光学的情報読取装置用光走査モジュール
【課題】 光走査部をモジール化して一層の小型化および薄型化を進めるとともに、その製造も容易にして安価に提供できるようにする。
【解決手段】 読取対象に照射する光を放射する発光部11と、その発光部11が放射する光を偏向して射出する可動の走査ミラー12とを備えた基板部10と、発光部11から放射される光を走査ミラー12へ誘導する反射面21,22,41,42を形成した第1反射部20及び第2反射部40と、発光部11から放射されて反射面21,22,41,42によって走査ミラー12へ誘導される光を平行光にするコリメータレンズ31を備えたコリメータ部30とを、それぞれウエハ状に形成し、それを積層して互いに接合して光走査モジール1を構成する。
【解決手段】 読取対象に照射する光を放射する発光部11と、その発光部11が放射する光を偏向して射出する可動の走査ミラー12とを備えた基板部10と、発光部11から放射される光を走査ミラー12へ誘導する反射面21,22,41,42を形成した第1反射部20及び第2反射部40と、発光部11から放射されて反射面21,22,41,42によって走査ミラー12へ誘導される光を平行光にするコリメータレンズ31を備えたコリメータ部30とを、それぞれウエハ状に形成し、それを積層して互いに接合して光走査モジール1を構成する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、バーコードや二次元コードなどの光反射率が異なるパターンで構成される読取対象を光走査し、その反射光を受光して光電変換した信号から情報を読み取る光学的情報読取装置用の光走査モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
光学的情報読取装置として、例えばバーコードを読み取るレーザスキャナは、開発当初は、その光走査部を構成するレーザ発光部やレンズ、走査機構や電気回路などがそれぞれが高価であったため、レーザスキャナ自体も高価なものであった。近年はそれらの部品も安価になり、また、技術革新により小型化を実現できるようになった。
しかし、レーザスキャナの筐体中でも、光学部はレンズと発光部であるレーザ発生器との距離をある程度取らなくてはならないので、小型化および薄型化のネックになっている。そのため、最近では光学的情報読取装置における光走査部の小型化および薄型化を実現するために種々の技術が開発されている。
【0003】
例えば、特許文献1に記載されている光スキャナデバイスでは、ボールレンズという特殊なレンズを用いて、光スキャナデバイス(光走査装置)の薄型化を図りつつ光学部の精度を保つようにしている。
また、特許文献2に見られるように、発光部やレンズの配置を通常とは異なる形にすることによって、筐体全体の小型化を図っている例もある。
さらに、例えば特許文献3に記載されている光走査装置は、半導体薄膜技術を利用して部材レベルから小型化および薄型化しようと試みている。
【0004】
【特許文献1】特開2005−106871号公報
【特許文献2】特開2003−295093号公報
【特許文献3】特開2004−264684号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このように、光学的情報読取装置の筐体内に収納される光走査部を小型化および薄型化する技術が日々進んでいる。しかしながら、スペースを大幅にとるレンズ及びレーザ光源を備えた発光部とそのレーザ光を走査するための走査ミラーの存在が、光走査部を小さくすることへの障害になっている。
また、いくら小型化および薄型化できたとしても、その製造を効率よく低コストで行えなければ、工業製品としての流通は難しい。
【0006】
この発明は上述のような技術的な背景に基づいてなされたものであり、光学的情報読取装置用の光走査部をモジール化して一層の小型化および薄型化を進めるとともに、その製造も容易にして安価に提供できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明による光走査モジュールは、光反射率が異なるパターンで構成される読取対象に光走査し、その反射光を受光して光電変換した信号から情報を読み取る光学情報読取装置用光走査モジュールであって、上記の目的を達成するため、次のように構成する。
すなわち、読取対象に照射する光を放射する発光部と、該発光部が放射する光を偏向して射出する可動の走査ミラーとを備えた基板部と、上記発光部から放射される光を上記走査ミラーへ誘導する反射面を形成した反射部と、上記発光部から放射されて上記反射面によって上記走査ミラーへ誘導される光を平行光にするコリメータレンズを備えたコリメータ部とを、それぞれウエハ状に形成し、それを積層して互いに接合して構成する。
【0008】
そして、前記反射部を、上記基板部とコリメータ部との間に積層された第1反射部と、上記コリメータ部に積層された第2反射部とによって構成し、その第1反射部と第2反射部には、それぞれ互いに反対方向に傾斜して対向する一対の反射面を形成し、上記発光部から放射される光を上記第1反射部の一対の反射面の一方によって反射して上記コリメータレンズに導き、そのコリメータレンズによって平行光にされた光を、上記第2反射部の一対の反射面と上記第1反射部の一対の反射面の他方とによって上記走査ミラーに誘導するように構成するとよい。
【0009】
あるいは、上記読取対象に照射する光を放射する発光部と、その発光部が放射する光を偏向して射出する可動の走査ミラーとを備えた基板部と、その基板部に積層され、上記発光部が放射する光を反射する反射面を形成した反射部と、その反射部に積層され、上記発光部から放射されて上記反射面によって反射された光を平行光にして再び上記反射面に戻して上記走査ミラーに向かわせる凹反射面を形成したコリメータ部とを、それぞれウエハ状に形成し、積層した各部を互いに接合して構成してもよい。
上記各光走査モジュールにおける走査ミラーは、熱膨張率が異なる材料からなる層を積層したバイモルフ部によって上記基板部に揺動可能に片持ち支持されるようにするとよい。
【発明の効果】
【0010】
この発明による光学的情報読取装置用の光走査モジュールは、光走査部の全ての構成要素をウエハ状に形成して積層および接合したモジュールとして構成するので、大幅な小型化および薄型化を実現でき、且つそれを効率よく安価に製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、この発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて具体的に説明する。
〔第1の実施形態の構成〕
まず、この発明による光学的情報読取装置用光走査モジュールの第1の実施形態の構成を図1乃至図3によって説明する。
図1はその光走査モジュールの構成を示す断面図、図2は図1の右側を左手前側にして見た分解斜視図、図3はその各部(層)を積層して接合した完成状態の斜視図である。
【0012】
この光走査モジュール1は直方体に形成されており、基板部10、第1反射部20、コリメータ部30、第2反射部40、及び透明カバー部50の5層が積層されて構成されている。
基板部10は、その内面に読取対象に照射する光を放射する発光部であるレーザ放射部11と、そのレーザ放射部11が放射する光を偏向して射出する可動の走査ミラー12とを備えている。走査ミラー12は基板部10のほぼ中央部に設けられ、レーザ放射部11はその一方の側に偏って設けられている。
【0013】
第1反射部20は、基板部10上に積層され、レーザ放射部11と走査ミラー12を挟んで対向する内側面に一対の反射面21、22を形成している。反射面21,22は、いずれも基板部10の内面(上面)に対して45°の角度で反対方向に上り傾斜する平面状の反射面である。
