説明

光学活性なβ−アミノアルデヒド化合物の製造方法

【課題】イミン化合物から光学活性なβ−アミノアルデヒド化合物を製造できる新たな方法を提供する。
【解決手段】本発明は、光学活性なピロリジン化合物の存在下、イミン化合物(1−1)またはスルホン化合物(1−2)と、アルデヒド化合物(2)とを反応させる工程を含む、光学活性なβ−アミノアルデヒド化合物(3)の製造方法を提供する。



(式中の各記号は明細書で定義した通りである。)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学活性なβ−アミノアルデヒド化合物の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
光学活性なβ−アミノアルデヒド化合物は、例えば糖尿病治療薬やアルツハイマー治療薬の製造中間体として有用であることが知られている。
光学活性なβ−アミノアルデヒド化合物の製造方法として、例えば非特許文献1には、芳香族イミン化合物と、アルデヒド化合物とを(S)−プロリンの存在下で反応させることにより、β−アミノ−β−フェニルプロパナールを得る方法が記載されている。非特許文献1には、同文献記載の方法では、芳香族イミン化合物を脂肪族イミン化合物に置き換えると、目的とする光学活性なβ−アミノアルデヒド化合物が得られないことも記載されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】Angewandte Chemie International Edition,第46巻,609〜611頁,2007年
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、イミン化合物から光学活性なβ−アミノアルデヒド化合物を製造できる新たな方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者は、かかる状況下、光学活性なβ−アミノアルデヒド化合物の新たな製造法について検討した結果、特定の不斉触媒の存在下で反応を行なうと、イミン化合物から光学活性なβ−アミノアルデヒド化合物を製造できることを見出し、本発明に至った。即ち、本発明は、以下の通りである。
[1]式(4):
【0006】
【化1】

【0007】
(式中、Ar及びArはそれぞれ独立に、以下の群G2より選ばれる置換基を有していてもよいフェニル基、C−C12鎖式炭化水素基、C−C12脂環式炭化水素基又は水素原子を表し、Rは、水素原子、フッ素原子、水酸基、C−C12アルコキシ基、C−C12フッ化アルキルオキシ基又は−OSiR(式中、R、R及びRはそれぞれ独立に、C−Cアルキル基又はC−C20アリール基を表す。)で示される基を表し、*は、不斉炭素原子を表す。)
で示される光学活性化合物(以下、光学活性なピロリジン化合物(4)ともいう)の存在下、式(1−1):
【0008】
【化2】

【0009】
(式中、Rは、以下の群G1より選ばれる置換基を有していてもよいC−C20炭化水素基又は水素原子を表し、Rは、アミノ基の保護基を表す。)
で示される化合物(以下、イミン化合物(1−1)ともいう)、又は式(1−2):
【0010】
【化3】

【0011】
(式中、R及びRは上記で定義した通りであり、Arは、以下の群G2より選ばれる置換基を有していてもよいフェニル基を表す。)
で示される化合物(以下、スルホン化合物(1−2)ともいう)と、式(2):
【0012】
【化4】

【0013】
(式中、Rは、以下の群G1より選ばれる置換基を有していてもよいC−C20炭化水素基、以下の群G1より選ばれる置換基を有していてもよいC−C12アルコキシ基、以下の群G1より選ばれる置換基を有していてもよいC−C12アルキルチオ基、保護されたアミノ基、以下の群G2より選ばれる置換基を有していてもよい複素環基又は水素原子を表す。)
で示される化合物(以下、アルデヒド化合物(2)ともいう)とを反応させる工程を含む、式(3):
【0014】
【化5】

