光学的情報読取装置の置台
【課題】複数種類の形状の装置を保持対象とし得る光学的情報読取装置の置台を提供する。
【解決手段】置台10は、読取部のロアケースの形状が一致しアッパーケースが異なる2つ光学的情報読取装置が保持対象である。第2壁部12には、第1読取装置100aの読取部102が係合するときそのアッパーケース102bと当該第2壁部12との間に介在することで第1壁部11とにより当該読取部102を挟持するように、アタッチメント40が着脱可能に設けられる。また、アタッチメント40を取り外した第2壁部12は、第2読取装置100bの保持時にそのアッパーケース103bを受けることが可能に形成されている。
【解決手段】置台10は、読取部のロアケースの形状が一致しアッパーケースが異なる2つ光学的情報読取装置が保持対象である。第2壁部12には、第1読取装置100aの読取部102が係合するときそのアッパーケース102bと当該第2壁部12との間に介在することで第1壁部11とにより当該読取部102を挟持するように、アタッチメント40が着脱可能に設けられる。また、アタッチメント40を取り外した第2壁部12は、第2読取装置100bの保持時にそのアッパーケース103bを受けることが可能に形成されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学的情報読取装置の置台に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、光学的情報読取装置の置台に関する技術として、下記特許文献1に示す置台が知られている。この置台は、使用者が手に持って使用するいわゆる手持ち式の光学的情報読取装置を保持対象としており、単一の読取装置を手持使用と定置使用とに切り替えることができるように構成されている。具体的には、読取装置を保持する装置保持部が載置面から離れた高位置で保持され、その装置保持部における読取口と対向する底部において読取口内を外部に露出させる貫通孔が形成されているため、読取口を載置面側(下方側)に向かせた状態で読取装置を保持できるようになり、読取口を載置面側(下方側)に向かせた定置使用を可能としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−169585号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1の構成では、1種類の読取装置が保持対象であり、複数種類の形状の読取装置を保持することができないという問題があった。
【0005】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、複数種類の形状の装置を保持対象とし得る光学的情報読取装置の置台を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、特許請求の範囲に記載の請求項1の光学的情報読取装置の置台では、端部に読取口が形成される読取部とこの読取部から延出した構成をなす把持部とを有する光学的情報読取装置であって、前記読取部の把持部側の形状が一致し反把持部側の形状が異なる複数種類の光学的情報読取装置を、当該読取部と係合することで保持する置台であって、前記光学的情報読取装置を保持する際に前記読取口と対向するように配置され、かつその保持の際に前記読取口内を外部に露出させる開口部が設けられた底部と、前記底部から立ち上がるように設けられ、前記光学的情報読取装置を保持する際に、前記読取部の把持部側および反把持部側をそれぞれ受ける第1壁部および第2壁部と、を備え、前記第2壁部には、前記読取部が係合するときこの読取部の反把持部側の形状に応じて形成されて、この反把持部側と当該第2壁部との間に介在することで前記第1壁部とにより当該読取部を挟持するように、着脱部材が着脱可能に設けられることを特徴とする。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1に記載の光学的情報読取装置の置台において、前記底部には、前記開口部の貫通方向に沿い貫通する貫通穴が形成されることを特徴とする。
【0008】
請求項3の発明は、請求項1または2に記載の光学的情報読取装置の置台において、前記第1壁部には、当該置台を載置面から離れた位置で保持するアームの端部に組み付けるための組み付け部が形成されることを特徴とする。
【0009】
請求項4の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の光学的情報読取装置の置台において、前記第1壁部には、前記読取部が係合するとき前記把持部が係合する凹部が形成されており、この凹部の頂部は、前記底部が載置される面からの高さが、前記第2壁部の高さよりも高く形成されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
請求項1の発明では、読取部の把持部側の形状が一致し反把持部側の形状が異なる複数種類の光学的情報読取装置が保持対象であり、読取部の反把持部側を受ける第2壁部には、読取部が係合するときこの読取部の反把持部側の形状に応じて形成されて、この反把持部側と当該第2壁部との間に介在することで第1壁部とにより当該読取部を挟持するように、着脱部材が着脱可能に設けられる。
【0011】
これにより、例えば読取対象が異なるために、読取部のうち反把持部側の形状が異なる複数種類の光学的情報読取装置であっても、その読取部の反把持部側の形状に応じて構成した着脱部材を第2壁部に装着して当該反把持部側との間に介在させることで、第1壁部とにより当該読取部を挟持するように保持することができる。
したがって、複数種類の形状の光学的情報読取装置を保持対象とすることができる。さらに、置台の標準化が図られるため、製造コストを低減することができる。
【0012】
請求項2の発明では、底部には、開口部の貫通方向に沿い貫通する貫通穴が形成されるため、底部を壁面に押し付けた状態で上記貫通穴を挿通するようにねじ等の締結部材を組み付けることで、複数種類の形状の光学的情報読取装置を保持対象とする置台を壁面に固定した状態で壁掛け用として使用することができる。
【0013】
請求項3の発明では、第1壁部には、当該置台を載置面から離れた位置で保持するアームの端部に組み付けるための組み付け部が形成されるため、この組み付け部に上記アームの端部を組み付けることで、当該置台を、載置面から離れた高位置でアームを介して読取装置を保持するいわゆるフリースタンドの一部として機能させることができる。特に、読取部の把持部側は光学的情報読取装置の重心位置に近くなりやすいため、この把持部側を受ける第1壁部にて、置台をアームにより支持することにより、複数種類の形状の光学的情報読取装置を保持対象とする置台をフリースタンドの一部として使用する場合の安定性を向上させることができる。