コリメータ部30は、第1反射部20上に積層され、レーザ放射部11から放射されて第1反射部20の一方の反射面21によって反射されたレーザ光を平行光にする凸レンズであるコリメータレンズ31を備え、そのコリメータレンズ31と第1反射部20及び第2反射部40と透孔窓32が形成されている。
【0014】
第2反射部40は、コリメータ部30上に積層され、コリメータレンズ31によって平行光にされたレーザ光を第1反射部20の他方の反射面22と共同して走査ミラー12に誘導する一対の反射面41,42を形成している。その反射面41,42は、第2反射部40の内側面における第1反射部20の反射面21,22と対応する位置に対向して形成され、いずれも上面に対して45°の角度で反対方向に下り傾斜する平面状の反射面である。
【0015】
透明カバー部50は、第2反射部40上に積層される透明材料からなる平板状の層である。但し、この透明カバー部50は省略することもできる。
これらの各部はそれぞれウエハ状に形成され、積層技術によって互いに接合して図3に示すようにモジュール化されている。
透明カバー部50を設けた場合は、発光部11と走査ミラー12およびコリメータレンズ31が配置された空間が密封されるため、外部からほこりや異物あるいは湿気などが入り込んで、汚れたり劣化したりするのを防止することができる。
【0016】
レーザ光を放射するレーザ放射部11は、基板部10の内面に設けられたサブマウント111上に、レーザダイオード112とモニタフォトダイオード113とが配置されている。レーザダイオード112は、サブマウント111上の第1反射部20の反射面21に近い方の端部寄りに設置され、その光量を検出するためのモニタフォトダイオード113は走査ミラー12に近い方の端部寄りに設置されている。そのレーザダイオード112とモニタフォトダイオード113への配線114,115が、サブマウント111から基板部10に形成されたスルーホールを通して外部に導出される。また、走査ミラー12を駆動するための配線116も、から基板部10に形成されたスルーホールを通して外部に導出される。これらの配線を貫通配線と称する。
【0017】
この光走査モジュール1において、レーザ放射部11のレーザダイオード112から放射されるレーザ光は、図1中にその光路を一点鎖線で示すように、まず第1反射部20の一方の反射面21によって反射されて90°偏向してコリメータ部30のコリメータレンズ31に向けられ、そのコリメータレンズ31を通過して平行光になり、第2反射部40の反射面41と42によって順次反射されてそれぞれ90°偏向された後、第1反射部20の他方の反射面22によって反射されてさらに90°偏向されて走査ミラー12に導かれる。そして、その走査ミラー12によって反射されたレーザ光が透明カバー部50を透過して外部へ射出し、バーコード等の読取対象を照射する。
【0018】
走査ミラー12の詳細は後述するが、バイモルフ部103によって基板部10に揺動可能に片持ち支持されており、バイモルフ部103への印加電圧によって図1に仮想線で示すように、ほぼ45°傾斜した状態を中心に角度θの範囲で往復振動して傾斜角度が変化する。そして、反射面22から基板部10の内面に平行に走査ミラー12に導かれるレーザ光が、この走査ミラー12によって反射・偏向されて透明カバー部50を透過して射出し、角度2θの範囲でその射出角度が変化する。したがって、バーコード等の読取対象を、そこまでの距離とこの角度2θとに応じた範囲でレーザ光を照射して光走査することができる。
【0019】
その光走査による読取対象からの反射光を受光して光電変換するための集光レンズと受光素子などは図示していないが、この光走査モジュール1内に、例えばコリメータ部30あるいは透明カバー部50に読取対象からの反射光を集光する集光レンズも形成し、基板部10の内面にフォトダイオード等による受光素子アレイを配置して設けることができる。あるいは、この光走査モジュール1に隣接して集光レンズと受光素子などからなる受光部モジュールを一体に構成することもできる。
【0020】
また、この実施形態では、反射部をそれぞれ反対方向に傾斜して対向する一対の反射面を形成した第1反射部20と第2反射部40によって構成しているが、これに限るものではなく、発光部11から放射される光をコリメータレンズ31を通して走査ミラー12へ誘導できるように反射面を設けらけれるようにすればよい。発光部11と走査ミラー12およびコリメータレンズ31の配置関係に応じて、反射部の構成も変更することになる。
【0021】
次に、この光走査モジュールの製造方法について説明する。
〔反射面を有する反射部の形成方法〕
第1反射部20と第2反射部40の層は、例えばシリコン異方性ウエットエッチングによって形成される。
図4はシリコン基板の方位面を説明するための図であり、(a)〜(c)は、左側にそれぞれ(100)面、(110)面、および(111)面を斜線を施して示し、右側にはそれぞれ左側に示した方位面を表面にしたシリコン基板におけるシリコン原子の結合状態を示している。
【0022】
図5はシリコン異方性ウエットエッチングの工程を示している。
良く知られているように、シリコン基板25上にSiO2やSiNによるエッチングマスク26を施したシリコン部材を、水酸化3メチルアンモニウム(TMAH)などのエッチング液に浸すと、シリコン単結晶では各方位面よってエッチングの速度が異なる。
図2に示したように、その表面にあるシリコン原子が結晶中のシリコン原子とどのように結合しているかによって、エッチングの速度が異なるのである。
【0023】
最も一般的なシリコン基板は、図4の(a)に示すように(100)面を表面とするものであり、エッチングマスク26に(110)方向と平行な帯状の開口を開けて結晶異方性エッチングを行うと、図5の(a)に示すように2つの(111)面に囲まれたV字形の溝27ができる。このV字形の溝27を同図の(b)に示すように連続して形成し、同図の(c)に示すようにエッチングマスク26の外周に倣って結晶方向にアンダーカットしていくことによって、同図の(d)に示すように四角錐台形状の窪み28ができる。
【0024】
この技術によって、第1反射部20および第2反射部40のシリコン層の形状が形成される。図5の(d)に示した窪み28の互いに反対方向に傾斜して対向する傾斜面28a,28bは、シリコンの特性により鏡のように面を形成するが、より反射率を高めるためにアルミニウムや金などを蒸着してもよい。この傾斜面28a,28bが反射面21,22あるいは反射面41,42となる。
【0025】
〔コリメータ部のコリメーターレンズ形成方法〕
凸レンズであるコリメーターレンズ31を設けたコリメータ部30の層は、フォトレジストリフロー法やグレースケールマスク法によって形成する。図6にレジストリフロー法の工程を示す。
【0026】
図6の(a)に示すように、石英ガラス等で形成された基板35の表面に感光性樹脂であるネガ型のフォトレジスト36を塗布する。その基板35にフォトマスク37を用いてその影をフォトレジスト36に焼き付ける露光(パターニング)を行う。それによって、フォトレジスト36には感光した領域とそうでない領域ができ、ウエットエッチングによって図6の(b)に示すように感光した領域36aだけを残すことができる。その基板を加熱することによって、フォトレジストの領域36aを溶融・硬化させて同図、(c)に示すようにマイクロレンズアレイ形状36bにする。そして、さらにドライエッチングを施すことによって、そのレンズ形状を石英ガラス等による基板35に転写して、同図(d)に示すように凸レンズのマイクロレンズアレイ38を形成することができる。
【0027】
次に、図7によってグレースケールマスク法を説明する。
