説明

光学活性なアルコール化合物の製造法およびそれに用いる不斉錯体

【課題】フェノール類と環状エーテル化合物との反応による光学活性なアルコール化合物の製造法において、高い触媒活性を示す不斉錯体を提供すること。
【解決手段】式(1)


(式中、R1〜R8はそれぞれ同一または相異なってアルキル基等を表すか、または隣接する二つの基が結合してベンゼン環とともにナフタレン環を形成する。R9およびR10は、そのいずれか一方が水素原子を表し、他方が、置換されていてもよいフェニル基等を表すか、または、異なる炭素原子に結合したR9とR10からなる対のうち、いずれか一対が結合してテトラメチレン基を形成する。Qは、単結合もしくは炭素数1〜4のアルキレン基を表す。Mは金属イオンを表し、金属イオンのイオン価と配位子の配位数が同一のときAは存在せず、前記イオン価と配位数が相異なるときAは対イオン等を表す。)
で示される光学活性な金属錯体と金属スルホン酸塩とを反応せしめてなる不斉錯体。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学活性なアルコール化合物の製造法およびそれに用いる不斉錯体に関する。
【背景技術】
【0002】
光学活性1−(4−フェノキシフェノキシ)−2−プロパノールに代表される光学活性なアルコール化合物は、例えば医薬、農薬等の合成中間体として有用である(例えば、特許文献1および2参照。)。かかる光学活性なアルコール化合物の製造法として、光学活性なサレン型金属錯体を触媒とするフェノール類と環状エーテル化合物との反応が知られている(例えば、非特許文献1参照。)。また、光学活性なサレン金属錯体とハロゲン化アルミニウム、ハロゲン化ジアルキルアルミニウム、トリアルコキシアルミニウム、ハロゲン化チタン、テトラアルコキシチタン、ハロゲン化ホウ素およびハロゲン化亜鉛からなる群から選ばれるルイス酸とを反応せしめてなる錯体触媒を用いて、フェノール化合物と環状エーテル化合物とを反応させる方法も知られている(例えば、特許文献3および4参照。)。これらの方法は、光学活性の高いアルコール化合物が得られる点では優れているが、光学活性なサレン型金属錯体が高価であるため、工業的に実施するためには、さらなる触媒活性の向上が求められていた。
【0003】
【特許文献1】特開昭60−215671号公報
【特許文献2】特公平5−59718号公報
【特許文献3】特開2003−2854号公報
【特許文献4】特開2004−285003号公報
【非特許文献1】J. Am. Che. Soc., 121, 6086-6087 (1999)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような状況の下、本発明者は、光学活性なサレン型金属錯体を触媒としてフェノール類と環状エーテル化合物とを反応させる光学活性なアルコール化合物の製造法において、さらに触媒活性を向上させる方法について鋭意検討したところ、光学活性なサレン型金属錯体と金属スルホン酸塩とを反応せしめてなる新規な不斉錯体が高い触媒活性を示すことを見出し、本発明に至った。
【課題を解決するための手段】
【0005】
すなわち本発明は、式(1)

(式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7およびR8はそれぞれ同一または相異なって、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、ハロアルキル基、ハロアルコキシ基、置換されていてもよいアリール基、アラルキル基、水酸基、ニトロ基、アミノ基、カルバモイル基、カルボキシル基またはシリル基を表すか、またはR1、R2、R3、R4、R5、R6、R7およびR8のうち、隣接する二つの基が結合して、それらが結合するベンゼン環とともに環を形成し、ナフタレン環を表す。R9およびR10は、そのいずれか一方が水素原子を表し、他方が、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜4のアルキル基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜4のアルコキシ基およびハロゲン原子からなる群から選ばれる少なくとも一つで置換されていてもよいフェニル基またはナフチル基を表すか、または、異なる炭素原子に結合したR9とR10からなる対のうち、いずれか一対が結合してテトラメチレン基を形成し、他方の対がそれぞれ水素原子を表す。Qは、単結合もしくは炭素数1〜4のアルキレン基を表す。また、

で示される基で、2,2’−ビナフチル基を表してもよい。ここで、・は窒素原子との結合部位を示す。Mは金属イオンを表し、金属イオンのイオン価と配位子の配位数が同一のとき、Aは存在せず、前記イオン価と配位数が相異なるとき、Aは対イオンまたは配位子を表す。)
で示される光学活性な金属錯体と金属スルホン酸塩とを反応せしめてなる不斉錯体、および、その存在下に、環状エ−テル化合物とフェノ−ル類とを反応させることを特徴とする光学活性なアルコ−ル化合物の製造法を提供するものである。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、光学活性なサレン型金属錯体と金属スルホン酸塩とを反応せしめてなる新規な不斉錯体は、環状エーテル化合物とフェノール類との反応において高い触媒活性を示すため、該不斉錯体の存在下に、環状エーテル化合物とフェノール類とを反応させることにより、工業的により有利に光学活性アルコール化合物を製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
まず、上記式(1)で示される光学活性な金属錯体(以下、光学活性金属錯体(1)と略記する。)と金属スルホン酸塩とを反応せしめてなる新規な不斉錯体について説明する。
【0008】
上記光学活性金属錯体(1)の式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7およびR8はそれぞれ同一または相異なって、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、ハロアルキル基、ハロアルコキシ基、置換されていてもよいアリール基、アラルキル基、水酸基、ニトロ基、アミノ基、カルバモイル基、カルボキシル基またはシリル基を表す。
【0009】
ハロゲン原子としては、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子等が挙げられる。
【0010】
アルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、n−ヘキシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の炭素数1〜6の直鎖状、分枝鎖状または環状のアルキル基が挙げられる。
【0011】
アルケニル基としては、例えばビニル基、プロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、2−メチル−1−プロペニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、シクロヘキセニル基等の炭素数2〜6の直鎖状、分枝鎖状または環状のアルケニル基が挙げられる。
【0012】
アルキニル基としては、例えばエチニル基、プロピニル基、1−ブチニル基、2−ブチニル基、ヘキシニル基等の炭素数2〜6の直鎖状または分枝鎖状のアルキニル基が挙げられる。
【0013】
アルコキシ基としては、例えばメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、n−ヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基等の炭素数1〜6の直鎖状、分枝鎖状または環状のアルコキシ基が挙げられる。
【0014】
ハロアルキル基としては、前記アルキル基の一つまたは二つ以上の水素原子が、前記ハロゲン原子で置換されたものが挙げられ、具体的にはクロロメチル基、クロロエチル基、フルオロメチル基、トリフルオロメチル基等が例示される。
【0015】
ハロアルコキシ基としては、前記アルコキシ基の一つまたは二つ以上の水素原子が、前記ハロゲン原子で置換されたものが挙げられ、具体的にはクロロメトキシ基、クロロエトキシ基、フルオロメトキシ基、トリフルオロメトキシ基等が例示される。
【0016】
アリール基としては、例えばフェニル基、ナフチル基等の炭素数6〜10のアリール基が挙げられる。これらのアリール基上に有していてもよい置換基としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子;メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、n−ヘキシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のアルキル基;メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、n−ヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基等のアルコキシ基;ニトロ基;等が挙げられる。かかる置換基で置換されたアリール基の具体例としては、トルイル基、キシリル基、ニトロフェニル基、メトキシフェニル基等が挙げられる。
【0017】
アラルキル基としては、前記アルキル基の一つまたは二つ以上の水素原子が、前記アリール基で置換されたものが挙げられ、具体的にはベンジル基、トリフェニルメチル基、1−メチル−1−フェニルエチル基等が例示される。
【0018】
シリル基としては、前記アルキル基、前記アリール基等がケイ素原子上に三置換された基が挙げられ、具体的にはトリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリフェニルシリル基、tert−ブチルジメチルシリル基等が例示される。
【0019】
また、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7およびR8のうち、隣接する二つの基が結合して、それらが結合するベンゼン環とともにナフタレン環を形成していてもよい。
【0020】
9およびR10は、そのいずれか一方が水素原子を表し、他方が、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜4のアルキル基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜4のアルコキシ基およびハロゲン原子からなる群から選ばれる少なくとも一つで置換されていてもよいフェニル基またはナフチル基を表すか、または、異なる炭素原子に結合したR9とR10からなる対のうち、いずれか一対が結合してテトラメチレン基を形成し、他方の対がそれぞれ水素原子を表す。
【0021】
炭素数1〜4のアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基等の直鎖状または分枝鎖状のアルキル基が挙げられる。これらの炭素数1〜4のアルキル基上に有していてもよいハロゲン原子としては、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子等が挙げられる。かかるハロゲン原子で置換された炭素数1〜4のアルキル基の具体例としては、クロロメチル基、クロロエチル基、フルオロメチル基、トリフルオロメチル基等が挙げられる。
【0022】
炭素数1〜4のアルコキシ基としては、例えばメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基等の直鎖状または分枝鎖状のアルコキシ基が挙げられる。これらの炭素数1〜4のアルコキシ基上に有していてもよいハロゲン原子としては、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子等が挙げられる。かかるハロゲン原子で置換された炭素数1〜4のアルコキシ基の具体例としては、クロロメトキシ基、クロロエトキシ基、フルオロメトキシ基、トリフルオロメトキシ基等が挙げられる。
【0023】
ハロゲン原子としては、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子等が挙げられる。
【0024】
かかるハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜4のアルキル基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜4のアルコキシ基およびハロゲン原子からなる群から選ばれる少なくとも一つで置換されていてもよいフェニル基またはナフチル基としては、例えばフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、2−メトキシフェニル基、3−メトキシフェニル基、4−メトキシフェニル基、2−クロロフェニル基、3−クロロフェニル基、4−クロロフェニル基、2−フルオロフェニル基、3−フルオロフェニル基、4−フルオロフェニル基、4−ブロモフェニル基、2−トリフルオロメチルフェニル基、3−トリフルオロメチルフェニル基、4−トリフルオロメチルフェニル基、2−メチル−1−ナフチル基等が挙げられる。
【0025】
Qは、単結合もしくは炭素数1〜4のアルキレン基を表す。また、