【0014】
請求項4の発明では、第1壁部に形成される把持部に係合するための凹部の頂部は、底部が載置される面からの高さが、第2壁部の高さよりも高く形成される。このため、光学的情報読取装置は、読取部の把持部側と反把持部側とが第1壁部と第2壁部に装着される着脱部材とで挟持されるとき、把持部が第2壁部よりも高い頂部の凹部に係合するので、保持状態での当該読取装置の重心位置が読取部側になるだけでなく把持部が凹部により挟持されることとなる。これにより、当該読取装置をより安定的に保持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本実施形態に係る置台10に第1読取装置100aを載置した例を示す斜視図である。
【図2】本実施形態に係る置台10に第2読取装置100bを載置した例を示す斜視図である。
【図3】保持対象の第1読取装置100aを説明する説明図である。
【図4】置台10の平面図である。
【図5】置台10の正面図である。
【図6】置台10の背面図である。
【図7】置台10の側面図である。
【図8】図4の8−8断面を概略的に示す断面図である。
【図9】置台10の裏面図である。
【図10】アタッチメント40の構成概要を示す図であり、図10(A)は上面図、図10(B)は正面図、図10(C)は側面図である。
【図11】壁掛け用置台として使用される置台10を示す説明図である。
【図12】フリースタンドとして使用される置台10を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の光学的情報読取装置の置台を具現化した一実施形態について、図面を参照して説明する。
図1および図2に示すように、本実施形態に係る置台10は、2つの異なる形状の光学的情報読取装置(以下、第1読取装置100a,第2読取装置100bともいう)のいずれか1つを載置して保持する機能を有しており、様々な載置面上に載置して用いられるものである。
【0017】
まず、置台10の保持対象となる第1読取装置100a(図1参照)および第2読取装置100b(図2参照)のうち、第1読取装置100aについて説明する。
図1に示す第1読取装置100aは、バーコード、QRコード(商標名)等の情報コードを読み取るコードリーダ(例えば、バーコードリーダ、二次元コードリーダ等)として構成されるものであり、外郭部を構成する外装ケース内に各種電子部品が収容された構成をなしている。
【0018】
この第1読取装置100aは、図3に示すように、長手方向一端部において開口部として構成される読取口106が形成される読取部102と、この読取部102から延出した構成をなす把持部104と、を備えている。読取部102の外装ケースは、把持部側を構成するロアケース102aと反把持部側を構成するアッパーケース102bとからなり、ロアケース102aの長手方向中間位置を基端として把持部104が延出する構成をなしている。図3に例示される第1読取装置100aは、いわゆるガンタイプとして構成されるものであり、より詳しくは読取部102が延びる方向(読取部102の長手方向)と、把持部104が延びる方向(把持部104の長手方向)とがほぼ直交するように構成されている。なお、本実施形態では、読取部102の長手方向において読取口106が設けられる側を前方側、それとは反対側を後方側としている。
【0019】
把持部104は、使用者が手に持って握ることができる程度のサイズで構成されており、その側部には使用者による押圧操作を受ける操作ボタン(図示略)などが配置されている。また、読取部102には、その内部に照明光を発する光源(LED等)、読取対象からの反射光を受光する受光センサ(CCDセンサ等)、各種制御を行う制御回路(マイコン等)、メモリなどが収容されている。読取部102に形成された読取口106は、読取対象(バーコード等の情報コード、図3ではQRコードQを例示)に対する照明光を導出し、かつ読取対象からの反射光を導入する光導出入口として構成されている。なお、コードリーダの分野において、読取口を介して照明光を照射しかつ反射光を取り込み、情報コードの読み取りを行う構成は周知であるので電気的構成等の詳細な説明は省略する。
【0020】
また、図2に示す第2読取装置100bは、第1読取装置100aに対して読取部102に代えて読取部103を採用した構成になっている。これは、読取対象が異なるために、読取部103の内部に収容される収容物が異なるからであり、この内容物として、例えば、ダイレクトマーキング等の打刻式のコードを読み取るための照明等があげられる。そのため、第2読取装置100bでは、第1読取装置100aとの部品共通化を図ることを目的として、読取部103の外装ケースが、共通部品としての上述したロアケース102aと専用部品としてのアッパーケース103bとから構成されている。このアッパーケース103bは、アッパーケース102bに対して収容空間を大きくするために把持部104から離れる方向へ広がるように形成されている。
【0021】
次に、置台10の具体的構成について、主に第1読取装置100aを保持する場合を例に説明する。
置台10は、例えば樹脂材料などによって構成され、環状の周壁を備えた枠状形態をなすものであり、図4〜図9に示すように、載置面側に臨む底部15と、前後に対向する第1壁部11及び第2壁部12と、左右に対向する一対の側壁部13,14とを備えている。置台10は、底部15を底とし、第1壁部11、第2壁部12、側壁部13、14を周壁とする略箱状形態をなしており、第1読取装置100aを保持する際に読取部102の端部(読取口106側の端部)を内部に収容する構成をなしている。なお、本実施形態では置台10全体が一体成形されている。
【0022】
底部15は、第1読取装置100aを保持する際に読取口106と対向するように配置される部分であり、その保持の際に読取口106内を外部に露出させるための開口部20が形成されている。図4に示すように、開口部20は、周壁(即ち第1壁部11、第2壁部12、側壁部13、14)によって囲まれる領域の中心を含んだ中央領域を空間とする形態で構成されており、底部15は、開口部20の開口領域を取り囲むように環状に配置されている。
【0023】
また、底部15における読取口106との対向面は、開口部20の周囲において第1壁部11寄りに設けられる平滑面15cと、平滑面15cと第2壁部12との間において平滑面15cに対して傾斜するように配置された傾斜面15dとを有している。この傾斜面15dは、第1読取装置100aが置台10に装着される際に読取口106の端部を第2壁部12側に案内しうるものである。また、平滑面15cと傾斜面15dとの連結部分には、当該置台10を壁掛け用として用いるときに使用される貫通穴15eが2つ設けられており、両貫通穴15eは、開口部20の貫通方向に沿い貫通するように形成されている。
【0024】
