説明

光学活性エポキシ化合物の製造方法

【課題】地球環境への負荷に配慮した光学活性エポキシ化合物の製造方法の提供。
【解決手段】触媒として下記式(1):


等で表される光学活性ルテニウム(ニトロシル)−サレン錯体を用いて、酸化剤として酸素分子を用いて、光照射下にて反応を実施して、高いエナンチオ選択性で光学活性エポキシ化合物を製造する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学活性エポキシ化合物の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、光学活性エポキシ化合物は医薬、農薬又は電子材料等の製造中間体として良く用いられていることが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
光学活性エポキシ化合物を製造する方法の一つとして、光学活性ルテニウム錯体を触媒に用いる不斉エポキシ化反応があり、異性化を伴うことなくシス−及びトランス−オレフィンの不斉エポキシ化反応が進行する等の報告例があるが、収率やエナンチオ選択性には改善の余地がある(例えば、非特許文献1−4参照)。
【0004】
光学活性ルテニウム錯体の一つである光学活性ルテニウム(ニトロシル)−サレン錯体を触媒に用いる不斉エポキシ化反応に関しては、酸化剤として2,6−ジクロロピリジンN−オキシド、又はテトラメチルピラジンN,N’−ジオキシドを用いて、光照射下で反応を実施することで反応速度が向上することが報告されている。しかし、これらの反応条件では反応が進行するにつれて、生成したエポキシド化合物が転移反応によりケトン化合物になるため、目的化合物であるエポキシドの収率や光学純度が低下することが問題である(例えば、特許文献2、非特許文献5及び非特許文献6参照)。
【0005】
一方、酸化剤として酸素分子を用いた不斉エポキシ化反応も報告されているが、犠牲還元剤の添加、加圧条件などの反応条件が必要であり、改善の余地が残されている(例えば、非特許文献7−10参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】国際公開第03/087037号パンフレット
【特許文献2】特開2000−256383号公報
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】Chem.Commun.,1998年,p.589
【非特許文献2】Org.Lett.,1999年,1,p.2077
【非特許文献3】Angew.Chem.Int.Ed.,2004年,43,p.5255
【非特許文献4】Chem.Eur.J.,2006年,12,p.1875
【非特許文献5】Synlett,1999年,p.1157
【非特許文献6】Chem.Eur.J.,2001年,7,p.3776
【非特許文献7】Chem.Lett.,1993年,p.327
【非特許文献8】Bull.Chem.Soc.Jpn.,1995,68,p.1455
【非特許文献9】J.Am.Chem.Soc.,1985年,107,p.5790
【非特許文献10】Chem.Commun.,1998年,p.1583
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、前記の従来技術の問題を克服した、光学活性ルテニウム(ニトロシル
)−サレン錯体を触媒に用いた光学活性エポキシ化合物の新規な製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、光学活性エポキシ化合物の製造方法について鋭意研究した結果、酸化剤として酸素分子を用い、光照射下にて光学活性ルテニウム(ニトロシル)−サレン錯体を用いることにより、高いエナンチオ選択性で光学活性エポキシ化合物を製造できることを見い出し、本発明を完成させた。
【0010】
即ち本発明は、
[1]
一般式(1)又は(2):
【化1】

[式(1)及び(2)中、
1は、水素原子、又はC1-4アルキル基を表し、
2は、水素原子、C1-4アルキル基、又はC6-22アリール基{該C6-22アリール基は、無置換であるか、又はC6-10アリール基(該C6-10アリール基は、無置換であるか、又はハロゲン原子、C1-4アルキル基、若しくはC1-4アルコキシ基で置換されている。)、若しくはt−ブチルジフェニルシリル基で置換されている。}を表し、
3は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、C1-4アルキル基、C1-4アルコ
キシ基、ニトロ基又はシアノ基を表し、
R及びSは、不斉中心の絶対配置を表し、
aR及びaSは、軸不斉化合物の絶対配置を表す。]の何れかで表される光学活性ルテニウム(ニトロシル)−サレン錯体を触媒として使用して、
一般式(3)又は(4):
【化2】