で示される基で、2,2’−ビナフチル基を表してもよい。ここで、・は窒素原子との結合部位を示す。炭素数1〜4のアルキレン基としては、例えばメチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基等が挙げられる。
【0026】
Mは金属イオンを表し、金属イオンのイオン価と配位子の配位数が同一のとき、Aは存在せず、前記イオン価と配位数が相異なるとき、Aは対イオンまたは配位子を表す。
【0027】
金属イオンとしては、例えばコバルトイオン、クロムイオン、マンガンイオン等が挙げられる。対イオンまたは配位子としては、例えば、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン等のハロゲン化物イオン;ノナフルオロ−tert−ブトキシドイオン等のパーフルオロアルコキシドイオン;アセテート配位子;等が挙げられ、調製が容易である点においてハロゲン化物イオンが好ましく、なかでもヨウ化物イオンがより好ましい。
【0028】
かかる光学活性金属錯体(1)としては、例えばヨウ化(R,R)−(−)−N,N’−ビス(3,5−ジ−tert−ブチルサリチリデン)−1,2−シクロヘキサンジアミノコバルト(III)、塩化(R,R)−(−)−N,N’−ビス(3,5−ジ−tert−ブチルサリチリデン)−1,2−シクロヘキサンジアミノコバルト(III)、臭化(R,R)−(−)−N,N’−ビス(3,5−ジ−tert−ブチルサリチリデン)−1,2−シクロヘキサンジアミノコバルト(III)、(R,R)−(−)−N,N’−ビス(3,5−ジ−tert−ブチルサリチリデン)−1,2−シクロヘキサンジアミノコバルト(III)アセテート、(R,R)−(−)−N,N’−ビス(3,5−ジ−tert−ブチルサリチリデン)−1,2−シクロヘキサンジアミノコバルト(III)ノナフルオロ−tert−ブトキシド、(R,R)−(−)−N,N’−ビス(3,5−ジ−tert−ブチルサリチリデン)−1,2−シクロヘキサンジアミノコバルト(III)ヘキサフルオロイソプロポキシド、ヨウ化(R,R)−(−)−N,N’−ビス(サリチリデン)−1,2−シクロヘキサンジアミノコバルト(III)、塩化(R,R)−(−)−N,N’−ビス(サリチリデン)−1,2−シクロヘキサンジアミノコバルト(III)、臭化(R,R)−(−)−N,N’−ビス(サリチリデン)−1,2−シクロヘキサンジアミノコバルト(III)、(R,R)−(−)−N,N’−ビス(サリチリデン)−1,2−シクロヘキサンジアミノコバルト(III)アセテート、(R,R)−(−)−N,N’−ビス(サリチリデン)−1,2−シクロヘキサンジアミノコバルト(III)ノナフルオロ−tert−ブトキシド、
【0029】
ヨウ化(R,R)−(−)−N,N’−ビス(3−tert−ブチル−5−メチルサリチリデン)−1,2−シクロヘキサンジアミノコバルト(III)、塩化(R,R)−(−)−N,N’−ビス(3−tert−ブチル−5−メチルサリチリデン)−1,2−シクロヘキサンジアミノコバルト(III)、臭化(R,R)−(−)−N,N’−ビス(3−tert−ブチル−5−メチルサリチリデン)−1,2−シクロヘキサンジアミノコバルト(III)、(R,R)−(−)−N,N’−ビス(3−tert−ブチル−5−メチルサリチリデン)−1,2−シクロヘキサンジアミノコバルト(III)アセテート、(R,R)−(−)−N,N’−ビス(3−tert−ブチル−5−メチルサリチリデン)−1,2−シクロヘキサンジアミノコバルト(III)ノナフルオロ−tert−ブトキシド、ヨウ化(R,R)−(−)−N,N’−ビス(3−tert−ブチル−5−ニトロサリチリデン)−1,2−シクロヘキサンジアミノコバルト(III)、塩化(R,R)−(−)−N,N’−ビス(3−tert−ブチル−5−ニトロサリチリデン)−1,2−シクロヘキサンジアミノコバルト(III)、臭化(R,R)−(−)−N,N’−ビス(3−tert−ブチル−5−ニトロサリチリデン)−1,2−シクロヘキサンジアミノコバルト(III)、(R,R)−(−)−N,N’−ビス(3−tert−ブチル−5−ニトロサリチリデン)−1,2−シクロヘキサンジアミノコバルト(III)アセテート、(R,R)−(−)−N,N’−ビス(3−tert−ブチル−5−ニトロサリチリデン)−1,2−シクロヘキサンジアミノコバルト(III)ノナフルオロ−tert−ブトキシド、
【0030】
ヨウ化(R,R)−(−)−N,N’−ビス(3−tert−ブチル−5−メトキシサリチリデン)−1,2−シクロヘキサンジアミノコバルト(III)、塩化(R,R)−(−)−N,N’−ビス(3−tert−ブチル−5−メトキシサリチリデン)−1,2−シクロヘキサンジアミノコバルト(III)、臭化(R,R)−(−)−N,N’−ビス(3−tert−ブチル−5−メトキシサリチリデン)−1,2−シクロヘキサンジアミノコバルト(III)、(R,R)−(−)−N,N’−ビス(3−tert−ブチル−5−メトキシサリチリデン)−1,2−シクロヘキサンジアミノコバルト(III)アセテート、(R,R)−(−)−N,N’−ビス(3−tert−ブチル−5−メトキシサリチリデン)−1,2−シクロヘキサンジアミノコバルト(III)ノナフルオロ−tert−ブトキシド、ヨウ化(R,R)−(−)−N,N’−ビス(3−tert−ブチル−5−クロロサリチリデン)−1,2−シクロヘキサンジアミノコバルト(III)、塩化(R,R)−(−)−N,N’−ビス(3−tert−ブチル−5−クロロサリチリデン)−1,2−シクロヘキサンジアミノコバルト(III)、臭化(R,R)−(−)−N,N’−ビス(3−tert−ブチル−5−クロロサリチリデン)−1,2−シクロヘキサンジアミノコバルト(III)、(R,R)−(−)−N,N’−ビス(3−tert−ブチル−5−クロロサリチリデン)−1,2−シクロヘキサンジアミノコバルト(III)アセテート、(R,R)−(−)−N,N’−ビス(3−tert−ブチル−5−クロロサリチリデン)−1,2−シクロヘキサンジアミノコバルト(III)ノナフルオロ−tert−ブトキシド、
【0031】
ヨウ化(R,R)−(−)−N,N’−ビス(3−tert−ブチルサリチリデン)−1,2−シクロヘキサンジアミノコバルト(III)、塩化(R,R)−(−)−N,N’−ビス(3−tert−ブチルサリチリデン)−1,2−シクロヘキサンジアミノコバルト(III)、臭化(R,R)−(−)−N,N’−ビス(3−tert−ブチルサリチリデン)−1,2−シクロヘキサンジアミノコバルト(III)、(R,R)−(−)−N,N’−ビス(3−tert−ブチルサリチリデン)−1,2−シクロヘキサンジアミノコバルト(III)アセテート、(R,R)−(−)−N,N’−ビス(3−tert−ブチルサリチリデン)−1,2−シクロヘキサンジアミノコバルト(III)ノナフルオロ−tert−ブトキシド、ヨウ化(R,R)−(−)−N,N’−ビス[(5−メチル−3−(1−メチル−1−フェニルエチル)サリチリデン)−1,2−シクロヘキサンジアミノコバルト(III)、塩化(R,R)−(−)−N,N’−ビス[(5−メチル−3−(1−メチル−1−フェニルエチル)サリチリデン)−1,2−シクロヘキサンジアミノコバルト(III)、臭化(R,R)−(−)−N,N’−ビス[(5−メチル−3−(1−メチル−1−フェニルエチル)サリチリデン)−1,2−シクロヘキサンジアミノコバルト(III)、(R,R)−(−)−N,N’−ビス[(5−メチル−3−(1−メチル−1−フェニルエチル)サリチリデン)−1,2−シクロヘキサンジアミノコバルト(III)アセテート、(R,R)−(−)−N,N’−ビス[(5−メチル−3−(1−メチル−1−フェニルエチル)サリチリデン)−1,2−シクロヘキサンジアミノコバルト(III)ノナフルオロ−tert−ブトキシド、
【0032】
ヨウ化(R,R)−(−)−N,N’−ビス(3−tert−ブチル−5−トリフェニルメチルサリチリデン)−1,2−シクロヘキサンジアミノコバルト(III)、塩化(R,R)−(−)−N,N’−ビス(3−tert−ブチル−5−トリフェニルメチルサリチリデン)−1,2−シクロヘキサンジアミノコバルト(III)、臭化(R,R)−(−)−N,N’−ビス(3−tert−ブチル−5−トリフェニルメチルサリチリデン)−1,2−シクロヘキサンジアミノコバルト(III)、(R,R)−(−)−N,N’−ビス(3−tert−ブチル−5−トリフェニルメチルサリチリデン)−1,2−シクロヘキサンジアミノコバルト(III)アセテート、(R,R)−(−)−N,N’−ビス(3−tert−ブチル−5−トリフェニルメチルサリチリデン)−1,2−シクロヘキサンジアミノコバルト(III)ノナフルオロ−tert−ブトキシド、ヨウ化(R,R)−(−)−N,N’−ビス[5−tert−ブチル−3−(1−メチル−1−フェニルエチル)サリチリデン]−1,2−シクロヘキサンジアミノコバルト(III)、塩化(R,R)−(−)−N,N’−ビス[5−tert−ブチル−3−(1−メチル−1−フェニルエチル)サリチリデン]−1,2−シクロヘキサンジアミノコバルト(III)、臭化(R,R)−(−)−N,N’−ビス[5−tert−ブチル−3−(1−メチル−1−フェニルエチル)サリチリデン]−1,2−シクロヘキサンジアミノコバルト(III)、(R,R)−(−)−N,N’−ビス[5−tert−ブチル−3−(1−メチル−1−フェニルエチル)サリチリデン]−1,2−シクロヘキサンジアミノコバルト(III)アセテート、(R,R)−(−)−N,N’−ビス[5−tert−ブチル−3−(1−メチル−1−フェニルエチル)サリチリデン]−1,2−シクロヘキサンジアミノコバルト(III)ノナフルオロ−tert−ブトキシド、
【0033】
ヨウ化(R,R)−(−)−N,N’−ビス(3,5−ジ−tert−ブチルサリチリデン)−1,2−ジフェニルエチレンジアミノコバルト(III)、塩化(R,R)−(−)−N,N’−ビス(3,5−ジ−tert−ブチルサリチリデン)−1,2−ジフェニルエチレンジアミノコバルト(III)、臭化(R,R)−(−)−N,N’−ビス(3,5−ジ−tert−ブチルサリチリデン)−1,2−ジフェニルエチレンジアミノコバルト(III)、(R,R)−(−)−N,N’−ビス(3,5−ジ−tert−ブチルサリチリデン)−1,2−ジフェニルエチレンジアミノコバルト(III)アセテート、(R,R)−(−)−N,N’−ビス(3,5−ジ−tert−ブチルサリチリデン)−1,2−ジフェニルエチレンジアミノコバルト(III)ノナフルオロ−tert−ブトキシド、(R,R)−(−)−N,N’−ビス(3,5−ジ−tert−ブチルサリチリデン)−1,2−ジフェニルエチレンジアミノコバルト(III)ヘキサフルオロイソプロポキシド、ヨウ化(R,R)−(−)−N,N’−ビス(3,5−ジ−tert−ブチルサリチリデン)−1,2−シクロヘキサンジアミノクロム(III)、塩化(R,R)−(−)−N,N’−ビス(3,5−ジ−tert−ブチルサリチリデン)−1,2−シクロヘキサンジアミノクロム(III)、臭化(R,R)−(−)−N,N’−ビス(3,5−ジ−tert−ブチルサリチリデン)−1,2−シクロヘキサンジアミノクロム(III)、(R,R)−(−)−N,N’−ビス(3,5−ジ−tert−ブチルサリチリデン)−1,2−シクロヘキサンジアミノクロム(III)アセテート、(R,R)−(−)−N,N’−ビス(3,5−ジ−tert−ブチルサリチリデン)−1,2−シクロヘキサンジアミノクロム(III)ノナフルオロ−tert−ブトキシド、
【0034】
ヨウ化(R,R)−(−)−N,N’−ビス(サリチリデン)−1,2−シクロヘキサンジアミノクロム(III)、塩化(R,R)−(−)−N,N’−ビス(サリチリデン)−1,2−シクロヘキサンジアミノクロム(III)、臭化(R,R)−(−)−N,N’−ビス(サリチリデン)−1,2−シクロヘキサンジアミノクロム(III)、(R,R)−(−)−N,N’−ビス(サリチリデン)−1,2−シクロヘキサンジアミノクロム(III)アセテート、(R,R)−(−)−N,N’−ビス(サリチリデン)−1,2−シクロヘキサンジアミノクロム(III)ノナフルオロ−tert−ブトキシド、塩化(R,R)−(−)−N,N’−ビス(3−tert−ブチル−5−メチルサリチリデン)−1,2−シクロヘキサンジアミノクロム(III)、臭化(R,R)−(−)−N,N’−ビス(3−tert−ブチル−5−メチルサリチリデン)−1,2−シクロヘキサンジアミノクロム(III)、(R,R)−(−)−N,N’−ビス(3−tert−ブチル−5−メチルサリチリデン)−1,2−シクロヘキサンジアミノクロム(III)アセテート、ヨウ化(R,R)−(−)−N,N’−ビス(3−tert−ブチル−5−メチルサリチリデン)−1,2−シクロヘキサンジアミノクロム(III)、(R,R)−(−)−N,N’−ビス(3−tert−ブチル−5−ニトロサリチリデン)−1,2−シクロヘキサンジアミノクロム(III)アセテート、ヨウ化(R,R)−(−)−N,N’−ビス(3−tert−ブチル−5−ニトロサリチリデン)−1,2−シクロヘキサンジアミノクロム(III)、塩化(R,R)−(−)−N,N’−ビス(3−tert−ブチル−5−ニトロサリチリデン)−1,2−シクロヘキサンジアミノクロム(III)、臭化(R,R)−(−)−N,N’−ビス(3−tert−ブチル−5−ニトロサリチリデン)−1,2−シクロヘキサンジアミノクロム(III)、ヨウ化(R,R)−(−)−N,N’−ビス(3−tert−ブチル−5−メトキシサリチリデン)−1,2−シクロヘキサンジアミノクロム(III)、塩化(R,R)−(−)−N,N’−ビス(3−tert−ブチル−5−メトキシサリチリデン)−1,2−シクロヘキサンジアミノクロム(III)、臭化(R,R)−(−)−N,N’−ビス(3−tert−ブチル−5−メトキシサリチリデン)−1,2−シクロヘキサンジアミノクロム(III)、(R,R)−(−)−N,N’−ビス(3−tert−ブチル−5−メトキシサリチリデン)−1,2−シクロヘキサンジアミノクロム(III)アセテート、
【0035】
