説明

光学的情報読取装置

【課題】ハウジング内での読取モジュールの着脱作業を容易にし得る光学的情報読取装置を提供する。
【解決手段】ハウジング11内に設けられて当該ハウジング11に収容される読取モジュール20を押圧して支持する支持状態とこの押圧が解除される解除状態とを切り替え可能な支持機構50が設けられている。この支持機構50の各支持部材60は、支持状態では、第1固定部62および第2固定部63を近接させる方向にスライド部材51が移動することで押圧部61が押圧方向に移動して読取モジュール20を押圧し、解除状態では、第1固定部62および第2固定部63を離間させる方向にスライド部材51が移動することで押圧部61が反押圧方向に移動して読取モジュール20に対する押圧を解除する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハウジングに対して着脱可能な読取モジュールを備える光学的情報読取装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ハウジングに対して着脱可能な読取モジュールを備える光学的情報読取装置に関する技術として、下記特許文献1に示すスキャナが知られている。このスキャナは、交換可能な走査モジュールを複数備えており、各走査モジュールのいずれか一つがハウジングの上部に着脱可能に構成されている。
【0003】
また、下記特許文献2に示すバーコード読取り装置は、右手の人差し指に取り付けるためのセンサユニットと、右手の手首に取り付けるためのデコーダユニットとが予め分離した状態で構成されている。読取モジュールとして機能するセンサユニットは、その開口部をバーコードに対向させた状態で当該開口部内に変位可能に嵌装されている可動体をバーコードに押し付けるとこの可動体がトリガースイッチを押動するように構成されている。
【0004】
また、下記特許文献3に示す情報コード読取装置は、読取モジュールとして機能する一次元用光学ユニットを備えており、この一次元用光学ユニットは、そのケースが、ストレート用読取口カバーが取外された状態の筐体主部(ハウジング)のユニット収容部に対して嵌込まれた上で、取付筒部を取付ボス部の下面に突合わせた状態で、下方からねじ止めされることにより、装置本体に組付けられるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平05−143762号公報
【特許文献2】特開2002−109462号公報
【特許文献3】特開平05−197828号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、読取モジュールを上記特許文献1と同様に本体のハウジングの外部に対して着脱可能に構成する場合には、読取モジュールを装置の落下等の衝撃から保護するため読取モジュールの筐体を堅牢に形成する必要がある。また、上記特許文献2と同様に読取モジュールを本体のハウジングと常に離間させて構成する場合も読取モジュールの筐体を堅牢に形成する必要がある。
【0007】
また、上記特許文献3の構成では、読取モジュールが本体のハウジング内に収容されるため読取モジュールの筐体を堅牢に形成する必要が少ないものの、読取モジュールをハウジング内にて着脱する毎に締結等の着脱作業が必要になり、着脱作業が煩雑になってしまうという問題がある。
【0008】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、ハウジング内での読取モジュールの着脱作業を容易にし得る光学的情報読取装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、特許請求の範囲に記載の請求項1の発明では、情報コードを光学的に読み取り可能な読取モジュールと、開口部が形成されてこの開口部を介して前記読取モジュールを収容可能なハウジングと、前記ハウジングに設けられて前記読取モジュールを制御可能な制御部と、前記ハウジング内に設けられて当該ハウジングに収容される前記読取モジュールを押圧して支持する支持状態とこの押圧が解除される解除状態とを切り替え可能な支持機構と、を備える光学的情報読取装置であって、前記支持機構は、前記ハウジングに対して往復動可能に支持されるスライド部材とこのスライド部材の往復動に応じて押圧部が前記読取モジュールを押圧する押圧方向または反押圧方向に移動する複数の支持部材とを備え、前記支持部材は、前記スライド部材に固定されて当該スライド部材とともに往復動する第1固定部と、前記ハウジングに固定される第2固定部と、前記第1固定部に一側端にて傾動自在に連結される第1連結部と、前記第2固定部に一側端にて傾動自在に連結される第2連結部と、を有し、前記第1連結部の他側端および前記第2連結部の他側端の双方が前記押圧部に傾動自在に連結され、前記支持状態では、前記第1固定部および前記第2固定部を近接させる方向に前記スライド部が移動することで前記押圧部が前記押圧方向に移動して前記読取モジュールを押圧し、前記解除状態では、前記第1固定部および前記第2固定部を離間させる方向に前記スライド部が移動することで前記押圧部が前記反押圧方向に移動して前記読取モジュールに対する押圧を解除することを特徴とする。
