光学的情報読取装置の製造方法

【課題】幅寸法を細くした照明光により情報コードを良好に読み取り得る光学的情報読取装置の製造方法を提供する。
【解決手段】外装ケース11に取り付けられた弾性部材14に向けて両照明光源21を押圧することで当該両照明光源21がそれぞれ支持される。そして、照明光源21から照明光Lfが照射されてその反射光Lrが受光センサ28にて受光され、この受光結果に基づいて受光範囲Sに対する照明光Lfの位置ずれが検出される。そして、上記位置ずれを抑制するように照明光源21に対する押圧力がそれぞれ調整される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学的情報読取装置の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、照明光が照射されることで情報コード(光学的情報)からの反射光を受光しこの受光に応じて当該情報コードを光学的に読み取る光学的情報読取装置の製造方法に関する技術として、下記特許文献1に示すバーコードリーダが知られている。このバーコードリーダでは、本体ケースに収容されるLEDから発せられ絞り板を通った光がミラーにより折曲げられ照明用レンズに入射されることで集光・拡散され、横方向に広がるとともに縦方向には細い帯状の照明光として読取口を介して出射されるようになっている。
【0003】
当該バーコードリーダでは、照明光学系および受光光学系の構成部品の組付け誤差などにより照明光軸と読取光軸との位置(角度)がずれる場合では、このずれに応じて、ミラーが固定される調整板の凹凸部と取付ベースの噛合部との噛合位置を変更する。これにより、取付ベースに対するミラーの取付位置、すなわち、LEDおよび照明用レンズに対するミラーの位置が調整されて、照明光軸と読取光軸とのずれが抑制されて、バーコード等の情報コードに対する良好な読取性能が確保される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−025875号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、光学的情報読取装置では、情報コードに対して帯状の照明光を照射するとき、この照明光の長手方向に直交する方向(幅方向)の幅寸法が太くなると情報コードに対する照射位置が曖昧になるため、上記幅寸法を細くする必要がある。しかしながら、2つの照明光源から光を照射してレンズと絞りで帯状の平行光を作り拡散レンズで拡散して重なり合わせることで帯状の照明光を構成する場合、照明光の幅寸法を細くするために絞り高さを狭くすると、製造段階でのばらつき等により両照明光の中心位置が相対的に幅方向にずれやすくなってしまう。
【0006】
このような幅方向のずれにより両照明光源からの光の重なり合う領域が狭くなると、照明光の幅寸法が太くなることから照射位置が曖昧になるだけでなく、受光手段の受光範囲に対する照明光の照度が低下することから、情報コードに対する良好な読取性能の確保が困難になるという問題がある。
【0007】
上記特許文献1に示すバーコードリーダのように、両照明光の中心位置のずれを抑制する調整を実施するために凹凸部と噛合部との噛合位置を変更する構成では、調整ピッチを細かく設定することが困難であるという問題がある。さらに、両照明光の中心位置のずれが生じている場合に、上記受光範囲との位置関係から、どちらの照明光源に対応する上記噛合位置をどの方向に変更するかを容易に判断することが困難であるという問題がある。
【0008】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、幅寸法を細くした照明光により光学的情報を良好に読み取り得る光学的情報読取装置の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、特許請求の範囲に記載の請求項1の光学的情報読取装置の製造方法では、光学的情報に対して照明光を照射する発光手段と、受光範囲内にある前記光学的情報からの反射光を受光する受光手段とを、外装ケース内に収容してなる光学的情報読取装置を製造する製造方法であって、前記外装ケースに取り付けられた弾性部材に向けて前記発光手段を押圧することで当該発光手段を支持する第1工程と、前記第1工程により支持された前記発光手段から照明光が照射されてその反射光を前記受光手段にて受光する第2工程と、前記第2工程にて得られる受光結果に基づいて前記受光範囲に対する前記照明光の位置ずれを検出する第3工程と、前記位置ずれを抑制するように前記発光手段に対する押圧力を調整する第4工程と、を備えることを特徴とする。