【0015】
(式中、R、R及びRは上記で定義した通りであり、**は、不斉炭素原子を表す。)
で示される光学活性化合物(以下、光学活性なβ−アミノアルデヒド化合物(3)ともいう)の製造方法。
<群G1>:群G2より選ばれる置換基を有していてもよいC−C20アリール基、群G2より選ばれる置換基を有していてもよい芳香族複素環基、C−C12アルキル基、C−C12アルコキシ基、群G2より選ばれる置換基を有していてもよいC−C20アリール基を有するC−C12アルキル基、群G2より選ばれる置換基を有していてもよいC−C20アリール基を有するC−C12アルコキシ基、ハロゲン原子、C−C13アルキルカルボニル基、C−C13アルコキシカルボニル基、C−C12フッ化アルキル基、C−C12フッ化アルキルオキシ基、C−C13アシル基、ニトロ基、シアノ基、保護されたアミノ基及びオキソ基からなる群
<群G2>:C−C12アルキル基、C−C12アルコキシ基、C−C13アルキルカルボニル基、C−C13アルコキシカルボニル基、C−C12フッ化アルキル基、C−C12フッ化アルキルオキシ基、C−C13アシル基、ニトロ基、シアノ基、保護されたアミノ基及びハロゲン原子からなる群
[2]反応が溶媒中で行われる、上記[1]記載の製造方法。
[3]溶媒が水である、上記[2]記載の製造方法。
[4]溶媒が、無機塩を含有する水である、上記[2]記載の製造方法。
[5]無機塩が塩化ナトリウムである、上記[4]記載の製造方法。
[6]溶媒がエーテル溶媒である、上記[2]記載の製造方法。
[7]Rが−OSiR(式中、各記号は上記[1]で定義した通りである。)で示される基であり、かつAr及びArがそれぞれ独立に、C−C12フッ化アルキル基を有するフェニル基である、上記[1]記載の製造方法。
【発明の効果】
【0016】
本発明の製造方法によれば、イミン化合物から光学活性なβ−アミノアルデヒド化合物を製造できる新たな方法を提供することができる。
また、特定の構造の光学活性なピロリジン化合物(4)の使用により、収率、エナンチオ選択性及びジアステレオ選択性(アルデヒド化合物(2)中のRが水素原子以外である場合)よく、光学活性なβ−アミノアルデヒド化合物(3)を製造することができる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明について詳細に説明する。
【0018】
本明細書中、「ハロゲン原子」とは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を意味する。
【0019】
本明細書中、「C−C20炭化水素基」とは、C−C20脂肪族炭化水素基又はC−C20芳香族炭化水素基を意味する。
【0020】
本明細書中、「C−C20脂肪族炭化水素基」とは、C−C20鎖式炭化水素基又はC−C20脂環式炭化水素基を意味する。
本明細書中、「C−C12脂肪族炭化水素基」とは、C−C12鎖式炭化水素基又はC−C12脂環式炭化水素基を意味する。
【0021】
本明細書中、「C−C20鎖式炭化水素基」とは、C−C20アルキル基、C−C20アルケニル基又はC−C20アルキニル基を意味する。
本明細書中、「C−C12鎖式炭化水素基」とは、C−C12アルキル基、C−C12アルケニル基又はC−C12アルキニル基を意味する。
【0022】
本明細書中、「C−C20アルキル基」とは、直鎖又は分岐鎖の炭素原子数1〜20のアルキル基を意味し、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、1−エチルプロピル、ヘキシル、イソヘキシル、1,1−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチル、3,3−ジメチルブチル、2−エチルブチル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、エイコシル等が挙げられる。中でも、C−C12アルキル基、特にC−Cアルキル基が好ましい。
本明細書中、「C−C12アルキル基」とは、直鎖又は分岐鎖の炭素原子数1〜12のアルキル基を意味し、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、1−エチルプロピル、ヘキシル、イソヘキシル、1,1−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチル、3,3−ジメチルブチル、2−エチルブチル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル等が挙げられる。中でも、C−Cアルキル基が好ましく、特にC−Cアルキル基が好ましい。
本明細書中、「C−Cアルキル基」とは、直鎖又は分岐鎖の炭素原子数1〜8のアルキル基を意味し、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、1−エチルプロピル、ヘキシル、イソヘキシル、1,1−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチル、3,3−ジメチルブチル、2−エチルブチル、ヘプチル、オクチル等が挙げられる。中でも、C−Cアルキル基が好ましい。
本明細書中、「C−Cアルキル基」とは、直鎖又は分岐鎖の炭素原子数1〜6のアルキル基を意味し、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、1−エチルプロピル、ヘキシル、イソヘキシル、1,1−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチル、3,3−ジメチルブチル、2−エチルブチル等が挙げられる。中でも、C−Cアルキル基が好ましい。
本明細書中、「C−Cアルキル基」とは、直鎖又は分岐鎖の炭素原子数1〜4のアルキル基を意味し、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル等が挙げられる。
【0023】
本明細書中、「C−C20アルケニル基」とは、直鎖又は分岐鎖の炭素原子数2〜20のアルケニル基を意味し、例えば、エテニル、1−プロペニル、2−プロペニル、2−メチル−1−プロペニル、1−ブテニル、2−ブテニル、3−ブテニル、3−メチル−2−ブテニル、1−ペンテニル、2−ペンテニル、3−ペンテニル、4−ペンテニル、4−メチル−3−ペンテニル、1−ヘキセニル、3−ヘキセニル、5−ヘキセニル、1−ヘプテニル、1−オクテニル、1−ノネニル、1−デセニル、1−ウンデセニル、1−ドデセニル、1−トリデセニル、1−エイコセニル等が挙げられる。中でも、C−C12アルケニル基、特にC−Cアルケニル基が好ましい。
本明細書中、「C−C12アルケニル基」とは、直鎖又は分岐鎖の炭素原子数2〜12のアルケニル基を意味し、例えば、エテニル、1−プロペニル、2−プロペニル、2−メチル−1−プロペニル、1−ブテニル、2−ブテニル、3−ブテニル、3−メチル−2−ブテニル、1−ペンテニル、2−ペンテニル、3−ペンテニル、4−ペンテニル、4−メチル−3−ペンテニル、1−ヘキセニル、3−ヘキセニル、5−ヘキセニル、1−ヘプテニル、1−オクテニル、1−ノネニル、1−デセニル、1−ウンデセニル、1−ドデセニル等が挙げられる。中でも、C−Cアルケニル基が好ましく、特にC−Cアルケニル基が好ましい。
本明細書中、「C−Cアルケニル基」とは、直鎖又は分岐鎖の炭素原子数2〜6のアルケニル基を意味し、例えば、エテニル、1−プロペニル、2−プロペニル、2−メチル−1−プロペニル、1−ブテニル、2−ブテニル、3−ブテニル、3−メチル−2−ブテニル、1−ペンテニル、2−ペンテニル、3−ペンテニル、4−ペンテニル、4−メチル−3−ペンテニル、1−ヘキセニル、3−ヘキセニル、5−ヘキセニル等が挙げられる。中でも、特にC−Cアルケニル基が好ましい。
【0024】
本明細書中、「C−C20アルキニル基」とは、直鎖又は分岐鎖の炭素原子数2〜20のアルキニル基を意味し、例えば、エチニル、1−プロピニル、2−プロピニル、1−ブチニル、2−ブチニル、3−ブチニル、1−ペンチニル、2−ペンチニル、3−ペンチニル、4−ペンチニル、1−ヘキシニル、2−ヘキシニル、3−ヘキシニル、4−ヘキシニル、5−ヘキシニル、1−ヘプチニル、1−オクチニル、1−ノニニル、1−デシニル、1−ウンデシニル、1−ドデシニル、1−トリデシニル、1−エイコシニル等が挙げられる。中でも、C−C12アルキニル基、特にC−Cアルキニル基が好ましい。
本明細書中、「C−C12アルキニル基」とは、直鎖又は分岐鎖の炭素原子数2〜12のアルキニル基を意味し、例えば、エチニル、1−プロピニル、2−プロピニル、1−ブチニル、2−ブチニル、3−ブチニル、1−ペンチニル、2−ペンチニル、3−ペンチニル、4−ペンチニル、1−ヘキシニル、2−ヘキシニル、3−ヘキシニル、4−ヘキシニル、5−ヘキシニル、1−ヘプチニル、1−オクチニル、1−ノニニル、1−デシニル、1−ウンデシニル、1−ドデシニル等が挙げられる。中でも、C−Cアルキニル基が好ましく、特にC−Cアルキニル基が好ましい。
本明細書中、「C−Cアルキニル基」とは、直鎖又は分岐鎖の炭素原子数2〜6のアルキニル基を意味し、例えば、エチニル、1−プロピニル、2−プロピニル、1−ブチニル、2−ブチニル、3−ブチニル、1−ペンチニル、2−ペンチニル、3−ペンチニル、4−ペンチニル、1−ヘキシニル、2−ヘキシニル、3−ヘキシニル、4−ヘキシニル、5−ヘキシニル等が挙げられる。中でも、C−Cアルキニル基が好ましい。
【0025】
本明細書中、「C−C20脂環式炭化水素基」とは、C−C20シクロアルキル基又はC−C20シクロアルケニル基を意味する。
本明細書中、「C−C12脂環式炭化水素基」とは、C−C12シクロアルキル基又はC−C12シクロアルケニル基を意味する。
【0026】
本明細書中、「C−C20シクロアルキル基」としては、炭素原子数3〜20の環状アルキル基を意味し、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル、シクロデシル、シクロウンデシル、シクロドデシル、シクロトリデシル、シクロエイコシル等が挙げられる。中でも、C−C12シクロアルキル基、特にC−Cシクロアルキル基が好ましい。
本明細書中、「C−C12シクロアルキル基」としては、炭素原子数3〜12の環状アルキル基を意味し、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル、シクロデシル、シクロウンデシル、シクロドデシル等が挙げられる。中でも、C−Cシクロアルキル基が好ましい。
【0027】
本明細書中、「C−C20シクロアルケニル基」としては、炭素原子数4〜20の環状アルケニル基を意味し、例えば、2−シクロペンテン−1−イル、3−シクロペンテン−1−イル、2−シクロヘキセン−1−イル、3−シクロヘキセン−1−イル、2−シクロヘプテン−1−イル、2−シクロオクテン−1−イル、2−シクロノネン−1−イル、2−シクロデセン−1−イル、2−シクロドデセン−1−イル、2−シクロエイコセン−1−イル、2,4−シクロペンタジエン−1−イル、2,4−シクロヘキサジエン−1−イル、2,5−シクロヘキサジエン−1−イル等が挙げられる。中でも、C−C12シクロアルケニル基、特にC−Cシクロアルケニル基が好ましい。
本明細書中、「C−C12シクロアルケニル基」としては、炭素原子数4〜12の環状アルケニル基を意味し、例えば、2−シクロペンテン−1−イル、3−シクロペンテン−1−イル、2−シクロヘキセン−1−イル、3−シクロヘキセン−1−イル、2−シクロヘプテン−1−イル、2−シクロオクテン−1−イル、2−シクロノネン−1−イル、2−シクロデセン−1−イル、2−シクロドデセン−1−イル、2,4−シクロペンタジエン−1−イル、2,4−シクロヘキサジエン−1−イル、2,5−シクロヘキサジエン−1−イル等が挙げられる。中でも、C−Cシクロアルケニル基が好ましい。
【0028】
本明細書中、「C−C20シクロアルキル基」、「C−C12シクロアルキル基」、「C−C20シクロアルケニル基」及び「C−C12シクロアルケニル基」は、ベンゼン環と縮合してもよい。このような基としては、1,2−ジヒドロナフタレン−1−イル、1,2−ジヒドロナフタレン−2−イル、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−イル、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2−イル、フルオレン−9−イル、インデン−1−イル等が挙げられる。
【0029】
本明細書中、「C−C20芳香族炭化水素基(C−C20アリール基)」とは、芳香族性を示す単環式あるいは多環式(縮合)の炭素原子数6〜20の炭化水素基を意味し、例えば、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、フェナントリル、アントリル、アセナフチレニル、ナフタセニル、ビフェニリル、ビフェニレニル等が挙げられる。中でも、C−C14芳香族炭化水素基(C−C14アリール基)、特にC−C10芳香族炭化水素基(C−C10アリール基)が好ましい。
本明細書中、「C−C12芳香族炭化水素基(C−C12アリール基)」とは、芳香族性を示す単環式あるいは多環式(縮合)の炭素原子数6〜12の炭化水素基を意味し、例えば、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、アセナフチレニル、ビフェニリル、ビフェニレニル等が挙げられる。中でも、C−C10芳香族炭化水素基(C−C10アリール基)が好ましい。
本明細書中、「C−C10アリール基」とは、芳香族性を示す単環式あるいは多環式(縮合)の炭素原子数6〜10の炭化水素基を意味し、例えば、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル等が挙げられる。
【0030】
本明細書中、「C−C14アラルキル基」とは、「C−Cアルキル基」に「C−C10アリール基」が置換した基を意味し、例えば、ベンジル、1−フェニルエチル、2−フェニルエチル、(ナフチル−1−イル)メチル、(ナフチル−2−イル)メチル、1−(ナフチル−1−イル)エチル、1−(ナフチル−2−イル)エチル、2−(ナフチル−1−イル)エチル、2−(ナフチル−2−イル)エチル等が挙げられる。
【0031】
本明細書中、「C−C12アルコキシ基」とは、直鎖又は分岐鎖の炭素原子数1〜12のアルコキシ基を意味し、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、ペンチルオキシ、イソペンチルオキシ、ネオペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、ヘプチルオキシ、オクチルオキシ、ノニルオキシ、デシルオキシ、ウンデシルオキシ、ドデシルオキシ等が挙げられる。中でも、C−Cアルコキシ基、特にC−Cアルコキシ基が好ましい。
本明細書中、「C−Cアルコキシ基」とは、直鎖又は分岐鎖の炭素原子数1〜6のアルコキシ基を意味し、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、ペンチルオキシ、イソペンチルオキシ、ネオペンチルオキシ、ヘキシルオキシ等が挙げられる。中でも、C−Cアルコキシ基が好ましい。
【0032】
本明細書中、「C−C12アルキルチオ基」とは、直鎖又は分岐鎖の炭素原子数1〜12のアルキルチオ基を意味し、例えば、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、イソプロピルチオ、ブチルチオ、イソブチルチオ、sec−ブチルチオ、tert−ブチルチオ、ペンチルチオ、イソペンチルチオ、ネオペンチルチオ、ヘキシルチオ、ヘプチルチオ、オクチルチオ、ノニルチオ、デシルチオ、ウンデシルチオ、ドデシルチオ等が挙げられる。中でも、C−Cアルキルチオ基、特にC−Cアルキルチオ基が好ましい。
【0033】
本明細書中、「芳香族複素環基」とは、環構成原子として炭素原子に加えて、酸素原子、硫黄原子及び窒素原子から選ばれるヘテロ原子を1乃至4個含有する、芳香族性を示す単環式又は多環式(縮合)複素環基を意味する。
本明細書中、「単環式芳香族複素環基」としては、例えば、フリル、チエニル、ピリジル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピラジニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル(1,2,4−オキサジアゾリル、1,3,4−オキサジアゾリル)、チアジアゾリル(1,2,4−チアジアゾリル、1,3,4−チアジアゾリル)、トリアゾリル(1,2,4−トリアゾリル、1,2,3−トリアゾリル)、テトラゾリル、トリアジニル等が挙げられる。中でも、5又は6員の単環式芳香族複素環基が好ましい。
本明細書中、「縮合芳香族複素環基」とは、上記単環式芳香族複素環基が、単環式芳香族環(好ましくは、ベンゼン環又は単環式芳香族複素環)と縮合した基を意味し、例えば、キノリル、イソキノリル、キナゾリル、キノキサリル、ベンゾフラニル、ベンゾチエニル、ベンズオキサゾリル、ベンズイソオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイソチアゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンゾトリアゾリル、インドリル、インダゾリル、ピロロピリジル、ピラゾロピリジル、イミダゾピリジル、チエノピリジル、ピロロピラジニル、ピラゾロピラジニル、イミダゾピラジニル、チエノピラジニル、ピロロピリミジニル、ピラゾロピリミジニル、イミダゾピリミジニル、チエノピリミジニル、ピラゾロチエニル等が挙げられる。
本明細書中、「単環式芳香族複素環」としては、例えば、フラン、チオフェン、ピリジン、ピリミジン、ピリダジン、ピラジン、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、チアゾール、イソチアゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、オキサジアゾール(1,2,4−オキサジアゾール、1,3,4−オキサジアゾール)、チアジアゾール(1,2,4−チアジアゾール、1,3,4−チアジアゾール)、トリアゾール(1,2,4−トリアゾール、1,2,3−トリアゾール)、テトラゾール、トリアジン等が挙げられる。中でも、5又は6員の単環式芳香族複素環が好ましい。
【0034】
本明細書中、「C−C12フッ化アルキル基」とは、フッ素原子で置換された「C−C12アルキル基」を意味する。フッ素原子の数は特に限定されず、ペルフルオロ置換であってもよい。具体的には、例えば、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、2−フルオロエチル、2,2−ジフルオロエチル、2,2,2−トリフルオロエチル、3−フルオロプロピル、4−フルオロブチル、5−フルオロペンチル、6−フルオロヘキシル、7−フルオロヘプチル、8−フルオロオクチル、9−フルオロノニル、10−フルオロデシル、11−フルオロウンデシル、12−フルオロドデシル等が挙げられる。中でも、C−Cフッ化アルキル基が好ましい。
【0035】
本明細書中、「C−C12フッ化アルキルオキシ基」とは、フッ素原子で置換された「C−C12アルコキシ基」を意味する。フッ素原子の数は特に限定されず、ペルフルオロ置換であってもよい。具体的には、例えば、フルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、2−フルオロエトキシ、2,2−ジフルオロエトキシ、2,2,2−トリフルオロエトキシ、3−フルオロプロポキシ、4−フルオロブトキシ、5−フルオロペンチルオキシ、6−フルオロヘキシルオキシ、7−フルオロヘプチルオキシ、8−フルオロオクチルオキシ、9−フルオロノニルオキシ、10−フルオロデシルオキシ、11−フルオロウンデシルオキシ、12−フルオロドデシルオキシ等が挙げられる。中でも、C−Cフッ化アルキルオキシ基が好ましい。
【0036】
本明細書中、「C−C13アルキルカルボニル基」とは、−C(=O)−に「C−C12アルキル基」が結合した基、即ち、「C−C12アルキル−カルボニル基」を意味し、例えば、メチルカルボニル、エチルカルボニル、プロピルカルボニル、イソプロピルカルボニル、ブチルカルボニル、イソブチルカルボニル、sec−ブチルカルボニル、tert−ブチルカルボニル、ペンチルカルボニル、イソペンチルカルボニル、ネオペンチルカルボニル、ヘキシルカルボニル、ヘプチルカルボニル、オクチルカルボニル、ノニルカルボニル、デシルカルボニル、ウンデシルカルボニル、ドデシルカルボニル等が挙げられる。中でも、C−Cアルキルカルボニル基、特にC−Cアルキルカルボニル基が好ましい。
【0037】
本明細書中、「C−C13アルコキシカルボニル基」とは、−C(=O)−に「C−C12アルコキシ基」が結合した基、即ち、「C−C12アルコキシ−カルボニル基」を意味し、例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、イソブトキシカルボニル、sec−ブトキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル、ペンチルオキシカルボニル、イソペンチルオキシカルボニル、ネオペンチルオキシカルボニル、ヘキシルオキシカルボニル、ヘプチルオキシカルボニル、オクチルオキシカルボニル、ノニルオキシカルボニル、デシルオキシカルボニル、ウンデシルオキシカルボニル、ドデシルオキシカルボニル等が挙げられる。中でも、C−Cアルコキシカルボニル基、特にC−Cアルコキシカルボニル基が好ましい。
【0038】
本明細書中、「C−C13アシル基」とは、C−C13カルボン酸から水酸基を除いた原子団であり、「C−C13脂肪族アシル基」又は「C−C13芳香族アシル基」を意味する。
本明細書中、「C−C13脂肪族アシル基」とは、−C(=O)−に「C−C12脂肪族炭化水素基」が結合した基、即ち、「C−C12脂肪族炭化水素−カルボニル基」を意味し、例えば、アセチル、プロパノイル、ブタノイル、2−メチルプロパノイル、ペンタノイル、ヘキサノイル、ヘプタノイル、オクタノイル、ノナノイル、デカノイル、ウンデカノイル、ドデカノイル、アクリロイル、メタアクリロイル、クロトノイル、イソクロトノイル、プロピオノイル、シクロペンチルカルボニル、シクロヘキシルカルボニル等が挙げられる。中でも、C−C13アルキルカルボニル基が好ましく、特にC−Cアルキルカルボニル基が好ましい。
本明細書中、「C−C13芳香族アシル基」とは、−C(=O)−に「C−C12芳香族炭化水素基(C−C12アリール基)」が結合した基、即ち、「C−C12芳香族炭化水素(C−C12アリール)−カルボニル基」を意味し、例えば、ベンゾイル、1−ナフトイル、2−ナフトイル等が挙げられる。
【0039】
本明細書中、「保護されたアミノ基」は、「保護基」で保護されたアミノ基を意味する。当該「保護基」としては、C1−6アルキル基、C2−6アルケニル基、C6−10アリール基、C7−14アラルキル基、C1−6アルキル−カルボニル基、C1−6アルコキシ−カルボニル基、C2−6アルケニル−オキシカルボニル基、C6−10アリール−カルボニル基、C7−14アラルキル−カルボニル基、C6−10アリール−オキシカルボニル基、C7−14アラルキル−オキシカルボニル基、C6−10アリールスルホニル基、ベンズヒドリル基、トリチル基、トリC1−6アルキルシリル基、9−フルオレニルメチルオキシカルボニル基、フタロイル基等が挙げられる。上記の置換基は、ハロゲン原子、C1−6アルキル基、C1−6アルコキシ基又はニトロ基でそれぞれ置換されていてもよい。
当該保護基の具体例としては、アセチル、トリフルオロアセチル、ピバロイル、tert−ブトキシカルボニル、2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニル、9−フルオレニルメチルオキシカルボニル、ベンズヒドリル、トリチル、フタロイル、アリルオキシカルボニル、p−トルエンスルホニル、o−ニトロベンゼンスルホニル等が挙げられる。
【0040】
本明細書中、「C1−6アルキル−カルボニル基」とは、−C(=O)−に「C1−6アルキル基」が結合した基を意味する。
本明細書中、「C1−6アルコキシ−カルボニル基」とは、−C(=O)−に「C1−6アルコキシ基」が結合した基を意味する。
本明細書中、「C2−6アルケニル−オキシカルボニル基」とは、−C(=O)O−の酸素原子に「C2−6アルケニル基」が結合した基を意味する。
本明細書中、「C6−10アリール−カルボニル基」とは、−C(=O)−に「C6−10アリール基」が結合した基を意味する。
本明細書中、「C7−14アラルキル−カルボニル基」とは、−C(=O)−に「C7−14アラルキル基」が結合した基を意味する。
本明細書中、「C6−10アリール−オキシカルボニル基」とは、−C(=O)O−の酸素原子に「C6−10アリール基」が結合した基を意味する。
本明細書中、「C7−14アラルキル−オキシカルボニル基」とは、−C(=O)O−の酸素原子に「C7−14アラルキル基」が結合した基を意味する。
本明細書中、「C6−10アリールスルホニル基」とは、−S(=O)−に「C6−10アリール基」が結合した基を意味する。
本明細書中、「トリC1−6アルキルシリル基」とは、「C−Cアルキル基」でトリ置換された−SiHを意味する。
【0041】
以下、式(1)〜(4)の各基について説明する。
【0042】
は、群G1より選ばれる置換基を有していてもよいC−C20炭化水素基又は水素原子を表す。ここで、C−C20炭化水素基の置換基の数は好ましくは1乃至3個であり、2個以上である場合、これらの置換基は同一でも異なっていてもよい。
は、
好ましくは、群G1より選ばれる置換基を有していてもよいC−C20炭化水素基であり、
より好ましくは、群G1より選ばれる置換基を有していてもよいC−C20アルキル基、群G1より選ばれる置換基を有していてもよいC−C20シクロアルキル基又は群G1より選ばれる置換基を有していてもよいC−C20アリール基であり、
さらに好ましくは、群G1より選ばれる置換基を有していてもよいC−C12アルキル基、群G1より選ばれる置換基を有していてもよいC−C12シクロアルキル基又は群G1より選ばれる置換基を有していてもよいC−C12アリール基であり、
さらにより好ましくは、群G1より選ばれる置換基を有していてもよいC−Cアルキル基、群G1より選ばれる置換基を有していてもよいC−Cシクロアルキル基又は群G1より選ばれる置換基を有していてもよいC−C10アリール基であり、
特に好ましくは、群G1より選ばれる置換基(好ましくは、C−C10アリール基、C−C10アリール基を有するC−C12アルコキシ基)を有していてもよいC−Cアルキル基、C−Cシクロアルキル基、群G1より選ばれる置換基(好ましくは、ハロゲン原子、C−Cアルコキシ基、C−Cフッ化アルキル基)を有していてもよいC−C10アリール基(好ましくはフェニル基)である。
【0043】
Ar及びArはそれぞれ独立に、群G2より選ばれる置換基を有していてもよいフェニル基、C−C12鎖式炭化水素基、C−C12脂環式炭化水素基又は水素原子を表す。ここで、フェニル基の置換基の数は好ましくは1乃至3個であり、2個以上である場合、これらの置換基は同一でも異なっていてもよい。
Ar及びArは、
好ましくは、それぞれ独立に、群G2より選ばれる置換基を有していてもよいフェニル基であり、
より好ましくは、それぞれ独立に、C−C12フッ化アルキル基を有していてもよいフェニル基であり、
さらに好ましくは、それぞれ独立に、C−Cフッ化アルキル基を有していてもよいフェニル基であり、
さらに一層好ましくは、それぞれ独立に、トリフルオロメチル基を有していてもよいフェニル基であり、
さらにより一層好ましくは、共にフェニル基であるか、又は共に3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル基であり、
特に好ましくは、共に3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル基である。
【0044】
は、水素原子、フッ素原子、水酸基、C−C12アルコキシ基、C−C12フッ化アルキルオキシ基又は−OSiR(式中、R、R及びRはそれぞれ独立に、C−Cアルキル基又はC−C20アリール基を表す。)で示されるシリルオキシ基を表す。
は、
好ましくは、水酸基又は−OSiR(式中、R、R及びRは上記で定義された通りである。)で示されるシリルオキシ基であり、
より好ましくは、水酸基又は−OSiR(式中、R、R及びRはそれぞれ独立に、C−Cアルキル基(好ましくはメチル基)である。)で示されるシリルオキシ基であり、
さらに好ましくは、−OSiR(式中、R、R及びRはそれぞれ独立に、C−Cアルキル基(好ましくはメチル基)である。)で示されるシリルオキシ基であり、
さらに好ましくは、−OSiR(式中、R、R及びRはそれぞれ独立に、C−Cアルキル基(好ましくはメチル基)である。)で示されるシリルオキシ基であり、
特に好ましくは、トリメチルシリルオキシ基である。
【0045】
Ar及びArとRの好適な組み合わせは以下のとおりである。
(1)Ar及びArがそれぞれ独立に、群G2より選ばれる置換基を有していてもよいフェニル基であり、かつRが、−OSiR(式中、R、R及びRは上記で定義された通りである。)で示されるシリルオキシ基である態様。
(2)Ar及びArがそれぞれ独立に、C−C12フッ化アルキル基を有していてもよいフェニル基であり、かつRが、−OSiR(式中、R、R及びRはそれぞれ独立に、C−Cアルキル基(好ましくはメチル基)である。)で示されるシリルオキシ基である態様。
(3)Ar及びArがそれぞれ独立に、C−Cフッ化アルキル基を有していてもよいフェニル基であり、かつRが、−OSiR(式中、R、R及びRはそれぞれ独立に、C−Cアルキル基(好ましくはメチル基)である。)で示されるシリルオキシ基である態様。
(4)Ar及びArがそれぞれ独立に、トリフルオロメチル基を有していてもよいフェニル基であり、かつRが、トリメチルシリルオキシ基である態様。
(5)Ar及びArが共にフェニル基であるか、又は共に3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル基であり、かつRが、トリメチルシリルオキシ基である態様。
(6)Ar及びArが共に3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル基であり、かつRが、トリメチルシリルオキシ基である態様。
【0046】
は、群G1より選ばれる置換基を有していてもよいC−C20炭化水素基、群G1より選ばれる置換基を有していてもよいC−C12アルコキシ基、群G1より選ばれる置換基を有していてもよいC−C12アルキルチオ基、保護されたアミノ基、群G2より選ばれる置換基を有していてもよい複素環基又は水素原子を表す。
は、
好ましくは、群G1より選ばれる置換基を有していてもよいC−C20炭化水素基又は群G1より選ばれる置換基を有していてもよいC−C12アルコキシ基であり、
より好ましくは、群G1より選ばれる置換基を有していてもよいC−C12アルキル基又は群G1より選ばれる置換基を有していてもよいC−C12アルコキシ基であり、
さらに好ましくは、群G1より選ばれる置換基を有していてもよいC−Cアルキル基又は群G1より選ばれる置換基を有していてもよいC−Cアルコキシ基であり、
さらにより好ましくは、群G1より選ばれる置換基を有していてもよいC−Cアルキル基又は群G1より選ばれる置換基を有していてもよいC−Cアルコキシ基であり、特に好ましくは、C−Cアルキル基又はC−C10アリール基を有していてもよいC−Cアルコキシ基である。
【0047】
は、アミノ基の保護基を表す。
は、
好ましくは、置換基(好ましくはC1−6アルキル基又はニトロ基)を有していてもよいC6−10アリールスルホニル基であり、
より好ましくは、C1−6アルキル基又はニトロ基を有していてもよいベンゼンスルホニル基であり、
さらにより好ましくは、p−トルエンスルホニル基(トシル(Ts)基)、o−ニトロベンゼンスルホニル基(o−ノシル(o−Ns)基)またはp−ニトロベンゼンスルホニル基(p−ノシル(p−Ns)基)であり、
特に好ましくは、p−トルエンスルホニル基(トシル(Ts)基)またはp−ニトロベンゼンスルホニル基(p−ノシル(p−Ns)基)である。
【0048】
Arは、群G2より選ばれる置換基を有していてもよいフェニル基を表す。
Arは、好ましくは、フェニル基である。
【0049】
本発明では、触媒としての光学活性なピロリジン化合物(4)の存在下、イミン化合物(1−1)またはその前駆体であるスルホン化合物(1−2)とアルデヒド化合物(2)とを反応させる工程(マンニッヒ反応工程)を含むことにより、光学活性なβ−アミノアルデヒド(3)を製造する。
【0050】
スルホン化合物(1−2)は、Synthesis 2000,75に記載の方法に従って製造することができる、例えば、Rがトシル基、o−ノシル基またはp−ノシル基等の置換されたC6−10アリールスルホニル基の場合、対応するアルデヒド(RCHO)と対応するC6−10アレーンスルホンアミドと対応するスルフィン酸ナトリウム(ArSONa)とを、ギ酸の存在下で反応させることにより製造することができる。イミン化合物(1−1)は、スルホン化合物(1−2)から−SOArを脱離させることにより製造することができる。
スルホン化合物(1−2)を使用した場合、−SOArの脱離と共にマンニッヒ反応が進行するので、スルホン化合物(1−2)の使用は簡便となる。
【0051】
アルデヒド化合物(2)の使用量は、収率、選択性及び経済性の点から、イミン化合物(1−1)またはスルホン化合物(1−2)に対して、好ましくは1〜10モル、より好ましくは3〜7モルである。
【0052】
触媒である光学活性なピロリジン化合物(4)において、イミン化合物(1−1)またはスルホン化合物(1−2)やアルデヒド化合物(2)の種類にもよるが、ジアステレオ選択性(アルデヒド化合物(2)中のRが水素原子以外である場合)の点から、式(4a):
【0053】
【化6】

