説明

光学活性2−ハロカルボン酸化合物の製造方法

【課題】式(2)


(式中、R、Rは水素原子等を、Xは臭素原子等を表わす。*は不斉炭素原子であることを表わす。)
で示される光学活性2−ハロカルボン酸化合物および式(3)


(式中、Rは低級アルキル基を表わし、R、R、Xおよび*は上記と同一の意味を表わす。)
で示される光学活性2−ハロカルボン酸エステル化合物の製造方法を提供すること。
【解決手段】式(1)


(式中、R、R、RおよびXは上記と同一の意味を表わす。)
で示される2−ハロカルボン酸エステル化合物の一方の光学活性体を優先的に加水分解する能力を有する酵素、または該酵素の産生能を有する微生物の培養物もしくはその処理物を、前記式(1)で示される2−ハロカルボン酸エステル化合物に接触せしめることを特徴とする式(2)で示される光学活性2−ハロカルボン酸化合物および式(3)で示される光学活性2−ハロカルボン酸エステル化合物の製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学活性2−ハロカルボン酸化合物の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
式(2)

(式中、RおよびRはそれぞれ同一または相異なって、水素原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルコキシ基、置換されていてもよいアリール基、置換されていてもよいアリールオキシ基、ニトロ基、二置換アミノ基、アルコキシカルボニル基またはハロゲン原子を表わす。ここで、RおよびRが隣接する炭素原子に結合しているときは、RおよびRが結合して、その結合炭素原子とともに環を形成してもよい。Xは臭素原子またはヨウ素原子を表わす。*は不斉炭素原子であることを表わす。)
で示される光学活性2−ハロカルボン酸化合物および式(3)

(式中、Rは低級アルキル基を表わし、R、R、Xおよび*は上記と同一の意味を表わす。)
で示される光学活性2−ハロカルボン酸エステル化合物は、医薬中間体として有用であることが知られている(例えば特許文献1参照。)。
【0003】
アルコール性水酸基をハロゲン原子に変換する方法として、アルコール性水酸基を有する化合物に臭化チオニルを作用させる方法が知られている(例えば非特許文献1参照。)が、かかる方法を用いて、式(5)

(式中、R、R、Rおよび*は上記と同一の意味を表わす。)
で示される化合物から上記式(3)で示される光学活性2−ハロカルボン酸エステル化合物を製造することを試みたところ、ハロゲン化反応は進行するものの、同時にラセミ化反応も進行することがわかった。
【0004】
【特許文献1】国際公開パンフレット第00/63197号
【非特許文献1】Tetrahedron Lett.,87(1971)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このような状況のもと、本発明者らは、式(2)で示される光学活性2−ハロカルボン酸化合物および式(3)で示される光学活性2−ハロカルボン酸エステル化合物の製造方法を開発すべく検討したところ、式(1)

(式中、R、R、RおよびXは上記と同一の意味を表わす。)
で示される2−ハロカルボン酸エステル化合物の一方の光学活性体を優先的に加水分解する能力を有する酵素、または該酵素の産生能を有する微生物の培養物もしくはその処理物を、前記式(1)で示される2−ハロカルボン酸エステル化合物に接触せしめることにより、目的とする式(2)で示される光学活性2−ハロカルボン酸化合物および式(3)で示される光学活性2−ハロカルボン酸エステル化合物を得ることができることを見いだし、本発明に至った。
【課題を解決するための手段】
【0006】
すなわち、本発明は、式(1)

(式中、Rは低級アルキル基を表わし、RおよびRはそれぞれ同一または相異なって、水素原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルコキシ基、置換されていてもよいアリール基、置換されていてもよいアリールオキシ基、ニトロ基、二置換アミノ基、アルコキシカルボニル基またはハロゲン原子を表わす。ここで、RおよびRが隣接する炭素原子に結合しているときは、RおよびRが結合して、その結合炭素原子とともに環を形成してもよい。Xは臭素原子またはヨウ素原子を表わす。)
で示される2−ハロカルボン酸エステル化合物の一方の光学活性体を優先的に加水分解する能力を有する酵素、または該酵素の産生能を有する微生物の培養物もしくはその処理物を、前記式(1)で示される2−ハロカルボン酸エステル化合物に接触せしめることを特徴とする式(2)

(式中、R、RおよびXは上記と同一の意味を表わし、*は不斉炭素原子であることを表わす。)
で示される光学活性2−ハロカルボン酸化合物および式(3)

(式中、R、R、R、Xおよび*は上記と同一の意味を表わす。)
で示される光学活性2−ハロカルボン酸エステル化合物の製造方法を提供するものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、光学活性2−ハロカルボン酸化合物および光学活性2−ハロカルボン酸エステル化合物を製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
式(1)
式(1)

