説明

光学特性が改善され、および/または結晶化温度が上昇した清澄化ポリプロピレン物品

開示されるのは、光学特性が改善され、および/または結晶化温度が上昇したポリプロピレン物品であって、ポリプロピレン樹脂とその中に、約1ppm〜約10ppmのブルー、グリーン、マゼンタ、レッド、イエロー、オレンジおよびバイオレットの多環式有機顔料から選択される1つ以上の多環式有機顔料、ならびに約50ppm〜約250ppmの1つ以上の芳香族トリスアミド核形成剤を均一に分散して含むポリプロピレン物品であって、ここでppmのレベルは、ポリプロピレン樹脂の重量あたりの重量である。このポリプロピレンは、例えば、ポリプロピレンホモポリマーである。この物品は、ヘイズの減少、結晶化温度の上昇および優れた清澄性を示す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2009年12月7日出願の米国特許仮出願第61/267,219号の恩典を請求し、その内容が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、ヘイズが減少し、結晶化温度が上昇し、優れた清澄性を有するポリプロピレン物品を目標とする。
【背景技術】
【0003】
米国特許第7,423,088号および米国特許出願公開第2007/0149663号は、熱可塑性ポリマーのための核形成剤として芳香族トリスアミド化合物を教示する。
【0004】
米国特許出願公開第2007/0185247号は、低負荷のカーボンブラックとジベンジリデンソルビトールベースの清澄化剤とを一緒に含有するポリプロピレン物品を開示する。このポリプロピレン物品は、視覚的利点が向上していることが教示される。
【0005】
MILLAD NX8000は、Milliken,Spartanburg,North Carolinaから入手可能なポリプロピレンのための市販の清澄化剤である。これは、青みがかった色合いを有する。
【0006】
GrimmおよびWeiserは、「Transparent Coloration of Clarified ポリプロピレン for Packaging Applications」、RETEC Conference:Back to Basics、Cincinnati,Ohio,September 17〜19,2006,第241〜253頁の中で、透明で着色されたポリプロピレンのボトルを考察している。
【0007】
本明細書に列挙される米国特許および公開された出願は、その全体が参照により組み込まれる。
【0008】
光学特性が優れ、および/または結晶化温度が上昇したポリプロピレン物品であって、トリスアミド核形成剤を、低レベルの多環式の有機のブルー、グリーン、マゼンタ、レッド、イエロー、オレンジおよびバイオレットの顔料と一緒に含むポリプロピレン物品が調製され得ることが見出された。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
要旨
光学特性が改善され、および/または結晶化温度が上昇したポリプロピレン物品が開示され、この物品は、
ポリプロピレン樹脂、ならびにその中に、
約1ppm〜約10ppmのブルー、グリーン、マゼンタ、レッド、イエロー、オレンジおよびバイオレットの多環式有機顔料から選択される1つ以上の顔料と、
約50ppm〜約250ppmの1つ以上の芳香族トリスアミド核形成剤とを均一に分散して含み、
ここでppmのレベルは、ポリプロピレン樹脂の重量あたりの重量である。
【0010】
また、光学特性が改善され、および/または結晶化温度が上昇したポリプロピレン物品を提供するための方法が開示され、この方法は、ポリプロピレン樹脂中に均一に、
約1ppm〜約10ppmのブルー、グリーン、マゼンタ、レッド、イエロー、オレンジおよびバイオレットの多環式有機顔料から選択される1つ以上の多環式有機顔料、ならびに
約50ppm〜約250ppmの1つ以上の芳香族トリスアミド核形成剤を分散させることを含み、
ここでppmのレベルは、ポリプロピレン樹脂の重量あたりの重量である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
詳細な開示
ポリプロピレン樹脂は、例えば、ポリプロピレンホモポリマーである。
【0012】
ポリプロピレンホモポリマーはまた、長鎖の分岐したポリプロピレンを包含する。
【0013】
ポリプロピレンは、種々の方法によって調製され得る。例えば、以下である。
【0014】
周期表の第IVb、Vb、VIbまたはVIII族のうち2つ以上の金属を通常は含有する触媒を用いる、触媒重合化。これらの金属は通常は、1つ以上のリガンド、典型的には、酸化物類、ハロゲン化物類、アルコラート類、エステル類、エーテル類、アミン類、アルキル類、アルケニル類および/またはアリール類(π配位であってもσ配位であってもよい)を有する。これらの金属錯体は、遊離型であっても、または基板上に、典型的には活性化された塩化マグネシウム、塩化チタン(III)、アルミナまたは酸化ケイ素上に固定されていてもよい。これらの触媒は、重合化媒体中で可溶性であっても、または不溶性であってもよい。これらの触媒は、それ自体、重合化において用いられてもよく、またはさらなる活性化因子、典型的には金属アルキル類、金属水素化物類、金属アルキルハロゲン化物類、金属アルキル酸化物類または金属アルキルオキサン類が用いられてもよく、この金属は、周期表の第Ia、IIaおよび/またはIIIa族の元素である。この活性化因子は、さらにエステル、エーテル、アミンまたはシリルエーテル基で都合よく改変され得る。これらの触媒系は通常は、Phillips,Standard Oil Indiana、Ziegler(−Natta),TNZ (DuPont),メタロセンまたはシングルサイト触媒(SSC)と呼ばれる。
【0015】
本発明のさらなる実施形態によれば、ポリプロピレン樹脂は、ポリプロピレンのランダムコポリマー(共重合体)であって、交互しているか、またはセグメント化コポリマー(共重合体)もしくはブロックコポリマー(共重合体)であって、エチレン、C4−C20−α−オレフィン、ビニルシクロヘキサン、ビニルシクロヘキセン、C4−C20アルカンジエン、C5−C12シクロアルカンジエンおよびノルボルネン誘導体からなる群より選択される1つ以上のコモノマーを含有し;プロピレンおよびコモノマー(複数可)の総モル量は100%である。
【0016】
ポリプロピレンコポリマーはまた、長鎖分岐ポリプロピレンコポリマーを包含する。
【0017】
適切なC4−C20α−オレフィンの例は、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセン、および4−メチル−1−ペンテンである。
【0018】
適切なC4−C20アルカンジエンの例は、ヘキサジエンおよびオクタジエンである。
【0019】
適切なC5−C12シクロアルカンジエンの例は、シクロペンタジエン、シクロヘキサジエンおよびシクロオクタジエンである。
【0020】
適切なノルボルネン誘導体の例は、5−エチリデン−2−ノルボルネン(ENB)、ジシクロペンタジエン(DCP)およびメチレン−ドメチレン−ヘキサヒドロナフタリン(MEN)である。
【0021】
プロピレン/エチレンコポリマーは、例えば50〜99.9重量%、好ましくは80〜99.9重量%、詳細には90〜99.9重量%のプロピレンを含有する。
【0022】
コモノマーが、例えば、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセンまたは1−エイコセンのようなC9−C20α−オレフィン;C9−C20アルカンジエン、C9−C12シクロアルカンジエン、または例えば、5−エチリデン−2−ノルボルネン(ENB)またはメチレン−ドメチレン−ヘキサヒドロナフタリン(MEN)のようなノルボルネン誘導体であるプロピレンコポリマーは、好ましくは、90モル%を超える、詳細には90〜99.9モル%または90〜99モル%のプロピレンを含有する。
【0023】
コモノマーが、例えば、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテンまたは4−メチル−1−ペンテンのようなC4−C8α−オレフィン;ビニルシクロヘキサン、ビニルシクロヘキセン、C4−C8アルカンジエン、またはC5−C8シクロアルカンジエンであるプロピレンコポリマーは、好ましくは、80モル%を超える、詳細には80〜99.9モル%または80〜99モル%のプロピレンを含有する。
【0024】
ポリプロピレン樹脂のさらなる例は、プロピレン/イソブチレンコポリマー、プロピレン/ブタジエンコポリマー、プロピレン/シクロオレフィンコポリマー、プロピレンとエチレンおよびジエン、例えばヘキサジエン、ジシクロペンタジエンまたはエチリデン−ノルボルネンとのターポリマー;1−オレフィンが、インサイチュで生じるプロピレン/1−オレフィンコポリマー;およびプロピレン/一酸化炭素コポリマーである。
【0025】
本発明のポリプロピレンは、詳細には、ポリプロピレンホモポリマー、ポリプロピレンインパクト(異相性)コポリマー、それらの混合物、およびTPO、例えば、ポリプロピレンホモポリマーおよび耐衝撃性改良剤の混合物、例えば、EPDMまたはエチレン/α−オレフィンコポリマーである。
【0026】
TPO(熱可塑性オレフィン)は例えば、約10〜約90部のプロピレンホモポリマー、コポリマーまたはターポリマー、ならびに約90〜約10(重量)部のエチレンおよびC3−C8α−オレフィンのエラストマーのコポリマーである。このエラストマーのコポリマーは例えば、エチレン/プロピレンコポリマー(EPM)またはエチレン/プロピレン/非共役ジエン(EPDM)である。TPOは、例えば、参照により組み込まれる米国特許第6,048,942号に開示される。
【0027】
ポリプロピレンは、例えば、リアクター(例えば、メタロセン)およびビスブレークした(例えば、過酸化物類、ヒドロキシルアミンエステル類、熱的に破壊されたなど)の等級を含む。
【0028】
芳香族トリスアミド化合物は、例えば、その内容が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第7,423,088号および米国特許出願公開第2007/0149663号において教示される。
【0029】
芳香族トリスアミドは、例えば、式I
【0030】
【化1】