第1壁部11は、底部15から立ち上がるように設けられており、幅方向中央付近に凹状に凹んだ凹部11cが形成されている。なお、本実施形態では、側壁部13、14の対向方向(図5,図6での左右方向)を置台10の幅方向としている。図6のように第1壁部11は、幅方向両側に配置される一対の壁部11a、11bと、これら壁部11a、11bの中間に配置される中間壁11dとによって構成されており、図5〜図8に示すように、壁部11a、11bの高さ、すなわち凹部11cの頂部の高さが、第2壁部12の高さよりも大きくなるように構成されている。
【0025】
第1壁部11は、第1読取装置100aを保持する際に把持部104における把持位置(使用者によって把持される位置であり、図1等の例では把持部104の先端部付近から中央部付近に亘る領域)と読取口106との間の中間部110を受けるように機能するものであり、具体的には第1読取装置100aの装着時に読取部102のロアケース102aを支持する構成をなしている。より詳しく言えば、壁部11a、11bにおける凹部11c付近の内壁面17a、17bが底部15の平滑面15cに対して所定の角度で傾斜しており、第1読取装置100aの装着時にこの一対の内壁面17a、17bによって読取部102のロアケース102aを支持する構成をなしている。
【0026】
第1壁部11に形成された凹部11cの底部は、図6等に示す例では、壁部11a、11bの高さの半分以上の深さとなるように凹んでいる。この凹部11cは、第1読取装置100aを保持する際に中間部110における読取部102と把持部104との境界付近の部分と係合する構成をなしている。
【0027】
また、第1壁部11の下端部には、後述するアーム部52の端部を組み付けるための組み付け部30が設けられている。この組み付け部30には、アーム部52の端部が挿入する挿入穴34と、挿入穴34の底部に形成される孔部32とが形成されており、アーム部52の端部が挿入穴34に挿入するとき、ねじ等の締結部材を孔部32に挿し込み締結することで、当該置台10がアーム部52の端部に固定されることとなる。
【0028】
第2壁部12は、第1壁部11と対向する位置において底部15から立ち上がるように設けられている。この第2壁部12の内壁は、第2読取装置100bの保持時にそのアッパーケース103bを受けることが可能であって、かつ後述するアタッチメント40が着脱可能に形成されている。そのため、第2壁部12の内壁は、アッパーケース103bに応じて形成されるとともに、この内壁の底面側には、後述するアタッチメント40の両爪部43が係合可能な略矩形状の係合穴12aが設けられている。
【0029】
側壁部13は、底部15から立ち上がる構成をなしており、第1壁部11の片側の壁部11aと第2壁部12とを連結するように配置されている。また、側壁部14も、底部15から立ち上がる構成をなし、第1壁部11の片側の壁部11bと第2壁部12とを連結する構成をなしている。これら側壁部13、14は互いに対向する構成をなしており、第1読取装置100aを保持する際に読取部102のロアケース102aを挟持するように配置されるものである。
【0030】
次に、第2壁部12の内壁に装着されるアタッチメント40について説明する。このアタッチメント40は、第2壁部12の内壁に装着されることで、第1壁部11とにより第1読取装置100aの読取部102を挟持する機能を有するもので、図10(A)〜(C)に示すように、上壁41と、案内部42と、2つの爪部43とを備えている。上壁41は、一側の外縁にて第2壁部12の上端部中央に係合するように形成されており、この上壁41の他側の外縁には案内部42が略平板状に垂下するように連結されている。案内部42は、第2壁部12への装着時に読取部102のアッパーケース102bを受けることが可能となるように、アッパーケース102bの形状に応じて形成されている。また、上壁41には、2つの爪部43がそれぞれ離間して案内部42に平行に垂下するように連結されており、両爪部43は、当該アタッチメント40の第2壁部12への装着時に係合穴12aに係合するように形成されている。なお、アタッチメント40は、特許請求の範囲に記載の「着脱部材」の一例に相当し得る。
【0031】
このように構成される置台10によって載置面上に第1読取装置100aを保持する際には、まず、アタッチメント40を第2壁部12に装着する。そして、把持部104を置台10の外部に延出させ、かつ読取口106を底部15と対向させるように読取部102を配置した状態で、第1壁部11の凹部11cにより中間部110を支持し、かつアタッチメント40と第1壁部11とにより読取部102のアッパーケース102bおよびロアケース102aを挟持する。これにより、図1に示すように、第1読取装置100aが置台10に保持されることとなる。
【0032】
また、置台10によって載置面上に第2読取装置100bを保持する際には、まず、アタッチメント40を第2壁部12から取り外す。そして、把持部104を置台10の外部に延出させ、かつ読取口106を底部15と対向させるように読取部103を配置した状態で、第1壁部11の凹部11cにより中間部110を支持し、かつ第2壁部12と第1壁部11とにより読取部103のアッパーケース103bおよびロアケース102aを挟持する。これにより、図2に示すように、第2読取装置100bが置台10に保持されることとなる。
【0033】
また、置台10を壁面Wに固定した壁掛け用として使用する場合には、まず、底部15を壁面Wに押し付けた状態で当該底部15の両貫通穴15eを挿通するようにねじ等の締結部材を組み付けることで、当該置台10を壁面Wに固定する。そして、第1読取装置100aが保持対象であればアタッチメント40を第2壁部12に装着し、置台10に対して載置面上と同様に第1読取装置100aを配置することで、図11に示すように、当該第1読取装置100aが壁掛け状態の置台10に保持されることとなる。また、第2読取装置100bが保持対象であればアタッチメント40を第2壁部12から取り外し、置台10に対して載置面上と同様に第2読取装置100bを配置することで、当該第2読取装置100bが壁掛け状態の置台10に保持されることとなる。
【0034】
また、置台10を載置面から離れた高位置にて金属製のフレキシブルチューブ等により構成されるアーム部52を介することで保持対象を保持するいわゆるフリースタンド50の一部として機能させる場合には、以下のように行う。まず、一側端部52aに基台51が連結されるアーム部52を用意し、第1壁部11の挿入穴34にアーム部52の他側端部52bを挿入してねじ等の締結部材を孔部32に挿し込み締結することで、置台10をアーム部52の他側端部52bに固定する。そして、第1読取装置100aが保持対象であればアタッチメント40を第2壁部12に装着し、置台10に対して載置面上と同様に第1読取装置100aを配置することで、図12に示すように、当該第1読取装置100aがフリースタンド50としての置台10に保持されることとなる。また、第2読取装置100bが保持対象であればアタッチメント40を第2壁部12から取り外し、置台10に対して載置面上と同様に第2読取装置100bを配置することで、当該第2読取装置100bがフリースタンド50としての置台10に保持されることとなる。