【0054】
(式中、Ar、Arおよび*は上記で定義された通りであり、TMSは、トリメチルシリル基を表し、*は不斉炭素原子を表す。)
で示されるピロリジン化合物が好ましく、中でも、Ar及びArがそれぞれ独立に、C−Cフッ化アルキル基を有していてもよいフェニル基であるピロリジン化合物が好ましく、さらには、Ar及びArがそれぞれ独立に、トリフルオロメチル基を有していてもよいフェニル基であるピロリジン化合物が好ましく、さらには、Ar及びArが共にフェニル基であるか、あるいは共に3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル基であるピロリジン化合物が好ましく、特に、Ar及びArが共に3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル基であるピロリジン化合物が好ましい。
【0055】
光学活性なピロリジン化合物(4)の使用量は、収率及び経済性の点から、イミン化合物(1−1)またはスルホン化合物(1−2)に対して、好ましくは0.5〜30モル%、より好ましくは1〜20モル%、特に好ましくは5〜15モル%である。
【0056】
本発明におけるマンニッヒ反応は、好ましくは塩基の存在下で行われる。塩基としては、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等が挙げられ、中でも、経済性の点から、炭酸水素ナトリウムが好ましい。
塩基の使用量は、収率及び経済性の点から、イミン化合物(1−1)またはスルホン化合物(1−2)に対して、好ましくは1〜10モル、より好ましくは1〜5モルである。
【0057】
本発明におけるマンニッヒ反応は、好ましくは溶媒中で行われる。本発明で使用される溶媒としては、芳香族炭化水素溶媒(例、トルエン、ベンゼン、キシレン);アルコール溶媒(例、メタノール、エタノール);ハロゲン化炭化水素溶媒(例、クロロホルム、ジクロロメタン、四塩化炭素);エーテル溶媒(例、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン);ニトリル溶媒(例、アセトニトリル);非プロトン性極性溶媒(例、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド);水;これらの混合溶媒等が挙げられる。
中でも、イミン化合物(1−1)またはスルホン化合物(1−2)やアルデヒド化合物(2)の種類にもよるが、エナンチオ選択性及びジアステレオ選択性(アルデヒド化合物(2)中のRが水素原子以外である場合)の点から、エーテル溶媒(好ましくはテトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、より好ましくは1,4−ジオキサン)、ハロゲン化炭化水素溶媒(好ましくはジクロロメタン)、水、または水とハロゲン化炭化水素溶媒(好ましくはジクロロメタン)との混合溶媒が好ましく、収率、エナンチオ選択性及びジアステレオ選択性(アルデヒド化合物(2)中のRが水素原子以外である場合)が特に良好である点から、エーテル溶媒(好ましくはテトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、より好ましくは1,4−ジオキサン)、水、または水とハロゲン化炭化水素溶媒(好ましくはジクロロメタン)との混合溶媒がより好ましく、エーテル溶媒(好ましくはテトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、より好ましくは1,4−ジオキサン)または水がさらに好ましく、1,4−ジオキサンまたは水が特に好ましい。
水を使用する場合、収率の点から、無機塩を含有する水を使用することが好ましい。無機塩としては、塩化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウム等が挙げられ、中でも、経済性の点から、塩化ナトリウムが好ましい。これらは、5重量%水溶液〜飽和水溶液で使用するのが好ましい。塩化ナトリウムの場合は、飽和水溶液の状態で使用するのが特に好ましい。
水とハロゲン化炭化水素溶媒との混合溶媒の場合、水の使用量は、ハロゲン化炭化水素溶媒1mLに対して、好ましくは0.3〜5mL、より好ましくは0.5〜2mLである。
溶媒の使用量は、イミン化合物(1−1)またはスルホン化合物(1−2)1mmolに対して、好ましくは0.2〜50mL、より好ましくは1〜10mLである。
【0058】
本発明におけるマンニッヒ反応は、イミン化合物(1−1)またはスルホン化合物(1−2)、光学活性なピロリジン化合物(4)、塩基および溶媒の混合物中に、アルデヒド化合物(2)を添加する方法;等により行われる。
【0059】
本発明におけるマンニッヒ反応は、イミン化合物(1−1)またはスルホン化合物(1−2)やアルデヒド化合物(2)の種類にもよるが、好ましくは0〜100℃の範囲内、より好ましくは0〜40℃の範囲内で行われる。
また、その反応時間は、イミン化合物(1−1)またはスルホン化合物(1−2)やアルデヒド化合物(2)の種類及び反応温度にもよるが、好ましくは1〜100時間、より好ましくは10〜50時間である。
反応の進行度合いは、薄層クロマトグラフィー、ガスクロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィー等の分析手段により確認することができる。
【0060】
このようにして得られた反応混合物に含まれる光学活性なβ−アミノアルデヒド化合物(3)の単離は、反応混合物を常法による後処理(例えば、中和、抽出、水洗、蒸留、結晶化等)に付すことにより行うことができる。またその精製は光学活性なβ−アミノアルデヒド化合物(3)を再結晶処理、抽出精製処理、蒸留処理、活性炭、シリカ、アルミナ等の吸着処理、シリカゲルカラムクロマトグラフィー等のクロマトグラフィー処理に付すことにより行うことができる。
【0061】
光学活性なβ−アミノアルデヒド化合物(3)は、必ずしも安定ではなく、場合によっては、反応混合物からの単離及び/又は精製の間に異性化する場合がある。従って、光学活性なβ−アミノアルデヒド化合物(3)のジアステレオ比(シン/アンチ比)及びエナンチオマー過剰率(ee(%))の測定は、マンニッヒ反応終了後の単離及び/又は精製を行わず、光学活性なβ−アミノアルデヒド化合物(3)を、反応中かつ単離及び精製中に異性化が生じない化合物に変換した後に行うことが望ましい。本発明では、対応する光学活性なアミドアルコール化合物(式(5):
【0062】
【化7】

