3−プロパンジオール、2−(N−イソプロピルオキシカルボニル)−2−ベンジル1,3−プロパンジオール、2−(N−tert−ブチルオキシカルボニル)−2−ベンジル−1,3−プロパンジオール等を挙げることができる。
【0048】
これらの1,3−プロパンジオール誘導体の中でも、特に好適に使用される1,3−プロパンジオール誘導体を具体的に例示すると、2−(N−ベンゾイルアミノ)−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−(N−4−クロロベンゾイルアミノ)−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−(N−4−フロロベンゾイルアミノ)−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−(N−4−ブロモベンゾイルアミノ)−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−(N−4−メチルベンゾイルアミノ)−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−(N−4−エチルベンゾイルアミノ)−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−(N−4−tert−ブチルベンゾイルアミノ)−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−(N−4−ニトロベンゾイルアミノ)−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−(N−4−メトキシベンゾイルアミノ)−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−(N−4−シアノベンゾイルアミノ)−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−(N−2−クロロベンゾイルアミノ)−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−(N−2−フロロベンゾイルアミノ)−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−(N−2−ブロモベンゾイルアミノ)−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−(N−2−メチルベンゾイルアミノ)−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−(N−2−エチルベンゾイルアミノ)−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−(N−2−tert−ブチルベンゾイルアミノ)−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−(N−2−ニトロベンゾイルアミノ)−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−(N−2−メトキシベンゾイルアミノ)−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−(N−2−シアノベンゾイルアミノ)−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−(N−3−クロロベンゾイルアミノ)−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−(N−3−フロロベンゾイルアミノ)−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−(N−3−ブロモベンゾイルアミノ)−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−(N−3−メチルベンゾイルアミノ)−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−(N−3−エチルベンゾイルアミノ)−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−(N−3−tert−ブチルベンゾイルアミノ)−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−(N−3−ニトロベンゾイルアミノ)−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−(N−3−メトキシベンゾイルアミノ)−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−(N−3−シアノベンゾイルアミノ)−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−(N−2,6−ジクロロベンゾイルアミノ)−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−(N−2,6−ジメチルベンゾイルアミノ)−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−(N−2,4−ジクロロベンゾイルアミノ)−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−(N−2,4−ジメチルベンゾイルアミノ)−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−(N−ベンジルオキシカルボニル)−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−(N−tert−ブチルオキシカルボニル)−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−(N−ベンゾイルアミノ)−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−(N−4−クロロベンゾイルアミノ)−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−(N−4−フロロベンゾイルアミノ)−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−(N−4−ブロモベンゾイルアミノ)−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−(N−4−メチルベンゾイルアミノ)−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−(N−4−エチルベンゾイルアミノ)−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−(N−4−tert−ブチルベンゾイルアミノ)−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−(N−4−ニトロベンゾイルアミノ)−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−(N−4−メトキシベンゾイルアミノ)−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−(N−4−シアノベンゾイルアミノ)−