ヨウ化(R,R)−(−)−N,N’−ビス(3−tert−ブチル−5−クロロサリチリデン)−1,2−シクロヘキサンジアミノクロム(III)、塩化(R,R)−(−)−N,N’−ビス(3−tert−ブチル−5−クロロサリチリデン)−1,2−シクロヘキサンジアミノクロム(III)、臭化(R,R)−(−)−N,N’−ビス(3−tert−ブチル−5−クロロサリチリデン)−1,2−シクロヘキサンジアミノクロム(III)、(R,R)−(−)−N,N’−ビス(3−tert−ブチル−5−クロロサリチリデン)−1,2−シクロヘキサンジアミノクロム(III)アセテート、ヨウ化(R,R)−(−)−N,N’−ビス(3−tert−ブチルサリチリデン)−1,2−シクロヘキサンジアミノクロム(III)、塩化(R,R)−(−)−N,N’−ビス(3−tert−ブチルサリチリデン)−1,2−シクロヘキサンジアミノクロム(III)、臭化(R,R)−(−)−N,N’−ビス(3−tert−ブチルサリチリデン)−1,2−シクロヘキサンジアミノクロム(III)、(R,R)−(−)−N,N’−ビス(3−tert−ブチルサリチリデン)−1,2−シクロヘキサンジアミノクロム(III)アセテート、ヨウ化(R,R)−(−)−N,N’−ビス(3,5−ジ−tert−ブチルサリチリデン)−1,2−ジフェニルエチレンジアミノクロム(III)、塩化(R,R)−(−)−N,N’−ビス(3,5−ジ−tert−ブチルサリチリデン)−1,2−ジフェニルエチレンジアミノクロム(III)、臭化(R,R)−(−)−N,N’−ビス(3,5−ジ−tert−ブチルサリチリデン)−1,2−ジフェニルエチレンジアミノクロム(III)、(R,R)−(−)−N,N’−ビス(3,5−ジ−tert−ブチルサリチリデン)−1,2−ジフェニルエチレンジアミノクロム(III)アセテート、(R,R)−(−)−N,N’−ビス(3,5−ジ−tert−ブチルサリチリデン)−1,2−ジフェニルエチレンジアミノクロム(III)ノナフルオロ−tert−ブトキシド、
【0036】
ヨウ化(R,R)−(−)−N,N’−ビス(3,5−ジ−tert−ブチルサリチリデン)−1,2−シクロヘキサンジアミノマンガン(III)、塩化(R,R)−(−)−N,N’−ビス(3,5−ジ−tert−ブチルサリチリデン)−1,2−シクロヘキサンジアミノマンガン(III)、臭化(R,R)−(−)−N,N’−ビス(3,5−ジ−tert−ブチルサリチリデン)−1,2−シクロヘキサンジアミノマンガン(III)、(R,R)−(−)−N,N’−ビス(3,5−ジ−tert−ブチルサリチリデン)−1,2−シクロヘキサンジアミノマンガン(III)アセテート、(R,R)−(−)−N,N’−ビス(3,5−ジ−tert−ブチルサリチリデン)−1,2−シクロヘキサンジアミノマンガン(III)ノナフルオロ−tert−ブトキシド、ヨウ化(R,R)−(−)−N,N’−ビス(サリチリデン)−1,2−シクロヘキサンジアミノマンガン(III)、塩化(R,R)−(−)−N,N’−ビス(サリチリデン)−1,2−シクロヘキサンジアミノマンガン(III)、臭化(R,R)−(−)−N,N’−ビス(サリチリデン)−1,2−シクロヘキサンジアミノマンガン(III)、(R,R)−(−)−N,N’−ビス(サリチリデン)−1,2−シクロヘキサンジアミノマンガン(III)アセテート、
【0037】
ヨウ化(R,R)−(−)−N,N’−ビス(3−tert−ブチル−5−ニトロサリチリデン)−1,2−シクロヘキサンジアミノマンガン(III)、塩化(R,R)−(−)−N,N’−ビス(3−tert−ブチル−5−ニトロサリチリデン)−1,2−シクロヘキサンジアミノマンガン(III)、臭化(R,R)−(−)−N,N’−ビス(3−tert−ブチル−5−ニトロサリチリデン)−1,2−シクロヘキサンジアミノマンガン(III)、(R,R)−(−)−N,N’−ビス(3−tert−ブチル−5−メチルサリチリデン)−1,2−シクロヘキサンジアミノマンガン(III)アセテート、(R,R)−(−)−N,N’−ビス(3−tert−ブチル−5−メチルサリチリデン)−1,2−シクロヘキサンジアミノマンガン(III)ノナフルオロ−tert−ブトキシド、(R,R)−(−)−N,N’−ビス(3−tert−ブチル−5−ニトロサリチリデン)−1,2−シクロヘキサンジアミノマンガン(III)アセテート、ヨウ化(R,R)−(−)−N,N’−ビス(3−tert−ブチル−5−メトキシサリチリデン)−1,2−シクロヘキサンジアミノマンガン(III)、塩化(R,R)−(−)−N,N’−ビス(3−tert−ブチル−5−メトキシサリチリデン)−1,2−シクロヘキサンジアミノマンガン(III)、臭化(R,R)−(−)−N,N’−ビス(3−tert−ブチル−5−メトキシサリチリデン)−1,2−シクロヘキサンジアミノマンガン(III)、(R,R)−(−)−N,N’−ビス(3−tert−ブチル−5−メトキシサリチリデン)−1,2−シクロヘキサンジアミノマンガン(III)アセテート、
【0038】
ヨウ化(R,R)−(−)−N,N’−ビス(3−tert−ブチル−5−クロロサリチリデン)−1,2−シクロヘキサンジアミノマンガン(III)、塩化(R,R)−(−)−N,N’−ビス(3−tert−ブチル−5−クロロサリチリデン)−1,2−シクロヘキサンジアミノマンガン(III)、臭化(R,R)−(−)−N,N’−ビス(3−tert−ブチル−5−クロロサリチリデン)−1,2−シクロヘキサンジアミノマンガン(III)、(R,R)−(−)−N,N’−ビス(3−tert−ブチル−5−クロロサリチリデン)−1,2−シクロヘキサンジアミノマンガン(III)アセテート、ヨウ化(R,R)−(−)−N,N’−ビス(3−tert−ブチルサリチリデン)−1,2−シクロヘキサンジアミノマンガン(III)、塩化(R,R)−(−)−N,N’−ビス(3−tert−ブチルサリチリデン)−1,2−シクロヘキサンジアミノマンガン(III)、臭化(R,R)−(−)−N,N’−ビス(3−tert−ブチルサリチリデン)−1,2−シクロヘキサンジアミノマンガン(III)、(R,R)−(−)−N,N’−ビス(3−tert−ブチルサリチリデン)−1,2−シクロヘキサンジアミノマンガン(III)アセテート、ヨウ化(R,R)−(−)−N,N’−ビス[5−メチル−3−(1−メチル−1−フェニルエチル)サリチリデン]−1,2−シクロヘキサンジアミノマンガン(III)、塩化(R,R)−(−)−N,N’−ビス[5−メチル−3−(1−メチル−1−フェニルエチル)サリチリデン]−1,2−シクロヘキサンジアミノマンガン(III)、臭化(R,R)−(−)−N,N’−ビス[5−メチル−3−(1−メチル−1−フェニルエチル)サリチリデン]−1,2−シクロヘキサンジアミノマンガン(III)、(R,R)−(−)−N,N’−ビス[5−メチル−3−(1−メチル−1−フェニルエチル)サリチリデン]−1,2−シクロヘキサンジアミノマンガン(III)アセテート、ヨウ化(R,R)−(−)−N,N’−ビス(3−tert−ブチル−5−トリフェニルメチルサリチリデン)−1,2−シクロヘキサンジアミノマンガン(III)、塩化(R,R)−(−)−N,N’−ビス(3−tert−ブチル−5−トリフェニルメチルサリチリデン)−1,2−シクロヘキサンジアミノマンガン(III)、臭化(R,R)−(−)−N,N’−ビス(3−tert−ブチル−5−トリフェニルメチルサリチリデン)−1,2−シクロヘキサンジアミノマンガン(III)、(R,R)−(−)−N,N’−ビス(3−tert−ブチル−5−トリフェニルメチルサリチリデン)−1,2−シクロヘキサンジアミノマンガン(III)アセテート、
【0039】
ヨウ化(R,R)−(−)−N,N’−ビス[5−tert−ブチル−3−(1−メチル−1−フェニルエチル)サリチリデン]−1,2−シクロヘキサンジアミノマンガン(III)、塩化(R,R)−(−)−N,N’−ビス[5−tert−ブチル−3−(1−メチル−1−フェニルエチル)サリチリデン]−1,2−シクロヘキサンジアミノマンガン(III)、臭化(R,R)−(−)−N,N’−ビス[5−tert−ブチル−3−(1−メチル−1−フェニルエチル)サリチリデン]−1,2−シクロヘキサンジアミノマンガン(III)、(R,R)−(−)−N,N’−ビス[5−tert−ブチル−3−(1−メチル−1−フェニルエチル)サリチリデン]−1,2−シクロヘキサンジアミノマンガン(III)アセテート、ヨウ化(R,R)−(−)−N,N’−ビス(3,5−ジ−tert−ブチルサリチリデン)−1,2−ジフェニルエチレンジアミノマンガン(III)、塩化(R,R)−(−)−N,N’−ビス(3,5−ジ−tert−ブチルサリチリデン)−1,2−ジフェニルエチレンジアミノマンガン(III)、臭化(R,R)−(−)−N,N’−ビス(3,5−ジ−tert−ブチルサリチリデン)−1,2−ジフェニルエチレンジアミノマンガン(III)、(R,R)−(−)−N,N’−ビス(3,5−ジ−tert−ブチルサリチリデン)−1,2−ジフェニルエチレンジアミノマンガン(III)アセテート、(R,R)−(−)−N,N’−ビス(3,5−ジ−tert−ブチルサリチリデン)−1,2−ジフェニルエチレンジアミノマンガン(III)ノナフルオロ−tert−ブトキシド、および上記した光学活性金属錯体の立体配置(R,R)−(−)が(S,S)−(+)に代わった光学活性金属錯体等が挙げられる。
【0040】
かかる光学活性金属錯体(1)は、市販のものを用いてもよいし、例えば、J.Am.Chem.Soc.,121,6086(1999)、J.Am.Chem.Soc.,113,6703(1991)、J.Org.Chem.,56,2296(1991)、特開2004−285003号公報等に記載の公知の方法に準じて製造したものを用いてもよい。
【0041】
金属スルホン酸塩におけるスルホナートアニオンとしては、通常、フッ素原子で置換されていてもよい炭素数1〜10のアルカンスルホナートアニオンが用いられ、なかでもパーフルオロアルカンスルホナートアニオンが好ましい。パーフルオロアルカンスルホナートアニオンとしては、トリフルオロメタンスルホナートアニオン、ペンタフルオロエタンスルホナートアニオン、ヘプタフルオロプロパンスルホナートアニオン、ノナフルオロブタンスルホナートアニオン、ヘプタデカフルオロオクタンスルホナートアニオン等が挙げられ、入手性の点から好ましくはトリフルオロメタンスルホナートアニオンである。
【0042】
金属スルホン酸塩における金属カチオンとしては、通常、2価または3価の金属カチオンであれば、特に限定されず、例えば銅、錫、アルミニウム、インジウム等のカチオンを用いることもできるが、好ましくは、周期律表第2族元素、第3族元素およびランタノイドからなる群から選ばれる少なくとも一つの金属元素のカチオンが用いられる。周期律表第2族元素としては、例えばマグネシウム、カルシウム、バリウム等が挙げられ、周期律表第3族元素としては、例えばスカンジウム、イットリウムが挙げられ、ランタノイドとしては、例えばランタン、セリウム、サマリウム、ガドリニウム、イッテルビウム等が挙げられる。これら金属元素のうち、マグネシウム、スカンジウム、イットリウム、ランタン、サマリウムまたはイッテルビウムが好ましい。
【0043】
かかる金属スルホン酸塩としては、例えばトリフルオロメタンスルホン酸マグネシウム、トリフルオロメタンスルホン酸スカンジウム、ノナフルオロブタンスルホン酸スカンジウム、ヘプタデカフルオロオクタンスルホン酸スカンジウム、トリフルオロメタンスルホン酸イットリウム、トリフルオロメタンスルホン酸ランタン、トリフルオロメタンスルホン酸サマリウム、トリフルオロメタンスルホン酸ガドリニウム、トリフルオロメタンスルホン酸イッテルビウム、ノナフルオロブタンスルホン酸イッテルビウム、ヘプタデカフルオロオクタンスルホン酸イッテルビウム等が挙げられる。
【0044】
金属スルホン酸塩は、市販されているものを用いてもよいし、例えば金属酸化物と対応するスルホン酸化合物とを反応させる方法等の公知の方法に準じて製造したものを用いてもよい。金属スルホン酸塩は、そのまま用いてもよいし、有機溶媒の溶液として用いてもよい。例えば空気や水分等に対して不安定な金属スルホン酸塩は、有機溶媒の溶液として用いることが好ましい。有機溶媒としては、例えば、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素溶媒;ジエチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル等のエーテル溶媒;等が挙げられる。
【0045】
金属スルホン酸塩の使用量は特に制限されないが、光学活性金属錯体(1)に対して、通常0.2〜10モル倍、好ましくは0.5〜5モル倍の範囲である。
【0046】
光学活性金属錯体(1)と金属スルホン酸塩との反応は、通常有機溶媒中で、その両者を接触、混合させることにより実施される。両者が接触、混合されると、反応が起こり、新規な不斉錯体が生成する。
【0047】
光学活性金属錯体(1)と金属スルホン酸塩との反応温度は、通常−50℃〜反応混合物の還流温度、好ましくは−25〜50℃の範囲である。
【0048】
有機溶媒としては、例えば、ジエチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル等のエーテル溶媒;トルエン等の芳香族炭化水素溶媒;クロロベンゼン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素溶媒;ヘキサン等の脂肪族炭化水素溶媒;等が挙げられ、その使用量は特に制限されない。
【0049】
水分に対して不安定な金属スルホン酸塩を用いた場合、反応系中に水が存在すると、金属スルホン酸塩が分解する場合もあるため、用いる試剤、溶媒等は予め脱水処理しておくか、例えばモレキュラーシーブス等の脱水剤を反応系に共存させておくことが好ましい。
【0050】
なお、光学活性金属錯体(1)と金属スルホン酸塩とを有機溶媒中で反応させた場合、生成する新規な不斉錯体を含む溶液が得られるが、該溶液をそのまま後述する環状エーテル化合物とフェノール類との反応に用いてもよいし、例えば前記溶液を濃縮処理等して、新規な不斉錯体を取り出して、後述する環状エーテル化合物とフェノール類との反応に用いてもよい。
【0051】
次に、上述した光学活性金属錯体(1)と金属スルホン酸塩とを反応せしめてなる新規な不斉錯体を触媒とし、環状エーテル化合物とフェノール類とを反応させて、光学活性なアルコール化合物を製造する方法について説明する。
【0052】
環状エーテル化合物としては、フェノール類との反応により開環反応が起こるものであればよく、例えば式(2)

