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光学用粘着剤組成物及びこれを用いた光学機能性フィルム
説明

光学用粘着剤組成物及びこれを用いた光学機能性フィルム

【課題】光学機能性フィルムを液晶表示装置のガラスなどの基板上に貼着させる用途の粘着剤組成物であって、相反する特性である「耐久性」と「リワーク性」とが共に優れた光学用粘着剤組成物、及び該組成物を用いた光学機能性フィルムの提供。
【解決手段】(メタ)アクリル酸エステルを含む共重合体100質量部に対して、0.001〜5.0質量部のオルガノシロキサン(b)及び/又はその加水分解縮合物が配合されてなり、上記(a)は、(メタ)アクリレート単量体(c)と、必要に応じて該単量体(c)と共重合可能な反応性不飽和二重結合を含む単量体(d)とを形成成分としてなる共重合体であり、上記(b)は、(R1Si)nn-1(OR2)n+1式で表されるアルコキシシラン又はアルコキシシロキサンの分子内に存在するSi−O結合の少なくとも1つにおいて、SiとOの原子間に2種類以上の特定のシロキサン鎖が、それぞれ個別に或いは他のシロキサン鎖と共に挿入されている、エポキシ基と、ポリエーテル基を有する化合物であることを特徴とする光学用粘着剤組成物、及び該組成物からなる粘着剤層が積層されている光学機能性フィルム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学用粘着剤組成物及び光学機能性フィルムに関する。さらに詳しくは、液晶表示装置において、光学機能性フィルム用として最適な光学用粘着剤組成物及び該組成物を用いてなる光学機能性フィルムに関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置を構成する液晶セルは、所定の方向に配向した液晶成分を2枚のガラス基板で挟み、これらのガラス基板の外側に、光学用粘着剤組成物によって形成した粘着剤層(膜)を介して、偏光板又は偏光板と位相差板との積層体などの光学機能性フィルム(以下、これらを単に「光学機能性フィルム」という場合がある)を貼着してなるものである。近年、液晶セルを適用することで著しい軽量化及び薄型化が達成されることから、車両搭載用、屋外計器用及びパソコンなどのディスプレイやテレビなどの表示装置として、液晶表示装置が広く使用されるようになり、その需要はますます増加する傾向にある。この用途の広がりに伴い、液晶表示装置が使用される環境も多岐にわたるため非常に過酷な場合があり、液晶表示装置の製造に使用される粘着剤組成物についても、過酷な環境にも対応可能な性能が要求されるようになっている。具体的には、高温或いは高温高湿の条件に晒されても、粘着剤組成物によって形成した粘着剤層に発泡が生じたり、貼着された光学機能性フィルムが基板から剥れたりしない特性(以下、これらを満足する特性を「耐久性」と呼ぶ)が必要とされる。
【0003】
これに対し、上記の如き問題点を解決するため、特許文献1では、アクリル系ポリマーに、特定のポリマー型シランカップリング剤を特定量含有させた感圧接着剤組成物を提案している。また、特許文献2では、アクリル系ポリマーに、特定のシラン化合物モノマーを特定量含有させた感圧接着剤組成物を提案している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3,498,158号公報
【特許文献2】特許第3,533,446号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、本発明者らの検討によれば、特許文献1に記載の感圧接着剤組成物は、使用するシランカップリング剤がアクリル系ポリマーとの親和性が十分ではないため、組成物が相分離を起こし、高い要求性能に対して、その耐久性は十分なものとはいえない。また、特許文献2に記載の感圧接着剤組成物は、時間の経過に伴ってシラン化合物モノマーが遊離してしまうため、経時的に、その耐久性が十分に維持されなくなる。このように、上記したいずれの技術も、近年、光学用粘着剤組成物に求められている、液晶表示装置が非常に過酷な環境で使用された場合であっても満足できる耐久性を十分に示すものにはなっていなかった。
【0006】
さらに、これとは別に、光学用粘着剤組成物に特有の下記の課題がある。現状の液晶表示装置の製造工程においては、光学機能性フィルムを貼り合わせる際に不具合が発生した場合、液晶セルや液晶材料は非常に高価であることから、これらに比べて比較的安価な光学機能性フィルムを剥離し、貼着し直す作業が行われている。しかしながら、光学機能性フィルムの粘着剤層に使用されている従来のアクリル樹脂系の粘着剤の多くは、高粘着力を有しているため、剥離の際に、ガラス基板を損傷させてしまったり、液晶成分が充填された2枚のガラス基板の間隙幅を変動させることも多く、剥離後の液晶セルや液晶材料を再び利用して液晶表示装置を製造することができないことがあった。また、液晶セルや液晶材料を損傷させることなく光学機能性フィルムを剥離できたとしても、ガラス基板などに粘着剤の一部が残留してしまい、光学機能性フィルムを貼着し直す作業ができないという問題もあった。
【0007】
このため、光学機能性フィルムの貼着に使用される粘着剤組成物に必要となる特性としては、先に述べた高い耐久性とその維持に加え、これとは相反する特性となる、光学機能性フィルムを貼着させた後、たとえ長時間経過した後においても、該フィルムを容易に剥離することができ、また、剥離後もガラス基板などに粘着剤が残留しない特性(以下、これらを満足する特性を「リワーク性」と呼ぶ)が必要とされる。
【0008】
従って、本発明の目的は、光学機能性フィルムを液晶表示装置のガラスなどの基板上に貼着させる用途の粘着剤組成物であって、相反する特性である「耐久性」と「リワーク性」とが共に優れた光学用粘着剤組成物、及び該組成物により形成された粘着剤層を有する光学機能性フィルムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、上記した従来技術の課題を解決すべく鋭意研究を重ねたところ、以下の本発明によって上記課題が解決されることを見出した。すなわち、本発明は、(メタ)アクリル酸エステルを含む共重合体(a)100質量部に対して、0.001〜5.0質量部のオルガノシロキサン(b)及び/又はその加水分解縮合物が配合されてなり、上記(メタ)アクリル酸エステルを含む共重合体(a)は、(メタ)アクリレート単量体(c)と、必要に応じて該単量体(c)と共重合可能な反応性不飽和二重結合を含む単量体(d)とを形成成分としてなり、上記オルガノシロキサン(b)は、下記[1]式で表されるアルコキシシラン又はアルコキシシロキサンの分子内に存在するSi−O結合の少なくとも1つにおいて、SiとOの原子間に少なくとも2種類のシロキサン鎖が、それぞれ個別に或いは他のシロキサン鎖と共に挿入されている、アルコキシ基と、エポキシ基と、ポリエーテル基を有する化合物であって、かつ、挿入されている上記シロキサン鎖が、下記[2]式のA式で表されるシロキサン鎖からなる群から選ばれる少なくとも1種と、下記[2]式のB式で表されるシロキサン鎖からなる群から選ばれる少なくとも1種と、さらに、必要に応じて挿入される下記[2]式のC式で表されるシロキサン鎖からなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする光学用粘着剤組成物を提供する。
【0010】