【0010】
請求項2の発明は、請求項1に記載の光学的情報読取装置において、前記支持機構は、前記スライド部を、前記支持状態に対応する位置と前記解除状態に対応する位置とのいずれかに移動させる切替手段を備えることを特徴とする。
【0011】
請求項3の発明は、請求項1または2に記載の光学的情報読取装置において、前記押圧部は、弾性変形可能な弾性体からなることを特徴とする。
【0012】
請求項4の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の光学的情報読取装置において、前記支持機構は、前記読取モジュールを前記開口部側へ付勢する付勢手段を備えることを特徴とする。
【0013】
請求項5の発明は、請求項1〜4のいずれか一項に記載の光学的情報読取装置において、前記読取モジュールおよび前記制御部を電気的に接続するケーブルと、前記ハウジング内に設けられて前記ケーブルが内部に引き込み可能に付勢されかつ当該内部から引き出し可能な引込機構と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
請求項1の発明では、ハウジング内に設けられて当該ハウジングに収容される読取モジュールを押圧して支持する支持状態とこの押圧が解除される解除状態とを切り替え可能な支持機構が設けられている。この支持機構は、ハウジングに対して往復動可能に支持されるスライド部材とこのスライド部材の往復動に応じて押圧部が読取モジュールを押圧する押圧方向または反押圧方向に移動する複数の支持部材とを備えている。そして、支持部材は、スライド部材とともに往復動する第1固定部と、ハウジングに固定される第2固定部と、第1固定部に一側端にて傾動自在に連結される第1連結部と、第2固定部に一側端にて傾動自在に連結される第2連結部と、を有し、第1連結部の他側端および第2連結部の他側端の双方が押圧部に傾動自在に連結されている。そして、支持部材は、支持状態では、第1固定部および第2固定部を近接させる方向にスライド部が移動することで押圧部が押圧方向に移動して読取モジュールを押圧し、解除状態では、第1固定部および第2固定部を離間させる方向にスライド部が移動することで押圧部が反押圧方向に移動して読取モジュールに対する押圧を解除する。
【0015】
このようにスライド部材の移動に応じて、支持状態では押圧部が押圧方向に移動して読取モジュールが押圧され、解除状態では押圧部が反押圧方向に移動して読取モジュールに対する押圧が解除されるため、ハウジング内での読取モジュールの着脱作業を容易にすることができる。
【0016】
請求項2の発明では、支持機構は、スライド部を支持状態に対応する位置と解除状態に対応する位置とのいずれかに移動させる切替手段を備えるため、この切替手段を操作することで、支持機構を支持状態および解除状態のいずれかの状態に容易に切り替えることができる。
【0017】
請求項3の発明では、押圧部は、弾性変形可能な弾性体から構成されているため、支持状態では読取モジュールが押圧部により弾性的に支持されることとなり、支持機構の各部品精度や組付精度を高くすることなく、読取モジュールを確実に支持することができる。
【0018】
請求項4の発明では、支持機構は、読取モジュールを開口部側へ付勢する付勢手段を備えるため、支持機構が支持状態から解除状態になると、読取モジュールが付勢手段により開口部側へ自動的に移動するので、ハウジング内からの読取モジュールの取出作業を容易にすることができる。
【0019】
請求項5の発明では、読取モジュールおよび制御部を電気的に接続するケーブルが、ハウジング内に設けられる引込機構により、当該引込機構の内部に引き込み可能に付勢されかつその内部から引き出し可能に構成されているため、読取モジュールをハウジング内から取り出す場合には引込機構からケーブルが引き出され、読取モジュールをハウジング内に収容する場合には引込機構にケーブルが引き込まれるので、ケーブルが着脱作業の邪魔にならなくなり着脱作業を容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本実施形態に係るバーコードリーダの構成概要を一部断面で示す側面図である。
