説明

光学用易接着性ポリエステルフィルム及び光学用積層ポリエステルフィルム

【課題】ハードコート層との密着性、高温高湿下での密着性(耐湿熱)に優れる光学用易接着性ポリエステルフィルムを提供する。
【解決手段】ポリエステルフィルムの少なくとも片面に、酸成分としてナフタレンジカルボン酸を含むポリエステル樹脂と、架橋剤と、無機粒子もしくは有機粒子からなる平均粒径200nm以上700nm以下の粒子(粒子B)を含有する塗布層を設けた光学用易接着性ポリエステルフィルム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学用易接着性ポリエステルフィルムに関する。例えば、タッチパネル、液晶表示板(LCD)、テレビやコンピューターのブラウン管(CRT)、プラズマディスプレイ(PDP)、有機エレクトロルミネッセンス(有機EL)等の表示画面の前面に装着して、ハードコート層との密着性及び高温高湿処理後の密着性に優れる光学用易接着性ポリエステルフィルムに関する。
【背景技術】
【0002】
タッチパネル、コンピューター、テレビ、液晶表示装置等のディスプレイ、装飾材等の前面には、透明なハードコート層を積層させたハードコートフィルムが使用されている。また、基材の透明プラスティックフィルムとしては、透明な二軸配向ポリエステルフィルムが一般的に用いられ、基材のポリエステルフィルムとハードコート層との密着性を向上させるために、これらの中間層として易接性を有する塗布層を設ける場合が多い。
【0003】
前記のハードコートフィルムには、温度、湿度、光に対する耐久性、透明性、耐薬品性、耐擦傷性、防汚性等が求められている。また、ハードコートフィルムにはディスプレイや装飾材などの表面に用いられることが多いため、視認性や意匠性が要求されている。そのため、任意の角度から見たときの反射光によるぎらつきや虹彩状色彩等を抑えるため、ハードコート層の上層に、高屈折率層と低屈折率層を相互に積層した多層構造の反射防止層を設けることが一般的に行われている。
【0004】
しかしながら、ディスプレイや装飾材などの用途では、近年、さらなる大画面化(大面積化)及び高級性が求められ、それにともなって特に蛍光灯下での虹彩状色彩(干渉斑)の抑制に対する要求レベルが高くなってきている。また、蛍光灯は昼光色の再現性のため3波長形が主流となってきており、より干渉斑が出やすくなっている。さらに、反射防止層の簡素化によるコストダウン要求も高くなってきている。そのため、反射防止層を付加しないハードコートフィルムのみでも干渉斑をできるだけ抑制するものが求められている。
【0005】
ハードコートフィルムの虹彩状色彩(干渉斑)は、基材のポリエステルフィルムの屈折率(例えば1.62)とアクリル樹脂からなるハードコート層の屈折率(例えば1.49)との差が大きいため発生するといわれている。積層間の屈折率差を小さくして干渉斑の発生を防止するため、基材のポリエステルフィルム上に塗布層を設け、ポリエステルフィルムと塗布層との屈折率差、塗布層とハードコート層の屈折率差を小さくするように、塗布層を構成する樹脂と高屈折添加剤の含有量で塗布層の屈折率を制御する方法が開示されている。このような方法として、例えば、(1)水溶性ポリエステル樹脂と水溶性金属キレート化合物または金属アシレート化合物を含むもの(特許文献1)、(2)高分子バインダーと高屈折率の金属酸化物を含むもの(特許文献2)等が提案されている。
【0006】
上記(1)、(2)の方法で干渉斑の発生を抑制する場合、塗布層の厚みを制御することが重要となる。塗布層を設けることで、ハードコート層−塗布層界面で生じる反射光と、塗布層−ポリエステルフィルム界面で生じる反射光とが生じるが、この2つの波長が打ち消しあって逆位相となる為には、光学設計上、特定の範囲内で塗布層厚みを制御する必要があるためである。そのため、塗布層の厚みが所定の範囲を超える場合は、これら反射光による干渉斑が発生することとなる。よって、上記(1)、(2)の方法では、生産管理上、極めて厳密に塗布層厚みを制御する必要があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特許第3632044号明細書
【特許文献2】特開2004−54161号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、近年の生産効率の向上の点から、ハードコート層形成用塗布液の溶剤として速乾性やレベリングに優れた各種の溶剤が用いられるようになってきており、そのようなものの中には、ポリエステルフィルムに設けた塗布層を溶解するものも使用されるようになってきた。そのため、上記方法で特定の厚みを有する塗布層を設けても、ハードコート層形成用塗布液の溶剤によって塗布層厚みが変動し、干渉斑が抑制できない場合が生じてきた。そのため、各種の溶剤でも広範囲に適用可能な干渉斑の効果を有する塗布層の組成が切望された。
【0009】
すなわち、本発明は、ハードコート層との密着性、高温高湿下での密着性に優れる光学易接着性ポリエステルフィルム及び該フィルムにハードコート層を積層してなる光学用積層ポリエステルフィルムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題に対し、本発明者は塗布層組成に関して鋭意検討を行った結果、所定の屈折率を有する塗布層に平均粒径200nm以上700nm以下という大きな粒子を加えた結果、厚み変動に対しても安定的に干渉斑を抑制できるという驚くべき効果を見いだし、本発明に至った。
【0011】
すなわち、本発明は、ポリエステルフィルムの少なくとも片面に、酸成分としてナフタレンジカルボン酸を含むポリエステル樹脂と、架橋剤と、無機粒子もしくは有機粒子からなる平均粒径200nm以上700nm以下の粒子(粒子B)を含有する塗布層を設けた光学用易接着性ポリエステルフィルムである。
また、本発明は、前記架橋剤が尿素系架橋剤、エポキシ系架橋剤、メラミン系架橋剤、イソシアネート系架橋剤、オキサゾリン系架橋剤から選ばれた少なくとも1種の架橋剤であることを特徴とする光学用易接着性ポリエステルフィルムである。
また、本発明は、前記光学用易接着性ポリエステルフィルムの塗布層の少なくとも片面に、電子線または紫外線硬化型アクリル樹脂、またはシロキサン系熱硬化性樹脂からなるハードコート層を積層してなる光学用積層ポリエステルフィルムである。
【発明の効果】
【0012】
本発明の光学用易接着ポリエステルフィルムは、該フィルムの易接着層にハードコート層を積層した際に、ハードコート層との密着性及び高温高湿下での密着性(耐湿熱性)に優れる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
(ポリエステルフィルム)