であって、
式中、
1、R2、R3、R4、R5およびR6はお互いに独立して、
水素、
1−C20アルキル、
2−C20アルキルであって、C1−C10アルキルアミノ、ジ(C1−C10アルキル)アミノ、C1−C10アルキルオキシまたはヒドロキシによって置換されるC2−C20アルキル;
3−C20アルケニル、
5−C12シクロアルキル、
5−C12シクロアルキルであって1、2または3つのC1−C10アルキルによって置換されるC5−C12シクロアルキル;
シクロヘキシルメチル;
シクロヘキシルメチルであって、1、2または3つのC1−C10アルキルによって置換されるシクロヘキシルメチル;
5−C9シクロアルケニル、
5−C9シクロアルケニルであって、1、2または3つのC1−C10アルキルによって置換されるC5−C9シクロアルケニル;
フェニルであって、C1−C10アルキル、C1−C10アルキルオキシ、ヒドロキシ、ハロゲン、トリハロゲンメチル、トリハロゲンメトキシ、ベンゾイル、フェニルアミノ、アシルアミノおよびフェニルアゾからなる群より選択される1、2または3つのラジカルによって置換されるフェニル;
7−C9フェニルアルキル、
7−C9フェニルアルキルであって、C1−C10アルキル、C1−C10アルコキシおよびヒドロキシからなる群より選択される1、2、または3つのラジカルによってフェニル上で置換されるC7−C9フェニルアルキル;
ナフチル、
1−C10アルキルによって置換されるナフチル;
アダマンチル、あるいは
5員〜6員の複素環式基である。
【0031】
1−C20アルキルの例は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、2−エチルブチル、n−ペンチル、イソペンチル、1−メチルペンチル、1,3−ジメチルブチル、n−ヘキシル、1−メチルヘキシル、n−ヘプチル、イソヘプチル、1,1,3,3−テトラメチルブチル、1−メチルヘプチル、3−メチルヘプチル、n−オクチル、2−エチルヘキシル、1,1,3−トリメチルヘキシル、1,1,3,3−テトラメチルペンチル、ノニル、デシル、ウンデシル、1−メチルウンデシル、ドデシル、1,1,3,3,5,5−ヘキサメチルヘキシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシルおよびエイコシルである。好ましい例は、ブチル、オクチルおよびオクタデシルである。
【0032】
1−C10アルキルアミノ、ジ(C1−C10アルキル)アミノ、C1−C10アルキルオキシまたはヒドロキシによって置換されるC2−C20アルキルの例は、3−メチルアミノプロピル、2−ジメチルアミノエチル、2−ジエチルアミノエチル、3−ジメチルアミノプロピル、3−ジエチルアミノプロピル、2−メトキシエチル、2−エトキシエチル、2−メトキシプロピル、3−メトキシプロピル、2−エトキシプロピル、3−イソプロポキシプロピルおよびヒドロキシエチルである。好ましい例は、3−ジメチルアミノプロピル、3−メトキシプロピルおよび2−メトキシエチルである。
【0033】
3−C20アルケニルの例は、アリル、2−メタリル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニルおよびオレイルである。1位の炭素原子は好ましくは飽和される。好ましい例は、アリルおよびオレイルである。
【0034】
5−C12シクロアルキルの例は、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチルおよびシクロドデシルである。好ましい例は、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチルおよびシクロドデシルである。
【0035】
1、2または3つのC1−C10アルキルによって置換されるC5−C12シクロアルキルの好ましい例は、3−メチルシクロヘキシルおよび2,3−ジメチルシクロヘキシルである。
【0036】
1、2または3つのC1−C10アルキルによって置換されるシクロヘキシルメチルの例は、1−シクロヘキシルエチルである。
【0037】
5−C9シクロアルケニルの例は、シクロヘキセニルである。
【0038】
1、2または3つのC1−C10アルキルによって置換されるC5−C9シクロアルケニルの例は、メチルシクロヘキセニルである。
【0039】
1−C10アルキル、C1−C10アルキルオキシ、ヒドロキシ、ハロゲン、トリハロゲンメチル、トリハロゲンメトキシ、ベンゾイル、フェニルアミノ、アシルアミノおよびフェニルアゾからなる群より選択される1、2または3つのラジカルによって置換されるフェニルの例は、4−メチルフェニル、2−エチルフェニル、4−エチルフェニル、4−イソプロピルフェニル、4−tert−ブチルフェニル、4−sec−ブチルフェニル、4−イソブチルフェニル、3,5−ジメチルフェニル、3,4−ジメチルフェニル、2,4−ジメチルフェニル、2,6−ジエチルフェニル、2−エチル−6−メチルフェニル、2,6−ジイソプロピルフェニル、4−メトキシフェニル、4−エトキシフェニル、4−ヒドロキシフェニル、4−フルオロフェニル、3,5−ジフルオロフェニル、2−クロロフェニル、3−クロロフェニル、3−クロロ−6−メチルフェニル、3,5−ジ(トリフルオロメチル)フェニル、4−トリフルオロメトキシフェニル、2−ベンゾイルフェニル、4−フェニルアミノフェニル、4−アセトアミドフェニルおよび4−(フェニルアゾ)フェニルである。好ましい例は、3,4−ジメチルフェニルである。
【0040】
7−C9フェニルアルキルの例は、ベンジルおよび2−フェニルエチルである。ベンジルが好ましい。
【0041】
1−C10アルキル、C1−C10アルコキシおよびヒドロキシからなる群より選択される1、2または3つのラジカルによってフェニル上で置換されるC7−C9フェニルアルキルの例は、メチルベンジル、ジメチルベンジル、トリメチルベンジル、tert−ブチルベンジル、メトキシベンジルおよび3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルである。
【0042】
1−C10アルキルによって置換されるナフチルの例は、メチルナフチルである。
【0043】
5員〜6員の複素環式基の例は、2−ピコリル、(2−フリル)メチル、(2−テトラヒドロフリル)メチル、2−ピリミジル、6−メチル−2−ピリジル、1,2,4−トリアゾール−3−イルおよび2−(1−ピペラジニル)エチルである。
【0044】
芳香族トリスアミドは例えば、式IIa、IIbまたはIIc
【0045】
【化2】

であって、
式中、
10、R20およびR30、またはY1、Y2およびY3、またはZ1、Z2およびZ3はお互いに独立して
1−C20アルキルであって、非置換であるかまたは1つ以上のヒドロキシによって置換されるC1−C20アルキル;
2−C20アルケニルであって、非置換であるかまたは1つ以上のヒドロキシによって置換されるC2−C20アルケニル;
2−C20アルキルであって、酸素またはイオウが介在しているC2−C20アルキル;
3−C12シクロアルキルであって、非置換であるかまたは1つ以上のC1−C20アルキルによって置換されるC3−C12シクロアルキル;
(C3−C12シクロアルキル)−C1−C10アルキルであって、非置換であるかまたは1つ以上のC1−C20アルキルによって置換される(C3−C12シクロアルキル)−C1−C10アルキル;
ビス[C3−C12シクロアルキル]−C1−C10アルキルであって、非置換であるかまたは1つ以上のC1−C20アルキルによって置換されるビス[C3−C12シクロアルキル]−C1−C10アルキル;
5〜20個の炭素原子を有する二環式または三環式の炭化水素基であって、非置換であるかまたは1つ以上のC1−C20アルキルによって置換される炭化水素基;
フェニルであって、非置換であるかまたはC1−C20アルキル、C1−C20アルコキシ、C1−C20アルキルアミノ、ジ(C1−C20アルキル)アミノ、ヒドロキシおよびニトロから選択される1つ以上のラジカルによって置換されるフェニル;
フェニル−C1−C20アルキルであって、非置換であるかまたはC1−C20アルキル、C3−C12シクロアルキル、フェニル、C1−C20アルコキシおよびヒドロキシから選択される1つ以上のラジカルによって置換されるフェニル−C1−C20アルキル;
フェニルエテニルであって、非置換であるかまたは1つ以上のC1−C20アルキルによって置換されるフェニルエテニル;
ビフェニル−(C1−C10アルキル)であって、非置換であるかまたは1つ以上のC1−C20アルキルによって置換されるビフェニル−(C1−C10アルキル);
ナフチルであって、非置換であるかまたは1つ以上のC1−C20アルキルによって置換されるナフチル;
ナフチル−C1−C20アルキルであって、非置換であるかまたは1つ以上のC1−C20アルキルによって置換されるナフチル−C1−C20アルキル;
ナフトキシメチルであって、非置換であるかまたは1つ以上のC1−C20アルキルによって置換されるナフトキシメチル;
ビフェニルエニル、フルオレニル、アントリル;
5員〜6員の複素環式基であって、非置換であるかまたは1つ以上のC1−C20アルキルによって置換される複素環式基;
1つ以上のハロゲンを含有するC1−C20炭化水素基;あるいは
トリ(C1−C10アルキル)シリル(C1−C10アルキル)であり;
ただしラジカルR10、R20およびR30、またはY1、Y2およびY3、またはZ1、Z2およびZ3のうちの少なくとも1つは、
分岐したC3−C20アルキルであって、非置換であるかまたは1つ以上のヒドロキシによって置換されるC3−C20アルキル;
2−C20アルキルであって、酸素またはイオウが介在しているC2−C20アルキル;
3−C12シクロアルキルであって、非置換であるかまたは1つ以上のC1−C20アルキルによって置換されるC3−C12シクロアルキル;
(C3−C12シクロアルキル)−C1−C10アルキルであって、非置換であるかまたは1つ以上のC1−C20アルキルによって置換される(C3−C12シクロアルキル)−C1−C10アルキル;
5〜20個の炭素原子を有する二環式または三環式の炭化水素基であって、非置換であるかまたは1つ以上のC1−C20アルキルによって置換される炭化水素基;
フェニルであって、非置換であるかまたはC1−C20アルキル、C1−C20アルコキシ、C1−C20アルキルアミノ、ジ(C1−C20アルキル)アミノ、ヒドロキシおよびニトロから選択される1つ以上のラジカルで置換されるフェニル;
フェニル−C1−C20アルキルであって、非置換であるかまたはC1−C20アルキル、C3−C12シクロアルキル、フェニル、C1−C20アルコキシおよびヒドロキシから選択される1つ以上のラジカルによって置換されるフェニル−C1−C20アルキル;
ビフェニル−(C1−C10アルキル)であって、非置換であるかまたは1つ以上のC1−C20アルキルによって置換されるビフェニル−(C1−C10アルキル);
ナフチル−C1−C20アルキルであって、非置換であるかまたは1つ以上のC1−C20アルキルによって置換されるナフチル−C1−C20アルキル;あるいは
トリ(C1−C10アルキル)シリル(C1−C10アルキル)である。
【0046】
好ましい実施形態によれば、ラジカルR10、R20およびR30、またはY1、Y2およびY3、またはZ1、Z2およびZ3のうちの少なくとも1つは、分岐したC3−C20アルキル、またはC3−C12シクロアルキルであって、非置換であるかまたは1つ以上のC1−C20アルキルによって置換される。
【0047】
特に好ましい実施形態によれば、ラジカルR10、R20およびR30、またはY1、Y2およびY3、またはZ1、Z2およびZ3のうちの少なくとも1つは、分岐したC3−C10アルキルである。
【0048】
1−C20アルキル、例えば、分岐したC3−C20アルキルであって、非置換であるかまたは1つ以上のヒドロキシ、例えば、1、2または3つのヒドロキシによって置換されるC3−C20アルキルの例は、エチル、n−プロピル、1−メチルエチル、n−ブチル、2−メチルプロピル、1−メチルプロピル、tert−ブチル、ペンチル、1−メチルブチル、2-メチルブチル、3−メチルブチル、1,1−ジメチルプロピル、1−エチルプロピル、tert−ブチルメチル、ヘキシル、1−メチルペンチル、ヘプチル、イソヘプチル、1−エチルヘキシル、2−エチルペンチル、1−プロピルブチル、オクチル、ノニル、イソノニル、ネオノニル、2,4,4−トリメチルペンチル、ウンデシル、トリデシル、ペンタデシル、ヘプタデシル、ヒドロキシメチルおよび1−ヒドロキシエチルである。分岐したC3−C10アルキルが特に好ましい。ラジカルR10、R20およびR30、またはY1、Y2およびY3、またはZ1、Z2およびZ3の好ましい意味の1つは、四級C原子を1位に有する分岐したC3−C10アルキル、詳細には、−C(CH32−Hまたは−C(CH32−(C1−C7アルキル)である。
【0049】
非置換であるか、または1つ以上のヒドロキシ、例えば、1、2もしくは3つのヒドロキシで置換されるC2−C20アルケニルの例は、9−デセニル、8−ヘプタデセニルおよび11−ヒドロキシ−8−ヘプタデセニルである。
【0050】
酸素が介在するC2−C20アルキルの例は、t−ブトキシメチル、t−ブトキシエチル、t−ブトキシプロピルおよびt−ブトキシブチルである。
【0051】
イオウが介在するC2−C20アルキルの例は、(H3C)3C−S−CH2−、(H3C)3C−S−C24−、(H3C)3C−S−C36−および(H3C)3C−S−C48−である。
【0052】
非置換であるかまたは1つ以上のC1−C20アルキル、例えば、1、2、3もしくは4つのC1−C4アルキルによって置換されるC3−C12シクロアルキルの例は、シクロプロピル、3−メチルシクロプロピル、2,2,3,3−テトラメチルシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、1−メチルシクロヘキシル、2−メチルシクロヘキシル、3−メチルシクロヘキシル、4−メチルシクロヘキシル、4−tert−ブチルシクロヘキシルおよびシクロヘプチルである。
【0053】
非置換であるかまたは1つ以上のC1−C20アルキル、例えば、1、2または3つのC1−C4アルキルで置換される(C3−C12シクロアルキル)−C1−C10アルキルの例は、シクロペンチルメチル、2−シクロペンチルエチル、シクロヘキシルメチル、2−シクロヘキシルエチル、3−シクロヘキシルプロピル、4−シクロヘキシルブチルおよび(4−メチルシクロヘキシル)メチルである。
【0054】
非置換であるかまたは1つ以上のC1−C20アルキル、例えば、1、2または3つのC1−C4アルキルによって置換されるビス[C3−C12シクロアルキル]−C1−C10アルキルの例は、ジシクロヘキシルメチルである。
【0055】
非置換であるかまたは1つ以上のC1−C20アルキル、例えば、1、2または3つのC1−C4アルキルによって置換される、5〜20個の炭素原子を有する二環式または三環式の炭化水素基の例は、
【0056】
【化3】