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−(N−2−クロロベンゾイルアミノ)−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−(N−2−フロロベンゾイルアミノ)−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−(N−2−ブロモベンゾイルアミノ)−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−(N−2−メチルベンゾイルアミノ)−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−(N−2−エチルベンゾイルアミノ)−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−(N−2−tert−ブチルベンゾイルアミノ)−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−(N−2−ニトロベンゾイルアミノ)−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−(N−2−メトキシベンゾイルアミノ)−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−(N−2−シアノベンゾイルアミノ)−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−(N−3−クロロベンゾイルアミノ)−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−(N−3−フロロベンゾイルアミノ)−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−(N−3−ブロモベンゾイルアミノ)−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−(N−3−メチルベンゾイルアミノ)−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−(N−3−エチルベンゾイルアミノ)−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−(N−3−tert−ブチルベンゾイルアミノ)−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−(N−3−ニトロベンゾイルアミノ)−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−(N−3−メトキシベンゾイルアミノ)−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−(N−3−シアノベンゾイルアミノ)−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−(N−2,6−ジクロロベンゾイルアミノ)−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−(N−2,6−ジメチルベンゾイルアミノ)−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−(N−2,4−ジクロロベンゾイルアミノ)−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−(N−2,4−ジメチルベンゾイルアミノ)−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−(N−ベンジルオキシカルボニル)−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−(N−tert−ブチルオキシカルボニル)−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−(N−ベンゾイルアミノ)−2−ベンジル−1,3−プロパンジオール、2−(N−4−クロロベンゾイルアミノ)−2−ベンジル−1,3−プロパンジオール、2−(N−4−フロロベンゾイルアミノ)−2−ベンジル−1,3−プロパンジオール、2−(N−4−ブロモベンゾイルアミノ)−2−ベンジル−1,3−プロパンジオール、2−(N−4−メチルベンゾイルアミノ)−2−ベンジル−1,3−プロパンジオール、2−(N−4−エチルベンゾイルアミノ)−2−ベンジル−1,3−プロパンジオール、2−(N−4−tert−ブチルベンゾイルアミノ)−2−ベンジル−1,3−プロパンジオール、2−(N−4−ニトロベンゾイルアミノ)−2−ベンジル−1,3−プロパンジオール、2−(N−4−メトキシベンゾイルアミノ)−2−ベンジル−1,3−プロパンジオール、2−(N−4−シアノベンゾイルアミノ)−2−ベンジル−1,3−プロパンジオール、2−(N−2−クロロベンゾイルアミノ)−2−ベンジル−1,3−プロパンジオール、2−(N−2−フロロベンゾイルアミノ)−2−ベンジル−1,3−プロパンジオール、2−(N−2−ブロモベンゾイルアミノ)−2−ベンジル−1,3−プロパンジオール、2−(N−2−メチルベンゾイルアミノ)−2−ベンジル−1,3−プロパンジオール、2−(N−2−エチルベンゾイルアミノ)−2−ベンジル−1,3−プロパンジオール、2−(N−2−tert−ブチルベンゾイルアミノ)−2−ベンジル−1,3−プロパンジオール、2−(N−2−ニトロベンゾイルアミノ)−2−ベンジル−1,3−プロパンジオール、2−(N−2−メトキシベンゾイルアミノ)−2−ベンジル−1,3−プロパンジオール、2−(N−2−シアノベンゾイルアミノ)−2−ベンジル−1,3−プロパンジオール、2−(N−3−クロロベンゾイルアミノ)−2−ベンジル−1,3−プロパンジオール、2−(N−3−フロロベンゾイルアミノ)−2−ベンジル−1,3−プロパンジオール、2−(N−3−ブロモベンゾイルアミノ)−2−ベンジル−1,3−プロパンジオール、2−(N−3−メチルベンゾイルアミノ)−2−ベンジル−1,3−プロパンジオール、2−(N−3−エチルベンゾイルアミノ)−2−ベンジル−1,3−プロパンジオール、2−(N−3−tert−ブチルベンゾイルアミノ)−2−ベンジル−1,3−プロパンジオール、2−(N−3−ニトロベンゾイルアミノ)−2−ベンジル−1,3−プロパンジオール、2−(N−3−メトキシベンゾイルアミノ)−2−ベンジル−1,3−プロパンジオール、2−(N−3−シアノベンゾイルアミノ)−2−ベンジル−1,3−プロパンジオール、2−(N−2,6−ジクロロベンゾイルアミノ)−2−ベンジル−1,3−プロパンジオール、2−(N−2,6−ジメチルベンゾイルアミノ)−2−ベンジル−1,3−プロパンジオール、2−(N−2,4−ジクロロベンゾイルアミノ)−2−ベンジル−1,3−プロパンジオール、2−(N−2,4−ジメチルベンゾイルアミノ)−2−ベンジル−1,3−プロパンジオール、2−(N−ベンジルオキシカルボニル)−2−ベンジル−1,3−プロパンジオール、2−(N−tert−ブチルオキシカルボニル)−2−ベンジル−1,3−プロパンジオール等が、生成物を高収率で与えるため有効である。
【0049】
これら1,3−プロパンジオール誘導体の幾つかは試薬あるいは工業原料として入手可能である。また、入手できない場合には、1,3−プロパンジオール誘導体の前駆体である下記式(IV)
【0050】
【化6】