図7の(a)に示すように石英ガラス等で形成された基板301上にポジ型のフォトレジスト層302を塗布して、基本材料を作る。次に、同図(b)に示すように事前に用意しておいたグレースケールマスク303を介して露光する。このグレースケールマスクとは、例えば、全体として円形のマスクで、その中心から同心円状に周辺に向かって次第に疎になるように密度が変化するドットパターンを形成したものである。これは、ポジ型のフォトレジスト層302によってレンズを成形するために、そのレンズの曲面形状に対応させてドットパターンの密度を変化させている。これによって、露光量は中心から同心円状に周辺に向かって増加することになる。
【0028】
次に、露光されたフォトレジスト層302を現像すると、図7の(c)に示すように、露光量の多い部分ほどフォトレジスト層302が薄くなって、その表面が凸曲面に成形される。同時に、その表面には表面粗さが発生する場合がある。
そこで、その現像されたフォトレジスト層302の表面を融点以上の温度にして、融解させる。その融解した表面は、フォトレジストの粘性により滑らかになるように変形する。それによって、フォトレジスト層の表面を所望の立体的なレンズ形状に成形することができる。
【0029】
このフォトレジスト層302の表面側からドライエッチングを施すことによって、そのレンズ形状を石英ガラス等による基板301に転写して、図7の(d)に示すように凸レンズ304を形成することができる。
図7では、基板301を厚く図示しているが、所望の厚さでかまわない。
以上の何れかの方法を採用すれば、図1に示したコリメータレンズ31を有するコリメータ部30をウエハ状のレンズ層として作ることができる。また、透孔窓32は、エッチングやサンドブラストによって形成することができる。
【0030】
〔走査ミラーの作成方法〕
次に、シリコンウエハやSOIウエハの上に図1に示した走査ミラー12を作成する方法について、図8を用いて説明する。
図8の(a)に示すように、図1における基板部10の基板に相当するガラス層101上に、後述するミラー素材を位置決めさせるために、ポリシリコンの犠牲層102を堆積させる。
【0031】
次に、図8の(b)に示すように、犠牲層102の一端部を覆うように、ガラス層101上に熱膨張係数の異なる材料からなる層を積層したバイモルフ部103を堆積させる。この例では、熱膨張係数の異なる材料として酸化シリコン(SiO2)層103aとアルミニウム(Al)層103bを選択する。これらの材料の組み合わせは、内部応力により湾曲する性質を有することができればよく、酸化シリコンシとアルミニウムに限定されるものではない。
【0032】
そして、図8の(c)に示すように、バイモルフ部103上を含む犠牲層全体にミラー素材(ここでは銅)104を堆積させる。ミラー素材104を厚く堆積させるためにメッキ加工を施す。
ミラー素材104が固定されたところで、犠牲層102を取り除くためにエッチングを行う。それによって図6の(d)に示すようになる。このエッチング方法は特に問わないが、ここではXeF2(二フッ化キセノン)でドライエッチングする方法を用いている。
この状態では、バイモルフ部103が、ガラス層101にミラー素材104の一端部を固定する片持ち梁構造をなす。バイモルフ構造体は残留応力によって、変位することができる。
【0033】
すなわち、バイモルフ部103に通電するとその材料が通電抵抗によって発熱し、ヒータの役目をして温度が上昇する。このときアルミニウム層103bの熱膨張係数が酸化シリコン層103aのそれよりも大きいため、バイモルフ部103の自由端が上方向に変位し、図8の(e)に示すようにミラー素材104を斜めに持ち上げ、その角度が通電の大きさによって変化する。室温でほぼ45°に立ち上がるように設計することもできる。
ρ:バイモルフ部の温度がΔTだけ上昇したときの曲率
y:バイモルフの先端の変位
とすると y=2ρsin2(1/2ρ) の関係を満たす。
【0034】
このようにして出来上がった、基板部10、第1反射部20、コリメータ部30、第2反射部40の各層、およびガラスあるいはアクリル樹脂等による透明カバー部50をそれぞれ積層してウエハ接合し、ダイシングをいって、光走査モジュール1を構成する。
このウエハ接合には、シリコン基板同士あるいはガラス基板とシリコン基板を接合して積層構造を作るのによく用いられる陽極接合の技術を利用するとよい。
【0035】
その陽極接合について簡単に説明する。例えば、ガラス基板とシリコン基板をよく洗浄した後、重ね合わせて300〜500℃に加熱する。そして、シリコン基板を陽極として400〜500Vの電圧を印加すると、ガラス中の電荷が分離して、負電荷がシリコン側に引き付けられる。この時、電荷の移動に伴って電流が流れ、界面では静電力に起因する大きな吸引力が作用し、基板同士が接着されていく。界面の電圧降下が印加電圧に等しくなると、電荷の移動が終了して電流が流れなくなり、接着が完了する。
【0036】
〔第2の実施形態〕
次に、この発明による光学的情報読取装置用光走査モジュールの第2の実施形態について、図9乃至図11によって説明する。
図9はその光走査モジュールを透視状態で示す斜視図、図10はその長手方向に沿う断面図、図11はその発光部と反射部の反射面と走査ミラーとの配置関係およびレーザ光の光路を示す平面図である。これらの図において、図1及び図2と対応する部分には同一の符号を付しており、それらの説明は省略するか簡単にする。
【0037】
前述した第1の実施形態の光走査モジュール1は5層構造に構成されていたが、この第2の実施形態の光走査モジュール2は3層構造に構成している。したがって、第1の実施形態よりさらに小型化及び薄型化を図ることができる。
すなわち、この光走査モジュール2は、図9および図10に示すように、基板部60と反射部70とコリメータ部80の3層からなり、それらがウエハ状に形成されて積層され、互いに接合して構成されている。
【0038】
基板部60上には、読取対象に照射する光を放射する発光部11と、その発光部11が放射する光を偏向して射出する可動の走査ミラー12とが配設されている。しかし、前述した光走査モジュール1では、発光部11と走査ミラー12とが基板部10の幅方向の中心線に沿って整列して配置されていたが、この光走査モジュール2では、走査ミラー12は幅方向の中心線を基板部60の幅方向の中心線と一致させて配置されているが、発光部11は図11に明示するように、基板部60の幅方向の中心線からずれた位置にその中心線に対して傾けて配置されている。
【0039】
また、走査ミラー12を基板部60に対して揺動可能に片持ち支持するバイモルフ部103が、走査ミラー12の幅方向の両側で長手方向の中央部を支持しているが、これは、前述した光走査モジュール1の場合と同様に、走査ミラー12に下端部をバイモルフ部103によって支持するようにしてもよい。バイモルフ部103が、熱膨張率が異なる材料による2つの層を積層して構成されていることは、前述した第1の実施形態と同様である。
【0040】
反射部70における発光部11のレーザダイオード112と対向する側の内端面には、反射面71が基板部60の上面に対して45°程度の上り傾斜に形成されている。
また、透明材料からなるコリメータ部80における反射面71と対向する位置の内面に、球面の一部をなす形状の凹反射面81すなわち凹面鏡が形成されている。なお、発光部11の角度を変えることによって、レーザダイオード112から放射されて反射面71で反射され、凹反射面81に向かうレーザ光の光軸と、凹反射面81の光軸との角度を任意に変えられるよう構成されている。
また、反射部70に形成された空間、すなわち発光部11と走査ミラー12が収納されている空間は、基板部60と反射部70とコリメータ部80の各層によって密封されている。その効果は第1の実施形態の場合と同様である。