【0035】
以上説明したように、本第1実施形態に係る置台10は、読取部のロアケースの形状が一致しアッパーケースが異なる2つ光学的情報読取装置(第1読取装置100a,第2読取装置100b)が保持対象である。第2壁部12には、第1読取装置100aの読取部102が係合するときそのアッパーケース102bと当該第2壁部12との間に介在することで第1壁部11とにより当該読取部102を挟持するように、アタッチメント40が着脱可能に設けられる。また、アタッチメント40を取り外した第2壁部12は、第2読取装置100bの保持時にその読取部103のアッパーケース103bを受けることが可能に形成されている。
【0036】
これにより、上述のように読取対象が異なるためにアッパーケースの形状が異なる2つの光学的情報読取装置であっても、アタッチメント40を第2壁部12に装着して当該アッパーケースとの間に介在させるか取り外すことで、第1壁部11とにより第1読取装置100aの読取部102または第2読取装置100bの読取部103を挟持するように保持することができる。
したがって、2種類の形状の光学的情報読取装置を保持対象とすることができる。さらに、置台10の標準化が図られるため、製造コストを低減することができる。
【0037】
また、本第1実施形態に係る置台10では、底部15には、開口部20の貫通方向に沿い貫通する2つの貫通穴15eが形成されるため、底部15を壁面Wに押し付けた状態で上記両貫通穴15eを挿通するようにねじ等の締結部材を組み付けることで、2種類の形状の光学的情報読取装置を保持対象とする置台10を壁面Wに固定した状態で壁掛け用として使用することができる。
【0038】
さらに、本第1実施形態に係る置台10では、第1壁部11には、当該置台10を載置面から離れた位置で保持するアーム部52の端部に組み付けるための組み付け部30が形成されるため、この組み付け部30に上記アーム部52の端部を組み付けることで、当該置台10を、載置面から離れた高位置でアーム部52を介して両光学的情報読取装置のいずれかを保持するフリースタンド50の一部として機能させることができる。特に、読取部の把持部側は光学的情報読取装置の重心位置に近くなりやすいため、ロアケース102aを受ける第1壁部11にて、置台10をアーム部52により支持することにより、2種類の形状の光学的情報読取装置を保持対象とする置台10をフリースタンド50の一部として使用する場合の安定性を向上させることができる。
【0039】
さらにまた、本第1実施形態に係る置台10では、第1壁部11に形成される把持部104に係合するための凹部11cの頂部は、底部15が載置される面からの高さが、第2壁部12の高さよりも高く形成される。このため、保持対象が第1読取装置100aであれば、読取部102のロアケース102aとアッパーケース102bが第1壁部11とアタッチメント40とで挟持されるとき、把持部104が第2壁部12よりも高い頂部の凹部11cに係合するので、保持状態での当該第1読取装置100aの重心位置が読取部側になるだけでなく把持部104が凹部11cにより挟持されることとなる。これにより、当該第1読取装置100aをより安定的に保持することができる。保持対象が第2読取装置100bであっても同様である。
【0040】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、以下のように具体化してもよく、その場合でも、上記実施形態と同等の作用・効果が得られる。
(1)第2読取装置100bを保持対象とする場合でも、第2壁部12に読取部103のアッパーケース103bに応じて形成されるアタッチメントを装着して、第1壁部11とにより読取部103を挟持してもよい。
【0041】
(2)他の光学的情報読取装置を保持対象とする場合でも、第2壁部12に保持対象の読取部の反把持部側(アッパーケース)に応じて形成されるアタッチメントを装着して、第1壁部11とにより当該読取部を挟持してもよい。これにより、置台10は、読取部のうち反把持部側の形状が異なる複数種類の光学的情報読取装置を保持対象とすることができる。
【符号の説明】
【0042】
10…置台
11…第1壁部
11c…凹部
12…第2壁部
13…第3壁部
14…第4壁部
15…底部
15e…貫通穴
20…開口部
30…組み付け部
40…アタッチメント(着脱部材)
50…フリースタンド
52…アーム部
100a…第1読取装置(光学的情報読取装置)
100b…第2読取装置(光学的情報読取装置)
102…読取部
102a…ロアケース(読取部の把持部側)
102b…アッパーケース(読取部の反把持部側)
103…読取部
103b…アッパーケース(読取部の反把持部側)
104…把持部
106…読取口
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学的情報読取装置の置台に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、光学的情報読取装置の置台に関する技術として、下記特許文献1に示す置台が知られている。この置台は、使用者が手に持って使用するいわゆる手持ち式の光学的情報読取装置を保持対象としており、単一の読取装置を手持使用と定置使用とに切り替えることができるように構成されている。具体的には、読取装置を保持する装置保持部が載置面から離れた高位置で保持され、その装置保持部における読取口と対向する底部において読取口内を外部に露出させる貫通孔が形成されているため、読取口を載置面側(下方側)に向かせた状態で読取装置を保持できるようになり、読取口を載置面側(下方側)に向かせた定置使用を可能としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−169585号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1の構成では、1種類の読取装置が保持対象であり、複数種類の形状の読取装置を保持することができないという問題があった。