本発明で基材として用いるポリエステルフィルムは、ポリエステル樹脂より構成されるフィルムであり、主に、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートの少なくとも1種を構成成分とする。これらのポリエステル樹脂の中でも、物性とコストのバランスからポリエチレンテレフタレートが最も好ましい。また、これらのポリエステルフィルムは二軸延伸することで耐薬品性、耐熱性、機械的強度などを向上させることができる。
【0014】
また、前記の二軸延伸ポリエステルフィルムは、単層であっても複層であってもかまわない。また、本発明の効果を奏する範囲内であれば、これらの各層には、必要に応じて、ポリエステル樹脂中に各種添加剤を含有させることができる。添加剤としては、例えば、酸化防止剤、耐光剤、ゲル化防止剤、有機湿潤剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、界面活性剤などが挙げられる。
【0015】
また、フィルムの滑り性、巻き性、耐ブロッキング性などのハンドリング性や、耐摩耗性、耐スクラッチ性などの摩耗特性を改善するために、基材のポリエステルフィルム中に不活性粒子を含有させる場合がある。しかしながら、本発明のフィルムは光学用部材の基材フィルムとして用いるため、高度な透明性を維持しながらハンドリング性に優れていることが要求される。具体的には、光学用部材として使用する場合、透明性は光学用易接着性ポリエステルフィルムの全光線透過率が85%以上であることが好ましく、87%以上がより好ましく、88%以上がさらに好ましく、89%以上がよりさらに好ましく、90%以上が特に好ましい。
【0016】
また、高い鮮明度のためには、基材フィルム中への不活性粒子の含有量はできるだけ少ないほうが好ましい。したがって、フィルムの表層のみに粒子を含有させた多層構成にするか、あるいは、フィルム中に実質的に粒子を含有させず、塗布層にのみ微粒子を含有させることが好ましい。
【0017】
特に、透明性の点から、ポリエステルフィルム中に不活性粒子を事実上含有させない場合は、フィルムのハンドリング性を向上させるために、無機及び/または耐熱性高分子粒子を水系塗布液中に含有させ、塗布層表面に凹凸を形成させることが重要である。
【0018】
なお、「不活性粒子が実質上含有されていない」とは、例えば、無機粒子の場合、蛍光X線分析で粒子に由来する元素を定量分析した際に、50ppm以下、好ましくは10ppm以下、最も好ましくは検出限界以下となる含有量を意味する。これは積極的に粒子を基材フィルム中に添加させなくても、外来異物由来のコンタミ成分や、原料樹脂あるいはフィルムの製造工程におけるラインや装置に付着した汚れが剥離して、フィルム中に混入する場合があるためである。
【0019】
(塗布層)
本発明の光学用易接着性フィルムには、酸成分としてナフタレンジカルボン酸を含むポリエステル樹脂と、架橋剤と、平均粒径200nm以上700nm以下の粒子(粒子B)を含有する塗布層に設けることが重要である。すなわち、本発明の以下のような達成手段による。
【0020】
(1)塗布層の屈折率制御
本願発明の光学易接着性フィルムは、塗布層の屈折率をハードコート層と基材ポリエステルフィルムとの中間付近に調整することが好ましい。ハードコート層に使用する樹脂の組成によって、ハードコート層の屈折率は変動するため、塗布層の屈折率はそれに対応して調整することが望ましく、具体的には塗布層の屈折率を1.6〜1.7の範囲に調整することが好ましい。このようにすることで各界面屈折率差を小さくし、干渉斑を抑制する。一般に易接着性を有する塗布層では屈折率が低いため(1.50前後)、塗布層の屈折率を上記範囲に制御する為に本願では、塗布層の用いる樹脂を酸成分としてナフタレンジカルボン酸を含むポリエステル樹脂を用い、さらに屈折率1.7以上3.0以下の金属酸化物粒子(粒子A)を添加する。係る構成により密着性を有しながら、屈折率の高い塗布層にすることができる。これらの組成の詳細については後述する。
【0021】
(2)平均粒径200nm以上700nm以下の粒子(粒子B)
本願発明者は塗布層組成を鋭意検討した結果、平均粒径200nm以上700nm以下の粒子(粒子B)を塗布層に添加することで干渉斑抑制効果を見いだし本願発明に至った。粒子Bがこのような効果を奏する理由はとして、本願発明者は以下のように考えている。塗布層に平均粒径の比較的大きい粒子を添加することで、塗布層とハードコート層との界面に凹凸が形成される。このような凹凸構造によって、塗布層とハードコート層との界面で光の散乱が生じる。このようなランダムな光散乱により塗布層と基材ポリエステルフィルムとの界面で生じる反射光との位相の乱れが生じ、その結果、干渉斑の抑制効果が生じると考えられる。本願の光学易接着性フィルムの塗布層はかかる構成を有するため、従来技術のように塗布厚みを高度に制御する必要もなく、各種の溶剤からなるハードコート層形成用塗布液でも広範囲に適用可能となった。
【0022】
また、粒子Bを塗布層に添加した効果として、ハードコート層との密着性が向上することを見いだした。これは、塗布層とハードコート層との界面に凹凸が形成されることによって、塗布層とハードコート層との界面面積が増加し、密着性に有利に作用したものと考えている。
【0023】
粒子Bが上記の効果を奏するために、塗布層の厚みは粒子Bの平均粒径より小さいことが好ましく、塗布層の厚みは粒子Bの平均粒径の1/1未満が好ましく、1/2以下がより好ましい。また、塗布層の厚みは粒子Bの平均粒径の1/15以上が好ましく、1/10以上がより好ましく、1/7以上がさらに好ましい。塗布層の厚みが粒子Bの平均粒径の1/15未満であると、透明性が低下する場合がある。
【0024】
本発明は、上記態様により、ハードコート層との密着性、及び高温高湿下での密着性(耐湿熱性)を維持しながら、蛍光灯下での虹彩状色彩を制御できる。さらに、本発明の構成を以下に詳細する。
【0025】
本発明において、易接着層中にポリエステル樹脂を含有させる必要があり、前記ポリエステル樹脂の酸性分として、ナフタレンジカルボン酸を含有させる必要がある。ナフタレンジカルボン酸を含有させることで、屈折率が増加し、蛍光灯下での虹彩状色彩を制御しやすくなる。また、耐湿熱性を向上させることができる。
【0026】
ポリエステル樹脂は水、または、水溶性の有機溶剤(例えば、アルコール、アルキルセルソルブ、ケトン系、エーテル系を50質量%未満含む水溶液)または、有機溶剤(例えば、トルエン、酢酸エチル等)に対して溶解または分散したものが使用できる。
【0027】
