説明

光学的情報読取装置

【課題】装置本体の裏面に設けられる読取操作キーの押圧操作による装置本体のぶれを抑制し得る光学的情報読取装置を提供する。
【解決手段】装置本体11の裏面12aに設けられるトリガーキー21の押圧操作に応じて装置本体11に作用する押圧力の作用線L上であって、装置本体11の表面13aに当該表面13aからの高さが十字キー22およびファンクションキー23等の複数の情報入力キーよりも高くなるように形成された突出部30が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、装置本体から離間した読取対象に光を照射しその反射光に基づいて読取対象の情報を読み取る光学的情報読取装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、特定の機能を開始させるためのトリガーキーが装置本体の裏面に配置される電子装置として、下記特許文献1に示すトリガ作動の位置決め装置が知られている。この位置決め装置は、コンピュータのモニタのカーソルを移動させる機能を有するものであり、そのハウジングを把持しつつ人差し指でハウジングの裏面に設けられる制御素子(トリガーキー)に圧力を加えて操作することにより、カーソルをモニタ上にて移動可能な状態にしている。
【0003】
光学的情報読取装置において、上述したトリガーキーのように、バーコード等の読取対象に対して光を照射する際に操作される読取操作キーを装置本体の裏面に設けることにより、装置本体を把持しつつ読取操作キーを人差し指等で操作可能に構成することができる。
【特許文献1】特許3534776号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、光学的情報読取装置において、装置本体を把持した状態でこの装置本体の裏面に設けられる読取操作キーを人差し指等で押圧操作するとき、この操作により装置本体に押圧力が作用する。この押圧力による装置本体のぶれを抑制するためには、押圧力の作用線上の装置本体の表面を親指等で支えて当該押圧力を確実に受ける必要がある。
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に示すように、上記作用線上の表面に情報入力キー等が配置されていると、押圧操作による押圧力を適切に受けるための部位を支えることができず、読取操作キーの押圧操作時に装置本体がぶれてしまい読取対象を正確に読み取ることができないという問題が生じる。また、情報入力キー等が上記作用線上の表面に配置されていなくてもその周辺に配置されている場合、読取操作キーの押圧操作時に上記作用線上の表面の部位を支える際に周辺の情報入力キー等に触れて誤入力してしまうという問題が生じる。
【0006】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、装置本体の裏面に設けられる読取操作キーの押圧操作による装置本体のぶれを抑制し得る光学的情報読取装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、特許請求の範囲に記載の請求項1の光学的情報読取装置では、装置本体(11)から離間した読取対象に光を照射しその反射光に基づいて前記読取対象の情報を読み取る光学的情報読取装置(10)であって、前記装置本体の表面(13a)に設けられて前記読取対象の情報や当該光学的情報読取装置の操作に関する情報を入力する際に操作される複数の情報入力キー(22,23)と、前記装置本体の裏面(12a)に設けられて前記読取対象に光を照射する際に押圧操作される読取操作キー(21)と、前記読取操作キーの押圧操作に応じて当該装置本体に作用する押圧力の作用線(L)上であって前記装置本体の表面に当該表面からの高さが前記複数の情報入力キーよりも高くなるように形成された突出部(30)と、を備えることを技術的特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
請求項1の発明では、装置本体の裏面に設けられる読取操作キーの押圧操作に応じて装置本体に作用する押圧力の作用線上であって、装置本体の表面に当該表面からの高さが複数の情報入力キーよりも高くなるように形成された突出部が設けられている。
【0009】
このため、装置本体を把持した操作者が、装置本体の裏面の読取操作キーを人差し指等で押圧操作する際に装置本体の表面の突出部を親指等で支えることにより、押圧操作により装置本体に作用する押圧力を、突出部を支える親指等で確実に受けることができる。特に、突出部は、同じ表面上に設けられる複数の情報入力キーよりも高く形成されているので、突出部を支える親指等が情報入力キーに触れることによる誤入力を確実に防止することができる。