である。
【0057】
非置換であるかまたはC1−C20アルキル、C1−C20アルコキシ、C1−C20アルキルアミノ、ジ(C1−C20アルキル)アミノ、ヒドロキシおよびニトロ、好ましくはC1−C4アルキル、C1−C4アルコキシ、C1−C4アルキルアミノ、ジ(C1−C4アルキル)アミノ、ヒドロキシおよびニトロから選択される1つ以上のラジカル、例えば、1、2または3つのラジカルによって置換されるフェニルの例は、フェニル、3−メチルフェニル、3−メトキシフェニル、4−メチルフェニル、4−エチルフェニル、4−プロピルフェニル、4−イソプロピルフェニル、4−tert−ブチルフェニル、4−イソプロポキシフェニル、2,3−ジメトキシフェニル、2−ニトロフェニル、3−メチル−6−ニトロフェニル、4−ジメチルアミノフェニル、2,3−ジメチルフェニル、2,6−ジメチルフェニル、2,4−ジメチルフェニル、3,4−ジメチルフェニル、3,5-ジメチルフェニル、3,5−ジ−tert−ブチルフェニル、2,4,6−トリメチルフェニルおよび3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルである。
【0058】
非置換であるかまたは1つ以上のラジカル、例えば、C1−C20アルキル、C3−C12シクロアルキル、フェニル、C1−C20アルコキシおよびヒドロキシ、好ましくはC1−C4アルキル、C3−C6シクロアルキル、フェニル、C1−C4アルコキシおよびヒドロキシから選択される1、2または3つのラジカルによって置換されるフェニル−C1−C20アルキルの例は、ベンジル、α−シクロヘキシルベンジル、ジフェニルメチル、1−フェニルエチル、α−ヒドロキシベンジル、2−フェニルエチル、2−フェニルプロピル、3−フェニルプロピル、3−メチルベンジル、3,4−ジメトキシベンジルおよび2−(3,4−ジメトキシフェニル)エチルである。
【0059】
非置換であるかまたは1つ以上のC1−C20アルキル、例えば、1、2または3つのC1−C4アルキルによって置換されるフェニルエテニルの例は、2−(4−メチルフェニル)エテニルである。
【0060】
非置換であるかまたは1つ以上のC1−C20アルキル、例えば、1、2または3つのC1−C4アルキルによって置換されるビフェニル−(C1−C10アルキル)の例は、4−ビフェニルメチルである。
【0061】
非置換であるかまたは1つ以上のC1−C20アルキル、例えば、1、2または3つのC1−C4アルキルによって置換されるナフチルの例は、1-ナフチルおよび2−ナフチルである。
【0062】
非置換であるかまたは1つ以上のC1−C20アルキル、例えば、1、2または3つのC1−C4アルキルによって置換されるナフチル−C1−C20アルキルの例は、1−ナフチルメチルおよび2−ナフチルメチルである。
【0063】
非置換であるかまたは1つ以上のC1−C20アルキル、例えば、1、2または3つのC1−C4アルキルによって置換されるナフトキシメチルの例は、1−ナフトキシメチルである。
【0064】
ビフェニルエニル、フルオレニル(flourenyl)またはアントリルの例は、それぞれ2−ビフェニルエニル、9−フルオレニル(flourenyl)、1−フルオレニル(flourenyl)または9−アントリルである。
【0065】
非置換であるかまたは1つ以上のC1−C20アルキル、例えば、1、2または3つのC1−C4アルキルによって置換される、5員〜6員の複素環式基の例は、3−ピリジニル、4−ピリジニル、2−ヒドロキシピリジン−3−イル、3−キノリニル、4−キノリニル、2−フリル、3−フリルおよび1−メチル−2−ピリルである。
【0066】
1つ以上のハロゲン、例えば、1、2、3、4、5、または6つの−F、−Clまたは−Iを含有するC1−C20炭化水素基の例は、1−ブロモ−2−メチルプロピル、ジクロロメチル、ペンタフルオロエチル、3,5−ビス[トリフルオロメチル]フェニル、2,3,5,6−テトラフルオロ−p−トリル、2,3−ジクロロフェニル、3,4−ジクロロフェニルおよび2,4−ビス[トリフルオロメチル]フェニルである。
【0067】
式(IIa)の化合物の例は:
1,3,5−トリス[シクロヘキシルカルボニルアミノ]ベンゼン、
1,3,5−トリス[2,2−ジメチルプロピオニルアミノ]ベンゼン、
1,3,5−トリス[4−メチルベンゾイルアミノ]ベンゼン、
1,3,5−トリス[3,4−ジメチルベンゾイルアミノ]ベンゼン、
1,3,5−トリス[3,5−ジメチルベンゾイルアミノ]ベンゼン、
1,3,5−トリス[シクロペンタンカルボニルアミノ]ベンゼン、
1,3,5−トリス[1−アダマンタンカルボニルアミノ]ベンゼン、
1,3,5−トリス[2−メチルプロピオニルアミノ]ベンゼン、
1,3,5−トリス[3,3−ジメチルブチリルアミノ]ベンゼン、
1,3,5−トリス[2−エチルブチリルアミノ]ベンゼン、
1,3,5−トリス[2,2−ジメチルブチリルアミノ]ベンゼン、
1,3,5−トリス[2−シクロヘキシル−アセチルアミノ]ベンゼン、
1,3,5−トリス[3−シクロヘキシル−プロピオニルアミノ]ベンゼン、
1,3,5−トリス[4−シクロヘキシル−ブチリルアミノ]ベンゼン、
1,3,5−トリス[5−シクロヘキシル−バレロイルアミノ]ベンゼン、
1−イソブチリルアミノ−3,5−ビス[ピバロイルアミノ]ベンゼン、
2,2−ジメチルブチリルアミノ−3,5−ビス[ピバロイルアミノ]ベンゼン、
3,3−ジメチルブチリルアミノ−3,5−ビス[ピバロイルアミノ]ベンゼン、
1,3−ビス[イソブチリルアミノ]−5−ピバロイルアミノベンゼン、
1,3−ビス[イソブチリルアミノ]-5−(2,2−ジメチル−ブチリル)アミノベンゼン、
1,3−ビス[イソブチリルアミノ]−5−(3,3−ジメチル−ブチリル)アミノベンゼン、
1,3−ビス[2,2−ジメチルブチリルアミノ]−5−ピバロイルアミノベンゼン、
1,3−ビス[2,2−ジメチルブチリルアミノ]−5−イソブチリルアミノベンゼン、
1,3−ビス[2,2−ジメチルブチリルアミノ]−5−(3,3−ジメチルブチリル)−アミノベンゼン、
1,3−ビス[3,3−ジメチルブチリルアミノ]−5−ピバロイルアミノ−ベンゼン、
1,3−ビス[3,3−ジメチルブチリルアミノ]−5−イソブチリル−アミノベンゼン、
1,3−ビス[3,3−ジメチルブチリルアミノ)−5−(2,2−ジメチル−ブチリルアミノ)アミノベンゼン、および
1,3,5−トリス[3−(トリメチルシリル)プロピオニルアミノ]ベンゼンである。
【0068】
式(IIa)の化合物のさらなる例は:
1,3,5−トリス[2,2−ジメチルバレロイルアミノ]ベンゼン、
1,3,5−トリス[3,3−ジメチルバレロイルアミノ]ベンゼン、
1,3,5−トリス[2,4−ジメチルバレロイルアミノ]ベンゼン、
1,3,5−トリス[4,4−ジメチルバレロイルアミノ]ベンゼン、
1,3,5−トリス[4−メチルバレロイルアミノ]ベンゼン、
1,3,5−トリス[2−メチルブチリルアミノ]ベンゼン、
1,3,5−トリス[2−メチルバレロイルアミノ]ベンゼン、
1,3,5−トリス[3−メチルバレロイルアミノ]ベンゼン、
1,3,5−トリス[2,2,3,3−テトラメチル−シクロプロパンカルボニルアミノ]ベンゼン、
1,3,5−トリス[シクロペンチルアセチルアミノ]ベンゼン、
1,3,5−トリス[3−シクロペンチルプロピオニルアミノ]ベンゼン、
1,3,5−トリス[2−ノルボルニル−アセチルアミノ]ベンゼン、
1,3,5−トリス[4−t−ブチルシクロヘキサン−1−カルボニルアミノ]ベンゼン、
1,3,5−トリス[2−(t−ブトキシ)−アセチルアミノ]ベンゼン、
1,3,5−トリス[3−(t−ブトキシ)−プロピオニルアミノ]ベンゼン、
1,3,5−トリス[4−(t−ブトキシ)−ブチリルアミノ]ベンゼン、
1,3,5−トリス[5−t−ブトキシ−バレロイルアミノ]ベンゼン、
1,3,5−トリス[シクロプロパンカルボニルアミノ]ベンゼン、
1,3,5−トリス[2−メチルシクロプロパン−1−カルボニルアミノ]ベンゼン、
1,3,5−トリス[3−ノルアダマンタン−1−カルボニルアミノ]ベンゼン、
1,3,5−トリス[ビフェニル−4−アセチルアミノ]ベンゼン、
1,3,5−トリス[2−ナフチル−アセチルアミノ]ベンゼン、
1,3,5−トリス[3−メチルフェニル−アセチルアミノ]ベンゼン、
1,3,5−トリス[(3,4−ジメトキシフェニル)−アセチルアミノ]ベンゼン、
1,3,5−トリス[(3−トリメチルシリル−プロピオニルアミノ]ベンゼン、および
1,3,5−トリス[(4−トリメチルシリル−ブチリルアミノ]ベンゼンである。
【0069】
式(IIb)の化合物の例は:
N−t−ブチル−3,5−ビス−(3−メチルブチリルアミノ)−ベンズアミド、
N−t−ブチル−3,5−ビス−(ピバロイルアミノ)−ベンズアミド、
N−t−オクチル−3,5−ビス−(ピバロイルアミノ)−ベンズアミド、
N−(1,1−ジメチル−プロピル)−3,5−ビス−(ピバロイルアミノ)−ベンズアミド、
N−(t−オクチル)−3,5−ビス−(イソブチリルアミノ)−ベンズアミド、
N−(t−ブチル)−3,5−ビス−(ピバロイルアミノ)−ベンズアミド、
N−(2,3−ジメチル−シクロヘキシル)−3,5−ビス−(ピバロイルアミノ)−ベンズアミド、
N−t−ブチル−3,5−ビス−(シクロペンタンカルボニルアミノ)−ベンズアミド、
N−(3−メチルブチル)−3,5−ビス−(3−メチルブチリルアミノ)−ベンズアミド、
N−(3−メチルブチル)−3,5−ビス−(ピバロイルアミノ)−ベンズアミド、
N−(3−メチルブチル)−3,5−ビス−(4−メチルペンタノイルアミノ)−ベンズアミド、