【0051】
(但し、Rは、前記式(II)におけるものと同義である。)
で示されるアミノプロパンジオール化合物と下記式(V)
【0052】
【化7】

【0053】
(式中、Rは、前記式(II)におけるものと同義である。)
で示されるカルボン酸クロライド化合物を反応させることで容易に製造することが可能である。
【0054】
アミノプロパンジオール化合物とカルボン酸クロライド化合物の反応方法としては、種々の方法が知られているため、特に限定されるものではない。反応方法の一例を例示すると、塩化メチレンのような有機溶媒中、トリエチルアミンのような有機塩基存在下、アミノプロパンジオール化合物とカルボン酸クロライド化合物を反応させる方法を挙げることができる。このような方法によって製造された1,3−プロパンジオール誘導体が、窒素−ハロゲン結合を有する酸化剤との反応に供される。
【0055】
(メタノール、又はエタノール)
本発明によれば、前記式(II)で示される1,3−プロパンジオール誘導体が窒素原子とハロゲン原子とが結合した部位を有する酸化剤によって酸化されると同時に反応系中に存在するメタノール、又はエタノールと反応して、前記式(III)で示される光学活性α−アルキルセリン誘導体へと変換される。
【0056】
そのため、前記式(III)で示される光学活性α−アルキルセリン誘導体において、Rがメチル基である場合にはメタノールを使用し、Rがエチル基である場合にはエタノールを使用している。
【0057】
本発明において、メタノール、又はエタノールの使用量としては、前記式(II)で示される1,3−プロパンジオール誘導体との量論反応であるため、前記式(II)で示される1,3−プロパンジオール誘導体と等モル以上あれば特に制限はないが、あまり量が多いと生成物の光学純度や収率を低下させる傾向があるため、前記式(II)で示される1,3−プロパンジオール誘導体1モルに対して1〜10モル、好ましくは1〜5モルの範囲が好適である。
【0058】
(反応方法)
本発明は、前記式(I)で示される光学活性オキサゾリン誘導体、銅塩、塩基、及び窒素原子とハロゲン原子とが結合した部位を有する酸化剤の存在下、前記式(II)で示される1,3−プロパンジオール誘導体とメタノール、又はエタノールとを反応させる。この反応(以下、この反応を単に、酸化反応とする場合もある)は、メタノール、又はエタノールをそのまま反応溶媒として使用することもできるが、メタノール、又はエタノール以外の有機溶媒中で行うことが好ましい。
【0059】
本発明において、酸化反応に使用する有機溶媒は、窒素原子とハロゲン原子とが結合した部位を有する酸化剤に対して不活性な溶媒であれば何等制限なく使用できる。これらの有機溶媒を具体的に例示すれば、テトラハイドロフラン、1,4−ジオキサン、ジエチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル等のエーテル類、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素類、アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル類、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、ブロモベンゼン等の芳香族炭化水素類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、ジメチルカーボネート等のカーボネート類、酢酸エチル、酢酸プロピル等のエステル類、へキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素類等を挙げることができる。
【0060】
これらの有機溶媒の中でも特に、高い収率と反応速度が期待できるという理由から、テトラハイドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル類、塩化メチレン、クロロホルムのハロゲン化炭化水素類、クロロベンゼン等の芳香族炭化水素類等を使用するのが特に好適である。
【0061】
本発明で使用する有機溶媒の量は、特に制限されるものではないが、あまり量が多いとバッチあたりの収量が減少するため経済的ではなく、あまり量が少ないと攪拌等に支障をきたす。そのため、通常、反応溶媒中の前記式(II)で示される1,3−プロパンジオール化合物の濃度が0.1〜70質量%、さらには0.5〜30質量%となるような量を使用するのが好ましい。
【0062】
本発明において、光学活性オキサゾリン誘導体、銅塩、塩基、1,3−プロパンジオール誘導体、窒素原子とハロゲン原子とが結合した部位を有する酸化剤、及び、メタノール又はエタノール(以下、まとめて「アルコール」とする場合もある)の添加順序は、特に制限されるものではないが、銅錯体を形成させた後に、1,3−プロパンジオール誘導体、及び窒素原子とハロゲン原子とが結合した部位を有する酸化剤を添加するのが一般的である。そのため、例えば、反応器に光学活性オキサゾリン誘導体、銅塩、有機溶媒、1,3−プロパンジオール誘導体、アルコール、塩基を仕込み、それらを攪拌混合しながら最後に窒素原子とハロゲン原子とが結合した部位を有する酸化剤を添加する方法を採用することができる。また、反応器に光学活性オキサゾリン誘導体、銅塩、及び有機溶媒を仕込み、攪拌混合しながら1,3−プロパンジオール誘導体、アルコール、塩基を添加し、最後に窒素原子とハロゲン原子とが結合した部位を有する酸化剤を添加する方法を採用することもできる。また、反応器に光学活性オキサゾリン誘導体、銅塩、塩基、アルコール、及び有機溶媒を仕込み、撹拌混合しながら、1,3−プロパンジオール誘導体、及び窒素原子とハロゲン原子とが結合した部位を有する酸化剤を同時に添加する方法も採用することができる。
【0063】
このとき、反応温度としては、使用する1,3−プロパンジオール誘導体、塩基、及び窒素原子とハロゲン原子とが結合した部位を有する酸化剤等の種類によって最適な温度が異なるため、一義的に限定できないが、あまり温度が低いと反応速度が著しく遅くなり、あまり温度が高いと副反応を助長するため、通常、−20〜50℃、好ましくは、−10〜30℃の範囲であることが好ましい。また、反応時間としては特に制限はないが、0.1〜50時間もあれば十分である。
【0064】
本発明において、酸化反応は、常圧、減圧、加圧のいずれの状態でも実施可能である。また、該反応は、空気中で実施してもよいし、或は窒素、ヘリウム、アルゴン等の不活性気体雰囲気下で実施してもよい。
【0065】
上記酸化反応によって、下記式(III)
【0066】
【化8】