([1]式中、R1は、置換基を有してもよい炭素原子数1〜20の一価炭化水素基、又は炭素原子数1〜10のアルコキシ基を示す。またR2は、炭素原子数1〜10の一価炭化水素基を示す。nは、1〜20の整数を示す。)

([2]式中、Xは、エポキシ基を有する一価炭化水素基を示し、Yは、ポリエーテル基を有する一価炭化水素基を示す。R3は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子で置換されてもよい炭素原子数1〜20の一価炭化水素基のいずれかを示す。a、b、cはそれぞれ、1≦a≦100、1≦b≦100、0≦c≦100の整数を示す。)
【0011】
本発明の好ましい形態としては、下記のことが挙げられる。好ましい形態としては、前記[2]式のA式中のXが、下記[3]式及び/又は[4]式で表されるエポキシ基を有する一価炭化水素基であり、前記[2]式のB式中のYが、下記[5]式で表されるポリエーテル基を有する一価炭化水素基であることが挙げられる。



([5]式中、R4は、水素原子、炭素原子数1〜6の一価炭化水素基又は下記[6]式で表される基のいずれかを示す。mは正の整数を示す。p、qは、0以上の整数を示す。ただし、p、qのうち少なくとも1つは、1以上の整数をとる。)

([6]式中、R5は、炭素原子数1〜4の一価炭化水素基を示す。)
【0012】
さらに、上記Yが、上記[5]式において、pが0であり、qが1以上の整数であるプロピレンオキサイド型のポリエーテル基を有する一価炭化水素基であることが好ましい。また、その時に、化合物中に[2]式のC式で表されるシロキサン鎖を含有しないこと(すなわち、上記[2]式において、C式中のcが0であること)が、さらに好ましい。
【0013】
また、本発明の光学用粘着剤組成物は、以下に挙げる構成を有することが好ましい。
前記(メタ)アクリル酸エステルを含む共重合体(a)は、炭素数1〜18の有機置換基を側鎖に有する(メタ)アクリレート単量体(c)と、必要に応じて該単量体(c)と共重合可能な反応性不飽和二重結合を含む単量体(d)とを形成成分としてなる共重合体であって、かつ、該共重合体の重量平均分子量が40万〜200万であることである。
【0014】
前記(メタ)アクリル酸エステルを含む共重合体(a)100質量部に対して、さらに0.01〜40質量部の架橋剤(e)が添加されていること、さらには、該架橋剤(e)が、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、金属系架橋剤及びアジリジン系架橋剤からなる群から選ばれる少なくとも1種であることである。
【0015】
前記オルガノシロキサン(b)以外のシランカップリング剤(f)及び/又はその加水分解縮合物がさらに添加されていること、さらには、該シランカップリング剤(f)及び/又はその加水分解縮合物の添加量が、前記(メタ)アクリル酸エステルを含む共重合体(a)100質量部に対して、0.01〜5質量部であることである。
【0016】
また、本発明は、別の実施形態として、その片面或いは両面に、上記いずれかの光学用粘着剤組成物からなる膜が積層されていることを特徴とする光学機能性フィルムを提供する。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、光学機能性フィルムを、液晶表示装置のガラスなどの基板上に積層して貼着させるために用いられる粘着剤組成物に高いレベルで求められている、相反する特性である耐久性及びリワーク性がともに優れた光学用粘着剤組成物を提供することができる。また、本発明によれば、該粘着剤組成物によって形成した粘着剤層によって、過酷な環境での使用に耐え得る耐久性を達成でき、しかもリワーク性にも優れた光学機能性フィルムを提供することが可能になる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
次に、発明を実施するための最良の形態を挙げて本発明を詳しく説明する。
本発明の粘着剤組成物は、(メタ)アクリル酸エステルを含む共重合体(a)に、特定の構造を有するオルガノシロキサン(b)及び/又はその加水分解縮合物(以下、単にオルガノシロキサン(b)と呼ぶ)を含有してなることを特徴とする。本発明の粘着剤組成物は、特定のオルガノシロキサン(b)を含有しているため、形成した粘着剤層は、その耐久性が向上したものになるとともに、優れたリワーク性を示すものになる。以下、各構成要件について説明する。なお、本発明の特許請求の範囲及び明細書における「(メタ)アクリル」という用語は、「アクリル」及び「メタクリル」の双方を意味し、また、「(メタ)アクリレート」という用語は、「アクリレート」及び「メタクリレート」の双方を意味する。
【0019】
[オルガノシロキサン(b)]
本発明を特徴づけるオルガノシロキサン(b)について説明する。
オルガノシロキサン(b)は、下記[1]式で表されるアルコキシシラン又はアルコキシシロキサンの分子内に存在するSi−O結合の少なくとも1つにおいて、SiとOの原子間に少なくとも2種類の特定のシロキサン鎖が挿入されてなる、アルコキシ基と、エポキシ基と、ポリエーテル基とを有する化合物であることを特徴とする。具体的には、挿入されるシロキサン鎖が、下記[2]式の、A式で表されるシロキサン鎖群から選ばれる少なくとも1種と、B式で表されるシロキサン鎖群から選ばれる少なくとも1種と、必要に応じてさらに、下記[2]式のC式で表されるシロキサン鎖群から選ばれる少なくとも1種である。挿入されるシロキサン鎖は、それぞれ個別に挿入されてもよいし、或いは他のシロキサン鎖と共に挿入されてもよい。
【0020】

([1]式中、R1は、置換基を有してもよい炭素原子数1〜20の一価炭化水素基、又は炭素原子数1〜10のアルコキシ基を示す。またR2は、炭素原子数1〜10の一価炭化水素基を示す。nは、1〜20の整数を示す。)
【0021】