で示される2−ハロカルボン酸エステル化合物(以下、2−ハロカルボン酸エステル化合物(1)と略記する。)の式中、Rは低級アルキル基を表わす。低級アルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等の炭素数1〜4のアルキル基が挙げられる。
【0009】
また、上記式(1)中、RおよびRはそれぞれ同一または相異なって、水素原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルコキシ基、置換されていてもよいアリール基、置換されていてもよいアリールオキシ基、ニトロ基、二置換アミノ基、アルコキシカルボニル基またはハロゲン原子を表わす。
【0010】
置換されていてもよいアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、4−ヘプチル基、n−オクチル基、シクロヘキシル基等の炭素数1〜8の直鎖状、分枝鎖状もしくは環状の無置換アルキル基およびこれら無置換アルキル基の一つもしくは二つ以上の水素原子が置換基で置換された置換アルキル基が挙げられる。置換アルキル基の置換基としては、例えばメトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基、例えばフェニル基、ナフチル基等のアリール基、例えばN−メチルアミノ基、N,N−ジメチルアミノ基、N,N−ジエチルアミノ基等の置換アミノ基、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子、水酸基、シアノ基等が挙げられ、かかる置換アルキル基としては、例えばメトキシメチル基、2−メトキシエチル基、トリフルオロメチル基、ベンジル基、2−(N,N−ジエチルアミノ)エチル基等が挙げられる。置換されていてもよいアルコキシ基としては、前記置換されていてもよいアルキル基と酸素原子とから構成されるものが挙げられ、具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、tert−ブトキシ基、メトキシメトキシ基、2−メトキシエトキシ基、トリフルオロメトキシ基、ベンジルオキシ基、2−(N,N−ジエチルアミノ)エトキシ基等が挙げられる。
【0011】
置換されていてもよいアリール基としては、例えばフェニル基、ナフチル基等の無置換アリール基およびこれら無置換アリール基を構成する芳香環の一つまたは二つ以上の水素原子が、例えば前記アルキル基、前記アルコキシ基等の置換基で置換された、例えば2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、2−メトキシフェニル基、3−メトキシフェニル基、4−メトキシフェニル基等が挙げられる。置換されていてもよいアリールオキシ基としては、前記置換されていてもよいアリール基と酸素原子とから構成されるもの、例えばフェノキシ基、ナフトキシ基、2−メチルフェノキシ基、3−メチルフェノキシ基、4−メチルフェノキシ基、2−メトキシフェノキシ基、3−メトキシフェノキシ基、4−メトキシフェノキシ基等が挙げられる。二置換アミノ基としては、例えばジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、メチルエチルアミノ基等の二個の前記低級アルキル基等で置換されたアミノ基が挙げられる。アルコキシカルボニル基としては、例えばメトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−プロポキシカルボニル基等が挙げられる。ハロゲン原子としては、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子等が挙げられる。
【0012】
また、RおよびRが隣接する炭素原子に結合しているときは、RおよびRが結合して、その結合炭素原子とともに環を形成してもよく、かかる環構造としては、例えばシクロペンテン環、シクロヘキセン環、ベンゼン環等が挙げられる。さらに、上記式(1)中、Xは臭素原子またはヨウ素原子を表わす。
【0013】
かかる2−ハロカルボン酸エステル化合物(1)としては、例えば2−ブロモ−5−フェニルペンタン酸メチル、2−ブロモ−5−(2−メチルフェニル)ペンタン酸メチル、2−ブロモ−5−(3−メチルフェニル)ペンタン酸メチル、2−ブロモ−5−(4−メチルフェニル)ペンタン酸メチル、2−ブロモ−5−(4−エチルフェニル)ペンタン酸メチル、2−ブロモ−5−(2−メトキシフェニル)ペンタン酸メチル、2−ブロモ−5−(3−メトキシフェニル)ペンタン酸メチル、2−ブロモ−5−(4−メトキシフェニル)ペンタン酸メチル、2−ブロモ−5−(4−エトキシフェニル)ペンタン酸メチル、2−ブロモ−5−(4−tert−ブトキシフェニル)ペンタン酸メチル、2−ブロモ−5−(2,4−ジメチルフェニル)ペンタン酸メチル、2−ブロモ−5−(2,4−ジメトキシフェニル)ペンタン酸メチル、2−ブロモ−5−(2−クロロフェニル)ペンタン酸メチル、2−ブロモ−5−(4−フルオロフェニル)ペンタン酸メチル、2−ブロモ−5−(4−クロロフェニル)ペンタン酸メチル、2−ブロモ−5−(4−ブロモフェニル)ペンタン酸メチル、2−ブロモ−5−(3−ニトロフェニル)ペンタン酸メチル、2−ブロモ−5−(4−フェノキシフェニル)ペンタン酸メチル、2−ブロモ−5−(4−ジメチルアミノフェニル)ペンタン酸メチル、2−ブロモ−5−(4−メトキシカルボニルフェニル)ペンタン酸メチル、
【0014】
2−ブロモ−5−フェニルペンタン酸エチル、2−ブロモ−5−(2−メチルフェニル)ペンタン酸エチル、2−ブロモ−5−(3−メチルフェニル)ペンタン酸エチル、2−ブロモ−5−(4−メチルフェニル)ペンタン酸エチル、2−ブロモ−5−(4−エチルフェニル)ペンタン酸エチル、2−ブロモ−5−(2−メトキシフェニル)ペンタン酸エチル、2−ブロモ−5−(3−メトキシフェニル)ペンタン酸エチル、2−ブロモ−5−(4−メトキシフェニル)ペンタン酸エチル、2−ブロモ−5−(4−エトキシフェニル)ペンタン酸エチル、2−ブロモ−5−(4−tert−ブトキシフェニル)ペンタン酸エチル、2−ブロモ−5−(2,4−ジメチルフェニル)ペンタン酸エチル、2−ブロモ−5−(2,4−ジメトキシフェニル)ペンタン酸エチル、2−ブロモ−5−(2−クロロフェニル)ペンタン酸エチル、2−ブロモ−5−(4−フルオロフェニル)ペンタン酸エチル、2−ブロモ−5−(4−クロロフェニル)ペンタン酸エチル、2−ブロモ−5−(4−ブロモフェニル)ペンタン酸エチル、2−ブロモ−5−(3−ニトロフェニル)ペンタン酸エチル、2−ブロモ−5−(4−フェノキシフェニル)ペンタン酸エチル、2−ブロモ−5−(4−ジメチルアミノフェニル)ペンタン酸エチル、2−ブロモ−5−(4−メトキシカルボニルフェニル)ペンタン酸エチル、
【0015】
2−ブロモ−5−フェニルペンタン酸n−プロピル、2−ブロモ−5−(2−メチルフェニル)ペンタン酸n−プロピル、2−ブロモ−5−(3−メチルフェニル)ペンタン酸n−プロピル、2−ブロモ−5−(4−メチルフェニル)ペンタン酸n−プロピル、2−ブロモ−5−(4−エチルフェニル)ペンタン酸n−プロピル、2−ブロモ−5−(2−メトキシフェニル)ペンタン酸n−プロピル、2−ブロモ−5−(3−メトキシフェニル)ペンタン酸n−プロピル、2−ブロモ−5−(4−メトキシフェニル)ペンタン酸n−プロピル、2−ブロモ−5−(4−エトキシフェニル)ペンタン酸n−プロピル、2−ブロモ−5−(4−tert−ブトキシフェニル)ペンタン酸n−プロピル、2−ブロモ−5−(2,4−ジメチルフェニル)ペンタン酸n−プロピル、2−ブロモ−5−(2,4−ジメトキシフェニル)ペンタン酸n−プロピル、2−ブロモ−5−(2−クロロフェニル)ペンタン酸n−プロピル、2−ブロモ−5−(4−フルオロフェニル)ペンタン酸n−プロピル、2−ブロモ−5−(4−クロロフェニル)ペンタン酸n−プロピル、2−ブロモ−5−(4−ブロモフェニル)ペンタン酸n−プロピル、2−ブロモ−5−(3−ニトロフェニル)ペンタン酸n−プロピル、2−ブロモ−5−(4−フェノキシフェニル)ペンタン酸n−プロピル、2−ブロモ−5−(4−ジメチルアミノフェニル)ペンタン酸n−プロピル、2−ブロモ−5−(4−メトキシカルボニルフェニル)ペンタン酸n−プロピル、
【0016】
2−ブロモ−5−フェニルペンタン酸イソプロピル、2−ブロモ−5−(2−メチルフェニル)ペンタン酸イソプロピル、2−ブロモ−5−(3−メチルフェニル)ペンタン酸イソプロピル、2−ブロモ−5−(4−メチルフェニル)ペンタン酸イソプロピル、2−ブロモ−5−(4−エチルフェニル)ペンタン酸イソプロピル、2−ブロモ−5−(2−メトキシフェニル)ペンタン酸イソプロピル、2−ブロモ−5−(3−メトキシフェニル)ペンタン酸イソプロピル、2−ブロモ−5−(4−メトキシフェニル)ペンタン酸イソプロピル、2−ブロモ−5−(4−エトキシフェニル)ペンタン酸イソプロピル、2−ブロモ−5−(4−tert−ブトキシフェニル)ペンタン酸イソプロピル、2−ブロモ−5−(2,4−ジメチルフェニル)ペンタン酸イソプロピル、2−ブロモ−5−(2,4−ジメトキシフェニル)ペンタン酸イソプロピル、2−ブロモ−5−(2−クロロフェニル)ペンタン酸イソプロピル、2−ブロモ−5−(4−フルオロフェニル)ペンタン酸イソプロピル、2−ブロモ−5−(4−クロロフェニル)ペンタン酸イソプロピル、2−ブロモ−5−(4−ブロモフェニル)ペンタン酸イソプロピル、2−ブロモ−5−(3−ニトロフェニル)ペンタン酸イソプロピル、2−ブロモ−5−(4−フェノキシフェニル)ペンタン酸イソプロピル、2−ブロモ−5−(4−ジメチルアミノフェニル)ペンタン酸イソプロピル、2−ブロモ−5−(4−メトキシカルボニルフェニル)ペンタン酸イソプロピル、
【0017】
2−ブロモ−5−フェニルペンタン酸n−ブチル、2−ブロモ−5−(2−メチルフェニル)ペンタン酸n−ブチル、2−ブロモ−5−(3−メチルフェニル)ペンタン酸n−ブチル、2−ブロモ−5−(4−メチルフェニル)ペンタン酸n−ブチル、2−ブロモ−5−(4−エチルフェニル)ペンタン酸n−ブチル、2−ブロモ−5−(2−メトキシフェニル)ペンタン酸n−ブチル、2−ブロモ−5−(3−メトキシフェニル)ペンタン酸n−ブチル、2−ブロモ−5−(4−メトキシフェニル)ペンタン酸n−ブチル、2−ブロモ−5−(4−エトキシフェニル)ペンタン酸n−ブチル、2−ブロモ−5−(4−tert−ブトキシフェニル)ペンタン酸n−ブチル、2−ブロモ−5−(2,4−ジメチルフェニル)ペンタン酸n−ブチル、2−ブロモ−5−(2,4−ジメトキシフェニル)ペンタン酸n−ブチル、2−ブロモ−5−(2−クロロフェニル)ペンタン酸n−ブチル、2−ブロモ−5−(4−フルオロフェニル)ペンタン酸n−ブチル、2−ブロモ−5−(4−クロロフェニル)ペンタン酸n−ブチル、2−ブロモ−5−(4−ブロモフェニル)ペンタン酸n−ブチル、2−ブロモ−5−(3−ニトロフェニル)ペンタン酸n−ブチル、2−ブロモ−5−(4−フェノキシフェニル)ペンタン酸n−ブチル、2−ブロモ−5−(4−ジメチルアミノフェニル)ペンタン酸n−ブチル、2−ブロモ−5−(4−メトキシカルボニルフェニル)ペンタン酸n−ブチル、
【0018】
2−ヨード−5−フェニルペンタン酸メチル、2−ヨード−5−(2−メチルフェニル)ペンタン酸メチル、2−ヨード−5−(3−メチルフェニル)ペンタン酸メチル、2−ヨード−5−(4−メチルフェニル)ペンタン酸メチル、2−ヨード−5−(4−エチルフェニル)ペンタン酸メチル、2−ヨード−5−(2−メトキシフェニル)ペンタン酸メチル、2−ヨード−5−(3−メトキシフェニル)ペンタン酸メチル、2−ヨード−5−(4−メトキシフェニル)ペンタン酸メチル、2−ヨード−5−(4−エトキシフェニル)ペンタン酸メチル、2−ヨード−5−(4−tert−ブトキシフェニル)ペンタン酸メチル、2−ヨード−5−(2,4−ジメチルフェニル)ペンタン酸メチル、2−ヨード−5−(2,4−ジメトキシフェニル)ペンタン酸メチル、2−ヨード−5−(2−クロロフェニル)ペンタン酸メチル、2−ヨード−5−(4−フルオロフェニル)ペンタン酸メチル、2−ヨード−5−(4−クロロフェニル)ペンタン酸メチル、2−ヨード−5−(4−ブロモフェニル)ペンタン酸メチル、2−ヨード−5−(3−ニトロフェニル)ペンタン酸メチル、2−ヨード−5−(4−フェノキシフェニル)ペンタン酸メチル、2−ヨード−5−(4−ジメチルアミノフェニル)ペンタン酸メチル、2−ヨード−5−(4−メトキシカルボニルフェニル)ペンタン酸メチル等が挙げられる。
【0019】
本発明は、2−ハロカルボン酸エステル化合物(1)の一方の光学活性体を優先的に加水分解する能力を有する酵素、または該酵素の産生能を有する微生物の培養物もしくはその処理物を、2−ハロカルボン酸エステル化合物(1)に接触せしめ、式(2)