したがって、装置本体の裏面に設けられる読取操作キーの押圧操作による装置本体のぶれを抑制することができる。
【0010】
請求項2の発明では、突出部の頂面には凸部または凹部が設けられている。これにより、突出部を目視することなく突出部の頂面の凸部または凹部に触れるだけで突出部の位置を認識することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の一実施形態について図1〜図3を参照して説明する。図1は、本実施形態に係る光学的情報読取装置10の構成概要を示す図であり、図1(A)は、正面図、図1(B)は側面図、図1(C)は背面図である。図2は、図1(B)の突出部30を拡大して示す拡大図である。図3は、トリガーキー21を押圧操作する際の各指の配置の一例を示す説明図である。
【0012】
図1(A)〜(C)に示す光学的情報読取装置10は、例えば、バーコードや二次元コードを読み取るコードリーダとして用いられるもので、裏側ケース12および表側ケース13からなる外装ケース(以下、装置本体ともいう)11内にコードリーダを構成するための各種電気部品(光源、レンズ、受光センサ、記憶手段、制御回路等)が収容されている。この外装ケース11内の電気的構成は、公知のコードリーダ(バーコードリーダ、二次元コードリーダ等)と同様の構成とすることができる。
【0013】
また、外装ケース11は、操作者に把持される把持部14と、液晶表示器15aが取り付けられる液晶部15と、読取口16aが設けられる読取部16とを備えている。液晶部15は、把持部14を把持する操作者が液晶表示器15aを見やすくするために、把持部14に対して操作者側に向けて角度αで傾斜するように形成されている(図1(B)参照)。なお、本実施形態においては、角度αは、例えば、10°〜20°に設定されている。また、読取部16は、液晶部15に対して反操作者側に向けて傾斜するように形成されている。
【0014】
裏側ケース12の反操作者側面(以下、裏面12aともいう)には、図略のバーコードや二次元コード等の読取対象に対して光を照射する際に押圧操作される読取操作キーであるトリガーキー21が設けられている。このトリガーキー21を押圧操作することにより、読取口16aから光が読取対象に向けて照射される。
【0015】
このように、トリガーキー21を裏面12aに設けることにより、読取操作キーとして機能するサイドトリガーキー用の開口部を外装ケース11の側面、すなわち、裏側ケース12と表側ケース13との嵌合部分に形成するための中子が不要となる。このため、サイドトリガーキーを設ける場合と比較して、裏側ケース12および表側ケース13を成形する金型の構造が簡単になり、製造コストの低減を図ることができる。
【0016】
このトリガーキー21の把持部側部位21aは、装置本体11を把持部14の裏面12aを下方にして作業台等に置いたときにこの作業台等に接触しない程度に裏面12aから外方に突出するように形成されている(図1(B)参照)。これにより、装置本体11を作業台等に置いたときのトリガーキー21の誤操作を防止することができる。また、操作者は、トリガーキー21をその把持部側部位21aに人差し指等を掛けた状態で押圧操作することができるので、トリガーキー21の操作性を向上させることができる。
【0017】
トリガーキー21の押圧操作に応じて装置本体11に作用する押圧力の作用線上であって表側ケース13の操作者側面(以下、表面13aともいう)には、円柱状の突出部30が上方に突出するように形成されている。この突出部30の頂面31の中央には、図2に示すように、当該頂面31から上方に突出するように凸部32が形成されている。
【0018】
また、表面13a上であって、突出部30の周辺や把持部14には、読取対象の情報や当該光学的情報読取装置10の操作に関する情報を入力可能な十字キー22およびファンクションキー23や数字情報を入力可能なテンキー24等、情報を入力する際に操作される複数の情報入力キーが設けられている。
【0019】
ここで、突出部30を設けた理由について、図3を参照して説明する。
図3に示すように、突出部30は、トリガーキー21の押圧操作に応じて装置本体11に作用する押圧力の作用線L上であって、表面13a上に配置されている。これは、把持部14を把持した操作者がトリガーキー21を人差し指F等で押圧操作する際に突出部30を親指F等で支えることにより、押圧操作により装置本体11に作用する押圧力を、突出部30を押さえる親指F等で確実に受けるためである。これにより、トリガーキー21の押圧操作による装置本体11のぶれを抑制することができる。
【0020】