([2]式中、Xは、エポキシ基を有する一価炭化水素基を示し、Yは、ポリエーテル基を有する一価炭化水素基を示す。R3は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子で置換されてもよい炭素原子数1〜20の一価炭化水素基のいずれかを示す。a、b、cはそれぞれ、1≦a≦100、1≦b≦100、0≦c≦100の整数を示す。)
【0022】
本発明を特徴づけるオルガノシロキサン(b)について、さらに詳しく説明する。オルガノシロキサン(b)は、上記[1]式で表されるアルコキシシラン又はアルコキシシロキサンをベース材料とし、それらの分子内に存在するSi−O結合において、SiとOの原子間に、少なくとも、エポキシ基を有する一価炭化水素基を有するシロキサン鎖(A式で示すシロキサン鎖)及びポリエーテル基を有する一価炭化水素基を有するシロキサン鎖(B式で示すシロキサン鎖)が挿入された構造をもつ。また、上記[1]式で表されるように、オルガノシロキサン(b)は、その構造中にアルコキシ基を有する。本発明の光学用粘着剤組成物で粘着剤層を形成した場合、このアルコキシ基が、液晶セル等を構成するガラス等の基板と反応することによって、後述する粘着剤組成物の主成分である(メタ)アクリル酸エステルを含む共重合体(a)(以下、アクリル系共重合体(a)とも呼ぶ)と基板との結合が形成される。本発明者らは、このことが、従来技術では達成できなかった「耐久性」を達成できた一因であると考えている。好ましいアルコキシ基の例としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基などが挙げられ、これらの群から選ばれる少なくとも1種を使用することができる。
【0023】
オルガノシロキサン(b)は、先に説明したように、SiとOの原子間に特定のシロキサン鎖が挿入されているため、その構造中に少なくとも、炭素原子数1〜20の一価炭化水素基R3を有する。本発明の光学用粘着剤組成物は、このような一価炭化水素基をオルガノシロキサン(b)の構造中へ導入することにより、添加したオルガノシロキサン(b)と、粘着剤の主成分であるアクリル系共重合体(a)との相溶性を向上させ、相分離等を発生しにくくできる。炭素原子数1〜20の一価炭化水素基の例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、ヘキサデシル基、イコシル基等のアルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基;ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基等のアラルキル基;ビニル基、アリール基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基、ヘキセニル基、シクロヘキセニル基、オクテニル基等のアルケニル基等が例示できる。また、これら一価炭化水素基の水素原子の一部が置換されたものとしては、クロロメチル基、トリフルオロメチル基、クロロプロピル基等、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)で置換された一価炭化水素基等を例示することができる。好ましくはメチル基である。
【0024】
本発明を特徴づけるオルガノシロキサン(b)は、その構造中に、エポキシ基を有する一価炭化水素基Xを有する。そして、このX部分が、粘着剤の主成分であるアクリル系共重合体(a)がカルボキシル基及び/又はヒドロキシル基を有している場合にはそれらと、さらには必要に応じて添加される架橋剤(e)と反応するため、(メタ)アクリル酸エステル共重合体(a)とオルガノシロキサン(b)との一体化がなされる。
【0025】
上記Xがエポキシ基を有する一価炭化水素基である場合の好適な例としては、例えば、下記[3]式や[4]式で表される基が挙げられる。これらの基は、オルガノシロキサン(b)の構造中に、1種導入されていても、2種導入されていてもいずれでもよい。


【0026】
本発明を特徴づけるオルガノシロキサン(b)は、上記Xの他に、ポリエーテル基を有する一価炭化水素基Yを有している。このように、その構造中にYを有することで、先に述べた、分子内のアルコキシ基と基板との反応が抑制されて、アクリル系共重合体(a)と基板との結合を適度に低下させることができる。これにより、本発明の光学用粘着剤組成物に、接着剤層とした場合のリワーク性を付与することができる。Yの好適なものとしては、下記[5]式で表される構造のポリエーテル基を有する一価炭化水素基を例示することができる。

([5]式中、R4は、水素原子、炭素原子数1〜6の一価炭化水素基又は下記[6]式で表される基のいずれかを示す。mは、正の整数を示す。p、qは、0以上の整数を示す。ただし、p、qのうち少なくとも1つは、1以上の整数をとる。)