ポリエステル樹脂は酸成分として、少なくともナフテレンジカルボン酸を含有させる必要がある。このようなナフテレンジカルボン酸としては、2,6−ナフタレンジカルボン酸が好ましい。ポリエステル樹脂中の上記ナフタレンジカルボン酸の割合は酸性分として20%以上が好ましく、30%以上がより好ましく、50%以上がさらに好ましく、60%以上がよりさらに好ましい。また、ポリエステル樹脂中の上記ナフタレンジカルボン酸の割合は酸性分として90%以下が好ましく、85%以下がより好ましく、80%以下がさらに好ましい。ポリエステル樹脂中の上記ナフタレンジカルボン酸の割合は、粒子Aとともに塗布層の屈折率が前述の範囲になるよう適宜調整するが、20%未満であれば粒子Aの添加量が多くなり、密着性が低下する場合がある。また、90%を超える場合は、樹脂の密着性が低下する場合がある。本発明の効果を奏する範囲であれば、ポリエステル樹脂中の酸性分としてさらに、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、無水フタル酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、ダイマー酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、4−ナトリウムスルホナフタレン−2,7−ジカルボン酸等を使用しても良い。ジオール成分としては、エチレングリコール、プロパングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、キシレングリコール、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物等が挙げられる。
【0028】
前記ポリエステル樹脂は塗布層中に、全固形成分中、40質量%以上90質量%以下含有することが好ましい。より好ましくは60%質量%以上80質量%以下である。ポリエステル樹脂の含有量が多い場合には、高温高湿下のハードコート層との密着性が低下し、逆に、含有量が少ない場合には、常温、高温高湿下のポリエステルフィルムとの密着性が低下する。
【0029】
本発明において、塗布層中に架橋剤を含有させても良い。架橋剤を含有させることにより、インク受容層の高温高湿下での密着性を更に向上させることが可能になる。架橋剤としては、尿素系、エポキシ系、メラミン系、イソシアネート系、オキサゾリン系等が挙げられる。これらの中で、塗液の経時安定性、高温高湿処理下の密着性向上効果からメラミン系、イソシアネート系、オキサゾリン系が好ましい。また、架橋反応を促進させるため、触媒等を必要に応じて適宜使用される。
【0030】
架橋剤の塗布層中の含有量としては、全固形成分中、5質量%以上50質量%以下が好ましい。より好ましくは10質量%以上30質量%以下である。少ない場合には、塗布層の樹脂の強度が低下し、高温高湿下での密着性が低下し、多い場合には、塗布層の樹脂の柔軟性が低下し、常温、高温高湿下での密着性が低下する。
【0031】
本発明において、塗布層中に屈折率1.7以上3.0以下の金属酸化物粒子(粒子A)を含有させることが好ましい。このような金属酸化物としては、TiO(屈折率2.7)、ZnO(屈折率2.0)、Sb(屈折率1.9)、SnO(屈折率2.1)、ZrO(屈折率2.4)、Nb(屈折率2.3)、CeO(屈折率2.2)、Ta(屈折率2.1)、Y(屈折率1.8)、La(屈折率1.9)、In(屈折率2.0)、Cr(屈折率2.5)等、及びこれらの金属原子を含む複合酸化物等が挙げられる。本発明の塗布層には、これらの金属酸化物を少なくとも1種または2種以上を含有する。金属酸化物粒子の屈折率が1.7以上であれば、塗布層の屈折率を前記範囲で調整する点で好ましい。また、金属酸化物粒子の屈折率が3.0以下であればフィルムの透明性を維持する点で好ましい。
【0032】
金属酸化物粒子の塗布層中の含有量としては、全固形成分中、5質量%以上70質量%以下が好ましい。金属酸化物粒子の含有量の下限としては、7質量%以上がより好ましく、8質量%以上がさらに好ましい。また、金属酸化物粒子の含有量の上限としては、50質量%以下がより好ましく、30質量%以下がさらに好ましく、20質量%以下がよりさらに好ましく、15質量%以下が特に好ましい。ハードコート層の屈折率によって、前記範囲内で金属酸化物粒子を添加し、塗布層の屈折率1.6〜1.7の範囲で調整する。金属酸化物粒子の含有量が5質量%未満であれば塗布層の屈折率を上記範囲に調整することが困難になる場合がある。また、金属酸化物粒子の含有量が70質量%を越えると塗布層の密着性が低下する場合があるので好ましくない。金属酸化物粒子の平均粒子径は特に限定されないが、フィルムの透明性を維持する点から1〜100nmであれば好ましい。
【0033】
本発明において、塗布層中に平均粒径200nm以上700nm以下の粒子(粒子B)を含有させる必要がある。粒子Bは(1)シリカ、カオリナイト、タルク、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、ゼオライト、アルミナ、硫酸バリウム、カーボンブラック、酸化亜鉛、硫酸亜鉛、炭酸亜鉛、二酸化チタン、サチンホワイト、珪酸アルミニウム、ケイソウ土、珪酸カルシウム、水酸化アルミニウム、加水ハロイサイト、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、等の無機粒子、(2)アクリルあるいはメタアクリル系、塩化ビニル系、酢酸ビニル系、ナイロン、スチレン/アクリル系、スチレン/ブタジエン系、ポリスチレン/アクリル系、ポリスチレン/イソプレン系、ポリスチレン/イソプレン系、メチルメタアクリレート/ブチルメタアクリレート系、メラミン系、ポリカーボネート系、尿素系、エポキシ系、ウレタン系、フェノール系、ジアリルフタレート系、ポリエステル系等の有機粒子が挙げられる。
【0034】
前記粒子(粒子B)は、平均粒径が200〜700nmのものが好適である。粒径が小さい場合は塗布層とハードコート層の界面の凹凸形成が小さく、散乱効果が減少し、蛍光灯下での虹彩状色彩の抑制効果が不十分となりやすくなる。大きい場合は、塗布層の透明性が悪くなる場合がある。
【0035】
前記粒子(粒子B)は凝集しにくい、真球状のものが好ましい。粒子が凝集すると、散乱の効果が減少し、灯下での虹彩状色彩の抑制効果が不十分となりやすくなるだけでなく、光学欠点となる場合がある。また、粒子による光の散乱効果を発揮する点でも、真球状の粒子は好ましいと考える。また、フィルムの透明性を維持する点から、粒子Bは無色透明であることが好ましい。
【0036】
本発明の塗布層中の粒子の平均粒径は、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて、倍率12万倍で積層フィルムの断面を撮影し、塗布層の断面に存在する10ヶ以上の粒子の最大径を測定し、それらの平均値を求めることができる。その際は、異物や粒子Aの粒子を除くため、100nm以上の粒子を選別して平均を求めるのが好ましい。
【0037】
粒子Bの塗布層中の含有量としては、全固形成分中、0.5質量%以上5質量%以下が好ましい。粒子Bの塗布層中の含有量の上限としては、4質量%以下がより好ましく、3質量%以下がさらに好ましく、2質量%以下が特に好ましい。少ない場合は、散乱効果が減少し、蛍光灯下での虹彩状色彩の抑制効果が不十分となりやすくなる。多い場合は、塗布層の透明性が悪くなるだけでなく、膜強度が低下する。