【図2】本実施形態に係る支持機構の構成を説明するための説明図である。
【図3】支持機構による読取モジュールの着脱工程を説明するための部分断面図であり、図3(A)は支持状態を示し、図3(B)は解除状態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の光学的情報読取装置をバーコードリーダに適用した一実施形態について図を参照して説明する。まず、本実施形態に係るバーコードリーダ10の構成概要を図1および図2に基づいて説明する。図1は、本実施形態に係るバーコードリーダ10の構成概要を一部断面で示す側面図である。図2は、本実施形態に係る支持機構50の構成を説明するための説明図である。
【0022】
図1に示すバーコードリーダ10は、例えば、バーコード等の情報コードを読み取る携帯型のコードリーダとして用いられるもので、主に、ハウジング11と、このハウジング11内に収容される読取モジュール20、制御部30、ケーブル41,42、ケーブル引込機構43、支持機構50および付勢部材70と、を備えている。
【0023】
ハウジング11には、操作者に把持される把持部12とは反対側にLCD等で構成される液晶表示器13が設けられるとともに、この液晶表示器13の近傍に矩形状の開口部14が形成されている。把持部12の表面には、バーコード等の情報コードに対して照射光を照射する際に押圧されるトリガーキーや、情報コードの情報や当該バーコードリーダ10の操作に関する情報を入力可能なファンクションキーやテンキー等、情報を入力する際に操作される複数の情報入力キー15が設けられている。なお、開口部14には、当該開口部14を閉塞するためのゴムチップ等の蓋部材が取り付けられてもよい。
【0024】
読取モジュール20は、開口部14を介してハウジング11内から取り出し可能であって、このようにハウジング11内から取り出した状態またはハウジング11内に収容した状態で情報コードに対する読取機能を発揮可能に構成されている。この読取モジュール20には、ハウジング11内から当該読取モジュール20を取り出す際に把持するためのノブ21が設けられている。また、読取モジュール20は、ハウジング11内に収容されるとき後述する支持状態の支持機構50によりハウジング11内に設けられるシリコンクッション16に押圧されて支持されるように構成されている。このシリコンクッション16は、支持状態の読取モジュール20に対するがたつきを防止する役割を果たすものである。
【0025】
読取モジュール20は、照明光源や受光センサ(図略)等を備えており、ケーブル41,42を介して制御部30に電気的に接続されている。上記照明光源は、制御部30から入力される制御信号に応じて情報コードに向けて照明光を照射するように構成されている。また、上記受光センサは、情報コードからの反射光を受光し、この受光結果に応じた受光データを制御部30に出力するように構成されている。なお、読取モジュール20は、上記受光データを単に制御部30に出力するだけでなく、上記受光データをデコード処理等して制御部30に出力するように構成されてもよい。
【0026】
制御部30は、情報入力キー15の操作等に応じて、読取モジュール20へ制御信号を出力し読取モジュール20からの受光データをデコード処理するための制御回路やメモリ等を備えている。
【0027】
また、ハウジング11内には読取モジュール20や制御部30に対して電源として機能するバッテリ(図略)が設けられており、このバッテリから制御部30に電力が供給されるとともに、制御部30およびケーブル41,42を介して読取モジュール20に電力が供給されるように構成されている。
【0028】
ケーブル引込機構43は、回転自在に支持される巻取軸(図略)と、この巻取軸を巻取回転方向に付勢するぜんまいばね等の巻取用付勢部材(図略)とを備えている。そして、ケーブル41は、一側端にて読取モジュール20に電気的に接続されるとともに、他側端にて巻取軸に巻き取り可能に固定されている。ケーブル41の他側端は、ケーブル引込機構43の導通部(図略)を介してケーブル42の一側端に電気的に接続されており、このケーブル42の他側端は、制御部30に電気的に接続されている。
【0029】
これにより、ケーブル41に対して引き出し方向の引張力が作用しない場合には、巻取用付勢部材により巻取軸が巻取回転方向に回転するように付勢されて、ケーブル41がケーブル引込機構43内に引き込まれる。また、ケーブル41に対して引き出し方向の引張力が作用する場合には、巻取軸が巻取回転方向と反対方向に回転して、ケーブル41がケーブル引込機構43内から引き出される。なお、ケーブル引込機構43は、特許請求の範囲に記載の「引込機構」の一例に相当する。