([6]式中、R5は、炭素原子数1〜4の一価炭化水素基を示す。)
【0027】
上記[5]式において、pとqは、それぞれ0〜50の整数をとることが好ましい。
ポリエーテル基は、エチレンオキサイド型(以下、EO型と記す)、プロピレンオキサイド型(以下、PO型と記す)、エチレンオイサイド−プロピレンオキサイド型(以下、EO−PO型と記す)のいずれでもよい。また、EO−PO型の場合には、その配列は、ランダム、ブロック、交互のいずれでもあってもよい。上記の中でも、PO型を使用することが好ましい。すなわち、オルガノシロキサン(b)の構造中にPO型のポリエーテル基を有する一価炭化水素基が導入されることによって、本発明の光学用粘着剤組成物の耐湿熱性が向上する。なお、PO型のポリエーテル基は、粘着剤の主成分であるアクリル系共重合体(a)との相溶性が、比較的よいため、その場合には、必ずしも[2]式におけるC式で表されるシロキサン鎖を併せて導入する必要はない。また、[2]式のC式で表されるシロキサン鎖を挿入することにより、リワーク性の悪化などの弊害が発生するおそれがあるので、これらを考慮して導入する必要がある。
【0028】
本発明の粘着剤組成物中における上記したオルガノシロキサン(b)の配合量は、後述するアクリル系共重合体(a)100質量部に対して0.001〜5.0質量部である。上記含有量が0.001質量部よりも少ない場合は、アクリル系共重合体(a)が有する粘着力を適度に低下させることができず、上記した範囲内とした場合と比べて、リワーク性が劣るものとなる。一方、含有量が5.0質量部を超える場合には、(メタ)アクリル酸エステル共重合体(a)の粘着力を低下させることはできるものの、上記範囲内である場合と比べて、耐久性が劣るものとなる。
【0029】
以上において説明したオルガノシロキサン(b)は、本発明の光学用粘着剤組成物中にそのまま含有してもよいが、加水分解縮合物の形態で含有させることもできる。
【0030】
[(メタ)アクリル酸エステルを含む共重合体(a)]
以下、本発明の光学用粘着剤組成物の主成分である(メタ)アクリル酸エステルを含む共重合体(a)について説明する。
上記アクリル系共重合体(a)の好適なものとしては、炭素数1〜18の有機置換基を側鎖に有する(メタ)アクリレート単量体(c)(以下単に「単量体(c)」と記す)と、必要に応じて(c)と共重合可能な反応性不飽和二重結合を含む単量体(d)(以下単に「単量体(d)」と記す)からなる粘着性を有する共重合体が挙げられる。単量体(c)及び/又は単量体(d)の形成成分には、先述したオルガノポリシロキサン(b)に含まれるエポキシ基を有する官能基X及び/又は後述する架橋剤(e)及び/又は光学機能性フィルムなどの有機物と反応可能な有機基を有している単量体が含まれていてもよい。また、該共重合体(a)は、重量平均分子量が40万〜200万のアクリル系共重合体であることが好ましい。該共重合体の重量平均分子量が40万未満の場合は、後述する架橋剤(e)を使用しても、形成された粘着剤層の凝集力が弱く、粘着剤層に発泡や剥れが生じ易くなり、耐久性が不十分となる場合があるので好ましくない。一方、重量平均分子量が200万を超える場合には、粘着剤組成物の粘度が高くなりすぎて作業性に劣る場合があるので好ましくない。
【0031】
上記単量体(c)としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、2−エチルへキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレートなどのアルキル(メタ)アクリレートモノマー、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレートなどの芳香族基含有(メタ)アクリレートモノマー、(メタ)アクリル酸、カルボキシエチル(メタ)アクリレートなどのカルボキシル基含有(メタ)アクリレートモノマー、N−(2−ヒドロキシエチル)(メタ)アクリルアミド、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート又はポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレートなどのヒドロキシル基含有(メタ)アクリレートモノマー、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートなどのアミノ基含有(メタ)アクリレートモノマーが挙げられ、これらの群から選ばれる少なくとも1種を使用することができる。
【0032】
上記単量体(d)は、上記単量体(c)と共重合可能な反応性不飽和二重結合を含む単量体であるが、下記に挙げる単量体からなる群から適宜に選択することができる。例えば、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸などのカルボキシル基含有モノマー、無水マレイン酸又は無水フマル酸などの酸無水物モノマー、(メタ)アクリルアミドなどのアミド基含有モノマー、スチレン、メチルスチレンなどの芳香族基含有モノマーや、酢酸ビニル、(メタ)アクリロニトリルなどが挙げられる。そして、これらの群から選ばれる少なくとも1種を使用することができる。
【0033】
上記に列挙したような単量体から形成される(メタ)アクリル酸エステルを含む共重合体(a)は、その単量体の配列規則に特に制限はなく、ランダム共重合体、ブロック共重合体その他のいずれでもよい。
【0034】
上記したような各単量体を共重合してなるアクリル系共重合体(a)は、通常の溶液重合、塊状重合、乳化重合又は懸濁重合などにより製造することができるが、特に、共重合体が溶液として得られる溶液重合により製造することが好ましい。すなわち、アクリル系共重合体(a)が溶液として得られる場合には、そのまま本発明の粘着剤組成物の製造に使用することができる。この溶液重合に使用する溶剤としては、例えば、酢酸エチル、トルエン、n−ヘキサン、アセトン、メチルエチルケトンなどの有機溶剤を挙げることができる。
【0035】
また、重合に使用する重合開始剤としては、例えば、ベンゾイルパーオキシド、ラウリルパーオキシドなどの過酸化物、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスバレロニトリルなどのアゾビス化合物又は高分子アゾ重合開始剤などを挙げることができ、これらは単独でも又は組み合わせても使用することができる。また、上記重合においては、共重合体の分子量を調整するために従来公知の連鎖移動剤を使用することができる。
【0036】
[その他の成分]
(架橋剤(e))
本発明の光学用粘着剤組成物は、アクリル系共重合体(a)100質量部に対して、さらに0.01〜40質量部の架橋剤(e)を添加したものとすることができる。架橋剤(e)としては、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、金属系架橋剤及びアジリジン系架橋剤からなる群から選ばれるものが挙げられる。具体的には、例えば、1分子中にグリシジル基を2個以上有するポリグリシジル化合物、1分子中にイソシアネート基を2個以上有するポリイソシアネート化合物、1分子中にアジリジニル基を2個以上有するポリアジリジン化合物、1分子中にオキサゾリン基を2個以上有するポリオキサゾリン化合物、金属キレート化合物又はブチル化メラミン化合物などが挙げられる。これらは、単独、もしくは2種類以上を併用して使用することができる。
【0037】
上記ポリグリシジル化合物としては、例えば、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテルなどの多官能グリシジル化合物が挙げられ、これらの群から選ばれる少なくとも1種を使用することができる。
【0038】
上記ポリイソシアネート化合物としては、例えば、トリレンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、水添キシレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート及びこれらから変性されたプレポリマーなどが挙げられ、これらの群から選ばれる少なくとも1種を使用することができる。
【0039】
上記ポリアジリジン化合物としては、例えば、1,1’−(メチレン−ジ−p−フェニレン)ビス−3,3−アジリジル尿素、1,1’−(ヘキサメチレン)ビス−3,3−アジリジル尿素、エチレンビス−(2−アジリジニルプロピオネート)、トリス(1−アジリジニル)ホスフィンオキサイド、2,4,6−トリアジリジニル−1,3,5−トリアジン、トリメチロールプロパン−トリス−(2−アジリジニルプロピオネート)などが挙げられ、これらの群から選ばれる少なくとも1種を使用することができる。
【0040】
架橋剤(e)の添加量は、前記アクリル系共重合体(a)100質量部に対して、0.01〜40質量部であることが好ましく、さらに好ましくは、0.02〜30質量部である。上記含有量が、0.01質量部未満の場合は、粘着剤組成物の凝集力が低くなり、上記範囲内と比べて耐久性が劣る場合があるので好ましくない。一方、その使用量が40質量部を超える場合は、得られる粘着剤組成物が凝集力過多となり、貼着する光学機能性フィルムの剥れの原因になる場合があるので好ましくない。
【0041】
また、架橋形態として、放射線(好ましくは紫外線)架橋も有効であり、その際には、重合可能な反応性二重結合を少なくとも二つ有するモノマーと光重合開始剤(増感剤も含む)を添加する。上記重合可能な二重結合を少なくとも二つ有するモノマーとしては、例えば、ポリエチレングリコールジアクリレート、プロポキシ化エトキシ化ビスフェノールAジアクリレート、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレートなどの2官能(メタ)アクリレートやトリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、イソシアヌル酸トリアクリレートなどの多官能(メタ)アクリレートが挙げられる。必要に応じて重合可能な反応性二重結合を一つのみ有する既知のモノマーを併用して架橋密度の制御を行うことも出来る。また、光重合開始剤としては、公知の放射線(紫外線)による光重合開始剤が使用でき、例えば、アミノケトン系、ヒドロケトン系、アシルフォスフィンオキサイド系、ベンジルジメチルケタール系、ベンゾフェノン系、トリクロロメチル基含有トリアジン誘導体などが挙げられる。
【0042】
(シランカップリング剤(f))
また、本発明の光学用粘着剤組成物は、さらに、本発明で必須とするオルガノシロキサン(b)以外のシランカップリング剤(f)及び/又はその加水分解縮合物を添加することができる。該シランカップリング剤(f)を添加することにより、本発明の光学用粘着剤組成物によって形成される粘着剤層の耐久性をさらに向上させることができる。シランカップリング剤(f)及び/又はその加水分解縮合物の添加量は、共重合体(a)100重量部に対して、0.01〜5質量部であることが好ましい。
【0043】
上記シランカップリング剤(f)としては、特に限定されず、公知のものを用いることができる。例えば、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、エポキシ基含有アルコキシシランオリゴマーなどのエポキシ基含有シランカップリング剤、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン、メルカプト基含有アルコキシシランオリゴマーなどのメルカプト基含有シランカップリング剤、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシランなどのアミノ基含有シランカップリング剤、γ−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルトリエトキシシランなどのイソシアネート基含有シランカップリング剤が挙げられ、これらの群から選ばれる少なくとも1種、及び/又はその加水分解縮合物を使用することができる。
【0044】
(その他の添加剤)
また、本発明の光学用粘着剤組成物は、粘着力を調整する目的など、必要な特性に応じて、本発明の効果を損なわない範囲において、種々の添加剤を配合してもよい。例えば、テルペン系、テルペン−フェノール系、クマロン−インデン系、スチレン系、ロジン系、キシレン系、フェノール系又は石油系などの粘着付与樹脂、酸化防止剤、紫外線吸収剤、充填剤、顔料などを配合することができる。また、本発明の光学用粘着剤組成物は、有機溶剤を含んだ溶液形態であることが好ましく、この場合、粘着剤層の形成が容易となる。
【0045】
[光学機能性フィルム]
以下、本発明の別の実施形態である、光学機能性フィルムについて説明する。
本発明の光学機能性フィルムは、粘着剤層が形成されていない光学機能性フィルム(以下、これを「原反フィルム」と呼ぶ)の片面或いは両面に、「耐久性」と「リワーク性」とが共に優れる本発明の光学用粘着剤組成物からなる膜(粘着剤層)を積層してなることを特徴とする。このため、本発明の光学機能性フィルムは、高温或いは高温高湿下においても、液晶セルを構成するガラス基板等から剥れることなく、粘着剤層に発泡が生じることのない特性(耐久性)と、長期間時間が経過しても容易に剥離でき、また、剥離後において基板などに残留物が生じない特性(リワーク性)とを併せ持つものになる。
【0046】
上記原反フィルムの種類としては、特に限定はないが、例えば、フィルム導光板、反射防止フィルム、導電性フィルム、視野角拡大フィルム、位相差フィルム、偏光板又はこれらを組み合わせたフィルムなどが挙げられる。また、本発明の粘着剤組成物からなる膜の原反フィルムに対する密着性を向上させるために、原反フィルムの表面には、コロナ処理などの表面処理を行うことができる。
【0047】
また、上記原反フィルムの厚さは、特に制限はなく、いずれのものも使用できるが、例えば、5μm〜300μmのものを使用することができ、これらは用途又は目的により異なる。
【0048】
本発明の光学機能性フィルムは、本発明の光学用粘着剤組成物を用い、下記のような方法で製造できる。すなわち、通常使用されている塗布装置、例えば、ロール塗布装置などを用いて、上記原反フィルムの片面或いは両面に本発明の粘着剤組成物を塗工し、塗工層を乾燥することにより膜(粘着剤)とすることで作製できる。また、必要に応じて、塗工した粘着剤層を加熱架橋又は紫外線などの光による硬化させることもできる。また、本発明の光学機能性フィルムは、まず、シリコーン樹脂などの剥離剤を表面にコートしたポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム)などの保護フィルムに本発明の光学用粘着剤組成物を塗工、乾燥して粘着剤層を形成した後に、該粘着剤層に上記原反フィルムを貼り合わせることによっても作製できる。
【0049】
上記のいずれの場合も、粘着剤組成物の塗布量は、乾燥後の粘着剤層(膜)の厚さが、10〜50μmとなる程度であることが好ましい。上記粘着剤層の厚さを上記範囲内とすることにより、より耐久性とリワーク性のバランスがとれた光学機能性フィルムとなる。
【0050】
以上のようにして作製された本発明の光学機能性フィルムは、通常使用されている手段にて、液晶表示装置等の液晶セルのガラス基板上に貼着することができる。また、本発明の光学機能性フィルムは、ガラス基板上に貼着された光学機能性フィルムの上にさらに積層して貼着することもできる。
【実施例】
【0051】
次に、実施例及び比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。
<共重合体溶液の調製>
[合成例1−1]共重合体溶液1の製造
下記の各単量体を用い、下記の方法で共重合して共重合体溶液を得た。まず、撹拌機、温度計、還流冷却器及び窒素導入管を備えた反応装置に、窒素ガスを導入して、この反応装置内の空気を窒素ガスに置換した。次に、この反応装置中に、ブチルアクリレート80質量部、メチルアクリレート20質量部、アクリル酸1.0質量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート0.4質量部、アゾビスイソブチロニトリル0.1質量部及び酢酸エチル120質量部を加えた。これを撹拌させながら、窒素ガス気流中において、68℃で8時間反応させ、重量平均分子量150万のアクリル共重合体の溶液を得た。得られた共重合体溶液を酢酸エチルで希釈して、固形分20%の共重合体溶液1を得た。
【0052】
[合成例1−2〜1−8]共重合体溶液2〜8の製造
合成例1のモノマー組成を、表1に記載のモノマー組成に変更した以外は、合成例1−1と同様にして、共重合体溶液2〜8を得た。
【0053】