(式中、R、RおよびXは上記と同一の意味を表わし、*は不斉炭素原子であることを表わす。)
で示される光学活性2−ハロカルボン酸化合物(以下、光学活性2−ハロカルボン酸化合物(2)と略記する。)および式(3)

(式中、R、R、R、Xおよび*は上記と同一の意味を表わす。)
で示される光学活性2−ハロカルボン酸エステル化合物(以下、光学活性2−ハロカルボン酸エステル化合物(3)と略記する。)を製造するものである。
【0020】
まず、2−ハロカルボン酸エステル化合物(1)の一方の光学活性体を優先的に加水分解する能力を有する酵素(以下、本酵素と称することもある。)について説明する。かかる本酵素としては、例えばアルスロバクター(Arthrobacter)属に属する微生物、アスペルギルス(Aspergillus)属に属する微生物、バークホルデリア(Burkholderia)属に属する微生物、クロモバクテリウム(Chromobacterium)属に属する微生物、フミコーラ(Humicola)属に属する微生物、ペニシリウム(Penicillium)属に属する微生物、シュードモナス(Pseudomonas)属に属する微生物、リゾプス(Rhizopus)属に属する微生物等を起源とする加水分解酵素が挙げられ、アルスロバクター(Arthrobacter)属に属する微生物、アスペルギルス(Aspergillus)属に属する微生物、クロモバクテリウム(Chromobacterium)属に属する微生物またはフミコーラ(Humicola)属に属する微生物を起源とする酵素が好ましい。
【0021】
さらに具体的には、アルスロバクター・ラモサス(Arthrobacter ramosus)、アスペルギルス・フラバス(Aspergillus flavus)、バークホルデリア・セパシア(Burkholderia cepacia)、バークホルデリア・エスピー(Burkholderia sp.)、クロモバクテリウム・エスピー(Chromobacterium sp.)、フミコーラ・エスピー(Humicola sp.)、ペニシリウム・ロケフォルティ(Penicillium roqueforti)、シュードモナス・フルオレッセンス(Pseudomonas fluorescens)、シュードモナス・エスピー(Pseudomonas sp.)、シュードモナス・セパシア(Pseudomonas cepacia)、リゾプス・ニヴェウス(Rhizopus niveus)等の微生物を起源とする酵素が挙げられ、アルスロバクター・ラモサス(Arthrobacter ramosus)、アスペルギルス・フラバス(Aspergillus flavus)、クロモバクテリウム・エスピー(Chromobacterium sp.)またはフミコーラ・エスピー(Humicola sp.)の微生物を起源とする酵素が好ましい。
【0022】
また、これら微生物に突然変異剤を作用させたり、紫外線照射処理したりすることにより誘導された突然変異体由来の酵素であって、2−ハロカルボン酸エステル化合物(1)の一方の光学活性体を優先的に加水分解する能力を有する酵素も用いることができる。また、前記微生物が有する本酵素をコードする遺伝子が導入され形質転換された組換え微生物により産生される酵素や遺伝子工学的手法により上記本酵素のアミノ酸配列中の特定のアミノ酸が1個ないしは数個、欠失、付加あるいは置換されてなる変異型酵素であって、2−ハロカルボン酸エステル化合物(1)の一方の光学活性体を優先的に加水分解する能力を有する酵素も用いることができる。
【0023】
本酵素をコードする遺伝子が導入され形質転換された組換え微生物を作製する方法としては、例えばJ.Sambrook,E.F.Fritsch,T.Maniatis著,モレキュラー クローニング 第2版(Molecular Cloning 2nd Edition)、コールド スプリング ハーバー ラボラトリー(Cold Spring Harbor Laboratory)発行,1989年等に記載の通常の遺伝子工学的手法に準じた方法が挙げられる。さらに具体的には、例えば特開2001−46084号公報、特開平10−210975号公報、特開平5−56787号公報等に記載の方法に準じた方法が挙げられる。かかる方法により作製される組換え微生物によって産生される酵素としては、例えばアスペルギルス・フラバス(Aspergillus flavus)ATCC11492株由来のエステラーゼ(特開平2001−46084号公報)、バークホルデリア・セパシア(Burkholderia cepacia)SC−20株(FERM P−17406)由来のリパーゼ(特開平10−210975号公報)、アルスロバクター(Arthrobacter)SC−6−98−28株(FERM BP−3658)由来のエステラーゼ(特開平5−56787号公報)等が挙げられる。
【0024】
また、遺伝子工学的手法による変異型酵素を作製する方法としては、例えばOlfert Landtらの方法(Gene 96 125−128 1990)等が挙げられる。さらに具体的には、特開平7−213280号公報等に記載の方法に準じた方法が挙げられる。かかる方法により作製される変異型酵素としては、例えばクロモバクテリウム(Chromobacterium)SC−YM−1株由来のエステラーゼから作製される変異型エステラーゼまたはリパーゼ等が挙げられる。
【0025】
2−ハロカルボン酸エステル化合物(1)の一方の光学活性体を優先的に加水分解する能力を有し、S体の光学活性2−ハロカルボン酸化合物(2)およびR体の光学活性2−ハロカルボン酸エステル化合物(3)を選択的に生成する酵素としては、例えばリパーゼN「アマノ」 (Rhizopus niveus由来)、リパーゼAK(Pseudomonas fluorescens由来)(以上、天野エンザイム社製)、キラザイムL−1(Burkholderia sp.由来)、キラザイムL−8(Humicola sp.由来)(以上、ベーリンガー・マンハイム(Boehringer Mannheim)社製)、アルスロバクター(Arthrobacter)SC−6−98−28株(FERM BP−3658)由来のエステラーゼ、バークホルデリア・セパシア(Burkholderia cepacia)SC−20株(FERM P−17406)由来のリパーゼ等が挙げられる。
【0026】
また、2−ハロカルボン酸エステル化合物(1)の一方の光学活性体を優先的に加水分解する能力を有し、R体の光学活性2−ハロカルボン酸化合物(2)およびS体の光学活性2−ハロカルボン酸エステル化合物(3)を選択的に生成する酵素としては、例えばリパーゼAH(Pseudomonas cepacia由来)、リパーゼR「アマノ」(Penicilum roqueforti由来)、リパーゼPS「アマノ」(Burkholderia cepacia由来)(以上、天野エンザイム社製)、キラザイムL−6(Pseudomonas sp.由来)(ベーリンガー・マンハイム(Boehringer Mannheim)社製)、アスペルギルス・フラバス(Aspergillus flavus)ATCC11492株由来のエステラーゼ、クロモバクテリウム(Chromobacterium)SC−YM−1株由来のエステラーゼ等が挙げられる。
【0027】