(式中、R11は水素原子を、R12は水素原子あるいは置換されていてもよいアルキル基を表すか、またはR11とR12が結合して炭素数2〜6のアルキレン基を表す。R13は置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアリール基または置換されていてもよいアラルキル基を表す。nは、0または1を表す。)
で示される環状エーテル化合物(以下、環状エーテル化合物(2)と略記する。)が挙げられる。
【0053】
アルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基等の直鎖状もしくは分枝鎖状の炭素数1〜4のアルキル基が挙げられる。これらのアルキル基上に有していてもよい置換基としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子;メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基等のアルコキシ基;水酸基;等が挙げられる。これらの置換基で置換されたアルキル基の具体例としては、フルオロメチル基、トリフルオロメチル基、メトキシメチル基、ヒドロキシメチル基等が挙げられる。R11とR12が結合して形成する炭素数2〜6のアルキレン基としては、例えばエチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基が挙げられる。
【0054】
アリール基としては、例えばフェニル基、ナフチル基等の炭素数6〜10のアリール基が挙げられる。これらのアリール基上に有していてもよい置換基としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子;メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基等のアルキル基;メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基等のアルコキシ基;等が挙げられる。かかる置換基で置換されたアリール基の具体例としては、トルイル基、キシリル基、メトキシフェニル基等が挙げられる。
【0055】
置換されていてもよいアラルキル基としては、前記置換されていてもよいアルキル基の一つまたは二つ以上の水素原子が、前記置換されていてもよいアリール基で置換されたものが挙げられ、具体的にはベンジル基、トリフェニルメチル基、1−メチル−1−フェニルエチル基等が例示される。
【0056】
かかる環状エーテル化合物としては、例えばプロピレンオキシド、クロロメチルオキシラン、ブロモメチルオキシラン、ヨードメチルオキシラン、1,2−エポキシブタン、1,2−エポキシヘキサン、1,3−エポキシヘキサン、1,2−エポキシ−4−メチルペンタン、1,2−エポキシ−3−フェニルプロパン、スチレンオキシド、2,3−エポキシ−1−プロパノール、シクロヘキセンオキシド、シクロペンテンオキシド、1,2−エポキシシクロオクタン等が挙げられる。好ましい環状エーテル化合物としては、プロピレンオキシド、1,2−エポキシブタンが挙げられる。
【0057】
フェノール類としては、フェノール性の水酸基を有するフェノール類および該フェノール類の水酸基の酸素原子が硫黄原子に代わったチオフェノール類であれば特に制限されず、例えば式(3)