【0038】
塗布層には、コート時のレベリング性の向上、コート液の脱泡を目的に界面活性剤を含有させることもできる。界面活性剤は、カチオン系、アニオン系、ノニオン系などいずれのものでも構わないが、シリコン系、アセチレングリコール系又はフッ素系界面活性剤が好ましい。これらの界面活性剤は、蛍光灯下での虹彩状色彩の抑制効果や密着性を損なわない程度の範囲で塗布層に含有させることが好ましい。
【0039】
塗布層に他の機能性を付与するために、蛍光灯下での虹彩状色彩の抑制効果や密着性を損なわない程度の範囲で、各種の添加剤を含有させても構わない。前記添加剤としては、例えば、蛍光染料、蛍光増白剤、可塑剤、紫外線吸収剤、顔料分散剤、抑泡剤、消泡剤、防腐剤、等が挙げられる。
【0040】
本発明において、ポリエステルフィルム上に塗布層を設ける方法としては、溶媒、粒子、樹脂を含有する塗布液をポリエステルフィルムに塗布、乾燥する方法が挙げられる。溶媒として、トルエン等の有機溶剤、水、あるいは水と水溶性の有機溶剤の混合系が挙げられるが、好ましくは、環境問題の点から水単独あるいは水に水溶性の有機溶剤を混合したものが好ましい。
【0041】
本発明の光学用積層ポリエステルフィルムは、前述のポリエステルフィルムの塗布層の少なくとも片面に、電子線または紫外線硬化型アクリル樹脂またはシロキサン系熱硬化性樹脂からなるハードコート層を設けることにより得られる。
【0042】
電子線または紫外線により硬化する樹脂として、アクリレート系の官能基を有するものであり、例えば、比較的低分子量のポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アルキッド樹脂、スピロアセタール樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリチオールポリエン樹脂、多価アルコール等の多官能化合物の(メタ)アクリレート等のオリゴマーまたはプレポリマーおよび反応性希釈剤としてエチル(メタ)アクリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート、スチレン、メチルスチレン、N−ビニルピロリドン等の単官能モノマー並びに多官能モノマー、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート等を含有するものが使用できる。
【0043】
但し、紫外線硬化型樹脂の場合には、前述の樹脂中に光重合開始剤として、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ミヒラーベンゾイルベンゾエート、α−アミロキシムエステル、テトラメチルチラウムモノサルファイド、チオキサントン類や、光増感剤としてn−ブチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルホスフィン等を混合して用いることができる。
【0044】
(光学用易接着性ポリエステルフィルムの製造)
本発明の光学用易接着性ポリエステルフィルムの製造方法について、ポリエチレンテレフタレート(以下、PETと略記する)フィルムを例にして説明するが、当然これに限定されるものではない。
【0045】
PET樹脂を十分に真空乾燥した後、押出し機に供給し、Tダイから約280℃の溶融PET樹脂を回転冷却ロールにシート状に溶融押出しし、静電印加法により冷却固化せしめて未延伸PETシートを得る。前記未延伸PETシートは、単層構成でもよいし、共押出し法による複層構成であってもよい。また、PET樹脂中に不活性粒子を実質的に含有させないことが好ましい。
【0046】
得られた未延伸PETシートを、80〜120℃に加熱したロールで長手方向に2.5〜5.0倍に延伸して、一軸延伸PETフィルムを得る。さらに、フィルムの端部をクリップで把持して、70〜140℃に加熱された熱風ゾーンに導き、幅方向に2.5〜5.0倍に延伸する。引き続き、160〜240℃の熱処理ゾーンに導き、1〜60秒間の熱処理を行ない、結晶配向を完了させる。
【0047】
このフィルム製造工程の任意の段階で、PETフィルムの少なくとも片面に、塗布液を塗布し、前記塗布層を形成する。塗布層はPETフィルムの両面に形成させても特に問題はない。塗布液中の樹脂組成物の固形分濃度は、2〜35重量%であることが好ましく、特に好ましくは4〜15重量%である。
【0048】
この塗布液をPETフィルムに塗布するための方法は、公知の任意の方法を用いることができる。例えば、リバースロールコート法、グラビアコート法、キスコート法、ダイコーター法、ロールブラッシュ法、スプレーコート法、エアナイフコート法、ワイヤーバーコート法、パイプドクター法、含浸コート法、カーテンコート法、などが挙げられる。これらの方法を単独で、あるいは組み合わせて塗工する。
【0049】
本発明においては、塗布層は未延伸あるいは一軸延伸後のPETフィルムに前記塗布液を塗布、乾燥した後、少なくとも一軸方向に延伸し、次いで熱処理を行って形成させる。
【0050】
本発明において、最終的に得られる塗布層の厚みは20〜350nm、乾燥後の塗布量は、0.02〜0.5g/mであることが好ましい。塗布層の塗布量が0.02g/m未満であると、接着性に対する効果がほとんどなくなるばかりではなく、蛍光灯下での虹彩状色彩の抑制性が不十分となりやすくなる。一方、塗布量が0.5g/mを越えると、同様に蛍光灯下での虹彩状色彩の抑制効果が不十分となりやすくなる。
【0051】
本発明で得られた光学用易接着性ポリエステルフィルムの塗布層は、電子線または紫外線硬化型アクリル樹脂またはシロキサン系熱硬化性樹脂からなるハードコート層に対して良好な接着性を有する。また、光学用途以外でも良好な接着強度が得られる。具体的には、写真感光層、ジアゾ感光層、マット層、磁性層、インクジェットインキ受容層、ハードコート層、紫外線硬化樹脂、熱硬化樹脂、印刷インキやUVインキ、ドライラミネートや押し出しラミネート等の接着剤、金属あるいは無機物またはそれらの酸化物の真空蒸着、電子ビーム蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング、CVD、プラズマ重合等で得られる薄膜層、有機バリアー層等が挙げられる。
【0052】
(光学用積層ポリエステルフィルムの製造)
本発明の光学用積層ポリエステルフィルムの製造方法について、PETフィルムを例にして説明するが、当然これに限定されるものではない。
【0053】
前述の光学用易接着性ポリエステルフィルムの少なくとも片面に、前記の電子線または紫外線硬化型アクリル樹脂またはシロキサン系熱硬化性樹脂を塗布する。塗布液は特に希釈する必要はないが、塗布液の粘度、濡れ性、塗膜厚等の必要に応じて有機溶剤により希釈しても特に問題はない。塗布層は、前述のフィルムに前記塗布液を塗布後、必要に応じて乾燥させた後、塗布液の硬化条件に合わせて、電子線または紫外線照射及び加熱することにより塗布層を硬化させることにより、ハードコート層を形成する。