N−(3−メチルブチル)−3,5−ビス−(シクロペンタンカルボニルアミノ)−ベンズアミド、
N−(3−メチルブチル)−3,5−ビス−(シクロヘキサンカルボニルアミノ)−ベンズアミド、
N−シクロペンチル−3,5−ビス−(3−メチルブチリルアミノ)−ベンズアミド、
N−シクロペンチル−3,5−ビス−(ピバロイルアミノ)−ベンズアミド、
N−シクロペンチル−3,5−ビス−(4−メチルペンタノイルアミノ)−ベンズアミド、
N−シクロペンチル−3,5−ビス−(シクロペンタンカルボニルアミノ)−ベンズアミド、
N−シクロペンチル−3,5−ビス−(シクロヘキサンカルボニルアミノ)−ベンズアミド、
N−シクロヘキシル−3,5−ビス−(3−メチルブチリルアミノ)−ベンズアミド、
N−シクロヘキシル−3,5−ビス−(ピバロイルアミノ)−ベンズアミド、
N−シクロヘキシル−3,5−ビス−(4−メチルペンタノイルアミノ)−ベンズアミド、
N−シクロヘキシル−3,5−ビス−(シクロペンタンカルボニルアミノ)−ベンズアミド、
N−シクロヘキシル−3,5−ビス−(シクロヘキサンカルボニルアミノ)−ベンズアミド、
N−イソプロピル−3,5−ビス−(ピバロイルアミノ)−ベンズアミド、
N−イソプロピル−3,5−ビス−(イソブチリルアミノ)−ベンズアミド、
N−t−ブチル−3,5−ビス−(2,2−ジメチルブチリルアミノ)−ベンズアミド、および
N−t−オクチル−3,5−ビス−(2,2−ジメチルブチリルアミノ)−ベンズアミドである。
【0070】
式(IIc)の化合物の例は:
5−ピバロイルアミノ−イソフタル酸N,N’−ジ−t−ブチルジアミド、
5−ピバロイルアミノ−イソフタル酸N,N’−ジ−t−オクチルジアミド、
5−(2,2−ジメチルブチリルアミノ)−イソフタル酸N,N’−ジ−t−ブチルジアミド、
5−(2,2−ジメチルブチリルアミノ)−イソフタル酸N,N’−ジ−t−オクチルジアミド、
5−(3−メチルブチリルアミノ)−イソフタル酸N,N’−ジ−シクロヘキシルジアミド、
5−(ピバロイルアミノ)−イソフタル酸N,N’−ジ−シクロヘキシルジアミド、
5−(シクロペンタンカルボニルアミノ)−イソフタル酸N,N’−ジ−シクロヘキシルジアミド、
5−(シクロヘキシルカルボニルアミノ)−イソフタル酸N,N’−ジ−シクロヘキシルジアミド、
5−(シクロペンタンカルボニルアミノ)−イソフタル酸N,N’−ビス−(2−メチルシクロヘキシル)ジアミド、
5−(シクロヘキサンカルボニルアミノ)−イソフタル酸N,N’−ビス−(2−メチルシクロヘキシル)ジアミド、
5−((1−メチルシクロヘキサンカルボニル)アミノ)−イソフタル酸N,N’−ビス−(2−メチルシクロヘキシル)ジアミド、および
5−((2−メチルシクロヘキサンカルボニル)アミノ)−イソフタル酸N,N’−ビス−(2−メチルシクロヘキシル)ジアミドである。
【0071】
本発明の顔料は、多環式有機顔料であり、かつブルー、グリーン、マゼンタ、レッド、イエロー、オレンジおよびバイオレットの多環式有機顔料からなる群より選択される。ブルーの顔料は、例えば、インダントロンおよび銅フタロシアニンの分類の顔料、例えば、ピグメントブルー(Pigment Blue)60、ピグメントブルー15:1、ピグメントブルー15:3、ピグメントブルー15:4、ピグメントブルー15:6である。グリーンの顔料は例えば、銅フタロシアニン分類の顔料、例えば、ピグメントグリーン(Pigment Green)7およびピグメントグリーン36である。マゼンタの顔料は例えば、キナクリドン分類の顔料、例えば、2,9−ジクロロキナクリドン、ピグメントレッド(Pigment Red)202である。レッドの顔料は、例えば、キナクリドン分類の顔料、例えば、ジメチルキナクリドン、ピグメントレッド122、またはペリレン分類の顔料、例えばピグメントレッド149、ピグメントレッド178およびピグメントレッド179、またはジケトピロロピロール分類の顔料、例えば、ピグメントレッド254およびピグメントレッド264である。イエローの顔料は、例えば、プテリジン、イソインドリノンおよびイソインドリン分類の顔料、例えばピグメントイエロー(Pigment Yellow)215、ピグメントイエロー110、およびピグメントイエロー139である。オレンジの顔料は、イソインドリノンまたはジケトピロロピロール分類の顔料、例えば、ピグメントオレンジ(Pigment Orange)61、ピグメントオレンジ71、およびピグメントオレンジ73である。バイオレットの顔料は、例えば、キナクリドン分類の顔料、例えば、ピグメントバイオレット(pigment violet)19、またはジオキサジン分類の顔料、例えば、ピグメントバイオレット23またはピグメントバイオレット37である。顔料の混合物を使用し得ることが有利である。
【0072】
本発明のプロセスおよび組成物では、上記の芳香族トリスアミド化合物が、濃縮物中に、ポリプロピレン樹脂に基づいて、約50ppm〜約250ppm(重量あたり)で存在する。例えば、トリスアミドは、約100ppm〜約200ppm(重量あたり)存在する。例えば、トリスアミドは、約50、100、150、200または250ppm(重量あたり)およびその間の範囲で存在する。芳香族トリスアミドは、個々の化合物としてまたはポリプロピレンへの混合物として添加され得る。
【0073】
本発明のプロセスおよび組成物では、上記の顔料は、ポリプロピレン樹脂の重量に対して、約1ppm〜約10ppmの濃度で存在する。例えば、この顔料は、ポリプロピレン樹脂の重量に対して、約1、2、3、4、5、6、7、8、9または約10ppmの重量レベルで存在する。本発明のプロセスおよび組成物においては、上記の顔料は好ましくは、ポリプロピレン樹脂の重量に対して、約2ppmまたは約4ppm〜約10ppm(重量あたり)の濃度で存在する。
【0074】
この顔料は、例えば、1つ以上のブルー顔料と、1つ以上のマゼンタ、レッドまたはバイオレット顔料との混合物である。
【0075】
さらなる添加物が、本発明のポリプロピレン樹脂中に存在し得る。例えば、ヒドロキシフェニルベンゾトリアゾール、ヒドロキシフェニルトリアジン、ベンゾフェノンおよびベンゾアートUV吸収材から選択される紫外光吸収材、有機リン安定剤、ヒドロキシルアミン安定剤、ベンゾフラノン安定剤、アミンオキシド安定剤,ヒンダードフェノール抗酸化剤および/またはヒンダードアミン光安定剤。さらなる添加物が例えば、ポリプロピレン樹脂の重量に対して、約0.1〜約10重量%のレベルで使用される。
【0076】
詳細には、さらなる添加物は、有機リン安定剤、ヒンダードフェノール抗酸化剤、ヒドロキシルアミン、ヒンダードアミンおよびベンゾアートUV吸収材から選択される。
【0077】
有機リン安定剤は、例えば公知の亜リン酸塩および亜ホスホン酸塩安定剤であり、これにはトリフェニルホスファイト、ジフェニルアルキルホスファイト、フェニルジアルキルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリラウリルホスファイト、トリオクタデシルホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、ビス(2,4−ジ−α−クミルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ジイソデシルペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト(D)、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト(E)、ビスイソデシルオキシ−ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチル−6−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4,6−トリ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、トリステアリルソルビトール三リン酸塩、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)4,4’−ビフェニレン−ジホスホニト(H)、6−イソオクチルオキシ−2,4,8,10−テトラ−tert−ブチル−ジベンゾ[d,f][1,3,2]ジオキサホスフィン(C),6−フルオロ−2,4,8,10−テトラ−tert−ブチル−12−メチル−ジベンゾ[d,g][1,3,2]ジオキサホスホシン(A)、ビス(2,4−ジ−tert−ブチル−6−メチルフェニル)メチルホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチル−6−メチルフェニル)エチルホスファイト(G)、2,2’,2”−ニトリロ[トリエチルトリス(3,3’5,5’−テトラ−tert−ブチル−1,1’−ビフェニル−2,2’−ジイル)ホスファイト](B)、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)オクチルホスファイト、ポリ(4,4’−{2,2’−ジメチル−5,5’−ジ−t−ブチルフェニルスルフィド−}オクチルホスファイト)、ポリ(4,4’{−イソプロピリデンジフェノール}−オクチルホスファイト)、ポリ(4,4’−{イソプロピリデンビス[2,6−ジブロモフェノール]}−オクチルホスファイト)、ポリ(4,4’−{2,2’−ジメチル−5,5’−ジ−t−ブチルフェニルスルフィド}−ペンタエリスリチルジホスファイト)、
【0078】
【化4−1】