これら微生物は、通常用いられる培養方法により培養することができる。用いられる培地としては、通常の微生物培養に使用される炭素源、窒素源、有機塩、無機塩等を適宜含有する各種の微生物を培養するための培地が挙げられる。炭素源としては、例えばグルコース、スクロース、グリセロール、でんぷん、有機酸、廃糖蜜等が挙げられ、窒素源としては、例えば、酵母エキス、肉エキス、ペプトン、カザミノ酸、麦芽エキス、大豆粉、コーンスティプリカー(corn steep liquor)、綿実粉、乾燥酵母、硫安、硝酸ナトリウム等が挙げられ、有機塩および無機塩としては、例えば塩化ナトリウム、塩化カリウム、炭酸ナトリウム、リン酸2水素1カリウム、リン酸1水素2カリウム、炭酸カルシウム、酢酸アンモニウム、硫酸マグネシウム、硫酸銅、硫酸亜鉛、硫酸第1鉄、塩化コバルト等が挙げられる。
【0028】
培養方法としては、例えば固体培養、液体培養(例えば試験管培養、フラスコ培養、ジャーファーメンター培養等)等が挙げられる。培養温度および培養液のpHは、前記微生物が生育する範囲であれば特に限定されるものではないが、培養温度としては、約15〜45℃の範囲、培養液のpHとしては、約4〜8の範囲が好ましい。培養時間は、培養条件により適宜選択することができ、通常約1〜7日間の範囲である。
【0029】
かくして微生物の培養物が得られ、前記のとおり、得られた培養物をそのまま用いてもよいし、該培養物を精製して酵素を得、得られた酵素を用いてもよい。培養物を精製する方法としては、通常用いられる酵素の精製方法が挙げられる。例えば超音波処理、ダイノミル処理あるいはフレンチプレス処理等により前記培養物中の菌体を破砕した後、遠心分離等により不溶物を除去し、例えば陽イオン交換カラムクロマトグラフィー、陰イオン交換カラムクロマトグラフィー、疎水カラムクロマトグラフィー、ゲル濾過カラムクロマトグラフィー等のカラムクロマトグラフィー処理する方法が挙げられる。なお、かかるカラムクロマトグラフィー処理に使用する担体としては、例えばDEAE−Sepharose fastflow(アマシャム・ファルマシア・バイオテク社製)、Butyl−Toyopearl650S(東洋曹達工業株式会社製)等が挙げられる。
【0030】
かかる酵素またはその培養物の処理物としては、例えば培養して得られた菌体を凍結乾燥処理したもの、例えばアセトン、エタノール等の有機溶媒で処理したもの、例えばアルカリ処理したもの、例えば物理的にもしくは酵素的に破砕処理したもの、これらのものから分離・抽出された粗酵素等が挙げられる。また、これらを、公知の方法により固定化処理したものを用いてもよい。固定化処理方法としては、例えばシリカゲル、セラミック等の無機担体や、例えばセルロース、イオン交換樹脂等の担体に吸着させる担体結合方法、例えばポリアクリルアミド法、含硫多糖ゲル法(例えばカラギーナンゲル法)、アルギン酸ゲル法、寒天ゲル法等が挙げられる。
【0031】
続いて、2−ハロカルボン酸エステル化合物(1)の一方の光学活性体を優先的に加水分解する能力を有する酵素、または該酵素の産生能を有する微生物の培養物もしくはその処理物を、2−ハロカルボン酸エステル化合物(1)に接触せしめ、光学活性2−ハロカルボン酸化合物(2)および光学活性2−ハロカルボン酸エステル化合物(3)を製造する方法について説明する。
【0032】
かかる本酵素は、目的とする光学活性2−ハロカルボン酸化合物(2)および光学活性2−ハロカルボン酸エステル化合物(3)の立体配置に応じて適宜選択すればよい。
【0033】
2−ハロカルボン酸エステル化合物(1)に接触させる酵素の使用量は、例えば精製酵素、粗酵素、または市販の酵素を用いる場合には、2−ハロカルボン酸エステル化合物(1)に対して、通常0.001〜2重量倍、好ましくは0.002〜0.5重量倍であり、微生物培養物、菌体、またはそれらの処理物を用いる場合には、2−ハロカルボン酸エステル化合物(1)に対して、通常0.01〜200重量倍程度、好ましくは0.1〜50重量倍程度である。
【0034】
2−ハロカルボン酸エステル化合物(1)と酵素とは、通常水中で混合、接触させられる。かかる水の使用量は、2−ハロカルボン酸エステル化合物に対して、通常0.5モル倍以上であり、その上限は特に制限されず、例えば溶媒として大過剰量用いてもよい。また、緩衝剤の共存下に、2−ハロカルボン酸エステル化合物(1)と酵素とを接触させてもよく、緩衝剤としては、例えばリン酸ナトリウム、リン酸カリウム等のリン酸アルカリ金属塩、例えば酢酸ナトリウム、酢酸カリウム等の酢酸アルカリ金属塩等が挙げられる。かかる緩衝剤の使用量は、用いた緩衝剤が有効に機能する量であれば特に限定されない。
【0035】
また、有機溶媒の共存下に、2−ハロカルボン酸エステル化合物(1)と酵素とを接触させてもよく、有機溶媒としては、例えばtert−ブチルメチルエーテル、イソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、例えばトルエン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、オクタン、イソオクタン等の炭化水素系溶媒、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、tert−ブタノール等のアルコール系溶媒、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド系溶媒、例えばアセトン等のケトン系溶媒、例えばアセトニトリル等のニトリル系溶媒、例えばN,N−ジメチルホルムアミド等のアミド系溶媒等の単独もしくは混合溶媒が挙げられる。かかる有機溶媒の使用量は、2−ハロカルボン酸エステル化合物(1)に対して、通常200重量倍以下、好ましくは100重量倍以下である。
【0036】
反応温度は、高すぎると酵素の安定性が低下する傾向にあり、また低すぎると反応速度が低下する傾向にあるため、通常5〜65℃程度、好ましくは20〜50℃程度である。
【0037】
また、反応系内のpHは、反応が進行する範囲であれば適宜変化させることができるが、通常pH4〜10の範囲、好ましくはpH6〜8の範囲で反応が実施される。反応の進行に伴い、反応系内のpHが変化する場合には、例えば塩基を加え、反応系内のpHを適宜選択された範囲内に調整しながら反応を実施してもよい。かかる塩基としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物、例えば炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸塩、例えば炭酸カルシウム等のアルカリ土類金属炭酸塩、例えば炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等のアルカリ金属炭酸水素塩、例えばリン酸2水素1ナトリウム、リン酸1水素2ナトリウム、リン酸2水素1カリウム、リン酸1水素2カリウム等のアルカリ金属リン酸水素塩、例えばトリエチルアミン、ピリジン等の有機塩基、アンモニア等が挙げられる。かかる塩基は、単独もしくは2種類以上を混合して用いてもよい。かかる塩基は、そのまま用いてもよいし、水溶液として用いてもよい。また、前記有機溶媒もしくは有機溶媒と水との混合溶媒に、溶解もしくは懸濁させて用いてもよい。
【0038】