【0067】
(式中、
、及びRは、前記式(II)におけるものと同義であり、
は、メチル基もしくはエチル基である。)
で示される光学活性α−アルキルセリン誘導体の製造方法できる。
【0068】
本発明において、前記式(III)で示される光学活性α−アルキルセリン誘導体の構造は、使用する光学活性オキサゾリン誘導体の構造によって決定される。即ち、光学活性オキサゾリン誘導体としてオキサゾリン環4位がR配置の化合物を用いた場合は、光学活性α−アルキルセリン誘導体はR体が生成する。他方、光学活性オキサゾリン誘導体としてオキサゾリン環4位がS配置を用いた場合には、光学活性α−アルキルセリン誘導体はS体が生成する。
【0069】
(精製方法)
本発明においては、次いで、上記のような反応条件により得られた反応物から目的とする光学活性α−アルキルセリン誘導体を分離する。つまり、上記の反応物(混合物)から公知の単離精製方法によって、目的とする光学活性α−アルキルセリン誘導体を分離する。具体的な単離精製方法を例示すれば以下の方法を挙げることができる。先ず、反応終了後の反応液を水に投入する。次いで、塩化メチレンで抽出し、得られた有機溶媒を硫酸マグネシウム等の乾燥剤で乾燥した後、溶媒を留去し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィーによって分離し、目的とする光学活性光学活性α−アルキルセリン誘導体を分離精製することができる。
【実施例】
【0070】
以下、実施例を掲げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらによって何等制限されるものではない。
【0071】
実施例1
20mlの茄子型フラスコに、2,2’−イソプロピリデンビス[(4R)−4−フェニル−2−オキサゾリン]16.8mg(0.05mmol)、トリフルオロメタンスルホン酸銅18.0mg(0.05mmol)、2−(N−ベンゾイルアミノ)−2−メチル−1,3−プロパンジオール104.6mg(0.5mmol)、炭酸カリウム138.0mg(1.0mmol)、メタノール20.8mg(0.65mmol)、ジクロロメタン7mlを加え、大気雰囲気下で10分攪拌した。その後、この反応液に、N−ブロモスクシンイミド 267.0mg(1.5mmol)を加えた。室温下で6時間反応させた後、反応液を10mlの水に投入し、ジクロロメタンで抽出(20ml×3)を行った。抽出液を硫酸マグネシウムで乾燥させた後、溶媒を留去、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(展開液 n−ヘキサン:酢酸エチル=1:4)を用いて分離精製したところ、(R)−N−ベンゾイル−α−メチルセリンメチルエステルの白色固体を78.9mg(収率67%)得た。
【0072】
また、高速液体クロマトグラフィーを用いて光学純度を測定したところ(カラム ダイセル化学工業製キラルセルOD−H、展開液 n−ヘキサン:イソプロピルアルコール=7:1 測定波長254nm)、光学純度は78%eeであり、絶対配置はRであることを確認した。
【0073】
実施例2〜16
実施例1で用いた2−(N−ベンゾイルアミノ)−2−メチル−1,3−プロパンジオールの代わりに、表1の1,3−プロパンジオール誘導体を用いた以外は、実施例1と同様の操作を行った。その結果を表1に示す。
【0074】
【表1】

【0075】
実施例17〜22
実施例1で用いた炭酸カリウムの代わりに、表2の塩基を用いた以外は、実施例1と同様の操作を行った。その結果を表2に示す。
【0076】
【表2】