【0041】
この光走査モジュール2において、図10及び図11に光路を示すように、発光部11のレーザダイオード112から発射されたレーザ光が、反射部70の反射面71によって上方に反射されて、コリメータ部80の凹反射面81に導かれ、その凹反射面81で反射されて平行光になって再び反射面71に戻され、そこで水平方向に反射されて走査ミラー12に導かれる。そのレーザ光は走査ミラー12によって上方に反射さでれ、コリメー部80の透明な平板部を通して外部へ射出する。走査ミラー12が図10で矢示V方向に揺動すると、レーザ光の射出方向が変化し、所要範囲の読取対象を照射して光走査することができる。
【0042】
この第2の実施形態の光走査モジュール2の各部の製造方法も、前述した第1の実施形態の場合とほぼ同様である。そして、前述した実施形態の場合と同様に、ウエハ状に作成した各部を、半導体の集積化プロセス技術(陽極接合など)や、マイクロ・エレクトロ・メカニカル・システム(MEMS)技術を利用して積層及び接合し、超小形で薄型の光走査モジュールを完成することができる。
【0043】
しかし、コリメータ部80の凹反射面81の製造方法については、前述した第1の実施形態におけるコリメータ部30のコリメータレンズ31の図6又は図7によって説明した製造方法とは異なるので、図12によってその製造工程の一例を説明する。
まず、図12の(a)に示すように、ガラス基板801の一方の表面にポジ型のフォトレジスト802を均一な厚さに塗布し、その上面に平行に、凹反射面の形成部に対応する円形部分を中心部ほど光透過率が高くなるグレースケール803aにしたフォトマスク803を配置する。そして、そのフォトマスク803の上方から光を照射して露光した後、現像することによって、(b)に示すようにフォトレジスト802に球面状の凹部802aが形成される。
【0044】
次いで、フォトレジスト802側からドライエッチングを施していくと、まずフォトレジスト802が薄くなって行き、凹部802aではフォトレジスト802がなくなって、ガラス801が球面状にエッチングされ、(c)に示すようにガラス801の表面に球面状の凹部801aが形成され、他の部分のフォトレジスト802も除去される。
次いで、(e)に示すようにそのガラス801の凹部801aも含む表面全体に均一な膜厚でアルミニウム膜804を形成する。
【0045】
その後再び、そのアルミニウム膜804の凹面部804aを含む部表面全体にフォトレジストを塗布し、フォトマスクを用いて露光した後現像して、(f)に示すように凹面部804a内にのみフォトレジスト805を残す。そして、エッチングによりフォトレジスト805に覆われてる凹面部804a以外のアルミニウム膜804を除去すると、(h)に示すように、凹反射面81を設けたコリメータ部80が完成する。
【0046】
この実施形態の場合も、光走査モジュール2がレーザ光を照射した読取対象からの反射光を集光して受光し、光電変換するための集光レンズと受光素子なども、この光走査モジュール2を少し延ばしてそこに設けるか、あるいは、この光走査モジュール2に隣接して集光レンズと受光素子などからなる受光部モジュールを一体に構成することもできることは、第1の実施形態の場合と同様である。
【産業上の利用可能性】
【0047】
この発明による光走査モジュールは、バーコードリーダや二次元コードリーダ等各種の光学的情報読取装置に利用することができ、スキャナ筐体の小型化と薄型化を実現できる。また、光学系の光軸調整が容易で、バラツキが少なくなり、製造工程も簡単で効率化できるので、製造コストの大幅な削減が可能である。さらに、レンズ層とミラー層(反射層)を積層するので、光学設計のバリエーションを拡張できる。基板部に貫通配線を行うことができ、評価試験時間の削減やLSIなどの配線を簡略化することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】この発明による光学情報読取装置用光走査モジュールの第1の実施形態の構成を示す断面図ある。
【図2】図1の右側を左手前側にして見た分解斜視図である。
【図3】図2示した各部(層)を積層して接合した完成状態の斜視図である。
【図4】シリコン基板の方位面を説明するための説明図である。
【図5】図1に示した反射部20,40の作成に用いるシリコン異方性ウエットエッチングの工程を示す図である。
【図6】図1に示したコリメータ部30の作成に適用できるレジストリフロー法の工程を示す図である。
【0049】
【図7】図1に示したコリメータ部30の作成に適用できるグレースケールマスク法の工程を示す図である。
【図8】図1に示した走査ミラー12の作成工程を示す図である。
【図9】この発明による光学情報読取装置用光走査モジュールの第2の実施形態の構成を透視状態で示す斜視図である。
【図10】同じくその長手方向に沿う断面図である。
【図11】同じくその発光部と反射部の反射面と走査ミラーとの配置関係およびレーザ光の光路を示す平面図である。
【図12】図10に示したコリメータ部80の製造工程の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0050】
1:光学的情報読取装置用の光走査モジュール
10,60:基板部 11:レーザ放射部(発光部) 12:走査ミラー
20:第1反射部 21,22:反射面 30,80:コリメータ部
31:コリメータレンズ 32:透孔窓 40:第2反射部
41,42:反射面 50:透明カバー部 70:反射部 71:反射面
81:凹反射面(凹面鏡) 103:バイモルフ部
111:サブマウント 112:レーザダイオード
113:モニタフォトダイオード
【技術分野】
【0001】
この発明は、バーコードや二次元コードなどの光反射率が異なるパターンで構成される読取対象を光走査し、その反射光を受光して光電変換した信号から情報を読み取る光学的情報読取装置用の光走査モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
光学的情報読取装置として、例えばバーコードを読み取るレーザスキャナは、開発当初は、その光走査部を構成するレーザ発光部やレンズ、走査機構や電気回路などがそれぞれが高価であったため、レーザスキャナ自体も高価なものであった。近年はそれらの部品も安価になり、また、技術革新により小型化を実現できるようになった。
しかし、レーザスキャナの筐体中でも、光学部はレンズと発光部であるレーザ発生器との距離をある程度取らなくてはならないので、小型化および薄型化のネックになっている。そのため、最近では光学的情報読取装置における光走査部の小型化および薄型化を実現するために種々の技術が開発されている。
【0003】
例えば、特許文献1に記載されている光スキャナデバイスでは、ボールレンズという特殊なレンズを用いて、光スキャナデバイス(光走査装置)の薄型化を図りつつ光学部の精度を保つようにしている。
また、特許文献2に見られるように、発光部やレンズの配置を通常とは異なる形にすることによって、筐体全体の小型化を図っている例もある。
さらに、例えば特許文献3に記載されている光走査装置は、半導体薄膜技術を利用して部材レベルから小型化および薄型化しようと試みている。
【0004】
【特許文献1】特開2005−106871号公報
【特許文献2】特開2003−295093号公報
【特許文献3】特開2004−264684号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このように、光学的情報読取装置の筐体内に収納される光走査部を小型化および薄型化する技術が日々進んでいる。しかしながら、スペースを大幅にとるレンズ及びレーザ光源を備えた発光部とそのレーザ光を走査するための走査ミラーの存在が、光走査部を小さくすることへの障害になっている。