【0005】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、複数種類の形状の装置を保持対象とし得る光学的情報読取装置の置台を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、特許請求の範囲に記載の請求項1の光学的情報読取装置の置台では、端部に読取口が形成される読取部とこの読取部から延出した構成をなす把持部とを有する光学的情報読取装置であって、前記読取部の把持部側の形状が一致し反把持部側の形状が異なる複数種類の光学的情報読取装置を、当該読取部と係合することで保持する置台であって、前記光学的情報読取装置を保持する際に前記読取口と対向するように配置され、かつその保持の際に前記読取口内を外部に露出させる開口部が設けられた底部と、前記底部から立ち上がるように設けられ、前記光学的情報読取装置を保持する際に、前記読取部の把持部側および反把持部側をそれぞれ受ける第1壁部および第2壁部と、を備え、前記第2壁部には、前記読取部が係合するときこの読取部の反把持部側の形状に応じて形成されて、この反把持部側と当該第2壁部との間に介在することで前記第1壁部とにより当該読取部を挟持するように、着脱部材が着脱可能に設けられることを特徴とする。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1に記載の光学的情報読取装置の置台において、前記底部には、前記開口部の貫通方向に沿い貫通する貫通穴が形成されることを特徴とする。
【0008】
請求項3の発明は、請求項1または2に記載の光学的情報読取装置の置台において、前記第1壁部には、当該置台を載置面から離れた位置で保持するアームの端部に組み付けるための組み付け部が形成されることを特徴とする。
【0009】
請求項4の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の光学的情報読取装置の置台において、前記第1壁部には、前記読取部が係合するとき前記把持部が係合する凹部が形成されており、この凹部の頂部は、前記底部が載置される面からの高さが、前記第2壁部の高さよりも高く形成されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
請求項1の発明では、読取部の把持部側の形状が一致し反把持部側の形状が異なる複数種類の光学的情報読取装置が保持対象であり、読取部の反把持部側を受ける第2壁部には、読取部が係合するときこの読取部の反把持部側の形状に応じて形成されて、この反把持部側と当該第2壁部との間に介在することで第1壁部とにより当該読取部を挟持するように、着脱部材が着脱可能に設けられる。
【0011】
これにより、例えば読取対象が異なるために、読取部のうち反把持部側の形状が異なる複数種類の光学的情報読取装置であっても、その読取部の反把持部側の形状に応じて構成した着脱部材を第2壁部に装着して当該反把持部側との間に介在させることで、第1壁部とにより当該読取部を挟持するように保持することができる。
したがって、複数種類の形状の光学的情報読取装置を保持対象とすることができる。さらに、置台の標準化が図られるため、製造コストを低減することができる。
【0012】
請求項2の発明では、底部には、開口部の貫通方向に沿い貫通する貫通穴が形成されるため、底部を壁面に押し付けた状態で上記貫通穴を挿通するようにねじ等の締結部材を組み付けることで、複数種類の形状の光学的情報読取装置を保持対象とする置台を壁面に固定した状態で壁掛け用として使用することができる。
【0013】
請求項3の発明では、第1壁部には、当該置台を載置面から離れた位置で保持するアームの端部に組み付けるための組み付け部が形成されるため、この組み付け部に上記アームの端部を組み付けることで、当該置台を、載置面から離れた高位置でアームを介して読取装置を保持するいわゆるフリースタンドの一部として機能させることができる。特に、読取部の把持部側は光学的情報読取装置の重心位置に近くなりやすいため、この把持部側を受ける第1壁部にて、置台をアームにより支持することにより、複数種類の形状の光学的情報読取装置を保持対象とする置台をフリースタンドの一部として使用する場合の安定性を向上させることができる。
【0014】
請求項4の発明では、第1壁部に形成される把持部に係合するための凹部の頂部は、底部が載置される面からの高さが、第2壁部の高さよりも高く形成される。このため、光学的情報読取装置は、読取部の把持部側と反把持部側とが第1壁部と第2壁部に装着される着脱部材とで挟持されるとき、把持部が第2壁部よりも高い頂部の凹部に係合するので、保持状態での当該読取装置の重心位置が読取部側になるだけでなく把持部が凹部により挟持されることとなる。これにより、当該読取装置をより安定的に保持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本実施形態に係る置台10に第1読取装置100aを載置した例を示す斜視図である。
【図2】本実施形態に係る置台10に第2読取装置100bを載置した例を示す斜視図である。
【図3】保持対象の第1読取装置100aを説明する説明図である。
【図4】置台10の平面図である。
【図5】置台10の正面図である。
【図6】置台10の背面図である。
【図7】置台10の側面図である。
【図8】図4の8−8断面を概略的に示す断面図である。
【図9】置台10の裏面図である。
【図10】アタッチメント40の構成概要を示す図であり、図10(A)は上面図、図10(B)は正面図、図10(C)は側面図である。
【図11】壁掛け用置台として使用される置台10を示す説明図である。
【図12】フリースタンドとして使用される置台10を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の光学的情報読取装置の置台を具現化した一実施形態について、図面を参照して説明する。
図1および図2に示すように、本実施形態に係る置台10は、2つの異なる形状の光学的情報読取装置(以下、第1読取装置100a,第2読取装置100bともいう)のいずれか1つを載置して保持する機能を有しており、様々な載置面上に載置して用いられるものである。
【0017】
まず、置台10の保持対象となる第1読取装置100a(図1参照)および第2読取装置100b(図2参照)のうち、第1読取装置100aについて説明する。
図1に示す第1読取装置100aは、バーコード、QRコード(商標名)等の情報コードを読み取るコードリーダ(例えば、バーコードリーダ、二次元コードリーダ等)として構成されるものであり、外郭部を構成する外装ケース内に各種電子部品が収容された構成をなしている。
【0018】