【0077】
実施例23〜25
実施例1で用いた2,2’−イソプロピリデンビス[(4R)−4−フェニル−2−オキサゾリン]の代わりに、表3の光学活性オキサゾリン誘導体を用いた以外は、実施例1と同様の操作を行った。その結果を表3に示す。
【0078】
【表3】

実施例26〜28
実施例1で用いたジクロロメタンの代わりに、表4の有機溶媒を用いた以外は実施例1と同様の操作を行った。その結果を表4に示す。
【0079】
【表4】

【0080】
実施例29〜31
実施例1で用いたN−ブロモスクシンイミドの代わりに、表5の窒素原子とハロゲン原子とが結合した部位を有する酸化剤を用いた以外は実施例1と同様の操作を行った。その結果を表5に示す。
【0081】
【表5】

【0082】
実施例32〜33
実施例1で用いた炭酸カリウムの量を表6に示した量に変更した以外は実施例1と同様の操作を行った。その結果を表6に示す。
【0083】
【表6】

【0084】
実施例34〜36
実施例1で用いたN−ブロモスクシンイミドの量を表7に示した量に変更した以外は実施例1と同様の操作を行った。その結果を表7に示す。
【0085】
【表7】

【0086】
実施例37〜39
実施例1で用いたジクロロメタンの量を表8に示した量に変更した以外は実施例1と同様の操作を行った。その結果を表8に示す。
【0087】
【表8】

【0088】
実施例40〜41
実施例1で用いたメタノールの量を表9に示した量に変更した以外は実施例1と同様の操作を行った。その結果を表9に示す。
【0089】
【表9】

【0090】
実施例42〜46
実施例1で用いたメタノールの代わりに、エタノールを用いた以外は実施例1と同様の操作を行った。その結果を表10に示す。
【0091】
【表10】

【0092】
実施例47〜48
実施例1で用いたトリフルオロメタンスルホン酸銅の代わりに、表11の銅塩を用いた以外は実施例1と同様の操作を行った。その結果を表11に示す。
【0093】
【表11】

【0094】
比較例1
実施例1で用いた2−(N−ベンゾイルアミノ)−2−メチル−1,3−プロパンジオールの代わりに、2−(N−トシルアミノ)−2−メチル−1,3−プロパンジオールを用いた以外は、実施例1と同様の操作を行った。その結果、反応は全く進行しなかった。
【0095】
比較例2
実施例1で用いたメタノールの代わりに、n−プロパノールを用いた以外は、実施例1と同様の操作を行った。その結果、反応は全く進行しなかった。
【0096】
比較例3
実施例1で用いたトリフルオロメタンスルホン酸銅の代わりに、トリフルオロメタンスルホン酸マグネシウムを用いた以外は実施例1と同様の操作を行った。その結果、(R)−α−メチル−N−ベンゾイルセリンメチルエステルの白色固体は、収率16%にすぎず、光学純度も20%に留まった。
【0097】
比較例4
実施例1で用いたN−ブロモスクシンイミドの代わりに、臭素を用いた以外は実施例1と同様の操作を行った。その結果、(R)−α−メチル−N−ベンゾイルセリンメチルエステルの白色固体は、収率26%にすぎず、光学純度も23%に留まった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式(I)
【化1】

(式中、
及びRは、それぞれ、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数6〜8のアリール基、又はベンジル基であり、
は、水素原子、又はメチル基である。)
で示される光学活性オキサゾリン誘導体、銅塩、塩基、及び窒素原子とハロゲン原子とが結合した部位を有する酸化剤の存在下、
下記式(II)
【化2】

(式中、
は、炭素数1〜3のアルキル基、又はベンジル基であり、
は、置換もしくは無置換のフェニル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、又はベンジルオキシ基である。)
で示される1,3−プロパンジオール誘導体と、メタノール、又はエタノールとを反応させることを特徴とする、下記式(III)
【化3】

(式中、
、及びRは、前記式(II)におけるものと同義であり、
は、メチル基、又はエチル基である。)
で示される光学活性α−アルキルセリン誘導体の製造方法。

【公開番号】特開2013−103907(P2013−103907A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−248573(P2011−248573)
【出願日】平成23年11月14日(2011.11.14)
【出願人】(504205521)国立大学法人 長崎大学 (226)
【出願人】(000003182)株式会社トクヤマ (839)
【Fターム(参考)】