【0030】
図2に示すように、支持機構50は、ハウジング11に対して長手方向(図2にて左右方向)にスライド(往復動)可能に支持される棒状のスライド部材51と、このスライド部材51をスライドさせる際に操作される操作スイッチ52と、スライド部材51のスライドに応じて各押圧部61が上下動する4つの支持部材60と、を備えている。
【0031】
操作スイッチ52は、その一部が開口部14の下方に設けられる挿通孔17から突出するように配置されている。この操作スイッチ52は、例えば押ボタンスイッチの様に、挿通孔17から突出する部位に対する押圧操作に応じて、挿通孔17内に配置される連結部52aが押圧方向(図2にて左右方向)に2段階に変位するように構成されている。この連結部52aがスライド部材51に連結されることから、操作スイッチ52の押圧操作に応じて、スライド部材51が第1スライド位置と第2スライド位置との間をスライドすることとなる。なお、操作スイッチ52は、特許請求の範囲に記載の「切替手段」の一例に相当する。
【0032】
各支持部材60は、押圧部61、第1固定部62、第2固定部63、第1連結部64および第2連結部65をそれぞれ備えている。押圧部61は、弾性変形可能な円柱状の弾性体から構成されている。なお、押圧部61は、後述するように読取モジュール20を押圧する部位のみ弾性体で構成されてもよい。
【0033】
第1固定部62は、円柱状に形成されており、中央部にて長手方向に直交するように形成される貫通孔にスライド部材51が嵌挿することで当該スライド部材51に固定されている。第2固定部63は、円柱状に形成されており、中央部にて長手方向に直交するように形成される貫通孔にスライド部材51が相対移動可能に挿通している。この第2固定部63は、ハウジング11内に設けられる取付台18を介して当該ハウジング11に固定されている。
【0034】
第1連結部64は、平板状に形成されており、その一側端64aにて第1固定部62に傾動自在に連結されるとともに、その他側端64bにて押圧部61に傾動自在に連結されている。第2連結部65は、平板状に形成されており、その一側端65aにて第2固定部63に傾動自在に連結されるとともに、その他側端65bにて押圧部61に傾動自在に連結されている。
【0035】
これにより、各支持部材60は、スライド部材51が第1スライド位置にスライドするとき、第1固定部62および第2固定部63が近接して、スライド部材51に対する両連結部64,65の傾斜角度が大きくなり、押圧部61が押圧方向(上方向)に移動する。また、各支持部材60は、スライド部材51が第2スライド位置にスライドするとき、第1固定部62および第2固定部63が離間して、スライド部材51に対する両連結部64,65の傾斜角度が小さくなり、押圧部61が反押圧方向(下方向)に移動する。
【0036】
付勢部材70は、例えばばね部材であって、支持機構50により支持される読取モジュール20の反開口部側に近接する内壁19に設けられており、支持状態の読取モジュール20に当接して開口部方向へ付勢する役割を果たすものである。なお、本実施形態では、付勢部材70は、支持機構50の構成部材の一部であるが、支持機構50の構成部材と異なる部材として設けられてもよい。また、付勢部材70は、特許請求の範囲に記載の「付勢手段」の一例に相当する。
【0037】
次に、支持機構50による読取モジュール20の着脱工程について、図3を用いて説明する。図3は、支持機構50による読取モジュール20の着脱工程を説明するための部分断面図であり、図3(A)は支持状態を示し、図3(B)は解除状態を示す。
【0038】
図3(A)に示すように、支持機構50の操作スイッチ52の押圧操作に応じてスライド部材51が第1スライド位置にスライドすると、押圧部61が押圧方向に移動して読取モジュール20の下面が押圧される支持状態となる。このような支持状態となることにより、読取モジュール20はハウジング11内にて押圧部61およびシリコンクッション16に挟持されて収容されることとなる。なお、読取モジュール20は、付勢部材70により開口部方向へ付勢された状態で挟持されている。
【0039】
この状態において、トリガーキーが操作されると、読取モジュール20の照明光源から照明光が開口部14を介して情報コードに向けて照射され、この情報コードからの反射光が開口部14を介して読取モジュール20の受光センサにて受光されて、情報コードに対する読取作業が実施される。
【0040】
このとき、押圧部61は、弾性変形可能な弾性体から構成されているため、この押圧部61により読取モジュール20が弾性的に支持されることとなり、支持機構50の各部品精度や組付精度を高くすることなく、読取モジュール20を確実に支持することができる。また、押圧部61の押圧により読取モジュール20を損傷させることを防止することができる。