また、いくら小型化および薄型化できたとしても、その製造を効率よく低コストで行えなければ、工業製品としての流通は難しい。
【0006】
この発明は上述のような技術的な背景に基づいてなされたものであり、光学的情報読取装置用の光走査部をモジール化して一層の小型化および薄型化を進めるとともに、その製造も容易にして安価に提供できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明による光走査モジュールは、光反射率が異なるパターンで構成される読取対象に光走査し、その反射光を受光して光電変換した信号から情報を読み取る光学情報読取装置用光走査モジュールであって、上記の目的を達成するため、次のように構成する。
すなわち、読取対象に照射する光を放射する発光部と、該発光部が放射する光を偏向して射出する可動の走査ミラーとを備えた基板部と、上記発光部から放射される光を上記走査ミラーへ誘導する反射面を形成した反射部と、上記発光部から放射されて上記反射面によって上記走査ミラーへ誘導される光を平行光にするコリメータレンズを備えたコリメータ部とを、それぞれウエハ状に形成し、それを積層して互いに接合して構成する。
【0008】
そして、前記反射部を、上記基板部とコリメータ部との間に積層された第1反射部と、上記コリメータ部に積層された第2反射部とによって構成し、その第1反射部と第2反射部には、それぞれ互いに反対方向に傾斜して対向する一対の反射面を形成し、上記発光部から放射される光を上記第1反射部の一対の反射面の一方によって反射して上記コリメータレンズに導き、そのコリメータレンズによって平行光にされた光を、上記第2反射部の一対の反射面と上記第1反射部の一対の反射面の他方とによって上記走査ミラーに誘導するように構成するとよい。
【0009】
あるいは、上記読取対象に照射する光を放射する発光部と、その発光部が放射する光を偏向して射出する可動の走査ミラーとを備えた基板部と、その基板部に積層され、上記発光部が放射する光を反射する反射面を形成した反射部と、その反射部に積層され、上記発光部から放射されて上記反射面によって反射された光を平行光にして再び上記反射面に戻して上記走査ミラーに向かわせる凹反射面を形成したコリメータ部とを、それぞれウエハ状に形成し、積層した各部を互いに接合して構成してもよい。
上記各光走査モジュールにおける走査ミラーは、熱膨張率が異なる材料からなる層を積層したバイモルフ部によって上記基板部に揺動可能に片持ち支持されるようにするとよい。
【発明の効果】
【0010】
この発明による光学的情報読取装置用の光走査モジュールは、光走査部の全ての構成要素をウエハ状に形成して積層および接合したモジュールとして構成するので、大幅な小型化および薄型化を実現でき、且つそれを効率よく安価に製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、この発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて具体的に説明する。
〔第1の実施形態の構成〕
まず、この発明による光学的情報読取装置用光走査モジュールの第1の実施形態の構成を図1乃至図3によって説明する。
図1はその光走査モジュールの構成を示す断面図、図2は図1の右側を左手前側にして見た分解斜視図、図3はその各部(層)を積層して接合した完成状態の斜視図である。
【0012】
この光走査モジュール1は直方体に形成されており、基板部10、第1反射部20、コリメータ部30、第2反射部40、及び透明カバー部50の5層が積層されて構成されている。
基板部10は、その内面に読取対象に照射する光を放射する発光部であるレーザ放射部11と、そのレーザ放射部11が放射する光を偏向して射出する可動の走査ミラー12とを備えている。走査ミラー12は基板部10のほぼ中央部に設けられ、レーザ放射部11はその一方の側に偏って設けられている。
【0013】
第1反射部20は、基板部10上に積層され、レーザ放射部11と走査ミラー12を挟んで対向する内側面に一対の反射面21、22を形成している。反射面21,22は、いずれも基板部10の内面(上面)に対して45°の角度で反対方向に上り傾斜する平面状の反射面である。
コリメータ部30は、第1反射部20上に積層され、レーザ放射部11から放射されて第1反射部20の一方の反射面21によって反射されたレーザ光を平行光にする凸レンズであるコリメータレンズ31を備え、そのコリメータレンズ31と第1反射部20及び第2反射部40と透孔窓32が形成されている。
【0014】
第2反射部40は、コリメータ部30上に積層され、コリメータレンズ31によって平行光にされたレーザ光を第1反射部20の他方の反射面22と共同して走査ミラー12に誘導する一対の反射面41,42を形成している。その反射面41,42は、第2反射部40の内側面における第1反射部20の反射面21,22と対応する位置に対向して形成され、いずれも上面に対して45°の角度で反対方向に下り傾斜する平面状の反射面である。
【0015】
透明カバー部50は、第2反射部40上に積層される透明材料からなる平板状の層である。但し、この透明カバー部50は省略することもできる。
これらの各部はそれぞれウエハ状に形成され、積層技術によって互いに接合して図3に示すようにモジュール化されている。
透明カバー部50を設けた場合は、発光部11と走査ミラー12およびコリメータレンズ31が配置された空間が密封されるため、外部からほこりや異物あるいは湿気などが入り込んで、汚れたり劣化したりするのを防止することができる。
【0016】
レーザ光を放射するレーザ放射部11は、基板部10の内面に設けられたサブマウント111上に、レーザダイオード112とモニタフォトダイオード113とが配置されている。レーザダイオード112は、サブマウント111上の第1反射部20の反射面21に近い方の端部寄りに設置され、その光量を検出するためのモニタフォトダイオード113は走査ミラー12に近い方の端部寄りに設置されている。そのレーザダイオード112とモニタフォトダイオード113への配線114,115が、サブマウント111から基板部10に形成されたスルーホールを通して外部に導出される。また、走査ミラー12を駆動するための配線116も、から基板部10に形成されたスルーホールを通して外部に導出される。これらの配線を貫通配線と称する。
【0017】
この光走査モジュール1において、レーザ放射部11のレーザダイオード112から放射されるレーザ光は、図1中にその光路を一点鎖線で示すように、まず第1反射部20の一方の反射面21によって反射されて90°偏向してコリメータ部30のコリメータレンズ31に向けられ、そのコリメータレンズ31を通過して平行光になり、第2反射部40の反射面41と42によって順次反射されてそれぞれ90°偏向された後、第1反射部20の他方の反射面22によって反射されてさらに90°偏向されて走査ミラー12に導かれる。そして、その走査ミラー12によって反射されたレーザ光が透明カバー部50を透過して外部へ射出し、バーコード等の読取対象を照射する。
【0018】
走査ミラー12の詳細は後述するが、バイモルフ部103によって基板部10に揺動可能に片持ち支持されており、バイモルフ部103への印加電圧によって図1に仮想線で示すように、ほぼ45°傾斜した状態を中心に角度θの範囲で往復振動して傾斜角度が変化する。そして、反射面22から基板部10の内面に平行に走査ミラー12に導かれるレーザ光が、この走査ミラー12によって反射・偏向されて透明カバー部50を透過して射出し、角度2θの範囲でその射出角度が変化する。したがって、バーコード等の読取対象を、そこまでの距離とこの角度2θとに応じた範囲でレーザ光を照射して光走査することができる。