【0054】
表1中の略語は、それぞれ以下のものを示す。
・BA:ブチルアクリレート
・MA:メチルアクリレート
・PHEA:フェノキシエチルアクリレート
・MMA:メチルメタクリレート
・AA:アクリル酸
・2HEA:2−ヒドロキシエチルアクリレート
【0055】
<オルガノシロキサンの調製>
(メトキシ基含有エポキシ・ポリエーテル共変性シロキサン)
[合成例2−1]
まず、下記のようにして、メトキシ基含有メチルハイドロジェンシロキサンの合成を行った。
撹拌機、温度計、及びジムロート冷却管を備えた1リットルの3つ口フラスコに、Si43(OCH3)10(本発明で規定する[1]式において、R1=OCH3、R2=CH3、n=4)で示されるメチルシリケート49.8g(0.106mol)、及びテトラメチルテトラヒドロシクロテトラシロキサン50.9g(0.212mol)を仕込んだ後、トリフルオロメタンスルホン酸0.0510gを撹拌しながら添加し、室温で4時間反応させた。反応終了後、Mg6Al2(OH)16CO3・4H2Oで示される固体塩基性中和剤0.310gを系内に添加し、2時間撹拌して、トリフルオロメタンスルホン酸の中和処理を行った後、ろ過精製を行い、96.0gの生成物−1(メトキシ基含有メチルハイドロジェンシロキサン)を得た。
【0056】
ここで、反応後に得られた生成物−1について、トルエン溶媒下、GPC(Gel Permeation Chromatography)測定を行った。その結果、反応前において、保持時間29分〜37分の位置に存在していた原料(テトラメチルテトラヒドロシクロテトラシロキサン、及びメチルシリケート)のピークが大方消失し、保持時間23分〜37分の位置にブロードな平衡化物のピークが出現した。
【0057】
次に、上記で得たメトキシ基含有メチルハイドロジェンシロキサンに、下記のようにして、ポリエーテル基を有する一価炭化水素基Yを有するシロキサン鎖を導入するための操作を行った。まず、撹拌機、温度計、排ガス管及び外部に凝縮器を備えた1リットルの3つ口フラスコに、上記の生成物−1を96.0gと、化学式:CH2=CH−CH2−O(CH2CH2CH2O)1249で示されるアリルポリエーテルを164g(0.202mol)仕込んだ。その後、塩化白金酸のトルエン溶液(Pt濃度:0.5質量部)1.05gを撹拌しながら添加し、系内の圧力を10mmHgまで減圧した後、90℃で4時間、ヒドロシリル化反応を行った。反応終了後、60℃まで降温し、系内圧力を常圧に戻した。
【0058】
ここで、上記反応に使用したアリルポリエーテルの反応率について、次のようにして測定を行った。
まず、次の方法によって、反応前後におけるサンプル1g中の≡SiH含有量をそれぞれ測定し、実際に反応したアリルポリエーテルの量を算出した。
まず、反応前後のサンプル1gを、それぞれブタノール10gで希釈し、撹拌を加えながら、20質量%NaOH水溶液を20g加えた。このときに発生する水素ガス(≡SiH+H2O→≡Si−OH+H2↑)の量から、≡SiHの含有量(mol)をそれぞれ算出した。次に、下記式により、サンプル1g中において、実際に反応したアリルポリエーテルの反応量(mol)を算出した。表2に、その結果を示した。
反応量(mol)=[反応前の≡SiH含有量]−[反応後の≡SiH含有量]
【0059】