2−ハロカルボン酸エステル化合物(1)と本酵素とを接触させることにより、2−ハロカルボン酸エステル化合物(1)の一方の光学活性体を優先的に加水分解され、光学活性2−ハロカルボン酸化合物(2)および光学活性2−ハロカルボン酸エステル化合物(3)が得られる。光学活性2−ハロカルボン酸化合物(2)は、比較的水に溶けやすく、光学活性2−ハロカルボン酸エステル化合物(3)は、比較的水に溶けにくいため、反応終了後、反応液に、必要に応じて水に不溶の有機溶媒を加え、分液処理することにより、光学活性2−ハロカルボン酸化合物を含む水層と光学活性2−ハロカルボン酸エステル化合物を含む有機層とを得ることができ、生成した光学活性2−ハロカルボン酸化合物(2)と光学活性2−ハロカルボン酸エステル化合物(3)とを、容易に分離することができる。なお、反応液中に不溶分が存在する場合には、分液処理の前もしくは後にかかる不溶分を濾別することが好ましい。
【0039】
水に不溶の有機溶媒としては、例えばtert−ブチルメチルエーテル、イソプロピルエーテル等のエーテル系溶媒、例えばトルエン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、オクタン、イソオクタン等の炭化水素系溶媒、例えばジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素系溶媒、例えば酢酸エチル、酢酸n−ブチル等のエステル系溶媒等の単独もしくは混合溶媒が挙げられ、その使用量は特に制限されない。
【0040】
得られた光学活性2−ハロカルボン酸化合物を含む水層を濃縮処理することにより、光学活性2−ハロカルボン酸化合物(2)を取り出すことができる。取り出した光学活性2−ハロカルボン酸化合物(2)は、例えば再結晶、カラムクロマトグラフィー等の通常の精製手段によりさらに精製してもよい。
【0041】
かくして得られる光学活性2−ハロカルボン酸化合物(2)としては、例えば光学活性2−ブロモ−5−フェニルペンタン酸、光学活性2−ブロモ−5−(2−メチルフェニル)ペンタン酸、光学活性2−ブロモ−5−(3−メチルフェニル)ペンタン酸、光学活性2−ブロモ−5−(4−メチルフェニル)ペンタン酸、光学活性2−ブロモ−5−(4−エチルフェニル)ペンタン酸、光学活性2−ブロモ−5−(2−メトキシフェニル)ペンタン酸、光学活性2−ブロモ−5−(3−メトキシフェニル)ペンタン酸、光学活性2−ブロモ−5−(4−メトキシフェニル)ペンタン酸、光学活性2−ブロモ−5−(4−エトキシフェニル)ペンタン酸、光学活性2−ブロモ−5−(4−tert−ブトキシフェニル)ペンタン酸、光学活性2−ブロモ−5−(2,4−ジメチルフェニル)ペンタン酸、光学活性2−ブロモ−5−(2,4−ジメトキシフェニル)ペンタン酸、光学活性2−ブロモ−5−(2−クロロフェニル)ペンタン酸、光学活性2−ブロモ−5−(4−フルオロフェニル)ペンタン酸、光学活性2−ブロモ−5−(4−クロロフェニル)ペンタン酸、光学活性2−ブロモ−5−(4−ブロモフェニル)ペンタン酸、光学活性2−ブロモ−5−(3−ニトロフェニル)ペンタン酸、光学活性2−ブロモ−5−(4−フェノキシフェニル)ペンタン酸、光学活性2−ブロモ−5−(4−ジメチルアミノフェニル)ペンタン酸、光学活性2−ブロモ−5−(4−メトキシカルボニルフェニル)ペンタン酸、
【0042】
光学活性2−ヨード−5−フェニルペンタン酸、光学活性2−ヨード−5−(2−メチルフェニル)ペンタン酸、光学活性2−ヨード−5−(3−メチルフェニル)ペンタン酸、光学活性2−ヨード−5−(4−メチルフェニル)ペンタン酸、光学活性2−ヨード−5−(4−エチルフェニル)ペンタン酸、光学活性2−ヨード−5−(2−メトキシフェニル)ペンタン酸、光学活性2−ヨード−5−(3−メトキシフェニル)ペンタン酸、光学活性2−ヨード−5−(4−メトキシフェニル)ペンタン酸、光学活性2−ヨード−5−(4−エトキシフェニル)ペンタン酸、光学活性2−ヨード−5−(4−tert−ブトキシフェニル)ペンタン酸、光学活性2−ヨード−5−(2,4−ジメチルフェニル)ペンタン酸、光学活性2−ヨード−5−(2,4−ジメトキシフェニル)ペンタン酸、光学活性2−ヨード−5−(2−クロロフェニル)ペンタン酸、光学活性2−ヨード−5−(4−フルオロフェニル)ペンタン酸、光学活性2−ヨード−5−(4−クロロフェニル)ペンタン酸、光学活性2−ヨード−5−(4−ブロモフェニル)ペンタン酸、光学活性2−ヨード−5−(3−ニトロフェニル)ペンタン酸、光学活性2−ヨード−5−(4−フェノキシフェニル)ペンタン酸、光学活性2−ヨード−5−(4−ジメチルアミノフェニル)ペンタン酸、光学活性2−ヨード−5−(4−メトキシカルボニルフェニル)ペンタン酸等が挙げられる。
【0043】
また、得られた光学活性2−ハロカルボン酸エステル化合物(3)を含む有機層を濃縮処理することにより、光学活性2−ハロカルボン酸エステル化合物(3)を取り出すことができる。取り出した光学活性2−ハロカルボン酸エステル化合物(3)は、例えば再結晶、カラムクロマトグラフィー等の通常の精製手段により、さらに精製してもよい。
【0044】
かくして得られる光学活性2−ハロカルボン酸エステル化合物(3)としては、例えば光学活性2−ブロモ−5−フェニルペンタン酸メチル、光学活性2−ブロモ−5−(2−メチルフェニル)ペンタン酸メチル、光学活性2−ブロモ−5−(3−メチルフェニル)ペンタン酸メチル、光学活性2−ブロモ−5−(4−メチルフェニル)ペンタン酸メチル、光学活性2−ブロモ−5−(4−エチルフェニル)ペンタン酸メチル、光学活性2−ブロモ−5−(2−メトキシフェニル)ペンタン酸メチル、光学活性2−ブロモ−5−(3−メトキシフェニル)ペンタン酸メチル、光学活性2−ブロモ−5−(4−メトキシフェニル)ペンタン酸メチル、光学活性2−ブロモ−5−(4−エトキシフェニル)ペンタン酸メチル、光学活性2−ブロモ−5−(4−tert−ブトキシフェニル)ペンタン酸メチル、光学活性2−ブロモ−5−(2,4−ジメチルフェニル)ペンタン酸メチル、光学活性2−ブロモ−5−(2,4−ジメトキシフェニル)ペンタン酸メチル、光学活性2−ブロモ−5−(2−クロロフェニル)ペンタン酸メチル、光学活性2−ブロモ−5−(4−フルオロフェニル)ペンタン酸メチル、光学活性2−ブロモ−5−(4−クロロフェニル)ペンタン酸メチル、光学活性2−ブロモ−5−(4−ブロモフェニル)ペンタン酸メチル、光学活性2−ブロモ−5−(3−ニトロフェニル)ペンタン酸メチル、光学活性2−ブロモ−5−(4−フェノキシフェニル)ペンタン酸メチル、光学活性2−ブロモ−5−(4−ジメチルアミノフェニル)ペンタン酸メチル、光学活性2−ブロモ−5−(4−メトキシカルボニルフェニル)ペンタン酸メチル、
【0045】