【0079】
【化4−2】

【0080】
【化4−3】

が挙げられる。
【0081】
ヒンダードフェノール系抗酸化剤としては、例えば、トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ-ベンジル)−2,4,6−トリメチルベンゼン、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸のモノエチルエステルのカルシウム塩、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオナート]またはオクタデシル3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオナートが挙げられる。
【0082】
本発明の立体的にヒンダードのアミン安定剤は、以下の式の少なくとも一部を含有し、
【0083】
【化5】

【0084】
式中、G1、G2、G3およびG4は独立して、1〜8つの炭素原子のアルキルであるか、またはG1およびG2もしくはG3およびG4は一緒になってペンタメチレンであり、かつG5は水素もしくは1〜8つの炭素原子のアルキルである。
【0085】
ヒンダードアミンは、例えば、米国特許第5,004,770号、同第5,204,473号、同第5,096,950号、同第5,300,544号、同第5,112,890号、同第5,124,378号、同第5,145,893号、同第5,216,156号、同第5,844,026号、同第5,980,783号、同第6,046,304号、同第6,117,995号、同第6,271,377号、同第6,297,299号、同第6,392,041号、同第6,376,584号、同第6,472,456号および同第7,030,196号に開示される。これらの特許の関連の開示は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0086】
上記で引用される米国特許第6,271,377号、同第6,392,041号、および同第6,376,584号は、ヒンダードヒドロキシアルコキシアミン安定剤を開示する。
【0087】
適切なヒンダードアミンとしては、例えば以下が挙げられる:
1)1−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−オクタデシルアミノピペリジン、
2)ビス(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)セバケート、
3)ビス(1−アセトキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)セバケート、
4)ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−イル)セバケート、
5)ビス(1−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)セバケート、
6)ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)セバケート;
7)ビス(1−アシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)セバケート、
8)ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)n−ブチル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルマロネート
9)2,4−ビス[(1−シクロヘキシル-オキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)ブチルアミノ]−6−(2−ヒドロキシエチルアミノ−s−トリアジン、
10)ビス(1−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)アジパート、
11)2,4−ビス[(1−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−ピペリジン−4−イル)-ブチルアミノ]−6−クロロ−s−トリアジン、
12)1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、
13)1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−4−オキソ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、
14)1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−4−オクタデカノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、
15)ビス(1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)セバケート、
16)ビス(1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)アジパート、
17)2,4−ビス{N−[1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル]−N−ブチルアミノ}−6−(2−ヒドロキシエチルアミノ)−s−トリアジン、
18)4−ベンゾイル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、
19)ジ−(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン−4−イル)p−メトキシベンジリデンマロネート、
20)4−ステアリルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、
21)ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)スクシナート、
22)1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−アミノピペリジン、
23)2−ウンデシル−7,7,9,9−テトラメチル−1−オキサ−3,8−ジアザ−4−オキソ−スピロ[4,5]デカン、
24)トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ニトリロトリアセテート、
25)トリス(2−ヒドロキシ−3−(アミノ−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)プロピル)ニトリロトリアセテート、
26)テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタン−テトラカルボキシレート、
27)テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタン−テトラカルボキシレート、
28)1,1’−(1,2−エタンジイル)−ビス(3,3,5,5−テトラメチルピペラジノン)、
29)3−n−オクチル−7,7,9,9−テトラメチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン、 30)8−アセチル−3−ドデシル−7,7,9,9−テトラメチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン、 31)3−ドデシル−1−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ピロリジン−2,5−ジオン、
32)3−ドデシル−1−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)ピロリジン−2,5−ジオン、
33)N,N’−ビス−ホルミル−N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミン、
34)2,4−ビス[(1−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−ピペリジン−4−イル)-ブチルアミノ]−6−クロロ−s−トリアジンとN,N’−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミン)との反応生成物、
35)1−(2−ヒドロキシ-エチル)−2,2,6,6−テトラメチル−4−ヒドロキシピペリジンとコハク酸との縮合物、
36)N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−ヘキサメチレンジアミンと4−tert−オクチルアミノ−2,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジンとの直鎖状および環状の縮合物、
37)N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−ヘキサメチレンジアミンと4−シクロヘキシルアミノ−2,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジンとの直鎖状または環状の縮合物、
38)N,N’−ビス−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンと4−モルホリノ−2,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジンとの直鎖状または環状の縮合物、
39)N,N’−ビス−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンと4−モルホリノ−2,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジンとの直鎖状または環状の縮合物、
40)2−クロロ−4,6−ビス(4−n−ブチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)−1,3,5−トリアジンと1,2−ビス(3−アミノプロピルアミノ)エタンとの縮合物、
41)2−クロロ−4,6−ジ−(4−n−ブチルアミノ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジル)−1,3,5−トリアジンと1,2−ビス−(3−アミノプロピルアミノ)エタンとの縮合物、
42)7,7,9,9−テトラメチル−2−シクロウンデシル−1−オキサ−3,8−ジアザ−4−オキソスピロ[4,5]デカンとエピクロロヒドリンとの反応生成物、
43)ポリ[メチル、(3−オキシ−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)プロピル)]シロキサン、CAS#182635−99−0、
44)マレイン酸無水物−C18−C22−α−オレフィン−コポリマーと2,2,6,6−テトラメチル−4−アミノピペリジンとの反応生成物、
45)オリゴマー化合物であって、4,4’−ヘキサメチレンビス(アミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン)と、2−クロロ−4,6−ビス(ジブチルアミノ)−s−トリアジンでエンドキャップされた2,4−ジクロロ−6−[(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)ブチルアミノ]−s−トリアジンとの縮合生成物である、オリゴマー化合物、
46)オリゴマー化合物であって、4,4’−ヘキサ-メチレンビス(アミノ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン)と、2−クロロ−4,6−ビス(ジブチルアミノ)−s−トリアジンでエンドキャップされた2,4−ジクロロ−6−[(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン−4−イル)ブチルアミノ]−s−トリアジンとの縮合生成物である、オリゴマー化合物、
47)オリゴマー化合物であって、4,4’−ヘキサメチレンビス(アミノ−1−プロポキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン)と、2−クロロ−4,6−ビス(ジブチルアミノ)−s−トリアジンでエンドキャップされた2,4−ジクロロ−6−[(1−プロポキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)ブチルアミノ]−s−トリアジンとの縮合生成物である、オリゴマー化合物、
48)オリゴマー化合物であって、4,4’−ヘキサメチレンビス(アミノ−1−アシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン)と、2−クロロ−4,6−ビス(ジブチル-アミノ)−s−トリアジンでエンドキャップされた2,4−ジクロロ−6−[(1−アシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)ブチルアミノ]−s−トリアジンとの縮合生成物である、オリゴマー化合物、ならびに
49)1,2−ビス(3−アミノ-プロピルアミノ)エタンと塩化シアヌルとの反応によって得られた生成物と(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)ブチルアミンとの反応によって得られた生成物。
【0088】
また、立体的にヒンダードなN−H、N−メチル、N−メトキシ、N−プロポキシ、N−オクチルオキシ、N−シクロヘキシルオキシ、N−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)および任意の上述の化合物のN−アシルアナログも含まれる。例えば、NメチルヒンダードアミンでN−Hヒンダードアミンを置き換えるとは、N−Hの代わりにN−メチルアナログを使用することである。
【0089】
ヒドロキシルアミン安定剤は、例えば、N,N−ジベンジルヒドロキシルアミン、N,N−ジエチルヒドロキシルアミン、N,N−ジオクチルヒドロキシルアミン、N,N−ジラウリルヒドロキシルアミン、N,N−ジドデシルヒドロキシルアミン、N,N−ジテトラデシルヒドロキシルアミン、N,N−ジヘキサデシルヒドロキシルアミン、N,N−ジオクタデシルヒドロキシルアミン、N−ヘキサデシル−N−テトラデシルヒドロキシルアミン、N−ヘキサデシル−N−ヘプタデシルヒドロキシルアミン、N−ヘキサデシル−N−オクタデシルヒドロキシルアミン、N−ヘプタデシル−N−オクタデシルヒドロキシルアミン、N−メチル−N−オクタデシルヒドロキシルアミンまたはN,N−ジ(硬化獣脂)ヒドロキシルアミンである。
【0090】
アミンオキシド安定剤は、例えば、GENOX EP、ジ(C16−C18)アルキルメチルアミンオキシド、CAS#204933−93−7である。
【0091】
ベンゾフラノン安定剤は、例えば、3−(4−(2−アセトキシエトキシ)フェニル)−5,7−ジ−tert−ブチル−ベンゾフラン−2−オン、5,7−ジ−tert−ブチル−3−(4−(2−ステアロイルオキシエトキシ)フェニル)ベンゾフラン−2−オン、3,3’−ビス(5,7−ジ−tert−ブチル−3−(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)ベンゾフラン−2−オン)、5,7−ジ−tert−ブチル−3−(4−エトキシフェニル)ベンゾフラン−2−オン、3−(4−アセトキシ−3,5−ジメチルフェニル)−5,7−ジ−tert−ブチル−ベンゾフラン−2−オン、3−(3,5−ジメチル−4−ピバロイルオキシフェニル)−5,7−ジ−tert−ブチル−ベンゾフラン−2−オン、3−(3,4−ジメチルフェニル)−5,7−ジ−tert−ブチル−ベンゾフラン−2−オンまたは3−(2,3−ジメチルフェニル)−5,7−ジ−tert−ブチル−ベンゾフラン−2−オンである。
【0092】
安息香酸塩UV吸収材は、例えば、4−tert−ブチルフェニルサリチレート、フェニルサリチレート、オクチルフェニルサリチレート、ジベンゾイルレゾルシノール、ビス(4−tert−ブチルベンゾイル)レゾルシノール、ベンゾイルレゾルシノール、2,4−ジ−tert−ブチルフェニル3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、ヘキサデシル3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、オクタデシル3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、2−メチル−4,6−ジ−tert−ブチルフェニル3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエートのような、例えば、置換および非置換の安息香酸のエステルである。
【0093】
ヒドロキシフェニルベンゾトリアゾール、ヒドロキシフェニルトリアジンおよびベンゾフェノンUV吸収材が周知であり、かつ例えば、参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第6,444,733号に開示される。
【0094】
ポリプロピレン樹脂に対する、芳香族トリスアミド、顔料およびさらなる添加物の添加は、ポリマーが融解されてその添加物と混合される全ての慣用的な混合機械で行うことができる。
【0095】
適切な機械は、当業者に公知である。それらは、主に、ミキサー、ニーダー(混練機)および押出機である。
【0096】
このプロセスは、処理の間に添加物を導入することによって押出機で行われることが好ましい。
【0097】
特に好ましい処理機は、1軸スクリュー(single−screw)押出機、二重反転(contrarotating)および共回転(corotating)2軸スクリュー押出機、遊星ギア押出機、リング押出機(ring extruder)または共混練機(cokneaders)である。真空が適用され得る少なくとも1つのガス除去区画を備える処理機を用いることも可能である。
【0098】
適切な押出機および混練機は、例えば、Handbuch der Kunststoffextrusion,第1巻、Grundlagen,編集 F.Hensen,W.Knappe,H.Potente,1989年,第3〜7頁,ISBN:3−446−14339−4(第2巻、Extrusionsanlagen 1986,ISBN 3−446−14329−7)に記載される。
【0099】
例えば、スクリュー長は、1〜60スクリュー径、好ましくは35〜48のスクリュー径である。スクリューの回転速度は、1分あたり10〜600回転(rpm)が好ましく、25〜300rpmが極めて特に好ましい。
【0100】
最大処理能力はスクリュー径、回転速度および駆動力に依存する。本発明のプロセスはまた、言及されるパラメーターを変更することまたは送達する用量を秤量する機械を使用することによって最大処理能力よりも低いレベルで行ってもよい。
【0101】
複数の成分を添加する場合、これらを事前に混合して個々に添加してもよい。
【0102】
ポリプロピレン樹脂は、添加物の組み込みの間十分な時間にわたって、上昇した温度に供される必要がある。この温度は一般にはポリマーの軟化点を超える。
【0103】
本発明のプロセスの好ましい実施形態では、280℃より低い温度範囲、特に約160℃〜280℃が使用される。特に好ましいプロセスの変化型では、約200℃〜270℃の温度範囲が使用される。
【0104】
このような「溶融混合(melt mixing)」または「溶融配合(melt compounding)」は、ポリプロピレン中において本発明の添加物の均一な分散を生じる。
【0105】
ポリプロピレン樹脂中への添加物の組み込みは、例えば、上述の芳香族トリスアミドまたはその混合物および顔料、ならびに必要に応じて、さらに添加物を、処理技術で慣例的な方法を用いてポリマー中に混合することによって行われ得る。
【0106】
芳香族トリスアミド、顔料およびさらなる添加物はまた、ポリプロピレン樹脂中に、これらの化合物が存在するマスターバッチの形態で、例えば、熱可塑性ポリマー中に約0.5〜約30重量%の濃度で添加されてもよい。従って、本発明はさらに、本発明の添加物が熱可塑性ポリマー中に約0.5〜約30重量%の濃度で存在し、ポリプロピレン樹脂に添加され得る濃縮物を提供する。この熱可塑性ポリマーは、ポリプロピレンであってもよいし、または別の熱可塑性樹脂であってもよい。
【0107】
この追加されたポリプロピレン樹脂は通常は、ペレットとして収集され、このペレットは、ある期間貯蔵されてもよいし、または形成プロセスで直ちに使用されてもよい。
【0108】
所望のレベルの添加物を含む添加されたポリプロピレンペレットを得るためには、1つ以上の降下(letdown)工程が含まれ得る。
【0109】
この形成プロセスは、射出成形、押出ブロー成形、射出延伸ブロー成形、熱成形、圧縮成形またはシート押出を包含する。
【0110】
最終成形された物品は、例えば、押出成形されたパーツ、シートまたはファイバーである。例えば、ボトル、容器、オートクレーブ部品、冷蔵庫部品、トレイ、コンピューター部品など。
【0111】
本発明のポリプロピレン物品は、優れた光学特性および/または結晶化温度の上昇を有する。それらは、ヘイズの低下および高い清澄性および/または結晶化温度の上昇を呈する。光学特性は、光透過率、清澄性、ヘイズおよび黄色さの程度によって測定する。光透過率、清澄性およびヘイズは、ASTM D1003によって測定する。黄色さ指数(Yellowness Index)(YI)は、ASTM E313、発光体(illuminant)C2°オブザーバー(含まれる反射光での反射率)と同様の方法で測定する。本発明の物品は、例えば、ASTMD1003によって8.0未満のヘイズ値を示す。
【0112】
本発明の物品は本質的に透明であって、可視光の高い透過率を示す。
【0113】
また、ブルー、グリーン、マゼンタ、レッド、イエロー、オレンジおよびバイオレットの多環式有機顔料から選択される低レベルの1つ以上の顔料と特定のレベルの1つ以上の芳香族トリスアミド核形成剤とを一緒にした使用であって、光学特性が改善され、および/または結晶化温度が上昇したポリプロピレン物品を提供することを目的とする使用も開示される。顔料のこの低レベルとは、ポリプロピレン樹脂の重量あたり、約1〜約10ppmであり、芳香族トリスアミドのレベルは、約50〜約250ppm(重量あたり)である。
【0114】
以下の実施例は本発明をさらに例示する。全ての割合は、他に示さない限り、重量パーセントである。
【0115】
実施例1
ポリプロピレンホモポリマー
12.0g/10分というメルトインデックス(melt index)を有するポリプロピレンホモポリマーを、220℃で窒素ブランケットのもとで2軸スクリューW&P ZSK 25押出機によって添加物と配合する。各々の処方物は、400ppmのIRGANOX 1010フェノール系抗酸化剤、800ppmのIRGAPHOS 168亜リン酸塩プロセス安定剤、500ppmのステアリン酸カルシウムおよび180ppmの本発明の核形成剤TA1を含有する。添加物のレベルは、ポリプロピレンの重量に基づく重量パーセントである。配合されたポリプロピレンはペレットとして回収される。このペレットを、Boy 50 M、ステップモールド(step mold)、ダイ温度230℃で射出成形に供する。プラークを、2”×2”、25ミル、40ミルおよび50ミルの厚みで調製する。このプラークは試験前に室温で3日間保管する。
【0116】
【化6】