【0019】
その光走査による読取対象からの反射光を受光して光電変換するための集光レンズと受光素子などは図示していないが、この光走査モジュール1内に、例えばコリメータ部30あるいは透明カバー部50に読取対象からの反射光を集光する集光レンズも形成し、基板部10の内面にフォトダイオード等による受光素子アレイを配置して設けることができる。あるいは、この光走査モジュール1に隣接して集光レンズと受光素子などからなる受光部モジュールを一体に構成することもできる。
【0020】
また、この実施形態では、反射部をそれぞれ反対方向に傾斜して対向する一対の反射面を形成した第1反射部20と第2反射部40によって構成しているが、これに限るものではなく、発光部11から放射される光をコリメータレンズ31を通して走査ミラー12へ誘導できるように反射面を設けらけれるようにすればよい。発光部11と走査ミラー12およびコリメータレンズ31の配置関係に応じて、反射部の構成も変更することになる。
【0021】
次に、この光走査モジュールの製造方法について説明する。
〔反射面を有する反射部の形成方法〕
第1反射部20と第2反射部40の層は、例えばシリコン異方性ウエットエッチングによって形成される。
図4はシリコン基板の方位面を説明するための図であり、(a)〜(c)は、左側にそれぞれ(100)面、(110)面、および(111)面を斜線を施して示し、右側にはそれぞれ左側に示した方位面を表面にしたシリコン基板におけるシリコン原子の結合状態を示している。
【0022】
図5はシリコン異方性ウエットエッチングの工程を示している。
良く知られているように、シリコン基板25上にSiO2やSiNによるエッチングマスク26を施したシリコン部材を、水酸化3メチルアンモニウム(TMAH)などのエッチング液に浸すと、シリコン単結晶では各方位面よってエッチングの速度が異なる。
図2に示したように、その表面にあるシリコン原子が結晶中のシリコン原子とどのように結合しているかによって、エッチングの速度が異なるのである。
【0023】
最も一般的なシリコン基板は、図4の(a)に示すように(100)面を表面とするものであり、エッチングマスク26に(110)方向と平行な帯状の開口を開けて結晶異方性エッチングを行うと、図5の(a)に示すように2つの(111)面に囲まれたV字形の溝27ができる。このV字形の溝27を同図の(b)に示すように連続して形成し、同図の(c)に示すようにエッチングマスク26の外周に倣って結晶方向にアンダーカットしていくことによって、同図の(d)に示すように四角錐台形状の窪み28ができる。
【0024】
この技術によって、第1反射部20および第2反射部40のシリコン層の形状が形成される。図5の(d)に示した窪み28の互いに反対方向に傾斜して対向する傾斜面28a,28bは、シリコンの特性により鏡のように面を形成するが、より反射率を高めるためにアルミニウムや金などを蒸着してもよい。この傾斜面28a,28bが反射面21,22あるいは反射面41,42となる。
【0025】
〔コリメータ部のコリメーターレンズ形成方法〕
凸レンズであるコリメーターレンズ31を設けたコリメータ部30の層は、フォトレジストリフロー法やグレースケールマスク法によって形成する。図6にレジストリフロー法の工程を示す。
【0026】
図6の(a)に示すように、石英ガラス等で形成された基板35の表面に感光性樹脂であるネガ型のフォトレジスト36を塗布する。その基板35にフォトマスク37を用いてその影をフォトレジスト36に焼き付ける露光(パターニング)を行う。それによって、フォトレジスト36には感光した領域とそうでない領域ができ、ウエットエッチングによって図6の(b)に示すように感光した領域36aだけを残すことができる。その基板を加熱することによって、フォトレジストの領域36aを溶融・硬化させて同図、(c)に示すようにマイクロレンズアレイ形状36bにする。そして、さらにドライエッチングを施すことによって、そのレンズ形状を石英ガラス等による基板35に転写して、同図(d)に示すように凸レンズのマイクロレンズアレイ38を形成することができる。
【0027】
次に、図7によってグレースケールマスク法を説明する。
図7の(a)に示すように石英ガラス等で形成された基板301上にポジ型のフォトレジスト層302を塗布して、基本材料を作る。次に、同図(b)に示すように事前に用意しておいたグレースケールマスク303を介して露光する。このグレースケールマスクとは、例えば、全体として円形のマスクで、その中心から同心円状に周辺に向かって次第に疎になるように密度が変化するドットパターンを形成したものである。これは、ポジ型のフォトレジスト層302によってレンズを成形するために、そのレンズの曲面形状に対応させてドットパターンの密度を変化させている。これによって、露光量は中心から同心円状に周辺に向かって増加することになる。
【0028】
次に、露光されたフォトレジスト層302を現像すると、図7の(c)に示すように、露光量の多い部分ほどフォトレジスト層302が薄くなって、その表面が凸曲面に成形される。同時に、その表面には表面粗さが発生する場合がある。
そこで、その現像されたフォトレジスト層302の表面を融点以上の温度にして、融解させる。その融解した表面は、フォトレジストの粘性により滑らかになるように変形する。それによって、フォトレジスト層の表面を所望の立体的なレンズ形状に成形することができる。
【0029】
このフォトレジスト層302の表面側からドライエッチングを施すことによって、そのレンズ形状を石英ガラス等による基板301に転写して、図7の(d)に示すように凸レンズ304を形成することができる。
図7では、基板301を厚く図示しているが、所望の厚さでかまわない。
以上の何れかの方法を採用すれば、図1に示したコリメータレンズ31を有するコリメータ部30をウエハ状のレンズ層として作ることができる。また、透孔窓32は、エッチングやサンドブラストによって形成することができる。
【0030】
〔走査ミラーの作成方法〕
次に、シリコンウエハやSOIウエハの上に図1に示した走査ミラー12を作成する方法について、図8を用いて説明する。
図8の(a)に示すように、図1における基板部10の基板に相当するガラス層101上に、後述するミラー素材を位置決めさせるために、ポリシリコンの犠牲層102を堆積させる。
【0031】
次に、図8の(b)に示すように、犠牲層102の一端部を覆うように、ガラス層101上に熱膨張係数の異なる材料からなる層を積層したバイモルフ部103を堆積させる。この例では、熱膨張係数の異なる材料として酸化シリコン(SiO2)層103aとアルミニウム(Al)層103bを選択する。これらの材料の組み合わせは、内部応力により湾曲する性質を有することができればよく、酸化シリコンシとアルミニウムに限定されるものではない。
【0032】
そして、図8の(c)に示すように、バイモルフ部103上を含む犠牲層全体にミラー素材(ここでは銅)104を堆積させる。ミラー素材104を厚く堆積させるためにメッキ加工を施す。
ミラー素材104が固定されたところで、犠牲層102を取り除くためにエッチングを行う。それによって図6の(d)に示すようになる。このエッチング方法は特に問わないが、ここではXeF2(二フッ化キセノン)でドライエッチングする方法を用いている。
この状態では、バイモルフ部103が、ガラス層101にミラー素材104の一端部を固定する片持ち梁構造をなす。バイモルフ構造体は残留応力によって、変位することができる。
【0033】