【0063】
(式中、R、R及びRは上記で定義された通りである。)で示される光学活性アミドアルコール化合物)に変換する。
【0064】
光学活性なアミドアルコール化合物(5)は、マンニッヒ反応終了後の光学活性なβ−アミノアルデヒド化合物(3)を含む反応混合物または未精製の光学活性なβ−アミノアルデヒド化合物(3)を還元する工程を含むことにより製造される。
【0065】
還元反応は、溶媒中、還元剤を用いて行われる。
還元剤としては、水素化ホウ素ナトリウム、シアノ水素化ホウ素ナトリウム、水素化アルミニウムリチウム、水素化アルミニウムナトリウム等が挙げられ、収率および経済性の点から、水素化ホウ素ナトリウムが好ましい。
還元剤の使用量は、収率及び経済性の点から、光学活性なβ−アミノアルデヒド化合物(3)1モルに対して、好ましくは1〜100モル、好ましく5〜15モルである。
【0066】
還元反応で使用される溶媒としては、アルコール溶媒(例、メタノール、エタノール、2−プロパノール);水;これらの混合溶媒等が挙げられる。中でも、収率及び反応性の点から、アルコール溶媒(例、メタノール、エタノール)が好ましい。
溶媒の使用量は、光学活性なβ−アミノアルデヒド化合物(3)1gに対して、好ましくは1〜100mL、より好ましくは5〜20mLである。
【0067】
還元反応は、光学活性なβ−アミノアルデヒド化合物(3)を溶媒に溶解した溶液に還元剤を添加する方法;還元剤を分散させた溶媒中に光学活性なβ−アミノアルデヒド化合物(3)を添加する方法等により行われ、収率および操作性の点から、光学活性なβ−アミノアルデヒド化合物(3)を溶媒に溶解した溶液に還元剤を添加する方法により行なうことが好ましい。
還元反応は、光学活性なβ−アミノアルデヒド化合物(3)や還元剤の種類にもよるが、好ましくは−20〜100℃の範囲内、より好ましくは−10〜30℃の範囲内で行われる。
また、その反応時間は、光学活性なβ−アミノアルデヒド化合物(3)や還元剤の種類及び反応温度にもよるが、好ましくは10分〜10時間、より好ましくは30分〜2時間である。
反応の進行度合いは、薄層クロマトグラフィー、ガスクロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィー等の分析手段により確認することができる。
【0068】
このようにして得られた反応混合物に含まれる光学活性なアミドアルコール化合物(5)の単離は、反応混合物を常法による後処理(例えば、中和、抽出、水洗、蒸留、結晶化等)に付すことにより行うことができる。またその精製は光学活性なアミドアルコール化合物(5)を再結晶処理、抽出精製処理、蒸留処理、活性炭、シリカ、アルミナ等の吸着処理、シリカゲルカラムクロマトグラフィー等のクロマトグラフィー処理に付すことにより行うことができる。
【0069】
得られた光学活性なアミドアルコール化合物(5)について、ジアステレオ比(シン/アンチ比)及びエナンチオマー過剰率が測定される。測定されたジアステレオ比(シン/アンチ比)及びエナンチオマー過剰率は、光学活性なβ−アミノアルデヒド化合物(3)のそれに対応する。
【0070】
アルデヒド化合物(2)中のRが水素原子以外である場合、本発明におけるマンニッヒ反応工程では、アンチ体の光学活性なβ−アミノアルデヒド化合物(3)が優先的に得られる。ジアステレオ比(シン/アンチ比)が例えば50/50以上、また例えば20/80以上のジアステレオ選択性が可能となる。
【0071】
本発明におけるマンニッヒ反応工程では、CがS配置であるピロリジン化合物(4a)、即ち、式(4a−S):
【0072】
【化8】