(式中、Xは酸素原子または硫黄原子を表し、R14、R15、R16、R17およびR18は、それぞれ同一または相異なって、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルコキシ基または置換されていてもよいフェノキシ基を表す。)
で示されるフェノール類(以下、フェノール類(3)と略記する。)が挙げられる。
【0058】
ハロゲン原子としては、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子等が挙げられる。
【0059】
アルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基等の直鎖状もしくは分枝鎖状の炭素数1〜6のアルキル基が挙げられる。これらのアルキル基上に有していてもよい置換基としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子;メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基等のアルコキシ基;等が挙げられる。かかる置換基で置換されたアルキル基の具体例としては、クロロメチル基、トリフルオロメチル基、メトキシメチル基等が挙げられる。
【0060】
アルコキシ基としては、例えばメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基等の直鎖状もしくは分枝鎖状の炭素数1〜6のアルコキシ基が挙げられる。これらのアルコキシ基上に有していてもよい置換基としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子;メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基等のアルコキシ基;等が挙げられる。かかる置換基で置換されたアルコキシ基の具体例としては、クロロメトキシ基、トリフルオロメトキシ基、メトキシメトキシ基等が挙げられる。
【0061】
フェノキシ基上に有していてもよい置換基としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子;メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基等のアルキル基;メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基等のアルコキシ基;フェノキシ基;等が挙げられる。かかる置換基で置換されたフェノキシ基の具体例としては、4−クロロフェノキシ基、2−ブロモフェノキシ基、2−メチルフェノキシ基、3−メチルフェノキシ基、4−メチルフェノキシ基、4−エチルフェノキシ基、4−プロピルフェノキシ基、2−メトキシフェノキシ基、3−メトキシフェノキシ基、4−メトキシフェノキシ基、4−エトキシフェノキシ基、4−フェノキシフェノキシ基等が挙げられる。
【0062】
かかるフェノール類としては、例えばフェノール、4−クロロフェノール、2−ブロモフェノール、4−ブロモフェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、2−メトキシフェノール、3−メトキシフェノール、4−メトキシフェノール、4−フェノキシフェノール、4−ニトロフェノール、2,3−ジフルオロ−6−ニトロフェノール、チオフェノール、2−ブロモ−4−メチルチオフェノール、4−クロロチオフェノール、4−メトキシチオフェノール、4−フェノキシチオフェノール等が挙げられる。好ましいフェノール類としては、フェノール、2−メトキシフェノール、3−メトキシフェノール、4−メトキシフェノール、4−フェノキシフェノール、4−メトキシチオフェノール、4−フェノキシチオフェノールが挙げられる。
【0063】
環状エーテル化合物の使用量は、フェノール類に対して、通常2モル倍以上であり、その上限は特にないが、あまり多すぎると経済的に不利になりやすいため、実用的には10モル倍以下である。
【0064】
反応温度は、通常−50℃〜反応混合物の還流温度、好ましくは−25〜50℃の範囲である。
【0065】
反応は、光学活性金属錯体(1)と金属スルホン酸塩とを反応せしめてなる新規な不斉錯体、環状エーテル化合物およびフェノール類の三者を接触、混合すればよく、その混合順序は特に制限されない。
【0066】
本発明の新規な不斉錯体の使用量は、フェノール類に対し、光学活性金属錯体(1)基準で、通常0.1モル%以上用いれば、本発明の目的を達することができる。その上限は特に限定されないが、あまり多く用いると経済的に不利になりやすいため、実用的な使用量は、0.1〜10モル%、好ましくは0.1〜5モル%の範囲である。
【0067】
通常、反応は有機溶媒の存在下に実施される。有機溶媒としては、例えば、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素溶媒;トルエン等の芳香族炭化水素溶媒;ジエチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル等のエーテル溶媒;クロロホルム、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素溶媒;等の単独または混合溶媒が挙げられ、その使用量は特に制限されない。
【0068】
反応終了後、例えば水および必要に応じて水に不溶の有機溶媒を加え、抽出処理することにより目的とする光学活性なアルコール化合物を単離することができる。単離した光学活性なアルコール化合物は、例えば蒸留、再結晶、カラムクロマトグラフィ等の通常の精製手段により、さらに精製してもよい。水に不溶の有機溶媒としては、例えばトルエン、キシレン等の芳香族炭化水素溶媒;ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素溶媒;クロロホルム、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素溶媒;ジエチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル等のエーテル溶媒;等が挙げられ、その使用量は特に制限されない。
【0069】
環状エーテル化合物(2)とフェノール類(3)とを反応させた場合には、式(4)