すなわち、バイモルフ部103に通電するとその材料が通電抵抗によって発熱し、ヒータの役目をして温度が上昇する。このときアルミニウム層103bの熱膨張係数が酸化シリコン層103aのそれよりも大きいため、バイモルフ部103の自由端が上方向に変位し、図8の(e)に示すようにミラー素材104を斜めに持ち上げ、その角度が通電の大きさによって変化する。室温でほぼ45°に立ち上がるように設計することもできる。
ρ:バイモルフ部の温度がΔTだけ上昇したときの曲率
y:バイモルフの先端の変位
とすると y=2ρsin2(1/2ρ) の関係を満たす。
【0034】
このようにして出来上がった、基板部10、第1反射部20、コリメータ部30、第2反射部40の各層、およびガラスあるいはアクリル樹脂等による透明カバー部50をそれぞれ積層してウエハ接合し、ダイシングをいって、光走査モジュール1を構成する。
このウエハ接合には、シリコン基板同士あるいはガラス基板とシリコン基板を接合して積層構造を作るのによく用いられる陽極接合の技術を利用するとよい。
【0035】
その陽極接合について簡単に説明する。例えば、ガラス基板とシリコン基板をよく洗浄した後、重ね合わせて300〜500℃に加熱する。そして、シリコン基板を陽極として400〜500Vの電圧を印加すると、ガラス中の電荷が分離して、負電荷がシリコン側に引き付けられる。この時、電荷の移動に伴って電流が流れ、界面では静電力に起因する大きな吸引力が作用し、基板同士が接着されていく。界面の電圧降下が印加電圧に等しくなると、電荷の移動が終了して電流が流れなくなり、接着が完了する。
【0036】
〔第2の実施形態〕
次に、この発明による光学的情報読取装置用光走査モジュールの第2の実施形態について、図9乃至図11によって説明する。
図9はその光走査モジュールを透視状態で示す斜視図、図10はその長手方向に沿う断面図、図11はその発光部と反射部の反射面と走査ミラーとの配置関係およびレーザ光の光路を示す平面図である。これらの図において、図1及び図2と対応する部分には同一の符号を付しており、それらの説明は省略するか簡単にする。
【0037】
前述した第1の実施形態の光走査モジュール1は5層構造に構成されていたが、この第2の実施形態の光走査モジュール2は3層構造に構成している。したがって、第1の実施形態よりさらに小型化及び薄型化を図ることができる。
すなわち、この光走査モジュール2は、図9および図10に示すように、基板部60と反射部70とコリメータ部80の3層からなり、それらがウエハ状に形成されて積層され、互いに接合して構成されている。
【0038】
基板部60上には、読取対象に照射する光を放射する発光部11と、その発光部11が放射する光を偏向して射出する可動の走査ミラー12とが配設されている。しかし、前述した光走査モジュール1では、発光部11と走査ミラー12とが基板部10の幅方向の中心線に沿って整列して配置されていたが、この光走査モジュール2では、走査ミラー12は幅方向の中心線を基板部60の幅方向の中心線と一致させて配置されているが、発光部11は図11に明示するように、基板部60の幅方向の中心線からずれた位置にその中心線に対して傾けて配置されている。
【0039】
また、走査ミラー12を基板部60に対して揺動可能に片持ち支持するバイモルフ部103が、走査ミラー12の幅方向の両側で長手方向の中央部を支持しているが、これは、前述した光走査モジュール1の場合と同様に、走査ミラー12に下端部をバイモルフ部103によって支持するようにしてもよい。バイモルフ部103が、熱膨張率が異なる材料による2つの層を積層して構成されていることは、前述した第1の実施形態と同様である。
【0040】
反射部70における発光部11のレーザダイオード112と対向する側の内端面には、反射面71が基板部60の上面に対して45°程度の上り傾斜に形成されている。
また、透明材料からなるコリメータ部80における反射面71と対向する位置の内面に、球面の一部をなす形状の凹反射面81すなわち凹面鏡が形成されている。なお、発光部11の角度を変えることによって、レーザダイオード112から放射されて反射面71で反射され、凹反射面81に向かうレーザ光の光軸と、凹反射面81の光軸との角度を任意に変えられるよう構成されている。
また、反射部70に形成された空間、すなわち発光部11と走査ミラー12が収納されている空間は、基板部60と反射部70とコリメータ部80の各層によって密封されている。その効果は第1の実施形態の場合と同様である。
【0041】
この光走査モジュール2において、図10及び図11に光路を示すように、発光部11のレーザダイオード112から発射されたレーザ光が、反射部70の反射面71によって上方に反射されて、コリメータ部80の凹反射面81に導かれ、その凹反射面81で反射されて平行光になって再び反射面71に戻され、そこで水平方向に反射されて走査ミラー12に導かれる。そのレーザ光は走査ミラー12によって上方に反射さでれ、コリメー部80の透明な平板部を通して外部へ射出する。走査ミラー12が図10で矢示V方向に揺動すると、レーザ光の射出方向が変化し、所要範囲の読取対象を照射して光走査することができる。
【0042】
この第2の実施形態の光走査モジュール2の各部の製造方法も、前述した第1の実施形態の場合とほぼ同様である。そして、前述した実施形態の場合と同様に、ウエハ状に作成した各部を、半導体の集積化プロセス技術(陽極接合など)や、マイクロ・エレクトロ・メカニカル・システム(MEMS)技術を利用して積層及び接合し、超小形で薄型の光走査モジュールを完成することができる。
【0043】
しかし、コリメータ部80の凹反射面81の製造方法については、前述した第1の実施形態におけるコリメータ部30のコリメータレンズ31の図6又は図7によって説明した製造方法とは異なるので、図12によってその製造工程の一例を説明する。
まず、図12の(a)に示すように、ガラス基板801の一方の表面にポジ型のフォトレジスト802を均一な厚さに塗布し、その上面に平行に、凹反射面の形成部に対応する円形部分を中心部ほど光透過率が高くなるグレースケール803aにしたフォトマスク803を配置する。そして、そのフォトマスク803の上方から光を照射して露光した後、現像することによって、(b)に示すようにフォトレジスト802に球面状の凹部802aが形成される。
【0044】
次いで、フォトレジスト802側からドライエッチングを施していくと、まずフォトレジスト802が薄くなって行き、凹部802aではフォトレジスト802がなくなって、ガラス801が球面状にエッチングされ、(c)に示すようにガラス801の表面に球面状の凹部801aが形成され、他の部分のフォトレジスト802も除去される。
次いで、(e)に示すようにそのガラス801の凹部801aも含む表面全体に均一な膜厚でアルミニウム膜804を形成する。
【0045】
その後再び、そのアルミニウム膜804の凹面部804aを含む部表面全体にフォトレジストを塗布し、フォトマスクを用いて露光した後現像して、(f)に示すように凹面部804a内にのみフォトレジスト805を残す。そして、エッチングによりフォトレジスト805に覆われてる凹面部804a以外のアルミニウム膜804を除去すると、(h)に示すように、凹反射面81を設けたコリメータ部80が完成する。
【0046】
この実施形態の場合も、光走査モジュール2がレーザ光を照射した読取対象からの反射光を集光して受光し、光電変換するための集光レンズと受光素子なども、この光走査モジュール2を少し延ばしてそこに設けるか、あるいは、この光走査モジュール2に隣接して集光レンズと受光素子などからなる受光部モジュールを一体に構成することもできることは、第1の実施形態の場合と同様である。
【産業上の利用可能性】
【0047】