【0073】
(式中、Ar及びArは上記で定義された通りであり、TMSは、トリメチルシリル基を表す。)
で示されるピロリジン化合物を触媒として使用した場合、C**がS配置である光学活性なβ−アミノアルデヒド化合物(3)、即ち、式(3R):
【0074】
【化9】

【0075】
(式中、R、R及びRは上記で定義された通りである。)
で示される光学活性なβ−アミノアルデヒド化合物が優先的に得られる。
【0076】
一方、CがR配置であるピロリジン化合物(4a)、即ち、式(4a−R):
【0077】
【化10】

【0078】
(式中、Ar及びArは上記で定義された通りであり、TMSは、トリメチルシリル基を表す。)
で示されるピロリジン化合物を触媒として使用した場合、C**がR配置である光学活性なβ−アミノアルデヒド化合物(3)、即ち、式(3S):
【0079】
【化11】

【0080】
(式中、R、R及びRは上記で定義された通りである。)
で示される光学活性なβ−アミノアルデヒド化合物が優先的に得られる。
【0081】
このように、本発明におけるマンニッヒ反応工程では、エナンチオマー過剰率が例えば50ee%以上、また例えば80ee%以上のエナンチオ選択性が可能となる。
【実施例】
【0082】
以下、本発明について、実施例を挙げてさらに具体的に説明する。
全反応をアルゴン雰囲気下で行い、Merck 60 F254 プレコートシリカゲルプレート(厚さ0.25 mm)を用いて、薄層クロマトグラフィーによりモニターした。
FT−IRスペクトルは、JASCO FT/IR−410分光計で記録した。
Hおよび13C−NMRスペクトルは、Bruker AM400(H−NMRでは400MHz、13C−NMRでは100MHz)装置で記録した。H−NMRについてのデータは、化学シフト(δppm)、多重度(s=シングレット、d=ダブレット、t=トリプレット、q=カルテット、m=マルチプレット)、カップリング定数(Hz)、積分および割当てとして報告する。13C−NMRについてのデータは、化学シフトとして報告する。高分解能質量スペクトル解析(HRMS)は、Bruker ESI−TOF MSを用いて実行した。
全ての液体アルデヒドおよび溶媒は、使用前に蒸留した。
分取薄層クロマトグラフィーは、和光純薬工業株式会社(日本、東京)より購入したWakogel B−5Fを用いて行った。フラッシュクロマトグラフィーは、関東化学株式会社(日本、東京)のシリカゲル60Nを用いて行った。
HPLC解析は、HITACHI Elite LaChromシリーズHPLCにより、UV検出をそれぞれ適切な波長でモニターしながら、CHIRALCEL OJ−H(0.46 cm×25 cm)、CHIRALPAK AD−H(0.46 cm×25 cm)、CHIRALCEL AS−H(0.46 cm×25 cm)、CHIRALPAK IA(0.46 cm×25 cm)、CHIRALPAK IB(0.46 cm×25 cm)およびCHIRALPAK IC(0.46 cm×25 cm)を用いて行った。
参考例1−1〜1−7 スルホン化合物の製造
【0083】
【化12】

【0084】
アルデヒド(5mmol)、アレーンスルホンアミド(5mmol)およびベンゼンスルフィン酸ナトリウム 二水和物(5.5mmol)のギ酸(7.5mL)およびHO(7.5mmol)中の混合物を、23℃で12時間攪拌した。生じた白色沈殿物を濾取し、HO(10mL)次いでヘキサン(10mL)で洗浄し、CHCl(30mL)に溶解し、NaSOで乾燥した。濾過後、溶媒を留去し、残渣にヘキサンを加えた。生じた沈殿物を濾取し、減圧下で乾燥して対応するスルホン化合物を得た。
【0085】
N−(3−フェニル−1−(フェニルスルホニル)プロピル)−p−トルエンスルホンアミド(参考例1−1)
【0086】
【化13】

【0087】
1H NMR (CDCl3, 400 MHz): δ 1.90-2.01 (1H, m), 2.40 (3H, s), 2.43-2.71 (3H, m), 4.61 (1H,ddd, J = 4.0, 9.6, 8.8 Hz), 5.49 (1H, br-s), 7.04 (2H, d, J = 6.8 Hz), 7.17-7.28 (5H, m), 7.46-7.55 (4H, m), 7.65 (1H, t, J = 7.6 Hz), 7.82 (2H, d, J = 7.6 Hz);
13C NMR (CDCl3, 100 MHz): δ 21.5, 30.3, 31.2, 73.1, 126.4, 126.8, 128.3, 128.6, 129.1, 129.6, 129.7, 134.2, 135.8, 137.6, 139.6, 143.9;
IR (KBr): ν 3321, 2955, 2928, 1448, 1341, 1299, 1160, 1145, 1081, 959, 813, 751 cm-1;
HRMS (ESI): [M+Na] 計算値([C22H23O4S2NNa]として): 452.0961 実測値 452.0969.
【0088】
N−(3−メチル−1−(フェニルスルホニル)ブチル)−p−トルエンスルホンアミド(参考例1−2)
【0089】
【化14】

【0090】
1H NMR (CDCl3, 400 MHz): δ 0.77 (3H, dd, J = 2.0, 6.4 Hz), 0.85 (3H, dd, J = 1.2, 6.4 Hz), 1.43-1.53 (1H, m), 1.59 (1H, ddd, J = 4.0, 10.8, 14.4 Hz), 1.93 (1H, ddd, J = 3.2, 10.0, 13.6 Hz), 2.39 (3H, s), 4.66 (1H, dt, J = 3.2, 10.4 Hz), 5.61-5.77 (br-m), 7.20 (2H, d, J = 8.4 Hz), 7.52 (2H, t, J = 8.0 Hz), 7.56 (2H, d, J = 8.0 Hz), 7.65 (1H, t, J = 7.6 Hz), 7.84 (2H, d, J = 7,2 Hz);
13C NMR (CDCl3, 100 MHz): δ 21.0, 21.5, 13.2, 24.0, 37.0, 72.7, 126.7, 129.1, 129.5, 129.7, 134.2, 135.6, 137.8, 143.7;
IR (KBr): ν 3239, 2952, 2871, 1596, 1459, 1330, 1286, 1071, 906, 812, 676 cm-1;HRMS (ESI): [M+Na] 計算値([C18H23O4S2NNa]として): 404.0961 実測値 404.0946.
【0091】
N−(2−メチル−1−(フェニルスルホニル)プロピル)−p−トルエンスルホンアミド(参考例1−3)
【0092】
【化15】

【0093】
1H NMR (CDCl3, 400 MHz): δ 0.85 (3H, d, J = 6.8 Hz), 1.04 (3H, d, J = 6.8 Hz), 2.39 (3H, s), 2.60-2.77 (1H, m), 4.53 (1H, dd, J = 2.8, 10.8 Hz), 5.49 (1H, br-d, J = 10.8), 7.17 (2H, d, J = 8.4 Hz), 7.48 (2H, br-b, J = 8.0 Hz), 7.63 (1H, br-t, J = 7.2 Hz), 7.84 (2H, br-d, J = 7.2 Hz);
13C NMR (CDCl3, 100 MHz): δ 16.6, 20.9, 21.5, 27.6, 77.6, 126.6, 129.1, 129.3, 129.6, 134.0, 137.1, 138.0, 143.6;
IR (KBr): ν 3300, 2967, 2932, 1470, 1419, 1342, 1307, 1166, 1135, 1083, 1055, 887, 669 cm-1;
HRMS (ESI): [M+Na] 計算値([C17H21O4S2NNa]として): 390.0804 実測値 390.0798.
【0094】
N−(シクロヘキシル(フェニルスルホニル)メチル)−p−トルエンスルホンアミド(参考例1−4)
【0095】
【化16】

【0096】
1H NMR (CDCl3, 400 MHz): δ 0.90-1.09 (3H, m), 1.28 (2H, tq, J = 2.8, 12.8 Hz), 1.53-1.79 (3H, m), 2.01 (1H, br-d, J = 12.4 Hz), 2.40 (4H, s), 4.48 (1H, dd, J = 3.2, 10.8 Hz), 5.25 (1H, d, J = 10.8 Hz), 7.17 (2H, d, J = 8.4 Hz), 7.42-7.49 (4H, m), 7.62 (1H, t, J = 7.6 Hz), 7.80 (2H, br-d, J = 7.6 Hz);
13C NMR (CDCl3, 100 MHz): δ 21.4, 25.4, 25.5, 26.0, 27.1, 30.8, 37.2, 77.7, 124.9, 126.3, 126.5, 128.9, 129.0, 129.2, 129.4, 129.5, 133.8, 136.9, 137.9, 143.4;IR (KBr): ν 3301, 2934, 2854, 1446, 1337, 1304, 1162, 1146, 1079, 751, 676 cm-1;
HRMS (ESI): [M+Na] 計算値([C20H25O4S2NNa]として): 430.1117 実測値 430.1125.
【0097】
N−(2−フェニル−1−(フェニルスルホニル)エチル)−p−トルエンスルホンアミド(参考例1−5)
【0098】
【化17】

【0099】
1H NMR (CDCl3, 400 MHz): δ 2.32 (3H, s), 2.30 (1H, dd, J = 10.4, 14.4 Hz), 3.60 (1H, dd, J = 3.6, 14.4 Hz), 4.85 (1h, dt, J = 3.6, 10.0 Hz), 6.06 (1H, br-s), 6.92 (2H, d, J = 8.0 Hz), 6.99-7.10 (5H, m), 7.14 (2H, d, J = 8.0 Hz), 7.59 (2H, t, J = 7.2 Hz), 7.70 (1H, t, J = 7.2 Hz), 8.02 (2H, br-d, J = 7.6 Hz);
13C NMR (CDCl3, 100 MHz): δ 21.4, 33.6, 75.4, 126.1, 126.9, 128.6, 129.1, 129.5, 129.6, 130.1, 134.1, 134.4, 135.5, 137.4, 143.0;
IR (KBr): ν 3251, 3031, 2921, 1597, 14977, 1449, 1427, 1337, 1314, 1161, 1076, 732, 666 cm-1;
HRMS (ESI): [M+Na] 計算値([C21H21O4S2NNa]として): 438.0804 実測値 438.0784.
【0100】
N−(2−ベンジルオキシ−1−(フェニルスルホニル)エチル)−p−トルエンスルホンアミド(参考例1−6)
【0101】
【化18】

【0102】
1H NMR (CDCl3, 400 MHz): δ 2.37 (3H, s), 3.65 (1H, dd, J = 4.0, 10.8 Hz), 4.05 (1H, dd, J = 3.6, 10.8 Hz), 4.36 (1H, d, J = 12.0 Hz), 4.41 (1H, d, J = 12.0 Hz), 4.67-4.75 (1H, m) , 5.96 (1H, br-s), 7.12-7.18 (4H, m), 7.27-7.32 (3H, m), 7.46 (2H, t, J = 7.6 Hz), 7.56-7.65 (3H, m), 7.81 (2h, d, J = 7.6 Hz);
13C NMR (CDCl3, 100 MHz): δ 21.5, 65.7, 72.8, 73.5, 126.9, 127.8, 127.9, 128.3, 128.9, 129.5, 129.6, 134.1, 136.2, 136.6, 137.3, 143.8;
IR (KBr): ν 3289, 3248, 2863, 1446, 1308, 1164, 1137, 1081, 949, 811, 666, 549 cm-1;
HRMS (ESI): [M+Na] 計算値([C22H23O5S2NNa]として): 468.0910 実測値 468.0917.
【0103】
N−(シクロヘキシル(フェニルスルホニル)メチル)−p−ニトロベンゼンスルホンアミド(参考例1−7)
【0104】
【化19】