光学活性2−ブロモ−5−フェニルペンタン酸エチル、光学活性2−ブロモ−5−(2−メチルフェニル)ペンタン酸エチル、光学活性2−ブロモ−5−(3−メチルフェニル)ペンタン酸エチル、光学活性2−ブロモ−5−(4−メチルフェニル)ペンタン酸エチル、光学活性2−ブロモ−5−(4−エチルフェニル)ペンタン酸エチル、光学活性2−ブロモ−5−(2−メトキシフェニル)ペンタン酸エチル、光学活性2−ブロモ−5−(3−メトキシフェニル)ペンタン酸エチル、光学活性2−ブロモ−5−(4−メトキシフェニル)ペンタン酸エチル、光学活性2−ブロモ−5−(4−エトキシフェニル)ペンタン酸エチル、光学活性2−ブロモ−5−(4−tert−ブトキシフェニル)ペンタン酸エチル、光学活性2−ブロモ−5−(2,4−ジメチルフェニル)ペンタン酸エチル、光学活性2−ブロモ−5−(2,4−ジメトキシフェニル)ペンタン酸エチル、光学活性2−ブロモ−5−(2−クロロフェニル)ペンタン酸エチル、光学活性2−ブロモ−5−(4−フルオロフェニル)ペンタン酸エチル、光学活性2−ブロモ−5−(4−クロロフェニル)ペンタン酸エチル、光学活性2−ブロモ−5−(4−ブロモフェニル)ペンタン酸エチル、光学活性2−ブロモ−5−(3−ニトロフェニル)ペンタン酸エチル、光学活性2−ブロモ−5−(4−フェノキシフェニル)ペンタン酸エチル、光学活性2−ブロモ−5−(4−ジメチルアミノフェニル)ペンタン酸エチル、光学活性2−ブロモ−5−(4−メトキシカルボニルフェニル)ペンタン酸エチル、
【0046】
光学活性2−ブロモ−5−フェニルペンタン酸n−プロピル、光学活性2−ブロモ−5−(2−メチルフェニル)ペンタン酸n−プロピル、光学活性2−ブロモ−5−(3−メチルフェニル)ペンタン酸n−プロピル、光学活性2−ブロモ−5−(4−メチルフェニル)ペンタン酸n−プロピル、光学活性2−ブロモ−5−(4−エチルフェニル)ペンタン酸n−プロピル、光学活性2−ブロモ−5−(2−メトキシフェニル)ペンタン酸n−プロピル、光学活性2−ブロモ−5−(3−メトキシフェニル)ペンタン酸n−プロピル、光学活性2−ブロモ−5−(4−メトキシフェニル)ペンタン酸n−プロピル、光学活性2−ブロモ−5−(4−エトキシフェニル)ペンタン酸n−プロピル、光学活性2−ブロモ−5−(4−tert−ブトキシフェニル)ペンタン酸n−プロピル、光学活性2−ブロモ−5−(2,4−ジメチルフェニル)ペンタン酸n−プロピル、光学活性2−ブロモ−5−(2,4−ジメトキシフェニル)ペンタン酸n−プロピル、光学活性2−ブロモ−5−(2−クロロフェニル)ペンタン酸n−プロピル、光学活性2−ブロモ−5−(4−フルオロフェニル)ペンタン酸n−プロピル、光学活性2−ブロモ−5−(4−クロロフェニル)ペンタン酸n−プロピル、光学活性2−ブロモ−5−(4−ブロモフェニル)ペンタン酸n−プロピル、光学活性2−ブロモ−5−(3−ニトロフェニル)ペンタン酸n−プロピル、光学活性2−ブロモ−5−(4−フェノキシフェニル)ペンタン酸n−プロピル、光学活性2−ブロモ−5−(4−ジメチルアミノフェニル)ペンタン酸n−プロピル、光学活性2−ブロモ−5−(4−メトキシカルボニルフェニル)ペンタン酸n−プロピル、
【0047】
光学活性2−ブロモ−5−フェニルペンタン酸イソプロピル、光学活性2−ブロモ−5−(2−メチルフェニル)ペンタン酸イソプロピル、光学活性2−ブロモ−5−(3−メチルフェニル)ペンタン酸イソプロピル、光学活性2−ブロモ−5−(4−メチルフェニル)ペンタン酸イソプロピル、光学活性2−ブロモ−5−(4−エチルフェニル)ペンタン酸イソプロピル、光学活性2−ブロモ−5−(2−メトキシフェニル)ペンタン酸イソプロピル、光学活性2−ブロモ−5−(3−メトキシフェニル)ペンタン酸イソプロピル、光学活性2−ブロモ−5−(4−メトキシフェニル)ペンタン酸イソプロピル、光学活性2−ブロモ−5−(4−エトキシフェニル)ペンタン酸イソプロピル、光学活性2−ブロモ−5−(4−tert−ブトキシフェニル)ペンタン酸イソプロピル、光学活性2−ブロモ−5−(2,4−ジメチルフェニル)ペンタン酸イソプロピル、光学活性2−ブロモ−5−(2,4−ジメトキシフェニル)ペンタン酸イソプロピル、光学活性2−ブロモ−5−(2−クロロフェニル)ペンタン酸イソプロピル、光学活性2−ブロモ−5−(4−フルオロフェニル)ペンタン酸イソプロピル、光学活性2−ブロモ−5−(4−クロロフェニル)ペンタン酸イソプロピル、光学活性2−ブロモ−5−(4−ブロモフェニル)ペンタン酸イソプロピル、光学活性2−ブロモ−5−(3−ニトロフェニル)ペンタン酸イソプロピル、光学活性2−ブロモ−5−(4−フェノキシフェニル)ペンタン酸イソプロピル、光学活性2−ブロモ−5−(4−ジメチルアミノフェニル)ペンタン酸イソプロピル、光学活性2−ブロモ−5−(4−メトキシカルボニルフェニル)ペンタン酸イソプロピル、
【0048】
光学活性2−ブロモ−5−フェニルペンタン酸n−ブチル、光学活性2−ブロモ−5−(2−メチルフェニル)ペンタン酸n−ブチル、光学活性2−ブロモ−5−(3−メチルフェニル)ペンタン酸n−ブチル、光学活性2−ブロモ−5−(4−メチルフェニル)ペンタン酸n−ブチル、光学活性2−ブロモ−5−(4−エチルフェニル)ペンタン酸n−ブチル、光学活性2−ブロモ−5−(2−メトキシフェニル)ペンタン酸n−ブチル、光学活性2−ブロモ−5−(3−メトキシフェニル)ペンタン酸n−ブチル、光学活性2−ブロモ−5−(4−メトキシフェニル)ペンタン酸n−ブチル、光学活性2−ブロモ−5−(4−エトキシフェニル)ペンタン酸n−ブチル、光学活性2−ブロモ−5−(4−tert−ブトキシフェニル)ペンタン酸n−ブチル、光学活性2−ブロモ−5−(2,4−ジメチルフェニル)ペンタン酸n−ブチル、光学活性2−ブロモ−5−(2,4−ジメトキシフェニル)ペンタン酸n−ブチル、光学活性2−ブロモ−5−(2−クロロフェニル)ペンタン酸n−ブチル、光学活性2−ブロモ−5−(4−フルオロフェニル)ペンタン酸n−ブチル、光学活性2−ブロモ−5−(4−クロロフェニル)ペンタン酸n−ブチル、光学活性2−ブロモ−5−(4−ブロモフェニル)ペンタン酸n−ブチル、光学活性2−ブロモ−5−(3−ニトロフェニル)ペンタン酸n−ブチル、光学活性2−ブロモ−5−(4−フェノキシフェニル)ペンタン酸n−ブチル、光学活性2−ブロモ−5−(4−ジメチルアミノフェニル)ペンタン酸n−ブチル、光学活性2−ブロモ−5−(4−メトキシカルボニルフェニル)ペンタン酸n−ブチル、
【0049】
光学活性2−ヨード−5−フェニルペンタン酸メチル、光学活性2−ヨード−5−(2−メチルフェニル)ペンタン酸メチル、光学活性2−ヨード−5−(3−メチルフェニル)ペンタン酸メチル、光学活性2−ヨード−5−(4−メチルフェニル)ペンタン酸メチル、光学活性2−ヨード−5−(4−エチルフェニル)ペンタン酸メチル、光学活性2−ヨード−5−(2−メトキシフェニル)ペンタン酸メチル、光学活性2−ヨード−5−(3−メトキシフェニル)ペンタン酸メチル、光学活性2−ヨード−5−(4−メトキシフェニル)ペンタン酸メチル、光学活性2−ヨード−5−(4−エトキシフェニル)ペンタン酸メチル、光学活性2−ヨード−5−(4−tert−ブトキシフェニル)ペンタン酸メチル、光学活性2−ヨード−5−(2,4−ジメチルフェニル)ペンタン酸メチル、光学活性2−ヨード−5−(2,4−ジメトキシフェニル)ペンタン酸メチル、光学活性2−ヨード−5−(2−クロロフェニル)ペンタン酸メチル、光学活性2−ヨード−5−(4−フルオロフェニル)ペンタン酸メチル、光学活性2−ヨード−5−(4−クロロフェニル)ペンタン酸メチル、光学活性2−ヨード−5−(4−ブロモフェニル)ペンタン酸メチル、光学活性2−ヨード−5−(3−ニトロフェニル)ペンタン酸メチル、光学活性2−ヨード−5−(4−フェノキシフェニル)ペンタン酸メチル、光学活性2−ヨード−5−(4−ジメチルアミノフェニル)ペンタン酸メチル、光学活性2−ヨード−5−(4−メトキシカルボニルフェニル)ペンタン酸メチル等が挙げられる。
【0050】
なお、2−ハロカルボン酸エステル化合物(1)は、例えば式(4)