【0041】
一方、図3(B)に示すように、操作スイッチ52の押圧操作に応じてスライド部材51が第2スライド位置にスライドすると、押圧部61が反押圧方向に移動して読取モジュール20に対する押圧が解除される解除状態となる。このような解除状態となることにより、読取モジュール20は付勢部材70の付勢力に応じて開口部側に移動するので、ノブ21を把持して読取モジュール20をハウジング11内から開口部14を介して容易に取り出すことができる。そして、このように読取モジュール20をハウジング11内から取り出した状態で、情報コードに対する読取作業を実施することができる。
【0042】
このとき、ケーブル41には読取モジュール20の取り出しに応じた引張力が作用するため、ケーブル41がケーブル引込機構43内から引き出されるので、読取モジュール20と制御部30とのケーブル41,42を介する電気的接続が維持される。
【0043】
そして、開口部14を介して読取モジュール20をハウジング11内に収容した後、操作スイッチ52の押圧操作に応じてスライド部材51を第1スライド位置にスライドさせることにより、再度、読取モジュール20が支持機構50により支持される支持状態になる(図3(A)参照)。
【0044】
このとき、ケーブル41には引張力が作用しないため、ケーブル41がケーブル引込機構43内に引き込まれるので、ケーブル41が読取モジュール20と内壁19との間に噛み込む等して作業の邪魔にならなくなる。
【0045】
以上説明したように、本実施形態に係るバーコードリーダ10では、ハウジング11内に設けられて当該ハウジング11に収容される読取モジュール20を押圧して支持する支持状態とこの押圧が解除される解除状態とを切り替え可能な支持機構50が設けられている。この支持機構50の各支持部材60は、支持状態では、第1固定部62および第2固定部63を近接させる方向にスライド部材51が移動することで押圧部61が押圧方向に移動して読取モジュール20を押圧し、解除状態では、第1固定部62および第2固定部63を離間させる方向にスライド部材51が移動することで押圧部61が反押圧方向に移動して読取モジュール20に対する押圧を解除する。
【0046】
このようにスライド部材51の移動に応じて、支持状態では押圧部61が押圧方向に移動して読取モジュール20が押圧され、解除状態では押圧部61が反押圧方向に移動して読取モジュール20に対する押圧が解除されるため、ハウジング11内での読取モジュール20の着脱作業を容易にすることができる。
【0047】
また、本実施形態に係るバーコードリーダ10では、支持機構50は、スライド部材51を第1スライド位置(支持状態に対応する位置)と第2スライド位置(解除状態に対応する位置)とのいずれかに移動させる操作スイッチ52を備えるため、この操作スイッチ52を操作することで、支持機構50を支持状態および解除状態のいずれかの状態に容易に切り替えることができる。
【0048】
さらに、本実施形態に係るバーコードリーダ10では、押圧部61は、弾性変形可能な弾性体から構成されているため、支持状態では読取モジュール20が押圧部61により弾性的に支持されることとなり、支持機構50の各部品精度や組付精度を高くすることなく、読取モジュール20を確実に支持することができる。
【0049】
また、本実施形態に係るバーコードリーダ10では、支持機構50は、読取モジュール20を開口部側へ付勢する付勢部材70を備えるため、支持機構50が支持状態から解除状態になると、読取モジュール20が付勢部材70により開口部側へ自動的に移動するので、ハウジング11内からの読取モジュール20の取出作業を容易にすることができる。
【0050】
さらに、本実施形態に係るバーコードリーダ10では、読取モジュール20および制御部30を電気的に接続するためのケーブル41が、ハウジング11内に設けられるケーブル引込機構43により、当該ケーブル引込機構43の内部に引き込み可能に付勢されかつその内部から引き出し可能に構成されている。このため、読取モジュール20をハウジング11内から取り出す場合にはケーブル引込機構43からケーブル41が引き出され、読取モジュール20をハウジング11内に収容する場合にはケーブル引込機構43にケーブル41が引き込まれるので、ケーブル41が着脱作業の邪魔にならなくなり着脱作業を容易にすることができる。
【0051】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、以下のように具体化してもよく、その場合でも、上記実施形態と同等の作用・効果が得られる。