【0105】
1H NMR (CDCl3, 400 MHz): δ 0.98-1.13 (3H, m), 1.21-1.35 (2H, m), 1.57-1.81 (4H, m), 1.99-2.08 (1H, m), 2.33 (1H, tq, J = 12.0, 3.2 Hz), 4.54 (1H, dd, J = 2.8, 10.8 Hz), 5.65 (1H, d, J = 10.8 Hz), 7.46 (2H, t, J = 8.0 Hz), 7.63 (1H, t, J = 7.6 Hz), 7.74-7.80 (3H, m), 8.21 (2H, br-d, J = 8.8 Hz);
13C NMR (CDCl3, 100 MHz): δ 25.5, 26.0, 26.9, 31.1, 37.5, 77.2, 77.7, 124.3, 127.9, 129.1, 129.3, 134.3, 137.0, 146.2, 150.0;
IR (KBr): ν 3276, 2933, 2858, 1537, 1445, 1352, 1306, 1171, 1148, 1079, 851, 740 cm-1;
HRMS (ESI): [M+Na] 計算値([C19H22O6S2N2Na]として): 461.0811 実測値 461.0823.
【0106】
実施例1−1〜1−8
【0107】
【化20】

【0108】
参考例1−1で得られたスルホン化合物(0.2mmol)、触媒としてのピロリジン化合物(12.0mg,0.02mmol)およびNaHCO(50.4mg,0.6mmol)の表1に示す溶媒(0.4mL)中の混合物に、プロパナール(1.0mmol)を10℃で加えた。反応混合物を表1に示す温度で20時間攪拌(実施例1−8のみ48時間)後、NaHCO水を添加して反応を停止した。反応混合物をクロロホルムで抽出し(3×10mL)、合わせた有機層をNaSOで乾燥し、濾過後減圧濃縮した。カラムクロマトグラフィー(EtOAc:ヘキサン=1:7)で精製して、N−((2R,3R)−2−メチル−1−オキソ−5−フェニルペンタン−3−イル)−p−トルエンスルホンアミドを得た。収率を表1に示す。なお、シン/アンチ比は、NaBHを用いた還元(参考例2で示す方法に順ずる)により、対応するアミドアルコールに変換した後H−NMRスペクトルにより測定した。また、エナンチオマー過剰率は、NaBHを用いた還元(参考例2で示す方法に順ずる)により、対応するアミドアルコールに変換した後、CHIRALPAK IBカラム(PrOH:ヘキサン=1:10)を備えたHPLCにより測定した(1.0mL/min、副エナンチオマーの保持時間=14.9分、主エナンチオマーの保持時間=13.3分)。シン/アンチ比及びエナンチオマー過剰率を表1に示す。
【0109】
【表1】

【0110】
実施例2−1〜2−14
【0111】
【化21】

【0112】
参考例1−1〜1−7で得られたスルホン化合物または対応するイミン化合物(0.2mmol、実施例2−10〜2−14で使用)、触媒としてのピロリジン化合物(12.0mg,0.02mmol)およびNaHCO(50.4mg,0.6mmol、実施例2−10では使用せず)の飽和食塩水(0.4mL)または1,4−ジオキサン(0.4mL)中の混合物に、対応するアルデヒド(1.0mmol)を10℃で加えた。反応混合物を攪拌後(溶媒として、食塩水を使用した場合は20時間攪拌、1,4−ジオキサンを使用した場合は48時間攪拌)、NaHCO水を添加して反応を停止した。反応混合物をクロロホルムで抽出し(3×10mL)、合わせた有機層をNaSOで乾燥し、濾過後減圧濃縮した。カラムクロマトグラフィー(EtOAc:ヘキサン=1:7)で精製して、対応するβ−アミノアルデヒド化合物を得た。収率を表2に示す。なお、シン/アンチ比は、NaBHを用いた還元(参考例2で示す方法に順ずる)により、対応するアミドアルコールに変換した後H−NMRスペクトルにより測定した。また、エナンチオマー過剰率は、NaBHを用いた還元(参考例2で示す方法に順ずる)により、対応するアミドアルコールに変換した後、キラルなHPLCにより測定した。シン/アンチ比及びエナンチオマー過剰率を表2に示す。なお、実施例2−8、2−9、2−11〜2−14では、マンニッヒ反応終了後の混合物をNaBHを用いて還元(参考例2で示す方法に順ずる)して、対応するアミドアルコールに変換した後に単離した。
【0113】
N−((2R,3R)−2−メチル−1−オキソ−5−フェニルペンタン−3−イル)−p−トルエンスルホンアミド(実施例2−1)
【0114】
【化22】

【0115】
1H NMR (CDCl3, 400 MHz): δ 1.10 (3, d, J = 7.2 Hz), 1.57-1.77 (2H, m), 2.32-2.52 (5H, m), 2.68 (1H, dq, J = 4.0, 7.2 Hz), 3.55-3.64 (1H, m), 5.09 (1H, d, J = 8.8 Hz), 6.96 (2H, d, J = 7.2 Hz), 7.13-7.25 (3H, m), 7.30 (2H, d, J = 8.4 Hz), 9.53 (1H, s);
13C NMR (CDCl3, 100MHz): δ 9.81, 21.5, 32.1, 34.3, 49.9, 54.2, 126.1, 127.0, 128.2, 128.4, 129.8, 138.1, 140.6, 143.6, 203.1;
IR (neat): ν 3279, 3028, 2929, 1721, 1454, 1326, 1160, 1092, 702, 666 cm-1;
HRMS (ESI): [M+Na] 計算値([C19H23NNaO3S]として): 368.1291 実測値 368.1308;
[α]D20℃ +17.1 (c 0.35, CHCl3);
還元後の対応するアミドアルコールのエナンチオマー過剰率、CHIRALPAK IBカラム(PrOH:ヘキサン=1:10)を備えたHPLCにより測定した(1.0 mL/min、副エナンチオマーの保持時間=14.9分、主エナンチオマーの保持時間=13.3分)。
【0116】
N−((2R,3R)−2,5−ジメチル−1−オキソヘキサン−3−イル)−p−トルエンスルホンアミド(実施例2−2)
【0117】
【化23】

【0118】
1H NMR (CDCl3, 400 MHz): δ 0.64 (3H, d, J = 6.8 Hz), 0.76 (3H, d, J = 6.8 Hz), 1.10 (3H, d, J = Hz), 1.15-1.27 (1H, m), 1.30-1.42 (2H, m), 2.42 (3H, s), 2.69 (1H, dq, J = 3.2, 7.2 Hz), 3.60-3.68 (1H, m), 4.82 (1H, d, J = 8.4 Hz), 7.30 (2H, d, J = 8.4 Hz), 7.76 (2H, d, J = 8.4 Hz), 9.57 (1H, s);
13C NMR (CDCl3, 100MHz): δ 9.33, 21.5, 21.6, 22.9, 24.5, 41.7, 50.1, 52.3, 127.1, 129.7, 138.0, 143.5, 203.2;
IR (neat): ν 3279, 2958, 2871, 1719, 1463, 1427, 1330, 1281, 1160, 1093, 816, 667, 552 cm-1;
HRMS (ESI): [M+Na] 計算値([C15H23NNaO3S]として): 320.1291 実測値 320.1293;
[α]D20℃ +19.5 (c 1.61, CHCl3);
還元後の対応するアミドアルコールのエナンチオマー過剰率、CHIRALPAK IAカラム(PrOH:ヘキサン=1:10)を備えたHPLCにより測定した(1.0 mL/min、副エナンチオマーの保持時間=10.5分、主エナンチオマーの保持時間=12.2分)。
【0119】
N−((2R,3R)−2,4−ジメチル−1−オキソペンタン−3−イル)−p−トルエンスルホンアミド(実施例2−3)
【0120】
【化24】

【0121】
1H NMR (CDCl3, 400 MHz): δ 0.76 (3H, d, J = 6.8 Hz), 0.77 (3H, d, J = 6.8 Hz), 1.06 (3H, d, J = 7.2 Hz), 1.73-1.84 (1H, m), 2.41 (3H, s), 2.66 (1H, ddq, J = 1.6, 6.8, 7.2 Hz), 3.34 (1H, ddd, J = 4.4, 6.8, 9.2 Hz), 5.02 (1H, d, J = 9.2 Hz), 7.28 (2H, d, J = 8.0 Hz), 7.74 (2H, d, J = 8.0 Hz), 9.57 (1H, s);
13C NMR (CDCl3, 100MHz): δ 11.5, 18.8, 20.2, 21.5, 30.9, 48.7, 61.0, 126.9, 129.6, 138.6, 143.3, 203.6;
IR (neat): ν 3290, 2967, 1719, 1326, 1160, 1092, 815, 667, 549 cm-1;
HRMS (ESI): [M+Na] 計算値([C14H21NNaO3S]として): 306.1134 実測値 306.1146;
[α]D21℃ +32.7 (c 1.33, CHCl3);
還元後の対応するアミドアルコールのエナンチオマー過剰率、CHIRALPAK IAカラム(PrOH:ヘキサン=1:10)を備えたHPLCにより測定した(1.0 mL/min、副エナンチオマーの保持時間=12.1分、主エナンチオマーの保持時間=22.5分)。
【0122】
N−((2R,3R)−2,4−ジメチル−1−オキソペンタン−3−イル)−p−トルエンスルホンアミド(実施例2−4)
【0123】
【化25】

【0124】
1H NMR (CDCl3, 400 MHz): δ 0.68-0.87 (2H, m), 0.95-1.15 (6H, m), 1.33-1.47 (2H, m), 1.53-1.70 (4H, m), 2.41 (3H, s), 2.66 (1H, dq, J = 1.2, 4.0 Hz), 3.36 (1H, ddd, J = 4.0, 7.2, 9.2 Hz), 5.07 (1H, d, J = 9.2 Hz), 7.27 (2H, d, J = 8.4 Hz), 7.73 (2H, d, J = 8.4 Hz), 9.55 (1H, s);
13C NMR (CDCl3, 100MHz): δ 11.2, 21.5, 25.9, 26.0, 26.1, 29.4, 30.6, 40.6, 48.4, 60.3, 126.9, 129.5, 138.6, 143.2, 203.6;
IR (neat): ν 3289, 2928, 2853, 1721, 1448, 1326, 1160, 1092, 815, 667 cm-1;
HRMS (ESI): [M+Na] 計算値([C17H25NNaO3S]として): 346.1447 実測値 346.1451;
[α]D22℃ +24.8 (c 0.36, CHCl3);
還元後の対応するアミドアルコールのエナンチオマー過剰率、CHIRALPAK AD−Hカラム(PrOH:ヘキサン=1:10)を備えたHPLCにより測定した(1.0 mL/min、副エナンチオマーの保持時間=13.7分、主エナンチオマーの保持時間=14.9分)。
【0125】
N−((2R,3R)−2−メチル−1−オキソ−4−フェニルブタン−3−イル)−p−トルエンスルホンアミド(実施例2−5)
【0126】
【化26】