【0117】
本発明の処方物にはまた、4ppmのCROMOPHTALブルーBCNおよび1ppmのCROMOPHTALマゼンタPの顔料も添加する。CROMOPHTALブルーBCNはピグメントブルー15:1である。CROMOPHTALマゼンタPはピグメントレッド202である。
【0118】
光透過率、清澄性およびヘイズは、40ミルのプラーク上でASTM D1003によって測定する。YIは50ミルのプラークで測定する。
【0119】
本発明の処方物は、126℃という結晶化温度Tcを有する。顔料なしの処方物は、122℃というTcを有する。結晶化の温度は、25ミルのプラークの中心から取り出した5mgのサンプルでの示差走査熱量測定によって測定する。
【0120】
本発明の処方物は、−1.69というYIの改善された視覚的外観を示す。顔料なしの処方物は、4.50というYIを示す。YIは、C発光体(illuminant)および2°オブザーバーを用いてDatacolor SF600分光光度計で測定する。
【0121】
40ミルのプラークでの透過率(T)、ヘイズ(H)および清澄性(C)は以下のとおりである:
【0122】
【表1】

【0123】
50ミルのプラークでの透過率(T)、ヘイズ(H)および清澄性(C)は以下のとおりである:
【0124】
【表2】

【0125】
実施例2
ポリプロピレンランダムコポリマー
12.0g/10分というメルトインデックス(melt index)を有するポリプロピレンランダムコポリマーを、220℃で窒素ブランケットのもとで2軸スクリューW&P ZSK 25押出機によって添加物と配合する。各々の処方物は、400ppmのIRGANOX 1010フェノール系抗酸化剤、800ppmのIRGAPHOS 168亜リン酸塩プロセス安定剤、500ppmのステアリン酸カルシウムおよび150ppmの本発明の核形成剤TA1を含有する。添加物のレベルは、ポリプロピレンの重量に基づく重量パーセントである。配合されたポリプロピレンはペレットとして回収される。
【0126】
本発明の処方物にはまた、CROMOPHTALブルーBCNおよびCROMOPHTALマゼンタPの顔料も下に特定するレベルで添加する。CROMOPHTALブルーBCNは、ピグメントブルー15:1である。CROMOPHTALマゼンタPはピグメントレッド202である。
【0127】
【表3】

【0128】
本発明の処方物a〜cは、顔料なしの処方物に比較して上昇した結晶化温度Tcを有する。結晶化の温度は、ペレットから切り出した5mgのサンプルで20℃/分の速度で融解から冷却して、示差走査熱量測定によって測定する。
【0129】
結晶化温度の上昇は商業的に重要である。なぜなら冷却時間が速くなるほど、成形プロセスにおけるサイクルの時間が短くなるからである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光学特性が改善され、および/または結晶化温度が上昇したポリプロピレン物品であって
ポリプロピレン樹脂、ならびにその中に、
約1ppm〜約10ppmのブルー、グリーン、マゼンタ、レッド、イエロー、オレンジおよびバイオレットの多環式有機顔料から選択される1つ以上の顔料、ならびに
約50ppm〜約250ppmの1つ以上の芳香族トリスアミド核形成剤を均一に分散して含み、
前記ppmのレベルは、ポリプロピレン樹脂の重量あたりの重量であり、かつ
前記トリスアミド核形成剤は、式I
【化1】

の剤であって、
式中、
1、R2、R3、R4、R5およびR6はお互いに独立して、
水素、
1−C20アルキル、
2−C20アルキルであって、C1−C10アルキルアミノ、ジ(C1−C10アルキル)アミノ、C1−C10アルキルオキシもしくはヒドロキシによって置換されるC2−C20アルキル;
3−C20アルケニル、
5−C12シクロアルキル、
5−C12シクロアルキルであって1、2もしくは3つのC1−C10アルキルによって置換されるC5−C12シクロアルキル;
シクロヘキシルメチル;
シクロヘキシルメチルであって、1、2もしくは3つのC1−C10アルキルによって置換されるシクロヘキシルメチル;
5−C9シクロアルケニル、
5−C9シクロアルケニルであって、1、2もしくは3つのC1−C10アルキルによって置換されるC5−C9シクロアルケニル;
フェニルであって、C1−C10アルキル、C1−C10アルキルオキシ、ヒドロキシ、ハロゲン、トリハロゲンメチル、トリハロゲンメトキシ、ベンゾイル、フェニルアミノ、アシルアミノおよびフェニルアゾからなる群より選択される1、2もしくは3つのラジカルによって置換されるフェニル;
7−C9フェニルアルキル、
7−C9フェニルアルキルであって、C1−C10アルキル、C1−C10アルコキシおよびヒドロキシからなる群より選択される1、2もしくは3つのラジカルによってフェニル上で置換されるC7−C9フェニルアルキル;
ナフチル、
1−C10アルキルによって置換されるナフチル;
アダマンチル、または
5員〜6員の複素環式基であるか;
あるいは式IIa、IIbまたはIIc
【化2】