{式(3)及び(4)中、
a及びRdは、それぞれ独立して、水素原子、又はC1-4アルキル基(該C1-4アルキル基は、無置換であるか、又はハロゲン原子で置換されている。)を表し、
ba、Rbb、Rbc及びRbdは、それぞれ独立して、水素原子、ニトロ基、ハロゲン原子、C1-4アルキル基(該C1-4アルキル基は、無置換であるか、又はハロゲン原子で置換されている。)、又はC1-4アルコキシ基を表し、
beは、水素原子、C1-4アルキル基、又はC1-4アルコキシ基を表し、
cは、水素原子、又はC1-4アルキル基(該C1-4アルキル基は、無置換であるか、又
はハロゲン原子で置換されている。)を表し、
bf及びRbgは、それぞれ独立して、水素原子、ニトロ基、ハロゲン原子、C1-4アル
キル基(該C1-4アルキル基は、無置換であるか、又はハロゲン原子で置換されている。
)、又はC1-4アルコキシ基を表し、
さらに、RbeとRcとが、互いに一緒になり一般式(5)、(6)、(7)又は(8)

【化3】

(式(5)、(6)、(7)及び(8)中、Reは、それぞれ独立して、水素原子又はC1-4アルキル基を表し、式(5)の置換位置については、Rbe側は酸素原子に位置し、Rc
側は炭素原子に位置する。)の何れかで表される二価の基を形成してもよい。}で表される不飽和化合物を、酸化剤として酸素分子を用い、光照射下にて不斉エポキシ化反応を行うことによる、
一般式(9)又は(10):
【化4】