【0010】
請求項2の発明は、請求項1に記載の光学的情報読取装置の製造方法において、前記発光手段を複数備え、前記第4工程では、前記第3工程にて前記位置ずれが検出された照明光を照射する前記発光手段に対して当該位置ずれを抑制するように前記押圧力をそれぞれ調整することを特徴とする。
【0011】
請求項3の発明は、請求項1または2に記載の光学的情報読取装置の製造方法において、前記外装ケースに螺合されて前記発光手段を押圧することで前記押圧力を発生させるねじ部材を備え、前記第4工程では、前記ねじ部材の螺合状態を調整することで前記押圧力を調整することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
請求項1の発明では、第1工程により、外装ケースに取り付けられた弾性部材に向けて発光手段を押圧することで当該発光手段が支持される。そして、第2工程により、上記第1工程により支持された発光手段から照明光が照射されてその反射光が受光手段にて受光される。そして、第3工程により、上記第2工程にて得られる受光結果に基づいて受光範囲に対する照明光の位置ずれが検出される。そして、第4工程により、上記位置ずれを抑制するように発光手段に対する押圧力が調整される。
【0013】
このように、受光範囲に対する照明光の位置ずれが検出されるため、この位置ずれを抑制するように発光手段に対する押圧力を調整することで、この押圧力に応じて弾性部材が弾性変形して発光手段の位置を上記位置ずれが抑制される位置に移動させることができる。これにより、上述のように幅寸法を細くした照明光であっても容易に受光範囲に対する照明光の位置ずれが抑制されるので、この照明光により光学的情報を良好に読み取ることができる。
【0014】
請求項2の発明では、第4工程により、複数の発光手段のうち位置ずれが検出された照明光を照射する発光手段に対して、上記位置ずれを抑制するように発光手段に対する押圧力が調整される。これにより、複数の発光手段から光を重なり合わせることで照明光を構成する場合であっても、受光範囲に対する各照明光の中心位置のずれを容易に抑制することができる。
【0015】
請求項3の発明では、ねじ部材が外装ケースに螺合されて発光手段を押圧することで上記押圧力が発生するので、このねじ部材の螺合状態を調整することで容易に上記押圧力による調整ピッチを細かく設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本実施形態に係る光学的情報読取装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図2】投光光学系の構成を示す一部断面図である。
【図3】照明光源の位置ずれに起因する照明光および受光範囲の状態を示す説明図であり、図3(A)は位置ずれが生じていない状態を示し、図3(B)は位置ずれが生じている状態を示す。
【図4】受光範囲と照明光との位置関係を示す説明図であり、図4(A)は位置ずれが生じている状態を示し、図4(B)は照明光源の位置ずれが生じていない状態を示す。
【図5】照明光源の位置ずれに起因する受光波形を示す波形図であり、図5(A)は位置ずれが生じている状態を示し、図5(B)は位置ずれが生じていない状態を示す。
【図6】照明光源の位置調整作業に関する工程を概略的に示す説明図である。
【図7】本実施形態の変形例に係る光学的情報読取装置の要部を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の光学的情報読取装置を具現化した一実施形態について、図面を参照して説明する。図1は、本実施形態に係る光学的情報読取装置10の電気的構成を示すブロック図である。図2は、投光光学系の構成を示す一部断面図である。
【0018】
光学的情報読取装置10は、梱包箱等に付されたバーコードや二次元コード等の情報コード(光学的情報)を光学的に読み取る携帯型の読取装置として構成されている。この光学的情報読取装置10は、外装ケース11の内部に回路部20が収容されてなるものであり、回路部20は、図1に示すように、主に、照明光源21、受光センサ28、結像レンズ27等の光学系と、メモリ35、制御回路40、トリガースイッチ42等のマイクロコンピュータ(以下「マイコン」という)系と、から構成されている。