特に、突出部30の頂面31の中央には、凸部32が形成されているので、突出部30を目視することなく突出部30の頂面31の凸部32に触れるだけで突出部30の位置を認識することができる。
【0021】
以上説明したように、本実施形態に係る光学的情報読取装置10では、装置本体11の裏面12aに設けられるトリガーキー21の押圧操作に応じて装置本体11に作用する押圧力の作用線L上であって、装置本体11の表面13aに当該表面13aからの高さが十字キー22およびファンクションキー23等の複数の情報入力キーよりも高くなるように形成された突出部30が設けられている。
【0022】
このため、装置本体11の把持部14を把持した操作者が、装置本体11の裏面12aのトリガーキー21を人差し指F等で押圧操作する際に装置本体11の表面13aの突出部30を親指F等で支えることにより、押圧操作により装置本体11に作用する押圧力を、突出部30を支える親指F等で確実に受けることができる。特に、突出部30は、同じ表面13a上に設けられる十字キー22およびファンクションキー23等よりも高く形成されているので、突出部30を支える親指F等がこれら各キー22,23に触れることによる誤入力を確実に防止することができる。
したがって、装置本体11の裏面12aに設けられるトリガーキー21の押圧操作による装置本体11のぶれを抑制することができる。
【0023】
また、本実施形態に係る光学的情報読取装置10では、突出部30の頂面31の中央には、当該頂面31から上方に突出するように凸部32が設けられている。これにより、突出部30を目視することなく突出部30の頂面31の凸部32に触れるだけで突出部30の位置を認識することができる。
【0024】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、以下のように具体化してもよく、その場合でも、上記実施形態と同等の作用・効果が得られる。
(1)突出部30の頂面31の中央には、凸部32に代えて凹部が形成されてもよい。このようにしても、突出部30を目視することなく突出部30の頂面31の凹部に触れるだけで突出部30の位置を認識することができる。また、凸部32または凹部は、頂面31の中央に形成されることに限らず、例えば、頂面31の周縁部に形成されてもよい。
【0025】
(2)トリガーキー21は、裏面12aから外方に突出するように形成されることに限らず、通常、当該トリガーキー21の外側面が周辺の裏面12aと同一平面上に位置し、押圧操作に応じてその外側面が内方に押し込まれるように形成されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本実施形態に係る光学的情報読取装置の構成概要を示す図であり、図1(A)は、正面図、図1(B)は側面図、図1(C)は背面図である。
【図2】図1(B)の突出部を拡大して示す拡大図である。
【図3】トリガーキーを押圧操作する際の各指の配置の一例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0027】
10…光学的情報読取装置
11…外装ケース(装置本体)
12a…裏面
13a…表面
21…トリガーキー(読取操作キー)
22…十字キー(情報入力キー)
23…ファンクションキー(情報入力キー)
30…突出部
32…凸部
L…押圧力の作用線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置本体から離間した読取対象に光を照射しその反射光に基づいて前記読取対象の情報を読み取る光学的情報読取装置であって、
前記装置本体の表面に設けられて前記読取対象の情報や当該光学的情報読取装置の操作に関する情報を入力する際に操作される複数の情報入力キーと、
前記装置本体の裏面に設けられて前記読取対象に光を照射する際に押圧操作される読取操作キーと、
前記読取操作キーの押圧操作に応じて当該装置本体に作用する押圧力の作用線上であって前記装置本体の表面に当該表面からの高さが前記複数の情報入力キーよりも高くなるように形成された突出部と、
を備えることを特徴とする光学的情報読取装置。
【請求項2】
前記突出部の頂面には凸部または凹部が設けられることを特徴とする請求項1に記載の光学的情報読取装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2009−282761(P2009−282761A)
【公開日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−134279(P2008−134279)
【出願日】平成20年5月22日(2008.5.22)
【出願人】(501428545)株式会社デンソーウェーブ (1,155)
【Fターム(参考)】