(式(9)及び(10)中、Ra、Rba、Rbb、Rbc、Rbd、Rbe、Rbf、Rbg、Rc、及びRdは、前記と同じであり、
*で示された炭素原子の絶対配置は(R)又は(S)を表す。)で表される光学活性エポキシ化合物の製造方法。
【0011】
[2]
反応系中にさらに水を添加することによる、前記[1]記載の光学活性エポキシ化合物の製造方法。
[3]
光学活性ルテニウム(ニトロシル)−サレン錯体水和物を触媒として用いる前記[1]記載の光学活性エポキシ化合物の製造方法。
[4]
光学活性ルテニウム(ニトロシル)−サレン錯体水和物を脱水した化合物を用い、反応系中に水を添加することで反応を進行させることによる、前記[1]に記載の光学活性エポキシ化合物の製造方法。
[5]
1は、水素原子、又はメチル基を表し、
2は、フェニル基、又は4−ビフェニリル基を表し、
3は、水素原子を表す、前記[1]乃至[4]のいずれか1項に記載の光学活性エポ
キシ化合物の製造方法。
[6]
a及びRdは、それぞれ独立して、水素原子、又はメチル基を表し、
ba、Rbb、Rbc及びRbdは、それぞれ独立して、水素原子、塩素原子、又はメチル基を表し、
beは、水素原子、又はメチル基を表し、
cは、水素原子、又はメチル基を表し、
bf及びRbgは、それぞれ独立して、水素原子、塩素原子、又はメチル基を表す、前記[1]乃至[4]のいずれか1項に記載の光学活性エポキシ化合物の製造方法。
【発明の効果】
【0012】
本発明により、環境保護の観点から、例えば犠牲還元剤等の反応試剤の削減や、エネルギーの節減及び生じる各種副生成物の大幅な削減を可能とする環境調和型合成法として有望な光学活性エポキシ化合物の製造方法を提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本願明細書中「n」はノルマルを、「i」はイソを、「s」はセカンダリーを、「t」はターシャリーを、「c」はシクロを、「o」はオルトを、「m」はメタを、「p」はパラを意味する。本願明細書中及び化学構造式中に表記した「Me」はメチル基を、「Ph」はフェニル基を、「Ar」はアリール基を、「NO」はニトロシル基を、「Cl」は塩素原子を意味する。化学構造式中に表記したR並びにSは、不斉中心の絶対配置の表記を示し、aR及びaSは、軸不斉化合物の絶対配置の表記を示す。
【0014】
前記式(1)及び(2)中の各置換基について説明する。
【0015】
前記式(1)及び式(2)中のR1は、水素原子、又はC1-4アルキル基を表す。
【0016】
前記式(1)及び式(2)中のR1を具体的に説明する。該C1-4アルキル基は、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基等が挙げられる。
【0017】
前記式(1)及び式(2)中の好ましいR1は、水素原子、メチル基が挙げられる。
【0018】
前記式(1)及び式(2)中のR2は、水素原子、C1-4アルキル基、又はC6-22アリール基{該C6-22アリール基は、無置換であるか、又はC6-10アリール基(該C6-10アリール基は、無置換であるか、又はハロゲン原子、C1-4アルキル基、若しくはC1-4アルコキシ基で置換されている。)、若しくはt−ブチルジフェニルシリル基で置換されている。}を表す。
【0019】
前記式(1)及び式(2)中のR2を具体的に説明する。該C1-4アルキル基は、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基等が挙げられる。該C6-22アリール基としては、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、2−ビフェニリル基、3−ビフェニリル基、4−ビフェニリル基、2−(t−ブチルジフェニルシリル)フェニル基、3−(t−ブチルジフェニルシリル)フェニル基、4−(t−ブチルジフェニルシリル)フェニル基等が挙げられる。
【0020】
前記式(1)及び式(2)中の好ましいR2は、フェニル基、4−ビフェニリル基が挙
げられる。
【0021】
前記式(1)及び式(2)中のR3は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、
1-4アルキル基、C1-4アルコキシ基、ニトロ基又はシアノ基を表す。
【0022】
前記式(1)及び式(2)中のR3を具体的に説明する。該ハロゲン原子は、フッ素原
子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。該C1-4アルキル基は、メチル基、
エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基等が挙げられる。該C1-4アルコキシ基は、メトキシ基、エトキシ基、
n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、i−ブトキシ基、s−ブトキシ基、t−ブトキシ基等が挙げられる。
【0023】
前記式(1)及び式(2)中の好ましいR3は、水素原子である。
【0024】
光学活性ルテニウム(ニトロシル)−サレン錯体は、特許文献の特開2000−256383号公報、及び非特許文献Tetrahedron,2000年,56巻,3501頁に記載の方法に従って製造できる。前記非特許文献には、該錯体が水和物として得られることも記載されている。
【0025】
本発明は、反応系中に水を添加しても同様に反応が進行するが、反応系中に水を添加しなくても錯体水和物に含まれる水を使用して反応を進行させることもできる。また光学活性ルテニウム(ニトロシル)−サレン錯体水和物を脱水した化合物を用い、反応系中に水を添加することで反応を進行させることもできる。
【0026】
本発明の光学活性エポキシ化合物の製造方法で使用する光源について記載する。光源については、白熱電球、ハロゲンランプ、蛍光ランプ、キセノンランプ、重水素ランプ、キセノン−水銀ランプ、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、高圧ナトリウムランプ、メタルハライドランプ、太陽光等が挙げられる。好ましい光源は、白熱電球、ハロゲンランプである。より好ましい光源は、ハロゲンランプである。