の剤であって、
式中、
10、R20およびR30、またはY1、Y2およびY3、またはZ1、Z2およびZ3はお互いに独立して
1−C20アルキルであって、非置換であるかもしくは1つ以上のヒドロキシによって置換されるC1−C20アルキル;
2−C20アルケニルであって、非置換であるかもしくは1つ以上のヒドロキシによって置換されるC2−C20アルケニル;
2−C20アルキルであって、酸素もしくはイオウが介在しているC2−C20アルキル;
3−C12シクロアルキルであって、非置換であるかもしくは1つ以上のC1−C20アルキルによって置換されるC3−C12シクロアルキル;
(C3−C12シクロアルキル)−C1−C10アルキルであって、非置換であるかもしくは1つ以上のC1−C20アルキルによって置換される(C3−C12シクロアルキル)−C1−C10アルキル;
ビス[C3−C12シクロアルキル]−C1−C10アルキルであって、非置換であるかもしくは1つ以上のC1−C20アルキルによって置換されるビス[C3−C12シクロアルキル]−C1−C10アルキル;
5〜20個の炭素原子を有する二環式もしくは三環式の炭化水素基であって、非置換であるかもしくは1つ以上のC1−C20アルキルによって置換される炭化水素基;
フェニルであって、非置換であるかもしくはC1−C20アルキル、C1−C20アルコキシ、C1−C20アルキルアミノ、ジ(C1−C20アルキル)アミノ、ヒドロキシおよびニトロから選択される1つ以上のラジカルによって置換されるフェニル;
フェニル−C1−C20アルキルであって、非置換であるかもしくはC1−C20アルキル、C3−C12シクロアルキル、フェニル、C1−C20アルコキシおよびヒドロキシから選択される1つ以上のラジカルによって置換されるフェニル−C1−C20アルキル;
フェニルエテニルであって、非置換であるかもしくは1つ以上のC1−C20アルキルによって置換されるフェニルエテニル;
ビフェニル−(C1−C10アルキル)であって、非置換であるかもしくは1つ以上のC1−C20アルキルによって置換されるビフェニル−(C1−C10アルキル);
ナフチルであって、非置換であるかもしくは1つ以上のC1−C20アルキルによって置換されるナフチル;
ナフチル−C1−C20アルキルであって、非置換であるかもしくは1つ以上のC1−C20アルキルによって置換されるナフチル−C1−C20アルキル;
ナフトキシメチルであって、非置換であるかもしくは1つ以上のC1−C20アルキルによって置換されるナフトキシメチル;
ビフェニルエニル、フルオレニル、アントリル;
5員〜6員の複素環式基であって、非置換であるかもしくは1つ以上のC1−C20アルキルによって置換される複素環式基;
1つ以上のハロゲンを含有するC1−C20炭化水素基;あるいは
トリ(C1−C10アルキル)シリル(C1−C10アルキル)であり;
ただしラジカルR10、R20およびR30、またはY1、Y2およびY3、またはZ1、Z2およびZ3は、
分岐したC3−C20アルキルであって、非置換であるかもしくは1つ以上のヒドロキシによって置換される分岐したC3−C20アルキル;
2−C20アルキルであって、酸素もしくはイオウが介在しているC2−C20アルキル;
3−C12シクロアルキルであって、非置換であるかもしくは1つ以上のC1−C20アルキルによって置換されるC3−C12シクロアルキル;
(C3−C12シクロアルキル)−C1−C10アルキルであって、非置換であるかもしくは1つ以上のC1−C20アルキルによって置換される(C3−C12シクロアルキル)−C1−C10アルキル;
5〜20個の炭素原子を有する二環式もしくは三環式の炭化水素基であって、非置換であるかもしくは1つ以上のC1−C20アルキルによって置換される炭化水素基;
フェニルであって、非置換であるかもしくはC1−C20アルキル、C1-C20アルコキシ、C1−C20アルキルアミノ、ジ(C1−C20アルキル)アミノ、ヒドロキシおよびニトロから選択される1つ以上のラジカルで置換されるフェニル;
フェニル−C1−C20アルキルであって、非置換であるかもしくはC1−C20アルキル、C3−C12シクロアルキル、フェニル、C1−C20アルコキシおよびヒドロキシから選択される1つ以上のラジカルによって置換されるフェニル−C1−C20アルキル;
ビフェニル−(C1−C10アルキル)であって、非置換であるかもしくは1つ以上のC1−C20アルキルによって置換されるビフェニル−(C1−C10アルキル);
ナフチル−C1−C20アルキルであって、非置換であるかもしくは1つ以上のC1−C20アルキルによって置換されるナフチル−C1−C20アルキル;または
トリ(C1−C10アルキル)シリル(C1−C10アルキル)である、
ポリプロピレン物品。
【請求項2】
前記ポリプロピレン樹脂がポリプロピレンホモポリマーである、請求項1に記載のポリプロピレン物品。
【請求項3】
請求項1または2に記載のポリプロピレン物品であって、
1,3,5−トリス[シクロヘキシルカルボニルアミノ]ベンゼン、
1,3,5−トリス[2,2−ジメチルプロピオニルアミノ]ベンゼン、
1,3,5−トリス[4−メチルベンゾイルアミノ]ベンゼン、
1,3,5−トリス[3,4−ジメチルベンゾイルアミノ]ベンゼン、
1,3,5−トリス[3,5−ジメチルベンゾイルアミノ]ベンゼン、
1,3,5−トリス[シクロペンタンカルボニルアミノ]ベンゼン、
1,3,5−トリス[1−アダマンタンカルボニルアミノ]ベンゼン、
1,3,5−トリス[2−メチルプロピオニルアミノ]ベンゼン、
1,3,5−トリス[3,3−ジメチルブチリルアミノ]ベンゼン、
1,3,5−トリス[2−エチルブチリルアミノ]ベンゼン、
1,3,5−トリス[2,2−ジメチルブチリルアミノ]ベンゼン、
1,3,5−トリス[2−シクロヘキシル−アセチルアミノ]ベンゼン、
1,3,5−トリス[3−シクロヘキシル−プロピオニルアミノ]ベンゼン、
1,3,5−トリス[4−シクロヘキシル−ブチリルアミノ]ベンゼン、
1,3,5−トリス[5−シクロヘキシル−バレロイルアミノ]ベンゼン、
1−イソブチリルアミノ−3,5−ビス[ピバロイルアミノ]ベンゼン、
2,2−ジメチルブチリルアミノ−3,5−ビス[ピバロイルアミノ]ベンゼン、
3,3−ジメチルブチリルアミノ−3,5−ビス[ピバロイルアミノ]ベンゼン、
1,3−ビス[イソブチリルアミノ]−5−ピバロイルアミノベンゼン、
1,3−ビス[イソブチリルアミノ]-5−(2,2−ジメチル−ブチリル)アミノベンゼン、
1,3−ビス[イソブチリルアミノ]−5−(3,3−ジメチル−ブチリル)アミノベンゼン、
1,3−ビス[2,2−ジメチルブチリルアミノ]−5−ピバロイルアミノベンゼン、
1,3−ビス[2,2−ジメチルブチリルアミノ]−5−イソブチリルアミノベンゼン、
1,3−ビス[2,2−ジメチルブチリルアミノ]−5−(3,3−ジメチルブチリル)−アミノベンゼン、
1,3−ビス[3,3−ジメチルブチリルアミノ]−5−ピバロイルアミノ−ベンゼン、
1,3−ビス[3,3−ジメチルブチリルアミノ]−5−イソブチリル−アミノベンゼン、
1,3−ビス[3,3−ジメチルブチリルアミノ)−5−(2,2−ジメチル−ブチリルアミノ)アミノベンゼン、
1,3,5−トリス[3−(トリメチルシリル)プロピオニルアミノ]ベンゼン、
N−t−ブチル−3,5−ビス−(3−メチルブチリルアミノ)−ベンズアミド、
N−t−ブチル−3,5−ビス−(ピバロイルアミノ)−ベンズアミド、
N−t−オクチル−3,5−ビス−(ピバロイルアミノ)−ベンズアミド、
N−(1,1−ジメチル−プロピル)−3,5−ビス−(ピバロイルアミノ)−ベンズアミド、
N−(t−オクチル)−3,5−ビス−(イソブチリルアミノ)−ベンズアミド、
N−(t−ブチル)−3,5−ビス−(ピバロイルアミノ)−ベンズアミド、
N−(2,3−ジメチル−シクロヘキシル)−3,5−ビス−(ピバロイルアミノ)−ベンズアミド、
N−t−ブチル−3,5−ビス−(シクロペンタンカルボニルアミノ)−ベンズアミド、
N−(3−メチルブチル)−3,5−ビス−(3−メチルブチリルアミノ)−ベンズアミド、
N−(3−メチルブチル)−3,5−ビス−(ピバロイルアミノ)−ベンズアミド、
N−(3−メチルブチル)−3,5−ビス−(4−メチルペンタノイルアミノ)−ベンズアミド、
N−(3−メチルブチル)−3,5−ビス−(シクロペンタンカルボニルアミノ)−ベンズアミド、
N−(3−メチルブチル)−3,5−ビス−(シクロヘキサンカルボニルアミノ)−ベンズアミド、
N−シクロペンチル−3,5−ビス−(3−メチルブチリルアミノ)−ベンズアミド、
N−シクロペンチル−3,5−ビス−(ピバロイルアミノ)−ベンズアミド、
N−シクロペンチル−3,5−ビス−(4−メチルペンタノイルアミノ)−ベンズアミド、
N−シクロペンチル−3,5−ビス−(シクロペンタンカルボニルアミノ)−ベンズアミド、
N−シクロペンチル−3,5−ビス−(シクロヘキサンカルボニルアミノ)−ベンズアミド、
N−シクロヘキシル−3,5−ビス−(3−メチルブチリルアミノ)−ベンズアミド、
N−シクロヘキシル−3,5−ビス−(ピバロイルアミノ)−ベンズアミド、
N−シクロヘキシル−3,5−ビス−(4−メチルペンタノイルアミノ)−ベンズアミド、
N−シクロヘキシル−3,5−ビス−(シクロペンタンカルボニルアミノ)−ベンズアミド、
N−シクロヘキシル−3,5−ビス−(シクロヘキサンカルボニルアミノ)−ベンズアミド、
N−イソプロピル−3,5−ビス−(ピバロイルアミノ)−ベンズアミド、
N−イソプロピル−3,5−ビス−(イソブチリルアミノ)−ベンズアミド、
N−t−ブチル−3,5−ビス−(2,2−ジメチルブチリルアミノ)−ベンズアミド、
N−t−オクチル−3,5−ビス−(2,2−ジメチルブチリルアミノ)−ベンズアミド、
5−ピバロイルアミノ−イソフタル酸N,N’−ジ−t−ブチルジアミド、
5−ピバロイルアミノ−イソフタル酸N,N’−ジ−t−オクチルジアミド、
5−(2,2−ジメチルブチリルアミノ)−イソフタル酸N,N’−ジ−t−ブチルジアミド、
5−(2,2−ジメチルブチリルアミノ)−イソフタル酸N,N’−ジ−t−オクチルジアミド、
5−(3−メチルブチリルアミノ)−イソフタル酸N,N’−ジ−シクロヘキシルジアミド、
5−(ピバロイルアミノ)−イソフタル酸N,N’−ジ−シクロヘキシルジアミド、
5−(シクロペンタンカルボニルアミノ)−イソフタル酸N,N’−ジ−シクロヘキシルジアミド、
5−(シクロヘキシルカルボニルアミノ)−イソフタル酸N,N’−ジ−シクロヘキシルジアミド、
5−(シクロペンタンカルボニルアミノ)−イソフタル酸N,N’−ビス−(2−メチルシクロヘキシル)ジアミド、
5−(シクロヘキサンカルボニルアミノ)−イソフタル酸N,N’−ビス−(2−メチルシクロヘキシル)ジアミド、
5−((1−メチルシクロヘキサンカルボニル)アミノ)−イソフタル酸N,N’−ビス−(2−メチルシクロヘキシル)ジアミドおよび
5−((2−メチルシクロヘキサンカルボニル)アミノ)−イソフタル酸N,N’−ビス−(2−メチルシクロヘキシル)ジアミドから選択される1つ以上のトリスアミド核形成剤を含む、ポリプロピレン物品。
【請求項4】
重量あたり約100ppm〜約200ppmのトリスアミド核形成剤を含む、請求項1、2または3に記載のポリプロピレン物品
【請求項5】
前記多環式有機顔料が、銅フタロシアニン、インダントロン、キナクリドン、ペリレン、ジオキサジン、プテリジン、イソインドリノン、イソインドリンおよびジケトピロロピロール顔料から選択される、請求項1〜4のいずれかに記載のポリプロピレン物品。
【請求項6】
前記多環式有機顔料が、ピグメントブルー60、ピグメントブルー15:1、ピグメントブルー15:3、ピグメントブルー15:4、ピグメントブルー15:6、ピグメントレッド202、ピグメントレッド122、ピグメントレッド149、ピグメントレッド178、ピグメントレッド179、ピグメントバイオレット19、ピグメントバイオレット23、およびピグメントバイオレット37から選択される、請求項1、2、3または4に記載のポリプロピレン物品。
【請求項7】
1つ以上のブルー顔料および1つ以上のマゼンタ、レッドまたはバイオレット顔料の混合物を含む、請求項1〜6のいずれかに記載のポリプロピレン物品。
【請求項8】
ヒドロキシフェニルベンゾトリアゾール、ヒドロキシフェニルトリアジン、ベンゾフェノンまたはベンゾアートUV吸収材、有機リン安定剤、ヒドロキシルアミン安定剤、ベンゾフラノン安定剤、アミンオキシド安定剤、ヒンダードフェノール抗酸化剤およびヒンダードアミン光安定剤から選択される1つ以上の添加物をさらに含む、請求項1〜7のいずれかに記載のポリプロピレン物品。
【請求項9】
光学特性が改善され、および/または結晶化温度が上昇したポリプロピレン物品を提供するための方法であって、前記方法は、ポリプロピレン樹脂中に均一に、
約1ppm〜約10ppmのブルー、グリーン、マゼンタ、レッド、イエロー、オレンジおよびバイオレットの多環式有機顔料から選択される1つ以上の顔料、ならびに
約50ppm〜約250ppmの1つ以上の芳香族トリスアミド核形成剤を分散させることを含み、
前記ppmのレベルは、ポリプロピレン樹脂の重量あたりの重量であり、かつ
前記トリスアミド核形成剤は、式I
【化3】