この第1読取装置100aは、図3に示すように、長手方向一端部において開口部として構成される読取口106が形成される読取部102と、この読取部102から延出した構成をなす把持部104と、を備えている。読取部102の外装ケースは、把持部側を構成するロアケース102aと反把持部側を構成するアッパーケース102bとからなり、ロアケース102aの長手方向中間位置を基端として把持部104が延出する構成をなしている。図3に例示される第1読取装置100aは、いわゆるガンタイプとして構成されるものであり、より詳しくは読取部102が延びる方向(読取部102の長手方向)と、把持部104が延びる方向(把持部104の長手方向)とがほぼ直交するように構成されている。なお、本実施形態では、読取部102の長手方向において読取口106が設けられる側を前方側、それとは反対側を後方側としている。
【0019】
把持部104は、使用者が手に持って握ることができる程度のサイズで構成されており、その側部には使用者による押圧操作を受ける操作ボタン(図示略)などが配置されている。また、読取部102には、その内部に照明光を発する光源(LED等)、読取対象からの反射光を受光する受光センサ(CCDセンサ等)、各種制御を行う制御回路(マイコン等)、メモリなどが収容されている。読取部102に形成された読取口106は、読取対象(バーコード等の情報コード、図3ではQRコードQを例示)に対する照明光を導出し、かつ読取対象からの反射光を導入する光導出入口として構成されている。なお、コードリーダの分野において、読取口を介して照明光を照射しかつ反射光を取り込み、情報コードの読み取りを行う構成は周知であるので電気的構成等の詳細な説明は省略する。
【0020】
また、図2に示す第2読取装置100bは、第1読取装置100aに対して読取部102に代えて読取部103を採用した構成になっている。これは、読取対象が異なるために、読取部103の内部に収容される収容物が異なるからであり、この内容物として、例えば、ダイレクトマーキング等の打刻式のコードを読み取るための照明等があげられる。そのため、第2読取装置100bでは、第1読取装置100aとの部品共通化を図ることを目的として、読取部103の外装ケースが、共通部品としての上述したロアケース102aと専用部品としてのアッパーケース103bとから構成されている。このアッパーケース103bは、アッパーケース102bに対して収容空間を大きくするために把持部104から離れる方向へ広がるように形成されている。
【0021】
次に、置台10の具体的構成について、主に第1読取装置100aを保持する場合を例に説明する。
置台10は、例えば樹脂材料などによって構成され、環状の周壁を備えた枠状形態をなすものであり、図4〜図9に示すように、載置面側に臨む底部15と、前後に対向する第1壁部11及び第2壁部12と、左右に対向する一対の側壁部13,14とを備えている。置台10は、底部15を底とし、第1壁部11、第2壁部12、側壁部13、14を周壁とする略箱状形態をなしており、第1読取装置100aを保持する際に読取部102の端部(読取口106側の端部)を内部に収容する構成をなしている。なお、本実施形態では置台10全体が一体成形されている。
【0022】
底部15は、第1読取装置100aを保持する際に読取口106と対向するように配置される部分であり、その保持の際に読取口106内を外部に露出させるための開口部20が形成されている。図4に示すように、開口部20は、周壁(即ち第1壁部11、第2壁部12、側壁部13、14)によって囲まれる領域の中心を含んだ中央領域を空間とする形態で構成されており、底部15は、開口部20の開口領域を取り囲むように環状に配置されている。
【0023】
また、底部15における読取口106との対向面は、開口部20の周囲において第1壁部11寄りに設けられる平滑面15cと、平滑面15cと第2壁部12との間において平滑面15cに対して傾斜するように配置された傾斜面15dとを有している。この傾斜面15dは、第1読取装置100aが置台10に装着される際に読取口106の端部を第2壁部12側に案内しうるものである。また、平滑面15cと傾斜面15dとの連結部分には、当該置台10を壁掛け用として用いるときに使用される貫通穴15eが2つ設けられており、両貫通穴15eは、開口部20の貫通方向に沿い貫通するように形成されている。
【0024】
第1壁部11は、底部15から立ち上がるように設けられており、幅方向中央付近に凹状に凹んだ凹部11cが形成されている。なお、本実施形態では、側壁部13、14の対向方向(図5,図6での左右方向)を置台10の幅方向としている。図6のように第1壁部11は、幅方向両側に配置される一対の壁部11a、11bと、これら壁部11a、11bの中間に配置される中間壁11dとによって構成されており、図5〜図8に示すように、壁部11a、11bの高さ、すなわち凹部11cの頂部の高さが、第2壁部12の高さよりも大きくなるように構成されている。
【0025】
第1壁部11は、第1読取装置100aを保持する際に把持部104における把持位置(使用者によって把持される位置であり、図1等の例では把持部104の先端部付近から中央部付近に亘る領域)と読取口106との間の中間部110を受けるように機能するものであり、具体的には第1読取装置100aの装着時に読取部102のロアケース102aを支持する構成をなしている。より詳しく言えば、壁部11a、11bにおける凹部11c付近の内壁面17a、17bが底部15の平滑面15cに対して所定の角度で傾斜しており、第1読取装置100aの装着時にこの一対の内壁面17a、17bによって読取部102のロアケース102aを支持する構成をなしている。
【0026】
第1壁部11に形成された凹部11cの底部は、図6等に示す例では、壁部11a、11bの高さの半分以上の深さとなるように凹んでいる。この凹部11cは、第1読取装置100aを保持する際に中間部110における読取部102と把持部104との境界付近の部分と係合する構成をなしている。
【0027】
また、第1壁部11の下端部には、後述するアーム部52の端部を組み付けるための組み付け部30が設けられている。この組み付け部30には、アーム部52の端部が挿入する挿入穴34と、挿入穴34の底部に形成される孔部32とが形成されており、アーム部52の端部が挿入穴34に挿入するとき、ねじ等の締結部材を孔部32に挿し込み締結することで、当該置台10がアーム部52の端部に固定されることとなる。
【0028】
第2壁部12は、第1壁部11と対向する位置において底部15から立ち上がるように設けられている。この第2壁部12の内壁は、第2読取装置100bの保持時にそのアッパーケース103bを受けることが可能であって、かつ後述するアタッチメント40が着脱可能に形成されている。そのため、第2壁部12の内壁は、アッパーケース103bに応じて形成されるとともに、この内壁の底面側には、後述するアタッチメント40の両爪部43が係合可能な略矩形状の係合穴12aが設けられている。
【0029】
側壁部13は、底部15から立ち上がる構成をなしており、第1壁部11の片側の壁部11aと第2壁部12とを連結するように配置されている。また、側壁部14も、底部15から立ち上がる構成をなし、第1壁部11の片側の壁部11bと第2壁部12とを連結する構成をなしている。これら側壁部13、14は互いに対向する構成をなしており、第1読取装置100aを保持する際に読取部102のロアケース102aを挟持するように配置されるものである。