【0054】
本発明において、ハードコート層の厚みは、1〜15μmであることが好ましい。ハードコート層の厚みが1μm未満であると、ハードコート層としての耐薬品性、耐擦傷性、防汚性等に対する効果がほとんどなくなる。一方、厚みが15μmを越えるとハードコート層のフレキシブル性が低下し、亀裂等が発生する可能性が増加する。
【0055】
本発明で得られた光学用積層ポリエステルフィルムは、広範囲の用途に使用できるが、特にさらに上層に反射防止層を形成することにより、良好な反射防止フィルムとすることができる。このような反射防止層の形成には、高屈折率のZnO、TiO、CeO、SnO、ZrO等または低屈折率のMgF、SiO等の無機質材料や、金属材料を単層または多層設けることにより行われる。これらの層は、蒸着、スパッタリング、プラズマCVD等か、高屈折率または低屈折率の無機質材料や金属材料等を含有する樹脂組成物からなる塗布層を単層または多層で形成される。
【実施例】
【0056】
次に、実施例および比較例を用いて本発明を詳細に説明するが、本発明は当然以下の実施例に限定されるものではない。また、本発明で用いた評価方法は以下の通りである。
【0057】
(1)固有粘度
JIS K 7367−5に準拠し、溶媒としてフェノール(60質量%)と1,1,2,2−テトラクロロエタン(40質量%)の混合溶媒を用い、30℃で測定した。
【0058】
(2)ガラス転移温度
JIS K7121に準拠し、示差走査熱量計(セイコーインスツルメンツ製、DSC6200)を使用して、25〜300℃の温度範囲にわたって20℃/minで昇温させ、DSC曲線から得られた補外ガラス転移開始温度をガラス転移温度とした。
【0059】
(3)屈折率
ハードコート層の屈折率は、ハードコート層に用いる各樹脂を硬化させた膜について、JIS K 7142に基づき、アッベ屈折率計を用いて測定を行った。
粒子Aの屈折率は、90℃で乾固させた粒子Aを、屈折率の異なる種々の25℃の液体に懸濁させ、懸濁液が最も透明にみえる液の屈折率をアッべ屈折率計によって測定した。
【0060】
(4)平均粒径
光学用積層ポリエステルフィルムの試料を可視光硬化型樹脂(日本電子データム社製、D−800)に包埋し、室温で可視光にさらして硬化させた。得られた包埋ブロックから、ダイアモンドナイフを装着したウルトラミクロトームを用いて70〜100nm程度の厚みの超薄切片を作製し、四酸化ルテニウム蒸気中で30分間染色した。この染色された超薄切片を、透過型電子顕微鏡(日本電子株式会社製、TEM2010)を用いて、ハードコート層の断面を観察し、写真を撮影した。写真の拡大倍率は、10,000〜100,000倍の範囲で適宜設定する。なお、本実施例では、拡大倍率を80,000倍(加速電圧200kv)とした。電顕微鏡写真から粒径が約100nm以上の粒子を10個以上選別し、それらの粒子の最大径を測定し、その平均値を求めた。これは、粒子Aや異物など明らかに本願の粒子Bでない、粒径の小さい粒子を除くためである。
【0061】
(5)干渉斑改善性(虹彩状色彩)
光学用積層ポリエステルフィルムを10cm(フィルム幅方向)×15cm(フィルム長手方向)の面積に切り出し、試料フィルムを作成した。得られた試料フィルムのハードコート層とは反対面に、黒色光沢テープ(日東電工製、ビニルテープNo21;黒)を張り合わせた。この試料フィルムのハードコート面を上面にして3波長形昼白色(ナショナル パルック、F.L 15EX−N 15W)を光源として斜め上から目視でもっとも反射が強く見える位置関係(光源からの距離40〜60cm、フィルム面の垂線に対して15〜45°の角度)で観察した。
【0062】
目視で観察した結果を、下記の基準でランク分けをする。なお、観察は該評価に精通した5名で行ない、最も多いランクを評価ランクとする。仮に、2つのランクで同数となった場合には、3つに分かれたランクの中心を採用した。例えば、◎と○が各2名で△が1名の場合は○を、◎が1名で○と△が各2名の場合には○を、◎と△が各2名で○が1名の場合には○を、それぞれ採用する。
◎:あらゆる角度からの観察でも虹彩状色彩が見られない
○:ある角度によっては僅かに虹彩状色彩が見られる
△:僅かに虹彩状色彩が観察される
×:はっきりとした虹彩状色彩が観察される
【0063】
(6)接着性
光学用積層ポリエステルフィルムに、隙間間隔2mmのカッターガイドを用いて、ハードコート層を貫通して基材フィルムに達する100個のマス目状の切り傷をハードコート層面につける。次たで、セロハン粘着テープ(ニチバン社製、405番;24mm幅)をマス目状の切り傷面に貼り付け、消しゴムでこすって完全に密着させた。その後、垂直にセロハン粘着テープを光学用積層ポリエステルフィルムのハードコート層面から引き剥がして、光学用積層ポリエステルフィルムのハードコート層面から剥がれたマス目の数を目視で数え、下記の式からハードコート層と基材フィルムとの密着性を求めた。なお、マス目の中で部分的に剥離しているものも剥がれたマス目として数え、下記の基準でランク分けをした。
密着性(%)=(1−剥がれたマス目の数/100)×100
◎:100%
○:99〜90%
△:90〜70%
×:69〜0%
【0064】
(7)耐湿熱性
光学用積層ポリエステルフィルムを、高温高湿槽中で60℃、95RH%の環境下500時間放置し、次いで、光学用積層ポリエステルフィルムを取りだし、室温常湿で12時間放置した。その後、前記(5)と同様の方法でハードコート層と基材フィルムの接密着性を求め、下記の基準でランク分けをした。
◎:100%
○:99〜90%
△:90〜70%
×:69〜0%
【0065】
(8)光学用易接着性ポリエステルフィルムの全光線透過率
得られた光学用易接着性ポリエステルフィルムの全光線透過率はJIS K 7105「プラスチックの光学的特性試験方法」に準拠して測定した。
【0066】
(ポリエステル樹脂の重合)
攪拌機、温度計、および部分還流式冷却器を具備するステンレススチール製オートクレーブに、ジメチルナフタレート381質量部、ジメチルテレフタレート58.3質量部、ジメチルー5−ナトリウムスルホイソフタレート41.5質量部、ジエチレングリコール46.7質量部、エチレングリコール245.8質量部、およびテトラーnーブチルチタネート0.5質量部を仕込み、160℃から220℃まで4時間かけてエステル交換反応を行なった。次いで255℃まで昇温し、反応系を徐々に減圧した後、30Paの減圧下で1時間30分反応させ、共重合ポリエステル樹脂(A−1)を得た。得られた共重合ポリエステル樹脂は、淡黄色透明であった。
【0067】
同様の方法で、別の組成の共重合ポリエステル樹脂(A−2)を得た。これらの共重合ポリエステル樹脂に対し、H−NMRで測定した組成及び重量平均分子量の結果を表1に示す。