(1)支持機構50の支持部材60は、4つ設けられることに限らず、2つまたは3つ設けてもよいし、5つ以上設けてもよい。
【0052】
(2)操作スイッチ52は、押ボタンスイッチの様に構成されることに限らず、スライド部材51のスライド位置を少なくとも2段階(第1スライド位置および第2スライド位置)に切り替え可能な構成であればよい。
【0053】
(3)ケーブル41,42が着脱作業の邪魔にならない場合には、ケーブル引込機構43を採用することなく、1つのケーブルにて読取モジュール20と制御部30とを電気的に接続してもよい。
【0054】
(4)なお、上述した実施形態では、光学的情報読取装置として、バーコードリーダを例示して説明したが、これに限られることはなく、例えば、二次元コードリーダなどのハウジングに対して着脱可能な読取モジュールを備える装置であれば、上述と同様に作用および効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0055】
10…バーコードリーダ(光学的情報読取装置)
11…ハウジング
14…開口部
20…読取モジュール
30…制御部
41,42…ケーブル
43…ケーブル引込機構(引込機構)
50…支持機構
51…スライド部材
52…操作スイッチ(切替手段)
60…支持部材
61…押圧部
62…第1固定部
63…第2固定部
64…第1連結部
65…第2連結部
70…付勢部材(付勢手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報コードを光学的に読み取り可能な読取モジュールと、
開口部が形成されてこの開口部を介して前記読取モジュールを収容可能なハウジングと、
前記ハウジングに設けられて前記読取モジュールを制御可能な制御部と、
前記ハウジング内に設けられて当該ハウジングに収容される前記読取モジュールを押圧して支持する支持状態とこの押圧が解除される解除状態とを切り替え可能な支持機構と、
を備える光学的情報読取装置であって、
前記支持機構は、
前記ハウジングに対して往復動可能に支持されるスライド部材とこのスライド部材の往復動に応じて押圧部が前記読取モジュールを押圧する押圧方向または反押圧方向に移動する複数の支持部材とを備え、
前記支持部材は、
前記スライド部材に固定されて当該スライド部材とともに往復動する第1固定部と、
前記ハウジングに固定される第2固定部と、
前記第1固定部に一側端にて傾動自在に連結される第1連結部と、
前記第2固定部に一側端にて傾動自在に連結される第2連結部と、
を有し、前記第1連結部の他側端および前記第2連結部の他側端の双方が前記押圧部に傾動自在に連結され、
前記支持状態では、前記第1固定部および前記第2固定部を近接させる方向に前記スライド部が移動することで前記押圧部が前記押圧方向に移動して前記読取モジュールを押圧し、
前記解除状態では、前記第1固定部および前記第2固定部を離間させる方向に前記スライド部が移動することで前記押圧部が前記反押圧方向に移動して前記読取モジュールに対する押圧を解除することを特徴とする光学的情報読取装置。
【請求項2】
前記支持機構は、前記スライド部を、前記支持状態に対応する位置と前記解除状態に対応する位置とのいずれかに移動させる切替手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の光学的情報読取装置。
【請求項3】
前記押圧部は、弾性変形可能な弾性体からなることを特徴とする請求項1または2に記載の光学的情報読取装置。
【請求項4】
前記支持機構は、前記読取モジュールを前記開口部側へ付勢する付勢手段を備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の光学的情報読取装置。
【請求項5】
前記読取モジュールおよび前記制御部を電気的に接続するケーブルと、
前記ハウジング内に設けられて前記ケーブルが内部に引き込み可能に付勢されかつ当該内部から引き出し可能な引込機構と、
を備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の光学的情報読取装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−176405(P2010−176405A)
【公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−18467(P2009−18467)
【出願日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【出願人】(501428545)株式会社デンソーウェーブ (1,155)
【Fターム(参考)】