【0019】
光学系は、投光光学系と、受光光学系とに分かれている。投光光学系は、帯状の照明光Lfを読取口13を介して照射可能に機能するもので、図1および図2に示すように、所定距離だけ離れて光軸が交差するように配置される2つの照明光源21と、これら両照明光源21の光軸上にそれぞれ配置される拡散レンズ22、絞り23および集光レンズ24などによって構成されている。
【0020】
両照明光源21は、例えば赤色のLEDなどから構成されており、外装ケース11の内部に取り付けられたばね部材14に向けて外装ケース11の外面に螺合されるねじ部材15の先端部により押圧されることで位置決めされてそれぞれ配置されている(図2参照)。なお、照明光源21およびばね部材14は、特許請求の範囲に記載の「発光手段」および「弾性部材」の一例に相当し得る。
【0021】
照明光源21から照射された光は、拡散レンズ22により拡散されて絞り23により帯状の光として集光レンズ24に入射すると当該集光レンズ24により平行光に変換されて出射されることとなる。絞り23は、後述する照明光Lfの幅寸法を細くして照射位置を明確にするため、開口部の上記幅寸法に対応する寸法が長手方向の寸法に対して細くなるように形成されている。なお、図1では、便宜上、拡散レンズ22、絞り23および集光レンズ24については図示を省略し、バーコードBが表示された物品Rに向けて照明光Lfを照射する例を概念的に示している。
【0022】
受光光学系は、受光センサ28、結像レンズ27、反射鏡(図示略)などによって構成されている。受光センサ28は、バーコードB等に照射されて反射した反射光Lrを受光可能に構成されるもので、例えば、C−MOSやCCD等の固体撮像素子である受光素子を一次元に配列したラインセンサ等が、これに相当する。この受光センサ28は、結像レンズ27を介して入射する入射光を受光可能にプリント配線板(図示略)に実装されている。なお、受光センサ28は、特許請求の範囲に記載の「受光手段」の一例に相当し得るものである。
【0023】
結像レンズ27は、外部から読取口13を介して入射する入射光を集光して受光センサ28の受光面28aに像を結像可能な結像光学系として機能するものである。本実施形態では、2つの照明光源21から照射された照明光LfがバーコードBにて反射した後、この反射光Lrを結像レンズ27で集光し、受光センサ28の受光面28aにコード像を結像させている。
【0024】
また、上述したマイコン系は、増幅回路31、A/D変換回路33、メモリ35、アドレス発生回路36、同期信号発生回路38、制御回路40、トリガースイッチ42、発光部43、ブザー44、バイブレータ45、液晶表示器46、通信インタフェース48等から構成されている。
【0025】
光学系の受光センサ28から出力される画像信号(アナログ信号)は、増幅回路31に入力されることで所定の増幅率で増幅された後、A/D変換回路33に入力されると、アナログ信号からディジタル信号に変換される。そして、ディジタル化された画像信号、つまり画像データ(画像情報)は、生成されてメモリ35に入力されると、所定のコード画像情報格納領域に蓄積される。なお、同期信号発生回路38は、受光センサ28およびアドレス発生回路36に対する同期信号を発生可能に構成されており、またアドレス発生回路36は、この同期信号発生回路38から供給される同期信号に基づいて、メモリ35に格納される画像データの格納アドレスを発生可能に構成されている。
【0026】
メモリ35は、半導体メモリ装置で、例えばRAM(DRAM、SRAM等)やROM(EPROM、EEPROM等)がこれに相当する。このメモリ35のうちのRAMには、前述した画像データ蓄積領域のほかに、制御回路40が算術演算や論理演算等の各処理時に利用する作業領域や読取条件テーブルなども確保されるようになっている。またROMには、読取処理等を実行可能な所定のプログラムや、照明光源21、受光センサ28等の各ハードウェアを制御可能なシステムプログラムなどが予め格納されている。
【0027】