【0027】
本発明の光学活性エポキシ化合物の製造方法では、犠牲還元剤は不要である。
【0028】
本発明の光学活性エポキシ化合物の製造方法で使用する溶媒について記載する。溶媒については、アルコール系溶媒、エステル系溶媒、ケトン系溶媒、ハロゲン系溶媒、芳香族炭化水素系溶媒、エーテル系溶媒、炭化水素系溶媒が挙げられる。具体的には、t−ブタノール、酢酸エチル、アセトン、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、1,1,2,2−テトラクロロエタン、ベンゼン、トルエン、クロロベンゼン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジ−i−プロピルエーテル、ヘキサン等が挙げられる。好ましい溶媒は、酢酸エチル、クロロホルム、1,1,2,2−テトラクロロエタン、トルエン、クロロベンゼンである。より好ましい溶媒は、クロロホルム、クロロベンゼンである。
【0029】
本発明の光学活性エポキシ化合物の製造方法の反応温度は、特に限定されるものではないが、0℃から用いる溶媒の還流温度で実施することが好ましく、10℃から40℃で実施することが、より好ましい。
【0030】
本発明の光学活性エポキシ化合物の製造方法では、鏡像異性体の一方のみを高い選択率で製造することができる。化合物(1)と化合物(2)とを使い分けて使用することで、光学活性エポキシ化合物の両鏡像異性体を選択的に製造することができる。
【0031】
次に前記式(3)及び式(4)中の各置換基について説明する。
【0032】
前記式(3)及び式(4)中のRa及びRdは、それぞれ独立して、水素原子、又はC1-4アルキル基(該C1-4アルキル基は、無置換であるか、又はハロゲン原子で置換されている。)を表す。
【0033】
前記式(3)及び式(4)中のRa及びRdを具体的に説明する。該C1-4アルキル基は
、メチル基、トリフルオロメチル基、モノクロロメチル基、エチル基、ペンタフルオロエチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基等が挙げられる。
【0034】
前記式(3)及び式(4)中の好ましいRa及びRdは、それぞれ独立して、水素原子、メチル基である。
【0035】
前記式(3)及び式(4)中のRba、Rbb、Rbc及びRbdは、それぞれ独立して、水素原子、ニトロ基、ハロゲン原子、C1-4アルキル基(該C1-4アルキル基は、無置換であるか、又はハロゲン原子で置換されている。)、又はC1-4アルコキシ基を表す。
【0036】
前記式(3)及び式(4)中のRba、Rbb、Rbc及びRbdを具体的に説明する。該ハロゲン原子は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。該C1-4アル
キル基は、メチル基、トリフルオロメチル基、モノクロロメチル基、エチル基、ペンタフルオロエチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基等が挙げられる。該C1-4アルコキシ基は、メトキシ基、エトキ
シ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、i−ブトキシ基、s−ブトキシ基、t−ブトキシ基等が挙げられる。
【0037】
前記式(3)及び式(4)中の好ましいRba、Rbb、Rbc及びRbdは、それぞれ独立して、水素原子、塩素原子、メチル基である。
【0038】
前記式(3)及び式(4)中のRbeは、水素原子、C1-4アルキル基、又はC1-4アルコキシ基を表す。
【0039】
前記式(3)及び式(4)中のRbeを具体的に説明する。該C1-4アルキル基は、メチ
ル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基等が挙げられる。該C1-4アルコキシ基は、メトキシ基、エトキ
シ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、i−ブトキシ基、s−ブトキシ基、t−ブトキシ基等が挙げられる。
【0040】
前記式(3)及び式(4)中の好ましいRbeは、水素原子、メチル基である。
【0041】
前記式(3)及び式(4)中のRcは、水素原子、又はC1-4アルキル基(該C1-4アル
キル基は、無置換であるか、又はハロゲン原子で置換されている。)を表す。
【0042】
前記式(3)及び式(4)中のRcを具体的に説明する。該C1-4アルキル基は、メチル基、トリフルオロメチル基、モノクロロメチル基、エチル基、ペンタフルオロエチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基等が挙げられる。
【0043】
前記式(3)及び式(4)中の好ましいRcは、水素原子、メチル基である。
【0044】
前記式(4)中のRbf及びRbgは、それぞれ独立して、水素原子、ニトロ基、ハロゲン原子、C1-4アルキル基(該C1-4アルキル基は、無置換であるか、又はハロゲン原子で置換されている。)、又はC1-4アルコキシ基を表す。
【0045】
前記式(4)中のRbf及びRbgを具体的に説明する。該ハロゲン原子は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。該C1-4アルキル基は、メチル基、トリ
フルオロメチル基、モノクロロメチル基、エチル基、ペンタフルオロエチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基等が挙げられる。該C1-4アルコキシ基は、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、
i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、i−ブトキシ基、s−ブトキシ基、t−ブトキシ基等が挙げられる。
【0046】
前記式(4)中の好ましいRbf及びRbgは、それぞれ独立して、水素原子、塩素原子、メチル基である。
【0047】
前記式(3)及び式(4)中のRbeとRcとが、互いに一緒になり下記式(5)、式(
6)、式(7)及び式(8)
【化5】