この発明による光走査モジュールは、バーコードリーダや二次元コードリーダ等各種の光学的情報読取装置に利用することができ、スキャナ筐体の小型化と薄型化を実現できる。また、光学系の光軸調整が容易で、バラツキが少なくなり、製造工程も簡単で効率化できるので、製造コストの大幅な削減が可能である。さらに、レンズ層とミラー層(反射層)を積層するので、光学設計のバリエーションを拡張できる。基板部に貫通配線を行うことができ、評価試験時間の削減やLSIなどの配線を簡略化することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】この発明による光学情報読取装置用光走査モジュールの第1の実施形態の構成を示す断面図ある。
【図2】図1の右側を左手前側にして見た分解斜視図である。
【図3】図2示した各部(層)を積層して接合した完成状態の斜視図である。
【図4】シリコン基板の方位面を説明するための説明図である。
【図5】図1に示した反射部20,40の作成に用いるシリコン異方性ウエットエッチングの工程を示す図である。
【図6】図1に示したコリメータ部30の作成に適用できるレジストリフロー法の工程を示す図である。
【0049】
【図7】図1に示したコリメータ部30の作成に適用できるグレースケールマスク法の工程を示す図である。
【図8】図1に示した走査ミラー12の作成工程を示す図である。
【図9】この発明による光学情報読取装置用光走査モジュールの第2の実施形態の構成を透視状態で示す斜視図である。
【図10】同じくその長手方向に沿う断面図である。
【図11】同じくその発光部と反射部の反射面と走査ミラーとの配置関係およびレーザ光の光路を示す平面図である。
【図12】図10に示したコリメータ部80の製造工程の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0050】
1:光学的情報読取装置用の光走査モジュール
10,60:基板部 11:レーザ放射部(発光部) 12:走査ミラー
20:第1反射部 21,22:反射面 30,80:コリメータ部
31:コリメータレンズ 32:透孔窓 40:第2反射部
41,42:反射面 50:透明カバー部 70:反射部 71:反射面
81:凹反射面(凹面鏡) 103:バイモルフ部
111:サブマウント 112:レーザダイオード
113:モニタフォトダイオード
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光反射率が異なるパターンで構成される読取対象を光走査し、その反射光を受光して光電変換した信号から情報を読み取る光学情報読取装置用光走査モジュールであって、
前記読取対象に照射する光を放射する発光部と、該発光部が放射する光を偏向して射出する可動の走査ミラーとを備えた基板部と、
前記発光部から放射される光を前記走査ミラーへ誘導する反射面を形成した反射部と、
前記発光部から放射されて前記反射面によって前記走査ミラーへ誘導される光を平行光にするコリメータレンズを備えたコリメータ部とを、
それぞれウエハ状に形成し、それを積層して互いに接合して構成したことを特徴とする光走査モジュール。
【請求項2】
請求項1記載の光学情報読取装置用光走査モジュールにおいて、
前記反射部が、前記基板部と前記コリメータ部との間に積層された第1反射部と、前記コリメータ部に積層された第2反射部とからなり、
前記第1反射部と第2反射部は、それぞれ互いに反対方向に傾斜して対向する一対の反射面を形成しており、
前記発光部から放射される光を前記第1反射部の一方の反射面によって反射して前記コリメータレンズに導き、該コリメータレンズによって平行光にされた光を、前記第2反射部の一対の反射面と前記第1反射部の他方の反射面とによって前記走査ミラーに誘導するように構成したことを特徴とする光走査モジュール。
【請求項3】
光反射率が異なるパターンで構成される読取対象を光走査し、その反射光を受光して光電変換した信号から情報を読み取る光学情報読取装置用光走査モジュールであって、
前記読取対象に照射する光を放射する発光部と、該発光部が放射する光を偏向して射出する可動の走査ミラーとを備えた基板部と、
該基板部に積層され、前記発光部が放射する光を反射する反射面を形成した反射部と、
該反射部に積層され、前記発光部から放射されて前記反射面によって反射された光を平行光にして再び前記反射面に戻して前記走査ミラーに向かわせる凹反射面を形成したコリメータ部とを、
それぞれウエハ状に形成し、積層した各部を互いに接合して構成したことを特徴とする光走査モジュール。
【請求項4】
前記走査ミラーは、熱膨張率が異なる材料からなる層を積層したバイモルフ部によって前記基板部に揺動可能に片持ち支持されていることを特徴とする光走査モジュール。
【請求項1】
光反射率が異なるパターンで構成される読取対象を光走査し、その反射光を受光して光電変換した信号から情報を読み取る光学情報読取装置用光走査モジュールであって、
前記読取対象に照射する光を放射する発光部と、該発光部が放射する光を偏向して射出する可動の走査ミラーとを備えた基板部と、
前記発光部から放射される光を前記走査ミラーへ誘導する反射面を形成した反射部と、
前記発光部から放射されて前記反射面によって前記走査ミラーへ誘導される光を平行光にするコリメータレンズを備えたコリメータ部とを、
それぞれウエハ状に形成し、それを積層して互いに接合して構成したことを特徴とする光走査モジュール。
【請求項2】
請求項1記載の光学情報読取装置用光走査モジュールにおいて、
前記反射部が、前記基板部と前記コリメータ部との間に積層された第1反射部と、前記コリメータ部に積層された第2反射部とからなり、
前記第1反射部と第2反射部は、それぞれ互いに反対方向に傾斜して対向する一対の反射面を形成しており、
前記発光部から放射される光を前記第1反射部の一方の反射面によって反射して前記コリメータレンズに導き、該コリメータレンズによって平行光にされた光を、前記第2反射部の一対の反射面と前記第1反射部の他方の反射面とによって前記走査ミラーに誘導するように構成したことを特徴とする光走査モジュール。
【請求項3】
光反射率が異なるパターンで構成される読取対象を光走査し、その反射光を受光して光電変換した信号から情報を読み取る光学情報読取装置用光走査モジュールであって、
前記読取対象に照射する光を放射する発光部と、該発光部が放射する光を偏向して射出する可動の走査ミラーとを備えた基板部と、
該基板部に積層され、前記発光部が放射する光を反射する反射面を形成した反射部と、
該反射部に積層され、前記発光部から放射されて前記反射面によって反射された光を平行光にして再び前記反射面に戻して前記走査ミラーに向かわせる凹反射面を形成したコリメータ部とを、
それぞれウエハ状に形成し、積層した各部を互いに接合して構成したことを特徴とする光走査モジュール。
【請求項4】
前記走査ミラーは、熱膨張率が異なる材料からなる層を積層したバイモルフ部によって前記基板部に揺動可能に片持ち支持されていることを特徴とする光走査モジュール。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2007−207126(P2007−207126A)
【公開日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−27767(P2006−27767)
【出願日】平成18年2月3日(2006.2.3)
【出願人】(391062872)株式会社オプトエレクトロニクス (70)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年2月3日(2006.2.3)
【出願人】(391062872)株式会社オプトエレクトロニクス (70)
【Fターム(参考)】
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