【0030】
次に、第2壁部12の内壁に装着されるアタッチメント40について説明する。このアタッチメント40は、第2壁部12の内壁に装着されることで、第1壁部11とにより第1読取装置100aの読取部102を挟持する機能を有するもので、図10(A)〜(C)に示すように、上壁41と、案内部42と、2つの爪部43とを備えている。上壁41は、一側の外縁にて第2壁部12の上端部中央に係合するように形成されており、この上壁41の他側の外縁には案内部42が略平板状に垂下するように連結されている。案内部42は、第2壁部12への装着時に読取部102のアッパーケース102bを受けることが可能となるように、アッパーケース102bの形状に応じて形成されている。また、上壁41には、2つの爪部43がそれぞれ離間して案内部42に平行に垂下するように連結されており、両爪部43は、当該アタッチメント40の第2壁部12への装着時に係合穴12aに係合するように形成されている。なお、アタッチメント40は、特許請求の範囲に記載の「着脱部材」の一例に相当し得る。
【0031】
このように構成される置台10によって載置面上に第1読取装置100aを保持する際には、まず、アタッチメント40を第2壁部12に装着する。そして、把持部104を置台10の外部に延出させ、かつ読取口106を底部15と対向させるように読取部102を配置した状態で、第1壁部11の凹部11cにより中間部110を支持し、かつアタッチメント40と第1壁部11とにより読取部102のアッパーケース102bおよびロアケース102aを挟持する。これにより、図1に示すように、第1読取装置100aが置台10に保持されることとなる。
【0032】
また、置台10によって載置面上に第2読取装置100bを保持する際には、まず、アタッチメント40を第2壁部12から取り外す。そして、把持部104を置台10の外部に延出させ、かつ読取口106を底部15と対向させるように読取部103を配置した状態で、第1壁部11の凹部11cにより中間部110を支持し、かつ第2壁部12と第1壁部11とにより読取部103のアッパーケース103bおよびロアケース102aを挟持する。これにより、図2に示すように、第2読取装置100bが置台10に保持されることとなる。
【0033】
また、置台10を壁面Wに固定した壁掛け用として使用する場合には、まず、底部15を壁面Wに押し付けた状態で当該底部15の両貫通穴15eを挿通するようにねじ等の締結部材を組み付けることで、当該置台10を壁面Wに固定する。そして、第1読取装置100aが保持対象であればアタッチメント40を第2壁部12に装着し、置台10に対して載置面上と同様に第1読取装置100aを配置することで、図11に示すように、当該第1読取装置100aが壁掛け状態の置台10に保持されることとなる。また、第2読取装置100bが保持対象であればアタッチメント40を第2壁部12から取り外し、置台10に対して載置面上と同様に第2読取装置100bを配置することで、当該第2読取装置100bが壁掛け状態の置台10に保持されることとなる。
【0034】
また、置台10を載置面から離れた高位置にて金属製のフレキシブルチューブ等により構成されるアーム部52を介することで保持対象を保持するいわゆるフリースタンド50の一部として機能させる場合には、以下のように行う。まず、一側端部52aに基台51が連結されるアーム部52を用意し、第1壁部11の挿入穴34にアーム部52の他側端部52bを挿入してねじ等の締結部材を孔部32に挿し込み締結することで、置台10をアーム部52の他側端部52bに固定する。そして、第1読取装置100aが保持対象であればアタッチメント40を第2壁部12に装着し、置台10に対して載置面上と同様に第1読取装置100aを配置することで、図12に示すように、当該第1読取装置100aがフリースタンド50としての置台10に保持されることとなる。また、第2読取装置100bが保持対象であればアタッチメント40を第2壁部12から取り外し、置台10に対して載置面上と同様に第2読取装置100bを配置することで、当該第2読取装置100bがフリースタンド50としての置台10に保持されることとなる。
【0035】
以上説明したように、本第1実施形態に係る置台10は、読取部のロアケースの形状が一致しアッパーケースが異なる2つ光学的情報読取装置(第1読取装置100a,第2読取装置100b)が保持対象である。第2壁部12には、第1読取装置100aの読取部102が係合するときそのアッパーケース102bと当該第2壁部12との間に介在することで第1壁部11とにより当該読取部102を挟持するように、アタッチメント40が着脱可能に設けられる。また、アタッチメント40を取り外した第2壁部12は、第2読取装置100bの保持時にその読取部103のアッパーケース103bを受けることが可能に形成されている。
【0036】
これにより、上述のように読取対象が異なるためにアッパーケースの形状が異なる2つの光学的情報読取装置であっても、アタッチメント40を第2壁部12に装着して当該アッパーケースとの間に介在させるか取り外すことで、第1壁部11とにより第1読取装置100aの読取部102または第2読取装置100bの読取部103を挟持するように保持することができる。
したがって、2種類の形状の光学的情報読取装置を保持対象とすることができる。さらに、置台10の標準化が図られるため、製造コストを低減することができる。
【0037】
また、本第1実施形態に係る置台10では、底部15には、開口部20の貫通方向に沿い貫通する2つの貫通穴15eが形成されるため、底部15を壁面Wに押し付けた状態で上記両貫通穴15eを挿通するようにねじ等の締結部材を組み付けることで、2種類の形状の光学的情報読取装置を保持対象とする置台10を壁面Wに固定した状態で壁掛け用として使用することができる。
【0038】
さらに、本第1実施形態に係る置台10では、第1壁部11には、当該置台10を載置面から離れた位置で保持するアーム部52の端部に組み付けるための組み付け部30が形成されるため、この組み付け部30に上記アーム部52の端部を組み付けることで、当該置台10を、載置面から離れた高位置でアーム部52を介して両光学的情報読取装置のいずれかを保持するフリースタンド50の一部として機能させることができる。特に、読取部の把持部側は光学的情報読取装置の重心位置に近くなりやすいため、ロアケース102aを受ける第1壁部11にて、置台10をアーム部52により支持することにより、2種類の形状の光学的情報読取装置を保持対象とする置台10をフリースタンド50の一部として使用する場合の安定性を向上させることができる。