(式中、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、Xおよびnは、それぞれ上記と同一の意味を表し、*は不斉炭素原子を表す。)
で示される光学活性なアルコール化合物が得られる。
【0070】
かくして得られる光学活性なアルコール化合物としては、例えば光学活性1−フェノキシ−2−プロパノール、光学活性1−(4−クロロフェノキシ)−2−プロパノール、1−(2−ブロモフェノキシ)−2−プロパノール、光学活性1−(4−ブロモフェノキシ)−2−プロパノール、光学活性1−(2−メチルフェノキシ)−2−プロパノール、1−(3−メチルフェノキシ)−2−プロパノール、光学活性1−(4−メチルフェノキシ)−2−プロパノール、光学活性1−(2−メトキシフェノキシ)−2−プロパノール、光学活性1−(3−メトキシフェノキシ)−2−プロパノール、光学活性1−(4−メトキシフェノキシ)−2−プロパノール、1−(4−フェノキシフェノキシ)−2−プロパノール、光学活性1−(4−ニトロフェノキシ)−2−プロパノール、光学活性1−(2,3−ジフルオロ−6−ニトロフェノキシ)−2−プロパノール、光学活性1−フェニルチオ−2−プロパノール、1−(2−ブロモ−4−メチルフェニルチオ)−2−プロパノール、光学活性1−(4−クロロフェニルチオ)−2−プロパノール、光学活性1−(4−メトキシフェニルチオ)−2−プロパノール、光学活性1−(4−フェノキシフェニルチオ)−2−プロパノール、
【0071】
光学活性1−フェノキシ−2−ブタノール、光学活性1−(4−クロロフェノキシ)−2−ブタノール、光学活性1−(2−ブロモフェノキシ)−2−ブタノール、光学活性1−(4−ブロモフェノキシ)−2−ブタノール、光学活性1−(2−メチルフェノキシ)−2−ブタノール、光学活性1−(3−メチルフェノキシ)−2−ブタノール、光学活性1−(4−メチルフェノキシ)−2−ブタノール、光学活性1−(4−メトキシフェノキシ)−2−ブタノール、光学活性1−(4−フェノキシフェノキシ)−2−ブタノール、光学活性1−(4−ニトロフェノキシ)−2−ブタノール、光学活性1−(2,3−ジフルオロ−6−ニトロフェノキシ)−2−ブタノール、光学活性1−フェニルチオ−2−ブタノール、光学活性1−(2−ブロモ−4−メチルフェニルチオ)−2−ブタノール、光学活性1−(4−クロロフェニルチオ)−2−ブタノール、光学活性1−(4−メトキシフェニルチオ)−2−ブタノール、光学活性1−(4−フェノキシフェニルチオ)−2−ブタノール、
【0072】
光学活性1−フェノキシ−2−ヘキサノール、光学活性1−(4−クロロフェノキシ)−2−ヘキサノール、光学活性1−(2−ブロモフェノキシ)−2−ヘキサノール、光学活性1−(4−ブロモフェノキシ)−2−ヘキサノール、光学活性1−(2−メチルフェノキシ)−2−ヘキサノール、光学活性1−(3−メチルフェノキシ)−2−ヘキサノール、1−(4−メチルフェノキシ)−2−ヘキサノール、光学活性1−(4−メトキシフェノキシ)−2−ヘキサノール、光学活性1−(4−フェノキシフェノキシ)−2−ヘキサノール、光学活性1−(4−ニトロフェノキシ)−2−ヘキサノール、光学活性1−(2,3−ジフルオロ−6−ニトロフェノキシ)−2−ヘキサノール、光学活性1−フェニルチオ−2−ヘキサノール、光学活性1−(2−ブロモ−4−メチルフェニルチオ)−2−ヘキサノール、光学活性1−(4−クロロフェニルチオ)−2−ヘキサノール、光学活性1−(4−メトキシフェニルチオ)−2−ヘキサノール、光学活性1−(4−フェノキシフェニルチオ)−2−ヘキサノール、
【0073】
光学活性2−フェノキシ−1−フェニルエタノール、光学活性2−(4−クロロフェノキシ)−1−フェニルエタノール、光学活性2−(2−ブロモフェノキシ)−1−フェニルエタノール、光学活性2−(4−ブロモフェノキシ)−1−フェニルエタノール、光学活性2−(2−メチルフェノキシ)−1−フェニルエタノール、光学活性2−(3−メチルフェノキシ)−1−フェニルエタノール、光学活性2−(4−メチルフェノキシ)−1−フェニルエタノール、光学活性2−(4−メトキシフェノキシ)−1−フェニルエタノール、光学活性2−(4−フェノキシフェノキシ)−1−フェニルエタノール、2−(4−ニトロフェノキシ)−1−フェニルエタノール、光学活性2−(2,3−ジフルオロ−6−ニトロフェノキシ)−1−フェニルエタノール、光学活性2−フェニルチオ−1−フェニルエタノール、光学活性2−(2−ブロモ−4−メチルフェニルチオ)−1−フェニルエタノール、光学活性2−(4−クロロフェニルチオ)−1−フェニルエタノール、光学活性2−(4−メトキシフェニルチオ)−1−フェニルエタノール、光学活性2−(4−フェノキシフェニルチオ)−1−フェニルエタノール、
【0074】
光学活性1−クロロ−3−フェノキシ−2−プロパノール、光学活性1−クロロ−3−(4−クロロフェノキシ)−2−プロパノール、光学活性1−クロロー3−(2−ブロモフェノキシ)−2−プロパノール、光学活性1−クロロ−3−(4−ブロモフェノキシ)−2−プロパノール、光学活性1−クロロ−3−(2−メチルフェノキシ)−2−プロパノール、光学活性1−クロロ−3−(3−メチルフェノキシ)−2−プロパノール、光学活性1−クロロ−3−(4−メチルフェノキシ)−2−プロパノール、光学活性1−クロロ−3−(2−メトキシフェノキシ)−2−プロパノール、光学活性1−クロロ−3−(3−メトキシフェノキシ)−2−プロパノール、光学活性1−クロロ−3−(4−メトキシフェノキシ)−2−プロパノール、光学活性1−クロロ−3−(4−フェノキシフェノキシ)−2−プロパノール、光学活性1−クロロ−3−(4−ニトロフェノキシ)−2−プロパノール、光学活性1−クロロ−3−(2,3−ジフルオロ−6−ニトロフェノキシ)−2−プロパノール、光学活性1−クロロ−3−フェニルチオ−2−プロパノール、光学活性1−クロロ−3−(2−ブロモ−4−メチルフェニルチオ)−2−プロパノール、光学活性1−クロロ−3−(4−クロロフェニルチオ)−2−プロパノール、光学活性1−クロロ−3−(4−メトキシフェニルチオ)−2−プロパノール、光学活性1−クロロ−3−(4−フェノキシフェニルチオ)−2−プロパノール、
【0075】
光学活性1−ブロモ−3−フェノキシ−2−プロパノール、1−ブロモ−3−(4−クロロフェノキシ)−2−プロパノール、光学活性1−クロロ−3−(2−ブロモフェノキシ)−2−プロパノール、光学活性1−ブロモ−3−(4−ブロモフェノキシ)−2−プロパノール、光学活性1−ブロモ−3−(2−メチルフェノキシ)−2−プロパノール、光学活性1−ブロモ−3−(3−メチルフェノキシ)−2−プロパノール、1−ブロモ−3−(4−メチルフェノキシ)−2−プロパノール、光学活性1−ブロモ−3−(2−メトキシフェノキシ)−2−プロパノール、光学活性1−ブロモ−3−(3−メトキシフェノキシ)−2−プロパノール、光学活性1−ブロモ−3−(4−メトキシフェノキシ)−2−プロパノール、光学活性1−ブロモ−3−(4−フェノキシフェノキシ)−2−プロパノール、光学活性1−ブロモ−3−(4−ニトロフェノキシ)−2−プロパノール、光学活性1−ブロモ−3−(2,3−ジフルオロ−6−ニトロフェノキシ)−2−プロパノール、光学活性1−ブロモ−3−フェニルチオ−2−プロパノール、光学活性1−ブロモ−3−(2−ブロモ−4−メチルフェニルチオ)−2−プロパノール、光学活性1−ブロモ−3−(4−クロロフェニルチオ)−2−プロパノール、光学活性1−ブロモ−3−(4−メトキシフェニルチオ)−2−プロパノール、光学活性1−ブロモ−3−(4−フェノキシフェニルチオ)−2−プロパノール、
【0076】
光学活性3−フェノキシプロパン−1,2−ジオール、光学活性3−(4−クロロフェノキシ)プロパン−1,2−ジオール、光学活性3−(2−ブロモフェノキシ)プロパン−1,2−ジオール、光学活性3−(4−ブロモフェノキシ)プロパン−1,2−ジオール、光学活性3−(2−メチルフェノキシ)プロパン−1,2−ジオール、光学活性3−(3−メチルフェノキシ)プロパン−1,2−ジオール、光学活性3−(4−メチルフェノキシ)プロパン−1,2−ジオール、光学活性3−(4−メトキシフェノキシ)プロパン−1,2−ジオール、光学活性3−(4−フェノキシフェノキシ)プロパン−1,2−ジオール、光学活性3−(4−ニトロフェノキシ)プロパン−1,2−ジオール、光学活性3−(2,3−ジフルオロ−6−ニトロフェノキシ)プロパン−1,2−ジオール、光学活性3−フェニルチオプロパン−1,2−ジオール、光学活性3−(2−ブロモ−4−メチルフェニルチオ)プロパン−1,2−ジオール、光学活性3−(4−クロロフェニルチオ)プロパン−1,2−ジオール、光学活性3−(4−メトキシフェニルチオ)プロパン−1,2−ジオール、光学活性3−(4−フェノキシフェニルチオ)プロパン−1,2−ジオール、
【0077】
光学活性2−フェノキシシクロヘキサノール、光学活性2−(4−クロロフェノキシ)シクロヘキサノール、光学活性2−(2−ブロモフェノキシ)シクロヘキサノール、光学活性2−(4−ブロモフェノキシ)シクロヘキサノール、光学活性2−(2−メチルフェノキシ)シクロヘキサノール、光学活性2−(3−メチルフェノキシ)シクロヘキサノール、光学活性2−(4−メチルフェノキシ)シクロヘキサノール、光学活性2−(4−メトキシフェノキシ)シクロヘキサノール、光学活性2−(4−フェノキシフェノキシ)シクロヘキサノール、光学活性2−(4−ニトロフェノキシ)シクロヘキサノール、光学活性2−(2,3−ジフルオロ−6−ニトロフェノキシ)シクロヘキサノール、光学活性2−(フェニルチオ)シクロヘキサノール、光学活性2−(2−ブロモ−4−メチルフェニルチオ)シクロヘキサノール、光学活性2−(4−クロロフェニルチオ)シクロヘキサノール、光学活性2−(4−メトキシフェニルチオ)シクロヘキサノール、光学活性2−(4−フェノキシフェニルチオ)シクロヘキサノール、
【0078】
光学活性2−フェノキシシクロペンタノール、光学活性2−(4−クロロフェノキシ)シクロペンタノール、光学活性2−(2−ブロモフェノキシ)シクロペンタノール、光学活性2−(4−ブロモフェノキシ)シクロペンタノール、光学活性2−(2−メチルフェノキシ)シクロペンタノール、光学活性2−(3−メチルフェノキシ)シクロペンタノール、光学活性2−(4−メチルフェノキシ)シクロペンタノール、光学活性2−(4−メトキシフェノキシ)シクロペンタノール、光学活性2−(4−フェノキシフェノキシ)シクロペンタノール、光学活性2−(4−ニトロフェノキシ)シクロペンタノール、光学活性2−(2,3−ジフルオロ−6−ニトロフェノキシ)シクロペンタノール、光学活性2−(フェニルチオ)シクロペンタノール、光学活性2−(2−ブロモ−4−メチルフェニルチオ)シクロペンタノール、光学活性2−(4−クロロフェニルチオ)シクロペンタノール、光学活性2−(4−メトキシフェニルチオ)シクロペンタノール、光学活性2−(4−フェノキシフェニルチオ)シクロペンタノール、
【0079】
光学活性2−フェノキシシクロオクタノール、光学活性2−(4−クロロフェノキシ)シクロオクタノール、光学活性2−(2−ブロモフェノキシ)シクロオクタノール、光学活性2−(4−ブロモフェノキシ)シクロオクタノール、光学活性2−(2−メチルフェノキシ)シクロオクタノール、光学活性2−(3−メチルフェノキシ)シクロオクタノール、光学活性2−(4−メチルフェノキシ)シクロオクタノール、光学活性2−(4−メトキシフェノキシ)シクロオクタノール、光学活性2−(4−フェノキシフェノキシ)シクロオクタノール、光学活性2−(4−ニトロフェノキシ)シクロオクタノール、光学活性2−(2,3−ジフルオロ−6−ニトロフェノキシ)シクロオクタノール、光学活性2−(フェニルチオ)シクロオクタノール、光学活性2−(2−ブロモ−4−メチルフェニルチオ)シクロオクタノール、光学活性2−(4−クロロフェニルチオ)シクロオクタノール、光学活性2−(4−メトキシフェニルチオ)シクロオクタノール、光学活性2−(4−フェノキシフェニルチオ)シクロオクタノール等が挙げられる。
【実施例】
【0080】
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されない。なお、収率は、高速液体クロマトグラフィ分析の結果より算出し、光学純度は、光学活性カラム(CHIRALCEL OD:ダイセル社製)を用いた高速液体クロマトグラフィ分析の結果より算出した。
【0081】
実施例1
窒素置換したフラスコに、(R,R)−(−)−N,N’−ビス(3,5−ジ−tert−ブチルサリチリデン)−1,2−シクロヘキサンジアミノコバルト(II)150.9mgおよびtert−ブチルメチルエーテル9.5mLを仕込み、0.25Mのヨウ素/tert−ブチルメチルエーテル溶液0.5mLを加え、室温にて30分間攪拌した。さらに、トリフルオロメタンスルホン酸イットリウム134mgを加えて30分間攪拌し、触媒液を調製した。該触媒液を5℃まで冷却し、フェノール4.71gおよびプロピレンオキシド6.39gを加え、同温度で20時間攪拌し、反応させた。反応終了後、tert−ブチルメチルエーテルを留去して、1−フェノキシ−2−プロパノールを含む油状物を得た。
収率:95%(フェノール基準)、光学純度:96.7%e.e.(S体)
【0082】
実施例2
実施例1において、トリフルオロメタンスルホン酸イットリウム134mgに代えて、トリフルオロメタンスルホン酸サマリウム149mgを用いる以外は、実施例1と同様に実施し、1−フェノキシ−2−プロパノールを含む油状物を得た。
収率:90%(フェノール基準)、光学純度:96.4%e.e.(S体)
【0083】
実施例3
実施例1において、トリフルオロメタンスルホン酸イットリウム134mgに代えて、トリフルオロメタンスルホン酸イッテルビウム155mgを用いる以外は、実施例1と同様に実施し、1−フェノキシ−2−プロパノールを含む油状物を得た。
収率:86%(フェノール基準)、光学純度:96.4%e.e.(S体)
【0084】
実施例4
実施例1において、トリフルオロメタンスルホン酸イットリウム134mgに代えて、トリフルオロメタンスルホン酸スカンジウム123mgを用いる以外は、実施例1と同様に実施し、1−フェノキシ−2−プロパノールを含む油状物を得た。
収率:85%(フェノール基準)、光学純度:95.9%e.e.(S体)
【0085】
実施例5
実施例1において、トリフルオロメタンスルホン酸イットリウム134mgに代えて、トリフルオロメタンスルホン酸ランタン147mgを用いる以外は、実施例1と同様に実施し、1−フェノキシ−2−プロパノールを含む油状物を得た。
収率:84%(フェノール基準)、光学純度:96.5%e.e.(S体)
【0086】
比較例1
窒素置換したフラスコに、(R,R)−(−)−N,N’−ビス(3,5−ジ−tert−ブチルサリチリデン)−1,2−シクロヘキサンジアミノコバルト(II)150.9mgおよびtert−ブチルメチルエーテル9.25mLを仕込み、0.25Mのヨウ素/tert−ブチルメチルエーテル溶液0.5mLを加え、室温にて30分間攪拌した。さらに、1.0Mテトライソプロポキシチタン/tert−ブチルメチルエーテル溶液 0.25mLを加えて30分間攪拌し、触媒液を調製した。該触媒液を5℃まで冷却し、フェノール4.71gおよびプロピレンオキシド8.71gを加え、同温度で20時間攪拌し、反応させた。反応終了後、tert−ブチルメチルエーテルを留去して、1−フェノキシ−2−プロパノールを含む油状物を得た。
収率:82%(フェノール基準)、光学純度:97.2%e.e.(S体)
【0087】
実施例6
窒素置換したフラスコに、(R,R)−(−)−N,N’−ビス(3,5−ジ−tert−ブチルサリチリデン)−1,2−シクロヘキサンジアミノコバルト(II)301.9mgおよびtert−ブチルメチルエーテル9.0mLを仕込み、0.25Mのヨウ素/tert−ブチルメチルエーテル溶液1.0mLを加え、室温にて30分間攪拌した。さらに、トリフルオロメタンスルホン酸マグネシウム161mgを加えて30分間攪拌し、触媒液を調製した。該触媒液を5℃まで冷却し、フェノール4.71gおよびプロピレンオキシド6.39gを加えて20時間攪拌し、反応させた。反応終了後、tert−ブチルメチルエーテルを留去して、1−フェノキシ−2−プロパノールを含む油状物を得た。
収率:88%(フェノール基準)、光学純度:96.9%e.e.(S体)
【0088】
実施例7
窒素置換したフラスコに、(R,R)−(−)−N,N’−ビス(3,5−ジ−tert−ブチルサリチリデン)−1,2−シクロヘキサンジアミノコバルト(II)301.9mgおよびtert−ブチルメチルエーテル3.0mLを仕込み、0.25Mのヨウ素/tert−ブチルメチルエーテル溶液1.0mLを加え、室温にて30分間攪拌した。さらに、トリフルオロメタンスルホン酸イットリウム268mgを加えて30分間攪拌し、触媒液を調製した。該触媒液を5℃まで冷却し、2−メトキシフェノール1.24gおよび2−クロロメチルオキシラン2.78gを加えて20時間攪拌し、反応させた。反応終了後、tert−ブチルメチルエーテルを留去して、1−クロロ−3−(2−メトキシフェノキシ)−2−プロパノールを含む油状物を得た。
収率:59%(2−メトキシフェノール基準)、光学純度:84.2%e.e.(S体)
【0089】
実施例8
実施例7において、トリフルオロメタンスルホン酸イットリウム268mgに代えて、トリフルオロメタンスルホン酸イッテルビウム310mgを用いる以外は、実施例7と同様に実施し、1−クロロ−3−(2−メトキシフェノキシ)−2−プロパノールを含む油状物を得た。
収率:71%(2−メトキシフェノール基準)、光学純度:87.3%e.e.(S体)
【0090】
実施例9
窒素置換したフラスコに、(R,R)−(−)−N,N’−ビス(3,5−ジ−tert−ブチルサリチリデン)−1,2−シクロヘキサンジアミノコバルト(II)301.9mgおよびtert−ブチルメチルエーテル4.0mLを仕込み、0.25Mのヨウ素/tert−ブチルメチルエーテル溶液1.0mLを加え、室温にて30分間攪拌した。さらに、トリフルオロメタンスルホン酸イットリウム268mgを加えて30分間攪拌し、触媒液を調製した。該触媒液を5℃まで冷却し、2−メトキシフェノール3.10gおよび2−クロロメチルオキシラン6.94gを加えて94時間攪拌し、反応させた。反応終了後、tert−ブチルメチルエーテルを留去して1−クロロ−3−(2−メトキシフェノキシ)−2−プロパノールを含む油状物を得た。
収率:82%(2−メトキシフェノール基準)、光学純度:85.2%e.e.(S体)
【0091】
比較例2
実施例7において、トリフルオロメタンスルホン酸イットリウム268mgに代えて、1.0Mテトライソプロポキシチタン/tert−ブチルメチルエーテル溶液1.0mLを用いる以外は、実施例7と同様に実施し、1−クロロ−3−(2−メトキシフェノキシ)−2−プロパノールを含む油状物を得た。
収率:37%(2−メトキシフェノール基準)、光学純度:65.3%e.e.(S体)
【0092】
実施例10
実施例1において、フェノールに代えて、4−フェノキシフェノールを用いる以外は、実施例1と同様に実施することにより、光学活性な1−(4−フェノキシフェノキシ)−2−プロパノールを含む油状物を得ることができる。
【0093】
実施例11
実施例6において、フェノールに代えて、4−フェノキシフェノールを用いる以外は、実施例6と同様に実施することにより、光学活性な1−(4−フェノキシフェノキシ)−2−プロパノールを含む油状物を得ることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(1)