【0060】
反応前のサンプル1g中には、原料として仕込んだアリルポリエーテルが7.79×10-4mol存在する。先に求めた反応量と、原料として仕込んだ量とから、下記のようにしてアリルポリエーテルの反応率を計算すると、69.3%となる。
[反応率=5.40×10-4(mol)/7.79×10-4(mol)×100≒69.3(%)]
以上のことから、ヒドロシリル化反応により、原料として仕込んだアリルポリエーテルの約70%が、メトキシ基含有メチルハイドロジェンシロキサンと反応し、残り約30%が未反応物として残留したことが確認された。
【0061】
次いで、ポリエーテル基を有する一価炭化水素基Yを有するシロキサン鎖の導入に引き続き、エポキシ基を有する一価炭化水素基Xを有するシロキサン鎖を導入するための下記の操作を行った。
排ガス管をジムロート冷却管につなぎかえ、60〜70℃の温度下で、アリルグリシジルエーテル104g(0.912mol)を滴下添加した後、90℃で3時間反応させた。ここで、アリルグリシジルエーテルの反応率について測定を行った。前記と同様の方法により、反応前後におけるサンプル1g中の≡SiH含有量を測定し、実際に反応したアリルグリシジルエーテルの反応量を算出した。表3に、得られた結果を示した。
【0062】

【0063】
反応終了後の水素ガス発生量は、ほぼ0mlに近い値であった。このことから、ポリエーテル基を有する一価炭化水素基Yを有するシロキサン鎖を導入した後、メトキシ基含有メチルハイドロジェンシロキサン中に残留していた≡SiHは、ヒドロシリル化により、ほぼ全てアリルグリシジルエーテルと反応したと考えられる。
反応前のサンプル1g中には、原料として仕込んだアリルグリシジルエーテルが2.51×10-3mol存在する。先に求めた反応量と、原料として仕込んだ量とから、下記のようにしてアリルグリシジルエーテルの反応率を計算すると、70.5%となる。
[反応率=1.77×10-3(mol)/2.51×10-3(mol)×100≒70.5(%)]
以上のことから、原料として仕込んだアリルグリシジルエーテルの約70%が、メトキシ基含有メチルハイドロジェンシロキサンと反応し、残り約30%が余剰分として残留したことを確認した。
【0064】
最後に、余剰のアリルグリシジルエーテルを除去するための操作を、下記のようにして行った。ジムロート冷却管を排ガス管につなぎかえ、系内の圧力を10mmHgまで減圧した後、110℃で4時間加熱を行った。減圧加熱を終了後、温度を室温まで冷却し、圧力を常圧に腹圧した後、生成物をろ過精製し、293gの液体を得た。
ここで、ろ過精製後のサンプルに関し、THF溶媒下、GPC測定を行った。得られた結果を、表4に示した。
【0065】

【0066】
ピーク1が、目的とするメトキシ基含有エポキシ・ポリエーテル共変性シロキサンのピークであり、そのピーク面積は生成物全体の約77%を占めていた。また、残り約23%を占めるピーク2は、原料アリルポリエーテルのピークと保持時間が一致することから、未反応分として残留したアリルポリエーテルであると考えられる。なお、保持時間36〜38分の付近に出現する原料アリルグリシジルエーテルのピークが存在しないことから、アリルグリシジルエーテルの余剰分は、最後の減圧加熱でほぼ完全に除去されたと考えられる。
【0067】
次に、得られた液体の構造解析を行うため、29Si−NMR測定を実施した。
その結果、まず、−80ppm〜−110ppmの範囲に、SiO4/2の単位に起因する3本のピークが存在した。これらのピークは、SiO1/2(OCH3)3、SiO2/2(OCH3)2、SiO3/2(OCH3)で示される構造の存在を示唆している。また、−5ppm〜−25ppmの範囲に、SiO2/2の単位に起因する2本のピークが存在した。これらのピークは、SiO2/2(CH3)W、SiO1/2(CH3)(OCH3)W[W=X(下記化学式のエポキシ基を有する一価炭化水素基)、Y(下記化学式のポリエーテル基を有する一価炭化水素基)]で示される構造の存在を示唆する。
【0068】
これらの結果から、得られた生成物の構造は、原料のSi43(OCH3)10で示される化合物の分子内に存在するSi−O結合の少なくとも1つにおいて、SiとOの原子間に、下記式で表されるシロキサン単位UA、UBのいずれもが挿入された構造をもつものであることが推定された。