(式(5)、(6)、(7)及び(8)中のReは、それぞれ独立して、水素原子又はC1-4アルキル基を表し、式(5)の置換位置については、Rbe側は酸素原子に位置し、Rc
側は炭素原子に位置する。)の何れかで表される二価の基を形成してもよい。
【0048】
前記式(5)、(6)、(7)及び(8)中のReを具体的に説明する。該C1-4アルキル基は、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基等が挙げられる。
【0049】
式(5)、(6)、(7)及び(8)中の好ましいReは、水素原子、メチル基である

【0050】
前記式(3)及び(4)で表される不飽和化合物の或るものは公知化合物であり、一部は市販品として入手できる。また、それ以外のものも文献記載の不飽和化合物の一般的な合成方法に準じて合成することができる。
【実施例】
【0051】
以下、実施例により更に詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0052】
(実施例1):触媒として光学活性ルテニウム(ニトロシル)−サレン錯体(11)水和物を用いたトランス−β−メチルスチレンの不斉エポキシ化反応
【化6】

【0053】
酸素でパージしたシュレンク反応容器(容量5mL,直径=約13mm)中に、錯体(11)水和物(24.8mg、25μmol)(基質に対して5mol%)とクロロベンゼン(2.5mL)を加えた。該シュレンク反応容器を25℃に保たれた恒温槽に設置した。該反応混合物に不飽和化合物としてトランス−β−メチルスチレン(21)(65μL,0.5mmol)を加えた後、光照射しながら酸素雰囲気下にて25℃で36時間、該反応混合物を撹拌した。
該反応混合物を塩基性シリカゲルクロマトグラフィー[富士シリシア化学株式会社製のサイズ100−200μmの球状塩基性のシリカゲル(Chromatorex NH)]及び溶離液(n−ペンタン:ジエチルエーテル=1:0〜20:1、体積比)を用いて単離精製した。目的化合物のトランス−1−フェニル−1,2−エポキシプロパン(22)を透明オイル状で得た。収率は58%であった。
鏡像異性体過剰率は、キラルカラムInertCap CHIRAMIX(ジーエルサイエンス株式会社製)を装着したガスクロマトグラフィーにて決定したところ、88%ee(1S,2S)であった。
ガスクロマトグラフィーのカラム条件は以下に示す通りである。
[70℃(5.5分)から110℃まで(46℃/分で昇温)、110℃から133℃まで(1℃/分で昇温)]
R(1S,2S)=23.8分,tR(1R,2R)=25.9分
[α]D24 −41.7(c 0.88,CHCl3).非特許論文J.Am.Chem.Soc.,1997年,119巻,11224頁の記載の旋光度[95.7%ee, (1S,2S)−isomer; [α]D24 −46.9(c 0.88,CHCl3)]と比較することで立体配置を決定した。
1H NMR(CDCl3,400MHz):δ 7.35−7.24(m,5H),3.57(d,J=2.2Hz,1H),3.04(dq,J=2.2,5.1Hz,1H),1.45(d,J=5.1Hz,3H).
13C NMR(CDCl3,100MHz):δ 137.6,128.3,127.
9,125.4,59.5,59.0,17.9ppm.
光照射については、反応温度を25℃に保つために水中の光ファイバーを通じて、0.5cm離れたところから、ハロゲンランプ(約90mW/cm2)(PHILIPS社製
6423 FO,fiber optic lamp)を使用して照射した。
【0054】
(実施例2)
実施例1に記載の不斉エポキシ化反応と同様の実験操作で、光照射について、遮光した条件に変更して反応を実施したところ、反応は進行しなかった。
【0055】
(実施例3)
実施例1に記載の不斉エポキシ化反応と同様の実験操作で、酸素雰囲気下の条件を、窒素雰囲気下に変更して反応を実施したところ、反応は進行しなかった。
【0056】
(実施例4−1、実施例4−2及び実施例4−3)
実施例1に記載の不斉エポキシ化反応と同様の実験操作で、反応溶媒にクロロホルムを使用して、不飽和化合物のトランス−β−メチルスチレンに対して1当量分の水を反応系中に添加する条件に変更した。さらに触媒として用いる光学活性ルテニウム(ニトロシル)−サレン錯体水和物の種類及び反応スケールを変更して反応を実施した。使用した錯体を下記に表す。
【化7】

【0057】
上記の実験結果を表1に記載する。
【0058】
【表1】

【0059】
脚注の詳細は以下の通りである。
a:0.1mmolスケールで反応を実施した。
b:内部標準としてビシクロヘキシルを用いてガスクロマトグラフィーで収率を決定した。
【0060】
(実施例5−1及び実施例5−2)
光学活性ルテニウム(ニトロシル)−サレン錯体(11)水和物を真空中、380℃で脱水を行い、錯体(11)乾燥品[cat.dried(11)]とした。該錯体(11)乾燥品のESI−TOF−MS分析を実施し測定値と計算値を確認し、本操作で該錯体(11)が分解していないことを確認した。
錯体(11)乾燥品[M+]: m/z 測定値 956.2436
計算値[M+]C604433Ru 956.2437
【0061】
さらに錯体(11)乾燥品に水を添加することで錯体(11)湿品[cat.wet(
11)]とした。これらの2つの異なった錯体を触媒として用い、トランス−β−メチル
スチレン(21)の不斉エポキシ化反応をそれぞれ実施し、水の存在の効果を調べた。
【0062】
(実施例5−1)
錯体(11)乾燥品を用いるトランス−β−メチルスチレンの不斉エポキシ化反応について下記に示す。
【化8】

【0063】
(スキーム1)
シュレンク反応容器に錯体(11)水和物(4.9mg、5μmol)を仕込み、真空中、ヒートガンにて5分間380℃で乾燥させ、室温に戻し酸素を注入した。この実験操作を実施して錯体(11)乾燥品とした。
(スキーム2)
クロロベンゼン(0.5mL)、トランス−β−メチルスチレン(21)(13μL、0.1mmol)、反応進行を確認するための内部標準としてフェナントレンを加えた。反応の最初と最後に反応溶液の一部(40μL)をサンプリングして重クロロホルム溶媒に溶解させ、1H NMRを測定し、転化率を算出した。その他の反応条件は実施例1記
載の方法に従った。
【0064】
(実施例5−2)
錯体(11)湿品を用いるトランス−β−メチルスチレンの不斉エポキシ化反応について下記に示す。
【化9】