(式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7およびR8はそれぞれ同一または相異なって、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、ハロアルキル基、ハロアルコキシ基、置換されていてもよいアリール基、アラルキル基、水酸基、ニトロ基、アミノ基、カルバモイル基、カルボキシル基またはシリル基を表すか、またはR1、R2、R3、R4、R5、R6、R7およびR8のうち、隣接する二つの基が結合して、それらが結合するベンゼン環とともに環を形成し、ナフタレン環を表す。R9およびR10は、そのいずれか一方が水素原子を表し、他方が、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜4のアルキル基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜4のアルコキシ基およびハロゲン原子からなる群から選ばれる少なくとも一つで置換されていてもよいフェニル基またはナフチル基を表すか、または、異なる炭素原子に結合したR9とR10からなる対のうち、いずれか一対が結合してテトラメチレン基を形成し、他方の対がそれぞれ水素原子を表す。Qは、単結合もしくは炭素数1〜4のアルキレン基を表す。また、

で示される基で、2,2’−ビナフチル基を表してもよい。ここで、・は窒素原子との結合部位を示す。Mは金属イオンを表し、金属イオンのイオン価と配位子の配位数が同一のとき、Aは存在せず、前記イオン価と配位数が相異なるとき、Aは対イオンまたは配位子を表す。)
で示される光学活性な金属錯体と金属スルホン酸塩とを反応せしめてなる不斉錯体の存在下に、環状エ−テル化合物とフェノ−ル類とを反応させることを特徴とする光学活性なアルコ−ル化合物の製造法。
【請求項2】
金属スルホン酸塩におけるスルホナートアニオンが、パーフルオロアルカンスルホナートアニオンである請求項1に記載の光学活性なアルコ−ル化合物の製造法。
【請求項3】
パーフルオロアルカンスルホナートアニオンが、トリフルオロメタンスルホナートアニオンである請求項2に記載の光学活性なアルコ−ル化合物の製造法。
【請求項4】
金属スルホン酸塩における金属カチオンが、周期律表第2族元素、第3族元素およびランタノイドから選ばれる少なくとも一つの金属元素のカチオンである請求項1〜3のいずれかに記載の光学活性なアルコ−ル化合物の製造法。
【請求項5】
周期律表第2族元素、第3族元素およびランタノイドからなる群から選ばれる少なくとも一つの金属元素が、マグネシウム、スカンジウム、イットリウム、ランタン、サマリウムおよびイッテルビウムからなる群から選ばれる少なくとも一つの金属元素である請求項4に記載の光学活性なアルコ−ル化合物の製造法。
【請求項6】
式(1)で示される光学活性な金属錯体と金属スルホン酸塩とを反応せしめてなる不斉錯体。
【請求項7】
金属スルホン酸塩におけるスルホナートアニオンが、パーフルオロアルカンスルホナートアニオンである請求項6に記載の不斉錯体。
【請求項8】
パーフルオロアルカンスルホナートアニオンが、トリフルオロメタンスルホナートアニオンである請求項7に記載の不斉錯体。
【請求項9】
金属スルホン酸塩における金属カチオンが、周期律表第2族元素、第3族元素およびランタノイドから選ばれる少なくとも一つの金属元素のカチオンである請求項6〜8のいずれかに記載の不斉錯体。
【請求項10】
周期律表第2族元素、第3族元素およびランタノイドからなる群から選ばれる少なくとも一つの金属元素が、マグネシウム、スカンジウム、イットリウム、ランタン、サマリウムおよびイッテルビウムからなる群から選ばれる少なくとも一つの金属元素である請求項9に記載の不斉錯体。
【請求項11】
式(1)で示される光学活性な金属錯体と金属スルホン酸塩とを反応せしめてなる光学活性なアルコ−ル化合物製造用不斉錯体触媒。
【請求項12】
金属スルホン酸塩におけるスルホナートアニオンが、パーフルオロアルカンスルホナートアニオンである請求項11に記載の光学活性なアルコ−ル化合物製造用不斉錯体触媒。
【請求項13】
パーフルオロアルカンスルホナートアニオンが、トリフルオロメタンスルホナートアニオンである請求項12に記載の光学活性なアルコ−ル化合物製造用不斉錯体触媒。
【請求項14】
金属スルホン酸塩における金属カチオンが、周期律表第2族元素、第3族元素およびランタノイドから選ばれる少なくとも一つの金属元素のカチオンである請求項11〜13のいずれかに記載の光学活性なアルコ−ル化合物製造用不斉錯体触媒。
【請求項15】
周期律表第2族元素、第3族元素およびランタノイドからなる群から選ばれる少なくとも一つの金属元素が、マグネシウム、スカンジウム、イットリウム、ランタン、サマリウムおよびイッテルビウムからなる群から選ばれる少なくとも一つの金属元素である請求項14に記載の光学活性なアルコ−ル化合物製造用不斉錯体触媒。
【請求項16】
環状エ−テル化合物が、式(2)