【0127】
1H NMR (CDCl3, 400 MHz): δ 1.18 (3H, d, J = 7.6 Hz), 2.40 (3H, s), 2.57 (1H, dd, J = 7.2, 13.6 Hz), 2.68-2.77 (3H, m), 3.70 (1H, dq, J = 3.6, 8.0 Hz), 5.03 (1H, d, J = 8.0 Hz), 6.90-6.97 (2H, m), 7.14-7.22 (5H, m), 7.58 (2H, d, J = 8.4 Hz), 9.57 (1H, s);
13C NMR (CDCl3, 100MHz): δ 10.2, 21.5, 38.6, 48.3, 56.1, 126.8, 126.9, 128.7, 129.0, 129.6, 136.9, 137.4, 143.2, 203.4;
IR (neat): ν 3285, 2925, 1719, 1456, 1328, 1159, 1092, 701, 666, 550 cm-1;
HRMS (ESI): [M+Na] 計算値([C18H20NNaO3S]として): 330.1147 実測値 330.1158;
[α]D22℃ +74.9 (c 0.33, CHCl3);
還元後の対応するアミドアルコールのエナンチオマー過剰率、CHIRALPAK IAカラム(PrOH:ヘキサン=1:10)を備えたHPLCにより測定した(1.0 mL/min、副エナンチオマーの保持時間=14.8分、主エナンチオマーの保持時間=16.5分)。
【0128】
N−((2R,3S)−4−ベンジルオキシ−2−メチル−1−オキソブタン−3−イル)−p−トルエンスルホンアミド(実施例2−6)
【0129】
【化27】

【0130】
1H NMR (CDCl3, 400 MHz): δ 1.05 (3H, d, J = 7.2 Hz), 2.41 (3H, s), 2.70-2.78 (1H, m), 3.27 (1H, dd, J = 5.6, 9.6 Hz), 3.36 (1H, dd, J = 4.0, 9.6 Hz), 3.61-3.68 (1H, m), 4.32 (2H, s), 5.23 (1H, br-d, J = 8.8 Hz), 7.18 (2H, d, J = 7.2 Hz), 7.24 (2H, d, J = 8.4 Hz), 7.28-7.37 (3H, m), 7.71 (2H, d, J = 8.0 Hz), 9.58 (1H, d, J = 1.2 Hz);
13C NMR (CDCl3, 100MHz): δ 10.6, 21.5, 47.6, 54.2, 69.1, 73.3, 127.0, 127.7, 128.0, 128.5, 129.7, 137.2, 137.7, 143.5, 202.6;
IR (neat): ν 3278, 2979, 2927, 2871, 1723, 1454, 1332, 1162, 1092, 826, 700, 667 cm-1;
HRMS (ESI): [M+Na] 計算値([C19H23NNaO4S]として): 384.1240 実測値 384.1244;
[α]D22℃ -13.3 (c 0.34, CHCl3);
還元後の対応するアミドアルコールのエナンチオマー過剰率、CHIRALCEL OJ−Hカラム(PrOH:ヘキサン=1:10)を備えたHPLCにより測定した(1.0 mL/min、アンチ異性体:副エナンチオマーの保持時間=49.7分、主エナンチオマーの保持時間=32.5分、シン異性体:副エナンチオマーの保持時間=26.8分、主エナンチオマーの保持時間=40.7分)。
【0131】
N−(2R,3R)−2−エチル−1−オキソ−5−フェニルペンタン−3−イル)−p−トルエンスルホンアミド(実施例2−7)
【0132】
【化28】

【0133】
1H NMR (CDCl3, 400 MHz): δ 0.92 (3H, t, J = 7.6 Hz), 1.42-1.54 (1H, m), 1.60-1.81 (3H, m), 2.30-2.50 (5H, m), 3.52-3.60 (1H, m), 5.07 (1H, br-d, J = 9.6 Hz), 6.96 (2H, d, J = 7.2 Hz), 7.12-7.33 (5H, m), 7.73 (2H, d, J = 8.0 Hz), 9.56 (1H, s);
13C NMR (CDCl3, 100MHz): δ 12.1, 18.9, 21.5, 32.3, 35.0, 52.8, 56.3, 126.1, 127.0, 128.2, 128.4, 129.7, 138.3, 140.6, 143.4, 203.7;
IR (neat): ν 3280, 2963, 2933, 2875, 1718, 1455, 1328, 1160, 1092, 816, 701, 666 cm-1;
HRMS (ESI): [M+Na] 計算値([C20H25NNaO3S]として): 382.1447 実測値 382.1429;
[α]D23℃ +36.7 (c 1.45, CHCl3);
還元後の対応するアミドアルコールのエナンチオマー過剰率、CHIRALPAK IAカラム(PrOH:ヘキサン=1:10)を備えたHPLCにより測定した(1.0 mL/min, 副エナンチオマーの保持時間=12.7分, 主エナンチオマーの保持時間=26.5分)。
【0134】
N−((1R,2R)−3−シクロヘキシル−3−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−イル)−p−ニトロベンゼンスルホンアミド(実施例2−8)
【0135】
【化29】

【0136】
1H NMR (CDCl3, 400 MHz): δ 0.69-0.85 (2H, m), 0.90 (3H, t, J = 6.8 Hz), 0.95-1.20 (3H, m), 1.35-1.53 (2H, m), 1.55-1.74 (5H, m), 1.76-1.87 (1H, m), 3,19 (1H, dt, J = 9.2, 6.4 Hz), 3.51 (1H, dd, J = 3.6, 11.2 Hz), 3.89 (1H, dd, J = 3.2, 11.2 Hz), 5.39 (1H, br-d, J = 9.2 Hz), 8.04 (2H, d, J = 8.8 Hz), 8.33 (2H, d, J = 8.8 Hz);
13C NMR (CDCl3, 100MHz): δ 15.8, 26.1, 26.2, 28.5, 31.0, 35.7, 40.5, 63.2, 64.7, 124.1, 128.1, 147.8, 149.7;
IR (neat): ν 3526, 3303, 2929, 2854, 1530, 1449, 1350, 1309, 1162, 1092, 854, 738 cm-1;
HRMS (ESI): [M+Na] 計算値([C16H24N2O5SNa]として): 379.1298 実測値 379.1302; [α]D25℃ -0.3 (c 0.78, CHCl3);
エナンチオマー過剰率、CHIRALPAK AD−Hカラム(PrOH:ヘキサン=1:10)を備えたHPLCにより測定した(1.0 mL/min、副エナンチオマーの保持時間=22.7分、主エナンチオマーの保持時間=31.5分)。
【0137】
N−((1R,2R)−2−ベンジルオキシ−1−シクロヘキシル−3−ヒドロキシプロパン−1−イル)−p−ニトロベンゼンスルホンアミド(実施例2−9)
【0138】
【化30】

【0139】
1H NMR (CDCl3, 400 MHz): δ 0.86-1.05 (2H, m), 1.16-1.22 (3H, m), 1.42-1.58 (2H, m), 1.59-1.70 (2H, m), 1.71-1.78 (1H, m), 1.87 (1H, br-d, J = 12.8 Hz), 3.43 (1H, dt, J = 4.8, 3.2 Hz), 3.56 (1H, ddd, J = 4.8, 7.2, 9.2 Hz), 3.75 (1H, dd, J = 3.2, 12.4 Hz), 3.81 (1H, dd, J = 3.2, 12.4 Hz), 4.33 (1H, d, J = 11.6 Hz), 4.37 (1H, d, J = 11.6 Hz), 5.62 (1H, d, J = 9.2 Hz), 7.13 (2H, dd, J = 2.8, 7.2 Hz), 7.25-7.30 (3H, m), 7.95 (2H, br-d, J = 8.8 Hz), 8.10 (2H, br-d, J = 8.8 Hz);
13C NMR (CDCl3, 100MHz): δ 25.9, 26.01, 26.04, 29.2, 30.7, 39.5, 60.8, 60.9, 71.5, 77.3, 123.8, 127.7, 128.0, 128.1, 128.5, 137.3, 147.6, 149.4;
[α]D25℃ -37.5 (c 0.35, CHCl3);
IR (neat): ν 3524, 3298, 2928, 2854, 1529, 1452, 1349, 1310, 1162, 1093, 854, 738 cm-1;
HRMS (ESI): [M+Na] 計算値([C22H28N2O6SNa]として): 471.1560 実測値 471.1550; エナンチオマー過剰率、CHIRALPAK ICカラム(PrOH:ヘキサン=1:10)を備えたHPLCにより測定した(1.0 mL/min、副エナンチオマーの保持時間=42.6分、主エナンチオマーの保持時間=34.8分)。
【0140】
N−((2R,3S)−2−メチル−1−オキソ−3−フェニルプロパン−3−イル)−p−トルエンスルホンアミド(実施例2−10)
【0141】
【化31】

【0142】
1H NMR (CDCl3, 400 MHz): δ 0.98 (3H, d, J = 7.2 Hz), 2.32 (3H, s), 2.80 (1H, d of quint, J = 2.4, 7.2 Hz), 4.54 (1H, t, J = 8.4 Hz), 5.74 (1H, d, J = 8.8 Hz), 6.96-7.02 (2H, m), 7.05 (2H, d, J = 8.4 Hz), 7.09-7.15 (3H, m), 7.47 (2H, d, J = 8.0 Hz), 9.62 (1H, d, J = 2.4 Hz);
13C NMR (CDCl3, 100MHz): δ 11.8, 21.4, 51.9, 59.1, 126.9, 127.0, 127.7, 128.5, 129.2, 137.3, 138.0, 143.1, 203.1;
IR (neat): ν 3263, 2974, 2931, 2874, 2712, 1731, 1457, 1322, 1158, 1091, 913, 703, 671, 566 cm-1.
エナンチオマー過剰率、CHIRALPAK AS−Hカラム(PrOH:ヘキサン=1:10)を備えたHPLCにより測定した(1.0 mL/min、副エナンチオマーの保持時間=15.4分、主エナンチオマーの保持時間=23.3分)。
【0143】
N−((1S,2R)−3−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−イル)−p−トルエンスルホンアミド(実施例2−11)
【0144】
【化32】

【0145】
1H NMR (CDCl3, 400 MHz): δ 0.78 (3H, d, J = 7.2 Hz), 1.88-2.00 (1H, m), 2.27 (1H, br-s), 2.34 (3H, s,), 3.55 (1H, dd, J = 4.4, 11.2 Hz), 3.93 (1H, dd, J = 3.2, 11.2 Hz), 4.18 (1H, t, J = 8.4 Hz), 5.77 (1H, br-d, J = 7.6 Hz), 6.91-6.96 (2H, m), 7.08 (2H, d, J = 8.4 Hz), 7.10-7.15 (3H, m), 7.48 (2H, br-d, J = 8.2 Hz);
13C NMR (CDCl3, 100MHz): δ 14.5, 21.4, 40.9, 61.5, 64.9, 126.8, 127.1, 127.3, 128.3, 129.2, 137.4, 140.1, 143.0;
IR (neat): ν 3509, 3280, 2925, 1600, 1456, 1158, 1092, 1030, 812, 703, 669 cm-1;
HRMS (ESI): [M+Na] 計算値([C17H21NO3SNa]として): 342.1134 実測値 342.1148;
[α]D26℃ -39.5 (c 0.52, CHCl3);
エナンチオマー過剰率、CHIRALPAK AS−Hカラム(PrOH:ヘキサン=1:10)を備えたHPLCにより測定した(1.0 mL/min、副エナンチオマーの保持時間=15.4分、主エナンチオマーの保持時間=23.3分)。
【0146】
N−((1S,2R)−3−ヒドロキシ−1−(p−メトキシフェニル)−2−メチルプロパン−1−イル)−p−トルエンスルホンアミド(実施例2−12)
【0147】
【化33】