【0065】
(スキーム3)
(実施例5−1)と同様の方法で調製した錯体(11)乾燥品を用い、トランス−β−
メチルスチレン(21)(13μL、0.1mmol)を加えるときに同時に反応系中に水(1.8μL、0.1mmol)も添加した。この実験操作を実施して錯体(11)湿品とした。
(スキーム4)
水添加以外は、(実施例5−1)と同様の実験操作を実施した。
【0066】
(実施例5−1)と(実施例5−2)は同様の反応を2回実施して再現性を確認した。その実験結果を表2に記載する。
【0067】
【表2】

【0068】
錯体(11)乾燥品を用いた不斉エポキシ化反応は不活性であり、収率、及びエナンチオ選択性は低かった。一旦、乾燥品にしたものでも水を添加して錯体(11)湿品とすれば、触媒活性を取り戻すことができた。
【0069】
(実施例6):光学活性ルテニウム(ニトロシル)−サレン錯体(11)水和物を触媒として用い、不飽和化合物を検討した不斉エポキシ化反応を(スキーム5)に示す。
【化10】

【0070】
反応時間を48時間に変更した。それ以外については特記がない限り、実施例1と同様の実験操作で、不飽和化合物(23−X)を変更して不斉エポキシ化反応を実施した。スキーム5中の不飽和化合物(23−X)及びエポキシ化合物(24−X)の置換基を表3に記載する。
【0071】
【表3】

【0072】
不斉エポキシ化反応の結果を表4に記載する。
【0073】
【表4】

【0074】
脚注の詳細は以下の通りである。
a:キラルカラムを装着した高速液体クロマトグラフィー又はガスクロマトグラフィーで決定した。
b:立体配置は文献既知の旋光度と比較することで決定した。
c:反応時間を36時間にして実施した。
d:内部標準としてフェナントレンを用いて1H NMRで収率を決定した。
e:0.1mmolスケールで反応を実施した。
f:反応時間を12時間にして実施した。
【0075】
反応して得られたエポキシ化合物(24−X)の測定条件をそれぞれ記載する。HPLCは高速液体クロマトグラフィーを表し、GCはガスクロマトグラフィーを表す。
【0076】
トランス−1−(2−ナフチル)−1,2−エポキシプロパン(化合物No.24−1)
HPLC:tR(minor)=16.5分,tR(major)=18.2分
(DAICEL CHIRALCEL OB−H;流速1.0mL/分;ヘキサン/イソプロパノール=99.9/0.1;30℃)
【0077】
トランス−1−(m−メチルフェニル)−1,2−エポキシプロパン(化合物No.24−2)
HPLC:tR(minor)=8.8分,tR(major)=13.3分
(DAICEL CHIRALPAC AS−H;流速0.5mL/分;ヘキサン/イソプロパノール=95/5)
【0078】
トランス−1−(p−メチルフェニル)−1,2−エポキシプロパン(化合物No.24−3)
HPLC:tR(minor)=8.6分,tR(major)=10.3分
(DAICEL CHIRALPAC AS−H;流速0.5mL/分;ヘキサン/イソプロパノール=90/10)
【0079】
(2R,3R)−2−フェニル−2,3−エポキシブタン(化合物No.24−4)
HPLC:tR(2R,3R)=16.5分,tR(2S,3S)=20.0分
(DAICEL CHIRALPAC AS−H;流速0.5mL/分;ヘキサン)
【0080】
(1S,2R)−シス−β−メチルスチレンオキシド(化合物No.24−5)
GC:tR(1S,2R)=24.1分,tR(1R,2S)=25.6分
InertCap CHIRAMIX(ジーエルサイエンス株式会社製キラルカラム)
[70℃(5.5分)から110℃まで(46℃/分で昇温)、110℃から133℃まで(1℃/分で昇温)]
【0081】
トランス−1−(p−クロロフェニル)−1,2−エポキシプロパン(化合物No.24−6)
HPLC:tR(minor)=11.9分,tR(major)=14.8分
(DAICEL CHIRALCEL AS−H;流速0.5mL/分;ヘキサン/イソプロパノール=95/5)
【0082】
(1S)−1−フェニル−2−メチル−1,2−エポキシプロパン(化合物No.24−7)
HPLC:tR(S)=12.7分,tR(R)=11.3分
(DAICEL CHIRALCEL AS−H;流速0.5mL/分;ヘキサン)
【0083】
以下に実施例6にて不斉エポキシ化反応を実施して得られたエポキシ化合物(化合物No.24−X)の物性値を記載する。
【0084】
トランス−1−(2−ナフチル)−1,2−エポキシプロパン(化合物No.24−1