(式中、R、RおよびRは上記と同一の意味を表わす。)
で示される化合物と臭化チオニルとを反応させる方法(例えばR.C.Larock著,Comprehensive Organic Transformations,2nd Ed.,VCH Publishers Inc.,New York(1999)等参照)、例えば塩酸、臭化水素水、硫酸水溶液等の酸の水溶液中で、式(5)

(式中、RおよびRは上記と同一の意味を表わす。)
で示される化合物に、例えば亜硝酸ナトリウム等のジアゾ化剤を作用させた後、さらに例えば臭化カリウム、臭化ナトリウム、臭化リチウム水溶液等のアルカリ金属臭化物を作用させ(例えばSynthesis,583(1999)、Tetrahedron Lett.,87(1971)等参照)、得られる式(6)

(式中、RおよびRは上記と同一の意味を表わす。)
で示される化合物を、通常の方法によりエステル化する方法等により製造することができる。式(5)で示される化合物は、例えばTetrahedron Asymmetry,,1919(1995)等に記載された方法に準じて製造することができる。
【実施例】
【0051】
以下、実施例により、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0052】
実施例1〜12
表1に示した酵素10mgを、100mMリン酸緩衝液(pH7.0)1mlに加えた。これに、参考例1で得た2−ブロモ−5−(4−メトキシフェニル)ペンタン酸メチル3mgをメタノールに溶解させた溶液100μLを加え、室温で、表2に記載の所定時間撹拌、反応させた。反応終了後、光学活性2−ブロモ−5−(4−メトキシフェニル)ペンタン酸および光学活性2−ブロモ−5−(4−メトキシフェニル)ペンタン酸メチルを含む反応液0.7mLを採取し、不溶物を濾別した。その後、アセトニトリル1.5mLで希釈し、高速液体クロマトグラフィー(転化率算出には、SUMIPAX ODS A−212カラム(6mmφ×15cm,5μm;住化分析センター社製)を、光学純度算出には、CHIRALCEL AD−RHカラム(4.6mmφ×25cm,5μm;ダイセル化学社製)をそれぞれ使用)にて分析し、転化率および光学純度を求めた。結果を表2に示す。
【0053】
【表1】