【0069】
ここで、メチルシリケート、アリルポリエーテル、アリルグリシジルエーテルの各原料の仕込み量、及び上記反応率の測定結果より、メチルシリケート1molに対し、反応して導入された上記のエポキシ基を有する一価炭化水素基Xを有するシロキサン単位UA、及びポリエーテル基を有する一価炭化水素基Yを有するシロキサン単位UBの数を算出した。表5に、得られた結果を示した。
【0070】
設計としては、メチルシリケート1molに対し、上記シロキサン単位UAが6mol、上記シロキサン単位UBが2mol導入される配合比率で、各原料の仕込みを行った。しかし、実際の生成物は、平均組成として、設計に対してシロキサン単位UAが過剰となった。これは、原料として仕込んだアリルポリエーテルの一部が未反応のまま残留したため、その分エポキシの導入量が増加したことに起因するものと考えられる。実際に得られた生成物は、例えば、シロキサン単位UAが6mol、シロキサン単位UBが2mol導入された化合物や、シロキサン単位UAが7mol、シロキサン単位UBが1mol導入された化合物等、シロキサン単位UAとシロキサン単位UBの導入量が異なる幾つかの化合物が混在した形態をとり、全体の平均として、設計に対しエポキシ過剰の組成をとるものと推定された。また、生成物は、未反応のまま残留した原料アリルポリエーテルの一部を含有していると考えられる。
【0071】
[合成例2−2]
合成例2−1において、CH2=CH−CH2−O(CH2CH2CH2O)1249で示されるアリルポリエーテルの仕込み量を、164g(0.202mol)から、324g(0.400mol)へ変更したこと以外は、合成例2−1と同様の操作を行って、液体状の生成物を得た。
また、合成例2−1と同様に、ろ過精製後のサンプルに関し、GPC測定を行った。その結果、合成例2−1と同様、目的物のメトキシ基含有エポキシ・ポリエーテル共変性シロキサンのピーク以外に、未反応のアリルポリエーテルのピークが存在していた。また、合成例2−1と同様にして、メチルシリケート1molに対し、反応して導入されたエポキシ基を有する一価炭化水素基Xを有するシロキサン単位UA、及びポリエーテル基を有する一価炭化水素基Yを有するシロキサン単位UBの量を算出した。表5に、得られた結果を示す。
設計としては、メチルシリケート1molに対し、上記シロキサン単位UAが4mol、上記シロキサン単位UBが4mol導入されるように、各原料の仕込みを行った。しかし、合成例2−1の場合と同様、原料として仕込んだアリルポリエーテルの一部が未反応のまま残留したため、シロキサン単位UAが過剰の組成となった。
【0072】
[合成例2−3]
合成例2−1において、CH2=CH−CH2−O(CH2CH2CH2O)1249で示されるアリルポリエーテルと、その仕込み量164g(0.202mol)を、CH2=CH−CH2−O(CH2CH2O)2(CH2CH2CH2O)1049で示されるアリルポリエーテル158g(0.202mol)に変更したこと以外は、合成例2−1と同様の操作を行って、液体状の生成物を得た。
また、合成例2−1と同様に、ろ過精製後のサンプルに関し、THF溶媒下、GPC測定を行った。その結果、合成例2−1と同様、目的物のメトキシ基含有エポキシ・ポリエーテル共変性シロキサンのピーク以外に、未反応のアリルポリエーテルのピークが存在していた。また、合成例2−1と同様にして、メチルシリケート1molに対し、反応して導入されたエポキシ基を有する一価炭化水素基を有するシロキサン単位UA、及びポリエーテル基を有する一価炭化水素基Yを有するシロキサン単位UBの量を算出した。表5に、得られた結果を示す。
設計としては、メチルシリケート1molに対し、上記シロキサン単位UAが6mol、上記シロキサン単位UBが2mol導入されるように、各原料の仕込みを行った。しかし、合成例2−1、2−2の場合と同様、原料として仕込んだアリルポリエーテルの一部が未反応のまま残留したため、シロキサン単位UAが過剰の組成となった。
【0073】
[合成例2−4]
合成例2−1において、CH2=CH−CH2−O(CH2CH2CH2O)1249で示されるアリルポリエーテルと、その仕込み量164g(0.202mol)を、CH2=CH−CH2−O(CH2CH2O)1049で示されるアリルポリエーテル112g(0.202mol)に変更したこと以外は、合成例2−1と同様の操作を行って、液体状の生成物を得た。
また、合成例2−1と同様に、ろ過精製後のサンプルに関し、THF溶媒下、GPC測定を行った。その結果、合成例2−1と同様、目的物のメトキシ基含有エポキシ・ポリエーテル共変性シロキサンのピーク以外に、未反応のアリルポリエーテルのピークが存在していた。また、合成例2−1と同様にして、メチルシリケート1molに対し、反応して導入されたエポキシ基を有する一価炭化水素基Xを有するシロキサン単位UA、及びポリエーテル基を有する一価炭化水素基Yを有するシロキサン単位UBの量を算出した。表5に、得られた結果を示す。
設計としては、メチルシリケート1molに対し、上記シロキサン単位UAが6mol、上記シロキサン単位UBが2mol導入されるように、各原料の仕込みを行った。しかし、合成例2−1〜2−3の場合と同様、原料として仕込んだアリルポリエーテルの一部が未反応のまま残留したため、シロキサン単位UAが過剰の組成となった。
【0074】

【0075】
<粘着剤組成物の製造、偏光板の作製及び評価>
[実施例1]
前記合成例1−1〜1−8で得た共重合体の固形分100質量部に対して、表6に記載の各成分を配合して実施例1−18及び比較例1−5の粘着剤組成物を得た。
実施例19では、前記共重合体5の固形分100質量部に対し、重合可能な反応性二重結合を有するモノマーをとして、トリス(2−アクリロキシエチル)イソシアヌレート及びブチルアクリレートをそれぞれ10及び30質量部を加え、さらに、光重合開始剤として2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイドを0.1質量部加えたものにコロネートL9.0質量部及び合成例2−1を0.5質量部加え粘着剤組成物を得た。
【0076】

【0077】

【0078】
表6−1、6−2中において、それぞれ以下のものを示す。
・コロネートL:日本ポリウレタン工業(株)製、ポリイソシアネート化合物
・テトラッドX:三菱瓦斯化学(株)製、ポリグリシジル化合物
・テトラッドC:三菱瓦斯化学(株)製、ポリグリシジル化合物
・アルミキレートA:川研ファインケミカル(株)製、アルミニウムトリス(アセチルアセトネート)
・TAZM:トリメチロールプロパン−トリ−β−アジリジニルプロピオネート
・X−41−1810:信越化学工業(株)製、メチルメルカプト系アルコキシオリゴマー
・KBM−403:信越化学工業(株)製、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン
・KBE−402:信越化学工業(株)製、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン
・X−12−641:信越化学工業(株)製、ポリエーテル変性シラン
・SCA−A:日本ユニカー(製)、MAC−2101
・TAI:トリス(2−アクリロキシエチル)イソシアヌレート
【0079】
<偏光板の作製及び評価>
上記で得られた実施例1の粘着剤組成物を、シリコーン樹脂コートされたPETフィルム(離型性基材)上に塗布後、90℃で乾燥することによって溶媒を除去し、厚さ25μmの粘着剤層を形成した。この粘着剤層を形成した面に、厚さ180μmの偏光フィルムを貼り合わせた後、23℃、50%RHの雰囲気で7日間養生することにより、実施例1の偏光板を作製した。これと同様にして表6に記載の実施例2〜18及び比較例1〜5の各粘着剤組成物を用いて、実施例2〜18及び比較例1〜5の各偏光板を得た。
実施例19においては、同様の操作にて実施例19の粘着剤組成物を乾燥させた粘着剤層を形成させ、厚さ180μmの偏光フィルムを貼り合わせた後、PETフィルム(離型性基材)側から紫外線を照射してモノマーの架橋を完了させ、さらに23℃、50%RHの雰囲気で7日間養生して偏光板を得た。
これらの偏光板を、後述する試験方法及び評価基準にて、リワーク性、耐久性及び色むら(白抜け)の評価を行い、評価結果を表7に示した。表7−1に示したように、実施例の粘着剤組成物からなる粘着剤層の評価結果は、全ての項目で良好であり、表7−2に示した比較例の結果と比べて明らかに優れており、その優位性が確認された。
【0080】