概観:白色固体.
[α]D25 −42.4(c 0.90,CHCl3).
1H NMR(CDCl3,400MHz):δ 7.83−7.76(m,4H),7.
51−7.30(m,3H),3.74(d,J=2.0Hz,1H),3.14(dq,J=2.0,5.3Hz,1H),1.50(d,J=5.3Hz,3H).
13C NMR(CDCl3,100MHz):δ 135.2,133.2,133.
2,128.2,127.7,126.3,125.9,125.0,123.0,59.8,59.1,12.9ppm.
【0085】
トランス−1−(m−メチルフェニル)−1,2−エポキシプロパン(化合物No.2
4−2)
概観:透明オイル状.
[α]D25 −44.6(c 0.35,CHCl3).
1H NMR(CDCl3,400MHz):δ 7.26−7.06(m,4H),3.
54(d,J=2.2Hz,1H),3.1−3.0(dq,J=5.1,2.2Hz,1H),2.34(s,3H),1.45(d,J=5.1Hz,3H).
13C NMR(CDCl3,100MHz):δ 138.0,137.5,128.
6,128.2,125.9,122.6,59.6,58.9,21.5,18.0ppm.
【0086】
トランス−1−(p−メチルフェニル)−1,2−エポキシプロパン(化合物No.2
4−3)
概観:透明オイル状.
[α]D24 −30.3(c 0.59,CHCl3).
1H NMR(CDCl3,400MHz):δ 7.26−7.06(m,4H),3.
54(d,J=2.0Hz,1H),3.03(dq,J=5.1,2.0Hz,1H),2.34(s,3H),1.44(d,J=5.1Hz,3H).
13C NMR(CDCl3,100MHz):δ 137.6,134.5,129.
0,125.4,59.6,58.9,21.3,18.0ppm.
【0087】
(2R,3R)−2−フェニル−2,3−エポキシブタン(化合物No.24−4)
概観:透明オイル状.
[α]D25 +14.8(c 0.88,CHCl3).
非特許論文 J.Org.Chem.,2004年,69巻,3330頁に記載の[99
%ee,(2S,3S)−isomer; [α]D20 −16.0(c 1.0,CHCl3
)]を参照した。
1H NMR(CDCl3,400MHz):δ 7.36−7.24(m,5H),2.
95(d,J=5.4Hz,1H),1.66(s,3H),1.43(d,J=5.4Hz,3H).
13C NMR(CDCl3,100MHz):δ 143.0,128.3,127.
1,125.0,62.3,60.3,17.4,14.4ppm.
【0088】
(1S,2R)−シス−β−メチルスチレンオキシド(化合物No.24−5)
概観:透明オイル状.
[α]D25 +43.8(c 0.15,CHCl3).
非特許論文 J.Am.Chem.Soc.,1957年,79巻,197頁に記載の[
>99%ee,(1S,2R)−isomer;[α]D20 +47.5(c 1.17,
CHCl3)]を参照した。
1H NMR(CDCl3,400MHz):δ 7.37−7.25(m,5H),4.06(d,J=4.4Hz,1H),3.34(dq,J=4.4,5.4Hz,1H),1.08(d,J=5.4Hz,3H).
13C NMR(CDCl3,100MHz):δ 135.3,127.8,127.
3,126.4,57.5,55.2,12.7ppm.
【0089】
トランス−1−(p−クロロフェニル)−1,2−エポキシプロパン(化合物No.24−6)
概観:白色固体.
[α]D25 −27.7(c 0.29,CHCl3).
1H NMR(CDCl3,400MHz):δ 7.29(d,J=8.30Hz,2H),7.18(d,J=8.30,2H),3.54(d,J=1.95Hz,1H),2.97(dq,J=1.95,5.13Hz,1H),1.44(d,J=5.13Hz,3H).
13C NMR(CDCl3,100MHz):δ 136.2,133.6,128.
5,126.7,65.9,59.1,58.9,18.0,15.4ppm.
【0090】
(1S)−1−フェニル−2−メチル−1,2−エポキシプロパン(化合物No.24−7)
概観:透明オイル状.
[α]D25 −30.7(c 0.22,CHCl3).
1H NMR(CDCl3,400MHz):δ 7.36−7.25(m,5H),3.86(s,1H),1.48(s,3H),1.08(d,3H).
13C NMR(CDCl3,100MHz):δ 136.4,127.8,127.
2,126.2,64.5,61.0,24.9,18.1ppm.
【産業上の利用可能性】
【0091】
本発明により、地球環境への負荷に配慮した製造方法で、分子中に炭素−炭素二重結合を有するプロキラルな不飽和化合物に対しエポキシ化反応を行い、高いエナンチオ選択性で光学活性エポキシ化合物を製造することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(1)又は(2):
【化1】