の剤であって、
式中、
1、R2、R3、R4、R5およびR6はお互いに独立して、
水素、
1−C20アルキル、
2−C20アルキルであって、C1−C10アルキルアミノ、ジ(C1−C10アルキル)アミノ、C1−C10アルキルオキシもしくはヒドロキシによって置換されるC2−C20アルキル;
3−C20アルケニル、
5−C12シクロアルキル、
5−C12シクロアルキルであって1、2もしくは3つのC1−C10アルキルによって置換されるC5−C12シクロアルキル;
シクロヘキシルメチル;
シクロヘキシルメチルであって、1、2もしくは3つのC1−C10アルキルによって置換されるシクロヘキシルメチル;
5−C9シクロアルケニル、
5−C9シクロアルケニルであって、1、2もしくは3つのC1−C10アルキルによって置換されるC5−C9シクロアルケニル;
フェニルであって、C1−C10アルキル、C1−C10アルキルオキシ、ヒドロキシ、ハロゲン、トリハロゲンメチル、トリハロゲンメトキシ、ベンゾイル、フェニルアミノ、アシルアミノおよびフェニルアゾからなる群より選択される1、2もしくは3つのラジカルによって置換されるフェニル;
7−C9フェニルアルキル、
7−C9フェニルアルキルであって、C1−C10アルキル、C1−C10アルコキシおよびヒドロキシからなる群より選択される1、2もしくは3つのラジカルによってフェニル上で置換されるC7−C9フェニルアルキル;
ナフチル、
1−C10アルキルによって置換されるナフチル;
アダマンチル、または
5員〜6員の複素環式基であるか;
あるいは式IIa、IIbまたはIIc
【化4】

の剤であって、
式中、
10、R20およびR30、またはY1、Y2およびY3、またはZ1、Z2およびZ3はお互いに独立して
1−C20アルキルであって、非置換であるかもしくは1つ以上のヒドロキシによって置換されるC1−C20アルキル;
2−C20アルケニルであって、非置換であるかもしくは1つ以上のヒドロキシによって置換されるC2−C20アルケニル;
2−C20アルキルであって、酸素もしくはイオウが介在しているC2−C20アルキル;
3−C12シクロアルキルであって、非置換であるかもしくは1つ以上のC1−C20アルキルによって置換されるC3−C12シクロアルキル;
(C3−C12シクロアルキル)−C1−C10アルキルであって、非置換であるかもしくは1つ以上のC1−C20アルキルによって置換される(C3−C12シクロアルキル)−C1−C10アルキル;
ビス[C3−C12シクロアルキル]−C1−C10アルキルであって、非置換であるかもしくは1つ以上のC1−C20アルキルによって置換されるビス[C3−C12シクロアルキル]−C1−C10アルキル;
5〜20個の炭素原子を有する二環式もしくは三環式の炭化水素基であって、非置換であるかもしくは1つ以上のC1−C20アルキルによって置換される炭化水素基;
フェニルであって、非置換であるかもしくはC1−C20アルキル、C1−C20アルコキシ、C1−C20アルキルアミノ、ジ(C1−C20アルキル)アミノ、ヒドロキシおよびニトロから選択される1つ以上のラジカルによって置換されるフェニル;
フェニル−C1−C20アルキルであって、非置換であるかもしくはC1−C20アルキル、C3−C12シクロアルキル、フェニル、C1−C20アルコキシおよびヒドロキシから選択される1つ以上のラジカルによって置換されるフェニル−C1−C20アルキル;
フェニルエテニルであって、非置換であるかもしくは1つ以上のC1−C20アルキルによって置換されるフェニルエテニル;
ビフェニル−(C1−C10アルキル)であって、非置換であるかもしくは1つ以上のC1−C20アルキルによって置換されるビフェニル−(C1−C10アルキル);
ナフチルであって、非置換であるかもしくは1つ以上のC1−C20アルキルによって置換されるナフチル;
ナフチル−C1−C20アルキルであって、非置換であるかもしくは1つ以上のC1−C20アルキルによって置換されるナフチル−C1−C20アルキル;
ナフトキシメチルであって、非置換であるかもしくは1つ以上のC1−C20アルキルによって置換されるナフトキシメチル;
ビフェニルエニル、フルオレニル、アントリル;
5員〜6員の複素環式基であって、非置換であるかもしくは1つ以上のC1−C20アルキルによって置換される複素環式基;
1つ以上のハロゲンを含有するC1−C20炭化水素基;あるいは
トリ(C1−C10アルキル)シリル(C1−C10アルキル)であり;
ただしラジカルR10、R20およびR30、またはY1、Y2およびY3、またはZ1、Z2およびZ3は、
分岐したC3−C20アルキルであって、非置換であるかもしくは1つ以上のヒドロキシによって置換されるC3−C20アルキル;
2−C20アルキルであって、酸素もしくはイオウが介在しているC2−C20アルキル;
3−C12シクロアルキルであって、非置換であるかもしくは1つ以上のC1−C20アルキルによって置換されるC3−C12シクロアルキル;
(C3−C12シクロアルキル)−C1−C10アルキルであって、非置換であるかもしくは1つ以上のC1−C20アルキルによって置換される(C3−C12シクロアルキル)−C1−C10アルキル;
5〜20個の炭素原子を有する二環式もしくは三環式の炭化水素基であって、非置換であるかもしくは1つ以上のC1−C20アルキルによって置換される炭化水素基;
フェニルであって、非置換であるかもしくはC1−C20アルキル、C1-C20アルコキシ、C1−C20アルキルアミノ、ジ(C1−C20アルキル)アミノ、ヒドロキシおよびニトロから選択される1つ以上のラジカルで置換されるフェニル;
フェニル−C1−C20アルキルであって、非置換であるかもしくはC1−C20アルキル、C3−C12シクロアルキル、フェニル、C1−C20アルコキシおよびヒドロキシから選択される1つ以上のラジカルによって置換されるフェニル−C1−C20アルキル;
ビフェニル−(C1−C10アルキル)であって、非置換であるかもしくは1つ以上のC1−C20アルキルによって置換されるビフェニル−(C1−C10アルキル);
ナフチル−C1−C20アルキルであって、非置換であるかもしくは1つ以上のC1−C20アルキルによって置換されるナフチル−C1−C20アルキル;または
トリ(C1−C10アルキル)シリル(C1−C10アルキル)である、
方法。
【請求項10】
ブルー、グリーン、マゼンタ、レッド、イエロー、オレンジおよびバイオレットの多環式有機顔料から選択される低レベルの1つ以上の顔料を、特定のレベルの1つ以上の芳香族トリスアミド核形成剤と一緒にした使用であって、光学特性が改善され、および/または結晶化温度が上昇したポリプロピレン物品を提供することを目的とし、前記低レベルの顔料が、ポリプロピレン樹脂の重量に基づいて、約1ppm〜約10ppmであり、かつ芳香族トリサミドの前記レベルが、約50ppm〜約250ppmである、使用。

【公表番号】特表2013−513014(P2013−513014A)
【公表日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−543147(P2012−543147)
【出願日】平成22年11月30日(2010.11.30)
【国際出願番号】PCT/US2010/058381
【国際公開番号】WO2011/071718
【国際公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【出願人】(508020155)ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア (2,842)
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【Fターム(参考)】