【0148】
1H NMR (CDCl3, 400 MHz): δ 0.75 (3H, d, J = 6.8 Hz), 1.86-1.92 (1H, m), 2.35 (3H, s), 3.55 (1H, dd, J = 4.4, 11.2 Hz), 3.74 (3H, s), 3.93 (1H, dd, J = 3.2, 11.2 Hz), 4.13 (1H, t, J = 8.0 Hz), 5.70 (1H, br-d, J = 7.6 Hz), 6.65 (2H, br-d, J = 8.8 Hz), 6.84 (2H, br-d, J = 8.8 Hz), 7.10 (2H, d, J = 8.0 Hz), 7.49 (2H, d, J = 8.4 Hz);
13C NMR (CDCl3, 100MHz): δ 14.5, 21.4, 41.0, 55.2, 61.0, 65.0, 113.7, 127.1, 128.0, 129.2, 132.2, 137.5, 142.9, 158.8;
IR (neat): ν 3734, 3522, 2962, 2932, 1613, 1514, 1456, 1319, 1248, 1157, 1034, 814, 667 cm-1;
HRMS (ESI): [M+Na] 計算値([C18H23NO4SNa]として): 372.1240 実測値 372.1239;
[α]D27℃ -53.5 (c 0.81, CHCl3);
エナンチオマー過剰率、CHIRALPAK AS−Hカラム(PrOH:ヘキサン=1:10)を備えたHPLCにより測定した(1.0 mL/min、副エナンチオマーの保持時間=23.2分、主エナンチオマーの保持時間=52.6分)。
【0149】
N−((1S,2R)−1−(p−ブロモフェニル)−3−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−イル)−p−トルエンスルホンアミド(実施例2−13)
【0150】
【化34】

【0151】
1H NMR (CDCl3, 400 MHz): δ 0.75 (3H, d, J = 6.8 Hz), 1.85-1,96 (1H, m), 2.37 (3H, s), 2.46 (1H, br-s), 3.55 (1H, dt, J = 11.2, 4.8 Hz), 3.83 (1H, dt, J = 11.2, 3.6 Hz), 4.18 (1H, t, J = 8.0 Hz), 6.31 (1H, br-d, J = 7.2 Hz), 6.86 (2H, d, J = 8.0 Hz), 7.10 (2H, d, J = 8.0 Hz), 7.22 (2H, d, J = 8.4 Hz), 7.47 (2H, d, J = 8.4 Hz);
13C NMR (CDCl3, 100MHz): δ 14.4, 21.4, 40.5, 61.4, 65.1, 121.1, 127.0, 128.8, 129.3, 131.3, 137.3, 139.1, 143.2;
IR (neat): ν 3488, 3274, 2964, 2927, 2883, 1597, 1489, 1456, 1322, 1158, 1092, 813, 661, 570 cm-1;
HRMS (ESI): [M+Na] 計算値([C17H20BrNO3SNa]として): 420.0239 実測値 420.0225;[α]D26℃ -54.4 (c 0.36, CHCl3);
エナンチオマー過剰率、CHIRALPAK AS−Hカラム(PrOH:ヘキサン=1:10)を備えたHPLCにより測定した(1.0 mL/min、副エナンチオマーの保持時間=14.9分、主エナンチオマーの保持時間=27.6分)。
【0152】
N−((1S,2R)−3−ヒドロキシ−2−メチル−1−(p−トリフルオロメチルフェニル)プロパン−1−イル)−p−トルエンスルホンアミド(実施例2−14)
【0153】
【化35】

【0154】
1H NMR (CDCl3, 400 MHz): δ 0.80 (3H, d, J = 6.8 Hz), 1.90-2.01 (1H, m), 2.24 (1H, t, J = 4.8 Hz), 2.32 (3H, s), 3.57 (1H, dt, J = 10.8, 5.6 Hz), 3.82 (1H, dt, J = 10.8, 3.2 Hz), 4.32 (1H, t, J = 7.6 Hz), 6.32 (1H, br-d, J = 6.8 Hz), 7.05 (2H, d, J = 8.0 Hz), 7.12 (2H, d, J = 8.0 Hz), 7.35 (2H, d, J = 8.0 Hz), 7.44 (8.4 Hz);
13C NMR (CDCl3, 100MHz): δ 14.5, 21.2. 40.4, 61.7, 65.2, 124.0 (q, J = 270.0 Hz), 125.0 (q, J = 4.0 Hz), 127.0, 127.6, 129.2, 129.3 (q, J = 32.0 Hz), 137.2, 143.2, 143.9;
IR (neat): ν 3459, 3178, 2927, 1619, 1599, 1455, 1421, 1161, 1067, 1043, 814 cm-1;
HRMS (ESI): [M+Na] 計算値([C18H20F3NO3SNa]として): 410.1008 実測値 410.1001;[α]D26℃ -33.3 (c 0.36, CHCl3);
エナンチオマー過剰率、CHIRALPAK AS−Hカラム(PrOH:ヘキサン=1:10)を備えたHPLCにより測定した(1.0 mL/min、副エナンチオマーの保持時間=10.0分、主エナンチオマーの保持時間=20.8分)。
【0155】
【表2】

【0156】
参考例2 還元反応
【0157】
【化36】

【0158】
N−((2R,3R)−2,4−ジメチル−1−オキソペンタン−3−イル)−p−トルエンスルホンアミド(30.0mg,0.1mmol)のメタノール(0.3mL)溶液に、水素化ホウ素ナトリウム(37.8mg,1.0mmol)を0℃で加えた。反応混合物を1時間攪拌後、リン酸バッファー(pH7)を添加して反応を停止した。反応混合物をクロロホルムで抽出し(3×10mL)、合わせた有機層をNaSOで乾燥し、濾過後減圧濃縮した。分取薄層クロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc=2:1)で精製して、N−((2R,3R)−2,5−ジメチル−1−ヒドロキシヘキサン−3−イル)−p−トルエンスルホンアミドを95%の収率で得た。
1H NMR (CDCl3, 400 MHz): δ 0.66 (3H, d, J = 6.8 Hz), 0.77 (3H, d, J = 6.8 Hz), 0.87 (3H, d, J = 7.2 Hz), 1.16-1.29 (2H, m), 1.30-1.43 (1H, m), 1.65-1.77 (2H, m), 1.80 (1H, br-s), 2.42 (3H, s), 3.38 (1H, tt, J = 5.2, 8.0 Hz), 3.46 (1H, dd, J = 5.2, 10.8 Hz), 3.77 (1H, dd, J = 4.0, 11.2 Hz), 4.93 (1H, d, J = 8.4 Hz), 7.28 (2H, d, J = 8.4 Hz), 7.76 (2H, d, J = 8.0 Hz);
13C NMR (CDCl3, 100MHz): δ 13.6, 21.5, 21.9, 23.1, 24.3, 38.9, 42.2, 54.6, 64.6, 127.0, 129.5, 138.5, 143.1;
IR (neat): ν 3522, 3282, 2957, 1599, 1464, 1319, 1157, 1094, 1031, 815, 666, 553 cm-1;
HRMS (ESI): [M+Na] 計算値([C15H25NNaO3S]として): 322.1447 実測値 322.1453;
[α]D21℃ +21.1 (c 0.96, CHCl3);
【産業上の利用可能性】
【0159】
本発明によれば、イミン化合物から光学活性なβ−アミノアルデヒド化合物を製造できる新たな方法を提供することができる。当該方法では、簡便に光学活性なβ−アミノアルデヒド化合物(3)を製造することができる。
また、特定の構造の光学活性なピロリジン化合物(4)の使用により、収率、エナンチオ選択性及びジアステレオ選択性(アルデヒド化合物(2)中のRが水素原子以外である場合)よく、光学活性なβ−アミノアルデヒド化合物(3)を製造することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(4):
【化1】


(式中、Ar及びArはそれぞれ独立に、以下の群G2より選ばれる置換基を有していてもよいフェニル基、C−C12鎖式炭化水素基、C−C12脂環式炭化水素基又は水素原子を表し、Rは、水素原子、フッ素原子、水酸基、C−C12アルコキシ基、C−C12フッ化アルキルオキシ基又は−OSiR(式中、R、R及びRはそれぞれ独立に、C−Cアルキル基又はC−C20アリール基を表す。)で示される基を表し、*は、不斉炭素原子を表す。)
で示される光学活性化合物の存在下、式(1−1):
【化2】


(式中、Rは、以下の群G1より選ばれる置換基を有していてもよいC−C20炭化水素基又は水素原子を表し、Rは、アミノ基の保護基を表す。)
で示される化合物、又は式(1−2):
【化3】


(式中、R及びRは上記で定義した通りであり、Arは、以下の群G2より選ばれる置換基を有していてもよいフェニル基を表す。)
で示される化合物と、式(2):
【化4】


(式中、Rは、以下の群G1より選ばれる置換基を有していてもよいC−C20炭化水素基、以下の群G1より選ばれる置換基を有していてもよいC−C12アルコキシ基、以下の群G1より選ばれる置換基を有していてもよいC−C12アルキルチオ基、保護されたアミノ基、以下の群G2より選ばれる置換基を有していてもよい複素環基又は水素原子を表す。)
で示される化合物とを反応させる工程を含む、式(3):
【化5】


(式中、R、R及びRは上記で定義した通りであり、**は、不斉炭素原子を表す。)
で示される光学活性化合物の製造方法。
<群G1>:群G2より選ばれる置換基を有していてもよいC−C20アリール基、群G2より選ばれる置換基を有していてもよい芳香族複素環基、C−C12アルキル基、C−C12アルコキシ基、群G2より選ばれる置換基を有していてもよいC−C20アリール基を有するC−C12アルキル基、群G2より選ばれる置換基を有していてもよいC−C20アリール基を有するC−C12アルコキシ基、ハロゲン原子、C−C13アルキルカルボニル基、C−C13アルコキシカルボニル基、C−C12フッ化アルキル基、C−C12フッ化アルキルオキシ基、C−C13アシル基、ニトロ基、シアノ基、保護されたアミノ基及びオキソ基からなる群
<群G2>:C−C12アルキル基、C−C12アルコキシ基、C−C13アルキルカルボニル基、C−C13アルコキシカルボニル基、C−C12フッ化アルキル基、C−C12フッ化アルキルオキシ基、C−C13アシル基、ニトロ基、シアノ基、保護されたアミノ基及びハロゲン原子からなる群
【請求項2】
反応が溶媒中で行われる、請求項1記載の製造方法。
【請求項3】
溶媒が水である、請求項2記載の製造方法。
【請求項4】
溶媒が、無機塩を含有する水である、請求項2記載の製造方法。
【請求項5】
無機塩が塩化ナトリウムである、請求項4記載の製造方法。
【請求項6】
溶媒がエーテル溶媒である、請求項2記載の製造方法。
【請求項7】
が−OSiR(式中、各記号は請求項1で定義した通りである。)で示される基であり、かつAr及びArがそれぞれ独立に、C−C12フッ化アルキル基を有するフェニル基である、請求項1記載の製造方法。

【公開番号】特開2012−106998(P2012−106998A)
【公開日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−230108(P2011−230108)
【出願日】平成23年10月19日(2011.10.19)
【出願人】(803000115)学校法人東京理科大学 (545)
【出願人】(000002093)住友化学株式会社 (8,981)
【Fターム(参考)】