【0068】
【表1】

【0069】
(ポリエステルの水分散液の調整)
攪拌機、温度計と還流装置を備えた反応器に、ポリエステル樹脂(A−1)20質量部、エチレングリコールt−ブチルエーテル15質量部を入れ、110℃で加熱、攪拌し樹脂を溶解した。樹脂が完全に溶解した後、水65質量部を上記ポリエステル溶液に攪拌しつつ徐々に添加した。添加後、液を攪拌しつつ室温まで冷却して、固形分20質量%の乳白色のポリエステルの水分散液(B−1)を作製した。同様にポリエステル樹脂(A−1)の代わりにポリエステル樹脂(A−2)を使用して、水分散液を作製し、水分散液(B−2)とした。
【0070】
(ブロックポリイソシアネート架橋剤の重合)
撹拌機、温度計、還流冷却管、窒素吹き込み管、滴下ロートを取り付けた4ツ口フラスコ内を窒素雰囲気にし、HMDIを600部、3価アルコールであるポリカプロラクトン系ポリエステルポリオール(ダイセル化学社製、プラクセル303、分子量300)30部を仕込み、撹拌下反応器内温度を90℃1時間保持しウレタン化反応を行った。その後反応器内温度を60℃に保持し、イソシアヌレート化触媒テトラメチルアンモニウムカプリエートを加え、収率が48%になった時点で燐酸を添加し反応を停止し、ポリイソシアネート組成物(D−1)を得た。
【0071】
次いで、撹拌機、温度計、還流冷却管、窒素吹き込み管、滴下ロートを取り付けた4ツ口フラスコ内を窒素雰囲気にし、ポリイソシアネート組成物(D−1)100部、分子量400のメトキシポリエチレングリコール(日本油脂社製、ユニオックスM400)19部(ポリイソシアネートの全イソシアネート基の10%と反応する)、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート37部を仕込み、80℃で7時間保持した。その後反応液温度を50℃に保持し、メチルエチルケトオキシム38部を滴下した。反応液の赤外スペクトルを測定した結果、イソシアネート基が消失し、固形分濃度80質量%の水性ブロックポリイソシアネート樹脂(D−2)が得た。
【0072】
(オキサゾリン基を有する架橋剤の重合)
温度計、窒素ガス導入管、還流冷却器、滴下ロート、および攪拌機を備えたフラスコに水性媒体としてのイオン交換水58質量部とイソプロパノール58質量部との混合物、および、重合開始剤(2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)・二塩酸塩)4質量部を投入した。一方、滴下ロートに、オキサゾリン基を有する重合性不飽和単量体としての2−イソプロペニル−2−オキサゾリン16質量部、メトキシポリエチレングリコールアクリレート(エチレングリコールの平均付加モル数・9モル、新中村化学株式会社製)32質量部、およびメタクリル酸メチル32質量部の混合物を投入し、窒素雰囲気下、70℃において1時間にわたり滴下した。滴下終了後、反応溶液を9時間攪拌し、冷却することで固形分濃度40質量%のオキサゾリン基を有する水溶性樹脂(E)を得た。
【0073】
実施例1
(1)塗布液の調整
下記の塗剤を混合し、塗布液を作成した。粒子Aは屈折率2.1のSnO、粒子Bは平均1次粒径 約500nmのシリカ粒子である。
水 43.26質量%
イソプロパノール 30.00質量%
ポリエステル水分散液(B−1) 20.07質量%
メラミン樹脂 0.74質量%
(大日本インキ製ベッカミンM−3、固形分濃度60質量%)
粒子A 5.58質量%
(多木化学製セラメースS−8、固形分濃度8質量%)
粒子B 0.30質量%
(日本触媒製シーホスターKEW50、固形分濃度15質量%)
界面活性剤 0.05質量%
(日信化学工業製ダイノール604、固形分濃度100質量%)
【0074】
(2)光学用易接着性ポリエステルフィルムの製造
フィルム原料ポリマーとして、固有粘度が0.62dl/gで、かつ粒子を実質上含有していないPET樹脂ペレットを、133Paの減圧下、135℃で6時間乾燥した。その後、押し出し機に供給し、約280℃でシート状に溶融押し出しして、表面温度20℃に保った回転冷却金属ロール上で静電印加法により急冷密着固化させ、未延伸PETシートを得た。
【0075】
この未延伸PETシートを加熱されたロール群及び赤外線ヒーターで100℃に加熱し、その後周速差のあるロール群で長手方向に3.5倍延伸して、一軸延伸PETフィルムを得た。
【0076】
次いで、前記塗布液をロールコート法でPETフィルムの片面に塗布した後、80℃で20秒間乾燥した。なお、最終(二軸延伸後)の乾燥後の塗布量が0.15g/mになるように調整した。引続いてテンターで、120℃で幅方向に4.0倍に延伸し、フィルムの幅方向の長さを固定した状態で、230℃で0.5秒間加熱し、さらに230℃で10秒間3%の幅方向の弛緩処理を行ない、厚さ100μmの光学用易接着性ポリエステルフィルムを得た。電顕で観察したところ、塗布層の厚みは120nmであった。評価結果を表2に示す。
【0077】
(3)光学用積層ポリエステルフィルムの製造
前記の光学用易接着性ポリエステルフィルムの塗布層面に、下記組成のハードコート層形成用塗布液(C−1)を#10ワイヤーバーを用いて塗布し、70℃で1分間乾燥し、溶剤を除去した。次いで、ハードコート層を塗布したフィルムに高圧水銀灯を用いて300mJ/cmの紫外線を照射し、厚み5μmのハードコート層を有する光学用積層ポリエステルフィルムを得た。ハードコート層の屈折率は1.55であった。
ハードコート層形成用塗布液(C−1)
イソプロパノール 48.47質量%
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 21.25質量%
(新中村化学製A−DPH)
ポリエチレンジアクリレート 5.67質量%
(新中村化学製A−400)
ZrOゾル 23.61質量%
(日産化学工業製OZ−30M、固形分濃度30質量%)
光重合開始剤 1.00質量%
(チバスペシャリティーケミカルズ社製イルガキュア184)
【0078】
比較例1
ポリエステル水分散液をB−2に変更した以外は実施例1と同様にして光学用積層ポリエステルフィルムを得た。
水 43.26質量%
イソプロパノール 30.00質量%
ポリエステル水分散体(B−2) 20.07質量%
メラミン樹脂 0.74質量%
(大日本インキ製ベッカミンM−3、固形分濃度60質量%)
粒子A 5.58質量%
(多木化学製セラメースS−8、固形分濃度8%)
粒子B 0.30質量%
(日本触媒製シーホスターKEW50、固形分濃度15質量%)
界面活性剤 0.05質量%
(日信化学工業製ダイノール604、固形分濃度100質量%)
【0079】
実施例2
粒子Aを屈折率1.46のSiO(日産化学工業製スノーテックスZL、固形分濃度40質量%)に変更した以外は実施例1と同様にして光学用積層ポリエステルフィルムを得た。
【0080】