【0039】
さらにまた、本第1実施形態に係る置台10では、第1壁部11に形成される把持部104に係合するための凹部11cの頂部は、底部15が載置される面からの高さが、第2壁部12の高さよりも高く形成される。このため、保持対象が第1読取装置100aであれば、読取部102のロアケース102aとアッパーケース102bが第1壁部11とアタッチメント40とで挟持されるとき、把持部104が第2壁部12よりも高い頂部の凹部11cに係合するので、保持状態での当該第1読取装置100aの重心位置が読取部側になるだけでなく把持部104が凹部11cにより挟持されることとなる。これにより、当該第1読取装置100aをより安定的に保持することができる。保持対象が第2読取装置100bであっても同様である。
【0040】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、以下のように具体化してもよく、その場合でも、上記実施形態と同等の作用・効果が得られる。
(1)第2読取装置100bを保持対象とする場合でも、第2壁部12に読取部103のアッパーケース103bに応じて形成されるアタッチメントを装着して、第1壁部11とにより読取部103を挟持してもよい。
【0041】
(2)他の光学的情報読取装置を保持対象とする場合でも、第2壁部12に保持対象の読取部の反把持部側(アッパーケース)に応じて形成されるアタッチメントを装着して、第1壁部11とにより当該読取部を挟持してもよい。これにより、置台10は、読取部のうち反把持部側の形状が異なる複数種類の光学的情報読取装置を保持対象とすることができる。
【符号の説明】
【0042】
10…置台
11…第1壁部
11c…凹部
12…第2壁部
13…第3壁部
14…第4壁部
15…底部
15e…貫通穴
20…開口部
30…組み付け部
40…アタッチメント(着脱部材)
50…フリースタンド
52…アーム部
100a…第1読取装置(光学的情報読取装置)
100b…第2読取装置(光学的情報読取装置)
102…読取部
102a…ロアケース(読取部の把持部側)
102b…アッパーケース(読取部の反把持部側)
103…読取部
103b…アッパーケース(読取部の反把持部側)
104…把持部
106…読取口
【特許請求の範囲】
【請求項1】
端部に読取口が形成される読取部とこの読取部から延出した構成をなす把持部とを有する光学的情報読取装置であって、前記読取部の把持部側の形状が一致し反把持部側の形状が異なる複数種類の光学的情報読取装置を、当該読取部と係合することで保持する置台であって、
前記光学的情報読取装置を保持する際に前記読取口と対向するように配置され、かつその保持の際に前記読取口内を外部に露出させる開口部が設けられた底部と、
前記底部から立ち上がるように設けられ、前記光学的情報読取装置を保持する際に、前記読取部の把持部側および反把持部側をそれぞれ受ける第1壁部および第2壁部と、
を備え、
前記第2壁部には、前記読取部が係合するときこの読取部の反把持部側の形状に応じて形成されて、この反把持部側と当該第2壁部との間に介在することで前記第1壁部とにより当該読取部を挟持するように、着脱部材が着脱可能に設けられることを特徴とする光学的情報読取装置の置台。
【請求項2】
前記底部には、前記開口部の貫通方向に沿い貫通する貫通穴が形成されることを特徴とする請求項1に記載の光学的情報読取装置の置台。
【請求項3】
前記第1壁部には、当該置台を載置面から離れた位置で保持するアームの端部に組み付けるための組み付け部が形成されることを特徴とする請求項1または2に記載の光学的情報読取装置の置台。
【請求項4】
前記第1壁部には、前記読取部が係合するとき前記把持部が係合する凹部が形成されており、この凹部の頂部は、前記底部が載置される面からの高さが、前記第2壁部の高さよりも高く形成されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の光学的情報読取装置の置台。
【請求項1】
端部に読取口が形成される読取部とこの読取部から延出した構成をなす把持部とを有する光学的情報読取装置であって、前記読取部の把持部側の形状が一致し反把持部側の形状が異なる複数種類の光学的情報読取装置を、当該読取部と係合することで保持する置台であって、
前記光学的情報読取装置を保持する際に前記読取口と対向するように配置され、かつその保持の際に前記読取口内を外部に露出させる開口部が設けられた底部と、
前記底部から立ち上がるように設けられ、前記光学的情報読取装置を保持する際に、前記読取部の把持部側および反把持部側をそれぞれ受ける第1壁部および第2壁部と、
を備え、
前記第2壁部には、前記読取部が係合するときこの読取部の反把持部側の形状に応じて形成されて、この反把持部側と当該第2壁部との間に介在することで前記第1壁部とにより当該読取部を挟持するように、着脱部材が着脱可能に設けられることを特徴とする光学的情報読取装置の置台。
【請求項2】
前記底部には、前記開口部の貫通方向に沿い貫通する貫通穴が形成されることを特徴とする請求項1に記載の光学的情報読取装置の置台。
【請求項3】
前記第1壁部には、当該置台を載置面から離れた位置で保持するアームの端部に組み付けるための組み付け部が形成されることを特徴とする請求項1または2に記載の光学的情報読取装置の置台。
【請求項4】
前記第1壁部には、前記読取部が係合するとき前記把持部が係合する凹部が形成されており、この凹部の頂部は、前記底部が載置される面からの高さが、前記第2壁部の高さよりも高く形成されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の光学的情報読取装置の置台。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
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【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2011−118721(P2011−118721A)
【公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−276152(P2009−276152)
【出願日】平成21年12月4日(2009.12.4)
【出願人】(501428545)株式会社デンソーウェーブ (1,155)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年12月4日(2009.12.4)
【出願人】(501428545)株式会社デンソーウェーブ (1,155)
【Fターム(参考)】
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