制御回路40は、光学的情報読取装置10全体を制御可能なマイコンで、CPU、システムバス、入出力インタフェース等からなるもので、メモリ35とともに情報処理装置を構成し得るもので情報処理機能を有する。この制御回路40は、内蔵された入出力インタフェースを介して種々の入出力装置と接続可能に構成されており、本実施形態の場合、トリガースイッチ42、発光部43、ブザー44、バイブレータ45、液晶表示器46、通信インタフェース48等が接続されている。
【0028】
これにより、制御回路40は、例えば、バーコードBの読取作業開始時に操作されるトリガースイッチ42の監視や管理、バーコードBの読み取りに関する情報を通知するインジケータとして機能する発光部43の点灯・消灯、ビープ音やアラーム音を発生可能なブザー44の鳴動のオンオフ、当該光学的情報読取装置10の作業者に伝達し得る振動を発生可能なバイブレータ45の駆動制御、液晶表示器46の表示制御や外部装置とのシリアル通信を可能にする通信インタフェース48の通信制御等を可能にしている。なお、通信インタフェース48に接続される外部装置には、当該光学的情報読取装置10の上位システムに相当するホストコンピュータ等が含まれる。
【0029】
次に、このように構成される光学的情報読取装置10の製造方法について以下に説明する。まず、照明光源21の位置ずれについて図3を用いて説明する。図3は、照明光源21の位置ずれに起因する照明光Lfおよび受光範囲Sの状態を示す説明図であり、図3(A)は位置ずれが生じていない場合を示し、図3(B)は位置ずれが生じている場合を示す。なお、図3では、便宜上、照明光源21と受光センサ28とを同一位置に図示している。
【0030】
図3(A)に例示するように、照明光源21が受光センサ28の受光範囲(結像範囲:図3の波線Sにて囲まれる範囲)に対して位置ずれしていない場合には、読取口13から照射された照明光Lfは、第1の距離(図3のP1参照)までは平行光として照射される。そして、照明光Lfは、このP1点を過ぎると光の照度分布の影響から第2の距離(図3のP2参照)までは除変範囲として拡散し、このP2点を過ぎると絞り23の位置の影響から照射面(図3のP3参照)まで徐々に拡散することとなる。このとき、受光センサ28の受光範囲Sは、図3(A)に示すように、読取口13からの離間距離にかかわらず照明光Lfの照射範囲(図3の実線Lfにて囲まれる範囲)に囲まれるので、読取時に照度不足になることもない。
【0031】
一方、図3(B)に例示するように、照明光源21が受光センサ28の受光範囲Sに対して照明光Lfの長手方向に直交する方向(図3での上下方向:以下、幅方向ともいう)に位置ずれしている場合には、照明光Lfの照射範囲と受光センサ28の受光範囲Sとがずれることとなり、特に、平行光が拡散するP1点でのずれが大きくなる。そこで、本実施形態では、このP1点における受光範囲Sに対する照明光源21の位置ずれをなくすように、照明光源21の幅方向の位置を調整する。なお、本実施形態では、上記第1の距離は、ベストフォーカス距離であって照明光源21から40mmの距離に設定されており、上記第2の距離は、照明光源21から150mmの距離に設定されている。
【0032】
以下、照明光源21の位置調整について、図4および図5を用いて詳細に説明する。図4は、受光範囲Sと照明光L1,L2との位置関係を示す説明図であり、図4(A)は位置ずれが生じている状態を示し、図4(B)は照明光源21の位置ずれが生じていない状態を示す。図5は、照明光源21の位置ずれに起因する受光波形を示す波形図であり、図5(A)は位置ずれが生じている状態を示し、図5(B)は位置ずれが生じていない状態を示す。なお、図5は、横軸が照明光Lfにおける長手方向の位置を示し、縦軸が照度に相当する値を示す。
【0033】
両照明光源21のうち一方が幅方向に所定量だけずれたことにより、図4(A)に例示するようにずれた照明光源21からの照明光L1が受光センサ28の受光範囲Sに照射されない場合には、図5(A)に例示するように受光センサ28からの受光波形は、一部が閾値Stを超えないこととなる。ここで、閾値Stは、読み取りに必要な照度に相当する値に設定されている。
【0034】