比較例2
粒子Bを除いた以外は実施例1と同様にして光学用積層ポリエステルフィルムを得た。
【0081】
比較例3
粒子Bを除き、ハードコート層形成用塗布液(C−2)に変更した以外は実施例1と同様にして光学用積層ポリエステルフィルムを得た。ハードコート層の屈折率は1.55であった。
ハードコート層形成用塗布液(C−2)
メチルエチルケトン 45.00質量%
トルエン 2.45質量%
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 20.09質量%
(新中村化学製A−DPH)
ポリエチレンジアクリレート 5.57質量%
(新中村化学製A−400)
SnOゾル 25.08質量%
(石原産業製FSS−10T、固形分濃度30質量%)
光重合開始剤 1.00質量%
(チバスペシャリティーケミカルズ社製イルガキュア184)
【0082】
比較例4
粒子Bを平均粒径100nmのシリカ粒子(日産化学工業製スノーテックスZL、固形分濃度40質量%)に変更した以外は実施例1と同様にして光学用積層ポリエステルフィルムを得た。
【0083】
比較例5
粒子Bを平均粒径2000nmの有機粒子(日本触媒製エポスターMS)に変更した以外は実施例1と同様にして光学用積層ポリエステルフィルムを得た。
【0084】
実施例3
塗布液を下記に変更したこと以外は実施例1と同様にして光学用積層ポリエステルフィルムを得た。
水 49.95質量%
イソプロパノール 30.00質量%
ポリエステル水分散体(B−1) 10.04質量%
メラミン樹脂 4.09質量%
(大日本インキ製ベッカミンM−3、固形分濃度60質量%)
粒子A 5.58質量%
(多木化学製セラメースS−8、固形分濃度8質量%)
粒子B 0.30質量%
(日本触媒製シーホスターKEW50、固形分濃度15質量%)
界面活性剤 0.05質量%
(日信化学工業製ダイノール604、固形分濃度100質量%)
【0085】
実施例4
塗布液を下記に変更したこと以外は実施例1と同様にして光学用積層ポリエステルフィルムを得た。
水 48.32質量%
イソプロパノール 30.00質量%
ポリエステル水分散体(B−1) 12.49質量%
メラミン樹脂 3.27質量%
(大日本インキ製ベッカミンM−3、固形分濃度60質量%)
粒子A 5.58質量%
(多木化学製セラメースS−8、固形分濃度8質量%)
粒子B 0.30質量%
(日本触媒製シーホスターKEW50、固形分濃度15質量%)
界面活性剤 0.05質量%
(日信化学工業製ダイノール604、固形分濃度100質量%)
【0086】
実施例5
塗布液を下記に変更したこと以外は実施例1と同様にして光学用積層ポリエステルフィルムを得た。
水 42.71質量%
イソプロパノール 30.00質量%
ポリエステル水分散体(B−1) 22.58質量%
メラミン樹脂 0.08質量%
(大日本インキ製ベッカミンM−3、固形分濃度60質量%)
粒子A 4.28質量%
(多木化学製セラメースS−8、固形分濃度8質量%)
粒子B 0.30質量%
(日本触媒製シーホスターKEW50、固形分濃度15質量%)
界面活性剤 0.05質量%
(日信化学工業製ダイノール604、固形分濃度100質量%)
【0087】
実施例6
粒子Bを平均粒径230nmのシリカ粒子(扶桑化学工業製クォートロンPL−20、固形分濃度24質量%)に変更した以外は実施例1と同様にして光学用積層ポリエステルフィルムを得た。
【0088】
実施例7
粒子Bを平均粒径300nmのアクリル粒子(ガンツ化成製ガンツパールPM−030、固形分濃度41質量%)に変更した以外は実施例1と同様にして光学用積層ポリエステルフィルムを得た。
【0089】
実施例8
粒子Bを平均粒径450nmのシリカ粒子(日産化学工業製MP4540M、固形分濃度40質量%)に変更した以外は実施例1と同様にして光学用積層ポリエステルフィルムを得た。
【0090】
実施例9
粒子Bを平均粒径700nmの架橋ポリスチレン粒子(三井化学製グロスデール207−S、固形分濃度53質量%)に変更した以外は実施例1と同様にして光学用積層ポリエステルフィルムを得た。
【0091】
実施例10
塗布液を下記に変更したこと以外は実施例1と同様にして光学用積層ポリエステルフィルムを得た。
水 44.03質量%
イソプロパノール 30.00質量%
ポリエステル水分散体(B−1) 19.02質量%
メラミン樹脂 1.12質量%
(大日本インキ製ベッカミンM−3、固形分濃度60質量%)
粒子A 5.60質量%
(多木化学製セラメースS−8、固形分濃度8質量%)
粒子B 0.18質量%
(日本触媒製シーホスターKEW50、固形分濃度15質量%)
界面活性剤 0.05質量%
(日信化学工業製ダイノール604、固形分濃度100質量%)
【0092】
実施例11
塗布液を下記に変更したこと以外は実施例1と同様にして光学用積層ポリエステルフィルムを得た。
水 43.06質量%
イソプロパノール 30.00質量%
ポリエステル水分散体(B−1) 19.46質量%
メラミン樹脂 0.72質量%
(大日本インキ製ベッカミンM−3、固形分濃度60質量%)
粒子A 5.41質量%
(多木化学製セラメースS−8、固形分濃度8質量%)
粒子B 1.30質量%
(日本触媒製シーホスターKEW50、固形分濃度15質量%)
界面活性剤 0.05質量%
(日信化学工業製ダイノール604、固形分濃度100質量%)
【0093】
実施例12
粒子Aを屈折率2.4のZrO(日産化学工業製ZR−40BL、固形分濃度40質量%)、粒子Bを平均粒径230nmのシリカ粒子(扶桑化学工業製クォートロンPL−20、固形分濃度24質量%)に変更した以外は実施例1と同様にして光学用積層ポリエステルフィルムを得た。
【0094】
実施例13
粒子Aを屈折率2.4のZrO(日産化学工業製ZR−40BL、固形分濃度40質量%)、粒子Bを平均粒径300nmのアクリル粒子(ガンツ化成製ガンツパールPM−030、固形分濃度41質量%)に変更した以外は実施例1と同様にして光学用積層ポリエステルフィルムを得た。
【0095】
実施例14
粒子Aを屈折率2.4のZrO(日産化学工業製ZR−40BL、固形分濃度40質量%)、粒子Bを平均粒径450nmのシリカ粒子(日産化学工業製MP4540M、固形分濃度40質量%)に変更した以外は実施例1と同様にして光学用積層ポリエステルフィルムを得た。
【0096】
実施例15
粒子Aを屈折率2.4のZrO(日産化学工業製ZR−40BL、固形分濃度40質量%)に変更した以外は実施例1と同様にして光学用積層ポリエステルフィルムを得た。
【0097】
実施例16
粒子Aを屈折率2.4のZrO(日産化学工業製ZR−40BL、固形分濃度40質量%)、粒子Bを平均粒径700nmの架橋ポリスチレン粒子(三井化学製グロスデール207−S、固形分濃度53質量%)に変更した以外は実施例1と同様にして光学用積層ポリエステルフィルムを得た。