【0081】

【0082】
<試験方法及び評価基準>
[リワーク性試験]
実施例及び比較例における各偏光板を50mm×50mmの大きさに切断後、PETフィルムを剥離し、ガラス板に貼り合わせ後、温度50℃、圧力0.5MPa条件で20分間保持して接着させ、試験用の試料を作製した。23℃,50%RHで1時間放置した後、試料をガラス板から手で剥がし、ガラスに対する接着剤の転着の有無を目視観察により評価した。さらに同様にして作製した各試料を、70℃で17時間加熱放置した後、23℃まで放冷し、この温度で1時間放置後の糊残り試験をし、下記の基準で評価した。上記試験の結果、再剥離性が良好な粘着剤は、加熱の有無に関わらず、ガラスに対して粘着剤の転着が無いことが確認された。
【0083】
・評価基準(糊残り)
○:ガラス板に粘着剤の転着無し。
×:ガラス板に粘着剤の転着有り。
【0084】
[耐久性試験]
実施例及び比較例における各偏光板を、それぞれ300mm×400mmに断裁し、PETフィルムを剥離した後、ガラス基板上に貼り付け、オートクレーブ処理を行い、評価用サンプルを作製した。得られた評価用サンプルについて、それぞれ下記項目の試験を行った。
【0085】
<過酷な環境条件に対する耐久性>
上記で調製した各評価用サンプルを、80℃(DRY)の雰囲気下と、60℃・90%RHの雰囲気下に、それぞれ500時間放置して耐久試験を行った。その後、発泡及び剥れについて目視により確認し、下記の評価基準で評価した。
(評価基準)
(1)発泡
○:偏光板に発泡が確認されない。
△:偏光板に発泡が僅かに確認された。
×:偏光板に発泡が確認された。
(2)剥れ
○:偏光板に剥れが確認されない。
△:偏光板に剥れが僅かに確認された。
×:偏光板に剥れが確認された。
【0086】
<白抜け試験>
実施例及び比較例における各偏光板を用いた80℃(DRY)の耐久試験後の同試料を2枚用い、液晶パネルの上下面にクロスニコルにして貼り合わせ、液晶モニターのバックライトを点灯して、白抜けの状態を目視で観察した。
【0087】
(評価基準)
○:偏光板に白抜けが観察されなかった。
△:偏光板に白抜けが僅かに観察された。
×:偏光板に白抜けが観察された。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(メタ)アクリル酸エステルを含む共重合体(a)100質量部に対して、0.001〜5.0質量部のオルガノシロキサン(b)及び/又はその加水分解縮合物が配合されてなり、
上記(メタ)アクリル酸エステルを含む共重合体(a)は、(メタ)アクリレート単量体(c)と、必要に応じて該単量体(c)と共重合可能な反応性不飽和二重結合を含む単量体(d)とを形成成分としてなり、
上記オルガノシロキサン(b)は、下記[1]式で表されるアルコキシシラン又はアルコキシシロキサンの分子内に存在するSi−O結合の少なくとも1つにおいて、SiとOの原子間に、少なくとも2種類のシロキサン鎖が、それぞれ個別に或いは他のシロキサン鎖と共に挿入されている、アルコキシ基と、エポキシ基と、ポリエーテル基を有する化合物であって、かつ、挿入されている上記シロキサン鎖が、下記[2]式のA式で表される群から選ばれる少なくとも1種と、下記[2]式のB式で表される群から選ばれる少なくとも1種と、さらに、必要に応じて挿入される下記[2]式のC式で表される群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする光学用粘着剤組成物。

([1]式中、R1は、置換基を有してもよい炭素原子数1〜20の一価炭化水素基、又は炭素原子数1〜10のアルコキシ基を示す。またR2は、炭素原子数1〜10の一価炭化水素基を示す。nは、1〜20の整数を示す。)

([2]式中、Xは、エポキシ基を有する一価炭化水素基を示し、Yは、ポリエーテル基を有する一価炭化水素基を示す。R3は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子で置換されてもよい炭素原子数1〜20の一価炭化水素基のいずれかを示す。a、b、cはそれぞれ、1≦a≦100、1≦b≦100、0≦c≦100の整数を示す。)
【請求項2】
前記[2]式のA式中のXが、下記[3]式及び/又は[4]式で表されるエポキシ基を有する一価炭化水素基であり、前記[2]式のB式中のYが、下記[5]式で表されるポリエーテル基を有する一価炭化水素基である請求項1に記載の光学用粘着剤組成物。



([5]式中、R4は、水素原子、炭素原子数1〜6の一価炭化水素基又は下記[6]式で表される基のいずれかを示す。mは正の整数を示す。p、qは、0以上の整数を示す。ただし、p、qのうち少なくとも1つは、1以上の整数をとる。)

([6]式中、R5は、炭素原子数1〜4の一価炭化水素基を示す。)
【請求項3】
前記Yが、前記[5]式において、pが0であり、qが1以上の整数である、プロピレンオキサイド型のポリエーテル基を有する一価炭化水素基である請求項2に記載の光学用粘着剤組成物。
【請求項4】
前記挿入されているシロキサン鎖が、前記[2]式のC式で表されるシロキサン鎖を含まない請求項1〜3のいずれか1項に記載の光学用粘着剤組成物。
【請求項5】
前記(メタ)アクリル酸エステルを含む共重合体(a)は、炭素数1〜18の有機置換基を側鎖に有する(メタ)アクリレート単量体(c)と、必要に応じて該単量体(c)と共重合可能な反応性不飽和二重結合を含む単量体(d)とを形成成分としてなる共重合体であって、かつ、該共重合体の重量平均分子量が40万〜200万である請求項1〜4のいずれか1項に記載の光学用粘着剤組成物。
【請求項6】
前記(メタ)アクリル酸エステルを含む共重合体(a)100質量部に対して、さらに0.01〜40質量部の架橋剤(e)が添加されている請求項1〜5のいずれか1項に記載の光学用粘着剤組成物。
【請求項7】
前記架橋剤(e)が、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、金属系架橋剤及びアジリジン系架橋剤からなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項6に記載の光学用粘着剤組成物。
【請求項8】
前記オルガノシロキサン(b)以外のシランカップリング剤(f)及び/又はその加水分解縮合物がさらに添加されている請求項1〜7のいずれか1項に記載の光学用粘着剤組成物。
【請求項9】
前記シランカップリング剤(f)及び/又はその加水分解縮合物の添加量が、前記(メタ)アクリル酸エステルを含む共重合体(a)100質量部に対して、0.01〜5質量部である請求項8に記載の光学用粘着剤組成物。
【請求項10】
その片面或いは両面に、請求項1〜9のいずれか1項に記載の光学用粘着剤組成物からなる膜が積層されていることを特徴とする光学機能性フィルム。

【公開番号】特開2013−79320(P2013−79320A)
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−219791(P2011−219791)
【出願日】平成23年10月4日(2011.10.4)
【出願人】(000105877)サイデン化学株式会社 (39)
【Fターム(参考)】