この場合には、図5(B)に例示するように受光センサ28からの受光波形が全て閾値Stを超えるように照明光源21を移動させることで、図4(B)に例示するように、両照明光源21からの照明光L1,L2が受光センサ28の受光範囲Sに照射されて、読み取りに必要な照度が確保されることとなる。なお、本実施形態では、一方の照明光源21から照射される照明光L1の一部と、他方の照明光源21から照射される照明光L2の一部とが重なることにより帯状の照明光Lfが構成される。このため、照明光Lfの照度は、図5(B)に例示するように、照明光L1の一部と照明光L2の一部とが重なる中央部Saでは比較的高くなり、照明光L1の残部で構成される左側部Sbや照明光L2の残部で構成される右側部Scでは比較的低くなる。
【0035】
次に、製品出荷時における具体的な照明光源21の位置調整作業について、図6を用いて詳細に説明する。図6は、照明光源21の位置調整作業に関する工程を概略的に示す説明図である。
まず、上述のように構成される光学的情報読取装置10を組み立てる。この組立工程により、両照明光源21は、外装ケース11の外面に螺合されるねじ部材15の押圧力によりばね部材14に向けて押圧された状態でそれぞれ所定の位置に支持される(図6のS101参照)。この支持工程は、特許請求の範囲に記載の「第1工程」の一例に相当し得る。
【0036】
次に、この光学的情報読取装置10に対して上記第1の距離に配置された無地の照射面(白い紙面または白い壁面など)に向けて、照明光Lfを照射し、この照射面からの反射光Lrを結像レンズ27等を介して受光センサ28にて受光する(S103参照)。この受光工程は、特許請求の範囲に記載の「第2工程」の一例に相当し得る。
【0037】
これにより、受光センサ28の受光結果である受光波形が取得され、この受光波形と閾値Stとの関係から受光範囲Sに対して照明光の位置ずれが生じているか否か判定される(S105参照)。ここで、図5(B)に例示するように、受光波形が全て閾値Stを超えている場合には(S105でYes)、受光範囲Sに対して照明光Lfの位置ずれが生じていないとして、本位置調整作業を終了する。
【0038】
一方、図5(A)に例示するように左側部Sbでの受光波形が閾値Stを超えていない場合には(S105でNo)、この左側部Sbに対応する照明光源21からの照明光L1が受光範囲Sに対して位置ずれしていると判断される。なお、右側部Scでの受光波形が閾値Stを超えていない場合には、照明光L2を照射する照明光源21が位置ずれしていると判断される。
【0039】
上述のように位置ずれしている照明光源21が分かると、作業者がこの照明光源21を支持するねじ部材15を所定の方向に回し当該ねじ部材15の螺合状態を変更することで、当該照明光源21に対する押圧力が変更される。この押圧力によりばね部材14が弾性変形することで、当該照明光源21の幅方向の位置が調整されることとなる(S107参照)。この調整後に再び受光して(S103参照)、この受光波形と閾値Stとの関係から当該照明光源21が位置ずれしているかを判定し、受光波形が全て閾値Stを超えるまで、S107以降の作業工程が繰り返し実施される。なお、この繰り返し作業工程時では、ねじ部材15を所定の回転方向に回したとき、閾値Stを超えていなかった部分の受光波形の値が増加すると、この回転方向が位置ずれを抑制するための方向であるとして、当該回転方向へねじ部材15が徐々に回される。そして、上記繰り返し作業により受光波形が全て閾値Stを超えると(S105でYes)、受光範囲Sに対して照明光の位置ずれが良好に抑制されたとして、本位置調整作業を終了する。
【0040】
以上説明したように、本実施形態に係る光学的情報読取装置10の製造方法では、外装ケース11に取り付けられたばね部材14に向けて両照明光源21を押圧することで当該両照明光源21がそれぞれ支持される。そして、照明光源21から照明光Lfが照射されてその反射光Lrが受光センサ28にて受光され、この受光結果に基づいて受光範囲Sに対する照明光Lfの位置ずれが検出される。そして、上記位置ずれを抑制するように照明光源21に対する押圧力がそれぞれ調整される。
【0041】
このように、受光範囲Sに対する照明光Lfの位置ずれが検出されるため、この位置ずれを抑制するように照明光源21に対する押圧力を調整することで、この押圧力に応じてばね部材14が弾性変形して照明光源21の位置を上記位置ずれが抑制される位置に移動させることができる。これにより、上述のように幅寸法を細くした照明光であっても容易に受光範囲Sに対する照明光Lfの位置ずれが抑制されるので、この照明光Lfにより情報コード(光学的情報)を良好に読み取ることができる。