【0098】
実施例17
粒子Aを屈折率2.7のTiO(石原産業製TTO−W−5、固形分濃度30質量%)、粒子Bを平均粒径230nmのシリカ粒子(扶桑化学工業製クォートロンPL−20、固形分濃度24質量%)に変更した以外は実施例1と同様にして光学用積層ポリエステルフィルムを得た。
【0099】
実施例18
粒子Aを屈折率2.7のTiO(石原産業製TTO−W−5、固形分濃度30質量%)、粒子Bを平均粒径300nmのアクリル粒子(ガンツ化成製ガンツパールPM−030、固形分濃度41質量%)に変更した以外は実施例1と同様にして光学用積層ポリエステルフィルムを得た。
【0100】
実施例19
粒子Aを屈折率2.7のTiO(石原産業製TTO−W−5、固形分濃度30質量%)、粒子Bを平均粒径450nmのシリカ粒子(日産化学工業製MP4540M、固形分濃度40質量%)に変更した以外は実施例1と同様にして光学用積層ポリエステルフィルムを得た。
【0101】
実施例20
粒子Aを屈折率2.7のTiO(石原産業製TTO−W−5、固形分濃度30質量%)に変更した以外は実施例1と同様にして光学用積層ポリエステルフィルムを得た。
【0102】
実施例21
粒子Aを屈折率2.7のTiO(石原産業製TTO−W−5、固形分濃度30質量%)、粒子Bを平均粒径700nmの架橋ポリスチレン粒子(三井化学製グロスデール207−S、固形分濃度53質量%)に変更した以外は実施例1と同様にして光学用積層ポリエステルフィルムを得た。
【0103】
実施例22
ハードコート層形成用塗布液(C−2)に変更した以外は実施例1と同様にして光学用積層ポリエステルフィルムを得た。
【0104】
実施例23
メラミン樹脂を水性ブロックポリイソシアネート樹脂(D−2)に変更した以外は実施例1と同様にして光学用積層ポリエステルフィルムを得た。
【0105】
実施例24
メラミン樹脂をオキサゾリン基を有する水溶性樹脂(E)に変更した以外は実施例1と同様にして光学用積層ポリエステルフィルムを得た。
【0106】
比較例1の光学用積層ポリエステルフィルムは、ポリエステル樹脂に酸性分としてナフタレンジカルボン酸が含まれていない。よって、塗布層の屈折率が低下するため、蛍光灯下での虹彩状色彩の抑制効果が不十分である。
【0107】
実施例2の光学用積層ポリエステルフィルムは、粒子Aとして屈折率の低いシリカが用いられている。よって、塗布層の屈折率が低下するため、蛍光灯下での虹彩状色彩の抑制効果が不十分である。
【0108】
比較例2の光学用積層ポリエステルフィルムは、平均粒径200nm以上700nm以下の粒子Bが含まれていない。よって、ハードコート層/塗布層界面での光散乱効果がないため、蛍光灯下での虹彩状色彩の抑制効果が劣る。さらに、粒子Bによる界面凹凸形成がないため、ハードコート層との接触面積が低下し、接着性、耐湿熱性が劣る。
【0109】
比較例3の光学用積層ポリエステルフィルムは、平均粒径200nm以上700nm以下の粒子Bが含まれていない。また、ハードコート層形成用塗布液(C−2)に変更している。C−2によって、塗布界面の一部が溶解または膨潤し、ハードコート層/塗布層界面の設計を乱すだけでなく、ハードコート層/塗布層界面での光散乱効果がないため、蛍光灯下での虹彩状色彩の抑制効果が劣る。さらに、粒子Bによる界面凹凸形成がないため、ハードコート層との接触面積が低下し、接着性、耐湿熱性が劣る。
【0110】
比較例4の光学用積層ポリエステルフィルムは、粒子Bとして平均粒径100nmの粒子が含まれている。よって、ハードコート層/塗布層界面での光散乱効果がないため、蛍光灯下での虹彩状色彩の抑制効果が劣る。さらに、粒子Bによる界面凹凸形成が少ないため、ハードコート層との接触面積が低下し、接着性、耐湿熱性が劣る。
【0111】
比較例5の光学用積層ポリエステルフィルムは、粒子Bとして平均粒径2000nmの粒子が含まれているが、密着性が低下した。
【0112】
【表2】

【産業上の利用可能性】
【0113】
本発明の光学用易接着ポリエステルフィルムは、該フィルムの塗布層にハードコート層を積層した際に、ハードコート層との密着性及び高温高湿下での密着性(耐湿熱性)に優れるため、タッチパネル、液晶ディスプレイ(LCD)、テレビやコンピューターのブラウン管(CRT)、プラズマディスプレイ(PDP)、有機エレクトロルミネッセンス(有機EL)等の表示画面の前面に装着して、外光の写り込み、ぎらつき、虹彩状色彩等を抑制する反射防止性を付与する反射防止フィルムの基材フィルムとして好適である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリエステルフィルムの少なくとも片面に、酸成分としてナフタレンジカルボン酸を含むポリエステル樹脂と、架橋剤と、無機粒子もしくは有機粒子からなる平均粒径200nm以上700nm以下の粒子(粒子B)を含有する塗布層を設けた光学用易接着性ポリエステルフィルム。
【請求項2】
前記ポリエステル樹脂中のナフタレンジカルボン酸の割合が酸成分として20mol%以上90mol%以下である請求項1に記載の光学用易接着性ポリエステルフィルム。
【請求項3】
塗布層中に前記ポリエステル樹脂は全固形成分中40質量%以上90質量%以下である請求項1または2に記載の光学用易接着性ポリエステルフィルム。
【請求項4】
前記粒子Bの塗布層中の含有量が全固形成分中0.5質量%以上5質量%以下である請求項1〜3のいずれかに記載の光学用易接着性ポリエステルフィルム。
【請求項5】
前記架橋剤が尿素系架橋剤、エポキシ系架橋剤、メラミン系架橋剤、イソシアネート系架橋剤、オキサゾリン系架橋剤から選ばれた少なくとも1種の架橋剤であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の光学用易接着性ポリエステルフィルム。
【請求項6】
架橋剤の塗布層中の含有量が5質量%以上50質量%以下である請求項1〜5のいずれかに記載の光学用易接着性ポリエステルフィルム。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれかに記載の光学用易接着性ポリエステルフィルムの塗布層の少なくとも片面に、電子線または紫外線硬化型アクリル樹脂、またはシロキサン系熱硬化性樹脂からなるハードコート層を積層してなる光学用積層ポリエステルフィルム。

【公開番号】特開2011−133890(P2011−133890A)
【公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−279317(P2010−279317)
【出願日】平成22年12月15日(2010.12.15)
【分割の表示】特願2008−295508(P2008−295508)の分割
【原出願日】平成20年11月19日(2008.11.19)
【出願人】(000003160)東洋紡績株式会社 (3,622)
【Fターム(参考)】