[式(1)及び(2)中、
1は、水素原子又はC1-4アルキル基を表し、
2は、水素原子、C1-4アルキル基、又はC6-22アリール基{該C6-22アリール基は、無置換であるか、又はC6-10アリール基(該C6-10アリール基は、無置換であるか、又はハロゲン原子、C1-4アルキル基、若しくはC1-4アルコキシ基で置換されている。)、若しくはt−ブチルジフェニルシリル基で置換されている。}を表し、
3は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、C1-4アルキル基、C1-4アルコ
キシ基、ニトロ基又はシアノ基を表し、
R及びSは、不斉中心の絶対配置の表記を表し、
aR及びaSは、軸不斉化合物の絶対配置を表す。]の何れかで表される光学活性ルテニウム(ニトロシル)−サレン錯体を触媒として使用して、
式(3)又は(4):
【化2】

{式(3)及び(4)中、
a及びRdは、それぞれ独立して、水素原子、又はC1-4アルキル基(該C1-4アルキル基は、無置換であるか、又はハロゲン原子で置換されている。)を表し、
ba、Rbb、Rbc及びRbdは、それぞれ独立して、水素原子、ニトロ基、ハロゲン原子、C1-4アルキル基(該C1-4アルキル基は、無置換であるか、又はハロゲン原子で置換されている。)、又はC1-4アルコキシ基を表し、
beは、水素原子、C1-4アルキル基、又はC1-4アルコキシ基を表し、
cは、水素原子、又はC1-4アルキル基(該C1-4アルキル基は、無置換であるか、又
はハロゲン原子で置換されている。)を表し、
bf及びRbgは、それぞれ独立して、水素原子、ニトロ基、ハロゲン原子、C1-4アル
キル基(該C1-4アルキル基は、無置換であるか、又はハロゲン原子で置換されている。
)、又はC1-4アルコキシ基を表し、
さらに、RbeとRcとが、互いに一緒になり式(5)、(6)、(7)又は(8):
【化3】

(式(5)、(6)、(7)及び(8)中、Reは、それぞれ独立して、水素原子又はC1-4アルキル基を表し、式(5)の置換位置については、Rbe側は酸素原子に位置し、Rc
側は炭素原子に位置する。)の何れかで表される二価の基を形成してもよい。}で表される不飽和化合物を、酸化剤として酸素分子を用い、光照射下にて不斉エポキシ化反応を行うことによる、
式(9)又は(10):
【化4】

(式(9)及び(10)中、Ra、Rba、Rbb、Rbc、Rbd、Rbe、Rbf、Rbg、Rc、及びRdは、前記と同じであり、
*で示された炭素原子の絶対配置は(R)又は(S)を表す。)で表される光学活性エポキシ化合物の製造方法。
【請求項2】
反応系中にさらに水を添加することによる、請求項1に記載の光学活性エポキシ化合物の製造方法。
【請求項3】
光学活性ルテニウム(ニトロシル)−サレン錯体水和物を触媒として用いる請求項1に記載の光学活性エポキシ化合物の製造方法。
【請求項4】
光学活性ルテニウム(ニトロシル)−サレン錯体水和物を脱水した化合物を用い、反応系中に水を添加することで反応を進行させることによる、請求項1に記載の光学活性エポキシ化合物の製造方法。
【請求項5】
1は、水素原子、又はメチル基を表し、
2は、フェニル基、又は4−ビフェニリル基を表し、
3は、水素原子を表す、請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の光学活性エポ
キシ化合物の製造方法。
【請求項6】
a及びRdは、それぞれ独立して、水素原子、又はメチル基を表し、
ba、Rbb、Rbc及びRbdは、それぞれ独立して、水素原子、塩素原子、又はメチル基を表し、
beは、水素原子、又はメチル基を表し、
cは、水素原子、又はメチル基を表し、
bf及びRbgは、それぞれ独立して、水素原子、塩素原子、又はメチル基を表す、請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の光学活性エポキシ化合物の製造方法。

【公開番号】特開2012−56908(P2012−56908A)
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−203201(P2010−203201)
【出願日】平成22年9月10日(2010.9.10)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 平成22年8月11日、http://pubs.acs.org/doi/abs/10.1021/ja104184r
【出願人】(000003986)日産化学工業株式会社 (510)
【出願人】(504145342)国立大学法人九州大学 (960)
【Fターム(参考)】