【0042】
特に、2つの照明光源21から光を重なり合わせることで照明光Lfを構成する場合であっても、受光範囲Sに対する各照明光L1,L2の中心位置のずれを容易に抑制することができる。
【0043】
また、本実施形態に係る光学的情報読取装置10の製造方法では、ねじ部材15が外装ケース11に螺合されて照明光源21を押圧することで上記押圧力が発生するので、このねじ部材15の螺合状態を調整することで容易に上記押圧力による調整ピッチを細かく設定することができる。特に、調整後ではねじ部材15の螺合状態を保つだけで照明光源21の位置が固定されるので、照明光源21を固定するための別部材を用意することなく、上記調整状態を容易に維持することができる。
【0044】
図7は、本実施形態の変形例に係る光学的情報読取装置10の要部を示す断面図である。
図7に示すように、ねじ部材15に代えて、例えば、上記押圧力を制御可能なアクチュエータ16等の駆動装置を採用してもよい。このアクチュエータ16は、ばね部材14に向けて照明光源21を押圧可能に配置されている。これにより、図6に示す位置調整作業時での受光波形が閾値Stを超えるようにアクチュエータ16を駆動制御することで、受光範囲Sに対する照明光源21の位置ずれを自動的に抑制することができる。この場合、位置調整作業終了後に、照明光源21の位置を固定するための別部材を当該照明光源21に対して設けてもよい。
【0045】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、以下のように具体化してもよく、その場合でも、上記実施形態と同等の作用・効果が得られる。
(1)本発明は、2つの照明光源21からの光が重なり合うことで構成される照明光Lfの受光範囲Sに対する位置ずれを抑制することに限らず、1つの照明光源からの照明光の受光範囲Sに対する位置ずれを抑制してもよいし、3つ以上の照明光源からの光が重なり合うことで構成される照明光の受光範囲Sに対する位置ずれを抑制してもよい。
【0046】
(2)照明光源21を介した押圧力により弾性変形するばね部材14に代えて、例えば、コイルばねやゴムなどの弾性部材を採用してもよい。
【符号の説明】
【0047】
10…光学的情報読取装置
11…外装ケース
14…ばね部材(弾性部材)
15…ねじ部材
16…アクチュエータ
21…照明光源(発光手段)
22…拡散レンズ
23…絞り
24…集光レンズ
27…結像レンズ
28…受光センサ(受光手段)
Lf,L1,L2…照明光
Lr…反射光
S…受光範囲
St…閾値

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光学的情報に対して照明光を照射する発光手段と、
受光範囲内にある前記光学的情報からの反射光を受光する受光手段とを、外装ケース内に収容してなる光学的情報読取装置を製造する製造方法であって、
前記外装ケースに取り付けられた弾性部材に向けて前記発光手段を押圧することで当該発光手段を支持する第1工程と、
前記第1工程により支持された前記発光手段から照明光が照射されてその反射光を前記受光手段にて受光する第2工程と、
前記第2工程にて得られる受光結果に基づいて前記受光範囲に対する前記照明光の位置ずれを検出する第3工程と、
前記位置ずれを抑制するように前記発光手段に対する押圧力を調整する第4工程と、
を備えることを特徴とする光学的情報読取装置の製造方法。
【請求項2】
前記発光手段を複数備え、
前記第4工程では、前記第3工程にて前記位置ずれが検出された照明光を照射する前記発光手段に対して当該位置ずれを抑制するように前記押圧力をそれぞれ調整することを特徴とする請求項1に記載の光学的情報読取装置の製造方法。
【請求項3】
前記外装ケースに螺合されて前記発光手段を押圧することで前記押圧力を発生させるねじ部材を備え、
前記第4工程では、前記ねじ部材の螺合状態を調整することで前記押圧力を調整することを特徴とする請求項1または2に記載の光学的情報読取装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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