【0054】
【表2】

【0055】
参考例1
2−ヒドロキシ−5−(4−メトキシフェニル)ペンタン酸メチル1gおよびヘキサメチルリン酸トリアミド10mLとを混合した。室温で、これに、臭化チオニル1.5mLを加え、40時間攪拌、反応させた。反応終了後、反応液を水100mL中に注加し、トルエンで3回抽出処理した。得られた有機層を、1N塩酸、5重量%炭酸水素ナトリウム水溶液、さらに水で順次洗浄処理した。洗浄後の有機層を、減圧条件下で濃縮処理した。得られた濃縮残渣をシリカゲルクロマトグラフィにて精製処理し、2−ブロモ−5−(4−メトキシフェニル)ペンタン酸メチル1.2gを得た。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(1)

(式中、Rは低級アルキル基を表わし、RおよびRはそれぞれ同一または相異なって、水素原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルコキシ基、置換されていてもよいアリール基、置換されていてもよいアリールオキシ基、ニトロ基、二置換アミノ基、アルコキシカルボニル基またはハロゲン原子を表わす。ここで、RおよびRが隣接する炭素原子に結合しているときは、RおよびRが結合して、その結合炭素原子とともに環を形成してもよい。Xは臭素原子またはヨウ素原子を表わす。)
で示される2−ハロカルボン酸エステル化合物の一方の光学活性体を優先的に加水分解する能力を有する酵素、または該酵素の産生能を有する微生物の培養物もしくはその処理物を、前記式(1)で示される2−ハロカルボン酸エステル化合物に接触せしめることを特徴とする式(2)

(式中、R、RおよびXは上記と同一の意味を表わし、*は不斉炭素原子であることを表わす。)
で示される光学活性2−ハロカルボン酸化合物および式(3)

(式中、R、R、R、Xおよび*は上記と同一の意味を表わす。)
で示される光学活性2−ハロカルボン酸エステル化合物の製造方法。
【請求項2】
酵素が、アルスロバクター(Arthrobacter)属、アスペルギルス(Aspergillus)属、バークホルデリア(Burkholderia)属、クロモバクテリウム(Chromobacterium)属、フミコーラ(Humicola)属、またはシュードモナス(Pseudomonas)属の微生物を起源とする酵素である請求項1に記載の光学活性2−ハロカルボン酸化合物および光学活性2−ハロカルボン酸エステル化合物の製造方法。
【請求項3】
酵素が、アクロモバクター・ラモサス(Achromobacter ramosus)、アスペルギルス・フラヴァス(Aspergillus flavus)、バークホルデリア・セパシア(Burkholderia cepacia)、バークホルデリア・エスピー(Burkholderia sp.)、クロモバクテリウム・エスピー(Chromobacterium sp.)、フミコーラ・エスピー(Humicola sp.)、シュードモナス・エスピー(Pseudomonas sp.)またはシュードモナス・セパシア(Pseudomonas cepacia)の微生物を起源とする酵素である請求項1に記載の光学活性2−ハロカルボン酸化合物および光学活性2−ハロカルボン酸エステル化合物の製造方法。

【公開番号】特開2006−217805(P2006−217805A)
【公開日】平成18年8月24日(2006.8.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−31360(P2005−31360)
【出願日】平成17年2月8日(2005.2.8)
【出願人】(000002093)住友化学株式会社 (8,981)
【出願人】(000002912)大日本住友製薬株式会社 (332)
【Fターム(参考)】