(式中、R11は水素原子を、R12は水素原子あるいは置換されていてもよいアルキル基を表すか、またはR11とR12が結合して炭素数2〜6のアルキレン基を表す。R13は置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアリール基または置換されていてもよいアラルキル基を表す。nは、0または1を表す。)
で示される化合物であり、
フェノ−ル類が、式(3)

(式中、Xは酸素原子または硫黄原子を表し、R14、R15、R16、R17およびR18は、それぞれ同一または相異なって、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルコキシ基または置換されていてもよいフェノキシ基を表す。)
で示される化合物であり、
光学活性なアルコ−ル化合物が、式(4)

(式中、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、Xおよびnは、それぞれ上記と同一の意味を表し、*は不斉炭素原子を表す。)
で示される化合物である請求項1に記載の製造法。
【請求項17】
式(3)において、R14、R15、R16、R17およびR18からなる群から選ばれる少なくとも1つの置換基が、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルコキシ基または置換されていてもよいフェノキシ基であることを特徴とする請求項16に記載の製造法。
【請求項18】
式(1)において、Mで示される金属イオンがコバルトイオン、クロムイオンまたはマンガンイオンである請求項1〜5のいずれかに記載の製造法。
【請求項19】
式(1)において、Mで示される金属イオンがコバルトイオン、クロムイオンまたはマンガンイオンである請求項6〜10のいずれかに記載の不斉錯体。
【請求項20】
式(1)において、Mで示される金属イオンがコバルトイオン、クロムイオンまたはマンガンイオンである請求項11〜15のいずれかに記載の光学活性なアルコ−ル化合物製造用不斉錯体触媒。
【請求項21】
式(1)において、Aで示される対イオンまたは配位子がハロゲン化物イオンである請求項1〜5のいずれかに記載の製造法。
【請求項22】
式(1)において、Aで示される対イオンまたは配位子がハロゲン化物イオンである請求項6〜10のいずれかに記載の不斉錯体。
【請求項23】
式(1)において、Aで示される対イオンまたは配位子がハロゲン化物イオンである請求項11〜15のいずれかに記載の光学活性なアルコ−ル化合物製造用不斉錯体触媒。

【公開番号】特開2007−231007(P2007−231007A)
【公開日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−22852(P2007−22852)
【出願日】平成19年2月1日(2007.2.1)
【出願人】(000002093)住友化学株式会社 (8,981)
【Fターム(参考)】